JP2023062615A - 通信機器用部品 - Google Patents

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美希 徳山
Miki Tokuyama
匡人 倉光
Masato Kuramitsu
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Abstract

【課題】本発明の目的は、低誘電特性、メッキ性及び強度に優れる通信機器用部品を提供することにある。【解決手段】本発明の通信機器用部品は、樹脂組成物を含み、前記樹脂組成物が、樹脂組成物全量100質量部に対して、(a)成分乃至(e)成分を以下の質量割合で含むことを特徴とする。(a)ポリフェニレンエーテル系樹脂:10質量部以上50質量部未満(b)ポリスチレン系樹脂:15質量部以上70質量部未満(c)ポリエチレン系樹脂:1質量部以上25質量部未満(d)熱可塑性エラストマー:1質量部以上25質量部未満(e)金属酸化物:5質量部以上20質量部未満【選択図】なし

Description

本発明は、通信機器用部品に関する。
近年、スマートフォン等の携帯機器の通信アンテナとして、樹脂成形体に直接アンテナを付与するMID(モールドインターコネクトデバイス)技術が用いられている。なかでも、MID技術の中の一種であるLDS(レーザーダイレクトストラクチャリング)技術は、レーザー照射技術を用いて樹脂成形体の表面に簡便に回路を作製できる技術として特に注目されている。これは特定の金属酸化物を予め材料に添加しておき、成形体の回路を作製したい箇所にレーザーを照射することで金属酸化物を活性化させて、その後、金属メッキを行うことでレーザー照射した部分にだけメッキを載せるという技術である。
LDS法に用いる基板材料として、通信効率を低下させないために、基板材料として、特定の構造単位を含む水素化ブロックコポリマーからなる環状ポリオレフィンと、レーザーダイレクトストラクチャリング添加剤を用いる技術が報告されている(特許文献1)。
同じく、LDS法に用いる基板材料として、メッキ性及び低誘電特性を改善するために、特定の構造を有する結晶性環状オレフィン開環重合体水素添加物に対し、ガラスフィラーとスピネル構造を有する金属酸化物等を添加する技術が報告されている(特許文献2)。
特開2021-14549号公報 特許第640260号公報
しかしながら、5G以降の通信規格では通信周波数の高周波化が進み、従来使用されてきた材料よりも更に優れた低誘電特性の材料が求められている。また、低誘電特性だけではなく、良好なメッキ性と強度も併せて要求される。
本発明の目的は、低誘電特性、メッキ性及び強度に優れる通信機器用部品を提供することにある。
本件発明者らは鋭意検討の結果、ポリフェニレンエーテル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂を特定の割合で混合し、更には熱可塑性エラストマーと金属酸化物を特定の割合で含む樹脂組成物を通信機器用部品の素材として選択することで、低誘電特性と良好なメッキ性と高い強度を同時に達成できることを見出し、本件発明に到達した。
すなわち、本発明は以下の通りである。
[1]
樹脂組成物を含む通信機器用部品であって、
前記樹脂組成物が、樹脂組成物全量100質量部に対して、(a)成分乃至(e)成分を以下の質量割合で含むことを特徴とする、通信機器用部品。
(a)ポリフェニレンエーテル系樹脂:10質量部以上50質量部未満
(b)ポリスチレン系樹脂:15質量部以上70質量部未満
(c)ポリエチレン系樹脂:1質量部以上25質量部未満
(d)熱可塑性エラストマー:1質量部以上25質量部未満
(e)金属酸化物:5質量部以上20質量部未満
[2]
前記樹脂組成物が、さらに、樹脂組成物100質量部に対して(f)無機充填剤5質量部以上30質量部未満を含む、[1]に記載の通信機器用部品。
[3]
前記(b)ポリスチレン系樹脂が、アタクチックポリスチレン、ゴム補強されたポリスチレン、及びシンジオタクチックポリスチレンからなる群より選択される少なくとも一種である、[1]又は[2]に記載の通信機器用部品。
[4]
前記(c)ポリエチレン系樹脂が、高密度ポリエチレン樹脂、低密度ポリエチレン樹脂、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂、超低密度ポリエチレン樹脂、及び超高分子量ポリエチレン樹脂からなる群より選択される少なくとも一種である、[1]乃至[3]のいずれかに記載の通信機器用部品。
[5]
前記(d)熱可塑性エラストマーが、芳香族ビニル単量体単位を主体とするブロックを少なくとも1つと共役ジエン単量体単位を主体とするブロックを少なくとも1つとを含むブロック共重合体及び/又は該ブロック共重合体の水素添加物である、[1]乃至[4]のいずれかに記載の通信機器用部品。
[6]
前記(e)金属酸化物が、スピネル構造を有する銅含有金属酸化物及び/又はマンガン含有金属酸化物である、[1]乃至[5]のいずれかに記載の通信機器用部品。
[7]
前記樹脂組成物の測定周波数10GHzにおける誘電率が3以下、かつ誘電正接が0.004以下である、[1]乃至[6]のいずれかに記載の通信機器用部品。
[8]
