JP2023054678A - ウイルス不活化剤 - Google Patents

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慎太郎 大西
Shintaro Onishi
卓也 森
Takuya Mori
裕弥 宮辻
Yuya Miyatsuji
浩彦 石田
Hirohiko Ishida
義博 長谷川
Yoshihiro Hasegawa
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Abstract

【課題】空間に存在するウイルスの不活化を可能とする、ウイルス不活化剤を提供する。【解決手段】ジンジャーオイルを有効成分とし、気相においてウイルスを不活化するウイルス不活化剤。【選択図】なし

Description

本発明は、空間に存在するウイルスを不活化するウイルス不活化剤に関する。
ウイルス感染症は、感冒症状を始め、肺炎、肝炎、脳炎等の重篤な症状を引き起こす疾患であり、人類にとって永遠の脅威となっている。近年では、インフルエンザウイルスが世界的に猛威を振るい、時には、抗原性が変化した新型インフルエンザの発現によってパンデミックを起こす場合もある。また、2019年には、SARSコロナウイルス-2(SARS-CoV-2)が出現し、パンデミックを引き起こして、生命や健康のみならず、経済活動、社会機能にまで影響を及ぼしている。
このような事態に対応するために、ワクチンや抗ウイルス剤の開発があるが、ワクチンや治療薬の開発には時間が掛かり、また必ずしも成功するとは言えない。
ウイルスは、感染者によって生活空間へ持ち込まれた場合に、患者から直接、あるいは衣服、各種器具・部材、壁やエアコンなどの設備を含む環境を介して、感染が拡大する。したがって、ウイルスが付着し得る手指、衣服、各種器具・部材を洗浄・消毒することによる除ウイルスやウイルス不活化を図ることや、生活空間に飛沫したウイルスを不活化することが感染拡大を防ぐために有効であると考えられている。
従来、エタノール、次亜塩素酸ソーダ、二酸化塩素、グルタルアルデヒド等が、ウイルスを不活化することを目的として使用されている。しかし、これら一般的な消毒剤は、粘膜や皮膚への刺激性が高いため、安全上の問題から使用用途が限られる。また、空間に存在するウイルスを化学的に不活化する方法として、二酸化塩素を散布することも考案されているが、その効果は確かなものではない。
精油は、香気成分として化粧品を始め、様々な製品に配合されるが、特定の生理作用を発揮する精油があることもよく知られている。ウイルスに対して抗ウイルス活性を有する精油も数多く存在することが報告されている(非特許文献1)。
ショウガには、辛味成分であるショウガオールやジンゲロールが含まれ、殺菌、血行促進、体温上昇、冷え改善、抗肥満、血中中性脂肪の低減、エネルギー代謝促進及び脂質代謝促進等の様々な効能があることが知られている。また、ショウガの根茎を蒸気蒸留して得られる精油であるジンジャーオイルには、抗インフルエンザウイルス活性があることが報告されている(非特許文献2)。しかしながら、当該文献では、インフルエンザウイルスを含む溶液にジンジャーオイルを添加して2日間反応させた条件で、残存する感染性インフルエンザウイルス量を測定しており、液相のジンジャーオイルの抗ウイルス作用が評価されている。
一方、非特許文献3には、精油のもつ抗ウイルス活性は液相状態と気相状態で異なり、液相状態で抗ウイルス活性が認められる精油が、気相状態でも同様の効果を奏するとは云えないことが報告されている。
Swamy et al., Evid Based Complement Alternat Med. 2016:3012462. Choi HJ. et al.,Osong Public Health Res Perspect. 2018;9(6):348-353. Vimalanathan et al.,American Journal of Essential Oils and Natural Products 2014; 2 (1): 47-53
