JP2023058324A - アクセサリ装置、制御方法、およびプログラム - Google Patents

アクセサリ装置、制御方法、およびプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】より使い勝手の良いMF操作を可能にするアダプタ装置を提供する。【解決手段】 本開示に係るアクセサリ装置は、撮像装置と交換レンズの間に着脱可能に装着されるアクセサリ装置であって、撮像装置との間の第1通信と、交換レンズとの間の第2通信とを行う通信手段と、マニュアルフォーカス操作に関する所定の操作を受け付ける第1操作手段と、第1操作手段における操作量に対して交換レンズのフォーカスレンズの駆動量を有効にする度合いを設定する設定手段と、所定の操作と設定された度合いとに応じて、交換レンズのフォーカスレンズの駆動量又は駆動速度を第2通信を介して交換レンズに伝達する制御手段と、を有する。【選択図】図16

Description

本発明は、カメラ本体と交換レンズとの間に装着されるアクセサリ装置、制御方法、およびプログラムに関する。
撮像装置(以下、カメラ本体とも称する)に交換レンズを装着可能なレンズ交換型カメラシステムにおいて、オートフォーカス(AF)或いはマニュアルフォーカス(MF)によって焦点調整を行う技術が知られている。
特許文献1では、AF動作中において、交換レンズのフォーカス操作リングの操作によりMF操作が可能なカメラシステムを提案している。
特開2019-207363号公報
特許文献1では、例えばAFの対象である被写体とは異なる被写体にピントが合うようにユーザがMF操作を行うことが可能である。しかしながら、特許文献1では様々な特性のカメラ本体と交換レンズとが組み合わされ得ることは考慮されておらず、MF操作に関して更なるユーザビリティの向上が望まれている。
本発明は、上記課題に鑑みてなされ、その目的は、より使い勝手の良いMF操作を可能にするアダプタ装置を提供することである。
この課題を解決するため、例えば本発明のアクセサリ装置は以下の構成を備える。すなわち、撮像装置と交換レンズの間に着脱可能に装着されるアクセサリ装置であって、前記撮像装置との間の第1通信と、前記交換レンズとの間の第2通信とを行う通信手段と、マニュアルフォーカス操作に関する所定の操作を受け付ける第1操作手段と、前記第1操作手段における操作量に対して前記交換レンズのフォーカスレンズの駆動量を有効にする度合いを設定する設定手段と、前記所定の操作と設定された前記度合いとに応じて、前記交換レンズのフォーカスレンズの駆動量又は駆動速度を前記第2通信を介して前記交換レンズに伝達する制御手段と、を有することを特徴とする。
本発明によれば、より使い勝手の良いMF操作を可能にするアダプタ装置を提供することが可能になる。
本発明の実施形態1におけるカメラシステムの構成例を示すブロック図。 実施形態1における第一通信の通信経路を示す図。 実施形態1における第一通信の通信方式Aの通信波形を示す図。 実施形態1における第一通信の通信方式Bの通信波形を示す図。 実施形態1における第二通信の通信経路を示す図。 実施形態1における第二通信の通信方式Cの通信波形を示す図。 実施形態1における中間アダプタの外観例を示す図。 実施形態1におけるカメラシステムの起動シーケンスを説明する図。 実施形態1におけるカメラシステムのAF停止機能のシーケンスを説明する図。 実施形態1における中間アダプタのAF停止機能の動作を示すフローチャート。 実施形態2におけるカメラシステムのAF駆動範囲変更機能のシーケンスを説明する図。 実施形態2における中間アダプタのAF駆動範囲変更機能の動作を示すフローチャート。 実施形態2におけるカメラシステムのAF駆動範囲変更機能の動作を説明する図。 実施形態3におけるカメラシステムのAF速度設定機能のシーケンスを説明する図。 実施形態3における中間アダプタのAF速度設定機能の動作を示すフローチャート。 実施形態4におけるカメラシステムのフォーカス微調整機能のシーケンスを説明する図。 実施形態4におけるカメラシステムのフォーカス微調整機能の動作を示すフローチャート。 実施形態5におけるカメラシステムの一時的なMF機能のシーケンスを説明する図。 実施形態5におけるカメラシステムの一時的なMF機能の動作を示すフローチャート。 実施形態6における中間アダプタが記憶する「フォーカス基準位置情報」を更新する動作を示すフローチャート。 実施形態6における中間アダプタが記憶する「フォーカス基準位置」の更新処理の動作を示すフローチャート。 実施形態6における中間アダプタによるフォーカス停止確認処理の動作を示すフローチャート。 実施形態6におけるフォーカス位置を記憶する処理を説明するフローチャート。 実施形態6における中間アダプタによる通信データの差し替え処理を説明する図。 実施形態6におけるフォーカス位置記憶後のズーム操作時にフォーカス位置を再記憶する処理の動作を示すフローチャート。 実施形態6におけるフォーカス位置の再生操作の動作を示すフローチャート。 実施形態6における警告表示処理の動作を示すフローチャート。 実施形態6におけるフォーカス位置の記憶および再生操作を実施した際のフォーカス動作を説明する図。 実施形態6におけるフォーカス再生駆動中に中間アダプタの速度設定を切り替えた場合のフォーカス動作を説明する図。 実施形態7における静止画撮影時の露光間フォーカス駆動処理の動作を示すフローチャート。 実施形態7における静止画撮影時の露光間フォーカス駆動のフォーカス動作を説明する図。
(実施形態1)
以下、添付図面を参照して実施形態を詳しく説明する。なお、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。実施形態には複数の特徴が記載されているが、これらの複数の特徴の全てが発明に必須のものとは限らず、また、複数の特徴は任意に組み合わせられてもよい。さらに、添付図面においては、同一若しくは同様の構成に同一の参照番号を付し、重複した説明は省略する。
<カメラシステムの構成>
図1は、本実施形態の撮像装置の一例としてのカメラ本体200と、交換レンズ100と、アクセサリ装置の一例としてのアダプタ装置(単にアダプタという)300とを含む撮像システム(カメラシステムという)の機能構成例を示している。本実施形態のカメラ本体200は、交換レンズ100と中間アダプタ300をともに装着した状態で使用可能である。図1に示す例では、1つの中間アダプタ300をカメラ本体200と交換レンズ100の間に装着した場合のカメラシステムを示している。しかし、複数のアダプタを連結してカメラ本体200と交換レンズ100の間に装着してもよい。
なお、図1に示す機能ブロックの1つ以上は、ASICやプログラマブルロジックアレイ(PLA)などのハードウェアによって実現されてもよいし、CPUやMPU等のプロセッサがソフトウェアを実行することによって実現されてもよい。また、ソフトウェアとハードウェアの組み合わせによって実現されてもよい。
本実施形態のカメラシステムでは、複数の通信方式を用いて、カメラ本体200と交換レンズ100および中間アダプタ300との間で通信を行う。カメラ本体200、交換レンズ100および中間アダプタ300は、それぞれの通信回路112、208、303を介して制御コマンドやデータ(情報)を伝送する。具体的に、本実施形態のカメラシステムでは、カメラ本体200、交換レンズ100および中間アダプタ300の第一通信部1121、2081、3031を介して通信する経路を有する。また、カメラシステムは、カメラ本体200、交換レンズ100および中間アダプタ300の第二通信部1122、2082、3032を介して通信する経路を有する。また、第一通信部1121、2081、3031および第二通信部1122、2082、3032は、複数の通信方式をサポートしている。これらの通信部は、通信するデータの種類や通信目的に応じて、互いに同期して同一の通信方式に切り替えることにより、様々な状況に対して最適な通信方式を選択することができる。なお、通信方式や通信回路、通信経路は本実施形態の限りではなく、カメラ本体200、交換レンズ100および中間アダプタ300で通信可能であれば別の形態であっても良い。例えば、通信経路は第一通信部あるいは第二通信部のどちらか1つでも良い。
まず、交換レンズ100、カメラ本体200および中間アダプタ300のより具体的な構成について説明する。交換レンズ100と中間アダプタ300は、結合機構であるマウント400を介して機械的および電気的に接続されている。同様に、中間アダプタ300とカメラ本体200は、結合機構であるマウント401を介して機械的および電気的に接続されている。なお、マウント400は交換レンズ100が有するマウントと中間アダプタ300が有するマウントとが結合した状態を模式的に示すものであり、これらのマウントが互いに着脱可能である。また、マウント401は中間アダプタ300が有するマウントとカメラ本体200が有するマウントとが結合した状態を模式的に示すものであり、これらのマウントが互いに着脱可能である。
交換レンズ100、中間アダプタ300、カメラ本体200の各々が有するマウントのマウント面には後述の通信端子が設けられている。マウント400又はマウント401のように各ユニットがマウントを介して接続されている状態において、対応する通信端子同士が接触する。これにより、交換レンズ100、カメラ本体200および中間アダプタ300は、マウント400、401に設けられた通信端子(後述)を介して相互に通信可能となる。
交換レンズ100および中間アダプタ300は、マウント400、401に設けられた電源端子(図示せず)を介してカメラ本体200から電源を取得する。そして、交換レンズ100および中間アダプタ300は、後述する各種アクチュエータや、レンズマイクロコンピュータ111およびアダプタマイクロコンピュータ302に動作に必要な電源を供給する。
交換レンズ100は、撮像光学系を有する。撮像光学系は、被写体150側から中間アダプタ300側に向かって、順に、フィールドレンズ101と、ズームレンズ102と、絞りユニット114と、防振レンズ103と、焦点調節を行うフォーカスレンズ104とを含む。ズームレンズ102は被写体像を変倍し、絞りユニット114は撮像素子201が受光する光量を調節する。防振レンズ103は、撮像光学系の光軸に直交する方向にシフトすることで、カメラ振れ(手振れ等)に起因する像振れを低減する。
ズームレンズ102とフォーカスレンズ104は、それぞれレンズ保持枠105、106により保持されている。レンズ保持枠105、106は、不図示のガイド軸により光軸方向(図中に破線で示す)に移動可能にガイドされている。そして、レンズ保持枠105、106は、ステッピングモータ107、108によって光軸方向に駆動される。ステッピングモータ107、108はそれぞれ、駆動パルスに同期してズームレンズ102およびフォーカスレンズ104を移動させる。
レンズマイクロコンピュータ(以下、レンズマイコンという)111は、交換レンズ100内の各部の動作を制御するレンズ制御部である。レンズマイコン111は、例えばプログラムを実行することにより、交換レンズ100内の各部の動作を制御してよい。レンズマイコン111は、レンズ通信回路112を介して、カメラ本体200あるいは中間アダプタ300から送信された制御コマンドや送信要求コマンドを受信する。レンズマイコン111は、制御コマンドに対応するレンズ制御を行うとともに、レンズ通信回路112を介して、送信要求コマンドに対応するレンズデータをカメラ本体200あるいは中間アダプタ300に送信する。また、レンズマイコン111は、制御コマンドのうちの変倍やフォーカシングに関するコマンドに応答して、ズーム駆動回路119およびフォーカス駆動回路に駆動信号を出力してステッピングモータ107、108を駆動させる。これにより、ズームレンズ102による変倍動作を制御するズーム処理やフォーカスレンズ104による焦点調節動作を制御するAF(オートフォーカス)処理を行う。
絞りユニット114は、絞り羽根114a、114bを備えている。絞り羽根114a、114bの状態(位置)は、ホール素子115により検出される。ホール素子115からの出力は、増幅回路122およびA/D変換回路123を介してレンズマイコン111に入力される。レンズマイコン111は、A/D変換回路123からの入力信号に基づいて絞り駆動回路121に駆動信号を出力して絞りアクチュエータ113を駆動させる。これにより、絞りユニット114による光量調節動作を制御する。
さらに、レンズマイコン111は、交換レンズ100内に設けられた振動ジャイロ等の振れセンサ(不図示)により検出されたカメラ振れに応じて、防振駆動回路125を介して防振アクチュエータ126を駆動する。防振アクチュエータ126は、例えばボイスコイルモータ等を含む。これにより、防振レンズ103のシフト動作(防振動作)を制御する防振処理が行われる。
また、交換レンズ100は、ユーザにより回転操作可能なマニュアル操作リング(いわゆる電子リング)130とリング回転検出器131を有する。リング回転検出器131は、例えばマニュアル操作リング130の回転に応じて2相の信号を出力するフォトインタラプタにより構成されている。レンズマイコン111は、リング回転検出器131から出力される2相の信号を用いて、マニュアル操作リング130の回転操作量(方向を含む)を検出することができる。
中間アダプタ300は、例えば焦点距離を変更するためのエクステンダであり、ズームレンズ301と、アダプタマイクロコンピュータ(以下、アダプタマイコンという)302とを有する。本実施形態では、中間アダプタ300がエクステンダである場合を一例として説明するが、焦点距離を変化させるワイドコンバーターでもよいし、フランジバック長を変化させるマウントコンバーターでもよい。
アダプタマイコン302は、中間アダプタ300内の各部の動作を制御するアダプタ制御部である。アダプタ制御部をアクセサリ制御部或いは通信制御部ともいう場合がある。アダプタマイコン302は、プログラムを実行することにより、中間アダプタ300内の各部の少なくとも一部の動作を制御してよい。アダプタマイコン302は、アダプタ通信回路303を介して、カメラ本体200から送信される制御コマンドや送信要求コマンドを受信する。アダプタマイコン302は、カメラ本体200から中間アダプタ300に対する制御コマンドを受信した場合、当該制御コマンドに対応するアダプタ制御を行う。また、アダプタマイコン302は、カメラ本体200から送信要求コマンドを受信した場合、アダプタ通信回路303を介して送信要求コマンドに対応するアダプタデータをカメラ本体200に送信する。
また、アダプタマイコン302は、交換レンズ100に対するコマンドを受信した場合は、必要に応じて通信変換処理を実施した後、必要に応じてアダプタ通信回路303を介して交換レンズ100に制御コマンドや送信要求コマンドを送信する。さらに、アダプタマイコン302は、後述するアダプタ操作部320の操作などに基づいて、必要に応じてアダプタ通信回路303を介して交換レンズ100に制御コマンドや送信要求コマンドを送信する。
また、アダプタマイコン302は、アダプタ通信回路303を介して、交換レンズ100への送信要求コマンドに対応するレンズデータを交換レンズ100から受信する。この場合、アダプタマイコン302は、必要に応じて通信変換処理を実施した後、必要に応じてアダプタ通信回路303を介してカメラ本体200にレンズデータを送信する。
また、中間アダプタ300は、交換レンズ100と同様に、ユーザにより回転操作可能な操作部材としてのアダプタ操作リング(いわゆる電子リング)310とリング回転検出器311を有する。リング回転検出器311も、交換レンズ100のリング回転検出器131と同様に、例えばアダプタ操作リング310の回転に応じて2相の信号を出力するフォトインタラプタにより構成されている。アダプタマイコン302は、リング回転検出器311から出力される2相の信号を用いて、アダプタ操作リング310の回転操作量(方向を含む)を検出することができる。
さらに、中間アダプタ300は、アダプタ操作リング310以外のアダプタ操作部320を有する。アダプタ操作部320が有する操作部材は、例えばスイッチ、ボタン、タッチパネルなどであり、1つ以上の操作部材を有してもよい。
また、中間アダプタ300は、ユーザに情報を通知するためのアダプタ通知部330を有する。アダプタ通知部330が有する通知部材は、例えばLED、LCD(液晶ディスプレイ)、スピーカ、バイブレータなどであり、1つ以上の通知部材を有してもよい。
また、中間アダプタ300は、情報を記憶するためのアダプタ記憶部340を有する。アダプタ記憶部340は、たとえば不揮発性メモリであってよい。アダプタ記憶部340は、フォーカス位置を再生駆動するためのフォーカス再生目標位置情報や、警告判定のためにカメラ本体200と交換レンズ100との間で通信される情報などを記憶する。アダプタ記憶部340に記憶される各情報については後述する。
カメラ本体200は、CCDセンサやCMOSセンサ等の撮像素子201と、A/D変換回路202と、信号処理回路203と、記録部204と、カメラマイクロコンピュータ(以下、カメラマイコンという)205と、表示部206とを有する。
撮像素子201は、交換レンズ100内の撮像光学系により形成された被写体像を光電変換して電気信号(アナログ信号)を出力する。A/D変換回路202は、撮像素子201からのアナログ信号をデジタル信号に変換する。信号処理回路203は、A/D変換回路202からのデジタル信号に対して各種画像処理を行って映像信号を生成する。また、信号処理回路203は、映像信号から被写体像のコントラスト状態(撮像光学系の焦点状態)を示すフォーカス情報や露出状態を表す輝度情報も生成する。信号処理回路203は、映像信号を表示部206に出力し、表示部206は映像信号を構図やピント状態等の確認に用いられるライブビュー画像として表示する。
カメラ制御部としてのカメラマイコン205は、撮像指示スイッチおよび各種設定スイッチ等の操作部材207からの入力に応じてカメラ本体200の制御を行う。カメラマイコン205は、カメラ通信回路208を介して、必要に応じて交換レンズ100あるいは中間アダプタ300に対して制御コマンドや送信要求コマンドを送信する。また、カメラマイコン205は、交換レンズ100あるいは中間アダプタ300からのレンズデータあるいはアダプタデータを受信する。例えば、カメラマイコン205は、信号処理回路203で生成されたフォーカス情報に応じて、焦点調節動作に関する制御コマンドを交換レンズ100に対して送信する。また、カメラマイコン205は、例えば、焦点調節動作に関するレンズデータを取得するための送信要求コマンドを交換レンズ100に送信するとともに、交換レンズ100からの焦点調節動作に関するレンズデータを受信する。
<第一通信の通信経路>
次に、図2を参照して、本実施形態における、カメラマイコン205のカメラ第一通信部2081と、アダプタマイコン302のアダプタ第一通信部3031と、レンズマイコン111のレンズ第一通信部1121との間に構成される通信経路について説明する。以下の説明では、この通信経路で行われる通信を第一通信とも称する。
図2(a)は、第一通信のための通信経路の一例を示している。アダプタ第一通信部3031とレンズ第一通信部1121は、マウント400に設けられた通信端子を介して接続される信号線により通信する。マウント400に設けられた通信端子は、LCLK11211、DCL11212、DLC11213、LCLK30311、DCL30312、及びDLC30313を含む。また、アダプタ第一通信部3031とカメラ第一通信部2081は、マウント401に設けられた通信端子を介して接続された信号線により通信する。マウント401に設けられた通信端子は、RTS30314、DCL30315、DLC30316、RTS20811、DCL20812、及びDLC20813を含む。本実施形態では、アダプタ第一通信部3031とレンズ第一通信部1121は、3線式クロック同期シリアル通信方式である通信方式A(後述)で通信を行う。一方、アダプタ第一通信部3031とカメラ第一通信部2081は、3線式調歩同期シリアル通信方式であり、通信方式Aとは通信方式の異なる通信方式B(後述)で通信を行う。
