JP2023055662A - 粘着部材 - Google Patents
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Abstract
【課題】被着体との粘着性に優れ、汚染性が抑制された粘着部材を提供する。【解決手段】少なくとも1つの面に複数の凸部を有する基材を備え、前記凸部は、破断強度が18MPa~50MPaであり、かつ25℃のトルエンに24時間浸漬させた後の膨潤率が110%~150%である粘着部材。【選択図】図1
Description
本開示は、粘着部材に関する。
一般的に、基材と被着体とを粘着させる場合、基材面に粘着層を設け、水素結合、イオン結合、電子的相互作用等の被着体との化学的作用により、基材と被着体とを粘着させる。粘着剤としては、例えば、アクリル系粘着剤、シリコーン系粘着剤等が用いられる。
しかしながら、粘着剤を使用して基材と被着体とを粘着させた場合、経時とともに粘着剤が剥がしにくくなったり、加熱した際に粘着剤が剥がしにくくなったりする傾向にある。また、粘着剤を被着体から剥がした際に、被着体に粘着剤が残存してしまうといった問題がある。
そこで、van der Waals力、気圧等の物理的作用を利用して基材と被着体とを粘着させる研究がなされている。物理的作用を利用して基材と被着体とを粘着させる場合、力をかける方向によって粘着力が大きく変化する。そのため、力をかける方向によって強固に粘着したり、容易に剥離したりできる粘着部材、すなわち粘着力に方向依存性を有する粘着部材の研究もなされている。このような粘着部材は、被着体に粘着部材が残らず、再利用も容易である。
ヤモリの足の粘着力が方向依存性を有しており、ヤモリは、その特長を活かして粘着と剥離とを繰り返して歩行していることが知られている。そこで、ヤモリの足表面の微細構造を模倣した人工的な粘着部材の例が幾つか報告されている。
例えば、ヤモリの足表面の微細構造を模倣した人工的な粘着部材として、被着体と接触する側に円柱形状、きのこ形状等の微細な凸部を設けた粘着部材が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に記載されているような円柱形状、きのこ形状等の微細な凸部を設けた粘着部材では、被着体に対する粘着性が充分でない場合又は被着体から粘着部材を剥離した際に凸部の一部が破損して被着体に残存する場合がある。そのため、円柱形状、きのこ形状等の微細な凸部を設けた粘着部材では、粘着性に優れ、かつ被着体から粘着部材を剥離した際に凸部の一部が破損して被着体に残存する性質(以下、「汚染性」)が抑制されていることが望ましい。
本開示は、上記に鑑みてなされたものであり、被着体との粘着性に優れ、汚染性が抑制された粘着部材を提供することを目的とする。
上記課題を解決するための具体的手段は以下の通りである。
<1> 少なくとも1つの面に複数の凸部を有する基材を備え、
前記凸部は、破断強度が18MPa~50MPaであり、かつ25℃のトルエンに24時間浸漬させた後の膨潤率が110%~150%である粘着部材。
<2> 前記凸部は根元部の幅よりも先端部の幅の方が大きい<1>に記載の粘着部材。
<3> 前記基材の1つの面に形成された少なくとも2つの前記凸部の先端部上にまたがって配置され、前記基材における前記複数の凸部を有する面の少なくとも一部を覆う表面層を備え、
前記複数の凸部が形成された底面と、前記表面層における前記底面と対面する面との間に空間が存在する<1>又は<2>に記載の粘着部材。
<4> 前記表面層の厚さが0.1μm~50μmである<3>に記載の粘着部材。
<5> 凸部の根元部の幅が5nm~250μmである<1>~<4>のいずれか1つに記載の粘着部材。
<6> 凸部の根元部の幅に対する凸部の先端部の幅の比は、1.0~1.4である<1>~<5>のいずれか1つに記載の粘着部材。
<7> 凸部間の距離が10nm~500μmである<1>~<6>のいずれか1つに記載の粘着部材。
<8> 凸部の高さが2.5nm~500μmである<1>~<7>のいずれか1つに記載の粘着部材。
<9> 凸部の根元部の幅に対する凸部の高さの比は、0.2~10.0である<1>~<8>のいずれか1つに記載の粘着部材。
<10> 前記凸部は、(メタ)アクリレート化合物、ウレタン(メタ)アクリレート化合物、エポキシ(メタ)アクリレート化合物、及びオレフィン化合物からなる群より選択される少なくとも一つが重合してなる構造を有する樹脂材料から構成される<1>~<9>のいずれか1つに記載の粘着部材。
<1> 少なくとも1つの面に複数の凸部を有する基材を備え、
前記凸部は、破断強度が18MPa~50MPaであり、かつ25℃のトルエンに24時間浸漬させた後の膨潤率が110%~150%である粘着部材。
<2> 前記凸部は根元部の幅よりも先端部の幅の方が大きい<1>に記載の粘着部材。
<3> 前記基材の1つの面に形成された少なくとも2つの前記凸部の先端部上にまたがって配置され、前記基材における前記複数の凸部を有する面の少なくとも一部を覆う表面層を備え、
前記複数の凸部が形成された底面と、前記表面層における前記底面と対面する面との間に空間が存在する<1>又は<2>に記載の粘着部材。
<4> 前記表面層の厚さが0.1μm~50μmである<3>に記載の粘着部材。
<5> 凸部の根元部の幅が5nm~250μmである<1>~<4>のいずれか1つに記載の粘着部材。
<6> 凸部の根元部の幅に対する凸部の先端部の幅の比は、1.0~1.4である<1>~<5>のいずれか1つに記載の粘着部材。
<7> 凸部間の距離が10nm~500μmである<1>~<6>のいずれか1つに記載の粘着部材。
<8> 凸部の高さが2.5nm~500μmである<1>~<7>のいずれか1つに記載の粘着部材。
<9> 凸部の根元部の幅に対する凸部の高さの比は、0.2~10.0である<1>~<8>のいずれか1つに記載の粘着部材。
<10> 前記凸部は、(メタ)アクリレート化合物、ウレタン(メタ)アクリレート化合物、エポキシ(メタ)アクリレート化合物、及びオレフィン化合物からなる群より選択される少なくとも一つが重合してなる構造を有する樹脂材料から構成される<1>~<9>のいずれか1つに記載の粘着部材。
本開示によれば、被着体との粘着性に優れ、汚染性が抑制された粘着部材を提供することができる。
本開示において「~」を用いて表される数値範囲は、「~」の前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む範囲を意味する。
本開示中に段階的に記載されている数値範囲において、1つの数値範囲で記載された上限値又は下限値は、他の段階的な記載の数値範囲の上限値又は下限値に置き換えてもよい。また、本開示中に記載されている数値範囲において、その数値範囲の上限値又は下限値は、実施例に示されている値に置き換えてもよい。
本開示において、「(メタ)アクリレート」とはアクリレート又はメタクリレートを意味する。
本開示中に段階的に記載されている数値範囲において、1つの数値範囲で記載された上限値又は下限値は、他の段階的な記載の数値範囲の上限値又は下限値に置き換えてもよい。また、本開示中に記載されている数値範囲において、その数値範囲の上限値又は下限値は、実施例に示されている値に置き換えてもよい。
本開示において、「(メタ)アクリレート」とはアクリレート又はメタクリレートを意味する。
[粘着部材]
本開示の粘着部材は、少なくとも1つの面に複数の凸部を有する基材を備え、前記凸部は、破断強度が18MPa~50MPaであり、かつ25℃のトルエンに24時間浸漬させた後の膨潤率が110%~150%である。本開示の粘着部材は、破断強度及び膨潤率が前述の数値範囲を満たすことにより、被着体との粘着性に優れ、汚染性が抑制される。
本開示の粘着部材は、少なくとも1つの面に複数の凸部を有する基材を備え、前記凸部は、破断強度が18MPa~50MPaであり、かつ25℃のトルエンに24時間浸漬させた後の膨潤率が110%~150%である。本開示の粘着部材は、破断強度及び膨潤率が前述の数値範囲を満たすことにより、被着体との粘着性に優れ、汚染性が抑制される。
本開示の粘着部材では、凸部は、破断強度が18MPa~50MPaであり、粘着性の観点から、20MPa~48MPaであることが好ましく、20MPa~45MPaであることがより好ましく、20MPa~40MPaであることがさらに好ましい。より具体的には、凸部の破断強度が18MPa以上であることにより、粘着部材は被着体との粘着力に優れ、かつ被着体から粘着部材を剥離した際に粘着部材の一部が破損して被着体に残存すること(汚染性)が抑制される。また、凸部の破断強度が50MPa以下であることにより、粘着部材は被着体との粘着力に優れる。
凸部の破断強度は、粘着部材の凸部又は凸部と同じ材質の部分を切り出して、後述の実施例に記載の方法により測定してもよい。
凸部の破断強度は、粘着部材の凸部又は凸部と同じ材質の部分を切り出して、後述の実施例に記載の方法により測定してもよい。
本開示の粘着部材では、凸部は、25℃のトルエンに24時間浸漬させた後の膨潤率が110%~150%であり、粘着性及び低汚染性の観点から、110%~145%であることが好ましく、115%~140%であることがより好ましく、120%~140%であることがさらに好ましい。より具体的には、凸部の膨張率が110%以上であることにより、粘着部材は被着体との粘着力に優れる。凸部の膨張率が150%以下であることにより、被着体から粘着部材を剥離した際の汚染性が抑制される。
