JP2023054569A - 蓄電素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】電極体の品質の向上を図ることができる蓄電素子を提供する。【解決手段】蓄電素子10は、極板(正極板701、負極板702)及びセパレータ(セパレータ703、704)が巻回されて形成された電極体700と、電極体700における極板及びセパレータの最内周740に配置される、電極体700とは別体の弾性体800と、を備え、電極体700は、極板及びセパレータが巻回されることで形成された一対の湾曲部711と一対の湾曲部711を繋ぐ平坦部712とを有し、弾性体800は、電極体700の最内周740において、一対の湾曲部711のうちの少なくとも一方の湾曲部711に接した状態で配置される。【選択図】図4

Description

本発明は、電極体を備える蓄電素子に関する。
従来、極板及びセパレータが巻回されて形成された、扁平な巻回型の電極体を備える蓄電素子が広く知られている。例えば、特許文献1には、正極板と負極板とをセパレータを介して巻回して電極群(電極体)を形成した後、電極群の巻芯孔に電極群に対して加圧力を与える中芯部材を挿入し、電極群を扁平状に変形した角形扁平二次電池(蓄電素子)が開示されている。
国際公開第2007/097172号
扁平な巻回型の電極体においては、極板とセパレータとの間の隙間がばらつきやすく、比較的大きな隙間が生じる場合がある。当該隙間に金属粉等のコンタミネーション(コンタミ)が侵入すると、充放電時に電極体が膨張する際等に、コンタミ自体またはそれによって生じる電析によって、電極体内で短絡が発生してしまうおそれがある。これに対して、上記特許文献1に開示された従来の蓄電素子では、電極体の巻芯孔内の中芯部材は、扁平状の電極体に対して扁平方向で加圧力を与える構成となっている。このため、従来の蓄電素子では、電極体の扁平方向においては、極板とセパレータとの間の隙間のばらつきは吸収できるが、電極体の当該扁平方向と直交する方向においては、極板とセパレータとの間の隙間のばらつきを吸収できない。これにより、従来の蓄電素子では、電極体の品質の向上を十分に図れていないという問題がある。
本発明は、本願発明者が上記課題に新たに着目することによってなされたものであり、電極体の品質の向上を図ることができる蓄電素子を提供することを目的とする。
本発明の一態様に係る蓄電素子は、極板及びセパレータが巻回されて形成された電極体と、前記電極体における前記極板及び前記セパレータの最内周に配置される、前記電極体とは別体の弾性体と、を備え、前記電極体は、前記極板及び前記セパレータが巻回されることで形成された一対の湾曲部と前記一対の湾曲部を繋ぐ平坦部とを有し、前記弾性体は、前記電極体の前記最内周において、前記一対の湾曲部のうちの少なくとも一方の湾曲部に接した状態で配置される。
本発明は、このような蓄電素子として実現できるだけでなく、電極体、または、電極体の最内周に配置される弾性体としても実現できる。
本発明における蓄電素子によれば、電極体の品質の向上を図ることができる。
実施の形態に係る蓄電素子の外観を示す斜視図である。 実施の形態に係る蓄電素子を分解して各構成要素を示す斜視図である。 実施の形態に係る電極体の構成を示す斜視図である。 実施の形態に係る電極体及び弾性体の構成を示す断面図である。 実施の形態に係る弾性体の構成を示す斜視図及び断面図である。 実施の形態の変形例1に係る弾性体の構成を示す斜視図及び断面図である。 実施の形態の変形例2に係る弾性体の構成を示す斜視図及び断面図である。 実施の形態の変形例3に係る弾性体の構成を示す斜視図及び断面図である。
本発明の一態様に係る蓄電素子は、極板及びセパレータが巻回されて形成された電極体と、前記電極体における前記極板及び前記セパレータの最内周に配置される、前記電極体とは別体の弾性体と、を備え、前記電極体は、前記極板及び前記セパレータが巻回されることで形成された一対の湾曲部と前記一対の湾曲部を繋ぐ平坦部とを有し、前記弾性体は、前記電極体の前記最内周において、前記一対の湾曲部のうちの少なくとも一方の湾曲部に接した状態で配置される。
蓄電素子において、電極体が、極板及びセパレータが巻回されることで形成された湾曲部と平坦部とを有する扁平形状の場合、平坦部よりも湾曲部の方が、極板とセパレータとの間に大きな隙間が生じやすい。このため、電極体とは別体の弾性体を、電極体における極板及びセパレータの最内周に、湾曲部に接した状態で配置する。これにより、弾性体の弾性力で、電極体の湾曲部における極板とセパレータとの間の隙間のばらつきを吸収し、当該隙間を小さくできる。したがって、電極体の品質の向上を図ることができる。
前記弾性体は、前記少なくとも一方の湾曲部に隙間なく接した状態で配置されてもよい。
これによれば、弾性体が電極体の湾曲部に隙間なく接することで、湾曲部における極板とセパレータとの間の隙間を効果的に小さくできる。したがって、電極体の品質の向上を図ることができる。
前記弾性体は、シート状の部材が1周以上巻かれて形成されてもよい。
これによれば、シート状の部材を1周以上巻くことで弾性体を形成できるため、簡易な構成で、弾性体を形成できる。弾性体を、シート状の部材を大きく広げた状態で形成して電極体の最内周に挿入すれば、電極体の最内周において弾性体が圧縮されるため、電極体の湾曲部を押す力を大きくできる。このように、簡易な構成の弾性体で、電極体の湾曲部における極板とセパレータとの間の隙間を小さくできる。したがって、電極体の品質の向上を図ることができる。