本発明は、空間に存在するウイルスの不活化を可能とする、ウイルス不活化剤を提供することに関する。
本発明者らは、安全性の高い植物由来の天然精油の中から、ジンジャーオイルが気相においてインフルエンザウイルス及びヒトコロナウイルスを不活化する効果があり、ウイルス不活化剤として有用であることを見出した。
すなわち、本発明は、以下の1)~2)に係るものである。
1)ジンジャーオイルを有効成分とし、気相においてウイルスを不活化するウイルス不活化剤。
2)ジンジャーオイル又はこれを含有する組成物を気相でウイルスと接触又は反応させる、ウイルス不活化方法。
本発明のウイルス不活化剤によれば、生活空間に飛沫したウイルスを短時間で不活化でき、当該ウイルスによる感染の拡大を防止又は低減することができる。
インフルエンザウイルス不活化効果。 ヒトコロナウイルス不活化効果。
本発明において、ジンジャーオイル(Ginger oil)とは、ショウガ(Zingiber officinale)の根茎を乾燥させたものを水蒸気蒸留して得られる精油を指す。
ジンジャーオイルは、公知の方法により抽出、精製等することにより取得することができ、市販品(ジンジャー精油;株式会社生活の木)を使用することも可能である。
ジンジャーオイルには、揮発成分として、β-ジンギベレン(Zingiberene)(10-40%)、β-セスキフェランドレン(Sesquiphellandrene)(5-20%)、α-クルクメン(Curcumene)(2-15%)、β-ビサボレン(Bisaborene)(5-10%)が含まれる。
本発明において、ジンジャーオイルは気相状態で使用される。
本発明のウイルス不活化剤の対象となるウイルスは、核酸の種類(RNA、DNA)及びエンベロープの有無を問わず、すべての種類のウイルスが含まれる。
エンベロープを有するウイルスとしては、核酸としてRNAを有する、インフルエンザウイルス;コロナウイルス;SARSコロナウイルス;SARSコロナウイルス-2;RSウイルス;ムンプスウイルス;ラッサウイルス;デングウイルス;風疹ウイルス;ヒト免疫不全ウイルス、核酸としてDNAを有する、ヒトヘルペスウイルス;ワクシニアウイルス;B型肝炎ウイルス等が挙げられる。
また、エンベロープを有さないウイルスとしては、核酸としてRNAを有する、ノロウイルス;ポリオウイルス;エコーウイルス;A型肝炎ウイルス;E型肝炎ウイルス;ライノウイルス;アストロウイルス;ロタウイルス;コクサッキーウイルス;エンテロウイルス;サポウイルス、核酸としてDNAを有する、アデノウイルス;B19ウイルス;パポバウイルス;ヒトパピローマウイルス等が挙げられる。
このうち、エンベロープを有するウイルスが好ましく、エンベロープを有し核酸としてRNAを有するウイルスがより好ましく、インフルエンザウイルス、ヒトコロナウイルス、SARSコロナウイルス、SARSコロナウイルス-2がより好ましい。
なお、SARSコロナウイルス-2(Severe acute respiratory syndrome coronavirus 2,;SARS-CoV-2)は、急性呼吸器疾患(COVID-19)の原因となるSARS関連コロナウイルスである。
本発明において、ウイルスの不活化とは、ウイルスの活性を低減又は消失し、宿主細胞への感染力を消失させる作用を意味する。
