JP2023051364A - 研磨パッド、研磨パッドの製造方法、及び光学材料又は半導体材料の表面を研磨する方法 - Google Patents

研磨パッド、研磨パッドの製造方法、及び光学材料又は半導体材料の表面を研磨する方法 Download PDF

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佳秀 川村
Yoshihide Kawamura
哲平 立野
Teppei Tateno
浩 栗原
Hiroshi Kurihara
大和 ▲高▼見沢
Yamato TAKAMIZAWA
恵介 越智
Keisuke Ochi
哲明 川崎
Tetsuaki KAWASAKI
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Abstract

【課題】被研磨物のリバウンド現象を抑制できる研磨パッド、当該研磨パッドの製造方法、及び当該研磨パッドを使用した光学材料又は半導体材料の表面を研磨する方法、を提供することを目的とする。【解決手段】ポリウレタン樹脂を含む研磨層を有する研磨パッドであって、前記ポリウレタン樹脂が、イソシアネート末端ウレタンプレポリマー及び硬化剤を含む硬化性樹脂組成物の硬化物であり、前記イソシアネート末端ウレタンプレポリマーが、イソシアネート末端ウレタンプレポリマー(A)及びイソシアネート末端ウレタンプレポリマー(B)を含み、前記イソシアネート末端ウレタンプレポリマー(A)が、ポリエステルポリオールを含むポリオール成分とポリイソシアネート成分との反応生成物であり、前記ポリエステルポリオールが、分岐鎖を有する低分子量ポリオールに由来する構造単位を含み、前記イソシアネート末端ウレタンプレポリマー(B)が、ポリエーテルポリオールを含むポリオール成分とポリイソシアネート成分との反応生成物であり、前記イソシアネート末端ウレタンプレポリマーにおける、前記イソシアネート末端ウレタンプレポリマー(A)と前記イソシアネート末端ウレタンプレポリマー(B)との重量比((A):(B))が30:70~70:30である、前記研磨パッド。【選択図】なし

Description

本発明は、研磨パッド、研磨パッドの製造方法、及び光学材料又は半導体材料の表面を研磨する方法に関する。本発明の研磨パッドは、光学材料、半導体ウエハ、半導体デバイス、ハードディスク用基板等の研磨に用いられ、特に半導体ウエハの上に酸化物層、金属層等が形成されたデバイスを研磨するのに好適に用いられる。
光学材料、半導体ウエハ、ハードディスク基板、液晶用ガラス基板、半導体デバイスは非常に精密な平坦性が要求される。このような各種材料の表面、特に半導体デバイスの表面を平坦に研磨するために、硬質研磨パッドが一般的に用いられている。
現在、多くの硬質研磨パッドにおける研磨層には、トリレンジイソシアネート(TDI)などのイソシアネート成分とポリテトラメチレンエーテルグリコール(PTMG)などの高分子量ポリオールを含むポリオール成分との反応生成物であるイソシアネート末端ウレタンプレポリマーを、3,3’-ジクロロ-4,4’-ジアミノジフェニルメタンなどの硬化剤により硬化させて得られた硬質ポリウレタン材料を使用することが一般的である。イソシアネート末端ウレタンプレポリマーを形成する高分子量ポリオールは、ポリウレタンのソフトセグメントを形成するものであり、取り扱いやすさや適度なゴム弾性といった観点から、PTMGが高分子量ポリオールとして従来よく用いられていた。
半導体デバイスの研磨においては、近年の集積回路の微細化・高密度化に伴い、被研磨物表面における平坦性、特に被研磨物の端部における平坦性について、より厳密なレベルが要求されるようになってきている。
図1は、研磨パッド10により被研磨物20の研磨を行う際の状態を示す断面図である。図1の(a)は、研磨中の状態を示し、図1の(b)は、研磨終了後の状態を示す。
図1の(a)に示すように、半導体ウエハなどの被研磨物20は、リテーナリング30によって周囲を囲まれている。また、リテーナリング30の上部には空気室60が設けられている。被研磨物20は、研磨ヘッド40に設置されており、被研磨物20と研磨ヘッド40との間には弾性体膜50が存在している。研磨中、被研磨物20は、リテーナリング30と共に、研磨パッド10の表面に所定の圧力で押し付けられており、研磨ヘッド40に設置された被研磨物20と研磨パッド10との両方が回転することにより、被研磨物20の研磨が行われる。
図1の(a)において、リテーナリング30は、被研磨物20が研磨ヘッド40の外周側に飛び出すのを防止する役割を果たしている。しかし、リテーナリング30は、被研磨物20と共に、研磨パッド10の表面に押し付けられているため、その圧力により、研磨パッド10において、リテーナリング30が接触する周囲の部分が盛り上がる現象が発生することがある。図1の(a)においては、外側の盛り上がり部分11及び内側の盛り上がり部分12が生じている。
