JP2023060589A - SiCインゴット及びSiCウェハ - Google Patents

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Abstract

【課題】マーキング前のウェハの入れ替えを後から特定できるSiCインゴットを提供することを目的とする。【解決手段】本実施形態にかかるSiCインゴットは、種結晶と、種結晶上に成長した単結晶とを有し、前記単結晶は、内部に、成長方向に貫通するマイクロパイプを有し、前記単結晶から前記成長方向と交差する方向に切り出した複数のウェハに対しフォトルミネッセンス観察を行うと、前記複数のウェハのうち最も前記種結晶の近くから切り出された第1ウェハにおける前記マイクロパイプのS/N比は、前記第1ウェハより前記種結晶から離れた位置から切り出された第2ウェハにおける前記マイクロパイプのS/N比より高い。【選択図】図1

Description

本発明は、SiCインゴット及びSiCウェハに関する。
炭化珪素(SiC)は、シリコン(Si)に比べて絶縁破壊電界が1桁大きく、バンドギャップが3倍大きい。また、炭化珪素(SiC)は、シリコン(Si)に比べて熱伝導率が3倍程度高い等の特性を有する。そのため炭化珪素(SiC)は、パワーデバイス、高周波デバイス、高温動作デバイス等への応用が期待されている。このため、近年、上記のような半導体デバイスにSiCエピタキシャルウェハが用いられるようになっている。
SiCエピタキシャルウェハは、SiCウェハ上に化学的気相成長法(Chemical Vapor Deposition:CVD)によってSiCデバイスの活性領域となるSiCエピタキシャル膜を成長させることによって製造される。
SiCウェハは、SiCインゴットを切り出して作製する。切り出されたSiCウェハは、研削、研磨等が行われる。またSiCウェハがどのインゴットのどの位置から切り出されたものであるかを確認するために、製造管理としてマーカーを付与することが行われている。
またSiCウェハの品質管理のために、フォトルミネッセンスを用いた欠陥測定が行われている(例えば、特許文献1及び2)。フォトルミネッセンスで特定される欠陥の一つがマイクロパイプである。例えば、特許文献2には、マイクロパイプがフォトルミネッセンス測定で暗点として観察されることが示されている。
特許第5633099号公報 特許第3917154号公報
SiCウェハにマーキングを行う前に、SiCウェハの入れ替わり等が生じる場合がある。この場合、所定のマーカーを適切ではないSiCウェハに付与してしまうことになり、製造管理上好ましくない。
本発明は上記問題に鑑みてなされたものであり、マーキング前のウェハの入れ替えを後から特定できるSiCインゴットを提供することを目的とする。
本発明は、上記課題を解決するため、以下の手段を提供する。
(1)第1の態様にかかるSiCインゴットは、種結晶と、種結晶上に成長した単結晶とを有し、前記単結晶は、内部に、成長方向に貫通するマイクロパイプを有し、前記単結晶から前記成長方向と交差する方向に切り出した複数のウェハに対しフォトルミネッセンス観察を行うと、前記複数のウェハのうち最も前記種結晶の近くから切り出された第1ウェハにおける前記マイクロパイプのS/N比は、前記第1ウェハより前記種結晶から離れた位置から切り出された第2ウェハにおける前記マイクロパイプのS/N比より高い。
(2)上記態様にかかるSiCインゴットにおいて、前記マイクロパイプのS/N比は、前記種結晶の近くから切り出された前記ウェハほど高くてもよい。
(3)上記態様にかかるSiCインゴットは、不純物をさらに含んでもよい。前記不純物は、窒素、ボロン、アルミニウム、チタン、バナジウムのいずれか一つ以上であり、前記不純物の合計不純物濃度は、前記第1ウェハが前記第2ウェハより高い。
(4)上記態様にかかるSiCインゴットにおいて、前記合計不純物濃度は、前記種結晶の近くから切り出された前記ウェハほど高くてもよい。
(5)上記態様にかかるSiCインゴットにおいて、前記第1ウェハの合計不純物濃度は、1×1014cm-3以上であり、前記第2ウェハの合計不純物濃度は、2×1019cm-3以下であってもよい。
(6)上記態様にかかるSiCインゴットにおいて、前記単結晶の直径は150mm以上でもよい。
