JP2023062409A - 2種のポリグリセリン脂肪酸エステルとスキンケア有効成分とを含む組成物 - Google Patents

2種のポリグリセリン脂肪酸エステルとスキンケア有効成分とを含む組成物 Download PDF

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【課題】少なくとも2種の異なるタイプのポリグリセリン脂肪酸エステルを含む組成物であって、スキンケア有効成分も含む場合であってもナノ又はマイクロエマルションの形態である、組成物を提供すること。【解決手段】本発明は、(a)少なくとも1種の任意選択の油と、(b)13.0以上、好ましくは13.5以上、より好ましくは14.0以上のHLB値を有する、少なくとも1種の第1のポリグリセリン脂肪酸エステルと、(c)10.0以下、好ましくは9.0以下、より好ましくは8.0以下のHLB値を有する、少なくとも1種の第2のポリグリセリン脂肪酸エステルと、(d)少なくとも1種のスキンケア有効成分と、(e)水とを含む、ナノ又はマイクロエマルションの形態の組成物であって、(b)第1のポリグリセリン脂肪酸エステルの量/(c)第2のポリグリセリン脂肪酸エステルの量の質量比が、3.0以上、好ましくは4.0以上、よりいっそう好ましくは5.0以上であり、(a)油の量/(b)第1のポリグリセリン脂肪酸エステルと(c)第2のポリグリセリン脂肪酸エステルとの総量の質量比が、0.5以下であり、組成物が、0.1質量%以下のアニオン性界面活性剤、好ましくは0.01質量%以下のアニオン性界面活性剤を含む、より好ましくはアニオン性界面活性剤を含まない、組成物に関する。本発明による組成物は、少なくとも2種の異なるタイプのポリグリセリン脂肪酸エステルと少なくとも1種のスキンケア有効成分とを含むにもかかわらず、ナノ又はマイクロエマルションの形態であることができる。【選択図】なし

Description

本発明は、少なくとも2種のポリグリセリン脂肪酸エステルと少なくとも1種のスキンケア有効成分とを含む組成物、好ましくは化粧用組成物又は皮膚科学的組成物に関する。
水中油型(O/W型)エマルション又は油中水型(W/O型)エマルションは、化粧品及び皮膚科学の分野で、特に、乳液、クリーム、トニック、美容液又は化粧水等の化粧料の調製用として、周知である。
特に、O/W型ナノ又はマイクロエマルション等の微細エマルションは、その透明又はやや半透明の外観のために、化粧料において特に魅力的である。
その一方で、ポリグリセリン脂肪酸エステルを含む組成物は、化粧品及び皮膚科学の分野では、公知である。ポリグリセリン脂肪酸エステルは、界面活性剤として機能することができ、そのため、典型的には、水中油型(O/W型)又は油中水型(W/O型)エマルション等のエマルションを調製するために使用されうる。ポリグリセリン脂肪酸エステルは、ポリオキシエチレン系界面活性剤と比較して、環境上の理由、例えば低い環境負荷により好ましい。
WO 2020/110716は、少なくとも2種の異なるタイプのポリグリセリン脂肪酸エステルを含む、ナノ又はマイクロエマルションの形態の組成物を開示している。
WO 2020/110716 EP-A-0 487 404 EP-A-0 425 066 特開平05-213736 EP 0 667 145 EP 1 430 883 WO 02/051 828
Walter Noll著、Chemistry and Technology of Silicones(1968)、Academic Press Cosmetics and Toiletries、Vol. 91、Jan. 76、27~32頁、Todd & Byers、Volatile Silicone Fluids for Cosmetics Meylan及びHowardによる記事:Atom/Fragment contribution method for estimating octanol-water partition coefficients、J. Pharm. Sci.、84: 83-92頁、1995 Exploring QSAR:hydrophobic, electronic and steric constants(ACS professional reference book、1995年) http://esc.syrres.com/interkow/kowdemo.htm Satoshi Tomomasaら、Oil Chemistry、37巻、11号(1988)、48~53頁
しかしながら、WO 2020/110716に開示される組成物は不安定であり、乳酸及びナイアシンアミド等のスキンケア有効成分が組成物に添加されると、もはやナノ又はマイクロエマルションの形態ではいられないことが見出されている。
本発明の目的は、少なくとも2種の異なるタイプのポリグリセリン脂肪酸エステルを含む組成物であって、スキンケア有効成分も含む場合であってもナノ又はマイクロエマルションの形態である、組成物を提供することである。
本発明の上記目的は、
(a)少なくとも1種の任意選択の油と、
(b)13.0以上、好ましくは13.5以上、より好ましくは14.0以上のHLB値を有する、少なくとも1種の第1のポリグリセリン脂肪酸エステルと、
(c)10.0以下、好ましくは9.0以下、より好ましくは8.0以下のHLB値を有する、少なくとも1種の第2のポリグリセリン脂肪酸エステルと、
(d)少なくとも1種のスキンケア有効成分と、
(e)水と
を含む、ナノ又はマイクロエマルションの形態の組成物であって、
(b)第1のポリグリセリン脂肪酸エステルの量/(c)第2のポリグリセリン脂肪酸エステルの量の質量比が、3.0以上、好ましくは4.0以上、よりいっそう好ましくは5.0以上であり、
(a)油の量/(b)第1のポリグリセリン脂肪酸エステルと(c)第2のポリグリセリン脂肪酸エステルとの総量の質量比が、0.5以下であり、
組成物が、0.1質量%以下のアニオン性界面活性剤、好ましくは0.01質量%以下のアニオン性界面活性剤を含む、より好ましくはアニオン性界面活性剤を含まない、
組成物によって達成することができる。
本発明による組成物は、300NTU以下、好ましくは200NTU以下、より好ましくは100NTU以下の濁度を有しうる。
(a)油は極性油から選択されうる。
本発明による組成物中の(a)油は、組成物の総質量に対して、10質量%以下、好ましくは5質量%以下、より好ましくは1質量%以下の範囲であってもよい。
(b)第1のポリグリセリン脂肪酸エステルは、2~4個のグリセロール単位、好ましくは3又は4個のグリセロール単位、より好ましくは4個のグリセロール単位を含んでもよい。
(b)第1のポリグリセリン脂肪酸エステルの脂肪酸部分は、12個以下の炭素原子、好ましくは11個以下の炭素原子、より好ましくは10個以下の炭素原子を含んでもよい。
(c)第2のポリグリセリン脂肪酸エステルは、2~4個のグリセロール単位、好ましくは2又は3個のグリセロール単位、より好ましくは2個のグリセロール単位を含んでもよい。
(c)第2のポリグリセリン脂肪酸エステルの脂肪酸部分は、14個以上の炭素原子、好ましくは16個以上の炭素原子、より好ましくは18個以上の炭素原子を含んでもよい。
(b)第1のポリグリセリン脂肪酸エステルと(c)第2のポリグリセリン脂肪酸エステルとの総量は、組成物の0.05質量%以上、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは1質量%以上であってもよい。
(d)スキンケア有効成分は、乳酸、ナイアシンアミド、及びこれらの混合物からなる群から選択されうる。
(d)スキンケア有効成分の量は、組成物の総質量に対して、0.01質量%~25質量%、好ましくは0.05質量%~20質量%、より好ましくは0.1質量%~15質量%であってもよい。
組成物のpHは、3.5~9.0、好ましくは4.0~8.0、より好ましくは4.5~7.0、よりいっそう好ましくは4.0~6.0でありうる。
本発明による組成物は、ナノ又はマイクロO/Wエマルションの形態であってもよい。(a)油の粒径は、300nm以下、好ましくは200nm以下、より好ましくは100nm以下であってもよい。
本発明はまた、ケラチン物質を処置するための美容方法であって、本発明による組成物を塗布する工程を含む、美容方法にも関する。
鋭意検討の結果、本発明者は、少なくとも2種の異なるタイプのポリグリセリン脂肪酸エステルを含む組成物であって、スキンケア有効成分も含む場合であってもナノ又はマイクロエマルションの形態である、組成物を提供することが可能であることを発見した。
本発明による組成物は、少なくとも2種のポリグリセリン脂肪酸エステルと少なくとも1種のスキンケア有効成分とを含むにもかかわらず、ナノ又はマイクロエマルションの形態であることができる。
本発明による組成物の特性の1つは、
より高いHLB値を有する、少なくとも1種の第1のポリグリセリン脂肪酸エステルと、
より低いHLB値を有する、少なくとも1種の第2のポリグリセリン脂肪酸エステルと
の組合せである。
第1のポリグリセリン脂肪酸エステルのHLB値が、より高いHLBの数値範囲に属してもよく、第2のポリグリセリン脂肪酸エステルのHLB値が、より低いHLBの数値範囲に属してもよいが、より高いHLBの数値範囲とより低いHLBの数値範囲とは互いに重複しない。
本発明による組成物の別の特性は、その中に、第1及び第2のポリグリセリン脂肪酸エステルの上記組合せとともに、少なくとも1種のスキンケア有効成分が存在することである。本発明による組成物は、スキンケア有効成分を含むが、安定であることができ、ナノ又はマイクロエマルションの形態を維持することができる。
本発明の態様の1つは、
(a)少なくとも1種の任意選択の油と、
(b)13.0以上、好ましくは13.5以上、より好ましくは14.0以上のHLB値を有する、少なくとも1種の第1のポリグリセリン脂肪酸エステルと、
(c)10.0以下、好ましくは9.0以下、より好ましくは8.0以下のHLB値を有する、少なくとも1種の第2のポリグリセリン脂肪酸エステルと、
(d)少なくとも1種のスキンケア有効成分と、
(e)水と
を含む、ナノ又はマイクロエマルションの形態の組成物であって、
(b)第1のポリグリセリン脂肪酸エステルの量/(c)第2のポリグリセリン脂肪酸エステルの量の質量比が、3.0以上、好ましくは4.0以上、よりいっそう好ましくは5.0以上であり、
(a)油の量/(b)第1のポリグリセリン脂肪酸エステルと(c)第2のポリグリセリン脂肪酸エステルとの総量の質量比が、0.5以下であり、
組成物が、0.1質量%以下のアニオン性界面活性剤、好ましくは0.01質量%以下のアニオン性界面活性剤を含む、より好ましくはアニオン性界面活性剤を含まない、組成物に関する。
