JP2023052721A - 車両用窓ガラス - Google Patents
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Abstract
【課題】耐衝撃性と剛性とが改善された軽量の合せガラスを提供すること。【解決手段】車両の外側に面するS1面と、前記S1面の反対側のS2面とを有する第一ガラス板と、車両の室内側に面するS4面と、前記S4面の反対側のS3面とを有する第二ガラス板と、前記第一ガラス板と前記第二ガラス板との間に配置され、前記S2面と、前記S3面とに面する、少なくとも一つの層から構成される中間膜と、を備える、車両用窓ガラスであって、前記車両用窓ガラスの1m2あたりの質量は、5kg~9kgであり、前記中間膜を構成する全ての層のヤング率は、23℃において、2.5MPa~200MPaであり、前記第一ガラス板と前記第二ガラス板のうち、いずれか少なくとも一方が化学強化ガラスである、車両用窓ガラス。【選択図】図2
Description
本発明は、合せガラスによる車両用窓ガラスに関する。
近年の車両の軽量化の要求に伴い、車両用窓ガラスに使用される合せガラスにもより軽量なものが求められている。そして、合せガラスに使用されるガラス板を薄板化して、合せガラスの軽量化が図られている。ガラス板の板厚と曲げ剛性には相関があり、ガラス板を薄くすればするほど、合せガラスとしての曲げ剛性も低下する。そのため、日常環境で起こりうる車両用窓ガラスへの応力負荷で、目視で視認できるほどの車両用窓ガラスの弾性変形が生じることがあり、車両用窓ガラスを所定の形状に保ちにくくなるリスクが高くなる。
ガラス板の曲げ剛性の低下を補うために、特許文献1では、遮音の観点から、合せガラスの各層の厚さと、中間膜のヤング率が検討されている。当文献では、中間膜として、単層のものや、多層構造のものが開示されている。
また、特許文献2では、高いヤング率を有するポリビニルブチラール(PVB)層を多層構造内に有する中間膜を備える合せガラスを開示し、さらには、合せガラスに使用されるガラス板として、化学強化ガラスの使用を提案している。
合せガラスにおいて、合せガラスに使用されるガラス板の薄板化による合せガラスの曲げ剛性の低下を補うために、高いヤング率を有する中間膜を使用することは合理的な構造と考えられる。しかしながら、特許文献1で提案されたような合せガラスに対して、ECE R43における低温下での鋼球による耐衝撃試験を行うと、合せガラスの中間膜に亀裂が生じ、規格を満足できないという問題が生じることがわかった。これは、合せガラスの耐衝撃性能にはガラス板の厚さ及び中間膜のヤング率が寄与しており、前記合せガラスが、鋼球による衝撃を緩和しきれないことに起因すると考えられる。
また、特許文献2で提案された合せガラスは、上記の耐衝撃試験を合格するものの、合せガラスの曲げ剛性を評価する同心円曲げ試験において、荷重に対するたわみ量が、高いヤング率を有さない中間膜と従来の厚みを有する非強化ガラスとを備える従来の合せガラスよりも大きいものであった(詳細は、「発明を実施するための形態」以降で説明する)。このことは、特許文献2で提案された合せガラスでは、依然として曲げ剛性が不足しており、さらなる改善が必要であることを意味している。
以上から、本発明の課題は、耐衝撃性と曲げ剛性とが改善された軽量の合せガラスを提供することにある。
本発明の課題は、下記構成により解決される。
<1>
車両の外側に面するS1面と、前記S1面の反対側のS2面とを有する第一ガラス板と、
車両の室内側に面するS4面と、前記S4面の反対側のS3面とを有する第二ガラス板と、
前記第一ガラス板と前記第二ガラス板との間に配置され、前記S2面と、前記S3面とに面する、少なくとも一つの層から構成される中間膜と、
を備える、車両用窓ガラスであって、
前記車両用窓ガラスの1m2あたりの質量は、5kg~9kgであり、
前記中間膜を構成する全ての層のヤング率は、23℃において、2.5MPa~200MPaであり、
前記第一ガラス板と前記第二ガラス板のうち、いずれか少なくとも一方が化学強化ガラスである、車両用窓ガラス。
<2>
前記第一ガラス板は、前記S1面側に、圧縮応力が300MPa~1000MPaであり、かつ厚さが5μm~50μmである圧縮応力層を備える、<1>に記載の車両用窓ガラス。
<3>
前記第一ガラス板は、前記S2面側に、圧縮応力が300MPa~1000MPaであり、かつ厚さが5μm~50μmである圧縮応力層を備える、<1>又は<2>に記載の車両用窓ガラス。