前記弾性体は、通気性を有してもよい。
これによれば、弾性体が通気性を有することで、蓄電素子内で発生するガスを弾性体内に溜める(弾性体にガスを吸収させる)ことができ、内圧の上昇を抑制することができる。弾性体が通液性も有する場合には、電解液を弾性体内に保持して、長寿命とすることもできる。
前記弾性体には、前記弾性体の厚み方向に貫通する貫通孔が形成されてもよい。
これによれば、弾性体に貫通孔を形成することで、貫通孔の大きさまたは個数等によって弾性体の弾性力を調整できる。弾性体に貫通孔が形成されていることで、蓄電素子内で発生するガスを貫通孔内に溜めたり、電解液を貫通孔内に保持しておくこともできる。
前記弾性体は、前記セパレータよりも厚みが厚くてもよい。
これによれば、弾性体がセパレータよりも厚みが厚いことで、電極体の最内周に、弾性体に代えてセパレータを配置するよりも、電極体の湾曲部を押す力を大きくできる。これにより、弾性体によって、電極体の湾曲部における極板とセパレータとの間の隙間を小さくできるため、電極体の品質の向上を図ることができる。
前記弾性体は、発泡体であってもよい。
これによれば、弾性体を発泡体とすることで、弾性体を容易に形成できるため、簡易な構成で、電極体の湾曲部における極板とセパレータとの間の隙間を小さくできる。発泡体内に、蓄電素子内で発生するガスを溜めたり、電解液を保持しておくこともできる。したがって、電極体の品質の向上を図ることができる。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態(その変形例も含む)に係る蓄電素子について説明する。以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的または具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、製造工程、製造工程の順序等は、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。各図において、寸法等は厳密に図示したものではない。各図において、同一または同様な構成要素については同じ符号を付している。
以下の説明及び図面中において、蓄電素子が有する一対(正極側及び負極側、以下同様)の電極端子の並び方向、一対の集電体の並び方向、電極体の巻回軸が延びる方向、または、容器の短側面の対向方向を、X軸方向と定義する。容器の長側面の対向方向、または、容器若しくは電極体の厚み方向(扁平方向)を、Y軸方向と定義する。電極端子と電極体との並び方向、容器の容器本体と蓋体との並び方向、または、上下方向を、Z軸方向と定義する。これらX軸方向、Y軸方向及びZ軸方向は、互いに交差(本実施の形態では直交)する方向である。使用態様によってはZ軸方向が上下方向にならない場合も考えられるが、以下では説明の便宜のため、Z軸方向を上下方向として説明する。
以下の説明において、X軸プラス方向とは、X軸の矢印方向を示し、X軸マイナス方向とは、X軸プラス方向とは反対方向を示す。単にX軸方向という場合は、X軸プラス方向及びX軸マイナス方向の双方向またはいずれか一方の方向を示す。Y軸方向及びZ軸方向についても同様である。平行及び直交などの、相対的な方向または姿勢を示す表現は、厳密には、その方向または姿勢ではない場合も含む。例えば、2つの方向が平行であるとは、当該2つの方向が完全に平行であることを意味するだけでなく、実質的に平行であること、すなわち、例えば数%程度の差異を含むことも意味する。さらに、以下の説明において、「絶縁」と表現する場合、「電気的な絶縁」を意味する。
(実施の形態)
[1 蓄電素子10の全般的な説明]
まず、図1及び図2を用いて、本実施の形態における蓄電素子10の全般的な説明を行う。図1は、本実施の形態に係る蓄電素子10の外観を示す斜視図である。図2は、本実施の形態に係る蓄電素子10を分解して各構成要素を示す斜視図である。
蓄電素子10は、電気を充電し、また、電気を放電できる二次電池(単電池)であり、具体的には、リチウムイオン二次電池等の非水電解質二次電池である。蓄電素子10は、電力貯蔵用途または電源用途等に使用される。具体的には、蓄電素子10は、自動車、自動二輪車、ウォータークラフト、船舶、スノーモービル、農業機械、建設機械、または、電気鉄道用の鉄道車両等の移動体の駆動用またはエンジン始動用等のバッテリ等として用いられる。上記の自動車としては、電気自動車(EV)、ハイブリッド電気自動車(HEV)、プラグインハイブリッド電気自動車(PHEV)、及び、化石燃料(ガソリン、軽油、液化天然ガス等)自動車が例示される。上記の電気鉄道用の鉄道車両としては、電車、モノレール、リニアモーターカー、並びに、ディーゼル機関及び電気モーターの両方を備えるハイブリッド電車が例示される。蓄電素子10は、家庭用または事業用等に使用される定置用のバッテリ等としても用いることができる。
蓄電素子10は、非水電解質二次電池には限定されず、非水電解質二次電池以外の二次電池であってもよいし、キャパシタであってもよい。蓄電素子10は、二次電池ではなく、使用者が充電をしなくても蓄えられている電気を使用できる一次電池であってもよい。蓄電素子10は、固体電解質を用いた電池であってもよい。蓄電素子10は、パウチタイプの蓄電素子であってもよい。本実施の形態では、扁平な直方体形状(角形、角型)の蓄電素子10を図示しているが、蓄電素子10の形状は、直方体形状には限定されず、長円柱形状、楕円柱形状、または、直方体以外の多角柱形状等であってもよい。