(7)上記態様にかかるSiCインゴットにおいて、前記単結晶の直径は200mm以上でもよい。
(8)第2の態様にかかるSiCウェハは、上記態様にかかるSiCインゴットから切り出されたものである。
(9)上記態様にかかるSiCウェハにおいて、前記マイクロパイプの密度が0.003cm-2以上10cm-2以下であってもよい。
上記態様にかかるSiCインゴット及びSiCウェハは、マーキング前のウェハの入れ替えを後から特定できる。
本実施形態にかかるSiCインゴットの模式図である。 単結晶の特徴部分の模式図である。 SiC基板から欠陥の位置を抽出する際の座標系の一例を示す。 フォトルミネッセンス像における欠陥を拡大した像である。 図4のマイクロパイプと同一のマイクロパイプであって、図4のマイクロパイプより種結晶から遠い位置にあるマイクロパイプのフォトルミネッセンス像である。
以下、本実施形態について、図を適宜参照しながら詳細に説明する。以下の説明で用いる図面は、本発明の特徴をわかりやすくするために便宜上特徴となる部分を拡大して示している場合があり、各構成要素の寸法比率などは実際とは異なっていることがある。以下の説明において例示される材質、寸法等は一例であって、本発明はそれらに限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲で適宜変更して実施することが可能である。
図1は、第1実施形態に係るSiCインゴット10の模式図である。SiCインゴット10は、種結晶1と単結晶2とを備える。以下、単結晶2の高さ方向をz方向と称する。z方向は、単結晶2の成長方向の一例である。z方向と直交し、互いに直交する2方向をx方向及びy方向と称する。またx方向及びy方向に広がる面をxy面と称する。
種結晶1は、SiCである。種結晶1は、原料に対向する成長面が結晶面に対してオフセット角を有するものでも、オフセット角を有さないものでもよい。オフセット角を有する場合は、そのオフセット角は例えば2°以上8°以下である。単結晶2は、種結晶1上に成長している。単結晶2は、SiCである。単結晶2をz方向から見た際の単結晶2の直径は、例えば、150mm(6インチ)以上であり、好ましくは200mm(8インチ)以上である。
図2は、SiCインゴット10における単結晶2の特徴部分の模式図である。単結晶2は、内部に、マイクロパイプ3を有する。図2では、マイクロパイプ3が一つのみの場合を示したが、マイクロパイプ3は一つに限られない。マイクロパイプ3は、単結晶2の成長方向に延びる。マイクロパイプ3は、単結晶2の一部をz方向に貫通する。マイクロパイプ3には、種結晶1と単結晶2との界面を起点に生じる欠陥と、単結晶2の内部の点(種結晶との界面以外の点)を起点に生じるバルク成長由来の貫通欠陥とがあるが、種結晶由来の貫通欠陥の割合が高い。
マイクロパイプ3は、単結晶2の成長方向に沿って形成される場合が多い。例えば、オフセット角を有する種結晶1を用いた場合、マイクロパイプ3は単結晶2のz方向に対して傾斜する場合が多い。マイクロパイプ3のz方向に対する傾斜角θは、例えば、オフセット角と一致する。種結晶1がオフセット角を有さない場合、傾斜角θは、例えば、0°となる。
マイクロパイプ3は、成長方向に貫通するため、単結晶2から切り出されたウェハWのそれぞれで確認される。ウェハWは、例えば、xy面に平行に切り出される。またウェハWをxy平面に対して傾斜させて切り出してもよい。
ウェハWは、単結晶2から複数枚取得できる。ウェハWの直径は、例えば、150mm(6インチ)以上であり、好ましくは200mm(8インチ)以上である。それぞれのウェハWは、ウェハW上にSiCエピタキシャル膜を成長した後に、SiCデバイスに加工される。ウェハWにおけるマイクロパイプ3の密度は、例えば、0.003cm-2以上10cm-2以下である。以下、単結晶2から切り出された複数のウェハWのうち最も種結晶1の近くから切り出されたウェハを第1ウェハW1、第1ウェハW1より種結晶1から離れた位置から切り出されたウェハを第2ウェハW2と称する。