本発明による組成物は、300NTU以下、好ましくは200NTU以下、より好ましくは100NTU以下の濁度を有することができるため、透明又は半透明でありうる。
本発明による組成物は、ホモジナイザーが必要とするような大量のエネルギーを用いずに調製することができる。したがって、本発明による組成物は、少量のエネルギーを使用すること、例えば組成物の成分を穏やかに撹拌することによって、調製することができる。そのため、本発明による組成物は、その調製手法の観点から、環境に優しい。
以下に、本発明による組成物を、より詳細に説明する。
[油]
本発明の組成物は、(a)少なくとも1種の任意選択の油を含む。2種以上の油が使用される場合、これらは同じであっても、異なってもよい。
ここでは、「油」は、大気圧(760mmHg)下、室温(25℃)において、液体又はペースト(非固体)の形態の脂肪化合物又は脂肪物質を意味する。油として、化粧品において一般に使用されるものを、単独で、又はそれらの組合せで使用することができる。これらの油は、揮発性であっても、不揮発性であってもよい。
(a)油は、炭化水素油、若しくはシリコーン油等の非極性油;植物油若しくは動物油、及びエステル油若しくはエーテル油等の極性油;又はこれらの混合物であってもよい。
(a)油は、植物又は動物起源の油、合成油、シリコーン油、炭化水素油、及び脂肪族アルコールからなる群から選択されうる。
植物油の例として、例えば、アマニ油、カメリア油、マカデミアナッツ油、コーン油、ミンク油、オリーブ油、アボカド油、サザンカ油、ヒマシ油、ベニバナ油、ホホバ油、ヒマワリ油、アーモンド油、ナタネ油、ゴマ油、ダイズ油、ピーナッツ油、及びこれらの混合物を挙げることができる。
動物油の例として、例えば、スクアレン及びスクアランを挙げることができる。
合成油の例として、アルカン油、例えば、イソドデカン及びイソヘキサデカン、エステル油、エーテル油、並びに人工トリグリセリドを挙げることができる。
エステル油は、好ましくは、飽和又は不飽和の直鎖状又は分枝状C1~C26脂肪族一酸又は多酸と、飽和又は不飽和の直鎖状又は分枝状C1~C26脂肪族一価アルコール又は多価アルコールとの液状エステルであり、エステルの炭素原子の総数は10以上である。
好ましくは、一価アルコールのエステルの場合、本発明のエステルが誘導されるアルコール及び酸のうち、少なくとも1種は分枝状である。
一酸と一価アルコールとのモノエステルの中でも、パルミチン酸エチル、パルミチン酸エチルヘキシル、パルミチン酸イソプロピル、炭酸ジカプリリル、ミリスチン酸アルキル、例えばミリスチン酸イソプロピル又はミリスチン酸エチル、ステアリン酸イソセチル、イソノナン酸2-エチルヘキシル、イソノナン酸イソノニル、ネオペンタン酸イソデシル、及びネオペンタン酸イソステアリルを挙げることができる。
C4~C22ジカルボン酸又はトリカルボン酸とC1~C22アルコールとのエステル、並びにモノカルボン酸、ジカルボン酸、又はトリカルボン酸と、非糖C4~C26ジヒドロキシ、トリヒドロキシ、テトラヒドロキシ、又はペンタヒドロキシアルコールとのエステルも使用されうる。
とりわけ、以下を挙げることができる:セバシン酸ジエチル、ラウロイルサルコシンイソプロピル、セバシン酸ジイソプロピル、セバシン酸ビス(2-エチルヘキシル)、アジピン酸ジイソプロピル、アジピン酸ジ-n-プロピル、アジピン酸ジオクチル、アジピン酸ビス(2-エチルヘキシル)、アジピン酸ジイソステアリル、マレイン酸ビス(2-エチルヘキシル)、クエン酸トリイソプロピル、クエン酸トリイソセチル、クエン酸トリイソステアリル、トリ乳酸グリセリル、トリオクタン酸グリセリル、クエン酸トリオクチルドデシル、クエン酸トリオレイル、ジヘプタン酸ネオペンチルグリコール、ジイソノナン酸ジエチレングリコール。
エステル油として、C6~C30、好ましくはC12~C22脂肪酸の糖エステル及びジエステルを使用することができる。「糖」という用語は、いくつかのアルコール官能基を含有し、アルデヒド又はケトン官能基を有し又は有せず、且つ少なくとも4個の炭素原子を含む、酸素を保持する炭化水素系化合物を意味することを想起されたい。これらの糖は、単糖、オリゴ糖、又は多糖であってもよい。
挙げることができる好適な糖の例には、スクロース(又はショ糖)、グルコース、ガラクトース、リボース、フコース、マルトース、フルクトース、マンノース、アラビノース、キシロース及びラクトース、並びにこれらの誘導体、とりわけアルキル誘導体、例えばメチル誘導体、例としてはメチルグルコースが含まれる。
脂肪酸の糖エステルは、とりわけ、前述の糖と、直鎖状若しくは分枝状の飽和若しくは不飽和C6~C30、好ましくはC12~C22脂肪酸とのエステル又はエステルの混合物を含む群から選択されうる。これらの化合物は、不飽和である場合、1~3つの共役又は非共役の炭素-炭素二重結合を有しうる。
この変形形態によるエステルはまた、モノエステル、ジエステル、トリエステル、テトラエステル、及びポリエステル、並びにこれらの混合物からも選択されうる。
これらのエステルは、例えば、オレイン酸エステル、ラウリン酸エステル、パルミチン酸エステル、ミリスチン酸エステル、ベヘン酸エステル、ヤシ脂肪酸エステル、ステアリン酸エステル、リノール酸エステル、リノレン酸エステル、カプリン酸エステル、及びアラキドン酸エステル、又はこれらの混合物、例えばとりわけ、オレオパルミチン酸、オレオステアリン酸、及びパルミトステアリン酸の混合エステル、並びにテトラエチルヘキサン酸ペンタエリスリチルであってもよい。
より詳細には、モノエステル及びジエステル、とりわけスクロース、グルコース、又はメチルグルコースのモノオレイン酸エステル又はジオレイン酸エステル、ステアリン酸エステル、ベヘン酸エステル、オレオパルミチン酸エステル、リノール酸エステル、リノレン酸エステル、及びオレオステアリン酸エステルが使用される。
挙げることができる例は、ジオレイン酸メチルグルコースである、Amerchol社により名称Glucate(登録商標) DOで販売されている製品である。
好ましいエステル油の例として、例えば、アジピン酸ジイソプロピル、アジピン酸ジオクチル、ヘキサン酸2-エチルヘキシル、ラウリン酸エチル、オクタン酸セチル、オクタン酸オクチルドデシル、ネオペンタン酸イソデシル、プロピオン酸ミリスチル、2-エチルヘキサン酸2-エチルヘキシル、オクタン酸2-エチルヘキシル、カプリル酸/カプリン酸2-エチルヘキシル、パルミチン酸メチル、パルミチン酸エチル、パルミチン酸イソプロピル、炭酸ジカプリリル、ラウロイルサルコシンイソプロピル、イソノナン酸イソノニル、パルミチン酸エチルヘキシル、ラウリン酸イソヘキシル、ラウリン酸ヘキシル、ステアリン酸イソセチル、イソステアリン酸イソプロピル、ミリスチン酸イソプロピル、オレイン酸イソデシル、トリ(2-エチルヘキサン酸)グリセリル、テトラ(2-エチルヘキサン酸)ペンタエリスリチル、コハク酸2-エチルヘキシル、セバシン酸ジエチル、及びこれらの混合物を挙げることができる。
人工トリグリセリドの例として、例えば、カプリルカプリリルグリセリド、トリミリスチン酸グリセリル、トリパルミチン酸グリセリル、トリリノレン酸グリセリル、トリラウリン酸グリセリル、トリカプリン酸グリセリル、トリカプリル酸グリセリル、トリ(カプリン酸/カプリル酸)グリセリル、及びトリ(カプリン酸/カプリル酸/リノレン酸)グリセリルを挙げることができる。
シリコーン油の例として、例えば、直鎖状オルガノポリシロキサン、例えば、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、及びメチルハイドロジェンポリシロキサン等、環状オルガノポリシロキサン、例えば、シクロヘキサシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、及びドデカメチルシクロヘキサシロキサン等、並びにこれらの混合物を挙げることができる。
好ましくは、シリコーン油は、液状ポリジアルキルシロキサン、とりわけ、液状ポリジメチルシロキサン(PDMS)、及び少なくとも1つのアリール基を含む液状ポリオルガノシロキサンから選択される。
これらのシリコーン油はまた、有機変性されていてもよい。本発明に従って使用することができる有機変性シリコーンは、上に定義したシリコーン油であり、構造中に、炭化水素系基を介して結合されている1つ又は複数の有機官能基を含む。
オルガノポリシロキサンは、Walter Noll著、Chemistry and Technology of Silicones(1968)、Academic Pressにおいて、より詳細に定義されている。これらは、揮発性であっても、不揮発性であってもよい。
揮発性である場合、シリコーンは、より詳細には、60℃から260℃の間の沸点を有するものから選択され、よりいっそう詳細には、以下から選択される:
(i)3~7個、好ましくは4~5個のケイ素原子を含む環状ポリジアルキルシロキサン。これらは、例えば、特にUnion Carbide社により名称Volatile Silicone(登録商標) 7207で販売されている、又はRhodia社により名称Silbione(登録商標) 70045 V2で販売されているオクタメチルシクロテトラシロキサン、Union Carbide社により名称Volatile Silicone(登録商標) 7158で販売されており、Rhodia社によりSilbione(登録商標) 70045 V5で販売されているデカメチルシクロペンタシロキサン、及びMomentive Performance Materials社により名称Silsoft 1217で販売されているドデカメチルシクロペンタシロキサン、並びにこれらの混合物である。Union Carbide社により販売されているSilicone Volatile(登録商標) FZ 3109等の、式:
Figure 2023062409000001
の、ジメチルシロキサン/メチルアルキルシロキサン等のタイプのシクロコポリマーを挙げることもできる。
環状ポリジアルキルシロキサンと有機ケイ素化合物との混合物、例えば、オクタメチルシクロテトラシロキサンとテトラトリメチルシリルペンタエリスリトールとの混合物(50/50)、及びオクタメチルシクロテトラシロキサンとオキシ-1,1'-ビス(2,2,2',2',3,3'-ヘキサトリメチルシリルオキシ)ネオペンタンとの混合物も挙げることができる。
