JP2023054966A - 補強構造体、補強部材の組み合わせ及びバックドア - Google Patents

補強構造体、補強部材の組み合わせ及びバックドア Download PDF

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Abstract

【課題】インナーパネルとアウターパネルの間かつバックドアの外周に配置され、バックドアの剛性を向上可能な補強構造体の提供。【解決手段】金属及び、樹脂と繊維との複合材料の少なくとも一方を含む枠状部を備え、前記枠状部は、平面視にて一部が開口した開口部を有し、インナーパネルとアウターパネルの間かつバックドアの外周に配置されることでバックドアを補強するための補強構造体。【選択図】図1

Description

本開示は、補強構造体、補強部材の組み合わせ及びバックドアに関する。
近年、自動車の燃費向上、環境負荷低減等を目的として、自動車部品の軽量化が求められている。この要求に応えるため、部品の材質を金属から樹脂に変更する例が増えてきている。例えば、自動車の後部に設置されるバックドア等の部材に関しても、樹脂化が広まっている。一方、樹脂は鋼板に比べて剛性が低いため、剛性が低いことによる変形等を抑制する技術が求められている。
例えば、特許文献1では、インナーパネルとアウターパネルとの間に金属製のヒンジレインフォースメントを配置することでバックドアの剛性を確保可能なバックドアの補強構造が開示されている。
特開2011-136606号公報
特許文献1に記載のバックドアの補強構造では、ヒンジレインフォースメントは、インナーパネルの窓枠部の両側面に配設されているが、インナーパネルの窓枠部の両側面以外にインフォースメントが配置されておらず、バックドアの剛性に改善の余地がある。
本開示は上記事情に鑑み、インナーパネルとアウターパネルの間かつバックドアの外周に配置され、バックドアの剛性を向上可能な補強構造体、この補強構造体を作製可能な補強部材の組み合わせ及びこの補強構造体を備えるバックドアを提供することを目的とする。
上記課題を解決するための手段には、以下の実施態様が含まれる。
<1> 金属及び、樹脂と繊維との複合材料の少なくとも一方を含む枠状部を備え、
前記枠状部は、平面視にて一部が開口した開口部を有し、インナーパネルとアウターパネルの間かつバックドアの外周に配置されることでバックドアを補強するための補強構造体。
<2> 前記枠状部の少なくとも一部にて、前記枠状部の長手方向と直交する断面の形状が中空形状又は凹形状を有する<1>に記載の補強構造体。
<3> 前記枠状部が前記金属を含む場合、前記金属は、鉄、アルミニウム及びこれらの合金からなる群より選択される少なくとも1種を含み、前記枠状部が前記複合材料を含む場合、前記複合材料は、シートモールディングコンパウンド(SMC)を含む<1>又は<2>に記載の補強構造体。
<4> 前記バックドアの外周に配置された際、前記開口部が前記バックドアの上部側に位置する<1>~<3>のいずれか1つに記載の補強構造体。
<5> 金属及び、樹脂と繊維との複合材料の少なくとも一方を含む複数の補強部材を含み、
前記複数の補強部材を連結することで<1>~<4>のいずれか1つに記載の補強構造体を製造するための補強部材の組み合わせ。
<6> インナーパネルと、
アウターパネルと、
前記インナーパネルと前記アウターパネルとの間に配置された<1>~<4>のいずれか1つに記載の補強構造体と、
を備えるバックドア。
本開示によれば、インナーパネルとアウターパネルの間かつバックドアの外周に配置され、バックドアの剛性を向上可能な補強構造体、この補強構造体を作製可能な補強部材の組み合わせ及びこの補強構造体を備えるバックドアが提供される。
