JP2023054549A - 超音波診断装置、超音波診断装置の制御方法、及び、超音波診断装置の制御プログラム - Google Patents

超音波診断装置、超音波診断装置の制御方法、及び、超音波診断装置の制御プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】血管計測を実施する際に、ユーザーの作業負荷を軽減すると共に、血管計測の計測精度や信頼性の向上を可能とする超音波診断装置を提供すること。【解決手段】超音波の送受信により、被検体の断層画像を生成する超音波診断装置であって、断層画像に映る血管の領域を検出する血管検出部12aと、断層画像の画像解析により、血管の直径を算出する血管径算出部12bと、所定期間内に得られた複数フレームの断層画像それぞれにおいて算出された血管の直径に基づいて、前記複数フレームのうちから血管の直径が最大及び/又は最小のときに得られたフレームに該当する注目フレームを特定する注目フレーム特定部12cと、注目フレームの血管を対象として、被検体の血流又は血管の性状に係る計測を実施する計測部12dと、注目フレームの断層画像を表示する表示処理部5と、を備える。【選択図】図5

Description

本開示は、超音波診断装置、超音波診断装置の制御方法、及び、超音波診断装置の制御プログラムに関する。
超音波を被検体に向けて送信し、その反射波を受信して受信信号に所定の信号処理を行うことにより、被検体内部の形状、性状又は動態を断層画像として可視化する超音波診断装置が知られている(例えば、特許文献1を参照)。
従来、医療現場では、かかる超音波診断装置で撮影された血管の断層画像を用いて、当該血管の性状や、当該血管中を通流する血流量を計測し、その計測結果から、被検体の健康状態を診断することが行われている。例えば、脳梗塞や心筋梗塞などの虚血性疾患は、動脈硬化や狭窄に兆候として表れることが知られており、かかる動脈硬化の進展や狭窄を判定するため、かかる超音波診断装置で撮影された血管の断層画像を用いて、頚動脈における内膜中膜複合体の厚さ(Intima-Media Thickness:IMT)や、頚動脈における血流量(Flow Volume:FV)の計測等が行われている。又、頸動脈とは別の動脈を対象としたIMTやFVの計測結果も、被検体の健康状態を診断する用に積極的に利用されている。
このような内膜中膜複合体の厚さや血流量の正確な計測が実現できれば、動脈硬化の進展や狭窄などの兆候を正確に評価することができると考えられる。但し、頚動脈等の血管の直径は、内臓や心臓の拍動に応じて変化する。そのため、医療現場では、評価基準を揃えるべく、IMT計測やFV計測は、一般に、血管の直径が最大となったときに撮影された断層画像、又は、血管の直径が最小となったときに撮影された断層画像を用いて実施するように定められている。例えば、IMT計測は拡張末期での計測が推奨されており、拡張末期には血管径が最小に近くなるため、現場では血管径が最小となったときに撮影された断層像を用いて実施することが多い。
図17は、超音波診断装置で撮影された血管(ここでは、頚動脈)の断層画像の一例を示す図である。この断層画像内では、血管が横方向に沿って延在しており、血管の直径は、例えば、血管内腔を挟んで上側の血管壁と下側の血管壁の間の幅(図17中のD1の幅)として算出される。
特開2008-168016号公報
ところで、従来技術に係る超音波診断装置において、頚動脈等の血管における内膜中膜複合体の厚さ(IMT)や血流量(FV)の計測(以下、「血管計測」と総称する)を実施する際には、ユーザーは、超音波プローブを用いてある程度の時間(例えば、数分間)に亘って血管をスキャンした後に、シネ操作(一枚一枚の断層画像を目視により確認する作業)によって、動画として撮影された時系列のフレーム群(例えば、過去数分間分のフレームデータ)中から血管径が最大あるいは最小となるフレームを探索し、探索の結果、該当フレームを指定した上で、計測対象の血管位置を特定する等の作業を行う必要があった。
かかる作業は、ユーザーにとって、非常に煩雑なものであり、血管計測に時間を要する一因ともなっている。加えて、このような計測方法は、ユーザーの直感に頼ったものであるため、計測精度や信頼性の点で、改善の余地がある。
本開示は、上記問題点に鑑みてなされたもので、血管計測を実施する際に、ユーザーの作業負荷を軽減すると共に、血管計測の計測精度や信頼性の向上を可能とする超音波診断装置、超音波診断装置の制御方法、及び、超音波診断装置の制御プログラムを提供することを目的とする。
前述した課題を解決する主たる本開示は、
超音波の送受信により、被検体の断層画像を生成する超音波診断装置であって、
前記断層画像に映る血管の領域を検出する血管検出部と、
前記断層画像の画像解析により、前記血管の直径を算出する血管径算出部と、
所定期間内に得られた複数フレームの前記断層画像それぞれにおいて算出された前記血管の前記直径に基づいて、前記複数フレームのうちから前記血管の前記直径が最大及び/又は最小のときに得られたフレームに該当する注目フレームを特定する注目フレーム特定部と、
前記注目フレームの前記断層画像に映る前記血管を対象として、前記被検体の血流又は血管の性状に係る計測を実施する計測部と、
所定のタイミングで前記注目フレームの前記断層画像を表示する表示処理部と、
を備える超音波診断装置である。
又、他の局面では、
超音波の送受信により、被検体の断層画像を生成する超音波診断装置の制御方法であって、
前記断層画像に映る血管の領域を検出する処理と、
前記断層画像の画像解析により、前記血管の直径を算出する処理と、
所定期間内に得られた複数フレームの前記断層画像それぞれにおいて算出された前記血管の前記直径に基づいて、前記複数フレームのうちから前記血管の前記直径が最大及び/又は最小のときに得られたフレームに該当する注目フレームを特定する処理と、
前記注目フレームの前記断層画像に映る前記血管を対象として、前記被検体の血流又は血管の性状に係る計測を実施する処理と、
所定のタイミングで前記注目フレームの前記断層画像を表示する処理と、
を有する制御方法である。
又、他の局面では、
超音波の送受信により、被検体の断層画像を生成する超音波診断装置の制御プログラムであって、
前記断層画像に映る血管の領域を検出する処理と、
前記断層画像の画像解析により、前記血管の直径を算出する処理と、
所定期間内に得られた複数フレームの前記断層画像それぞれにおいて算出された前記血管の前記直径に基づいて、前記複数フレームのうちから前記血管の前記直径が最大及び/又は最小のときに得られたフレームに該当する注目フレームを特定する処理と、
前記注目フレームの前記断層画像に映る前記血管を対象として、前記被検体の血流又は血管の性状に係る計測を実施する処理と、
所定のタイミングで前記注目フレームの前記断層画像を表示する処理と、
を有する超音波診断装置の制御プログラムである。
本開示に係る超音波診断装置によれば、血管計測を実施する際のユーザーの作業負荷を軽減すると共に、血管計測の計測精度や信頼性を向上することが可能である。
本発明の一実施形態に係る超音波診断装置の外観の一例を示す図 本発明の一実施形態に係る超音波診断装置の全体構成の一例を示す図 本発明の一実施形態に係る超音波診断装置において、スキャン動作実行時に表示処理部に生成される表示用画像の一例を示す図 本発明の一実施形態に係る超音波診断装置がスキャン動作を停止し、計測実行時に表示処理部に生成される表示用画像の一例を示す図 本発明の一実施形態に係る血管計測支援部の構成の一例を示す図 本発明の一実施形態に係る血管検出部が実行する処理の一例を示すフローチャート 本発明の一実施形態に係る血管検出部が実行する処理の一例を模式的に説明する図 本発明の一実施形態に係る血管径算出部における、血管の直径を算出する処理の一例を模式的に説明する図 本発明の一実施形態に係る計測部によるIMT計測処理を説明する図 本発明の一実施形態に係る制御装置の動作の一例を示すフローチャート 変形例1に係る超音波診断装置の制御装置の動作の一例を示すフローチャート 変形例2に係る超音波診断装置が表示する血管の直径の時間的変化を示す画像の一例を示す図 変形例3に係る超音波診断装置のシネバー表示の一例を示す図 変形例4に係る超音波診断装置が表示する候補フレーム表示の一例を示す図 変形例5に係る超音波診断装置の設定部が表示させるユーザーインターフェイス画像の一例を示す図 変形例5に係る超音波診断装置の設定部が表示させるユーザーインターフェイス画像の一例を示す図 超音波診断装置で撮影された血管(ここでは、頚動脈)の断層画像の一例を示す図
