JP2023055407A - エレベータ・ホールの管理システム - Google Patents

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Abstract

【課題】エレベータ・ホールにてエレベータの到着を待つ乗降客の待ち時間によるストレスを緩和できるエレベータ・ホールの管理システムを提供すること。【解決手段】群管理により昇降制御された複数のエレベータに乗降するホールを管理するシステムであって、このエレベータ・ホールにおけるエレベータの乗降口のドア20の少なくとも一部が、電気信号によって透明状態と不透明状態とに制御できる調光領域21である前記システムにおいて、待ち時間が事前に設定した基準待ち時間を越えた場合、エレベータ到着までの待ち時間の間前記調光領域を不透明状態に制御すると共に、エレベータが止まることなく通過するときにも前記調光領域を不透明状態に制御する調光領域制御部を備える。【選択図】図1

Description

本発明は、複数のエレベータを群管理するエレベータシステムにおいて、そのエレベータに乗降するエレベータ・ホールを管理するシステムに関する。
さらに詳しくは、このエレベータ・ホールにてエレベータの到着を待つ乗降客の待ち時間によるストレスを緩和するエレベータ・ホールの管理システムに関する。
エレベータの到着を待つ前記待ち時間によるストレスはその時間経過と共に大きくなる。例えば、30秒以上の待ち時間が経過すると、約6割の乗降客がストレスにより待つことに限界を感じるという研究結果がある。このような待ち時間によるストレスは、オフィスビルやタワーマンション等の高層ビルで発生し易い。
そこで、近年では、画像認識や学習プログラム等を活用して待ち時間を予測し、最適なエレベータの割り付け動作を行う群管理システムを用いたエレベータが増えている(特許文献1,2参照)。
特許第6742962号公報 特許第6583510号公報
これらの群管理システムによって待ち時間の低減が期待されるが、これら群管理システムは飽くまで全体の最適化を優先するシステムであるため、乗降客個人にとって必ずしも最適な動作となるものではなかった。例えば、エレベータが到着するまでの間に長時間待っていた他の階層の乗降客を優先するために、乗降客の目の前をエレベータが通過したり、呼び出し階から近いエレベータではなく、遠くのエレベータが呼び出されたりすることがある。このようなエレベータの挙動は乗降客にとっては想定外であり、大きなストレスの要因となってしまう。このようなストレスの対策として、インジケータなどエレベータの位置が分かる表示器を設置せずにランプの点灯等による合図のみとするなど、エレベータの現在位置や目の前を通過したとしても、分からないようにしているエレベータもある。
一方、乗降口の一部又は全部をガラス窓等の透明状態とすることで内部及び外部から互いに見える状態ことで乗降客同士の衝突防止の機能や防犯の機能を持たせているエレベータがある。また、シースルー型エレベータのように昇降路全体を透明にすることによって防犯対策や開放感を得るだけでなく、展望機能を持たせたエレベータもある。これらのエレベータでは、到着階のエレベータ・ホールの乗降口側のドアが透明であるため、前記インジケータ等の表示器がない場合でもエレベータが通過したことが分かってしまい、そのストレスを増大させる原因となっている。
そこで、本発明は、エレベータ・ホールにてエレベータの到着を待つ乗降客の待ち時間によるストレスを緩和できるエレベータ・ホールの管理システムを提供することを目的とする。
上述の問題を解決するために、本発明の第1の態様は、群管理により昇降制御された複数のエレベータに乗降可能なエレベータ・ホールを管理するシステムであって、
前記エレベータ・ホールにおけるエレベータの乗降口のドアの少なくとも一部が、電気信号によって透明状態と不透明状態とに制御できる調光領域であり、
前記エレベータ・ホールにおいて、エレベータの到着を待つ乗降客の有無の情報を取得する乗降客情報取得部と、
前記乗降客情報取得部の情報をもとにエレベータ到着までの待ち時間を算出する待ち時間算出部と、
群管理によって昇降するエレベータが前記エレベータ・ホールを通過かを判定する通過判定部と、
前記待ち時間算出部の情報に基づいた前記待ち時間が事前に設定した基準待ち時間を越えた場合、前記エレベータ・ホールにエレベータが到着するまでの間、前記調光領域を不透明状態に制御すると共に、前記通過判定部の情報に基づきエレベータが前記エレベータ・ホールを通過している間、前記調光領域を不透明状態に制御する調光領域制御部と、
を有することを特徴とするエレベータ・ホールの管理システムとしたものである。
次に、前記調光領域が、通電時に不透明状態となり、非通電時に透明状態となる調光フィルムで構成されているものであることが好ましい。
次に、前記待ち時間が、前記エレベータ・ホールの昇降ボタンが押されてから前記エレベータ・ホールにエレベータが到着するまでの時間であることが好ましい。
