JP2023059336A - 流体圧縮機 - Google Patents

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【課題】オイルセパレータを備えた流体圧縮機において、吐出経路における圧力損失の増加を抑制しながら、吐出脈動を効果的に低減させる。【解決手段】流体圧縮機1は、ハウジング11内にスクロール圧縮機構4を備え、このスクロール圧縮機構により流体を圧縮して吐出ポート20よりハウジング外に吐出する。ハウジング内に設けられ、スクロール圧縮機構から吐出された流体に混入したオイルを当該流体から分離するオイルセパレータ48と、オイルセパレータの流体出口62と吐出ポート20との間に設けられ、複数の通孔63を有する整流部材51を備えた。【選択図】図1

Description

本発明は、ハウジング内に設けられた圧縮機構により流体を圧縮して吐出する流体圧縮機、特にオイルセパレータを備えたものに関する。
従来より流体圧縮機は、ハウジング内に設けられた圧縮機構により冷媒等の流体を圧縮し、ハウジングに形成された吐出ポートよりハウジング外(吐出ポートに接続される吐出配管)に吐出する構成とされている。また、圧縮機構から吐出される流体には潤滑用のオイルが混入しているため、ハウジングには、例えば遠心力で流体からオイルを分離するオイルセパレータが設けられる(例えば、特許文献1参照)。
特許第4611129号公報 特開2012-246862号公報
ここで、この種の流体圧縮機では騒音や振動の低減、配管耐久性の観点から、吐出される流体の脈動(吐出脈動)の低減が求められている。この吐出脈動を流体圧縮機内部で減衰させるには、オイルセパレータを構成するオイル分離ボディの流入口の流路面積を縮小し、或いは、オイル分離ボディ内のオイル分離空間に上から挿入されるオイル分離パイプの流路断面積を縮小することにより、流路断面における圧力波の反射率を上げて、吐出ポートへの透過率を下げることが有効である。
しかしながら、オイル分離ボディの流入口の流路面積やオイル分離パイプの流路断面積を縮小すると、オイルセパレータから吐出ポートに至る吐出経路における圧力損失の増加を引き起こす。そして、係る圧力損失の増加により、流体圧縮機が使用されるシステム(車両用の空調装置等)の高圧圧力と比較して流体圧縮機内部の高圧圧力が上昇し、圧縮機構を駆動するモータに加わるトルクが増加して、圧縮効率や部品の耐久寿命の低下、振動の増大等の種々の問題が発生する。
一方、吐出脈動の低減策としては上記以外に、セル構造体を配置して流体を整流する方法も提案されている(例えば、特許文献2参照)。
本発明は、係る従来の技術的課題を解決するために成されたものであり、オイルセパレータを備えた流体圧縮機において、内部の吐出経路における圧力損失の増加を抑制しながら、吐出脈動を効果的に低減させることを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の流体圧縮機は、ハウジング内に圧縮機構を備え、この圧縮機構により流体を圧縮して吐出ポートよりハウジング外に吐出するものであって、ハウジング内に設けられ、圧縮機構から吐出された流体に混入したオイルを当該流体から分離するオイルセパレータと、このオイルセパレータの流体出口と吐出ポートとの間に設けられ、複数の通孔を有する整流部材を備えたことを特徴とする。
請求項2の発明の流体圧縮機は、上記発明においてオイルセパレータは、流体の旋回に伴う遠心力によりオイルを分離する遠心式のオイルセパレータであることを特徴とする。
請求項3の発明の流体圧縮機は、上記発明においてオイルセパレータの下方に構成され、流体から分離されたオイルが流入する貯油室を備え、オイルセパレータは、内部のオイル分離空間に上から挿入され、下部の流体入口が当該オイル分離空間内に開口したオイル分離パイプを有し、整流部材は、オイル分離パイプ上部の流体出口に対応して設けられていることを特徴とする。
