JP2023062657A - 車載通信システム及び通信ケーブル - Google Patents

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Kenta Kobayashi
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Kenichiro Iwama
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Abstract

Figure 2023062657000001
【課題】車載されるケーブルの導体間距離を維持しやすくすることを目的とする。
【解決手段】車載通信システム10は、差動信号を送信する送信器21と、前記差動信号を受信する受信器31と、前記送信器21と前記受信器31との間を接続し、前記差動信号を伝送する通信ケーブル40と、を備える。前記通信ケーブル40は、ツイスト線50と、前記ツイスト線50を覆うシースと、前記ツイスト線50と前記シースとの間に設けられるタルク層と、を含む。前記シースは、前記通信ケーブル40の横断面において、第1被覆電線51の導体中心と第2被覆電線52の導体中心とを結んだ直線を挟んで位置する一対のリブを有する。前記タルク層は、前記ツイスト線50の表面に沿って設けられている。
【選択図】図2

Description

本開示は、車載通信システム及び通信ケーブルに関する。
特許文献1は、車両の電装装置間の信号伝送を行う通信装置のインターフェース回路を開示している。特許文献1の通信装置において、インターフェース回路の信号伝送ラインは一対の差動伝送線路によって構成されている。
特開2020-120242号公報
特許文献1において、インターフェース回路の一対の差動伝送線路は、コネクタを介してケーブルと接続されている。当該ケーブルにおいて、導体間距離の維持が望まれている。
そこで、車載されるケーブルの導体間距離を維持しやすくすることを目的とする。
本開示の車載通信システムは、差動信号を送信する送信器と、前記差動信号を受信する受信器と、前記送信器と前記受信器との間を接続し、前記差動信号を伝送する通信ケーブルと、を備え、前記通信ケーブルは、第1被覆電線及び第2被覆電線が撚られたツイスト線と、前記ツイスト線を覆うシースと、前記ツイスト線と前記シースとの間に設けられるタルク層と、を含み、前記シースは、前記第1被覆電線と前記第2被覆電線との周囲を囲う筒状部と、それぞれが前記筒状部から前記第1被覆電線と前記第2被覆電線との間へ前記通信ケーブルの内方に向かって突出しつつ前記通信ケーブルの延在方向に向かって螺旋状に延びる一対のリブとを有し、前記通信ケーブルの横断面において、前記一対のリブは、前記第1被覆電線が配置される第1空間と前記第2被覆電線が配置される第2空間とを区画するように、前記第1被覆電線の導体中心と前記第2被覆電線の導体中心とを結んだ直線を挟んで位置し、前記タルク層は、前記ツイスト線の表面に沿って設けられている、車載通信システムである。
本開示によれば、車載されるケーブルの導体間距離を維持しやすくなる。
図1は実施形態1にかかる車載通信システムを示す概略図である。 図2は実施形態1にかかる車載通信システムを示す概略ブロック図である。 図3は通信ケーブルを示す平面図である。 図4は図3のIV-IV線に沿った断面図である。 図5は通信ケーブルの曲げ区間の一例を示す図である。 図6は通信ケーブルの端部を示す図である。 図7は通信ケーブルの評価結果を示す図である。 図8は通信ケーブルの評価結果を示す図である。 図9はサンプルS8の通信ケーブルを示す断面図である。 図10はサンプルS13の通信ケーブルを示す断面図である。 図11は曲げ状態の特性インピーダンスを測定するときの通信ケーブルの曲げ姿勢を示す図である。
[本開示の実施形態の説明]
最初に本開示の実施態様を列記して説明する。
本開示の車載通信システムは、次の通りである。
(1)差動信号を送信する送信器と、前記差動信号を受信する受信器と、前記送信器と前記受信器との間を接続し、前記差動信号を伝送する通信ケーブルと、を備え、前記通信ケーブルは、第1被覆電線及び第2被覆電線が撚られたツイスト線と、前記ツイスト線を覆うシースと、前記ツイスト線と前記シースとの間に設けられるタルク層と、を含み、前記シースは、前記第1被覆電線と前記第2被覆電線との周囲を囲う筒状部と、それぞれが前記筒状部から前記第1被覆電線と前記第2被覆電線との間へ前記通信ケーブルの内方に向かって突出しつつ前記通信ケーブルの延在方向に向かって螺旋状に延びる一対のリブとを有し、前記通信ケーブルの横断面において、前記一対のリブは、前記第1被覆電線が配置される第1空間と前記第2被覆電線が配置される第2空間とを区画するように、前記第1被覆電線の導体中心と前記第2被覆電線の導体中心とを結んだ直線を挟んで位置し、前記タルク層は、前記ツイスト線の表面に沿って設けられている、車載通信システムである。このように構成された車載通信システムによると、タルク層はツイスト線の表面に沿って設けられるため、各リブが第1被覆電線と第2被覆電線との間に入るのを阻害しない。これにより、一対のリブによって第1被覆電線及び第2被覆電線が通る位置がそれぞれ規制できるので、通信ケーブルにおいて問題となる、ツイスト線の電線同士の相対的な位置関係が変動することに起因するノイズを低減可能である。さらに、タルク層によって通信ケーブルにおけるシースの皮剥が容易である。
(2)(1)の車載通信システムにおいて、前記通信ケーブルの延在方向に沿った一部の区間は、直線状に延在するストレート区間とされ、他の一部の区間は曲がって延在する曲げ区間とされ、前記一対のリブは、前記ストレート区間と前記曲げ区間との両方の区間において、前記第1空間及び前記第2空間を区画していてもよい。これにより、ストレート区間と曲げ区間との両方の区間において、第1被覆電線と第2被覆電線との位置関係を良好に規制できる。
(3)(2)の車載通信システムにおいて、前記第1被覆電線と前記第2被覆電線との導体間距離は、前記ストレート区間でも前記曲げ区間でも一定であってもよい。これにより、通信ケーブルにおいて問題となる、ツイスト線の電線同士の相対的な位置関係が変動することに起因するノイズを低減可能である。