次に、前記調光領域は表示部であり、前記エレベータ・ホールに備わるプロジェクタにより情報が表示されることが好ましい。
次に、前記表示部に表示される情報が、複数の前記エレベータのうち到着するエレベータに乗客を誘導する情報を含むことが好ましい。
次に、エレベータの運行に関する情報を前記表示部に表示しないことが好ましい。
本発明によれば、エレベータが止まることなく通過するときには、乗降口側のドアの調光領域を不透明状態に制御するため、目の前を通過するエレベータを見ることがない。
また、このように乗降口側のドアの調光領域が不透明となるのは、エレベータが止まることなく通過するときだけではなく、待ち時間が長くなったときにも不透明となるから、乗降客は、前記調光領域が不透明となっても、エレベータが通過するのか、単に待ち時間が長くなったというに過ぎないのか、その区別をすることができず、このため、待ち時間によるストレスを緩和できるという効果を奏する。
図1は本発明の実施の形態に係り、調光領域を透明状態としたときのエレベータ・ホールの説明図である。 図2は本発明の実施の形態に係り、調光領域を不透明状態としたときのエレベータ・ホールの説明図である。 図3は本発明の実施の形態に係り、図3(a)及び図3(b)はそれぞれ表示部に運行情報を表示したときのエレベータ・ホールの説明図である。 図4は本発明の実施の形態に係り、乗降時のエレベータ・ホールの説明図である。
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。図面は、いずれも、本発明の実施の形態に係るエレベータ・ホールの説明図で、図1は調光領域を透明状態としたときのエレベータ・ホールを示し、図2は不透明状態としたときのエレベータ・ホールを示している。
エレベータ10の乗降口は一般に二重のドアが設けられている。その一方はホール100のドアであり、他方はエレベータのかご10のドアである。この両方のドアが開くことによって乗降が可能となり、両方のドアが閉まることにより、かご10の移動が可能になる。そして、この二重のドアのうちホール100のドア20には、電気信号によって透明状態と不透明状態とに制御できる調光領域21が設けられている。ドア20全面をこの調光領域21としてもよいが、その一部を調光領域21としてもよい。ドア20の一部を調光領域21とした場合には、その他の領域は不透明な領域であることが望ましい。図1に示す実施の形態では、ホール100のドア20の上下方向中央部に調光領域21が配置され、その上下に不透明領域22が配置されている。
このドア20は、次のような構造を有している。すなわち、不透明なドア基材の上下方向中央部にガラス板あるいはアクリル板等の透明基材からなる窓が設けられ、この透明基材の上に調光フィルムを積層して前記調光領域21を構成している。この調光フィルムは、電気信号によって透明状態と不透明状態とに制御できるフィルムである。
このような調光フィルムは公知であるが、例えば、特開2019-45612号公報に記載されている。すなわち、この調光フィルムは、液晶層を2枚の電極フィルムで挟んだ構造を有している。電極フィルムは、フレキシブルな透明フィルムの片面に透明電極を積層したものであり、その透明電極が液晶層に向き合うように積層されている。また、他方の電極フィルムも同様に、フレキシブルな透明フィルムの片面に透明電極を積層したものであり、その透明電極も液晶層に向き合うように積層されている。そして、これら両電極に電圧を印加することにより、液晶層の光学的性質が変化する。例えば、電圧を印加することで液晶層が白濁し不透明化して光線を遮断し、他方、電圧の印加を止めることで液晶層が透明化して光線を透過する。なお、液晶の種類に応じて、電圧を印加することで液晶層が透明化して光線を透過し、電圧の印加を止めることで液晶層が不透明化して光線を遮断する調光フィルムも知られている。そのいずれであってもよいが、通電時に不透明化し、非通電時に透明化するリバースタイプの調光フィルムを好ましく使用できる。火災等の非常時には停電することが多く、このような非常時に透明化して、エレベータのかご10の内外から互いに観察して安否を確認できるからである。
一方、エレベータのかご10のドアは透明であることが望ましい。かご10の全周囲を透明として、その周囲を展望できるようにしてもよい。
このようにエレベータの乗降口の二重のドアのうち、ホール100のドアに調光領域21が設けられ、かご10のドアが透明である場合、調光領域21を透明な状態とすると、図1に示すように、エレベータ・ホール100からかご10の内部を観察することができる。なお、図1において、41はエレベータ・ホール100にてかご10の到着を待つ乗降客、42はかご10の内部の乗降客を示している。
このように乗降口の一部又は全部を透明状態として内部及び外部から互いに見える状態とすることにより乗降客同士の衝突やかご10内部の犯罪を防止することが可能である。
一方、調光領域21を不透明な状態とすると、図2に示すように、エレベータ・ホール