<4>
前記第一ガラス板は、質量%で、SiO2:65~75%、Al2O3:0~5%、Na2O+K2O:5~20%、MgO:0~10%、CaO:2~15%を含有する組成である、<2>又は<3>に記載の車両用窓ガラス。
<5>
前記第一ガラス板は、質量%で、SiO2:55~65%、B2O3:0~10%、Al2O3:10~25%、Na2O+K2O:10~20%、MgO:0~10%、CaO:0~5%を含有する組成である、<2>又は<3>に記載の車両用窓ガラス。
<6>
前記第二ガラス板は、前記S3面側に、圧縮応力が300MPa~1000MPaであり、かつ厚さが5μm~50μmである圧縮応力層を備える、<1>に記載の車両用窓ガラス。
<7>
前記第二ガラス板は、前記S4面側に、圧縮応力が300MPa~1000MPaであり、かつ厚さが5μm~50μmである圧縮応力層を備える、<1>又は<6>に記載の車両用窓ガラス。
<8>
前記第二ガラス板は、質量%で、SiO2:65~75%、Al2O3:0~5%、Na2O+K2O:5~20%、MgO:0~10%、CaO:2~15%を含有する組成である、<6>又は<7>に記載の車両用窓ガラス。
<9>
前記第二ガラス板は、質量%で、SiO2:55~65%、B2O3:0~10%、Al2O3:10~25%、Na2O+K2O:10~20%、MgO:0~10%、CaO:0~5%を含有する組成である、<6>又は<7>に記載の車両用窓ガラス。
<10>
前記中間膜は、一つの層から構成される中間膜である、<1>乃至<9>のいずれか1項に記載の車両用窓ガラス。
<11>
前記第一ガラス板は、1.1mm~2.5mmの厚さを備える、<1>乃至<10>のいずれか1項に記載の車両用窓ガラス。
<12>
前記第二ガラス板は、0.3mm~1.4mmの厚さを備える、<1>乃至<11>のいずれか1項に記載の車両用窓ガラス。
<1>
車両の外側に面するS1面と、前記S1面の反対側のS2面とを有する第一ガラス板と、
車両の室内側に面するS4面と、前記S4面の反対側のS3面とを有する第二ガラス板と、
前記第一ガラス板と前記第二ガラス板との間に配置され、前記S2面と、前記S3面とに面する、少なくとも一つの層から構成される中間膜と、
を備える、車両用窓ガラスであって、
前記車両用窓ガラスの1m2あたりの質量は、5kg~9kgであり、
前記中間膜を構成する全ての層のヤング率は、23℃において、2.5MPa~200MPaであり、
前記第一ガラス板と前記第二ガラス板のうち、いずれか少なくとも一方が化学強化ガラスである、車両用窓ガラス。
<2>
前記第一ガラス板は、前記S1面側に、圧縮応力が300MPa~1000MPaであり、かつ厚さが5μm~50μmである圧縮応力層を備える、<1>に記載の車両用窓ガラス。
<3>
前記第一ガラス板は、前記S2面側に、圧縮応力が300MPa~1000MPaであり、かつ厚さが5μm~50μmである圧縮応力層を備える、<1>又は<2>に記載の車両用窓ガラス。
<4>
前記第一ガラス板は、質量%で、SiO2:65~75%、Al2O3:0~5%、Na2O+K2O:5~20%、MgO:0~10%、CaO:2~15%を含有する組成である、<2>又は<3>に記載の車両用窓ガラス。
<5>
前記第一ガラス板は、質量%で、SiO2:55~65%、B2O3:0~10%、Al2O3:10~25%、Na2O+K2O:10~20%、MgO:0~10%、CaO:0~5%を含有する組成である、<2>又は<3>に記載の車両用窓ガラス。
<6>
前記第二ガラス板は、前記S3面側に、圧縮応力が300MPa~1000MPaであり、かつ厚さが5μm~50μmである圧縮応力層を備える、<1>に記載の車両用窓ガラス。
<7>
前記第二ガラス板は、前記S4面側に、圧縮応力が300MPa~1000MPaであり、かつ厚さが5μm~50μmである圧縮応力層を備える、<1>又は<6>に記載の車両用窓ガラス。
<8>
前記第二ガラス板は、質量%で、SiO2:65~75%、Al2O3:0~5%、Na2O+K2O:5~20%、MgO:0~10%、CaO:2~15%を含有する組成である、<6>又は<7>に記載の車両用窓ガラス。
<9>
前記第二ガラス板は、質量%で、SiO2:55~65%、B2O3:0~10%、Al2O3:10~25%、Na2O+K2O:10~20%、MgO:0~10%、CaO:0~5%を含有する組成である、<6>又は<7>に記載の車両用窓ガラス。
<10>