図1の(a)のように盛り上がり部分が生じた状態の研磨パッドにより研磨がなされると、図1の(b)に示すように、内側の盛り上がり部分12に起因して、被研磨物の端部より内側の部分に過研磨された部分21が生じてしまうことがある(リバウンド現象の発生という)。また、一般的にリテーナリング30を使用して研磨を行う際には、リテーナリング30と被研磨物20との接触などに起因して、図1の(b)に示すように、被研磨物20の端部に過研磨された部分22が生じてしまうことがある。
また、後述するように、イソシアネート末端ウレタンプレポリマー及び硬化剤を含む硬化性樹脂組成物を硬化させることにより研磨層を成形するが、この成形時には反応熱が生じる。この反応熱を利用することにより、上記硬化性樹脂組成物に含まれる未膨張の微小中空球体を膨張させ、所定の直径を有する中空部分を研磨層に形成することができる。このように未膨張の微小中空球体を膨張させるに当たって、硬化性樹脂組成物の組成によっては硬化時の反応熱が大きくなり過ぎ、その結果、微小中空球体が膨張し過ぎ、研磨層の中空部分の直径が大きくなり過ぎてしまうことがある。研磨層の中空部分の直径が大きくなり過ぎると、微細な発泡構造とはならないため、このような研磨層により研磨を行うと、被研磨物にスクラッチ(傷)が発生してしまうことがある。
被研磨物における平坦性に関して、PTMGを高分子量ポリオールとして使用した従来の研磨パッドでは、被研磨物表面における平坦性の点で不十分であることがあり、様々な種類の高分子量ポリオールを用いる検討がなされている。
特許文献1には、ポリエーテル系ポリオールを含むイソシアネート末端プレポリマー及びポリエステル系ポリオールを含むイソシアネート末端プレポリマーを含む組成物の反応硬化体により形成され、当該反応硬化体が相分離構造を有する、研磨パッドが開示されている。特許文献1においては、研磨速度が大きく、平坦化特性に優れ、スクラッチの発生を抑制できる研磨パッドの提供を、発明が解決しようとする課題としている。
特開2011-194563号公報
しかしながら、特許文献1においては、被研磨物の表面を全体的に見た時の平坦化特性を評価しているだけであり、被研磨物の端部及びその周辺部の平坦性に着目して向上させようとするものではない。
以上のように、被研磨物のリバウンド現象を抑制できる(被研磨物の端部より内側の部分の過研磨を抑制できる)研磨パッドが望まれている。また、被研磨物のリバウンド現象の抑制に加えて、研磨層の中空部分の直径が小さく、微細な発泡構造を有する研磨パッドも望まれている。
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、被研磨物のリバウンド現象を抑制できる研磨パッド、当該研磨パッドの製造方法、及び当該研磨パッドを使用した光学材料又は半導体材料の表面を研磨する方法を提供することを目的とする。また、被研磨物のリバウンド現象の抑制に加えて、研磨層の中空部分の直径が小さく、微細な発泡構造を有する研磨パッド、当該研磨パッドの製造方法、及び当該研磨パッドを使用した光学材料又は半導体材料の表面を研磨する方法を提供することを別の目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するべく鋭意研究した結果、ポリエステルポリオールを含むイソシアネート末端ウレタンプレポリマー(A)とポリエーテルポリオールを含むイソシアネート末端ウレタンプレポリマー(B)との重量比が30:70~70:30であり、前記ポリエステルポリオールが、分岐鎖を有する低分子量ポリオールに由来する構造単位を含むことにより、上記課題を解決できることを知見し、本発明を完成するに至った。本発明の具体的態様は以下のとおりである。
[1] ポリウレタン樹脂を含む研磨層を有する研磨パッドであって、
前記ポリウレタン樹脂が、イソシアネート末端ウレタンプレポリマー及び硬化剤を含む硬化性樹脂組成物の硬化物であり、
前記イソシアネート末端ウレタンプレポリマーが、イソシアネート末端ウレタンプレポリマー(A)及びイソシアネート末端ウレタンプレポリマー(B)を含み、
前記イソシアネート末端ウレタンプレポリマー(A)が、ポリエステルポリオールを含むポリオール成分とポリイソシアネート成分との反応生成物であり、前記ポリエステルポリオールが、分岐鎖を有する低分子量ポリオールに由来する構造単位を含み、
前記イソシアネート末端ウレタンプレポリマー(B)が、ポリエーテルポリオールを含むポリオール成分とポリイソシアネート成分との反応生成物であり、
前記イソシアネート末端ウレタンプレポリマーにおける、前記イソシアネート末端ウレタンプレポリマー(A)と前記イソシアネート末端ウレタンプレポリマー(B)との重量比((A):(B))が30:70~70:30である、前記研磨パッド。
[2] 前記分岐鎖を有する低分子量ポリオールがネオペンチルグリコールを含む、[1]に記載の研磨パッド。
[3] 前記イソシアネート末端ウレタンプレポリマー(A)における前記ポリエステルポリオールの数平均分子量が1000未満である、[1]又は[2]に記載の研磨パッド。
[4] 前記硬化性樹脂組成物が微小中空球体をさらに含む、[1]~[3]のいずれか1つに記載の研磨パッド。
[5] 前記研磨層の平均気泡径が5μm以上20μm未満である、[1]~[4]のいずれか1つに記載の研磨パッド。
[6] 前記研磨層が相分離構造を有しない、[1]~[5]のいずれか1つに記載の研磨パッド。