前記樹脂組成物のISO179規格における23℃で測定したシャルピー衝撃強度が15kJ/m以上である、[1]乃至[7]のいずれかに記載の通信機器用部品。
[9]
無電解銅メッキにより形成された回路を有する、[1]乃至[8]のいずれかに記載の通信機器用部品。
本発明は、低誘電特性、メッキ性及び強度に優れる通信機器用部品を提供することができる。
以下、本発明を実施するための形態(以下、「本実施形態」という。)について、詳細に説明する。以下の本実施形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明は、この本実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明は、その要旨の範囲内で適宜に変形して実施できる。
本実施形態の通信機器用部品は、樹脂組成物を含み、上記樹脂組成物が、樹脂組成物全量100質量部に対して、(a)成分乃至(e)成分を以下の質量割合で含む。
(a)ポリフェニレンエーテル系樹脂 10質量部以上50質量部未満
(b)ポリスチレン系樹脂 15質量部以上70質量部未満
(c)ポリエチレン系樹脂 1質量部以上25質量部未満
(d)熱可塑性エラストマー 1質量部以上25質量部未満
(e)金属酸化物 5質量部以上20質量部未満
<樹脂組成物>
((a)ポリフェニレンエーテル系樹脂)
(a)ポリフェニレンエーテル系樹脂(以下、単に「(a)成分」と称する場合がある)の具体的な例としては、例えば、ポリ(2,6-ジメチル-1,4-フェニレンエーテル)、ポリ(2-メチル-6-エチル-1,4-フェニレンエーテル)、ポリ(2-メチル-6-フェニル-1,4-フェニレンエーテル)、ポリ(2,6-ジクロロ-1,4-フェニレンエーテル)等が挙げられ、さらに2,6-ジメチルフェノールと他のフェノール類との共重合体(例えば、特公昭52-17880号公報に記載されてあるような2,3,6-トリメチルフェノールとの共重合体や2-メチル-6-ブチルフェノールとの共重合体)のごときポリフェニレンエーテル共重合体も挙げられる。
これらの中でも特に好ましいポリフェニレンエーテル系樹脂としては、ポリ(2,6-ジメチル-1,4-フェニレンエーテル)、2,6-ジメチルフェノールと2,3,6-トリメチルフェノールとの共重合体、又はこれらの混合物である。
上記(a)成分としては、例えば、下記式(1)で表される繰り返し単位構造からなるホモ重合体、下記式(1)で表される繰り返し単位構造を有する共重合体が挙げられる。
上記(a)成分は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
Figure 2023062615000001
上記式(1)中、R、R、R、及びRは、各々独立して、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1~7の第1級アルキル基、炭素数1~7の第2級アルキル基、フェニル基、ハロアルキル基、アミノアルキル基、炭化水素オキシ基、及び少なくとも2個の炭素原子がハロゲン原子と酸素原子とを隔てているハロ炭化水素オキシ基からなる群から選択される一価の基である。
(a)ポリフェニレンエーテル系樹脂の製造方法は、公知の方法で得られるものであれば特に限定されるものではなく、例えば、第一銅塩とアミンとのコンプレックスを触媒として用いて、例えば、2,6-キシレノールを酸化重合することによって製造する、米国特許第3306874号明細書に記載される方法や、同第3306875号明細書、同第3257357号明細書、同第3257358号明細書、特開昭50-51197号公報、特公昭52-17880号公報及び同63-152628号公報等に記載された製造方法等が挙げられる。
(a)ポリフェニレンエーテル系樹脂の還元粘度(0.5g/dLクロロホルム溶液、30℃、ウベローデ型粘度管で測定)の好ましい範囲は0.30~0.80dL/g、より好ましくは0.35~0.75dL/g、最も好ましくは0.38~0.55dL/gである。(a)ポリフェニレンエーテル系樹脂の還元粘度がこの範囲にあると、耐衝撃性、耐熱性等の特性に優れ好ましい。
(a)ポリフェニレンエーテル系樹脂においては、2種以上の還元粘度の異なるポリフェニレンエーテルをブレンドしたものであっても、好ましく使用することができる。
上記(a)成分は、上記ホモ重合体及び/又は上記共重合体と、スチレン系モノマー若しくはその誘導体、及び/又はα,β-不飽和カルボン酸若しくはその誘導体と、を反応させることによって得られる変性ポリフェニレンエーテルであってもよい。ここで、上記スチレン系モノマー若しくはその誘導体及び/又はα,β-不飽和カルボン酸若しくはその誘導体のグラフト量又は付加量としては、(a)成分100質量%に対して、0.01~10質量%であることが好ましい。
上記変性ポリフェニレンエーテルの製造方法としては、例えば、ラジカル発生剤の存在下又は非存在下で、溶融状態、溶液状態又はスラリー状態で、80~350℃の温度下で反応させる方法等が挙げられる。
上記ポリフェニレンエーテルとしては、上記ホモ重合体及び/又は上記共重合体と、上記変性ポリフェニレンエーテルとの、任意の割合の混合物を用いてもよい。
