JP2023060482A - キャップ - Google Patents

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Abstract

【課題】従来のセーフティボタンが機能しにくい条件のキャップであっても、十分な音量の音が発生しうるキャップを提供する。【解決手段】円形の天面部1と、天面部1から垂下するスカート部2と、を有する金属製のキャップ10であって、天面部1に、螺旋状の突起部分3が設けられている。前記突起部分3は、螺旋状に配列された複数のパネル部分を含み、それぞれの前記パネル部分は、螺旋の上側が下側より高くなるように傾斜するとともに、前記天面部1の径方向内側が径方向外側より高くなるように傾斜しているキャップ10。【選択図】図1

Description

本発明は、容器の口部を封止する目的で使用されうるキャップに関する。
飲料や調味料などの液体製品(ペースト状のものを含む。)は、瓶などの容器に充填され、当該瓶の口部がキャップで封止された状態で流通に供されることが一般的である。ここで、流通過程において一度も開封されていないことを最終消費者に対して保証する目的で、ピルファープルーフ機構が付与されたキャップが汎用される。
たとえば、特開2007-118967号公報(特許文献1)には、蓋本体と、破断可能なブリッジを介して蓋本体の下端に連設されたピルファープルーフバンドと、を備えるピルファープルーフキャップが開示されている。このピルファープルーフキャップによれば、ブリッジが破断していないことをもって、流通過程において一度も開封されていないことが保証される。
また、主に広口瓶に対しては、一般にツイストキャップと呼ばれるキャップが汎用されており、特に円盤状のセーフティボタンが設けられたツイストキャップが広く流通している。広口瓶に液体製品を充填し、加熱してこれを殺菌した後に、セーフティボタン付きのツイストキャップで広口瓶の口部を封止すると、液体製品が室温に戻ったときに、広口瓶の内部が減圧状態になる。このとき、大気圧と内圧との差によって、セーフティボタンが変形する。この状態で開栓すると、気圧差の解消によりセーフティボタンの変形が解除され、これに伴って音が生じる。この音の発生をもって、流通過程において一度も開封されていないことが保証される。
特開2007-118967号公報
セーフティボタンによるピルファープルーフ機構は、容器が封止されていたことを使用者が体感しやすいため、幅広い容器への適用が望まれる。しかし、キャップの材質や寸法などの条件によっては、従来のツイストキャップに採用されているものと同様の円盤状のセーフティボタンを設けたとしても、音が発生しないか、または音量が非常に小さい場合があった。これは、材質の弾性率が比較的低い場合やキャップの寸法が小さい場合などに、セーフティボタンの変形が音を生じさせるに十分なエネルギーを蓄えないことに起因する。
また、従来のセーフティボタンは、容器内外の気圧差が不十分であると音が発生しないか、または音量が非常に小さい場合があるが、容器および液体製品の態様によっては、容器内外の気圧差のばらつきが大きいことがあり、従来のセーフティボタンが確実に機能する条件で液体製品を製造することが難しい場合があった。
そこで、従来のセーフティボタンが機能しにくい条件のキャップであっても、十分な音量の音が発生しうるキャップの実現が求められる。
本発明に係るキャップは、円形の天面部と、前記天面部から垂下するスカート部と、を有する金属製のキャップであって、前記天面部に、螺旋状の突起部分が設けられていることを特徴とする。
この構成によれば、従来のセーフティボタンが機能しにくい条件のキャップであっても、十分な音量の音が発生しうる。
以下、本発明の好適な態様について説明する。ただし、以下に記載する好適な態様例によって、本発明の範囲が限定されるわけではない。
本発明に係るキャップは、一態様として、螺旋状の前記突起部分の各条の間に段差が形成されていることが好ましい。
この構成によれば、突起部分が動きやすくなり、音が発生するための容器内外の気圧差の閾値が比較的小さくなるので、より音が発生しやすいキャップが得られる。
本発明に係るキャップは、一態様として、前記突起部分は、前記天面部の周方向および径方向の双方に傾いた複数のパネル部分を含むことが好ましい。