請求項4の発明の流体圧縮機は、上記発明において整流部材は、圧入、ねじ締結、スナップリングのうちの何れかの手段によりハウジングに取り付けられていることを特徴とする。
請求項5の発明の流体圧縮機は、上記発明においてオイルセパレータは、流体の流入口を有し、内部にオイル分離空間が構成されたオイル分離ボディと、このオイル分離ボディ内に上から挿入されたオイル分離パイプを有し、ハウジングに構成された吐出室内に着脱自在に取り付けられていることを特徴とする。
請求項6の発明の流体圧縮機は、上記発明においてオイルセパレータは、圧入、ねじ締結、スナップリングのうちの何れかの手段によりハウジングに取り付けられていることを特徴とする。
請求項7の発明の流体圧縮機は、上記各発明において整流部材の通孔は、一定の内径とされた平行部と、この平行部から流体の入口側及び出口側に向けて拡開したファンネル部を有していることを特徴とする。
請求項8の発明の流体圧縮機は、上記発明において通孔のファンネル部と平行部は、曲面により滑らかに連続していることを特徴とする。
本発明によれば、ハウジング内に圧縮機構を備え、この圧縮機構により流体を圧縮して吐出ポートよりハウジング外に吐出する流体圧縮機において、ハウジング内に設けられ、圧縮機構から吐出された流体に混入したオイルを当該流体から分離するオイルセパレータと、このオイルセパレータの流体出口と吐出ポートとの間に設けられ、複数の通孔を有する整流部材を備えているので、オイルセパレータの流路面積(流路断面積)を縮小させること無く、整流部材により流体の吐出脈動を低減することができるようになる。
これにより、流体圧縮機内の吐出経路における圧力損失の増加を抑制しながら、吐出脈動を効果的に低減させることができるようになり、流体圧縮機の圧縮効率や部品の耐久寿命の低下、振動の増大等の問題を効果的に解消、若しくは、抑制することが可能となる。
特に、請求項2の発明の如くオイルセパレータが、流体の旋回に伴う遠心力によりオイルを分離する遠心式のオイルセパレータである場合には、整流部材により、オイルセパレータから流出する流体の旋回流を直線流へと整流することができるようになる。
これにより、オイルセパレータ後の吐出経路や吐出ポートに接続される吐出配管における流路抵抗を大きく低減することができるようになり、圧縮効率の大幅な改善を図ることができるようになる。
この場合、請求項3の発明の如くオイルセパレータの下方に流体から分離されたオイルが流入する貯油室を構成し、オイルセパレータには、内部のオイル分離空間に上から挿入されて下部の流体入口が当該オイル分離空間内に開口したオイル分離パイプを設け、整流部材をこのオイル分離パイプ上部の流体出口に対応して設けることで、遠心力による流体からのオイルの分離及び回収と、オイルが分離された後の流体の整流の双方を円滑に行うことができるようになる。
また、上記の場合、整流部材は請求項4の発明の如く、圧入、ねじ締結、スナップリングのうちの何れかの手段によりハウジングに取り付ける。
また、請求項5の発明の如くオイルセパレータを、流体の流入口を有して内部にオイル分離空間が構成されたオイル分離ボディと、このオイル分離ボディ内に上から挿入されたオイル分離パイプから構成し、ハウジングに構成された吐出室内に着脱自在に取り付けるようにすれば、流体圧縮機の生産性や組立作業性を向上させることができるようになる。
この場合も、オイルセパレータは請求項6の発明の如く、圧入、ねじ締結、スナップリングのうちの何れかの手段によりハウジングに取り付ける。
更に、請求項7の発明の如く整流部材の通孔を、一定の内径とされた平行部と、この平行部から流体の入口側及び出口側に向けて拡開したファンネル部を有する構造とすれば、流体の流れが整流部材に流入する際、流体が入口側のファンネル部に沿って流入するため、流体の流れの壁面からの剥離と渦の発生を抑えることができる。また、流体の流れが整流部材から流出する際、流路が出口側に向かって拡開していることで、流速分布が断面内に分散した状態で流出するようになるため、整流部材出口の下流での噴流の発生を抑えることができる。それによって、流体の流れが整流部材を通過する際に発生する圧力損失を低減することができるようになる。