[7] 前記硬化剤が3,3’-ジクロロ-4,4’-ジアミノジフェニルメタンを含む、[1]~[6]のいずれか1つに記載の研磨パッド。
[8] 前記イソシアネート末端ウレタンプレポリマー(A)における前記ポリイソシアネート成分が、トリレンジイソシアネートを含む、[1]~[7]のいずれか1つに記載の研磨パッド。
[9] 前記イソシアネート末端ウレタンプレポリマー(B)における前記ポリイソシアネート成分が、トリレンジイソシアネートを含む、[1]~[8]のいずれか1つに記載の研磨パッド。
[10] [1]~[9]のいずれか1つに記載の研磨パッドの製造方法であって、前記研磨層を成形する工程を含む、前記方法。
[11] 光学材料又は半導体材料の表面を研磨する方法であって、[1]~[9]のいずれか1つに記載の研磨パッドを使用して光学材料又は半導体材料の表面を研磨する工程を含む、前記方法。
(定義)
本願において、「X~Y」を用いて数値範囲を表す際は、その範囲は両端の数値であるX及びYを含むものとする。
本願において、「被研磨物の端部より内側の部分」は、被研磨物の中心と被研磨物の最も外側の縁との間の長さに対して2~10%分の長さだけ、被研磨物の外側の縁から中心に向かった範囲の領域(長さ2%の線と長さ10%の線とで囲まれた領域)を意味する。
本願において、「被研磨物の端部」は、被研磨物の中心と被研磨物の最も外側の縁との間の長さに対して2%分の長さだけ、被研磨物の外側の縁から中心に向かった範囲の領域(長さ2%の線上の領域(部分))を意味する。
本発明の研磨パッドは、被研磨物のリバウンド現象を抑制できる。また、本発明の研磨パッドは、被研磨物のリバウンド現象の抑制に加えて、研磨層の中空部分の直径が小さく、微細な発泡構造を有することもできる。
図1は、研磨パッドにより被研磨物の研磨を行う際の状態を示す断面図である。 図2は、実施例1の研磨層の発泡構造を示す写真である。 図3は、比較例1の研磨層の発泡構造を示す写真である。 図4は、比較例2の研磨層の発泡構造を示す写真である。
(作用)
本発明者らは、研磨層を形成するためのイソシアネート末端ウレタンプレポリマーと被研磨物の端部の平坦性(リバウンド現象の抑制)との関係について鋭意研究した結果、予想外にも、イソシアネート末端ウレタンプレポリマーを、ポリエステルポリオールを含むイソシアネート末端ウレタンプレポリマー(A)とポリエーテルポリオールを含むイソシアネート末端ウレタンプレポリマー(B)とを特定の重量比で含むものとし、かつ前記ポリエステルポリオールを、分岐鎖を有する低分子量ポリオールに由来する構造単位を含むものとすることにより、リバウンド現象を抑制でき、被研磨物の端部の平坦性に優れることを見出した。このような特性が得られる理由の詳細は明らかではないが、以下のように推察される。
ポリエステルポリオールを含むイソシアネート末端ウレタンプレポリマー(A)は、ソフトセグメントがポリエステルポリオールに由来する構造単位を含むため、エステル基の存在により、ソフトセグメントの凝集力が比較的高いと考えられる。また、上記ポリエステルポリオールは、分岐鎖を有する低分子量ポリオールに由来する構造単位を含むため、分岐鎖の存在により、分岐鎖を含まないものに比べて、ソフトセグメントの凝集力が下がる傾向があると考えられる。
一方、ポリエーテルポリオールを含むイソシアネート末端ウレタンプレポリマー(B)は、ソフトセグメントがポリエーテルポリオールに由来する構造単位を含むため、エーテル基の存在により、ソフトセグメントの凝集力が比較的低いと考えられる。
このような、ポリエステルポリオールを含むイソシアネート末端ウレタンプレポリマー(A)におけるソフトセグメントの凝集力が比較的高い点、分岐鎖を有する低分子量ポリオールに由来する構造単位がソフトセグメントの凝集力を下げる傾向がある点、ポリエーテルポリオールを含むイソシアネート末端ウレタンプレポリマー(B)におけるソフトセグメントの凝集力が比較的低い点が相互に影響し合った結果、イソシアネート末端ウレタンプレポリマー(A)とイソシアネート末端ウレタンプレポリマー(B)と特定の重量比とすることにより、イソシアネート末端プレポリマー全体におけるソフトセグメントの凝集力が適度なものとなり、結果として、研磨パッドとした場合の、リバウンド現象を抑制でき、被研磨物の端部の平坦性に優れると推察される。
研磨パッドの研磨層は、相分離構造を有しないものとすることもできる。研磨パッドの研磨層が相分離構造を有しないことにより、リバウンド現象をさらに抑制でき、さらに優れた被研磨物の端部の平坦性が得られる。このような特性が得られる理由の詳細は明らかではないが、研磨パッドの研磨層が相分離構造を有しないことにより、上述の適度な凝集力を有するソフトセグメントが研磨層全体にわたって均一な分布となり、端部を含めた被研磨物の表面を均一に研磨できるようになるためと推察される。
以下、本願の研磨パッド、及び研磨パッドの製造方法、及び光学材料又は半導体材料の表面を研磨する方法について、説明する。
1.研磨パッド、研磨パッドの製造方法
本願のいくつかの実施形態において、研磨パッドは、ポリウレタン樹脂を含む研磨層を有し、