この構成によれば、突起部分が動きやすくなり、音が発生するための容器内外の気圧差の閾値が比較的小さくなるので、より音が発生しやすいキャップが得られる。
本発明のさらなる特徴と利点は、図面を参照して記述する以下の例示的かつ非限定的な実施形態の説明によってより明確になるであろう。
実施形態に係るキャップの斜視図である。 実施形態に係るキャップの第一断面(図1のII-II線における断面)を示す図である。 実施形態に係るキャップの第二断面(図1のIII-III線における断面)を示す図である。 変形例に係るキャップの斜視図である。 変形例に係るキャップの断面(図4のV-V線における断面)を示す図である。
本発明に係るキャップの第一の実施形態について、図面を参照して説明する。以下では、本発明に係るキャップを、ボトルの口部の封止に用いられるピルファープルーフキャップ10(以下、単に「キャップ10」と記載する。)に適用した例について説明する。
〔キャップの構成〕
本実施形態に係るキャップ10は、円形の天面部1と、天面部1から垂下するスカート部2と、を有する(図1)。また、天面部1の内側面には、シール材が嵌入されている。キャップ10は、使用状態において、ボトルの口部に形成された雄ねじ部分に螺合されている。なお、以下の説明において上下方向(または高さ方向)について言及するときは、天面部1側を「上」(または「高い」)と表現し、天面部1からスカート部2が垂下する方向を「下」(または「低い」)と表現する。
天面部1およびスカート部2は、アルミニウム材(金属の例である。)で一体に形成されている。ここで、アルミニウム材とは、純アルミニウムであってもよいし、アルミニウム合金であってもよい。一方、シール材は樹脂製であり、ここで使用される樹脂材料としてはポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレートが例示される。なお、スカート部2は、この種のピルファープルーフキャップのスカート部として公知の構造を有し、すなわち、使用者の指先にひっかかりやすくするための突起物や、タンパープルーフリングなどが、スカート部2の外側に設けられうる。また、ボトルの口部に形成された雄ねじ部分に螺合するための雌ねじ部分や、ボトルの口部を封止するための突起物などが、スカート部2の内側に設けられうる。
天面部1には、螺旋状の突起部分3が一つ設けられている。突起部分3は、天面部1の縁部側に配置された端部31から、天面部1の中央に配置された中央部32に向けて、高さが螺旋状に漸増する形状で設けられている。本実施形態では、突起部分3を一条三周の螺旋形状にしてあり、各周の間には段差33が形成されている。
天面部1に螺旋状の突起部分3が形成されていることによって、天面部1の中心11を通る天面部の垂直断面である第一断面と、他の垂直断面である第二断面と、の形状が一致しない第一断面と第二断面との組合せが存在する。一例として、図1のII-II線における断面を第一断面12として図2に示し、図1のIII-III線における断面を第二断面13として図3に示す。図2と図3とを比較すると、第一断面12と第二断面13との間で、突起部分3に由来する各部分の配置が異なり、第一断面12と第二断面13とが一致しないことがわかる。
〔使用方法〕
本実施形態に係るキャップ10の使用方法について説明する。ボトルに製品を充填し、これを加熱殺菌したのち、ボトルおよび製品が室温より高い温度にあるうちにボトルの口部をキャップ10で封止する。ここで、ボトルの口部をキャップ10で封止する方法は、ピルファープルーフキャップを使用する封止方法として公知の方法を用いうる。
その後、キャップ10により封止されたボトルの温度が低下すると、ボトルの内圧が低下する。これによって、ボトル内外に気圧差が生じ、天面部1がボトルの内側方向に吸引される。ここで、天面部1に突起部分3が設けられ、端部31から中央部32に向けて高さが漸増していることによって、天面部1が平面状である場合に比べて天面部1が変形しやすくなっている。そのため、ボトル内外の気圧差によって、天面部1がボトル内側方向に湾曲しやすくなっている。
キャップ10を開封すると、ボトル内外の気圧差が解消する。このとき、天面部1の湾曲が解消する変形が生じ、この変形に伴って音が発生する。この音の発生により、開封前にボトルが封止されていたことが保証される。
