JP2023054677A - ウイルス不活化剤 - Google Patents

ウイルス不活化剤 Download PDF

Info

Publication number
JP2023054677A
JP2023054677A JP2021163671A JP2021163671A JP2023054677A JP 2023054677 A JP2023054677 A JP 2023054677A JP 2021163671 A JP2021163671 A JP 2021163671A JP 2021163671 A JP2021163671 A JP 2021163671A JP 2023054677 A JP2023054677 A JP 2023054677A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
virus
cognac oil
oil
cognac
viruses
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2021163671A
Other languages
English (en)
Inventor
結衣 平間
Yui Hirama
慎太郎 大西
Shintaro Onishi
卓也 森
Takuya Mori
裕弥 宮辻
Yuya Miyatsuji
浩彦 石田
Hirohiko Ishida
義博 長谷川
Yoshihiro Hasegawa
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kao Corp
Original Assignee
Kao Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kao Corp filed Critical Kao Corp
Priority to JP2021163671A priority Critical patent/JP2023054677A/ja
Publication of JP2023054677A publication Critical patent/JP2023054677A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02ATECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
    • Y02A50/00TECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE in human health protection, e.g. against extreme weather
    • Y02A50/30Against vector-borne diseases, e.g. mosquito-borne, fly-borne, tick-borne or waterborne diseases whose impact is exacerbated by climate change

Landscapes

  • Medicines Containing Plant Substances (AREA)
  • Agricultural Chemicals And Associated Chemicals (AREA)