以下に添付図面を参照しながら、本開示の好適な実施形態について詳細に説明する。尚、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
[超音波診断装置の構成]
以下、図1~図3を参照して、本開示の一実施形態に係る超音波診断装置(以下、「超音波診断装置A」と称する)の構成について説明する。尚、本実施形態では、超音波診断装置Aが、Bモード動作とPWドプラモード動作を時分割で実行し、断層画像とドプラスペクトル画像を生成する態様について、説明する(図3を参照)。但し、本開示の超音波診断装置Aは、PWドプラモードに代えて、カラードプラモード又はパワードプラモードを実装したものにも適用し得る。
図1は、超音波診断装置Aの外観の一例を示す図である。図2は、超音波診断装置Aの全体構成の一例を示す図である。
超音波診断装置Aは、被検体内の形状、性状又は動態を超音波画像として可視化し、画像診断するために用いられる。超音波診断装置Aは、超音波診断装置本体100及び超音波プローブ200を備える。
超音波プローブ200は、超音波ビーム(ここでは、1~30MHz程度)を被検体(例えば、人体)内に対して送信するとともに、送信した超音波ビームのうち被検体内で反射された超音波エコーを受信して電気信号に変換する音響センサーとして機能する。
ユーザーは、超音波プローブ200の超音波ビームの送受信面を被検体に接触させて超音波診断装置Aを動作させ、超音波診断を行う。尚、ここでは、超音波プローブ200を被検体の外側表面から被検体内部に超音波ビームを送信してその超音波エコーを受信するものとしているが、超音波プローブ200としては、消化管や血管などの内部や、体腔内などに挿入して用いるものであってもよい。又、超音波プローブ200には、コンベックスプローブ、リニアプローブ、セクタプローブ、又は三次元プローブ等の任意のものを適用することができる。
超音波プローブ200は、例えば、マトリクス状に配設された複数の振動子(例えば、圧電素子)と、当該複数の振動子の駆動状態のオンオフを個別に又はブロック単位(以下、「チャンネル」と称する)で切替制御するためのチャンネル切替部(例えば、マルチプレクサ)を含んで構成される。
超音波プローブ200の各振動子は、超音波診断装置本体100(送信部1)で発生された電圧パルスを超音波ビームに変換して被検体内へ送信し、被検体内で反射した超音波エコーを受信して電気信号(以下、「受信信号」と称する)に変換し、超音波診断装置本体100(受信部2)へ出力する。
超音波診断装置本体100は、送信部1、受信部2、断層画像生成部3、ドプラ処理部4、表示処理部5、表示部6、操作入力部7、及び、制御装置10を備えている。
送信部1は、超音波プローブ200に対して駆動信号たる電圧パルスを送出する送信器である。送信部1は、例えば、高周波パルス発振器、パルス設定部等を含んで構成される。送信部1は、高周波パルス発振器で生成した電圧パルスを、パルス設定部で設定した電圧振幅、パルス幅及び送出タイミングに調整して、超音波プローブ200のチャンネルごとに送出する。
送信部1は、超音波プローブ200の複数のチャンネルそれぞれにパルス設定部を有しており、複数のチャンネルごとに電圧パルスの電圧振幅、パルス幅及び送出タイミングを設定可能になっている。例えば、送信部1は、複数のチャンネルに対して適切な遅延時間を設定することによって目標とする深度を変更したり、異なるパルス波形を発生させる(例えば、Bモードでは1波のパルス、PWドプラモードでは4波のパルスを送出する)。
受信部2は、超音波プローブ200で生成された超音波エコーに係る受信信号を受信処理する受信器である。受信部2は、プリアンプ、AD変換部、受信ビームフォーマー、及び処理系統切替部を含んで構成される。
受信部2は、プリアンプにて、チャンネルごとに微弱な超音波エコーに係る受信信号を増幅し、AD変換部にて、受信信号を、デジタル信号に変換する。そして、受信部2は、受信ビームフォーマーにて、各チャンネルの受信信号を整相加算することで複数チャンネルの受信信号を1つにまとめて、音響線データとする。又、受信部2は、処理系統切替部にて、受信ビームフォーマーで生成された受信信号を送信する先を切り替え制御し、実行する動作モードに応じて、断層画像生成部3又はドプラ処理部4に一方に出力する。
断層画像生成部3は、Bモード動作の際に受信部2から受信信号を取得して、被検体の内部の断層画像(Bモード画像とも称される)を生成する。
断層画像生成部3は、例えば、超音波プローブ200が深度方向に向けてパルス状の超音波ビームを送信した際に、その後に検出される超音波エコーの信号強度(Intensity)を時間的に連続してラインメモリに蓄積する。そして、断層画像生成部3は、超音波プローブ200からの超音波ビームが被検体内を走査するに応じて、各走査位置での超音波エコーの信号強度をラインメモリに順次蓄積し、フレーム単位となる二次元データを生成する。そして、断層画像生成部3は、被検体の内部の各位置で検出される超音波エコーの信号強度を輝度値に変換することによって、断層画像を生成する。
断層画像生成部3は、例えば、包絡線検波回路、ダイナミックフィルター及び対数圧縮回路を含んで構成される。包絡線検波回路は、受信信号を包絡線検波して、信号強度を検出する。対数圧縮回路は、包絡線検波回路で検出された受信信号の信号強度に対して対数圧縮を行う。ダイナミックフィルターは、深度に応じて周波数特性を変化させたバンドパスフィルターであって、受信信号に含まれるノイズ成分を除去する。
ドプラ処理部4は、PWドプラモード動作、カラードプラモード動作又はパワードプラモード動作の際に受信部2から受信信号を取得して、血流からの超音波エコーの送信周波数に対するドプラ偏移周波数を検出する。尚、ドプラ処理部4は、ユーザーの操作入力又は自動血管検出機能により設定されたサンプルゲート位置又はROI(Region of Interest)からの超音波エコーを選択的に抽出し、これにより、被検体内の血流からの超音波エコー及び送信周波数からのドプラ偏移周波数を検出する。
例えば、ドプラ処理部4は、PWドプラモード動作においては、超音波プローブ200が、パルス繰り返し周波数に従って一定間隔でパルス状の超音波ビームを送信している際に、当該パルス繰り返し周波数に同期して超音波エコーに係る受信信号をサンプリングする。そして、ドプラ処理部4は、例えば、同じサンプルゲート位置からのn番目の超音波ビームに係る超音波エコーとn+1番目の超音波ビームに係る超音波エコーの位相差に基づいて、ドプラ偏移周波数を検出する。
ドプラ処理部4は、例えば、直交検波部、ローパスフィルター、レンジゲート、及びFFT解析部を含んで構成される。直交検波部は、受信信号に対して、送信した超音波ビームと同相の参照信号及び送信した超音波ビームとπ/2だけ位相の異なる参照信号をミキシングして、直交検波信号を生成する。ローパスフィルターは、直交検波信号の高周波成分を除去して、ドプラ偏移周波数に係る受信信号を生成する。レンジゲートは、サンプルゲート位置からの超音波エコーのみを取得する。FFT解析部は、レンジゲートから出力された受信信号の時間的変化に基づいて、超音波エコーのドプラ偏移周波数を算出する。
表示処理部5は、制御装置10による制御下で、表示部6に表示させる表示用画像を生成する。
図3は、超音波診断装置Aにおいて、スキャン動作実行時(ここでは、Bモード動作とPWドプラモード動作とが並列に実行されている時)に表示処理部5に生成される表示用画像(以下、「スキャン動作実行時表示画面」と称する)の一例を示す図である。
図3中のTallは表示用画像の全体領域、T1は断層画像、T2はドプラスペクトル画像、T3はユーザーが血管に係る計測の開始指令を入力するためのアイコン群である。尚、断層画像T1中で、T1Xは血流領域、T1Yは組織領域、T1aはPWドプラモード動作時の超音波ビームのステア角、T1bはPWドプラモード動作時の超音波ビームのサンプルゲート位置を表している。又、アイコン群T3中で、T3aはFV計測の開始指令を入力するためのアイコン、T3bはIMT計測の開始指令を入力するためのアイコンを表している。
