JP2023061225A - 熱間圧延中の鋼板張力とルーパー角の制御方法及び制御装置 - Google Patents

熱間圧延中の鋼板張力とルーパー角の制御方法及び制御装置 Download PDF

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Abstract

【課題】鋼板張力とルーパー角制御の外乱の影響をフィードバック制御により高応答に除去できる熱間圧延中の鋼板張力とルーパー角の制御方法を提供する。【解決手段】本発明の制御方法は、熱間圧延中の鋼板張力とルーパー角を、上流スタンド主機速度と上流スタンド圧下位置とルーパートルクの少なくとも一つを操作量として目標値に制御する制御方法であって、鋼板張力とルーパー角の変動要因となる鋼板速度変動、変形抵抗変動、板厚変動の少なくとも一つ以上の外乱を制御対象の数式モデルを用いて推定する外乱推定ステップと、制御対象の数式モデルに従って、前記推定された外乱である外乱推定値が、鋼板張力とルーパー角へ与える影響を除去するための制御ゲインを算出する制御ゲイン算出ステップと、前記外乱推定値に前記制御ゲインを掛け合わせて算出した操作量を入力して鋼板張力とルーパー角の制御を行う外乱フィードバック制御ステップと、を有する。【選択図】なし

Description

本発明は、熱間圧延中の鋼板張力とルーパー角の制御方法及び制御装置に関し、特に、熱延工場の仕上圧延工程における鋼板張力とルーパー角の制御方法及び制御装置に関する。
製鉄所の熱延工場では、加熱炉でスラブと呼ばれる鋼片(厚み200~250mm)を1200℃程度まで加熱し、それを抽出した後、HSB(hot scale breaker)でスラブ表面スケールを除去し、幅プレスにて所定板幅とする。続く、粗圧延工程、仕上圧延工程で圧延と冷却を繰り返しながら、所望の板厚(1mm~10mm程度)まで圧延した後、ランアウトテーブルにて所望の巻き取り温度(500~600℃程度)まで冷却し、コイラーにて巻き取る。
ここで、仕上圧延の圧延スタンド間には、ルーパーと呼ばれる鋼板を下から支持する機構が備えられている。ルーパーは、ルーパーロールを鋼板の下面側から押し当てて鋼板を支持するとともに、ルーパー角(ルーパーロールの高さ)を調整することで、鋼板張力の付与による通板安定性の役割を担う。そして、ルーパーには、鋼板張力を測定するためにルーパーロールにひずみゲージが取り付けられるか、または、電動ルーパーの場合には、モーター電流で計算可能な発生トルクと負荷トルクから鋼板張力を演算する仕組みが備えられる。この鋼板張力測定値や演算値と、ルーパー角を所定範囲内に制御するために、ルーパー発生トルク(ルーパートルク)やルーパー上流側の圧延主機速度を操作する自動制御系があり、これまでに様々な制御手法、装置が提案されている。
例えば、特許文献1には、熱間タンデム圧延機における圧延材のスタンド間張力の制御精度を高めることのできる熱間圧延機の張力制御装置、及び、材料温度の外乱による張力変動を抑えることのできる熱間圧延機の張力制御装置が開示されている。この装置は、圧延材張力に重み係数を乗じた値と、圧延材張力時間変化に重みを乗じた値と、ルーパー高さ変化に重みを乗じた値の和を制御量とするモデルに多変数制御理論を適用して制御系を構築するものである。そして、材料温度測定値によるマスフロー外乱を予測して主電動機速度あるいは圧下量をフィードフォワード制御する。
特開平7-323318号公報
特許文献1のフィードフォワード制御では、タンデム圧延機の入側及びスタンド間の少なくとも一か所で材料温度を測定し、それに基づいてスタンド間の張力変化を予測する必要がある。そして、予測した張力変化に基づきフィードフォワード制御を実施するため、その予測精度と正確なトラッキング(温度変化位置の圧延機内通過箇所の記録)も必要とされる。しかし、張力変動の予測は、様々な不確定要素(材料による変形抵抗の違いやそのばらつき、測定温度の正確さ)があるため、一般的に高精度に予測することが難しい。この点で、フィードバック制御で外乱の影響を抑制する要望は高い。
特許文献1には、フィードバック制御として、張力、張力の時間変化、ルーパー角度(ルーパー高さ変化)に重みをつけて算出したスタンド間張力の応答性を調整する制御ゲインを用いた多変数制御方法が示されている。他方、特許文献1では、張力変動が起こる要因であるマスフロー変動をこのフィードバック制御では除去しきれないともされており、これに対してフィードフォワード制御を示している。
