JP2023059577A - モータの制御装置及びモータの制御方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】発生する外乱の影響を大幅に低減して所望の動作特性を実現できる。【解決手段】外乱補正が行われるリニアモータ1の制御装置10において、リニアモータ1に入力される外乱補正済の電流指令uを用いて、リニアモータ1のフィードフォワード制御を行う。【選択図】図3
Description
本発明は、モータの制御装置及びモータの制御方法に関する。
モータは、固定子と可動子とを備えており、固定子と可動子との間で磁気的に推力を発生させることによって、固定子に対して可動子を移動させる構成である。モータの代表的な例として、磁性が交互に変わるように複数の永久磁石を配列させた可動子と、複数の磁極歯それぞれにコイルを巻回させた固定子とを、所定の距離だけ離隔して対応配置させた構成をなし、固定子のコイルに交流電流を流すことにより、永久磁石との吸引反発力によって推力を発生させて、固定子に対して可動子を直線移動させるリニアモータがある。
例えば、特許文献1では、ステージ駆動用のリニアモータが、外乱オブザーバを用いた外乱補償器を備え、ステージの位置で変動するリニアガイド機構の案内摩擦の変動等の外乱要因を補償することについて開示されている。
しかしながら、ステージの駆動における外乱要因は、上述した摩擦以外にも、通電ケーブルの張力の影響、リニアモータが保持される架台の振動、コギングなどが存在しており、特許文献1に記載された外乱オブザーバを用いる所謂外乱オブザーバ制御だけでは、発生する外乱の十分な補正ができない。
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、発生する外乱の影響を大幅に低減して所望の動作特性を実現できるモータの制御装置及びモータの制御方法を提供することを目的とする。
本発明に係るモータ制御装置は、外乱補正が行われるモータの制御装置において、前記モータに入力される前記外乱補正済の入力値を用いて、前記モータのフィードフォワード制御を行う。
本発明にあっては、前記モータのフィードフォワード制御に前記モータに入力される前記外乱補正済の入力値が用いられる。既に外乱補正が施された入力値をフィードフォワード制御に用いるので、モータの外乱抑制効果を高めることができる。
本発明に係るモータの制御装置は、前記入力値の実測値を予め記憶する記憶部と、前記入力値の実測値を用いて前記フィードフォワード制御を行う第1制御器と、前記モータによって駆動される対象物の位置と、前記モータ用の位置指令値との差に基づいて前記モータのフィードバック制御を行う第2制御器と、前記第1制御器の出力値と、前記第2制御器の出力値とを加算して前記モータに出力する加算器とを備える。
本発明にあっては、予め記憶している、外乱補正済みの入力値の実測値を用いた前記フィードフォワード制御と、対象物の位置及び前記位置指令値の差に基づく前記フィードバック制御とがあわせて行われるので、モータの外乱抑制効果を高めることができる。
本発明に係るモータの制御装置は、前記外乱補正に用いられる外乱の推定値を定める外乱オブザーバ制御系と、前記加算器の出力値と前記外乱の推定値との差を求める減算器とを備え、前記減算器は前記差を前記モータに出力する。
本発明にあっては、前記フィードフォワード制御及び前記フィードバック制御に加えて、前記外乱の推定値を減算する外乱オブザーバ制御が行われる。よって、モータの外乱抑制効果をより高めることができる。
本発明に係るモータの制御装置は、前記外乱オブザーバ制御系は定常カルマンフィルタを有する。
本発明にあっては、前記外乱オブザーバ制御系は前記外乱オブザーバ制御に前記定常カルマンフィルタを用いる。
本発明に係るモータの制御方法は、外乱補正を行ってモータを制御するモータの制御方法において、前記モータに入力される前記外乱補正済の入力値を用いて、前記モータのフィードフォワード制御を行う。
本発明にあっては、前記モータのフィードフォワード制御に前記モータに入力される前記外乱補正済の入力値が用いられる。既に外乱補正が施された入力値をフィードフォワード制御に用いるので、モータの外乱抑制効果を高めることができる。