特に、請求項8の発明の如く整流部材の通孔のファンネル部と平行部を、曲面により滑らかに連続させることにより、平行部からファンネル部に入る際の流体の流速を低下させて出口における渦の発生を効果的に抑制することができるようになり、更なる圧力損失の低減を図ることが可能となる。
本発明を適用した一実施形態の流体圧縮機の概略断面図である。 図1の流体圧縮機のオイルセパレータ部分の詳細断面図である。 図2のオイルセパレータの斜視図である。 図3のオイルセパレータの断面図である。 図1の流体圧縮機に設けられた整流部材の一実施例の斜視図である。 図5の整流部材の通孔部分の拡大断面図である。 図4のオイルセパレータ内の冷媒(流体)とオイルの流れを説明する断面図である。 冷媒(流体)の吐出脈動波形を示す図である。 図1の流体圧縮機に設けられる整流部材の他の実施例の斜視図である。 図1の流体圧縮機に設けられる整流部材のもう一つの他の実施例の斜視図である。 各実施例の整流部材を用いた場合の圧力損失と吐出脈動を示す図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面に基づき詳細に説明する。図1は本発明を適用した一実施形態の流体圧縮機1の概略断面図、図2はそのオイルセパレータ48部分の詳細断面図である。
実施例の流体圧縮機1は、例えば車両用の空調装置の冷媒回路に使用され、空調装置の作動流体(流体)としての冷媒を吸入し、圧縮して吐出配管に吐出するものであり、電動モータ2と、この電動モータ2を運転するためのインバータ3と、電動モータ2によって駆動される圧縮機構としてのスクロール圧縮機構4を備えた所謂インバータ一体型のスクロール圧縮機である。
実施例の流体圧縮機1は、電動モータ2やインバータ3をその内側に収容するフロントケーシング6と、スクロール圧縮機構4をその内側に収容するセンターケーシング7と、インバータカバー8と、リアケーシング9を備えている。そして、これらセンターケーシング7、フロントケーシング6とインバータカバー8、リアケーシング9は何れも金属製(実施例ではアルミニウム製)であり、それらが一体的に接合されて流体圧縮機1のハウジング11が構成されている。
フロントケーシング6は一端側に仕切壁部6Aを備えており、この仕切壁部6Aは、フロントケーシング6内を、電動モータ2を収容するメイン収容部12と、インバータ3を収容するインバータ収容部13とに仕切っている。このインバータ収容部13は一端面が開口しており、この開口はインバータ3が収容された後、インバータカバー8によって閉塞される。メイン収容部12も他端面が開口しており、この開口には電動モータ2が収容された後、センターケーシング7が接続される。また、仕切壁部6Aのメイン収容部12側には、電動モータ2の駆動軸14の一端部(フロント側)を回転可能に支持するための副軸受16が取り付けられている。尚、実施例の副軸受16は滑り軸受けにて構成されている。
センターケーシング7は、電動モータ2とは反対側(他端側)が開口しており、この開口は後述する可動スクロール22が収容された後、これも後述する固定スクロール21が当該センターケーシング7に固定されることで閉塞される。センターケーシング7は、一端側にフレーム部7Aを備えており、このフレーム部7Aの他端側の空間内にスクロール圧縮機構4の可動スクロール22が収容される。
フレーム部7Aはフロントケーシング6内とセンターケーシング7内を仕切る隔壁を成す。また、フレーム部7Aには電動モータ2の駆動軸14の他端部を挿通する貫通孔17が開設されており、この貫通孔17のスクロール圧縮機構4側のセンターケーシング7内には、スクロール圧縮機構4側で駆動軸14の他端部を回転可能に支持する主軸受18が取り付けられている。尚、実施例の主軸受18は転がり軸受にて構成されている。
