JP2023055323A - 半導体装置用基板、半導体装置用基板の製造方法および接合材 - Google Patents

半導体装置用基板、半導体装置用基板の製造方法および接合材 Download PDF

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JP2023055323A
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晃司 浅間
Koji Asama
裕章 巽
Hiroaki Tatsumi
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Abstract

Figure 2023055323000001
【課題】信頼性が高く且つ生産性が高い半導体装置用基板、半導体装置用基板の製造方法および接合材を提供する。
【解決手段】半導体装置用基板は、冷却器と、板部と、応力緩和層と、第1接合層と、第2接合層とを備えている。冷却器は、第1主面を含んでいる。板部は、第2主面を含んでいる。第2主面は、第1主面と対向している。応力緩和層は、第1主面と第2主面との間に位置している。第1接合層は、冷却器と応力緩和層とを接合している。第2接合層は、応力緩和層と板部とを接合している。第2接合層は、第1合金層と、ニッケル含有層とを含んでいる。第1主面から第2主面に向かう方向において、ニッケル含有層は、第1合金層と板部との間に位置している。ニッケル含有層は、第2主面において板部と接している。冷却器は、アルミニウムを含む材質により構成されている。板部は、銅を含む材質により構成されている。
【選択図】図1

Description

本開示は、半導体装置用基板、半導体装置用基板の製造方法および接合材に関する。
国際公開2018/181417号(特許文献1)には、銅基板とアルミニウム製冷却器とを有しているパワーモジュールが開示されている。銅基板とアルミニウム製冷却器とは、はんだ付けにより接合されている。
国際公開2018/181417号
上記パワーモジュールでは、銅基板とアルミニウム製冷却器との間において線膨張係数の差によって発生する熱応力が大きい。このため、上記パワーモジュールは信頼性が低い。さらに、熱応力を緩和するための部材を追加すれば、上記パワーモジュールの生産性が低下する。
本開示は、上記に鑑みてなされたものであり、その目的は、信頼性が高く且つ生産性が高い半導体装置用基板、半導体装置用基板の製造方法および接合材を提供することである。
本開示に係る半導体装置用基板は、冷却器と、板部と、応力緩和層と、第1接合層と、第2接合層とを備えている。冷却器は、第1主面を含んでいる。板部は、第2主面を含んでいる。第2主面は、第1主面と対向している。応力緩和層は、第1主面と第2主面との間に位置している。第1接合層は、冷却器と応力緩和層とを接合している。第2接合層は、応力緩和層と板部とを接合している。第2接合層は、第1合金層と、ニッケル含有層とを含んでいる。第1主面から第2主面に向かう方向において、ニッケル含有層は、第1合金層と板部との間に位置している。ニッケル含有層は、第2主面において板部と接している。冷却器は、アルミニウムを含む材質により構成されている。板部は、銅を含む材質により構成されている。
本開示に係る半導体装置用基板は、応力緩和層を有しているため熱応力を緩和することができる。これにより、半導体装置用基板の信頼性を高くすることができる。さらに、冷却器は第1接合層によって応力緩和層と接合されており、かつ板部は第2接合層によって応力緩和層と接合されている。そのため、冷却器と板部と応力緩和層とを容易に接合することができる。これによって、信頼性が高く且つ生産性が高い半導体装置用基板、半導体装置用基板の製造方法および接合材を提供することができる。
実施の形態1に係る半導体装置用基板の構成を示す縦断面模式図である。 実施の形態1に係る半導体装置用基板の製造方法を概略的に示すフロー図である。 銅基板にめっき層を形成する工程を示す縦断面模式図である。 第2ろう材層にめっき層を形成する工程を示す縦断面模式図である。 第1主面と第2主面との間に接合材を配置した状態を示す縦断面模式図である。 実施の形態1に係る接合材の構成を示す縦断面模式図である。 第1主面と第2主面との間に接合材を配置した状態で接合材を加熱する工程を示す縦断面模式図である。 実施の形態2に係る半導体装置用基板の構成を示す縦断面模式図である。 実施の形態2に係る半導体装置用基板の製造方法を概略的に示すフロー図である。 実施の形態2に係る接合材の構成を示す縦断面模式図である。 実施の形態2に係る半導体装置用基板の製造方法における第1主面と第2主面との間に接合材を配置した状態を示す縦断面模式図である。 実施の形態2の変形例に係る接合材の構成を示す縦断面模式図である。
以下、図面に基づいて本開示の実施の形態について説明する。なお、以下の図面において同一または相当する部分には同一の参照番号を付し、その説明は繰返さない。
実施の形態1.
