JP2023060912A - 歯車装置 - Google Patents

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Masayuki Ishizuka
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Abstract

Figure 2023060912000001
【課題】本体部材と軸受ハウジングの適正な連結状態の維持を図る。
【解決手段】入力軸30と、前記入力軸を支持する第1入力軸受46と、前記第1入力軸受を支持する第1軸受ハウジング44と、前記第1軸受ハウジングが連結される第1本体部材41と、外歯歯車35と、内歯歯車411,421と、を備えた歯車装置であって、前記第1軸受ハウジングと前記第1本体部材とは、嵌合部Pにおいて嵌合するとともに、第1連結部材441により連結され、前記嵌合部は、前記第1連結部材による連結部から遠い第1嵌合部P1と、当該第1嵌合部よりも前記連結部に近い第2嵌合部P2と、を有し、前記第2嵌合部の締め代を前記第1嵌合部の締め代より大きくした。
【選択図】図2

Description

本発明は、歯車装置に関する。
従来の歯車装置は、入力軸と、入力軸受を介して入力軸を回転可能に支持する軸受ハウジングと、軸受ハウジングと連結され、母体となる外部部材に固定支持される本体部材とを備え、歯車によって入力軸の回転速度を変更調節して相手部材へ出力している。
上記歯車装置では、本体部材が軸受ハウジングを嵌合支持すると共に相互間がボルト等の連結部材によって連結されている(例えば特許文献1を参照)。
特開2019-60423号公報
上記歯車装置では、歯車装置に加わる外部荷重によって生じるミスアライメントや入力軸へ動力伝達される際の外部荷重等によって入力軸受に荷重が作用すると、本体部材と軸受ハウジングの合わせ面やボルトの座面に微小滑りが生じてボルトのゆるみが生じる恐れがあった。
本発明は、本体部材と軸受ハウジングの適正な連結状態の維持を図ることを目的とする。
本発明は、
入力軸と、
前記入力軸を支持する第1入力軸受と、
前記第1入力軸受を支持する第1軸受ハウジングと、
前記第1軸受ハウジングが連結される第1本体部材と、
外歯歯車と、
内歯歯車と、
を備えた歯車装置であって、
前記第1軸受ハウジングと前記第1本体部材とは、嵌合部において嵌合するとともに、第1連結部材により連結され、
前記嵌合部は、前記第1連結部材による連結部から遠い第1嵌合部と、当該第1嵌合部よりも前記連結部に近い第2嵌合部と、を有し、
前記第2嵌合部の締め代が、前記第1嵌合部の締め代より大きい歯車装置である。
本発明によれば、本体部材と軸受ハウジングの適正な連結状態の維持を図ることが可能となる。
本発明の実施形態である撓み噛合い式歯車装置を示す軸方向断面図である 第1軸受ハウジング周辺の拡大断面図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
[撓み噛合い式歯車装置の全体構成]
図1は、本発明の実施形態である撓み噛合い式歯車装置1を示す軸方向断面図である。なお、図1では、撓み噛合い式歯車装置1の回転軸O1よりも上側部分が後述する起振体30Aの長軸に沿った方向を含む断面図、回転軸O1よりも下側部分が起振体30Aの短軸に沿った方向を含む断面図である。
ここで、以下の説明では、後述する回転軸O1に平行な方向を軸方向、回転軸O1を中心とする円周に沿った方向を周方向、回転軸O1を中心とする円周の半径に沿った方向を径方向という。
撓み噛合い式歯車装置1は、例えば、減速装置である。撓み噛合い式歯車装置1の用途は特に限定されることなく、様々な用途に適用できる。
この撓み噛合い式歯車装置1は、起振体軸30(入力軸)、起振体軸受31、外歯歯車35、第1内歯部411、第2内歯部421、ケーシング43、第1軸受ハウジング44、第2軸受ハウジング45、第1入力軸受46、第2入力軸受47、主軸受48及びストッパーリング51、52を備える。
