JP2023061803A - 吸収性物品 - Google Patents

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Abstract

【課題】適切なタイミングで機能材の機能を発現させることが可能な吸収性物品を提供する。【解決手段】吸収性コア(11)と、吸収性コア(11)よりも厚さ方向の非肌側に設けられた液不透過性シート(13a)と、を備えた吸収性本体(10)を有する吸収性物品(1)であって、縦方向に3等分した場合に中央に位置する中央領域(FC)において、液不透過性シート(13a)よりも厚さ方向の非肌側に、機能剤を内包するマイクロカプセルを担持する担持層(60)を有している。【選択図】図5

Description

本発明は、吸収性物品に関する。
従来、胴回り部材と吸収性本体とを備えたパンツ型使い捨ておむつ等の吸収性物品において、機能剤を内包するマイクロカプセルを配置する技術が知られている(例えば、特許文献1)。
特開2008-6277号公報
このような機能剤を内包するマイクロカプセルでは、通常、マイクロカプセルを破損させて内包された機能材を外部に放出させなければ機能材の機能が発現しない。そのため、おむつ等の通常の使用態様では、マイクロカプセルが破損し難く、おむつの使用時に機能材の機能が十分に発現し難い場合があった。また、マイクロカプセルがおむつ等の表面から離脱してしまうことにより、おむつの使用時において、機能材の機能が発現し難くなる場合があった。
本発明は、上記のような従来の問題に鑑みてなされたものであって、その目的は、適切なタイミングで機能材の機能を発現させることが可能な吸収性物品を提供することにある。
上記目的を達成するための主たる発明は、展開且つ伸長状態において縦方向と横方向と厚さ方向とを有し、吸収性コアと、前記吸収性コアよりも前記厚さ方向の非肌側に設けられた液不透過性シートと、を備えた吸収性本体を有する吸収性物品であって、前記縦方向に3等分した場合に中央に位置する中央領域において、前記液不透過性シートよりも前記厚さ方向の非肌側に、機能剤を内包するマイクロカプセルを担持する担持層を有している、ことを特徴とする吸収性物品である。
本発明の他の特徴については、本明細書及び添付図面の記載により明らかにする。
本発明によれば、適切なタイミングで機能材の機能を発現させることが可能な吸収性物品を提供することができる。
おむつ1の概略斜視図である。 展開且つ伸長状態のおむつ1の平面図である。 図2のA-A線での断面模式図である。 図4Aは、展開且つ伸長状態の吸収性本体10の平面図であり、図4Bは、吸収性本体10の断面模式図である。 担持層60の配置について説明する図である。 図6A~図6Dは、担持層60の形成パターンについて説明する図である。 おむつ1に設けられる担持層60の変形例について表す図である。 図8A及び図8Bは、おむつ1に設けられる担持層60の他の変形例について表す図である。 図9Aは、展開且つ伸長状態のおむつ2の平面図である。図9Bは、図9AのF-F線での断面模式図である。 図10Aは、ナプキン3を厚さ方向の肌側から見た概略平面図である。図10Bはナプキン3を厚さ方向の非肌側から見た概略平面図である。 図11は、図10A中のG-G矢視で示す断面模式図である。
本明細書及び添付図面の記載により、少なくとも以下の事項が明らかとなる。
展開且つ伸長状態において縦方向と横方向と厚さ方向とを有し、吸収性コアと、前記吸収性コアよりも前記厚さ方向の非肌側に設けられた液不透過性シートと、を備えた吸収性本体を有する吸収性物品であって、前記縦方向に3等分した場合に中央に位置する中央領域において、前記液不透過性シートよりも前記厚さ方向の非肌側に、機能剤を内包するマイクロカプセルを担持する担持層を有している、ことを特徴とする吸収性物品。
このような吸収性物品によれば、液不透過性シートよりも非肌側で、担持層によってマイクロカプセルが担持されていることにより、マイクロカプセルが脱落したり、機能材が吸収性コアに含侵したりしてしまうことが抑制される。そして、着用者の股間部に位置する縦方向の中央領域にマイクロカプセルが担持されていることにより、着用者の体圧がかかったり着用者が脚を動かしたりした際にマイクロカプセルが自然に破損して、吸収性物品の通常の使用態様でも機能材が放出されやすくなる。これにより、適切なタイミングで機能材の機能を発現させやすくすることができる。
かかる吸収性物品であって、着用時において着用者の胴回りに位置する胴回り部材を備え、展開且つ伸長状態で前記厚さ方向に見たときに、前記胴回り部材と前記吸収性本体とが重複する部分に、前記担持層の少なくとも一部を有している、ことが望ましい。
このような吸収性物品によれば、胴回り部材と吸収性本体とが重複している部分では、重複していな部分と比較して厚みが厚く、着用時に体圧がかかりやすい。したがって、着用時においてマイクロカプセルが自然に破損して機能材が放出されやすくなり、より適切なタイミングで機能材の機能を発現させることができる。
かかる吸収性物品であって、前記胴回り部材は、複数の開孔部を備えたシート部材を有し、展開且つ伸長状態で前記厚さ方向に見たときに、前記開孔部と前記担持層とが重複する部分を有している、ことが望ましい。
このような吸収性物品によれば、マイクロカプセルから放出された機能材が、開孔部を通過して、胴回り部材を厚さ方向に移動しやすくなる。これにより、機能材が胴回り部材から大気中に拡散しやすくなり、機能材の機能をより効果的に発現させることができる。
かかる吸収性物品であって、前記横方向の両側部に一対のファスニングテープを有し、前記一対のファスニングテープの前記横方向の間に、前記横方向に伸縮する伸縮領域を有し、展開且つ伸長状態で前記厚さ方向に見たときに、前記伸縮領域と重複する部分に、前記担持層の少なくとも一部を有している、ことが望ましい。
このような吸収性物品によれば、着用動作時に、一対のファスニングテープが横方向の両側に引っ張れると、伸縮領域も横方に伸長する。その際、伸縮領域と重複して配置された担持層も横方向に引っ張られるため、当該領域に担持されているマイクロカプセルが破損して機能材が放出されやすくなる。これにより、吸収性物品の着用動作時において、機能材の機能を発現させやすくすることができる。
かかる吸収性物品であって、前記縦方向の中央位置よりも前側における前記担持層の面積は、前記縦方向の中央位置よりも後側における前記担持層の面積以上である、ことが望ましい。
このような吸収性物品によれば、前側に配置されるマイクロカプセルの量が後側に配置されるマイクロカプセルの量よりも多くなりやすい。したがって、着用者がうつ伏せで寝ているときや、歩行時に前側に両脚を大きく動かしたときなどに、吸収性物品の前側に圧力がかかってマイクロカプセルが破損しやすくなる。これにより、前側領域で、機能材を放出させやすくすることができる。
かかる吸収性物品であって、前記縦方向の中央位置よりも前側における前記担持層の面積は、前記縦方向の中央位置よりも後側における前記担持層の面積よりも小さい、ことが望ましい。
このような吸収性物品によれば、後側に配置されるマイクロカプセルの量が前側に配置されるマイクロカプセルの量よりも多くなりやすい。したがって、着用者が仰向けで寝ているときや、着用者が座っているときに、吸収性物品の後側に圧力がかかってマイクロカプセルが破損しやすくなる。これにより、後側領域で、機能材を放出させやすくすることができる。
かかる吸収性物品であって、前記液不透過性シートよりも前記厚さ方向の非肌側に外装シートを有し、前記担持層は、前記液不透過性シートと前記外装シートとの間に設けられ、前記液不透過性シートと前記外装シートとを接合する接着剤を有している、ことが望ましい。
このような吸収性物品によれば、担持層が接着剤を有していることにより、マイクロカプセルがより強固に固定されやすく位置ずれを生じ難くなる。また、担持層が液不透過性シートと外装シートとに挟まれて配置されていることにより、マイクロカプセルが直ちに吸収性物品から離脱してしまうことが抑制される。したがって、マイクロカプセルが担持層に担持された状態が維持されやすくなり、適切なタイミングで機能材の機能を発現させやすくすることができる。