前記中間膜は、一つの層から構成される中間膜である、<1>乃至<9>のいずれか1項に記載の車両用窓ガラス。
<11>
前記第一ガラス板は、1.1mm~2.5mmの厚さを備える、<1>乃至<10>のいずれか1項に記載の車両用窓ガラス。
<12>
前記第二ガラス板は、0.3mm~1.4mmの厚さを備える、<1>乃至<11>のいずれか1項に記載の車両用窓ガラス。
本発明によれば、合せガラスに使用されるガラス板の薄板化に応じて、合せガラスの曲げ剛性を補うために高いヤング率を有する中間膜を使用したときに、ECE R43における低温下での鋼球による耐衝撃試験に関する規格を満足し、かつ従来の合せガラスと同等かそれ以上の曲げ剛性を有する軽量の車両用窓ガラスを提供することができる。
本発明の車両用窓ガラスは、車両の外側に面するS1面と、前記S1面の反対側のS2面とを有する第一ガラス板と、
車両の室内側に面するS4面と、前記S4面の反対側のS3面とを有する第二ガラス板と、
前記第一ガラス板と前記第二ガラス板との間に配置され、前記S2面と、前記S3面とに面する、少なくとも一つの層から構成される中間膜と、
を備える、車両用窓ガラスであって、
前記車両用窓ガラスの1m2あたりの質量は、5kg~9kgであり、
前記中間膜を構成する全ての層のヤング率は、23℃において、2.5MPa~200MPaであり、
前記第一ガラス板と前記第二ガラス板のうち、いずれか少なくとも一方が化学強化ガラスである、というものである。
車両の室内側に面するS4面と、前記S4面の反対側のS3面とを有する第二ガラス板と、
前記第一ガラス板と前記第二ガラス板との間に配置され、前記S2面と、前記S3面とに面する、少なくとも一つの層から構成される中間膜と、
を備える、車両用窓ガラスであって、
前記車両用窓ガラスの1m2あたりの質量は、5kg~9kgであり、
前記中間膜を構成する全ての層のヤング率は、23℃において、2.5MPa~200MPaであり、
前記第一ガラス板と前記第二ガラス板のうち、いずれか少なくとも一方が化学強化ガラスである、というものである。
図1及び図2に、それぞれ本発明の車両用窓ガラスの一例の断面模式図を示す。
図1及び図2の車両用窓ガラス10は、第一ガラス板1と、第二ガラス板2と、中間膜3とを有する。第一ガラス板1は、車両の外側に面するS1面と、前記S1面の反対側のS2面とを有する。第二ガラス板2は、車両の室内側に面するS4面と、前記S4面の反対側のS3面とを有する。中間膜3は、前記第一ガラス板1と前記第二ガラス板2の間に、前記S2面と、前記S3面とに面するように配置される。
本発明の車両用窓ガラスは軽量の合せガラスからなり、車両用窓ガラスの1m2あたりの質量は、5kg~9kgであり、6kg~9kgであることが好ましく、6kg~8kgであることがより好ましい。
[中間膜]
中間膜は、少なくとも一つの層から構成される。すなわち、中間膜は単層構成でも多層構成でも良い。
[中間膜]
中間膜は、少なくとも一つの層から構成される。すなわち、中間膜は単層構成でも多層構成でも良い。
中間膜を構成する全ての層のヤング率は、23℃において、2.5MPa~200MPaであり、20MPa~100MPaであることが好ましく、30MPa~75MPaであることがより好ましい。中間膜を構成する全ての層のヤング率が、23℃において、2.5MPa~200MPaであることで、これを用いた合せガラスの曲げ剛性を高くすることができる。
合せガラスの全体の曲げ剛性は、合せガラスを構成するガラス板の板厚と中間膜のヤング率に対してそれぞれ相関がある。したがって、従来の遮音合せガラスに使用される遮音用中間膜のような低いヤング率を有する中間膜を含む車両用窓ガラスは、低いヤング率を有する中間膜を含まない場合と比べて曲げ剛性が低くなる。よって、中間膜はその層数に関わらず、より高いヤング率を有する方が好ましい。
また、中間膜が多層構成である場合、各層で剛性が異なっていてもよい。
中間膜サンプルのヤング率の測定方法の詳細を以下に示す。
中間膜サンプルのヤング率の測定は、JIS K 7161-1に沿って実施した。この方法は、応力若しくはひずみ(伸び)があらかじめ定めた値に達するまで、試験片を主軸(長さ方向)に沿って一定速度で引っ張ったときに、試験片にかかる力及び伸びを測定することで、試験片の引張弾性率(ヤング率)を求めることを目的としている。
試験機には、JIS K 7161-1に適合するA&D社製テンシロン万能試験機(RTC-2410)を使用した。
試験片は、中間膜を、JIS K 6251に準拠した「引張5号型ダンベル状」に、切削によって機械加工して作製した。