前記ポリウレタン樹脂が、イソシアネート末端ウレタンプレポリマー及び硬化剤を含む硬化性樹脂組成物の硬化物であり、
前記イソシアネート末端ウレタンプレポリマーが、イソシアネート末端ウレタンプレポリマー(A)及びイソシアネート末端ウレタンプレポリマー(B)を含み、
前記イソシアネート末端ウレタンプレポリマー(A)が、ポリエステルポリオールを含むポリオール成分とポリイソシアネート成分との反応生成物であり、前記ポリエステルポリオールが、分岐鎖を有する低分子量ポリオールに由来する構造単位を含み、
前記イソシアネート末端ウレタンプレポリマー(B)が、ポリエーテルポリオールを含むポリオール成分とポリイソシアネート成分との反応生成物であり、
前記イソシアネート末端ウレタンプレポリマーにおける、前記イソシアネート末端ウレタンプレポリマー(A)と前記イソシアネート末端ウレタンプレポリマー(B)との重量比((A):(B))が30:70~70:30である。
ポリエステルポリオールを含むイソシアネート末端ウレタンプレポリマー(A)とポリエーテルポリオールを含むイソシアネート末端ウレタンプレポリマー(B)との重量比が30:70~70:30であり、前記ポリエステルポリオールが、分岐鎖を有する低分子量ポリオールに由来する構造単位を含むことにより、研磨パッドは、被研磨物のリバウンド現象を抑制できる。また、上記構成を備えることにより、研磨パッドは、被研磨物の端部より内側の部分の過研磨の抑制に加えて、研磨層の中空部分の直径が小さく、微細な発泡構造を有することもできる。
本願の研磨パッドは、ポリウレタン樹脂を含む研磨層を有する。研磨層は被研磨材料に直接接する位置に配置され、研磨パッドのその他の部分は、研磨パッドを支持するための材料、例えば、ゴムなどの弾性に富む材料で構成されてもよい。研磨パッドの剛性によっては、研磨層を研磨パッドとすることができる。
本願の研磨パッドは、被研磨物の端部より内側の部分の過研磨を抑制できることを除けば、一般的な研磨パッドと形状に大きな差異は無く、一般的な研磨パッドと同様に使用することができ、例えば、研磨パッドを回転させながら研磨層を被研磨材料に押し当てて研磨することもできるし、被研磨材料を回転させながら研磨層に押し当てて研磨することもできる。
本願の研磨パッドは、一般に知られたモールド成形、スラブ成形等の製造法より作成できる。まずは、それら製造法によりポリウレタンのブロックを形成し、ブロックをスライス等によりシート状とし、ポリウレタン樹脂から形成される研磨層を成形し、支持体などに貼り合わせることによって製造される。あるいは支持体上に直接研磨層を成形することもできる。
より具体的には、研磨層は、研磨層の研磨面とは反対の面側に両面テープが貼り付けられ、所定形状にカットされて、研磨パッドとなる。両面テープに特に制限はなく、当技術分野において公知の両面テープの中から任意に選択して使用することが出来る。また、研磨パッドは、研磨層のみからなる単層構造であってもよく、研磨層の研磨面とは反対の面側に他の層(下層、支持層)を貼り合わせた複層からなっていてもよい。
研磨層は、イソシアネート末端ウレタンプレポリマー及び硬化剤を含む硬化性樹脂組成物を調製し、当該硬化性樹脂組成物を硬化させることによって成形される。
研磨層は発泡ポリウレタン樹脂から構成することができるが、発泡は微小中空球体を含む発泡剤をポリウレタン樹脂中に分散させて行うことができる。この場合、イソシアネート末端ウレタンプレポリマー、硬化剤、及び発泡剤を含む硬化性樹脂組成物を調製し、当該硬化性樹脂組成物を発泡硬化させることによって成形することができる。
硬化性樹脂組成物は、例えば、イソシアネート末端ウレタンプレポリマーを含むA液と、硬化剤成分を含むB液とを混合して調製する2液型の組成物とすることもできる。それ以外の成分はA液に入れても、B液に入れてもよいが、不具合が生じる場合はさらに複数の液に分割して3液以上の液を混合して構成される組成物とすることができる。
(1)イソシアネート末端ウレタンプレポリマー
本願のいくつかの実施形態におけるイソシアネート末端ウレタンプレポリマーは、ポリオール成分とポリイソシアネート成分とを反応させることにより得られる生成物である。
(1-1)イソシアネート末端ウレタンプレポリマー(A)
イソシアネート末端ウレタンプレポリマーに含まれるイソシアネート末端ウレタンプレポリマー(A)は、ポリエステルポリオールを含むポリオール成分とポリイソシアネート成分との反応生成物であり、前記ポリエステルポリオールは、分岐鎖を有する低分子量ポリオールに由来する構造単位を含む。
(イソシアネート末端ウレタンプレポリマー(A)に含まれるポリオール成分)
イソシアネート末端ウレタンプレポリマー(A)におけるポリオール成分は、ポリエステルポリオールを含む。
イソシアネート末端ウレタンプレポリマー(A)は、ポリエステルポリオール以外のポリオール成分を含まなくてもよく(ポリオール成分がポリエステルポリオールから構成されてもよく)、又は、含んでいてもよい。イソシアネート末端ウレタンプレポリマー(A)がポリエステルポリオール以外のポリオール成分を含む場合、ポリエステルポリオール以外のポリオール成分としては、特に限定されないが、低分子量ポリオール、ポリエステルポリオール以外の高分子量ポリオール、又はそれらの組み合わせが挙げられる。