鋼板張力とルーパー角制御の外乱となるマスフロー変動を除去するため、フィードフォワード制御を適用しようとすると、高精度なモデル精度とトラッキングが必要とされ、実装が困難となるという課題がある。また、従来技術の応答の低いフィードバック制御では外乱の影響が除去しきれないという課題がある。
本発明は、上記を鑑みてなされたものであり、鋼板張力とルーパー角制御の外乱の影響をフィードバック制御により高応答に除去できる熱間圧延中の鋼板張力とルーパー角の制御方法を提供することを目的とする。
本発明は、以下の構成を有する。
[1]熱間圧延中の鋼板張力と圧延スタンド間に配置したルーパーのルーパー角を、当該ルーパーの上流スタンド主機速度と上流スタンド圧下位置とルーパートルクの少なくとも一つを操作量として目標値に制御する熱間圧延中の鋼板張力とルーパー角の制御方法において、
鋼板張力とルーパー角の変動要因となる鋼板速度変動、変形抵抗変動、板厚変動の少なくとも一つ以上の外乱を制御対象の数式モデルを用いて推定する外乱推定ステップと、
制御対象の数式モデルに従って、前記外乱推定ステップで推定された外乱である外乱推定値が、鋼板張力とルーパー角へ与える影響を除去するための制御ゲインを算出する制御ゲイン算出ステップと、
前記外乱推定値に前記制御ゲインを掛け合わせることで前記操作量を算出し、前記算出した操作量を入力して鋼板張力とルーパー角の制御を行う外乱フィードバック制御ステップと、を有する、熱間圧延中の鋼板張力とルーパー角の制御方法。
[2]前記外乱推定ステップと前記制御ゲイン算出ステップに用いる制御対象の数式モデルは、周期的に得られる前記主機速度の測定値を反映したモデルである、[1]に記載の熱間圧延中の鋼板張力とルーパー角の制御方法。
[3]熱間圧延中の鋼板張力と圧延スタンド間に配置したルーパーのルーパー角を、当該ルーパーの上流スタンド主機速度と上流スタンド圧下位置とルーパートルクの少なくとも一つを操作量として目標値に制御する熱間圧延中の鋼板張力とルーパー角の制御装置において、
鋼板張力とルーパー角の変動要因となる鋼板速度変動、変形抵抗変動、板厚変動の少なくとも一つ以上の外乱を制御対象の数式モデルを用いて推定する外乱推定手段と、
制御対象の数式モデルに従って、前記外乱推定手段で推定された外乱である外乱推定値が、鋼板張力とルーパー角へ与える影響を除去するための制御ゲインを算出する制御ゲイン算出手段と、
前記外乱推定値に前記制御ゲインを掛け合わせることで前記操作量を算出し、前記算出した操作量を入力して鋼板張力とルーパー角の制御を行う外乱フィードバック制御手段と、を有する、熱間圧延中の鋼板張力とルーパー角の制御装置。
[4]前記外乱推定手段と前記制御ゲイン算出手段に用いる制御対象の数式モデルは、周期的に得られる前記主機速度の測定値を反映したモデルである、[3]に記載の熱間圧延中の鋼板張力とルーパー角の制御装置。
本発明によれば、鋼板張力とルーパー角制御の外乱の影響をフィードバック制御により高応答に除去できる熱間圧延中の鋼板張力とルーパー角の制御方法を提供することができる。
本発明によれば、制御対象の数式モデルに従って外乱を推定し、その影響を除去する外乱フィードバック制御により、鋼板張力とルーパー角制御の外乱を高応答に除去することができる。これにより、熱間圧延中の鋼板張力とルーパー角が安定し、通板トラブルを抑制できる。
本発明法の実施形態にかかる制御系のブロック図である。 従来法の制御系のブロック図である。 本実施例で実施した本発明法と従来法による鋼板張力とルーパー角のシミュレーション結果を示すグラフである。 本実施例で実施した本発明法と従来法による操作量(F1主機速度、F1圧下位置、ルーパートルク)のシミュレーション結果を示すグラフである。 本実施例で実施した本発明法による変形抵抗外乱、鋼板速度変動外乱の外乱設定値と推定値のシミュレーション結果を示すグラフである。
<前準備>
