JP2023062897A - コラーゲン産生促進剤、細胞増殖促進剤及びシワ改善剤 - Google Patents

コラーゲン産生促進剤、細胞増殖促進剤及びシワ改善剤 Download PDF

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Abstract

【課題】コラーゲン産生促進作用及び細胞増殖促進作用に優れた新規なシワ改善剤及び皮膚外用剤を提供する。【解決手段】本発明のL-アルギニノコハク酸は、優れたコラーゲン産生促進作用及び細胞増殖促進作用を有していた。よって、コラーゲンの減少及び細胞増殖の低下によって生じる皮膚のシワの改善に有効であり、化粧品、食品、医薬部外品及び医薬品におけるコラーゲン産生促進剤、細胞増殖促進剤、シワ改善剤及びそれらの剤を配合した皮膚外用剤として応用が可能である。【選択図】なし

Description

本発明は、コラーゲン産生促進剤、細胞増殖促進剤及びシワ改善剤に関する。
皮膚は紫外線の他、乾燥、寒冷、熱、薬物等の様々な物理的及び化学的ストレスに日々曝されている。その結果、皮膚の機能低下が引き起こされ、様々な皮膚の老化現象が顕在化する。皮膚の老化現象の一つにシワがある。シワには、表皮性のシワと、真皮性のシワの二種類が存在することが知られている。表皮性のシワは小ジワと呼ばれ、皮膚の乾燥により、表皮角質中の水分量が低下することによって生じるシワである。一方、真皮性のシワは、太陽光線に含まれる紫外線や加齢によって形成されるシワである。その形成メカニズムとしては、紫外線や加齢による真皮線維芽細胞におけるコラーゲン合成能の低下が挙げられる。
これまでに、真皮性のシワを改善することを目的として、エゴマ発酵抽出物を有効成分として配合するコラーゲン産生促進剤(特許文献1)、グルコラファニン又はスルフォラファンを有効成分とするコラーゲン産生促進剤(特許文献2)が報告されている。
表皮では、紫外線、著しい空気の乾燥、過度の皮膚洗浄、喫煙等の外的因子の影響を受けたり、加齢が進んだりすると、表皮細胞の活動や増殖能が低下し、それに伴い表皮のターンオーバー速度が遅延するため、表皮の菲薄化や角質層肥厚などの分化不全が引き起こされる。その結果、皮膚の保湿機能やバリア機能が低下し、シワ、くすみの発生、きめの消失等の変化が生じる。これらの現象の進行を防止あるいは改善するために、表皮細胞の増殖を促進させる成分の探索が多くなされてきた。従来、表皮角化細胞増殖促進作用を有するものとして、タイソウからの抽出物(特許文献3)、土貝母からの抽出物(特許文献4)等が知られている。
本発明で用いられるL-アルギニノコハク酸は、生体の代謝経路の一つである尿素サイクルを構成する代謝中間体で、アルギニノコハク酸シンターゼによりシトルリンとアスパラギン酸との縮合反応によって生成する化合物である。L-アルギニノコハク酸の用途としては、局所適用後に哺乳類の毛髪の成長を増大させ、増進し、又は維持することへのアルギニノコハク酸の使用(特許文献5)が報告されている。しかし、L-アルギニノコハク酸がコラーゲン産生促進剤、細胞増殖促進剤及びシワ改善剤として利用されていることは知られていない。
特開2019-142817号 特開2019-052114号 特開2006-316028号 特開2006-056854号 WO94/009750
コラーゲン産生促進作用、細胞増殖促進作用、シワ改善作用に優れた素材が望まれているが、未だ十分満足し得るものが提供されていないのが現状である。
このような事情により、本発明者らは鋭意検討した結果、アルギニノコハク酸が優れたコラーゲン産生促進作用、細胞増殖促進作用、シワ改善作用を有することを見いだし、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下の通りである。
(1)L-アルギニノコハク酸を含有することを特徴とするコラーゲン産生促進剤。
(2)L-アルギニノコハク酸を含有することを特徴とする細胞増殖促進剤。
(3)L-アルギニノコハク酸を含有することを特徴とするシワ改善剤。
(4)(1)~(3)いずれか一項記載の剤を含有することを特徴とする皮膚外用剤。