Abstract

【課題】環境中に存在するウイルスの不活化を可能とする、ウイルス不活化剤を提供する。【解決手段】コニャックオイルを有効成分とするウイルス不活化剤。【選択図】なし

Description

本発明は、ウイルスを不活化するウイルス不活化剤に関する。
ウイルス感染症は、感冒症状を始め、肺炎、肝炎、脳炎等の重篤な症状を引き起こす疾患であり、人類にとって永遠の脅威となっている。近年では、インフルエンザウイルスが世界的に猛威を振るい、時には、抗原性が変化した新型インフルエンザの発現によってパンデミックを起こす場合もある。また、2019年には、SARSコロナウイルス-2(SARS-CoV-2)が出現し、パンデミックを引き起こして、生命や健康のみならず、経済活動、社会機能にまで影響を及ぼしている。
このような事態に対応するために、ワクチンや抗ウイルス剤の開発があるが、ワクチンや治療薬の開発には時間が掛かり、また必ずしも成功するとは言えない。
ウイルスは、感染者によって生活空間へ持ち込まれた場合に、患者から直接、あるいは衣服、各種器具・部材、壁やエアコンなどの設備を含む環境を介して、感染が拡大する。したがって、ウイルスが付着し得る手指、衣服、各種器具・部材を洗浄・消毒することによる除ウイルスやウイルス不活化を図ることや、生活空間に飛沫したウイルスを不活化することが感染拡大を防ぐために有効であると考えられている。
従来、エタノール、次亜塩素酸ソーダ、二酸化塩素、グルタルアルデヒド等が、ウイルスを不活化することを目的として使用されている。しかし、これら一般的な消毒剤は、粘膜や皮膚への刺激性が高いため、安全上の問題から使用用途が限られる。また、空間に存在するウイルスを化学的に不活化する方法として、二酸化塩素を散布することも考案されているが、その効果は確かなものではない。
精油は、香気成分として化粧品を始め、様々な製品に配合されるが、特定の生理作用を発揮する精油があることもよく知られている。ウイルスに対して抗ウイルス活性を有する精油も数多く存在することが報告されている(非特許文献1)。
コニャックオイル(Cognac oil)は、発酵、蒸留後のぶどう(Vitis vinifera)のかすを水蒸気蒸留して得られる精油であるが、コニャックオイルにウイルス不活化作用があることは、これまでに知られていない。
Swamy et al., Evid Based Complement Alternat Med. 2016:3012462.
本発明は、環境中に存在するウイルスの不活化を可能とする、ウイルス不活化剤を提供することに関する。
本発明者らは、安全性の高い植物由来の天然精油の中から、コニャックオイルがインフルエンザウイルス及びヒトコロナウイルスを不活化する効果があり、ウイルス不活化剤として有用であることを見出した。
すなわち、本発明は、以下の1)~2)に係るものである。
1)コニャックオイルを有効成分とするウイルス不活化剤。
2)コニャックオイル又はこれを含有する組成物をウイルス汚染が懸念される対象に適用する、ウイルス不活化方法。
本発明のウイルス不活化剤によれば、生活環境中の硬質・軟質表面に付着したウイルスや生活空間に飛沫したウイルスを不活化でき、当該ウイルスによる感染の拡大を防止又は低減することができる。
インフルエンザウイルス不活化効果。 ヒトコロナウイルス不活化効果。
本発明において、コニャックオイル(Cognac oil)とは、発酵、蒸留後のぶどう(Vitis vinifera)のかすを水蒸気蒸留して得られる精油を指す。
コニャックオイルは、公知の方法により抽出、精製等することにより取得することができ、市販品(Cognac essential oil green;hermitageoils)を使用することも可能である。
コニャックオイルには、揮発成分として、デカン酸エチル(20-60%)、ラウリン酸エチル(10-40%)、オクタン酸エチル(1-15%)、デカン酸(1-10%)が含まれる。本発明において、コニャックオイルは、液相状態でも気相状態でも使用できるが、ウイルス不活化効果の点から、気相状態で使用するのが好ましい。
本発明のウイルス不活化剤の対象となるウイルスは、核酸の種類(RNA、DNA)及びエンベロープの有無を問わず、すべての種類のウイルスが含まれる。
エンベロープを有するウイルスとしては、核酸としてRNAを有する、インフルエンザウイルス;コロナウイルス;SARSコロナウイルス;SARSコロナウイルス-2;RSウイルス;ムンプスウイルス;ラッサウイルス;デングウイルス;風疹ウイルス;ヒト免疫不全ウイルス、核酸としてDNAを有する、ヒトヘルペスウイルス;ワクシニアウイルス;B型肝炎ウイルス等が挙げられる。
また、エンベロープを有さないウイルスとしては、核酸としてRNAを有する、ノロウイルス;ポリオウイルス;エコーウイルス;A型肝炎ウイルス;E型肝炎ウイルス;ライノウイルス;アストロウイルス;ロタウイルス;コクサッキーウイルス;エンテロウイルス;サポウイルス、核酸としてDNAを有する、アデノウイルス;B19ウイルス;パポバウイルス;ヒトパピローマウイルス等が挙げられる。