凸部の膨潤率は、粘着部材の凸部又は凸部と同じ材質の部分を切り出して、後述の実施例に記載の方法により測定される値である。
凸部の膨潤率は、粘着部材の凸部又は凸部と同じ材質の部分を切り出して、後述の実施例に記載の方法により測定される値である。
本開示の粘着部材では、凸部は前記破断強度及び膨潤率を満たした上で、粘着性及び加工性の観点から、破断伸度が10%~1000%であることが好ましい。凸部の破断伸度は20%~750%であることがより好ましく、50%~500%であることがさらに好ましい。凸部の破断伸度は破断強度と同様、粘着部材の凸部又は凸部と同じ材質の部分を切り出して、後述の実施例に記載の方法により測定してもよい。
本開示の粘着部材では、凸部は前記破断強度及び膨潤率を満たした上で、粘着部材を室温付近で使用する観点から、硬化後のガラス転移温度が-50℃~50℃であることが好ましく、-20℃~25℃であることがより好ましい。ガラス転移温度が-50℃以上であることにより、粘着部材の使用環境が高温であった際であっても被着体との剥離が容易となる。ガラス転移温度が50℃以下であることにより、被着体との貼り付けの際に加熱等の処理が不要となるか、あるいは、加熱処理の負担を軽減することができる。
凸部のガラス転移温度は、粘着部材の凸部又は凸部と同じ材質の部分を切り出して、熱分析装置DSC(Differential Scanning Calorimetry)で測定することができ、例えば、後述の実施例に記載の方法により測定してもよい。
凸部のガラス転移温度は、粘着部材の凸部又は凸部と同じ材質の部分を切り出して、熱分析装置DSC(Differential Scanning Calorimetry)で測定することができ、例えば、後述の実施例に記載の方法により測定してもよい。
凸部の破断強度及び凸部の膨潤率は、凸部が樹脂材料から構成される場合、樹脂材料の架橋密度を調整することで適宜調整し得る。例えば、凸部を構成する樹脂材料の架橋密度の上昇は、凸部の破断強度を高める傾向にあり、凸部の膨潤率を低下させる傾向にある。一方、凸部を構成する樹脂材料の架橋密度の低下は、凸部の破断強度を低下させる傾向にあり、凸部の膨潤率を高める傾向にある。
凸部の破断強度が18MPa以上、凸部の膨潤率が150%以下であることにより、凹凸形状を有する型(モールド)を用いたインプリント等により、凸部を形成する際に、凸部の先端部が破損しにくくなり、粘着部材の作製時のパターン形状の欠落が抑制されて賦形性に優れる傾向にある。さらに、凹凸形状を有する型に破損したパターン形状の一部が残存することが抑制され、粘着部材の生産性に優れる。
本開示の粘着部材は、凸部が形成されている面側を被着体と接触させることにより、粘着部材を被着体に粘着させることができる。
本開示の粘着部材は、半永久的に被着体との粘着性を維持できるものであってもよく、例えば、厚さ方向、平面方向等にて凸部が非対称な形状を有すること、凸部が根元部、先端部等の異なる部位にて異なる材料で構成されていることなどによって粘着性に異方性を有しているため、特定の方向に力を加えると被着体との粘着が解除されるものであってもよく、粘着部材に紫外線、熱等の刺激を付与したりすることにより、被着体との粘着が解除されるものであってもよい。
粘着部材の形状としては、凸部を被着体と接触させた場合に、被着体との粘着性が発揮可能な形状であれば特に限定されず、例えば、テープ状、シート状及びフィルム状が挙げられる。
本開示の粘着部材の粘着力は、目的、被着体の種類等によって調整されればよく、例えば、0.01N/25mm~50N/25mmであってもよく、0.1N/25mm~30N/25mmであってもよく、0.2N/25mm~20N/25mmであってもよい。一般には、0.1N/25mm~20N/25mmの範囲に調整できると、汎用性が高く使用後の剥離も容易で好ましい。
本開示において、粘着力は被着体に貼り付けられた粘着部材を剥離角度180度で剥離したときの応力をN/25mmに換算した値であり、実施例に記載の方法により測定される。
本開示において、粘着力は被着体に貼り付けられた粘着部材を剥離角度180度で剥離したときの応力をN/25mmに換算した値であり、実施例に記載の方法により測定される。
(基材)
本開示の粘着部材は、少なくとも1つの面に複数の凸部を有する基材を備える。
例えば、少なくとも1つの主面(最も面積が大きい面)に凹凸形状が形成されていてもよく、2つの主面に凹凸形状が形成されていてもよい。
本開示の粘着部材は、少なくとも1つの面に複数の凸部を有する基材を備える。
例えば、少なくとも1つの主面(最も面積が大きい面)に凹凸形状が形成されていてもよく、2つの主面に凹凸形状が形成されていてもよい。
基材における凸部は、特に限定されず、円柱状、円錐状、テーパ状、逆テーパ状、長方体状、多角形柱状、きのこ形状、傘形状、ダンベル形状等の任意の形状を有していてもよい。また、基材における凸部は、その中心軸が鉛直方向に対して傾斜していてもよい。
凸部を平面視した際の形状は特に限定されず、例えば、円形、楕円形、三角形、正方形、ひし形、長方形、帯状、六角形等の多角形、星形、格子状等の規則的な形状であってもよく、不規則な形状であってもよい。
基材における凸部は根元部の幅よりも先端部の幅の方が大きくてもよく、具体的には逆テーパ状、きのこ形状、傘形状、等により根元部の幅よりも先端部の幅の方が大きくてもよい。例えば、凸部がきのこ形状、傘形状等である場合、先端部の付け根箇所に応力が集中して破断する起点となりやすいが、凸部の破断強度及び凸部の膨潤率が前述の数値範囲を満たすことにより、破断が抑制される傾向にある。
なお、凸部は根元部の幅よりも先端部の幅の方が小さくてもよく、根元部の幅と先端部の幅が同じであってもよい。
なお、凸部は根元部の幅よりも先端部の幅の方が小さくてもよく、根元部の幅と先端部の幅が同じであってもよい。
凸部の先端部は、繊維状になっていてもよく、複数の凹凸が形成されていてもよい。
凸部の根元部の幅は、5nm~250μmであってもよく、0.5μm~250μmであってもよく、5μm~50μmであってもよい。
本開示において、凸部の根元部の幅とは、凸部の底部の周囲を2つの平行な面で挟んだときに場合に、面間距離が最大となる長さを指す。
凸部が、例えば、円柱状又は円錐状の場合、底部の直径が凸部の根元部の幅に相当し、直方体状の場合、底部の対角線の長さが凸部の根元部の幅に相当し、三角柱状の場合、底部のある一辺と、当該ある一辺を構成していない頂点との距離の最大値が凸部の根元部の幅に相当する。
本開示において、凸部の根元部の幅とは、凸部の底部の周囲を2つの平行な面で挟んだときに場合に、面間距離が最大となる長さを指す。
凸部が、例えば、円柱状又は円錐状の場合、底部の直径が凸部の根元部の幅に相当し、直方体状の場合、底部の対角線の長さが凸部の根元部の幅に相当し、三角柱状の場合、底部のある一辺と、当該ある一辺を構成していない頂点との距離の最大値が凸部の根元部の幅に相当する。
凸部の先端部の幅は、5nm~350μmであってもよく、0.5μm~250μmであってもよく、6μm~60μmであってもよい。
本開示において、凸部の先端部の幅とは、凸部の頂部の周囲を2つの平行な面で挟んだときに場合に、面間距離が最大となる長さを指す。
本開示において、凸部の先端部の幅とは、凸部の頂部の周囲を2つの平行な面で挟んだときに場合に、面間距離が最大となる長さを指す。
凸部の根元部の幅に対する凸部の先端部の幅の比(凸部の先端部の幅/凸部の根元部の幅)は、1.0~1.5であってもよく、1.05~1.4であってもよく、1.05~1.2であってもよい。
基材における凸部間の距離は、10nm~500μmであってもよく、1μm~500μmであってもよく、10μm~100μmであってもよい。
本開示において、凸部間の距離とは、隣接する凸部のうち、2つの凸部の中心間距離を指す。
本開示において、凸部間の距離とは、隣接する凸部のうち、2つの凸部の中心間距離を指す。
基材における凸部の高さは、2.5nm~500μmであってもよく、0.5μm~250μmであってもよく、5μm~50μmであってもよい。
凸部の根元部の幅に対する凸部の高さの比(凸部の高さ/凸部の根元部の幅)は、0.2~10.0であってもよく、0.3~3.0であってもよく、0.5~2.0であってもよい。
凸部の根元部の幅に対する凸部間の距離の比(凸部間の距離/凸部の根元部の幅)は、0.05~20であることが好ましく、0.1~10であることがより好ましく、0.5~5であることがさらに好ましい。
平面視において、粘着部材における凸部が占める領域は、凸部が形成された面全体(凸部が占める領域も含む)に対して5%~80%であってもよく、10%~70%であってもよく、20%~60%であってもよい。
基材は、複数の凸部と複数の凸部が形成された基部とを備えていればよく、凸部を構成する材料と、基部を構成する材料とは同じであってもよく、異なっていてもよい。凸部を構成する材料と、基部を構成する材料とが同じである場合には、例えば、凹凸形状を有する型(モールド)を用いたインプリント等により基材に凸部を設けることで粘着部材を形成してもよい。凸部を構成する材料と、基部を構成する材料とが異なる場合には、基部に別途凸部を配置することで粘着部材を形成してもよい。