本発明に用いるL-アルギニノコハク酸(英名:L-Argininosuccinic acid)は、別名としてL-アルギノコハク酸、N-[[(S)-4-アミノ-4-カルボキシブチル]アミノ(イミノ)メチル]-L-アスパラギン酸である。また、コラーゲン産生促進作用、細胞増殖促進作用、シワ改善作用を損なわないことを条件として、塩又は誘導体を使用してもよい。塩は、金属塩やアミン塩等があり、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、トリエチルアミン塩、ベンジルアミン塩等が挙げられる。好ましくは、ナトリウム塩、リチウム塩がよい。誘導体は、アミノ基かカルボニル基、側鎖いずれかにおいて原子団と共有結合したものを指す。前記原子団は、N-フェニルアセチル基、4,4‘-ジメトキシトリチル基等の保護基、メチルエステル、エチルエステル、脂肪族エステル、芳香族エステル等のエステル基が含まれる。L-アルギニノコハク酸は、市販されている試薬を使用してもよく、合成や生体からの抽出、精製したものが使用できる。
本発明のコラーゲン産生促進剤におけるコラーゲンは、真皮、靱帯、腱、骨、軟骨などを構成するタンパク質のひとつで、細胞外基質(細胞外マトリクス)の主成分である。コラーゲンは機能や構造により型で分類されており、本発明におけるコラーゲンの型は特に限定されないが、好ましくは皮膚に存在するI、III、IV、V、XII及びXIV型のコラーゲンである。さらに好ましくは、皮膚に多く存在するI型及びIII型コラーゲンがよい。
本発明の細胞増殖促進剤における細胞は特に限定されないが、哺乳動物細胞を挙げることができる。哺乳動物細胞とは、ヒト、サル、ウシ、ラットやマウス等の哺乳動物の組織・臓器細胞又はこれら由来の細胞であって、個体の細胞、個体から取り出した初代細胞、又は培養細胞、遺伝子を導入した細胞のいずれでもよい。また細胞の種類も、特に限定されず、外胚葉由来(皮膚表皮、神経など)、内胚葉由来(消化管、臓器組織など)、中胚葉由来(皮膚の真皮、結合組織、心臓・血管、筋肉など)、神経冠由来(末梢神経など)のいずれでもよい。好ましくは、皮膚を構成するケラチノサイト及び線維芽細胞が好ましい。
本発明におけるシワ改善剤は、皮膚におけるコラーゲン産生を促進すること、及び皮膚を構成する細胞の増殖を促進することで皮膚に生じるシワを改善することができるものである。
本発明は、コラーゲン産生促進剤、細胞増殖促進剤及びシワ改善効果を損なわない範囲内で、医薬品、医薬部外品、化粧品及び食品等に用いられる成分である油脂類、ロウ類、炭化水素類、脂肪酸類、アルコール類、エステル類、界面活性剤、金属石鹸、pH調整剤、防腐剤、香料、保湿剤、粉体、紫外線吸収剤、増粘剤、色素、酸化防止剤、美白剤、キレート剤、賦形剤、皮膜剤、甘味料、酸味料等の成分が含有されていてもよい。
本発明は、医薬品、医薬部外品、化粧品、食品のいずれにも用いることができ、その剤形としては、例えば、軟膏、パップ剤、散剤、顆粒剤、錠剤、糖衣錠剤、カプセル剤、シロップ剤、丸剤、懸濁剤、液剤、乳剤、坐剤、注射用溶液、化粧水、クリーム、乳液、ゲル剤、エアゾール剤、エッセンス、パック、洗浄剤、浴用剤、ファンデーション、打粉、口紅、錠菓、カプセル剤、チョコレート、ガム、飴、飲料等が挙げられる。好ましくは、患部における試料局所濃度を高められるため、外用剤の形態がよい。
外用の場合、本発明に用いるL-アルギニノコハク酸の含有量は、固形物に換算して0.0001μM(μmol/L)以上が好ましく、0.003μM~1000mMがより好ましい。さらに、0.03μM~100mMが最も好ましい。0.0001μM未満では十分な効果は望みにくい。1000mMを越えると、効果の増強は認められにくく不経済である。
次に本発明を詳細に説明するため、実施例として本発明に用いるコラーゲン産生促進剤、細胞増殖促進剤及びシワ改善剤の処方例及び実験例を挙げるが、本発明はこれに限定されるものではない。処方例に示す%とは重量%を示す。
(処方例1)ローション
処方 含有量(重量%)
1.L-アルギニノコハク酸 0.1
2.1,3-ブチレングリコール 8.0
3.グリセリン 2.0