かかる吸収性物品であって、前記液不透過性シートと前記外装シートとの間に設けられ、前記液不透過性シートと前記外装シートとを接合する接着層を有し、
前記接着層は、前記マイクロカプセルを含有していない、若しくは、前記担持層と比較して前記マイクロカプセルの含有密度が低い、ことが望ましい。
このような吸収性物品によれば、担持層とは別個に接着層を設けることにより、液不透過性シートと外装シートとがより強固に接合されるため、該シート間に配置されている担持層がマイクロカプセルをより安定的に担持しやすくなる。これにより、適切なタイミングで機能材の機能を発現させやすくすることができる。
かかる吸収性物品であって、展開且つ伸長状態で前記厚さ方向に見たときに、前記縦方向において、前記担持層と前記接着層とが重複していない部分を有している、ことが望ましい。
このような吸収性物品によれば、担持層と接着層とが重複していない部分では、重複している部分と比較して、吸収性本体の剛性が低くなるため、吸収性物品の着用時において吸収性本体が柔軟に変形しやすくなる。したがって、担持層が形成される領域を調整することにより、吸収性本体の柔軟性を部分的に異ならせることが可能となる。また、担持層が非連続となる部分を設けることにより、マイクロカプセルの配置に係るコストを削減することができる。
かかる吸収性物品であって、展開且つ伸長状態で前記厚さ方向に見たときに、前記担持層は、前記吸収性コアと重複する部分を有している、ことが望ましい。
このような吸収性物品によれば、吸収性本体のうち剛性の高い吸収性コアと重複している部分では、着用時に体圧がかかった際に吸収性コアが土台のように機能して、担持層に担持されているマイクロカプセルが破損しやすくなり、機能材が放出されやすくなる。これにより、吸収性物品の使用時において機能材の機能を発現させやすくすることができる。
かかる吸収性物品であって、展開且つ伸長状態で前記厚さ方向に見たときに、前記担持層は、前記吸収性コアと重複しない部分を有している、ことが望ましい。
このような吸収性物品によれば、吸収性本体のうち剛性の高い吸収性コアと重複していない部分は、柔軟性が高く、着用者の身体の動きに応じて吸収性本体が変形しやすい。そのため、吸収性本体の変形に伴ってイクロカプセルに外力が作用して破損しやすくなり、機能材が放出されやすくなる。これにより、吸収性物品の使用時において機能材の機能を発現させやすくすることができる。
かかる吸収性物品であって、前記担持層の前記縦方向における最大長さと、前記横方向における最大幅とによって囲まれる領域において、前記担持層を構成する媒体が塗工されている部分と、当該媒体が塗工されていない部分とを有している、ことが望ましい。
このような吸収性物品によれば、担持層を構成する媒体(接着剤等)の塗工面積が大きいほど、担持層によるマイクロカプセルの保持力が高くなり、マイクロカプセルが破損し難くなる。また、塗工された媒体の表面積が大きいほど、マイクロカプセルから機能材を放出させやすくなる。したがって、媒体の塗工面積や塗工パターンを変化させることによって、機能材の機能の発現しやすさを調整することができる。これにより、より適切なタイミングで機能材の機能を発現させることが可能となる。
かかる吸収性物品であって、前記担持層の位置を示す表示が設けられている、ことが望ましい。
このような吸収性物品によれば、ユーザーは、表示を視認することで、担持層(マイクロカプセル)の位置を認識しやすくなるため、担持層を擦ってマイクロカプセルを破損させる動作等の契機となる。したがって、表示が設けられていない場合と比較して、機能材の機能を発現させやすくすることができる。
===第1実施形態===
本発明の第1実施形態に係る吸収性物品として、パンツ型使い捨ておむつ(以下、「おむつ1」とも呼ぶ)を例に挙げて説明する。ただし、第1実施形態に係る吸収性物品には、ショーツ型ナプキンやその他のパンツ(ショーツ)型形状を有する吸収性物品も含まれるものとする。
<おむつ1の構成>
図1は、おむつ1の概略斜視図である。図2は、展開且つ伸長状態のおむつ1の平面図である。図3は、図2のA-A線での断面模式図である。なお、おむつ1の「展開状態」とは、おむつ1の両側部に設けられている一対のサイド接合部50,50をそれぞれ分離し、おむつ1を開いて平面的に展開した状態である。また、おむつ1の「伸長状態」とは、おむつ1全体(製品全体)を皺なく伸長させた状態、具体的には、おむつ1を構成する各部材(例えば、後述する吸収性本体10や、胴回り部材20等)の寸法がその部材単体の寸法と一致又はそれに近い寸法になるまで伸長させた状態のことを言う。
おむつ1は、図1に示されるパンツ型状態において、互いに交差する上下方向と左右方向と前後方向とを有し、胴回り開口BHと一対の脚回り開口LH,LHとを有している。上下方向の上側が胴回り開口BH側に対応し、下側が股下側に対応する。また、前後方向の前側が着用者の腹側に対応し、後側が着用者の背側に対応する。また、図2の展開状態において、おむつ1は、互いに交差する縦方向と横方向とを有する。縦方向は、図1における上下方向に沿った方向であり、吸収性本体10の長手方向に相当する。横方向は、図1における左右方向に沿った方向である。また、図3に示すように、おむつ1を構成する資材が積層された方向を厚さ方向とする。厚さ方向において着用者の肌と接する側を肌側とし、その反対側を非肌側とする。
おむつ1は、液吸収性の吸収性本体10と、吸収性本体10よりも非肌側に配され、胴回り開口BHと脚回り開口LH,LHの一部を形成する胴回り部材20とを有している。そして、胴回り部材20は、おむつ1の前身頃に相当する前側胴回り部30と、おむつ1の後身頃に相当する後側胴回り部40とを有している。すなわち、本実施形態のおむつ1は、第1部品として、着用者の股間部にあてがわれ尿等の排泄物を吸収する吸収性本体10を有し、第2部品として、着用者の腹側胴回り部に位置する前側胴回り部30を有し、第3部品として、着用者の背側胴回り部に位置する後側胴回り部40を有する、所謂3ピースタイプのパンツ型おむつである。但し、おむつ1は、図1に示されるような3ピースタイプに限られるものではない。例えば、前身頃と後身頃とが一部品で構成された胴回り部材20と、吸収性本体10とを備えた、所謂2ピースタイプのパンツ型おむつであっても良い。
図2の展開状態では、前側胴回り部30と後側胴回り部40とが互いに縦方向に間隔を空けて平行に並んだ状態で、これらの間に吸収性本体10が掛け渡されている。そして、吸収性本体10の長手方向(図2の縦方向に相当)の各端部10ea,10ebが、それぞれ不図示の本体接合部を介して最寄りの胴回り部30,40の肌側に接合固定されている。すなわち、吸収性本体10と前側胴回り部30とが厚さ方向に重複している部分において、ホットメルト接着剤等の接合材によって吸収性本体10の非肌側面と前側胴回り部30の肌側面とが接合されている(図2及び図3参照)。同様に、吸収性本体10と後側胴回り部40とが厚さ方向に重複している部分において、ホットメルト接着剤等の接合材によって、吸収性本体10の非肌側面と後側胴回り部40の肌側面とが接合されている。
そして、図2の展開状態から、縦方向の中央位置CLを折り位置(二つ折り線)として吸収性本体10が二つ折りされる。この二つ折りの状態において互いに対向する前側胴回り部30と後側胴回り部40とが、左右方向両側の側部30sw及び側部40swにて互いに接合・連結され、一対のサイド接合部50,50が形成される。すなわち、胴回り部材20は、左右方向の両端部に前側胴回り部30と後側胴回り部40とを接合するサイド接合部50,50を備え、一対のサイド接合部50,50によって前側胴回り部30と後側胴回り部40とが環状に成形される。なお、サイド接合部50は、溶着や接着等の公知の接合手段によって形成されている。これにより、図1に示すような胴回り開口BH及び一対の脚回り開口LH,LHが形成されたパンツ型状態のおむつ1となる。