表示処理部5は、例えば、Bモード動作又はドプラモード動作(ここでは、PWドプラモード動作)のスキャン動作実行時には、断層画像生成部3から出力される断層画像を取得するとともに、ドプラ処理部4から出力されるドプラ偏移周波数を取得して、これらをもとに、図3のような表示用画像を生成する。表示処理部5は、断層画像生成部3にて生成される断層画像が逐次アップデートされているときには、これにあわせて、表示用画像中に表示する断層画像T1を逐次アップデートする。又、表示処理部5は、ドプラ処理部4にて算出される超音波エコーのドプラ偏移周波数が逐次アップデートされているときには、これにあわせて、表示用画像中に表示するドプラスペクトル画像T2を逐次アップデートする。
尚、ドプラスペクトル画像T2は、時系列の血流速度の分布を表す画像であり、時間を横軸とし、血流速度を縦軸とした画像である。ドプラスペクトル画像においては、例えば、各時点の血流速度は、一本のラインのような形態で表現され、血流速度毎(即ち、周波数毎)のパワーが画素の輝度の大きさによって表現される(図3中では、輝度の変化の図示を省略している)。ドプラスペクトル画像T2を描画するための血流速度は、超音波ビームのビーム方向と血流方向のなす交差角度に対応する角度補正値を考慮して、例えば、以下の式(1)を用いて、ドプラ偏移周波数から換算されている。
V = c/2cosθ × Fd/F0 …(1)
(但し、V:血流速度、F0:超音波ビームの送信周波数、Fd:ドプラ偏移周波数、c:生体内音速、θ:角度補正値)
図4は、超音波診断装置Aがスキャン動作を停止し、計測実行時に表示処理部5に生成される表示用画像(以下、「計測実行時表示画面」と称する)の一例を示す図である。
図4中のTallは表示用画像の全体領域、T4は計測時に参照された断層画像(ここでは、血管径が最大となったタイミングで取得された断層画像)(T4Xは血流領域、T4Yは組織領域)、T5は計測結果を示す画像、T6はユーザーが計測結果の確定指令を入力するためのアイコンを表している。尚、図4では、計測結果T5として、計測時に参照された断層画像の血管の直径、断面積、及び血流量が示されている。
超音波診断装置Aは、例えば、ユーザーが血管に係る計測の開始指令を入力するアイコンT3a、T3bに対して操作を行った場合、スキャン動作を停止し、計測実行モードに移行する。計測実行モードは、後述する制御装置10の血管計測支援部12による演算処理が行われるモードであり、自動的に、それまでのスキャン動作により得られたフレーム群中から計測対象に適した断層画像を特定し、当該断層画像を用いた被検体の血流又は血管の性状に係る計測(例えば、FV計測又はIMT計測等)を実行するモードである(図5~図10を参照して後述)。
この際、表示処理部5は、スキャン動作実行時の表示用画像(図3)(即ち、連続的に生成される断層画像を自動更新する第1画面モード)から、計測実行時の表示用画像(図4)(即ち、後述する注目フレーム特定部12cに特定された注目フレームの断層画像の静止画を表示する第2画面モード)に画面遷移を行って、ユーザーに対して、計測対象となった断層画像T4(静止画)及び計測結果T5を提供する。
尚、断層画像生成部3、ドプラ処理部4、及び表示処理部5は、例えば、DSP(Digital Signal Processor)等で構成されたデジタル演算回路によって実現される。但し、これらの構成は、種々に変形可能であり、例えば、その一部又は全部がハードウェア回路によって実現されてもよいし、プログラムに従った演算処理によって実現されてもよい。
表示部6は、表示処理部5に生成された表示用画像を表示するディスプレイであって、例えば、液晶ディスプレイにて構成される。
操作入力部7は、ユーザーが入力操作を行うためのユーザーインターフェイスであり、例えば、押しボタンスイッチ、キーボード、及びマウス等で構成される。操作入力部7は、ユーザーが行った操作を操作信号に変換し、制御装置10に入力する。
制御装置10は、超音波プローブ200、送信部1、受信部2、断層画像生成部3、ドプラ処理部4、表示処理部5、表示部6、及び、操作入力部7と信号を相互にやり取りし、これらを統括制御する。尚、制御装置10は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等を含んで構成されている。そして、制御装置10の各機能は、CPUがROMやRAMに格納された制御プログラムや各種データを参照することによって実現される。
尚、制御装置10は、断層画像生成部3にて連続的に生成される断層画像のうち、直前数分間分の断層画像(フレームデータ)を動画再生可能に一時的に記憶するシネメモリ13を有している。尚、シネメモリ13は、典型的には、一定時間分の断層画像を時系列データとして記憶しており、自身の記憶容量を超えた分の断層画像については、過去分から順次消去するように構成されている。
制御装置10は、送受信制御部11、及び、血管計測支援部12を備えている。
送受信制御部11は、超音波プローブ200のチャンネル切替部(図示せず)を制御して、複数のチャンネルのうち、駆動対象のチャンネルを選択的に決定する。そして、送受信制御部11は、送信部1及び受信部2それぞれを制御して、駆動対象のチャンネルに対して超音波の送信及び受信を実行させる。
送受信制御部11は、Bモード動作の際(即ち、断層画像を生成する際)には、複数のチャンネルのうち駆動対象のチャンネルを、走査方向に沿って順に駆動することによって、超音波プローブ200にて被検体内を超音波走査させる。
送受信制御部11は、PWドプラモード動作、カラードプラモード動作又はパワードプラモード動作の際(即ち、血流速度を測定する際)には、超音波プローブ200から、所定の角度で、被検体内のサンプルゲート位置又はROIに対して超音波ビームが送信されるように、超音波プローブ200に設けられた複数の振動子を選択的に駆動させる。又、送受信制御部11は、この際、超音波プローブ200から、所定のパルス繰り返し周波数で、パルス状の超音波ビーム(バースト波)が繰り返し送信されるように送信部1を制御し、且つ、当該超音波ビームの超音波エコーを受信するように受信部2を制御する。
尚、送受信制御部11は、操作入力部7を介してユーザに設定された超音波プローブ200の種類(例えば、コンペックス型、セクタ型、又は、リニア型等)、被検体内の撮像対象の深度、及び、撮像モード(例えば、Bモード、PWドプラモード、カラードプラモード、又は、パワードプラモード)等に基づいて、超音波ビームの送受信条件を決定する。
血管計測支援部12は、自動的に、スキャン動作により得られた所定期間中のフレーム群中から計測対象に適した断層画像を特定し、当該断層画像を用いた被検体の血流又は血管の性状に係る計測(例えば、FV計測又はIMT計測等)を実行する。
[血管計測支援部12の詳細構成]
次に、図5~図10を参照して、血管計測支援部12の詳細構成について、説明する。
図5は、血管計測支援部12の構成の一例を示す図である。
血管計測支援部12は、血管検出部12a、血管径算出部12b、注目フレーム特定部12c、及び、計測部12dを備えている。
<血管検出部12a>
血管検出部12aは、断層画像生成部3にて生成された断層画像R1を取得して、当該断層画像R1の画像情報に基づいて、当該断層画像R1内に映る血管を検出する。血管検出部12aは、例えば、予めメモリ(図示せず)に記憶された血管のパターンのデータ(以下、「血管のテンプレート画像」とも称する)を用いて、公知のテンプレートマッチングにより、断層画像R1内に映る血管を検出する。
そして、血管検出部12aは、例えば、断層画像R1内で最も鮮明に血管が映る領域を、血管径算出部12bにおいて、血管の直径を測定すべき対象の血管の位置として出力する。
図6は、血管検出部12aが実行する処理の一例を示すフローチャートである。図7は、血管検出部12aが実行する処理の一例を模式的に説明する図である。
まず、ステップS1において、血管検出部12aは、制御装置10のROM等に格納された血管のテンプレート画像Rwを読み出す。そして、血管検出部12aは、例えば、断層画像R1内をラスタスキャンするように、断層画像R1内にテンプレート画像Rwと同一サイズ(例えば、100ピクセル×100ピクセル)の比較対象の画像領域(以下、「比較対象領域」と称する)を順番に設定し、当該比較対象領域毎に、テンプレート画像Rwとのマッチ度(即ち、類似度)を算出する。そして、血管検出部12aは、断層画像R1内の各座標についてテンプレート画像Rwとのマッチ度を算出する。