実施の形態1に係る半導体装置用基板100の構成について説明する。図1は、実施の形態1に係る半導体装置用基板100の構成を示す縦断面模式図である。図1に示されるように、半導体装置用基板100は、冷却器2と、銅基板1と、応力緩和層6と、第1接合層8と、第2接合層7とを主に有している。半導体装置用基板100は、冷却器2と銅基板1との間において、第1接合層8、応力緩和層6および第2接合層7が、この順に冷却器2側から積み重なって構成されている。
冷却器2は、アルミニウムを含む材質により構成されている。冷却器2は、本体部20と、複数の突起部24とを有している。本体部20は板状である。本体部20は、第1主面21と、第3主面23とを有している。第3主面23は第1主面21の反対側にある。複数の突起部24の各々は、第3主面23に連なっている。複数の突起部24の各々は、第3主面23に対して第1主面21と反対側に延びている。複数の突起部24の各々は、紙面に垂直な方向に延びる板状であってもよい。複数の突起部24の各々は、棒状であってもよい。
銅基板1は、第1板部3と、絶縁板4と、第2板部5とを有している。第1板部3は、銅を含む材質により構成されている。第1板部3は、第2主面32と、第4主面34とを有している。第2主面32は、冷却器2の第1主面21と対向している。第2主面32は、第1主面21から離間している。第4主面34は、第2主面32の反対側にある。
絶縁板4は、第1板部3の上に位置している。なお、本明細書において、上とは、冷却器2の第1主面21から第1板部3の第2主面32に向かう方向である。絶縁板4は、例えばろう付けまたは固相拡散接合等の接合方法により、第1板部3と接合されている。絶縁板4は、例えばアルミナ、窒化アルミニウム、窒化珪素等のセラミックにより構成されている。
絶縁板4は、第5主面35と、第6主面36と、外周側面33とを有している。第5主面35は、第1板部3の第4主面34に接している。第6主面36は、第5主面35の反対側にある。外周側面33は、第5主面35および第6主面36の各々と連なっている。断面視において、外周側面33は、第1板部3の第2主面32に対して外側に位置していても良い。なお、図1に示される断面は、冷却器2の第1主面21に対して垂直であり、かつ第1主面21および第2主面32の各々に交差している。なお、本明細書において、外側とは、外周側面33に囲まれた領域の内側から外側に向かう方向である。
第2板部5は、絶縁板4に対して第1板部3の反対側にある。言い換えれば、絶縁板4は、第1板部3と第2板部5との間に位置している。第2板部5は、例えばろう付けまたは固相拡散接合等の接合方法により、絶縁板4と接合されている。第1板部3と第2板部5とは、絶縁板4により絶縁されている。第2板部5は、銅を含む材質により構成されている。第2板部5は、第7主面37と、第8主面38とを有している。第7主面37は、絶縁板4の第6主面36に接している。第8主面38は第7主面37の反対側にある。
上下方向において、応力緩和層6は、冷却器2の第1主面21と第1板部3の第2主面32との間に位置している。なお、本明細書において、上下方向とは第1主面21から第2主面32に向かう方向である。応力緩和層6は冷却器2から離間している。応力緩和層6は第1板部3から離間している。応力緩和層6は、例えば板状である。応力緩和層6は、例えばアルミニウムを含む材質により構成されている。応力緩和層6におけるアルミニウムの重量含有率は、冷却器2におけるアルミニウムの重量含有率よりも大きい。具体的には、応力緩和層6は例えば純アルミニウムにより構成されている。応力緩和層6におけるアルミニウムの重量含有率は、例えば99.5重量%以上である。上下方向における応力緩和層6の厚さは、例えば50μm以上3mm以下である。
上下方向において、第1接合層8は冷却器2と応力緩和層6との間に位置している。第1接合層8は、冷却器2と応力緩和層6とを接合している。第1接合層8は、第1主面21において、冷却器2に接している。第1接合層8は板状である。第1接合層8は、アルミニウム、珪素およびマグネシウムを含む材質により構成されている。第1接合層8における珪素の重量含有率は、例えば5重量%以上12重量%以下である。第1接合層8におけるマグネシウムの重量含有率は、例えば1重量%である。第1接合層8におけるマグネシウムの重量含有率は、例えば0.2重量%以上5重量%以下であってもよい。第1接合層8において、珪素とマグネシウムとを除いた残部は、例えばアルミニウムにより構成されている。上下方向における第1接合層8の厚さは、例えば10μm以上0.2mm以下である。
上下方向において、第2接合層7は応力緩和層6と第1板部3との間に位置している。第2接合層7は、応力緩和層6と第1板部3とを接合している。第2接合層7は、第2主面32において、第1板部3に接している。第2接合層7は、複数の層が積み重なって構成されている。第2接合層7は、第3化合物層11と、第1合金層12と、第1化合物層13と、第2合金層14と、第2化合物層15と、第1ニッケル含有層16とを有している。
上下方向において、第2接合層7は、第3化合物層11、第1合金層12、第1化合物層13、第2合金層14、第2化合物層15および第1ニッケル含有層16がこの順に応力緩和層6側から積み重なって構成されている。言い換えれば、第1合金層12は、第3化合物層11の上に位置している。第1合金層12は第3化合物層11に接している。第1化合物層13は第1合金層12の上に位置している。第1化合物層13は第1合金層12に接している。
第2合金層14は第1化合物層13の上に位置している。第2合金層14は第1化合物層13に接している。第2化合物層15は第2合金層14の上に位置している。第2化合物層15は第2合金層14に接している。第1ニッケル含有層16は第2化合物層15の上に位置している。第1ニッケル含有層16は第2化合物層15に接している。上下方向において、第1ニッケル含有層16は第1合金層12と第1板部3との間に位置している。上下方向において、第1化合物層13、第2合金層14および第2化合物層15の各々は、第1合金層12と第1ニッケル含有層16との間に位置している。上下方向において、第3化合物層11は、応力緩和層6と第1合金層12との間に位置している。
第3化合物層11は応力緩和層6に接している。第3化合物層11はアルミニウムおよびニッケルを含む材質により構成されている。第3化合物層11は、例えばアルミニウムとニッケルの化合物である。第3化合物層11におけるニッケルの重量含有率は、例えば25重量%である。第3化合物層11におけるニッケルの重量含有率は、例えば15重量%以上35重量%以下であってもよい。第3化合物層11において、ニッケルを除いた残部は、例えばアルミニウムにより構成されている。上下方向における第3化合物層11の厚さは、例えば10μm以上30μm以下である。
第1合金層12は、アルミニウム、珪素およびマグネシウムを含む材質により構成されている。第1合金層12における珪素の重量含有率は、例えば5重量%以上12重量%以下である。第1合金層12におけるマグネシウムの重量含有率は、例えば1重量%である。第1合金層12におけるマグネシウムの重量含有率は、例えば0.2重量%以上5重量%以下であってもよい。第1合金層12において、珪素とマグネシウムとを除いた残部は、例えばアルミニウムにより構成されている。上下方向における第1合金層12の厚さは、例えば10μm以上0.2mm以下である。