電動モータ2は、コイルが巻装されてフロントケーシング6の周壁内側に固定されたステータ22と、その内側で回転するロータ23から構成されている。そして、例えば車両のバッテリ(図示せず)からの直流電流がインバータ3により三相交流電流に変換され、電動モータ2のステータ22のコイルに給電されることで、ロータ23が回転駆動されるよう構成されている。そして、駆動軸14はこのロータ23に固定されている。
また、フロントケーシング6には、吸入ポート21が形成されており、吸入ポート21から吸入された冷媒は、フロントケーシング6内の電動モータ2を通過した後、センターケーシング7内に流入し、スクロール圧縮機構4の外側の吸入部37に吸入される。これにより、電動モータ2は吸入冷媒により冷却される。また、スクロール圧縮機構4にて圧縮された冷媒は、後述する吐出室27からリアケーシング9に形成された吐出ポート20より吐出される構成とされている。尚、吐出ポート20には図示しない吐出配管が接続され、冷媒は吐出ポート20よりハウジング11外(吐出配管)に吐出される。
スクロール圧縮機構4は、前述した固定スクロール21と可動スクロール22から構成されている。固定スクロール21は、円盤状の鏡板23と、この鏡板23の表面(一方の面)に立設されたインボリュート状、又は、これに近似した曲線から成る渦巻き状のラップ24を一体に備えており、このラップ24が立設された鏡板23の表面をフレーム部7A側としてセンターケーシング7に固定されている。固定スクロール21の鏡板23の中央には吐出孔26が形成されており、この吐出孔26はリアケーシング9内の吐出室27に連通されている。図中において28は、吐出孔26の鏡板23の背面(他方の面)側の開口に設けられた吐出バルブである。
可動スクロール22は、固定スクロール21に対して公転旋回運動するスクロールであり、円盤状の鏡板31と、この鏡板31の表面(一方の面)に立設されたインボリュート状、又は、これに近似した曲線から成る渦巻き状のラップ32と、鏡板31の背面(他方の面)の中央に突出形成されたボス33を一体に備えている。この可動スクロール22は、ラップ32の突出方向を固定スクロール21側としてラップ32が固定スクロール21のラップ24に対向し、相互に向かい合って噛み合うように配置され、各ラップ24、32間に圧力室34を形成する。
即ち、可動スクロール22のラップ32は、固定スクロール21のラップ24と対向し、ラップ32の先端が鏡板23の表面に接し、ラップ24の先端が鏡板31の表面に接するように噛み合い、且つ、可動スクロール22のボス33には、駆動軸14の他端において軸心から偏心して設けられた偏心部36が、偏心ブッシュ42を介して嵌め合わされている。そして、電動モータ2のロータ23と共に駆動軸14が回転されると、可動スクロール22は自転すること無く、固定スクロール21に対して公転旋回運動するように構成されている。
可動スクロール22は固定スクロール21に対して偏心して公転旋回するため、各ラップ24、32の偏心方向と接触位置は回転しながら移動し、外側の前述した吸入部37から冷媒を吸入した圧力室34は、内側に向かって移動しながら次第に縮小していく。これにより冷媒(流体)は圧縮されていき、最終的に中央の吐出孔26から吐出バルブ28を経て吐出室27に吐出される。
図1において、38は円環状のスラストプレートである。このスラストプレート38は、可動スクロール22の鏡板31の背面とセンターケーシング7のフレーム部7Aとの間に形成された背圧室39と、スクロール圧縮機構4の外側の吸入部37とを区画するためのものであり、ボス33の外側に位置してフレーム部7Aと可動スクロール22の間に介設されている。また、41は可動スクロール22の鏡板31の背面に取り付けられてスラストプレート38に当接するシール材であり、このシール材41とスラストプレート38により背圧室39と吸入部37とが区画される。