(吸収性本体10)
図4Aは、展開且つ伸長状態の吸収性本体10の平面図であり、図4Bは、吸収性本体10の断面模式図である。吸収性本体10は、胴回り部材20よりも肌側に設けられ、排泄液を吸収する吸収性コア11と、吸収性コア11よりも厚さ方向の肌側に配置されたトップシート12と、吸収性コア11よりも非肌側に配置されたバックシート13とを有する。但し、吸収性本体10が、これ以外のシート部材を備えていても良い。例えば、トップシート12と吸収性コア11との厚さ方向の間に、セカンドシート(図4Bでは不図示)を備えていてもよい。また、吸収性本体10には、機能剤を内包したマイクロカプセルを担持する担持層60が設けられている。担持層60については後で説明する。
吸収性コア11は、尿等の排泄液を吸収して保持する部材であり、おむつ1においては、例えば高吸収性ポリマー(SAP)が混入したパルプ繊維等の液体吸収性繊維により形成される。なお、吸収性コア11は、ティッシュペーパーや不織布等の液透過性のシート部材(コアラップシート11b)によって、外周面が覆われていても良い。本実施形態の吸収性コア11は、長手方向の前側端と後側端との間に、左右方向における幅が狭くなったくびれ部11cを有しており、図4Aに示されるような平面視略砂時計形状を有している。このくびれ部11cは、おむつ1の着用時において着用者の両脚の間に挟まれる部分であり、当該部分の左右方向における長さが短く(幅が狭く)なっていることにより、吸収性コア11が着用者の股間にフィットしやすくなる。
トップシート12は、液透過性のシートであり、例えば親水性のエアスルー不織布やスパンボンド不織布等が用いられる。本実施形態のおむつ1では、図4Bに示されるように、トップシート12の左右方向両側部が厚さ方向の肌側から非肌側に折り返され、吸収性コア11を包み込むように構成されている。
バックシート13は、液不透過性シート13aと、その非肌側に配された疎水性の外装シート13bと、の二層構造である。液不透過性シート13aとしては、例えば樹脂フィルム等が用いられ、外装シート13bとしては、例えば柔軟性を有する不織布が用いられる。
吸収性本体10の左右方向の両側部には、縦方向(吸収性本体10の長手方向)に沿って一対の防漏壁部15が設けられている。本実施形態において、防漏壁部15は、上述した外装シート13bによって形成されている。具体的には、左右方向(横方向)において、外装シート13bの一部が吸収性コア11の両端よりも外側に延出しつつ、図4Bのように肌側に複数個所で折り曲げられることによって、一対の防漏壁部15が形成される。防漏壁部15の肌側端部(先端部)には、糸ゴム等の防漏壁弾性部材16が縦方向(吸収性本体10の長手方向)に沿って伸長した状態で取り付けられている。おむつ1の着用時には、該防漏壁弾性部材16が発現する伸縮性に基づいて、防漏壁部15が着用者の肌側に起立し、着用者の股間部にフィットする。
また、吸収性本体10の左右方向の両側部には、糸ゴム等の脚回り弾性部材17が縦方向(吸収性本体10の長手方向)に沿って伸長した状態で取り付けられている。おむつ1の着用時には、該脚回り弾性部材17が発現する伸縮性に基づいて、吸収性本体10の両側部が収縮し、着用者の脚回り沿ってフィットしやすくなる。
(前側胴回り部30)
前側胴回り部30は、図3に示されるように、厚さ方向の肌側に配置された肌側シート31と、肌側シート31の非肌側に隣接するように積層された非肌側シート32と、肌側シート31と非肌側シート32との厚さ方向の間に設けられた胴回り弾性部材35と、を有する。
肌側シート31及び非肌側シート32は、図2に示されるような平面視長方形状のシート部材であり、例えばSMS(スパンボンド‐メルトブローン‐スパンボンド)不織布等によって形成されている。
非肌側シート32の表面には、図2の部分拡大図に示されるような開孔部32hが複数設けられていても良い。開孔部32hは、非肌側シート32を厚さ方向に貫通する貫通孔であり、該開孔部32hが設けられていることにより、前側胴回り部30の通気性を高めることができる。また、開孔部32hが前側胴回り部30の非肌面側に視認可能に配置されていることにより、前側胴回り部30が良好な通気性を有していることをユーザーに想起させやすくすることができる。各々の開孔部32hは、例えば直径1mm程度の円形状とすることができるが、開孔部32hの形状や配置(個数及びパターン)は適宜変更可能である。但し、開孔部32hは必ずしも設けられていなくても良い。
また、非肌側シート32の上端部(縦方向における前側端部)が非肌側から肌側、且つ、縦方向の前側から後側に折り返された折り返し部32fを有している。この折り返し部32fによって肌側シート31の一部(上端部)が覆われることにより、肌側シート31の上端エッジが着用者の肌に食い込んでしまうことが抑制される。但し、折り返し部32fは必ずしも設けられていなくても良い。
胴回り弾性部材35は、例えば糸ゴム等によって形成され、肌側シート31と非肌側シート32との間に、上下方向(縦方向)に間隔を空けて複数配置されるとともに、左右方向に伸長された状態で取り付けられている。この胴回り弾性部材35が発現する伸縮性によって、前側胴回り部30は、着用者の腹側胴回りにフィットする。
胴回り弾性部材35の取り付けは、ホットメルト接着剤等の接着剤を用いて行うことができる。例えば、胴回り弾性部材35にホットメルト接着剤を塗布して所定の伸長倍率で伸長させ、肌側シート31と非肌側シート32とで挟み込むことによって胴回り弾性部材35を取り付けることができる。すなわち、胴回り弾性部材35を介して肌側シート31と非肌側シート32とが接着剤によって接合される。なお、胴回り弾性部材35側に接着剤を塗布するのではなく、肌側シート31及び非肌側シート32側に接着剤を塗布することによって胴回り弾性部材35が取り付けられるのであっても良い。
また、肌側シート31と非肌側シート32とが溶着手段を用いて接合される場合には、溶着の際に形成される複数の溶着部を用いて、各々の胴回り弾性部材35を上下に挟み込むようにすることで、該胴回り弾性部材35を取り付けても良い。
なお、前側胴回り部30において、胴回り弾性部材35が左右方向の一部の領域にて切断等されることにより、伸縮性を発現していない若しくは伸縮性が弱められた領域が形成されていてもよい。例えば、図2のように前側胴回り部30と吸収性本体10とが重複している領域において、前側胴回り部30の一部を切断して収縮力を弱めることにより、吸収性本体の幅(左右方向の長さ)が縮んでしまうことを抑制できる。
また、前側胴回り部30は、肌面シート36を有していても良い。肌面シート36は、図3に示されるように、吸収性本体10の上端部(縦方向における前側端部)を肌側から覆うように配置されたシート部材であり、カバーシートとしての機能を有している。これにより、おむつ1の着用時に吸収性本体10の上端エッジが着用者の肌に食い込んでしまうことが抑制される。肌面シート36は、例えばSMS不織布等によって形成されている。
(後側胴回り部40)
後側胴回り部40は、前側胴回り部30と略同様の構成を有する。すなわち、後側胴回り部40は、厚さ方向の肌側に配置された肌側シート41と、肌側シート41の非肌側に隣接するように積層された非肌側シート42と、肌側シート41と非肌側シート42との厚さ方向の間に設けられた複数の胴回り弾性部材45と、を有する。また、前側胴回り部30と同様に、開孔部42hや折り返し部42f、肌面シート46等を有していても良い(図2,図3参照)。各部材の構成は、前側胴回り部30とほぼ同様であるため、説明は省略する。
一方、後側胴回り部40の外観形状は、前側胴回り部30とは異なっている。具体的に、後側胴回り部40は、図2のように、サイド接合部50(側部40sw)よりも上下方向の下側が略台形形状となった臀部カバー40bを有している。臀部カバー40bは、上下方向の上側から下側に向かって横方向(左右方向)の幅が狭くなった部位である。臀部カバー40bが設けられていることによって、おむつ1の着用時に後側胴回り部40が着用者の臀部を広く被覆することが可能となっている。