マイクロパイプ3のフォトルミネッセンス像は、第1ウェハW1と第2ウェハW2とで異なる。第1ウェハW1におけるマイクロパイプ3のS/N比は、第2ウェハW2におけるマイクロパイプ3のS/N比より高い。S/N比は、欠陥の中心と欠陥の周囲とのフォトルミネッセンス光の発光強度の比率である。欠陥の中心の発光強度は、周囲の発光強度よりも高い場合もあるし、周囲の発光強度よりも低い場合もある。例えば、第1ウェハW1におけるマイクロパイプ3は白い輝点として確認され、第2ウェハW2におけるマイクロパイプ3は黒点として確認される。
図4及び図5は、マイクロパイプ3のフォトルミネッセンス像の一例である。図4は第1ウェハW1におけるマイクロパイプ3のフォトルミネッセンス像であり、図5は第2ウェハW2におけるマイクロパイプ3のフォトルミネッセンス像である。
フォトルミネッセンス像は、フォトルミネッセンス法で測定される。フォトルミネッセンス法は、物質に励起光を照射し、励起された電子が基底状態に戻る際に発光する光を測定する方法である。ウェハWに、SiCのバンドギャップより大きなエネルギーを有する励起光を照射し、ウェハWから発光されるフォトルミネッセンスの強度を測定する。フォトルミネッセンス法をウェハWに適用することで、ウェハWの欠陥、不純物の凝集箇所等を特定する。フォトルミネッセンス検査は、例えば、レーザーテック株式会社製のSICA88を用いて行うことができる。
フォトルミネッセンス検査において、ウェハWに照射する励起光は、例えば、波長が200nm以上380nm以下であり、好ましくはその波長は313nmである。またフォトルミネッセンス像を得る際には、600nm以上の波長を通過させるロングパスフィルターを介して、ウェハWで発光した光を検出することが好ましい。
第1ウェハW1及び第2ウェハW2において、測定対象となるマイクロパイプ3は、z方向に延びる同一のマイクロパイプ3である。第1ウェハW1におけるマイクロパイプ3と第2ウェハW2におけるマイクロパイプ3が同一のものであるかは、それぞれの位置関係から特定できる。
図3は、ウェハWからマイクロパイプ3の位置を抽出する際の座標系の一例を示す。図3に示すウェハWは、オリエンテーションフラットOFを有する。例えば、オリエンテーションフラットOFと平行な方向をx方向、x方向と直交する方向をy方向としてマイクロパイプ3の位置を抽出する。x方向は、例えば、[11-20]であり、y方向は、例えば、[1-100]である。[11-20]および[1-100]がウェハWの主面方向と相違する場合、x成分を[11-20]の正射影方向成分、y成分を[1-100]の正射影方向成分としてもよい。
第1ウェハW1におけるマイクロパイプ3の位置と、第2ウェハW2におけるマイクロパイプ3の位置が略同一の場合は、それぞれのウェハWにおけるマイクロパイプ3は同一のマイクロパイプ3に由来するものと特定できる。
例えば、種結晶1がオフセット角を有さず、マイクロパイプ3の単結晶2のz方向に対する傾斜角θが0°の場合は、第1ウェハW1におけるマイクロパイプ3の位置と、第2ウェハW2におけるマイクロパイプ3の位置とは、一致する。また例えば、種結晶1がオフセット角を有し、マイクロパイプ3のがz方向に対して傾斜角θを有する場合は、第1ウェハW1におけるマイクロパイプ3の位置と、第2ウェハW2におけるマイクロパイプ3の位置とは、第1ウェハW1と第2ウェハW2とのz方向の距離hにtanθを乗じた値(htanθ)だけずれる。
マイクロパイプ3のS/N比は、結晶成長の初期(種結晶1に近い)ほど大きく、結晶成長の後期(種結晶1から遠い)ほど小さくなる傾向にある。そのため、マイクロパイプ3のS/N比は、種結晶1の近くから切り出されたウェハWほど高い。
単結晶2内にマイクロパイプ3が複数ある場合、S/N比の関係は、複数のマイクロパイプ3のそれぞれにおいて満たされることが好ましい。
単結晶2には、不純物がドーピングされている場合もある。不純物は、例えば、窒素、ボロン、アルミニウム、チタン、バナジウムである。これらの不純物濃度は、単結晶2内の場所によって異なる。
例えば、第1ウェハW1における合計不純物濃度は、第2ウェハW2における合計不純物濃度より高い。第1ウェハW1の合計不純物濃度は、例えば、1×1014cm-3以上であり、第2ウェハW2の合計不純物濃度は、例えば、2×1019cm-3以下である。また例えば、合計不純物濃度は、種結晶1の近くから切り出されたウェハWほど高い。ここで合計不純物濃度は、窒素、ボロン、アルミニウム、チタン及びバナジウムのそれぞれの不純物濃度の合計値である。