(4)(1)から(3)のいずれか1つの車載通信システムにおいて、前記一対のリブは、前記シースの全長にわたって設けられていてもよい。これにより、シースの全長にわたって、第1被覆電線と第2被覆電線との位置関係を良好に規制できる。
(5)(1)から(4)のいずれか1つの車載通信システムにおいて、前記一対のリブの先端同士が離間しており、前記一対のリブの間で、前記第1空間と前記第2空間とが連通すると共に、前記第1被覆電線の絶縁被覆と前記第2被覆電線の絶縁被覆とが前記タルク層を介さずに直接接触していてもよい。これにより、第1被覆電線と第2被覆電線との導体間距離及び通信ケーブルの直径を小さくできる。
(6)(1)から(5)のいずれか1つの車載通信システムにおいて、前記一対のリブそれぞれの螺旋のピッチは、前記一対のリブが設けられている区間の全長にわたって一定に設定されていてもよい。これにより、一対のリブによって区画される第1空間及び第2空間を通る第1被覆電線及び第2被覆電線のピッチを一定に保ちやすくなる。
(7)(1)から(6)のいずれか1つの車載通信システムにおいて、前記通信ケーブルの延在方向に沿った一端部及び他端部は、前記ツイスト線が前記シースから外に延び出ているシース外区間とされて、前記一端部の前記シース外区間に前記ツイスト線と前記送信器とを接続するための第1コネクタが設けられ、前記他端部の前記シース外区間に前記ツイスト線と前記受信器とを接続するための第2コネクタが設けられていてもよい。これにより、通信ケーブルが、送信器及び受信器のそれぞれに簡易に接続されることができる。
(8)(1)から(7)のいずれか1つの車載通信システムにおいて、前記シースは、前記ツイスト線及び前記タルク層のみを覆ってもよい。これにより、通信ケーブルの構造が簡易なものとなり、コストが低減される。
(9)(1)から(8)のいずれか1つの車載通信システムにおいて、前記タルク層における粉体タルクは、水酸化マグネシウムとケイ酸塩とを含み、前記粉体タルクは白系の色であり、前記シースの色は、前記粉体タルクの色とは異なってもよい。これにより、シースを皮剥ぎした際、皮剥ぎされた部分の色を確認することによって皮剥ぎの完了が識別容易となる。
(10)(1)から(9)のいずれか1つの車載通信システムにおいて、前記タルク層における粉体タルクの平均粒子径は、1μmから20μmであってもよい。これにより、通信ケーブルにおいて、良好な皮剥ぎ性及び良好な特性インピーダンスが得られやすい。
(11)(1)から(10)のいずれか1つの車載通信システムにおいて、以下の特性インピーダンス測定方法:
<特性インピーダンス測定方法>
IEC62153-1-1に規定される測定方法に下記の点を除き、準拠する、
被測定対象サンプルの測定姿勢は、通常の直線状の姿勢に代えて曲げ姿勢とされ、
前記曲げ姿勢は、前記被測定対象サンプルの中間部が曲げ半径20mmで1周曲げられてループが形成され、かつ、前記ループの中が中空である姿勢である;
で測定した曲げ状態における前記通信ケーブルの特性インピーダンスの値は、94Ω以上106Ω以下であるであってもよい。これにより、通信ケーブルが車両において曲がって配置されても、良好な特性インピーダンスが得られやすい。
(12)(1)から(11)のいずれか1つの車載通信システムにおいて、前記通信ケーブルにおいて、ISO19642-2に規定される疲労試験であって、300gの重り、及び直径15mmのマンドレルを用いる疲労試験の後にIEC62153-1-1に準拠する測定方法で測定された特性インピーダンスの値は、94Ω以上106Ω以下であってもよい。車載される通信ケーブルは、振動等により繰り返しの曲げが生じやすい。この場合でも、ISO19642-2に規定される疲労試験であって、重りとして300gを用い、マンドレル径は直径15mmとする疲労試験後の特性インピーダンスの値が、94Ω以上106Ω以下であることによって、経年使用後の通信ケーブルにおいても、良好な特性インピーダンスが得られやすい。
(13)また、本開示の通信ケーブルは、差動信号による車載通信システムに用いられる通信ケーブルであって、第1被覆電線及び第2被覆電線が撚られたツイスト線と、前記ツイスト線を一括して覆うシースと、前記ツイスト線と前記シースとの間に設けられるタルク層と、を備え、前記シースは、前記第1被覆電線と前記第2被覆電線との周囲を囲う筒状部と、それぞれが前記筒状部から前記第1被覆電線と前記第2被覆電線との間へ前記通信ケーブルの内方に向かって突出しつつ前記通信ケーブルの延在方向に向かって螺旋状に延びる一対のリブとを有し、前記通信ケーブルの横断面において、前記一対のリブは、前記第1被覆電線が配置される第1空間と前記第2被覆電線が配置される第2空間とを区画するように、前記第1被覆電線の導体中心と前記第2被覆電線の導体中心とを結んだ直線を挟んで位置し、前記タルク層は、前記ツイスト線の表面に沿って設けられている、通信ケーブルである。これにより、当該通信ケーブルを用いた差動信号による車載通信システムにおいて、ノイズを低減可能である。
[本開示の実施形態の詳細]
本開示の車載通信システムの具体例を、以下に図面を参照しつつ説明する。なお、本開示はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。以下において、JIS、ISO及びIEC等の規格については、特に言及がない場合には、本特許出願の出願時における最新のものが採用されている。
[実施形態1]
以下、実施形態1にかかる車載通信システムについて説明する。図1は実施形態1にかかる車載通信システム10を示す概略図である。図2は実施形態1にかかる車載通信システム10を示す概略ブロック図である。図3は通信ケーブル40を示す平面図である。図4は図3のIV-IV線に沿った断面図である。図5は通信ケーブル40の曲げ区間42を示す図である。図6は通信ケーブル40の端部を示す図である。
車載通信システム10は、送信器21と受信器31と通信ケーブル40とを備える。送信器21は差動信号を送信する。受信器31は差動信号を受信する。送信器21及び受信器31は、車両90において互いに離れた位置に配置される。通信ケーブル40は送信器21と受信器31との間を接続し、差動信号を伝送する。