尚、血管検出部12aが参照する血管のテンプレート画像Rwとしては、例えば、血管領域が画像中央領域に横方向に延在し、血管領域を挟んで上下に組織領域が存在する画像(即ち、血管長軸画像)が用いられる。
次に、ステップS2において、血管検出部12aは、続くステップS3の縮小処理を2段階実行したか否かを判定する。そして、ステップS3の縮小処理を2段階実行している場合(ステップS2:YES)、ステップS4に処理を進め、ステップS3の縮小処理を2段階実行していない場合(ステップS2:NO)、ステップS3に処理を進める。
次に、ステップS3において、血管検出部12aは、断層画像R1を所定倍率(例えば、0.9倍)だけ縮小して、縮小画像を生成する。そして、血管検出部12aは、ステップS1に戻って、当該縮小画像に対して、同様に、血管のテンプレート画像Rwを用いて、テンプレートマッチングを行い、当該縮小画像の各座標についてマッチ度を算出する。尚、この際には、血管のテンプレート画像Rwのサイズについては変更せずに、元の断層画像R1に適用した血管のテンプレート画像Rwを用いる。
尚、この縮小画像を用いた探索処理は、断層画像R1に映る血管のサイズがテンプレート画像Rwと異なる場合を考慮した処理である。
次に、ステップS4において、血管検出部12aは、断層画像R1の各座標、縮小画像の各座標、及び、再縮小画像(2段階縮小した断層画像R1)の各座標のうちから、マッチ度が最大の座標を特定する。
血管検出部12aは、かかる処理により、断層画像R1内で血管が最も鮮明に映る領域を探索し、当該領域(即ち、中心座標)を、後続の処理で参照するべき血管の位置として出力する。具体的には、このようにして検出された血管の位置は、血管径算出部12bにおいて血管の直径を測定すべき対象の血管の位置、及び、計測部12dにおいて計測を実施する際の参照位置としても用いられる。
尚、血管検出部12aにて検出された血管の位置は、ドプラモード実行時のサンプルゲート位置として用いられてもよい。換言すると、ドプラモード実行時にサンプルゲート位置を設定するために、血管検出部12aにて検出された血管の位置が、血管径算出部12b、注目フレーム特定部12c、及び、計測部12d等において、用いられてもよい。
又、血管検出部12aは、断層画像生成部3により連続的に生成される断層画像R1のすべてにおいて血管の位置を検出してもよいが、断層画像生成部3により連続的に生成される断層画像R1のうちから適宜なタイミングで得られる断層画像R1のみにおいて血管の位置を検出してもよい。その場合、例えば、断層画像生成部3により連続的に生成される断層画像R1のうち、血管の位置の検出を行っていない断層画像R1の血管位置については、血管の位置の検出を行った断層画像R1で検出された血管位置をもとに、類推してもよい。これによって、断層画像R1が更新される毎に、血管検出部12aにて設定される血管位置が位置ずれし、後述する注目フレーム特定部12cの処理において、適切な血管径比較ができなくなる事態を回避することができる。
尚、血管検出部12aが血管を検出する手法は、任意であって、テンプレートマッチングに代えて、機械学習によって学習済みの識別器(例えば、CNN(Convolutional Neural Network))等が用いられてもよい。
<血管径算出部12b>
血管径算出部12bは、血管検出部12aから血管の検出位置情報を取得して、断層画像R1の画像解析により、血管検出部12aにて検出された位置に存在する血管Rd1(以下、単に「血管Rd1」と称する)の直径を算出する。
図8は、血管径算出部12bにおける、血管Rd1の直径を算出する処理の一例を模式的に説明する図である。
血管径算出部12bは、例えば、血管Rd1の検出位置の画像領域において、エッジが強く、且つ、当該エッジが滑らかに連続する経路を血管と血管外組織との境界とみなして、経路探索を行う。具体的には、血管径算出部12bは、境界検出問題を、コストが最小となる経路を探す経路探索問題に置き換え、エッジが小さい方向及び経路が滑らかではない方向をそれぞれコストが大きくなる方向として、血管Rd1の検出位置の画像領域の左端側(図8では、Rda)からコストが最小となる経路を探索する。これによって、血管Rd1の上部側壁部と血管外組織との境界位置、及び、血管Rd1の下部側壁部と血管外組織との境界位置を検出する。そして、血管径算出部12bは、血管Rd1の上部側壁部の境界位置と血管Rd1の下部側壁部の境界位置の間の幅(例えば、横方向の各位置で算出される血管幅の最大値)を、血管Rd1の直径(図8では、D1で表す)として、算出する。
血管Rd1の直径は、簡易的には、深度方向における血管Rd1の上部側壁部の境界位置と血管Rd1の下部側壁部の境界位置の間の幅にて定義される。但し、より正確に血管Rd1の直径を算出するため、血管Rd1の直径は、血管Rd1の延在方向に直交する方向における、血管Rd1の上部側壁部の境界位置と血管Rd1の下部側壁部の境界位置の間の幅として定義されてもよい。この場合、例えば、血管径算出部12bの処理で特定された、血管Rd1の上部側壁部の境界の延在方向と血管Rd1の下部側壁部の境界の延在方向との平均値等を基準として、血管Rd1の延在方向を算出すればよい。
この際、血管径算出部12bは、断層画像R1の画像サイズに基づいて、断層画像R1にて画素間隔として算出される血管Rd1の直径から、血管Rd1の直径の実際の寸法を算出してもよい。
尚、血管径算出部12bは、例えば、断層画像生成部3により連続的に生成される断層画像R1それぞれにおいて血管Rd1の直径を算出し、各断層画像R1に映る血管Rd1の直径を比較可能とする。
<注目フレーム特定部12c>
注目フレーム特定部12cは、血管径算出部12bから血管Rd1の直径の算出結果を取得して、所定期間内に得られた複数フレームの断層画像R1それぞれにおいて算出された血管Rd1の直径に基づいて、当該複数フレームのうちから血管Rd1の直径が最大及び/又は最小のときに得られたフレームに該当する注目フレーム(以下、単に「注目フレーム」と称する)を特定する。即ち、注目フレーム特定部12cは、所定期間内に得られた複数フレームのうちから、計測部12dにおける計測対象の断層画像R1を特定する。
血管計測(例えば、IMT計測、FV計測)は、上記したように、一般に、1心拍内で血管の直径が周期的変化を行う中で、血管の直径が最大及び/又は最小のときの血管の断層画像をもとに実施するように、要請されている。例えば、IMT計測では血管径が最小のときの血管の断層画像、FV計測では血管径が最大のときの血管の断層画像が利用される。注目フレーム特定部12cは、かかる要請に鑑みて、所定期間内に得られた複数フレームのうちから、血管Rd1の直径が最大又は最小のときに撮像された断層画像R1を含む注目フレームを自動抽出する。
注目フレーム特定部12cは、例えば、ユーザーにより計測開始指令(例えば、図3のFV計測開始指令用のアイコンT3a、又はIMT計測の開始指令用のアイコンT3bへの入力操作)が入力されたことを契機として機能し、断層画像生成部3に連続的に生成される時系列のフレーム群(即ち、シネメモリ13に格納されたフレーム群)のうちの計測開始指令が入力された時点から過去方向の所定期間内に得られた複数フレームを、検索対象の母集団として、注目フレームを特定するのが好ましい。この際の所定期間は、時間として設定されてもよいし、フレーム枚数として設定されてもよい。
一般に、超音波診断装置を用いた診断においては、ユーザーは、超音波プローブを被検体に押し当てて断層画像を取り込みながら、リアルタイムで観察を行い、診断に必要と思われる血管領域が現れ、且つ、当該血管の状態が血管計測に適した状態であるときに、画像保存操作やフリーズ操作を行って、そのタイミングの断層画像を画面上に保持して詳細に観察を行っている。この点、注目フレーム特定部12cにおける検索対象の母集団として、ユーザーにより計測開始指令が入力されたタイミングを起点とした所定期間内とすることで、注目フレーム特定部12cは、ユーザーが所望する状態の断層画像が得られた注目フレームを特定することが可能となる。