制御対象である張力・ルーパー系の線形モデルを、(m1)式と(m2)式の状態空間モデル(数式モデル)で構築する。ここでは、説明のために、熱延工場のF1(仕上圧延の第1スタンド)とF2(仕上圧延の第2スタンド)間のモデルで記述しているが、変数の読み替えにより、隣接する任意のスタンド間に適用可能である。また、今回の入力(操作量)として、F1速度指令値(ルーパーの上流スタンド主機速度指令値)、F1圧下位置指令値(ルーパーの上流スタンド圧下位置指令値)、ルーパートルク指令値の3つを選定し、これに対応するモデルを示すが、入力としてF2速度指令値やF2圧下位置指令値を入力として採用したモデルに拡張することも容易である。
dx/dt=Ax+Bu+Ed ・・・(m1)
y=Cx+Fd ・・・(m2)
ここで、A、B、E、C、Fは実数行列であり、xは状態量ベクトル、uは入力ベクトル、dは外乱ベクトル、yは出力ベクトルであり、それぞれ以下となる。
Figure 2023061225000001
Figure 2023061225000002
Figure 2023061225000003
Figure 2023061225000004
以上の形式で整理するためには、非線形式である板厚計算モデル、圧延荷重モデル、スタンド間張力モデル、ルーパー運動方程式、ロール周速モデル、圧下位置モデル、ルーパー発生トルクモデルを線形化した式と、第1スタンド出側厚がスタンド間の移送時間で第2スタンド入側に到達することを表す移送遅れモデルを組み合わせる。
例として、板厚計算モデルの線形化方法について詳細に説明する。板厚計算モデルは、公知の次式(1-1)を使用する。
Figure 2023061225000005
ここで、hi:出側厚[mm]、Si:圧下位置[mm]、Mi:ミル定数[ton/mm]、Pi:圧延荷重[ton]である。このとき、圧延荷重Piを次の関数で表されるとする。
Pi = Pi(Hi, hi, σi-1, σi, kmi) ・・・(1-2)
ここで、Hi:入側厚[mm]、hi:出側厚[mm]、σi-1:後方張力[kgf/mm2]、σi:前方張力[kgf/mm2]、kmi:平均変形抵抗[kgf/mm2]である。
(1-1)式と(1-2)式を全微分すると、板厚の微小変化Δhiを表す(1-3)式が得られる。
Figure 2023061225000006
ここで、Qi=-(∂Pi)/(∂hi)とおいた。F1とF2出側板厚は、それぞれ(1-3)式の添え字iが1と2に該当する。また、F2入側板厚ΔH2は、F1出側板厚Δhiをスタンド間の移送時間L[sec]だけ遅らせた値となり、伝達関数で記述すればΔH2=Δh1e-Lsという移送遅れモデルとなる。このe-Lsを、Pade近似(低次多項式近似)すれば以下の式となる。
Figure 2023061225000007
これを状態空間表現すれば、以下の(1-4)式、(1-5)式が得られる。
Figure 2023061225000008
Figure 2023061225000009
さらに(1-4)式、(1-5)式へ(1-3)式を代入して、状態量ベクトルxで整理すれば、(1-6)式と(1-7)式を得る。
Figure 2023061225000010
Figure 2023061225000011
Figure 2023061225000012
さらに(1-7)式をF2出側厚(1-3)式に代入すると、F2出側厚Δh2は状態量ベクトルxと外乱ベクトルdを使用して整理できる。以上で線形化された板厚計算モデルを得ることができる。なお、板厚は状態量ベクトルの変数には含まれないが、スタンド間張力モデルやルーパーの運動方程式を線形化する際に必要となる。
この他に主機速度指令値、圧下位置指令値、ルーパートルク指令値に対する主機速度、圧下位置、ルーパートルクの応答は一次遅れモデルを適用すれば良い。例えば主機速度モデル、圧下位置モデル、ルーパートルクモデルは、以下の式となる。
Figure 2023061225000013
Figure 2023061225000014
Figure 2023061225000015
スタンド間張力モデルは、例えば以下の式を使用すれば良い。
Figure 2023061225000016
この式を全微分して線形モデルを得ることができる。
ルーパー運動方程式は、下式となる。
Figure 2023061225000017
この式を全微分して線形モデルを得ることができる。
<実施形態>