<担持層60について>
おむつ1の吸収性本体10には、機能剤を内包するマイクロカプセルを担持する担持層60が設けられている。以下、マイクロカプセル及び担持層60について説明する。
(マイクロカプセル)
マイクロカプセルは、直径1~1000μmの大きさを有し、機能剤を内包する空間を有するカプセル(膜材)である。マイクロカプセルの素材としては、ウレタン樹脂、ゼラチン、ゼラチン・アラビアゴム、メラミン樹脂、尿素、ホルマリン樹脂、糖類等が挙げられる。本実施形態ではメラミン樹脂によるマイクロカプセルを採用した。ただし、マイクロカプセルは、物理的な刺激(例えば、圧力、衝撃、熱、振動、光等)によって膜材が崩壊(破損)し、内包していた機能剤が放出されるものであれば、特に制限されない。
また、マイクロカプセルは、機能剤(芯材)を内包し且つ機能剤(芯材)の放出を制御することができるものであれば、その外観形状は特に制限されず、例えば、球形、不定形等の外観形状が挙げられる。また、マイクロカプセルは、機能剤(芯材)を保持する空間を1つ有する単核型、機能剤(芯材)を保持する空間を複数有する多核型、又は、粒子内部に微粒子状の芯物質が分散する構造、或いは液体状の芯物質が含浸する構造のマトリックス型であることができる。上記空間の形状としては、球形、不定形等の空間形状が挙げられる。
マイクロカプセルに内包される機能剤としては、例えば、冷感剤や虫の忌避剤(以下、単に忌避剤とも呼ぶ)を挙げることができる。冷感剤としては、当技術分野で一般的に冷感剤として知られているものを使用可能であるが、揮発性を有し、皮膚の神経にある受容体活性化チャネル(TRPM8)に作用するものが好ましい。例えば、メントール(例として、l-メントール)及びその誘導体(例えば、乳酸メンチル)、サリチル酸メチル、カンファー、キュウリエキス、植物(例えば、ミント、ユーカリ、ナツメグ)由来の精油等が挙げられる。
忌避剤とは、蚊、蚋、ユスリカ、ハエ類等の害虫に対する忌避剤(虫よけ剤)であり、虫よけ効果のある成分を含む合成化合物や天然植物抽出物である。例えば、シトロネラール、1,8-シネオール、リナリルアセテート、ディート(N,N-ジエチル-3-メチルベンズアミド)、セスキテルペン、エチルブチルアセチルアミノプロピオン酸エチル、ピカリジン、ピレスロイド、シナモン、ローズマリー、ラベンダー、ペパーミント、ユーカリ、シトロネラ、レモンユーカリ、ツルシ等を用いることができる。忌避剤は、対象とする害虫や着用対象者に応じて選択可能である。
なお、機能剤は、冷感剤や忌避剤に限定されるものではない。例えば、香料であっても構わない。
従来、おむつ1のような吸収性物品にマイクロカプセルを設ける方法としては、マイクロカプセルが分散した液体を、吸収性物品を構成する不織布等の資材に塗工する方法が用いられていた。マイクロカプセルを分散させる液体(分散媒)は、マイクロカプセルを溶解、膨潤させず、機能剤の機能を保持するものが好ましく、例えば、水等が用いられていた。
しかしながら、このように分散媒を塗工する方法では、マイクロカプセルを吸収性物品の資材に対して十分に固定することが難しく、分散媒が乾燥(揮発)した後は、時間経過と共にマイクロカプセルが資材から離脱してしまう場合があった。そのため、おむつの使用時に適切なタイミングで機能材の機能を発現させることが難しくなるおそれがあった。また、機能材の機能を発現させるためには、吸収性物品の使用時にマイクロカプセルを破損させて内部の機能材を放出させる必要があるが、従来の配置方法ではマイクロカプセルの固定が不十分であるため、マイクロカプセルに対して効率的に力を作用させ難く、カプセルが破損し難い場合があった。この場合も、おむつの使用時において適切なタイミングで機能材の機能が発現し難くなるおそれがあった。
そこで、本実施形態では、マイクロカプセルを安定して担持することが可能な担持層60を形成し、当該担持層60によって吸収性物品の所定の位置にマイクロカプセルを配置した状態で保持しやすくしている。図5は、担持層60の配置について説明する図である。図5Aは、展開且つ伸長状態のおむつ1において、担持層60の配置を斜線部の領域で表している。図5Bは、図5Aの吸収性本体10の概略断面を表している。
(担持層60)
担持層60は、吸収性本体10の液不透過性シート13aよりも厚さ方向の非肌側に積層された層状の部位である。おむつ1では、液不透過性シート13aと外装シート13bとを厚さ方向に接合するホットメルト接着剤(HMA)によって担持層60を構成する。すなわち、上述したようなマイクロカプセルが所定の割合で分散したホットメルト接着剤を液不透過性シート13aの非肌側面の所定の領域に塗工することによって、担持層60を形成する。ホットメルト接着剤からなる担持層60によって、マイクロカプセルを安定して保持(担持)することができる。
但し、マイクロカプセルを安定して保持可能な層を形成できるのであれば、ホットメルト接着剤(HMA)以外の物質によって担持層60が形成されるのであっても良い。例えば、グリセリン、植物性油、ジェル、PEG(ポリエチレングリコール)等の物質を用いて担持層60が形成されていても良い。これらの物質は何れも容易に揮発し難く、また人体に無害であるため、おむつ等の吸収性物品においてマイクロカプセルを担持する層(担持層60)を形成するのに適している。
担持層60を形成するホットメルト接着剤等の物質は、厚さ方向において不織布(おむつ1では外装シート13b)と接触していることから、ホットメルト接着剤(担持層60)の一部が不織布を構成する繊維間に含侵する場合がある。しかし、ホットメルト接着剤等の全体が不織布(外装シート13b)に染み込んでしまう可能性は低く、マイクロカプセルを担持する担持層60としての機能は維持される。
なお、おむつ1では、担持層60を形成するホットメルト接着剤等が、厚さ方向において液不透過性シート13aを挟んで吸収性コア11とは反対側に設けられている。すなわち、ホットメルト接着剤は吸収性コア11と直接接触し難い位置に配置されている。このような配置とした場合、マイクロカプセルから放出された機能材やホットメルト接着剤自体が吸収性コア11に吸収されてしまうことを抑制できるため、担持層60をより安定して形成しやすくなる。
また、おむつ1を縦方向に3等分したときに前側に位置する領域を前側領域FF、中央に位置する領域を中央領域FC、後側に位置する領域を後側領域FBとすると、図5Aの斜線部で示されるように、担持層60は、少なくとも中央領域FCの一部と重複するように配置されている。中央領域FCは、おむつ1の着用時に、着用者の股間部に位置する領域である。つまり、おむつ1の着用時には、着用者の股間部にマイクロカプセルが担持された状態となる。おむつ1の着用時には、中央領域FCに対して着用者の体圧がかかりやすいため、マイクロカプセルが破損して内部から機能材が放出されやすくなる。また、この状態で着用者が脚を動かすと、股間部(中央領域FC)が両脚に挟まれることによってマイクロカプセルに外力が加えられたり擦られたりして、該マイクロカプセルが破損して機能材が放出されやすくなる。したがって、おむつ1の通常の使用態様において自然に機能材の機能を発現させることができる。
このように、おむつ1では、液不透過性シート13aよりも厚さ方向の非肌側に、担持層60によってマイクロカプセルが担持されていることにより、マイクロカプセルが脱落したり、機能材が吸収性コアに含侵したりしてしまうことが抑制される。そして、着用者の股間部に位置する縦方向の中央領域FCにマイクロカプセルが担持されていることにより、着用者が脚を動かした際にマイクロカプセルが自然に破損して、おむつ1の通常の使用態様でも機能材が放出されやすくなる。これにより、適切なタイミングで機能材の機能を発現させることができる。