この際、注目フレーム特定部12cは、シネメモリ13に格納された時系列のフレーム群の断層画像R1それぞれにおいて算出された血管Rd1の直径に基づいて、心拍に伴う血管Rd1の直径の周期的変化を特定すると共に、1心拍分相当の周期的変化が行われる期間内に得られた複数フレームのうちから、血管Rd1の直径が最大又は最小のときに撮像された断層画像R1を含む注目フレームを特定するのが好ましい。これによって、ノイズ(例えば、撮像状態が不安定な状態の断層画像R1にて算出された血管Rd1の直径)に起因した注目フレームの誤選定を回避することが可能である。
注目フレーム特定部12cが血管Rd1の直径の周期的変化を特定する手法としては、例えば、自己相関演算又は周波数解析等を用いることができる。注目フレーム特定部12cは、例えば、血管Rd1の直径の時間的変化から、連続して3回程度、同様の周期的変化が行われていることが検出された場合、この周期的変化を、心拍に伴う血管Rd1の直径の周期的変化と特定してもよい(血管Rd1の直径の周期的変化の様子については、例えば、図12を参照)。
又、注目フレーム特定部12cは、例えば、注目フレームを特定した後、これを契機として、ユーザーが血管計測の対象の断層画像R1を認識し得るように、表示処理部5に表示指令を行って、表示部6に表示させる表示画面を、連続的に生成される断層画像を動画表示するスキャン動作実行時表示画面(図3を参照)から、注目フレームの静止画を表示する計測実行時表示画面(図4を参照)に画面遷移させるのが好ましい。つまり、表示処理部5は、注目フレーム特定部12cにより注目フレームが特定されたことを契機として、血管計測の対象の断層画像R1である注目フレームを表示するのが好ましい。
このような表示処理によって、ユーザーは、計測部12dによる計測が実施される前段階(又は、計測部12dによる計測が完了する前段階)で、注目フレーム特定部12cにて特定された断層画像R1が、血管計測の対象の断層画像として適しているか否かを判断することが可能である。尚、ユーザーは、注目フレーム特定部12cにて特定された断層画像R1が、血管計測の対象の断層画像として不適切であると判断した場合には、計測部12dの計測を中断したり、血管計測の対象の断層画像を再設定(例えば、変形例4の候補フレーム選択機能を用いる)したりすることができる。これにより、ユーザーは、無用な手間を要することなく、適切な断層画像を用いた血管計測を実施することが可能である。
<計測部12d>
計測部12dは、注目フレーム特定部12cに特定された注目フレーム(即ち、血管Rd1の直径が最大及び/又は最小のときに得られたフレーム)の断層画像R1に映る血管Rd1を対象として、被検体の血流又は血管の性状に係る計測を実施する。
計測部12dが実施する計測としては、上記したように、例えば、血管Rd1におけるFV計測、又は血管Rd1におけるIMT計測等が挙げられる。計測部12dは、例えば、ユーザーの入力操作により指令された種別の計測を実施するようにしてもよい(例えば、図3のFV計測開始指令用のアイコンT3a、又はIMT計測の開始指令用のアイコンT3bへの入力操作)。
計測部12dは、例えば、ユーザーによってFV計測開始指令用のアイコンT3aが選択操作された場合、血管Rd1の直径が最大のときの断層画像R1を用いて、以下の式(2)により、血管内血流量(Flow Volume:FV)の計測を行う。
FV[mL/min]=平均血流速度[cm/sec]×血管断面積[cm2]×60[sec] …式(2)
尚、式(2)において、血管断面積は、例えば、血管断面を略円形状と仮定して、血管径算出部12bにて算出された血管Rd1の直径を用いて、算出される。又、平均血流速度は、例えば、ドプラ処理部4で検出されたドプラ偏移周波数から式(1)を用いて算出された血管Rd1の血流速度の平均値が用いられる。但し、この際に参照する平均血流速度は、血管検出部12aで検出された血管Rd1と同一の血管中を通流する血流の平均血流速度であれば、必ずしも、血管検出部12aで検出された血管Rd1の位置に係る平均血流速度でなくともよい。換言すると、式(2)に適用する平均血流速度としては、血管検出部12aで検出された血管Rd1の付近で適宜なタイミングで観測されたものが用いられてもよい。
又、計測部12dは、例えば、ユーザーによってIMT計測の開始指令用のアイコンT3bが選択操作された場合、血管Rd1の直径が最小のときの断層画像R1を用いて、内膜中膜複合体の厚さ(Intima-Media Thickness:IMT)の計測を行う。
図9は、計測部12dによるIMT計測処理を説明する図である。図9は、断層画像R1に映る血管Rd1を拡大した画像の一例を示している。
血管T1Xの壁部(ここでは、動脈壁)は、一般に、内膜T1X_a1と、中膜T1X_a2と、外膜T1X_a3とを含む3層構造を有している。IMTは、その内の内膜T1X_a1と中膜T1X_a2とを合わせた厚さ(即ち、血管腔と内膜T1X_a1との境界から、中膜T1X_a2と外膜T1X_a3との境界までの長さ)(図9中の幅D2)のことである。
そこで、計測部12dは、画像解析により、断層画像R1に映る血管Rd1中から、内膜T1X_a1と中膜T1X_a2との境界、及び、中膜T1X_a2と外膜T1X_a3との境界を検出し、この2箇所の境界間の距離(図9中の幅D2)を測定することで、IMTを計測する。尚、かかる境界検出のための画像解析法は、任意であるが、計測部12dは、例えば、公知のエッジ検出法を用いてこれらの境界位置を検出する。
計測部12dは、以上のような処理によって、ユーザーによる入力操作を要することなく、自動的に、血管検出部12aに検出された血管Rd1に係る計測を実施する。
<制御装置10の動作>
図10は、制御装置10の動作の一例を示すフローチャートである。尚、図10に示すフローチャートは、制御装置10がコンピュータプログラム(即ち、上記した血管検出部12a、血管径算出部12b、注目フレーム特定部12c、及び、計測部12dの機能)に従って順に実行する処理を表す。
ステップS11において、まず、制御装置10は、ユーザーから計測開始指令が入力されたか否かの判定を行う。そして、ユーザーからの計測開始指令(例えば、図3のFV計測開始指令用のアイコンT3a、又はIMT計測の開始指令用のアイコンT3bへの入力操作)が入力された場合、ステップS12に処理を進め、ユーザーからの計測開始指令の入力がない場合、特に処理を行うことなく、図10のフローチャートの処理を終了する。
ステップS12において、制御装置10は、超音波プローブ200における超音波の送受信動作を停止させ、断層画像の生成動作をフリーズする。
ステップS13において、制御装置10は、注目フレームを特定するための検索対象の母集団として、シネメモリ13に記憶された時系列のフレーム群のうち、計測開始指令が入力された時点から過去方向Nフレーム分の断層画像を取得する。
ステップS14において、制御装置10(血管検出部12a、及び血管径算出部12b)は、ステップS13で取得した各フレームにおいて、血管Rd1の位置を検出すると共に、当該血管Rd1の直径を算出する。
ステップS15において、制御装置10(注目フレーム特定部12c)は、Nフレームの各フレームで検出された血管Rd1の直径のデータを用いて、血管Rd1の直径が最大及び/又は最小のときに得られたフレームに該当する注目フレームを特定する。尚、この際、制御装置10(注目フレーム特定部12c)は、例えば、血管Rd1の直径の時間的変化から、自己相関演算により、血管Rd1の直径の周期的変化を特定し、1心拍分相当の周期的変化が行われる間に得られた複数フレームのうちから注目フレームを特定する。
ステップS16において、制御装置10(注目フレーム特定部12c)は、表示処理部5に表示指令を行って、表示部6に表示させる表示画面を、スキャン動作実行時表示画面(図3を参照)から計測実行時表示画面(図4を参照)に画面遷移させる。
ステップS17において、制御装置10(計測部12d)は、ステップS15で特定された注目フレームを用いて、血管に係る計測(例えば、IMT計測又はFV計測)を実行する。
ステップS18において、制御装置10(計測部12d)は、表示処理部5に表示指令を行って、ステップS17で算出された計測結果を、計測実行時表示画面(図4を参照)に表示させる。
以上のような一連の処理によって、制御装置10は、自動的な処理により、スキャン動作により得られた所定期間中のフレーム群中から計測対象に適した注目フレームを特定し、当該注目フレームを用いて被検体の血流又は血管の性状に係る計測(例えば、FV計測又はIMT計測等)を実行する。
[効果]
以上のように、本実施形態に係る超音波診断装置Aは、