図1に示すように、蓄電素子10は、容器100と、一対(正極側及び負極側)の電極端子300と、一対(正極側及び負極側)の上部ガスケット400と、を備えている。図2に示すように、容器100の内方には、一対(正極側及び負極側)の下部ガスケット500と、一対(正極側及び負極側)の集電体600と、電極体700と、弾性体800(図4等参照)と、が収容されている。容器100の内部には、電解液(非水電解質)が封入されているが、図示は省略している。当該電解液としては、蓄電素子10の性能を損なうものでなければその種類に特に制限はなく、様々なものを選択することができる。上記の構成要素の他、電極体700の側方または下方等に配置されるスペーサ、電極体700等を包み込む絶縁フィルム等が配置されていてもよい。
容器100は、開口が形成された容器本体110と、容器本体110の当該開口を閉塞する蓋体120と、を有する直方体形状(角形または箱形)のケースである。容器本体110は、容器100の本体部を構成する矩形筒状で底を備える部材である。容器本体110は、X軸方向両側の側面(短側面)に一対の平板状かつ矩形状の短側壁部111を有し、Y軸方向両側の側面(長側面)に一対の平板状かつ矩形状の長側壁部112を有し、Z軸マイナス方向側に平板状かつ矩形状の底壁部113を有している。蓋体120は、容器100の蓋部を構成するX軸方向に長い矩形状の板状部材であり、容器本体110のZ軸プラス方向に配置されている。
このような構成により、容器100は、電極体700等を容器本体110の内部に収容後、容器本体110と蓋体120とが溶接等によって接合されることにより、内部が密封される構造となっている。容器100(容器本体110及び蓋体120)の材質は特に限定されず、例えばステンレス鋼、アルミニウム、アルミニウム合金、鉄、メッキ鋼板等の溶接可能な金属とすることができるが、樹脂を用いることもできる。
蓋体120には、注液部130と、ガス排出弁140とが形成されている。ガス排出弁140は、容器100内方の圧力が過度に上昇した場合に当該圧力を開放する安全弁である。注液部130は、蓄電素子10の製造時に容器100の内方に電解液を注液するための部位である。注液部130は、蓄電素子10の製造時に、容器100内に電解液を注液して、電極体700内への電解液の含浸を行ったり、電解液の注液後にCO(二酸化炭素)を封入して化成を行ったり、電極体700内からのガスを脱気したりするために用いられる。注液部130は、注液口131と、注液栓132とを有している。注液口131は、容器100の内方に電解液を注液する等のために、蓋体120に形成された例えば円形状の貫通孔である。注液栓132は、注液口131から電解液を注液等した後に、蓋体120に接合されて注液口131を閉塞する閉塞部材(蓋部材)である。
電極端子300は、集電体600を介して、電極体700に電気的に接続される端子部材(正極端子及び負極端子)である。電極端子300は、電極体700に蓄えられている電気を蓄電素子10の外部空間に導出し、また、電極体700に電気を蓄えるために蓄電素子10の内部空間に電気を導入するための金属製の部材である。電極端子300は、アルミニウム、アルミニウム合金、銅または銅合金等の金属等の導電部材で形成されている。電極端子300は、かしめ接合または溶接等によって、集電体600に接続(接合)され、かつ、蓋体120に取り付けられる。
集電体600は、電極体700のX軸方向両側に配置され、電極体700と電極端子300とに接続(接合)されて、電極体700と電極端子300とを電気的に接続する導電性と剛性とを備えた集電部材(正極集電体及び負極集電体)である。集電体600は、後述する電極体700の端部720または730と溶接またはかしめ接合等により接続(接合)されるとともに、上述の通り、電極端子300とかしめ接合または溶接等により接続(接合)されて蓋体120に固定される。集電体600の材質は特に限定されないが、例えば、正極側の集電体600は、後述する電極体700の正極基材701aと同様、アルミニウムまたはアルミニウム合金等の導電部材で形成されている。負極側の集電体600は、後述する電極体700の負極基材702aと同様、銅または銅合金等の導電部材で形成されている。
上部ガスケット400は、容器100の蓋体120と電極端子300との間に配置され、蓋体120と電極端子300との間を絶縁し、かつ封止する板状かつ矩形状の絶縁性の封止部材である。下部ガスケット500は、蓋体120と集電体600との間に配置され、蓋体120と集電体600との間を絶縁し、かつ封止する板状かつ矩形状の絶縁性の封止部材である。上部ガスケット400及び下部ガスケット500は、例えば、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ポリスチレン(PS)、ポリフェニレンサルファイド樹脂(PPS)、ポリフェニレンエーテル(PPE(変性PPEを含む))、ポリエチレンテレフタラート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル(PFA)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリエーテルサルフォン(PES)、ABS樹脂、若しくは、それらの複合材料等の電気的な絶縁性を有する樹脂等によって形成されている。