本発明に係るモータの制御方法は、前記入力値の実測値を予め記憶し、前記入力値の実測値を用いて前記フィードフォワード制御を行い、前記モータによって駆動される対象物の位置と、前記モータ用の位置指令値との差に基づいて前記モータのフィードバック制御を行い、前記フィードフォワード制御で得られた値と、前記フィードバック制御で得られた値とを加算した加算値を前記モータに出力する。
本発明にあっては、予め記憶している、外乱補正済みの入力値の実測値を用いて前記フィードフォワード制御が行われ、且つ対象物の位置及び前記位置指令値の差に基づいて前記フィードバック制御が共に行われるので、モータの外乱抑制効果を高めることができる。
本発明に係るモータの制御方法は、前記外乱補正に用いられる外乱の推定値を定め、前記加算値と前記外乱の推定値との差を求めて、前記モータに入力する。
本発明にあっては、前記フィードフォワード制御及び前記フィードバック制御に加えて、前記外乱の推定値を減算する外乱オブザーバ制御が行われる。よって、モータの外乱抑制効果をより高めることができる。
本発明に係るモータの制御方法は、前記外乱の推定値の定めは定常カルマンフィルタを使用する。
本発明にあっては、前記定常カルマンフィルタを用いて前記外乱オブザーバ制御が行われる。
本発明によれば、発生する外乱の影響を大幅に低減して所望の動作特性を実現できるモータの制御装置及びモータの制御方法を提供することができる。
(実施形態1)
本発明をその実施形態を示す図面に基づいて詳述する。なお、以下では、モータの一例としてのリニアモータが採用された、位置決め用のステージに本発明を適用する場合について説明する。
本発明をその実施形態を示す図面に基づいて詳述する。なお、以下では、モータの一例としてのリニアモータが採用された、位置決め用のステージに本発明を適用する場合について説明する。
図1及び図2は、リニアモータ1の構成を示す斜視図及び側面図である。リニアモータ1は、所定距離だけ隔てて対向させた可動子2と固定子3とを有している。
可動子2は、例えば14個の矩形状の永久磁石21を、等ピッチで薄板状のバックヨーク22に支持固定して可動方向(図2の左右方向)に並置させて構成される。各永久磁石21は厚さ方向(図2の上下方向)に磁化されており、隣り合う永久磁石21,21同士でその磁化方向は逆向きである。即ち、可動子2側から固定子3側に向かう方向(図2の上から下に向かう方向)に磁化された永久磁石21と、固定子3側から可動子2側に向かう方向(図2の下から上に向かう方向)に磁化された永久磁石21とが交互に配置されている。
一方、固定子3は、薄板状のコア31に可動方向に等ピッチにて例えば30個の矩形状の磁極歯32を一体的に設け、各磁極歯32にコイル33を巻いて構成される。図2におけるU、V、Wは夫々3相交流電源のU相、V相、W相を示し、3相平行通電を行うために、正逆2スロット3対を1セットとしている。そして、リニアモータ1は、7個の永久磁石21と6個の磁極歯32及びコイル33とを有する7極6スロット構成を基本ユニットとしている。
固定子3のコイル33に3相交流を通電して磁極歯32に磁界を発生させると、この磁界に可動子2の永久磁石21が順次磁気吸引反発することによって可動子2に推力が発生して、可動子2は固定子3に対して直線運動を行う。
以下、このような構成をなすリニアモータ1に不可避的に発生するコギングを含む外乱の影響を低減するための方法及び装置について詳述する。
本発明にあっては、予め記憶しているフィードフォワード値を用いるフィードフォワード制御と、外乱に対する外乱オブサーバ制御とを組み合わせる。即ち、フィードフォワード制御によって外乱の影響を大まかに除去するとともに、斯かるフィードフォワード制御で除去しきれない外乱による影響を外乱オブサーバ制御にて低減する。よって、外乱の影響を大幅に低減し得る。
リニアモータ1を例にした場合、外乱としては、通電ケーブルの張力の影響(張力によってリニアモータ1の前進方向と後退方向とで推力に差が生じる現象)、摩擦、リニアモータ1が保持される架台の振動などが存在する。本発明では、このようなリニアモータ1における外乱の影響を、フィードフォワード制御及び外乱オブサーバ制御によって抑制する。
図3は、実施形態1に係る制御装置10の一実施形態の構成を示すブロック線図である。制御装置10はステージ11(対象物)に装着され、ステージ11を駆動するリニアモータ1を適宜制御する。