また、48はリアケーシング9(ハウジング11)の吐出室27内に着脱自在に取り付けられたオイルセパレータである。このオイルセパレータ48はスクロール圧縮機構4から吐出室27に吐出された冷媒(流体)に混入した潤滑用のオイルを当該冷媒(流体)から分離するものである。そして、このオイルセパレータ48の上部に本発明の特徴である整流部材51が設けられている。これらオイルセパレータ48及び整流部材51の構造については後に詳述する。
オイルセパレータ48の下方のリアケーシング9には貯油室44が形成されており、オイルセパレータ48で冷媒(流体)から分離されたオイルはこの貯油室44に流入する。図中において43は、リアケーシング9からセンターケーシング7に渡って形成された背圧通路である。この背圧通路43はリアケーシング9内の吐出室27内(スクロール圧縮機構4の吐出側)のオイルセパレータ48と背圧室39とを連通する経路であり、実施例ではオリフィス形状を有している。これにより、背圧室39には背圧通路43で減圧調整された吐出圧が、オイルセパレータ48で分離された貯油室44内のオイルと共に供給されるように構成されている。
この背圧室39内の圧力(背圧)により、可動スクロール22を固定スクロール21に押し付ける背圧荷重が生じる。この背圧荷重により、スクロール圧縮機構4の圧力室34からの圧縮反力に抗して可動スクロール22が固定スクロール21に押し付けられ、ラップ24、32と鏡板31、23との接触が維持され、圧力室34で冷媒を圧縮可能となる。
次に、図2~図7を参照しながら、上記オイルセパレータ48及び整流部材51と、それらの周辺の詳細構造について説明する。実施例のオイルセパレータ48は、上下に開口した略円筒状を成し、内部にオイル分離空間52が構成されたオイル分離ボディ53と、このオイル分離ボディ53内に上から挿入されて上下に開口する略円筒状のオイル分離パイプ54から構成された遠心式のオイルセパレータである。
この場合、オイル分離ボディ53には、下部にオイル出口56が形成され、上部にオイル分離パイプ54が挿入される挿入口57が形成されている。また、オイル分離ボディ53の側面上部には、オイル分離パイプ54周囲に位置するオイル分離ボディ53の内壁面の接線方向に冷媒(流体)を導くように形成された流入口58が設けられている(図3)。そして、オイル分離ボディ53は、下部がリアケーシング9に圧入されて当該リアケーシング9に着脱自在に取り付けられ、その状態でオイル出口56は貯油室44に連通すると共に、流入口58は吐出室27に連通する。尚、実施例ではオイル分離ボディ53を圧入によってリアケーシング9に取り付けているが、取付方法としては圧入の他に、ねじ締結、或いは、スナップリングによって固定する手段を採用することができる。
オイル分離パイプ54には、下部に流体入口61が形成され、上部に流体出口62が形成されている。そして、オイル分離パイプ54は吐出ポート20からリアケーシング9内に圧入され、上部がリアケーシング9に圧接することで当該リアケーシング9に着脱自在に取り付けられる。尚、実施例ではオイル分離パイプ54を圧入によってリアケーシング9に取り付けているが、この場合も取付方法としては圧入の他に、ねじ締結、或いは、スナップリングによって固定する手段を採用することができる。この状態で、オイル分離パイプ54の下部はオイル分離ボディ53の挿入口57より当該オイル分離ボディ53内に挿入され、流体入口61はオイル分離空間52内にて開口する。
オイル分離パイプ54は上側より下側の部分が絞られた形状を呈しており、これにより、オイル分離空間52内に位置するオイル分離パイプ54の外壁面と、オイル分離ボディ53の内壁面間には間隔が形成され、流入口58はこの間隔に対応して形成されている(図4)。また、オイル分離パイプ54はオイル分離ボディ53内に挿入されることで、挿入口57を封止する(図2~図4)。