起振体軸30は、回転軸O1を中心に回転する中空筒状の軸であり、回転軸O1に垂直な断面の外形が非円形(例えば楕円状)の起振体30Aと、起振体30Aの軸方向の両側に設けられた軸部30B、30Cとを有する。楕円状は、幾何学的に厳密な楕円である必要はなく、略楕円を含む。ここでいう楕円状は、回転軸O1に直交する長軸と当該長軸に直交する短軸とを有する長円形状であればよい。
軸部30B、30Cは、回転軸O1に垂直な断面の外形が円形の軸である。
なお、起振体軸30は、中実軸であってもよい。
第1内歯部411は、剛性を有する第1内歯歯車であって、第1本体部材41の内周の一部に設けられた内歯によって構成されている。
第2内歯部421は、剛性を有する第2内歯歯車であって、第2本体部材42の内周の一部に設けられた内歯によって構成されている。
第1外歯部32と第2外歯部33とは、可撓性を有する一つの金属製の円筒状の基部34の外周において、軸方向の一方と他方とに並んで一体的に設けられている。これら第1外歯部32、第2外歯部33及び基部34は、外歯歯車35を構成している。
そして、第1外歯部32は、第1内歯部411と噛合し、第2外歯部33は、第2内歯部421と噛合している。
起振体軸受31は、例えばコロ軸受であり、起振体30Aと第1外歯部32及び第2外歯部33が形成された基部34との間に配置される。起振体30Aと第1外歯部32及び第2外歯部33とは、起振体軸受31を介して相対的に回転可能にされる。
起振体軸受31は、基部34の内側に嵌入される外輪31aと、複数の転動体(コロ)31bと、複数の転動体31bを保持する保持器31cとを有する。
複数の転動体31bは、第1外歯部32及び第1内歯部411の径方向内方に配置され、周方向に並ぶ第1群の転動体31bと、第2外歯部33及び第2内歯部421の径方向内方に配置され、周方向に並ぶ第2群の転動体31bとを有する。これらの転動体31bは、起振体30Aの外周を内側転走面、外輪31aの内周を外側転走面として転動する。
起振体軸受31は、起振体30Aとは別体の内輪を有してもよい。また、起振体軸受31は、外輪31aをなくして、基部34の内周を外側転走面としてもよい。転動体の種類も特に限定されるものではなく、例えば玉でもよい。また、転動体の列数も2つに限定されるものではなく、1列でもよいし、3列以上でもよい。
ストッパーリング51は、外歯歯車35及び起振体軸受31の軸方向の一端部と第1入力軸受46との間に配置され、ストッパーリング52は、外歯歯車35及び起振体軸受31の軸方向の他端部と第2入力軸受47との間に配置される。
これらのストッパーリング51,52は、外歯歯車35と起振体軸受31の軸方向の移動を規制する。
ケーシング43は、第2本体部材42の外周側を覆う。ケーシング43の内周部には、主軸受48の外輪部が形成されており、主軸受48を介して第2本体部材42を回転自在に支持している。ケーシング43は、例えば、ボルトのような連結部材431を介して第1本体部材41と連結される。
主軸受48は、例えば、クロスローラ軸受であり、第2本体部材42と一体化された内輪部とケーシング43と一体化された外輪部との間に配置される複数の転動体とを有する。なお、主軸受48は、第2本体部材42とケーシング43との間で、軸方向に離間した複数の軸受(アンギュラ玉軸受、テーパ軸受等)から構成されてもよい。
また、ケーシング43と第2本体部材42との間であって、主軸受48よりも出力側には、オイルシール541が設けられ、軸方向外側(出力側)への潤滑剤の流出を抑制する。
第1軸受ハウジング44は、例えば、ボルト等の第1連結部材441を介して第1本体部材41と連結されている。
そして、第1軸受ハウジング44は、第1外歯部32と第1内歯部411とを軸方向の反出力側から覆う。第1本体部材41及びケーシング43は、直接または間接的に外部部材に連結される。