制御装置10は、位置指令部80と、制御コントローラ50(第2制御器)と、FF補正器(フィードフォワード補正器)40(第1制御器)と、記憶部41と、外乱オブザーバ61と、微分器62と、第1減算器81と、第2減算器71と、加算器51とを備えている。そして、外乱オブザーバ61及び微分器62にて外乱オブザーバ制御系60が構成されている。
制御対象となるリニアモータ1の入力端は、第2減算器71の出力端子に接続されている。リニアモータ1の出力端は微分器62の入力端及び第1減算器81の減算入力端子に接続されている。微分器62の出力端と外乱オブザーバ61の入力端とが接続されており、外乱オブザーバ61の出力端は第2減算器71の減算入力端子に接続されている。第2減算器71の加算入力端子には加算器51の出力端子が接続されている。加算器51の一方の加算入力端子にはFF補正器40の出力端が接続され、加算器51の他方の加算入力端子には制御コントローラ50の出力端が接続されている。制御コントローラ50の入力端は第1減算器81の出力端子に接続されている。第1減算器81の加算入力端子及びFF補正器40の入力端は位置指令部80の出力端に接続されている。なお、FF補正器40には記憶部41が接続されている。
第1減算器81の加算入力端子には位置指令部80から入力指令u1(位置指令値)が入力され、加算器51の一方の加算入力端子には制御コントローラ50から電流指令u3が入力され、加算器51の他方の加算入力端子にはFF補正器40から電流指令u2が入力される。第2減算器71の加算入力端子には加算器51から電流指令u4(加算値)が入力され、第2減算器71の減算入力端子には外乱オブザーバ61から制御出力^d(外乱の推定値)が入力される。なお、「^」の記号は推定値を表している。
リニアモータ1には電流指令uが入力される。電流指令uは、第2減算器71からリニアモータ1側に出力される電流指令であるが、実際は、ドライバ、サーボアンプ(図示せず)を介して、リニアモータ1に出力される。
図4は、リニアモータ1に入力される電流指令uの一例を示す例示図である。図4中、指令速度は、入力指令u1に対応する速度である。図4から分かるように、電流指令uは、時間の経過と共に、また速度に応じて変化している。
また、ステージ11に設けられた位置検出部(図示せず)によってステージ11の位置が検出され、ステージ11の位置を表す位置情報xが第1減算器81の減算入力端子、微分器62及び外部へ出力される。
位置指令部80は、所定のプログラムによって、ステージ11の位置を制御するために入力指令u1をリニアモータ1側に出力する。入力指令u1は、FF補正器40に入力され、また、第1減算器81を介して制御コントローラ50に入力される。
制御コントローラ50は入力指令u1に対してフィードバック制御を行う。
即ち、第1減算器81は、加算入力端子に入力される入力指令u1と、減算入力端子に入力される位置情報xの差分を求め、斯かる差分を表す差分信号が制御コントローラ50に入力される。制御コントローラ50は、入力指令u1と位置情報xとを一致させるように斯かる差分に対し、比例(P)、積分(I)、微分(D)処理を加え、電流指令u3を演算して加算器51に出力する。
即ち、第1減算器81は、加算入力端子に入力される入力指令u1と、減算入力端子に入力される位置情報xの差分を求め、斯かる差分を表す差分信号が制御コントローラ50に入力される。制御コントローラ50は、入力指令u1と位置情報xとを一致させるように斯かる差分に対し、比例(P)、積分(I)、微分(D)処理を加え、電流指令u3を演算して加算器51に出力する。
また、FF補正器40は入力指令u1に対してフィードフォワード制御を行う。以下、詳しく説明する。
FF補正器40には、記憶部41が接続されている。記憶部41には、速度に応じて複数パターンのフィードフォワード値が記憶されている。記憶部41に記憶されているフィードフォワード値は、実測された電流指令uである。即ち、斯かるフィードフォワード値は、制御コントローラ50によるフィードバック制御と、外乱オブザーバ制御系60による後述の外乱オブザーバ制御とが施された状態の電流指令であり、既に外乱に対する補正が行われ、外乱が抑制された状態の補正済みの電流指令である。
本発明では、事前にステージ11を動作させて、この際にリニアモータ1に入力される、外乱が抑制された電流指令uを測定し、測定された電流指令uがフィードフォワード値として記憶部41に記憶されている。