本開示のバックドアの概略構成を示す平面図である。 図1のA-A線断面図である。 本開示の変形例1に係る補強構造体を示す断面図である。 本開示の変形例2に係る補強構造体を示す断面図である。 本開示の変形例3に係る補強構造体がインナーパネルに締結されている構成を示す断面図である。 本開示の変形例4に係る補強構造体がインナーパネルに締結されている構成を示す断面図である。 本開示の変形例5に係る補強構造体がブラケットに締結されている構成を示す断面図である。 実施例2のバックドアの概略構成を示す平面図である。 実施例1、実施例2及び比較例1に係るバックドアの建付け剛性の解析結果を示すグラフである。 実施例1、実施例2及び比較例1に係るバックドアの横剛性の解析結果を示すグラフである。 実施例1、実施例2及び比較例1に係るバックドアの捻り剛性の解析結果を示すグラフである。 比較例1のバックドアの概略構成を示す平面図である。
以下、本開示を実施するための形態について詳細に説明する。但し、本開示は以下の実施形態に限定されるものではない。以下の実施形態において、その構成要素(要素ステップ等も含む)は、特に明示した場合を除き、必須ではない。数値及びその範囲についても同様であり、本開示を制限するものではない。
本開示において「工程」との語には、他の工程から独立した工程に加え、他の工程と明確に区別できない場合であってもその工程の目的が達成されれば、当該工程も含まれる。
本開示において「~」を用いて示された数値範囲には、「~」の前後に記載される数値がそれぞれ最小値及び最大値として含まれる。
本開示中に段階的に記載されている数値範囲において、一つの数値範囲で記載された上限値又は下限値は、他の段階的な記載の数値範囲の上限値又は下限値に置き換えてもよい。また、本開示中に記載されている数値範囲において、その数値範囲の上限値又は下限値は、実施例に示されている値に置き換えてもよい。
本開示において各成分は該当する物質を複数種含んでいてもよい。組成物中に各成分に該当する物質が複数種存在する場合、各成分の含有率は、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数種の物質の合計の含有率を意味する。
本開示において「層」との語には、当該層が存在する領域を観察したときに、当該領域の全体に形成されている場合に加え、当該領域の一部にのみ形成されている場合も含まれる。
本開示において実施形態を図面を参照して説明する場合、当該実施形態の構成は図面に示された構成に限定されない。また、各図における部材の大きさは概念的なものであり、部材間の大きさの相対的な関係はこれに限定されない。
[補強構造体]
本開示の補強構造体は、金属及び、樹脂と繊維との複合材料の少なくとも一方を含む枠状部を備え、前記枠状部は、平面視にて一部が開口した開口部を有し、インナーパネルとアウターパネルの間かつバックドアの外周に配置されることでバックドアを補強するための構造体である。本開示の補強構造体は、前述の枠状部を備え、バックドアの外周に配置されることでバックドアの剛性を向上可能である。
補強構造体を構成する枠状部は、インナーパネルとアウターパネルの間かつバックドアの外周に配置され、バックドアの補強に寄与する。特に、インナーパネル及びアウターパネルが樹脂製である場合に、本開示の補強構造体を用いることでバックドアの剛性を好適に向上させることができる。
本開示の補強構造体がバックドアに配置される際、インナーパネルの窓枠部の周囲に枠状部が位置することが好ましく、インナーパネルの窓枠部上部以外の窓枠部の周囲を囲むように枠状部が位置することがより好ましい。
枠状部は、バックドアの外周に沿って配置可能な形状であることが好ましく、例えば、平面視にてインナーパネルの外周に沿った形状を有することが好ましい。枠状部の形状は、例えば、平面視にて、四角形状、台形状等の多角形状、円状、楕円状などであってもよい。また、枠状部が平面視にて多角形状である場合、角の部分は丸みを尖っていてもよく、帯びていてもよい。例えば、後述する図1に示すように、補強構造体1は平面視にてインナーパネル4の外周に沿った形状を有し、補強構造体1を構成する枠状部の形状は、平面視にて四角形状又は台形状であることが好ましい。
枠状部の幅は、バックドアの剛性及びバックドアの軽量化の観点から、10mm~110mmであることが好ましく、15mm~80mmであることがより好ましく、15mm~40mmであることがさらに好ましい。