100の乗降客41からは、かご10の到着の有無や通過の有無を認識することができない。このため、たとえ目の前をかご10が通過してもそのことを認識することができず、そのことによるストレスも生じることがない。
本発明は、このようにエレベータ・ホール100におけるエレベータ10の乗降口のドアが調光領域21を有することを前提として、この調光領域21の透明状態と不透明状態とを制御するシステムである。そして、このシステムは、乗降客情報取得部、待ち時間算出部、通過検出部及び調光領域制御部を備えて構成されている。
乗降客情報取得部は、エレベータ・ホール100において、エレベータ10の到着を待つ乗降客の有無の情報を取得する部分である。エレベータ10の到着を待つ乗降客がいるとの情報は、例えば、エレベータ・ホール100に設置された昇降ボタンが押されたことにより取得することができる。このボタンが押されていなければ、エレベータ10の到着を待つ乗降客がいないと判断される。
次に、各フロアの乗降客情報取得部の情報をもとに、群管理システムにより、各フロアに到着するエレベータのかご10が割り当てられると共に、このエレベータ10が到着する時刻が算出される。そして、待ち時間算出部では、算出されたエレベータ到着時刻から昇降ボタンが押された時刻を引いて待ち時間を算出する。
また、通過検出部は、群管理システムを使用して、昇降するエレベータ10が前記エレベータ・ホールを通過するか否かを判定し、かつ、通過する場合には通過する時刻を算出する。
なお、昇降するエレベータ10が止まることなく通過する理由はさまざまである。
例えば、それまでの間に長時間待っていた他の乗降客を優先するために、他のフロアに止まることなく通過することがある。また、複数のエレベータから成る全体の運用効率の向上のため、呼び出し階から近いエレベータではなく、遠くのエレベータが呼び出された結果、そのフロアに止まることなく通過することもある。そのエレベータのかごが定員に達しており、それ以上乗り込むことができないために、そのフロアに止まることなく通過することもある。
また、病院のエレベータ等の場合には、救急患者を搬送するため、複数のエレベータのかごのうち特定のかごを専用のかごとしてこの救急搬送に割り当てることがある。そうでなくても、特別待遇のVIPなど所有者の都合により、一般人を同乗させることができない場合もある。このような場合には、割り当てられたエレベータのかごを専用のかごとして、目的とするフロア以外のフロアでエレベータの到着待ちをしている乗降客の前をこのエレベータのかごは止まることなく通過するのである。
そして、以上のように算出された待ち時間及び通過時刻に基づいて、前記調光領域制御部が調光領域21の透明状態と不透明状態とを制御する。
すなわち、理論上ストレスが大きくなると考えられる待ち時間を基準待ち時間として事前に設定し、算出された前記待ち時間がこの基準待ち時間を越える場合には、エレベータ到着までの待ち時間の間、前記調光領域21を不透明状態に制御する(図2参照)。例えば、基準待ち時間が30秒のときには、この30秒を越える待ち時間が予想される場合、前記調光領域21を不透明とする。なお、その現在時間からエレベータ到着までの待ち時間の全部について前記調光領域21を不透明状態としてもよいし、その一部の時間であってもよい。
また、エレベータ10が止まることなく通過することが予想される場合には、その通過の前から通過するまでの間、調光領域21を不透明とする。
このように乗降口側のドアの調光領域が不透明となるのは、エレベータ10が止まることなく通過するときだけではなく、待ち時間が長くなったときにも不透明となるから、乗降客は、前記調光領域が不透明となっても、エレベータ10が通過するのか、単に待ち時間が長くなったというに過ぎないのか、その区別をすることができず、このため、待ち時間によるストレスを緩和できる。
なお、こうして、調光領域21を不透明状態としたことによるストレス緩和効果を評価し、これを本システムにフィードバックさせて、前記基準待ち時間の長さや不透明状態とする時間の長さを変えることができる。
ところで、エレベータ10の到着を待つまでの間、そのストレスを一層緩和させるため、エレベータ・ホール100には表示部を設けて、待つことを意識しないような情報を表示することが望ましい。
表示部としては、例えば、前記調光領域21を利用できる。また、調光領域21の周りの不透明領域22を表示部として利用することもできる。また、エレベータ・ホール100の床や壁、あるいは天井を表示部として利用してもよい。
図3(a)は、前記調光領域21とエレベータ・ホール100の床30の両方を表示部として利用した例を示しており、この例では、前記調光領域21に天気予報に関する情報21aを表示している。また、エレベータ・ホール100の床30には、複数のエレベータのかご10のうち、到着して乗り込むかご10に誘導する誘導矢印30aを表示している。このほか、風景や絵画、あるいは各フロアのマップ、製品のマップ等でもよい。また、事前登録やカメラ等のセンサーから乗降客の属性に関する情報が得られる場合には、乗降客に適した情報を表示してもよい。例えば、特定のイベント会場を利用する旨事前登録した乗降客がいるときには、そのイベント会場への行き方を表示してもよい。なお、エレベータの運行に関する情報を表示すると、乗降客が待つことを意識することがあるから、このような情報は表示しないことが望ましい。