第1化合物層13は、アルミニウムおよびニッケルを含む材質により構成されている。第1化合物層13は、例えばアルミニウムとニッケルの化合物である。第1化合物層13におけるニッケルの重量含有率は、例えば25重量%である。第1化合物層13におけるニッケルの重量含有率は、例えば15重量%以上35重量%以下であってもよい。第1化合物層13において、ニッケルを除いた残部は、例えばアルミニウムにより構成されている。上下方向における第1化合物層13の厚さは、例えば10μm以上30μm以下である。
第2合金層14は、アルミニウム、珪素およびマグネシウムを含む材質により構成されている。第2合金層14における珪素の重量含有率は、例えば5重量%以上12重量%以下である。第2合金層14におけるマグネシウムの重量含有率は、例えば1重量%である。第2合金層14におけるマグネシウムの重量含有率は、例えば0.2重量%以上5重量%以下であってもよい。第2合金層14において、珪素とマグネシウムとを除いた残部は、例えばアルミニウムにより構成されている。上下方向における第2合金層14の厚さは、例えば10μm以上30μm以下である。
第2化合物層15は、アルミニウムおよびニッケルを含む材質により構成されている。第2化合物層15は、例えばアルミニウムとニッケルの化合物である。第2化合物層15におけるニッケルの重量含有率は、例えば25重量%である。第2化合物層15におけるニッケルの重量含有率は、例えば15重量%以上35重量%以下であってもよい。第2化合物層15において、ニッケルを除いた残部は、例えばアルミニウムにより構成されている。上下方向における第2化合物層15の厚さは、例えば10μm以上30μm以下である。
第1ニッケル含有層16は、第1板部3の第2主面32において第1板部3と接している。第1ニッケル含有層16におけるニッケルの重量含有率は、例えば85重量%以上である。上下方向における第1ニッケル含有層16の厚さは、例えば15μm以上30μm以下である。半導体装置用基板100の各部の組成は、エネルギー分散型X線分析を用いることによって測定可能である。
次に、実施の形態1に係る半導体装置用基板100の製造方法について説明する。図2は、実施の形態1に係る半導体装置用基板100の製造方法を概略的に示すフロー図である。図2に示されるように、実施の形態1に係る半導体装置用基板100の製造方法は、冷却器と銅基板とを準備する工程(S10)と、銅基板にめっき層を形成する工程(S20)と、第2ろう材層にめっき層を形成する工程(S30)と、第1主面と第2主面との間に接合材を配置した状態で接合材を加熱する工程(S40)とを主に有している。
まず、冷却器と銅基板とを準備する工程(S10)が実施される。冷却器と銅基板とは、互いに接合されていない状態で準備される。
次に、銅基板にめっき層を形成する工程(S20)が実施される。図3は、銅基板にめっき層を形成する工程を示す縦断面模式図である。図3に示される断面は、第1板部3の第2主面32に対して垂直であり、かつ第2主面32に交差している。
図3に示されるように、めっきすることにより第1板部3の第2主面32に第1層45が形成される。第1層45はニッケルめっき層である。第1層45は、例えば電解めっきによって形成される。第1層45は第2主面32において第1板部3に接している。第2主面32に垂直な方向において、第1層45の厚さは、例えば15μm以上30μm以下である。
次に、第2ろう材層にめっき層を形成する工程(S30)が実施される。図4は、第2ろう材層にめっき層を形成する工程を示す縦断面模式図である。図4に示される断面は、第2ろう材層43の厚さ方向に平行であり、かつ第2ろう材層43に交差している。
図4に示されるように、第2ろう材層43が準備される。第2ろう材層43は、例えばアルミニウム合金を圧延することにより作製される。次に、めっきすることにより第2ろう材層43に第2層44および第4ニッケル含有層42の各々が形成される。第2層44および第4ニッケル含有層42の各々は、ニッケルめっき層である。第2層44および第4ニッケル含有層42の各々は、例えば電解めっきによって形成される。第2層44から第4ニッケル含有層42に向かう方向において、第2層44の厚さは、例えば1μm以上3μm以下である。第2層44から第4ニッケル含有層42に向かう方向において、第4ニッケル含有層42の厚さは、例えば1μm以上3μm以下である。
第2ろう材層43は、第2層44および第4ニッケル含有層42の間に位置している。第2ろう材層43は、アルミニウム、珪素およびマグネシウムを含む材質により構成されている。具体的には、第2ろう材層43は、例えば珪素およびマグネシウムの各々が添加されたアルミニウム合金により構成されている。第2ろう材層43における珪素の重量含有率は、例えば5重量%以上12重量%以下である。第2ろう材層43におけるマグネシウムの重量含有率は、例えば0.2重量%以上5重量%以下である。第2ろう材層43において、珪素とマグネシウムとを除いた残部は、例えばアルミニウムにより構成されている。第2層44から第4ニッケル含有層42に向かう方向において、第2ろう材層43の厚さは、例えば20μm以上0.2mm以下である。
図5は、第1主面21と第2主面32との間に接合材を配置した状態を示す縦断面模式図である。図5に示される縦断面模式図は、図1に示される縦断面模式図に対応している。図5に示されるように、第1層45が形成された銅基板1と冷却器2との間に、第1ろう材層41と、応力緩和層6と、図4に示される第2層44および第4ニッケル含有層42の各々が形成された第2ろう材層43とが配置される。第1ろう材層41は、第1主面21において冷却器2に接するように配置される。第2層44は、第1層45と接するように配置される。別の観点から言えば、冷却器2の第1主面21と第1板部3の第2主面32との間に、接合材200が配置される。接合材200は、第1ろう材層41と、応力緩和層6と、第4ニッケル含有層42と、第2ろう材層43と、第2ニッケル含有層17とを有している。
次に、接合材200の構成について説明する。図6は、実施の形態1に係る接合材200の構成を示す縦断面模式図である。図6に示されるように、接合材200は、複数の層が積み重なって構成されている。
上下方向において、接合材200は、第1ろう材層41、応力緩和層6、第4ニッケル含有層42、第2ろう材層43および第2ニッケル含有層17がこの順に積み重なって構成されている。言い換えれば、応力緩和層6は第1ろう材層41の上に位置している。応力緩和層6は第1ろう材層41に接している。第4ニッケル含有層42は応力緩和層6の上に位置している。第4ニッケル含有層42は応力緩和層6に接している。