不純物濃度は、マイクロパイプ3のS/N比に影響を及ぼすパラメータの一つである。不純物は、フォトルミネッセンス検査における発光中心となりえる。不純物は、マイクロパイプ3と複合する場合がある。この複合部は、フォトルミネッセンス検査における発光中心となりやすい。
第1ウェハW1における合計不純物濃度が第2ウェハW2における合計不純物濃度より高いと、第1ウェハW1で複合部が形成される確率が高まり、第1ウェハW1のS/N比が高くなりやすい。他方、第2ウェハW2は、複合部が形成されにくく、S/N比が低くなりやすい。第2ウェハW2は、マイクロパイプより周囲の不純物の方が発光しやすく、バックグラウンド発光が増える。その結果、第2ウェハW2のS/N比が低くなりやすい。
次いで、第1実施形態に係るSiCインゴット10の製造方法を説明する。SiCインゴット10は、例えば、昇華法で作製される。昇華法は、種結晶1と対向する位置に配置されたSiC原料粉を昇華させ、種結晶1で再結晶化することで単結晶2を成長させる方法である。
単結晶2の成長は、各不純物濃度が以下の第1条件と第2条件とを同時に満たすように行う。
第1条件は、種結晶1側の第1領域における各不純物濃度と、z方向に第1領域から10mm以上離れた第2領域における各不純物濃度と、の間の濃度差がそれぞれの不純物で下記の関係を満たすという条件である。
窒素の不純物濃度差:1×1018cm-3以上
ボロンの不純物濃度差:3×1016cm-3以上
アルミニウムの不純物濃度差:3×1016cm-3以上
チタンの不純物濃度差:1×1016cm-3以上
バナジウムの不純物濃度差:1×1014cm-3以上
第2条件は、単結晶2においてz方向の成長の終端側の最表面における各不純物濃度がそれぞれの不純物で下記の関係を満たすという条件である。
窒素の不純物濃度:1×1018cm-3以上
ボロンの不純物濃度:1×1015cm-3以上
アルミニウムの不純物濃度:1×1015cm-3以上
チタンの不純物濃度:1×1015cm-3以上
バナジウムの不純物濃度:1×1014cm-3以上
第1条件及び第2条件は、結晶成長時における成長面の温度、結晶成長時における不純物の供給量を調整することで満たすことができる。
一例として、これらの不純物を含む原料を用いた昇華法において、結晶成長面の温度を徐々に上げる方法がある。結晶成長面の温度を徐々に上げると、単結晶2に取り込まれる不純物量が徐々に下がる。
また別の一例として、これらの不純物を含む原料を用いた昇華法において、原料の加熱温度を徐々に下げ、放出される不純物量を徐々に下げてもよい。
これらの結晶成長面及び原料の温度は、それぞれに独立に制御できることが好ましい。例えば、原料を加熱するヒータと単結晶2を加熱するヒータとを別々にし、これらを独立制御してもよい。
また別の一例として、成膜雰囲気中における窒素ガスの投入量を成膜が進むにつれて、徐々に減らしてもよい。また同様に、原料に含まれるボロン、アルミニウム、チタン、バナジウムのいずれかの濃度が1×1014cm-3以下の場合は、これらの元素を別途ガスとして供給してもよく、供給量を成膜の進行具合に合わせて制御してもよい。
上記方法に基づいて種結晶1上に単結晶2を成長させることでSiCインゴット10が得られる。SiCインゴット10をスライスすると、複数のウェハWが得られる。
ウェハWに対するフォトルミネッセンス検査は、例えば、マーキング前又はマーキング後に行う。フォトルミネッセンス検査は、マイクロパイプ3の位置関係を比較する第1判定工程と、二つのウェハWのマイクロパイプ3のS/N比を比較する第2判定工程とを含む。
第1判定工程は、評価対象が同一のマイクロパイプ3に基づく欠陥であることを確定するために行う。例えば、比較する2つのウェハWにおけるそれぞれのマイクロパイプ3の位置が、htanθ以下の場合は同一のマイクロパイプ3に基づく欠陥であると判定する。また比較する二つのウェハWのz方向の位置関係によらず、2つのマイクロパイプ3の位置のずれ量が0.2mm以下の場合、統計的にこれらの欠陥は連通するマイクロパイプ3である可能性が高い。