(ii)2~9個のケイ素原子を含有し、25℃において5×10-6m2/s以下の粘度を有する、直鎖状の揮発性ポリジアルキルシロキサン。例は、特にToray Silicone社により名称SH 200で販売されているデカメチルテトラシロキサンである。このカテゴリーに属するシリコーンはまた、Cosmetics and Toiletries、Vol. 91、Jan. 76、27~32頁、Todd & Byers、Volatile Silicone Fluids for Cosmeticsにおいて発表された記事にも記載されている。シリコーンの粘度は、ASTM規格445附属書Cに従って、25℃において測定される。
不揮発性ポリジアルキルシロキサンを使用してもよい。これらの不揮発性シリコーンは、より詳細にはポリジアルキルシロキサンから選択され、その中では、主としてトリメチルシリル末端基を含有するポリジメチルシロキサンを挙げることができる。
これらのポリジアルキルシロキサンの中でも、非限定的に、以下の市販製品を挙げることができる:
- Rhodia社により販売されているSilbione(登録商標)油の47及び70 047シリーズ又はMirasil(登録商標)油、例としては70 047 V 500 000油、
- Rhodia社により販売されているMirasil(登録商標)シリーズの油、
- Dow Corning社製の200シリーズの油、例えば60000mm2/sの粘度を有するDC200、並びに
- General Electric社製のViscasil(登録商標)油及びGeneral Electric社製のSFシリーズのある特定の油(SF 96、SF 18)。
名称ジメチコノール(CTFA)で知られる、ジメチルシラノール末端基を含有するポリジメチルシロキサン、例えばRhodia社製の48シリーズの油も挙げることができる。
アリール基を含有するシリコーンの中でも、ポリジアリールシロキサン、とりわけポリジフェニルシロキサン及びポリアルキルアリールシロキサン、例えばフェニルシリコーン油を挙げることができる。
フェニルシリコーン油は、次式:
Figure 2023062409000002
(式中、
R1~R10は、互いに独立的に、飽和又は不飽和で、直鎖状、環状又は分枝状のC1~C30炭化水素系基、好ましくはC1~C12炭化水素系基、より好ましくはC1~C6炭化水素系基、特にメチル、エチル、プロピル、又はブチル基であり、
m、n、p、及びqは、互いに独立的に、両端を含めて0~900、好ましくは両端を含めて0~500、より好ましくは両端を含めて0~100の整数であり、
ただし、n+m+qの和は0以外である)
のフェニルシリコーンから選択されうる。
挙げることができる例には、以下の名称で販売されている製品が含まれる:
- Rhodia社製のSilbione(登録商標)油の70 641シリーズ、
- Rhodia社製のRhodorsil(登録商標)70 633及び763シリーズの油、
- Dow Corning社製の油であるDow Corning 556 Cosmetic Grade Fluid、
- Bayer社製のPKシリーズのシリコーン、例えば製品PK20、
- General Electric社製のSFシリーズのある特定の油、例えばSF 1023、SF 1154、SF 1250及びSF 1265。
フェニルシリコーン油として、フェニルトリメチコン(上の式中、R1~R10はメチルであり、p、q、及びn=0であり、m=1である)が好ましい。
有機変性液状シリコーンは、とりわけ、ポリエチレンオキシ及び/又はポリプロピレンオキシ基を含有してもよい。したがって、信越化学工業株式会社により提案されているシリコーンKF-6017、並びにUnion Carbide社製の油であるSilwet(登録商標) L722及びL77を挙げることができる。
炭化水素油は、以下から選択されうる:
- 直鎖状又は分枝状、任意選択で環状のC6~C16低級アルカン。挙げることができる例には、ヘキサン、ウンデカン、ドデカン、トリデカン、及びイソパラフィン、例としてはイソヘキサデカン、イソドデカン及びイソデカンが含まれる。並びに
- 16個超の炭素原子を含有する直鎖状又は分枝状の炭化水素、例えば、流動パラフィン、流動石油ゼリー、ポリデセン、及び水素化ポリイソブテン、例えばParleam(登録商標)、及びスクアラン。
炭化水素油の好ましい例として、例えば、直鎖状又は分枝状の炭化水素、例えば、イソヘキサデカン、イソドデカン、スクアラン、鉱物油(例えば流動パラフィン)、パラフィン、ワセリン又はペトロラタム、及びナフタレン等;水素化ポリイソブテン、イソエイコサン、及びデセン/ブテンコポリマー;並びにこれらの混合物を挙げることができる。
脂肪族アルコールにおける「脂肪族」という用語は、比較的多数の炭素原子の包含を意味する。したがって、4個以上、好ましくは6個以上、より好ましくは12個以上の炭素原子を有するアルコールは、脂肪族アルコールの範囲内に包含される。脂肪族アルコールは、飽和であっても、不飽和であってもよい。脂肪族アルコールは、直鎖状であっても、分枝状であってもよい。
脂肪族アルコールは、構造R-OH(式中、Rは、4~40個の炭素原子、好ましくは6~30個の炭素原子、より好ましくは12~20個の炭素原子を含有する、飽和及び不飽和で、直鎖状及び分枝状の基から選択される)を有しうる。少なくとも1つの実施形態では、Rは、C12~C20アルキル基及びC12~C20アルケニル基から選択されうる。Rは、少なくとも1つのヒドロキシル基によって置換されていても、されていなくてもよい。
脂肪族アルコールの例として、ラウリルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、ウンデシレニルアルコール、ミリスチルアルコール、オクチルドデカノール、ヘキシルデカノール、オレイルアルコール、リノレイルアルコール、パルミトレイルアルコール、アラキドニルアルコール、エルシルアルコール、及びこれらの混合物を挙げることができる。
脂肪族アルコールは、飽和脂肪族アルコールであることが好ましい。
したがって、脂肪族アルコールは、直鎖状又は分枝状の飽和又は不飽和C6~C30アルコール、好ましくは直鎖状又は分枝状の飽和C6~C30アルコール、より好ましくは直鎖状又は分枝状の飽和C12~C20アルコールから選択されうる。
「飽和脂肪族アルコール」という用語は、ここでは、長鎖の脂肪族飽和炭素鎖を有するアルコールを意味する。飽和脂肪族アルコールは、任意の直鎖状又は分枝状の、飽和C6~C30脂肪族アルコールから選択されることが好ましい。直鎖状又は分枝状の飽和C6~C30脂肪族アルコールの中で、直鎖状又は分枝状の飽和C12~C20脂肪族アルコールが、好ましく使用されうる。任意の直鎖状又は分枝状の飽和C16~C20脂肪族アルコールが、より好ましく使用されうる。分枝状C16~C20脂肪族アルコールが、よりいっそう好ましく使用されうる。
飽和脂肪族アルコールの例として、ラウリルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、ウンデシレニルアルコール、ミリスチルアルコール、オクチルドデカノール、ヘキシルデカノール、及びこれらの混合物を挙げることができる。一実施形態では、セチルアルコール、ステアリルアルコール、オクチルドデカノール、ヘキシルデカノール、又はこれらの混合物(例えばセテアリルアルコール)、及びベヘニルアルコールを、飽和脂肪族アルコールとして使用することができる。
少なくとも1つの実施形態によれば、本発明による組成物中に使用される脂肪族アルコールは、好ましくは、セチルアルコール、オクチルドデカノール、ヘキシルデカノール、及びこれらの混合物から選択される。
(a)油は、600g/mol未満の分子量を有する油から選択されることもまた好ましい。
好ましくは、(a)油は、600g/mol未満等の低分子量を有し、炭化水素短鎖(C1~C12)を有するエステル油(例えば、ラウロイルサルコシンイソプロピル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、イソノナン酸イソノニル及びパルミチン酸エチルヘキシル)、シリコーン油(例えば、シクロヘキサシロキサン等の揮発性シリコーン)、炭化水素油(例えば、イソドデカン、イソヘキサデカン及びスクアラン)、分枝状及び/又は不飽和の脂肪族アルコール(C12~C30)タイプの油、例えばオクチルドデカノール及びオレイルアルコール、並びにジカプリリルエーテル等のエーテル油の中から選択される。
(a)油は、極性油から、より好ましくはエステル油から選択されることが好ましい。
(a)油は、組成物中の任意の他のありうる疎水性成分を伴って、又は伴わずに、本発明による組成物の分散相を構成することができる。
(a)油は、任意選択である。そのため、本発明による組成物は、(a)油を含んでも、含まなくてもよい。本発明による組成物が(a)油を含まない場合、本発明による組成物の分散相は、少なくとも、下に説明する(b)第1のポリグリセリン脂肪酸エステルと、(c)第2のポリグリセリン脂肪酸エステルとによって形成することができる。
本発明による組成物は、(a)油を含むことが好ましい。本発明による組成物が(a)油を含む場合、(a)油に起因する皮膚加湿効果を提供すること、及び/又は下に説明する(d)スキンケア有効成分の浸透を増強することが可能でありうる。
本発明による組成物中の(a)油の量は、組成物の総質量に対して、0.001質量%以上、好ましくは0.005質量%以上、より好ましくは0.01質量%以上であってもよい。
本発明による組成物中の(a)油の量は、組成物の総質量に対して、10質量%以下、好ましくは5質量%以下、より好ましくは1質量%以下であってもよい。
本発明による組成物中の(a)油の量は、組成物の総質量に対して、0.001質量%~10質量%、好ましくは0.005質量%~5質量%、より好ましくは0.01質量%~1質量%であってもよい。
[第1のポリグリセリン脂肪酸エステル]
本発明による組成物は、(b)13.0以上、好ましくは13.5以上、より好ましくは14.0以上のHLB値を有する、少なくとも1種の第1のポリグリセリン脂肪酸エステルを含む。単一のタイプの(b)第1のポリグリセリン脂肪酸エステルを使用してもよいが、2種以上の異なるタイプの(b)第1のポリグリセリン脂肪酸エステルを組み合わせて使用してもよい。
(b)第1のポリグリセリン脂肪酸エステルは、界面活性剤、特に非イオン性界面活性剤として機能することができる。
(b)第1のポリグリセリン脂肪酸エステルは、13.0~17.0、好ましくは13.5~16.0、より好ましくは14.0~15.0のHLB値を有しうる。
HLB(「親水性-親油性バランス」)という用語は、当業者には周知であり、分子中の親水性部分と親油性部分との間の比を表す。