第2ろう材層43は第4ニッケル含有層42の上に位置している。第2ろう材層43は第4ニッケル含有層42に接している。第2ニッケル含有層17は第2ろう材層43の上に位置している。第2ニッケル含有層17は第2ろう材層43に接している。別の観点から言えば、第2ろう材層43は応力緩和層6の上に位置している。図6に示される断面は、第1ろう材層41から第2ろう材層43に向かう方向に平行であり、かつ第1ろう材層41および第2ろう材層43の各々に交差している。
第1ろう材層41は、アルミニウム、珪素およびマグネシウムを含む材質により構成されている。具体的には、第1ろう材層41は、例えば珪素およびマグネシウムの各々が添加されたアルミニウム合金により構成されている。第1ろう材層41における珪素の重量含有率は、例えば5重量%以上12重量%以下である。第1ろう材層41におけるマグネシウムの重量含有率は、例えば0.2重量%以上5重量%以下である。第1ろう材層41において、珪素とマグネシウムとを除いた残部は、例えばアルミニウムにより構成されている。上下方向において、第1ろう材層41の厚さは、例えば20μm以上0.2mm以下である。第2ニッケル含有層17は、第1層45と第2層44とにより構成されている。言い換えれば、第2ニッケル含有層17は、第1層45と、第2層44とを有している。
次に、第1主面と第2主面との間に接合材を配置した状態で接合材を加熱する工程(S40)が実施される。非図示の炉内において、第1主面21と第2主面32との間に接合材を配置した状態で接合材200を加熱する。炉内は、例えば窒素雰囲気等の不活性雰囲気である。第1ろう材層41および第2ろう材層43の各々の温度が、第1ろう材層41および第2ろう材層43の各々の融点以上、冷却器2の融点以下になるように、第1ろう材層41および第2ろう材層43の各々を加熱する。加熱時において、第1ろう材層41および第2ろう材層43の各々の最高到達温度は、例えば600℃である。第1ろう材層41および第2ろう材層43の各々の最高到達温度は、例えば530℃以上640℃以下であってもよい。これによって、第1ろう材層41および第2ろう材層43の各々は溶融する。
図7は、第1主面と第2主面との間に接合材を配置した状態で接合材を加熱する工程を示す縦断面模式図である。図7に示される縦断面模式図は、図5に示される縦断面模式図に対応している。
図5および図7に示されるように、加熱中において、溶融した第1ろう材層41は、第1溶融ろう材層57を形成する。溶融した第2ろう材層43の一部は、第2溶融ろう材層52を形成する。第2ろう材層43が溶融することにより、第2ニッケル含有層17の一部は、第2ろう材層43に溶解する。溶解した第2ニッケル含有層17の内、一部は第2主面32から第1主面21に向かう方向に拡散する。これにより、第1ニッケル濃化層53が形成される。溶解した第2ニッケル含有層17の残部は、第2ニッケル濃化層55を形成する。第2ニッケル含有層17の溶解しなかった部分は、第1ニッケル含有層16を形成する。第1ニッケル濃化層53と第2ニッケル濃化層55との間において、ニッケル濃度の低い第3溶融ろう材層54が形成される。第4ニッケル含有層42は、第2ろう材層43に溶解する。これによって、第3ニッケル濃化層51が形成される。
第1ニッケル濃化層53、第2ニッケル濃化層55および第3ニッケル濃化層51の各々は、溶融したろう材中にニッケルが拡散した層である。第1ニッケル濃化層53、第2ニッケル濃化層55および第3ニッケル濃化層51の各々のニッケルの重量含有率は、周囲の溶融ろう材層の重量含有率よりも大きい。
具体的には、第1ニッケル濃化層53におけるニッケルの重量含有率は、第2溶融ろう材層52および第3溶融ろう材層54の各々におけるニッケルの重量含有率より大きく、第1ニッケル含有層16におけるニッケルの重量含有率より小さい。第2ニッケル濃化層55におけるニッケルの重量含有率は、第3溶融ろう材層54におけるニッケルの重量含有率より大きく、第1ニッケル含有層16におけるニッケルの重量含有率より小さい。第3ニッケル濃化層51におけるニッケルの重量含有率は、第2溶融ろう材層52におけるニッケルの重量含有率より大きく、第1ニッケル含有層16におけるニッケルの重量含有率より小さい。
加熱された接合材200は、室温まで冷却される。これによって、図1に示される半導体装置用基板100が製造される。図1および図7に示されるように、冷却により、第1溶融ろう材層57は第1接合層8になる。第3ニッケル濃化層51は第3化合物層11になる。第2溶融ろう材層52は第1合金層12になる。第1ニッケル濃化層53は、第1化合物層13になる。第3溶融ろう材層54は第2合金層14になる。第2ニッケル濃化層55は、第2化合物層15になる。
第1主面と第2主面との間に接合材を配置した状態で接合材を加熱する工程(S40)の前後における、各部の対応関係について説明する。図1および図5に示されるように、第1接合層8は、第1ろう材層41により構成されている。第3化合物層11は、第2ろう材層43および第4ニッケル含有層42により構成されている。第1合金層12および第2合金層14の各々は、第2ろう材層43により構成されている。第1化合物層13および第2化合物層15の各々は、第2ろう材層43および第2ニッケル含有層17により構成されている。
次に、実施の形態1に係る半導体装置用基板100の作用効果について説明する。
実施の形態1に係る半導体装置用基板100は、第8主面38において第2板部5に半導体チップを接合した状態で使用される。半導体チップは例えばはんだ付けにより接合される。半導体チップが発熱した場合、銅基板1、第2接合層7、応力緩和層6および第1接合層8の各々を介して冷却器2に熱が伝わる。冷却器2が空気または冷却液に熱を伝えて排熱することにより、半導体チップは冷却される。
銅基板とアルミニウム製冷却器とをろう付けにより接合する場合、加熱する過程において、銅基板およびアルミニウム製冷却器の各々は膨張し、冷却する過程において、銅基板およびアルミニウム製冷却器の各々は収縮する。冷却する過程において、ろう材が凝固して、銅基板とアルミニウム製冷却器とが接合される。銅基板とアルミニウム製冷却器とが接合された後においても冷却は続く。このため、銅基板およびアルミニウム製冷却器の各々は、収縮を続ける。このとき、銅基板およびアルミニウム製冷却器の各々の線膨張係数の差により熱応力が発生する。この熱応力によって、銅基板の反りおよび割れと、接合部の破損とが発生するおそれがある。特に銅基板がセラミック製の絶縁板を有している場合、セラミックとアルミニウムとの線膨張係数の差は、銅とアルミニウムの線膨張係数の差よりも大きいため、熱応力の影響はより顕著になる。
さらに、半導体チップが発熱した場合、熱が伝わることにより、銅基板およびアルミニウム製冷却器の各々の温度は上昇する。この場合においても、上記と同様に銅基板とアルミニウム製冷却器との間において熱応力が発生する。
実施の形態1に係る半導体装置用基板100によれば、冷却器2の第1主面21と第1板部3の第2主面32との間に応力緩和層6が位置している。これによって、冷却器2と銅基板1との間に発生する熱応力を緩和することができる。具体的には、例えば応力緩和層6におけるアルミニウムの重量含有率は、冷却器2におけるアルミニウムの重量含有率よりも大きい。このため、応力緩和層6は延性に富んでおり、容易に塑性変形することができる。従って、冷却器2と銅基板1との間において発生する熱応力は、応力緩和層6の変形のためのエネルギーに変換される。この結果、応力緩和層6は熱応力を軽減することができる。これによって、銅基板1の反りおよび割れと、接合層の破損とを防止することができる。この結果、半導体装置用基板100の信頼性を高くすることができる。
