JP2023054863A - 糸巻取機 - Google Patents

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浩平 野村
Kohei Nomura
努 目片
Tsutomu Megata
晴稔 澤田
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Abstract

【課題】給糸部側の糸とパッケージ側の糸が絡まることに起因する糸切れ、糸継ぎ部分の品質の低下、又は、糸継ぎの成功率の低下を防止する糸巻取機を提供する。【解決手段】紡績機は、紡績ユニット7と、第1捕捉装置107と、第2捕捉装置29と、糸継装置105と、第1ダクト95と、第2ダクト96と、を備える。紡績ユニット7は、給糸部及び巻取装置31を有する。第1捕捉装置107は、給糸部側の紡績糸33を吸引捕捉する。第2捕捉装置29は、パッケージ34側の紡績糸33を吸引捕捉する。糸継装置105は、これらの紡績糸33を糸継ぎする。第1ダクト95は、紡績ユニット7の並列方向に沿って設けられており、第1捕捉装置107により吸引された糸屑が流れる。第2ダクト96は、第1ダクト95とは異なる位置において紡績ユニット7の並列方向に沿って設けられており、第2捕捉装置29により吸引された糸屑が流れる。【選択図】図3

Description

本発明は、糸継装置を備える糸巻取機に関する。
特許文献1及び2は、複数の紡績ユニットと、糸継台車と、吸引ダクトと、を備える紡績機を開示する。糸継台車は、糸継ぎが必要な紡績ユニットまで走行して停止する。糸継台車は、紡績ユニットの紡績装置側の糸と、紡績ユニットのパッケージ側の糸と、を吸引して捕捉して糸継ぎする。糸継台車の糸継ぎ時に発生する糸屑は、吸引ダクトを流れて回収される。
特開2012-57274号公報 特開2018-158788号公報
特許文献1及び2の紡績機では、紡績装置側の糸と、パッケージ側の糸と、は共通の吸引ダクトを流れて回収される。そのため、吸引ダクト内で紡績装置側の糸とパッケージ側の糸とが絡まり、糸に余計なテンションがかかる。このテンションが起因し、糸切れ、糸継ぎ部分の品質の低下、又は、糸継ぎの成功率の低下が発生する可能性がある。この課題は紡績装置に限られず、他の糸巻取機も同じ課題を有している。
本発明は以上の事情に鑑みてされたものであり、その主要な目的は、給糸部側の糸とパッケージ側の糸を吸引捕捉して糸継ぎを行う糸巻取機において、給糸部側の糸とパッケージ側の糸が絡まることに起因する糸切れ、糸継ぎ部分の品質の低下、又は、糸継ぎの成功率の低下を防止することにある。
課題を解決するための手段及び効果
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段とその効果を説明する。
本発明の観点によれば、以下の構成の糸巻取機が提供される。即ち、糸巻取機は、複数の巻取ユニットと、第1捕捉装置と、第2捕捉装置と、糸継装置と、吸引力発生部と、第1ダクトと、第2ダクトと、を備える。前記巻取ユニットは、糸を供給するための給糸部、及び、糸を巻き取ってパッケージを形成する巻取装置を有する。前記第1捕捉装置は、前記給糸部側の糸を吸引捕捉する。前記第2捕捉装置は、前記巻取装置の前記パッケージ側の糸を吸引捕捉する。前記糸継装置は、前記第1捕捉装置が吸引捕捉した糸と、前記第2捕捉装置が吸引捕捉した糸と、を糸継ぎする。前記吸引力発生部は、前記第1捕捉装置及び前記第2捕捉装置で用いられる吸引力を発生させる。前記第1ダクトは、前記巻取ユニットの並列方向に沿って設けられており、前記第1捕捉装置により吸引された糸屑が流れる。前記第2ダクトは、前記第1ダクトとは異なる位置において前記巻取ユニットの並列方向に沿って設けられており、前記第2捕捉装置により吸引された糸屑が流れる。
これにより、第1ダクトと第2ダクトが異なる位置に設けられる別体であるので、糸継ぎ時に給糸部側の糸とパッケージ側の糸が絡まらない。このため、糸継ぎ時の糸切れ、糸継ぎ部分の品質の低下、又は、糸継ぎの成功率の低下を防止できる。
前記の糸巻取機においては、前記第2捕捉装置は、前記巻取ユニット毎に設けられており、前記給糸部から前記巻取装置までの糸経路に対向するように配置されており、前記パッケージ側の糸を吸引捕捉することが好ましい。
これにより、第2捕捉装置を移動させずに又は少しの移動量でパッケージ側の糸を捕捉できる。
前記の糸巻取機においては、以下の構成とすることが好ましい。即ち、前記巻取ユニットは、前記給糸部から糸を引き出す引出装置を備える。前記第2捕捉装置は、前記糸経路のうち前記引出装置よりも下流であって前記巻取装置よりも上流の位置に対向するように配置されている。
これにより、引出装置から巻取装置までの糸を、パッケージ側の糸として用いて糸継ぎを行うことができる。
前記の糸巻取機においては、前記吸引力発生部の吸引力の圧が3kPa以上6kPa未満であることが好ましい。あるいは、前記吸引力発生部の吸引力の圧力が3.5kPa以上5kPa以下であることが好ましい。
糸経路にある糸を吸引捕捉するため、パッケージに貼り付いた糸を吸引する場合と比較して、低い圧力で機能を果たすことができる。
前記の糸巻取機においては、以下の構成とすることが好ましい。即ち、糸巻取機は、前記並列方向に沿って走行し、少なくとも前記第1捕捉装置を有する台車を備える。前記第2捕捉装置が前記パッケージ側の糸を吸引捕捉している状態で、前記台車が該当の前記巻取ユニットに到着して停止した場合、停止後の次の動作として、前記第1捕捉装置により前記給糸部側の糸を捕捉する。
台車に第1捕捉装置及び第2捕捉装置が設けられている場合、第1捕捉装置及び第2捕捉装置同士が接触しないように順番に動作させる必要がある。これに対して本発明では、台車の到着後に第1捕捉装置を動作させるだけでよいので、糸継ぎに掛かる時間を短くすることができる。
前記の糸巻取機においては、以下の構成とすることが好ましい。即ち、糸巻取機は、前記並列方向に沿って走行する台車を備える。前記台車は、第1捕捉装置と、糸継装置と、接続パイプと、を有する。前記接続パイプは、前記第1捕捉装置と前記第1ダクトを接続しており、前記第1捕捉装置が吸引した糸屑を前記第1ダクトに送る。前記第1ダクトは、前記台車の下方にある第1スペースに配置されている。前記第1ダクトの流路断面積は、前記第2ダクトの流路断面積よりも大きい。
台車の下方には、台車を支持する構造が必要であるため、比較的大きな第1スペースが形成され易い。しかし、台車の邪魔となるので、第1スペースに配置可能な部品は限られる。従って、第1スペースに第1ダクトを配置することにより、第1スペースを有効活用できる。更に、第1スペースに配置可能な部品が限られるため、第1ダクトの流路断面積を大きくすることは容易であり、その結果、第1ダクトを流れる吸引流の圧力損失を低減できる。
前記の糸巻取機においては、前記並列方向で見たときに、前記台車の上方であって糸経路の下方にある第2スペースに前記第2ダクトが配置されることが好ましい。
糸経路の近傍には多数の部品が配置されるため、第2スペース内で大きなスペースを確保することは困難である。そのため、流路断面積が比較的小さいという第2ダクトの特徴を活用して、第2ダクトを第2スペースに配置できる。
前記の糸巻取機においては、以下の構成とすることが好ましい。即ち、前記給糸部は、スライバをドラフトするドラフト装置と、紡績糸を生成する紡績装置と、を備える。前記給糸部で発生した風綿は、前記巻取ユニットの並列方向に沿って設けられており、かつ前記第1ダクト及び前記第2ダクトとは異なる位置に設けられている風綿ダクトを流れる。前記並列方向で見たときに、前記給糸部と前記風綿ダクトで囲まれる位置に前記第2ダクトが配置される。