図2(b)は、第一通信の通信経路における、図2(a)とは異なる実施形態の一例を示している。アダプタ第一通信部3031とレンズ第一通信部1121は、マウント400に設けられた通信端子を介して接続された信号線を用いて通信を行う。この実施形態では、マウント400に設けられた通信端子は、RTS11214、DCL11215、DLC11216、RTS30317、DCL30318、DLC30319を含む。アダプタ第一通信部3031とカメラ第一通信部2081は、マウント401に設けられた通信端子を介して接続された、図2(a)と同様の信号線を用いて通信を行う。マウント401に設けられる通信端子は、RTS30314、DCL30315、DLC30316、RTS20811、DCL20812、DLC20813を含む。図2(b)に示す例では、アダプタ第一通信部3031とレンズ第一通信部1121、アダプタ第一通信部3031とカメラ第一通信部2081は、ともに3線式調歩同期シリアル通信方式である通信方式Bで通信を行う。なお、通信経路および通信方式の組み合わせはこれらの例に限定されず、別の組み合わせでも良い。例えば、アダプタ第一通信部3031とレンズ第一通信部1121、アダプタ第一通信部3031とカメラ第一通信部2081は、ともに通信方式Aで通信を行っても良い。
<第一通信の通信方式Aの通信波形>
図3に示す通信波形を参照して、本実施形態における、第一通信の3線式クロック同期シリアル通信方式である通信方式Aについて説明する。通信方式Aは、制御コマンドやデータ送信要求コマンドの送信を行う通信メインと、データ送信要求コマンドに対してデータ送信を行う通信サブとの間で、実施される通信方式である。図2(a)に示す実施形態では、アダプタ第一通信部3031が通信メイン、レンズ第一通信部1121が通信サブとなって、通信する。
クロック信号LCLKは、主に通信メインから通信サブへのデータ同期クロック信号に用いられる。通信信号DCLは、通信メインから通信サブへの制御コマンドやデータ送信要求コマンド等などのデータ送信に用いられる。データ信号DLCは、通信サブから通信メインに送信されるデータ送信に用いられる。通信方式Aでは、通信メインと通信サブは、共通のクロック信号LCLKに同期して相互かつ同時に送受信を行う全二重通信方式(フルデュープレックス方式)で通信を行う。
図3(a)は、最小の通信単位である1フレームの通信信号の波形を示している。通信メインは、8周期のパルスを1組とするクロック信号LCLKを出力するとともに、クロック信号LCLKに同期して通信サブに通信信号DCLを送信する。同時に、通信メインは、クロック信号LCLKに同期して通信サブから出力されたデータ信号DLCを受信する。このようにして、通信メインと通信サブとの間で、1組のクロック信号LCLKに同期して1バイト(8ビット)のデータが送受信される。この1バイトのデータ送受信の期間をデータフレームと呼ぶ。データフレームの後、通信サブから通信メインに通知する通信待機要求情報(以下、単に通信待機要求という)BUSYにより通信休止期間が挿入される。この通信休止期間をBUSYフレームと呼ぶ。データフレームとBUSYフレームを1組とする通信単位を1フレームと呼ぶ。
図3(b)は、3フレームで構成される通信信号の波形を示している。図3(b)では、3フレームの期間(T1)に、通信メインが、通信サブにコマンドCMD1を送信して、当該コマンドに対応する2バイトのデータDT1a、DT1bを通信サブから受信する。通信メインと通信サブの間では、あらかじめコマンドCMDごとに対応するデータDTの種類とバイト数が決められている。最初のフレームにおいて、通信メインは、クロック信号LCLKを送信した後に、送信を要求するデータDT1a、DT1bに対応するコマンドCMD1を通信信号DCLとして送信する。このフレームでのデータ信号DLCは無効データとして扱われる。
続いて、通信メインは、クロック信号LCLKを8周期出力した後に、通信メイン側の通信端子状態を出力形式から入力形式に切り替える。通信サブは、通信メイン側の通信端子状態の切り替えが完了した後、通信サブ側の通信端子状態を入力形式から出力形式に切り替える。そして、通信サブは、通信待機要求BUSYを通信メインに通知するためにクロック信号LCLKの信号レベルをLOWにする。通信メインは、通信待機要求BUSYが通知されている期間において通信端子状態を入力形式で維持し、通信サブへの通信を休止する。
通信サブは、通信待機要求BUSYの通知期間中に、コマンドCMD1に対応するデータDT1aを生成する。通信サブは、次のフレームのデータ信号DLCとして送信する準備の完了後、通信待機要求BUSYの解除を通信メインに通知するためにクロック信号LCLKの信号レベルをHIGHにする。通信メインは、通信待機要求BUSYの解除を認識すると、1フレームのクロック信号LCLKを通信サブに送信することで通信サブからデータDT1aを受信する。続いて同様に、通信メインはデータDT1bを受信する。
図3(c)は、4フレームで構成される通信信号の波形を示している。図3(c)では、4フレームの期間(T2)に、通信メインが、コマンドCMD2を通信サブに送信して、これに対応する3バイトのレンズデータDT2a、DT2b、及びDT2cを通信サブから受信する。通信サブは、1フレーム目では通信待機要求BUSYを通信メインに通知しているが、2フレーム目から4フレーム目では通信待機要求BUSYを通信メインに通知していない。そのため、フレームとフレームの間を短くすることが可能である。
<第一通信の通信方式Bの通信波形>
図4に示す通信波形を参照して、本実施形態における、第一通信の3線式調歩同期シリアル通信方式である通信方式Bについて説明する。通信方式Bは、制御コマンドやデータ送信要求コマンドの送信を行う通信メインと、データ送信要求コマンドに対してデータ送信を行う通信サブとの間で、実施される通信方式である。図2(a)の実施形態においては、カメラ第一通信部2081が通信メイン、アダプタ第一通信部3031が通信サブとなって通信する。また、図2(b)の実施形態においては、カメラ本体200と中間アダプタ300との間では、カメラ第一通信部2081が通信メイン、アダプタ第一通信部3031が通信サブとなって通信する。また、中間アダプタ300と交換レンズ100との間では、アダプタ第一通信部3031が通信メイン、レンズ第一通信部1121が通信サブとなって通信する。
通信要求信号RTSは、通信メインから通信サブへ、送受信の開始タイミングを示すために用いられる。通信信号DCLは、通信メインから通信サブへの制御コマンドやデータ送信要求コマンド等などのデータ送信に用いられる。データ信号DLCは、通信サブから通信メインへのデータ送信に用いられる。
通信方式Bでは、通信方式Aのように通信メインと通信サブが共通のクロック信号に同期してデータの送受信を行うのではなく、あらかじめ規定された通信ビットレートで送受信を行う。通信ビットレートとは、1秒間に転送することのできるデータ量を示すものであり、単位はbps(bits per second)で表わされる。通信メインと通信サブは、相互かつ同時に送受信が行われる全二重通信方式(フルデュープレックス方式)で通信を行う。
図4(a)は、通信方式Bにおける最小の通信単位である1フレームの通信信号の波形を示している。データ送受信を行っていない状態では、通信要求信号RTSはHIGHである。通信メインが通信要求信号RTSをLOWレベルとすることで、データの送受信が開始される。通信サブは、通信要求信号RTSがLOWレベルに変化したことを検知すると、データ信号DLCにデータ出力を開始する。さらに通信メインは、データ信号DLCがスタートビットSTを出力したことを検知すると、データ信号DCLにデータ出力を開始する。
データ信号DLCのデータフォーマットについて、より詳細に説明する。DLCの1フレームは、前半のデータフレームとこれに続くBUSYフレームにより構成されている。データ送信を行っていない非送信状態では、信号レベルはHIGHである。通信サブは、信号レベルを1ビット期間だけLOWレベルとすることで、1フレームのデータ信号DLCの送信開始を通信メインに通知する。この1ビット期間をスタートビットSTと呼び、このビットからデータフレームが開始される。続いて、通信サブは、2ビット目から9ビット目までの8ビット期間で1バイトのデータを送信する。データのビット配列はMSBファーストフォーマットとして、最上位のデータD7から始まり、順にデータD6、データD5と続き、最下位のデータD0で終わる。10ビット目には、1ビットのパリティPA情報が付加される。1フレームの最後を示すストップビットSPの期間において信号レベルをHIGHとすることで、スタートビットSTから開始されたデータフレームが終了する。ストップビットSPの後ろにはBUSYフレームが付加される。BUSYフレームの期間は、通信サブから通信メインに通信待機要求BUSYを通知する期間である。図中のDLC(BUSY有)に示されるように、通信待機要求BUSYが解除されるまで信号レベルはLOWである。通信サブから通信待機要求BUSYを通知する必要が無い場合、図中のDLC(BUSY無)に示されるように、BUSYフレームを設けずに1フレームを構成するデータフォーマットも規定されている。すなわち、データ信号DLCのデータフォーマットとして、通信サブの処理状況により通信待機要求BUSYを通知するか、通知しないかを選択可能である。
ここで、通信メインが行う通信待機要求BUSYの有無の識別方法について説明する。通信メインは、図中のDLC(BUSY無)、およびDLC(BUSY無)の波形内のビット位置B1、B2のいずれかを、通信待機要求BUSYの有無を識別する規定位置Pとして定義する。規定位置Pをビット位置B1、B2から選択することで、通信サブの処理性能により、データ信号DLCのデータフレーム経過後に、通信待機要求BUSYを通知するために信号レベルがLOWになるまでの処理時間が異なるという課題を解決できる。ビット位置B1、B2のどちらの位置を規定位置Pとするかは、あらかじめ通信メインと通信サブの間で通信により決定しておく。なお、規定位置Pは、ビット位置B1、B2のいずれかから選択される必要はなく、双方のマイコンの処理能力に合わせて、さらに後のビット位置から選択されてもよい。
次に、BUSYフレームについての補足として、通信方式BではBUSYフレームがデータ信号DLCに付加される点について説明する。なお、通信方式Aにおいては、BUSYフレームはクロック信号LCLKに付加される。通信形式Aでは、通信メインが出力するクロック信号LCLKと、通信サブが通知する通信待機要求BUSYを、同一の信号線を用いて通信する。そのため、通信メインと通信サブの出力同士の衝突防止を、出力可能期間の割当てを時分割で行うことにより実現している。出力同士の衝突を確実に防ぐために、通信メインがクロック信号LCLKの出力を完了した後、通信サブが通信待機要求BUSYの出力を許容されるタイミングまでの間に、いずれの出力も禁止となる出力禁止期間が挿入されている。但し、通信ができない出力禁止期間を挿入することで、実効的な通信速度が低下してしまう。通信方式Bでは、BUSYフレームは通信サブの専用出力信号であるデータ信号DLCに付加されているため、上記問題は発生しない。
通信信号DCLのデータフォーマットについて説明する。通信信号DCLとデータ信号DLCでは、STからB2までのデータフレームの仕様は共通となっているので、詳細な説明を省略する。なお、データ信号DLCとは異なり、通信信号DCLにBUSYフレームを付加することは禁止されている。図4(b)は、通信方式Bにおいて、図3(b)に相当する波形を示している。すなわち、3フレームの期間(T1)に、通信メインが、通信サブにコマンドCMD1を送信して、これに対応する2バイトのデータDT1a及びDT1bを通信サブから受信する。図4(c)は、通信方式Bにおいて、図3(c)に相当する波形を示している。すなわち、4フレームの期間(T2)に、通信メインが、コマンドCMD2を通信サブに送信して、これに対応する3バイトのレンズデータDT2a、DT2b、及びDT2cを通信サブから受信する際の波形を示している。
<第二通信の通信経路>
次に、図5を参照して、第二通信の通信経路について説明する。第二通信経路は、本実施形態における、カメラマイコン205が有するカメラ第二通信部2082と、アダプタマイコン302が有するアダプタ第二通信部3032と、レンズマイコン111が有するレンズ第二通信部1122との間に構成される。この通信経路で行われる通信を第二通信とも称する。
アダプタ第二通信部3032とレンズ第二通信部1122は、マウント400に設けられた通信端子を介して接続された信号線を用いて通信する。マウント400に設けられた通信端子は、CS11221、DATA11222、CS30321、DATA30322を含む。アダプタ第二通信部3032とカメラ第二通信部2082は、マウント401に設けられた通信端子を介して接続された信号線を用いて通信する。マウント401に設けられた通信端子は、CS30323、DATA30324、CS20821、及びDATA20822を含む。本実施形態では、アダプタ第二通信部3032とレンズ第二通信部1122、アダプタ第二通信部3032とカメラ第二通信部2082は、ともに2線式調歩同期シリアル通信方式である通信方式Cで通信を行う。通信方式Cについては後述する。
なお、以上は第二通信の通信経路における実施形態の一例であり、通信経路および通信方式の組み合わせはこれに限定されず、別の組み合わせであっても良い。例えば、アダプタ第二通信部3032とレンズ第二通信部1122は通信方式Cで通信し、アダプタ第二通信部3032とカメラ第二通信部2082は通信方式Aで通信しても良い。
<第二通信の通信波形>
図6に示す通信波形を参照して、本実施形態における、第二通信の2線式調歩同期シリアル通信方式である通信方式Cについて説明する。通信方式Cは、制御コマンドやデータ送信要求コマンドの送信を行う通信メインと、データ送信要求コマンドに対してデータ送信を行う1つ以上の通信サブとの間で、実施される通信方式である。図5に示した、カメラ第二通信部2082とアダプタ第二通信部3032との間で行われる通信においては、カメラ第二通信部2082が通信メイン、アダプタ第二通信部3032が通信サブとなる。また、アダプタ第二通信部3032とレンズ第二通信部1122との間で行われる通信においては、アダプタ第二通信部3032が通信メイン、レンズ第二通信部1122が通信サブとなる。
なお、通信メインと通信サブとの一対一通信である通信方式Aと通信方式Bに対し、通信方式Cは通信メインと複数の通信サブとが通信可能な一対多通信である。したがって、例えば、カメラ第二通信部2082とアダプタ第二通信部3032との間に、別のアダプタ第二通信部(不図示)が接続されてもよい。その場合、カメラ第二通信部2082は両アダプタ第二通信部と通信可能となる。
通信方式Cは、ブロードキャスト通信モードとP2P通信モードとを切り替えることで一対多通信を実施する。ブロードキャスト通信モードは、通信メインから、接続された全ての通信サブに対して同時にデータ送信を行うモードである。P2P通信モードは、通信メインと接続された通信サブのうちのいずれか1つとデータ送受信を行うモードである。
ブロードキャスト通信モードにおいて、制御信号CSは通信メインから通信サブへ、送受信の開始タイミングを示すために用いられる。また、通信信号DATAは通信メインから通信サブへの制御コマンドやデータ送信要求コマンド等などのデータ送信に用いられる。
また、P2Pモードにおいて、制御信号CSは通信メインと通信サブでデータ受信完了通知に使われる。そして、通信信号DATAは通信メインから通信サブへの制御コマンドやデータ送信要求コマンド等などのデータ送信に用いられるとともに、通信サブから通信メインに送信されるデータ送信に用いられる。
通信方式Cでは、通信方式Bのように、あらかじめ規定された通信ビットレートで送受信を行う。通信メインと通信サブは、送受信を交互に切り替えることにより、1本のデータ信号線で双方向通信を行う半二重通信方式(ハーフデュープレックス方式)で通信する。
図6(a)は、通信方式Cにおける最小の通信単位である1フレームの、通信信号DATAの通信波形を示している。図6(a)を参照して、通信方式Cの通信データフォーマットについて説明する。通信データフォーマットは、ブロードキャスト通信とP2P通信とで共通である。ここでは、予め通信に使用する通信速度を取り決めておき、その取決めに従う通信ビットレートで送受信を行う、いわゆる調歩同期式通信を行う場合の通信データフォーマットについて説明する。
まず、データ送信を行っていない非送信状態では、信号レベルはHIGHに維持されている。次に、データ送信の開始をデータ受信側に通知するために、信号レベルを1ビット期間の間、LOWとする。この1ビット期間をスタートビットSTと呼ぶ。続いて、次の2ビット目から9ビット目までの8ビット期間で1バイトのデータを送信する。データのビット配列は、MSBファーストフォーマットとして、最上位のデータD7から始まり、データD6、データD5、…、データD1と続き、最下位のデータD0で終わる。10ビット目には1ビットのパリティPA情報が付加され、最後に送信データの最後を示すストップビットSPの期間、信号レベルをHIGHとすることで、スタートビットSTから開始された1フレーム期間が終了する。
以上は、通信方式Cにおける、通信データフォーマットの実施形態の一例であり、他の通信データフォーマットを用いてもよい。例えば、データのビット配列はLSBファーストや9ビット長でもよいし、パリティPA情報を付加しなくてもよい。またブロードキャスト通信モードとP2P通信モードとで通信データフォーマットを切り替えてもよい。
次に、図6(b)を参照して、ブロードキャスト通信とP2P通信の通信フォーマットについて説明する。ブロードキャスト通信では、通信メインが、ブロードキャスト通信を開始することを通信サブに通知するために、制御信号CSの信号レベルをLOWにしてから、次に通信信号DATAに送信するデータを出力する。一方、通信サブは、通信信号DATAから入力されたスタートビットSTを検出したタイミングで制御信号CSの信号レベルをLOWにする。なお、この時点ではすでに通信メインが制御信号CSの信号レベルをLOWにしているため、制御信号CSの信号レベルは変化しない。
その後、通信メインは、ストップビットSPの出力まで終了すると、制御信号CSへのLOWを解除する。通信サブは、通信信号DATAから入力されたデータをそのストップビットSPまで受信した後、受信したデータの解析および該受信データに関連付けられた内部処理を行う。そして、次のデータを受信するための準備が整った後に、通信サブは制御信号CSの信号レベルのLOW出力を解除することで、制御通信CSの信号レベルがHIGHになる。その後、通信メインは、制御通信CSの信号レベルがHIGHとなったことを確認することで、通信サブの受信処理が完了したことを検知でき、次の通信を行うための準備が整ったと判断することができる。このように、ブロードキャスト通信において制御信号CSで伝達される信号は、ブロードキャスト通信モードの開始および実行中を示す信号として機能する。
P2P通信モードは、通信メインが、複数の通信サブのうちから1つを指定し、その指定した通信サブとの間でのみでデータを送受信する一対一通信(個別通信)する通信モードである。P2P通信モードを実現するため、通信メインは、P2P通信での通信相手を指定することが可能な手段を有する。本実施形態では、例えば、通信メインは、P2P通信の通信相手として指定する通信サブの識別情報を、ブロードキャスト通信モードでデータ送信することで、P2P通信の通信相手を指定することができる。
P2P通信では、まず、通信メインが、通信相手の通信サブに送信するデータを通信信号DATAに出力する。次に、通信メインは、ストップビットSPの出力まで終了した後、制御信号CSの信号レベルをLOWにする。そして、通信メインは、通信サブからのデータ受信準備が完了した後、制御信号CSの信号レベルのLOW出力を解除する。