実施の形態1に係る半導体装置用基板100の製造方法によれば、冷却器2は第1接合層8によって応力緩和層6と接合されており、かつ第1板部3は第2接合層7によって応力緩和層6と接合されている。このため、半導体装置用基板100の製造過程において、一度のろう付け工程のみで冷却器と板部と応力緩和層とを容易に接合することができる。これによって、半導体装置用基板100の高い信頼性を維持しつつ、生産性を高くすることができる。
一般に、アルミニウムと銅とのろう付けにおいては、アルミニウムを含むろう材が用いられる。このため、ろう付けの過程において、ろう材中のアルミニウムと銅とが接触する。これによって、ろう材と銅との間において、アルミニウムと銅の共晶組織が生成される。アルミニウムと銅の共晶組織は脆い。従って、接合部の強度が低下するおそれがある。実施の形態1に係る半導体装置用基板100の製造方法によれば、接合材200の第2ニッケル含有層17は第1板部3に接している。加熱する工程において、第2ニッケル含有層17は、第1ニッケル含有層16になる。第1ニッケル含有層16は第1板部3に接している。このため、第1板部3はアルミニウムと接触しない。言い換えれば、第1板部3において、第1ニッケル含有層16が、アルミニウムに対するバリア層として機能する。従って、第1板部3と接合材200との間において、アルミニウムと銅の共晶組織の生成を防ぐことができる。これによって、半導体装置用基板100の信頼性を高くすることができる。
実施の形態1に係る半導体装置用基板100の製造方法によれば、上下方向において、第2ニッケル含有層17の厚さは15μm以上である。このため、第2ニッケル含有層17が過度に薄くなることを防止することができる。これによって、半導体装置用基板100の信頼性をさらに高くすることができる。
第2ニッケル含有層17の第1層45の厚さが過度に大きい場合、第1層45を形成するために必要な時間が膨大になる。実施の形態1に係る半導体装置用基板100によれば、上下方向において、第1層45の厚さは30μm以下である。このため、第1層45の厚さが過度に大きくなることを防止することができる。これによって、第1層45を形成するために必要な時間が膨大になることを防ぐことができる。
実施の形態1に係る半導体装置用基板100によれば、上下方向において、第2層44の厚さは3μm以下である。このため、第2層44の厚さが過度に大きくなることを防止することができる。従って、加熱する工程において、第2層44は、より確実に第2ろう材層43に溶解することができる。これによって、銅基板1と応力緩和層6の接合がより確実に達成される。この結果、半導体装置用基板100の信頼性をさらに高くすることができる。
実施の形態1に係る半導体装置用基板100の製造方法によれば、接合材200は、第2ニッケル含有層17の第2層44を有している。加熱する工程において、第2層44は、第2ニッケル濃化層55になる。液体中に固体が溶解する場合、液体中のその固体の濃度が高いほど、その固体は液体中に溶解しにくくなる。従って、第2ニッケル濃化層55は、第1ニッケル含有層16のろう材層への溶解を抑制する。このため、第1ニッケル含有層16がろう材層へ過度に溶解することを防止することができる。この結果、第1ニッケル含有層16のバリア層としての機能の低下を防止することができる。
第2ニッケル含有層17の第1層45および第2層44の各々は、ニッケルめっき層である。つまり、第1層45および第2層44の各々の材質は同様である。従って、加熱する工程において、第1層45と第2層44とは接合されやすい。このため、半導体装置用基板100の信頼性を高くすることができる。
実施の形態1に係る半導体装置用基板100によれば、第2接合層7は、第1化合物層13、第2化合物層15および第3化合物層11を有している。第1化合物層13、第2化合物層15および第3化合物層11の各々は、アルミニウムおよびニッケルを含む材質により構成されている。第1化合物層13、第2化合物層15および第3化合物層11の各々は、アルミニウムとニッケルの化合物である。アルミニウムとニッケルの化合物は強度が高い。従って、第2接合層7において、亀裂が発生しにくくなる。これによって、半導体装置用基板100の信頼性をさらに高くすることができる。
応力緩和層6のアルミニウムの重量含有率が過度に小さい場合、応力緩和層6は硬くなる。このため、応力緩和層6は、熱応力を緩和する効果が低下する。実施の形態1に係る半導体装置用基板100によれば、応力緩和層6におけるアルミニウムの重量含有率は、例えば99.5重量%以上である。従って、応力緩和層6のアルミニウムの重量含有率が過度に小さくなることを防止することができる。これによって、半導体装置用基板100の信頼性をさらに高くすることができる。
実施の形態1に係る半導体装置用基板100によれば、上下方向において、応力緩和層6の厚さは50μm以上である。このため、応力緩和層6の厚さが過度に薄くなることを防止することができる。これによって、半導体装置用基板100の信頼性をさらに高くすることができる。
応力緩和層6の厚さが過度に厚い場合、半導体チップと冷却器2との間の熱抵抗が増加する。このため、半導体装置用基板100の放熱性能が低下する。実施の形態1に係る半導体装置用基板100によれば、上下方向において、応力緩和層6の厚さは3mm以下である。このため、応力緩和層6の厚さが過度に厚くなることを防止することができる。これによって、半導体装置用基板100の放熱性能の低下を防止することができる。
アルミニウムに対してろう付けをする場合、アルミニウムの酸化皮膜がろう付けを阻害する。このため、アルミニウムの酸化皮膜を除去するために、フラックスを用いる場合がある。半導体装置用基板100のろう付けにおいてフラックスを用いた場合、フラックスが溶融し、銅基板1の表面上に濡れ広がることにより、銅基板1の第1板部3と第2板部5との間において絶縁性が低下する。
実施の形態1に係る半導体装置用基板100の製造方法によれば、第1ろう材層41および第2ろう材層43の各々は、アルミニウム、珪素およびマグネシウムを含む材質により構成されている。マグネシウムにおける酸素との結合力は、アルミニウムにおける酸素との結合力より強い。このため、ろう付けの過程において、マグネシウムはアルミニウムから酸素を奪う。これによって、マグネシウムは、アルミニウムの酸化皮膜を除去する。従って、実施の形態1に係る半導体装置用基板100の製造方法によれば、フラックスを用いずにろう付けすることができる。この結果、半導体装置用基板100の絶縁性の低下を防止することができる。