これにより、流路断面積が比較的小さいという第2ダクトの特徴を活用して、給糸部と風綿ダクトで囲まれる限られた大きさのスペースに第2ダクトを配置できる。
前記の糸巻取機においては、以下の構成とすることが好ましい。即ち、吸引口を有し、吸引口を前記パッケージに近づけるように移動して当該パッケージ側の糸を吸引捕捉する補助捕捉装置を有する。前記補助捕捉装置は、動作条件を満たした場合に、前記第2捕捉装置の代わりに動作する。前記補助捕捉装置が吸引した糸屑が前記第1ダクトを流れる。
パッケージに糸が貼り付いていることがあるため、パッケージから糸を吸引捕捉する場合は強い吸引流が必要となることがある。この点、補助捕捉装置は流路断面積が大きい第1ダクトに接続されているので、強い吸引流を発生させることができ、パッケージの糸を適切に吸引捕捉できる。
前記の糸巻取機においては、前記台車は、前記補助捕捉装置から前記第1ダクトに至る流路の閉鎖の有無を切り替えることで、前記補助捕捉装置が吸引流を発生させる状態と吸引流を発生させない状態とを切り替える補助シャッタを有することが好ましい。
これにより、補助捕捉装置を使用しない場合に補助シャッタにより流路を閉鎖することで、吸引流の消費を抑えることができる。また、補助捕捉装置は補助的に用いられるため、補助捕捉装置が動作する頻度は第2捕捉装置よりも低い。従って、第1ダクトでパッケージ側の糸と給糸部側の糸が絡んで糸切れが発生する可能性は非常に低い。そのため、糸の絡みを除去するカッタを設ける必要性が低く、カッタを省略できるので、部品コストを低下させることができる。
前記の糸巻取機においては、前記第2捕捉装置の吸引口から前記第2ダクトまでの距離は、前記補助捕捉装置の吸引口から前記第1ダクトまでの距離よりも短いことが好ましい。
これにより、メインで用いる第2捕捉装置について、圧力損失を小さくすることができる。
前記の糸巻取機においては、以下の構成とすることが好ましい。即ち、糸巻取機は、前記巻取ユニットで発生した糸屑を回収する糸屑回収部を備える。前記第1ダクトと前記第2ダクトは、共通の前記糸屑回収部に接続される。
これにより、糸屑回収部を1つにまとめることができる。
本発明の一実施形態に係る紡績機の全体的な構成を示す正面図。 紡績ユニットの概略側面図。 紡績ユニットにおいて紡績糸の分断が発生し、当該紡績ユニットまで糸継台車が走行した状態を示す側面図。 吸引装置を用いて糸継ぎが行われる様子を示す側面図。 補助捕捉装置を用いて糸継ぎが行われる様子を示す側面図。 シャッタ弁により接続パイプとダクト連結パイプが接続される流れを示す図。 変形例に係る紡績ユニットの概略側面図。
本発明の一実施形態に係る紡績機(糸巻取機)1について、図面を参照して説明する。以下の説明において、「上流側」及び「下流側」とは、それぞれ、紡績糸(糸)33の巻取時における当該紡績糸33、スライバ35又は繊維束37の走行方向(糸走行方向)における上流側及び下流側を意味する。
図1に示すように、紡績機1は、ブロアボックス3と、原動機ボックス5と、複数の紡績ユニット(巻取ユニット)7と、糸継台車(台車)9と、を備える。複数の紡績ユニット7は、所定の方向に並べて配置されている。紡績ユニット7が並べられる方向を並列方向と定義する。紡績ユニット7は、後述の紡績装置23等を用いて紡績を行う。
ブロアボックス3内には、メインブロア93及びサブブロア(吸引力発生部)98が配置されている。メインブロア93は、風綿ダクト91に吸引流を発生させる。風綿ダクト91とメインブロア93の間には繊維回収部92が配置されている。繊維回収部92は、風綿ダクト91を流れる風綿を回収して貯留する。サブブロア98は、第1ダクト95及び第2ダクト96に吸引流を発生させる。サブブロア98が発生させる吸引力の圧力は、例えば3kPa以上6kPa未満であるか、3.5kPa以上5kPa以下である。この圧力は、例えば第1ダクト95の下流端(即ち、第1ダクト95のうち糸屑回収部97に接続される箇所の近傍)の圧力の計測値である。第1ダクト95と第2ダクト96は糸屑回収部97で合流し、サブブロア98と接続されている。糸屑回収部97は、第1ダクト95及び第2ダクト96を流れる糸屑を回収して貯留する。風綿ダクト91、第1ダクト95、及び第2ダクト96は、それぞれ独立している。言い換えると、風綿ダクト91、第1ダクト95、及び第2ダクト96は、別の部材であり、それぞれ異なる位置に設けられている。
原動機ボックス5には、駆動源(図略)と、中央制御装置13と、表示部15と、操作部17と、が配置されている。原動機ボックス5に設けられる駆動源には、複数の紡績ユニット7で共通で利用される電動モータが含まれる。
中央制御装置13は、紡績機1の各部を集中的に管理及び制御する。中央制御装置13は、各紡績ユニット7が図2のように備えるユニット制御部19に、図略の信号線を介して接続されている。本実施形態では、それぞれの紡績ユニット7がユニット制御部19を備えているが、所定数(例えば、2つ又は4つ)の紡績ユニット7が1つのユニット制御部19を共用しても良い。
表示部15は、紡績ユニット7に対する設定内容、及び/又は、各紡績ユニット7の状態に関する情報等を表示することができる。操作部17は、オペレータが紡績機1の設定を行うために、及び/又は、表示部15に表示する情報の選択を行うために操作される。表示部15と操作部17は、タッチパネルディスプレイにより構成されていても良い。
図2に示すように、各紡績ユニット7は、ドラフト装置21と、紡績装置23と、糸貯留装置(引出装置)25と、第2捕捉装置29と、巻取装置31と、を備える。これらの装置は、紡績糸33等の走行方向において上流側から下流側へ向かって順に配置されている。ドラフト装置21及び紡績装置23は、紡績ユニット7における給糸部を構成している。
糸継台車9は、各紡績ユニット7に対して移動可能に設けられている。糸継台車9は、複数の紡績ユニット7に対して1つ備えられている。図1では1台の糸継台車9が図示されているが、紡績機1は、複数台の糸継台車9を備えていても良い。糸継台車9は、後述するように、糸継装置105と、第1捕捉装置107と、補助捕捉装置109と、を備える。
ドラフト装置21は、紡績ユニット7の上部に設けられている。ドラフト装置21は、複数のドラフトローラ対を備える。それぞれのドラフトローラ対は、2つのドラフトローラによって構成される。
具体的には、ドラフト装置21は、4つのドラフトローラ対を備える。4つのドラフトローラ対は、上流側から下流側へ向かって順に配置された、バックローラ対41、サードローラ対43、ミドルローラ対45、及びフロントローラ対47である。ミドルローラ対45の各ドラフトローラには、エプロンベルト49が設けられている。
4つのドラフトローラ対のそれぞれは、互いに対向する駆動ローラ及び従動ローラを有している。4つのドラフトローラ対に関して、それぞれの駆動ローラに、図略のモータ等の駆動源が設けられている。それぞれの駆動ローラは、駆動源によって当該駆動ローラの軸線を中心に回転駆動される。各ドラフトローラ対の従動ローラは、図略の軸受等を介して、当該従動ローラの軸線を中心に回転可能に設けられている。
ドラフト装置21は、図略のスライバ供給部から供給されるスライバ35を、各ドラフトローラ対のドラフトローラ同士の間(駆動ローラと従動ローラとの間)で挟み込んで搬送することによって、所定の繊維量(又は太さ)となるまで引き伸ばして(ドラフトして)、繊維束37を生成する。ドラフト装置21で生成された繊維束37は、紡績装置23に供給される。