断層画像に映る血管の領域を検出する血管検出部12aと、
前記断層画像の画像解析により、前記血管の直径を算出する血管径算出部12bと、
所定期間内に得られた複数フレームの前記断層画像それぞれにおいて算出された前記血管の前記直径に基づいて、前記複数フレームのうちから前記血管の前記直径が最大及び/又は最小のときに得られたフレームに該当する注目フレームを特定する注目フレーム特定部12cと、
前記注目フレームの前記断層画像に映る前記血管を対象として、被検体の血流又は血管の性状に係る計測を実施する計測部12dと、
所定のタイミングで前記注目フレームの前記断層画像を表示する表示処理部5と、
を備える。
従って、本実施形態に係る超音波診断装置Aによれば、自動的に、所定期間内(例えば、一心拍の期間内)に得られた複数フレームの断層画像のうちから、血管の直径が最大及び/又は最小となったタイミングに得られた注目フレームに係る断層画像を特定し、血管計測を実施することが可能である。
これによって、ユーザーにおいては、血管計測の用に適した断層画像を、シネメモリに記憶されたフレーム群からサーチする、という煩雑な作業を省略することが可能である。加えて、これによって、血管の直径が最大及び/又は最小となったタイミングに得られた注目フレームに係る断層画像を適確に選定することができるため、血管計測の計測精度や信頼性を向上することが可能である。
(変形例1)
一般に、超音波診断装置を用いた診断においては、ユーザーは、超音波プローブを被検体に押し当てて断層画像を取り込みながら、超音波診断装置に対する操作(例えば、フリーズ操作や画像保存操作)を行う必要がある。そのため、場合によっては、ユーザーが操作を行う際に、その反動で超音波プローブの位置ずれ等が生じて、超音波プローブによる撮像位置が血管計測に適した位置からずれてしまうおそれがある。又、ユーザーが操作を行う際のタイミングが、断層画像に映る血管が血管計測に適した状態であるタイミングに対して遅れが生じてしまうおそれがある。
かかる観点から、本変形例に係る超音波診断装置Aにおいては、注目フレーム特定部12cは、断層画像に映る血管が血管計測に適した状態となった適宜なタイミング(即ち、血管Rd1の撮像状態が安定したタイミング)で、自動的に、血管計測に用いる断層画像R1を特定する。つまり、本変形例に係る注目フレーム特定部12cは、ユーザーによる計測開始指令に代えて、断層画像R1の画像解析により血管Rd1の撮像状態が安定したことを検出したことを契機として、注目フレームを特定する。
図11は、本変形例に係る超音波診断装置Aの制御装置10の動作の一例を示すフローチャートである。図11のフローチャートは、血管Rd1の撮像状態の安定性を判定するためのステップS21~ステップS23の処理が、注目フレーム特定処理の前に実行される点で、図10のフローチャートと相違する。
具体的には、本変形例に係る超音波診断装置Aにおいては、注目フレーム特定部12cが、断層画像生成部3によりリアルタイムで更新される断層画像R1を監視し、当該断層画像R1内から血管検出部12aに検出された血管Rd1の画像の鮮明度を判定する構成となっている。そして、注目フレーム特定部12cは、例えば、血管Rd1の画像の鮮明度が閾値以上である状態が所定時間継続した場合、血管Rd1の撮像状態が安定したとする判定結果を出力する(ステップS21~ステップS23)。
尚、血管Rd1の画像の鮮明度は、例えば、血管Rd1の画像の血管壁の輪郭の鮮明度により定義することができ、注目フレーム特定部12cは、例えば、フィルタ処理により血管Rdの血管壁の輪郭のエッジ検出値(例えば、2次微分値)を算出し、それにより得られる値を、血管Rd1の画像の鮮明度として用いることができる。
但し、注目フレーム特定部12cにおける血管Rd1の撮像状態の安定性を判定するための処理は、他の手法であってもよい。例えば、注目フレーム特定部12cは、血管Rd1の直径の時間的変化から、心拍に伴う血管Rd1の直径の周期的変化が検出できたことをもって、血管Rd1の撮像状態が安定したか否かを判定してもよい。
本変形例に係る注目フレーム特定部12cは、シネメモリ13に格納された時系列のフレーム群のうち、血管Rd1の撮像状態が安定したことを検出した時点から過去方向の所定期間内に得られた複数フレームを、検索対象の母集団として、血管Rd1の直径が最大及び/又は最小の注目フレームを特定する。
尚、図11のフローチャートのステップS24~ステップS30の処理は、それぞれ、図10のフローチャートのステップS12~ステップS18の処理に相当する処理であるため、ここでは、説明を省略する。
このように、本変形例に係る超音波診断装置Aによれば、注目フレーム特定部12cが、血管Rd1の撮像状態が安定したことを検出したことを契機として、注目フレームを特定する。これによって、ユーザーの操作を要することなく、適確に、血管計測に用いる断層画像R1を特定することが可能である。
(変形例2)
一般に、血管の直径は、1心拍内で周期的変化を行うが、断層画像の撮影状態が不安定なときには、ユーザーにとって、リアルタイムで更新される断層画像(即ち、動画像)を閲覧しているだけでは、かかる周期的変化を正確に捉えることが困難な場合がある。又、このような状態にあっては、血管径算出部12bから出力される血管Rd1の直径においてもノイズデータを含むことになるため、注目フレーム特定部12cは、血管Rd1の直径が最大及び/又は最小のときに得られた断層画像の選定を誤るおそれがある。
かかる観点から、本変形例に係る超音波診断装置A(表示処理部5)は、連続的に生成される断層画像R1の時系列のフレーム群それぞれにおいて算出された血管Rd1の直径の時間的変化を、表示部6に表示する構成となっている。
図12は、本変形例に係る超音波診断装置Aが表示する血管Rd1の直径の時間的変化を示す画像T7(以下、「血管径推移画像T7」と称する)の一例を示す図である。尚、図12では、スキャン動作実行時に生成される表示用画像内に、血管径推移画像T7が表示される態様を示している。
具体的には、本変形例に係る超音波診断装置Aにおいては、血管検出部12aが、断層画像生成部3によりリアルタイムで更新される断層画像R1を監視し、当該断層画像R1内から血管Rd1を検出すると共に、血管径算出部12bが、当該血管Rd1の直径を算出する構成となっている。そして、血管径算出部12bは、表示処理部5に対して、血管Rd1の直径のデータを受け渡し、表示処理部5にて、血管Rd1の直径の時間的変化に係る表示用画像を生成する。
図12の血管径推移画像T7では、時間軸を横軸に取って、各タイミングで得られた断層画像R1内で検出された血管Rd1の直径を棒グラフの高さで表現したグラフィック表示により、血管Rd1の直径の時間的変化を表現している。
又、図12の血管径推移画像T7では、ユーザーが断層画像の撮影状態が安定したことを容易に認識し得るように、血管Rd1の直径の周期的変化が観察され始めた場合には、当該時間帯の血管Rd1の直径を棒グラフの表示色(例えば、青色表示)を、血管Rd1の直径の周期的変化が観察されていない時間帯の血管Rd1の直径を棒グラフの表示色(例えば、赤色表示)と異ならせている。
又、図12の血管径推移画像T7では、血管Rd1の直径の周期的変化を容易に認識し得るように、血管Rd1の直径の周期的変化の起点(即ち、血管Rd1の直径が極大又は極小となったタイミング)を示す画像T7a(図12では、▲印で表す)が付加されている。尚、図12では、当該画像T7aには、血管Rd1の直径の周期的変化が観察され始めてからの回数(「1/3」、「2/3」及び「3/3」)を示す情報も付加されている。
このように、本変形例に係る超音波診断装置Aによれば、ユーザーに対して、血管径推移画像T7を提供することで、ユーザー自身が、断層画像の撮影状態の安定性を判断できるように支援し、血管Rd1の直径の周期的変化の挙動を認識できるように支援することが可能である。
(変形例3)
一般に、超音波診断装置は、スキャン動作の実行によりシネメモリに格納された時系列のフレーム群から、ユーザーが所望のフレームを閲覧し得るように、シネバーをユーザーインターフェイスとして表示画面内に表示する機能を有する。