2種以上の(b)第1のポリグリセリン脂肪酸エステルが使用される場合、HLB値は、すべての(b)第1のポリグリセリン脂肪酸エステルのHLB値の加重平均によって決定される。
(b)第1のポリグリセリン脂肪酸エステルは、飽和又は不飽和脂肪酸のモノ、ジ、トリ及びそれを超えるエステルから選択されうる。
(b)第1のポリグリセリン脂肪酸エステルは、2~4個のグリセロール単位、好ましくは3又は4個のグリセロール単位、より好ましくは4個のグリセロール単位を含むことが好ましい。
(b)第1のポリグリセリン脂肪酸エステルの脂肪酸部分のための脂肪酸又は脂肪酸部分は、12個以下の炭素原子、好ましくは11個以下の炭素原子、より好ましくは10個以下の炭素原子を含んでもよい。(b)第1のポリグリセリン脂肪酸エステルの脂肪酸部分のための脂肪酸又は脂肪酸部分は、4個以上の炭素原子、好ましくは6個以上の炭素原子、より好ましくは8個以上の炭素原子を含んでもよい。(b)第1のポリグリセリン脂肪酸エステルの脂肪酸部分のための脂肪酸又は脂肪酸部分は、4~12個の炭素原子、好ましくは6~11個、より好ましくは8~10個の炭素原子を有してもよい。
(b)第1のポリグリセリン脂肪酸エステルの脂肪酸部分のための脂肪酸は、飽和であっても不飽和であってもよく、カプリル酸、カプリン酸、及びラウリン酸から選択されうる。
(b)第1のポリグリセリン脂肪酸エステルは、カプリン酸PG3(HLB:約14)、カプリル酸PG4(HLB:14)、ラウリン酸PG4(HLB:約14)、カプリン酸PG4(HLB:14)、ミリスチン酸PG5(HLB:15.4)、ステアリン酸PG5(HLB:15)、カプリル酸PG6(HLB:14.6)、カプリン酸PG6(HLB:13.1)、ラウリン酸PG6(HLB:14.1)、ラウリン酸PG10(HLB:15.2)、ミリスチン酸PG10(HLB:14.9)、ステアリン酸PG10(HLB:14.1)、イソステアリン酸PG10(HLB:13.7)、オレイン酸PG10(HLB:13.0)、ヤシ脂肪酸PG10(HLB:16)、及びこれらの混合物からなる群から選択されうる。
(b)第1のポリグリセリン脂肪酸エステルは、カプリン酸PG3(HLB:約14)、カプリル酸PG4(HLB:14)、ラウリン酸PG4(HLB:約14)、カプリン酸PG4(HLB:14)、及びこれらの混合物からなる群から選択されることが好ましい場合もある。
本発明による組成物中の(b)第1のポリグリセリン脂肪酸エステルの量は、組成物の総質量に対して、0.01質量%以上、好ましくは0.05質量%以上、より好ましくは0.1質量%以上であってもよい。
その一方で、本発明による組成物中の(b)第1のポリグリセリン脂肪酸エステルの量は、組成物の総質量に対して、15質量%以下、好ましくは10質量%以下、より好ましくは5質量%以下であってもよい。
本発明による組成物中の(b)第1のポリグリセリン脂肪酸エステルの量は、組成物の総質量に対して、0.01質量%~15質量%、好ましくは0.05質量%~10質量%、より好ましくは0.1質量%~5質量%の範囲であってもよい。
本発明による組成物中の(b)第1のポリグリセリン脂肪酸エステルの量/(a)油の量の質量比は、1以上、好ましくは1.5以上、より好ましくは2以上であってもよい。
本発明による組成物中の(b)第1のポリグリセリン脂肪酸エステルの量/(a)油の量の質量比は、10以下、好ましくは9.5以下、より好ましくは9以下であってもよい。
本発明による組成物中の(b)第1のポリグリセリン脂肪酸エステルの量/(a)油の量の質量比は、1~10、好ましくは1.5~9.5、より好ましくは2~9の範囲であってもよい。
[第2のポリグリセリン脂肪酸エステル]
本発明による組成物は、(c)10.0以下、好ましくは9.0以下、より好ましくは8.0以下のHLB値を有する、少なくとも1種の第2のポリグリセリン脂肪酸エステルを含む。単一のタイプの(c)第2のポリグリセリン脂肪酸エステルを使用してもよいが、2種以上の異なるタイプの(c)第2のポリグリセリン脂肪酸エステルを組み合わせて使用してもよい。
(c)第2のポリグリセリン脂肪酸エステルは、界面活性剤、特に非イオン性界面活性剤として機能することができる。
第2のポリグリセリン脂肪酸エステルは、5.0~10.0、好ましくは6.0~9.0、より好ましくは7.0~8.0のHLB値を有しうる。
2種以上の(c)第2のポリグリセリン脂肪酸エステルが使用される場合、HLB値は、すべての(c)第2のポリグリセリン脂肪酸エステルのHLB値の加重平均によって決定される。
(c)第2のポリグリセリン脂肪酸エステルは、飽和又は不飽和脂肪酸のモノ、ジ、トリ及びそれを超えるエステルから選択されうる。
(c)第2のポリグリセリン脂肪酸エステルは、2~4個のグリセロール単位、好ましくは2又は3個のグリセロール単位、より好ましくは2個のグリセロール単位を含むことが好ましい。
(c)第2のポリグリセリン脂肪酸エステルの脂肪酸部分のための脂肪酸又は脂肪酸部分は、14個以上の炭素原子、好ましくは16個以上の炭素原子、より好ましくは18個以上の炭素原子を含んでもよい。(c)第2のポリグリセリン脂肪酸エステルの脂肪酸部分のための脂肪酸又は脂肪酸部分は、30個以下の炭素原子、好ましくは24個以下の炭素原子、より好ましくは20個以下の炭素原子を含んでもよい。(c)第2のポリグリセリン脂肪酸エステルの脂肪酸部分のための脂肪酸又は脂肪酸部分は、14~30個、好ましくは16~24個、より好ましくは18~20個の炭素原子を有してもよい。
(c)第2のポリグリセリン脂肪酸エステルの脂肪酸部分のための脂肪酸は、飽和であっても不飽和であってもよく、ミリスチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、及びオレイン酸から選択されうる。
(c)第2のポリグリセリン脂肪酸エステルは、ステアリン酸PG2(HLB:5.0)、ジステアリン酸PG2(HLB:4)、イソステアリン酸PG2(HLB:8)、ジイソステアリン酸PG2(HLB:3.2)、トリイソステアリン酸PG2(HLB:3)、セスキイソステアリン酸PG2(HLB:約4)、オレイン酸PG2(HLB:8)、セスキオレイン酸PG2(HLB:5.3)、ジステアリン酸PG3(HLB:5)、ジイソステアリン酸PG3(HLB:5)、ジヤシ脂肪酸PG3(HLB:7)、ヘキサステアリン酸PG5(HLB:4.0)、トリオレイン酸PG5(HLB:7.0)、ペンタオレイン酸PG10(HLB:6.4)、セスキカプリル酸PG2(HLB:約8)、カプリン酸PG2(HLB:9.5)、ラウリン酸PG2(HLB:8.5)、ミリスチン酸PG2(HLB:10)、イソパルミチン酸PG2(HLB:9)、オレイン酸PG4(HLB:10)、ステアリン酸PG4(HLB:9)、イソステアリン酸PG4(HLB:8.2)、ジステアリン酸PG6(HLB:8)、ジステアリン酸PG10(HLB:約9)、トリステアリン酸PG10(HLB:8)、ジイソステアリン酸PG10(HLB:10)、トリイソステアリン酸PG10(HLB:8)、トリヤシ脂肪酸PG10(HLB:9)、及びこれらの混合物からなる群から選択されうる。
(c)第2のポリグリセリン脂肪酸エステルは、ステアリン酸PG2(HLB:5.0)、ジステアリン酸PG2(HLB:4)、イソステアリン酸PG2(HLB:8)、ジイソステアリン酸PG2(HLB:3.2)、トリイソステアリン酸PG2(HLB:3)、セスキイソステアリン酸PG2(HLB:約4)、オレイン酸PG2(HLB:8)、セスキオレイン酸PG2(HLB:5.3)、ジステアリン酸PG3(HLB:5)、ジイソステアリン酸PG3(HLB:5)、ジヤシ脂肪酸PG3(HLB:7)、セスキカプリル酸PG2(HLB:約8)、カプリン酸PG2(HLB:9.5)、ラウリン酸PG2(HLB:8.5)、ミリスチン酸PG2(HLB:10)、イソパルミチン酸PG2(HLB:9)、オレイン酸PG4(HLB:10)、ステアリン酸PG4(HLB:9)、イソステアリン酸PG4(HLB:8.2)、及びこれらの混合物からなる群から選択されることが好ましい場合もある。
本発明による組成物中の(c)第2のポリグリセリン脂肪酸エステルの量は、組成物の総質量に対して、0.01質量%以上、好ましくは0.05質量%以上、より好ましくは0.1質量%以上であってもよい。
その一方で、本発明による組成物中の(c)第2のポリグリセリン脂肪酸エステルの量は、組成物の総質量に対して、10質量%以下、好ましくは5質量%以下、より好ましくは1質量%以下であってもよい。
本発明による組成物中の(c)第2のポリグリセリン脂肪酸エステルの量は、組成物の総質量に対して、0.01質量%~10質量%、好ましくは0.05質量%~5質量%、より好ましくは0.1質量%~1質量%の範囲であってもよい。
本発明による組成物中の(c)第2のポリグリセリン脂肪酸エステルの量/(a)油の量の質量比は、0.1以上、好ましくは0.2以上、より好ましくは0.25以上であってもよい。
本発明による組成物中の(c)第2のポリグリセリン脂肪酸エステルの量/(a)油の量の質量比は、4以下、好ましくは3以下、より好ましくは2以下であってもよい。
本発明による組成物中の(c)第2のポリグリセリン脂肪酸エステルの量/(a)油の量の質量比は、0.1~4、好ましくは0.2~3、より好ましくは0.25~2の範囲であってもよい。
[油/第1及び第2のポリグリセリン脂肪酸エステルの質量比]
本発明によれば、(a)油の量/((b)第1のポリグリセリン脂肪酸エステルと(c)第2のポリグリセリン脂肪酸エステルとの総量)の質量比は、0.5以下、好ましくは0.45以下、より好ましくは0.4以下である。
(a)油の量/((b)第1のポリグリセリン脂肪酸エステルと(c)第2のポリグリセリン脂肪酸エステルとの総量)の質量比は、0.01以上、好ましくは0.03以上、より好ましくは0.05以上であってもよい。
(a)油の量/((b)第1のポリグリセリン脂肪酸エステルと(c)第2のポリグリセリン脂肪酸エステルとの総量)の質量比は、0.01~0.5、好ましくは0.03~0.45、より好ましくは0.05~0.4であってもよい。
[第1のポリグリセリン脂肪酸エステル/第2のポリグリセリン脂肪酸エステルの質量比]
(b)第1のポリグリセリン脂肪酸エステルの量/(c)第2のポリグリセリン脂肪酸エステルの量の質量比は、3.0以上、好ましくは4.0以上、よりいっそう好ましくは5.0以上である。
(b)第1のポリグリセリン脂肪酸エステルの量/(c)第2のポリグリセリン脂肪酸エステルの量の質量比は、20以下、好ましくは19以下、より好ましくは18以下であってもよい。
(b)第1のポリグリセリン脂肪酸エステルの量/(c)第2のポリグリセリン脂肪酸エステルの量の質量比は、3.0~20、好ましくは4.0~19、より好ましくは5.0~18であってもよい。