P2P通信の相手として指定されている通信サブは、制御信号CSのLOWレベルを検出した後、通信信号DATAから入力された受信データの解析および該受信データに関連付けられた内部処理を行う。次に、P2P通信の相手として指定されている通信サブは、制御信号CSの信号レベルがHIGHに戻ったことを確認した後、送信すべきデータを通信信号DATAに出力する。そして、当該通信サブは、送信すべきデータの最終バイトのストップビットSPの出力まで終了した後、制御信号CSの信号レベルをLOWにする。P2P通信の相手として指定されている通信サブは、通信メインからのデータ受信準備が完了した後に、制御信号CSの信号レベルのLOW出力を解除する。なお、P2P通信の相手として指定されていない通信サブは、制御信号CSおよび通信信号DATAに信号出力しない。以上のように、P2P通信において制御CSで伝達される信号は、データ送信の終了と次のデータ送信の待機要求を示す状態通知信号として機能する。
<中間アダプタの外観>
次に、図7を参照して、アダプタ装置の一例としての中間アダプタ300の外観について説明する。操作部材701はアダプタ操作リング310に相当する操作リングである。操作部材702~708はアダプタ操作部320に相当する、ボタン等を含む。操作部材702~708は、例えばボタンの形態であってよいが、タッチ感知式のパネルで構成されるなど他の形態であってもよい。LED709はアダプタ通知部330の一例であり、例えば光により機能の動作状態をユーザに通知する。
操作部材702は、本実施形態で実現するオートフォーカス制御におけるフォーカス駆動速度、あるいはマニュアルフォーカス制御におけるアダプタ操作リング310の操作量とフォーカス駆動量との関係を示す敏感度を設定する。操作部材703は、本実施形態で実現するフォーカスの一時停止機能を実現するために操作されるAF停止ボタンである。操作部材704は、本実施形態で実現するフォーカス位置(フォーカスレンズの位置)の記憶および再生駆動を実現するために操作されるリセットボタンである。操作部材705は、本実施形態で実現するフォーカス位置の記憶および再生駆動を実現するために操作されるフォーカス位置記憶ボタンである。操作部材706は、本実施形態で実現するフォーカス位置の記憶および再生駆動を実現するために操作される再生駆動ボタンである。操作部材707は、本実施形態で実現するフォーカス駆動範囲を無限側について制限する用途、あるいはマニュアルフォーカス制御におけるフォーカスを無限側に駆動させる用途で用いられるフォーカス移動ボタンである。操作部材708は、本実施形態で実現するフォーカス駆動範囲を至近側について制限する用途、あるいはマニュアルフォーカス制御におけるフォーカスを至近側に駆動させる用途で用いられるフォーカス移動ボタンである。
<カメラシステムの起動シーケンス>
次に、カメラシステムの起動シーケンスについて、図8のシーケンス図を参照して説明する。本起動シーケンスの処理は、本実施形態の中間アダプタ300、当該アダプタを装着する交換レンズ100、及びカメラ本体200を組み合わせた状態で、カメラ本体200の電源が投入されたときに実行される。
S801にて、カメラ本体200は電源オンの状態になると、交換レンズ100に対する電源供給を開始する。交換レンズ100への電力は、マウント400、マウント401及び中間アダプタ300を経由して供給される。
S802では、交換レンズ100がカメラ本体200に応答するフォーカス位置情報(以降「FPC情報」と記載する)のパラメータを初期化する。FPC情報のパラメータは、例えば、現在の物理的なフォーカス位置(フォーカスレンズの位置)を起点とすべく初期化される。この「FPC情報」は、カメラ本体200と交換レンズ100との間で通信データとしてやり取りされるパラメータである。なお、FPC情報は、後述のS814~818に説明するようにカメラ本体200と交換レンズ100との間で随時、起点位置を更新することを可能とするものであればよく、必ずしもフォーカスレンズ104の絶対的な位置を示すパラメータである必要はない。一方で本実施形態にて実現する、「フォーカス位置を任意の位置に記憶および再生駆動する機能」を実現するためには、中間アダプタ300がフォーカスレンズ104の絶対的な位置を管理すべく、後述する「フォーカス基準位置情報」を記憶することとなる。
S803では、カメラ本体200は、交換レンズ100に対して、交換レンズ100の有する機能を把握するための認証情報を要求する。この通信はマウント401を経由して中間アダプタ300に送信され、中間アダプタ300は、認証情報の要求を、交換レンズ100が対応している通信プロトコルに変換する。S804では、中間アダプタ300は、変換した通信プロトコルにてマウント400を経由して交換レンズ100へ認証情報を要求する。
S805では、交換レンズ100は、認証情報の要求に対する応答として、認証情報をマウント400を経由して中間アダプタ300へ送信する。認証情報は、交換レンズ100が有する機能についての情報を含む。中間アダプタ300は、認証情報の要求に対する応答をカメラ本体200が対応している通信プロトコルに変換する。この時点で中間アダプタ300は現在装着されている交換レンズ100が有する機能を把握することができる。S806では、中間アダプタ300は、認証情報の要求の応答について変換した通信プロトコルにてマウント401を経由してカメラ本体200へ当該応答を送信する。
S807では、中間アダプタ300自身が管理する「フォーカス基準位置情報」を、「FPC情報」を用いて初期化する。すなわち、カメラ本体200と交換レンズ100との間でやり取りされる「FPC情報」と中間アダプタ300が管理する「フォーカス基準位置情報」は、この時点ではいずれも同じ値に初期化される。 また、中間アダプタ300は「フォーカス基準位置情報」とは別に当該基準位置からのフォーカスレンズ104の相対的な変化量である「フォーカス相対変化量」を管理する。中間アダプタ300は、本処理にて当該「フォーカス相対変化量」も初期化する。
その後、カメラ本体200の操作部材207の操作によりAF動作が開始されると、S808にて、カメラ本体200は制御命令であるフォーカス駆動命令を中間アダプタ300に送信する。S809では、フォーカス駆動命令は、中間アダプタ300による通信プロトコル変換処理を経て交換レンズ100へ伝送される。交換レンズ100は、この通信要求を受信するとフォーカスレンズ104を駆動させる。更に、交換レンズ100は、交換レンズ100が管理する「FPC情報」を、フォーカスレンズ104の駆動量に対応した値だけ変更する。
S810及びS811にて、「FPC情報」取得要求が中間アダプタ300による通信プロトコル変換処理を経て交換レンズ100へ伝送される。交換レンズ100は、この取得要求を受信すると、交換レンズ100で管理される「FPC情報」を応答する。この応答は、S812及びS813にて中間アダプタ300による通信プロトコル変換処理を経てカメラ本体200へ伝送される。
S814では、カメラ本体200は「FPC情報」の初期化要求を送信する。上述の通り、「FPC情報」は必ずしもフォーカスレンズ104の絶対的な位置を示すものではなく、カメラ本体200の都合により現在の位置を起点として再設定可能であるものとする。中間アダプタ300は、カメラ本体200から「FPC情報」の初期化要求が通知されたことを検出すると、交換レンズ100へ当該要求を送信する前に以下のS815~S817の処理を行う。
S815では、中間アダプタ300が交換レンズ100に対して最新の「FPC情報」の取得要求を行う。S816では、交換レンズ100は、「FPC情報」取得要求を受信すると、交換レンズ100の内部で管理する最新の「FPC情報」を中間アダプタ300へ応答する。S817では、中間アダプタ300は、中間アダプタ300自身が記憶している「フォーカス基準位置情報」に対して、S816にて取得した最新の「FPC情報」の分だけオフセットして記憶しなおす。
S818では、中間アダプタ300による通信プロトコルの変換を経て交換レンズ100へ「FPC情報」の初期化が要求される。交換レンズ100は本要求を受信すると自身が管理する「FPC情報」を初期化する。この時点でカメラ本体200と交換レンズ100との間でやり取りされる「FPC情報」と中間アダプタ300が管理する「フォーカス基準位置情報」は異なる値となる。「FPC情報」は現在のフォーカス位置を基準(0)とするパラメータである。これに対して、中間アダプタ300が管理する「フォーカス基準位置情報」はS807の時点で定めたフォーカスレンズ104の位置を示す情報となる。なお、S814~S818のアダプタ内部で管理する「フォーカス基準位置情報」を最新の「FPC情報」を用いて更新する処理に関して、図20のフローチャートを参照して後述する。
<AF停止機能>
実施形態1のカメラシステムでは、カメラ本体200と交換レンズ100とが、AF停止機能を有する中間アダプタ300を介して接続される。図9のシーケンス図を参照して、本実施形態におけるAF停止機能を有するカメラシステムの処理について説明する。
まず、AF停止機能について説明する。一般的に、カメラシステムは、ユーザによりカメラ本体200あるいは交換レンズ100に備えるAF開始ボタンが押下され、あるいはシャッターボタンが半押し等されると、AFを開始する。あるいは、カメラ本体200が撮影状況の変化を検知などすると、自動的にAFを開始(追従)することもある。AF停止機能は、そのAF動作を一時的に停止させるための機能である。
例えば、本実施形態では、中間アダプタ300は、中間アダプタ300に備えた操作部材703(AF停止ボタン)が押下されている間、AFの追従動作を停止させることでユーザの意図したタイミングでピントを固定することが可能となる。なお、AF停止機能を動作させる方法はこの限りではなく、例えば操作部材を押下するたびにAF停止機能の開始と終了を切り替えてもよい。
カメラ本体200の操作部材207の操作によりAF動作が開始されると、S901及びS902にて、カメラ本体200からフォーカス駆動命令が中間アダプタ300による通信プロトコル変換処理を経て交換レンズ100へ伝送される。交換レンズ100は、当該フォーカス駆動命令を受信するとフォーカスレンズ104を駆動させるとともに交換レンズ100で管理するフォーカス情報を更新する。フォーカス情報は、前述のFPC情報に加えて、フォーカスレンズ104が駆動中であるか否かを示すフォーカス駆動状態、交換レンズ100がAF状態又はMF状態であることを示すAF/MF情報、などを含む情報である。
S903にて、カメラ本体200はフォーカス情報要求を中間アダプタ300へ送信する。S904にて、フォーカス情報要求が中間アダプタ300による通信プロトコル変換処理を経て交換レンズ100へ伝送される。交換レンズ100は、このフォーカス情報要求を受信すると交換レンズ100で管理されるフォーカス情報を応答する。S905にて、中間アダプタ300は、フォーカス情報要求の応答としてフォーカス情報を中間アダプタ300に送信する。S907にて、フォーカス情報は、中間アダプタ300による通信プロトコル変換処理を経てカメラ本体200へ通信される。また、S906にて、中間アダプタ300は、中間アダプタ300自身が記憶しているフォーカス情報を、S905にて取得した最新のフォーカス情報に基づいて更新する。
中間アダプタ300の操作部材703によりAF停止機能の動作が開始されると、S908にて、中間アダプタ300は、中間アダプタ300自身が記憶しているアダプタ状態設定を更新する。アダプタ状態設定は、AF停止機能が動作中か否かを示すAF停止機能状態情報を含んだ情報である。S908では、中間アダプタ300は、AF停止機能状態情報を「動作中」を表す値に更新する。その後、S909にて、中間アダプタ300は交換レンズ100にフォーカス停止命令を伝送する。これは、フォーカスレンズ104が駆動中であった場合に、直ちに停止させることでユーザの意図する位置でピントを固定するためである。なお、ピントを固定する方法はこの限りではなく、例えばフォーカス情報にて、フォーカスレンズ104が停止していると判定できる場合は、S909の処理は実施しなくてもよい。また、例えば、交換レンズ100に対してMF禁止命令(マニュアルフォーカスによるフォーカスレンズの駆動を禁止する命令)を伝送することで、ユーザが意図せずマニュアル操作リング130などを操作することによるピントの変化を防いでもよい。
カメラ本体200の操作部材207の操作によりAF動作が開始される。中間アダプタ300のAF停止機能が動作しているときは、S910にて中間アダプタ300がフォーカス駆動命令を受信しても、中間アダプタ300はフォーカス駆動命令に対する通信プロトコル変換処理を実施しない。なお、AF停止機能が動作しているときに中間アダプタ300がフォーカス駆動命令を受信したときの処理はこの限りではない。例えば、中間アダプタ300は自身が記憶しているフォーカス情報を、交換レンズ100から受信した最新のフォーカス情報とは異なる状態を示す情報に変換してもよい。また、例えば、中間アダプタ300は交換レンズ100にフォーカス駆動命令を送信せずに、カメラ本体200にフォーカス駆動命令に対応する応答を返してもよい。或いは、中間アダプタ300は、フォーカスレンズの位置を固定した状態に変換したフォーカス駆動命令を交換レンズ100に送信してもよい。
また、中間アダプタ300のAF停止機能が動作している場合であっても、S911にてカメラ本体200はフォーカス情報要求を送信する。そして、S912にてフォーカス情報要求が中間アダプタ300による通信プロトコル変換処理を経て交換レンズ100へ伝送される。交換レンズ100は、このフォーカス情報要求を受信すると交換レンズ100で管理されるフォーカス情報を応答する。この応答はS913及びS915にて中間アダプタ300による通信プロトコル変換処理を経てカメラ本体200へ通信される。また、S914にて、中間アダプタ300は、中間アダプタ300自身が記憶しているフォーカス情報を、S913にて取得した最新のフォーカス情報に基づいて更新する。なお、中間アダプタ300は、中間アダプタ300自身が記憶するフォーカス情報を、S913にて取得した最新のフォーカス情報とは異なる状態を示す情報に変換してもよい。例えば、交換レンズ100からのフォーカス情報がAF状態を示していても、中間アダプタ300は、中間アダプタ300自身が記憶するフォーカス情報をMF状態として更新し、カメラ本体200にはMF状態であることを示す情報を伝送してもよい。
中間アダプタ300の操作部材703により、AF停止機能の動作が終了されると、S916にて、中間アダプタ300は、中間アダプタ300自身が記憶しているアダプタ状態設定の、AF停止機能状態情報を「非動作中」を表す値に更新する。
<AF停止機能に係る一連の動作>
次に、図10を参照して、本実施形態におけるAF停止機能を有する中間アダプタ300の一連の動作について説明する。本一連の動作は、図8で前述した起動シーケンスを完了して通常動作中の中間アダプタ300における、アダプタマイコン302のAF停止機能に係る制御動作を示すものである。なお、本一連の動作は、アダプタマイコン302がプログラムを実行することにより実現されてよく、中間アダプタ300の操作部材703が押下された際に開始される。
S1001にて、アダプタマイコン302は、AF停止機能を開始するか否かを判定する。例えば、アダプタマイコン302は、AF停止機能状態情報が「非動作中」のときに操作部材703の押下を検知することで、AF停止機能を開始すると判定する。なお、AF停止機能の開始判定方法はこの限りではない。アダプタマイコン302は、AF停止機能を開始すると判定した場合にS1002へ遷移し、そうでなければS1004へ遷移する。
S1002およびS1003にて、アダプタマイコン302は、中間アダプタ300自身が記憶しているアダプタ状態設定を更新し、交換レンズ100にフォーカス停止命令を伝送することにより、AF停止機能を開始する。S1002及びS1003の処理内容は、前述のS908およびS909と同様であるため詳細は省略する。
S1004にて、アダプタマイコン302は、AF停止機能を終了するか否かを判定する。例えば、アダプタマイコン302は、AF停止機能状態情報が「動作中」のときに、操作部材703が押下されていないことを検知することで、AF停止機能を終了すると判定する。なお、AF停止機能の終了判定方法はこの限りではない。アダプタマイコン302は、AF停止機能を終了すると判定した場合はS1005へ遷移し、そうでなければS1006へ遷移する。
S1005にて、アダプタマイコン302は、中間アダプタ300自身が記憶しているアダプタ状態設定を更新することにより、AF停止機能を終了する。なお、本処理は、前述のS916と同様であるため詳細は省略する。
S1006にて、アダプタマイコン302は、カメラ本体200から交換レンズ100に対する通信を検知した場合、通信プロトコル変換処理を実施するためにS1007へ遷移する。アダプタマイコン302は、通信を検知しなかった場合、本制御処理を繰り返し実行するために本一連の動作の開始から再開、つまりS1001へ遷移する。
S1007にて、アダプタマイコン302は、カメラ本体200からの通信内容を解析し、通信内容がフォーカス駆動命令である場合にはS1008へ遷移し、そうでなければS1011に遷移する。S1008にて、アダプタマイコン302は、AF停止機能状態情報が「動作中」であるか否かを判定し、「動作中」であればS1010へ遷移し、そうでなければS1009へ遷移する。S1009にて、アダプタマイコン302は、通信内容を交換レンズ100が対応する通信プロトコルへ変換し、交換レンズ100に対してフォーカス駆動命令を伝送する。S1010では、アダプタマイコン302は、交換レンズ100に対してフォーカス駆動命令を伝送しない。詳細は前述のS910と同様であるため省略する。S1009あるいはS1010の処理が終了したら、本制御処理を繰り返し実行するために本フローの開始から再開、つまりS1001へ遷移する。
S1011にて、アダプタマイコン302は、カメラ本体200からの通信内容を解析し、通信がフォーカス情報要求の場合はS1012へ遷移し、そうでなければS1016に遷移する。S1012にて、アダプタマイコン302は、通信内容を交換レンズ100が対応する通信プロトコルへ変換し、交換レンズ100に対してフォーカス情報要求を伝送するとともに、交換レンズ100からフォーカス情報を受信する。本処理は、前述のS904およびS905、あるいは前述のS912およびS913と同様であるため詳細は省略する。S1013にて、アダプタマイコン302は、AF停止機能状態情報が「動作中」であるか否かを判定し、「動作中」であればS1014へ遷移し、そうでなければS1015へ遷移する。S1014にて、アダプタマイコン302は、取得したフォーカス情報に基づいて、中間アダプタ300自身が記憶するフォーカス情報を更新する。本処理は、前述のS914と同様であるため詳細は省略する。S1015にて、アダプタマイコン302は、カメラ本体200が対応するプロトコルで、中間アダプタ300自身が記憶するフォーカス情報を伝送する。本処理は、前述のS915と同様であるため詳細は省略する。S1015の処理が終了したら、本制御処理を繰り返し実行するために本処理の開始から再開、つまりS1001へ遷移する。
S1016にて、アダプタマイコン302は、カメラ本体200から受信した通信内容を解析して、交換レンズ100が対応する通信プロトコルへ変換し、交換レンズ100に対して通信を伝送する。このとき、交換レンズ100から通信に対する応答がある場合は、応答を受信するまで待つ。また、カメラ本体200に対して、応答が必要である場合は、カメラ本体200が対応する通信プロトコルで、応答を伝送する。S1006、S1009、S1010、S1015、及びS1016の処理が終了すると、アダプタマイコン302は、本処理を終了してもよいし、本処理を繰り返し実行するために開始から再開、つまりS1001へ遷移してもよい。
以上説明したように、本実施形態によれば、中間アダプタ300は、まず、カメラ本体200によるAF動作を補助する、所定の機能(AF停止機能)を動作させる操作を受け付ける。そして、当該操作と、カメラ本体からのAF動作のための制御命令(フォーカス駆動命令)とに基づいて、制御命令の交換レンズへの伝達を制御することにより、AF動作に対するAF停止機能を実現するようにした。特に、中間アダプタ300は、制御命令の交換レンズへの伝達を制御するために、制御命令に含まれるAF動作のためのフォーカスに関する制御量を、交換レンズに伝達しないようにした。このように、AF停止機能を有する中間アダプタを用いることにより、カメラ本体や交換レンズがAF停止機能をもたない場合であっても、AF停止機能を有するカメラシステムを提供可能になる。