紡績装置23は、本実施形態では空気紡績装置である。紡績装置23は、ドラフト装置21で生成された繊維束37(ドラフトされたスライバ35)に旋回空気流を作用させることにより、撚りを加えて紡績糸33を生成する。紡績装置23は、ドラフト装置21の下流側に配置されている。
ドラフト装置21及び紡績装置23からなる給糸部は、紡績糸33を供給する。給糸部で生成された紡績糸33は、給糸部から巻取装置31に向かって走行し、巻取装置31によって巻き取られる。以下では、給糸部から巻取装置31までの紡績糸33(又はその原料のスライバ35)が走行する経路を「糸経路」と称する。糸経路は、給糸部及び巻取装置31が存在する位置も含む。
糸貯留装置25は、紡績装置23で生成された紡績糸33を引き出して一時的に貯留する。糸貯留装置25は、糸経路の途中に配置されている。具体的には、糸貯留装置25は、紡績装置23よりも下流側に配置されている。
糸貯留装置25は、糸貯留ローラ53と、電動モータ55と、糸掛け部材57と、ガイド59と、糸貯留量検知センサ61と、を備える。
糸貯留ローラ53は、電動モータ55により回転駆動される。糸貯留ローラ53は、その外周面に紡績糸33を巻き付けて一時的に貯留する。糸貯留ローラ53は、外周面に紡績糸33を巻き付けた状態で所定の回転速度で回転することによって、紡績装置23から紡績糸33を所定の速度で引き出すことができる。
糸掛け部材57は、紡績糸33を引っ掛けることができる。糸掛け部材57は、紡績糸33を引っ掛けた状態で糸貯留ローラ53と一体的に回転することで、当該糸貯留ローラ53の外周面に紡績糸33を案内する。
ガイド59は、糸貯留ローラ53の下流側に配置されている。ガイド59は、回転する糸掛け部材57によって振り回される紡績糸33の軌道を規制し、紡績糸33が走行する糸経路のうち当該ガイド59よりも下流側(巻取装置31側)の糸経路を安定させて紡績糸33を案内する。
糸貯留量検知センサ61は、糸貯留ローラ53の糸貯留量を検知することができる。糸貯留量検知センサ61は、糸貯留ローラ53の外周面の適宜の位置に対向するように配置されている。糸貯留量検知センサ61は、この位置における紡績糸33の有無を検出する。糸貯留量検知センサ61は、検出した検出信号をユニット制御部19へ送信する。ユニット制御部19は、この検出信号に基づいて、糸貯留量が所定量以上であるか否かを検知することができる。
糸貯留装置25は、糸貯留ローラ53の外周面に紡績糸33を一時的に貯留することができるので、紡績糸33の一種のバッファとして機能する。これにより、紡績装置23における紡績速度と、巻取速度(後述のパッケージ34に巻き取られる紡績糸33の走行速度)と、が何らかの理由により一致しないことによる不具合(例えば、紡績糸33の弛み等)を解消することができる。
紡績装置23と糸貯留装置25との間には、糸監視装置(検出装置、糸検出装置)63及びスピニングセンサ69(糸検出装置)が設けられている。糸監視装置63及びスピニングセンサ69は、糸貯留装置25よりも上流側(給糸部側)で紡績糸33の状態を検知する。紡績装置23で生成された紡績糸33は、糸貯留装置25で貯留される前に糸監視装置63及びスピニングセンサ69を通過する。
糸監視装置63は、走行する紡績糸33の品質を光センサによって監視し、紡績糸33に含まれる糸欠陥を検出する。糸欠陥としては、例えば、紡績糸33の太さの異常、及び/又は、紡績糸33に含まれる異物等がある。糸監視装置63は、紡績糸33の糸欠陥を検出した場合、ユニット制御部19へ糸欠陥検出信号を送信する。糸監視装置63は、光センサの代わりに、例えば静電容量式のセンサを用いて紡績糸33の品質を監視しても良い。
スピニングセンサ69は、糸監視装置63のすぐ下流側に配置されている。スピニングセンサ69は、紡績装置23と糸貯留装置25との間における紡績糸33のテンションを検出する。スピニングセンサ69は、検出したテンションの検出信号をユニット制御部19へ送信する。ユニット制御部19は、スピニングセンサ69が検出したテンションを監視することによって、弱糸などの異常箇所を検知することができる。なお、スピニングセンサ69は省略することもできる。
糸品質を維持するために、糸欠陥及び異常箇所を除去することが好ましい。ユニット制御部19は、糸監視装置63及びスピニングセンサ69のうち少なくとも何れかの検出結果に基づいて、紡績糸33を切断するか否かを判断する。紡績糸33の切断は、ユニット制御部19が、紡績装置23による紡績を停止するように制御することで実現される。紡績糸33の切断は、ドラフト装置21によるドラフト(バックローラ対41の回転)を停止することによって実現されてもよい。紡績装置23が紡績を停止する場合でも、ドラフト装置21から紡績装置23への繊維束の供給が停止される場合でも、紡績装置23による紡績は実質的に中断されることになる。紡績ユニット7にカッタを備え、ユニット制御部19がカッタにより紡績糸33の切断を行ってもよい。カッタによって紡績糸33が切断される場合でも、ユニット制御部19は、紡績装置23による紡績が実質的に中断するように制御する。
第2捕捉装置29は、分断された紡績糸33を吸引捕捉する。紡績糸33が分断された場合、紡績糸33は、給糸部との繋がりが無くなる。そのため、パッケージ34に繋がっている紡績糸33に糸端が形成される。第2捕捉装置29は、パッケージ34側の紡績糸33を吸引捕捉する。
第2捕捉装置29は、糸貯留装置25と巻取装置31との間の糸経路に対向するように設けられている。本実施形態では、第2捕捉装置29は固定的に設けられているが、多少移動可能に設けられていても良い。例えば、第2捕捉装置29は、糸経路に対して少しだけ接離可能に設けられていても良い。言い換えると、第2捕捉装置29は、補助捕捉装置109ほどは移動しないように設けられている。後述の糸継台車9が当該紡績ユニット7に対して作業を行うとき、第2捕捉装置29は、糸継台車9が備える糸継装置105よりも上流側に位置する。
糸継装置105は、図示しない糸寄せレバーを備える。第2捕捉装置29によって捕捉された紡績糸33は、糸寄せレバーを動作させることで糸継装置105へ取り込まれる。糸継台車9は更に、補助捕捉装置109を備える。補助捕捉装置109は、パッケージ34側の紡績糸33を第2捕捉装置29で捕捉しないときに、第2捕捉装置29に代わって当該紡績糸33を捕捉する。糸継台車9の構成については後述する。なお、紡績糸33と糸継装置105とを接近させるために、糸継装置105は糸経路に対して接離可能に設けられていても良い。
紡績糸33の分断が発生した場合、ユニット制御部19は動作条件を満たすか否かを判定する。動作条件を満たさない場合は、第2捕捉装置29によりパッケージ34側の紡績糸33が吸引捕捉される。動作条件を満たす場合は、補助捕捉装置109によりパッケージ34側の紡績糸33が吸引捕捉される。動作条件を満たす場合とは、例えば、第2捕捉装置29を用いた紡績糸33の吸引捕捉に失敗した場合である。また、紡績糸33が分断した原因に応じて動作条件を満たすか否かを判定してもよい。
ユニット制御部19が第2捕捉装置29の使用を決定した場合、第2捕捉装置29は、ユニット制御部19によって、糸貯留装置25(ガイド59)よりも下流側で、パッケージ34側の紡績糸33を吸引して捕捉するように制御される。第2捕捉装置29が吸引流を紡績糸33に作用させ始めるタイミングは、紡績糸33の分断が発生した後であって、パッケージ34側の紡績糸33の糸端が第2捕捉装置29を通過するよりも前の所定のタイミングである。例えば、糸監視装置63、スピニングセンサ69、糸貯留量検知センサ61のうち少なくとも何れかの検出結果に基づいてタイミングを定めることができる。