(a)ポリフェニレンエーテル系樹脂の安定化の為、公知の各種安定剤も好適に使用することができる。安定剤の例としては、酸化亜鉛、硫化亜鉛等の金属系安定剤、ヒンダードフェノール系安定剤、リン系安定剤、ヒンダードアミン系安定剤等の有機安定剤であり、これらの好ましい配合量は、(a)ポリフェニレンエーテル系樹脂100質量部に対して5質量部未満である。
さらに、(a)ポリフェニレンエーテル系樹脂に添加することが可能な公知の添加剤等も(a)ポリフェニレンエーテル系樹脂100質量部に対して10質量部未満の量で添加しても構わない。
なお、ポリフェニレンエーテル系樹脂に混合する上記安定剤、上記公知の添加剤は、(a)ポリフェニレンエーテル系樹脂以外の成分であり、後述のその他の成分に相当する。
上記樹脂組成物100質量部に対する(a)成分の質量割合は、10質量部以上50質量部未満であり、広い温度環境で誘電正接の低い部材が得られる観点から、17~45質量部であることが好ましく、より好ましくは20~40質量部である。
((b)ポリスチレン系樹脂)
上記ポリスチレン系樹脂としては、アタクチックポリスチレン(GPPS)、ゴム補強されたポリスチレン(ハイインパクトポリスチレン、HIPS)、シンジオタクチックポリスチレン(SPS)、スチレン含有量が50質量%以上のスチレン-アクリロニトリル共重合体(SAN)、及び該スチレン-アクリロニトリル共重合体がゴム補強されたABS樹脂等が挙げられ、アタクチックポリスチレン及び/又はハイインパクトポリスチレンが好ましい。
上記ポリスチレン系樹脂は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記樹脂組成物100質量部に対する(b)ポリスチレン系樹脂の質量割合は、15質量部以上70質量部未満であり、樹脂組成物の耐熱性と誘電正接とのバランスの観点から、17~65質量部であることが好ましく、より好ましくは20~60質量部である。
なお、樹脂組成物100質量部に対する(b)ポリスチレン系樹脂の質量割合は、5~80質量部、10~75質量部、15~70質量部としてもよい。
((c)ポリエチレン系樹脂)
(c)ポリエチレン系樹脂は、エチレンの単独重合体(ホモポリマー)又は共重合体(コポリマー)であり、例えば、超低密度ポリエチレン(VLDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、線状低密度ポリエチレン(L-LDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)等のポリエチレン;エチレン-プロピレン共重合体、エチレン-ブテン共重合体、エチレン-オクテン共重合体等のエチレン-α-オレフィン共重合体;エチレン-エチルアクリレート共重合体、エチレン-ブチルアクリレート共重合体、エチレン-エチルアクリレート-メチルメタクリレート共重合体等のエチレン-(メタ)アクリル酸エステル共重合体;等が挙げられる。
上記ポリエチレン系樹脂は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
中でも、耐衝撃性向上及び誘電特性向上の観点より、高密度ポリエチレンが好ましい。高密度ポリエチレンは結晶性が高く好ましい。
上記樹脂組成物100質量部に対する(c)ポリエチレン系樹脂の質量割合は、1質量部以上25質量部未満であり、耐衝撃性と誘電正接のバランスの観点から、2~20質量部であることが好ましく、より好ましくは3~15質量部である。
なお、樹脂組成物100質量部に対する(c)ポリエチレン系樹脂の質量割合は、1~35質量部、1~30質量部、1~25質量部としてもよい。
((d)熱可塑性エラストマー)
上記樹脂組成物は、(d)熱可塑性エラストマーを含む。(d)熱可塑性エラストマーとは、芳香族ビニル単量体単位を主体とする少なくとも1つの芳香族ビニル重合体ブロックと、共役ジエン単量体単位を主体とする少なくとも1つの共役ジエン重合体ブロックとを含むブロック共重合体及び/又は該ブロック共重合体の水素添加物をいう。上記ブロック共重合体は、非水素化ブロック共重合体であることが好ましい。
なお、上記の芳香族ビニル重合体ブロックに関して「芳香族ビニル単量体単位を主体とする」とは、当該ブロックにおいて、50質量%以上が芳香族ビニル単量体単位であるブロックを指す。より好ましくは芳香族ビニル単量体単位が70質量%以上、さらに好ましくは80質量%以上、最も好ましくは90質量%以上である。
また、上記共役ジエン重合体ブロックの「共役ジエン単量体単位を主体とする」に関しても同様で、50質量%以上が共役ジエン単量体単位であるブロックを指す。より好ましくは共役ジエン単量体単位が70質量%以上、さらに好ましくは80質量%以上、最も好ましくは90質量%以上である。
また、上記の芳香族ビニル重合体ブロックは、例えば、芳香族ビニル重合体ブロック中にランダムに少量の共役ジエン化合物が結合されてなる共重合体ブロックであってもよい。また、上記の共役ジエン重合体ブロックの場合も同様に、例えば、共役ジエン重合体ブロック中にランダムに少量の芳香族ビニル化合物が結合されてなる共重合体ブロックであってもよい。
芳香族ビニル単量体単位を形成するために用いる芳香族ビニル化合物としては、特に制限はなく、例えば、スチレン、α-メチルスチレン、ビニルトルエン等が挙げられ、これらから選ばれた1種以上の化合物が用いられるが、中でもスチレンが特に好ましい。