(実施形態2)
次に、本発明の実施形態2について説明する。本実施形態では、カメラ本体や交換レンズがAF駆動範囲変更機能を有する中間アダプタを介して接続される。しかし、本実施形態のカメラシステムの構成は実質的に実施形態1と同様にすることができる。従って、上述の実施形態と同一又は実質的に同一である構成及び処理については同一の参照番号を付して説明を省略し、相違点について重点的に説明する。
<AF駆動範囲変更機能>
まず、AF駆動範囲変更機能について説明する。AF駆動範囲変更機能は、AF動作によるフォーカスレンズの駆動範囲を任意の範囲に制限することで、AFサーチ時間を短縮させる、あるいは被写体追従性能を向上させることが可能な機能である。例えば、本実施形態では、中間アダプタ300は、ユーザによる操作部材707の押下を受け付けると、その時点のフォーカスレンズ104の位置よりもフォーカスレンズ104を無限側に駆動しないように制限を設定する。中間アダプタ300は、ユーザによる操作部材707の押下を再び受け付けると、設定した制限を解除する。また、ユーザにより同様に操作部材708が押下されると、中間アダプタ300はその時点のフォーカスレンズ104の位置よりも至近側にフォーカスレンズ104を駆動しないように制限を設定する。ユーザにより操作部材708が再度押下されると、中間アダプタ300は設定した制限を解除する。なお、AF駆動範囲変更機能を動作させる方法はこの限りではない。例えば任意の設定ボタンが押下された時点のフォーカス位置ではなく、押下された時点のフォーカス位置を基準にあらかじめ設定された所定の幅の範囲が駆動範囲として設定されてもよい。或いは、押下された時点のフォーカス位置に基づかず、あらかじめ設定された任意の位置が駆動範囲として設定されてもよい。
次に、図11のシーケンス図を参照して、本実施形態のAF駆動範囲変更機能を有するカメラシステムの処理について説明する。このカメラシステムでは、カメラ本体200と交換レンズ100とがAF駆動範囲変更機能を有する中間アダプタ300を介して接続されている。
中間アダプタ300の操作部材707あるいは操作部材708を押下するなどして、AF駆動範囲が設定されると、S1101およびS1102にて、中間アダプタ300は交換レンズ100から最新の「FPC情報」を取得する。このとき、最新の「FPC情報」を前述の「フォーカス基準位置情報」に合算することにより求まる「フォーカス位置情報」により、中間アダプタ300はフォーカスレンズ104の絶対的な位置を管理できる。
S1103にて、中間アダプタ300は、中間アダプタ300自身が記憶しているアダプタ状態設定のAF駆動範囲状態を、「設定中」を表す値に更新するとともに、「フォーカス位置情報」に基づいて、AF駆動範囲を設定する。AF駆動範囲は、無限側リミット位置と至近側リミット位置で構成される。中間アダプタ300は、AF駆動範囲状態が「設定中」であるときは、フォーカスレンズ104がAF駆動範囲内に収まるように制御する。例えば、ユーザ操作が操作部材707によるAF駆動範囲設定である場合、中間アダプタ300は「フォーカス位置情報」に基づき、無限側リミット位置を設定する。また、例えば、ユーザ操作が操作部材708によるAF駆動範囲設定であった場合、中間アダプタ300は、「フォーカス位置情報」に基づき、至近側リミット位置を設定する。なお、AF駆動範囲の設定方法はこの限りではない。中間アダプタ300は、例えば任意の設定ボタンが押下された時点の「フォーカス位置情報」に基づいて、あらかじめ設定された任意の範囲に、AF駆動範囲を設定してもよい。或いは、中間アダプタ300は、任意の設定ボタンを押下した時点の「フォーカス位置情報」に基づかずに、あらかじめ設定された任意の位置に、AF駆動範囲を設定してもよい。更に、例えば、至近側リミット位置よりも至近側に無限側リミット位置を設定しようと操作部材が操作された場合には、この操作を無視してもよい。至近側リミット位置を設定しようとした際も同様である。また、このとき、中間アダプタ300は、アダプタ通知部330に備えたLEDを点灯させて、AF駆動範囲の設定を無視したことをユーザに通知してもよい。なお、アダプタ通知部330を介してAF駆動範囲を解除したことをユーザに通知する方法はこの限りではなく、例えばアダプタ通知部330に備えたLCDにAF駆動範囲を解除した旨を表示してもよい。
カメラ本体200の操作部材207の操作によりAF動作が開始されると、S1104にて、交換レンズ100に対する制御命令であるフォーカス駆動命令が、カメラ本体200から中間アダプタ300に伝送される。その後、AF駆動範囲状態が「設定中」である中間アダプタ300は、S1105にて、交換レンズ100に伝送するフォーカス駆動量がAF駆動範囲内に収まるように変換する。フォーカス駆動量の変換処理の詳細については、図13を参照して後述する。その後、S1106にて、中間アダプタ300は、変換後のフォーカス駆動量を用いて、フォース駆動命令を交換レンズ100に伝送する。交換レンズ100は、このフォース駆動命令を受信するとフォーカスレンズ104を駆動させるとともに交換レンズ100で管理するフォーカス情報を更新する。フォーカス情報は、上述のFPC情報に加えて、フォーカスレンズ104の位置を駆動可能な範囲の無限側の端にいるか否かを示す無限端情報と、フォーカスレンズ104の位置が駆動可能な範囲の至近側の端にいるか否かを示す至近端情報などを含む情報である。
S1107及びS1108にて、カメラ本体200からのフォーカス情報要求が中間アダプタ300による通信プロトコル変換処理を経て交換レンズ100へ伝送される。交換レンズ100は、このフォーカス情報要求を受信すると交換レンズ100で管理されるフォーカス情報を応答する。この応答は、S1109及びS1111にて、中間アダプタ300による通信プロトコル変換処理を経て交換レンズ100からカメラ本体200へ伝送される。また、S1110にて、中間アダプタ300は、中間アダプタ300自身が記憶しているフォーカス情報を、S1109にて取得した最新のフォーカス情報に基づいて更新する。なお、中間アダプタ300は、中間アダプタ300自身が記憶するフォーカス情報を、S1109にて取得した最新のフォーカス情報とは異なる状態を示す情報に変換してもよい。例えば、交換レンズ100からの無限端情報が無限端にいない状態を示していても、「フォーカス位置情報」が無限側リミット位置と等しい場合は、中間アダプタ300自身が記憶する無限端情報を無限端にいる状態に更新してもよい。そして、中間アダプタ300はカメラ本体200に無限端にいる状態であることを伝送してもよい。また、中間アダプタ300は至近側についても同様に動作することができる。
AF駆動範囲状態が「設定中」である場合に、中間アダプタ300の操作部材707あるいは操作部材708が押下されてAF駆動範囲が解除されると、中間アダプタ300は、S1112にてAF駆動範囲状態を「非設定中」を表す値に更新する。更に、中間アダプタ300は、AF駆動範囲をクリアする。また、中間アダプタ300は、中間アダプタ300自身が記憶するフォーカス情報を、最新のフォーカス情報と一致する情報に更新してもよい。なお、AF駆動範囲を解除する方法は操作部材による操作に限らない。例えば、中間アダプタ300は、交換レンズ100が外れたことの検知に応じてAF駆動範囲を解除してもよいし、交換レンズ100のズームレンズ102が駆動された(撮像光学系が変化した)ことに応じてAF駆動範囲を解除してもよい。また、中間アダプタ300は、アダプタ通知部330に備えたLEDを点灯させて、AF駆動範囲を解除したことをユーザに通知してもよい。なお、アダプタ通知部330を介してAF駆動範囲を解除したことをユーザに通知する方法はこの限りではない。中間アダプタ300は、例えばアダプタ通知部330に備えたLCDにAF駆動範囲を解除した旨を表示してもよい。
<AF駆動範囲変更機能に係る一連の動作>
更に、図12を参照して、本実施形態におけるAF駆動範囲変更機能を有する中間アダプタ300の一連の動作について説明する。本一連の動作は、図8で前述した起動シーケンスを完了して通常動作中の中間アダプタ300における、アダプタマイコン302のAF駆動範囲変更機能に係る制御動作を示すものである。なお、本一連の動作は、アダプタマイコン302がプログラムを実行することにより実現されてよく、中間アダプタ300の操作部材707又は708が押下された際に開始される。
S1201にて、アダプタマイコン302は、AF駆動範囲を設定するか否かを判定する。アダプタマイコン302は、AF駆動範囲を設定すると判定したらS1202へ遷移し、そうでなければS1203へ遷移する。S1202にて、アダプタマイコン302は、AF駆動範囲を設定する。S1201のAF駆動範囲を設定開始の判定方法およびS1202のAF駆動範囲の設定方法は、上述のS1101からS1103までと同様であるため詳細は省略する。
S1203にて、アダプタマイコン302は、AF駆動範囲を解除するか否かを判定する。アダプタマイコン302は、AF駆動範囲を解除すると判定したらS1204へ遷移し、そうでなければS1205へ遷移する。S1203のAF駆動範囲を設定解除の判定方法および、S1204のAF駆動範囲の解除方法は、前述のS1112と同様であるため詳細は省略する。
S1205にて、アダプタマイコン302は、カメラ本体200から交換レンズ100に対する通信を検知すると、通信プロトコル変換処理を実施するためにS1206へ遷移する。アダプタマイコン302は、通信を検知しなかった場合には、本制御処理を繰り返し実行するために本一連の動作の開始から再開、つまりS1201へ遷移する。
S1206にて、アダプタマイコン302は、カメラ本体200からの通信内容を解析し、通信内容がフォーカス駆動命令である場合にはS1207へ遷移し、そうでなければS1210に遷移する。S1207にて、アダプタマイコン302は、AF駆動範囲状態が「設定中」であるか否かを判定する。アダプタマイコン302は、「設定中」であればS1208へ遷移し、そうでなければS1209へ遷移する。S1208にて、アダプタマイコン302は、交換レンズ100に伝送するフォーカス駆動量がAF駆動範囲内に収まるように変換して、S1209へ遷移する。フォーカス駆動量の変換処理の詳細は図13を参照して後述する。S1209にて、アダプタマイコン302は、交換レンズ100が対応する通信プロトコルで、交換レンズ100に対してフォーカス駆動命令を伝送する。
S1210にて、アダプタマイコン302は、カメラ本体200からの通信内容を解析し、通信がフォーカス情報要求の場合はS1211へ遷移し、そうでなければS1215に遷移する。S1211にて、アダプタマイコン302は、通信内容を交換レンズ100が対応する通信プロトコルへ変換し、交換レンズ100に対してフォーカス情報要求を伝送する。また、アダプタマイコン302は、交換レンズ100からフォーカス情報を受信して、S1212へ遷移する。S1210の詳細は前述のS1107およびS1108と同様であるため詳細は省略する。S1212にて、アダプタマイコン302は、AF駆動範囲状態が「設定中」であるか否かを判定する。アダプタマイコン302は、AF駆動範囲状態が「設定中」であれば、S1213へ遷移し、そうでなければS1214へ遷移する。
S1213にて、アダプタマイコン302は、受信したフォーカス情報に基づいて、中間アダプタ300自身が記憶するフォーカス情報を更新する。S1213の詳細は前述のS1110と同様であるため詳細は省略する。S1214にて、アダプタマイコン302は、カメラ本体200が対応する通信プロトコルで、中間アダプタ300自身が記憶するフォーカス情報を伝送する。S1214の詳細は前述のS1111と同様であるため省略する。
S1215にて、アダプタマイコン302は、カメラ本体200から受信した通信内容を解析して、交換レンズ100が対応する通信プロトコルへ変換し、交換レンズ100に対して通信内容を伝送する。このとき、アダプタマイコン302は、交換レンズ100から通信に対する応答がある場合は、応答を受信するまで待つ。また、カメラ本体200に対して、応答が必要である場合は、カメラ本体200が対応する通信プロトコルで、応答を伝送する。S1205、S1209、S1214、S1215の処理が終了すると、アダプタマイコン302は、本処理を終了してもよいし、本処理を繰り返し実行するために開始から再開、つまりS1201へ遷移してもよい。
更に図13を参照して、本実施形態におけるAF駆動範囲変更機能を有する中間アダプタ300を備えたカメラシステムの、AF駆動範囲状態が「設定中」である場合のフォーカスレンズ104の動作について説明する。図13における至近端から無限端は、フォーカスレンズ104が駆動可能な範囲を示している。このとき、フォーカスレンズ104の現在位置情報は「FPC情報」として中間アダプタ300およびカメラ本体200に伝送される。また、中間アダプタ300内部では前述の「フォーカス位置情報」でフォーカスレンズ104の絶対的な位置を管理している。
AF駆動範囲状態が「設定中」である場合、中間アダプタ300内部では、至近側リミット位置F13NL及び無限側リミット位置F13FLで構成されるAF駆動範囲を管理している。AF駆動範囲は、「フォーカス位置情報」に基づいて設定されるとともに、至近端から無限端までの範囲内に設定される。また、至近側リミット位置F13NLは、無限側リミット位置F13FLより至近側に設定される。
例えば、「フォーカス位置情報」がF130であるときに、カメラ本体200がF131に向けたフォーカス駆動量でフォーカス駆動命令を送信した場合を考える。この場合、中間アダプタ300は、至近側リミット位置F13NLを超えないように、「フォーカス位置情報」に基づいてF132に向けたフォーカス駆動量に変換してから、交換レンズ100に対してフォーカス駆動命令を送信する。また、カメラ本体200の送信したフォーカス駆動命令が、至近端に向けたフォーカス駆動量を指示しないサーチ駆動である場合も、中間アダプタ300は至近側リミット位置F13NLを超えないように、交換レンズ100にフォーカス駆動命令を送信する。具体的には、中間アダプタ300は、「フォーカス位置情報」に基づいてF134に向けたフォーカス駆動量を算出してから、交換レンズ100に対してはフォーカス駆動量を指定するフォーカス駆動命令を送信する。
また、例えば、「フォーカス位置情報」がF130であるとき、カメラ本体200がF133に向けたフォーカス駆動量でフォーカス駆動命令を送信した場合を考える。この場合、中間アダプタ300は無限側リミット位置F13FLを超えないように、「フォーカス位置情報」に基づいてF134に向けたフォーカス駆動量に変換してから、交換レンズ100に対してフォーカス駆動命令を送信する。また、カメラ本体200送信したフォーカス駆動命令が、無限端に向けたフォーカス駆動量を指示しないサーチ駆動である場合にも、中間アダプタ300は無限側リミット位置F13FLを超えないように、交換レンズ100にフォーカス駆動命令を送信する。具体的には、中間アダプタ300は、「フォーカス位置情報」に基づいてF134に向けたフォーカス駆動量を算出してから、交換レンズ100に対してはフォーカス駆動量を指定するフォーカス駆動命令を送信する。このように、交換レンズ100のフォーカスレンズ104は、中間アダプタ300が自身で管理するAF駆動範囲を超えないように制御される。
以上説明したように、本実施形態によれば、中間アダプタ300は、まず、カメラ本体200によるAF動作を補助する、AF駆動範囲変更機能を動作させる操作を受け付ける。そして、当該操作と、カメラ本体からのAF動作のための制御命令(フォーカス駆動命令)とに基づいて、制御命令の交換レンズへの伝達を制御することにより、AF駆動範囲変更機能を実現するようにした。特に、中間アダプタ300は、交換レンズ100のフォーカスレンズの所定の駆動範囲に収まるように、制御命令に含まれるAF動作のためのフォーカスに関する制御量(フォーカス駆動量)を変更して交換レンズ100に伝達するようにした。このようにAF駆動範囲変更機能を有する中間アダプタを用いることにより、カメラ本体や交換レンズがAF駆動範囲変更機能を有しない場合であっても、AF駆動範囲変更機能を有するカメラシステムを提供可能になる。
(実施形態3)
次に、本発明の実施形態3について説明する。本実施形態では、カメラ本体や交換レンズが、AF速度設定機能を有する中間アダプタを介して接続される。しかし、本実施形態のカメラシステムの構成は実質的に上述の実施形態と同様にすることができる。従って、上述の実施形態と同一又は実質的に同一である構成及び処理については同一の参照番号を付して説明を省略し、相違点について重点的に説明する。
<AF速度設定機能>
まず、AF速度設定機能について説明する。AF速度設定機能は、AF動作によるフォーカスレンズの駆動速度を、任意の速度設定に変更することで、AF速度を速くする、あるいは遅くすることが可能な機能である。例えば、本実施形態では、中間アダプタ300の備える操作部材702の一方のボタンが押下されると、AF速度が任意倍率で早くなる。また、中間アダプタ300の備えるもう一方のボタンが押下されると、AF速度が任意倍率で遅くなる。なお、AF速度設定機能を動作させる方法はこの限りではない。例えば、中間アダプタ300がAF速度の倍率を複数段階備えており(例えば、1/4倍、1/2倍、等倍、2倍、4倍の5段階)、中間アダプタは、設定ボタンが押下されるたびに倍率を順番に切り替えてもよい。
次に、図14のシーケンス図を参照して、本実施形態におけるAF速度設定機能を有するカメラシステムの処理について説明する。このカメラシステムでは、カメラ本体200と交換レンズ100とがAF速度設定機能を有する中間アダプタ300を介して接続されている。
中間アダプタ300の操作部材702が操作され、AF速度設定が変更されると、S1401にて、中間アダプタ300は中間アダプタ300自身が記憶しているアダプタ状態設定のAF速度設定状態を「設定中」を表す値に更新する。また、中間アダプタ300は、AF速度設定を任意に設定する。このとき、AF速度設定は、カメラ本体200からのフォーカス駆動命令を交換レンズ100が対応する通信プロトコルに変換する際に、フォーカスレンズの駆動速度にかけ合わせる倍率である。なお、AF速度設定の仕様はこの限りではなく、例えば、交換レンズ100が対応する通信プロトコルに変換する際に、フォーカス駆動速度を置き換える値として管理してもよい。なお、仮に交換レンズ100がフォーカス速度を指定できないレンズであることを検知し、この場合、中間アダプタ300は、アダプタ通知部330に備えたLEDを点灯させて、AF速度設定を設定不可能であることをユーザに通知してもよい。アダプタ通知部330を介してAF速度設定を設定不可能であることをユーザに通知する方法はこの限りではない。中間アダプタ300は、例えばアダプタ通知部330に備えたLCDにAF速度設定を設定不可能である旨を表示してもよい。
ユーザによるカメラ本体200の操作部材207の操作によりAF動作が開始されると、S1402にて、交換レンズ100に対する制御命令であるフォーカス駆動命令が、カメラ本体200から中間アダプタ300に伝送される。その後、AF速度設定状態が「設定中」である中間アダプタ300は、S1403にて、交換レンズ100に伝送するフォーカス駆動速度をAF速度設定に基づいて変換する。その後、S1404にて、中間アダプタ300は、変換後のフォーカス駆動速度を用いてフォース駆動命令を交換レンズ100に伝送する。交換レンズ100は、このフォーカス駆動命令を受信するとフォーカスレンズ104を駆動させるとともに交換レンズ100で管理するフォーカス情報を更新する。フォーカス情報とは、前述のFPC情報などを含む情報である。