4.キサンタンガム 0.02
5.クエン酸 0.01
6.クエン酸ナトリウム 0.1
7.エタノール 5.0
8.パラオキシ安息香酸メチル 0.1
9.ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(40E.O.) 0.1
10.香料 0.1
11.精製水 残量
[製造方法]成分1~6及び11と、成分7~10をそれぞれ均一に溶解した後、両者を混合し濾過しローションを調製する。
(処方例2)クリーム
処方 含有量(重量%)
1.L-アルギニノコハク酸ジナトリウム塩 0.1
2.スクワラン 5.5
3.オリーブ油 3.0
4.ステアリン酸 2.0
5.ミツロウ 2.0
6.ミリスチン酸オクチルドデシル 3.5
7.ポリオキシエチレンセチルエーテル(20E.O.) 3.0
8.ベヘニルアルコール 1.5
9.モノステアリン酸グリセリン 2.5
10.香料 0.1
11.パラオキシ安息香酸メチル 0.2
12.パラオキシ安息香酸エチル 0.05
13.1,3-ブチレングリコール 8.5
14.精製水 残量
[製造方法]成分2~9を加熱溶解して混合し、70℃に保ち油相とする。成分1及び11~14を加熱溶解して混合し、75℃に保ち水相とする。次いで、油相に水相を加えて乳化して、かき混ぜながら冷却し、45℃で成分10を加え、さらに30℃まで冷却して製品とする。
(処方例3)乳液
処方 含有量(重量%)
1.L-アルギニノコハク酸リチウム塩 0.1
2.スクワラン 5.0
3.オリーブ油 5.0
4.ホホバ油 5.0
5.セタノール 1.5
6.モノステアリン酸グリセリン 2.0
7.ポリオキシエチレンセチルエーテル(20E.O.) 3.0
8.ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート(20E.O.) 2.0
9.香料 0.1
10.プロピレングリコール 1.0
11.グリセリン 2.0
12.パラオキシ安息香酸メチル 0.2
13.精製水 残量
[製造方法]成分2~8を加熱溶解して混合し、70℃に保ち油相とする。成分1及び10~13を加熱溶解して混合し、75℃に保ち水相とする。油相に水相を加えて乳化して、かき混ぜながら冷却し、45℃で成分9を加え、さらに30℃まで冷却して製品とする。
(処方例4)ゲル剤
処方 含有量(重量%)
1.L-アルギニノコハク酸 0.1
2.エタノール 5.0
3.パラオキシ安息香酸メチル 0.1
4.ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(60E.O.) 0.1
5.香料 適量
6.1,3-ブチレングリコール 5.0
7.グリセリン 5.0
8.キサンタンガム 0.1
9.カルボキシビニルポリマー 0.2
10.水酸化カリウム 0.2
11.精製水 残量
[製造方法]成分2~5と、成分1及び6~11をそれぞれ均一に溶解し、両者を混合して製品とする。
(処方例5)軟膏
処方 含有量(重量%)
1.L-アルギニノコハク酸ジナトリウム塩 2.0
2.ポリオキシエチレンセチルエーテル(30E.O.) 2.0
3.モノステアリン酸グリセリン 10.0
4.流動パラフィン 5.0
5.セタノール 6.0
6.パラオキシ安息香酸メチル 0.1
7.プロピレングリコール 10.0
8.精製水 残量
[製造方法]成分2~5を加熱溶解して混合し、70℃に保ち油相とする。成分1及び6~8を加熱溶解して混合し、75℃に保ち水相とする。油相に水相を加えて乳化し、かき混ぜながら30℃まで冷却して製品とする。
(処方例6)パック
処方 含有量(重量%)
1.L-アルギニノコハク酸リチウム塩 0.1
2.ポリビニルアルコール 12.0
3.エタノール 5.0
4.1,3-ブチレングリコール 8.0
5.パラオキシ安息香酸メチル 0.2
6.ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(20E.O.) 0.5
7.クエン酸 0.1
8.クエン酸ナトリウム 0.3
9.香料 適量
10.精製水 残量
[製造方法]成分1~10を均一に溶解し製品とする。