なお、ウイルスの不活化作用は、例えば、試験品とウイルスを接触させた後、ウイルスを宿主細胞に感染させ、そのウイルス感染価を測定すること等により確認することができる。ここで、宿主細胞としては、対象となるウイルスが増殖可能な細胞であればよく、インフルエンザウイルスであれば、例えばイヌ腎臓細胞(MDCK)、アフリカミドリザル腎臓上皮細胞(Vero)、アヒル胚性幹細胞由来株化細胞(EB66)、ヒトコロナウイルスであれば、例えばヒト回盲腺癌細胞(HCT-8)、アフリカミドリザル腎臓上皮細胞(VeroE6)、ヒト肝臓がん由来株化細胞(Huh7)を用いることができる。
後述する実施例に示すように、綿球にしみこませたジンジャーオイルをガラス瓶に入れて充満させた後に、乾燥させたインフルエンザウイルスを入れて、室温でジンジャーオイルとウイルスを気相中で接触させると、ウイルス感染力価が80%以上減少する。
したがって、ジンジャーオイルは、気相においてウイルスを不活化するウイルス不活化剤となり得る。或いは、ジンジャーオイルは、気相においてウイルスを不活化するウイルス不活化剤を製造するために使用することができる。
また、ジンジャーオイルは、気相においてウイルスを不活化するために使用することができる。
本発明のウイルス不活化剤は、ジンジャーオイルを単独で使用する形態であってもよく、またこれを含む組成物の形態であってもよい。すなわち、本発明のウイルス不活化剤は、気相においてウイルス不活化効果を発揮する抗ウイルス組成物、より具体的には空間除ウイルス用組成物となり、或いはこれらへ配合するための素材又は製剤となり得る。
ここで、空間としては、ダイニングキッチン室、寝室、子供室、浴室、トイレ等の一般家庭内、販売店、食堂、旅館、病院、作業場、工場等の施設内、自動車、電車、航空機等の乗り物内、準密閉空間(ロッカー、物置、押入れ等)等の生活空間が挙げられる。
上記抗ウイルス組成物の形態としては、液状又はゲル状等が挙げられるが、液状であるのが好ましい。当該組成物は、ジンジャーオイルの他、基材及び各種添加剤(ポリオール類(ジプロピレングリコール、プロピレングリコール等)、界面活性剤、紫外線吸収剤、酸化防止、防腐剤、消臭剤、天然抽出物、シリコーン、増粘剤、染料、顔料、色素、油剤、香料等)を配合することにより調製できる。ここで、基剤としては、油性又は水性の別を問わず、水、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、ジメチルエーテル、液体プロパン、ワセリン、ラノリン、ヒマシ油、パラフィン系炭化水素(例えば、流動パラフィン等)等の従来公知のものが挙げられ、単独で、又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
なお、ゲル状製剤として調製する場合は、例えば、カラギーナン、ジェランガム等の水溶性ゲル化剤、金属石鹸、オクチル酸アルミニウム等の油溶性ゲル化剤等、天然ゲル化剤又は合成ゲル化剤を従来公知の方法に従って、適宜添加すればよい。
本発明のウイルス不活化剤を組成物として使用する態様における前記有効成分の含有量は、例えば、組成物の総量に対するジンジャーオイルが0.001質量%以上であるのが好ましく、0.01質量%以上がより好ましく、0.1質量%以上がさらに好ましい。また、90質量%以下が好ましく、50質量%以下がより好ましく、10質量%以下がさらに好ましい。また、0.001~90質量%が好ましく、0.01~50質量%がより好ましく、0.1~10質量%がさらに好ましい。
本発明のウイルス不活化剤において、ジンジャーオイル又はこれを含有する組成物は、ウイルス汚染が懸念される対象に適用されるが、ジンジャーオイル又はこれを含有する組成物を気相でウイルスと接触又は反応させればよく、ジンジャーオイルを自然揮散させる形態或いは強制揮散させる形態の何れの態様であってもよい。
ジンジャーオイルを自然揮散させる形態であれば、室内に放置するだけで空間に存在するウイルスを不活化でき、簡便に室内空間のウイルス除去(除ウイルス)が行える。