[スキンケア有効成分]
本発明による組成物は、(d)少なくとも1種のスキンケア有効成分を含む。2種以上のスキンケア有効成分が使用される場合、これらは同じであっても、異なってもよい。
(d)スキンケア有効成分は、-4.5~4.5、好ましくは-4.0~4.0、より好ましくは-3.5~3.5の範囲のlogP値を有することが好ましい。
log P値とは、オクタン-1-オール/水の、見かけの分配係数の10を底とする対数の値である。log P値は公知であり、オクタン-1-オール及び水の中の、化合物の濃度を決定する標準試験によって決定される。log Pは、Meylan及びHowardによる記事:Atom/Fragment contribution method for estimating octanol-water partition coefficients、J. Pharm. Sci.、84: 83-92頁、1995に記載されている方法によって計算することができる。この値は、多数の市販のソフトウェアパッケージを使用して計算してもよく、これらでは、log Pを、分子の構造の関数として決定する。例として、米国環境保護庁製のEpiwinソフトウェアを挙げることができる。
この値は、とりわけ、ACD(Advanced Chemistry Development) SolarisソフトウェアV4.67を使用して計算してもよく、この値はまた、Exploring QSAR:hydrophobic, electronic and steric constants(ACS professional reference book、1995年)から得ることもできる。概算値を提供しているインターネットサイトもある(アドレス:http://esc.syrres.com/interkow/kowdemo.htm)。
(d)スキンケア有効成分は、塩の形態であってもよい。(d)スキンケア有効成分の塩としては、従来型の、前記化合物の非毒性塩、例えば酸から又は塩基から形成されるものが挙げられる。
(d)スキンケア有効成分は、スキンケア美容有効成分、より好ましくは皮膚ピーリング剤、皮膚美白剤、又は皮膚アンチエイジング剤、例えば抗皺剤であることが好ましい。
(d)スキンケア有効成分として、ビタミンB3及び誘導体を挙げることができる。
ビタミンB3は、ビタミンPPとも呼ばれ、次式:
Figure 2023062409000003
(式中、Rは、-CONH2(ナイアシンアミド)、-COOH(ニコチン酸若しくはナイアシン)、又はCH2OH(ニコチニルアルコール)、-CO-NH-CH2-COOH(ニコチン尿酸)、又は-CO-NH-OH(ニコチニルヒドロキサム酸)でありうる)
の化合物である。ナイアシンアミドが好ましい。
挙げることができるビタミンB3誘導体には、例えば、ニコチン酸トコフェロール等のニコチン酸エスエル、-CONH2の水素基の置換によるナイアシンアミド由来のアミド、カルボン酸及びアミノ酸との反応からの生成物、ニコチニルアルコールと、カルボン酸、例えば、酢酸、サリチル酸、グリコール酸又はパルミチン酸等とのエステルが含まれる。
以下の誘導体も挙げることができる: 2-クロロニコチンアミド、6-メチルニコチンアミド、6-アミノニコチンアミド、N-メチルニコチンアミド、N,N-ジメチルニコチンアミド、N-(ヒドロキシメチル)ニコチンアミド、キノリン酸イミド、ニコチンアニリド、N-ベンジルニコチンアミド、N-エチルニコチンアミド、ニフェナゾン、ニコチンアルデヒド、イソニコチン酸、メチルイソニコチン酸、チオニコチンアミド、ニアラミド、2-メルカプトニコチン酸、ニコモール及びニアプラジン、ニコチン酸メチル、並びにニコチン酸ナトリウム。
やはり挙げることができる他のビタミンB3誘導体には、その無機塩、例えば塩化物、臭化物、ヨウ化物又は炭酸塩、及びその有機塩、例えばカルボン酸との反応により得られる塩、例えば酢酸塩、サリチル酸塩、グリコール酸塩、乳酸塩、リンゴ酸塩、クエン酸塩、マンデル酸塩、酒石酸塩等が含まれる。
(d)スキンケア有効成分として、アスコルビン酸及びその誘導体を挙げることができる。
アスコルビン酸は、通常は天然生成物から抽出されるため、一般にL形態である。
ある特定の環境パラメータ、例えば、光、熱及び水性媒体に対して非常に高感度となる、その化学構造(α-ケトラクトン)のために、アスコルビン酸は、例えば、アスコルビン酸の糖エステル、又はホスホリルアスコルビン酸の金属塩、アルカリ金属塩、エステル及び糖から選択される誘導体又はアナログの形態において使用することが有利でありうる。
本発明において使用されうるアスコルビン酸の糖エステルは、とりわけ、アスコルビン酸のグリコシル、マンノシル、フルクトシル、フコシル、ガラクトシル、N-アセチルグルコサミン及びN-アセチルムラミン酸誘導体、並びにこれらの混合物、より特定的には、アスコルビルグルコシド、例えば、アスコルビル-2-グルコシド、2-O-α-D-グルコピラノシルL-アスコルビン酸、又は6-O-β-D-ガラクトピラノシルL-アスコルビン酸である。後者の化合物及びこれらを調製するための方法は、特に、文献EP-A-0 487 404、EP-A-0 425 066、及び特開平05-213736に記載されている。
ホスホリルアスコルビン酸の金属塩に関しては、アスコルビルリン酸アルカリ金属塩、とりわけアスコルビルリン酸ナトリウム塩、アスコルビルリン酸アルカリ土類金属塩、及びアスコルビルリン酸遷移金属塩から選択されうる。
活性剤アミド誘導体及び活性剤糖誘導体等のアスコルビン酸前駆体を使用することもでき、これらはそれぞれ、アスコルビン酸をin situで放出するための酵素として、プロテアーゼ又はペプチダーゼ、及びグリコシダーゼを必要とする。このような化合物は、特許EP 0 667 145に記載されている。
活性剤糖誘導体は、とりわけ、C3~C6糖誘導体から選択される。これらはとりわけ、グルコシル、マンノシル、フルクトシル、フコシル、N-アセチルグルコサミン、ガラクトシル、及びN-アセチルガラクトサミン誘導体、N-アセチルムラミン酸誘導体、及びシアル酸誘導体、並びにこれらの混合物から選択される。
第2のアスコルビン酸前駆体は、他の酵素によって、例えば、エステラーゼ、ホスファターゼ、スルファターゼ等によって加水分解される誘導体から選択されうる。本発明によれば、第2の活性剤前駆体は、例えば、リン酸エステル、硫酸エステル、パルミチン酸エステル、酢酸エステル、プロピオン酸エステル、フェルラ酸エステル、及び一般に、活性剤のアルキル又はアシルエステル、アシル又はアルキルエーテルから選択されうる。アシル及びアルキル基は、特に、1~30個の炭素原子を含有する。スキンケア有効成分として、3-O-エチルアスコルビン酸を挙げることができる。
特に、第2の前駆体は、皮膚と接触するとスルファターゼ又はホスファターゼと反応する、硫酸エステル又はリン酸エステル等の、鉱酸との反応から誘導されるエステルであってもよく、第2の前駆体は、特定の皮膚エステラーゼと反応する、有機酸との、例としては、パルミチン酸、酢酸、プロピオン酸、ニコチン酸、1,2,3-プロパントリカルボン酸、又はフェルラ酸との反応から誘導される、アシル又はアルキルエステルであってもよい。
他の誘導体は、例えば特許EP 1 430 883に記載されている。
アスコルビン酸アナログは、より詳細には、その塩、とりわけアルカリ金属塩、例えばアスコルビン酸ナトリウム、そのエステル、とりわけ酢酸エステル、プロピオン酸エステル、若しくはパルミチン酸エステル等、又はその糖、とりわけ、グリコシルアスコルビン酸等である。
(d)スキンケア有効成分として、レゾルシノール誘導体を挙げることができる。
レゾルシノール誘導体は、好ましくは4位で置換された誘導体、例えば4-アルキルレゾルシノール、より好ましくはフェニルエチルレゾルシノール、4-n-ブチルレゾルシノール、及び4-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)ベンゼン-1,3-ジオール、特に、その美白効果のためにフェニルエチルレゾルシノールであってもよい。フェニルエチルレゾルシノールはまた、4-(1-フェニルエチル)-1,3-ベンゼンジオールとも称され、以下の化学式によって表される。フェニルエチルレゾルシノールは、例えばSymrise Corp社から入手することができる(製品名:Symwhite 377(登録商標))。
Figure 2023062409000004
レゾルシノール誘導体の他の例として、以下のものを挙げることができる: 2-メチルレゾルシノール、5-メチルレゾルシノール、4-メチルレゾルシノール、4-エチルレゾルシノール、2,5-ジメチルレゾルシノール、4,5-ジメチルレゾルシノール、2,4-ジメチル-1,3-ベンゼンジオール、3,5-ジヒドロキシベンジルアミン、5-メトキシレゾルシノール、3,5-ジヒドロキシベンジルアルコール、2-メトキシレゾルシノール、4-メトキシレゾルシノール、3,5-ジヒドロキシトルエン一水和物、4-クロロレゾルシノール、2-クロロレゾルシノール、2',4'-ジヒドロキシアセトフェノン、3',5'-ジヒドロキシアセトフェノン、2,6-ジヒドロキシ-4-メチルベンズアルデヒド、4-プロピルレゾルシノール、2,4-ジヒドロキシ-1,3,5-トリメチルベンゼン、3,5-ジヒドロキシベンズアミド、2,6-ジヒドロキシベンズアミド、2,4-ジヒドロキシベンズアミド、2,4-ジヒドロキシ安息香酸、2,6-ジヒドロキシ安息香酸、3,5-ジヒドロキシ安息香酸、2,6-ジヒドロキシ-4-メチルベンジルアルコール、3,5-ジヒドロキシアニソール水和物、4-アミノレゾルシノール塩酸塩、2-アミノレゾルシノール塩酸塩、5-アミノベンゼン-1,3-ジオール塩酸塩、2',4'-ジヒドロキシプロピオフェノン、2',4'-ジヒドロキシ-3'-メチルアセトフェノン、(2,4-ジヒドロキシフェニル)アセトン、(3,5-ジヒドロキシフェニル)アセトン、2,6-ジヒドロキシ-4'-メチルアセトフェノン、4-n-ブチルレゾルシノール、2,4-ジエチル-1,3-ベンゼンジオール、3,5-ジヒドロキシ-4-メチル安息香酸、2,6-ジヒドロキシ-4-メチル安息香酸、2,4-ジヒドロキシ-6-メチル安息香酸、3,5-ジヒドロキシフェニル酢酸、2-エチル-5-メトキシベンゼン-1,3-ジオール、4-アミノ-3,5-ジヒドロキシ安息香酸、3,5-ジヒドロキシアセトフェノン一水和物、3,5-ジヒドロキシベンジルアミン塩酸塩、4,6-ジクロロレゾルシノール、2',4'-ジヒドロキシ-3'-メチルプロピオフェノン、1-(3-エチル-2,6-ジヒドロキシフェニル)エタン-1-オン、2',6'-ジヒドロキシ-4'-メトキシアセトフェノン、1-(2,6-ジヒドロキシ-3-メトキシフェニル)エタン-1-オン、3(2,4-ジヒドロキシフェニルプロピオン酸、及び2,4-ジヒドロキシ-3,6-ジメチル安息香酸。