また、凸部は1つの材料で構成されていてもよく、目的に応じて複数の材料を組み合わせて構成されていてもよい。例えば、凸部の根元部を構成する材料と先端部を構成する材料が異なっていてもよい。
また、凸部は1つの材料で構成されていてもよく、目的に応じて複数の材料を組み合わせて構成されていてもよい。例えば、凸部の根元部を構成する材料と先端部を構成する材料が異なっていてもよい。
基材を構成する材料、つまり、基部を構成する材料及び凸部を構成する材料は、それぞれ独立に樹脂材料等が挙げられる。基部を構成する材料は特に限定されず、凸部を構成する材料は破断強度及び膨潤率が前述の数値範囲を満たす材料であれば特に限定されない。
樹脂材料としては、例えば、オレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリイミド樹脂、シリコーン系樹脂、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、アミド系樹脂、エステル系樹脂及びカーボネート系樹脂等の樹脂が挙げられる。
樹脂材料は、粘着部材の粘着性の観点から、(メタ)アクリレート化合物、ウレタン(メタ)アクリレート化合物、エポキシ(メタ)アクリレート化合物、及びオレフィン化合物からなる群より選択される少なくとも一つが重合してなる構造を有することが好ましく、2官能又は3官能の(メタ)アクリレート化合物、2官能又は3官能のウレタン(メタ)アクリレート化合物及び2官能又は3官能のエポキシ(メタ)アクリレート化合物からなる群より選択される少なくとも一つが重合してなる構造を有することがより好ましい。
樹脂材料は、架橋構造を有していてもよい。架橋構造は、化学反応により共有結合が形成され分子同士が結合する化学架橋であってもよく、水素結合等の共有結合以外の弱い物理的な力により結合する物理架橋であってもよい。例えば、(メタ)アクリレート化合物、ウレタン(メタ)アクリレート化合物及びエポキシ(メタ)アクリレート化合物からなる群より選択される少なくとも一つが重合することで化学架橋が形成されていてもよい。
樹脂材料が架橋構造を有しているか否かは、例えば、IR(赤外分光)分析、微小領域の機械特性評価(例えば、ナノインデンテーション法)等により確認できる。
樹脂材料が架橋構造を有しているか否かは、例えば、IR(赤外分光)分析、微小領域の機械特性評価(例えば、ナノインデンテーション法)等により確認できる。
また、凸部は、UV(紫外線)、熱等の刺激を与えることにより化学構造が変化する刺激応答性を有する物質を含んでいてもよい。これにより、例えば、粘着部材における基材にUV、熱等の刺激を与えることにより、被着体との粘着が解除される構成とすることができる。
本開示の粘着部材は、基材の1つの面に形成された少なくとも2つの凸部の先端部上にまたがって配置され、基材における複数の凸部を有する面の少なくとも一部を覆う表面層を備えていてもよい。例えば、基材における10個以上の凸部の先端部上にまたがって配置されていてもよい。さらに、複数の凸部が形成された底面と、表面層における底面と対面する面との間に空間が存在していてもよい。
粘着部材が表面層を備える場合、1つの面に配置された全ての凸部が表面層によって覆われている必要はなく、少なくとも2つの凸部が表面層に覆われていてもよい。また、1つの面に少なくとも2つの凸部を覆う表面層が複数独立して配置されていてもよい。
表面層の厚さに対する基材における凸部の高さの比(凸部の高さ/表面層の厚さ)は、0.2~5000であることが好ましく、0.5~1000であることがより好ましく、1.0~500であることがさらに好ましい。
表面層の厚さは、被着体との粘着性をより高める点から、0.1μm~50μmであることが好ましく、3μm~20μmであることがより好ましく、5μm~15μmであることがさらに好ましい。
表面層に含まれる材料は、特に限定されず、オレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリイミド樹脂、シリコーン系樹脂、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、アミド系樹脂、エステル系樹脂及びカーボネート系樹脂等の樹脂が挙げられる。中でも、被着体との粘着性により優れる点から、オレフィン系樹脂又はシリコーン系樹脂が好ましい。
前述の基材と表面層とが、同じ材料を含んでいてもよい。
前述の基材と表面層とが、同じ材料を含んでいてもよい。
表面層は、凸部の形状保持、べたつき抑制、粘着力の安定性、使用後の易剥離性及び剥離後の被着体への低汚染の観点から、弾性率が高く、かつタック性が低い材料から形成されていることが好ましい。
前述の表面層の25℃における貯蔵弾性率は、1MPa~1GPaであることが好ましく、5MPa~1GPaであることがより好ましく、10MPa~50MPaであることがさらに好ましい。また、表面層の25℃における貯蔵弾性率は、基材の25℃における貯蔵弾性率よりも小さいことが好ましい。
表面層の貯蔵弾性率は、以下のようにして測定される。まず、表面層に含まれる材料からなる試験片、例えば、幅3mm×長さ5cm×厚さ50μmの試験片を準備する。固体粘弾性測定装置(例えば、RSA-III、ティー・エイ・インスツルメント・ジャパン(株)製)を用いる。試験片をチャック間20mmで冶具にセットし、窒素環境下、-50℃から100℃まで3℃/分の速度で昇温しながら、測定周波数1Hzで貯蔵弾性率E’を引張モードにて測定することにより、表面層に含まれる材料の25℃における貯蔵弾性率E’を求める。
表面層の貯蔵弾性率は、以下のようにして測定される。まず、表面層に含まれる材料からなる試験片、例えば、幅3mm×長さ5cm×厚さ50μmの試験片を準備する。固体粘弾性測定装置(例えば、RSA-III、ティー・エイ・インスツルメント・ジャパン(株)製)を用いる。試験片をチャック間20mmで冶具にセットし、窒素環境下、-50℃から100℃まで3℃/分の速度で昇温しながら、測定周波数1Hzで貯蔵弾性率E’を引張モードにて測定することにより、表面層に含まれる材料の25℃における貯蔵弾性率E’を求める。
表面層のタック力は、25N/cm2以下であることが好ましく、20N/cm2以下であることがより好ましく、10N/cm2以下であることがさらに好ましい。前述の表面層のタック力は、0.1N/cm2以上であってもよく、0.3N/cm2以上であってもよい。
表面層のタック力は、以下のようにして測定される。
まず、表面層に含まれる材料からなる試験片、例えば、幅2.5cm×長さ7cm×厚さ50μmの試験片を準備する。タッキング試験機(例えば、TAC-II、(株)レスカ製)を用いる。室温(25℃)下、試験片の表面に、直径5mmのステンレス製円柱状プローブを120mm/分の速度で接触させ、200N/cm2の荷重を1秒間かけた後、プローブを垂直方向に120mm/分の速度で引き剥がす。このときにプローブが受けた抵抗値(荷重値)を測定することにより、表面層に含まれる材料の25℃におけるタック力を求める。
表面層のタック力は、以下のようにして測定される。
まず、表面層に含まれる材料からなる試験片、例えば、幅2.5cm×長さ7cm×厚さ50μmの試験片を準備する。タッキング試験機(例えば、TAC-II、(株)レスカ製)を用いる。室温(25℃)下、試験片の表面に、直径5mmのステンレス製円柱状プローブを120mm/分の速度で接触させ、200N/cm2の荷重を1秒間かけた後、プローブを垂直方向に120mm/分の速度で引き剥がす。このときにプローブが受けた抵抗値(荷重値)を測定することにより、表面層に含まれる材料の25℃におけるタック力を求める。
本開示の粘着部材が表面層を備える場合、凸部の根元部の幅及び凸部の先端部の幅は、それぞれ独立に、0.5μm~200μmであってもよく、0.5μm~100μmであってもよく、1μm~20μmであってもよく、2μm~10μmであってもよい。
本開示の粘着部材が表面層を備える場合、凸部間の距離は、0.1μm~500μmであってもよく、1μm~100μmであってもよく、2μm~50μmであってもよい。この場合に、凸部間の距離とは、隣接する凸部のうち、2つの凸部の中心間距離を指す。
本開示の粘着部材が表面層を備える場合、凸部の高さは、0.1μm~200μmであってもよく、1μm~100μmであってもよく、2μm~50μmであってもよい。
本開示の粘着部材が表面層を備える場合、凸部の根元部の幅又は凸部の先端部の幅に対する凸部の高さの比(凸部の高さ/凸部の根元部の幅、又は、凸部の高さ/凸部の先端部の幅)は、それぞれ独立に、1~15であってもよく、1.5~10であってもよく、2~5であってもよい。凸部の根元部の幅又は凸部の先端部の幅に対する凸部の高さの比が1以上であることにより、被着体との粘着性により優れる傾向にあり、凸部の根元部の幅又は凸部の先端部の幅に対する凸部の高さの比が15以下であることにより、凸部の強度に優れる傾向にある。
本開示の粘着部材が表面層を備える場合、凸部の根元部の幅又は凸部の先端部の幅に対する凸部間の距離の比(凸部間の距離/凸部の根元部の幅、又は、凸部間の距離/凸部の先端部の幅)は、0.05~10であってもよく、0.1~5であってもよく、0.2~2であってもよい。