また、おむつ1に設けられる担持層60は、縦方向の中央位置CLよりも前側における面積が、縦方向の中央位置CLよりも後側における面積以上となるようにすると良い。このような構成であれば、おむつ1の前側(腹側)に配置されるマイクロカプセルの量が後側(背側)に配置されるマイクロカプセルの量よりも多くなりやすい。したがって、例えば、おむつ1の着用者がうつ伏せで寝ているときや、歩行時に前側に両脚を大きく動かしたときなどには、おむつ1の前側に圧力がかかりやすくなるため、おむつ1の前側において、マイクロカプセルが破損しやすくなり、機能材を放出させやすくすることができる。
逆に、縦方向の中央位置CLよりも前側における担持層60の面積が、縦方向の中央位置CLよりも後側における担持層60の面積よりも小さくなるようにしても良い。このような構成であれば、おむつ1の後側(背側)に配置されるマイクロカプセルの量が前側(腹側)に配置されるマイクロカプセルの量よりも多くなりやすい。したがって、例えば、おむつ1の着用者が仰向けで寝ているときや、着用者が座っているときには、おむつ1の後側に圧力がかかりやすくなるため、おむつ1の後側において、マイクロカプセルが破損しやすくなり、機能材を放出させやすくすることができる。
また、上述の例では、ホットメルト接着剤(HMA)等の接着剤によって担持層60が形成されており、担持層60は、マイクロカプセルを担持する機能と、液不透過性シート13aと外装シート13bとを接合する機能を有していた。担持層60が接着剤を含んでいることにより、マイクロカプセルが固定されやすく位置ずれを生じ難くすることができる。そして、マイクロカプセルを担持している担持層60が液不透過性シート13aと外装シート13bとに挟まれて配置されていることにより、当該マイクロカプセルが直ちにおむつ1から離脱してしまうことが抑制される。例えば、或るマイクロカプセルが担持層60による担持から外れて位置ずれを生じたとしても、液不透過性シート13a及び外装シート13bによって厚さ方向への移動が制限されるため、上下方向や左右方向への移動が生じたとしても、再び担持層60によって担持されやすい。したがって、おむつ1の使用期間を通してマイクロカプセルが担持層60に担持された状態が維持されやすく、適切なタイミングで機能材の機能を発現させやすくすることができる。
一方、担持層60がグリセリン等によって形成される場合や、担持層60による粘着力が十分でない場合には、担持層60によって液不透過性シート13aと外装シート13bとを接合することが難しくなる場合がある。そこで、液不透過性シート13aと外装シート13bとの間に、担持層60とは別個に、ホットメルト接着剤等の接着剤からなる接着層70を設け、当該接着層70によって液不透過性シート13aと外装シート13bとを接合する構成としても良い。図5Aおよび図5Bでは、縦方向に延びる帯状の領域に接着剤が塗工され、そのような帯状の領域が横方向に間隔を空けて複数並ぶことによって、接着剤による層状の接着層70が形成され、厚さ方向において担持層60と積層するように配置されている。このような接着層70を設けることにより、液不透過性シート13aと外装シート13bとがより強固に接合されるため、該シート間に挟みこまれて配置されている担持層60によってマイクロカプセルがより安定的に担持されやすくなる。したがって、適切なタイミングで機能材の機能を発現させやすくすることができる。
なお、接着層70にもマイクロカプセルが含まれていても良いが、その場合、接着層70の単位体積当たりに含まれるマイクロカプセルの密度(含有密度)は、担持層60の単位体積当たりに含まれるマイクロカプセルの密度(含有密度)よりも小さくなるものとする。マイクロカプセルの含有密度が低いほど不純物が少なくなることから、液不透過性シート13aと外装シート13bとをより強固に接合しやすくなる。したがって、接着層70は、担持層60と比較してマイクロカプセルの含有密度を低くすることが望ましい。
また、図5Aや後述する図7Aに示されるように、担持層60は、縦方向において吸収性本体10の一端から他端までの間で間欠的に配置されている。言い換えると、担持層60は縦方向において非連続な部分を有している。図5Aでは、吸収性本体10の縦方向において、前側端部及び後側端部で担持層60が非連続とる部分を有している。その結果、厚さ方向に見たときに、担持層60と接着層70とが重複する部分と、重複していない部分とが形成される。担持層60と接着層70とが重複していない部分では、重複している部分と比較して、吸収性本体10の剛性が低くなるため、おむつ1の着用時において吸収性本体10が柔軟に変形しやすくなる。したがって、担持層60が形成される領域を調整することにより、吸収性本体10の柔軟性を部分的に異ならせることが可能となる。また、マイクロカプセル(機能材)は、必ずしも吸収性本体10の長手方向における全体に設けられていなくても良いため、担持層60が非連続となる部分を設けることにより、マイクロカプセルの配置に係るコストを削減することができる。
また、おむつ1の担持層60は、厚さ方向に見たときに、吸収性本体10のうち吸収性コア11と重複する部分を有している(図5A等参照)。吸収性本体10のうち剛性の高い吸収性コア11と重複している部分では、おむつ1の着用時に着用者の体圧がかかった際に吸収性コア11が土台のように機能して、マイクロカプセルが破損しやすくなり、機能材が放出されやすくなる。したがって、担持層60が吸収性コア11と重複する部分を有していることにより、おむつ1の使用時において機能材の機能を発現させやすくすることができる。なお、上述したように、吸収性コア11と担持層60との間には液不透過性シート13aが配置されているため、マイクロカプセルから放出された機能材が吸収性コア11によって直ちに吸収されてしまう等の問題は生じ難い。
また、おむつ1の担持層60は、厚さ方向に見たときに、吸収性本体10のうち吸収性コア11と重複しない部分を有している(図5A等参照)。吸収性本体10のうち剛性の高い吸収性コア11と重複していない部分は、柔軟性が高く、着用者の身体の動きに応じて吸収性本体10が変形しやすい。そのため、吸収性本体10の変形に伴ってマイクロカプセルに外力が作用しやすく、マイクロカプセルが破損して、機能材が放出されやすくなる。したがって、担持層60が吸収性コア11と重複していない部分を有していることにより、おむつ1の使用時において機能材の機能を発現させやすくすることができる。
なお、おむつ1において、担持層60は、図5Aの斜線部で示される領域にホットメルト接着剤等を塗工することによって形成されるが、接着剤の塗工パターンは以下のように変更しても良い。図6A~図6Dは、担持層60の形成パターンについて説明する図である。
図6Aは、斜線部で示される所定の領域中にホットメルト接着剤がコーター塗工等によって一様に塗工されることで、所謂ベタ塗り状態のパターンで担持層60が形成される例について示している。図6Bは、ホットメルト接着剤が縦長の帯状に塗工されたパターンが、幅方向に間隔を空けて複数配置されることにより担持層60が形成される例について示している。図6Cは、所定の領域中で、スパイラル塗工やΩ塗工により螺旋状や波状に塗工された複数条のホットメルト接着剤によって担持層60が形成される例について示している。なお、図6Cでは、複数条のホットメルト接着剤同士の一部が互いに重複して絡み合うように配置されることによって担持層60が形成されている。図6Dは、螺旋状や波状に塗工された複数条のホットメルト接着剤が互いに重複しないように配置されることによって担持層60が形成される例について示している。
図6A~図6Dに示される各パターンで形成された担持層60は、何れもマイクロカプセルを担持することが可能であるが、担持層60に塗工されるホットメルト接着剤の面積が異なるため、マイクロカプセルの保持力が異なる。例えば、担持層60の縦方向における最大長さH60と、横方向における最大幅W60とによって囲まれる領域中に塗工されるホットメルト接着剤(担持層を構成する媒体)の面積は、図6Aのパターンが最も大きく、図6B、図6C、図6Dの順に小さくなる。そして、ホットメルト接着剤(担持層を構成する媒体)の塗工面積が大きいほど、マイクロカプセルの保持力が高くなる。そして、マイクロカプセルの保持力が高いほど、おむつ1の使用時にマイクロカプセルが破損し難くなることから、機能材が放出され難く、該機能材の機能が発現し難くなる。