電極体700は、極板(正極板及び負極板)とセパレータとを備え、これら極板及びセパレータが巻回されて形成された、電気を蓄えることができる蓄電要素(発電要素)である。本実施の形態では、電極体700は、X軸方向から見て長円形状(長円柱形状)を有している。電極体700は、電極体本体部710と、電極体本体部710からX軸方向両側に突出する端部720及び730とを有し、上述の通り、端部720及び730が一対の集電体600に接続(接合)される。電極体700における極板及びセパレータの最内周(電極体本体部710の内方)には、弾性体800が配置されている。このような電極体700及び弾性体800の構成について、以下に詳細に説明する。
[2 電極体700及び弾性体800の構成の説明]
図3は、本実施の形態に係る電極体700の構成を示す斜視図である。具体的には、図3の(a)は、電極体700における極板の巻回状態を一部展開した状態での構成を示し、図3の(b)は、極板を巻回した後の電極体700の構成を示している。図4は、本実施の形態に係る電極体700及び弾性体800の構成を示す断面図である。具体的には、図4は、図3の(b)の電極体700を、IV-IV線を通りYZ平面に平行な面で切断した場合の断面を示している。つまり、図4は、電極体700における極板及びセパレータの最内周740(電極体本体部710の内方)に、弾性体800を配置した後の状態を示している。図5は、本実施の形態に係る弾性体800の構成を示す斜視図及び断面図である。具体的には、図5の(a)は、電極体700の最内周740(電極体本体部710の内方)に配置する前の弾性体800の構成を示す斜視図であり、図5の(b)は、図5の(a)の弾性体800を、Vb-Vb線を通りYZ平面に平行な面で切断した場合の構成を示す断面図である。
[2.1 電極体700の説明]
まず、電極体700の構成について、詳細に説明する。図3の(a)に示すように、電極体700は、正極板701と、負極板702と、セパレータ703及び704と、を有している。
正極板701は、アルミニウムまたはアルミニウム合金等からなる長尺帯状の金属箔である正極基材701aの表面に、正極活物質層701bが形成された極板(電極板)である。負極板702は、銅または銅合金等からなる長尺帯状の金属箔である負極基材702aの表面に、負極活物質層702bが形成された極板(電極板)である。正極基材701a及び負極基材702aとして、ニッケル、鉄、ステンレス鋼、チタン、焼成炭素、導電性高分子、導電性ガラス、Al-Cd合金など、充放電時の酸化還元反応に対して安定な材料であれば適宜公知の材料を用いることもできる。正極活物質層701bに用いられる正極活物質、及び、負極活物質層702bに用いられる負極活物質としては、リチウムイオンを吸蔵放出可能な正極活物質及び負極活物質であれば、適宜公知の材料を使用できる。
例えば、正極活物質として、LiMPO、LiMSiO、LiMBO(MはFe、Ni、Mn、Co等から選択される1種または2種以上の遷移金属元素)等のポリアニオン化合物、チタン酸リチウム、LiMnやLiMn1.5Ni0.5等のスピネル型リチウムマンガン酸化物、LiMO(MはFe、Ni、Mn、Co等から選択される1種または2種以上の遷移金属元素)等のリチウム遷移金属酸化物等を用いることができる。負極活物質としては、リチウム金属、リチウム合金(リチウム-ケイ素、リチウム-アルミニウム、リチウム-鉛、リチウム-錫、リチウム-アルミニウム-錫、リチウム-ガリウム、及びウッド合金等のリチウム金属含有合金)の他、リチウムを吸蔵・放出可能な合金、炭素材料(例えば黒鉛、難黒鉛化炭素、易黒鉛化炭素、低温焼成炭素、非晶質カーボン等)、ケイ素酸化物、金属酸化物、リチウム金属酸化物(LiTi12等)、ポリリン酸化合物、あるいは、一般にコンバージョン負極と呼ばれる、CoやFeP等の、遷移金属と第14族乃至第16族元素との化合物などが挙げられる。
セパレータ703及び704は、樹脂からなる微多孔性のシートである。セパレータ703及び704の素材としては、蓄電素子10の性能を損なうものでなければ、適宜公知の材料を使用できる。例えば、セパレータ703及び704として、有機溶剤に不溶な織布、不織布、ポリエチレン等のポリオレフィン樹脂からなる合成樹脂微多孔膜等を用いることができる。
電極体700は、正極板701及び負極板702と、セパレータ703及び704とが交互に積層されかつ巻回されることで形成されている。つまり、電極体700は、正極板701と、セパレータ703と、負極板702と、セパレータ704とがこの順に積層され、巻回されることで形成されている。本実施の形態では、電極体700は、これら正極板701及び負極板702等が、蓋体120と平行に(X軸方向に)延びる巻回軸Lを中心に巻回されて形成された扁平な巻回型の電極体である。巻回軸Lとは、正極板701及び負極板702等を巻回する際の中心軸となる仮想的な軸であり、本実施の形態では、電極体700の中心を通る、X軸方向に平行な直線である。