(処方例7)ファンデーション
処方 含有量(重量%)
1.L-アルギニノコハク酸 1.0
2.ステアリン酸 2.4
3.ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート(20E.O.) 1.0
4.ポリオキシエチレンセチルエーテル(20E.O.) 2.0
5.セタノール 1.0
6.液状ラノリン 2.0
7.流動パラフィン 3.0
8.ミリスチン酸イソプロピル 6.5
9.パラオキシ安息香酸ブチル 0.1
10.カルボキシメチルセルロースナトリウム 0.1
11.ベントナイト 0.5
12.プロピレングリコール 4.0
13.トリエタノールアミン 1.1
14.パラオキシ安息香酸メチル 0.2
15.二酸化チタン 8.0
16.タルク 4.0
17.ベンガラ 1.0
18.黄酸化鉄 2.0
19.香料 適量
20.精製水 残量
[製造方法]成分2~9を加熱溶解し、80℃に保ち油相とする。成分20に成分10をよく膨潤させ、続いて、成分1及び11~14を加えて均一に混合する。これに粉砕機で粉砕混合した成分15~18を加え、水相とする。水相を80℃に昇温し、油相に水相を徐々に加え乳化する。その後、撹拌しながら冷却し、45℃で成分19を加え、30℃まで冷却して製品とする。
(処方例8)固形石鹸
処方 含有量(重量%)
1.L-アルギニノコハク酸ジナトリウム塩 0.1
2.石鹸素地(*) 80.0
3.グリセリン 10.0
4.ソルビトール 1.0
5.エデト酸 0.1
6.酸化チタン 0.1
7.香料 適量
8.精製水 残量
(*)ラウリン酸ナトリウム、ミリスチン酸ナトリウム、パルミチン酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウムを含む高級脂肪酸ナトリウム混合物
[製造方法]全成分を混合して、ミキサー及びローラーで混練し、プロッダーで圧縮することによって棒状の成型物に型打ちし、次いで、成形物を冷却し、乾燥することによって、製品を得る。
(処方例9)ボディ用洗浄料
処方 含有量(重量%)
1.L-アルギニノコハク酸リチウム塩 0.2
2.ステアリン酸 10.0
3.パルミチン酸 8.0
4.ミリスチン酸 12.0
5.ラウリン酸 4.0
6.オレイルアルコール 1.5
7.精製ラノリン 1.0
8.ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド 1.0
9.グリセリン 10.0
10.水酸化カリウム 6.0
11.香料 適量
12.防腐剤 適量
13.金属イオン封鎖剤 適量
14.精製水 残量
[製造方法]成分2~5を加熱溶解して混合し、70℃に保ち油相とする。成分14の適量に成分10を溶解し、油相に添加しケン化を行う。続いて、成分6~9をケン化物に添加し、室温でさらに成分1、11~13及び残りの成分14を添加する。
(処方例10)浴用剤
処方 含有量(重量%)
1.L-アルギニノコハク酸 5.0
2.炭酸水素ナトリウム 50.0
3.黄色202号 適量
4.香料 適量
5.無水硫酸ナトリウム 残量
[製造方法]成分1~5を均一に混合し製品とする。
(処方例11)錠剤
処方 含有量(重量%)
1.L-アルギニノコハク酸ジナトリウム塩 1.0
2.乾燥コーンスターチ 25.0
3.カルボキシメチルセルロースカルシウム 24.0
4.微結晶セルロース 40.0
5.ポリビニルピロリドン 7.0
6.タルク 3.0
[製造方法]成分1~5を混合し、次いで10%の水を結合剤として加えて、押出し造粒後乾燥する。成形した顆粒に成分6を加えて混合し打錠する。1錠0.52gとする。
(処方例12)飲料
処方 含有量(重量%)
1.L-アルギニノコハク酸リチウム塩 0.1
2.ステビア 0.05
3.リンゴ酸 5.0
4.アスコルビン酸ナトリウム 1.0
5.香料 0.1
6.精製水 残量
[製造方法]成分1~5を成分6の一部の精製水に撹拌溶解する。次いで、成分6の残りの精製水を加えて混合し、90℃に加熱して50mLのガラス瓶に充填する。
次に、本発明の効果を詳細に説明するため、実験例を挙げる。