また、ホットメルト接着剤の塗工パターンを考慮すると、図6Dのように複数条のホットメルト接着剤が互いに重複しないように疎な状態で配置されている場合、ホットメルト接着剤の表面積が大きくなり易い。そのため、マイクロカプセルから機能材が放出されやすくなる。逆に、図6Aのようにホットメルト接着剤が面状に密な状態で塗工されていた場合、ホットメルト接着剤の表面積が小さくなり易く、マイクロカプセルから機能材が放出され難くなる。すなわち、図6Dのパターンが最も機能材の機能を発現させやすく、図6C、図6B、図6Aの順に機能材の機能が発現し難くなる。
このように、或る大きさを有する領域に担持層60を形成する場合、ホットメルト接着剤の塗工パターンや塗工面積を変化させることによって、機能材の機能を発現しやすくしたり、発現し難くしたりすることができる。上述の例では、図6Dのようにホットメルト接着剤の塗工面積が小さいほど、機能材の機能を発現しやすく、図6Aのようにホットメルト接着剤の塗工面積が大きいほど、機能材の機能を発現し難くすることができる。また、塗工されたホットメルト接着剤の表面積が大きいほど、機能材の機能を発現しやすく、表面積が小さいほど、機能材の機能を発現し難くすることができる。例えば、おむつ1の着用時に着用者の股間部に位置する中央領域FCのうち、着用者の両脚と接触しやすい領域(すなわち、マイクロカプセルが破損しやすい領域)では、ホットメルト接着剤の塗工面積を大きく(表面積を小さく)することによって機能材の機能が過度に発現することを抑制することができる。逆に、中央領域FCのうち、着用者の両脚と接触し難い領域(すなわち、マイクロカプセルが破損し難い領域)では、ホットメルト接着剤の塗工面積を小さく(表面積を大きく)することによって機能材の機能を発現させやすくすることができる。このようにホットメルト接着剤の塗工パターンを適当に調整することにより、より適切なタイミングで機能材の機能を発現させることが可能となる。
図7は、おむつ1に設けられる担持層60の変形例について表す図であり、図5に対応する図である。同図7では、中央領域FCにおいて、図5の担持層60に相当する中央担持層60Cが設けられている。さらに、前側領域FFにおいて、厚さ方向に見たときに前側胴回り部30と吸収性本体10とが重複している部分に、前側担持層60Fが設けられている。同様に、後側領域FBにおいて、厚さ方向に見たときに後側胴回り部40と吸収性本体10とが重複している部分に、後側担持層60Bが設けられている。すなわち、本変形例では、厚さ方向に見たときに胴回り部材20と吸収性本体10とが重複する部分にも、担持層60が設けられている。
厚さ方向において、胴回り部材20と吸収性本体10とが重複している部分は、重複していな部分と比較して厚みが厚くなっていることから、おむつ1の着用時に着用者の体圧がかかりやすくなる。したがって、そのような部分に、担持層60(前側担持層60F,後側担持層60B)によってマイクロカプセルが担持されていることにより、体圧がかかった際にマイクロカプセルが自然に破損して機能材が放出され、機能材の機能が発現しやすくなる。これにより、おむつ1の着用時において、より適切なタイミングで機能材の機能を発現させるやすくすることができる。
また、おむつ1の胴回り部材20のうち、非肌側シート32(42)の表面に、
複数の開孔部32h(42h)が設けられている場合(図2参照)、前側担持層60F(後側担持層60B)に担持されたマイクロカプセルから放出された機能材が、該開孔部32h(42h)を通過して、胴回り部材20を厚さ方向の肌側から非肌側に移動しやすくなる。したがって、機能材(忌避剤や香料等)が、胴回り部材20の非肌側表面から大気中に拡散しやすくなるため、機能材の機能をより効果的に発現させることが可能となる。
図8A及び図8Bは、おむつ1に設けられる担持層60の他の変形例について表す図である。図8Aでは、担持層60が、吸収性本体10の縦方向における一端から他端まで連続して設けられている。一方、図5Aや図7Aの場合と比較して担持層60の横方向における長さ(幅)が短く、担持層60が全体として縦長形状に形成されている。図8Bでは、担持層60が接着層70の全域と重複する程度に広く形成されている。そして、いずれの場合も、厚さ方向において液不透過性シート13aよりも非肌側、且つ、縦方向において中央領域FCと重複して担持層60が配置されている。したがって、おむつ1の使用時において、適切なタイミングで、機能材の機能を発現させることが可能となっている。また、担持層60の範囲を適切に調節することにより、機能材を発現させたい範囲や、シート部材同士の接合強度を自在に調整することが可能となるため、製造コストの削減や、設計の自由度を高めることができる。
また、おむつ1に、担持層60の位置を示す表示が設けられていても良い。例えば、図1では、吸収性本体10の非肌側表面に、担持層60の位置を指示する表示部90が設けられている。ユーザー(着用者や保護者等)は、当該表示部90を視認することで、担持層60(マイクロカプセル)の位置を認識しやすくなるため、担持層60を擦ってマイクロカプセルを破損させる動作の契機となる。すなわち、表示部90が設けられていない場合と比較して、機能材の機能を発現させやすくすることができる。なお、表示部90に表示される内容としては、文字や図形、他の部分と異なる着色等を例示できるが、ユーザーの関心を刺激して、マイクロカプセルを破損させるための動作を引き起こしやすい表示であることが望ましい。
===第2実施形態===
第2実施形態では、吸収性物品の一例として、第1実施形態で説明した「パンツ型おむつ(おむつ1)」とは異なる「テープ型おむつ」(以下、「おむつ2」とも呼ぶ)について説明する。図9Aは、展開且つ伸長状態のおむつ2の平面図である。図9Bは、図9AのF-F線での断面模式図である。なお、図9A及び図9Bにおける各方向(例えば縦方向や横方向等)は、第1実施形態で定義した各方向と同様である。
図9A及び図9Bに示すように、おむつ2は、排泄物を吸収する吸収性コア11と、吸収性コア11よりも肌側に位置する液透過性のトップシート12と、吸収性コア11よりも非肌側に位置する液不透過性シート13aと、液不透過性シート13aよりも非肌側に位置する外装シート25と、トップシート12の左右方向(横方向)における両側部において肌側に接合された一対のサイドシート18とを有する。また、おむつ2の左右方向における両側部には、縦方向に伸縮する脚回り弾性部材17(例えば糸ゴム等)が配置されている。
おむつ2の吸収性コア11、トップシート12、及び液不透過性シート13aは、おむつ1における吸収性本体10に相当する部分であり、おむつ1の吸収性本体10を構成する吸収性コア11、トップシート12、及び液不透過性シート13aとそれぞれ同様の機能を有する。
おむつ2の外装シート25は、おむつ1における胴回り部材20に相当する外装部材である。外装シート25は、おむつ1の胴回り部材20を構成する非肌側シート33,43と同様に、不織布等によって構成されている。
一対のサイドシート18は、トップシート12と同様の液透過性の不織布であり、該サイドシート18の左右方向の内側端部には、縦方向に伸縮可能な糸ゴム等の防漏壁弾性部材16が設けられている。おむつ2の着用時には、この防漏壁弾性部材16が発現する収縮力に基づいて、サイドシート18の左右方向(横方向)内側端部が着用者の肌側に起立し、おむつ1と同様に防漏壁部15を形成する。
おむつ2の縦方向における背側には、左右方向(横方向)の両側部から外側に向かって延出する一対のファスニングテープ29が設けられている。また、おむつ2の縦方向における腹側(前側胴回り部30)の非肌側面には、おむつ2の装着時にファスニングテープ29を係合させるためのターゲットシート(図9では不図示)が設けられていても良い。ファスニングテープ29の自由端側(左右方向の外側)の肌側面には、複数のフック部材(不図示)を備えた面ファスナー29fが設けられている。