なお、本実施形態では、相手部材56(例えば、撓み噛合い式歯車装置1を部品として組み込む本体装置の相互に動力伝達が行われる一方の部材(被駆動部材)等、つまり、相手部材56は、第1本体部材41等が連結される外部部材に対して相対回転する部材)と連結されて減速された運動を相手部材56に出力する側を出力側(図1における左側)と呼び、軸方向における出力側とは反対側を反出力側(図1における右側)と呼ぶ。第1軸受ハウジング44と起振体軸30の軸部30Bとの間には第1入力軸受46が配置され、起振体軸30は、回転自在に第1軸受ハウジング44に支持される。なお、第1入力軸受46は、玉軸受を例示しているが他のラジアル軸受を使用しても良い。
また、第1軸受ハウジング44と起振体軸30の軸部30Bとの間であって、第1入力軸受46よりも反出力側には、オイルシール542が設けられ、軸方向外側(反出力側)への潤滑剤の流出を抑制する。
第2軸受ハウジング45は、例えば、ボルト等の第2連結部材(A)561を介して、相手部材56及び第2本体部材42と連結され、また、ボルト等の第2連結部材(B)533を介して第2本体部材42と連結されている。つまり、第2軸受ハウジング45及び第2本体部材42は、減速された運動を出力する相手部材56に連結される。
そして、第2軸受ハウジング45は、第2外歯部33と第2内歯部421とを軸方向の出力側から覆う。
第2軸受ハウジング45と起振体軸30の軸部30Cとの間には第2入力軸受47が配置され、起振体軸30は、回転自在に第2軸受ハウジング45に支持される。なお、第2入力軸受47は、玉軸受を例示しているが他のラジアル軸受を使用しても良い。
また、第2軸受ハウジング45と起振体軸30の軸部30Cとの間であって、第2入力軸受47よりも出力側には、オイルシール543が設けられ、軸方向外側(出力側)への潤滑剤の流出を抑制する。なお、第2軸受ハウジング45は、第2本体部材42と一体的に形成されてもよい。
さらに、第1本体部材41とケーシング43との間にはシール用のOリング551が介挿されている。
同様に、第1本体部材41と第1軸受ハウジング44との間にはシール用のOリング552が介挿され、第2本体部材42と第2軸受ハウジング45との間にはシール用のOリング553が介挿されている。
従って、撓み噛合い式歯車装置1の内部空間(第1外歯部32と第1内歯部411の噛合い部、第2外歯部33と第2内歯部421の噛合い部、主軸受48、第1入力軸受46、第2入力軸受47、起振体軸受31等の存在する空間)は、潤滑剤が封入される潤滑剤封入空間とされ、オイルシール541~543やOリング551~553によって密封されている。
[第1軸受ハウジング及び第2軸受ハウジングの嵌め合いについて]
ここで、撓み噛合い式歯車装置1における第1軸受ハウジング44及び第2軸受ハウジング45の嵌め合いについて詳細に説明する。
図2は第1軸受ハウジング44周辺の拡大断面図である。
図示のように、第1軸受ハウジング44は、全体が回転軸O1を中心とする略円筒体であり、当該円筒体の外周から径方向外側に延出されたフランジ部442と、フランジ部442から軸方向(出力側)に突出する突出部443とを有する。
突出部443は、円筒状の第1本体部材41の反出力側端部の内側に挿入され、インローによって嵌合されている。この嵌合状態において、第1本体部材41の反出力側端面は、フランジ部442の出力側端面に当接する。
フランジ部442には、周方向に均一間隔で複数の挿通孔442aが軸方向に貫通形成されており、これらの挿通孔442aに挿通された第1連結部材441が第1本体部材41の反出力側端面に形成されたネジ穴に螺入され、フランジ部442を通じて第1軸受ハウジング44を第1本体部材41に連結している。
なお、以下の説明において、第1本体部材41の反出力側端面とフランジ部442の出力側端面からなる合わせ面を、第1連結部材441による連結部Jとする。なお、第1本体部材41の反出力側端面とフランジ部442の出力側端面からなる合わせ面には、スペーサ等が介在してもよい。
第1軸受ハウジング44の突出部443の外周には、全周に渡ってOリング溝444が形成されており、前述したOリング552が格納されている。
そして、突出部443の外周と第1本体部材41の内周とは、インロー嵌合による嵌合部Pが形成されており、当該嵌合部Pの内、Oリング溝444よりも前述した連結部Jから遠い部分を第1嵌合部P1、Oリング溝444よりも連結部Jに近い部分を第2嵌合部P2とする。即ち、第1嵌合部P1は、突出部443の先端側に設けられ、第2嵌合部P2は、突出部443の根元側(フランジ部442および連結部Jに近い側)に設けられている。