フラックスを用いてろう付けした場合、フラックスが濡れ広がる。これにより、加熱する工程において、溶融したろう材層への第1ニッケル含有層16の拡散が促進される。このため、第1ニッケル含有層16のバリア層としての効果が低下するおそれがある。実施の形態1に係る半導体装置用基板100の製造方法によれば、フラックスを用いずにろう付けすることができる。このため、第2ニッケル含有層17のバリア層としての効果の低下を防止することができる。
一般に、JIS(Japanese Industrial Standards) H 4000:2017において規定されている5000系アルミニウム合金および6000系アルミニウム合金は、フラックスを用いたろう付けができない。実施の形態1に係る半導体装置用基板100の製造方法によれば、フラックスを用いずにろう付けすることができる。このため、冷却器2の材質として、5000系アルミニウム合金または6000系アルミニウム合金を選択することができる。
第1ろう材層41および第2ろう材層43の各々の珪素およびマグネシウムの重量含有率が過度に大きい場合、第1ろう材層41および第2ろう材層43の各々は硬くなる。このため、第1ろう材層41および第2ろう材層43の各々を、圧延等により加工することが難しくなる。実施の形態1に係る半導体装置用基板100の製造方法によれば、第1ろう材層41および第2ろう材層43の各々の珪素の重量含有率は、12重量%以下である。第1ろう材層41および第2ろう材層43の各々のマグネシウムの重量含有率は、5重量%以下である。従って、第1ろう材層41および第2ろう材層43の各々の珪素およびマグネシウムの重量含有率が過度に大きくなることを防止することができる。これによって、第1ろう材層41および第2ろう材層43の各々の加工が容易になる。
第1ろう材層41および第2ろう材層43の各々の珪素の重量含有率が過度に小さい場合、第1ろう材層41および第2ろう材層43の各々の融点が高くなる。実施の形態1に係る半導体装置用基板100の製造方法によれば、第1ろう材層41および第2ろう材層43の各々の珪素の重量含有率は、5重量%以上である。従って、第1ろう材層41および第2ろう材層43の各々の珪素の重量含有率が過度に小さくなることを防止することができる。これによって、第1ろう材層41および第2ろう材層43の各々は、容易に溶融することができる。
第1ろう材層41および第2ろう材層43の各々のマグネシウムの重量含有率が過度に小さい場合、第1ろう材層41および第2ろう材層43におけるアルミニウムの酸化皮膜を除去する効果が低下する。実施の形態1に係る半導体装置用基板100の製造方法によれば、第1ろう材層41および第2ろう材層43の各々のマグネシウムの重量含有率は、0.2重量%以上である。従って、第1ろう材層41および第2ろう材層43の各々のマグネシウムの重量含有率が過度に小さくなることを防止することができる。これによって、第1ろう材層41および第2ろう材層43の各々におけるアルミニウムの酸化皮膜を除去する効果の低下を防止することができる。
実施の形態1に係る半導体装置用基板100によれば、第1ろう材層41および第2ろう材層43の各々の厚さは、20μm以上である。従って、第1ろう材層41および第2ろう材層43の各々の厚さが過度に小さくなることを防止することができる。このため、冷却器2と応力緩和層6と銅基板1との接合強度が強くなる。これによって、半導体装置用基板100の信頼性をさらに高くすることができる。
第1ろう材層41および第2ろう材層43の各々の厚さが過度に大きい場合、第1ろう材層41および第2ろう材層43の各々が溶融した際に漏出するおそれがある。実施の形態1に係る半導体装置用基板100によれば、第1ろう材層41および第2ろう材層43の各々の厚さは、0.2mm以下である。従って、第1ろう材層41および第2ろう材層43の各々の厚さが過度に大きくなることを防止することができる。これによって、第1ろう材層41および第2ろう材層43の各々の漏出を防止することができる。
なお、応力緩和層6を構成する材質は、アルミニウムを含む材質に限定されない。応力緩和層6は、例えばニッケル板であってもよい。応力緩和層6におけるニッケルの含有率は、例えば90%以上である。ニッケルの線膨張係数は、銅基板1の絶縁板4の線膨張係数より大きく、かつ冷却器2の線膨張係数より小さい。このため、半導体装置用基板100が応力緩和層6を有していない場合と比較して、銅基板1および冷却器2に発生する熱応力は小さくなる。従って、実施の形態1に係る半導体装置用基板100と同様に、半導体装置用基板100の信頼性を高くすることができる。
さらに、応力緩和層6がニッケル板である場合、ニッケルを含む材質と応力緩和層6との接合が容易になる。具体的には、第3化合物層11と応力緩和層6との接合が容易になる。このため、半導体装置用基板100の信頼性をさらに高くすることができる。
なお、半導体装置用基板100の製造方法は、上記の製造方法に限られない。半導体装置用基板100の製造方法は、第2ろう材層にめっき層を形成する工程(S30)を有していなくてもよい。接合材200は、第2層44を有していなくてもよい。この場合、半導体装置用基板100は、第2合金層14および第1化合物層13を有していない。上記の場合においても、実施の形態1に係る半導体装置用基板100と同様の効果を得ることができる。
半導体装置用基板100の製造方法において、銅基板にめっき層を形成する工程(S20)と、第2ろう材層にめっき層を形成する工程(S30)とを実施する順番は特に限定されない。例えば、第2ろう材層にめっき層を形成する工程(S30)の後において、銅基板にめっき層を形成する工程(S20)が実施されてもよい。銅基板にめっき層を形成する工程(S20)と、第2ろう材層にめっき層を形成する工程(S30)とは、並行して同時に実施されてもよい。
なお、第1ろう材層41および第2ろう材層43の各々において、珪素とマグネシウムとを除いた残部は、ビスマスおよびリチウムの少なくとも一方を含んでいてもよい。この場合、第1ろう材層41および第2ろう材層43の各々は、溶融した際の濡れ性が高くなる。
なお、第1層45、第2層44および第4ニッケル含有層42の各々の形成方法は、電解めっきに限定されない。例えば、第1層45、第2層44および第4ニッケル含有層42の各々は、無電解めっきにより形成されてもよい。この場合においても、実施の形態1に係る半導体装置用基板100と同様の効果を得ることができる。
なお、応力緩和層6の形状は板状に限られない。応力緩和層6は例えば上下方向と垂直な方向に開口するスリットが設けられていても良い。スリットは複数設けられていてもよい。応力緩和層6は例えば中空構造であってもよい。上記のいずれの場合においても、実施の形態1に係る半導体装置用基板100と同様の効果を得ることができる。
なお、銅基板1の第2板部5は、第8主面38において、ニッケルめっき層が形成されていてもよい。ニッケルめっき層は、はんだ付けにおける接合の信頼性を向上することができる。このため、第8主面38において第2板部5に半導体チップをはんだ付けする場合、接合の信頼性が向上する。
なお、実施の形態1における半導体装置用基板100の製造方法の適用は、銅基板1と冷却器2との接合に限られない。実施の形態1における半導体装置用基板100の製造方法は、アルミニウムと銅との接合に適用可能である。
実施の形態2.