(ポリエステルポリオール)
イソシアネート末端ウレタンプレポリマー(A)に含まれるポリエステルポリオールは、ポリカルボン酸成分とポリオール成分との反応生成物であり、高分子量ポリオールの1種である。本願において、高分子量ポリオールとは数平均分子量が300を超えるポリオールである。
ポリエステルポリオールに含まれるポリカルボン酸成分は、特に限定されないが、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、デカン二酸、ドデカン二酸等の脂肪族ジカルボン酸、無水マレイン酸、マレイン酸、フマル酸等の不飽和結合含有ジカルボン酸、1,3-シクロペンタンジカルボン酸、1,4-シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環族多価カルボン酸、オルトフタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、1,4-ナフタレンジカルボン酸、2,5-ナフタレンジカルボン酸、2,6-ナフタレンジカルボン酸、ナフタル酸、ビフェニルジカルボン酸、ジフェン酸およびこれらの無水物等の芳香族ジカルボン酸等、又はそれらのうちの2種以上の組み合わせが挙げられる。これらのポリカルボン酸成分のうち、アジピン酸が好ましい。
ポリエステルポリオールに含まれるポリカルボン酸成分を、アジピン酸からなるものとすることもできる。
ポリエステルポリオールは、分岐鎖を有する低分子量ポリオールに由来する構造単位を含む。本願において、低分子量ポリオールとは数平均分子量が30~300であるポリオールである。
ポリエステルポリオールに含まれるポリオール成分は、分岐鎖を有する低分子量ポリオールを含む。分岐鎖を有する低分子量ポリオールとしては、特に限定されないが、炭素数2~9の分岐鎖アルカンジオールが挙げられ、具体的には、1,2-プロパンジオール、1,3-ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,2-ペンタンジオール、3-メチル-1,5-ペンタンジオール、1,2-ヘキサンジオール、又はそれらのうちの2種以上の組み合わせが挙げられる。これらのうち、凝集力抑制の観点から、ネオペンチルグリコールが好ましい。
ポリエステルポリオールに含まれるポリオール成分を、分岐鎖を有する低分子量ポリオールからなるものとすることもできる。
ポリエステルポリオール全体に対する分岐鎖を有する低分子量ポリオールに由来する構造単位(分岐鎖を有する低分子量ポリオール)の含有量は、特に限定されないが、20~60重量%が好ましく、25~55重量%がより好ましく、30~50重量%が最も好ましい。
ポリエステルポリオールに含まれるポリオール成分は、分岐鎖を有する低分子量ポリオール以外の低分子量ポリオールを含まなくてもよいが、含んでいてもよい。分岐鎖を有する低分子量ポリオール以外の低分子量ポリオールとしては、特に限定されないが、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、又はそれらのうちの2種以上の組み合わせが挙げられる。
ポリエステルポリオール全体に対する、分岐鎖を有する低分子量ポリオール以外の低分子量ポリオールの含有量は、特に限定されないが、0~10重量%が好ましく、0~7重量%がより好ましく、0~5重量%が最も好ましい。または、上記分岐鎖を有する低分子量ポリオール以外の低分子量ポリオールを0重量%(上記分岐鎖を有する低分子量ポリオール以外の低分子量ポリオールを含まない)とすることもできる。本願において、「含まない」とは、ある成分を意図的に添加しないことを意味し、不純物として含まれることを排除するものではない。
ポリエステルポリオールの数平均分子量は、特に限定されないが、研磨層の機械強度の観点より、1000未満であることが好ましく、500~950であることがより好ましく、600~900であることが最も好ましい。
イソシアネート末端ウレタンプレポリマー(A)全体に対する、ポリエステルポリオールの含有量は、特に限定されないが、30~70重量%が好ましく、35~65重量%がより好ましく、40~60重量%が最も好ましい。
(ポリエステルポリオール以外のポリオール成分)
イソシアネート末端ウレタンプレポリマー(A)に含まれる(ポリエステルポリオールを構成するポリオール成分とは別の)低分子量ポリオールとしては、特に限定されないが、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,2-ペンタンジオール、1,5-ペンタンジオール、3-メチル-1,5-ペンタンジオール、1,2-ヘキサンジオール、1,6-ヘキサンジオール、又はそれらのうちの2種以上の組み合わせが挙げられる。
イソシアネート末端ウレタンプレポリマー(A)に含まれる上記ポリエステルポリオール以外の高分子量ポリオールとしては、例えば、
ポリカーボネートポリオール;
ポリカプロラクトンポリオール;又はそれらの組み合わせ;が挙げられる。