(d)スキンケア有効成分として、C-グリコシド誘導体を挙げることができる。
本発明による組成物中に存在しうるC-グリコシド誘導体は、下の一般式(II):
Figure 2023062409000005
(式中、
Rは、非置換直鎖状C1~C4、とりわけC1~C2アルキル基、特にメチルを示し、
Sは、D-グルコース、D-キシロース、N-アセチル-D-グルコサミン、及びL-フコース、特にD-キシロースから選択される単糖を表し、
Xは、-CO-、-CH(OH)-、及び-CH(NH2)-、優先的には-CH(OH)-基から選択される基を表す)
の化合物、並びにまた化粧料として許容されるその塩、その溶媒和物、例えば水和物、及びその光学異性体から選択することができる。
本発明における使用により詳細に好適なC-グリコシド誘導体の非限定的な例示として、とりわけ、以下の誘導体を挙げることができる:
C-ベータ-D-キシロピラノシド-n-プロパン-2-オン、
C-アルファ-D-キシロピラノシド-n-プロパン-2-オン、
C-ベータ-D-キシロピラノシド-2-ヒドロキシプロパン、
C-アルファ-D-キシロピラノシド-2-ヒドロキシプロパン、
1-(C-ベータ-D-グルコピラノシル)-2-ヒドロキシプロパン、
1-(C-アルファ-D-グルコピラノシル)-2-ヒドロキシプロパン、
1-(C-ベータ-D-グルコピラノシル)-2-アミノプロパン、
1-(C-アルファ-D-グルコピラノシル)-2-アミノプロパン、
3'-(アセトアミド-C-ベータ-D-グルコピラノシル)プロパン-2'-オン、
3'-(アセトアミド-C-アルファ-D-グルコピラノシル)プロパン-2'-オン、
1-(アセトアミド-C-ベータ-D-グルコピラノシル)-2-ヒドロキシプロパン、
1-(アセトアミド-C-ベータ-D-グルコピラノシル)-2-アミノプロパン、
並びにまた化粧料として許容されるこれらの塩、これらの溶媒和物、例えば水和物、及びこれらの光学異性体。
詳細な実施形態によれば、C-ベータ-D-キシロピラノシド-2-ヒドロキシプロパン又はC-アルファ-D-キシロピラノシド-2-ヒドロキシプロパン、なおも良好にはC-ベータ-D-キシロピラノシド-2-ヒドロキシプロパンを、有利には、本発明による組成物の調製のために使用してもよい。
詳細な実施形態によれば、本発明における使用に好適なC-グリコシド誘導体は、有利には、C-ベータ-D-キシロピラノシド-2-ヒドロキシプロパンとしても公知であり、とりわけ、水/プロピレングリコール混合物(60/40)中の30質量%溶液として、Chimex社によりMexoryl SBB(登録商標)の名称で販売されている、ヒドロキシプロピルテトラヒドロピラノトリオールでありうる。一実施形態によれば、C-グリコシド誘導体は溶液の形態であり、溶液中において、C-グリコシド誘導体は、溶液の総質量に対して30質量%の量で存在し、残りは水とプロピレングリコールとの混合物である。
本発明における使用に好適なC-グリコシド誘導体の塩は、従来のこれらの化合物の生理的に許容される塩、例えば、有機酸又は鉱酸から形成される塩を含んでもよい。挙げることができる例には、硫酸、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、リン酸、及びホウ酸等の鉱酸の塩が含まれる。1つ又は複数のカルボン酸基、スルホン酸基又はホスホン酸基を含みうる、有機酸の塩を挙げることもできる。これらは、直鎖状、分枝状又は環状脂肪族酸、或いは芳香族酸であってもよい。これらの酸はまた、O及びNから選択される1個又は複数のヘテロ原子も、例えばヒドロキシル基の形態で含んでもよい。とりわけ、プロピオン酸、酢酸、テレフタル酸、クエン酸、及び酒石酸を挙げることができる。
上記の化合物に許容される溶媒和物は、従来の溶媒和物、例えば、溶媒の存在に起因して前記化合物の調製の最終工程中に形成されるものを含む。挙げることができる例には、水、又は直鎖状若しくは分枝状のアルコール、例えばエタノール若しくはイソプロパノールの存在に起因する溶媒和物が含まれる。
本発明における使用に好適なC-グリコシド誘導体は、とりわけ、その内容が参照によって本明細書に組み込まれる、文献WO 02/051 828に記載の合成法によって得ることができる。
(d)スキンケア有効成分として、サリチル酸及びその誘導体を挙げることができる。サリチル酸の誘導体は、式(III):
Figure 2023062409000006
(式中、
R基は、2~22個の炭素原子を含有する、直鎖状、分枝状、又は環状の飽和脂肪族鎖;2~22個の炭素原子を含有し、共役していてもよい1つ又は複数の二重結合を含有する不飽和鎖;直接、又は2~7個の炭素原子を含有する飽和若しくは不飽和脂肪族鎖を介して、カルボニル基に連結している芳香族核を示し、前記基同士は、同一であっても異なってもよい、(a)ハロゲン原子、(b)トリフルオロメチル基、(c)遊離形態における、若しくは1~6個の炭素原子を含有する酸によってエステル化されたヒドロキシル基、又は(d)遊離形態における、若しくは1~6個の炭素原子を含有する低級アルコールによってエステル化されたカルボキシル官能基から選択される、1つ又は複数の置換基によって、場合により置換されており、
R'はヒドロキシル基である)
によって表すことができる。サリチル酸誘導体は、無機塩基又は有機塩基から誘導される塩の形態であってもよい。
(d)スキンケア有効成分は、α-ヒドロキシ酸から選択されうる。
「α-ヒドロキシ酸」又は「AHA」という用語は、ここでは、隣接する(アルファ)炭素原子上に少なくとも1つのヒドロキシル基を有するカルボン酸を意味する。
α-ヒドロキシ酸は、皮膚ピーリング剤として機能することができる。軟質皮膚ピーリング剤として機能することができるα-ヒドロキシ酸を使用することが好ましいこともある。
α-ヒドロキシ酸は、例えば、グリコール酸、乳酸、リンゴ酸、クエン酸、酒石酸、マンデル酸、及びグルコン酸、並びにこれらの混合物から、好ましくは、乳酸、グリコール酸、及びクエン酸、並びにこれらの混合物から、より好ましくは乳酸から選択されうる。
(d)スキンケア有効成分は、乳酸、ナイアシンアミド、及びこれらの混合物からなる群から選択されることが好ましい。
本発明による組成物中の(d)スキンケア有効成分の量は、組成物の総質量に対して、0.01質量%以上、好ましくは0.05質量%以上、より好ましくは0.1質量%以上であってもよい。
その一方で、本発明による組成物中の(d)スキンケア有効成分の量は、組成物の総質量に対して、25質量%以下、好ましくは20質量%以下、より好ましくは15質量%以下であってもよい。
本発明による組成物中の(d)スキンケア有効成分の量は、組成物の総質量に対して、0.01質量%~25質量%、好ましくは0.05質量%~20質量%、より好ましくは0.1質量%~15質量%の範囲であってもよい。
(d)スキンケア有効成分が乳酸である場合、その量は、組成物の総質量に対して、0.1質量%~10質量%、好ましくは0.2質量%~9.5質量%、より好ましくは0.3質量%~9質量%であってもよい。
(d)スキンケア有効成分がナイアシンアミドである場合、その量は、組成物の総質量に対して、0.1質量%~20質量%、好ましくは0.3質量%~18質量%、より好ましくは0.5質量%~15質量%であってもよい。
[水]
本発明による組成物は、(e)水を含む。
(e)水は、組成物中の任意の他のありうる親水性成分を伴って、又は伴わずに、本発明による組成物の連続相である水性相を形成することができる。
本発明による組成物中の(e)水の量は、組成物の総質量に対して、60質量%以上、好ましくは65質量%以上、より好ましくは70質量%以上であってもよい。
その一方で、本発明による組成物中の(e)水の量は、組成物の総質量に対して、95質量%以下、好ましくは90質量%以下、より好ましくは85質量%以下であってもよい。
本発明による組成物中の(e)水の量は、組成物の総質量に対して、60質量%~95質量%、好ましくは65質量%~90質量%、より好ましくは70質量%~85質量%の範囲であってもよい。
[ポリオール]
本発明による組成物は、少なくとも1種のポリオールを更に含んでもよい。単一のタイプのポリオールを使用してもよいが、2種以上の異なるタイプのポリオールを組み合わせて使用してもよい。
「ポリオール」という用語は、ここでは、2つ以上のヒドロキシ基を有するアルコールを意味し、糖又はその誘導体を包含しない。糖の誘導体としては、糖の1つ又は複数のカルボニル基を還元することによって得られる糖アルコール、及びその1つ又は複数のヒドロキシ基中の水素原子が、アルキル基、ヒドロキシアルキル基、アルコキシ基、アシル基、又はカルボニル基等の少なくとも1つの置換基で置き換えられている糖又は糖アルコールが挙げられる。
ポリオールは、少なくとも2つのヒドロキシ基、好ましくは2~5つのヒドロキシ基を含む、C2~C12ポリオール、好ましくはC2~C9ポリオールでありうる。
ポリオールは、天然ポリオールであっても、合成ポリオールであってもよい。ポリオールは、直鎖状、分枝状、又は環状の分子構造を有しうる。
ポリオールは、グリセリン類及びその誘導体、並びにグリコール類及びその誘導体から選択されうる。ポリオールは、グリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ブチレングリコール、ペンチレングリコール、ヘキシレングリコール、1,3-プロパンジオール、1,5-ペンタンジオール、ポリエチレングリコール(5~50のエチレンオキシド基)、及びソルビトール等の糖からなる群から選択されうる。
本発明による組成物中のポリオールの量は、組成物の総質量に対して、0.01質量%以上、好ましくは0.05質量%以上、より好ましくは0.1質量%以上であってもよい。
その一方で、本発明による組成物中のポリオールの量は、組成物の総質量に対して、25質量%以下、好ましくは20質量%以下、より好ましくは15質量%以下であってもよい。
したがって、ポリオールは、組成物の総質量に対して、0.01質量%~25質量%、好ましくは0.05質量%~20質量%、例えば0.1質量%~15質量%の範囲の量で、本発明による組成物中に存在してもよい。
[他の成分]
本発明による組成物は、室温(25℃)で液体の形態である、1種又は複数の一価アルコール、例えば1~6個の炭素原子を含む直鎖状又は分枝状の一価アルコール等、例えばエタノール、プロパノール、ブタノール、イソプロパノール、イソブタノール、ペンタノール、及びヘキサノールを含有してもよい。