図2に示す例では、車載通信システム10は第1ECU(電子制御ユニット)20及び第2ECU30を備える。第1ECU20が送信器21を備え、第2ECU30が受信器31を備える。通信ケーブル40は第1ECU20及び第2ECU30の間を接続している。各ECU20、30が送信器21及び受信器31の両方を備え、第1ECU20及び第2ECU30は、通信ケーブル40を介して双方向通信可能に設けられていてもよい。
第1ECU20は、送信器21のほかにパラレルシリアル変換器22及び第1ECU側コネクタ23を備える。第1ECU20の内部又は外部において、第2ECU30に送信されるパラレルデータPTXが生成される。パラレルデータPTXの内容は、特に限定されるものではなく、例えば、画像データ、オーディオデータなどであってもよい。パラレルシリアル変換器22は、パラレルデータPTXをシリアルデータSTXに変換する。第1ECU20は、第1ECU側コネクタ23を介して通信ケーブル40の一端と接続される。送信器21は、通信ケーブル40の一端とカップリングされ、シリアルデータSTXに応じて通信ケーブル40を駆動する。これにより、シリアルデータSTXが、第1ECU20から第2ECU30に送信される。
第2ECU30は、受信器31のほかにシリアルパラレル変換器32及び第2ECU側コネクタ33を備える。第2ECU30は、第2ECU側コネクタ33を介して通信ケーブル40の他端と接続される。受信器31は、通信ケーブル40の他端とカップリングされ、第1ECU20から送信されたシリアルデータSを受信する。シリアルパラレル変換器32は、受信器31が受信したシリアルデータSRXをパラレルデータPRXに変換する。パラレルデータPRXは、図示しない回路ブロックへと供給される。
通信ケーブル40は、送信器21と受信器31との間に、ストレート区間41と曲げ区間42とを有するように配索される。通信ケーブル40の延在方向に沿った一部の区間は、直線状に延在するストレート区間41とされ、他の一部の区間は曲がって延在する曲げ区間42とされる。
ストレート区間41は、送信器21と受信器31との間の一部の区間であって、直線状の経路に沿った区間である。ストレート区間41において、通信ケーブル40が2点を最短経路で延びるように配置されることによって、車両90において、通信ケーブル40のケーブル長が短くなる。
曲げ区間42は、送信器21と受信器31との間の一部の区間であって、曲がった経路に沿った区間である。曲げ区間42において、通信ケーブル40が曲ることによって、通信ケーブル40が車両90において配索されるのに適さない箇所を避けて配索されることができる。車両90において配索されるのに適さない箇所は例えば、障害物のある箇所、室内を横切る箇所、室内に露出する箇所などである。
通信ケーブル40は、ツイスト線50とシース60とタルク層70とを備える。
ツイスト線50は第1被覆電線51及び第2被覆電線52を含む。第1被覆電線51及び第2被覆電線52は撚られている。
シース60はツイスト線50を覆う。ここではシース60は、ツイスト線50及びタルク層70のみを覆う。ツイスト線50及びタルク層70以外にシース60に覆われる部分があってもよい。シース60はツイスト線50及びタルク層70の周囲に軟化した樹脂材料が押出成形されるなどして形成される。シース60の主成分となる樹脂材料は、例えば、ポリプロピレン(PP)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリエチレン(PE)などであってもよい。シース60には、主成分となる樹脂材料のほかに、可塑剤などの添加剤が添加されていてもよい。シース60は筒状部61と一対のリブ64とを有する。
筒状部61は、第1被覆電線51と第2被覆電線52との周囲を囲う。ここでは通信ケーブル40の横断面において、シース60の外形が円形状である。このため、ここでは筒状部61は、円筒状部分62と、内側部分63とを有する。図4に示すように、通信ケーブル40の長手方向に直行する断面が通信ケーブル40の横断面である。
円筒状部分62は、シース60における最も外側の部分を含む厚みが一定の部分である。円筒状部分62の厚みは、第1被覆電線51の中心軸及び第2被覆電線52の中心軸を結ぶ直線(図4の仮想線L)の延びる方向におけるシース60の厚みと同じである。円筒状部分62は、例えば、図4の仮想線Cとシース60外面との間の部分である。
内側部分63は、円筒状部分62から内方に突出する部分である。内側部分63は、円筒状部分62とリブ64との間の部分である。内側部分63は、例えば、図4の仮想線Cと仮想線Tとの間の部分である。仮想線Tは、第1被覆電線51及び第2被覆電線52が互いに向かい合う部分において、第1被覆電線51側のタルク層70と第2被覆電線52側のタルク層70との共通接線となる。
一対のリブ64は、それぞれが筒状部61から第1被覆電線51と第2被覆電線52との間へ通信ケーブル40の内方に向かって突出する。リブ64は、内側部分63から通信ケーブル40の内方に向かって突出する。リブ64は、例えば、図4の仮想線Tよりも通信ケーブル40の内側の部分である。リブ64の先端は、第1被覆電線51及び第2被覆電線52の共通接線よりも内側(仮想線L側)に突出する。リブ64の先端同士の間隔は、被覆電線の直径よりも小さい。
通信ケーブル40の横断面において、一対のリブ64は、第1被覆電線51の導体中心と第2被覆電線52の導体中心とを結んだ直線(仮想線L)を挟んで位置する。一対のリブ64は、筒状部61の内部空間を、第1空間65と第2空間66とを区画する。第1空間65は、第1被覆電線51が配置される空間である。第2空間66は、第2被覆電線52が配置される空間である。一対のリブ64の先端同士が離間している。第1空間65と第2空間66とが連通する。
一対のリブ64は、通信ケーブル40の延在方向に向かって螺旋状に延びる。一対のリブ64それぞれの螺旋のピッチは、一対のリブ64が設けられている区間の全長にわたって一定に設定されている。一対のリブ64は、シース60の全長にわたって設けられている。
一対のリブ64は、ストレート区間41と曲げ区間42との両方の区間において、第1空間65及び第2空間66を区画している。
第1被覆電線51のシース60内での位置及び第2被覆電線52のシース60内での位置は、一対のリブ64によって規制される。第1被覆電線51と第2被覆電線52との導体間距離は、ストレート区間41でも曲げ区間42でも一定である。