枠状部の幅と直交する枠状部の高さは、バックドアの剛性及びバックドアの軽量化の観点から、10mm~110mmであることが好ましく、15mm~80mmであることがより好ましく、15mm~40mmであることがさらに好ましい。
枠状部の幅に対する枠状部の高さの比率である枠状部の高さ/枠状部の幅は、特に限定されず、例えば、0.2~2であってもよく、0.5~1.5であってもよい。
枠状部の長手方向と直交する断面の形状は特に限定されない。バックドアの軽量化の観点から、枠状部の少なくとも一部での前述の断面形状は、中空形状又は凹形状を有することが好ましい。
枠状部の長手方向と直交する断面の形状について、枠状部全体にてその断面形状が中空形状又は凹形状を有していてもよく、枠状部の一部にてその断面形状が中空形状又は凹形状を有していてもよい。枠状部の一部にてその断面形状が中空形状又は凹形状を有する場合、枠状部のその他の部分にてその断面形状が中空形状及び凹形状以外の形状、例えば、中実形状等のその他の形状を有していてもよい。枠状部の一部にてその断面形状が中空形状又は凹形状を有する場合に、枠状部の長さ方向において、その断面形状は一定の大きさであってもよく、一部縮小、拡大等によって変動してもよく、一部別形状であってもよい。枠状部の一部にてその断面形状が中空形状又は凹形状を有する場合、中空形状又は凹形状の箇所に何らかの部材が充填、配置等されていてもよく、中空形状又は凹形状の箇所がネジ等によってインナーパネル、アウターパネル、ブラケット等の部品などに締結されていてもよい。
枠状部の長手方向と直交する断面の形状が中空形状又は凹形状を有する場合、枠状部の板厚は、0.3mm~10mmであることが好ましく、0.5mm~5mmであることがより好ましく、1mm~3mmであることがさらに好ましい。
枠状部の長手方向と直交する断面において、その断面積は、バックドアの剛性及びバックドアの軽量化の観点から、50mm~1000mmであることが好ましく、100mm~700mmであることがより好ましく、100mm~400mmであることがさらに好ましい。
前述の断面積は、枠状部の長手方向と直交する断面における板厚を有する部分の合計面積を意味する。
枠状部の全体の長さに対する開口部の幅の比率は、特に限定されず、バックドアの剛性及びバックドアの軽量化の観点から、0.5~0.9であることが好ましく、0.6~0.85であることがより好ましく、0.65~0.8であることがさらに好ましい。
例えば、後述する図2では、W1が枠状部の幅に相当し、H1が枠状部の高さに相当し、T1は枠状部の板厚に相当する。枠状部の幅、枠状部の高さ及び枠状部の板厚等は、枠状部の位置によって変動してもよく、枠状部の位置に関係なく略一定であってもよい。
補強構造体を構成する枠状部は、金属及び、樹脂と繊維との複合材料の少なくとも一方を含む。枠状部は、金属及び複合材料のどちらか一方のみを含んでいてもよく、金属及び複合材料の両方を含んでいてもよい。
枠状部が金属を含む場合、枠状部に含まれる金属は、特に限定されず、鉄、アルミニウム及びこれらの合金(例えば、アルミニウム合金、鉄鋼)からなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましく、補強構造体の軽量化の観点から、アルミニウム及びアルミニウム合金からなる群より選択される少なくとも一種であることがより好ましい。
枠状部が樹脂と繊維との複合材料を含む場合、複合材料は、シートモールディングコンパウンド(SMC)を含むことが好ましく、ガラス繊維、炭素繊維等の無機繊維を含浸させた飽和ポリエステル樹脂を含むことがより好ましい。
補強構造体を構成する枠状部は、平面視にて一部が開口した開口部を有している。これにより、枠状部の少なくとも一部に繋がっていない箇所が存在することになる。開口部の位置は特に限定されず、例えば、本開示の補強構造体がバックドアの外周に配置された際のバックドアの剛性の観点から、開口部がバックドアの上部側に位置することが好ましい。
[補強部材の組み合わせ]