本開示の粘着部材が表面層を備える場合、凸部の底面が占める領域の面積に対する、表面層面積全体(凸部が占める領域も含む)の比は、粘着部材の粘着性及び粘着部材の形状保持性の観点から、1~100であってもよく、1.5~50であってもよく、2~20であってもよい。
本開示の粘着部材が表面層を備える場合、凸部が形成された面全体に凸部の高さを乗じてなる領域において、凸部の占める割合(体積比)は、粘着部材の粘着性及び粘着部材の形状保持性の観点から、0.0001~0.5であってもよく、0.02~0.4であってもよく、0.05~0.33であってもよい。
本開示の粘着部材の実施形態を、図面を参照しながら説明するが、本開示はこれらの実施形態に限定されるものではない。また、各図における部材の大きさは概念的なものであり、部材間の大きさの相対的な関係はこれに限定されない。
(第一実施形態)
図1に示す第一実施形態の粘着部材10では、基部1の1つの面に複数の凸部2が形成されている。複数の凸部2は、破断強度が18MPa~50MPaであり、かつ25℃のトルエンに24時間浸漬させた後の膨潤率が110%~150%である。
図1に示す第一実施形態の粘着部材10では、基部1の1つの面に複数の凸部2が形成されている。複数の凸部2は、破断強度が18MPa~50MPaであり、かつ25℃のトルエンに24時間浸漬させた後の膨潤率が110%~150%である。
(第二実施形態)
図2に示す第二実施形態の粘着部材20では、基部1の1つの面に複数の凸部2が形成されており、凸部2の先端部3の幅は、凸部2の根元部の幅よりも大きくなっており、凸部全体の形状がきのこ形状となっている。
図2に示す第二実施形態の粘着部材20では、基部1の1つの面に複数の凸部2が形成されており、凸部2の先端部3の幅は、凸部2の根元部の幅よりも大きくなっており、凸部全体の形状がきのこ形状となっている。
(第三実施形態)
図3に示す第三実施形態の粘着部材30では、基部1の1つの面に複数の凸部2が形成されており、複数の凸部2の先端部をまたがって表面層4が形成されている。さらに、複数の凸部2が形成された底面と、表面層4における底面と対面する面との間に空間5が存在している。
図3に示す第三実施形態の粘着部材30では、基部1の1つの面に複数の凸部2が形成されており、複数の凸部2の先端部をまたがって表面層4が形成されている。さらに、複数の凸部2が形成された底面と、表面層4における底面と対面する面との間に空間5が存在している。
本開示の粘着部材では、凸部が形成された面全体に対する凸部が占める領域の割合を調整することで被着体に対する粘着性を調整することができる。例えば、凸部の幅を小さくしたり、凸部の配置を疎にしたりすることで、凸部の幅を大きくしたり、凸部の配置を密にしたりした場合と比較して、表面層における被着体に対する粘着性を高めることができる。より具体的には、図4の(a)に示すように凸部2の幅をより小さくして凸部2の占める割合をより小さくすることで、図4の(b)に示すように凸部2の幅をより大きくして凸部2の占める割合をより大きくした場合よりも、粘着部材の被着体に対する粘着性を高めることができる。
凸部の配置は、特に限定されず、凸部間の距離が好ましい範囲にあれば、四角格子状、三角格子状、同一円周状等の周期的な配置でも、不規則な配置でも構わない。図5の(a)に示すように隣接する凸部2がほぼ等間隔となるように配置してもよい。また、図5の(a)に示すように凸部2の配置が均等なされていてもよく、図5の(b)に示すように凸部2の配置(図中では、六角形状の配置)に局所的な粗密があってもよい。
以下、本開示の粘着部材の変形例について図6を用いて説明する。以下の変形例では、複数の凸部2の先端部をまたがって表面層4が形成されている例について説明する。
(変形例1)
変形例1の粘着部材は、表面層の面(主面)及び基材面(主面)の両面が被着体と粘着する構成である場合、図6の(a)に示すように、表面層4の面の厚さを基部1の面の厚さよりも小さくして表面層4の粘着性及び基部1の粘着性に差を持たせてもよい。面の厚さを小さくすることで被着体との粘着性が向上する傾向にあるため、図6の(a)に示すような構成では、表面層4の粘着性が基部1の粘着性よりも高くなる傾向にある。
変形例1の粘着部材は、表面層の面(主面)及び基材面(主面)の両面が被着体と粘着する構成である場合、図6の(a)に示すように、表面層4の面の厚さを基部1の面の厚さよりも小さくして表面層4の粘着性及び基部1の粘着性に差を持たせてもよい。面の厚さを小さくすることで被着体との粘着性が向上する傾向にあるため、図6の(a)に示すような構成では、表面層4の粘着性が基部1の粘着性よりも高くなる傾向にある。
(変形例2)
また、変形例2の粘着部材は、図6の(b)に示すように、基部1の2つの主面に複数の凸部2がそれぞれ形成され、かつ、複数の凸部2を覆う表面層4、6が基部1の2つの主面上に配置された構成であってもよい。このとき、基部1の一方の主面における複数の凸部2の配置と、基部1の他方の主面における複数の凸部2の配置をそれぞれ異なるものとし、2つの表面層4、6の粘着性に差を持たせてもよい。例えば、凸部2の間隔を大きくして凸部2を疎に配置した側の表面層6は、凸部2の間隔を小さくして凸部2を密に配置した側の表面層4と比較して、被着体との粘着性が向上する傾向にある。そのため、図6の(b)に示すような構造では、凸部2を疎に配置した側の表面層6は、凸部2を密に配置した側の表面層4よりも被着体との粘着性が向上する傾向にある。
また、変形例2の粘着部材にて表面層4、6が設けられておらず、基部1の2つの主面に複数の凸部2がそれぞれ形成された構成であってもよい。
また、変形例2の粘着部材は、図6の(b)に示すように、基部1の2つの主面に複数の凸部2がそれぞれ形成され、かつ、複数の凸部2を覆う表面層4、6が基部1の2つの主面上に配置された構成であってもよい。このとき、基部1の一方の主面における複数の凸部2の配置と、基部1の他方の主面における複数の凸部2の配置をそれぞれ異なるものとし、2つの表面層4、6の粘着性に差を持たせてもよい。例えば、凸部2の間隔を大きくして凸部2を疎に配置した側の表面層6は、凸部2の間隔を小さくして凸部2を密に配置した側の表面層4と比較して、被着体との粘着性が向上する傾向にある。そのため、図6の(b)に示すような構造では、凸部2を疎に配置した側の表面層6は、凸部2を密に配置した側の表面層4よりも被着体との粘着性が向上する傾向にある。
また、変形例2の粘着部材にて表面層4、6が設けられておらず、基部1の2つの主面に複数の凸部2がそれぞれ形成された構成であってもよい。
(変形例3)
また、変形例3の粘着部材は、図6の(c)に示すように、表面層4における被着体と接触する側の面に表面加工されてなる表面加工部7を備えていてもよい。表面加工部7としては、被着体との粘着性がより向上する形状を有することが好ましく、ナノスケール又はマイクロスケールの微細な凹凸形状等を有していてもよく、具体的には、「日東電工技報90号、2009年、vol.47、カーボンナノチューブを用いたヤモリテープ」に示されているような形状を有していてもよい。
また、変形例3の粘着部材は、図6の(c)に示すように、表面層4における被着体と接触する側の面に表面加工されてなる表面加工部7を備えていてもよい。表面加工部7としては、被着体との粘着性がより向上する形状を有することが好ましく、ナノスケール又はマイクロスケールの微細な凹凸形状等を有していてもよく、具体的には、「日東電工技報90号、2009年、vol.47、カーボンナノチューブを用いたヤモリテープ」に示されているような形状を有していてもよい。
(変形例4)
また、変形例4の粘着部材は、図6の(d)に示すように、基部1を構成する樹脂材料及び凸部2を構成する樹脂材料が架橋構造を有していてもよい。変形例4の粘着部材は、耐熱性、耐久性、機械強度等に優れる傾向にある。
また、変形例4の粘着部材は、図6の(d)に示すように、基部1を構成する樹脂材料及び凸部2を構成する樹脂材料が架橋構造を有していてもよい。変形例4の粘着部材は、耐熱性、耐久性、機械強度等に優れる傾向にある。
(変形例5)
また、変形例5の粘着部材は、図6の(e)に示すように、基部1における凸部2の中心軸が鉛直方向に対して傾斜している構成であってもよい。これにより、特定方向の力に対する被着体の粘着性を高めることが可能である。
また、変形例5の粘着部材は、図6の(e)に示すように、基部1における凸部2の中心軸が鉛直方向に対して傾斜している構成であってもよい。これにより、特定方向の力に対する被着体の粘着性を高めることが可能である。
以下、本開示の粘着部材を製造する製造方法の一例である粘着部材の製造方法1及び粘着部材の製造方法2について説明する。本開示の粘着部材を製造する製造方法は、以下に説明する製造方法に限定されない。
[粘着部材の製造方法1]
粘着部材の製造方法1は、熱硬化性樹脂を含む樹脂組成物を準備する工程(以下、「工程Ia」と称する。)と、前記樹脂組成物を凹凸形状を有する型(モールド)上に塗布する工程(以下、「工程IIa」と称する。)と、前記型上に塗布された樹脂組成物を硬化させる工程(以下、「工程IIIa」と称する。)と、樹脂組成物を硬化させて得られた硬化物を前記型から剥離する工程(以下、「工程IVa」と称する。)とを含む。