なお、ここでいう「嵌合部」とは、突出部443の外周と第1本体部材41の内周とが互いに軸方向に略平行であって径方向に互いに対向する範囲をいう。従って、突出部443の出力側端部の面取り部分のように、明らかに軸方向に非平行となる傾斜面の範囲は、嵌合部Pの範囲には含まれない。
突出部443の外周と第1本体部材41の内周の間の嵌め合いについては、第2嵌合部P2の締め代が第1嵌合部P1の締め代より大きく設定されている。
なお、ここでいう、「締め代」とは、その数値が「プラス」であれば締まりが生じた状態を示し、「マイナス」であれば隙間を生じた状態を示す。従って、「第2嵌合部P2の締め代が第1嵌合部P1の締め代よりも大きい」という場合には、第2嵌合部P2及び第1嵌合部P1が両方とも「締まり嵌め」である場合に限られず、第2嵌合部P2は「締り嵌め」で第1嵌合部P1が「中間嵌め」又は「隙間嵌め」である場合や、第2嵌合部P2が「中間嵌め」で第1嵌合部P1が「隙間嵌め」である場合、さらには、その締め代の数値によっては、第2嵌合部P2及び第1嵌合部P1が両方とも「中間嵌め」である場合や第2嵌合部P2及び第1嵌合部P1が両方とも「隙間嵌め」である場合も含まれる。
なお、ここでは、第2嵌合部P2は「締り嵌め」で第1嵌合部P1が「中間嵌め」又は「隙間嵌め」である場合を例示する。
また、第1軸受ハウジング44の内周は、段部を介して出力側が反出力側よりも内径が大きくなっている。この第1軸受ハウジング44の出力側の内周部分は、軸受嵌合部445を構成しており、当該軸受嵌合部445の内側には、前述した第1入力軸受46の外輪がインローによって嵌合される。この軸受嵌合部445と第1入力軸受46の外輪の間の嵌め合いは、「中間嵌め」又は「締り嵌め」である場合を例示する。
また、第1入力軸受46の内輪と起振体軸30の軸部30Bの外周との間の嵌め合いは、「隙間嵌め」である場合を例示する。
また、図2に示すように、軸方向における嵌合部Pの範囲A0と軸受嵌合部445の範囲A3とは、径方向から見て重なっている。なお、図示のように嵌合部Pの範囲A0の全体が軸受嵌合部445の範囲A3に含まれるように重なってもよいが、嵌合部Pの範囲A0の一部と軸受嵌合部445の範囲A3の一部とが径方向から見て重なっていてもよい。但し、その場合、軸方向における第1嵌合部P1の範囲A1と第2嵌合部P2の範囲A2の内、少なくとも、第2嵌合部P2の範囲A2は、軸受嵌合部445の範囲A3と径方向から見て重なることが好ましい。
また、図2に示すように、軸方向における第2嵌合部P2の範囲A2は、第1嵌合部P1の範囲A1よりも広く設定することが好ましい。
一方、第2軸受ハウジング45は、全体が回転軸O1を中心とする略円筒体であり、出力側端部の外周から径方向外側に延出されたフランジ部451と、フランジ部451から軸方向(反出力側)に突出する突出部452とを有する。
また、第2軸受ハウジング45は、突出部452が第2本体部材42の出力側の端部の内側に挿入され、インローによって嵌合されている。この嵌合状態において、第2本体部材42の出力側端面は、第2軸受ハウジング45のフランジ部451の反出力側端面に当接する。
第2軸受ハウジング45は、前述したように、フランジ部451を介して、第2連結部材(A)561により相手部材56及び第2本体部材42と連結され、第2連結部材(B)533により第2本体部材42と連結されている。
第2連結部材(B)533は、前述した第1連結部材441と外径の等しいボルトであり、第2連結部材(A)561は、第1連結部材441よりも外径の大きなボルトである。
さらに、第2軸受ハウジング45を第2本体部材42等に連結するための第2連結部材(A)561及び第2連結部材(B)533の合計本数は、第1軸受ハウジング44を第1本体部材41に連結するための第1連結部材441の本数よりも多い。