かかる機能において、血管Rd1の直径が最大及び/又は最小のときに得られた断層画像を容易に選択し得るようにすれば、ユーザーにとって利便である。これは、上記したように、断層画像の撮影状態が不安定なときには、注目フレーム特定部12cにおいても、血管Rd1の直径が最大及び/又は最小のときに得られた断層画像の判定を誤るおそれがあるところ、かかる選択機能が追加されれば、ユーザーが、注目フレーム特定部12cに特定された注目フレームが血管計測を実行する対象の断層画像として適切か否かを、容易に判断することができるようになるためである。
図13は、本変形例に係る超音波診断装置Aのシネバー表示の一例を示す図である。尚、図13では、スキャン動作実行時に生成される表示用画像内に、シネバーT8が表示される態様を示している。
ここでは、ユーザーが、スキャン動作を一時的にフリーズした際等において、シネバーT8の操作によって、スキャン動作の実行によりシネメモリ13に格納された時系列のフレーム群から表示対象の断層画像を選択し得るようになっている。尚、図13では、シネバーT8の操作によって表示対象として選択された断層画像は、表示用画像Tall内のT1の領域に表示されるようになっている。
シネバーT8は、例えば、バー本体T8aと操作ノブT8bとからなる。バー本体T8aは、左右方向に延在し、左右方向に沿って、シネメモリ13に格納されたフレーム群の各フレームが時系列に対応づけられている。操作ノブT8bは、バー本体T8a上を左右方向に移動操作可能な操作要素である。シネバーT8において、操作ノブT8bが移動操作されることで、シネメモリ13に格納されたフレーム群のうちから、操作ノブT8bの位置に対応する一つのフレームが選択され、選択されたフレームに対応する断層画像が表示用画像Tall内のT1の領域に表示される。
ここで、本変形例に係るシネバーT8には、注目フレーム特定部12cに特定された注目フレームに相当する位置(ここでは、血管Rd1の直径が最大のときに得られた断層画像の位置T8c、及び、血管Rd1の直径が最小のときに得られた断層画像の位置T8d)を示すマーカー表示が付加されている。
このように、本変形例に係る超音波診断装置Aによれば、ユーザーは、シネバーT8の操作によって、注目フレーム特定部12cに特定された注目フレームの断層画像の鮮明度等を容易に確認することが可能である。
(変形例4)
一般に、血管の直径は、1心拍内で周期的変化を行うため、注目フレーム特定部12cにて取り込むシネメモリ13内の検索対象の期間によっては、血管Rd1の直径が極大又は極小に該当するフレーム(以下、「注目フレームの候補フレーム」と称する)が複数存在する場合がある。このような場合、血管Rd1の直径の値のみをもって機械的に注目フレームを特定するのではなく、複数の候補フレームそれぞれの断層画像の鮮明度等を考慮して、複数の候補フレームから、ユーザー自身が注目フレームを選択し得ると利便である。
かかる観点から、本変形例に係る超音波診断装置A(注目フレーム特定部12c)は、所定期間内に得られた複数フレームのうちに、血管Rd1の直径が極大又は極小に該当する注目フレームの候補フレームが2枚以上存在する場合、表示処理部5に対して、2枚以上の候補フレームそれぞれを表示させ、ユーザーの操作により、2枚以上の候補フレームのうちから一つを注目フレームとして選択可能とする。
図14は、本変形例に係る超音波診断装置Aが表示する候補フレーム表示(以下、「注目フレーム選択画像T9」と称する)の一例を示す図である。尚、図14では、スキャン動作実行時に生成される表示用画像内に、注目フレーム選択画像T9が表示される態様を示している。
図14の注目フレーム選択画像T9は、所定期間内に得られた複数フレームのうちに、血管Rdの直径が極大に該当する候補フレームが2枚存在する場合の表示態様の一例を示している。図14の注目フレーム選択画像T9には、2枚の候補フレームT9a、T9bが表示されており、ユーザーが、操作入力部7を用いた選択操作により、候補フレームT9a又は候補フレームT9bのいずれかを、注目フレームとして選択し得るようになっている。
このように、本変形例に係る超音波診断装置Aによれば、ユーザー自身が、血管計測に使用する断層画像を選択することが可能であり、より多様なユーザーの要望に応えることが可能である。
尚、本変形例に係る注目フレーム手動選択機能は、例えば、ユーザーが、計測部12dの計測を中断したり、血管計測の対象の断層画像を再設定(例えば、変形例4の候補フレーム選択機能を用いる)したりするための操作を入力した場合に発現させてもよい。又、本変形例に係る注目フレーム手動選択機能と、フレーム特定部12cにおける注目フレーム自動選択機能とのいずれを用いるかを、設定可能としてもよい。
(変形例5)
一般に、血管計測に使用する血管の断層画像として、1心拍内で周期的変化のなかで、血管の直径が最大のときに得られた断層画像とするか、又は、血管の直径が最小のときに得られた断層画像とするかは、各ユーザーの計測結果を利用した診断方法に委ねられる。
かかる観点から、本変形例に係る超音波診断装置A(制御装置10)は、注目フレーム特定部12cにおいて特定する対象の注目フレームを、複数フレームのうちから、血管Rd1の直径が最大のときに得られた血管最大時フレームとするか、血管Rd1の直径が最小のときに得られた血管最小時フレームとするか、又、血管最大時フレームと血管最小時フレームの両方とするか、についてユーザーによる設定を可能とする設定部(図示せず)を有する。
又、かかる設定部においては、更に、注目フレーム特定部12cに対して設定する注目フレームの特定対象を、断層画像を用いた血管計測の種別毎、又は、断層画像の撮影対象の種別毎に、設定可能とするのが好ましい。
尚、設定部は、表示処理部5に対して、これらの事項を設定可能とするためのユーザーインターフェイス画像を表示させる。
図15及び図16は、本変形例に係る超音波診断装置Aの設定部が表示させるユーザーインターフェイス画像の一例を示す図である。
図15は、血管計測の種別毎(ここでは、FV計測とIMT計測)に、注目フレーム特定部12cにおいて特定する対象の注目フレームを、血管最大時フレームとするか、血管最小時フレームとするか、又は、血管最大時フレームと血管最小時フレームの両方とするかを設定し得るようにアイコン群T10、T20を表示する態様を示している。
図16は、断層画像の撮影対象の種別毎(ここでは、心臓血管の計測と肝臓血管の計測)に、注目フレーム特定部12cにおいて特定する対象の注目フレームを、血管最大時フレームとするか、血管最小時フレームとするか、又は、血管最大時フレームと血管最小時フレームの両方とするかを設定し得るようにアイコン群T30、T40を表示する態様を示している。
このように、本変形例に係る超音波診断装置Aによれば、血管計測に使用する血管の断層画像を、ユーザーが所望する対象に設定することが可能であり、より多様なユーザーの要望に応えることができる。
(その他の実施形態)
本発明は、上記実施形態に限らず、種々の変形態様に適用可能である。
例えば、上記実施形態では、血管検出部12aにて断層画像R1から検出する対象の血管の画像として、血管長軸画像を示した。しかしながら、血管検出部12aにて断層画像R1から検出する対象の血管の画像としては、血管の短手方向の切断面である血管短軸画像が、血管長軸画像と共に、又は血管長軸画像に代えて用いられてもよい。
この場合、例えば、血管検出部12aは、血管長軸画像と共に、又は血管長軸画像に代えて、血管短軸画像のテンプレート画像Rwを用いて、断層画像R1から血管Rd1を検出すればよい。又、断層画像R1に映る血管Rd1が短軸像である場合の血管の直径の算出方法や、断層画像R1に映る血管Rd1が長軸像であるか又は短軸像であるか不明である場合の血管の直径の算出方法については、例えば、特開2008-253379号等の公知の手法を用いることができる。
又、上記実施形態では、注目フレーム特定部12cの一例として、ユーザーにより計測開始指令が入力された際、又は、断層画像の撮像状態が安定したと判定された際に、注目フレームを特定すると共に、当該注目フレームの断層画像を表示部6に表示させる態様を示した。しかしながら、注目フレーム特定部12cは、例えば、ユーザーによりフリーズ操作が入力された際や、Bモード動作を休止させてPWドプラモード動作をActiveに切り替えた際においても、これら以外のタイミングとして、注目フレームを特定すると共に、当該注目フレームの断層画像を表示部6に表示させてもよい。但し、この場合、ユーザーによる計測開始指令が入力されたことをもって、計測部12dによる計測を実施する構成とするのが好ましい。