第2捕捉装置29は、吸引パイプ71を備える。吸引パイプ71の先端(長手方向一端)に吸引口73が形成されている。吸引口73は、紡績ユニット7に形成される前述の糸経路の途中部に向かって開口している。図3に示すように、吸引パイプ71は第2ダクト96に接続されている。上述したように第2ダクト96には、サブブロア98が発生させた吸引流が流れている。この構成により、第2捕捉装置29は、サブブロア98が発生させた吸引流を用いて、紡績糸33を吸引捕捉する。
本実施形態において、第2捕捉装置29にはシャッタ77が設けられている。第2捕捉装置29の状態は、シャッタ77により、吸引状態と吸引停止状態との間で変更される。シャッタ77は、例えば、吸引口73と、第2捕捉装置29のうち空気が流れる方向で当該吸引口73よりも下流側の部分と、の間に配置される。シャッタ77は、例えば、板状部材を有する開閉機構により構成することができる。シャッタ77は、ユニット制御部19の制御により開閉することができる。なお、第2捕捉装置29においてシャッタ77を省略することもできる。
紡績糸33の分断が発生せずに紡績が正常に行われている場合、第2捕捉装置29を作動させる必要がない。紡績が正常に行われている場合とは、給糸部(ドラフト装置21及び紡績装置23)により紡績糸33の供給が行われており、当該紡績糸33が巻取装置31により巻き取られている場合と言い換えることもできる。このような場合には、シャッタ77がユニット制御部19により閉じられるので、第2捕捉装置29が吸引停止状態となる。よって、紡績機1における省エネルギーを実現することができる。
紡績糸33の分断が発生して紡績が中断した場合であって、ユニット制御部19が第2捕捉装置29の使用を決定したときは、シャッタ77がユニット制御部19により開かれる。紡績装置23の紡績停止によって、当該紡績装置23の部分で紡績糸33が分断した場合を考えると、シャッタ77が開かれる具体的なタイミングは、紡績中断のタイミングよりも遅く、かつ、糸貯留装置25の糸貯留ローラ53に紡績糸33が残っているタイミングである。このタイミングで第2捕捉装置29の状態が吸引停止状態から吸引状態に変更されるので、第2捕捉装置29は、パッケージ34側の紡績糸33を捕捉することができる。なお、シャッタ77が開くタイミングは任意に変更可能である。
巻取装置31は、糸貯留装置25を通過した紡績糸33を巻き取ってパッケージ34を形成する。巻取装置31は、糸貯留装置25よりも下流側に配置されている。
巻取装置31は、クレードルアーム81と、巻取ドラム83と、トラバースガイド85と、を備える。
クレードルアーム81は、支軸87まわりに揺動可能に支持されており、紡績糸33を巻き取るためのボビン32(ひいてはパッケージ34)を回転可能に支持することができる。巻取ドラム83は、ボビン32又はパッケージ34の外周面に接触した状態で回転することで、パッケージ34を巻取方向に回転駆動する。巻取装置31は、トラバースガイド85を図略の駆動手段によって往復動させながら、巻取ドラム83を図略の電動モータによって駆動する。これにより、巻取装置31は、紡績糸33を綾振りしつつ、紡績糸33をパッケージ34に巻き取る。紡績ユニット7毎にトラバースガイド85の駆動源が設けられていてもよいし、複数の紡績ユニット7のトラバースガイド85を一括して駆動する駆動源が設けられていてもよい。同様に、紡績ユニット7毎に巻取装置31の駆動源が設けられていてもよいし、複数の紡績ユニット7の巻取装置31を一括して駆動する駆動源が設けられていてもよい。
本実施形態では、第2捕捉装置29と巻取装置31との間に、ワキシング装置65と、糸走行センサ67と、が設けられている。糸貯留装置25を通過した紡績糸33は、巻取装置31でパッケージ34に巻き取られる前にワキシング装置65を通過するとともに、糸走行センサ67の近傍を通過する。
ワキシング装置65は、紡績糸33に付与するワックスを保持することができる。ワキシング装置65は、糸貯留装置25と巻取装置31との間で走行する紡績糸33にワックスを付けることができる。
糸走行センサ67は、ワキシング装置65の下流側の近傍に配置されている。糸走行センサ67は、糸経路の所定位置において、紡績糸33が走行中か否か、言い換えれば、紡績糸33の有無を検出することができる。糸走行センサ67は、検出信号をユニット制御部19に送信する。
ユニット制御部19は、糸貯留量検知センサ61及び糸走行センサ67から受信した検出信号に基づいて、第2捕捉装置29による紡績糸33の捕捉の成否を判定する。即ち、第2捕捉装置29が紡績糸33を捕捉する動作を行った後において、糸貯留量検知センサ61及び糸走行センサ67の両方が紡績糸33を検出しない場合、ユニット制御部19は、第2捕捉装置29による紡績糸33の捕捉に失敗したと判定する。本実施形態の構成に代えて、吸引口73の近傍又は吸引パイプ71に糸検出センサを設けてもよい。この場合、ユニット制御部19は、第2捕捉装置29の糸検出センサが紡績糸33を検出した場合、第2捕捉装置29が紡績糸33の捕捉に成功したと判定する。
図1に示すように、紡績機1には、レール101が設けられている。レール101は、紡績ユニット7の並列方向に沿って延びるように配置されている。糸継台車9は、レール101の上を走行可能に構成されている。これにより、糸継台車9は、複数の紡績ユニット7に対して移動することができる。
糸継台車9は、紡績糸33の分断が発生した紡績ユニット7に対応する作業位置まで走行して、当該紡績ユニット7において糸継ぎ処理を行う。糸継台車9は、この糸継ぎ処理を、紡績ユニット7に備えられた第2捕捉装置29等と連携しながら、又は、当該糸継台車9が備える装置(後述の補助捕捉装置109等)を用いて行う。
糸継台車9は、走行車輪103と、糸継装置105と、第1捕捉装置107と、補助捕捉装置109と、を備える。また、糸継台車9は更に、図2等に示す台車制御部10を備える。
走行車輪103は、図略の駆動手段によって回転駆動可能に構成されている。走行車輪103が駆動されることによって、糸継台車9が複数の紡績ユニット7のそれぞれに対して走行することができる。
第1捕捉装置107は、パイプ状の部分を有する部材である。第1捕捉装置107の先端には開口が形成されている。図3に示すように、第1捕捉装置107は、接続パイプ108及びダクト連結パイプ114を介して第1ダクト95に接続されている。上述したように第1ダクト95には、サブブロア98が発生させた吸引流が流れている。この構成により、第1捕捉装置107は、サブブロア98が発生させた吸引流を用いて、紡績糸33を吸引捕捉する。
第1捕捉装置107は回動可能に支持されている。第1捕捉装置107が回動することにより、その先端を、紡績装置23に対して接近又は退避させることができる。紡績糸33に分断が発生した場合に、第1捕捉装置107は、給糸部側の紡績糸33を吸引捕捉することができる。