〔その他の実施形態〕
最後に、本発明に係るキャップのその他の実施形態について説明する。なお、以下のそれぞれの実施形態で開示される構成は、矛盾が生じない限り、他の実施形態で開示される構成と組み合わせて適用することも可能である。
上記の各実施形態では、キャップの天面部およびスカート部がアルミニウム材製である構成を例として説明した。しかし、本発明に係るキャップは、金属製であればよく、金属の種類は特に限定されない。本発明に係るキャップを構成しうる金属としては、アルミニウム、スチール、が例示されるが、これらに限定されない。
上記の実施形態では、本発明に係るキャップをピルファープルーフキャップに適用した例について説明した。しかし、本発明に係るキャップは、ピルファープルーフキャップの他、ツイストオフキャップなどの公知の方式の金属製キャップに適用しうる。
上記の実施形態では、突起部分3を一条三周の螺旋形状にしてある構成を例として説明した。しかし、本発明に係る突起部分の螺旋形状について、周数は限定されず、たとえば天面部の寸法などを考慮して適宜決定されうる。ただし、突起部分が、二周以上七周以下の螺旋形状であることが好ましい。
また、突起部分の螺旋形状の寸法条件についても、天面部の寸法などを考慮して適宜決定されうる。ただし、当該螺旋形状の端部に対する中央部の高さは、3mm以上20mm以下であることが好ましい。また、当該螺旋形状の各周の幅は、1mm以上15mm以下であることが好ましい。さらに、天面部の面積のうち突起部分が占める割合は、25%以上90%以下であることが好ましい。
上記の実施形態では、突起部分3の各周の間に段差33が形成されている構成を例として説明した。しかし、本発明に係る突起部分の構造は、この例に限定されない。たとえば、複数のパネル部分34を組み合わせて、螺旋形状を構成してもよい(図4、図5)。この変形例では、各パネル部分34は、上に凸の曲面状の形状を有する。また、突起部分3が、端部31から中央部32に向けて高さが漸増する態様で設けられていることに対応して、それぞれのパネル部分34が、螺旋の上側が下側より高くなるように傾斜している。同じく、中央部32が端部31より高いことに対応して、それぞれのパネル部分34が天面部1の径方向にも傾斜している。上記の実施形態では、突起部分3の各周の間に段差33が形成されており径方向に隣接する二つの周が非連続だったが、本変形例では、径方向に隣接する二つの周が連続している。また、螺旋に沿って隣接する二つのパネル部分も、連続している。これによって、突起部分3の螺旋形状の全体が連続的に構成されるので、突起部分3が比較的滑らかに動きやすく、音が発生しやすくなる。
その他の構成に関しても、本明細書において開示された実施形態は全ての点で例示であって、本発明の範囲はそれらによって限定されることはないと理解されるべきである。当業者であれば、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、適宜改変が可能であることを容易に理解できるであろう。したがって、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で改変された別の実施形態も、当然、本発明の範囲に含まれる。
本発明は、たとえば食品や飲料などを充填したボトルの口部を封止するキャップに利用できる。
10 :ピルファープルーフキャップ
1 :天面部
11 :中心
12 :第一断面
13 :第二断面
2 :スカート部
3 :突起部分
31 :端部
32 :中央部
33 :段差
34 :パネル部分

Claims (3)

  1. 円形の天面部と、前記天面部から垂下するスカート部と、を有する金属製のキャップであって、
    前記天面部に、螺旋状の突起部分が設けられているキャップ。
  2. 螺旋状の前記突起部分の各条の間に段差が形成されている請求項1に記載のキャップ。
  3. 前記突起部分は、螺旋状に配列された複数のパネル部分を含み、
    それぞれの前記パネル部分は、螺旋に沿って、螺旋の上側が下側より高くなるように傾斜するとともに、前記天面部の径方向内側が径方向外側より高くなるように傾斜している請求項1に記載のキャップ。
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