共役ジエン重合体ブロックを形成するために用いる共役ジエン化合物としては、特に制限はなく、例えば、ブタジエン、イソプレン、ピペリレン、1,3-ペンタジエン等が挙げられ、これらから選ばれた1種以上の化合物が用いられるが、中でもブタジエン、イソプレン及びこれらの組み合わせが好ましい。
上記ブロック共重合体の共役ジエン重合体ブロック部分のミクロ構造は、1,2-ビニル含量又は1,2-ビニル含量と3,4-ビニル含量との合計量(全ビニル結合量)が、5~85%であることが好ましく、10~80%であることがより好ましい。
なお、全ビニル結合量は、赤外分光光度計を用いて測定することができる。
上記ブロック共重合体の水素添加物(水素化ブロック共重合体)の製造に用いる非水素化ブロック共重合体は、芳香族ビニル重合体ブロック(A)と共役ジエン重合体ブロック(B)が、A-B型、A-B-A型、A-B-A-B型から選ばれる結合形式を有するブロック共重合体であることが好ましい。これらの内、異なる結合形式を有するブロック共重合体を組み合わせて用いても構わない。これらの中でもA-B-A型、A-B-A-B型から選ばれる結合形式を有することがより好ましく、A-B-A型の結合形式を有することがさらに好ましい。
(d)成分は、部分的に水素添加されたブロック共重合体(部分水素化ブロック共重合体)であることが好ましい。
部分水素化ブロック共重合体とは、上述の非水素化ブロック共重合体を水素添加処理することにより、共役ジエン重合体ブロックの脂肪族二重結合を、0%超100%未満の範囲で制御したものをいう。該部分水素化ブロック共重合体の好ましい水素添加率は50%以上100%未満であり、より好ましくは80%以上100%未満、最も好ましくは98%以上100%未満である。
(d)成分は、数平均分子量が30,000以上300,000未満であることが好ましい。これがこの範囲にあると、流動性、衝撃強度、及び難燃性に優れた組成物を得ることができる。
(d)成分の数平均分子量の評価方法を以下に示す。すなわち、(d)成分には良溶解性を示し、且つ、(a)ポリフェニレンエーテル系樹脂、(b)ポリスチレン系樹脂、(c)ポリエチレン系樹脂には難溶性を示す溶剤、例えばクロロホルムを用いて(d)成分を分取する。これを、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー測定装置[GPC SYSTEM21:昭和電工(株)製]を用いて、紫外分光検出器[UV-41:昭和電工(株)製]で測定し、標準ポリスチレンで換算して数平均分子量を求める。
なお、測定条件は下記のとおりとしてよい[溶媒:クロロホルム、温度:40℃、カラム:サンプル側(K-G,K-800RL,K-800R)、リファレンス側(K-805L×2本)、流量10mL/分、測定波長:254nm、圧力15~17kg/cm)]。
また、数平均分子量の測定の際、重合時の触媒失活による低分子量成分が検出されることがあるが、その場合は分子量計算に低分子量成分は含めない。当該低分子量成分は、分子量3000以下の成分を指すものとする。通常、計算された正しい分子量分布(重量平均分子量/数平均分子量)は1.0~1.1の範囲内である。
(d)成分としてのこれらブロック共重合体は、本実施形態の趣旨に反しない限り、結合形式の異なるもの、芳香族ビニル化合物種の異なるもの、共役ジエン化合物種の異なるもの、1,2-結合ビニル含有量もしくは1,2-結合ビニル含有量と3,4-結合ビニル含有量の異なるもの、芳香族ビニル化合物成分含有量の異なるもの、水素添加率の異なるもの等の各々について2種以上を混合して用いても構わない。
(d)成分としてのこれらブロック共重合体は、全部又は一部が変性されたブロック共重合体であっても構わない。
ここでいう変性されたブロック共重合体とは、分子構造内に少なくとも1個の炭素-炭素二重結合又は三重結合、及び少なくとも1個のカルボン酸基、酸無水物基、アミノ基、水酸基又はグリシジル基を有する、少なくとも1種の変性化合物で変性されたブロック共重合体を指す。
該変性されたブロック共重合体の製法としては、ラジカル開始剤の存在下又は不存在下で、(1)ブロック共重合体の軟化点温度以上、250℃以下の温度範囲で変性化合物と溶融混練し反応させる方法、(2)ブロック共重合体の軟化点以下の温度で、ブロック共重合体と変性化合物を溶液中で反応させる方法、(3)ブロック共重合体の軟化点以下の温度で、ブロック共重合体と変性化合物を溶融させることなく反応させる方法等が挙げられ、これらいずれの方法でも構わないが、(1)の方法が好ましく、さらには(1)の中でもラジカル開始剤存在下で行う方法が最も好ましい。
ここでいう「分子構造内に少なくとも1個の炭素-炭素二重結合又は三重結合、及び少なくとも1個のカルボン酸基、酸無水物基、アミノ基、水酸基又はグリシジル基を有する少なくとも1種の変性化合物」としては、変性されたポリフェニレンエーテルで述べた変性化合物と同じものが使用できる。
上記樹脂組成物100質量部に対する(d)熱可塑性エラストマーの質量割合は、1質量部以上25質量部未満であり、耐衝撃性と誘電正接のバランスの観点から、2~20質量部であることが好ましく、より好ましくは3~15質量部である。
なお、樹脂組成物100質量部に対する(d)熱可塑性エラストマーの質量割合は、1~35質量部、1~30質量部、1~25質量部としてもよい。
((e)金属酸化物)