FF補正器40には、記憶部41が接続されている。記憶部41には、速度に応じて複数パターンのフィードフォワード値が記憶されている。記憶部41に記憶されているフィードフォワード値は、実測された電流指令uである。即ち、斯かるフィードフォワード値は、制御コントローラ50によるフィードバック制御と、外乱オブザーバ制御系60による後述の外乱オブザーバ制御とが施された状態の電流指令であり、既に外乱に対する補正が行われ、外乱が抑制された状態の補正済みの電流指令である。
本発明では、事前にステージ11を動作させて、この際にリニアモータ1に入力される、外乱が抑制された電流指令uを測定し、測定された電流指令uがフィードフォワード値として記憶部41に記憶されている。
図5は、フィードフォワード制御に用いられるフィードフォワード値の一例を示す例示図である。図5中、指令速度は、入力指令u1に対応する速度である。図5から分かるように、フィードフォワード値は、リニアモータ1の動作開始から停止まで時間の経過と共に、また速度に応じて変化しており、フィードフォワード値は、図4の電流指令uと略同じである。
FF補正器40は、記憶部41に記憶されているフィードフォワード値を用いてフィードフォワード制御を行う。詳しくは、FF補正器40は、位置指令部80からの入力指令u1に所定の処理を施し、入力指令u1に応じて記憶部41に記憶された何れかのフィードフォワード値を適宜選択し、入力指令u1に乗じて電流指令u2を加算器51に出力する。
このように、FF補正器40が、フィードフォワード制御に、既に外乱補正が行われた状態の補正済みの電流指令uをフィードフォワード値として用いるので、効果的に外乱を抑制することが出来る。
加算器51は、一方の加算入力端子に入力される電流指令u2に、他方の加算入力端子に入力される電流指令u3を加算して電流指令u4を出力する。電流指令u4は、第2減算器71及び外乱オブザーバ61に出力される。
図6は、制御装置10の外乱オブザーバ61の内部構成を示すブロック線図である。なお、図6において、図3と同一部分には同一の番号及び符号を付している。
外乱オブザーバ61は、定常カルマンフィルタ100を有している。定常カルマンフィルタ100は、誤差が含まれる実測値を用いて、ある動的システムの状態を推定または制御するために用いる無限インパルス応答フィルタの一種である。定常カルマンフィルタ100は、離散的な誤差が存在する実測結果から、経時的に変化する量(例えばある物体の位置と速度)を推定するために広く用いられる。
外乱オブザーバ61は、定常カルマンフィルタ100を有している。定常カルマンフィルタ100は、誤差が含まれる実測値を用いて、ある動的システムの状態を推定または制御するために用いる無限インパルス応答フィルタの一種である。定常カルマンフィルタ100は、離散的な誤差が存在する実測結果から、経時的に変化する量(例えばある物体の位置と速度)を推定するために広く用いられる。
外乱オブザーバ61は、第1パラメータ部86と、第2パラメータ部87と、第3パラメータ部88と、第4パラメータ部89と、第5パラメータ部90と、第1加算器91と、第2加算器92と、減算器93と、第1積分器94と、第2積分器95とを有している。これらの構成要素にあって、第1パラメータ部86、第2パラメータ部87、第3パラメータ部88、第4パラメータ部89、第1加算器91、第2加算器92、減算器93、及び第1積分器94にて、定常カルマンフィルタ100が構成されている。
第2パラメータ部87の入力端は、加算器51の出力端子に接続され、第2パラメータ部87の出力端は、第1加算器91の一方の加算入力端子に接続されている。第1加算器91の出力端子に第1積分器94の入力端が接続され、第1積分器94の出力端は第1パラメータ部86の入力端及び第3パラメータ部88の入力端に接続されている。第3パラメータ部88の出力端は、減算器93の減算入力端子に接続されている。減算器93の加算入力端子は、微分器62の出力端に接続されている。減算器93の出力端子は、第4パラメータ部89の入力端及び第5パラメータ部90の入力端に接続されている。第1パラメータ部86の出力端は第2加算器92の一方の加算入力端子に接続され、第4パラメータ部89の出力端は第2加算器92の他方の加算入力端子に接続されている。第2加算器92の出力端子は、第1加算器91の他方の加算入力端子に接続されている。第5パラメータ部90の出力端と第2積分器95の入力端とが接続され、第2積分器95の出力端は、減算器71の減算入力端子に接続されている。