具体的には、電極体700は、正極板701と負極板702とが、セパレータ703及び704を介して、巻回軸Lが延びる方向(X軸方向。以下、巻回軸方向ともいう)に互いにずらして巻回されている。そして、正極板701及び負極板702は、それぞれのずらされた方向の端部に、正極活物質層701b及び負極活物質層702bが形成(塗工)されず正極基材701a及び負極基材702aが露出した部分(活物質層非形成部)を有している。これにより、図3の(b)に示すように、電極体700は、巻回軸方向の一端部(X軸マイナス方向の端部)に、正極板701の活物質層非形成部が積層されて束ねられた正極側の端部720を有している。電極体700は、巻回軸方向の他端部(X軸プラス方向の端部)に、負極板702の活物質層非形成部が積層されて束ねられた負極側の端部730を有している。
つまり、電極体700は、電極体700の本体を構成する電極体本体部710と、電極体本体部710のX軸方向端部の全体からX軸方向両側に突出した一対(正極側及び負極側)の端部720及び730と、を有している。電極体本体部710は、正極板701及び負極板702のうちの正極活物質層701b及び負極活物質層702bが形成(塗工)された部分とセパレータ703及び704とが巻回されて形成された長円柱形状の部位(活物質層形成部)である。これにより、電極体本体部710は、Z軸方向両側に一対の湾曲部711を有し、Y軸方向両側に一対の平坦部712を有することとなる。つまり、電極体700(電極体本体部710)は、正極板701、負極板702、セパレータ703及び704が巻回軸Lを中心に巻回されて形成された、一対の湾曲状の湾曲部711と一対の平坦状の平坦部712とを有する扁平な形状を有している。
図3の(b)及び図4に示すように、湾曲部711は、X軸方向から見てZ軸方向に突出するように半円の円弧形状に湾曲し、X軸方向に延びる湾曲状の部位である。一対の湾曲部711は、容器100の蓋体120と容器本体110の底壁部113とに対向して配置される。つまり、一対の湾曲部711は、X軸方向から見て、蓋体120及び底壁部113に向けてZ軸方向両側に突出するように湾曲した部位である。平坦部712は、一対の湾曲部711の端部同士を繋ぐ、Y軸方向に向いたXZ平面に平行に広がる平坦状かつ矩形状の部位である。容器本体110のY軸方向両側の長側壁部112に対向して、Y軸方向に並ぶ一対の平坦部712が配置される。なお、湾曲部711の湾曲形状は、半円の円弧形状には限定されず、楕円形状の一部等でもよく、どのように湾曲していてもよい。平坦部712は、Y軸方向に向く外面が平面であることには限定されず、当該外面が少し凹んでいたり、少し膨らんでいたりしていてもよい。
このような構成において、電極体700における極板及びセパレータの最内周740(電極体本体部710の内方)に、電極体700とは別体の弾性体800が配置される。最内周740は、電極体700の製造時において、正極板701、負極板702、セパレータ703及び704を巻回する際の巻き始めの1周分(電極体本体部710の最も内側の部分)である。以下に、弾性体800の構成について、詳細に説明する。
[2.2 弾性体800の説明]
図4に示すように、弾性体800は、電極体700の最内周740に配置された状態では、Y軸方向に扁平なXZ平面に広がる平坦状(平板状)の部位である。弾性体800は、電極体本体部710の一対の湾曲部711及び一対の平坦部712に囲まれるように、電極体本体部710の内方に配置される。言い換えると、弾性体800は、一対の湾曲部711及び一対の平坦部712に囲まれた隙間を埋めるように、電極体本体部710の内方に配置される。本実施の形態では、弾性体800は、X軸方向においては、電極体本体部710と同じ長さまたは電極体本体部710よりも少し短く形成されているが、電極体本体部710よりも長く形成されていてもよい。つまり、弾性体800は、電極体本体部710の内方に収容される(端部720または730の内方までは突出しない)のが好ましいが、集電体600と端部720または730との接合の邪魔にならないのであれば、端部720または730の内方まで突出していてもよい。
弾性体800は、Z軸方向両側に一対の当接部810を有し、Y軸方向両側に一対の繋ぎ部820を有し、当接部810及び繋ぎ部820の端部同士がそれぞれ接続されて形成される環状の部材である。当接部810は、X軸方向から見てZ軸方向に突出するように半円形状に形成され、X軸方向に延びる部位である。一対の当接部810は、電極体本体部710の一対の湾曲部711に対向して配置される。つまり、一対の当接部810は、X軸方向から見て、一対の湾曲部711に向けてZ軸方向両側に突出するように形成された部位である。当接部810は、外面が、湾曲部711の内面に沿って湾曲しており、湾曲部711の内部の空間を埋めるように、湾曲部711の内側に配置される。
これにより、当接部810は、電極体700の最内周740において、一対の湾曲部711のうちの少なくとも一方の湾曲部711に接した状態(当たって接した状態)で配置される。具体的には、当接部810は、当該少なくとも一方の湾曲部711に隙間なく接した状態で配置される。つまり、一対の当接部810のうちの少なくとも一方の当接部810の外面の全面が、当該当接部810に対向する湾曲部711の内面の全面に、隙間なく接する。本実施の形態では、一対の当接部810の双方の外面の全面が、一対の湾曲部711の双方の内面の全面に隙間なく接する。なお、当接部810の外面の形状は、湾曲部711の内面の形状に対応していればよく、X軸方向から見て半円形状には限定されない。