S1405及びS1406にて、カメラ本体200からのフォーカス情報要求が中間アダプタ300による通信プロトコル変換処理を経て交換レンズ100へ伝送される。交換レンズ100は、このフォーカス情報要求を受信すると、交換レンズ100で管理されるフォーカス情報を応答する。この応答は、S1407及びS1409にて、中間アダプタ300による通信プロトコル変換処理を経て交換レンズ100からカメラ本体200へ伝送される。また、S1408にて、中間アダプタ300は中間アダプタ300自身が記憶しているフォーカス情報を、S1407にて取得した最新のフォーカス情報に基づいて更新する。
AF速度設定状態が「設定中」である場合に、中間アダプタ300の操作部材702が操作されるなどして、AF速度設定が解除されると、中間アダプタ300は、S1410にて、AF速度設定状態を「非設定中」を表す値に更新する。また、中間アダプタ300は、AF速度設定をクリアする。なお、AF速度設定を解除する方法は操作部材の操作に限らない。例えば、中間アダプタ300は、交換レンズ100が外されたことをもってAF速度設定を解除してもよいし、交換レンズ100のズームレンズ102が駆動したことで撮像光学系が変化した場合にもAF速度設定を解除してもよい。また、アダプタ通知部330に備えたLEDを点灯させて、AF速度設定を解除したことをユーザに通知してもよい。アダプタ通知部330を介してAF速度設定を解除したことをユーザに通知する方法はこの限りではなく、中間アダプタ300は、例えばアダプタ通知部330に備えたLCDにAF速度設定を解除した旨を表示してもよい。
<AF速度設定機能に係る一連の動作>
更に、図15を参照して、本実施形態におけるAF速度設定機能を有する中間アダプタ300の一連の動作について説明する。ここで説明する処理は、図8で前述した起動シーケンスを完了して通常動作中の中間アダプタ300における、アダプタマイコン302のAF速度設定機能にまつわる制御処理を示すものである。なお、本一連の動作は、アダプタマイコン302がプログラムを実行することにより実現されてよく、中間アダプタ300の操作部材702が押下された際に開始される。
S1501にて、アダプタマイコン302は、AF速度設定を変更するか否かを判定する。アダプタマイコン302は、AF速度設定を変更すると判定したらS1502へ遷移し、そうでなければS1503へ遷移する。S1501のAF速度設定を変更開始の判定方法および、S1502のAF速度設定の変更方法は、上述のS1401と同様であるため詳細は省略する。
S1503にて、アダプタマイコン302は、AF速度設定を解除するか否かを判定する。アダプタマイコン302は、AF速度設定を解除すると判定したらS1503へ遷移し、そうでなければS1504へ遷移する。S1503のAF速度設定を設定解除の判定方法および、S1504のAF速度設定の解除方法は、前述のS1410と同様であるため省略する。
S1504にて、アダプタマイコン302は、カメラ本体200から交換レンズ100に対する通信を検出したかを判定する。アダプタマイコン302は、カメラ本体200からの通信を検出した場合、通信プロトコル変換処理を実施するためにS1505へ遷移する。一方、アダプタマイコン302は、通信を検出しなかった場合、本処理を終了してもよいし、本処理を繰り返し実行するために開始から再開、つまりS1501へ遷移してもよい。
S1505にて、アダプタマイコン302は、カメラ本体200からの通信内容を解析し、通信がフォーカス駆動命令である場合はS1506へ遷移し、そうでなければS1509に遷移する。S1506にて、アダプタマイコン302は、AF速度設定機能が動作中であるかを判定する。アダプタマイコン302は、AF速度設定状態が「設定中」であるか否かを判定し、「設定中」であればS1507へ遷移し、そうでなければS1508へ遷移する。S1507にて、アダプタマイコン302は、交換レンズ100に伝送するフォーカス駆動速度をAF速度設定に基づいて変換する(すなわちフォーカス駆動量を変換する)。S1508にて、アダプタマイコン302は、交換レンズ100が対応する通信プロトコルで、交換レンズ100に対してフォーカス駆動命令を伝送する。アダプタマイコン302は、S1508の処理が終了すると、本処理を終了してもよいし、本処理を繰り返し実行するために開始から再開、つまりS1501へ遷移してもよい。
S1509にて、アダプタマイコン302は、カメラ本体200からの通信内容を解析し、通信がフォーカス情報要求である場合はS1510へ遷移し、そうでなければS1514に遷移する。S1510にて、アダプタマイコン302は、通信内容を交換レンズ100が対応する通信プロトコルへ変換し、交換レンズ100に対してフォーカス情報要求を伝送するとともに、交換レンズ100からフォーカス情報を受信して、S1511へ遷移する。詳細は上述のS1405およびS1406と同様であるため詳細は省略する。S1511にて、アダプタマイコン302は、AF速度設定状態が「設定中」であるか否かを判定し、「設定中」であればS1512へ遷移し、そうでなければS1513へ遷移する。S1512にて、アダプタマイコン302は、受信した取得したフォーカス情報に基づいて、中間アダプタ300自身が記憶するフォーカス情報を更新する。詳細は上述のS1408と同様であるため詳細は省略する。S1513にて、アダプタマイコン302は、カメラ本体200が対応する通信プロトコルで、中間アダプタ300自身が記憶するフォーカス情報を伝送する。詳細は上述のS1409と同様であるため詳細は省略する。アダプタマイコン302は、S1513の処理が終了したら、本処理を終了してもよいし、本処理を繰り返し実行するために開始から再開、つまりS1501へ遷移してもよい。
S1514にて、アダプタマイコン302は、カメラ本体200から受信した通信内容を解析して、交換レンズ100が対応する通信プロトコルへ変換し、交換レンズ100に対して通信を伝送する。このとき、交換レンズ100から通信に対する応答がある場合は、応答を受信するまで待つ。また、カメラ本体200に対して、応答が必要である場合は、カメラ本体200が対応する通信プロトコルで、応答を伝送する。アダプタマイコン302は、S1214の処理が終了したら、本処理を終了してもよいし、本処理を繰り返し実行するために開始から再開、つまりS1501へ遷移してもよい。
以上説明したように、本実施形態によれば、中間アダプタ300は、まず、カメラ本体200によるAF動作を補助する、AF速度変更機能を動作させる操作を受け付ける。そして、当該操作と、カメラ本体からのAF動作のための制御命令(フォーカス駆動制御)とに基づいて、制御命令の交換レンズへの伝達を制御することにより、AF速度変更機能を実現するようにした。特に、中間アダプタ300は、制御命令に含まれるフォーカスレンズの駆動速度を変更して交換レンズ100に伝達するようにした。このように、AF速度設定機能を有する中間アダプタを用いることにより、カメラ本体や交換レンズがAF駆動範囲変更機能を有しない場合であっても、AF駆動範囲変更機能を有するカメラシステムを提供可能になる。
(実施形態4)
次に、実施形態4について説明する。本実施形態のカメラシステムは、カメラ本体200や交換レンズ100が、フォーカス微調整機能を有する中間アダプタ300を介して接続される。しかし、本実施形態のカメラシステムの構成は実質的に上述の実施形態と同様にすることができる。従って、上述の実施形態と同一又は実質的に同一である構成及び処理については同一の参照番号を付して説明を省略し、相違点について重点的に説明する。
<フォーカス微調整機能>
まず、フォーカス微調整機能について説明する。一般的に、星空などの撮影シーンを撮影する場合、カメラ本体を三脚に固定してAF機能を使わずにMF機能を用いてフォーカスを微調整することが多い。例えば、マニュアル操作リングを操作することでフォーカスの微調整を行うことができる。しかし、この方法では細かなマニュアル操作リングの操作が難しく、フォーカスの微調整が難しいことがある。別の例を挙げると、スマートフォンのアプリケーションからカメラ本体を制御し、フォーカスの微調整を行う方法がある。しかしながら、アプリケーションからカメラ本体を制御できるまでに時間がかかる傾向があり、即座に撮影できないためにシャッターチャンスを逃してしまうことがある。さらに、アプリケーションが対応しているカメラ本体でしかこの機能を使うことができない。
フォーカス微調整機能は、繊細な操作を必要とせずにフォーカスを微調整することができる機能である。例えば、本実施形態では、中間アダプタ300に備えられた操作部材707又は708が押下されると、押下された回数に応じてフォーカスレンズ104をそれぞれ無限側、至近側に駆動させる。このようにすることで、マニュアル操作リングのような繊細な調整をしなくても、フォーカスの微調整が可能となる。なお、フォーカス微調整機能はこの限りではなく、例えば操作部材が押下されている間に少しずつフォーカスを駆動し続ける方法でもよい。さらには、微調整する機能に限定される必要はなく、例えば粗い調整のためにフォーカスを大きく駆動する構成を取ってもよい。
次に、図16のシーケンス図を参照して、本実施形態におけるフォーカス微調整機能を有するカメラシステムの処理について説明する。まず、S901~S907の処理が上述の実施形態と同様に実行され、交換レンズ100のフォーカス情報が中間アダプタ300及びカメラ本体200に伝送される。
中間アダプタ300に備えられた操作部材707又は708が操作されてフォーカス微調整機能の動作が開始されると、S1601にて、中間アダプタ300は、交換レンズ100にフォーカス駆動命令を伝送する。中間アダプタ300が、操作部材707又は708に対する1操作ごとに微小なフォーカス駆動量を交換レンズ100に伝送することによって、ユーザは細かな操作を伴わずにフォーカスの微調整を行うことができる。また、中間アダプタ300は、カメラ本体200に対して交換レンズ100がMF状態である旨の情報を伝送するようにしてもよい。このようにすることで、カメラ本体200から交換レンズ100に不要なフォーカス駆動命令を伝送させないようにすることができる。なお、適切なフォーカスの駆動量はレンズごとによって異なるが、この点については後述する。なお、上述の例では、操作部材707及び708を用いる場合を例に挙げたが、この構成に限定される必要はなく、例えばクリック感を持たせた操作部材701のような電子リングや、レバー(不図示)を用いても構わない。ユーザが操作部材707又は708を操作するということは、フォーカス微調整機能を使用したいことを意味するため、中間アダプタ300は、S1601が完了した後の一定の期間はAF動作であるS1603を実施しない期間としてもよい(不図示)。或いは、中間アダプタ300は、操作部材707などによりフォーカス微調整機能の開始を受け付けた時点から、一定の期間はフォーカス駆動命令を受け付けても、S1603を実施しない期間としてもよい。なお、このとき、中間アダプタ300は、中間アダプタ300自身が記憶するフォーカス情報を、S905にて取得した最新のフォーカス情報とは異なる状態を示す情報に変換してもよい。ここでフォーカス情報は、前述のFPC情報に加えて、フォーカスレンズ104が駆動中か否かを示すフォーカス駆動状態、交換レンズ100がAF状態かMF状態かを示すAF/MF情報、などを含んでよい。例えば、交換レンズ100からのフォーカス情報がAF状態を示していても、中間アダプタ300は、中間アダプタ300自身が記憶するフォーカス情報をMF状態として更新し、カメラ本体200にはMF状態として伝送してもよい。MF状態をカメラ本体200に通知することにより、不要なフォーカス駆動命令を抑制することができる。さらにカメラによってはAFモードで撮影ができないカメラ本体200である場合には、MF状態であることによって撮影も可能となる。
中間アダプタ300のフォーカス微調整機能を用いたフォーカス微調整が完了した後は、カメラ本体200に対する操作に応じてAF動作が行われる。カメラ本体200の操作部材207の操作によりAF動作が開始されると、S1602及びS1603にて、カメラ本体200からのフォーカス駆動命令が中間アダプタ300による通信プロトコル変換処理を経て交換レンズ100へ伝送される。交換レンズ100は、このフォーカス駆動命令を受信するとフォーカスレンズ104を駆動させるとともに交換レンズ100で管理するフォーカス情報を更新する。
その後、S1604及び1605にて、カメラ本体200からのフォーカス情報要求が中間アダプタ300による通信プロトコル変換処理を経て交換レンズ100へ伝送される。交換レンズ100は、このフォーカス情報要求を受信すると交換レンズ100で管理されるフォーカス情報を応答する。この応答はS1606及びS1608にて中間アダプタ300による通信プロトコル変換処理を経てカメラ本体200へ伝送される。また、S1607にて、中間アダプタ300は、中間アダプタ300自身が記憶しているフォーカス情報を、S1606にて取得した最新のフォーカス情報に基づいて更新する。以上の動作によりアダプタ操作時は一時的にフォーカス微調整機能が動作し、その後はカメラ本体200からの指示に基づくAF動作に復帰することできる。
<フォーカス微調整機能に係る一連の動作>
更に、図17を参照して、本実施形態におけるフォーカス微調整機能を有する中間アダプタ300の一連の動作について説明する。なお、本一連の動作は、アダプタマイコン302がプログラムを実行することにより実現されてよい。
S1701では、アダプタマイコン302は、中間アダプタ300に備えた操作部材702が押下されたか否かを判定する。アダプタマイコン302は、操作部材702が押下された場合はS1702に進み、押下されていない場合はS1703に進む。S1702では、アダプタマイコン302は、フォーカス駆動量の係数を変化させる。詳細はS1708で後述する。
S1703では、アダプタマイコン302は、中間アダプタ300に備えた操作部材707又は708が押下されたか否か(フォーカス微調整機能が開始されたか)を判定する。アダプタマイコン302は、操作部材707又は708が押下された場合はS1704に進み、押下されていない場合はS1701に進む。S1704では、アダプタマイコン302は、カメラ本体200から交換レンズ100に通信が発生しているか否かを判定する。アダプタマイコン302は、通信が発生している場合はS1705に進み、発生していない場合はS1708に進む。S1705では、アダプタマイコン302は、カメラ本体200から交換レンズ100に伝送しようとしているデータがフォーカス駆動に関わるデータであるか否かを判定する。フォーカス駆動に関わるデータは、例えば、フォーカス駆動命令やフォーカス停止命令などを指す。アダプタマイコン302は、カメラ本体200から交換レンズ100への伝送に係るデータがフォーカス駆動に関するデータである場合にはS1706に進み、そうでない場合はS1707に進む。S1706では、アダプタマイコン302は、フォーカス駆動に関するデータを交換レンズ100に伝送しなかったときと同様に中間アダプタ300が振る舞うように作動する。例えば、アダプタマイコン302は、中間アダプタ300から交換レンズ100へ要求を伝送しないように破棄する方法がある。あるいは、アダプタマイコン302が、中間アダプタ300から交換レンズ100に意味のないデータ(具体的にはフォーカス駆動しないデータ)を送信するようにしてもよい。これはユーザがフォーカスを微調整しようとしているところであるため、不用意にフォーカスを駆動させてしまうとユーザが混乱してしまう可能性があるためである。不図示ではあるが、現状からフォーカスレンズ104を駆動させない場合には、フォーカス駆動を停止する命令を交換レンズ100へ送ってもよい。
S1707では、アダプタマイコン302は、カメラ本体200から交換レンズ100に伝送する通信が完了するまで待つ。例えば、アダプタマイコン302は、フォーカス情報要求の通信がされていることを認識した場合は、この通信が完了するまで待つ。このようにすることで、カメラシステムに不整合が発生しないように中間アダプタ300から交換レンズ100にフォーカス駆動命令を送信することができるようになる。
S1708では、アダプタマイコン302は、中間アダプタ300に備えた操作部材707又は708の操作に応じた量のフォーカス駆動量を、中間アダプタ300から交換レンズ100に伝送する。例えば、操作部材707の押下に応じて、アダプタマイコン302は、フォーカスレンズ104を無限側に駆動するように交換レンズ100にデータを伝送する。同様に、アダプタマイコン302は、操作部材708の押下に応じて、フォーカスレンズ104を至近側に駆動するように交換レンズ100にデータを伝送する。このとき、アダプタマイコン302がS1702で更新されるフォーカス駆動量の係数を駆動量に反映させることで使い勝手が向上する。フォーカス駆動量の係数は、操作部材の操作量に対してフォーカス駆動量を有効にする度合いであり、本実施形態では、操作部材707又は708の1回の操作に対して、どれだけフォーカスレンズが駆動されるかが設定される。例えば、S1702において、アダプタマイコン302が単純にフォーカス駆動量の倍率を1/4倍、1/2倍、1倍、2倍、4倍と変化させる動作を行うことが考えられる。例えば、ユーザは、操作部材702により、レンズの種類や焦点距離、絞り値などに応じてフォーカス駆動量の係数が所望になるように選択することができる。このようにすれば、操作部材707又は708の1回の押下に対して適切なフォーカス微調整機能を提供することができる。また、アダプタマイコン302は、本一連の処理の最初の時点で交換レンズ100に対してAF状態であることを通知することで、フォーカスレンズ104が確実に駆動するようにしてもよい。あくまでここで示したのは一例であり、被写界深度(写真の焦点が合っているように見える被写界側の距離の範囲)が、カメラの画素の大きさ、レンズの焦点距離や絞り値によって変化することが広く知られている。このため、交換レンズの焦点距離や有効口径などの交換レンズの被写界深度に関する構成及び撮像素子の画素の大きさなどのカメラの被写界深度に関する構成を用いて、アダプタマイコン302が判断して係数を変化させてもよい。例えば、被写界深度が深くなる構成ほどフォーカス駆動量の係数を相対的に大きくし、被写界深度が浅くなる構成ほどフォーカス駆動量の係数を小さくすることが考えられる。さらに、スマートフォンなどの外部装置(不図示)からフォーカス駆動量の係数に対する変更を受け付ける構成であっても構わない。また、フォーカス駆動量の係数を変更する例を挙げたが、フォーカス駆動速度を変更する構成であってもよい。さらに、動画記録時にフォーカス駆動音が録音されると都合が悪い場合には、フォーカス駆動量やフォーカス駆動速度に制限を掛ける構成としてもよい。
なお、本一連の動作において、中間アダプタ300から交換レンズ100へのフォーカス駆動のデータの伝送中に、カメラ本体200が交換レンズ100にデータを伝送する場合、カメラ本体200と交換レンズ100の通信を保留する必要がある。第一通信の場合には、BUSYフレームにより通信休止期間を表現することができる。このため、中間アダプタ300から交換レンズ100にフォーカス駆動のデータを送信している間はカメラ本体200と中間アダプタ300の間の通信でBUSYフレームを維持し続ければよい。
S1709では、アダプタマイコン302は、カメラ本体200から交換レンズ100に伝送を保留している場合は再開させる。アダプタマイコン302は、S1709の処理が終了すると、本処理を終了してもよいし、本処理を繰り返し実行するために開始から再開、つまりS1701へ遷移してもよい。
以上説明したように、本実施形態によれば、中間アダプタ300は、MF操作のためのフォーカス微調整機能の操作を受け付けるとともに、フォーカス駆動量の係数を設定する。そして、フォーカス微調整機能の操作とフォーカス駆動量の係数とに応じて、フォーカスレンズの駆動量(又は駆動速度)を交換レンズへ伝達することにより、フォーカス微調整機能を実現するようにした。このとき、中間アダプタ300は、カメラ本体からのAF動作のための制御命令を受信しても、交換レンズ100には制御命令を伝達しない。一方、中間アダプタ300は、カメラ本体に対して、MF状態であることを通知してもよい。このようにして、フォーカス微調整機能を有する中間アダプタを用いることにより、カメラ本体や交換レンズの組み合わせによらずにフォーカス微調整機能を有するカメラシステムを提供可能になる。すなわち、このようなアダプタにより、より使い勝手の良いMF操作を提供することができる。