このうち、エンベロープを有するウイルスが好ましく、エンベロープを有し核酸としてRNAを有するウイルスがより好ましく、インフルエンザウイルス、ヒトコロナウイルス、SARSコロナウイルス、SARSコロナウイルス-2がより好ましい。
なお、SARSコロナウイルス-2(Severe acute respiratory syndrome coronavirus 2,;SARS-CoV-2)は、急性呼吸器疾患(COVID-19)の原因となるSARS関連コロナウイルスである。
本発明において、ウイルスの不活化とは、ウイルスの活性を低減又は消失し、宿主細胞への感染力を消失させる作用を意味する。
なお、ウイルスの不活化作用は、例えば、試験品とウイルスを接触させた後、ウイルスを宿主細胞に感染させ、そのウイルス感染価を測定すること等により確認することができる。ここで、宿主細胞としては、対象となるウイルスが増殖可能な細胞であればよく、インフルエンザウイルスであれば、例えばイヌ腎臓細胞(MDCK)、アフリカミドリザル腎臓上皮細胞(Vero)、アヒル胚性幹細胞由来株化細胞(EB66)、ヒトコロナウイルスであれば、例えばヒト回盲腺癌細胞(HCT-8)、アフリカミドリザル腎臓上皮細胞(VeroE6)、ヒト肝臓がん由来株化細胞(Huh7)を用いることができる。
後述する実施例に示すように、綿球にしみこませたコニャックオイルをガラス瓶に入れて充満させた後に、乾燥させたインフルエンザウイルスを入れて、室温でコニャックオイルとウイルスを気相中で接触させると、ウイルス感染力価が50%以上減少する。
したがって、コニャックオイルは、ウイルス不活化剤、好ましくは気相においてウイルスを不活化するウイルス不活化剤となり得る。或いは、コニャックオイルは、ウイルス不活化剤、好ましくは気相においてウイルスを不活化するウイルス不活化剤を製造するために使用することができる。
また、コニャックオイルは、ウイルスを不活化するために、好ましくは気相においてウイルスを不活化するために使用することができる。
本発明のウイルス不活化剤は、コニャックオイルを単独で使用する形態であってもよく、またこれを含む組成物(例えば、抗ウイルス組成物、衛生用品組成物等)の形態であってもよい。すなわち、本発明のウイルス不活化剤は、ウイルス不活化効果を発揮する抗ウイルス組成物や抗ウイルス効果を発揮する衛生用品組成物となり、或いはこれらへ配合するための素材又は製剤となり得る。
上記抗ウイルス組成物は、液相又は気相の状態で使用されるものを包含する。液相状態で使用される抗ウイルス組成物は、コニャックオイルの他、次亜塩素酸、過酸化水素、銀イオン化合等の抗菌性物質や、カチオン性抗菌剤(塩化ベンゼトニウム等)、殺菌剤(トリクロサン、イソプロピルメチルフェノール等)、エタノール、界面活性剤等を含んでいてもよく、キレート剤、保湿剤、潤滑剤、ビルダー、緩衝剤、研磨剤、電解質、漂白剤、香料、染料、発泡制御剤、腐食防止剤、精油、増粘剤、顔料、光沢向上剤、酵素、洗剤、溶媒、分散剤、ポリマー、シリコーン、向水性物質等の添加剤を適宜配合することにより調製される。斯かる組成物の形態としては、液状、乳液状、クリーム状、ローション状、ペースト状、ジェル状、シート状(基材担持)、オイル状等の形態であり得るが、これらに限定されない。
当該抗ウイルス組成物は、各種洗浄剤(衣料用洗浄剤、住居用洗浄剤、食器用洗浄剤等)等に適宜配合して使用することができる。
気相状態で使用される抗ウイルス組成物(例えば、空間除ウイルス用組成物)は、液状又はゲル状等が挙げられるが、液状であるのが好ましい。当該組成物は、コニャックオイルの他、基材及び各種添加剤(ポリオール類(ジプロピレングリコール、プロピレングリコール等)、界面活性剤、紫外線吸収剤、酸化防止、防腐剤、消臭剤、天然抽出物、シリコーン、増粘剤、染料、顔料、色素、油剤、香料等)を配合することにより調製できる。ここで、基剤としては、油性又は水性の別を問わず、水、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、ジメチルエーテル、液体プロパン、ワセリン、ラノリン、ヒマシ油、パラフィン系炭化水素(例えば、流動パラフィン等)等の従来公知のものが挙げられ、単独で、又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
なお、ゲル状製剤として調製する場合は、例えば、カラギーナン、ジェランガム等の水溶性ゲル化剤、金属石鹸、オクチル酸アルミニウム等の油溶性ゲル化剤等、天然ゲル化剤又は合成ゲル化剤を従来公知の方法に従って、適宜添加すればよい。
上記衛生用品組成物としては、例えばローション、クリーム、シャンプー、ヘアコンディショナー、ハンドソープ、シャンプー、ボディシャンプー、洗顔料、入浴剤、フォーム、制汗剤、消臭剤、腋臭防止剤、口腔衛生用品(洗口液、歯磨、口中清涼剤、うがい薬等)等が挙げられる。