繋ぎ部820は、一対の当接部810同士を繋ぐ、Y軸方向に向いたXZ平面に平行に広がる平坦状(平板状)かつ矩形状の部位である。電極体本体部710の一対の平坦部712に対向して、Y軸方向に並ぶ一対の繋ぎ部820が配置される。繋ぎ部820は、外面が、平坦部712の内面に沿う平面であり、一対の平坦部712の間の空間を埋めるように、一対の平坦部712の内側に配置される。
これにより、繋ぎ部820は、電極体700の最内周740において、一対の平坦部712のうちの少なくとも一方の平坦部712に接した状態で配置される。具体的には、繋ぎ部820は、当該少なくとも一方の平坦部712に隙間なく接した状態で配置される。つまり、一対の繋ぎ部820のうちの少なくとも一方の繋ぎ部820の外面の全面が、当該繋ぎ部820に対向する平坦部712の内面の全面に、隙間なく接する。本実施の形態では、一対の繋ぎ部820の双方の外面の全面が、一対の平坦部712の双方の内面の全面に隙間なく接する。なお、繋ぎ部820の外面の形状は、平坦部712の内面の形状に対応していればよく、平面には限定されない。
以上の構成の弾性体800は、以下のように形成される。図5に示すように、弾性体800は、シート状の部材が1周以上(本実施の形態では、1周)巻かれて形成されている。具体的には、弾性体800は、電極体700の最内周740(電極体本体部710の内方)に配置される前の状態では、シート状(平板状)の部材が一対の当接部810の位置で湾曲状に折り曲げられ、かつ、一対の繋ぎ部820がY軸方向に広がった環状の部材である。本実施の形態では、弾性体800は、X軸方向から見て菱形になるように、一対の繋ぎ部820が、Z軸方向の中央部がY軸方向に最も広がるように、Y軸方向に広げられて形成されている。
このような形状の弾性体800を、電極体700の最内周740に配置し、極板及びセパレータ(正極板701、負極板702、セパレータ703及び704)を巻回する。当該極板及びセパレータを巻回した後に、電極体700の最内周740に弾性体800を配置してもよい。そして、巻回されたものをY軸方向に圧縮して、Y軸方向に扁平な形状の電極体700を形成する。これにより、電極体700の最内周740で、弾性体800がY軸方向に圧縮されて、Z軸方向に延びる。つまり、弾性体800の一対の繋ぎ部820がY軸方向に圧縮されて、一対の当接部810がZ軸方向に互いに離れるように広がり、一対の当接部810が一対の湾曲部711をZ軸方向で押圧(圧迫)する。
このような扁平な形状の電極体700が容器100に挿入されると、電極体700のY軸方向への広がりが規制されることから、弾性体800は、電極体700の最内周740において、電極体本体部710をその内側からY軸方向及びZ軸方向に反力により押圧(圧迫)する。つまり、弾性体800の一対の繋ぎ部820が、一対の平坦部712をY軸方向へ圧迫し、一対の当接部810が、一対の湾曲部711をZ軸方向へ圧迫する。
弾性体800は、電極体700の最内周740に配置された状態では、電極体700の最内周740に配置される前の体積の95%以下に圧縮される。これにより、弾性体800は、この圧縮により、例えば面圧が0.4kN/100cm以上の反力を形成することで、極板とセパレータとの間(正極板701及び負極板702のそれぞれと、セパレータ703及び704のそれぞれとの間)の隙間が小さくなる。例えば、当該隙間は、100μm以下であるのが好ましく、50μm以下であるのがより好ましく、20μm以下であるのがさらに好ましい。
弾性体800は、電極体700の最内周740に配置される前において、セパレータ703及び704よりも厚みが厚いシート状の部材で形成されている。弾性体800の厚さは、0.2mm~5mmであるのが好ましく、0.2mm~3mmであるのがより好ましく、0.2mm~2mmであるのがさらに好ましい。本実施の形態では、弾性体800は、電極体700の最内周740に配置されて圧縮された状態でも、セパレータ703及び704よりも厚みが厚く形成されている。
弾性体800は、弾性を有し、かつ、容器100内で溶解しないシート状の部材であれば特に限定されないが、本実施の形態では、発泡体である。つまり、弾性体800は、PEまたはPP等のポリオレフィン樹脂で形成された発泡構造体(スポンジ状の多孔質体)を有する発泡シートである。弾性体800は、大きな弾性力を得るために、構成する素材の体積占有率(素材内部の空間も含めた体積に対する空間を含めない体積の比率)が80%以下であるのが好ましい。弾性体800は、少なくともセパレータ703及び704よりも弾性を有する(少なくともセパレータ703及び704よりも低い弾性率である)素材で形成されている。弾性体800は、好ましくは、弾性率が0.21~0.048Mpaであり、さらに好ましくは、弾性率が0.12~0.048Mpaである。
さらに、弾性体800は、通気性を有している。つまり、弾性体800は、厚み方向に貫通し、かつ、気体が通過可能な複数の微小な細孔(図示せず)を有することで、通気性を有している。弾性体800は、液体が通過可能な複数の細孔を有することで、通液性も有していてもよい。
[3 効果の説明]
以上のように、本発明の実施の形態に係る蓄電素子10によれば、電極体700は、極板(正極板701、負極板702)及びセパレータ(セパレータ703、704)が巻回されることで形成された、湾曲部711と平坦部712とを有している。電極体700がこのような扁平形状の場合、平坦部712よりも湾曲部711の方が、極板とセパレータとの間に大きな隙間が生じやすい。このため、電極体700とは別体の弾性体800を、電極体700における極板及びセパレータの最内周740に、湾曲部711に接した状態で配置する。これにより、弾性体800の弾性力で、電極体700の湾曲部711における極板とセパレータとの間の隙間のばらつきを吸収し、当該隙間を小さくできる。したがって、電極体700の品質の向上を図ることができる。