補助捕捉装置109は、パイプ状の部分を有する部材である。補助捕捉装置109の先端には吸引口117が形成されている。図3に示すように、補助捕捉装置109は、補助パイプ110を介して接続パイプ108に接続され、第1ダクト95に接続されている。この構成により、補助捕捉装置109は、サブブロア98が発生させた吸引流を用いて、紡績糸33を吸引捕捉する。補助パイプ110には、補助シャッタ111が設けられている。補助シャッタ111は、閉鎖状態と開放状態とを切り替えることができる。閉鎖状態では補助パイプ110が閉鎖されるため、第1ダクト95の吸引流を補助捕捉装置109に作用させることができない。一方、開放状態では補助パイプ110の閉鎖が解除されるため、第1ダクト95の吸引流を補助捕捉装置109に作用させることができる。ユニット制御部19は、補助捕捉装置109を使用すると決定した場合にのみ、補助シャッタ111を開放状態にする。これにより、エア消費量を抑えることができる。なお、補助パイプ110は、接続パイプ108を介さずに、直接的にダクト連結パイプ114又は第1ダクト95に接続されていてもよい。
補助捕捉装置109は回動可能に支持されている。補助捕捉装置109が回動することにより、その吸引口117を、巻取装置31に対して接近した位置(接近位置)又は退避した位置(退避位置)に移動させることができる。紡績糸33に分断が発生した場合に、補助捕捉装置109は、パッケージ34側の紡績糸33を吸引口117から吸引捕捉することができる。
第1捕捉装置107が一側に回動することにより、その先端が紡績装置23に近づく方向に移動し、紡績装置23に接近した状態で紡績糸33の糸端を捕捉する。第1捕捉装置107は、その後、他側に回動する。これにより、第1捕捉装置107の先端が紡績装置23から離れる方向に移動する。図4及び図5の実線で示すように第1捕捉装置107が紡績装置23から退避した状態では、捕捉した糸端と紡績装置23との間の紡績糸33が、糸継装置105よりも下流側に位置する部分を有する。
補助捕捉装置109が一側に回動することにより、その吸引口117が巻取装置31に近づく方向に移動し、巻取装置31に接近した位置で当該紡績糸33を捕捉する。補助捕捉装置109は、その後、他側に回動する。これにより、補助捕捉装置109の吸引口117が巻取装置31から離れる方向に移動する。図5の実線で示すように補助捕捉装置109が巻取装置31から退避した位置では、捕捉した糸端とパッケージ34との間の紡績糸33が、糸継装置105よりも上流側に位置する部分を有する。
糸継装置105は、紡績糸33の分断の発生後に、第1捕捉装置107によって捕捉された給糸部側の紡績糸33と、第2捕捉装置29又は補助捕捉装置109により捕捉されたパッケージ34側の紡績糸33と、の糸継ぎを行う。本実施形態において、糸継装置105は、旋回空気流により糸端同士を撚り合わせるスプライサ装置である。糸継装置105は、前記のスプライサ装置に限定せず、例えば機械式のノッタ等を採用することもできる。
台車制御部10は、図示しないCPU、ROM、RAM等を有する公知のコンピュータとして構成されている。台車制御部10は、糸継台車9が備える各部の動作を制御することによって、糸継台車9が行う糸継ぎ処理を制御する。
糸継台車9は、通常、適宜の位置で待機している。何れかの紡績ユニット7において紡績糸33の分断が発生すると、糸継台車9は、紡績糸33の分断が発生した紡績ユニット7へ移動する。糸継台車9は、待機状態にある場合、第1捕捉装置107において吸引流を発生させない。そして、紡績ユニット7に到着したタイミングで第1捕捉装置107において吸引流を発生させる。
具体的に説明すると、接続パイプ108は、ダクト連結パイプ114を介して第1ダクト95に接続されている。接続パイプ108は糸継台車9と一体的に移動する。ダクト連結パイプ114は、紡績ユニット7に応じた位置に配置されている。図6の一番上の図に示すように、ダクト連結パイプ114は、糸継台車9が紡績ユニット7に到着する前においてはシャッタ弁113によって閉鎖されている。そして、図6に示すように、糸継台車9が紡績ユニット7に到着することにより、接続パイプ108がシャッタ弁113を押圧して移動させ、ダクト連結パイプ114を開放させるとともに、接続パイプ108をダクト連結パイプ114に合わせる。これにより、接続パイプ108が第1ダクト95に接続されるので、第1捕捉装置107から吸引流を発生させることができる。その後、再び糸継台車9が移動することにより、ダクト連結パイプ114がシャッタ弁113により閉鎖される。
次に、図2の状態で紡績糸33の分断が発生して紡績を中断し、糸継装置105により糸継ぎが行われるときの各部の動作について説明する。また、以下では、補助捕捉装置109ではなく第2捕捉装置29を用いて糸継を行う例を説明する。
まず、ユニット制御部19が、糸監視装置63から入力される糸欠陥検出信号に基づいて、給糸部(紡績装置23及び/又はドラフト装置21)による給糸を停止させる。このとき、ユニット制御部19は、巻取装置31も停止させる。給糸部による給糸の停止により、紡績糸33が切断される。これにより、図3に示すように、紡績糸33の分断が発生する。
また、糸監視装置63が糸欠陥を検出した後の適宜のタイミングで、ユニット制御部19は糸継要求信号を台車制御部10に送信する。糸継要求信号を受信した台車制御部10は、紡績糸33の分断が発生した対象の紡績ユニット7まで糸継台車9を走行させた後、停止させる。図3では、分断の発生直後に当該紡績ユニット7に糸継台車9が到着した場合が示されているが、到着のタイミングは図3のタイミングよりも遅い場合もある。
紡績糸33の分断の発生後、巻取装置31は短時間で回転を停止する。従って、巻取装置31が完全に停止した状態では、糸貯留装置25とパッケージ34との間で紡績糸33が繋がった状態となっている。その後、ユニット制御部19は、巻取装置31を再び駆動させる。この結果、糸貯留装置25側の紡績糸33が、巻取装置31によりパッケージ34に巻き取られる。
巻取装置31の駆動により、糸貯留装置25の糸貯留ローラ53に残る紡績糸33が引き出されて、糸貯留ローラ53における紡績糸33の貯留量が減少していく。ユニット制御部19は、糸貯留量検知センサ61の検出信号を監視する。
ユニット制御部19は、紡績糸33が糸貯留装置25から外れる少し前のタイミングで、閉じられていたシャッタ77を開いて、第2捕捉装置29による吸引を開始させる。このタイミングは、例えば、紡績糸33の貯留量が所定量以下となったことを糸貯留量検知センサ61が検知してから所定時間だけ巻取りを継続したタイミングとすることができる。
その後、パッケージ34側の紡績糸33がパッケージ34に巻き取られる過程で、当該紡績糸33の糸端が第2捕捉装置29により捕捉可能な領域に位置するタイミングで、ユニット制御部19は、巻取装置31による巻取りを再び停止させる。巻取装置31による巻取りの停止タイミングは、例えば、糸貯留ローラ53に残っていた紡績糸33の糸端が糸貯留ローラ53から外れてガイド59を抜けるのと殆ど同じタイミングであっても良い。なお、ユニット制御部19は、巻取りを停止させる代わりに、紡績糸33の糸端が第2捕捉装置29により捕捉可能な状態で走行するように巻取りを減速させても良い。この結果、紡績糸33を第2捕捉装置29により吸引口73から吸い込んで捕捉することができる。
この際、ユニット制御部19は、糸貯留量検知センサ61及び糸走行センサ67からの検出結果に基づいて、第2捕捉装置29による捕捉が成功したか否かを判断する。
第2捕捉装置29による捕捉が成功したと判断した場合には、ユニット制御部19は、当該紡績ユニット7に糸継台車9が到着したか否かを判定し、未到着の場合は到着するまで待機する。
紡績ユニット7に対応する作業位置に糸継台車9が停止した状態で、吸引パイプ71の吸引口73は、糸継装置105よりも上流側に位置する。従って、糸継台車9が到着すると、第2捕捉装置29によって保持されているパッケージ34側の紡績糸33は、糸継台車9の糸継装置105と対面する状態になる。