当該組成物は、化粧料等として許容される担体(例えば、希釈剤、分散剤、緩衝剤、pH調整剤、分散剤、乳化剤、界面活性剤、防腐剤、安定剤、酸化防止剤、着色剤、保湿剤、増粘剤、殺菌剤、香料等)を適宜組み合わせて常法により調製することができる。
本発明のウイルス不活化剤を組成物として使用する態様における前記有効成分の含有量は、組成物の形態に応じて適宜決定できる。例えば、組成物の総量に対するコニャックオイルの含有量は0.001質量%以上が好ましく、0.01質量%以上がより好ましく、0.1質量%以上がさらに好ましい。また、90質量%以下が好ましく、50質量%以下がより好ましく、10質量%以下がさらに好ましい。また、0.001~90質量%が好ましく、0.01~50質量%がより好ましく、0.1~10質量%がさらに好ましい。
本発明のウイルス不活化剤によれば、ウイルスで汚染された動物の皮膚若しくは粘膜や無生物対象物の硬質又は軟質表面に付着した当該ウイルスの不活化や生活空間に飛沫したウイルスの不活化が可能となる。ここで、無生物対象物の表面としては、例えば、家庭や事業施設における、カウンタ、シンク、化粧室、トイレ、浴槽、シャワー台、床、窓、ドアノブ、壁、下水口、パイプ等の硬質表面;キッチン用品、家具、電話、玩具等の各種器具、道具、雑貨等の硬質表面;繊維製品(カーペット、エリアラグ、カーテン、布製家具、衣類等)等の軟質表面が挙げられる。また、生活空間としては、ダイニングキッチン室、寝室、子供室、浴室、トイレ等の一般家庭内、販売店、食堂、旅館、病院、作業場、工場等の施設内、自動車、電車、航空機等の乗り物内、準密閉空間(ロッカー、物置、押入れ等)等が挙げられる。
本発明のウイルス不活化剤において、コニャックオイル又はこれを含有する組成物は、ウイルス汚染が懸念される対象に適用されるが、その態様は特に限定されず、コニャックオイルを気相又は液相でウイルスと接触又は反応させればよい。コニャックオイルを液相でウイルスと接触させる方法としては、コニャックオイル又はこれを含有する組成物を処理対象にそのまま塗布する方法、コニャックオイル又はこれを含有する組成物を拡散させて処理対象に振りかける方法、或いは、コニャックオイル又はこれを含有する組成物を含浸させたシート、ガーゼ、タオル、おしぼり、ティッシュ、ウエットティッシュ等で対象表面を拭き取る方法等、の何れでもよい。
また、コニャックオイル又はこれを含有する組成物を、例えば、加圧液噴霧スプレー、加圧空気霧化噴霧装置、ディフューザー、ネブライザー等の霧化又は拡散のための容器若しくは装置に充填し、ウイルス存在する空間中に霧状に散布して用いることによって、揮散速度を速めることができ、迅速にウイルス不活化効果を発揮させることができる。また、空間除ウイルス用組成物を、エアゾール、ミストスプレー等の状態で使用しても同様の効果が得られる。
コニャックオイル又はこれを含有する組成物を気相でウイルスと接触又は反応させる方法としては、コニャックオイルを自然揮散させる形態或いは強制揮散させる形態の何れの態様であってもよい。コニャックオイルを自然揮散させる形態であれば、室内に放置するだけで空間に存在するウイルスを不活化でき、簡便に室内空間のウイルス除去(除ウイルス)が行える。
本発明のウイルス不活化剤を、自然揮散を目的として使用する場合、例えば、コニャックオイル又はこれを含有する組成物を芯棒、濾紙等に染み込ませて揮散させる方法や透過膜を用いて揮散させる方法等の従来公知の方法が適用できる。また、樹脂にコニャックオイル又はこれを含有する組成物を混練して使用することもできる。混練しうる樹脂としては、天然系、石油系、合成系のワックス、ロジン系樹脂、エチレン-酢酸ビニル共重合体、エチレン-ビニルアルコール共重合体、ポリエステル、ポリオレフィン、アクリル系樹脂等が挙げられる。上記の混練物は、そのまま用いることもできるし、多孔質担体に担持させたり、シート状にしたり、該シート状物を積層体にして用いることもできる。多孔質担体としては、例えば、セルロース、キトサン等の天然高分子、上記の合成樹脂、ケイ酸カルシウム等の無機多孔性物質等を、粒状、シート状等の任意の形状にしたものが挙げられる。上記の混練物や積層体は、例えば、空調設備、トイレ、浴室、居間、病室、病院の待合室、ダストボックス等に設置して、コニャックオイルを徐々に揮散させながら利用することもできる。また、コニャックオイル又はこれを含有する組成物を紙や不織布等からなる製品(空気清浄器のフィルター等)に担持させて使用することもできる。
コニャックオイルを強制揮散させて用いる場合、斯かる手段としては、例えば、ファン等を用いて揮散させる方法、ヒーター等を用いた加熱揮散方法、超音波によって揮散させる方法等が挙げられる。