(実施形態5)
更に、実施形態5について説明する。本実施形態のカメラシステムは、カメラ本体200や交換レンズ100が、MF機能を有する中間アダプタ300を介して接続される。しかし、本実施形態のカメラシステムの構成は実質的に上述の実施形態と同様にすることができる。従って、上述の実施形態と同一又は実質的に同一である構成及び処理については同一の参照番号を付して説明を省略し、相違点について重点的に説明する。
<MF機能>
本実施形態では、カメラ本体200の設定がAFモードの場合であっても中間アダプタ300に備えられた操作部材701を操作することで操作量に応じてフォーカスレンズ104を駆動させる。これはカメラ本体200がAFモードでの撮像中にMF操作を行うことができると望ましい状況が存在するためである。例えば、被写体が低輝度や低コントラストであることによりAFによるピント合わせがしづらい場合には、ユーザがMF操作で素早くピント合わせを行うことできることが望ましい。本実施形態の中間アダプタ300によって、ユーザは、このようなシーンにおいてもカメラ本体200の設定をAFモードからMFモードに切り替えること無く素早くピント合わせを行うことができる。
次に、図18のシーケンス図を参照して、本実施形態におけるMF機能を有するカメラシステムの処理について説明する。まず、S901~S907の処理が上述の実施形態と同様に実行され、交換レンズ100のフォーカス情報が中間アダプタ300及びカメラ本体200に伝送される。
中間アダプタ300に備えられた操作部材701により、MF機能の動作が開始されると、S1801にて、中間アダプタ300は、交換レンズ100にフォーカス駆動命令を伝送する。中間アダプタ300は、操作部材701の操作量に応じてフォーカス駆動量を変化させることによって、交換レンズ100に備えられたマニュアル操作リング130を操作したときのような操作を実現する。例えば、ユーザがマニュアル操作リング130を小さく回転させたときは小さなMF操作量、大きく回転させたときは大きなMF操作量でフォーカスレンズ104を駆動させることができる。このとき、中間アダプタ300は、カメラ本体200に対してレンズ本体がMF状態であると伝送して、不要なフォーカス駆動命令をカメラ本体200から交換レンズ100に伝送しないようにしてもよい。なお、適切なフォーカスの駆動量はレンズごとによって異なるが、この点については後述する。なお、操作部材701を用いる場合を例に挙げたが、本実施形態はこの構成に限定される必要はない。例えば、操作部材707又は708を押下する時間の長さに応じてMF操作量を変化させる構成や、レバー(不図示)の操作量によってMF操作量を変化させる構成であっても構わない。ユーザが操作部材701を操作するということはMF機能を使用したいことを意味するため、S1801が完了した後の一定の期間はAF動作であるS1803を実施しない期間としてもよい(不図示)。或いは、中間アダプタ300は、操作部材701などによりMF機能の開始を受け付けた時点から、一定の期間はフォーカス駆動命令を受け付けても、S1803を実施しない期間としてもよい。なお、このとき、中間アダプタ300は、中間アダプタ300自身が記憶するフォーカス情報を、S1806にて取得した最新のフォーカス情報とは異なる状態を示す情報に変換してもよい。フォーカス情報は、前述のFPC情報に加えて、フォーカスレンズ104が駆動中か否かを示すフォーカス駆動状態、交換レンズ100がAF状態かMF状態かを示すAF/MF情報、などを含む情報である。例えば、交換レンズ100からのフォーカス情報がAF状態を示していても、中間アダプタ300は、中間アダプタ300自身が記憶するフォーカス情報をMF状態として更新し、カメラ本体200にはMF状態として伝送してもよい。MF状態をカメラ本体200に通知することにより、不要なフォーカス駆動命令を抑制することができる。さらにカメラによってはAFモードで撮影ができないカメラ本体200である場合には、MF状態であることによって撮影も可能となる。
中間アダプタ300のMF機能が完了した後は、カメラ本体200の操作部材207の操作に応じてAF動作が行われる。カメラ本体200の操作部材207の操作によりAF動作が開始されると、S1802、及び1803にて、フォーカス駆動命令が中間アダプタ300による通信プロトコル変換処理を経て交換レンズ100へ伝送される。交換レンズ100は、このフォーカス駆動命令を受信するとフォーカスレンズ104を駆動させるとともに交換レンズ100で管理するフォーカス情報を更新する。
S1804及びS1805にて、カメラ本体200からのフォーカス情報要求が中間アダプタ300による通信プロトコル変換処理を経て交換レンズ100へ伝送される。交換レンズ100は、このフォーカス情報要求を受信すると交換レンズ100で管理されるフォーカス情報を応答する。この応答はS1806及びS1808にて中間アダプタ300による通信プロトコル変換処理を経てカメラ本体200へ伝送される。また、S1807にて、中間アダプタ300は、中間アダプタ300自身が記憶しているフォーカス情報を、S1806にて取得した最新のフォーカス情報に基づいて更新する。以上の動作によりアダプタの操作時は一時的にフォーカス機能が動作し、その後はカメラ本体200からの指示に基づくAF動作に復帰することができる。
<MF機能に係る一連の動作>
更に、図19を参照して、本実施形態におけるカメラ本体200の設定がAFモードの場合であっても一時的にMF機能を提供可能な中間アダプタ300の一連の動作について説明する。なお、本一連の動作は、アダプタマイコン302がプログラムを実行することにより実現されてよい。
S1901では、アダプタマイコン302は、中間アダプタ300に備えた操作部材702が押下されたか否かを判定する。アダプタマイコン302は、操作部材702が押下された場合はS1902に進み、押下されていない場合はS1903に進む。S1902では、アダプタマイコン302は、フォーカス駆動量の係数を変化させる。詳細はS1908で後述する。
S1903では、アダプタマイコン302は、中間アダプタ300に備えた操作部材701が操作されたか否かを判定する。アダプタマイコン302は、操作部材701が操作された場合はS1904に進み、操作されていない場合はS1901に進む。S1904では、アダプタマイコン302は、カメラ本体200から交換レンズ100に通信が発生しているか否かを判定する。アダプタマイコン302は、通信が発生している場合はS1905に進み、発生していない場合はS1907に進む。S1905では、アダプタマイコン302は、カメラ本体200から交換レンズ100に伝送しようとしているデータがフォーカス駆動に関わるデータであるか否かを判定する。フォーカス駆動に関わるデータは、上述のように、例えばフォーカス駆動命令やフォーカス停止命令などを指す。アダプタマイコン302は、フォーカス駆動に関するデータである場合にはS1906に進み、そうでない場合はS1907に進む。S1906では、アダプタマイコン302は、フォーカス駆動に関するデータを交換レンズ100に伝送しなかったときと同様に中間アダプタ300が振る舞うように作動する。具体例については、実施形態4においてフォーカス微調整機能について説明したものと同じであってよい。
S1907では、アダプタマイコン302は、カメラ本体200から交換レンズ100に伝送する通信が完了するまで待つ。例えば、フォーカス情報要求の通信がされていることを中間アダプタ300が認識した場合は、この通信が完了するまで待つ。このようにすることで、カメラシステムに不整合が発生しないように中間アダプタ300から交換レンズ100にフォーカス駆動命令を送信することができるようになる。
S1908では、アダプタマイコン302は、中間アダプタ300に備えた操作部材701の操作に応じた量のフォーカス駆動量を中間アダプタ300から交換レンズ100に伝送する。このとき、S1902で更新されるフォーカス駆動量の係数を駆動量に反映させることで使い勝手が向上する。フォーカス駆動量の係数は、上述の通り、操作部材の操作量に対してフォーカス駆動量を有効にする度合いであり、本実施形態では、例えば操作部材701の回転に対して、どれだけフォーカスレンズが駆動されるかが設定される。例えば、S1902において、アダプタマイコン302が単純にフォーカス駆動量の倍率を1/4倍、1/2倍、1倍、2倍、4倍と変化させる構成が考えられる。ユーザは、操作部材702により、レンズの種類や焦点距離、絞り値などに応じてフォーカス駆動量の係数が所望になるように選択することができる。このようにすれば、操作部材701の操作量とフォーカス駆動量の関係を適切に設定したMF機能を提供できる。また、アダプタマイコン302は、本ステップの最初に交換レンズ100に対してAF状態であることを通知することで、フォーカスレンズ104が確実に駆動するようにしてもよい。あくまでここで示したのは一例であり、被写界深度(写真の焦点が合っているように見える被写界側の距離の範囲)が、画素の大きさ、焦点距離、絞り値によって変化することが広く知られている。このため、交換レンズの焦点距離や有効口径などの交換レンズの被写界深度に関する構成及び撮像素子の画素の大きさなどのカメラの被写界深度に関する構成を用いて、アダプタマイコン302が判断して係数を変化させてもよい。例えば、被写界深度が深くなる構成ほどフォーカス駆動量の係数を相対的に大きくし、被写界深度が浅くなる構成ほどフォーカス駆動量の係数を小さくすることが考えられる。さらに、スマートフォンなどの外部装置(不図示)からフォーカス駆動量の係数を変更できる構成であっても構わない。また、フォーカス駆動量の係数を変更する例を挙げたが、フォーカス駆動速度を変更する構成であってもよい。さらに、動画記録時にフォーカス駆動音が録音されると都合が悪い場合は、フォーカス駆動量やフォーカス駆動速度に制限を掛ける構成としてもよい。
なお、本一連の動作において、この中間アダプタ300から交換レンズ100にフォーカス駆動のデータを伝送中に、カメラ本体200が交換レンズ100にデータを伝送している場合、カメラ本体200と交換レンズ100の通信を保留する必要がある。第一通信の場合はBUSYフレームにより通信休止期間を表現することができるため、中間アダプタ300から交換レンズにフォーカス駆動のデータを送信している間はカメラ本体200と中間アダプタ300の間の通信でBUSYフレームを維持し続ければよい。
S1909では、アダプタマイコン302は、カメラ本体200から交換レンズ100に伝送を保留している場合は再開させる。アダプタマイコン302は、S1909の処理が終了すると、本処理を終了してもよいし、本処理を繰り返し実行するために開始から再開、つまりS1901へ遷移してもよい。
以上説明したように、本実施形態によれば、中間アダプタ300は、MF操作を受け付けるとともに、フォーカス駆動量の係数を設定する。そして、MF操作とフォーカス駆動量の係数とに応じて、フォーカスレンズの駆動量(又は駆動速度)を交換レンズへ伝達することにより、MF機能を実現するようにした。このとき、中間アダプタ300は、カメラ本体からのAF動作のための制御命令を受信しても、交換レンズ100には制御命令を伝達しない。一方、中間アダプタ300は、カメラ本体に対して、MF状態であることを通知してもよい。このように、MF機能を有する中間アダプタを用いることにより、カメラ本体や交換レンズの組み合わせによらずに、AF機能を実行する際に一時的にMF機能を提供可能になる。すなわち、このようなアダプタにより、より使い勝手の良いMF操作を提供することができる。
(実施形態6)
更に、実施形態6について説明する。本実施形態のカメラシステムでは、中間アダプタ300がフォーカス位置の記憶と再生駆動を実現する。本実施形態のカメラシステムの構成は実質的に上述の実施形態と同様にすることができる。従って、上述の実施形態と同一又は実質的に同一である構成及び処理については同一の参照番号を付して説明を省略し、相違点について重点的に説明する。
<「FPC情報」の初期化処理実施時における中間アダプタ300の動作>
図20を参照して、カメラ本体200と交換レンズ100との間で「FPC情報」の初期化処理がなされた際の、中間アダプタ300の内部で管理する「フォーカス基準位置情報」を更新するための一連の動作について説明する。なお、本一連の動作は、アダプタマイコン302がプログラムを実行することにより実現されてよい。
S2001では、アダプタマイコン302は、カメラ本体200からの通信内容を判断し、「FPC情報」の初期化要求の通信であるか否かを判定する。アダプタマイコン302は、通信が当該初期化要求に係る通信である場合には、S2002へ進み、そうでない場合にはS2001の処理を繰り返す。
S2002では、アダプタマイコン302は、交換レンズ100に対して最新の「FPC情報」の取得処理を行う。この処理は交換レンズ100に対して「FPC情報」の初期化を要求する前に実施される。S2003では、アダプタマイコン302は、中間アダプタ300自身が記憶している「フォーカス基準位置情報」について、S2002で取得した最新の「FPC情報」の分をオフセットして記憶しなおす。S2004では、アダプタマイコン302は、S2001で検出した「FPC情報」の初期化要求について通信プロトコルを変換したうえで交換レンズ100に送信する。
上述の処理を行うことにより、カメラ本体200と交換レンズ100との間でフォーカス駆動制御が行われたとしても、中間アダプタ300は「フォーカス位置情報」でフォーカスの絶対的な位置を把握することが可能となる。このとき、中間アダプタ300は、「フォーカス位置情報」を、自身が管理する「フォーカス基準位置情報」とカメラ本体200と交換レンズ100とでやり取りされる「FPC情報」の合算により求めることができる。
ただし、図25Bに示す警告表示サブルーチン2502において後述するように、ズーム駆動した場合はメカ構造のために実際のピント面としてのフォーカス位置と「FPC情報」との間で誤差が生じることがある。あるいは、フォーカスレンズ104を駆動制御するアクチュエータの種類によってはフォーカス駆動を繰り返し実施した場合に、実際のピント面としてのフォーカス位置と「FPC情報」との間で誤差が生じてしまうことがある。中間アダプタ300は、カメラ本体200と交換レンズ100との間でやり取りされる「FPC情報」によってフォーカス位置情報を管理するために、結果として中間アダプタ300が管理する「フォーカス基準位置情報」の信頼性が落ちてしまうことがある。このような場合には、中間アダプタ300は、中間アダプタ300に備えた「フォーカス基準位置」のリセットボタン(操作部材704)が押下されたことに応じて、図21Aにて説明する「フォーカス基準位置」の更新処理を行う。
<中間アダプタ300の「フォーカス基準位置情報」の更新処理>
次に、図21Aを参照して「フォーカス基準位置」の更新処理について説明する。なお、本一連の動作は、アダプタマイコン302がプログラムを実行することにより実現されてよい。S2101では、アダプタマイコン302は、中間アダプタ300内部の「フォーカス基準位置」の更新のトリガーの有無を判定する。トリガーは、例えば、操作部材704の押下に相当する。アダプタマイコン302は、トリガーを検出した場合にはS2102に進み、そうでない場合にはS2101の処理を繰り返す。
S2102では、アダプタマイコン302は、中間アダプタ300と交換レンズ100との間での「フォーカス基準位置」の更新処理を開始する。S2107の詳細説明であるS2112以降に後述するように、中間アダプタ300は、この処理中にはカメラ本体200からのフォーカス駆動を受け付け不能となる。このため、アダプタマイコン302は、カメラ本体200に対して交換レンズ100の状態を、たとえばマニュアルフォーカス中であるように偽装することになる。
S2103で、アダプタマイコン302は、交換レンズ100に対してマニュアルフォーカス(MF)動作を禁止するための通信を行う。この処理は、以下で説明する中間アダプタ300の管理する「フォーカス基準位置情報」の更新中に、交換レンズ100のMF操作により交換レンズ100内の「FPC情報」を変更させないための処理である。
S2104では、アダプタマイコン302は、交換レンズ100にフォーカスレンズ104の絶対基準位置を確認させることが可能なレンズであるか否かを判定する。アダプタマイコン302は、S805で交換レンズ100から中間アダプタ300に通知される認証情報により当該レンズの判定を行う。このようなフォーカスレンズ104の絶対基準位置を確認できるレンズの一例として、フォーカス駆動範囲の特定位置にリセットセンサーと呼ばれる絶対位置を高精度に検出可能な装置を備えるレンズ構成が挙げられる。このようなレンズであれば前述したリセットセンサーの配置位置までフォーカスレンズ104を駆動させることでフォーカスの絶対位置を再確認することが可能となっている。中間アダプタ300は、認証情報に基づいて、フォーカスの絶対基準位置を確認することが可能なレンズを備えていると判定した場合、S2105に進み、そうでない場合S2106に進む。
S2105では、アダプタマイコン302は、中間アダプタ300から交換レンズ100に対してフォーカスユニットの絶対基準位置の確認要求を行う。S2106では、アダプタマイコン302は、中間アダプタ300から交換レンズ100に対してフォーカスレンズ104を無限端もしくは至近端へ駆動する要求を送信する。S2107では、アダプタマイコン302は、フォーカスレンズ104の停止待ち処理および、カメラ本体200からのフォーカス駆動要求を無視するための処理を行う。詳細については図21Bを参照して説明する。
S2108では、アダプタマイコン302は、フォーカスレンズ104が無限端もしくは至近端に突き当たって停止している状態となっている。アダプタマイコン302は、この状態で交換レンズ100に対して「FPC情報」の初期化を要求するとともに、中間アダプタ300自身が管理する「フォーカス基準位置情報」を初期化する。この時点で、カメラ本体200と交換レンズ100との間でやり取りされる「FPC情報」と中間アダプタ300が管理する「フォーカス基準位置情報」は、再度、同じ値に初期化される。
S2109では、アダプタマイコン302は、中間アダプタ300の内部で管理する「フォーカス相対変化量」を初期化する。「フォーカス相対変化量」は、「フォーカス基準位置情報」からの差分値としてのフォーカスレンズの変化量を示すパラメータであり、詳細は後述する。S2110では、アダプタマイコン302は、図25Bに示す警告表示サブルーチン2502にて後述する、フォーカス位置の再生駆動の精度が保証できなくなる状態を判定するための各種の「警告判定用パラメータ」を初期化する。S2111では、アダプタマイコン302は、中間アダプタ300と交換レンズ100との間での「フォーカス基準位置情報」の更新処理を終了する。アダプタマイコン302は、S2102で設定したMF操作の禁止(カメラ本体200からのフォーカス駆動要求を受け付けなくする処理)を解除する。
続いて、S2107における、中間アダプタ300によるフォーカス停止確認処理(S2112-S2319)について、図21Bを参照して説明する。
S2112では、アダプタマイコン302は、カメラ本体200からの通信が発生したかを判定する。アダプタマイコン302は、何らかの通信が発生した場合にはS2113へ進み、発生していなければS2120へ遷移する。S2113では、アダプタマイコン302は、カメラ本体200からの通信内容を確認する。具体的には、アダプタマイコン302は、検出した通信が、交換レンズ100に備えられているAF機能とMF機能を切り替えるためのスイッチの状態を問い合わせる通信であるか否かを判定する。アダプタマイコン302は、通信が当該AFとMFの状態を問い合わせる通信である場合、S2114に進み、そうでない場合にはS2115に進む。
S2114では、アダプタマイコン302は、カメラ本体200に対してMF機能に設定されている旨を通信する。これにより以降、本一連の動作で実施するアダプタの「フォーカス基準位置情報」の更新を完了するまでの期間において、カメラ本体200からのフォーカス駆動要求が発生しないようにすることができる。