粘着部材の製造方法1は、熱硬化性樹脂を含む樹脂組成物を準備する工程(以下、「工程Ia」と称する。)と、前記樹脂組成物を凹凸形状を有する型(モールド)上に塗布する工程(以下、「工程IIa」と称する。)と、前記型上に塗布された樹脂組成物を硬化させる工程(以下、「工程IIIa」と称する。)と、樹脂組成物を硬化させて得られた硬化物を前記型から剥離する工程(以下、「工程IVa」と称する。)とを含む。
(工程Ia)
工程Iaは、熱硬化性樹脂を含む樹脂組成物を準備する工程である。例えば、熱硬化性樹脂を必要に応じて開始剤、添加剤等と混合することで樹脂組成物を調製すればよい。熱硬化性樹脂の種類は特に限定されず、例えば、2官能又は3官能の(メタ)アクリレート、2官能又は3官能のエポキシ(メタ)アクリレート、2官能又は3官能のウレタン(メタ)アクリレート、エポキシオリゴマー、オキセタンオリゴマーなどが挙げられる。熱硬化性樹脂は1種であっても、2種以上の併用であってもよい。
工程Iaは、熱硬化性樹脂を含む樹脂組成物を準備する工程である。例えば、熱硬化性樹脂を必要に応じて開始剤、添加剤等と混合することで樹脂組成物を調製すればよい。熱硬化性樹脂の種類は特に限定されず、例えば、2官能又は3官能の(メタ)アクリレート、2官能又は3官能のエポキシ(メタ)アクリレート、2官能又は3官能のウレタン(メタ)アクリレート、エポキシオリゴマー、オキセタンオリゴマーなどが挙げられる。熱硬化性樹脂は1種であっても、2種以上の併用であってもよい。
(工程IIa)
工程IIaは、工程Iaにて準備された樹脂組成物を凹凸形状を有する型(モールド)上に塗布する工程である。樹脂組成物を前記型の上に塗布する方法としては、特に限定されず、例えば、スピンコート、ダイコート、スリットコート、インクジェット、ディップコート等の公知の塗布方法が挙げられる。
工程IIaは、工程Iaにて準備された樹脂組成物を凹凸形状を有する型(モールド)上に塗布する工程である。樹脂組成物を前記型の上に塗布する方法としては、特に限定されず、例えば、スピンコート、ダイコート、スリットコート、インクジェット、ディップコート等の公知の塗布方法が挙げられる。
(工程IIIa)
工程IIIaは、前記型の上に塗布された樹脂組成物を硬化させる工程である。この工程では、樹脂組成物に含まれる熱硬化性樹脂を硬化温度まで加熱して熱硬化性樹脂を熱重合させてもよく、樹脂組成物に紫外線等を照射して熱硬化性樹脂を光重合させてもよい。この工程では、樹脂組成物の加熱及び樹脂組成物への紫外線照射を組み合わせてもよい。
工程IIIaは、前記型の上に塗布された樹脂組成物を硬化させる工程である。この工程では、樹脂組成物に含まれる熱硬化性樹脂を硬化温度まで加熱して熱硬化性樹脂を熱重合させてもよく、樹脂組成物に紫外線等を照射して熱硬化性樹脂を光重合させてもよい。この工程では、樹脂組成物の加熱及び樹脂組成物への紫外線照射を組み合わせてもよい。
凹凸形状を有する型の材質は、特に限定されず、例えば、シリコン、ニッケル、樹脂等が挙げられる。微細な構造を形成できるという観点から、凹凸形状を有する型は、リソグラフィーで作製された型を用いることが好ましい。凹凸形状は粘着部材の粘着性、加工性等を鑑みて公知の形状を参考に自由に選択できる。
(工程IVa)
工程IVaは、樹脂組成物を硬化させて得られた硬化物を前記型から剥離する工程である。硬化物に転写された前記型の形状が、保持されているため、剥離された硬化物の表面には、転写された前記型の形状、すなわち、複数の凸部が形成されている。これにより、基部の1つの面に複数の凸部が形成された硬化物が粘着部材として得られる。
工程IVaは、樹脂組成物を硬化させて得られた硬化物を前記型から剥離する工程である。硬化物に転写された前記型の形状が、保持されているため、剥離された硬化物の表面には、転写された前記型の形状、すなわち、複数の凸部が形成されている。これにより、基部の1つの面に複数の凸部が形成された硬化物が粘着部材として得られる。
[粘着部材の製造方法2]
粘着部材の製造方法2は、熱可塑性樹脂により構成される基材を準備する工程(以下、「工程Ib」と称する。)と、前記基材を前記基材を構成する熱可塑性樹脂の軟化点以上の温度に加熱する工程(以下、「工程IIb」と称する。)と、加熱した前記基材に凹凸形状を有する型を押し付けた後、前記熱可塑性樹脂の軟化点以下の温度、好ましくは軟化点未満の温度まで前記基材を冷却する工程(以下、「工程IIIb」と称する。)と、冷却した前記基材を前記型から剥離する工程(以下、「工程IVb」と称する。)と、複数の凸部を有する基材を構成する熱可塑性樹脂を架橋硬化させる工程(以下、「工程Vb」と称する。)と、を含む。
粘着部材の製造方法2は、熱可塑性樹脂により構成される基材を準備する工程(以下、「工程Ib」と称する。)と、前記基材を前記基材を構成する熱可塑性樹脂の軟化点以上の温度に加熱する工程(以下、「工程IIb」と称する。)と、加熱した前記基材に凹凸形状を有する型を押し付けた後、前記熱可塑性樹脂の軟化点以下の温度、好ましくは軟化点未満の温度まで前記基材を冷却する工程(以下、「工程IIIb」と称する。)と、冷却した前記基材を前記型から剥離する工程(以下、「工程IVb」と称する。)と、複数の凸部を有する基材を構成する熱可塑性樹脂を架橋硬化させる工程(以下、「工程Vb」と称する。)と、を含む。
(工程Ib)
工程Ibは、熱可塑性樹脂により構成される基材を準備する工程である。粘着部材の製造方法2では、熱可塑性樹脂により構成される基材が粘着部材の基部及び複数の凸部となる部材である。熱可塑性樹脂としては、加熱により軟化する樹脂であれば特に限定されず、前述した樹脂のうち、熱可塑性を示すものを用いればよい。
工程Ibは、熱可塑性樹脂により構成される基材を準備する工程である。粘着部材の製造方法2では、熱可塑性樹脂により構成される基材が粘着部材の基部及び複数の凸部となる部材である。熱可塑性樹脂としては、加熱により軟化する樹脂であれば特に限定されず、前述した樹脂のうち、熱可塑性を示すものを用いればよい。
(工程IIb)
工程IIbは、前記基材を前記基材を構成する熱可塑性樹脂の軟化点以上の温度に加熱する工程である。工程IIbにおいて、基材を加熱する方法としては、例えば、ホットプレートのような高温の板面に基材を接触させて加温する方法、温調ロールに基材を接触させて加温する方法、繰り出し基材フィルムに熱を加えて加温する方法等が挙げられる。
工程IIbは、前記基材を前記基材を構成する熱可塑性樹脂の軟化点以上の温度に加熱する工程である。工程IIbにおいて、基材を加熱する方法としては、例えば、ホットプレートのような高温の板面に基材を接触させて加温する方法、温調ロールに基材を接触させて加温する方法、繰り出し基材フィルムに熱を加えて加温する方法等が挙げられる。
熱可塑性樹脂の軟化点は、熱機械分析装置(TMA-50、(株)島津製作所製)を用いて測定される値であり、熱可塑性樹脂の基材を幅5mm×長さ15mmの大きさに切り、試験片とし、10℃から250℃まで5℃/分の速度で昇温して、ガラス転移温度前後でのTMA曲線の接線の交点から、求められるTMA軟化温度(軟化点)である。
基材の加熱温度は、基材に含まれる熱可塑性樹脂の軟化点以上の温度であれば、特に限定されず、軟化点の温度よりも高すぎると、工程IIIbにおいて基材を冷却した際に、熱可塑性樹脂の収縮率が高くなり、良好な形状精度を得ることが困難となる場合がある。このような点から、基材の加熱温度は、熱可塑性樹脂の軟化点+200℃以下であることが好ましく、熱可塑性樹脂の軟化点+100℃以下であることがより好ましい。
基材の加熱温度は、基材に含まれる熱可塑性樹脂の軟化点以上の温度であれば、特に限定されず、軟化点の温度よりも高すぎると、工程IIIbにおいて基材を冷却した際に、熱可塑性樹脂の収縮率が高くなり、良好な形状精度を得ることが困難となる場合がある。このような点から、基材の加熱温度は、熱可塑性樹脂の軟化点+200℃以下であることが好ましく、熱可塑性樹脂の軟化点+100℃以下であることがより好ましい。
(工程IIIb)
工程IIIbは、工程IIbにて加熱した基材に凹凸形状を有する型(モールド)を押し付けた後、熱可塑性樹脂の軟化点以下の温度、好ましくは軟化点未満の温度まで冷却する工程である。
工程IIIbでは、例えば、工程IIbにて加熱されて軟化した熱可塑性樹脂により構成される基材に、凹凸形状を有する型を押し付け、一定時間加圧保持することにより、前記型の形状(パターン)を基材に転写し、前記型の形状に対応した凹凸形状を基材に形成する。また、工程IIIbでは、前記型を保持した温調ロールを用いることで、熱可塑性樹脂の軟化とパターンの転写を同時に行うこともできる。その後、基材と前記型とを軟化点以下の温度に冷却することで、軟化した熱可塑性樹脂を固化させる。
工程IIIbは、工程IIbにて加熱した基材に凹凸形状を有する型(モールド)を押し付けた後、熱可塑性樹脂の軟化点以下の温度、好ましくは軟化点未満の温度まで冷却する工程である。