次に、実施の形態2に係る半導体装置用基板100の構成について説明する。実施の形態2に係る半導体装置用基板100の構成は、実施の形態1に係る半導体装置用基板100の構成と、主に第3化合物層11を有していない点において異なっている。以下、実施の形態1に係る半導体装置用基板100の構成と異なる点を中心に説明する。
図8は、実施の形態2に係る半導体装置用基板100の構成を示す縦断面模式図である。図8に示される縦断面模式図は、図1に示される縦断面模式図に対応している。第2接合層7の第1合金層12は応力緩和層6に接している。
次に、実施の形態2に係る半導体装置用基板100の製造方法について説明する。
図9は、実施の形態2に係る半導体装置用基板100の製造方法を概略的に示すフロー図である。図9に示されるように、実施の形態2に係る半導体装置用基板100の製造方法は、第2ろう材層にめっき層を形成する工程(S30)を有していない点において、実施の形態1に係る半導体装置用基板100の製造方法と異なっている。
第1主面と第2主面との間に接合材を配置した状態で接合材を加熱する工程(S40)前において、接合材200が準備される。図10は、実施の形態2に係る接合材200の構成を示す縦断面模式図である。図10に示される縦断面模式図は、図6に示される縦断面模式図に対応している。
図10に示されるように、接合材200は、第1ろう材層41と、応力緩和層6と、第2ろう材層43と、第3ニッケル含有層46とを主に有している。接合材200は、第1ろう材層41、応力緩和層6、第2ろう材層43および第3ニッケル含有層46がこの順に積み重なって構成されている。接合材200は、第1ろう材層41、応力緩和層6、第2ろう材層43および第3ニッケル含有層46が一体となって形成されている。アルミニウムを含む材質により構成されている被接合材と、銅を含む材質により構成されている被接合材とを接合してもよい。
具体的には、応力緩和層6は、第1ろう材層41の上に位置している。応力緩和層6は、例えば圧延により、第1ろう材層41に接合されている。第2ろう材層43は、応力緩和層6の上に位置している。第2ろう材層43は、例えば圧延により、応力緩和層6に接合されている。第3ニッケル含有層46は、第2ろう材層43の上に位置している。第3ニッケル含有層46は、例えば圧延により、第2ろう材層43に接合されている。第3ニッケル含有層46は、例えばニッケル箔である。第3ニッケル含有層46におけるニッケルの重量含有率は、例えば85重量%以上である。第1ろう材層41から第3ニッケル含有層46に向かう方向において、第3ニッケル含有層46の厚さは、例えば1μm以上3μm以下である。
図11は、実施の形態2に係る半導体装置用基板100の製造方法における第1主面と第2主面との間に接合材を配置した状態を示す縦断面模式図である。図11に示される縦断面模式図は、図5に示される縦断面模式図に対応している。図11に示されるように、接合材200の第3ニッケル含有層46は、第1層45に接している。第1主面と第2主面との間に接合材を配置した状態で接合材を加熱する工程(S40)が実施されることによって、図8に示される半導体装置用基板100が製造される。
実施の形態2に係る半導体装置用基板100の製造方法によれば、接合材200は、第1ろう材層41、応力緩和層6、第2ろう材層43および第3ニッケル含有層46が一体となって形成されている。このため、半導体装置用基板100の製造過程において、接合材200の配置が容易になる。従って、半導体装置用基板100の生産性が向上する。
なお、接合材200の第3ニッケル含有層46は、ニッケル箔に限られない。第3ニッケル含有層46は、例えばニッケルめっき層であってもよい。この場合、第1ろう材層41、応力緩和層6および第2ろう材層43が圧延等により一体となるように成形した後に、めっきにより第3ニッケル含有層46を形成してもよい。
なお、接合材200の構成は、上記の構成に限られない。図12は、実施の形態2の変形例に係る接合材200の構成を示す縦断面模式図である。図12に示される縦断面模式図は、図10に示される縦断面模式図に対応している。図12に示されるように、接合材200は、第5ニッケル含有層47をさらに有していてもよい。第5ニッケル含有層47は、第1ろう材層41の下に位置している。第5ニッケル含有層47は、第1ろう材層41に接合されている。第5ニッケル含有層47は、例えばめっきにより第3ニッケル含有層46と同時に形成されてもよい。実施の形態2の変形例に係る接合材200においても、実施の形態2に係る接合材200と同様の効果を得ることができる。
実施の形態2の変形例に係る接合材200を用いて作製された半導体装置用基板100において、第1接合層8は、第4化合物層と第3合金層を有している。第4化合物層は、第1主面21において冷却器2に接している。第3合金層は、第4化合物層と応力緩和層6との間に位置している。第3合金層は、応力緩和層6に接している。実施の形態2の変形例に係る半導体装置用基板100においても、実施の形態1に係る半導体装置用基板100と同様の効果を得ることができる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本開示の範囲は上記した実施の形態ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味、および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 銅基板、2 冷却器、3 第1板部、4 絶縁板、5 第2板部、6 応力緩和層、7 第2接合層、8 第1接合層、11 第3化合物層、12 第1合金層、13 第1化合物層、14 第2合金層、15 第2化合物層、16 第1ニッケル含有層、17 第2ニッケル含有層、20 本体部、21 第1主面、23 第3主面、24 突起部、32 第2主面、33 外周側面、34 第4主面、35 第5主面、36 第6主面、37 第7主面、38 第8主面、41 第1ろう材層、42 第4ニッケル含有層、43 第2ろう材層、44 第2層、45 第1層、46 第3ニッケル含有層、47 第5ニッケル含有層、51 第3ニッケル濃化層、52 第2溶融ろう材層、53 第1ニッケル濃化層、54 第3溶融ろう材層、55 第2ニッケル濃化層、57 第1溶融ろう材層、100 半導体装置用基板、200 接合材。