弾性体800が電極体700の湾曲部711に隙間なく接することで、湾曲部711における極板とセパレータとの間の隙間を効果的に小さくできる。したがって、電極体700の品質の向上を図ることができる。
シート状の部材を1周以上巻くことで弾性体800を形成できるため、簡易な構成で、弾性体800を形成できる。弾性体800を、シート状の部材を大きく広げた状態で形成して電極体700の最内周740に挿入すれば、電極体700の最内周740において弾性体800が圧縮されるため、電極体700の湾曲部711を押す力を大きくできる。このように、簡易な構成の弾性体800で、電極体700の湾曲部711における極板とセパレータとの間の隙間を小さくできる。したがって、電極体700の品質の向上を図ることができる。
弾性体800が通気性を有することで、蓄電素子10内で発生するガスを弾性体800内に溜める(弾性体800にガスを吸収させる)ことができ、内圧の上昇を抑制することができる。弾性体800が通液性も有する場合には、電解液を弾性体800内に保持して、長寿命とすることもできる。電解液は、蓄電素子10の充放電により負極板702に被膜を形成して消費される。このため、容器100内の電解液量は多い方が好ましく、電解液を弾性体800内に保持できる効果が高い。
弾性体800がセパレータよりも厚みが厚いことで、電極体700の最内周740に、弾性体800に代えてセパレータを配置するよりも、電極体700の湾曲部711を押す力を大きくできる。これにより、弾性体800によって、電極体700の湾曲部711における極板とセパレータとの間の隙間を小さくできるため、電極体700の品質の向上を図ることができる。
弾性体800を発泡体とすることで、弾性体800を容易に形成できるため、簡易な構成で、電極体700の湾曲部711における極板とセパレータとの間の隙間を小さくできる。発泡体内に、蓄電素子10内で発生するガスを溜めたり、電解液を保持しておくこともできる。したがって、電極体700の品質の向上を図ることができる。
蓄電素子10の製造時において、容器100内に電解液が注液された後に、容器100内にCOが封入されるのが好ましい。容器100内にCOを封入し、化成をすると、負極板702にCOが吸収され、容器100内は負圧になる。容器100内が負圧になると、容器100の厚みが薄くなり、電極体700が圧縮されるため、極板とセパレータとの間の隙間をより効果的に小さくできる。これにより、電極体700の品質の向上を図ることができる。
[4 変形例の説明]
以上、本発明の実施の形態に係る蓄電素子10について説明したが、本発明は、上記実施の形態には限定されない。今回開示された実施の形態は、全ての点で例示であり、本発明の範囲には、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれる。
(変形例1~3)
上記実施の形態では、弾性体800は、電極体700の最内周740に配置される前の状態では、シート状の部材が1周巻かれて形成された、X軸方向から見て菱形の環状の部材であることとしたが、これには限定されず、種々の形状を取り得る。図6は、本実施の形態の変形例1に係る弾性体801の構成を示す斜視図及び断面図である。図7は、本実施の形態の変形例2に係る弾性体802の構成を示す斜視図及び断面図である。図8は、本実施の形態の変形例3に係る弾性体803の構成を示す斜視図及び断面図である。図6~図8は、図5に対応する図である。
図6に示すように、変形例1に係る弾性体801は、長方形のシート状の部材が1周よりも多く巻かれて、巻き始めの端部と巻き終わりの端部との重なり部分である重畳部821が溶着されて、環状に形成されている。このように、弾性体801は、上記実施の形態における弾性体800と異なり、シート状の部材が1周よりも多く巻かれて形成されている。弾性体801は、シート状の部材が2周以上巻かれて形成されてもよい。本変形例のその他の構成については、上記実施の形態と同様であるため、詳細な説明は省略する。
本変形例によれば、長方形のシート状の部材からでも、環状の弾性体801を容易に形成できる。シート状の部材の厚みが薄い場合でも、当該シート状の部材を1周よりも多く巻くことで、厚みの厚い弾性体801を形成できる。これらにより、電極体700の品質の向上を図ることができる。
図7に示すように、変形例2に係る弾性体802には、弾性体802の厚み方向に貫通する貫通孔822が形成されている。本変形例では、弾性体802(繋ぎ部820)の全体に亘って、複数の円形状の貫通孔822が格子状に形成されているが、貫通孔822の大きさ、形状、配置位置、及び、個数等は特に限定されない。貫通孔822は、レーザによる加工またはプレス加工等で形成することができる。弾性体802は、貫通孔822が形成されることにより、通気性及び通液性を有することとなる。本変形例のその他の構成については、上記実施の形態と同様であるため、詳細な説明は省略する。