試験片の標線間距離は、33mmとした。
試験片の数は、各中間膜で1個とした。
作製した試験片は、温度23℃、湿度40~60%の環境下で4時間以上保管した。
引張試験時の雰囲気は、サンプル保管時と同じ温度23℃、湿度40~60%の環境下で実施した。
引張試験時、中間膜サンプルに予備力を負荷せずに引張試験を実施した。
引張試験時の試験速度は、1分間に標線間距離の1%の歪を与える速度である、0.33mm/minとした。
試験片にかかる応力σ[MPa]は、測定時に与えた力F[N]を、試験片の初めの断面積A[mm2]で除した値とした。
試験片に発生したひずみε[-]は、試験片の標線間距離の増加量ΔL0[mm]を、試験片の標線間距離L0[mm]で除した値とした。
試験片のヤング率E[MPa]は、試験片のひずみε2(0.25%)における応力σ2[MPa]と試験片のひずみε1(0.05%)における応力σ1[MPa]との差分を、試験片のひずみε2と試験片のひずみε1との差分で除した値とした。
本試験における応力、ヤング率、及びひずみは、有効数字2桁までとした。
中間膜を構成する層は、例えば、ポリビニルブチラール(PVB)、SentryGlas(登録商標)(Dupon社)、ポリカーボネート、アイオノマー、ポリエチレンテレフタレート(PET)、もしくは他の適切な高分子または熱可塑性材料などから構成することができる。また、中間膜を構成する層は熱可塑性樹脂からなる膜であることが好ましい。
製造方法の簡略化、及び車両用窓ガラスの軽量化という観点から、中間膜は、一つの層から構成される中間膜(単層構成の中間膜)であることが好ましい。
中間膜の厚さは特に限定されないが、中間膜の厚さは0.3mm~3.0mmであることが好ましく、0.3~1.0mmであることがより好ましい。
本発明では、第一ガラス板及び第二ガラス板のうちどちらか一方を化学強化ガラスとし、上記中間膜と組み合わせて合せガラスとすることで、耐衝撃性を良好にすることができる。
[第一ガラス板]
本発明の車両用窓ガラスにおける第一ガラス板としては、第二ガラス板が化学強化ガラスであれば特に限定されず、車両用窓ガラスに用いられるガラス板として公知のガラス板を用いることができる。第二ガラス板が化学強化ガラスでない場合は、合せガラスの耐衝撃性を向上させるために、第一ガラス板は化学強化ガラスである必要がある。
[第一ガラス板]
本発明の車両用窓ガラスにおける第一ガラス板としては、第二ガラス板が化学強化ガラスであれば特に限定されず、車両用窓ガラスに用いられるガラス板として公知のガラス板を用いることができる。第二ガラス板が化学強化ガラスでない場合は、合せガラスの耐衝撃性を向上させるために、第一ガラス板は化学強化ガラスである必要がある。
第一ガラス板の厚さは、合せガラスが従来よりも軽量となる範囲であれば特に限定されないが、第二ガラス板よりも厚い方が好ましい。なぜなら、第一ガラス板は車外からの飛来物と直接接触する部材であるため、飛来物が鋭利な形状を備えている場合、第一ガラス板を化学強化の有無に関わらず破損する恐れがあるからである。車外からの飛来物による破損防止の観点では、第一ガラス板は厚いほど好ましいが、飛来物による破損防止と質量を考慮して、第一ガラス板の厚みは1.1mm~2.5mmであることが好ましく、1.4mm~2.1mmであることがより好ましい。
図1に示すように、第一ガラス板は、S1面側に、圧縮応力が300MPa~1000MPaであり、かつ厚さが5μm~50μmである圧縮応力層を備えることが好ましい。
また、図1に示すように、第一ガラス板は、S2面側に、圧縮応力が300MPa~1000MPaであり、かつ厚さが5μm~50μmである圧縮応力層を備えることが好ましい。
[第二ガラス板]
本発明の車両用窓ガラスにおける第二ガラス板としては、第一ガラス板が化学強化ガラスであれば特に限定されず、車両用窓ガラスに用いられるガラス板として公知のガラス板を用いることができる。第一ガラス板が化学強化ガラスでない場合は、合せガラスの耐衝撃性を向上させるために、第二ガラス板は化学強化ガラスである必要がある。
[第二ガラス板]
本発明の車両用窓ガラスにおける第二ガラス板としては、第一ガラス板が化学強化ガラスであれば特に限定されず、車両用窓ガラスに用いられるガラス板として公知のガラス板を用いることができる。第一ガラス板が化学強化ガラスでない場合は、合せガラスの耐衝撃性を向上させるために、第二ガラス板は化学強化ガラスである必要がある。