本発明による組成物中の一価アルコールの量は、組成物の総質量に対して、0.01質量%以上、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは1質量%以上であってもよい。
その一方で、本発明による組成物中の一価アルコールの量は、組成物の総質量に対して、15質量%以下、好ましくは10質量%以下、より好ましくは5質量%以下であってもよい。
したがって、本発明による組成物中の一価アルコールの量は、組成物の総質量に対して、0.01質量%~15質量%、好ましくは0.1質量%~10質量%、より好ましくは1質量%~5質量%の範囲であってもよい。
本発明による組成物はまた、上で説明した成分以外に、化粧用組成物及び皮膚科学的組成物において従来使用される様々なアジュバント、例えば、アニオン性、非イオン性、カチオン性、及び両性又は双性イオン性ポリマー、アニオン性、非イオン性、カチオン性、及び両性界面活性剤、増粘剤、酸化防止剤、着色剤、キレート剤、金属イオン封鎖剤、香料、分散剤、コンディショニング剤、皮膜形成剤、保存剤、共保存剤、並びにこれらの混合物を含んでもよい。
本発明による組成物は、アニオン性界面活性剤不含である。「不含」という用語は、ここでは、本発明による組成物はアニオン性界面活性剤を含んでもよいが、アニオン性界面活性剤の量が非常に限定的であり、組成物の総質量に対して、0.1質量%以下、好ましくは0.01質量%以下、より好ましくは0.001質量%以下であることを意味する。本発明による組成物は、アニオン性界面活性剤を含まないことが最も好ましい。
一実施形態では、本発明による組成物は、ポリオキシエチレン系非イオン性界面活性剤不含であってもよい。「不含」という用語は、ここでは、本発明による組成物はポリオキシエチレン系非イオン性界面活性剤を含んでもよいが、ポリオキシエチレン系非イオン性界面活性剤の量が非常に限定的であり、組成物の総質量に対して、1質量%以下、好ましくは0.1質量%以下、より好ましくは0.01質量%以下であることを意味する。本発明による組成物は、ポリオキシエチレン系非イオン性界面活性剤を含まないことが最も好ましい。
(調製)
本発明による組成物は、上で説明した必須成分、及び必要な場合、上で説明した任意選択の成分を混合することによって、調製することができる。
上記の必須成分及び任意選択の成分を混合する方法及び手段は、限定されない。任意の従来の方法及び手段を、上記の必須成分及び任意選択の成分を混合して本発明による組成物を調製するために、使用することができる。
本発明による組成物は、ホモジナイザーが必要とするような大量のエネルギーを用いずに調製することができる。したがって、本発明による組成物は、少量のエネルギーを使用すること、例えば組成物の成分を穏やかに撹拌することによって、調製することができる。そのため、本発明による組成物は、その調製手法の観点から、環境に優しい。
[形態]
本発明による組成物は、ナノ又はマイクロエマルションの形態である。
「マイクロエマルション」は、2通りに、すなわち、広義及び狭義に定義されうる。すなわち、1つには、マイクロエマルションが、油性成分、水性成分、及び界面活性剤の3つの成分を有する三成分系を含有する熱力学的に安定な等方性単一液相を指す場合(「狭義のマイクロエマルション」)があり、2つ目には、熱力学的に不安定な典型的なエマルション系の中で、マイクロエマルションが、粒径がより小さいために透明又は半透明な外観を示すエマルションを更に含む場合(「広義のマイクロエマルション」)がある(Satoshi Tomomasaら、Oil Chemistry、37巻、11号(1988)、48~53頁)。本明細書において使用される「マイクロエマルション」は、「狭義のマイクロエマルション」、すなわち、熱力学的に安定な等方性単一液相を指す。
マイクロエマルションは、油がミセルによって可溶化されているO/W(水中油)タイプのマイクロエマルション、水が逆ミセルによって可溶化されているW/O(油中水)タイプのマイクロエマルション、又は界面活性剤分子の会合数が無限になり、その結果、水性相及び油性相の両方が連続構造を有する両連続マイクロエマルションのいずれか1つの状態を指す。
マイクロエマルションは、レーザー粒度分析によって測定して、100nm以下、好ましくは50nm以下、より好ましくは20nm以下の粒径を有する分散相を有しうる。
「ナノエマルション」は、ここでは、350nm未満のサイズを有する分散相を特徴とするエマルションを意味し、この分散相は、分散相/連続相界面で、ラメラタイプの液晶相を任意選択で形成しうる(b)~(d)非イオン性界面活性剤のクラウンによって安定化される。特定の乳白剤の非存在下では、分散相が小サイズであることからナノエマルションの透明性が生じるが、この小サイズは、機械的エネルギーの使用によって得られる。
ナノエマルションは、その構造によって、マイクロエマルションと区別することができる。具体的には、マイクロエマルションは、例えば、成分(b)及び(c)によって形成されて成分(a)で膨化したミセルから形成された熱力学的に安定な分散体である。更に、マイクロエマルションは、調製するために実質的な機械的エネルギーを必要としない。
ナノエマルションは、レーザー粒度分析によって測定して、300nm以下、好ましくは200nm以下、より好ましくは100nm以下の粒径を有する分散相を有しうる。
本発明による組成物は、連続水性相中に分散した油相を含む、O/W型エマルションの形態であることが好ましい。分散した油相は、水性相中の油滴であってもよい。
O/W型の構成又は構造は、水性相中に分散した油相からなり、外側に水性相を有し、そのため、本発明による組成物がO/W型の構成又は構造を有する場合、水性相が与えることができる即時のみずみずしさの感触に起因して、心地良い使用感を与えることができる。
(a)油の粒径は、300nm以下、好ましくは200nm以下、より好ましくは100nm以下、よりいっそう好ましくは50nm以下であることが、よりいっそう好ましい。粒径は、動的光散乱法によって測定することができる。粒径測定は、例えば、大塚電子株式会社により市販されている、粒径分析装置ELSZ-2000シリーズによって実行することができる。
粒径は、体積平均粒子直径又は数平均粒子直径、好ましくは体積平均粒子直径であってもよい。
本発明による組成物は、透明又はやや半透明でありうる。
透明性は、濁度を測定することによって測定されうる(例えば、濁度は、丸型セル(直径25mm及び高さ60mm)、及び可視光(400nmから800nmの間、好ましくは400~500nm)を発することができるタングステンフィラメント電球を有する2100Q(Hach Company社によって市販されている)を用いて測定することができる)。測定は、無希釈組成物において実行することができる。ブランクは、蒸留水を用いて決定されうる。
本発明による組成物は、300NTU以下、好ましくは200NTU以下、より好ましくは100NTU以下、よりいっそう好ましくは50NTU以下の濁度を有する。
[使用及び方法]
本発明による組成物は、化粧用組成物又は皮膚科学的組成物、好ましくは化粧用組成物、より好ましくは皮膚等のケラチン物質のための化粧用組成物であることが好ましい。
本発明による組成物は、ケラチン物質に塗布することによって、皮膚、毛髪、粘膜、爪、まつ毛、眉毛、及び/又は頭皮等のケラチン物質を処置するための、美容方法等の非治療的方法に使用することができる。
したがって、本発明はまた、ケラチン物質を処置するための美容方法であって、本発明による組成物をケラチン物質に塗布する工程を含む、美容方法に関する。
本発明はまた、身体及び/若しくは顔の皮膚、並びに/又は粘膜、並びに/又は頭皮、並びに/又は毛髪、並びに/又は爪、並びに/又はまつ毛、並びに/又は眉毛のためのケア製品等、化粧料としての、又は化粧料における、本発明による組成物の使用に関しうる。
言い換えれば、本発明による組成物は、そのままで化粧料として使用することができる。或いは、本発明による組成物は、化粧料の一要素として使用することができる。例えば、本発明による組成物は、任意の他の要素に加えて又は任意の他の要素と組み合わせて、化粧料を形成することができる。
ケア製品は、化粧水及び美容液等であってもよい。
本発明を、実施例によってより詳細に説明するが、これは、本発明の範囲を限定するものと解釈されるべきではない。
(実施例1並びに比較例1及び2)
表1に示す実施例1及び比較例1~2による次の組成物を、次のように表1に示す成分を混合することによって調製した。
実施例1及び比較例1~2による組成物は、O/W型エマルションの形態であった。
表1に示す成分の量の数値は、すべて、原料の「質量%」に基づく。
Figure 2023062409000007
[評価]
(濁度)
実施例1及び比較例1~2による組成物の濁度を、濁度計(2100Q portable、Hach Company社)を使用することによって、室温で測定した。
結果を表1に「NTU」として示す。NTU値が小さいほど、組成物はより透明である。
(粒径)
実施例1及び比較例2による組成物中の油滴の粒径(nm)を、粒径分析装置ELSZ-2000ZS(大塚電子株式会社)によって測定した。
結果を表1に示す。
比較例1による組成物中の油滴の粒径は、組成物が不透明であり、明らかにナノ又はマイクロエマルションの形態ではなかったため、測定しなかった。
比較例2は、WO 2020/110716の実施例1に対応する。
比較例1は、乳酸及びナイアシンアミドを比較例2による組成物に加えることで、ナノ又はマイクロエマルションの形成が阻止されることを示している。
実施例1は、2種の異なるタイプのポリグリセリン脂肪酸エステルの組合せを、非アニオン性界面活性剤の存在下で、より高いHLB値を有するポリグリセリン脂肪酸エステル(第1のポリグリセリン脂肪酸エステル)の量/より低いHLB値を有するポリグリセリン脂肪酸エステル(第2のポリグリセリン脂肪酸エステル)の量(表1)における「高HLB PG界面活性剤/低HLB PG界面活性剤」参照)の質量比が3.0以上で使用すると、ナノ又はマイクロエマルションを形成できることを示している。
(実施例2-1~2-7)
表2に示す実施例2-1~2-7による次の組成物を、次のように表2に示す成分を混合することによって調製した。
実施例2-1~2-7による組成物は、O/W型エマルションの形態であった。
表2に示す成分の量の数値は、すべて、原料の「質量%」に基づく。
Figure 2023062409000008
[評価]
(濁度)