台車制御部10は、糸継台車9を停止させた後、紡績ユニット7を通じて第2捕捉装置29により紡績糸33が捕捉されていることが把握されると、停止後の次の動作として、糸継台車9を制御して、第1捕捉装置107を、図4の鎖線で示すように、給糸部側の紡績糸33を捕捉できる位置へ移動させる。これと殆ど同時に、ユニット制御部19は、給糸部側の紡績糸33の供給を再開する。台車制御部10は、第1捕捉装置107により捕捉された給糸部側の紡績糸33を、図4の実線で示すように、下方の糸継装置105まで案内させる。なお、台車制御部10は、糸継台車9を停止させる前に紡績糸33が捕捉されていることが把握される場合、糸継台車9が停止すると直ちに第1捕捉装置107を移動させてもよい。
この状態で、ユニット制御部19は糸継装置105を動作させ、第2捕捉装置29により吸引された巻取装置31側の紡績糸33と、給糸部側の紡績糸33と、の糸継ぎを行わせる。この糸継ぎにおいて、余分な紡績糸33は切断され、第2捕捉装置29又は第1捕捉装置107に吸い込まれて廃棄される。糸継ぎ中に給糸部からは連続的に紡績糸33が供給されるが、この紡績糸33は糸貯留装置25によって貯留される。
糸継ぎの完了とほぼ同時に、巻取装置31の駆動が開始されて、巻取装置31によるパッケージ34の巻取りが再開される。シャッタ77は、糸継完了後の適宜のタイミングで閉じられる。このようにして、紡績ユニット7は図2の通常状態に戻る。
次に、第2捕捉装置29に代えて補助捕捉装置109を用いて糸継ぎを行う場合について説明する。上述したように、ユニット制御部19は、糸貯留量検知センサ61及び糸走行センサ67の検出信号に基づいて、第2捕捉装置29が紡績糸33の吸引捕捉に失敗したか否かを判定する。台車制御部10は、ユニット制御部19から判定結果を受信する。第2捕捉装置29が紡績糸33の吸引捕捉に失敗した旨の判定結果を受信した場合、台車制御部10は、糸継台車9が紡績ユニット7に対する作業位置に到達した後に、糸継台車9の補助捕捉装置109を巻取装置31へ接近させる。この状態で、パッケージ34は、適宜の駆動手段によって、巻取方向とは逆方向に回転する。これにより、補助捕捉装置109が、パッケージ34側の紡績糸33を捕捉することができる。補助捕捉装置109は、その後、巻取装置31から退避する。この結果、図5に示すように、パッケージ34側の紡績糸33が、糸継装置105まで案内される。それ以降の糸継台車9の動作は、第2捕捉装置29を用いた糸継ぎと同様である。
次に第1ダクト95及び第2ダクト96について詳細に説明する。
従来の紡績機では、糸継時に吸引捕捉された、給糸部側の紡績糸とパッケージ側の紡績糸は同じダクトを流れる構成である。この場合、2つの紡績糸が絡まることにより糸切れが発生し、糸継ぎに失敗する可能性があった。この点、本実施形態の紡績機1では、給糸部側の紡績糸33は第1ダクト95を流れ、パッケージ34側の紡績糸33は第2ダクト96を流れる。これにより、糸継時に紡績糸33同士が絡まないため、糸切れの頻度を低下させることができる。
なお、補助捕捉装置109を用いてパッケージ34側の紡績糸33を吸引捕捉する場合は、パッケージ34側の紡績糸33と給糸部側の紡績糸33とが同じ第1ダクト95を流れることとなる。しかし、補助捕捉装置109の使用頻度は第2捕捉装置29と比較して低く、また2つの紡績糸33が1つのダクトを流れるだけで必ず糸切れが発生する訳でもないため、糸継ぎ中の糸切れの発生は実際上殆ど問題にならない程度である。なお、例えば接続パイプ108に又はダクト連結パイプ114に、絡まった糸を切断するカッタを設けてもよい。
第1ダクト95は、糸継台車9の下方にある第1スペース121に配置される。第1スペース121は、糸継台車9を支持するため比較的大きい。また、第1スペース121の上方を糸継台車9が走行するため、第1スペース121に配置できる装置も限られる。例えば、紡績糸33の巻取りに関する装置を第1スペース121に配置することは困難である。従って、第1ダクト95の流路断面積を比較的大きくすることができる。
流路断面積とは、第1ダクト95を長手方向(吸引流の方向)に垂直な平面で切った断面における、吸引流が流れることが可能な空間の面積である。流路断面積を大きくすることで、圧力損失を小さくしたり、第1捕捉装置107又は補助捕捉装置109から発生させる吸引力を大きくすることができる。本実施形態では、補助捕捉装置109を使用する場合は、パッケージ34に貼り付いた紡績糸33を吸引捕捉するため、強い吸引流を発生させることが好ましいので好適である。
また、第2捕捉装置29の吸引口73から第2ダクト96までの距離(即ち吸引パイプ71の長さ)は、補助捕捉装置109の吸引口117から第1ダクト95までの距離よりも短い。これにより、メインで用いる第2捕捉装置29の圧力損失を小さくできる。
第2ダクト96は、並列方向で見た図3において、糸継台車9の上方であって糸経路(具体的にはドラフト装置21から糸貯留装置25までの糸経路)の下方にある第2スペース122に配置されている。第2スペース122は、給糸部と風綿ダクト91に囲まれるスペースと表現することもできる。第2スペース122は、紡績糸33の処理に関する部品、例えばドラフト装置21及び紡績装置23等が多数配置されるため、大きなスペースを確保することが難しい。
このように、第1スペース121は大きなスペースを容易に確保できる一方、第2スペース122は大きなスペースを確保することが難しい。また、第2捕捉装置29は、対向する紡績糸33を吸引捕捉するため、補助捕捉装置109よりも必要な吸引力が小さい。以上を考慮し、本実施形態では、第1ダクト95の流路断面積は、第2ダクト96の流路断面積よりも大きい。ただし、第1ダクト95の流路断面積が第2ダクト96の流路断面積以下であってもよい。
また、風綿ダクト91の流路断面積は、第1ダクト95の流路断面積及び第2ダクト96の流路断面積より大きい。そのため、風綿ダクト91では圧力損失が生じにくいため、複数の紡績ユニット7の給糸部に対して略一定の吸引力を作用させることができる。これにより、紡績装置23の動作を安定させて、糸品質を一定にすることができる。
また、別の観点から第2ダクト96の位置を説明すると、平面視において糸継台車9と重なる位置であり、正面視において風綿ダクト91と重なる位置である。なお、第2捕捉装置29と第2ダクト96の高さは同じであってもよいし、異なっていてもよい。また、本実施形態では、第2ダクト96は、第2捕捉装置29が吸引した糸屑が流れるが、他の糸屑が流れる構成であってもよい。例えば、糸貯留装置25に残された不要な紡績糸33を吸引して除去する吸引装置が設けられる場合、この吸引装置が第2ダクト96に接続されてもよい。また、本実施形態で第1ダクト95と第2ダクト96にそれぞれ接続される捕捉装置は一例であり、本実施形態とは異なっていてもよい。例えば、第2捕捉装置29と補助捕捉装置109が第2ダクト96に接続され、第1捕捉装置107が第1ダクト95に接続されてもよい。
次に、上記実施形態の変形例を説明する。図7は、変形例に係る紡績ユニット7の概略側面図である。なお、本変形例の説明においては、前述の実施形態と同一又は類似の部材には図面に同一の符号を付し、説明を省略する場合がある。
本変形例の紡績機1は、上記実施形態から第2捕捉装置29を省略した構成である。本変形例の紡績機1では、糸継台車9に設けられた第2捕捉装置131により、パッケージ34側の紡績糸33が吸引捕捉される。第2捕捉装置131の機能は、上記実施形態の補助捕捉装置109と同じである。