第二ガラス板の厚さは、合せガラスが従来よりも軽量となる範囲であれば特に限定されないが、0.3mm~1.4mmであることが好ましく、0.3mm~1.2mmであることがより好ましく、0.4mm~1.0mmであることがさらに好ましい。
図2に示すように、第二ガラス板は、S3面側に、圧縮応力が300MPa~1000MPaであり、かつ厚さが5μm~50μmである圧縮応力層を備えることが好ましい。
また、図2に示すように、第二ガラス板は、S4面側に、圧縮応力が300MPa~1000MPaであり、かつ厚さが5μm~50μmである圧縮応力層を備えることが好ましい。
第一ガラス板または第二ガラス板は、化学強化する場合、質量%で、SiO2:65~75%、Al2O3:0~5%、Na2O+K2O:5~20%、MgO:0~10%、CaO:2~15%を含有する組成であることが好ましい。
また、別の態様として、第一ガラス板または第二ガラス板は、質量%で、SiO2:55~65%、B2O3:0~10%、Al2O3:10~25%、Na2O+K2O:10~20%、MgO:0~10%、CaO:0~5%を含有する組成であることが好ましい。
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明は以下の実施例に限定されない。
<合せガラスサンプルの作製>
ガラス板としては、厚さ2.0mmまたは2.1mmの第一ガラス板と、厚さ0.7mmの第二ガラス板を用いた。化学強化ガラスの圧縮応力の値、圧縮応力層の厚みは、光導波路効果を観測原理とする表面応力計(折原製作所製、FSM-6000LE)用いて得られたものである。
<合せガラスサンプルの作製>
ガラス板としては、厚さ2.0mmまたは2.1mmの第一ガラス板と、厚さ0.7mmの第二ガラス板を用いた。化学強化ガラスの圧縮応力の値、圧縮応力層の厚みは、光導波路効果を観測原理とする表面応力計(折原製作所製、FSM-6000LE)用いて得られたものである。
中間膜としては、下記の中間膜サンプルA1、A2またはA3を用いた。
中間膜A1:高いヤング率を有するPVBからなる単層構成の中間膜(厚さ0.78mm)。23℃におけるヤング率は49MPaであった。
中間膜A2:低いヤング率を有するPVBからなる単層構成の中間膜(厚さ0.80mm)。23℃におけるヤング率は1.1MPaであった。
中間膜A3:高いヤング率を有するPVB層/低いヤング率を有するPVB層/高いヤング率を有するPVB層の3層構成の中間膜(厚さ0.86mm)。23℃における中間膜A3を構成する高いヤング率を有するPVB層のヤング率は49MPaであり、低いヤング率を有するPVB層のヤング率は1.1MPaであった。
本発明における中間膜の製造方法は、特に限定されず、公知の方法を用いることができる。例えば、中間膜用原料樹脂の膜化方法としては、常法の型押し出し法またはカレンダーロール法などが挙げられるが、これらに限定されない。
通常の合せガラスであれば、1枚の連続した中間膜を2枚のガラス板で挟持することで作製されるが、本発明の前記中間膜A3のような積層中間膜を用いた車両用合せガラスの製造方法では、1枚の低いヤング率を有するPVB層を、2枚の高いヤング率を有するPVB層で挟持し、さらに2枚のガラス板で積層中間膜を挟持することで作製される。
この場合、中間膜を構成する各層の界面は、車両用合せガラスがオートクレーブ内で加熱・加圧される際に、層同士が溶着して界面が目立たなくなるため、搭乗者の視界の妨げになるようなことはない。
第一ガラス板と第二ガラス板の間に、各中間膜サンプルを挟んで、ゴムバックに入れて減圧吸引して、部材間に残留する空気を脱気した。その後、脱気後の積層体をオートクレーブに入れて、予備接着を行った。この時、温度を90℃、圧力を0.25MPaに設定し、温度保持時間を30分とした。次にオートクレーブの温度を135℃、圧力を1.3MPaに設定し、温度保持時間を25分として仕上げ接着を行い、上記の積層体を一体化させて合せガラスを得た。
作製した合せガラスサンプルは以下の表1の通りである。
すべての実施例及び比較例において、第一ガラス板としては、フロートガラス(非強化ガラス)を用いた。
すべての実施例及び比較例において、第二ガラス板は、質量%で、SiO2:65~75%、Al2O3:0~5%、Na2O+K2O:5~20%、MgO:0~10%、CaO:2~15%を含有する組成であるか、又はSiO2:55~65%、B2O3:0~10%、Al2O3:10~25%、Na2O+K2O:10~20%、MgO:0~10%、CaO:0~5%を含有する組成であった。