これらの構成により、第2連結部材(A)561及び第2連結部材(B)533による第2軸受ハウジング45と第2本体部材42との全体的な連結力は、第1連結部材441による第1軸受ハウジング44と第1本体部材41との全体的な連結力の連結力より大きく設定されている。
第2軸受ハウジング45の突出部452の外周には、全周に渡ってOリング溝が形成されており、前述したOリング553が格納されている。
そして、突出部452の外周と第2本体部材42の内周との間には、インロー嵌合による嵌合部Qが形成されている。
突出部452の外周と第2本体部材42の内周の間の嵌め合いについては、Oリング溝となる部分を除いて、嵌合部Qの軸方向全長に渡って一定となっている。嵌合部Qの嵌め合いは、例えば、「中間嵌め」又は「隙間嵌め」である場合を例示する。
また、第2軸受ハウジング45の内周は、段部を介して反出力側が出力側よりも内径が大きくなっている。この第2軸受ハウジング45の反出力側の内周部分は、軸受嵌合部を構成しており、当該軸受嵌合部の内側には、前述した第2入力軸受47の外輪がインローによって嵌合される。この軸受嵌合部と第2入力軸受47の外輪の間の嵌め合いは、「中間嵌め」又は「締り嵌め」である。
また、第2入力軸受47の内輪と起振体軸30の軸部30Cの外周との間の嵌め合いは、「隙間嵌め」である。
[減速動作]
上記撓み噛合い式歯車装置1は、内歯歯車として、第1内歯部411と第2内歯部421とを有する筒型の撓み噛合い式歯車装置であって、減速された回転が第2内歯部421を介して相手部材56に出力される。
即ち、図示略のモータ等から回転運動が入力され、起振体軸30が回転すると、起振体30Aの運動が第1外歯部32及び第2外歯部33に伝わる。このとき、第1外歯部32及び第2外歯部33は、起振体30Aの外周面に沿った形状に規制され、軸方向から見て、長軸部分と短軸部分とを有する楕円形状に撓んでいる。さらに、第1外歯部32は、固定された第1本体部材41の第1内歯部411と長軸部分で噛合っている。このため、第1外歯部32及び第2外歯部33は、起振体30Aと同じ回転速度で回転することはなく、第1外歯部32及び第2外歯部33の内側で起振体30Aが相対的に回転する。そして、この相対的な回転に伴って、第1外歯部32及び第2外歯部33は長軸位置(起振体30Aの長軸の延長線上となる位置)と短軸位置(起振体30Aの短軸の延長線上となる位置)とが周方向に移動するように撓み変形する。この変形の周期は、起振体軸30の回転周期に比例する。
第1外歯部32及び第2外歯部33が撓み変形する際、その長軸位置が移動することで、第1外歯部32と第1内歯部411との噛合う位置が回転方向に変化する。ここで、第1外歯部32の歯数が100で、第1内歯部411の歯数が102だとすると、噛合う位置が一周するごとに、第1外歯部32と第1内歯部411との噛合う歯がずれていき、これにより第1外歯部32が回転(自転)する。上記の歯数であれば、起振体軸30の回転運動は減速比100:2で減速されて第1外歯部32に伝達される。
一方、第1外歯部32と基部34を共通とする第2外歯部33は、第2内歯部421と噛合っているため、起振体軸30の回転によって第2外歯部33と第2内歯部421との噛合う位置も回転方向に変化する。一方、第2内歯部421の歯数と第2外歯部33の歯数とは一致しているため、第2外歯部33と第2内歯部421とは相対的に回転せず、第2外歯部33の回転運動が減速比1:1で第2内歯部421へ伝達される。これらによって、起振体軸30の回転運動が減速比100:2で減速されて、第2本体部材42及び第2軸受ハウジング45へ伝達される。そして、この減速された回転運動が外部部材に出力される。
[発明の実施形態の技術的効果]
上記撓み噛合い式歯車装置1は、第1軸受ハウジング44と第1本体部材41との嵌合部Pにおける第1嵌合部P1よりも第2嵌合部P2の締め代が大きくなるように設定している。また、第1嵌合部P1は、第1軸受ハウジング44の突出部443の先端側に設けられ、第2嵌合部P2は、突出部443の根元側に設けられる。