本開示の補強部材の組み合わせは、金属及び、樹脂と繊維との複合材料の少なくとも一方を含む複数の補強部材を含み、前記複数の補強部材を連結することで前述の本開示の補強構造体を製造するために用いられる。補強部材は、互いに連結することで前述の枠状部を備える補強構造体を作製可能であれば特に限定されない。例えば、複数の補強部材は、複数の長尺状の部材及び複数の屈曲した部材であり、屈曲した部材の一端又は両端に長尺状の部材を連結することで補強構造体を作製してもよい。より具体的には、図1に示すように、屈曲した部材1A、1C、1E、1G及び長尺状の部材1B、1D、1Fを連結することで補強構造体1を作製してもよい。なお、図1中の点線部は、連結した屈曲した部材及び長尺状の部材の継ぎ目を意味する。
[バックドア]
本開示のバックドアは、インナーパネルと、アウターパネルと、前記インナーパネルと前記アウターパネルとの間に配置された本開示の補強構造体と、を備える。本開示の補強構造体が、バックドアに配置されていることでバックドアの剛性が向上可能となる。
バックドアは、自動車の車体後部に配置されたドアであり、例えば、ヒンジを用いて開閉可能な状態で車体の後部に保持される。
インナーパネルはバックドアの構成のなかで自動車の内装となる部材であり、アウターパネルは、バックドアの構成のなかで自動車の外装となる部材である。例えば、アウターパネルの縁部と、インナーパネルの縁部と、を貼り合わせて一体化されることでバックドアが構成される。
インナーパネル及びアウターパネルの材質は特に限定されない。バックドアの軽量化の観点から、インナーパネル及びアウターパネルは、それぞれ独立に、樹脂を含んでいてもよく、樹脂及び繊維を含んでいてもよい。
インナーパネル及びアウターパネルに含まれ得る樹脂としては、特に限定されず、例えば、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂等のポリオレフィン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン系樹脂(ABS樹脂)などの熱可塑性樹脂;エポキシ系樹脂、オキサジン系樹脂、ビスマレイミド系樹脂、フェノール系樹脂、不飽和ポリエステル系樹脂、シリコーン系樹脂等の熱硬化性樹脂;などが挙げられる。コスト及び質量の観点から、ポリオレフィン系樹脂が好ましく、ポリプロピレン系樹脂がより好ましい。
インナーパネル及びアウターパネルに含まれ得る樹脂は、一種であってもよく、二種以上であってもよい。
インナーパネル及びアウターパネルに含まれ得る繊維としては、炭素繊維、ガラス繊維、金属繊維、セラミックス繊維等の無機繊維、アラミド繊維、セルロース繊維等の有機繊維などが挙げられる。強度向上の観点から、これらの中でも無機繊維が好ましく、無機繊維の中でもガラス繊維、炭素繊維、及び金属繊維がより好ましく、ガラス繊維がさらに好ましい。
インナーパネル及びアウターパネルに含まれ得る繊維は、一種であってもよく、二種以上であってもよい。
インナーパネルは、ガラス繊維強化ポリプロピレン系樹脂又はポリプロピレン系樹脂から構成されることが好ましい。アウターパネルは、ポリプロピレン系樹脂、ABS樹脂又はポリプロピレン系樹脂及びABS樹脂の混合物から構成されることが好ましい。
インナーパネル及びアウターパネルに含まれ得る樹脂は同種であってもよく、異種であってもよい。インナーパネル及びアウターパネルに含まれ得る繊維は同種であってもよく、異種であってもよい。インナーパネル及びアウターパネルの一方(例えば、インナーパネル)に繊維が含まれ、他方(例えば、アウターパネル)に繊維が含まれていなくてもよく、インナーパネル及びアウターパネルの一方(例えば、アウターパネル)に含まれる繊維の含有率は、他方(例えば、インナーパネル)に含まれる繊維の含有率よりも少なくてもよい。
さらに、本開示の補強構造体を用いることでインナーパネルに含まれるガラス繊維の量を減らすことが可能となり、例えば、繊維が含まれていないインナーパネルを本開示のバックドアに適用してもよい。
インナーパネル及びアウターパネルは、それぞれ独立に、樹脂及び繊維以外の成分を含んでいてもよい。樹脂及び繊維以外の成分としては、無機充填材、離型剤、難燃剤、着色剤等が挙げられる。