シース60は、所定の硬さを有するように形成されてもよい。本実施形態において、シース60の硬さの基準には、ショアA(JIS K6253-3)が用いられている。所定の硬さとは、ショアA40以上100以下を満たす硬さである。シース60の硬さは、ショアA60以上90以下であることが好ましい。
シース60の硬さを変える方法は、如何なる方法であってもよい。例えば、シース60の硬さは、主成分となる樹脂材料の重合度を変えることによって、変更可能である。また例えば、シース60の硬さは、添加剤の配合を変えることによっても変更可能である。
タルク層70はツイスト線50とシース60との間に設けられる。タルク層70は、ツイスト線50の表面に沿って設けられている。通信ケーブル40の横断面において、タルク層70の形状は、ツイスト線50の表面の形状に対応する形状とされる。ここではタルク層70は、ツイスト線50及びシース60の両方に接触する。タルク層70は、ツイスト線50の外面と接触する。タルク層70は、シース60の内面と接触する。
ここでは、タルク層70は、第1被覆電線51と第2被覆電線52との間にはない。第1被覆電線51の絶縁被覆54と第2被覆電線52の絶縁被覆54とは、一対のリブ64の間で、タルク層70を介さずに直接接触している。タルク層70は、第1被覆電線51の表面と第2被覆電線52の表面とのうち、第1被覆電線51と第2被覆電線52との接触部分以外の表面に設けられている。タルク層70の全部が、シース60の内面に沿って設けられる。もっとも、タルク層70は、一部は第1被覆電線51と第2被覆電線52との間にあってもよい。
タルク層70は、例えば、無数の粉体タルクがツイスト線50の表面に付着されて形成される。ツイスト線50の表面へ粉体タルクを付着させる方法は如何なる方法であってもよく、例えば、粉体タルクをツイスト線50に噴霧してもよいし、粉体タルク槽にツイスト線50をくぐらせてもよい。
タルク層70における粉体タルクは、水酸化マグネシウムとケイ酸塩を含んでいる。粉体タルクは白系の色である。シース60の色は、粉体タルクの色とは異なる。なお、粉体タルクは、シース60と同系統の色であってもよく、白系以外の種々の色のものを採用してもよい。粉体タルクは、他の滑剤、例えば液状の滑剤を用いる場合と比べて、通信ケーブル40の通信特性に与える影響を低減できる。
タルク層70における粉体タルクの平均粒子径は、例えば、1μm以上、20μm以下である。タルク層70における粉体タルクの平均粒子径は、2μm以上、12μm以下であってもよい。タルク層70における粉体タルクの平均粒子径は、3μm以上、6μm以下であってもよい。粉体タルクの平均粒子径は、例えば、レーザー光回折散乱方式の粒度分布計を用いて求められる。
通信ケーブル40の延在方向に沿った一端部及び他端部は、ツイスト線50がシース60から外に延び出ているシース外区間43とされている。通信ケーブル40の一端部のシース外区間43に第1コネクタ80が設けられている。第1コネクタ80はツイスト線50と送信器21とを接続する。通信ケーブル40の他端部のシース外区間43に第2コネクタ81が設けられている。第2コネクタ81は、ツイスト線50と受信器31とを接続する。
第1コネクタ80は、一対のコネクタ端子82とコネクタハウジング83とを含む。第2コネクタ81も同様に一対のコネクタ端子82とコネクタハウジング83とを含む。
各コネクタ端子82は、電線接続部と相手側接続部とを有する。一対のコネクタ端子82のうち一方のコネクタ端子82の電線接続部が第1被覆電線51の端部と接続される。一対のコネクタ端子82のうち他方のコネクタ端子82の電線接続部が第2被覆電線52の端部と接続される。コネクタ端子82の電線接続部と電線の芯線53との接続態様は、特に限定されるものではなく、例えば、圧着、圧接、溶接などによって接続されることができる。
コネクタハウジング83は、絶縁性を有する樹脂等によって金型成形される。コネクタハウジング83は一対のコネクタ端子82を収容する。コネクタ端子82に接続される被覆電線の端部もコネクタハウジング83に収容される。コネクタハウジング83は、コネクタ端子82及び電線端部をインサート部品とすることなく、コネクタ端子82及び電線端部とは別に成形された部品であってもよい。コネクタハウジング83のキャビティにコネクタ端子82及び電線端部が挿入されてもよい。コネクタハウジング83は、コネクタ端子82及び電線端部をインサート部品としてインサートモールド成形された部品であってもよい。
通信ケーブル40の通信品質は、例えば、特性インピーダンスに関係する。通信ケーブル40の特性インピーダンスは、通信ケーブル40の状態によって変わり得る。一般的な通信ケーブル40の特性インピーダンスは、通信ケーブル40が曲げられていない状態で測定される。例えば、ストレート状態の通信ケーブル40の特性インピーダンスの測定方法は、IEC62153-1-1に規定される測定方法に準拠とする。
通信ケーブル40において、曲げ状態の特性インピーダンスの測定方法は、上記IEC62153-1-1に規定される測定方法に、下記の点を除き、準拠する。被測定対象サンプルは、通常ストレートで行うところを、中間部を曲げ半径20mmで1周曲げた状態とする。当該1周曲げた状態は、物に巻き付けた状態ではなく、被測定対象サンプルを単独で曲げた状態である。被測定対象サンプルを、物に巻き付けた状態とすると、特性インピーダンスの測定結果に影響を及ぼす可能性があるためである。通信ケーブル40において、上記測定方法によって測定された曲げ状態の特性インピーダンスは、90Ω以上110Ω以下であるとよく、好ましくは94Ω以上106Ω以下であるとよく、より好ましくは97Ω以上103Ω以下であるとよい。
通信ケーブル40において、ISO19642-2に規定される疲労試験であって、重りとして300gを用い、マンドレル径は直径15mmとする疲労試験後の特性インピーダンスの値は、90Ω以上110Ω以下であるとよく、好ましくは94Ω以上106Ω以下であるとよく、より好ましくは97Ω以上103Ω以下であるとよい。
<効果等>