このため、第1軸受ハウジング44の突出部443を第1本体部材41に挿入する場合に、先端側の第1嵌合部P1の締め代が第2嵌合部P2よりも小さいので、挿入を容易に行うことができ、装置の組付け作業を円滑に行うことが可能となる。
さらに、第1嵌合部P1よりも第2嵌合部P2の締め代が大きく設定されているので、装置の外部荷重によって生じるミスアライメントや起振体軸30への動力伝達時の外部荷重等によって第1入力軸受46に荷重が作用した場合であっても、第1本体部材41と第1軸受ハウジング44の合わせ面となる連結部Jや第1連結部材441の座面の滑りが低減されて第1連結部材441のゆるみが抑制され、第1本体部材41と第1軸受ハウジング44の適正な連結状態を維持することが可能となる。
特に、第2嵌合部P2を締り嵌め、第1嵌合部P1を隙間嵌め又は中間嵌めとすることにより、上記の組付けをより良好に行うことができ、第1本体部材41と第1軸受ハウジング44の適正な連結状態をより効果的に維持することが可能となる。
また、上記嵌合部Pにおいて、第1嵌合部P1と第2嵌合部P2の間であって突出部443の外周にOリング溝444が設けられ、シール部材としてのOリング552が配置されている。一方、第2嵌合部P2よりも第1嵌合部P1の締め代が小さく設定されているので、第1軸受ハウジング44の突出部443を第1本体部材41に挿入する場合に、少なくとも、先端側の第1嵌合部P1及びOリング溝444の範囲までは、挿入作業を円滑に進めることができるので、挿入時のOリング552の摺動面を損傷の発生を最小限に抑えることができ、Oリング552の保護により装置における内部潤滑剤の漏れを効果的に低減することが可能となる。また、内部潤滑剤の漏れが抑えられることにより、撓み噛合い式歯車装置1を長期渡って安定的に動作させることが可能となる。
また、第1軸受ハウジング44は、嵌合部Pと軸受嵌合部445とが径方向から見て重なるように設定されている。この場合、嵌合部Pに含まれる第2嵌合部P2が、第1入力軸受46から伝わる荷重による第1本体部材41と第1軸受ハウジング44の連結部Jや第1連結部材441の座面の径方向に沿った滑りをより効果的に低減することができ、第1本体部材41と第1軸受ハウジング44の連結状態をさらに効果的に維持することが可能となる。
また、撓み噛合い式歯車装置1は、出力側において、第2連結部材(A)561及び第2連結部材(B)533による第2本体部材42と第2軸受ハウジング45との全体的な連結力が、第1連結部材441による第1本体部材41と第1軸受ハウジング44との全体的な連結力より大きくなるように設定されている。
このため、第1本体部材41及び第1軸受ハウジング44の場合と異なり、第2本体部材42と第2軸受ハウジング45の合わせ面や第2連結部材(A)561及び第2連結部材(B)533の座面の滑りが生じにくく、ゆるみが生じにくくなっている。従って、第2本体部材42と第2軸受ハウジング45の嵌合部Qでは、第2軸受ハウジング45の嵌合方向の下流側と上流側とで締め代を変化させる必要がなく、一定にすることができる。
これにより、第2本体部材42又は第2軸受ハウジング45の加工が容易となり、撓み噛合い式歯車装置1の製造容易化や加工コスト低減を図ることが可能となる。
[その他]
上記実施形態で示した細部は、発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、上記実施形態で示した撓み噛合い式歯車装置1では、第1軸受ハウジング44の突出部443を第1本体部材41の内側に挿入してインロー嵌合を行う構成を例示したが、これに限定されない。例えば、第1軸受ハウジング44が出力側により内径の大きな円筒部を有し、第1本体部材41の反出力側端部を挿入可能として、第1本体部材41をインロー嵌合させてもよい。
その場合、第1軸受ハウジング44の内周と第1本体部材41の外周とが嵌合部となり、第1本体部材41の反出力側端部における挿入方向先端側よりも根元側の締め代を大きくする。