Claims (19)

  1. 第1主面を含む冷却器と、
    前記第1主面と対向している第2主面を含む板部と、
    前記第1主面と前記第2主面との間に位置している応力緩和層と、
    前記冷却器と前記応力緩和層とを接合している第1接合層と、
    前記応力緩和層と前記板部とを接合している第2接合層とを備え、
    前記第2接合層は、第1合金層と、前記第1主面から前記第2主面に向かう方向において、前記第1合金層と前記板部との間に位置しているニッケル含有層とを含み、
    前記ニッケル含有層は、前記第2主面において前記板部と接しており、
    前記冷却器は、アルミニウムを含む材質により構成されており、
    前記板部は、銅を含む材質により構成されている、半導体装置用基板。
  2. 前記第1合金層は、アルミニウム、珪素およびマグネシウムを含む材質により構成されている、請求項1に記載の半導体装置用基板。
  3. 前記第2接合層は、前記第1合金層と前記ニッケル含有層との間において、前記第1合金層の上に位置している第1化合物層と、前記第1化合物層の上に位置している第2合金層と、前記第2合金層の上に位置している第2化合物層とをさらに含み、
    前記第1化合物層は、アルミニウムおよびニッケルを含む材質により構成されており、
    前記第2化合物層は、アルミニウムおよびニッケルを含む材質により構成されている、請求項1または2に記載の半導体装置用基板。
  4. 前記第2合金層は、アルミニウム、珪素およびマグネシウムを含む材質により構成されている、請求項3に記載の半導体装置用基板。
  5. 前記第2接合層は、前記第1主面から前記第2主面に向かう方向において、前記応力緩和層と前記第1合金層との間に位置している第3化合物層をさらに含み、
    前記第3化合物層は、アルミニウムおよびニッケルを含む材質により構成されている、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の半導体装置用基板。
  6. 前記第1接合層は、アルミニウム、珪素およびマグネシウムを含む材質により構成されている、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の半導体装置用基板。
  7. 前記応力緩和層におけるアルミニウムの重量含有率は、前記冷却器におけるアルミニウムの重量含有率よりも大きい、請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の半導体装置用基板。
  8. 前記応力緩和層は、ニッケル板である、請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の半導体装置用基板。
  9. 第1主面を含む冷却器と第2主面を含む板部とを準備する工程と、
    前記第1主面と前記第2主面との間に接合材を配置した状態で前記接合材を加熱する工程とを備え、
    前記冷却器は、アルミニウムを含む材質により構成されており、
    前記板部は、銅を含む材質により構成されており、
    前記第1主面と前記第2主面との間に前記接合材を配置した状態で前記接合材を加熱する工程前において、前記接合材は、第1ろう材層と、前記第1ろう材層の上に位置している応力緩和層と、前記応力緩和層の上に位置している第2ろう材層と、前記第2ろう材層の上に位置しているニッケル含有層とを含み、
    前記第1主面と前記第2主面との間に前記接合材を配置した状態で前記接合材を加熱する工程において、前記第1ろう材層および前記第2ろう材層の各々は溶融する、半導体装置用基板の製造方法。
  10. 前記ニッケル含有層は、第1層を有し、
    前記第1主面と前記第2主面との間に前記接合材を配置した状態で前記接合材を加熱する工程前において、めっきすることにより前記第2主面上に前記第1層を形成する工程をさらに備えた、請求項9に記載の半導体装置用基板の製造方法。
  11. 前記ニッケル含有層は、第2層を有し、
    前記第1主面と前記第2主面との間に前記接合材を配置した状態で前記接合材を加熱する工程前において、めっきすることにより前記第2ろう材層上に前記第2層を形成する工程をさらに備えた、請求項9または請求項10に記載の半導体装置用基板の製造方法。
  12. 前記第1主面と前記第2主面との間に前記接合材を配置した状態で前記接合材を加熱する工程前において、前記接合材は、前記第1ろう材層、前記応力緩和層、前記第2ろう材層および前記ニッケル含有層が一体となって形成されている、請求項9から請求項11のいずれか1項に記載の半導体装置用基板の製造方法。
  13. 前記第1ろう材層は、アルミニウム、珪素およびマグネシウムを含む材質により構成されている、請求項9から請求項12のいずれか1項に記載の半導体装置用基板の製造方法。
  14. 前記第2ろう材層は、アルミニウム、珪素およびマグネシウムを含む材質により構成されている、請求項9から請求項13のいずれか1項に記載の半導体装置用基板の製造方法。
  15. 前記応力緩和層におけるアルミニウムの重量含有率は、前記冷却器におけるアルミニウムの重量含有率よりも大きい、請求項9から請求項14のいずれか1項に記載の半導体装置用基板の製造方法。
  16. 第1ろう材層と、
    前記第1ろう材層の上に位置しており且つ前記第1ろう材層に接合されている応力緩和層と、
    前記応力緩和層の上に位置しており且つ前記応力緩和層に接合されている第2ろう材層と、
    前記第2ろう材層の上に位置しており且つ前記第2ろう材層に接合されているニッケル含有層とを備えている、接合材。
  17. 前記第1ろう材層は、アルミニウム、珪素およびマグネシウムを含む材質により構成されている、請求項16に記載の接合材。
  18. 前記第2ろう材層は、アルミニウム、珪素およびマグネシウムを含む材質により構成されている、請求項16または請求項17に記載の接合材。
  19. アルミニウムを含む材質により構成されている被接合材を接合する接合材であって、
    前記応力緩和層におけるアルミニウムの重量含有率は、前記被接合材におけるアルミニウムの重量含有率よりも大きい、請求項16から請求項18のいずれか1項に記載の接合材。
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