インナーパネルには、本開示の補強構造体以外の補強部材が配置されていてもよい。例えば、インナーパネルのヒンジ部分、インナーパネルの側部、インナーパネルのロック部等に補強部材が配置されていてもよい。インナーパネルのヒンジ部分に補強部材が配置されている場合、インナーパネルの窓枠部上部の両端に補強部材が配置されていることが好ましい。インナーパネルの側部に補強部材が配置されている場合、インナーパネルの窓枠部下部の両端に補強部材が配置されていることが好ましい。
補強部材の材質としては特に限定されず、補強構造体の項目にて列挙した金属が挙げられる。補強部材の材質が金属である場合、補強部材と本開示の補強構造体とは同じ金属から構成されていてもよく、異なる金属から構成されていてもよい。
本開示のバックドアは本開示の補強構造体を備えることでバックドアの剛性が向上している。そのため、バックドアの剛性を確保しつつ、インナーパネルに配置され得るこれらの補強部材を小型化することができる。
本開示のバックドアでは、インナーパネルのヒンジ部分、インナーパネルの側部及びインナーパネルのロック部の全てに補強部材が配置されている必要はなく、少なくともいずれか1つが配置されていなくてもよい。例えば、インナーパネルの側部に補強部材が配置されていなくてもよい。
インナーパネルに本開示の補強構造体以外の補強部材が配置されている場合、補強部材に本開示の補強構造体の一部が固定されていてもよい。例えば、補強部材に本開示の補強構造体の一部がネジ等によって締結されていてもよい。
本開示のバックドアは、本開示の補強構造体、インナーパネル、アウターパネル及び前述の補強部材以外のその他の部材を備えていてもよい。その他の部材としては、特に限定されず、ヒンジ、ダンパー、ロック機構、窓等が挙げられる。
本開示のバックドアの製造方法は、例えば、インナーパネル、アウターパネル及び本開示の補強構造体を準備する工程と、インナーパネルとアウターパネルの間に本開示の補強構造体を配置した状態でインナーパネルとアウターパネルとを貼り合わせて一体化する工程と、を有する。
インナーパネル及びアウターパネルは、従来公知のバックドアの製造方法に基づいて製造することで準備すればよい。例えば、インナーパネル及びアウターパネルがそれぞれ熱可塑性樹脂を含む場合、金型を用いた成形方法によりインナーパネル及びアウターパネルを製造してもよい。
本開示の補強構造体は、従来公知の金属又は樹脂材料の加工方法によって製造することができる。
インナーパネルとアウターパネルの間に本開示の補強構造体を配置する方法としては、例えば、ネジ等によりインナーパネルに補強構造体を締結する方法、インナーパネルに別途配置された補強部材に補強構造体を締結する方法、ブラケット等の部品に補強構造体を締結することでインナーパネルとアウターパネルの間に補強構造体を配置する方法などが挙げられる。
インナーパネルとアウターパネルとを貼り合わせて一体化する工程では、例えば、インナーパネルの接着面とアウターパネルの接着面とを、接着剤等により接着させる方法、加熱して融着させる方法等により接着させる。接着剤としては、ウレタン系接着剤等が挙げられる。
以下、バックドアの具体例について図面を用いて説明する。本開示のバックドアの構成は以下の図面で示される具体例に限定されず、また、各図面に示される構成については適宜組み合わせてもよい。
図1は、本開示のバックドアの概略構成を示す平面図である。図1に示すように、バックドア10は、補強構造体1と、ヒンジ部補強部材3A、サイド部補強部材3B、ロック部補強部材3C、インナーパネル4及び図示しないアウターパネルを備える。インナーパネル4の中央部上側には、窓を設置するための開口領域及び窓枠部が設けられている。
補強構造体1は、インナーパネル4の周囲に沿ってインナーパネル4の内側に配置され、バックドア10の上部に開口部2を有する枠状部から構成される部材である。補強構造体1は、ヒンジ部補強部材3A、サイド部補強部材3B及びロック部補強部材3Cにネジによって締結されている。
ヒンジ部補強部材3Aは、インナーパネル4の窓枠部上部の両端に配置されており、インナーパネルの反り抑制、バックドア10の剛性等に寄与する。サイド部補強部材3Bは、インナーパネル4の窓枠部下部の両端に配置されており、バックドア10の剛性等に寄与する。ロック部補強部材3Cは、インナーパネル4下部のロック部に配置されており、バックドア10の剛性等に寄与する。