各実施例及び比較例の合せガラスサンプルの1m2あたりの質量を以下に示す。
実施例1:7.4kg/m2
実施例2:7.4kg/m2
比較例1:11.2kg/m2
比較例2:7.7kg/m2
比較例3:7.7kg/m2
比較例4:7.4kg/m2
実施例、比較例では、第一ガラス板及び第二ガラス板の厚みの違いが合せガラスの質量の違いに現れており、中間膜A1、A2、A3の構成や化学強化の有無は合せガラスの質量に影響していないことがわかる。
<耐衝撃性試験>
上記で作製した合せガラスを用いて、ECE R43に準拠して耐衝撃性試験を行った。より具体的には図3に示すように、供試体である試験片(合せガラス)10Aの端部の全周を、耐衝撃試験用装置12を用いて把持した状態で、試験片(合せガラス)10Aに鋼球を落下させて、耐衝撃性を調べた。
実施例2:7.4kg/m2
比較例1:11.2kg/m2
比較例2:7.7kg/m2
比較例3:7.7kg/m2
比較例4:7.4kg/m2
実施例、比較例では、第一ガラス板及び第二ガラス板の厚みの違いが合せガラスの質量の違いに現れており、中間膜A1、A2、A3の構成や化学強化の有無は合せガラスの質量に影響していないことがわかる。
<耐衝撃性試験>
上記で作製した合せガラスを用いて、ECE R43に準拠して耐衝撃性試験を行った。より具体的には図3に示すように、供試体である試験片(合せガラス)10Aの端部の全周を、耐衝撃試験用装置12を用いて把持した状態で、試験片(合せガラス)10Aに鋼球を落下させて、耐衝撃性を調べた。
試験条件
・鋼球の質量:227g
・落下高さ及び供試体温度(合せガラスの温度):9.0m及び40℃、又は8.5m及び-20℃
・衝撃面:第一ガラス板側
・試験片(合せガラス)のサイズ:300mm×300mm
(1)鋼球が試験片(合せガラス)を貫通せず、(2)試験片が分断せず、かつ(3)非衝撃面側(第二ガラス板側)の剥離質量が12g以下、である場合に、合格とした。上記(1)~(3)の1つでも満たさない場合は不合格とした。各合せガラスサンプルに対して2枚ずつ試験を行い、2枚とも合格したサンプルを「○」、1枚でも不合格となったサンプルを「×」と評価した。
・鋼球の質量:227g
・落下高さ及び供試体温度(合せガラスの温度):9.0m及び40℃、又は8.5m及び-20℃
・衝撃面:第一ガラス板側
・試験片(合せガラス)のサイズ:300mm×300mm
(1)鋼球が試験片(合せガラス)を貫通せず、(2)試験片が分断せず、かつ(3)非衝撃面側(第二ガラス板側)の剥離質量が12g以下、である場合に、合格とした。上記(1)~(3)の1つでも満たさない場合は不合格とした。各合せガラスサンプルに対して2枚ずつ試験を行い、2枚とも合格したサンプルを「○」、1枚でも不合格となったサンプルを「×」と評価した。
結果を下記表2に示した。
第一の試験条件(落下高さ9.0m、供試体温度40℃)では、全ての実施例、比較例が耐衝撃性試験を合格した。しかし第二の試験条件(落下高さ8.5m、供試体温度-20℃)では、厚さ0.7mmの未強化ガラスを用いた比較例2、比較例3のみ耐衝撃性試験が不合格であった。
第二の試験条件では供試体温度が氷点下であるため、中間膜が収縮し、合せガラスに加わる衝撃を十分に吸収できないと推測される。実施例1、実施例2及び比較例4は、第二ガラス板が化学強化されて耐衝撃性が向上していたため試験を合格したが、比較例2及び比較例3は化学強化されていなかったために、中間膜が衝撃に耐えきれず破断したものと思われる。
第二の試験条件では供試体温度が氷点下であるため、中間膜が収縮し、合せガラスに加わる衝撃を十分に吸収できないと推測される。実施例1、実施例2及び比較例4は、第二ガラス板が化学強化されて耐衝撃性が向上していたため試験を合格したが、比較例2及び比較例3は化学強化されていなかったために、中間膜が衝撃に耐えきれず破断したものと思われる。
また比較例2及び比較例3に注目すると、中間膜の構成は、合せガラスの耐衝撃性に対して試験結果を変える程の影響を有していないことがわかる。また、実施例1と比較例2、または比較例3と比較例4の結果から、第二ガラス板を化学強化したことによって、合せガラスの耐衝撃性が向上したことがわかる。
なお、比較例1が化学強化ガラスを使用していないにもかかわらず耐衝撃性試験を合格したのは、第一ガラス板及び第二ガラス板が2.1mmの厚さを備えていたことが要因である。