なお、空間除ウイルス処理を行う場合、コニャックオイル又はこれを含有する組成物の使用量は、処理の態様、気温・湿度等の空間環境、コニャックオイルの蒸気圧等によって適宜調整できるが、ウイルス不活化の点から、対象空間におけるコニャックオイルの濃度が、例えば0.4ppmv以上であり、好ましくは4ppmv以上、より好ましくは40ppmv以上であり、コニャックオイルの空間における飽和濃度以上とすることも可能であるが、好ましくは空間における飽和濃度以下、より好ましくは1000ppmv以下、より好ましくは100ppmv以下で揮散するように使用することが挙げられる。
対象空間におけるコニャックオイルの濃度は、空間より採取した気体中の成分濃度を測定することで検出でき、揮発性有機化合物濃度測定器(VOC測定器)を用いる方法、ガスクロマトグラフィーを用いて各成分の総量を測定する方法、ガスクロマトグラフィー/質量分析にてコニャックオイルの各成分の値を求め、全て合計した値として求める方法などが挙げられるが、コニャックオイルに含まれる揮発性成分濃度を測定できれば何れの方法でも良い。
上述した実施形態に関し、本発明においては更に以下の態様が開示される。
<1>コニャックオイルを有効成分とするウイルス不活化剤。
<2>ウイルス不活化剤を製造するための、コニャックオイルの使用。
<3>ウイルスを不活化するための、コニャックオイル又はこれを含有する組成物の使用。
<4>コニャックオイル又はこれを含有する組成物をウイルス汚染が懸念される対象に適用する、ウイルス不活化方法。
<5><1>~<4>において、ウイルスは好ましくはエンベロープを有するRNAウイルスである。
<6><1>~<4>において、ウイルスは好ましくはインフルエンザウイルス又はコロナウイルスである。
<7><1>~<6>において、ウイルスの不活化は、好ましくは気相におけるウイルスの不活化である。
<8><1>~<7>において、コニャックオイルを含有する組成物中の当該組成物の総量に対するコニャックオイルの含有量は、好ましくは0.001質量%以上、より好ましくは0.01質量%以上、さらに好ましくは0.1質量%以上であり、且つ好ましくは90質量%以下、より好ましくは50質量%以下、さらに好ましくは10質量%以下であるか、又は好ましくは0.001~90質量%、より好ましくは0.01~50質量%、さらに好ましくは0.1~10質量%である。
<9>コニャックオイル又はこれを含有する組成物を、対象空間におけるコニャックオイルの濃度が、0.4ppmv以上であり、好ましくは4ppmv以上、より好ましくは40ppmv以上であり、好ましくは空間における飽和濃度以下、より好ましくは1000ppmv以下、より好ましくは100ppmv以下で揮散するように使用する、<4>の方法。
実施例1 コニャックオイルによるインフルエンザウイルスの不活化
1.方法
インフルエンザウイルスA型(A/Puerto Rico/8/1934, H1N1)株を試験ウイルス株として用いた。コニャックオイル(香栄興業株式会社)75μLを綿球にしみこませて15mLのガラス瓶(株式会社マルエム)の蓋部分に両面テープで接着して密閉し、30分間充満させた。同時にインフルエンザウイルス1.5μL(8.3×10FFU)をクライオバイアル(サーモフィッシャーサイエンティフィック)の蓋の上で30分乾燥させた。ウイルスを付着させた蓋をガラス瓶に入れ、室温(約22℃)で30分間コニャックオイルとウイルスを反応させた。その際、コニャックオイルとウイルスは直接的には接触しない状態を維持した。反応後、Hybridoma-SFM培地(サーモフィッシャーサイエンティフィック)でウイルスを回収し、あらかじめ12穴プレートで培養していたイヌ腎臓細胞(MDCK)に接種し、37℃、5%CO条件下で約18時間培養後、形成されたフォーカス数を測定し、ウイルス感染力価を測定した。対照群のミネラルオイルと反応させた際の感染力価を100%とし、コニャックオイルのウイルス不活化活性を算出した。
2.結果
図1に示すとおり、コニャックオイルは、対照のミネラルオイルに比べ、検出されるウイルス量を51.4%減少させた。
実施例2 コニャックオイルによるヒトコロナウイルスの不活化
1.方法
ヒトコロナウイルスOC43株を試験ウイルス株として用いた。コニャックオイル(香栄興業株式会社)75μLを綿球にしみこませて15mLのガラス瓶(株式会社マルエム)の蓋部分に両面テープで接着して密閉し、30分間充満させた。同時にコロナウイルス1.5μL(2×10TCID50)をクライオバイアル(サーモフィッシャーサイエンティフィック)の蓋の上で15分乾燥させた。ウイルスを付着させた蓋をガラス瓶に入れ、室温(約22℃)で30分間精油とウイルスを反応させた。その際、コニャックオイルとウイルスは直接的には接触しない状態を維持した。反応後、培地でウイルスを回収し、あらかじめ96穴プレートで培養していたヒト回盲腺癌細胞(HCT-8)に接種し、33℃、5%CO条件下で4日間培養後、TCID50を測定した。対照群のミネラルオイルと反応させた際の感染力価を100%とし、コニャックオイルのウイルス不活化活性を算出した。
2.結果
図2に示すとおり、コニャックオイルは、対照のミネラルオイルに比べ、検出されるウイルス量を94.0%減少させた。