続いて、本発明の実施形態について説明する。本発明の実施形態にかかる制御方法は、鋼板張力とルーパー角の変動要因となる鋼板速度変動、変形抵抗変動、板厚変動の少なくとも一つ以上の外乱を制御対象の数式モデルを用いて推定する外乱推定ステップと、制御対象の数式モデルに従って、前記外乱推定ステップで推定された外乱である外乱推定値が、鋼板張力とルーパー角へ与える影響を除去するための制御ゲインを算出する制御ゲイン算出ステップと、前記外乱推定値に前記制御ゲインを掛け合わせることで、上流スタンド主機速度と上流スタンド圧下位置とルーパートルクの少なくとも一つの操作量を算出し、前記算出した操作量を入力して鋼板張力とルーパー角の制御を行う外乱フィードバック制御ステップとを有する。
本発明の制御系のブロック図を図1に示す。これは、外乱推定手段による外乱推定値に、制御ゲイン算出手段による制御ゲインを掛け合わせて算出した値(操作量)を、外乱フィードバック制御手段により入力としてフィードバック制御する構成となる。
また、上記制御方法を実施する本発明の実施形態にかかる制御装置は、外乱推定手段と、制御ゲイン算出手段と、外乱フィードバック制御手段とを有する。前記制御装置は、コンピュータで構成され、一つのコンピュータで構成しても、それぞれ別のコンピュータで構成してもよい。以下、外乱推定手段、制御ゲイン算出手段、外乱フィードバック制御手段について説明する。本実施形態では、周期的に得られる主機速度の測定値を反映した数式モデルである(m1)、(m2)式を、外乱推定手段(外乱推定ステップ)と制御ゲイン算出手段(制御ゲイン算出ステップ)に用いる。また、本実施形態において、各手段での処理については、コンピュータプログラムにて実行する。
(外乱推定手段)
外乱推定手段は、外乱推定値を算出する(外乱推定ステップ)。図1中の外乱推定手段により外乱を推定する方法について説明する。制御対象の線形モデル(m1)、(m2)で外乱を一定値と仮定し、変形すると次式が得られる。
Figure 2023061225000018
Figure 2023061225000019
ここで、Oは零行列を示す。行列の添え字は行数と列数を示しており、ndは外乱の数、nxは状態変数の数を示す。
本実施形態では、鋼板張力とルーパー角の変動要因となる鋼板速度変動、変形抵抗変動、板厚変動の少なくとも一つ以上の外乱を、上記(m1)’、(m2)’の数式モデルを用いて推定する。
Figure 2023061225000020
また、制御対象の動特性を表す、(m1)式と(m2)式中の、A、B、E、C、Fは圧延速度に依存する。したがって、測定した圧延速度で逐次モデル式を求め、これをもとに逐次的にカルマンゲインを設計しても良い。
(制御ゲイン算出手段)
制御ゲイン算出手段は、制御ゲインを算出する(制御ゲイン算出ステップ)。制御ゲインは、前記外乱推定手段で推定された外乱推定値が、鋼板張力とルーパー角へ与える影響を除去するためのものである。制御ゲイン算出手段により制御ゲインを算出する方法について説明する。制御対象の線形モデルである(m1)と(m2)式をあるサンプル時間で離散化したモデル式(md1)と(md2)を用いる。
x(k+1)=Adx(k)+Bdu(k)+Edd(k) …(md1)
y(k)=Cdx(k)+Fdd(k) …(md2)
ある入力u*を印加して、定常状態x*において出力を目標値yrefに制御できるとすれば、次式が成り立つ。
x*=Adx*+Bdu*+Edd
yref=Cdx*+Fdd
これを変形すると次式となる。
本実施形態では、次式((1-9)式)以降の数式モデルに従って、制御ゲイン(制御ゲインK)を算出する。
Figure 2023061225000021
Figure 2023061225000022
以降の説明の準備として、次のように行列を列ベクトルに分解しておく。
Figure 2023061225000023
Figure 2023061225000024
Figure 2023061225000025
これを(1-9)式に代入すれば、下式となる。
Figure 2023061225000026
Figure 2023061225000027
ここで、At:9行6列の実数行列、B:9行3列の実数行列となるため、(At-Bd)は9行9列の行列となり、その逆行列を左から掛ければ、次式が得られる。
Figure 2023061225000028
上記の9行6列の[At -Bd]-1Edのうち、入力u*(3要素)の計算に必要となる7~9行の要素を制御ゲインKとする。
(外乱フィードバック制御手段)