このように構成された車載通信システム10及び通信ケーブル40によると、タルク層70はツイスト線50の表面に沿って設けられるため、各リブ64が第1被覆電線51と第2被覆電線52との間に入るのを阻害しない。これにより、一対のリブ64によって第1被覆電線51及び第2被覆電線52が通る位置がそれぞれ規制できるので、通信ケーブル40において問題となる、ツイスト線50の電線同士の相対的な位置関係が変動することに起因するノイズを低減可能である。さらに、タルク層70によって通信ケーブル40におけるシース60の皮剥が容易である。
また、通信ケーブル40の延在方向に沿った一部の区間は、直線状に延在するストレート区間41とされ、他の一部の区間は曲がって延在する曲げ区間42とされ、一対のリブ64は、ストレート区間41と曲げ区間42との両方の区間において、第1空間65及び第2空間66を区画している。これにより、ストレート区間41と曲げ区間42との両方の区間において、第1被覆電線51と第2被覆電線52との位置関係を良好に規制できる。
また、第1被覆電線51と第2被覆電線52との導体間距離は、ストレート区間41でも曲げ区間42でも一定である。これにより、通信ケーブル40において問題となる、ツイスト線50の電線同士の相対的な位置関係が変動することに起因するノイズを低減可能である。
また、一対のリブ64は、シース60の全長にわたって設けられている。これにより、シース60の全長にわたって、第1被覆電線51と第2被覆電線52との位置関係を良好に規制できる。
また、一対のリブ64の先端同士が離間しており、一対のリブ64の間で、第1空間65と第2空間66とが連通すると共に、第1被覆電線51の絶縁被覆54と第2被覆電線52の絶縁被覆54とがタルク層70を介さずに直接接触している。これにより、第1被覆電線51と第2被覆電線52との導体間距離及び通信ケーブル40の直径を小さくできる。
また、一対のリブ64それぞれの螺旋のピッチは、一対のリブ64が設けられている区間の全長にわたって一定に設定されている。これにより、一対のリブ64によって区画される第1空間65及び第2空間66を通る第1被覆電線51及び第2被覆電線52のピッチを一定に保ちやすくなる。
また、通信ケーブル40の延在方向に沿った一端部及び他端部は、ツイスト線50がシース60から外に延び出ているシース外区間43とされて、一端部のシース外区間43にツイスト線50と送信器21とを接続するための第1コネクタ80が設けられ、他端部のシース外区間43にツイスト線50と受信器31とを接続するための第2コネクタ81が設けられている。これにより、通信ケーブル40が、送信器21及び受信器31のそれぞれに簡易に接続されることができる。
また、シース60は、ツイスト線50及びタルク層70のみを覆う。これにより、通信ケーブル40の構造が簡易なものとなり、コストが低減される。
また、タルク層70における粉体タルクは、水酸化マグネシウムとケイ酸塩を含み、粉体タルクは白系の色であり、シース60の色は、粉体タルクの色とは異なる。これにより、シース60を皮剥ぎした際、皮剥ぎされた部分の色を確認することによって皮剥ぎの完了が識別容易となる。
また、タルク層70における粉体タルクの平均粒子径は、1μmから20μmである。これにより、通信ケーブル40において、良好な皮剥ぎ性及び良好な特性インピーダンスが得られやすい。
また、通信ケーブル40が車両に用いられるにあたり、通信線特性が基準範囲内であることが望まれる。通信線特性は、一般的には、通常状態での特性インピーダンスで評価される。通信ケーブル40が車両に配索されるとき、少なくとも一部の区間が曲がった経路に沿って配置されることもあり得る。このため、曲げ状態での通信特性(特性インピーダンス)が基準範囲内であることも望まれる。通信ケーブル40において、曲げ状態の特性インピーダンスは、上記IEC62153-1-1に規定される測定方法に、下記の点を除き、準拠する測定方法で測定される。被測定対象サンプルの測定姿勢は、通常の直線状の姿勢に代えて曲げ姿勢とされる。当該曲げ姿勢は、被測定対象サンプルの中間部が曲げ半径20mmで1周曲げられてループが形成され、かつ、ループの中が中空である姿勢である。つまり、被測定対象サンプルは、通常ストレートで行うところを、中間部を曲げ半径20mmで1周曲げた状態とする。当該1周曲げた状態は、物に巻き付けた状態ではなく、被測定対象サンプルを単独で曲げた状態である。曲げ状態の特性インピーダンスは、90Ω以上110Ω以下であるとよく、好ましくは94Ω以上106Ω以下であるとよく、より好ましくは97Ω以上103Ω以下であるとよい。これにより、通信ケーブル40が車両90において曲がって配置されても、良好な特性インピーダンスが得られやすい。
また、通信ケーブル40が車両に用いられるにあたり、通信線特性が基準範囲内であることが望まれる。通信線特性は、一般的には、通常状態での特性インピーダンスで評価される。通信ケーブル40が車両に配置されると、振動による繰返し屈曲による劣化が懸念される。このため、繰返し曲げ後の通信特性(特性インピーダンス)が基準範囲内であることも望まれる。通信ケーブル40において、ISO19642-2に規定される疲労試験であって、重りとして300gを用い、マンドレル径は直径15mmとする疲労試験後の特性インピーダンスの値は、90Ω以上110Ω以下であるとよく、好ましくは94Ω以上106Ω以下であるとよく、より好ましくは97Ω以上103Ω以下であるとよい。車両90に配置される通信ケーブル40は、振動等により繰り返しの曲げが生じやすい。この場合でも、上記疲労試験後の特性インピーダンスの値が、90Ω以上110Ω以下、好ましくは94Ω以上106Ω以下、より好ましくは97Ω以上103Ω以下であることによって、経年使用後の通信ケーブル40においても、良好な特性インピーダンスが得られやすい。
[実施例]
本実施例では、通信ケーブル40の構成を変化させたサンプルS1-S13について、曲げ前の特性インピーダンス、曲げ状態での特性インピーダンス、繰返し曲げ後の特性インピーダンス、及び皮剥ぎ性の評価が説明される。評価は、特性インピーダンスの測定試験及び皮剥ぎ試験により導きだされた。
<サンプルについて>