本発明のウイルス不活化剤を、自然揮散を目的として使用する場合、例えば、ジンジャーオイル又はこれを含有する組成物を芯棒、濾紙等に染み込ませて揮散させる方法や透過膜を用いて揮散させる方法等の従来公知の方法が適用できる。また、樹脂にジンジャーオイル又はこれを含有する組成物を混練して使用することもできる。混練し得る樹脂としては、天然系、石油系、合成系のワックス、ロジン系樹脂、エチレン-酢酸ビニル共重合体、エチレン-ビニルアルコール共重合体、ポリエステル、ポリオレフィン、アクリル系樹脂等が挙げられる。上記の混練物は、そのまま用いることもできるし、多孔質担体に担持させたり、シート状にしたり、該シート状物を積層体にして用いることもできる。多孔質担体としては、例えば、セルロース、キトサン等の天然高分子、上記の合成樹脂、ケイ酸カルシウム等の無機多孔性物質等を、粒状、シート状等の任意の形状にしたものが挙げられる。上記の混練物や積層体は、例えば、空調設備、トイレ、浴室、居間、病室、病院の待合室、ダストボックス等に設置して、ジンジャーオイルを徐々に揮散させながら利用することもできる。また、ジンジャーオイル又はこれを含有する組成物を紙や不織布等からなる製品(空気清浄器のフィルター等)に担持させて使用することもできる。
ジンジャーオイルを強制揮散させて用いる場合、斯かる手段としては、例えば、ファン等を用いて揮散させる方法、ヒーター等を用いた加熱揮散方法、超音波によって揮散させる方法等が挙げられる。
また、ジンジャーオイル又はこれを含有する組成物は、例えば、加圧液噴霧スプレー、加圧空気霧化噴霧装置、ディフューザー、ネブライザー等の霧化又は拡散のための容器若しくは装置に充填し、ウイルスが存在する空間中に霧状に散布して用いることによって、揮散速度を速めることができ、迅速にウイルス不活化効果を発揮させることができる。また、ジンジャーオイル又はこれを含有する組成物を、エアゾール、ミストスプレー等の状態で使用しても同様の効果が得られる。
空間除ウイルス処理を行う場合、ジンジャーオイル又はこれを含有する組成物の使用量は、処理の態様、気温・湿度等の空間環境、ジンジャーオイルの蒸気圧等によって適宜調整できるが、ウイルス不活化の点から、対象空間におけるジンジャーオイルの濃度が、例えば0.4ppmv以上であり、好ましくは4ppmv以上、より好ましくは40ppmv以上であり、ジンジャーオイルの空間における飽和濃度以上とすることも可能であるが、好ましくは空間における飽和濃度以下、好ましくは1000ppmv以下、より好ましくは100ppmv以下で揮散するように使用することが挙げられる。
対象空間におけるジンジャーオイルの濃度は、空間より採取した気体中の成分濃度を測定することで検出でき、揮発性有機化合物濃度測定器(VOC測定器)を用いる方法、ガスクロマトグラフィーを用いて各成分の総量を測定する方法、ガスクロマトグラフィー/質量分析にてジンジャーオイルの各成分の値を求め、全て合計した値として求める方法などが挙げられるが、ジンジャーオイルに含まれる揮発性成分濃度を測定できれば何れの方法でも良い。
上述した実施形態に関し、本発明においては更に以下の態様が開示される。
<1>ジンジャーオイルを有効成分とし、気相においてウイルスを不活化するウイルス不活化剤。
<2>気相においてウイルスを不活化するウイルス不活化剤を製造するための、ジンジャーオイルの使用。
<3>気相においてウイルスを不活化するためのジンジャーオイルの使用。
<4>ジンジャーオイル又はこれを含有する組成物を気相でウイルスと接触又は反応させる、ウイルス不活化方法。
<5><1>~<4>において、ウイルスは好ましくはエンベロープを有するRNAウイルスである。
<6><1>~<4>において、ウイルスは好ましくはインフルエンザウイルス又はコロナウイルスである。