本変形例によれば、弾性体802に貫通孔822を形成することで、貫通孔822の大きさ、形状、配置位置、または、個数等によって弾性体802の弾性力を調整できる。弾性体802に貫通孔822が形成されていることで、蓄電素子10内で発生するガスを貫通孔822内に溜めたり、電解液を貫通孔822内に保持しておくこともできる。
図8に示すように、変形例3に係る弾性体803は、電極体700の最内周740に配置される前の状態では、シート状の部材が1周巻かれて形成された、X軸方向から見て楕円形の環状の部材である。つまり、弾性体803は、X軸方向から見て楕円形になるように、一対の繋ぎ部823が湾曲して形成されている。このように、弾性体803は、上記実施の形態における弾性体800と、X軸方向から見た場合の形状が異なる。ただし、弾性体803は、電極体700の最内周740に配置された後は、図4に示した弾性体800と同じ形状となる。本変形例のその他の構成については、上記実施の形態と同様であるため、詳細な説明は省略する。
本変形例のように、弾性体803として、電極体700の最内周740に配置される前の状態では、種々の形状のものを採用できる。弾性体803は、X軸方向から見て楕円形には限定されず、長円形、菱形以外の多角形等でもよい。
(その他の変形例)
上記実施の形態では、弾性体800は、セパレータ703及び704よりも厚みが厚く、かつ、通気性を有するシート状の発泡体が1周以上巻かれて形成されていることとしたが、これらには限定されない。弾性体800は、セパレータ703または704よりも厚みが薄くてもよい。弾性体800は、通気性を有していなくてもよい。弾性体800は、シート状の部材が1周に満たない状態で配置されていてもよい。弾性体800は、シート状の部材ではなく、中実のブロック状の部材でもよい。弾性体800は、発泡体でなく、不織布等で形成されていてもよい。
上記実施の形態では、弾性体800の一対の当接部810の双方が、電極体700の一対の湾曲部711の双方に隙間なく接することとしたが、これには限定されない。一対の当接部810のいずれか一方しか、湾曲部711に隙間なく接しない構成でもよい。当接部810の一部しか湾曲部711に接しない(当接部810と湾曲部711との間に隙間が生じる)構成でもよい。
上記実施の形態では、弾性体800の一対の繋ぎ部820の双方が、電極体700の一対の平坦部712の双方に隙間なく接することとしたが、これには限定されない。一対の繋ぎ部820のいずれか一方しか、平坦部712に隙間なく接しない構成でもよい。繋ぎ部820の一部しか平坦部712に接しない(繋ぎ部820と平坦部712との間に隙間が生じる)構成でもよい。繋ぎ部820は、全部が平坦部712に接しない構成でもよい。
上記実施の形態では、電極体700は、巻回軸Lが蓋体120に平行となる巻回型電極体であることとした。しかし、電極体700は、巻回軸Lが蓋体120に垂直となる巻回型電極体であってもよい。電極体700において、端部720及び730は、電極体本体部710の端部の全体から突出する部位には限定されず、電極体本体部710の端部の一部から突出するタブ部(極板の複数のタブが積層された部位)であってもよい。
上記実施の形態及びその変形例に含まれる構成要素を任意に組み合わせて構築される形態も、本発明の範囲内に含まれる。
本発明は、このような蓄電素子10として実現できるだけでなく、電極体700、または、電極体700の最内周740に配置される弾性体800(または801~803)等としても実現できる。
本発明は、リチウムイオン二次電池等の蓄電素子に適用できる。
10 蓄電素子
100 容器
110 容器本体
120 蓋体
130 注液部
140 ガス排出弁
300 電極端子
400 上部ガスケット
500 下部ガスケット
600 集電体
700 電極体
701 正極板
701a 正極基材
701b 正極活物質層
702 負極板
702a 負極基材
702b 負極活物質層
703、704 セパレータ
710 電極体本体部
711 湾曲部
712 平坦部
720、730 端部
740 最内周
800、801、802、803 弾性体
810 当接部
820、823 繋ぎ部
821 重畳部
822 貫通孔

Claims (7)

  1. 極板及びセパレータが巻回されて形成された電極体と、
    前記電極体における前記極板及び前記セパレータの最内周に配置される、前記電極体とは別体の弾性体と、を備え、
    前記電極体は、前記極板及び前記セパレータが巻回されることで形成された一対の湾曲部と前記一対の湾曲部を繋ぐ平坦部とを有し、
    前記弾性体は、前記電極体の前記最内周において、前記一対の湾曲部のうちの少なくとも一方の湾曲部に接した状態で配置される
    蓄電素子。
  2. 前記弾性体は、前記少なくとも一方の湾曲部に隙間なく接した状態で配置される
    請求項1に記載の蓄電素子。
  3. 前記弾性体は、シート状の部材が1周以上巻かれて形成されている
    請求項1または2に記載の蓄電素子。
  4. 前記弾性体は、通気性を有する
    請求項1~3のいずれか一項に記載の蓄電素子。
  5. 前記弾性体には、前記弾性体の厚み方向に貫通する貫通孔が形成されている
    請求項4に記載の蓄電素子。
  6. 前記弾性体は、前記セパレータよりも厚みが厚い
    請求項1~5のいずれか一項に記載の蓄電素子。
  7. 前記弾性体は、発泡体である
    請求項1~6のいずれか一項に記載の蓄電素子。
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