また、一対のファスニングテープ29,29の横方向の間には、横方向に伸縮可能な伸縮領域28が設けられている。伸縮領域28は、例えば伸縮性不織布等の伸縮性を有するシート部材や複数の糸ゴム等の弾性部材を伸長した状態で所定の領域に配置することによって形成される。おむつ2の着用時には、当該伸縮領域28が発現する伸縮性によって、一対のファスニングテープ29,29によって挟まれた部分が着用者の胴回りに沿ってフィットしやすくなる。
そして、おむつ2の液不透過性シート13aと外装シート25との厚さ方向の間には、おむつ1と同様の担持層60及び、接着層70が設けられている。担持層60は、機能材を内包したマイクロカプセルを担持する層であり、ホットメルト接着剤等によって形成される。また、接着層70は、液不透過性シート13aと外装シート25とを接合するための接合部である。
おむつ2を着用する際には、例えば、図9Aに示される展開状態のおむつ2を着用者の股下部に配置して、縦方向の中央位置CLよりも前側の領域を着用者の腹側にあてがい、縦方向の中央位置CLよりも後側の領域を着用者の背側(臀部側)にあてがう。そして、一対のファスニングテープ29,29を着用者の胴回りに沿って背側から腹側に巻き回し、着用者の腹側にて、面ファスナー29fをターゲットシートに係合させる動作を行う。これにより、おむつ1と略同様の胴回り開口BH及び一対の脚回り開口LH,LHが形成され、着用者の身体(股下部)に対しておむつ2の位置を固定することができる。
このようなおむつ2を着用した状態では、縦方向に3等分したときの中央領域FCが着用者の股間部に位置する。すなわち、おむつ1と同様に、着用者の股間部にマイクロカプセルが担持された状態となる。この状態で着用者が脚を動かすと、股間部(中央領域FC)が両脚に挟まれる等によりマイクロカプセルが破損して、内部から機能材が放出されやすくなる。したがって、おむつ2の着用時において、適切なタイミングで機能材の機能を発現させることができる。
さらに、おむつ2では、厚さ方向に見たときに、伸縮領域28と担持層60とが重複する部分を有している(図9A参照)。上述したおむつ2の着用動作時に、一対のファスニングテープ29,29が横方向の両側に引っ張られると、該ファスニングテープ29,29の間に設けられた伸縮領域28が横方に伸長する。その際、伸縮領域28と重複して配置された担持層60も横方向に引っ張られ、当該領域に担持されているマイクロカプセルが破損して機能材が放出されやすくなる。したがって、おむつ2の着用動作時において、機能材の機能を発現させやすくすることができる。
===第3実施形態===
第3実施形態では、吸収性物品の一例として、第1実施形態や第2実施形態で説明した「おむつ(おむつ1,2)」とは異なる「生理用ナプキン」(以下、「ナプキン3」とも呼ぶ)について説明する。図10Aは、ナプキン3を厚さ方向の肌側から見た概略平面図である。図10Bはナプキン3を厚さ方向の非肌側から見た概略平面図である。図11は、図10A中のG-G矢視で示す概略断面である。なお、図10における「長手方向」は第1実施形態の「縦方向」に相当し、「幅方向」は第1実施形態の「横方向(左右方向)」に相当する方向である。図11における「厚さ方向」は、第1実施形態の「厚さ方向」と同義である。
ナプキン3は、平面視縦長形状のシート状部材であり、液透過性のトップシート26と、液吸収性の吸収性本体10と、液不透過性のバックシート27とが厚さ方向の肌側から非肌側へと順に積層されて形成されている(図11参照)。そして、これら各部材26,10,27は、それぞれ、厚さ方向に隣接する部材と、ホットメルト接着剤等の接着剤HMAで接合されている。なお、同接着剤HMAの塗布パターンとしては、Ωパターンやスパイラルパターン、ストライプパターン等を例示できる。
トップシート26及びバックシート27の平面形状は互いに同形状であり、かつ、その平面サイズは吸収性本体10の平面サイズよりも大きくされている。そして、これら両シート26,27の外周縁部26e,27e同士が接着又は溶着で接合されることにより、これら両シート26,27同士の間に吸収性本体10が保持されている。また、トップシート26及びバックシート27の長手方向の略中央部が幅方向の外側に延出することにより、ナプキン3を下着(不図示)に載置固定する際に供される固定部であるウイング部20wが形成されている。
吸収性本体10は、吸収性コア11と肌側シート11tと非肌側シート11sとを有する。ナプキン3において、吸収性コア11は、経血等の液体(排泄液)を吸収して保持する部材である。吸収性コア11は、液体吸収性繊維であるセルロース系吸水性繊維と、熱可塑性樹脂繊維とを有し、これらの繊維同士が互いに混合した状態で、図10の破線で示されるように平面視縦長形状に成形されている。液体吸収性繊維としては、例えばパルプ繊維等が使用される。熱可塑性樹脂繊維としては、例えば鞘がポリエチレン(PE)で芯がポリエチレンテレフタレート(PET)の所謂鞘芯構造の複合繊維等が使用される。また、液体吸収性繊維に加えて液体吸収性粒状物の一例としておむつ1と同様の高吸収性ポリマー(所謂SAP)が使用されるのであっても良い。
肌側シート11tは、吸収性コア11と平面形状が略同形のシート部材であり、吸収性コア11の肌側面を覆うようにして接着剤HMAによって接合されている。肌側シート11tは、エアスルー不織布等、液透過性に優れた柔軟なシートが用いられる。但し、他の種類の不織布やティッシュペーパー等が使用されるのであっても良い。非肌側シート11sは、吸収性コア11と平面形状が略同形のシート部材であり、吸収性コア11の非肌側面を覆うようにして接着剤HMAによって接合されている。非肌側シート11sは、SMS(スパンボンド/メルトブローン/スパンボンド)不織布等の柔軟なシートが用いられる。但し、他の種類の不織布やティッシュペーパー等が使用されるのであっても良い。
トップシート26は、ナプキン3の使用時において使用者の肌と当接する部材であり、経血等の液体を厚さ方向の肌側から非肌側に透過させ、吸収性本体10に移動させる。トップシート26は、エアスルー不織布等の適宜な不織布によって形成されているが、液透過性の柔軟なシートであれば、これ以外のシートが用いられても良い。
なお、トップシート26の肌側面には、図10Aに示されるように肌側から複数の圧搾部E,E…が形成されており、これにより、トップシート26と吸収性本体10とが一緒に厚さ方向に圧搾されて接合一体化されている。本実施形態のトップシート26では、かかる圧搾部Eとして、線状圧搾部EL20と、点状圧搾部ED20とが形成されている。線状圧搾部EL20は、吸収性本体10の外周縁部に沿って複数連なって形成されていて、これにより、全体として長手方向に長い略環状をなしている。一方、点状圧搾部ED20は、線状圧搾部EL20がトップシート26上に区画する略閉じた領域内に離散的に形成されている。
バックシート27は、ナプキン3の使用時においてトップシート26を透過して吸収性本体10によって吸収された液体が下着等の着衣側(非肌側)に染み出すことを抑制する。すなわち、ナプキン3のバックシート27は、おむつ1の液不透過性シート13aに相当する部材である。本実施形態において、バックシート27は、ポリエチレン(PE)等の適宜な樹脂フィルムによって形成されているが、液不透過性の柔軟なシートであれば、これ以外のシートが用いられても良い。