イソシアネート末端ウレタンプレポリマー(A)全体に対する、(ポリエステルポリオールを構成するポリオール成分とは別の)低分子量ポリオールの含有量は、特に限定されないが、1~10重量%が好ましく、2~9重量%がより好ましく、3~8重量%が最も好ましい。
イソシアネート末端ウレタンプレポリマー(A)全体に対する、ポリエステルポリオール以外の高分子量ポリオールの含有量は、特に限定されないが、0~10重量%が好ましく、0~7重量%がより好ましく、0~5重量%が最も好ましい。または、ポリエステルポリオール以外の高分子量ポリオールを0重量%(ポリエステルポリオール以外の高分子量ポリオールを含まない)とすることもできる。
(イソシアネート末端ウレタンプレポリマー(A)に含まれるポリイソシアネート成分)
イソシアネート末端ウレタンプレポリマー(A)に含まれるポリイソシアネート成分としては、
例えば、m-フェニレンジイソシアネート、
p-フェニレンジイソシアネート、
2,6-トリレンジイソシアネート(2,6-TDI)、
2,4-トリレンジイソシアネート(2,4-TDI)、
ナフタレン-1,4-ジイソシアネート、
ジフェニルメタン-4,4’-ジイソシアネート(MDI)、
4,4’-メチレン-ビス(シクロヘキシルイソシアネート)(水添MDI)、
3,3’-ジメトキシ-4,4’-ビフェニルジイソシアネート、
3,3’-ジメチルジフェニルメタン-4,4’-ジイソシアネート、
キシリレン-1,4-ジイソシアネート、
4,4’-ジフェニルプロパンジイソシアネート、
トリメチレンジイソシアネート、
ヘキサメチレンジイソシアネート、
プロピレン-1,2-ジイソシアネート、
ブチレン-1,2-ジイソシアネート、
シクロヘキシレン-1,2-ジイソシアネート、
シクロヘキシレン-1,4-ジイソシアネート、
p-フェニレンジイソチオシアネート、
キシリレン-1,4-ジイソチオシアネート、
エチリジンジイソチオシアネート、又はそれらのうちの2種以上の組み合わせが挙げられる。
この中でも、研磨特性の観点から、2,6-トリレンジイソシアネート(2,6-TDI)、2,4-トリレンジイソシアネート(2,4-TDI)等のトリレンジイソシアネートを使用することが好ましい。
イソシアネート末端ウレタンプレポリマー(A)全体に対する、ポリイソシアネート成分の含有量は、特に限定されないが、30~60重量%が好ましく、33~57重量%がより好ましく、35~55重量%が最も好ましい。
イソシアネート末端ウレタンプレポリマー(A)のNCO当量(g/eq)としては、600未満が好ましく、350~550がより好ましく、400~500が最も好ましい。NCO当量(g/eq)が上記数値範囲内であることにより、研磨層が適切な硬度を得ることができ、リバウンド現象の発生を抑制するという効果が得られる。
イソシアネート末端ウレタンプレポリマー(A)における、上記ポリエステルポリオール、上記高分子量ポリオール、及び上記低分子量ポリオールの数平均分子量は、以下の条件にてゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)に基づいてポリエチレングリコール/ポリエチレンオキシド(PEG/PEO)換算の分子量として測定することができる。後述する各ポリオールの数平均分子量も、同様の条件に基づいてPEG/PEO換算の分子量として測定することができる。
<測定条件>
カラム:Ohpak SB-802.5HQ(排除限界10000)+SB-803HQ(排除限界 100000)
移動相:5mM LiBr/DMF
流速:0.3ml/min(26kg/cm2)
オーブン:60℃
検出器:RI 40℃
試料量:20μl
(1-2)イソシアネート末端ウレタンプレポリマー(B)
イソシアネート末端ウレタンプレポリマーに含まれるイソシアネート末端ウレタンプレポリマー(B)は、ポリエーテルポリオールを含むポリオール成分とポリイソシアネート成分との反応生成物である。
イソシアネート末端ウレタンプレポリマー(B)は、ポリエーテルポリオール以外のポリオール成分を含まなくてもよいが、含んでいてもよい。イソシアネート末端ウレタンプレポリマー(B)がポリエーテルポリオール以外のポリオール成分を含む場合、ポリエーテルポリオール以外のポリオール成分としては、特に限定されないが、低分子量ポリオール、ポリエーテルポリオール以外の高分子量ポリオール、又はそれらの組み合わせが挙げられる。
イソシアネート末端ウレタンプレポリマー(B)に含まれるポリオール成分を、ポリエーテルポリオール及び低分子量ポリオールからなるものとすることもできる。
(ポリエーテルポリオール)
イソシアネート末端ウレタンプレポリマー(B)に含まれるポリエーテルポリオールは、高分子量ポリオールの1種である。
イソシアネート末端ウレタンプレポリマー(B)に含まれるポリエーテルポリオールとしては、特に限定されないが、例えば、ポリテトラメチレンエーテルグリコール(PTMG)、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、又はそれらのうちの2種以上の組み合わせ;が挙げられる。この中でも、研磨層の機械的強度の観点から、PTMGが好ましく、数平均分子量の異なる2種のPTMGの組み合わせが特に好ましい。