第1パラメータ部86、第2パラメータ部87、第3パラメータ部88はそれぞれ、モデル(入力:電流、出力:速度)の状態変数パラメータA、B、Cを格納している。これらのパラメータA、B、Cの導出は、MATLAB(登録商標)(マトラバ)のプログラムに従って行われる。
また、第4パラメータ部89は、モデルの状態推定パラメータLx を格納しており、第5パラメータ部90は、リニアモータ1の外乱推定パラメータLd を格納している。パラメータLx は、モデルゲインであって、比較したモデルの波形と実機の波形との間に生じる誤差に対する感度を規定するものであり、小さな誤差であっても補正を行いたい場合には、このパラメータLx を大きく設定する。また、パラメータLd もパラメータLx と同様に、補正における感度を規定するためのモデルゲインである。
なお、実際の実装時にあっては、これらの各パラメータとして、離散化したものを使用することが好ましい。
加算器51からモデルに電流指令u4が入力された際の速度波形の推定値(外乱の影響がない場合の速度波形)を算出する。この算出したモデルの速度波形と、微分器62によって位置情報xを微分して得られる実際のリニアモータ1の速度波形とを比較し、その差分を減算器93にて求める。このように、モデルからの推定値を用いて、動的システム(制御対象)の動きを推定しており、パラメータLx をモデルゲインとして決まった値を用いるため、定常カルマンフィルタとしての形態をとっている。
減算器93で得られた差分(誤差)を用いて外乱の推定値^dを決定し、決定した外乱の推定値^dを減算器71にて電流指令u4から減算して、外乱の低減を図る。このようにして、外乱オブザーバ制御系60は、リニアモータ1の動作時の外乱に対する外乱オブザーバ制御を行う。
第2減算器71は、加算入力端子に、フィードフォワード制御及びフィードバック制御が施された電流指令u4が入力され、減算入力端子に、外乱オブザーバ61から外乱の推定値^dが入力される。第2減算器71は、電流指令u4と外乱の推定値^dとの差分を求めてリニアモータ1に出力する。
上述の如く、本発明に係る制御装置10においては、制御コントローラ50によるフィードバック制御と、FF補正器40によるフィードフォワード制御と、外乱オブザーバ制御系60による外乱オブザーバ制御を組み合わせる。
即ち、本発明に係る制御装置10においては、リニアモータ1の動作時に発生する外乱に対して、制御コントローラ50がフィードバック制御を行い、且つ、FF補正器40が、既に外乱に対する補正が行われ、外乱が抑制された電流指令uをフィードフォワード値としてフィードフォワード制御を行い、外乱の影響を大まかに除去する。そして、フィードフォワード制御及びフィードバック制御では低減できない外乱に起因する影響を、外乱オブザーバ制御にて低減する。この結果、外乱に対して十分な補償を行うことができ、外乱抑制効果を高めることが出来る。
(実施形態2)
実施形態1においては、リニアモータ1の動作開始から停止までFF補正器40によるフィードフォワード制御が行われる場合を例に挙げて説明したが(図5参照)、本発明はこれに限定されるものではない。リニアモータ1の動作中、断続的にフィードフォワード制御を実行しても良い。
実施形態1においては、リニアモータ1の動作開始から停止までFF補正器40によるフィードフォワード制御が行われる場合を例に挙げて説明したが(図5参照)、本発明はこれに限定されるものではない。リニアモータ1の動作中、断続的にフィードフォワード制御を実行しても良い。
実施形態2に係る制御装置10においては、フィードフォワード値として、補正済みの電流指令uの一部分のみが記憶部41に記憶されている。例えば、補正済みの電流指令uにおいて、リニアモータ1の加速区間に対応する部分、リニアモータ1の等速区間に対応する部分、リニアモータ1の減速区間に対応する部分、リニアモータ1の停止区間に対応する部分等が記憶されている。
FF補正器40は、リニアモータ1の速度を監視し、リニアモータ1の速度に応じて、フィードフォワード値を適宜選択してフィードフォワード制御を行う。