金属酸化物(e)は、電磁線照射により単体金属核を形成しうる金属酸化物であり、電磁線を吸収した結果として化学反応において金属を単体形態で遊離させる金属含有化合物である。電磁線を金属含有化合物に直接吸収させずに、吸収したエネルギーをその後金属含有化合物に伝達することによって単体金属を遊離させる他の物質に吸収させることも可能である。電磁線は、重金属核の放出をするためにはレーザー光の電磁線が好ましく、その波長は特表2004-534408号公報段落0017にあるような各種の波長から選択することができる。
金属酸化物(e)としては、銅クロム酸化物(CuCr)等の重金属複合酸化物スピネル;銅水酸化物リン酸塩、リン酸銅、硫酸銅、チオシアン酸銅等の銅塩;アンチモンがドープされた酸化錫等のアンチモン含有酸化錫等が好ましく例示できる。このうち銅クロム酸化物又はアンチモン含有酸化錫がより好ましい。
金属酸化物(e)の平均粒子径は、0.01~50μmであることが好ましく、0.05~30μmであることがより好ましい。このような粒子径とすることにより、メッキを適応した際のメッキ表面状態の均一性が良好になる傾向にある。
金属酸化物(e)の平均粒子径は、レーザー回折式粒度分布計(例えば、島津製作所社製、商品名:SALD-2000)を用い、水中に粒子状無機充填材を分散させ測定解析することが出来る。水への粒子状無機充填材の分散方法は、超音波拡散機および/または、攪拌機を備えた攪拌槽へ水及び粒子状無機充填材を加えることで可能である。この分散液を、ポンプを介してレーザー回折粒度分布計の測定セルへ送液し、レーザー回折により粒子径を測定する。測定によって得られる、粒子径と粒子数の頻度分布より数平均粒子径として計算することが出来る。
上記樹脂脂組成物100質量部に対する(e)金属酸化物の質量割合は、5質量部以上20質量部未満であり、メッキ形成性が高く、誘電率及び誘電正接を低くできる観点から、6~17質量部であることが好ましく、より好ましくは7~15質量部である。
なお、樹脂組成物100質量部に対する(e)金属酸化物の質量割合は、3~25質量部、4~23質量部、5~20質量部としてもよい。
((f)無機充填剤))
本実施形態の熱可塑性樹脂組成物では、上記した成分のほかに、必要に応じて無機充填剤を任意の段階で添加することができる。無機充填剤を入れることで、剛性を向上し、かつ寸法変化が抑えられる。
上記無機充填剤は、上述の成分以外の成分である。
無機充填剤としては、ガラス繊維、チタン酸カリウム繊維、石膏繊維、黄銅繊維、セラミックス繊維、ボロンウィスカ繊維、マイカ、タルク、シリカ、炭酸カルシウム、カオリン、焼成カオリン、ウォラストナイト、ゾノトライト、アパタイト、ガラスビーズ、ガラスフレーク、酸化チタン等の繊維状、粒状、板状、あるいは針状の無機質強化材が挙げられる。これら無機充填剤は2種以上組み合わせて用いることができる。これらの中でより好ましい無機充填剤としては、ガラス繊維、ガラスフレーク、ガラスビーズ、が挙げられる。また、無機充填剤はシランカップリング剤等の表面処理剤を用いて公知の方法で表面処理した物を用いても構わない。ただし、天然鉱石系充填剤は、しばしば鉄元素を微量ながら含有することがあるので、精製して鉄元素を除いたものを選定して用いる必要がある。
上記樹脂組成物100質量部に対する(f)無機充填剤の質量割合は、剛性及び寸法特性が向上し、誘電特性が悪化しにくくなる観点から、5質量部以上30質量部未満であることが好ましく、より好ましくは7~25質量部、さらに好ましくは10~20質量部である。
なお、樹脂組成物100質量部に対する(f)無機充填剤の質量割合は、3~40質量部、4~35質量部、5~30質量部としてもよい
(その他の成分)
上記樹脂組成物は、上述の成分以外に、その他の剤成分として、着色剤、難燃剤、可塑剤(低分子量ポリオレフィン、ポリエチレングリコール、脂肪酸エステル類等)、帯電防止剤、核剤、流動性改良剤、補強剤、各種過酸化物、展着剤、安定剤等の有機安定剤(ヒンダードフェノール系安定剤、リン系安定剤、ヒンダードアミン系等)、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、離型剤、アンチブロッキング剤、エチレンビスステアリン酸アミド等の滑剤、無水マレイン酸等の変性剤等のその他の成分を含んでいてもよい。
その他の成分全体の好ましい添加量としては、樹脂組成物全体を100質量%としたときに、30質量%以下であることが好ましく、25質量%以下であることがより好ましく、20質量%以下であることがさらに好ましい。
上記樹脂組成物は、(a)成分、(b)成分、(c)成分、(d)成分、(e)成分及び任意の(f)成分とその他の成分との合計が100質量%となることが好ましい。
-着色剤-
上記着色剤としては、公知の有機系染顔料、及び無機顔料から選ばれる1種以上の着色剤を使用することができる。
有機染顔料としては、例えば、アゾレーキ顔料、ベンズイミダゾロン顔料、ジアリリド顔料、縮合アゾ顔料等のアゾ系顔料、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、等のフタロシアニン系顔料、イソインドリノン顔料、キノフタロン顔料、キナクリドン顔料、ペリレン顔料、アントラキノン顔料、ペリノン顔料、ジオキサジンバイオレット等の縮合多環系顔料、アジン系顔料、カーボンブラック等が挙げられる。