ポリエーテルポリオールの数平均分子量は、特に限定されないが、研磨層の機械強度の観点より、500~2500であることが好ましく、550~2000であることがより好ましく、600~1500であることが最も好ましい。イソシアネート末端ウレタンプレポリマー(B)に含まれるポリエーテルポリオールは、数平均分子量の異なる2種のポリエーテルポリオールとすることもでき、また、それらの2種のポリエーテルポリオールの数平均分子量は、上記の各数値範囲内とすることもできる。
イソシアネート末端ウレタンプレポリマー(B)全体に対する、ポリエーテルポリオールの含有量は、特に限定されないが、30~60重量%が好ましく、35~55重量%がより好ましく、40~50重量%が最も好ましい。
(ポリエーテルポリオール以外のポリオール成分)
イソシアネート末端ウレタンプレポリマー(B)に含まれる低分子量ポリオールとしては、特に限定されないが、イソシアネート末端ウレタンプレポリマー(A)に関する項目(ポリエステルポリオール以外のポリオール成分)において上述した各化合物、又はそれらのうちの2種以上の組み合わせが挙げられる。この中でも、プレポリマーのNCO当量の調整の観点から、ジエチレングリコールが好ましい。
イソシアネート末端ウレタンプレポリマー(B)に含まれる上記ポリエーテルポリオール以外の高分子量ポリオールとしては、例えば、
ポリカーボネートポリオール;
ポリカプロラクトンポリオール;又はそれらのうちの2種以上の組み合わせ;が挙げられる。
イソシアネート末端ウレタンプレポリマー(B)全体に対する低分子量ポリオールの含有量は、特に限定されないが、1~10重量%が好ましく、2~9重量%がより好ましく、3~8重量%が最も好ましい。
イソシアネート末端ウレタンプレポリマー(B)全体に対する、ポリエーテルポリオール以外の高分子量ポリオールの含有量は、特に限定されないが、0~10重量%が好ましく、0~7重量%がより好ましく、0~5重量%が最も好ましい。または、ポリエーテルポリオール以外の高分子量ポリオールを0重量%(上記分岐鎖を有する低分子量ポリオール以外の低分子量ポリオールを含まない)とすることもできる。
(イソシアネート末端ウレタンプレポリマー(B)に含まれるポリイソシアネート成分)
イソシアネート末端ウレタンプレポリマー(B)に含まれるポリイソシアネート成分としては、項目(イソシアネート末端ウレタンプレポリマー(A)に含まれるポリイソシアネート成分)において上述した各化合物、又はそれらのうちの2種以上の組み合わせが挙げられる。
この中でも、研磨特性の観点から、2,6-トリレンジイソシアネート(2,6-TDI)、2,4-トリレンジイソシアネート(2,4-TDI)等のトリレンジイソシアネートを使用することが好ましい。
イソシアネート末端ウレタンプレポリマー(B)全体に対する、ポリイソシアネート成分の含有量は、特に限定されないが、35~65重量%が好ましく、40~60重量%がより好ましく、45~55重量%が最も好ましい。
イソシアネート末端ウレタンプレポリマー(B)のNCO当量(g/eq)としては、600未満が好ましく、350~550がより好ましく、400~500が最も好ましい。NCO当量(g/eq)が上記数値範囲内であることにより、研磨層が適切な硬度を得ることができ、リバウンド現象の発生を抑制するという効果が得られる。
イソシアネート末端ウレタンプレポリマーにおける、イソシアネート末端ウレタンプレポリマー(A)とイソシアネート末端ウレタンプレポリマー(B)との重量比((A):(B))は、30:70~70:30であり、40:60~65:35が好ましく、50:50~60:40が最も好ましい。イソシアネート末端ウレタンプレポリマー(A)とイソシアネート末端ウレタンプレポリマー(B)との重量比が上記数値範囲内であることにより、硬化性樹脂組成物の硬化反応速度を適度なものとしながら、研磨層の平均気泡径を制御して微細な発泡構造を得ることができる。
(2)硬化剤
硬化性樹脂組成物に含まれる硬化剤としては、例えば、以下に説明するアミン系硬化剤が挙げられる。
アミン系硬化剤を構成するポリアミンとしては、例えば、ジアミンが挙げられ、これには、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ヘキサメチレンジアミンなどのアルキレンジアミン;イソホロンジアミン、ジシクロヘキシルメタン-4,4’-ジアミンなどの脂肪族環を有するジアミン;3,3’-ジクロロ-4,4’-ジアミノジフェニルメタン(別名:メチレンビス-o-クロロアニリン)(以下、MOCAと略記する。)などの芳香族環を有するジアミン;2-ヒドロキシエチルエチレンジアミン、2-ヒドロキシエチルプロピレンジアミン、ジ-2-ヒドロキシエチルエチレンジアミン、ジ-2-ヒドロキシエチルプロピレンジアミン、2-ヒドロキシプロピルエチレンジアミン、ジ-2-ヒドロキシプロピルエチレンジアミン等の水酸基を有するジアミン、特にヒドロキシアルキルアルキレンジアミン;又はこれらのうちの2種以上の組み合わせが挙げられる。また、3官能のトリアミン化合物、4官能以上のポリアミン化合物も使用可能である。
特に好ましいアミン系硬化剤は、上述したMOCAであり、このMOCAの化学構造は、以下のとおりである。