工程IIIbでは、例えば、工程IIbにて加熱されて軟化した熱可塑性樹脂により構成される基材に、凹凸形状を有する型を押し付け、一定時間加圧保持することにより、前記型の形状(パターン)を基材に転写し、前記型の形状に対応した凹凸形状を基材に形成する。また、工程IIIbでは、前記型を保持した温調ロールを用いることで、熱可塑性樹脂の軟化とパターンの転写を同時に行うこともできる。その後、基材と前記型とを軟化点以下の温度に冷却することで、軟化した熱可塑性樹脂を固化させる。
凹凸形状を有する型を基材に押し付ける際の圧力(プレス圧)は、特に限定されず、状況に応じて、適宜設定することができる。
凹凸形状を有する型は、熱可塑性樹脂により構成される基材と同様に加熱されてもよい。
凹凸形状を有する型は、熱可塑性樹脂により構成される基材と同様に加熱されてもよい。
基材の冷却温度は、熱可塑性樹脂の軟化点以下の温度であれば、特に限定されない。基材の冷却温度は、成形性の観点から、熱可塑性樹脂の軟化点よりも5℃以上低い温度であることが好ましく、熱可塑性樹脂の軟化点よりも10℃以上低い温度であることがより好ましく、室温であることがさらに好ましい。
凹凸形状を有する型の材質は、特に限定されず、例えば、シリコン、ニッケル、樹脂等が挙げられる。微細な構造を形成できるという点から、凹凸形状を有する型は、リソグラフィーで作製された型であることが好ましい。凹凸形状は粘着部材の粘着性、加工性等を鑑みて公知の形状を参考に自由に選択できる。
(工程IVb)
工程IVbは、工程IIIbにて冷却した熱可塑性樹脂の基材を凹凸形状を有する型から剥離する工程である。軟化した熱可塑性樹脂により構成される基材に転写された前記型の形状が、冷却による熱可塑性樹脂の固化により保持されているため、剥離された基材の表面には、転写された前記型の形状、すなわち、複数の凸部が形成されている。
工程IVbは、工程IIIbにて冷却した熱可塑性樹脂の基材を凹凸形状を有する型から剥離する工程である。軟化した熱可塑性樹脂により構成される基材に転写された前記型の形状が、冷却による熱可塑性樹脂の固化により保持されているため、剥離された基材の表面には、転写された前記型の形状、すなわち、複数の凸部が形成されている。
工程IIIbにおいて、基材及び前記型を熱可塑性樹脂の軟化点以下に冷却せずに、工程IVbにおいて、加熱温度に近い温度で基材を前記型から剥離しようとすると、基材と前記型との間の剥離性が十分でなく、また、樹脂は容易に変形するため、転写された形状が壊れるおそれがある。一方、基材と前記型とを、熱可塑性樹脂の軟化点以下に十分に冷却した後に剥離させることで、前記型の形状が正確に転写され、寸法安定性が保持されやすく、また、剥離の際に基材と前記型との動きのぶれによる凸部の変形が生じにくく、優れた成形性が担保される。
(工程Vb)
工程Vbは、工程IVbで得られた複数の凸部を有する基材を構成する熱可塑性樹脂を架橋硬化させる工程である。架橋硬化させる方法は特に限定されず、UV照射、加熱等の公知の方法により実施される。UVの波長及び照射量、加熱硬化の温度及び加熱時間等は、用いる開始剤、架橋剤等に応じて適切に設定できる。これにより、基部の1つの面に複数の凸部が形成された粘着部材が得られる。
工程Vbは、工程IVbで得られた複数の凸部を有する基材を構成する熱可塑性樹脂を架橋硬化させる工程である。架橋硬化させる方法は特に限定されず、UV照射、加熱等の公知の方法により実施される。UVの波長及び照射量、加熱硬化の温度及び加熱時間等は、用いる開始剤、架橋剤等に応じて適切に設定できる。これにより、基部の1つの面に複数の凸部が形成された粘着部材が得られる。
粘着部材の製造方法1及び粘着部材の製造方法2は、本発明の効果を損なわない範囲で、必要に応じて、上記以外の他の工程を含んでいてもよい。他の工程としては、特に限定されるものではなく、目的に応じて適宜選択することができる。
例えば、他の工程としては、粘着部材がシート状である場合、粘着部材の巻き取り時のブロッキングを防止するために、粘着部材に離型フィルムを貼合する工程、粘着部材において、複数の凸部を有する面又はその反対側の面に、支持体等を貼合する工程などが挙げられる。
例えば、他の工程としては、粘着部材がシート状である場合、粘着部材の巻き取り時のブロッキングを防止するために、粘着部材に離型フィルムを貼合する工程、粘着部材において、複数の凸部を有する面又はその反対側の面に、支持体等を貼合する工程などが挙げられる。
きのこ形状、逆テーパ状等の特定の形状を有する凸部を2段階で形成してもよい。このとき、凸部先端にきのこ形状、逆テーパ状等の特定の形状を有する塔頂構造物を形成する公知の方法を採用してもよい。例えば、支持体上に公知の塗布方法で樹脂組成物薄膜を形成し、形成された樹脂組成物薄膜に前記硬化物の凸部を貼り合わせた後、樹脂組成物薄膜の支持体から硬化物をゆっくりと剥離する。次いで、あらたに支持体上に硬化物の凸部の先端側が当該支持体と接触するように硬化物を静置した後、熱硬化、紫外線照射等で凸部先端側の樹脂組成物を硬化させて凸部先端にきのこ形状、逆テーパ状等の特定の形状を有する塔頂構造物を形成してもよい。
2段階で凸部を形成する場合、前記硬化物の形成に用いる樹脂組成物及び凸部先端にきのこ形状、逆テーパ状等の構造を形成する際に用いる樹脂組成物は破断強度及び膨潤率が前述の数値範囲を満たす材料であれば、同じでも異なっても構わない。同じ樹脂組成物であることは、凸部内の界面破壊を抑制する観点から好ましいがこれに限定されない。
2段階で凸部を形成する場合、前記硬化物の形成に用いる樹脂組成物及び凸部先端にきのこ形状、逆テーパ状等の構造を形成する際に用いる樹脂組成物は破断強度及び膨潤率が前述の数値範囲を満たす材料であれば、同じでも異なっても構わない。同じ樹脂組成物であることは、凸部内の界面破壊を抑制する観点から好ましいがこれに限定されない。
粘着部材の複数の凸部を覆うように表面層を複数の凸部の先端部に貼り合わせてもよい。複数の凸部及び表面層の貼り付け温度は、これら部材を構成する材料(例えば、樹脂材料)の熱特性に応じて適宜設定すればよい。例えば、凸部を構成する樹脂材料又は表面層を構成する樹脂材料のガラス転移温度よりも10℃~100℃高い温度にてロール、プレスシート等で複数の凸部及び表面層を加圧して表面層を備える粘着部材を製造してもよい。ロール及びプレスシートの材質は特に限定されず、一般に用いられる金属、ゴムを貼り付け条件に応じて適切に選択して用いることができる。
以下、表面層の製造方法の一例について説明する。
以下、表面層の製造方法の一例について説明する。
(表面層の製造方法)
表面層は、公知の方法で製造される。一例として、表面層の製造方法は、液状樹脂を準備する工程(以下、「工程i」と称する。)、得られた液状樹脂を所望の厚さに塗布する工程(以下、「工程ii」と称する。)と、塗布された液状樹脂を乾燥する工程(以下、「工程iii」と称する。)と、を含む。
以下、工程i、工程ii及び工程iiiについて説明する。
表面層は、公知の方法で製造される。一例として、表面層の製造方法は、液状樹脂を準備する工程(以下、「工程i」と称する。)、得られた液状樹脂を所望の厚さに塗布する工程(以下、「工程ii」と称する。)と、塗布された液状樹脂を乾燥する工程(以下、「工程iii」と称する。)と、を含む。
以下、工程i、工程ii及び工程iiiについて説明する。
(工程i)
工程iは、液状樹脂を準備する工程である。工程iでは、例えば、熱可塑性樹脂に適した公知の溶剤に溶解させて液状樹脂を準備してもよい。工程iにおいて、熱可塑性樹脂を溶剤に溶解させて液状樹脂を得る場合、熱可塑性樹脂の溶解性に応じて、室温下であっても加熱下であってもよい。
硬化前の液状熱硬化性樹脂を用いる場合には、本工程を省略することができる。
なお、液状樹脂としては、樹脂を含む樹脂溶液、液状の樹脂等が挙げられる。
工程iは、液状樹脂を準備する工程である。工程iでは、例えば、熱可塑性樹脂に適した公知の溶剤に溶解させて液状樹脂を準備してもよい。工程iにおいて、熱可塑性樹脂を溶剤に溶解させて液状樹脂を得る場合、熱可塑性樹脂の溶解性に応じて、室温下であっても加熱下であってもよい。
硬化前の液状熱硬化性樹脂を用いる場合には、本工程を省略することができる。
なお、液状樹脂としては、樹脂を含む樹脂溶液、液状の樹脂等が挙げられる。
(工程ii)
工程iiは、得られた液状樹脂を所望の厚さに塗布する工程である。工程iiでは、得られた液状樹脂を適切な基材上に塗布すればよい。液状樹脂を塗布する方法としては、特に限定されず、例えば、スピンコート、ダイコート、スリットコート、インクジェット、ディップコート等の公知の塗布方法が挙げられる。
工程iiは、得られた液状樹脂を所望の厚さに塗布する工程である。工程iiでは、得られた液状樹脂を適切な基材上に塗布すればよい。液状樹脂を塗布する方法としては、特に限定されず、例えば、スピンコート、ダイコート、スリットコート、インクジェット、ディップコート等の公知の塗布方法が挙げられる。
(工程iii)
工程iiiは、塗布された液状樹脂を乾燥する工程である。この工程では、必要に応じて硬化のために液状樹脂を加熱してもよく、室温で放置してもよい。加熱方法としては、公知の方法が挙げられ、送風乾燥機等を用いてもよい。工程iiiは、大気雰囲気、窒素雰囲気等の所望の環境で実施されうる。
工程iiiは、塗布された液状樹脂を乾燥する工程である。この工程では、必要に応じて硬化のために液状樹脂を加熱してもよく、室温で放置してもよい。加熱方法としては、公知の方法が挙げられ、送風乾燥機等を用いてもよい。工程iiiは、大気雰囲気、窒素雰囲気等の所望の環境で実施されうる。