以上より、合せガラスの板厚と耐衝撃性はトレードオフの関係にあり、軽量合せガラスに化学強化ガラスを使用するのは、耐衝撃性を向上させる上で有効であることを示している。
なお、比較例1が化学強化ガラスを使用していないにもかかわらず耐衝撃性試験を合格したのは、第一ガラス板及び第二ガラス板が2.1mmの厚さを備えていたことが要因である。
以上より、合せガラスの板厚と耐衝撃性はトレードオフの関係にあり、軽量合せガラスに化学強化ガラスを使用するのは、耐衝撃性を向上させる上で有効であることを示している。
表2の結果から、車両用窓ガラスを、ガラス板厚を薄くして高弾性中間膜を用いた軽量合せガラスとした場合、低温化での耐衝撃試験を合格するにはガラス板を化学強化する必要があることがわかった。
<同心円曲げ試験(剛性評価)>
上記で作成した合せガラスを用いて、同心円曲げ試験を行った。具体的には図4に示すように試験片(合せガラス)10Aに対して、支持リング13及び負荷リング14を用いて荷重をかけ、荷重に対するたわみ量を測定した。試験機には、インストロン社製材料試験機(8871型)を使用した。
<同心円曲げ試験(剛性評価)>
上記で作成した合せガラスを用いて、同心円曲げ試験を行った。具体的には図4に示すように試験片(合せガラス)10Aに対して、支持リング13及び負荷リング14を用いて荷重をかけ、荷重に対するたわみ量を測定した。試験機には、インストロン社製材料試験機(8871型)を使用した。
試験条件
・試験片(合せガラス)のサイズ:300mm×300mm
・負荷リング:直径50mm、曲率半径2.5mm
・支持リング:直径150mm、曲率半径2.5mm
・クロスヘッド速度:1mm/分
・負荷面:第一ガラス板側
・試験温度:23℃
結果を下記表3及び図5に示した。たわみ量が小さいほど曲げ剛性が大きいことを示す。
・試験片(合せガラス)のサイズ:300mm×300mm
・負荷リング:直径50mm、曲率半径2.5mm
・支持リング:直径150mm、曲率半径2.5mm
・クロスヘッド速度:1mm/分
・負荷面:第一ガラス板側
・試験温度:23℃
結果を下記表3及び図5に示した。たわみ量が小さいほど曲げ剛性が大きいことを示す。
図5より、実施例及び比較例は全て、印加する荷重の増加に伴ってたわみ量が単調に増加することが分かった。この結果から、任意の荷重を印加した際のたわみ量の大小を見ることで、合せガラスの曲げ剛性の大小を判断することができる。
表3は、図5において、合せガラスに500Nの荷重を印加した際の合せガラスのたわみ量をまとめたものである。中間膜の構成のみが異なる、実施例1と比較例4、または比較例2と比較例3に注目すると、低いヤング率を有するPVB層を含む中間膜A3を使用した合せガラスの方が、曲げ剛性が小さいことがわかる。
また、同じ中間膜を備えるガラスサンプル(実施例1、実施例2及び比較例2、または比較例3及び比較例4)に注目すると、化学強化ガラスの使用による合せガラスの曲げ剛性への影響は小さいと考えられる。
なお、比較例1が低いヤング率を有するPVB層のみを含む中間膜A2を備えているにもかかわらず、中間膜A1を備える合せガラスサンプルと同等のたわみ量を示しているのは、厚さ2.1mmという厚い第一ガラス板及び第二ガラス板を使用していたからである。
以上より、合せガラスの板厚と曲げ剛性はトレードオフの関係にあり、軽量合せガラスに高いヤング率を有するPVB層のみを備える中間膜を使用するのは、曲げ剛性を向上させる上で有効であることを示している。
表3は、図5において、合せガラスに500Nの荷重を印加した際の合せガラスのたわみ量をまとめたものである。中間膜の構成のみが異なる、実施例1と比較例4、または比較例2と比較例3に注目すると、低いヤング率を有するPVB層を含む中間膜A3を使用した合せガラスの方が、曲げ剛性が小さいことがわかる。
また、同じ中間膜を備えるガラスサンプル(実施例1、実施例2及び比較例2、または比較例3及び比較例4)に注目すると、化学強化ガラスの使用による合せガラスの曲げ剛性への影響は小さいと考えられる。
なお、比較例1が低いヤング率を有するPVB層のみを含む中間膜A2を備えているにもかかわらず、中間膜A1を備える合せガラスサンプルと同等のたわみ量を示しているのは、厚さ2.1mmという厚い第一ガラス板及び第二ガラス板を使用していたからである。
以上より、合せガラスの板厚と曲げ剛性はトレードオフの関係にあり、軽量合せガラスに高いヤング率を有するPVB層のみを備える中間膜を使用するのは、曲げ剛性を向上させる上で有効であることを示している。