図2は、図1のA-A線断面図である。図2に示すように、補強構造体1は、高さ方向において、インナーパネル4とアウターパネル5との間に配置され、インナーパネル4とアウターパネル5とは一体化されている。補強構造体1は、高さ方向と直交する幅方向において、バックドア10の外部側におけるインナーパネル4とアウターパネル5との接合箇所1と、バックドア10の内部側におけるインナーパネル4とアウターパネル5との接合箇所2との間に配置されている。補強構造体1は、幅方向において、前記接合箇所1及び前記接合箇所2と距離を開けて配置されている。
補強構造体1を構成する枠状部の長手方向と直交する断面の形状は、中空形状となっている。これにより、補強構造体1の軽量化を図ることができる。W1が枠状部の幅に相当し、H1が枠状部の高さに相当し、T1は枠状部の板厚に相当し、それぞれの好ましい範囲は前述の通りである。
以下、補強構造体の変形例1~5について図3~図7を用いて説明する。図3は、本開示の変形例1に係る補強構造体を示す断面図であり、図4は、本開示の変形例2に係る補強構造体を示す断面図である。
図3では、補強構造体11を構成する枠状部の長手方向と直交する断面の形状は、凹形状となっている。図4では、補強構造体21を構成する枠状部の長手方向と直交する断面にて、幅方向の端部がフランジ形状(凹形状の一例)となっている。
図5は、本開示の変形例3に係る補強構造体がインナーパネルに締結されている構成を示す断面図である。図5に示されるように、ネジ孔を有するボス7にネジ6が嵌め込まれることで補強構造体31がインナーパネル4に締結されている。補強構造体31の底部には、ネジ6のネジ部が挿通し、ネジ6の頭部が引っ掛かる孔部が設けられており、補強構造体31の上部にネジ6を締結する作業用の穴が設けられている。
図6は、本開示の変形例4に係る補強構造体がインナーパネルに締結されている構成を示す断面図である。図6に示されるように、補強構造体41を構成する枠状部の長手方向と直交する断面の形状は、日の字、つまり略B字状となっている。図6に示されるように、インナーパネル4上に配置されたネジ孔を有するボス7が補強構造体41の底部を挿通している。補強構造体41の中央面には、ネジ6のネジ部が挿通し、ネジ6の頭部が引っ掛かる孔部が設けられており、補強構造体41の中央面を介してボス7にネジ6が嵌め込まれることで補強構造体41がインナーパネル4に締結されている。
図7は、本開示の変形例5に係る補強構造体がブラケットに締結されている構成を示す断面図である。図7では、補強構造体51を構成する枠状部の長手方向と直交する断面の形状は中空形状となっており、中空形状の上部にナット17を挿通した状態で係止する孔部が設けられている。ブラケット18を挿通した状態でナット17にネジ16が嵌め込まれることで補強構造体51がブラケット18に締結されている。補強構造体51では、中空形状の底部がネジ等によってインナーパネル4に締結されていてもよい。
補強構造体がインナーパネル、補強部材、ブラケット等にネジを用いて締結される際の締結位置、締結箇所の個数等は特に限定されず、バックドアの物理的構成、補強構造体の構成、補強部材の位置等によって適宜調整してもよい。補強構造体がインナーパネル、補強部材、ブラケット等にネジを用いて締結される際、締結位置は、各図に示すような補強構造体の厚さ方向と直交する面(例えば、上部及び底部)に限定されず、補強構造体の側部であってもよい。
枠状部の長手方向と直交する断面の形状が、中空形状、凹形状等を有する場合、中空部分、凹部分等の空間にハーネス等の部材が位置していてもよい。
以下、上記実施形態を実施例により具体的に説明するが、上記実施形態はこれらの実施例に限定されるものではない。
<実施例1>
(インナーパネルの準備)
インナーパネル用熱可塑性樹脂としてガラス繊維入りポリプロピレン系樹脂を用い、インナーパネル用金型により、樹脂温度240℃、射出圧力100MPaの条件で、射出成形を行うことで、インナーパネルを得た。