サンプルS1からサンプルS7の通信ケーブルは、いずれもリブ「あり」、シース硬さ「最適」の条件の下、タルク粉体の平均粒子径を1μmから20μmの範囲で変化させたものである。ここでは、シース硬さの「最適」は、ショアA60以上90以下である。具体的には、サンプルS1からサンプルS7の通信ケーブルにおけるタルク粉体の平均粒子径は、それぞれ、「1μm」、「2μm」、「3μm」、「4μm」、「6μm」、「12μm」、「20μm」である。サンプルS1からサンプルS7の通信ケーブルは、タルク粉体の平均粒子径が異なることによって、タルク層の厚みが変わり得る。サンプルS1からサンプルS7の通信ケーブルは、タルク層の厚み以外については、基本的に、図4に示す通信ケーブル40と同様の横断面を有する。
サンプルS8からサンプルS13の通信ケーブルは、サンプルS4の通信ケーブルを基準に、リブの有無、シース硬さ、及びタルク層の有無のいずれかを変化させたものである。
サンプルS8の通信ケーブルは、サンプルS4の通信ケーブルを基準に、サンプルS4の通信ケーブルからリブの有無の条件のみ、リブ「なし」に変化させたものである。サンプルS8の通信ケーブルは、リブ「なし」に変わったことにより、図4に示す通信ケーブル40とは異なる横断面を有する。図9はサンプルS8の通信ケーブル100を示す断面図である。
サンプルS8の通信ケーブル100におけるシース102は、第1被覆電線51及び第2被覆電線52の間に入るリブ64を有していない。図9に示す例では、シース102は、上記シース60の筒状部61に対応する形状とされている。シース102の内面は第1被覆電線51及び第2被覆電線52の共通接線に対応する線に沿っている。シース102の内側に、空いたスペース104が生じている。スペース104は、第1被覆電線51の導体中心及び第2被覆電線52の導体中心を通る線に対して両側に設けられる。スペース104は通信ケーブル100の延在方向に沿って螺旋状に延在する。
サンプルS9からサンプルS12の通信ケーブルは、サンプルS4の通信ケーブルを基準に、サンプルS4の通信ケーブルからシース硬さの条件のみをそれぞれ、「軟」、「やや軟」、「やや硬」、「硬」に変化させたものである。サンプルS9からサンプルS12の通信ケーブルは、図4に示す通信ケーブルと同様の横断面を有する。「軟」は、ショアA40未満の硬さである。「やや軟」は、ショアA50程度、ショアA40以上60未満の硬さである。「やや硬」は、ショアA95程度、ショアA90を超えた硬さであり、かつショアA100以下の硬さである。「硬」は、ショアA100を超えた硬さである。
サンプルS13の通信ケーブルは、サンプルS4の通信ケーブルを基準に、サンプルS4の通信ケーブルからタルク層の条件のみ、タルク層「-(なし)」に変化させたものである。サンプルS13の通信ケーブルは、タルク層「-(なし)」に変わったことにより、図4に示す通信ケーブル40とは異なる横断面を有する。図10はサンプルS13の通信ケーブル200を示す断面図である。
サンプルS13の通信ケーブル200は、タルク層70を備えていない。このため、通信ケーブル200におけるシース202は、図10に示すように、第1被覆電線51の絶縁被覆54及び第2被覆電線52の絶縁被覆54に直接接触する。シース202と絶縁被覆54とが直接接触した部分では、シース202の樹脂と、絶縁被覆54の樹脂とが融着し得る。
<評価記号について>
図7及び図8において、特性インピーダンス評価及び皮剥ぎ性評価の記号「◎」は、評価結果が「最良(Excellent)」であることを意味する。また記号「〇」は、評価結果が「良(Good)」であることを意味する。また記号「△」は、評価結果が「可(Passing)」であることを意味する。一方、記号「×」は、評価結果が「不可(Failing)」であることを意味する。
<特性インピーダンス評価について>
特性インピーダンス評価において、特性インピーダンスが97Ω以上103Ω以下を「◎」とした。また、特性インピーダンスが94Ω以上106Ω以下であって「◎」を満たさないものを「〇」とした。また、特性インピーダンスが90Ω以上110Ω以下であって、「◎」及び「〇」を満たさないものを「△」とした。また、特性インピーダンスが90Ω以上110Ω以下を満たさないものを「×」とした。
<サンプルS1からサンプルS7について>
リブ「あり」、シース硬さ「最適」の条件の下、タルク粉体の平均粒子径を変化させたサンプルS1からサンプルS7について、曲げ前特性インピーダンス評価、曲げた状態特性インピーダンス評価、及び繰返し曲げ後特性インピーダンス評価において、いずれのサンプルも評価は「△」以上であった。また、サンプルS1からサンプルS7の各サンプルに関しては、曲げ前特性インピーダンス評価と、曲げた状態特性インピーダンス評価と、繰返し曲げ後特性インピーダンス評価とにおいて評価に変わりなかった。
サンプルS1からサンプルS7のうちタルク粉体の平均粒子径が「1μm」であるサンプルS1及びタルク粉体の平均粒子径が「20μm」であるサンプルS7の評価が「△」であった。また、タルク粉体の平均粒子径が「2μm」であるサンプルS2及びタルク粉体の平均粒子径が「12μm」であるサンプルS7の評価が「○」であった。また、タルク粉体の平均粒子径が「3μm」から「6μm」であるサンプルS3からサンプルS5の評価が「◎」であった。
<サンプルS8からサンプルS13について>
サンプルS4を基準に、リブの有無、シース硬さ及びタルク層の有無のいずれかの条件を変化させたサンプルS8からサンプルS13について、曲げ前特性インピーダンス評価は、いずれも「◎」であった。サンプルS8からサンプルS13のうちリブ「なし」としたサンプルS8の曲げた状態特性インピーダンス評価は「△」であり、繰返し曲げ後特性インピーダンス評価は「×」であった。サンプルS8からサンプルS13のうちシース硬さを「軟」、「やや硬」としたサンプルS9及びサンプルS11の曲げた状態特性インピーダンス評価及び繰返し曲げ後特性インピーダンス評価はいずれも「○」であった。またシース硬さを「やや軟」としたサンプルS10の曲げた状態特性インピーダンス評価は「◎」であり、繰返し曲げ後特性インピーダンス評価は「○」であった。また、シース硬さを「硬」としたサンプルS12については、曲げたときに絶縁被覆が割れたため、曲げた状態特性インピーダンス評価及び繰返し曲げ後特性インピーダンス評価は、評価不能であった。サンプルS8からサンプルS13のうちタルク層をなしにしたサンプルS13の曲げた状態特性インピーダンス評価及び繰返し曲げ後特性インピーダンス評価は、いずれも「◎」であった。