このうち、カーボンブラックとしては、ジブチルフタレート(DBP)吸収量が250mL/100g未満、好ましくは150mL/100g未満、且つ窒素吸着比表面積900m/g未満、さらに好ましくは400m/g未満であることが好ましい。これらがこの範囲にあると、着色性、機械的強度、難燃性に特に優れた組成物を得ることができる。
ここでいうDBP吸収量、及び窒素吸着比表面積とは、それぞれASTM D2414、JIS K6217に定められた方法で測定した値をいう。
アジン系染料としては、例えばカラーインデックスにおけるソルベントブラック5(C.I.50415、CAS No.11099-03-9)、ソルベントブラック7(C.I.50415:1、CAS No.8005-20-5/101357-15-7)、アシッドブラック2(C.I.50420、CAS No.8005-03-6/68510-98-5)が挙げられる。
無機顔料としては、例えばチタンイエロー、コバルト青、群青等の複合金属酸化物等が挙げられる。
-難燃剤-
上記難燃剤としては、公知の難燃剤及び難燃助剤を1種以上使用することができる。
難燃剤としては、例えば、リン酸エステル、ホスフィン酸塩、水酸化マグネシウム等のアルカリ土類金属水酸化物、水酸化アルミニウム、アルカリ金属水酸化物、ホウ酸亜鉛化合物、スズ酸亜鉛化合物等が挙げられるが、中でもリン酸エステルが好ましい。
リン酸エステル系難燃剤としては、例えば、例えば、トリフェニルホスフェート、トリスノニルフェニルホスフェート、レゾルシノールビス(ジフェニルホスフェート)、レゾルシノールビス[ジ(2,6-ジメチルフェニル)ホスフェート]、2,2-ビス{4-[ビス(フェノキシ)ホスホリルオキシ]フェニル}プロパン、2,2-ビス{4-[ビス(メチルフェノキシ)ホスホリルオキシ]フェニル}プロパン等が挙げられる。
更に上記以外に、例えば、トリメチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリブチルホスフェート、トリオクチルホスフェート、トリブトキシエチルホスフェート、トリクレジルホスフェート、クレジルフェニルホスフェート、オクチルジフェニルホスフェート、ジイソプロピルフェニルホスフェート等のリン酸エステル系難燃剤;ジフェニル-4-ヒドロキシ-2,3,5,6-テトラブロモベンジルホスフォネート、ジメチル-4-ヒドロキシ-3,5-ジブロモベンジルホスフォネート、ジフェニル-4-ヒドロキシ-3,5-ジブロモベンジルホスフォネート、トリス(クロロエチル)ホスフェート、トリス(ジクロロプロピル)ホスフェート、トリス(クロロプロピル)ホスフェート、ビス(2、3-ジブロモプロピル)-2、3-ジクロロプロピルホスフェート、トリス(2,3-ジブロモプロピル)ホスフェート、ビス(クロロプロピル)モノオクチルホスフェートハイドロキノニルジフェニルホスフェート、フェニルノニルフェニルハイドロキノニルホスフェート、フェニルジノニルフェニルホスフェート等のモノリン酸エステル化合物;及び芳香族縮合リン酸エステル化合物等が挙げられる。
これらの中でも、加工時のガス発生が少なく、熱安定性等に優れることから、芳香族縮合リン酸エステル化合物が好ましい。
(樹脂組成物の製造方法)
上記樹脂組成物は、(a)~(e)成分、及び必要に応じて(f)無機充填剤、その他の成分を溶融混練することにより製造することができる。
溶融混練を行う溶融混練機としては、以下に限定されないが、例えば、単軸押出機、二軸押出機を含む多軸押出機、ロール、ニーダー、ブラベンダープラストグラフ、バンバリーミキサー等による加熱溶融混練機が挙げられるが、特に、混練性の観点から、二軸押出機が好ましい。具体的には、WERNER&PFLEIDERER社製のZSKシリーズ、東芝機械(株)製のTEMシリーズ、日本製鋼所(株)製のTEXシリーズ等が挙げられる。
この際の溶融混練温度は、(a)ポリフェニレンエーテル系樹脂、(b)ポリスチレン系樹脂等の非結晶性樹脂のガラス転移温度以上で加熱溶融して無理なく加工できる温度を選ぶことができ、通常200~370℃の中から任意に選ぶことができる。
押出機を用いた好ましい製造方法を以下に述べる。
押出機のL/D(バレル有効長/バレル内径)は、20以上60以下であることが好ましく、より好ましくは30以上50以下である。
樹脂組成物の溶融混練工程における溶融混練温度、スクリュー回転数に関しては、特に限定されないが、結晶性樹脂においてはその結晶性樹脂の融点温度以上、非結晶性樹脂においてはそのガラス転移温度以上で加熱溶融して無理なく加工できる温度を選ぶことができ、通常200~370℃の中から任意に選び、スクリュー回転数を100~1200rpmとする。
さらに、樹脂の酸素存在下における熱履歴による架橋物や炭化物の発生を低減化させる場合、各原材料の押出機への添加経路における個々の工程ラインの酸素濃度を1.0体積%未満に保持することが好ましい。上記添加経路としては、特に限定されないが、具体例としては、ストックタンクから順に、配管、リフィルタンクを保有した重量式フィーダー、配管、供給ホッパー、二軸押出機、といった構成を挙げることができる。上記のような低い酸素濃度を維持するための方法としては、特に限定されないが、気密性を高めた個々の工程ラインに不活性ガスを導入する方法が有効である。通常、窒素ガスを導入して酸素濃度1.0体積%未満に維持することが好ましい。