Figure 2023061225000029
以上を用いて制御系を構成する。
本実施例では、シミュレーション上で、従来法と発明法(本発明による方法)の外乱に対する応答を比較することで、発明法の外乱抑制能力の優位性を示す。制御量は、F1-F2間のルーパー角と鋼板張力とし、F1主機速度とF1圧下位置、ならびにルーパートルクを操作量とする。外乱は、F1変形抵抗変動による外乱(変形抵抗外乱)[シミュレーション開始から15sec時点で-1.0kgf/mm2]とスタンド間の鋼板速度変動による外乱(速度変動外乱)[シミュレーション開始から1sec時点で+0.01m/s]が印加されるものとする。
従来法のフィードバック制御系を図2に示す。これは、ルーパー角測定値と目標値の偏差を解消するためのPI制御によりF1主機速度の速度を修正するのに加えて、鋼板張力偏差を解消するためにPI制御によりルーパートルクを修正する制御系とする。発明法は、実施形態で示した図1の制御系とする。
図3に両者の鋼板張力とルーパー角の応答(目標からの偏差)を示し、このときの操作量(初期値からの偏差)を図4に示す。図3では、外乱が印加されたタイミング(シミュレーション開始から1secと15sec)でルーパー角と鋼板張力が急激に変動するが、発明法の方が早く目標値に復帰している。特に従来法では、シミュレーション開始から35sec以降で、張力は目標値となっているが、ルーパー角は時間経過とともに目標値に近づいているが、50secまでに収束していない。このことから、発明法は外乱に対する応答性に優れることが分かる。
また、このときの発明法のF1変形抵抗、スタンド間の鋼板速度変動の外乱設定値と推定値を図5に示す。変形抵抗外乱が印加される15secで速度推定値は軽微に変動しているが、その他の時間では設定した外乱を精度良く推定できている。

Claims (4)

  1. 熱間圧延中の鋼板張力と圧延スタンド間に配置したルーパーのルーパー角を、当該ルーパーの上流スタンド主機速度と上流スタンド圧下位置とルーパートルクの少なくとも一つを操作量として目標値に制御する熱間圧延中の鋼板張力とルーパー角の制御方法において、
    鋼板張力とルーパー角の変動要因となる鋼板速度変動、変形抵抗変動、板厚変動の少なくとも一つ以上の外乱を制御対象の数式モデルを用いて推定する外乱推定ステップと、
    制御対象の数式モデルに従って、前記外乱推定ステップで推定された外乱である外乱推定値が、鋼板張力とルーパー角へ与える影響を除去するための制御ゲインを算出する制御ゲイン算出ステップと、
    前記外乱推定値に前記制御ゲインを掛け合わせることで前記操作量を算出し、前記算出した操作量を入力して鋼板張力とルーパー角の制御を行う外乱フィードバック制御ステップと、を有する、熱間圧延中の鋼板張力とルーパー角の制御方法。
  2. 前記外乱推定ステップと前記制御ゲイン算出ステップに用いる制御対象の数式モデルは、周期的に得られる前記主機速度の測定値を反映したモデルである、請求項1に記載の熱間圧延中の鋼板張力とルーパー角の制御方法。
  3. 熱間圧延中の鋼板張力と圧延スタンド間に配置したルーパーのルーパー角を、当該ルーパーの上流スタンド主機速度と上流スタンド圧下位置とルーパートルクの少なくとも一つを操作量として目標値に制御する熱間圧延中の鋼板張力とルーパー角の制御装置において、
    鋼板張力とルーパー角の変動要因となる鋼板速度変動、変形抵抗変動、板厚変動の少なくとも一つ以上の外乱を制御対象の数式モデルを用いて推定する外乱推定手段と、
    制御対象の数式モデルに従って、前記外乱推定手段で推定された外乱である外乱推定値が、鋼板張力とルーパー角へ与える影響を除去するための制御ゲインを算出する制御ゲイン算出手段と、
    前記外乱推定値に前記制御ゲインを掛け合わせることで前記操作量を算出し、前記算出した操作量を入力して鋼板張力とルーパー角の制御を行う外乱フィードバック制御手段と、を有する、熱間圧延中の鋼板張力とルーパー角の制御装置。
  4. 前記外乱推定手段と前記制御ゲイン算出手段に用いる制御対象の数式モデルは、周期的に得られる前記主機速度の測定値を反映したモデルである、請求項3に記載の熱間圧延中の鋼板張力とルーパー角の制御装置。
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