上記のように吐出ポート20からオイル分離パイプ54がリアケーシング9内に取り付けられた後、整流部材51も吐出ポート20からリアケーシング9内に圧入され、リアケーシング9に圧接することで、当該リアケーシング9に着脱自在に取り付けられる。尚、実施例では整流部材51を圧入によってリアケーシング9に取り付けているが、この場合も取付方法としては圧入の他に、ねじ締結、或いは、スナップリングによって固定する手段を採用することができる。この状態で整流部材51はオイル分離パイプ54上部の流体出口62に対応し、当該流体出口62に当接したかたちで設けられる(図2~図4)。これにより、整流部材51はオイルセパレータ48の流体出口62と吐出ポート20との間の吐出経路中に配置されることになる(図1、図2)。尚、この実施例の流体圧縮機1の吐出経路とは、吐出室27から吐出ポート20に至る経路を云うものとする。
この整流部材51には図5に示す如く複数の通孔63が形成されている。実施例(図5)の整流部材51では、通孔63が略均等に配置されており(この例では33個)、冷媒(流体)が流れる際の当該冷媒(流体)の入口側となるオイルセパレータ48側と、出口側となる吐出ポート20側がそれぞれ開口している。また、各通孔63は図6の断面図に示す如く、一定の内径とされた平行部64と、この平行部64から冷媒(流体)の入口側(図6では下側)に向けて拡開した入口ファンネル部66と、平行部64から冷媒(流体)の出口側(図6では上側)に向けて拡開(入口ファンネル部66より緩やかに拡開)した出口ファンネル67を有している。
入口ファンネル部66は、冷媒(流体)が流入する際に、流体が入口ファンネル部66に沿って流れることで、流体の流れの壁面からの剥離と渦の発生を抑える機能を奏する。出口ファンネル部67は、冷媒(流体)が流出する際に、出口ファンネル部67に沿って、流速分布が断面内に分散した状態で流出することで、整流部材51の下流での噴流の発生を抑える機能を奏する。また、実施例では出口ファンネル部67と平行部64は、曲面(フィレット)により滑らかに連続する形状とされている(図6にPで示す)。尚、入口ファンネル部66と平行部64も同様に滑らかに連続する形状としてもよい。
前述した如く固定スクロール21の吐出孔26から吐出バルブ28を経て吐出室27内に吐出された冷媒(オイルを含む)は、流入口58からオイルセパレータ48のオイル分離空間52内に流入する。オイル分離空間52内に流入した冷媒(流体)は、オイル分離空間52内でオイル分離パイプ54の周囲を周方向に旋回し(図7の太い実線矢印)、旋回による遠心力の働きによって比重の大きいオイルがオイル分離ボディ53の内壁面に接触し、冷媒から分離される。分離されたオイルは図7の破線矢印で示すようにオイル分離ボディ53の内壁面に沿って下方に移動し、貯油室44に流入する。
一方、オイルが分離された冷媒(流体)は、流体入口61からオイル分離パイプ54内に流入し、図7の細い実線矢印で示すように上昇した後、整流部材51の通孔63を経て吐出ポート20に至る。そして、最終的に吐出ポート51からハウジング11の外である冷媒回路の吐出配管に吐出される。
ここで、前述した如く可動スクロール22は固定スクロール21に対して偏心して公転旋回するため、吐出孔26から吐出バルブ28を経て吐出室27に吐出される冷媒(流体)には脈動が生じる。係る吐出脈動の様子(整流部材51を設けない場合)を図8に破線で示す。
他方、本発明ではオイルセパレータ48の流体出口62と吐出ポート20との間に、複数の通孔63を有する整流部材51を設けているので、整流部材51を経て吐出ポート20に至る冷媒(流体)の脈動は、通孔63を通過する過程で低減される。この様子は図8に実線で示されている。