上述した樹脂組成物の製造方法は、成分中の熱可塑性樹脂がパウダー状(体積平均粒径が10μm未満)の成分を含む場合、上記樹脂組成物を二軸押出機を用いて製造する際に、二軸押出機のスクリューにおける残留物をより低減する効果をもたらし、さらには上述した製造方法で得られた樹脂組成物において、黒点異物や炭化物等の発生を低減化する効果をもたらす。
(樹脂組成物の特性)
上記樹脂組成物の特性について、以下に説明する。
-誘電率、誘電正接-
上記樹脂組成物の測定周波数10GHzにおける誘電率は3以下、かつ誘電正接が0.004以下であることが好ましい。
上記樹脂組成物がさらに(f)無機充填剤を含む場合は、測定周波数10GHzにおける誘電率が3以下、かつ誘電正接が0.005以下であることが好ましい。
誘電率及び誘電正接は、後述の実施例に記載の方法により測定することができる。
-シャルピー強度-
本実施形態における樹脂組成物のシャルピー衝撃強度は、ISO179規格における23℃で測定したシャルピー衝撃強度が15kJ/m以上であることが好ましい。
シャルピー強度は、後述の実施例に記載の方法により測定することができる。
[通信機器用部品]
本実施形態の通信機器用部品は、上記樹脂組成物を含む。
中でも、上記樹脂組成物からなる成形体の表面の一部に金属メッキをした部品が好ましい。この場合、本実施形態の通信機器用部品は、上記樹脂組成物の成形体及びメッキに用いる金属のみからなる。上記通信機器用部品は、無電解銅メッキにより形成された回路を有することが好ましい。例えば、上記樹脂組成物からなる成形体の表面の一部に無電解銅メッキにより形成された回路を有してよい。
本実施形態の通信機器用部品の製造方法としては、例えば、上記樹脂組成物の成形体の表面上にレーザーを照射して(e)金属酸化物を活性化させ、金属酸化物を活性化させた箇所に金属メッキをおこなう方法が挙げられる。
本実施形態の通信機器用部品は、例えば、スマートフォン、携帯ゲーム機器等の携帯通信機器の通信アンテナ、通信基地局等のアンテナ、家電機器、ワイヤレスヘッドフォン、ワイヤレスイヤホン等のブルートゥース、Wi-Fi等通信用アンテナ部品、ドローン等ラジオコントロール機器のアンテナ部品、車両に搭載されるミリ波レーダー、ETC、DCM等通信機器のアンテナ部品、各種産業用センサーのアンテナ部品等に用いることができる。
以下に、実施例及び比較例によって本実施形態をさらに詳細に説明するが、本実施形態はこの実施例に限定されるものではない。
なお、実施例及び比較例に用いた原材料及び評価方法を以下に示す。
[原材料]
(a)ポリフェニレンエーテル系樹脂
(a-1)2,6-キシレノールを酸化重合して得られたポリフェニレンエーテル樹脂
該ポリフェニレンエーテル樹脂の還元粘度(0.5g/dL、クロロホルム溶液、30℃測定)は、0.52dL/gであった。
(a-2)2,6-キシレノールを酸化重合して得られたポリフェニレンエーテル樹脂
該ポリフェニレンエーテル樹脂の還元粘度(0.5g/dL、クロロホルム溶液、30℃測定)は、0.40dL/gであった。
(a-3)2,6-キシレノールを酸化重合して得られたポリフェニレンエーテル樹脂
該ポリフェニレンエーテル樹脂の還元粘度(0.5g/dL、クロロホルム溶液、30℃測定)は、0.32dL/gであった。
(b)ポリスチレン系樹脂
(b-1)ポリスチレン(PSジャパン株式会社製「GPPS685」)
(b-2)ハイインパクトポリスチレン(ペトロケミカルズ株式会社製HIPS「CT-60」)
(c)ポリエチレン系樹脂
(c-1)高密度ポリエチレン樹脂(旭化成株式会社製「サンテック-HD B161」)
(c-1)高密度ポリエチレン樹脂(旭化成株式会社製「サンテック-HD J320」)
(c-1)高密度ポリエチレン樹脂(旭化成株式会社製「クレオレックス T701A」)
(d)熱可塑性エラストマー
(d-1)水添ブロック共重合体(旭化成株式会社製「タフテック H1051」)
(d-2)水添ブロック共重合体(旭化成株式会社製「タフテック H1272」)
(e)金属酸化物
(e-1)銅クロム酸化物(シェファードカラージャパンインク製「LD14」)
(f)無機充填剤
(f-1)ガラス繊維(日本電気硝子社製 ECS03-T249)
(f-2)ガラスフレーク(日本板硝子製 MEG160FY M06)
[評価方法]
実施例及び比較例で行った各評価試験は、以下のようにして行った。
(1)誘電率、誘電正接
得られた樹脂組成物のペレットを、シリンダー温度280~320℃に設定した小型射出成形機(商品名:EC75-SXII、東芝機械社製)に供給し、金型温度80℃、射出圧力100MPa、射出時間15秒、冷却時間20秒の条件で55mm×55mm×0.9mmの平板を作製し下記条件で測定した。
試験片を23℃×50%RHの雰囲気下に24時間以上静置した後、23℃×50%RHの雰囲気下において、ネットワークアナライザー(型式:N5224B、キーサイト・テクノロジー社製)を用いて下記条件で誘電率(Dk)、誘電正接(Df)を測定した。3個の試験片の平均値から誘電率、誘電正接を求め、これらの値が低いほど誘電特性が優れていると判断した。
共振器:スプリットポスト誘電体共振器(型式:N1501AE10、キーサイト・テクノロジー社製)