上記実施形態では、補助捕捉装置109に接続される補助パイプ110は、接続パイプ108と合流して第1ダクト95に接続される。これに対し、本変形例では、第2捕捉装置131に接続される吸引パイプ132は、第2ダクト134に接続される。第2ダクト134は、第1ダクト95と同様、糸継台車9の下方に設けられている。吸引パイプ132と第2ダクト134の間には、シャッタ弁113と同じ動きをするシャッタ弁133が設けられる。
以上の構成により、本変形例の紡績機1では、給糸部側の紡績糸33は第1ダクト95を流れ、パッケージ34側の紡績糸33は第2ダクト134を流れる。これにより、糸継時に紡績糸33同士が絡まないため、糸切れの頻度を低下させることができる。
本変形例では、シャッタ弁133及び第2ダクト134が糸継台車9の下方に位置する。これに代えて、シャッタ弁133及び第2ダクト134が糸継台車9の上方に位置してもよい。また、第1ダクト95が糸継台車9の上方に位置し、第2ダクト134が糸継台車9の下方に位置してもよい。更には、第1ダクト95と第2ダクト134が糸継台車9の上方に位置してもよい。
以上に説明したように、本実施形態の紡績機1は、複数の紡績ユニット7と、第1捕捉装置107と、第2捕捉装置29,131と、糸継装置105と、サブブロア98と、第1ダクト95と、第2ダクト96,134と、を備える。紡績ユニット7は、紡績糸33を供給するための給糸部、及び、紡績糸33を巻き取ってパッケージ34を形成する巻取装置31を有する。第1捕捉装置107は、給糸部側の紡績糸33を吸引捕捉する。第2捕捉装置29,131は、巻取装置31のパッケージ34側の紡績糸33を吸引捕捉する。糸継装置105は、第1捕捉装置107が吸引捕捉した紡績糸33と、第2捕捉装置29,131が吸引捕捉した紡績糸33と、を糸継ぎする。サブブロア98は、第1捕捉装置107及び第2捕捉装置29,131で用いられる吸引力を発生させる。第1ダクト95は、紡績ユニット7の並列方向に沿って設けられており、第1捕捉装置107により吸引された糸屑が流れる。第2ダクト96,134は、第1ダクト95とは異なる位置において紡績ユニット7の並列方向に沿って設けられており、第2捕捉装置29,131により吸引された糸屑が流れる。
これにより、第1ダクト95と第2ダクト96,134が異なる位置に設けられる別体であるので、糸継ぎ時に給糸部側の糸とパッケージ側の糸が絡まらない。このため、糸継ぎ時の糸切れ、糸継ぎ部分の品質の低下、又は、糸継ぎの成功率の低下を防止できる。
本実施形態の紡績機1において、第2捕捉装置29は、紡績ユニット7毎に設けられており、給糸部から巻取装置31までの糸経路に対向するように配置されており、パッケージ34側の紡績糸33を吸引捕捉する。
これにより、第2捕捉装置29を移動させずに又は少しの移動量でパッケージ34側の紡績糸33を捕捉できる。
本実施形態の紡績機1において、紡績ユニット7は、給糸部から紡績糸33を引き出す糸貯留装置25を備える。第2捕捉装置29は、糸経路のうち糸貯留装置25よりも下流であって巻取装置31よりも上流の位置に対向するように配置されている。
これにより、糸貯留装置25から巻取装置31までの糸を、パッケージ34側の紡績糸33として用いて糸継ぎを行うことができる。
本実施形態の紡績機1において、サブブロア98の吸引力の圧力が3kPa以上6kPa未満である。あるいは、サブブロア98の吸引力の圧力が3.5kPa以上5kPa以下である。
糸経路にある紡績糸33を吸引捕捉するため、パッケージ34に貼り付いた紡績糸33を吸引する場合と比較して、低い圧力で機能を果たすことができる。具体的に説明すると、本実施形態の第2捕捉装置29を備えておらず、補助捕捉装置109と同等の捕捉装置のみを用いてパッケージ側の糸を捕捉する従来の紡績機では、サブブロアの吸引力の圧力が6kPaを超えている。この点、本実施形態では主として第2捕捉装置29がパッケージ34側の紡績糸33を捕捉するため、吸引力の圧力を6kPa未満にしても問題なく紡績糸33を捕捉できる。
本実施形態の紡績機1は、並列方向に沿って走行し、少なくとも第1捕捉装置107を有する糸継台車9を備える。第2捕捉装置29がパッケージ34側の紡績糸33を吸引捕捉している状態で、糸継台車9が当の紡績ユニット7に到着して停止した場合、停止後の次の動作として、第1捕捉装置107は、紡績ユニット7の動作を待たずに、給糸部側の紡績糸33を捕捉する。
これにより、糸継台車9に第1捕捉装置107及び第2捕捉装置131が設けられている場合、第1捕捉装置107及び補助捕捉装置109が接触しないように順番に動作させる必要がある。これに対して本実施形態では、糸継台車9の到着後に第1捕捉装置107を動作させるだけでよいので、糸継ぎに掛かる時間を短くすることができる。
本実施形態の紡績機1は、並列方向に沿って走行する糸継台車9を備える。糸継台車9は、第1捕捉装置107と、糸継装置105と、接続パイプ108と、を有する。接続パイプ108は、第1捕捉装置107と第1ダクト95を接続しており、第1捕捉装置107が吸引した糸屑を第1ダクト95に送る。第1ダクト95は、糸継台車9の下方にある第1スペース121に配置されている。第1ダクト95の流路断面積は、第2ダクト96の流路断面積よりも大きい。
糸継台車9の下方には、糸継台車9を支持する構造が必要であるため、比較的大きな第1スペース121が形成され易い。しかし、糸継台車9の邪魔となるので、第1スペース121に配置可能な部品は限られる。従って、第1スペース121に第1ダクト95を配置することにより、第1スペース121を有効活用できる。更に、第1スペース121に配置可能な部品が限られるため、第1ダクト95の流路断面積を大きくすることは容易であり、その結果、第1ダクト95を流れる吸引流の圧力損失を低減できる。
本実施形態の紡績機1において、並列方向で見たときに、糸継台車9の上方であって糸経路の下方にある第2スペース122に第2ダクト96が配置される。
糸経路の近傍には多数の部品が配置されるため、第2スペース122内で大きなスペースを確保することは困難である。そのため、流路断面積が比較的小さいという第2ダクト96の特徴を活用して、第2ダクト96を第2スペース122に配置できる。
本実施形態の紡績機1において、給糸部は、スライバ35をドラフトするドラフト装置21と、紡績糸33を生成する紡績装置23と、を備える。給糸部で発生した風綿は、紡績ユニット7の並列方向に沿って設けられており、かつ第1ダクト95及び第2ダクト96とは異なる位置に設けられている風綿ダクト91を流れる。並列方向で見たときに、給糸部と風綿ダクト91で囲まれる位置に第2ダクト96が配置される。
これにより、流路断面積が比較的小さいという第2ダクト96の特徴を活用して、給糸部と風綿ダクト91で囲まれる限られた大きさのスペースに第2ダクト96を配置できる。
本実施形態の紡績機1において、吸引口117を有し、吸引口117をパッケージ34に近づけるように移動してパッケージ34側の紡績糸33を吸引捕捉する補助捕捉装置109を有する。補助捕捉装置109は、動作条件を満たした場合に、第2捕捉装置29の代わりに動作する。補助捕捉装置109が吸引した糸屑が第1ダクト95を流れる。
パッケージ34に紡績糸33が貼り付いていることがあるため、パッケージ34から紡績糸33を吸引捕捉する場合は強い吸引流が必要となることがある。この点、補助捕捉装置109は流路断面積が大きい第1ダクト95に接続されているので、強い吸引流を発生させることができ、パッケージ34の糸を適切に吸引捕捉できる。