特性インピーダンス評価に関し、リブがあることによって、曲げた状態及び繰返し曲げ後の特性インピーダンスが改善される効果が見られた。また、タルク層を設ける場合、タルク粉体の平均粒子径が「3μm」から「6μm」の範囲に近づくにつれて、特性インピーダンスが改善される効果が見られた。またシース硬さを最適に近づけることによって曲げた状態及び繰返し曲げ後の特性インピーダンスが改善される効果が見られた。
<皮剥ぎ性評価について>
皮剥ぎ性評価において、皮剥ぎ性が最も良いものを「◎」とした。また、皮剥ぎ性が良いものを「〇」とした。また、皮剥ぎ性が良いものを「△」とした。また、皮剥ぎ性が悪いものを「×」とした。
皮剥ぎ性評価において、タルク層がないサンプルS13の評価が「×」であり、タルク層があるサンプルS1からサンプルS12の評価は「△」以上であった。
タルク粉体の平均粒子径を変化させたサンプルS1からサンプルS7のうちタルク粉体の平均粒子径が「1μm」であるサンプルS1の評価が「△」であった。また、タルク粉体の平均粒子径が「2μm」であるサンプルS2の評価が「○」であった。また、タルク粉体の平均粒子径が「3μm」から「20μm」であるサンプルS3からサンプルS7の評価が「◎」であった。
タルク粉体の平均粒子径及びシース硬さがサンプルS4と同じで、リブのないサンプルS8の評価が「◎」であった。
リブの有無及びタルク粉体の平均粒子径がサンプルS4と同じで、シース硬さがサンプルS4と異なるサンプルS9からサンプルS12の評価が「○」又は「△」であった。
皮剥ぎ性評価に関し、タルク層があることによって皮剥ぎ性が良くなる効果が見られた。またタルク粉体の平均粒子径が大きくなることによって皮剥ぎ性が良くなる効果が見られた。またシース硬さを最適に近づけることによって皮剥ぎ性が良くなる効果が見られた。
[付記]
これまで一対のリブ64の先端同士が離間しており、一対のリブ64の間で、第1空間65と第2空間66とが連通すると共に、第1被覆電線51の絶縁被覆54と第2被覆電線52の絶縁被覆54とがタルク層70を介さずに直接接触しているものとして説明されたが、このことは必須の構成ではない。例えば、第1被覆電線51の絶縁被覆54と第2被覆電線52の絶縁被覆54とがタルク層70を介して接触していてもよい。第1被覆電線51及び第2被覆電線52の少なくとも一方は、全周にわたってタルク層70が設けられていてもよい。
曲げ状態の特性インピーダンスを測定するときの通信ケーブル40の曲げ姿勢について、図11を参照しつつ、より具体的に説明する。図11は、曲げ状態の特性インピーダンスを測定するときの通信ケーブル40の曲げ姿勢を示す図である。かかる曲げ姿勢は、図11に示すように、通信ケーブル40の中間部が1周曲げられてループ44が形成され、かつ、ループ44の中が中空である姿勢である。ループ44は、半径20mmの円形状である。通信ケーブル40のうちループ44を含む区間は、台の上面又は床面などの平坦な水平面LS上に支持されている。ループ44には通信ケーブル40の一部と他の一部とが重なる重なり部分45が設けられる。重なり部分45はループ44をなす区間における中心から一端側に向けて延びる部分と、他端側に向けて延びる部分とが重なる部分である。通信ケーブル40の一部と他の一部とが水平面LS上で重なるように、重なり部分45が設けられる。これにより、ループ44の軸方向が水平面LSに直交する。
ループ44の円形状を保ちやすくするため、通信ケーブル40は、粘着テープTPなどによって水平面LSに固定されていてもよい。水平面LSへの通信ケーブル40の固定部の位置は、ループ44の円形状を保てる位置であればよく、ループ44の位置であってもよいが、好ましくはループ44以外の位置であると良い。ループ44以外の位置としては、ループ44の近傍であってもよく、ループ44から離れた位置であってもよい。例えば、図11に示す例では、固定部が、重なり部分45からループ44の直径程度離れた位置に設けられている。図11に示す例では、ループ44に対する一端側の固定部及び他端側の固定部は、重なり部分45からの距離が同じ位置に設けられているが、重なり部分45からの距離が互いに異なる位置に設けられていてもよい。
ループ44は、例えば、ガイド部材を用いて形成されてもよい。ガイド部材は、半径20mmの円柱状の部材である。ガイド部材は、水平面LSに立設される。通信ケーブル40が当該ガイド部材の周りに巻き付けられてループ44が形成される。通信ケーブル40のうちガイド部材よりも一端側の部分及び他端側の部分が、それぞれ粘着テープTPなどによって水平面LSに固定されることによって、ループ44が保持される。ガイド部材は、ループ44の形成後(粘着テープTPによる固定後)に、水平面LSから取り外されてループ44の中が中空である図11の状態とされる。ガイド部材を用いてループ44が形成されることにより、ループ44の円形状が一定形状となりやすい。
なお、上記各実施形態及び各変形例で説明した各構成は、相互に矛盾しない限り適宜組み合わせることができる。
10 車載通信システム
20 第1ECU
21 送信器
22 パラレルシリアル変換器
23 第1ECU側コネクタ
30 第2ECU
31 受信器
32 シリアルパラレル変換器
33 第2ECU側コネクタ
40 通信ケーブル
41 ストレート区間
42 曲げ区間
43 シース外区間
44 ループ
45 重なり部分
50 ツイスト線
51 第1被覆電線
52 第2被覆電線
53 芯線
54 絶縁被覆
60 シース
61 筒状部
62 円筒状部分
63 内側部分
64 リブ
65 第1空間
66 第2空間
70 タルク層
80 第1コネクタ
81 第2コネクタ
82 コネクタ端子
83 コネクタハウジング
90 車両
100、200 通信ケーブル
102、202 シース
104 スペース
LS 水平面
TP 粘着テープ

Claims (13)

  1. 差動信号を送信する送信器と、
    前記差動信号を受信する受信器と、
    前記送信器と前記受信器との間を接続し、前記差動信号を伝送する通信ケーブルと、
    を備え、
    前記通信ケーブルは、
    第1被覆電線及び第2被覆電線が撚られたツイスト線と、
    前記ツイスト線を覆うシースと、