(アウターパネルの準備)
アウターパネル用熱可塑性樹脂としてポリプロピレン系樹脂を用い、アウターパネル用金型により、樹脂温度240℃、射出圧力100MPaの条件で、射出成形を行うことで、アウターパネルを得た。
(補強構造体の準備)
図1に示すような枠状部を有する補強構造体を準備した。補強構造体はアルミニウム製であり、図2に示すように、枠状部の長手方向と直交する断面の形状は中空形状であった。枠状部の幅W1は35mmであり、枠状部の高さH1は35mmであり、枠状部の板厚T1は2mmであり、枠状部の全体長さは約3200mmであった。
(バックドアの作製)
図1に示すように、インナーパネルの窓枠部上部の両端にヒンジ部補強部材を締結し、インナーパネルの窓枠部下部の両端にサイド部補強部材を締結し、インナーパネル下部にロック部補強部材を締結した。さらに、インナーパネルの周囲に沿ってインナーパネルの内側に補強構造体を配置し、ネジを用いて補強構造体をインナーパネル、ヒンジ部補強部材、サイド部補強部材及びロック部補強部材に締結した。次いで、インナーパネルの接着面とアウターパネルの接着面とをウレタン系接着剤により25℃で貼り合わせて一体化し、バックドアを得た。
<実施例2>
(バックドアの作製)
実施例1と同様にしてインナーパネル及びアウターパネルを準備した。
図8に示すような枠状部を有する補強構造体を準備した。補強構造体はアルミニウム製であり、図3に示すように、枠状部の長手方向と直交する断面の形状は凹形状であった。枠状部の幅W1は35mmであり、枠状部の高さH1は17.5mmであり、枠状部の板厚T1は2mmであり、枠状部の全体長さは約2790mmであった。図8に示される実施例2のバックドア20では、補強構造体11の枠状部の長さが、図3に示される補強構造体1の枠状部の長さよりも短くなっている。
次に、実施例1で用いた補強構造体の替わりに実施例2にて準備した補強構造体を用いた以外は実施例1と同様にしてバックドアを作製した。
<比較例1>
(バックドアの作製)
実施例1と同様にしてインナーパネル及びアウターパネルを準備した。図12に示すように、インナーパネル104の窓枠部上部の両端にヒンジ部補強部材103Aを締結し、インナーパネル104の窓枠部下部の両端にサイド部補強部材103Bを締結し、インナーパネル104下部にロック部補強部材103Cを締結した。次に、ヒンジ部補強部材103Aの下部、サイド部補強部材103B及びロック部補強部材103Cをワイヤー105でつないで補強した。さらに、ヒンジ部補強部材103Aの上部同士をワイヤー106でつないで補強した。
実施例1におけるヒンジ部補強部材、サイド部補強部材及びロック部補強部材並びに補強構造体の合計質量と、比較例1におけるヒンジ部補強部材、サイド部補強部材及びロック部補強部材並びにワイヤー105、106の合計質量の比率とは同程度であった。
実施例2におけるヒンジ部補強部材、サイド部補強部材及びロック部補強部材の合計質量に対する比較例1におけるヒンジ部補強部材103A、サイド部補強部材103B及びロック部補強部材103Cの合計質量の比率(比較例1の補強部材の合計質量/実施例2の補強部材の合計質量)は1.31であった。
実施例2におけるヒンジ部補強部材、サイド部補強部材及びロック部補強部材並びに補強構造体の合計質量に対する比較例1におけるヒンジ部補強部材、サイド部補強部材及びロック部補強部材並びにワイヤー105、106の合計質量の比率(比較例1の補強部材等の合計質量/実施例2の補強部材及び補強構造体の合計質量)1.25であった。
(建付け剛性の解析試験)
実施例1、実施例2におけるバックドア及び比較例1におけるバックドアの建付け剛性の解析を以下の条件で行った。CADを用い作製した一体の樹脂バックドアにそれぞれの材質に沿った物性値を与えた。建付け剛性の解析試験の際の樹脂バックドアの材質及び各部材の相対的な位置関係は、実際に作製した実施例1、実施例2及び比較例1におけるバックドアと同様である。樹脂バックドアが車体に組付いた状態を再現する為、ヒンジ部、サイド部、ロック部に拘束を与えた状態で、車体側より樹脂バックドアに加わる荷重を樹脂バックドアに与える。この時の樹脂バックドアの変形状態を評価した。