S2115では、アダプタマイコン302は、カメラ本体200からの通信内容がフォーカス駆動要求であるかを判定し、通信内容がフォーカス駆動要求である場合にはS2116に進み、そうでない場合にはS2117に進む。S2116では、アダプタマイコン302は、カメラ本体200に対してフォーカス駆動が不能であることを示す情報を送信する。S2117にて、アダプタマイコン302は、カメラ本体200からの通信内容がフォーカス駆動要求であるかを判定する。アダプタマイコン302は、当該通信内容がフォーカス駆動要求である場合、S2118に進み、そうでない場合にはS2119に進む。S2118にて、アダプタマイコン302は、中間アダプタ300が本通信を受信しても交換レンズ100に対して当該通信を行わない。S2119にて、アダプタマイコン302は、カメラ本体200から要求された通信に対して通信プロトコル変換を行った後に交換レンズ100に対して当該通信を行う。また、アダプタマイコン302は、交換レンズ100からの応答について通信プロトコル変換を行ってカメラ本体200へ応答する。
S2120では、アダプタマイコン302は、交換レンズ100に対してフォーカスの状態の問い合わせを行う。S2121では、アダプタマイコン302は、S2120に対する交換レンズ100の応答に基づいて、レンズのフォーカスが停止しているかを判定する。アダプタマイコン302は、交換レンズ100からの応答としてフォーカスが停止していなければ、図21Bの処理を繰り返すためにS2112に進み、フォーカスが停止していれば、(本サブルーチンを終了して)S2108へ進む。
以上の処理により、フォーカスレンズ104を繰り返し駆動した際の駆動誤差により、カメラ本体200と交換レンズ100との間でやり取りされる「FPC情報」に累積された実際のフォーカスレンズ104の位置との誤差をキャンセルすることができる。
なお、S2106においてフォーカスを無限端もしくは至近端に突き当てる処理に関しては、以下のようにしてもよい。例えば、カメラ本体200と交換レンズ100との間の通信を傍受する、又は中間アダプタ300が交換レンズ100に独自に通信することにより得られる被写体距離情報などの光学データをもとに無限端に突き当てるか至近端に突き当てるかを判断してもよい。
また、ステッピングモータなどの駆動誤差が生じやすいアクチュエータを搭載しているか否かを、S805にて得られた交換レンズ100の認証情報に基づき中間アダプタ300が判定してもよい。アダプタマイコン302は、当該アクチュエータの特性に基づいて、フォーカス無限端あるいは至近端へ突き当てる動作をするか否かを判定することができる。また、フォーカス駆動誤差の生じにくいアクチュエータを搭載している場合には、フォーカスの端への突き当てる処理を行わずに、現在のフォーカス位置で停止させて「フォーカス基準位置」の更新をしてもよい。その場合、S805にて中間アダプタ300が交換レンズ100から受信する認証情報により判別する。
<フォーカス再生目標位置記憶処理の動作>
次に、図22を参照して、中間アダプタ300に備えられている操作部材705(フォーカス位置記憶ボタン)が押下された際の処理について説明する。なお、本一連の動作は、アダプタマイコン302がプログラムを実行することにより実現されてよい。
S2201では、アダプタマイコン302は、操作部材705の押下を検出したかを判定し、操作部材705の押下を検出した場合、中間アダプタ300が管理する「フォーカス相対変化量」を更新するために以降の処理を開始する(S2202に進む)。アダプタマイコン302は、操作部材705の押下を検出していない場合にはS2201の処理を繰り返す。
S2202では、アダプタマイコン302は、S2201にて操作部材705の押下を検出したタイミングで、カメラ本体200からの通信要求が中間アダプタ300に送信されているか否かを判別する。アダプタマイコン302は、このタイミングで通信処理を実施中であればS2203に進み、通信処理を実施していなければS2208に進む。
S2203では、アダプタマイコン302は、カメラ本体200から送信される通信コマンド群を解析し、1つの意味のある最小単位のデータ長の通信の区切りを判別し、当該データ長の通信について通信プロトコルを変換して交換レンズ100へ通信する。このような処理を行うのは、カメラ本体200と交換レンズ100との間で実施される通信コマンドは、たとえば図4の(b)に示すような任意のデータ長からなる通信コマンドを連結して通信することが可能となっているためである。
S2204では、アダプタマイコン302は、カメラ本体200からの通信要求とは無関係に、S2203の通信を実施した後に、「FPC情報」の取得のための通信を交換レンズ100に対して実施する。S2205では、アダプタマイコン302は、カメラ本体200からの通信要求とは無関係にS2204の通信を実施した後に、「ズーム位置情報」を取得するための通信を交換レンズ100に対して実施する。この「ズーム位置情報」は、再生駆動時に駆動位置への精度が低下している可能性がある場合に、警告表示するための判定に使用される。警告表示については、図25Bに示す警告表示サブルーチン2502の説明にて後述する。S2206では、アダプタマイコン302は、S2204、2205にて割り込んで実施したカメラ本体200からの通信コマンド群の残りの通信コマンドについて、中間アダプタ300と交換レンズ100との間で通信する。
S2207では、アダプタマイコン302は、交換レンズ100から応答された受信データからS2204、2205にて割り込んで実施した通信の応答である「FPC情報」と「ズーム位置情報」を取得し、残りの受信データをカメラ本体200へ応答する。S2208では、アダプタマイコン302は、カメラ本体200からの通信要求が発生していない状態であるため、中間アダプタ300と交換レンズ100との間で「FPC情報」および「ズーム位置情報」の取得処理を行う。
S2209では、アダプタマイコン302は、S2204もしくはS2208にて交換レンズ100から取得した「FPC情報」に基づき、「フォーカス基準位置情報」からの相対変化量を「フォーカス相対変化量」としてアダプタ記憶部340に記憶する。
S2210では、アダプタマイコン302は、中間アダプタ300自身が管理する「フォーカス基準位置」と「フォーカス相対変化量」を加算した値を「フォーカス再生目標位置」としてアダプタ記憶部340に記憶する。このように「フォーカス基準位置」および「フォーカス相対変化量」を分けて管理するのは、次のような理由による。すなわち、図20にて上述したように、カメラ本体200と交換レンズ100との間で通信される「FPC情報」はカメラ本体200からの指示により任意のタイミングで初期化される可能性がある。このため、初期化後の「FPC情報」を使用してフォーカスの絶対的な位置情報を確定させるうえで「フォーカス基準位置」をオフセットすることがあるためである。
S2211では、アダプタマイコン302は、現在の交換レンズ100の姿勢情報および温度情報を検出して、アダプタ記憶部340に記憶する。交換レンズ100の姿勢情報とは具体的にはカメラ本体200を正位置で構えている場合や縦位置で構えている場合、あるいは下向き、上向きに構えている場合などの情報である。カメラ本体200および中間アダプタ300、交換レンズ100は全て装着された状態であるため、いずれかの装置にて検出される姿勢情報を中間アダプタ300が検出すればよい。たとえば、姿勢情報をカメラ本体200から交換レンズ100へ送信する構成である場合には、中間アダプタ300が通信内容を傍受することで当該情報を得られる。あるいは、姿勢情報を交換レンズ100からカメラ本体200へ送信する構成である場合には、S2205と同様の手順で中間アダプタ300から交換レンズ100へ姿勢情報の取得要求を通信することで当該情報を得られる。また、中間アダプタ300が姿勢情報を検出することが可能であってもよい。温度情報の取得方法についても同様である。これらの姿勢情報および温度情報は図25Bの警告表示サブルーチン2502にて後述する警告表示のための判定に用いられる。
S2212では、アダプタマイコン302は、中間アダプタ300が管理する「フォーカス駆動カウンタ」を初期化する。当該情報は交換レンズ100のフォーカスレンズ104の駆動および停止処理の履歴を管理するものである。駆動および停止処理を繰り返した場合の制御誤差を監視することにより実現する図25Bの警告表示サブルーチン2502にて後述する警告表示のための判定に用いられる。
ここで、上述のS2203~2207の通信処理について、図23を参照してより詳細に説明する。図23は、S2202にて判定される、操作部材705(フォーカス位置記憶ボタン)押下時にカメラ本体200と交換レンズ100との間で実施されている通信内容を例示している。
破線部2301には、カメラ本体200と中間アダプタ300との間で実施される通信例を図示している。2302のDCL(DCA)は、カメラ本体200から中間アダプタ300へ送信される通信データを示している。また、2303のDLC(DAC)は、中間アダプタ300からカメラ本体200へ送信される通信データを示している。DCL(DCA)のデータは、2304に示すデータ長3バイトのコマンド1(CMD1)と、2305に示すデータ長2バイトのコマンド2(CMD2)と、2305に示すデータ長5バイトのコマンド3(CMD3)とが連続的に通信される場合を示している。この3つの通信コマンドに対応する応答値として、中間アダプタ300からカメラ本体200へDLC(DAC)のデータである2307、2308、2309の3つの応答値が連続的に通信される。すなわち、2304の通信に対する応答値が2307という関係になっている。このとき、各通信コマンドとデータ長は1対1の関係となっており、中間アダプタ300は、カメラ本体200からの通信コマンドを解釈することで各コマンドのデータ長を判別することが可能となっている。
一方、破線部2310には、2304のコマンド1が通信されてから2305のコマンド2が通信されるまでの間で操作部材705の押下を検出した場合の、中間アダプタ300と交換レンズ100との間で実施される通信例を図示している。
2311のDCL(DAL)は、中間アダプタ300から交換レンズ100へ送信される通信データを示している。また、2312のDLC(DLA)は、交換レンズ100から中間アダプタ300へ送信される通信データを示している。2313に示すデータ長3バイトのコマンド1は、2304に示すカメラ本体200から送信された通信コマンドを中間アダプタ300が通信プロトコルを変換して通信している通信データとなっている。同様に、2314に示すコマンド2は2305の通信に対応し、2315に示すコマンド3は2306の通信に対応する関係となっている。
中間アダプタ300は、コマンド1を受信し、通信プロトコルを変換して2313の通信を実施している間に操作部材705の押下を検出すると、2314の通信を実施する前に2316の通信を交換レンズ100に対して実施する。その結果として、交換レンズ100から中間アダプタ300に対しては、2317、2318、2319及び2320の4つのデータが応答される。2320はカメラ本体200から要求されて実施する通信ではないため、2317、2318及び2319の3つのデータについて、中間アダプタ300からカメラ本体200に対して通信プロトコルを変換して通信することとなる。より具体的には、2317のデータは2307のデータとしてカメラ本体200へ送信される。同様に2318のデータは2308に対応し、2319のデータは2309に対応する。
以上の処理により、中間アダプタ300は、操作部材705が押下された際に最速のタイミングで交換レンズ100から「FPC情報」を取得することが可能となり、操作部材705押下時のリアルタイムなフォーカス位置情報を記憶することが可能となる。
なお、S2203で実施する「FPC情報」の取得では、操作部材705(フォーカス位置記憶ボタン)が押下されたタイミングからの遅延が少ない方が精度の高いフォーカス位置の記憶が可能となる。このため、上述の例では、カメラ本体200からの通信コマンド群に割り込ませる形で中間アダプタ300と交換レンズ100との間で実施するようにした。しかし、S2204のズーム位置情報の取得に関しては一連のカメラ本体200からの通信コマンド群を実施した後に中間アダプタ300と交換レンズ100との間で実施してもよい。
また、本実施形態では、中間アダプタ300が交換レンズ100のフォーカスレンズ104の絶対的な位置情報を管理するために、「フォーカス基準位置」および「フォーカス相対変化量」の2つのパラメータを管理する方式を例に説明した。しかし、これらを合算した「フォーカス位置情報」として管理してもよい。この場合、図20にて説明した、カメラ本体200からの「FPC情報」の初期化要求通信を検出した場合に、S2003の処理と同様に現在の「FPC情報」の値で「フォーカス基準位置」をオフセットすればよい。
<フォーカス位置記憶ボタン操作後にズーム操作された際の一連の動作>
図25Aの説明にて後述するように、ズーム駆動が行われた場合にはメカ構造のために実際のピント面としてのフォーカス位置と「FPC情報」との間で誤差が生じることがある。そのためズーム駆動後は、フォーカス位置の再生駆動の精度が低下してしまう可能性がある。これに対し、図22で上述したフォーカス再生目標位置の記憶後に、フォーカス駆動を実施せずにズーム駆動を行った場合に、ズーム駆動後のフォーカス位置をフォーカス再生目標位置として記憶し直すようにする。これによりフォーカス位置の再生駆動の精度低下を防止することができる。
図24を参照して、上述の処理について説明する。なお、本一連の動作は、アダプタマイコン302がプログラムを実行することにより実現されてよい。なお、図22の処理にてフォーカス再生目標位置を記憶済みの状態である。
S2401では、アダプタマイコン302は、交換レンズ100のフォーカスレンズ104が停止している状態から駆動状態に変化したかどうかを判定する。この判定はカメラ本体200と交換レンズ100との間で実施される通信を傍受することにより判定してもよいし、定期的に中間アダプタ300と交換レンズ100との間でフォーカス駆動状態を確認する通信により実施されてもよい。アダプタマイコン302は、フォーカスレンズ104の駆動状態の変化を検出した場合はS2402へ遷移し、そうでない場合はS2405へ遷移する。
S2402では、アダプタマイコン302は、中間アダプタ300自身が管理する「フォーカス駆動カウンタ」をカウントアップする。なお、この「フォーカス駆動カウンタ」は図22のフォーカス位置記憶操作時のS2212にて初期化されている。S2403では、アダプタマイコン302は、S2402にてカウントアップした「フォーカス駆動カウンタ」が所定の回数を超えているか否かを判定する。この判定は、所定回数以上のフォーカス駆動及び停止処理を実施した場合に、図25Bにて後述する警告表示を行うために行う。これは、フォーカスレンズ104を駆動制御するアクチュエータの種類によってフォーカス駆動を繰り返し実施した場合に、実際のピント面としてのフォーカス位置と「FPC情報」との間で誤差が生じてしまうためである。
S2404では、アダプタマイコン302は、管理する「警告表示用フラグ」を有効にする。S2405では、アダプタマイコン302は、交換レンズ100のズーム駆動が発生したかを判定する。この判定はカメラ本体200と交換レンズ100との間で実施される通信を傍受することにより判定されてもよいし、定期的に中間アダプタ300と交換レンズ100との間でズーム駆動状態を確認する通信を実施することにより判定されてもよい。アダプタマイコン302は、ズームレンズ102の駆動状態を検出した場合はS2406へ進み、そうでない場合はS2401へ戻る。S2406では、アダプタマイコン302は、中間アダプタ300が管理する「フォーカス駆動カウンタ」が0であるか否かを判定する。アダプタマイコン302は、当該カウンタが0である場合はS2407に遷移する。当該カウンタが0であるのは、「フォーカス再生目標位置」の記憶後にフォーカス駆動が実施されずにズーム駆動が実施された場合に相当する。一方、当該カウンタが0でない場合は、(すなわち「フォーカス再生目標位置」の記憶後にフォーカス駆動が実施された場合に相当)S2409へ遷移する。
S2407では、アダプタマイコン302は、交換レンズ100のズームレンズ102の駆動が停止するのを待つ。S2408では、図24に示した「フォーカス再生目標位置」の記憶をやり直す。S2409では、アダプタマイコン302は、S2404と同様に中間アダプタ300が管理する「警告表示用フラグ」を有効にする。アダプタマイコン302は、S2408及びS2409の処理を終えるとS2401に戻す。
以上の処理により、「フォーカス再生目標位置」記憶を実施した後にフォーカス駆動を実施せずにズーム駆動を行った場合に、自動的に「フォーカス再生目標位置」記憶をやり直すことが可能となり、使い勝手の向上を図ることができる。このとき、図25Bで後述する警告表示サブルーチン2502での警告表示を行わずに処理を進めることができる。
<フォーカス再生駆動処理の一連の動作>
次に、図25Aを参照して、中間アダプタ300に備えられている操作部材706(再生駆動ボタン)が押下された時の一連の動作について説明する。なお、本一連の動作は、アダプタマイコン302がプログラムを実行することにより実現されてよい。
S2501では、アダプタマイコン302は、操作部材706の押下を検出したかを判定する。アダプタマイコン302は、操作部材706が押下された場合にはS2502に進み、そうでない場合にはS2501の処理を繰り返す。S2502では、アダプタマイコン302は、警告表示を行うためのサブルーチンを実施する。当該サブルーチンについては図25Bを参照して後述する。S2503では、アダプタマイコン302は、中間アダプタ300と交換レンズ100との間でのフォーカス再生駆動処理を開始する。S2504では、アダプタマイコン302は、中間アダプタ300による交換レンズ100のフォーカスレンズ104の駆動停止待ちのためのサブルーチン(フォーカス停止確認処理)を実施する。当該サブルーチンは図21BのS2112~S2121にて説明した処理と同様である。
S2505では、アダプタマイコン302は、S2504にてフォーカスレンズ104が停止した状態での「FPC情報」を交換レンズ100から取得し、中間アダプタ300が管理する「フォーカス相対変化量」を更新する。S2506では、アダプタマイコン302は、中間アダプタ300の操作部材702によってフォーカス駆動速度の設定が変更されているか否かを判定する。なお、この速度設定については図14にて説明した内容と同様である。アダプタマイコン302は、速度設定が変更されている場合、S2507へ進み、そうでない場合にはS2508に進む。
S2507では、アダプタマイコン302は、交換レンズ100に対してフォーカス駆動を要求する。このとき、アダプタマイコン302は、S2506にて設定された速度、S2505にて更新した「フォーカス相対変化量」、及びあらかじめ記憶していた「フォーカス基準位置情報」から、フォーカスレンズ104の絶対的な位置情報を生成する。更に、フォーカスレンズ104の絶対的な位置情報と、図22にて記憶した「フォーカス再生目標位置」との差分値を求め、当該差分値をキャンセルさせるように交換レンズ100に対してフォーカス駆動を要求する。
S2508では、このステップは、中間アダプタ300でフォーカス速度設定がされていない、あるいはフォーカス速度設定が解除されている場合である。アダプタマイコン302は、直前のカメラ本体200から交換レンズ100に対して行われていたフォーカス駆動要求の速度を継続する。あるいは、アダプタマイコン302は交換レンズ100に対して最高速度でフォーカス駆動を要求するようにしてもよい。