    前記ツイスト線と前記シースとの間に設けられるタルク層と、
    を含み、
    前記シースは、前記第1被覆電線と前記第2被覆電線との周囲を囲う筒状部と、それぞれが前記筒状部から前記第1被覆電線と前記第2被覆電線との間へ前記通信ケーブルの内方に向かって突出しつつ前記通信ケーブルの延在方向に向かって螺旋状に延びる一対のリブとを有し、
    前記通信ケーブルの横断面において、前記一対のリブは、前記第1被覆電線が配置される第1空間と前記第2被覆電線が配置される第2空間とを区画するように、前記第1被覆電線の導体中心と前記第2被覆電線の導体中心とを結んだ直線を挟んで位置し、
    前記タルク層は、前記ツイスト線の表面に沿って設けられている、車載通信システム。
  2. 請求項1に記載の車載通信システムであって、
    前記通信ケーブルの延在方向に沿った一部の区間は、直線状に延在するストレート区間とされ、他の一部の区間は曲がって延在する曲げ区間とされ、
    前記一対のリブは、前記ストレート区間と前記曲げ区間との両方の区間において、前記第1空間及び前記第2空間を区画している、車載通信システム。
  3. 請求項2に記載の車載通信システムであって、
    前記第1被覆電線と前記第2被覆電線との導体間距離は、前記ストレート区間でも前記曲げ区間でも一定である、車載通信システム。
  4. 請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の車載通信システムであって、
    前記一対のリブは、前記シースの全長にわたって設けられている、車載通信システム。
  5. 請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の車載通信システムであって、
    前記一対のリブの先端同士が離間しており、
    前記一対のリブの間で、前記第1空間と前記第2空間とが連通すると共に、前記第1被覆電線の絶縁被覆と前記第2被覆電線の絶縁被覆とが前記タルク層を介さずに直接接触している、車載通信システム。
  6. 請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の車載通信システムであって、
    前記一対のリブそれぞれの螺旋のピッチは、前記一対のリブが設けられている区間の全長にわたって一定に設定されている、車載通信システム。
  7. 請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の車載通信システムであって、
    前記通信ケーブルの延在方向に沿った一端部及び他端部は、前記ツイスト線が前記シースから外に延び出ているシース外区間とされて、
    前記一端部の前記シース外区間に前記ツイスト線と前記送信器とを接続するための第1コネクタが設けられ、前記他端部の前記シース外区間に前記ツイスト線と前記受信器とを接続するための第2コネクタが設けられている、車載通信システム。
  8. 請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の車載通信システムであって、
    前記シースは、前記ツイスト線及び前記タルク層のみを覆う、車載通信システム。
  9. 請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の車載通信システムであって、
    前記タルク層における粉体タルクは、水酸化マグネシウムとケイ酸塩とを含み、
    前記粉体タルクは白系の色であり、
    前記シースの色は、前記粉体タルクの色とは異なる、車載通信システム。
  10. 請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の車載通信システムであって、
    前記タルク層における粉体タルクの平均粒子径は、1μmから20μmである、車載通信システム。
  11. 請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の車載通信システムであって、
    以下の特性インピーダンス測定方法:
    <特性インピーダンス測定方法>
    IEC62153-1-1に規定される測定方法に下記の点を除き、準拠する、
    被測定対象サンプルの測定姿勢は、通常の直線状の姿勢に代えて曲げ姿勢とされ、
    前記曲げ姿勢は、前記被測定対象サンプルの中間部が曲げ半径20mmで1周曲げられてループが形成され、かつ、前記ループの中が中空である姿勢である;
    で測定した曲げ状態における前記通信ケーブルの特性インピーダンスの値は、94Ω以上106Ω以下である、車載通信システム。
  12. 請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の車載通信システムであって、
    前記通信ケーブルにおいて、ISO19642-2に規定される疲労試験であって、300gの重り、及び直径15mmのマンドレルを用いる疲労試験の後にIEC62153-1-1に準拠する測定方法で測定された特性インピーダンスの値は、94Ω以上106Ω以下である、車載通信システム。
  13. 差動信号による車載通信システムに用いられる通信ケーブルであって、
    第1被覆電線及び第2被覆電線が撚られたツイスト線と、
    前記ツイスト線を一括して覆うシースと、
    前記ツイスト線と前記シースとの間に設けられるタルク層と、
    を備え、
    前記シースは、前記第1被覆電線と前記第2被覆電線との周囲を囲う筒状部と、それぞれが前記筒状部から前記第1被覆電線と前記第2被覆電線との間へ前記通信ケーブルの内方に向かって突出しつつ前記通信ケーブルの延在方向に向かって螺旋状に延びる一対のリブとを有し、
    前記通信ケーブルの横断面において、前記一対のリブは、前記第1被覆電線が配置される第1空間と前記第2被覆電線が配置される第2空間とを区画するように、前記第1被覆電線の導体中心と前記第2被覆電線の導体中心とを結んだ直線を挟んで位置し、
    前記タルク層は、前記ツイスト線の表面に沿って設けられている、通信ケーブル。
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