結果を図9に示す。
(横剛性の解析試験)
実施例1、実施例2におけるバックドア及び比較例1におけるバックドアの横剛性の解析を以下の条件で行った。CADを用い作製した一体の樹脂バックドアにそれぞれの材質に沿った物性値を与えた。横剛性の解析試験の際の樹脂バックドアの材質及び各部材の相対的な位置関係は、実際に作製した実施例1、実施例2及び比較例1におけるバックドアと同様である。樹脂バックドアのヒンジ部、サイド部、ロック部に拘束を与えた状態で、サイド部に車体側より与えられる荷重を与え、外周下端から横方向に任意の荷重を与えた。この時の樹脂バックドアの変形状態を評価した。
結果を図10に示す。
(捻り剛性の解析試験)
実施例1、実施例2におけるバックドア及び比較例1におけるバックドアの建付け剛性の解析を以下の条件で行った。CADを用い作製した一体の樹脂バックドアにそれぞれの材質に沿った物性値を与えた。捻り剛性の解析試験の際の樹脂バックドアの材質及び各部材の相対的な位置関係は、実際に作製した実施例1、実施例2及び比較例1におけるバックドアと同様である。樹脂バックドアのヒンジ部、サイド部、ロック部に拘束を与えた状態で、樹脂バックドアの下端の左端に車内側より車外側に荷重を、また下端の右端に車外側より車内側へ任意の荷重をかけた。荷重のかかる方向は偶力になっていれば左右を問わない。この時の樹脂バックドアの左右の変形状態を評価した。
結果を図11に示す。
図9に示すように、実施例1では、比較例1よりも左側(LH)及び右側(RH)での面差の値が特に小さく、バックドアのサイド部における剛性に優れていた。さらに、図10及び図11に示すように、実施例1では、比較例1よりも横剛性の解析試験及び捻り剛性の解析試験の際の変形量が抑制されていた。
従って、実施例1のバックドアでは、同程度の重さである比較例1のバックドアと比較して、剛性に優れていた。
図9~11に示すように、実施例2と比較例1とを比較すると、建付け剛性、横剛性及び捻り剛性の各物性にて両者に大きな差はなく、ほぼ同程度であった。従って、実施例2のバックドアでは、比較例1のバックドアよりも軽量化を図りつつ、同程度の剛性を確保することができた。
1、11、21、31、41、51 補強構造体、2 開口部、3A ヒンジ部補強部材、3B サイド部補強部材、3C ロック部補強部材、4 インナーパネル、5 アウターパネル、6、16 ネジ、7 ボス、10、20 バックドア、17 ナット、18 ブラケット

Claims (6)

  1. 金属及び、樹脂と繊維との複合材料の少なくとも一方を含む枠状部を備え、
    前記枠状部は、平面視にて一部が開口した開口部を有し、インナーパネルとアウターパネルの間かつバックドアの外周に配置されることでバックドアを補強するための補強構造体。
  2. 前記枠状部の少なくとも一部にて、前記枠状部の長手方向と直交する断面の形状が中空形状又は凹形状を有する請求項1に記載の補強構造体。
  3. 前記枠状部が前記金属を含む場合、前記金属は、鉄、アルミニウム及びこれらの合金からなる群より選択される少なくとも1種を含み、
    前記枠状部が前記複合材料を含む場合、前記複合材料は、シートモールディングコンパウンド(SMC)を含む請求項1又は請求項2に記載の補強構造体。
  4. 前記バックドアの外周に配置された際、前記開口部が前記バックドアの上部側に位置する請求項1~請求項3のいずれか1項に記載の補強構造体。
  5. 金属及び、樹脂と繊維との複合材料の少なくとも一方を含む複数の補強部材を含み、
    前記複数の補強部材を連結することで請求項1~請求項4のいずれか1項に記載の補強構造体を製造するための補強部材の組み合わせ。
  6. インナーパネルと、
    アウターパネルと、
    前記インナーパネルと前記アウターパネルとの間に配置された請求項1~請求項4のいずれか1項に記載の補強構造体と、
    を備えるバックドア。
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