図7は、フィードフォワード制御に用いられるフィードフォワード値の一例を示す例示図である。図7中、指令速度は、入力指令u1に対応する速度である。図7に示すフィードフォワード値は、図4に示す補正済みの電流指令uにおいて指令速度がゼロである区間(図4中、破線の楕円部分)に相当するものである。即ち、リニアモータ1の停止区間に対応するフィードフォワード値である。図7から分かるように、フィードフォワード値は、指令速度がゼロになる前はゼロであるが、指令速度がゼロになってから所定の値を示している。
例えば、FF補正器40は、指令速度を監視し、指令速度がゼロになった時、即ち、リニアモータ1の停止間際に、図7に示すフィードフォワード値を用いてフィードフォワード制御を行う。これによって、リニアモータ1の停止に係る外乱が除去され、リニアモータ1の整定時間の短縮、即ち、リニアモータ1を早く停止させることができる。
開示された実施形態は、全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上述の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
1 リニアモータ
10 制御装置
11 ステージ(対象物)
40 FF補正器(第1制御器)
41 記憶部
50 制御コントローラ(第2制御器)
51 加算器
60 外乱オブザーバ制御系
61 外乱オブザーバ
71 第2減算器(減算器)
100 定常カルマンフィルタ
u 電流指令(入力値)
10 制御装置
11 ステージ(対象物)
40 FF補正器(第1制御器)
41 記憶部
50 制御コントローラ(第2制御器)
51 加算器
60 外乱オブザーバ制御系
61 外乱オブザーバ
71 第2減算器(減算器)
100 定常カルマンフィルタ
u 電流指令(入力値)
Claims (8)
- 外乱補正が行われるモータの制御装置において、
前記モータに入力される前記外乱補正済の入力値を用いて、前記モータのフィードフォワード制御を行うモータの制御装置。 - 前記入力値の実測値を予め記憶する記憶部と、
前記入力値の実測値を用いて前記フィードフォワード制御を行う第1制御器と、
前記モータによって駆動される対象物の位置と、前記モータ用の位置指令値との差に基づいて前記モータのフィードバック制御を行う第2制御器と、
前記第1制御器の出力値と、前記第2制御器の出力値とを加算して前記モータに出力する加算器とを備える請求項1に記載のモータの制御装置。 - 前記外乱補正に用いられる外乱の推定値を定める外乱オブザーバ制御系と、
前記加算器の出力値と前記外乱の推定値との差を求める減算器とを備え、
前記減算器は前記差を前記モータに出力する請求項2に記載のモータの制御装置。 - 前記外乱オブザーバ制御系は定常カルマンフィルタを有する請求項3に記載のモータの制御装置。
- 外乱補正を行ってモータを制御するモータの制御方法において、
前記モータに入力される前記外乱補正済の入力値を用いて、前記モータのフィードフォワード制御を行うモータの制御方法。 - 前記入力値の実測値を予め記憶し、
前記入力値の実測値を用いて前記フィードフォワード制御を行い、
前記モータによって駆動される対象物の位置と、前記モータ用の位置指令値との差に基づいて前記モータのフィードバック制御を行い、
前記フィードフォワード制御で得られた値と、前記フィードバック制御で得られた値とを加算した加算値を前記モータに出力する請求項5に記載のモータの制御方法。 - 前記外乱補正に用いられる外乱の推定値を定め、
前記加算値と前記外乱の推定値との差を求めて、前記モータに入力する請求項6に記載のモータの制御方法。 - 前記外乱の推定値の定めは定常カルマンフィルタを使用する請求項7に記載のモータの制御方法。
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2021169670A Pending JP2023059577A (ja) | 2021-10-15 | 2021-10-15 | モータの制御装置及びモータの制御方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2023059577A (ja) |
-
2021
- 2021-10-15 JP JP2021169670A patent/JP2023059577A/ja active Pending
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