本実施形態の紡績機1において、糸継台車9は、補助捕捉装置109から第1ダクト95に至る流路の閉鎖の有無を切り替えることで、補助捕捉装置109が吸引流を発生させる状態と吸引流を発生させない状態とを切り替える補助シャッタ111を有する。
これにより、補助捕捉装置109を使用しない場合に補助シャッタ111により流路を閉鎖することで、吸引流の消費を抑えることができる。また、補助捕捉装置109は補助的に用いられるため、補助捕捉装置109が動作する頻度は第2捕捉装置29よりも低い。従って、第1ダクト95でパッケージ34側の紡績糸33と給糸部側の紡績糸33が絡んで糸切れが発生する可能性は非常に低い。そのため、紡績糸33の絡みを除去するカッタを設ける必要性が低く、カッタを省略できるので、部品コストを低下させることができる。
本実施形態の紡績機1において、第2捕捉装置29の吸引口73から第2ダクト96までの距離は、補助捕捉装置109の吸引口117から第1ダクト95までの距離よりも短い。
これにより、メインで用いる第2捕捉装置29について、吸引力のロスを小さくすることができる。
本実施形態の紡績機1は、紡績ユニット7で発生した糸屑を回収する糸屑回収部97を備える。第1ダクト95と第2ダクト96は、共通の糸屑回収部97に接続される。
これにより、糸屑回収部97を1つにまとめることができる。
以上に本発明の好適な実施の形態及び変形例を説明したが、上記の構成は例えば以下のように変更することができる。
上記実施形態では、糸貯留装置25が紡績装置23から紡績糸33を引き出すが、糸貯留装置25に代えて、対向する2つのローラで紡績装置23を挟み込んで引き出すデリベリローラを設けてもよい。この場合、デリベリローラの下流に糸貯留装置25を設けてもよい。
上記実施形態では、第1捕捉装置107が糸継台車9に設けられているが、紡績ユニット7毎に設けられていてもよい。
上記実施形態では、サブブロア98が第1ダクト95及び第2ダクト96の両方に吸引流を発生させるが、第1ダクト95に吸引流を発生させるブロアと、第2ダクト96に吸引流を発生させるブロアと、が異なっていてもよい。
本発明は、紡績機に限られず、例えば自動ワインダ等の他の糸巻取機にも適用できる。本発明を自動ワインダに適用する場合、給糸部は、給糸ボビンがセットされて給糸ボビンから糸を引き出す部分である。
1 紡績機(糸巻取機)
7 紡績ユニット(巻取ユニット)
21 ドラフト装置
23 紡績装置
25 糸貯留装置(引出装置)
29,131 第2捕捉装置
95 第1ダクト
96,134 第2ダクト
97 糸屑回収部
98 サブブロア(吸引力発生部)
105 糸継装置
107 第1捕捉装置
108 接続パイプ
109 補助捕捉装置

Claims (13)

  1. 糸を供給するための給糸部、及び、糸を巻き取ってパッケージを形成する巻取装置を有する複数の巻取ユニットと、
    前記給糸部側の糸を吸引捕捉する第1捕捉装置と、
    前記巻取装置の前記パッケージ側の糸を吸引捕捉する第2捕捉装置と、
    前記第1捕捉装置が吸引捕捉した糸と、前記第2捕捉装置が吸引捕捉した糸と、を糸継ぎする糸継装置と、
    前記第1捕捉装置及び前記第2捕捉装置で用いられる吸引力を発生させる吸引力発生部と、
    前記巻取ユニットの並列方向に沿って設けられており、前記第1捕捉装置により吸引された糸屑が流れる第1ダクトと、
    前記第1ダクトとは異なる位置において前記巻取ユニットの並列方向に沿って設けられており、前記第2捕捉装置により吸引された糸屑が流れる第2ダクトと、
    を備えることを特徴とする糸巻取機。
  2. 請求項1に記載の糸巻取機であって、
    前記第2捕捉装置は、前記巻取ユニット毎に設けられており、前記給糸部から前記巻取装置までの糸経路に対向するように配置されており、前記パッケージ側の糸を吸引捕捉することを特徴とする糸巻取機。
  3. 請求項2に記載の糸巻取機であって、
    前記巻取ユニットは、前記給糸部から糸を引き出す引出装置を備え、
    前記第2捕捉装置は、前記糸経路のうち前記引出装置よりも下流であって前記巻取装置よりも上流の位置に対向するように配置されていることを特徴とする糸巻取機。
  4. 請求項2又は3に記載の糸巻取機であって、
    前記吸引力発生部の吸引力の圧力が3kPa以上6kPa未満であることを特徴とする糸巻取機。
  5. 請求項2又は3に記載の糸巻取機であって、
    前記吸引力発生部の吸引力の圧力が3.5kPa以上5kPa以下であることを特徴とする糸巻取機。
  6. 請求項2から5までの何れか一項に記載の糸巻取機であって、
    前記並列方向に沿って走行し、少なくとも前記第1捕捉装置を有する台車を備え、
    前記第2捕捉装置が前記パッケージ側の糸を吸引捕捉している状態で、前記台車が該当の前記巻取ユニットに到着して停止した場合、停止後の次の動作として、前記第1捕捉装置により前記給糸部側の糸を捕捉することを特徴とする糸巻取機。
  7. 請求項1から4までの何れか一項に記載の糸巻取機であって、
    前記並列方向に沿って走行する台車を備え、
    前記台車は、
    前記第1捕捉装置と、
    前記糸継装置と、
    前記第1捕捉装置と前記第1ダクトを接続しており、前記第1捕捉装置が吸引した糸屑を前記第1ダクトに送る接続パイプと、
    を有し、
    前記第1ダクトは、前記台車の下方にある第1スペースに配置されており、
    前記第1ダクトの流路断面積は、前記第2ダクトの流路断面積よりも大きいことを特徴とする糸巻取機。
  8. 請求項7に記載の糸巻取機であって、
    前記並列方向で見たときに、前記台車の上方であって糸経路の下方にある第2スペースに前記第2ダクトが配置されることを特徴とする糸巻取機。
  9. 請求項7又は8に記載の糸巻取機であって、
    前記給糸部は、スライバをドラフトするドラフト装置と、紡績糸を生成する紡績装置と、を備え、
    前記給糸部で発生した風綿は、前記巻取ユニットの並列方向に沿って設けられており、かつ前記第1ダクト及び第2ダクトとは異なる位置に設けられている風綿ダクトを流れ、
    前記並列方向で見たときに、前記給糸部と前記風綿ダクトで囲まれる位置に前記第2ダクトが配置されることを特徴とする糸巻取機。
  10. 請求項7から9までの何れか一項に記載の糸巻取機であって、
    前記台車は、
    吸引口を有し、吸引口を前記パッケージに近づけるように移動して当該パッケージ側の糸を吸引捕捉する補助捕捉装置を有し、
    前記補助捕捉装置は、動作条件を満たした場合に、前記第2捕捉装置の代わりに動作し、
    前記補助捕捉装置が吸引した糸屑が前記第1ダクトを流れることを特徴とする糸巻取機。
  11. 請求項10に記載の糸巻取機であって、
    前記台車は、前記補助捕捉装置から前記第1ダクトに至る流路の閉鎖の有無を切り替えることで、前記補助捕捉装置が吸引流を発生させる状態と吸引流を発生させない状態とを切り替える補助シャッタを有することを特徴とする糸巻取機。
  12. 請求項10又は11に記載の糸巻取機であって、
    前記第2捕捉装置の吸引口から前記第2ダクトまでの距離は、前記補助捕捉装置の吸引口から前記第1ダクトまでの距離よりも短いことを特徴とする糸巻取機。
  13. 請求項1から12までの何れか一項に記載の糸巻取機であって、
    前記巻取ユニットで発生した糸屑を回収する糸屑回収部を備え、
    前記第1ダクトと前記第2ダクトは、共通の前記糸屑回収部に接続されることを特徴とする糸巻取機。
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