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明はその主旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
〔樹脂組成物の調製〕
50mL容積のポリ瓶内に、2官能ウレタンアクリレート(UA5216、MIWON社製)100質量部及び光重合開始剤(Omnirad 184、IGM Resins社製)4質量部を添加した。樹脂製スパチュラを用いて10分間混合物を撹拌し、樹脂組成物を得た。
〔樹脂組成物の調製〕
50mL容積のポリ瓶内に、2官能ウレタンアクリレート(UA5216、MIWON社製)100質量部及び光重合開始剤(Omnirad 184、IGM Resins社製)4質量部を添加した。樹脂製スパチュラを用いて10分間混合物を撹拌し、樹脂組成物を得た。
〔粘着部材の作製〕
(1)円柱状パターン賦形部材の作製
縦100mm、横100mmであり、複数の凹部形状(凹部の形状:円柱状、凹部の深さ:40μm、凹部の入口幅:20μm、凹部の底部幅:20μm、凹部の中心間距離:40μm)が形成されたニッケル製金型を用意した。卓上コーターを用いて前述の樹脂組成物をニッケル製金型に塗布し、厚さ150μmの樹脂組成物層を形成した。
UV照射装置(UVC-408、株式会社テクノビジョン製)を用いて形成された樹脂組成物層に対して積算量5000mJ/cm2の露光を2回実施し、樹脂組成物層を硬化させた。
ニッケル製金型から硬化物をゆっくりと剥離し、粘着部材を得た。得られた部材には、ニッケル製金型の凹部形状に対応した微細凹凸パターンが賦形されていた。具体的には、粘着部材は、凸部の高さが40μm、凸部の根元部並びに先端部の径が20μm、凸部の中心間距離が40μmの円柱が規則的に配列した硬化物(円柱状パターン賦形部材)であった。
(1)円柱状パターン賦形部材の作製
縦100mm、横100mmであり、複数の凹部形状(凹部の形状:円柱状、凹部の深さ:40μm、凹部の入口幅:20μm、凹部の底部幅:20μm、凹部の中心間距離:40μm)が形成されたニッケル製金型を用意した。卓上コーターを用いて前述の樹脂組成物をニッケル製金型に塗布し、厚さ150μmの樹脂組成物層を形成した。
UV照射装置(UVC-408、株式会社テクノビジョン製)を用いて形成された樹脂組成物層に対して積算量5000mJ/cm2の露光を2回実施し、樹脂組成物層を硬化させた。
ニッケル製金型から硬化物をゆっくりと剥離し、粘着部材を得た。得られた部材には、ニッケル製金型の凹部形状に対応した微細凹凸パターンが賦形されていた。具体的には、粘着部材は、凸部の高さが40μm、凸部の根元部並びに先端部の径が20μm、凸部の中心間距離が40μmの円柱が規則的に配列した硬化物(円柱状パターン賦形部材)であった。
(2)きのこ状凹凸賦形された粘着部材の作製
続いて、別途卓上コーターを用いて前述の樹脂組成物をガラス板上に塗布し、厚さ5μmの樹脂組成物層を形成した。本樹脂組成物層上に、前述の円柱状パターン賦形部材を凸部を下にして静かに静置し、ゴムローラーで0.5kg荷重、10cm/秒の速度で貼り合わせた。1分間静置後に前記円柱状パターン賦形部材を剥離し、別途用意した石英ガラス板上に凸部の先端側が当該石英ガラスと接触するように5分間静置した。
UV照射装置(UVC-408、株式会社テクノビジョン製)を用いて形成された樹脂組成物層に対して積算量5000mJ/cm2の露光を2回実施し、樹脂組成物層を硬化させた。これにより、きのこ状凹凸賦形された粘着部材を作製した。
きのこ状凹凸賦形された粘着部材は、凸部の高さが40μm、凸部の根元部が20μm、凸部の先端部の径が22μm、凸部の中心間距離が40μmであり、図2に示すようなきのこ形状を有していた。
続いて、別途卓上コーターを用いて前述の樹脂組成物をガラス板上に塗布し、厚さ5μmの樹脂組成物層を形成した。本樹脂組成物層上に、前述の円柱状パターン賦形部材を凸部を下にして静かに静置し、ゴムローラーで0.5kg荷重、10cm/秒の速度で貼り合わせた。1分間静置後に前記円柱状パターン賦形部材を剥離し、別途用意した石英ガラス板上に凸部の先端側が当該石英ガラスと接触するように5分間静置した。
UV照射装置(UVC-408、株式会社テクノビジョン製)を用いて形成された樹脂組成物層に対して積算量5000mJ/cm2の露光を2回実施し、樹脂組成物層を硬化させた。これにより、きのこ状凹凸賦形された粘着部材を作製した。
きのこ状凹凸賦形された粘着部材は、凸部の高さが40μm、凸部の根元部が20μm、凸部の先端部の径が22μm、凸部の中心間距離が40μmであり、図2に示すようなきのこ形状を有していた。
〔膨潤率の測定〕
実施例1にて調製した樹脂組成物の硬化物の膨潤率を以下のようにして評価した。まず、UV照射装置(UVC-408、株式会社テクノビジョン製)を用いて樹脂組成物に対して積算量5000mJ/cm2の露光を2回実施し、樹脂組成物を硬化させた。得られた硬化物の質量Aを測定した。次に、この硬化物を25℃のトルエンに24時間浸漬した後、膨張した硬化物を取り出し濾紙を用いて硬化物表面のトルエンを拭い取り、浸漬後の硬化物の質量Bを測定した。以下の式(1)に基づいて膨潤率を求めた。
膨潤率[%]=(B/A)×100・・・(1)
式(1)中、Aはトルエンに浸漬させる前の硬化物の質量であり、Bはトルエンに浸漬させた後の硬化物の質量である。
結果を表1に示す。
実施例1にて調製した樹脂組成物の硬化物の膨潤率を以下のようにして評価した。まず、UV照射装置(UVC-408、株式会社テクノビジョン製)を用いて樹脂組成物に対して積算量5000mJ/cm2の露光を2回実施し、樹脂組成物を硬化させた。得られた硬化物の質量Aを測定した。次に、この硬化物を25℃のトルエンに24時間浸漬した後、膨張した硬化物を取り出し濾紙を用いて硬化物表面のトルエンを拭い取り、浸漬後の硬化物の質量Bを測定した。以下の式(1)に基づいて膨潤率を求めた。
膨潤率[%]=(B/A)×100・・・(1)
式(1)中、Aはトルエンに浸漬させる前の硬化物の質量であり、Bはトルエンに浸漬させた後の硬化物の質量である。
結果を表1に示す。
〔破断強度及び破断伸度の測定〕
実施例1にて調製した樹脂組成物を前述の膨潤率の測定と同様の条件で硬化させて、厚さ500μmの硬化物を得た。得られた硬化物を引張試験機であるテンシロン万能材料試験機RTF(北浜製作所製)を用いてASTM D882に準じて速度100mm/minで引っ張り、硬化物が破断したときの強度(引張荷重値を硬化物の断面積で除した値)及び伸度を求めた。求めた値を破断強度(MPa)及び破断伸度(%)とした。結果を表1に示す。
実施例1にて調製した樹脂組成物を前述の膨潤率の測定と同様の条件で硬化させて、厚さ500μmの硬化物を得た。得られた硬化物を引張試験機であるテンシロン万能材料試験機RTF(北浜製作所製)を用いてASTM D882に準じて速度100mm/minで引っ張り、硬化物が破断したときの強度(引張荷重値を硬化物の断面積で除した値)及び伸度を求めた。求めた値を破断強度(MPa)及び破断伸度(%)とした。結果を表1に示す。
〔硬化物のガラス転移温度Tg(℃)〕
島津サイエンス社製、DSC-6220を用いてN2(窒素)雰囲気下で硬化物のガラス転移温度Tgを測定した。実施例1にて調製した樹脂組成物を前述の膨潤率の測定と同様の条件で硬化させた硬化物5mg又は10mgをアルミ製パンに封入し、常温から10℃/分の昇温速度で200℃まで昇温した後に5分間保持し、次いで10℃/分の降温速度で-20℃まで降温した後に5分間保持した。そして10℃/分の昇温速度で200℃まで昇温する際の吸熱曲線から硬化物のガラス転移点(Tg)を求めた。
結果を表1に示す。
島津サイエンス社製、DSC-6220を用いてN2(窒素)雰囲気下で硬化物のガラス転移温度Tgを測定した。実施例1にて調製した樹脂組成物を前述の膨潤率の測定と同様の条件で硬化させた硬化物5mg又は10mgをアルミ製パンに封入し、常温から10℃/分の昇温速度で200℃まで昇温した後に5分間保持し、次いで10℃/分の降温速度で-20℃まで降温した後に5分間保持した。そして10℃/分の昇温速度で200℃まで昇温する際の吸熱曲線から硬化物のガラス転移点(Tg)を求めた。
結果を表1に示す。
〔賦形性の評価〕
ニッケル製金型から剥離して得られた粘着部材の微細凹凸パターンが賦形された面を光学顕微鏡を用い倍率100倍~500倍の範囲で観察した。観察視野内で凸部の総数が500個以上となるように観察倍率を設定し、設定した観察倍率での観察視野内の凸部の総数Nを計測した。次に、観察視野内で凸部が欠損した不具合発生箇所の数nを算出した。以下の式(2)に基づいて不良発生率を求めた。
不良発生率=(n/N)×100・・・(2)
さらに、以下の評価基準に基づいて賦形性を評価した。結果を表1に示す。
-賦形性の評価基準-
A:不良発生率が0%以上0.1%未満であった。
B:不良発生率が0.1%以上であった。