又、表示処理部5が血管計測の対象の断層画像R1である注目フレームを表示する態様についても、種々に変形可能である。
例えば、表示処理部5は、FV計測等の血管計測を起動する時に、断層画像R1を拡大して表示してもよい。断層画像R1中の血管の描出サイズが小さいと、血管計測位置の候補点が適切か否かの判断や修正が難しいが、断層画像R1を拡大表示することにより、これらが容易になるという効果がある。換言すると、血管計測以外の場合に、常に断層画像R1を拡大表示すると、ケースによっては拡大範囲の周囲の様子が分からなくなり、断層画像R1の視認性を下げることもあり得る。そのため、血管計測の起動時に限って、断層画像R1を拡大表示するのが好ましい。他方、フレーム選択時や血管計測の起動時の拡大の有無を設定できるようにしてもよい。
又、表示処理部5は、血管径が最大または最小となる注目フレームを選択するタイミングで、表示画面全体の中から、断層画像R1をズームして表示してもよい。
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、請求の範囲を限定するものではない。請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
本開示に係る超音波診断装置によれば、血管計測を実施する際のユーザーの作業負荷を軽減すると共に、血管計測の計測精度や信頼性を向上することが可能である。
A 超音波診断装置
100 超音波診断装置本体
200 超音波プローブ
1 送信部
2 受信部
3 断層画像生成部
4 ドプラ処理部
5 表示処理部
6 表示部
7 操作入力部
10 制御装置
11 送受信制御部
12 血管計測支援部
12a 血管検出部
12b 血管径算出部
12c 注目フレーム特定部
12d 計測部
13 シネメモリ

Claims (15)

  1. 超音波の送受信により、被検体の断層画像を生成する超音波診断装置であって、
    前記断層画像に映る血管の領域を検出する血管検出部と、
    前記断層画像の画像解析により、前記血管の直径を算出する血管径算出部と、
    所定期間内に得られた複数フレームの前記断層画像それぞれにおいて算出された前記血管の前記直径に基づいて、前記複数フレームのうちから前記血管の前記直径が最大及び/又は最小のときに得られたフレームに該当する注目フレームを特定する注目フレーム特定部と、
    前記注目フレームの前記断層画像に映る前記血管を対象として、前記被検体の血流又は血管の性状に係る計測を実施する計測部と、
    所定のタイミングで前記注目フレームの前記断層画像を表示する表示処理部と、
    を備える超音波診断装置。
  2. 前記注目フレーム特定部は、ユーザーにより前記計測を実施するための計測開始指令が入力されたことを契機として、前記計測開始指令が入力された時点から過去方向の前記所定期間内に得られた前記複数フレームのうちから、前記注目フレームを特定する、
    請求項1に記載の超音波診断装置。
  3. 前記注目フレーム特定部は、前記血管の撮像状態が安定したことを検出したことを契機として、前記血管の撮像状態が安定した時点から過去方向の前記所定期間内に得られた前記複数フレームのうちから、前記注目フレームを特定する、
    請求項1又は2に記載の超音波診断装置。
  4. 前記注目フレーム特定部は、前記注目フレームを特定したことを契機として、前記表示処理部に対して、前記注目フレームの前記断層画像を表示させる、
    請求項1乃至3のいずれか一項に記載の超音波診断装置。
  5. 前記注目フレーム特定部は、前記注目フレームを特定したことを契機として、前記表示処理部に対して、連続的に生成される前記断層画像の動画像を表示する第1画面モードから、前記注目フレームの前記断層画像の静止画を表示する第2画面モードに遷移させる、
    請求項1乃至4のいずれか一項に記載の超音波診断装置。
  6. 前記注目フレーム特定部は、連続的に生成される前記断層画像の時系列のフレーム群それぞれにおいて算出された前記血管の前記直径に基づいて、心拍に伴う前記血管の前記直径の周期的変化を特定すると共に、1心拍分相当の前記周期的変化が行われる間に得られた前記複数フレームのうちから前記注目フレームを特定する、
    請求項1乃至5のいずれか一項に記載の超音波診断装置。
  7. 前記表示処理部は、連続的に生成される前記断層画像の時系列のフレーム群のそれぞれのフレームにおいて算出された前記血管の前記直径の時間的変化を表示する、
    請求項1乃至6のいずれか一項に記載の超音波診断装置。
  8. 前記注目フレーム特定部は、前記所定期間内に得られた前記複数フレームのうちに、前記血管の前記直径が極大又は極小に該当する前記注目フレームの候補フレームが2枚以上存在する場合、前記表示処理部に対して、2枚以上の前記候補フレームそれぞれを表示させ、ユーザーの操作により、2枚以上の前記候補フレームのうちから一つを前記注目フレームとして選択可能とする、
    請求項1乃至7のいずれか一項に記載の超音波診断装置。
  9. 前記表示処理部は、ユーザーの操作により、連続的に生成される前記断層画像の時系列のフレーム群のうちから表示対象の表示フレームを選択可能とするシネバーを表示すると共に、当該シネバーに対して、前記注目フレームに相当する位置を示すマーカー表示を付加する、
    請求項1乃至8のいずれか一項に記載の超音波診断装置。
  10. 前記注目フレーム特定部において特定する対象の前記注目フレームを、前記複数フレームのうちの、前記血管の前記直径が最大のときに得られた血管最大時フレームとするか、前記血管の前記直径が最小のときに得られた血管最小時フレームとするか、又、前記血管最大時フレームと前記血管最小時フレームの両方とするかについて、ユーザーによる設定を可能とする設定部を有する、
    請求項1乃至9のいずれか一項に記載の超音波診断装置。
  11. 前記設定部は、前記注目フレーム特定部に対して設定する前記注目フレームの特定対象を、前記断層画像を用いた前記計測の種別毎、又は、前記断層画像の撮影対象の種別毎に、設定可能とする、
    請求項10に記載の超音波診断装置。
  12. 前記計測部による前記計測は、前記被検体の前記血管におけるFV(Flow Volume)計測、又は前記被検体の前記血管におけるIMT(Intima-Media Thickness)計測である、
    請求項1乃至11のいずれか一項に記載の超音波診断装置。
  13. 前記被検体に向けて前記超音波を送信すると共に、前記被検体内から前記超音波の反射波エコーを受信する超音波プローブを有する、
    請求項1乃至12のいずれか一項に記載の超音波診断装置。
  14. 超音波の送受信により、被検体の断層画像を生成する超音波診断装置の制御方法であって、
    前記断層画像に映る血管の領域を検出する処理と、
    前記断層画像の画像解析により、前記血管の直径を算出する処理と、
    所定期間内に得られた複数フレームの前記断層画像それぞれにおいて算出された前記血管の前記直径に基づいて、前記複数フレームのうちから前記血管の前記直径が最大及び/又は最小のときに得られたフレームに該当する注目フレームを特定する処理と、
    前記注目フレームの前記断層画像に映る前記血管を対象として、前記被検体の血流又は血管の性状に係る計測を実施する処理と、
    所定のタイミングで前記注目フレームの前記断層画像を表示する処理と、
    を有する制御方法。
  15. 超音波の送受信により、被検体の断層画像を生成する超音波診断装置の制御プログラムであって、
    前記断層画像に映る血管の領域を検出する処理と、
    前記断層画像の画像解析により、前記血管の直径を算出する処理と、
    所定期間内に得られた複数フレームの前記断層画像それぞれにおいて算出された前記血管の前記直径に基づいて、前記複数フレームのうちから前記血管の前記直径が最大及び/又は最小のときに得られたフレームに該当する注目フレームを特定する処理と、
    前記注目フレームの前記断層画像に映る前記血管を対象として、前記被検体の血流又は血管の性状に係る計測を実施する処理と、
    所定のタイミングで前記注目フレームの前記断層画像を表示する処理と、
    を有する超音波診断装置の制御プログラム。
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