S2509では、アダプタマイコン302は交換レンズ100からフォーカスレンズ104の駆動状態を取得する通信を行う。S2510では、S2509にて取得したフォーカスレンズ104の状態を判定し、フォーカスが駆動できない異常状態であった場合にS2511にて警告処理を実施する。当該警告処理の詳細についでは図21Bを参照して説明する。ここでのフォーカス異常状態の一例としてはフォーカスユニットに対する衝撃や手で押さえるなどの外的要因によりフォーカスレンズ104が動作できなかった場合などが想定される。
S2512では、アダプタマイコン302は、操作部材706が解除されたか否かを判定する。当該操作が解除されている場合はS2513へ進み、当該操作が継続された場合はS2514にてフォーカスレンズ104の駆動が停止したか否かを判定する。アダプタマイコン302は、フォーカスレンズ104の駆動が停止するまでの間はS2509からの処理をやり直し、フォーカスレンズ104が停止したらS2515へ遷移する。
S2515では、アダプタマイコン302は、フォーカスレンズ104が停止した状態における「FPC情報」を交換レンズ100から取得する。S2516では、S2506にて指定した目標とするフォーカス位置まで駆動できたか否かをS2515で取得した「FPC情報」に基づいて判定する。アダプタマイコン302は、目標とするフォーカス位置までフォーカスレンズを駆動できない場合はS2517にて警告処理を行う。このようなフォーカス位置まで駆動できない場合の例として、交換レンズ100にてフォーカス駆動可能範囲に制限を設けるような設定がなされている場合などが挙げられる。
S2514にてフォーカスレンズ104が停止していない場合、アダプタマイコン302は、S2518に遷移し、S2506と同様にユーザによるフォーカス速度設定の変更操作が実施されたか否かを判定する。フォーカス速度設定が変更された場合は、S2519にてアダプタマイコン302が交換レンズ100に対して設定変更されたフォーカス駆動速度情報を通知する。そして、当該ユーザ操作の有無に依らずS2509から処理を再度実行する。この再生駆動中の速度設定の変更については、図27を参照して後述する。S2513では、アダプタマイコン302は、サブルーチン2504にて実施しているカメラ本体200からのフォーカス駆動要求を抑制するための処理を解除し、本一連の動作を終了する。
<中間アダプタ300における警告表示判定処理>
次に、図25Bを参照して、S2502の警告表示判定処理のサブルーチンについて説明する。なお、本一連の動作は、アダプタマイコン302がプログラムを実行することにより実現されてよい。
S2520では、アダプタマイコン302は、図22にて説明したフォーカス位置記憶の処理が実施されているか否かを判定し、まだフォーカス位置記憶の処理が実施されていない場合にはS2524の警告表示処理へ遷移する。一方、フォーカス位置記憶の処理が実施されている場合には、S2521へ遷移する。
S2521では、アダプタマイコン302は、操作部材706の再生駆動ボタンが押下された時の姿勢情報と、S2211にてフォーカス位置記憶の処理の際に取得していた姿勢情報とを比較して、差分があるか否かを判定する。なお、姿勢情報の取得方法についてはS2211と同様、カメラ本体200からの取得、あるいは交換レンズ100からの取得、あるいは中間アダプタ300に備えた姿勢情報の検出のいずれであってもよい。
S2522では、アダプタマイコン302は、操作部材706の再生駆動ボタンが押下された時の温度情報と、S2211にてフォーカス位置記憶の処理の際に取得していた温度情報とを比較して、所定以上の差分があるか否かを判定する。この温度情報の差分比較の閾値は、フォーカスレンズ104を駆動させるアクチュエータ種別に応じて切り替えてもよい(図1ではステッピングモータ107、108)。なお、温度情報の取得方法については、S2211と同様、カメラ本体200からの取得、あるいは交換レンズ100からの取得、あるいは中間アダプタ300に備えた温度情報の検出のいずれであってもよい。S2523では、アダプタマイコン302は、中間アダプタ300が管理する「警告表示用フラグ」が有効か否かを判定し、当該フラグが有効である場合はS2524へ進み、そうでない場合には本一連の動作を終了する。
S2524では、S2520~2523のいずれかにより、フォーカス再生駆動処理を行うときの駆動精度が低下する可能性があると場合に判定されているため、アダプタマイコン302は、アダプタ通知部330にてユーザに警告状況を通知する。アダプタマイコン302は、カメラ本体200と実施する通信において、例えば、図23に示した通信フォーマットに従わないことでカメラ本体200にエラー表示を促してもよい。警告表示処理を行った場合にもフォーカスの再生駆動処理は継続してもよいし、この時点で再生駆動処理を停止してもよい。
上述のフォーカス位置再生操作の処理により、再生駆動ボタン押下時のフォーカス位置から、中間アダプタがあらかじめ記憶している再生駆動用フォーカス位置までフォーカスを駆動可能になる。また、フォーカス再生駆動の精度が低下してしまう可能性がある場合として、ズーム位置変化や姿勢変化、温度変化、フォーカス駆動回数などを判定することでユーザに警告を表示することを可能としている。
次に、図26を参照して、上記更新処理等により、フォーカス位置がどのように動作するかについて説明する。なお、上記更新処理等は、図21Aに係る「フォーカス基準位置情報」の更新処理、図22に係るフォーカス位置記憶ボタン操作時の振る舞い、及び図25Aに係るフォーカス位置再生操作時の振る舞いを含む。
図26に示すグラフ2601の横軸は時刻、縦軸はフォーカスレンズ104の位置を示している。まず、横軸に示すタイミング2602にて、カメラの起動処理が行われると、上述のS807にて、中間アダプタ300は、中間アダプタ300が管理する「フォーカス基準位置」を確定する。併せてカメラ本体200と交換レンズ100との間で通信される「FPC情報」がゼロに設定される。縦軸の2603のフォーカス基準位置(1)は、このフォーカス位置を中間アダプタ300が基準位置として管理していることを示している。
区間2604に示すフォーカス位置の変化は、カメラ本体200からのオートフォーカス制御に基づき、中間アダプタ300を介した交換レンズ100へのフォーカス駆動指示、あるいはマニュアルフォーカス操作によるフォーカスレンズ104の変化を示す。
横軸の2605に示すタイミングにて、ユーザによるフォーカス基準位置の更新操作を受け付けると、(図21AのS2107にて説明した)フォーカス停止待ち処理(図26におけるS2606の処理)を行う。中間アダプタ300は、この処理にてフォーカスレンズ104が停止したことを確認した後に、「フォーカス基準位置」として縦軸2607のフォーカス位置を再記憶する。なお、図26では、装着しているレンズがS2104で判定される、絶対基準位置を確認させることが可能なレンズである場合を示しており、2607のフォーカス位置にリセットセンサーがある場合を示している。この時点でカメラ本体200と交換レンズ100との間で通信される「FPC情報」がゼロに設定される。
区間2608では、区間2604と同様にオートフォーカス制御もしくはマニュアルフォーカス制御によりフォーカス位置をユーザが変更する。横軸の2609に示すタイミングにて、中間アダプタ300がカメラ本体200からFPC情報の初期化要求を検出すると、図20の処理にて中間アダプタ300が記憶している「フォーカス基準位置」の更新がなされる。縦軸の2610のフォーカス位置は、FPCの初期化要求を検出したときのフォーカス位置である。また、S2002で中間アダプタ300が交換レンズ100から取得する「FPC情報」の値は、2611に示す「フォーカス基準位置(2)」である2607からの差分量となっている。また、S2003で「フォーカス基準位置情報」をオフセットする量は当該2611の値に相当する。
その後、中間アダプタ300は、横軸の2612に示すタイミングにて、ユーザによるフォーカス位置記憶ボタンの操作を受け付けると、図22のS2203又はS2208の処理にて交換レンズ100から「FPC情報」を取得する。この際、フォーカス位置を停止させることなく、最新の「FPC情報」を取得する。この時点での「FPC情報」のゼロ位置は2610のフォーカス位置であり、横軸の2612のタイミングで取得される「FPC情報」は2613に示すフォーカス変化量となっている。そして、このタイミングでの現在のフォーカス位置は中間アダプタ300が記憶するフォーカス再生目標位置と同じ位置の2614に示すフォーカス位置となっている。このため、現在のフォーカス位置とフォーカス基準位置のとの差分量である2615が「フォーカス相対変化量」として中間アダプタ300により記憶される。
区間2616では、区間2604と同様に、オートフォーカス制御もしくはマニュアルフォーカス制御によりフォーカス位置をユーザが変更する。横軸の2617に示すタイミングにて、中間アダプタ300はユーザによる再生駆動操作を受け付けると、2618のフォーカス停止待ち処理(S2504のフォーカス停止確認処理)を行う。このフォーカス停止位置における「FPC情報」は、2619に示す「FPC情報」のゼロ位置2610からの差分量となっている。フォーカスが停止した後、S2506の処理によってフォーカス再生目標位置に対してフォーカス再生駆動2620を行う。この時のフォーカス駆動量2622は、以下の関係により求めることができる。

フォーカス駆動量2622=
{フォーカス再生目標位置2614-(フォーカス基準位置(2)2607+フォーカス相対変化量2621)}

このように、ユーザ操作によりフォーカスの位置記憶および再生駆動を実現することが可能となる。なお、本実施形態ではフォーカスの位置記憶を一点のみ記憶する場合を説明したが、実施形態としてはこの限りではなく複数点のフォーカス位置を記憶するようにしてもよい。
次に、図27を参照して、S2518にて説明したフォーカス再生駆動中のフォーカス速度設定を変更する操作を行った際のフォーカス動作について説明する。図27に示すグラフ2701の横軸は時刻、縦軸はフォーカスレンズ104の位置を示している。本フォーカス動作の開始時には、フォーカスレンズ104は縦軸2702に示す「現在のフォーカス位置」にある。このフォーカス位置から縦軸2703に示す「フォーカス再生目標位置」まで駆動する場合を例に説明する。
横軸の2704に示すタイミングにて、中間アダプタ300のフォーカス速度設定操作が行われると当該設定値を中間アダプタ300が記憶する。以降、横軸に示す各タイミングにおいてフォーカス速度設定が変更される。例えば、速度1、速度2、速度3、速度4、速度5が選択可能であり、速度1から順次速度が遅くなる設定となっている。なお、この処理は図25Aに示したS2506に相当する。
次に横軸の2705に示すタイミングにて、フォーカス再生駆動操作が行われる。この操作により、2704で設定された速い速度設定でのフォーカス駆動が開始される(2706)。次に、横軸の2707に示すタイミングにて、中間アダプタ300のフォーカス速度設定操作が行われると、中間アダプタ300は当該設定値を記憶するとともに、交換レンズ100に対して速度設定の変更を通信する。この処理は、図25Aに示した2518に相当する。この操作により、2704で設定された速度よりもやや遅い速度設定でのフォーカス駆動に切り替わる(2708)。以降、横軸の2709、2710、2711のタイミングに速度設定変更操作が行われると、中間アダプタ300はフォーカス再生駆動の速度を徐々に低速に切り替える。なお、図27に示す例では、速度設定を徐々に遅くする操作について説明したが、速度設定を早くする、あるいは高速、低速へ適宜切り替える操作も可能である。以上の動作により、ユーザ操作に応じてフォーカスの再生駆動の速度をコントロールすることが可能となる。
(実施形態7)
次に、実施形態7について説明する。実施形態6では、ユーザ操作によるフォーカス位置の記憶と再生駆動を実現した。本実施形態では中間アダプタ300が露光期間中に自動的にフォーカス再生駆動を行うことにより、露光間のフォーカス駆動を実現する。しかし、本実施形態のカメラシステムの構成は実質的に上述の実施形態と同様にすることができる。従って、上述の実施形態と同一又は実質的に同一である構成及び処理については同一の参照番号を付して説明を省略し、相違点について重点的に説明する。
<静止画撮影時の一連の動作>
図28を参照して、本実施形態の静止画撮影時の一連の動作について説明する。なお、本一連の動作は、アダプタマイコン302がプログラムを実行することにより実現されてよい。
S2801では、アダプタマイコン302は、図22に示した一連の動作(フォーカス再生目標位置記憶処理)を実施する。S2802では、アダプタマイコン302は、カメラ本体200からの通信を監視して、現在のカメラ本体200の撮影モードが静止画撮影モードであるか否かを判定する。アダプタマイコン302は、静止画撮影モードでない場合には本処理を終了(或いはS2801に戻す)し、そうでない場合にはS2803へ進む。
S2803では、アダプタマイコン302は、カメラ本体200からの通信を監視してカメラ本体200の静止画撮影における露光時間情報を監視する。S2804では、アダプタマイコン302は、交換レンズ100から最新の「FPC情報」を取得する。S2805では、アダプタマイコン302は、カメラ本体200からの通信を監視して静止画撮影の露光開始情報が通信されているか否かを判定する。アダプタマイコン302は、まだ露光開始情報が通信されていなければ、S2802に戻り、そうでない場合にはS2806へ進む。S2806では、アダプタマイコン302は、露光間にフォーカス駆動させるときの駆動速度を算出する。例えば、アダプタマイコン302は、駆動速度を、S2803にて取得した露光時間と、S2804で取得した最新の「FPC情報」及びS2801で記憶した再生目標位置情報から算出されるフォーカス駆動量とに基づき算出する。S2807では、アダプタマイコン302は、図25Aに示したフォーカス再生駆動処理を実施する。
図28を参照して説明した動作について、更に図29を参照して補足的に説明する。図29に示すグラフ2901では、横軸が時刻、縦軸がフォーカスレンズ104の位置を示す。縦軸における2902は、S2801にて記憶されたフォーカス再生目標位置を示す。このフォーカス再生目標位置は、静止画撮影操作の前にユーザにより記録されているものとする。
縦軸における2903は、静止画撮影前のフォーカスレンズ104の位置を示す。横軸における2904のタイミングは、露光開始のタイミングである。このタイミングの情報は、カメラ本体200から交換レンズ100に対して通信される情報から中間アダプタ300が判断する(S2803の処理に相当)。
(上述したS2807の処理にて)中間アダプタ300が交換レンズ100に対してフォーカス駆動要求を通信することにより、2905に示すようにフォーカスレンズ104が動作する。この時のフォーカス駆動量、駆動速度として、S2806で得られる値が用いられる。横軸における2906のタイミングにおいて露光が終了する。
このように、ユーザがあらかじめフォーカス再生駆動位置を記憶する中間アダプタ300の操作を行っておくことで、静止画撮影により露光間のフォーカス駆動制御を容易に実現することが可能となる。
(その他の実施形態)
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
発明は上記実施形態に制限されるものではなく、発明の精神及び範囲から離脱することなく、様々な変更及び変形が可能である。従って、発明の範囲を公にするために請求項を添付する。
101 交換レンズ、104 フォーカスレンズ、106 レンズ保持枠、108 ステッピングモータ、111 レンズマイコン、112 レンズ通信回路、120 フォーカス駆動回路、200 カメラ本体、300 中間アダプタ、320 操作部

Claims (14)

  1. 撮像装置と交換レンズの間に着脱可能に装着されるアクセサリ装置であって、
    前記撮像装置との間の第1通信と、前記交換レンズとの間の第2通信とを行う通信手段と、
    マニュアルフォーカス操作に関する所定の操作を受け付ける第1操作手段と、
    前記第1操作手段における操作量に対して前記交換レンズのフォーカスレンズの駆動量を有効にする度合いを設定する設定手段と、
    前記所定の操作と設定された前記度合いとに応じて、前記交換レンズのフォーカスレンズの駆動量又は駆動速度を前記第2通信を介して前記交換レンズに伝達する制御手段と、を有することを特徴とするアクセサリ装置。
  2. 前記所定の操作と異なる第1操作を受け付ける第2操作手段を更に有し、
    前記設定手段は、前記第1操作に応じて前記度合いを変更する、ことを特徴とする請求項1に記載のアクセサリ装置。
  3. 前記設定手段は、前記交換レンズ及び前記撮像装置の被写界深度に関する構成に応じて、前記度合いを変更する、ことを特徴とする請求項1に記載のアクセサリ装置。
  4. 前記交換レンズの被写界深度に関する構成は、前記交換レンズの焦点距離又は有効口径を含む、ことを特徴とする請求項3に記載のアクセサリ装置。
  5. 前記撮像装置の被写界深度に関する構成は、前記撮像装置の撮像素子の画素の大きさを含む、ことを特徴とする請求項3に記載のアクセサリ装置。
  6. 前記制御手段は、前記所定の操作と設定された前記度合いとに応じて前記交換レンズのフォーカスレンズの駆動量又は駆動速度を前記交換レンズに伝達する場合、前記第1通信を介して前記撮像装置から受信するフォーカス駆動に関する制御命令を、前記交換レンズに伝達しない、ことを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載のアクセサリ装置。
  7. 前記制御手段は、前記所定の操作を受け付けた後の一定の期間には、前記第1通信を介して前記撮像装置から受信するフォーカス駆動に関する制御命令を、前記交換レンズに伝達しない、ことを特徴とする請求項6に記載のアクセサリ装置。
  8. 前記撮像装置から受信するフォーカス駆動に関する制御命令は、前記交換レンズのフォーカスレンズを駆動する命令又はフォーカスレンズを停止する命令を含む、ことを特徴とする請求項6又は7に記載のアクセサリ装置。
  9. 前記制御手段は、前記所定の操作と設定された前記度合いとに応じて前記交換レンズのフォーカスレンズの駆動量又は駆動速度を前記交換レンズに伝達する場合、前記交換レンズがマニュアルフォーカスの状態であることを、前記第1通信を介して前記撮像装置に通知する、ことを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載のアクセサリ装置。
  10. 前記制御手段は、前記所定の操作と設定された前記度合いとに応じて前記交換レンズのフォーカスレンズの駆動量又は駆動速度を前記交換レンズに伝達する場合、前記第1通信を通信休止にする、ことを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載のアクセサリ装置。
  11. 前記所定の操作は、操作部材を回転させる操作を含む、請求項1から10のいずれか1項に記載のアクセサリ装置。
  12. 前記所定の操作は、操作部材を押下する操作を含む、請求項1から10のいずれか1項に記載のアクセサリ装置。
  13. 撮像装置と交換レンズの間に着脱可能に装着されるアクセサリ装置の制御方法であって、前記アクセサリ装置は、前記撮像装置との間の第1通信と、前記交換レンズとの間の第2通信とを行う通信手段と、マニュアルフォーカス操作に関する所定の操作を受け付ける第1操作手段とを有し、前記制御方法は、
    設定手段により、前記第1操作手段における操作量に対して前記交換レンズのフォーカスレンズの駆動量を有効にする度合いを設定する設定工程と、
    前記第1操作手段により、前記所定の操作を受け付ける第1操作工程と、
    制御手段により、前記所定の操作と設定された前記度合いとに応じて、前記交換レンズのフォーカスレンズの駆動量又は駆動速度を前記第2通信を介して前記交換レンズに伝達する制御工程と、を有することを特徴とするアクセサリ装置の制御方法。
  14. コンピュータを、請求項1から12のいずれか1項に記載のアクセサリ装置の各手段として機能させるためのプログラム。
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