Claims (5)

  1. コニャックオイルを有効成分とするウイルス不活化剤。
  2. ウイルスがエンベロープを有するRNAウイルスである、請求項1に記載のウイルス不活化剤。
  3. ウイルスがインフルエンザウイルス又はコロナウイルスである、請求項1又は2に記載のウイルス不活化剤。
  4. 気相においてウイルスを不活化する、請求項1~3のいずれか1項に記載のウイルス不活化剤。
  5. コニャックオイル又はこれを含有する組成物をウイルス汚染が懸念される対象に適用する、ウイルス不活化方法。
JP2021163671A 2021-10-04 2021-10-04 ウイルス不活化剤 Pending JP2023054677A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2021163671A JP2023054677A (ja) 2021-10-04 2021-10-04 ウイルス不活化剤

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2021163671A JP2023054677A (ja) 2021-10-04 2021-10-04 ウイルス不活化剤

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2023054677A true JP2023054677A (ja) 2023-04-14

Family

ID=85874203

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2021163671A Pending JP2023054677A (ja) 2021-10-04 2021-10-04 ウイルス不活化剤

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2023054677A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5101135B2 (ja) 抗菌・消臭組成物およびこれを用いた抗菌・消臭方法
JP5337032B2 (ja) ペルオキシゲン含量の低い、水性殺菌剤、消毒薬および/または滅菌薬
ES2388743T3 (es) Composiciones de perfume
US20090035339A1 (en) Methods of Inactivating Viruses
JP2005530857A (ja) 抗菌組成物、抗菌製品、及びそれらを使用する方法
WO2013012007A1 (ja) 抗ウイルス剤組成物
CN102018981A (zh) 含有桧木醇的喷雾消毒除臭剂
JP6704099B1 (ja) 殺菌またはウイルス不活性化剤組成物、および殺菌またはウイルス不活性化効力増強方法
CN101953654A (zh) 消毒清洁湿巾及其制备方法
JP2023054677A (ja) ウイルス不活化剤
JP2023063146A (ja) ウイルス不活化剤
JP2023063142A (ja) ウイルス不活化剤
JP2023063144A (ja) ウイルス不活化剤
JP2023063145A (ja) ウイルス不活化剤
JP2023063143A (ja) ウイルス不活化剤
JP2023063148A (ja) ウイルス不活化剤
JP2023063141A (ja) ウイルス不活化剤
JP2023063212A (ja) ウイルス不活化剤
JP2024031837A (ja) ウイルス不活化剤
JP2023062913A (ja) ウイルス不活化組成物
JP2020033279A (ja) 抗ノロウイルス剤、消毒剤及び洗浄剤
JP2023116205A (ja) ウイルス不活化剤
JP2023054678A (ja) ウイルス不活化剤
JP2023063147A (ja) ウイルス不活化剤
JP2022026763A (ja) ウイルス不活性化剤組成物