図10Bに示されるように、バックシート27の非肌側面には、上述したおむつ1と同様の担持層60が設けられている。担持層60は、機能材を内包したマイクロカプセルを担持する層であり、ホットメルト接着剤等によって形成される。さらに、バックシート27の非肌側面には、ナプキン3の使用時においてナプキン3を使用者の下着等に貼付して固定するための粘着部80が形成されている。粘着部80は、バックシート27のウイング部20wの非肌側面に略矩形状に形成される1対のウイング粘着部80wと、1対のウイング粘着部80wの幅方向の間の部分に形成される本体粘着部80cとを有する。本体粘着部80cは、例えば図10Bのように、バックシート27と吸収性本体10とが重複する部分で長手方向に沿った複数の帯状の領域に適宜な接着剤HMAを塗布することにより形成されている。ナプキン3を使用する際は、本体粘着部80cを下着の股下部(クロッチ部)内側に貼付した状態で下着ごとナプキン3を装着することで、使用者の身体に対して吸収性本体10の位置がずれないようにする。同様に、ウイング粘着部80wは、ウイング部20wが形成されている領域に適宜な接着剤HMAを塗布することにより例えば略矩形状に形成される。ナプキン1を使用する際は、ウイング部20wを非肌側に折り曲げつつ幅方向中央側に折り返し、ウイング粘着部80wを下着の股下部外側に貼付する。これにより、本体粘着部80cとウイング粘着部80wとで下着の股下部を挟み込むようにしてナプキン3が固定され、使用時の位置ずれ等を抑制することができる。
ナプキン3を装着した状態では、縦方向に3等分したときの中央領域FCが着用者の股間部に位置する。すなわち、おむつ1と同様に、着用者の股間部にマイクロカプセルが担持された状態となる。この状態で着用者が脚を動かすと、股間部(中央領域FC)が両脚に挟まれる等によりマイクロカプセルが破損して、内部から機能材が放出されやすくなる。したがって、ナプキン3の着用時において、自然に機能材の機能を発現させることができる。
===その他の実施の形態===
以上、本発明の実施形態について説明したが、上記の実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。また、本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更や改良され得るとともに、本発明にはその等価物が含まれるのは言うまでもない。
上記実施の形態においては、吸収性物品の一例として、パンツ型おむつ1、テープ型おむつ2、生理用ナプキン3について説明されていたが、本発明は、所定の位置に担持層60を形成することが可能な吸収性物品であれば、上記以外の吸収性物品にも適用できる。例えば、尿取りパッドやパンティライナー等に担持層60を設け、マイクロカプセルを担持するようにしても良い。
1 おむつ(吸収性物品、パンツ型おむつ)、
2 おむつ(吸収性物品、テープ型おむつ)、
3 ナプキン(吸収性物品、生理用ナプキン)、
10 吸収性本体、
10ea 上端(前側、腹側)、10eb 上端(後側、背側)、
11 吸収性コア、11b コアラップシート、11c くびれ部、
11t 肌側シート、11s 非肌側シート、
12 トップシート、
13 バックシート、13a 液不透過性シート(フィルム)、13b 外装シート、
15 防漏壁部、16 防漏壁弾性部材、17 脚回り弾性部材、
18 サイドシート、
20 胴回り部材、
20w ウイング部、
25 外装シート、
26 トップシート、26e 外周縁部、27 バックシート、27e 外周縁部、
28 伸縮領域、29 ファスニングテープ、29f 面ファスナー、
30 前側胴回り部、
31 肌側シート、32 非肌側シート、32h 開孔部、
35 胴回り弾性部材、36 肌面シート、
40 後側胴回り部、40b 臀部カバー、
41 肌側シート、42 非肌側シート、42h 開孔部、
45 胴回り弾性部材、46 肌面シート、
50 サイド接合部、
60 担持層、
60F 前側担持層、60C 中央担持層、60B 後側担持層、
70 接着層、
80 粘着部、
80c 本体粘着部、80w ウイング粘着部、
90 表示部、
BH 胴回り開口、LH 脚回り開口、
CL 中央位置(縦方向)、
FF 前側領域、FC 中央領域、FB 後側領域、

Claims (13)

  1. 展開且つ伸長状態において縦方向と横方向と厚さ方向とを有し、
    吸収性コアと、前記吸収性コアよりも前記厚さ方向の非肌側に設けられた液不透過性シートと、を備えた吸収性本体を有する吸収性物品であって、
    前記縦方向に3等分した場合に中央に位置する中央領域において、
    前記液不透過性シートよりも前記厚さ方向の非肌側に、機能剤を内包するマイクロカプセルを担持する担持層を有している、ことを特徴とする吸収性物品。
  2. 請求項1に記載の吸収性物品であって、
    着用時において着用者の胴回りに位置する胴回り部材を備え、
    展開且つ伸長状態で前記厚さ方向に見たときに、前記胴回り部材と前記吸収性本体とが重複する部分に、前記担持層の少なくとも一部を有している、ことを特徴とする吸収性物品。
  3. 請求項2に記載の吸収性物品であって、
    前記胴回り部材は、複数の開孔部を備えたシート部材を有し、
    展開且つ伸長状態で前記厚さ方向に見たときに、前記開孔部と前記担持層とが重複する部分を有している、ことを特徴とする吸収性物品。
  4. 請求項1に記載の吸収性物品であって、
    前記横方向の両側部に一対のファスニングテープを有し、
    前記一対のファスニングテープの前記横方向の間に、前記横方向に伸縮する伸縮領域を有し、
    展開且つ伸長状態で前記厚さ方向に見たときに、前記伸縮領域と重複する部分に、前記担持層の少なくとも一部を有している、ことを特徴とする吸収性物品。
  5. 請求項1~4の何れか1項に記載の吸収性物品であって、
    前記縦方向の中央位置よりも前側における前記担持層の面積は、前記縦方向の中央位置よりも後側における前記担持層の面積以上である、ことを特徴とする吸収性物品。
  6. 請求項1~4の何れか1項に記載の吸収性物品であって、
    前記縦方向の中央位置よりも前側における前記担持層の面積は、前記縦方向の中央位置よりも後側における前記担持層の面積よりも小さい、ことを特徴とする吸収性物品。
  7. 請求項1~6の何れか1項に記載の吸収性物品であって、
    前記液不透過性シートよりも前記厚さ方向の非肌側に外装シートを有し、
    前記担持層は、前記液不透過性シートと前記外装シートとの間に設けられ、前記液不透過性シートと前記外装シートとを接合する接着剤を有している、ことを特徴とする吸収性物品。
  8. 請求項7に記載の吸収性物品であって、
    前記液不透過性シートと前記外装シートとの間に設けられ、前記液不透過性シートと前記外装シートとを接合する接着層を有し、
    前記接着層は、前記マイクロカプセルを含有していない、若しくは、前記担持層と比較して前記マイクロカプセルの含有密度が低い、ことを特徴とする吸収性物品。
  9. 請求項8に記載の吸収性物品であって、
    展開且つ伸長状態で前記厚さ方向に見たときに、前記縦方向において、前記担持層と前記接着層とが重複していない部分を有している、ことを特徴とする吸収性物品。
  10. 請求項1~9の何れか1項に記載の吸収性物品であって、
    展開且つ伸長状態で前記厚さ方向に見たときに、前記担持層は、前記吸収性コアと重複する部分を有している、ことを特徴とする吸収性物品。
  11. 請求項1~9の何れか1項に記載の吸収性物品であって、
    展開且つ伸長状態で前記厚さ方向に見たときに、前記担持層は、前記吸収性コアと重複しない部分を有している、ことを特徴とする吸収性物品。
  12. 請求項1~12の何れか1項に記載の吸収性物品であって、
    前記担持層の前記縦方向における最大長さと、前記横方向における最大幅とによって囲まれる領域において、
    前記担持層を構成する媒体が塗工されている部分と、当該媒体が塗工されていない部分とを有している、ことを特徴とする吸収性物品。
  13. 請求項1~12の何れか1項に記載の吸収性物品であって、
    前記担持層の位置を示す表示が設けられている、ことを特徴とする吸収性物品。

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