実施例2-1~2-7による組成物の濁度を、濁度計(2100Q portable、Hach Company社)を使用することによって、室温で測定した。
結果を表2に「NTU」として示す。NTU値が小さいほど、組成物はより透明である。
(粒径)
実施例2-1~2-7による組成物中の油滴の粒径(nm)を、粒径分析装置ELSZ-2000ZS(大塚電子株式会社)によって測定した。
結果を表2に示す。
実施例2-1~2-7は、少なくとも、組成物の総質量に対して、0.05質量%以上の総量(表2)における「界面活性剤(%)」参照)において第1及び第2のポリグリセリン脂肪酸エステルを使用することで、ナノ又はマイクロエマルションを調製するのに効果を奏しうることを示している。
(実施例3-1~3-5及び比較例3-1~3-6)
表3に示す実施例3-1~3-5及び比較例3-1~3-6による次の組成物を、次のように表3に示す成分を混合することによって調製した。
実施例3-1~3-5及び比較例3-1~3-6による組成物は、O/W型エマルションの形態であった。
表3に示す成分の量の数値は、すべて、原料の「質量%」に基づく。
Figure 2023062409000009
Figure 2023062409000010
[評価]
(濁度)
実施例3-1~3-5及び比較例3-1~3-6による組成物の濁度を、濁度計(2100Q portable、Hach Company社)を使用することによって、室温で測定した。
結果を表3に「NTU」として示す。NTU値が小さいほど、組成物はより透明である。
(粒径)
実施例3-1~3-5による組成物中の油滴の粒径(nm)を、粒径分析装置ELSZ-2000ZS(大塚電子株式会社)によって測定した。
結果を表3に示す。
比較例3-1~3-6による組成物中の油滴の粒径は、組成物が不透明であり、明らかにナノ又はマイクロエマルションの形態ではなかったため、測定しなかった。
実施例3-1~3-5は、油の量/第1及び第2のポリグリセリン脂肪酸エステルの総量の質量比(表3)における「油/界面活性剤の質量比」参照)が0.5以下である場合、ナノ又はマイクロエマルションを調製できることを示している。
比較例3-1~3-6は、油の量/第1及び第2のポリグリセリン脂肪酸エステルの総量の質量比(表3)における「油/界面活性剤の質量比」参照)が0.5以上である場合、ナノ又はマイクロエマルションを調製できないことを示している。
(実施例4-1~4-4及び比較例4-1~4-6)
表4に示す実施例4-1~4-4及び比較例4-1~4-6による次の組成物を、次のように表4に示す成分を混合することによって調製した。
実施例4-1~4-4及び比較例4-1~4-6による組成物は、O/W型エマルションの形態であった。
表4に示す成分の量の数値は、すべて、原料の「質量%」に基づく。
Figure 2023062409000011
Figure 2023062409000012
[評価]
(濁度)
実施例4-1~4-4及び比較例4-1~4-6による組成物の濁度を、濁度計(2100Q portable、Hach Company社)を使用することによって、室温で測定した。
結果を表4に「NTU」として示す。NTU値が小さいほど、組成物はより透明である。
(粒径)
実施例4-1~4-4による組成物中の油滴の粒径(nm)を、粒径分析装置ELSZ-2000ZS(大塚電子株式会社)によって測定した。
結果を表4に示す。
比較例4-1~4-6による組成物中の油滴の粒径は、組成物が不透明であり、明らかにナノ又はマイクロエマルションの形態ではなかったため、測定しなかった。
実施例4-1~4-4は、第1のポリグリセリン脂肪酸エステルの量/第2のポリグリセリン脂肪酸エステルの量の質量比(表4)における「高HLB PG界面活性剤/低HLB PG界面活性剤」参照)が3.0以上である場合、ナノ又はマイクロエマルションを調製できることを示している。
比較例4-1~4-4は、第1のポリグリセリン脂肪酸エステルの量/第2のポリグリセリン脂肪酸エステルの量の質量比(表4)における「高HLB PG界面活性剤/低HLB PG界面活性剤」参照)が3.0未満である場合、ナノ又はマイクロエマルションを調製できないことを示している。
(実施例5-1~5-11)
表5に示す実施例5-1~5-11による次の組成物を、次のように表5に示す成分を混合することによって調製した。
実施例5-1~5-11による組成物は、O/W型エマルションの形態であった。
表5に示す成分の量の数値は、すべて、原料の「質量%」に基づく。
Figure 2023062409000013
Figure 2023062409000014
[評価]
(濁度)
実施例5-1~5-11による組成物の濁度を、濁度計(2100Q portable、Hach Company社)を使用することによって、室温で測定した。
結果を表5に「NTU」として示す。NTU値が小さいほど、組成物はより透明である。
(粒径)
実施例5-1~5-11による組成物中の油滴の粒径(nm)を、粒径分析装置ELSZ-2000ZS(大塚電子株式会社)によって測定した。
結果を表5に示す。
実施例5-1~5-9は、少なくとも、0.1質量%~10質量%の量における乳酸の使用、及び0.1質量%~20質量%の量におけるナイアシンアミドの使用が、ナノ又はマイクロエマルションを調製するのに効果を奏しうることを示している。
実施例5-10及び5-11は、乳酸及びナイアシンアミドのそれぞれを、単独で使用できることを示している。
(実施例6-1~6-10)
表6に示す実施例6-1~6-10による次の組成物を、次のように表6に示す成分を混合することによって調製した。
実施例6-1~6-10による組成物は、O/W型エマルションの形態であった。
表6に示す成分の量の数値は、すべて、原料の「質量%」に基づく。
Figure 2023062409000015
Figure 2023062409000016
[評価]
(濁度)
実施例6-1~6-11による組成物の濁度を、濁度計(2100Q portable、Hach Company社)を使用することによって、室温で測定した。
結果を表6に「NTU」として示す。NTU値が小さいほど、組成物はより透明である。
(粒径)
実施例6-1~6-10による組成物中の油滴の粒径(nm)を、粒径分析装置ELSZ-2000ZS(大塚電子株式会社)によって測定した。
結果を表6に示す。
実施例6-1~6-10は、少なくとも、3.5~9.0のpHのもとで、ナノ又はマイクロエマルションを調製できることを示している。

Claims (15)

  1. (a)少なくとも1種の任意選択の油と、
    (b)13.0以上、好ましくは13.5以上、より好ましくは14.0以上のHLB値を有する、少なくとも1種の第1のポリグリセリン脂肪酸エステルと、
    (c)10.0以下、好ましくは9.0以下、より好ましくは8.0以下のHLB値を有する、少なくとも1種の第2のポリグリセリン脂肪酸エステルと、
    (d)少なくとも1種のスキンケア有効成分と、
    (e)水と
    を含む、ナノ又はマイクロエマルションの形態の組成物であって、
    (b)第1のポリグリセリン脂肪酸エステルの量/(c)第2のポリグリセリン脂肪酸エステルの量の質量比が、3.0以上、好ましくは4.0以上、よりいっそう好ましくは5.0以上であり、
    (a)油の量/(b)第1のポリグリセリン脂肪酸エステルと(c)第2のポリグリセリン脂肪酸エステルとの総量の質量比が、0.5以下であり、
    組成物が、0.1質量%以下のアニオン性界面活性剤、好ましくは0.01質量%以下のアニオン性界面活性剤を含む、より好ましくはアニオン性界面活性剤を含まない、
    組成物。
  2. 300NTU以下、好ましくは200NTU以下、より好ましくは100NTU以下の濁度を有する、請求項1に記載の組成物。
  3. (a)油が極性油から選択される、請求項1又は2に記載の組成物。
  4. 組成物中の(a)油の量が、組成物の総質量に対して、10質量%以下、好ましくは5質量%以下、より好ましくは1質量%以下の範囲である、請求項1から3のいずれか一項に記載の組成物。
  5. (b)第1のポリグリセリン脂肪酸エステルが、2~4個のグリセロール単位、好ましくは3又は4個のグリセロール単位、より好ましくは4個のグリセロール単位を含む、請求項1から4のいずれか一項に記載の組成物。
  6. (b)第1のポリグリセリン脂肪酸エステルの脂肪酸部分が、12個以下の炭素原子、好ましくは11個以下の炭素原子、より好ましくは10個以下の炭素原子を含む、請求項1から5のいずれか一項に記載の組成物。
  7. (c)第2のポリグリセリン脂肪酸エステルが、2~4個のグリセロール単位、好ましくは2又は3個のグリセロール単位、より好ましくは2個のグリセロール単位を含む、請求項1から6のいずれか一項に記載の組成物。
  8. (c)第2のポリグリセリン脂肪酸エステルの脂肪酸部分が、14個以上の炭素原子、好ましくは16個以上の炭素原子、より好ましくは18個以上の炭素原子を含む、請求項1から7のいずれか一項に記載の組成物。
  9. (b)第1のポリグリセリン脂肪酸エステルと(c)第2のポリグリセリン脂肪酸エステルとの総量が、組成物の0.05質量%以上、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは1質量%以上である、請求項1から8のいずれか一項に記載の組成物。
  10. (d)スキンケア有効成分が、乳酸、ナイアシンアミド、及びこれらの混合物からなる群から選択される、請求項1から9のいずれか一項に記載の組成物。
  11. (d)スキンケア有効成分の量が、組成物の総質量に対して、0.01質量%~25質量%、好ましくは0.05質量%~20質量%、より好ましくは0.1質量%~15質量%である、請求項1から10のいずれか一項に記載の組成物。
  12. 組成物のpHが、3.5~9.0、好ましくは4.0~8.0、より好ましくは4.5~7.0、よりいっそう好ましくは4.0~6.0である、請求項1から11のいずれか一項に記載の組成物。
  13. ナノ又はマイクロO/W型エマルションの形態である、請求項1から12のいずれか一項に記載の組成物。
  14. (a)油の粒径が、300nm以下、好ましくは200nm以下、より好ましくは100nm以下である、請求項13に記載の組成物。
  15. ケラチン物質を処置するための美容方法であって、請求項1から14のいずれか一項に記載の組成物をケラチン物質に塗布する工程を含む、美容方法。
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