表3の結果から、車両用窓ガラスを軽量合せガラスとした場合、従来の合せガラスと同等の曲げ剛性を得るには中間膜のヤング率を全て高くする必要があることがわかった。また、車両用窓ガラスの曲げ剛性には、化学強化ガラスの寄与はあまり見られないことがわかった。
以上より、本発明の実施例1及び実施例2に記載の軽量合せガラスは、耐衝撃性に優れ、かつ曲げ剛性が高いものであり、車両用窓ガラスとして好適であることが分かった。
1 第一ガラス板
2 第二ガラス板
3 中間膜
4 圧縮応力層
5 圧縮応力層
S1 S1面
S2 S2面
S3 S3面
S4 S4面
10 車両用窓ガラス
10A 試験片(合せガラス)
11 鋼球
12 耐衝撃試験用装置
13 支持リング
14 負荷リング
2 第二ガラス板
3 中間膜
4 圧縮応力層
5 圧縮応力層
S1 S1面
S2 S2面
S3 S3面
S4 S4面
10 車両用窓ガラス
10A 試験片(合せガラス)
11 鋼球
12 耐衝撃試験用装置
13 支持リング
14 負荷リング
Claims (12)
- 車両の外側に面するS1面と、前記S1面の反対側のS2面とを有する第一ガラス板と、
車両の室内側に面するS4面と、前記S4面の反対側のS3面とを有する第二ガラス板と、
前記第一ガラス板と前記第二ガラス板との間に配置され、前記S2面と、前記S3面とに面する、少なくとも一つの層から構成される中間膜と、
を備える、車両用窓ガラスであって、
前記車両用窓ガラスの1m2あたりの質量は、5kg~9kgであり、
前記中間膜を構成する全ての層のヤング率は、23℃において、2.5MPa~200MPaであり、
前記第一ガラス板と前記第二ガラス板のうち、いずれか少なくとも一方が化学強化ガラスである、車両用窓ガラス。 - 前記第一ガラス板は、前記S1面側に、圧縮応力が300MPa~1000MPaであり、かつ厚さが5μm~50μmである圧縮応力層を備える、請求項1に記載の車両用窓ガラス。
- 前記第一ガラス板は、前記S2面側に、圧縮応力が300MPa~1000MPaであり、かつ厚さが5μm~50μmである圧縮応力層を備える、請求項1又は2に記載の車両用窓ガラス。
- 前記第一ガラス板は、質量%で、SiO2:65~75%、Al2O3:0~5%、Na2O+K2O:5~20%、MgO:0~10%、CaO:2~15%を含有する組成である、請求項2又は3に記載の車両用窓ガラス。
- 前記第一ガラス板は、質量%で、SiO2:55~65%、B2O3:0~10%、Al2O3:10~25%、Na2O+K2O:10~20%、MgO:0~10%、CaO:0~5%を含有する組成である、請求項2又は3に記載の車両用窓ガラス。
- 前記第二ガラス板は、前記S3面側に、圧縮応力が300MPa~1000MPaであり、かつ厚さが5μm~50μmである圧縮応力層を備える、請求項1に記載の車両用窓ガラス。
- 前記第二ガラス板は、前記S4面側に、圧縮応力が300MPa~1000MPaであり、かつ厚さが5μm~50μmである圧縮応力層を備える、請求項1又は6に記載の車両用窓ガラス。
- 前記第二ガラス板は、質量%で、SiO2:65~75%、Al2O3:0~5%、Na2O+K2O:5~20%、MgO:0~10%、CaO:2~15%を含有する組成である、請求項6又は7に記載の車両用窓ガラス。
- 前記第二ガラス板は、質量%で、SiO2:55~65%、B2O3:0~10%、Al2O3:10~25%、Na2O+K2O:10~20%、MgO:0~10%、CaO:0~5%を含有する組成である、請求項6又は7に記載の車両用窓ガラス。
- 前記中間膜は、一つの層から構成される中間膜である、請求項1乃至9のいずれか1項に記載の車両用窓ガラス。
- 前記第一ガラス板は、1.1mm~2.5mmの厚さを備える、請求項1乃至10のいずれか1項に記載の車両用窓ガラス。
- 前記第二ガラス板は、0.3mm~1.4mmの厚さを備える、請求項1乃至11のいずれか1項に記載の車両用窓ガラス。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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2021
- 2021-02-26 WO PCT/JP2021/007312 patent/WO2021187051A1/ja active Application Filing
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