また、上記実施形態においては、歯車装置として撓み噛合い式歯車装置である例を示したが、本発明に係る歯車装置は、内歯歯車と外歯歯車とを含んだ歯車機構を有すれば、どのような種類の歯車装置であってもよい。例えば、本発明に係る歯車装置は、センタークランク型の偏心揺動型歯車装置、偏心体を有する2個以上の軸が歯車装置の軸心からオフセットして配置された所謂振り分け型の偏心揺動型歯車装置、又は、単純遊星歯車装置であってもよい。また、上記実施形態では、歯車装置が、所謂筒型の撓み噛合い式歯車装置である例を示したが、本発明に係る減速装置は、所謂カップ型又はシルクハット型の撓み噛合い式歯車装置であってもよい。
上記実施形態においては、連結部材がボルトである例を説明したが、連結部材の種類は特に限定されず、例えば連結ピンでもよい。
また、上記実施形態においては、第2連結部材の本数が第1連結部材の本数よりも多いことにより、第2連結部材の連結力が第1連結部材の連結力よりも大きくされていた。しかし、これに限定されるものではなく、例えばボルト径を大きくしたり、ボルトのピッチ円径を大きくしたり、連結部材の種類を異ならせることにより、連結力を大きくしてもよい。
1 撓み噛合い式歯車装置(歯車装置)
30 起振体軸(入力軸)
30A 起振体
31 起振体軸受
35 外歯歯車
56 相手部材
41 第1本体部材
411 第1内歯部(内歯歯車)
42 第2本体部材
421 第2内歯部(内歯歯車)
44 第1軸受ハウジング
441 第1連結部材
442 フランジ部
443 突出部
444 Oリング溝
445 軸受嵌合部
45 第2軸受ハウジング
451 フランジ部
452 突出部
551~553 Oリング(シール部材)
J 連結部
O1 回転軸
P,Q 嵌合部
P1 第1嵌合部
P2 第2嵌合部

Claims (8)

  1. 入力軸と、
    前記入力軸を支持する第1入力軸受と、
    前記第1入力軸受を支持する第1軸受ハウジングと、
    前記第1軸受ハウジングが連結される第1本体部材と、
    外歯歯車と、
    内歯歯車と、
    を備えた歯車装置であって、
    前記第1軸受ハウジングと前記第1本体部材とは、嵌合部において嵌合するとともに、第1連結部材により連結され、
    前記嵌合部は、前記第1連結部材による連結部から遠い第1嵌合部と、当該第1嵌合部よりも前記連結部に近い第2嵌合部と、を有し、
    前記第2嵌合部の締め代が、前記第1嵌合部の締め代より大きい歯車装置。
  2. 前記第1嵌合部と前記第2嵌合部の間に、シール部材が配置される
    請求項1に記載の歯車装置。
  3. 前記第1軸受ハウジングは、前記第1連結部材により連結されるフランジ部と、前記フランジ部から軸方向に突出する突出部と、を有し、
    前記第1嵌合部は、前記突出部の先端側に設けられ、前記第2嵌合部は、前記突出部の根元側に設けられる
    請求項1又は2に記載の歯車装置。
  4. 前記第2嵌合部は締り嵌め、前記第1嵌合部は隙間嵌め又は中間嵌めである
    請求項1から3のいずれか一項に記載の歯車装置。
  5. 前記第1軸受ハウジングは、前記第1入力軸受と嵌合する軸受嵌合部を有し、前記嵌合部と前記軸受嵌合部は径方向から見て重なる
    請求項1から4のいずれか一項に記載の歯車装置。
  6. 前記入力軸は、前記外歯歯車を撓み変形させる起振体を有する起振体軸である
    請求項1から5のいずれか一項に記載の歯車装置。
  7. 前記内歯歯車が第1内歯歯車と第2内歯歯車とを有する筒型の撓み噛合い式歯車装置であって、
    減速された回転が前記第2内歯歯車を介して相手部材に出力され、前記第1本体部材は第1内歯歯車と一体化されている
    請求項6に記載の歯車装置。
  8. 前記第2内歯歯車と一体化される第2本体部材に第2連結部材により連結される第2軸受ハウジングと、
    前記第2軸受ハウジングに配置され、前記入力軸を支持する第2入力軸受と、を有し、
    前記第2連結部材の連結力は、前記第1連結部材の連結力より大きく、
    前記第2軸受ハウジングと前記第2本体部材の嵌合部は、締め代が一定である
    請求項7に記載の歯車装置。
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