この場合、整流部材51の通孔63には平行部64から冷媒(流体)の入口側及び出口側に向けて拡開した入口ファンネル部66及び出口ファンネル部67を設けているので、冷媒(流体)の流れが整流部材51に流入する際、冷媒(流体)が入口ファンネル部66に沿って流入するため、冷媒(流体)の流れの壁面からの剥離と渦の発生を抑えることができる。また、冷媒(流体)の流れが整流部材51から流出する際、流路が出口側に向かって拡開していることで、流速分布が断面内に分散した状態で流出するようになるため、整流部材51の出口の下流での噴流の発生を抑えることができる。それによって、冷媒(流体)の流れが整流部材51を通過する際に発生する圧力損失を低減することができるようになる。
また、整流部材51の通孔63の出口ファンネル部67と平行部64は曲面により滑らかに連続しているので、平行部64から出口ファンネル67に入る際の冷媒(流体)の流速が下がり、出口における渦の発生も抑制され、圧力損失は更に低減される。
このように、本発明では従来の如くオイルセパレータ48の流路面積(流路断面積)を縮小させること無く、整流部材51により冷媒(流体)の吐出脈動を低減することができるので、流体圧縮機1内の吐出経路(前述した吐出室27から吐出ポート20に至る経路)における圧力損失の増加を抑制しながら、吐出脈動を効果的に低減させることができるようになり、流体圧縮機1の圧縮効率の低下や部品の耐久寿命の低下、振動の増大等の問題を効果的に解消或いは抑制することができるようになる。
また、実施例の如く遠心式のオイルセパレータ48を使用した場合、オイルが分離された冷媒(流体)は図7の細い実線矢印で示すように旋回しながらオイル分離パイプ54内を上昇していくことになるが、本発明の如くオイルセパレータ48の流体出口62と吐出ポート20との間に複数の通孔63を有する整流部材51を設けることで、オイルセパレータ48から流出した冷媒(流体)の旋回流は、整流部材51の通孔63を通過する過程で直線流へと整流されるようになる。
これにより、オイルセパレータ48から吐出ポート20に至る吐出経路(オイルセパレータ後の吐出経路)や、吐出ポート20に接続される吐出配管における流路抵抗を大きく低減することができるようになり、圧縮効率の大幅な改善を図ることができるようになる。
また、実施例では整流部材51をオイルセパレータ48のオイル分離パイプ54上部の流体出口62に対応して設けているので、遠心力による冷媒(流体)からのオイルの分離と、オイルセパレータ48の下方に位置する貯油室44へのオイルの回収、及び、オイルが分離された後の冷媒(流体)の整流を円滑に行うことができるようになる。
また、実施例ではオイルセパレータ48をリアケーシング9に構成した吐出室27内に着脱自在に取り付けるようにしているので、流体圧縮機1の生産性と組立作業性を向上させることができるようになる。
ここで、図9、図10は整流部材51の他の実施例を示している。図9の場合、周辺部の比較的小さい内径の複数の通孔(63Aで示す)と、中央の内径の大きい通孔(63Bで示す)を整流部材51に形成している。また、図10では、中央部に4つの花びら形状の通孔(63Cで示す)を4個形成し、それ以外の部分には図5の場合と同様の通孔63を複数形成している。このような整流部材51でも冷媒(流体)の整流効果を期待できるが、図11に示すように効果は若干異なる。
即ち、図11の左端は整流部材51を設けない場合(従来例)、その右側は図9の例の整流部材51を設けた場合、その右側は図10の例の整流部材51を設けた場合、右端は図5の例の整流部材51を設けた場合における吐出脈動(横バー)と吐出経路の圧力損失(縦棒)を測定した結果を示している。圧力損失は吐出室27と吐出ポート20の差圧である。
整流部材51を設けた場合、設けない場合に比して圧力損失(縦棒)は若干増大するものの、吐出脈動(横バー)は何れの例でも低減していることが分かる。また、図9、図10、図5の各例を比較した場合は、図5の例の整流部材51を用いた場合が最も圧力損失及び吐出脈動が低減されていることが分かる。