ニッケル製金型から剥離して得られた粘着部材の微細凹凸パターンが賦形された面を光学顕微鏡を用い倍率100倍~500倍の範囲で観察した。観察視野内で凸部の総数が500個以上となるように観察倍率を設定し、設定した観察倍率での観察視野内の凸部の総数Nを計測した。次に、観察視野内で凸部が欠損した不具合発生箇所の数nを算出した。以下の式(2)に基づいて不良発生率を求めた。
不良発生率=(n/N)×100・・・(2)
さらに、以下の評価基準に基づいて賦形性を評価した。結果を表1に示す。
-賦形性の評価基準-
A:不良発生率が0%以上0.1%未満であった。
B:不良発生率が0.1%以上であった。
〔粘着性の評価〕
粘着部材を25mm幅、10cm長に切り出し、23℃において、SUS304-BA板(JIS G-4305規定、縦:20cm、横:5cm)上に、微細凹凸パターンが賦形された面を介して2000gのローラーを用いてローラー以上の荷重をかけずに貼り付けて1時間静置した。静置後、粘着部材の一端を挟持し、剥離角度:180度、剥離速度:300mm/minの条件でSUS304-BA板の表面から粘着部材を剥離した。この剥離時の応力を測定して、N/25mmに換算し粘着力とした。他の条件は、全てJIS Z-0237(2009)に準じた。
以下の評価基準に基づいて粘着性を評価した。結果を表1に示す。
-粘着性の評価基準-
A:粘着力が1.0N/25mm以上であった。
B:粘着力が0.20N/25mm以上1.0N/25mm未満であった。
C:粘着力が0.20N/25mm未満であった。
粘着部材を25mm幅、10cm長に切り出し、23℃において、SUS304-BA板(JIS G-4305規定、縦:20cm、横:5cm)上に、微細凹凸パターンが賦形された面を介して2000gのローラーを用いてローラー以上の荷重をかけずに貼り付けて1時間静置した。静置後、粘着部材の一端を挟持し、剥離角度:180度、剥離速度:300mm/minの条件でSUS304-BA板の表面から粘着部材を剥離した。この剥離時の応力を測定して、N/25mmに換算し粘着力とした。他の条件は、全てJIS Z-0237(2009)に準じた。
以下の評価基準に基づいて粘着性を評価した。結果を表1に示す。
-粘着性の評価基準-
A:粘着力が1.0N/25mm以上であった。
B:粘着力が0.20N/25mm以上1.0N/25mm未満であった。
C:粘着力が0.20N/25mm未満であった。
〔粘着部材剥離後の汚染性の評価〕
前述の粘着力の測定にて粘着力を測定した後のSUS304-BA板の粘着部材が貼り付けられ剥離された箇所全域を光学顕微鏡で観察した。以下の評価基準に基づいて粘着部材剥離後の汚染性を評価した。結果を表1に示す。
-粘着部材剥離後の汚染性の評価基準-
A:粘着部材由来である幅1μm以上の大きさの残存物が確認されなかった。
B:粘着部材由来である幅1μm以上の大きさの残存物が確認された。
前述の粘着力の測定にて粘着力を測定した後のSUS304-BA板の粘着部材が貼り付けられ剥離された箇所全域を光学顕微鏡で観察した。以下の評価基準に基づいて粘着部材剥離後の汚染性を評価した。結果を表1に示す。
-粘着部材剥離後の汚染性の評価基準-
A:粘着部材由来である幅1μm以上の大きさの残存物が確認されなかった。
B:粘着部材由来である幅1μm以上の大きさの残存物が確認された。
[実施例2~6]
実施例1にて得られた樹脂組成物の替わりに表1に示す化合物100質量部及び光重合開始剤(Omnirad 184、IGM Resins社製)4質量部を混合して得られた樹脂組成物を用いた以外は実施例1と同様の操作を行った。
実施例2~6にて得られた硬化物及び粘着部材の各評価結果を表1に示す。
なお、各実施例にて用いた化合物の詳細は以下の通りである。
-各実施例にて用いた化合物-
実施例2:2官能ウレタンアクリレート(E207/30PE、MIWON社製)
実施例3:トリシクロデカン変性2官能アクリレート(SR833S、サートマー社製)
実施例4:2官能ウレタンアクリレート(KRM7735、ダイセル・オルネクス株式会社製)
実施例5:2官能エポキシアクリレート(ビスコート#540、大阪有機化学工業株式会社)
実施例6:2官能エポキシアクリレート(EBECRYL3500、ダイセル・オルネクス株式会社製)
実施例1にて得られた樹脂組成物の替わりに表1に示す化合物100質量部及び光重合開始剤(Omnirad 184、IGM Resins社製)4質量部を混合して得られた樹脂組成物を用いた以外は実施例1と同様の操作を行った。
実施例2~6にて得られた硬化物及び粘着部材の各評価結果を表1に示す。
なお、各実施例にて用いた化合物の詳細は以下の通りである。
-各実施例にて用いた化合物-
実施例2:2官能ウレタンアクリレート(E207/30PE、MIWON社製)
実施例3:トリシクロデカン変性2官能アクリレート(SR833S、サートマー社製)
実施例4:2官能ウレタンアクリレート(KRM7735、ダイセル・オルネクス株式会社製)
実施例5:2官能エポキシアクリレート(ビスコート#540、大阪有機化学工業株式会社)
実施例6:2官能エポキシアクリレート(EBECRYL3500、ダイセル・オルネクス株式会社製)
[比較例1~3]
実施例1にて得られた樹脂組成物の替わりに表1に示す化合物100質量部及び光重合開始剤(Omnirad 184、IGM Resins社製)4質量部を混合して得られた樹脂組成物を用いた以外は実施例1と同様の操作を行った。
比較例1~3にて得られた硬化物及び粘着部材の各評価結果を表1に示す。
なお、各比較例にて用いた化合物の詳細は以下の通りである。
-各比較例にて用いた化合物-
比較例1:4官能ウレタンアクリレート(EBECRYL4666、ダイセル・オルネクス株式会社製)
比較例2:2官能ウレタンアクリレート(EBECRYL4491、ダイセル・オルネクス株式会社製)
比較例3:2官能アクリレート(RA-341、根上工業株式会社製)
実施例1にて得られた樹脂組成物の替わりに表1に示す化合物100質量部及び光重合開始剤(Omnirad 184、IGM Resins社製)4質量部を混合して得られた樹脂組成物を用いた以外は実施例1と同様の操作を行った。
比較例1~3にて得られた硬化物及び粘着部材の各評価結果を表1に示す。
なお、各比較例にて用いた化合物の詳細は以下の通りである。
-各比較例にて用いた化合物-
比較例1:4官能ウレタンアクリレート(EBECRYL4666、ダイセル・オルネクス株式会社製)
比較例2:2官能ウレタンアクリレート(EBECRYL4491、ダイセル・オルネクス株式会社製)
比較例3:2官能アクリレート(RA-341、根上工業株式会社製)
[比較例4]
実施例1にて得られた樹脂組成物の替わりにエチレン・α-オレフィン共重合体(タフマーA4085S、三井化学株式会社製)を準備した。さらに、比較例4では、光重合開始剤を使用せずに電子線架橋により、硬化物及び粘着部材を作製して各評価を行った。
比較例4にて得られた硬化物及び粘着部材の各評価結果を表1に示す。
実施例1にて得られた樹脂組成物の替わりにエチレン・α-オレフィン共重合体(タフマーA4085S、三井化学株式会社製)を準備した。さらに、比較例4では、光重合開始剤を使用せずに電子線架橋により、硬化物及び粘着部材を作製して各評価を行った。
比較例4にて得られた硬化物及び粘着部材の各評価結果を表1に示す。
表1に示すように、各実施例では賦形性、粘着性及び汚染性のいずれにおいても評価が良好であった。一方、各比較例では、粘着性及び汚染性のいずれかにおいて評価が不良であり、さらに比較例3では、賦形性の評価が不良であった。
1 基部、2 凸部、3 先端部、4、6 表面層、5 空間部、7 表面加工部、10、20、30 粘着部材
Claims (10)
- 少なくとも1つの面に複数の凸部を有する基材を備え、
前記凸部は、破断強度が18MPa~50MPaであり、かつ25℃のトルエンに24時間浸漬させた後の膨潤率が110%~150%である粘着部材。 - 前記凸部は根元部の幅よりも先端部の幅の方が大きい請求項1に記載の粘着部材。
- 前記基材の1つの面に形成された少なくとも2つの前記凸部の先端部上にまたがって配置され、前記基材における前記複数の凸部を有する面の少なくとも一部を覆う表面層を備え、
前記複数の凸部が形成された底面と、前記表面層における前記底面と対面する面との間に空間が存在する請求項1又は請求項2に記載の粘着部材。 - 前記表面層の厚さが0.1μm~50μmである請求項3に記載の粘着部材。
- 凸部の根元部の幅が5nm~250μmである請求項1又は請求項2に記載の粘着部材。
- 凸部の根元部の幅に対する凸部の先端部の幅の比は、1.0~1.4である請求項1又は請求項2に記載の粘着部材。
- 凸部間の距離が10nm~500μmである請求項1又は請求項2に記載の粘着部材。
- 凸部の高さが2.5nm~500μmである請求項1又は請求項2に記載の粘着部材。
- 凸部の根元部の幅に対する凸部の高さの比は、0.2~10.0である請求項1又は請求項2に記載の粘着部材。
- 前記凸部は、(メタ)アクリレート化合物、ウレタン(メタ)アクリレート化合物、エポキシ(メタ)アクリレート化合物、及びオレフィン化合物からなる群より選択される少なくとも一つが重合してなる構造を有する樹脂材料から構成される請求項1又は請求項2に記載の粘着部材。
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