<7><1>~<6>において、ジンジャーオイルを含有する組成物中の当該組成物の総量に対するジンジャーオイルの含有量は、好ましくは0.001質量%以上、より好ましくは0.01質量%以上、さらに好ましくは0.1質量%以上であり、且つ好ましくは90質量%以下、より好ましくは50質量%以下、さらに好ましくは10質量%以下であるか、又は好ましくは0.001~90質量%、より好ましくは0.01~50質量%、さらに好ましくは0.1~10質量%である。
<8>ジンジャーオイル又はこれを含有する組成物を、対象空間におけるジンジャーオイルの濃度が、0.4ppmv以上であり、好ましくは4ppmv以上、より好ましくは40ppmv以上であり、好ましくは空間における飽和濃度以下、より好ましくは1000ppmv以下、より好ましくは100ppmv以下で揮散するように使用する、<4>の方法。
以下、実施例を示し、本発明をより具体的に説明する。
実施例1 ジンジャーオイルによるインフルエンザウイルスの不活化
1.方法
インフルエンザウイルスA型(A/Puerto Rico/8/1934, H1N1)株を試験ウイルス株として用いた。ジンジャーオイル(香栄興業株式会社)75μLを綿球にしみこませて15mLのガラス瓶(株式会社マルエム)の蓋部分に両面テープで接着して密閉し、30分間充満させた。同時にインフルエンザウイルス1.5μL(8.3×10FFU)をクライオバイアル(サーモフィッシャーサイエンティフィック)の蓋の上で30分乾燥させた。ウイルスを付着させた蓋をガラス瓶に入れ、室温(約22℃)で30分間ジンジャーオイルとウイルスを反応させた。その際、ジンジャーオイルとウイルスは直接的には接触しない状態を維持した。反応後、Hybridoma-SFM培地(サーモフィッシャーサイエンティフィック)でウイルスを回収し、あらかじめ12穴プレートで培養していたイヌ腎臓細胞(MDCK)に接種し、37℃、5%CO条件下で約18時間培養後、形成されたフォーカス数を測定し、ウイルス感染力価を測定した。対照群のミネラルオイルと反応させた際の感染力価を100%とし、ジンジャーオイルのウイルス不活化活性を算出した。
2.結果
図1に示すとおり、ジンジャーオイルは、対照のミネラルオイルに比べ、検出されるウイルス量を81.7%減少させた。
実施例2 ジンジャーオイルによるヒトコロナウイルスの不活化
1.方法
ヒトコロナウイルスOC43株を試験ウイルス株として用いた。ジンジャーオイル(香栄興業株式会社)75μLを綿球にしみこませて15mLのガラス瓶(株式会社マルエム)の蓋部分に両面テープで接着して密閉し、30分間充満させた。同時にコロナウイルス1.5μL(2×10TCID50)をクライオバイアル(サーモフィッシャーサイエンティフィック)の蓋の上で15分乾燥させた。ウイルスを付着させた蓋をガラス瓶に入れ、室温(約22℃)で30分間ジンジャーオイルとウイルスを反応させた。その際、ジンジャーオイルとウイルスは直接的には接触しない状態を維持した。反応後、培地でウイルスを回収し、あらかじめ96穴プレートで培養していたヒト回盲腺癌細胞(HCT-8)に接種し、33℃、5%CO条件下で4日間培養後、TCID50を測定した。対照群のミネラルオイルと反応させた際の感染力価を100%とし、ジンジャーオイルのウイルス不活化活性を算出した。
2.結果
図2に示すとおり、ジンジャーオイルは、対照のミネラルオイルに比べ、検出されるウイルス量を91.5%減少させた。

Claims (4)

  1. ジンジャーオイルを有効成分とし、気相においてウイルスを不活化するウイルス不活化剤。
  2. ウイルスがエンベロープを有するRNAウイルスである、請求項1に記載のウイルス不活化剤。
  3. ウイルスがインフルエンザウイルス又はコロナウイルスである、請求項1又は2に記載のウイルス不活化剤。
  4. ジンジャーオイル又はこれを含有する組成物を気相でウイルスと接触又は反応させる、ウイルス不活化方法。
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