なお、前述のように、特定のかごを専用のかごとして割り当てて利用する場合には、このかごが通過するエレベータ・ホールには、その旨表示することが望ましい。図3(b)は、救急患者を搬送するため、複数のエレベータのかごのうち特定のかごを専用のかごとして割り当てたとき、通過する乗降口の前記調光領域21にその旨21bを表示した場合を示している。
そして、このように表示部に情報を表示した場合には、調光領域21を不透明状態としたことによるストレス緩和効果に加えて、この情報表示によるストレス緩和効果を評価して、表示する情報を変えることが望ましい。例えば、乗降客の注目度や視線等により、エレベータが来ないこと、すなわち、待ち時間を意識してストレスを感じているか否か、という点について評価することができる。
ところで、表示部に表示する情報は、例えば、エレベータ・ホール100の上方にプロジェクタを設置し、このプロジェクタから、前記調光領域21や床30等に投影することによって表示できる。
調光領域21を表示部とした場合、乗降できるエレベータのかごが到着する場合、直前
までに前記調光領域21を透明状態とすることが好ましい。また、乗降できるエレベータのかごが到着する前までにプロジェクタの投影を終了することが望ましい。乗降できるエレベータのかごが到着する前までにプロジェクタの投影を終了することで、エレベータの乗客がまばゆく感じる状態を防ぐことができる。図1はこうして調光領域21を透明とした状態でエレベータのかごが到着した状態を示している。そして、このかごが停止した後、ホール100のドア20とかご10のドアが開くことにより、エレベータのかご10に乗り降りできる。図4はこのようにかご10に乗り降りする状態を示しており、この例では、ホール100のドア20もかご10のドアも左右にスライドして開いている。
なお、かごが到着する直前に前記表示部にその旨表示することも可能である。そして、調光領域21を前記表示部として利用する場合には、この調光領域21を透明状態とする代わりに不透明状態として、ここに「エレベータが到着する」旨表示することが可能である。
100:エレベータ・ホール
10:エレベータ(かご)
20:エレベータ・ホールのドア
21:調光領域 21a,21b:情報
22:不透明領域
30:床 30a:情報
41,42:乗降客

Claims (6)

  1. 群管理により昇降制御された複数のエレベータに乗降可能なエレベータ・ホールを管理するシステムであって、
    前記エレベータ・ホールにおけるエレベータの乗降口のドアの少なくとも一部が、電気信号によって透明状態と不透明状態とに制御できる調光領域であり、
    前記エレベータ・ホールにおいて、エレベータの到着を待つ乗降客の有無の情報を取得する乗降客情報取得部と、
    前記乗降客情報取得部の情報をもとにエレベータ到着までの待ち時間を算出する待ち時間算出部と、
    群管理によって昇降するエレベータが前記エレベータ・ホールを通過かを判定する通過判定部と、
    前記待ち時間算出部の情報に基づいた前記待ち時間が事前に設定した基準待ち時間を越えた場合、前記エレベータ・ホールにエレベータが到着するまでの間、前記調光領域を不透明状態に制御すると共に、前記通過判定部の情報に基づきエレベータが前記エレベータ・ホールを通過している間、前記調光領域を不透明状態に制御する調光領域制御部と、
    を有することを特徴とするエレベータ・ホールの管理システム。
  2. 前記調光領域が、通電時に不透明状態となり、非通電時に透明状態となる調光フィルムで構成されることを特徴とする請求項1に記載のエレベータ・ホールの管理システム。
  3. 前記待ち時間が、前記エレベータ・ホールの昇降ボタンが押されてから前記エレベータ・ホールにエレベータが到着するまでの時間であることを特徴とする請求項1又は2に記載のエレベータ・ホールの管理システム。
  4. 前記調光領域は表示部であり、前記エレベータ・ホールに備わるプロジェクタにより情報が表示されることを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載のエレベータ・ホールの管理システム。
  5. 前記表示部に表示される情報が、複数の前記エレベータのうち到着するエレベータに乗客を誘導する情報を含むことを特徴とする請求項4に記載のエレベータ・ホールの管理システム。
  6. エレベータの運行に関する情報を前記表示部に表示しないことを特徴とする請求項4又は5に記載のエレベータ・ホールの管理システム。
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