第2判定工程は、二つのウェハWのマイクロパイプ3のS/N比を比較することで、いずれが種結晶1に近い側のウェハWであるかを特定するために行う。マーキング後にフォトルミネッセンス検査を行う場合は、マーキング履歴と第2判定工程の結果とを比較して、入れ違いが生じているかを判断する。
第1実施形態におけるSiCインゴット10は、切り出されたウェハの位置によってマイクロパイプ3のS/N比が異なり、S/N比の強度について所定の関係を有する。そのため、第1実施形態におけるSiCインゴット10を用いると、異なるウェハWの間でマイクロパイプ3のS/N比を比較することで、種結晶1に対するウェハWの位置関係を特定できる。ウェハWには製造管理の目的でマーカーを付与することがあるが、ミスによりマークすべきウェハ以外にマーキングをしてしまった場合でも、S/N比を比較することで、後からマーキングミスに気が付くことができる。
以上、本実施形態の一例を図示したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではない。例えば、それぞれの実施形態の特徴的な構成の組み合わせ、その他の構成の付加等を行ってよい。
(実施例1)
種結晶1上に単結晶2を結晶成長させ、SiCインゴット10を作製した。SiCインゴットから複数のウェハWを切り出した。そして、種結晶1に違い側の第1ウェハW1と、第1ウェハW1より種結晶1から15mm離れた位置から切り出した第2ウェハW2とを評価した。第1ウェハW1と第2ウェハW2における各不純物の濃度差は以下であった。
窒素濃度差:2×1018cm-3
ボロン濃度差:5×1016cm-3
アルミニウム濃度差:4×1016cm-3
チタン濃度差:2×1016cm-3
バナジウム濃度差:5×1014cm-3
そして略同一の位置にあるマイクロパイプ3を特定し、第1ウェハW1と第2ウェハW2のそれぞれにおいて当該マイクロパイプ3に対してフォトルミネッセンス検査を行った。
図4が第1ウェハW1の検査結果であり、図5が第2ウェハW2の検査結果である。
第1ウェハW1におけるマイクロパイプ3のS/N比は1.5以上で、第2ウェハW2におけるマイクロパイプ3のS/N比は0.75以下であった。
1…種結晶、2…単結晶、3…マイクロパイプ、10…SiCインゴット、W…ウェハ、W1…第1ウェハ、W2…第2ウェハ

Claims (9)

  1. 種結晶と、種結晶上に成長した単結晶と、を有し、
    前記単結晶は、内部に、成長方向に貫通するマイクロパイプを有し、
    前記単結晶から前記成長方向と交差する方向に切り出した複数のウェハに対しフォトルミネッセンス観察を行うと、前記複数のウェハのうち最も前記種結晶の近くから切り出された第1ウェハにおける前記マイクロパイプのS/N比は、前記第1ウェハより前記種結晶から離れた位置から切り出された第2ウェハにおける前記マイクロパイプのS/N比より高い、SiCインゴット。
  2. 前記マイクロパイプのS/N比は、前記種結晶の近くから切り出された前記ウェハほど高い、請求項1に記載のSiCインゴット。
  3. 不純物をさらに含み、
    前記不純物は、窒素、ボロン、アルミニウム、チタン、バナジウムのいずれか一つ以上であり、
    前記不純物の合計不純物濃度は、前記第1ウェハが前記第2ウェハより高い、請求項1又は2に記載のSiCインゴット。
  4. 前記合計不純物濃度は、前記種結晶の近くから切り出された前記ウェハほど高い、請求項3に記載のSiCインゴット。
  5. 前記第1ウェハの合計不純物濃度は、1×1014cm-3以上であり、
    前記第2ウェハの合計不純物濃度は、2×1019cm-3以下である、請求項3又は4に記載のSiCインゴット。
  6. 前記単結晶の直径は150mm以上である、請求項1~5のいずれか一項に記載のSiCインゴット。
  7. 前記単結晶の直径は200mm以上である、請求項1~5のいずれか一項に記載のSiCインゴット。
  8. 請求項1~7のいずれか一項に記載のSiCインゴットから切り出されたSiCウェハ。
  9. 前記マイクロパイプの密度が0.003cm-2以上10cm-2以下である、請求項8に記載のSiCウェハ。
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