実験例 コラーゲン産生促進効果の測定
ヒト線維芽細胞をφ60mm dishに播種し、コンフルエントになった後に、終濃度が0.3、3、30、300μMになるように試料を添加した培地で培養した。比較物質として、アルギニン及びコハク酸を同濃度添加した。コントロールは試料未添加の培地を使用した。24時間培養後、総RNAの抽出を行った。細胞からの総RNAの抽出はRNAiso Plus(タカラバイオ)を用いて行い、総RNA量は分光光度計(NanoDrop)を用いて260nmにおける吸光度により求めた。mRNA発現量の測定は、細胞から抽出した総RNAを基にしてリアルタイムRT-PCR法により行った。リアルタイムRT-PCR法には、High Capacity RNA-to-cDNA Kit(アプライドバイオシステムズ)及びSYBR Select Master Mix(ライフテクノロジーズ)を用いた。すなわち、500ngの総RNAを逆転写反応後、PCR反応(95℃:15秒間、60℃:60秒間、40cycles)を行った。その他の操作は定められた方法に従い、collagen(I)及びcollagen(III) mRNAの発現量を、内部標準であるGAPDH mRNAの発現量に対する割合として求めた。コラーゲン産生促進率を、コントロールのcollagen mRNAの発現量に対する試料添加群のcollagen mRNAの発現量の比率として算出した。尚、各遺伝子の発現量の測定に使用したプライマーは次の通りである。
Collagen(I)用のプライマーセット
AGGACAAGAGGCATGTCTGGTT(配列番号1)
TTGCAGTGGTAGGTGATGTTCTG(配列番号2)
Collagen(III)用のプライマーセット
TCCTTGCTGTGGTGGTGTTG(配列番号3)
GGCAAAACCGCCAGCTT(配列番号4)
GAPDH用のプライマーセット
TGCACCACCAACTGCTTAGC(配列番号5)
TCTTCTGGGTGGCAGTGATG(配列番号6)
これらの実験結果を表1に示した。その結果、本発明のL-アルギニノコハク酸には、顕著なcollagen(I)及び(III)発現促進効果が認められた。一方、比較としてアルギニン又はコハク酸を添加した場合は、collagen(I)及び(III)発現は変化しなかった。
Figure 2023062897000001
実験例 細胞増殖促進効果の測定
ヒト線維芽細胞を、0.5%FBSを含むDMEM培養液にて、96wellプレートに1well当たり3×10個播種し、各試料を最終濃度が0.003~300μMとなるように添加した後、37℃、5%CO条件下にて5日間培養した。細胞数の測定は、染色法により行った。即ち、培養終了後、培養液を除き、メタノールを用いて細胞を固定した。続いて、0.1%メチレンブルーを加え、1時間細胞の染色を行った。乾燥させた後、0.1N HClを各wellに100μLずつ加えてよく撹拌させ、マイクロプレートリーダーを用いて650nmにおける吸光度を測定した。細胞増殖率は、コントロール(試料未添加)群の細胞量に対する試料添加群の細胞量の比率として算出した。
これらの実験結果を表2に示した。その結果、本発明のL-アルギニノコハク酸は優れた細胞増殖促進作用を示した。一方、アルギニン又はコハク酸を添加した場合、細胞数は変化しなかった。
Figure 2023062897000002
以上のことから、本発明のL-アルギニノコハク酸は、優れたコラーゲン産生促進作用、細胞増殖促進作用を有していた。よって、コラーゲンの産生を促進すること及び皮膚の細胞の増殖を促進することにより、皮膚のシワ・タルミ等の疾患を抑制することができる。

Claims (4)

  1. L-アルギニノコハク酸を含有することを特徴とするコラーゲン産生促進剤。
  2. L-アルギニノコハク酸を含有することを特徴とする細胞増殖促進剤。
  3. L-アルギニノコハク酸を含有することを特徴とするシワ改善剤。
  4. 請求項1~3いずれか一項記載の剤を含有することを特徴とする皮膚外用剤。

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