周波数:10GHz
(2)シャルピー衝撃強度
得られた樹脂組成物のペレットを、シリンダー温度280~320℃に設定した小型射出成形機(商品名:EC75-SXII、東芝機械社製)に供給し、金型温度80℃、射出圧力100MPa、射出時間15秒、冷却時間25秒の条件で評価用ISO-Aダンベルを作製した。また、該ISOダンベルを切削し、シャルピー衝撃測定用テストピースを作製した。
上記シャルピー衝撃測定用テストピースを用いて23℃×50%RH環境下にて衝撃強度(ISO 179)(単位:kJ/m)の測定を行った。値が大きいほど、耐衝撃性に優れていると判定した。
(3)LDSメッキ性
得られた樹脂組成物のペレットを、シリンダー温度280~320℃に設定した小型射出成形機(商品名:EC75-SXII、東芝機械社製)に供給し、金型温度80℃、射出圧力100MPa、射出時間15秒、冷却時間20秒の条件で60mm×60mm×2.0mmの平板を作製した。平板にレーザー照射機(製品名「Micro Line 3D16 0」、LPKF社製)を使用して活性化を行い、その後、無電界銅めっき槽(製品名「MID copper 100B1」、McDermid社製)により、めっき条件57℃/45分にてメッキを付与した。メッキ性能はメッキされた銅の厚みを目視にて、以下の基準で評価判定した。
◎(優れる):銅の色も濃くメッキが厚く乗っている
〇(良好):メッキは乗っているが若干薄い
×(不良):全くメッキが乗らない
[実施例1~9、比較例1~5]
樹脂組成物を表1に示した組成で配合し、二軸押出機ZSK-40(COPERION WERNER&PFLEIDERER社製、ドイツ国)を用いて樹脂組成物の製造を行った。この二軸押出機において、原料の流れ方向に対して上流側に第1原料供給口を設け、これより下流に第1真空ベント、さらにその下流に第2真空ベントを設けた。
上記のように設定した押出機を用い、表1に示す組成で各成分を添加し、押出温度250~320℃、スクリュー回転数300rpm、吐出量100kg/時間の条件にて溶融混練し、ペレットを製造した。
得られた樹脂組成物ペレットを用いて、上述の各評価を行った。評価結果を表1に示す。
Figure 2023062615000002
LDS成形品である本発明の通信機器用部品は、スマートフォン等携帯端末機器、通信基地局等のアンテナ等で好適に使用することができ、産業上の利用可能性を有する。

Claims (9)

  1. 樹脂組成物を含む通信機器用部品であって、
    前記樹脂組成物が、樹脂組成物全量100質量部に対して、(a)成分乃至(e)成分を以下の質量割合で含むことを特徴とする、通信機器用部品。
    (a)ポリフェニレンエーテル系樹脂:10質量部以上50質量部未満
    (b)ポリスチレン系樹脂:15質量部以上70質量部未満
    (c)ポリエチレン系樹脂:1質量部以上25質量部未満
    (d)熱可塑性エラストマー:1質量部以上25質量部未満
    (e)金属酸化物:5質量部以上20質量部未満
  2. 前記樹脂組成物が、さらに、樹脂組成物100質量部に対して(f)無機充填剤5質量部以上30質量部未満を含む、請求項1に記載の通信機器用部品。
  3. 前記(b)ポリスチレン系樹脂が、アタクチックポリスチレン、ゴム補強されたポリスチレン、及びシンジオタクチックポリスチレンからなる群より選択される少なくとも一種である、請求項1又は2に記載の通信機器用部品。
  4. 前記(c)ポリエチレン系樹脂が、高密度ポリエチレン樹脂、低密度ポリエチレン樹脂、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂、超低密度ポリエチレン樹脂、及び超高分子量ポリエチレン樹脂からなる群より選択される少なくとも一種である、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の通信機器用部品。
  5. 前記(d)熱可塑性エラストマーが、芳香族ビニル単量体単位を主体とするブロックを少なくとも1つと共役ジエン単量体単位を主体とするブロックを少なくとも1つとを含むブロック共重合体及び/又は該ブロック共重合体の水素添加物である、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の通信機器用部品。
  6. 前記(e)金属酸化物が、スピネル構造を有する銅含有金属酸化物及び/又はマンガン含有金属酸化物である、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の通信機器用部品。
  7. 前記樹脂組成物の測定周波数10GHzにおける誘電率が3以下、かつ誘電正接が0.004以下である、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の通信機器用部品。
  8. 前記樹脂組成物のISO179規格における23℃で測定したシャルピー衝撃強度が15kJ/m以上である、請求項1乃至7のいずれか一項に記載の通信機器用部品。
  9. 無電解銅メッキにより形成された回路を有する、請求項1乃至8のいずれか一項に記載の通信機器用部品。
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