尚、実施例では遠心式のオイルセパレータ48を取り上げて説明したが、請求項1の発明では冷媒(流体)を壁面に衝突させたときの衝撃でオイルを分離する衝突式のオイルセパレータでも有効である。また、実施例ではオイルセパレータ48をリアケーシング9に着脱自在に取り付けるようにしたが、請求項1~請求項4の発明では、オイル分離ボディ53をリアケーシング9に一体に構成した一体型のオイルセパレータでもよく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で具体的構成は種々変更可能である。
また、実施例では冷媒を流体(作動流体)として圧縮する流体圧縮機で本発明を説明したが、流体としては冷媒に限定されるものではなく、また、適用システムも車両用の空調装置に限定されるものではない。また、実施例ではスクロール圧縮機構を備えたスクロール圧縮機で本発明を説明したが、ロータリ式、レシプロ式、斜板式などの種々の圧縮機構を備えた流体圧縮機に本発明は有効である。更に、実施例では所謂インバータ一体型の流体圧縮機で本発明を説明したが、それに限らず、インバータを一体に備えない通常の流体圧縮機にも適用可能であることは云うまでもない。
1 流体圧縮機
4 スクロール圧縮機構(圧縮機構)
6 フロントケーシング
7 センターケーシング
9 リアケーシング
11 ハウジング
20 吐出ポート
21 固定スクロール
22 可動スクロール
27 吐出室
44 貯油室
48 オイルセパレータ
51 整流部材
52 オイル分離空間
53 オイル分離ボディ
54 オイル分離パイプ
61 流体入口
62 流体出口
63、63A~63C 通孔
64 平行部
66 入口ファンネル部
67 出口ファンネル部

Claims (8)

  1. ハウジング内に圧縮機構を備え、該圧縮機構により流体を圧縮して吐出ポートより前記ハウジング外に吐出する流体圧縮機において、
    前記ハウジング内に設けられ、前記圧縮機構から吐出された流体に混入したオイルを当該流体から分離するオイルセパレータと、
    該オイルセパレータの流体出口と前記吐出ポートとの間に設けられ、複数の通孔を有する整流部材を備えたことを特徴とする流体圧縮機。
  2. 前記オイルセパレータは、前記流体の旋回に伴う遠心力により前記オイルを分離する遠心式のオイルセパレータであることを特徴とする請求項1に記載の流体圧縮機。
  3. 前記オイルセパレータの下方に構成され、前記流体から分離されたオイルが流入する貯油室を備え、
    前記オイルセパレータは、内部のオイル分離空間に上から挿入され、下部の流体入口が当該オイル分離空間内に開口したオイル分離パイプを有し、
    前記整流部材は、前記オイル分離パイプ上部の前記流体出口に対応して設けられていることを特徴とする請求項2に記載の流体圧縮機。
  4. 前記整流部材は、圧入、ねじ締結、スナップリングのうちの何れかの手段により前記ハウジングに取り付けられていることを特徴とする請求項3に記載の流体圧縮機。
  5. 前記オイルセパレータは、前記流体の流入口を有し、内部に前記オイル分離空間が構成されたオイル分離ボディと、該オイル分離ボディ内に上から挿入された前記オイル分離パイプを有し、前記ハウジングに構成された吐出室内に着脱自在に取り付けられていることを特徴とする請求項3又は請求項4に記載の流体圧縮機。
  6. 前記オイルセパレータは、圧入、ねじ締結、スナップリングのうちの何れかの手段により前記ハウジングに取り付けられていることを特徴とする請求項5に記載の流体圧縮機。
  7. 前記整流部材の通孔は、一定の内径とされた平行部と、該平行部から前記流体の入口側及び出口側に向けて拡開したファンネル部を有していることを特徴とする請求項1乃至請求項6のうちの何れかに記載の流体圧縮機。
  8. 前記通孔のファンネル部と平行部は、曲面により滑らかに連続していることを特徴とする請求項7に記載の流体圧縮機。
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