Figure 2023051364000001
硬化剤全体の量は、イソシアネート末端ウレタンプレポリマーのNCOのモル数に対する、硬化剤の活性水素基(NHなど)のモル数の比率(NHのモル数/NCOのモル数)が、好ましくは0.7~1.1、より好ましくは0.75~1.0、最も好ましくは0.8~0.95となる量を用いる。
(3)微小中空球体
いくつかの実施形態において、硬化性樹脂組成物は微小中空球体をさらに含むことができる。
微小中空球体をポリウレタン樹脂に混合することによって発泡体を形成することができる。微小中空球体としては、熱可塑性樹脂からなる外殻(ポリマー殻)と当該外殻に内包される低沸点炭化水素とからなる未発泡の加熱膨張性微小球状体、当該未発泡の加熱膨張性微小球状体を加熱膨張させた球状体、又はそれらの組み合わせが挙げられる。上記ポリマー殻を形成するポリマーとしては、熱可塑性樹脂、例えば、アクリロニトリル-塩化ビニリデン共重合体、アクリロニトリル-メチルメタクリレート共重合体、塩化ビニル-エチレン共重合体、又はこれらのうちの2種以上の組み合わせを用いることができる。また、ポリマー殻に内包される低沸点炭化水素としては、例えば、イソブタン、ペンタン、イソペンタン、石油エーテル、又はこれらのうちの2種以上の組み合わせを用いることができる。
(4)その他の成分
その他に当業界で一般的に使用される触媒などを硬化性樹脂組成物に添加しても良い。
また、上述したポリイソシアネート成分を硬化性樹脂組成物に後から追加で添加することもでき、イソシアネート末端ウレタンプレポリマーと追加のポリイソシアネート成分との合計重量に対する追加のポリイソシアネート成分の重量割合は、0.1~10重量%が好ましく、0.5~8重量%がより好ましく、1~5重量%が特に好ましい。
ポリウレタン樹脂硬化性組成物に追加で添加するポリイソシアネート成分としては、上述のポリイソシアネート成分を特に限定なく使用することができるが、4,4’-メチレン-ビス(シクロヘキシルイソシアネート)(水添MDI)が好ましい。
(5)研磨層
(平均気泡径)
本願のいくつかの実施形態において、研磨層の平均気泡径は、特に限定されないが、5μm以上20μm未満が好ましく、6~19μmがより好ましく、7~18μmが最も好ましい。研磨層の平均気泡径を上記数値範囲内とすることにより、研磨層が微細な発泡構造を有するものとなり、研磨時のスクラッチ(傷)の発生を抑制することができる。
研磨層の平均気泡径は、後述の[実施例]の(評価方法)の(2)発泡構造に記載の測定方法及び条件に基づいて測定することができる。
研磨層の平均気泡径を制御する方法は、特に限定されないが、例えば、硬化性樹脂組成物に、上述の未発泡の加熱膨張性微小球状体を使用して、加熱温度や反応熱を制御することで、所定の平均気泡径とすることができる。
イソシアネート末端プレポリマー及び硬化剤を含む硬化性樹脂組成物を硬化させて研磨層を成形する際に、イソシアネート末端プレポリマーとして、ポリエステルポリオール成分を含むイソシアネート末端プレポリマーを使用した場合の方が、ポリエーテルポリオール成分を含むイソシアネート末端プレポリマーを使用した場合に比べて、エステル基に起因して、硬化時の反応熱が大きくなり、その結果、成形時の発熱が大きくなると考えられる。成形時の発熱が大きいと、未発泡の加熱膨張性微小球状体の膨張が大きくなり、結果として、研磨層の平均気泡径が大きくなり微細な発泡構造が得られなくなることがある。本願のいくつかの実施形態においては、イソシアネート末端ウレタンプレポリマー(A)(ポリエステルポリオール成分を含むイソシアネート末端プレポリマー)とイソシアネート末端ウレタンプレポリマー(B)(ポリエーテルポリオール成分を含むイソシアネート末端プレポリマー)との重量比を30:70~70:30とすることにより、硬化反応速度を適度なものとしながら、研磨層の平均気泡径を制御して微細な発泡構造を得ることができる。
(構造)
本願のいくつかの実施形態において、研磨層は相分離構造を有しないことが好ましい。研磨層が相分離構造を有しないことにより、研磨層全体が均一な物性を得ることができ、被研磨物のリバウンド現象の抑制という効果を発揮する。
本願において、研磨層が相分離構造を有する状態とは、研磨層表面に対して、レーザーマイクロスコープ(VK-X1000、KEYENCE製)を倍率:500倍の条件下で使用して一辺が0.6mmの正方形の領域を観察した場合に、複数の成分が完全には相溶せず、例えば海島構造のように、その一部又は全部が分離している状態を意味する。
本発明のいくつかの実施形態において、イソシアネート末端プレポリマーのイソシアネート成分の重量比を調整して、ポリエステルポリオール成分を含むイソシアネート末端ウレタンプレポリマーとポリエーテルポリオール成分を含むイソシアネート末端ウレタンプレポリマーとを併用し、上記ポリエステルポリオールを分岐鎖を有する低分子量ポリオールに由来する構造単位を含むものとし、かつイソシアネート末端プレポリマーのポリオール成分の数平均分子量を調整することにより、イソシアネート末端プレポリマーと硬化剤との反応性の差を小さくし、研磨層を相分離構造を有しないものとすることができる。
また、併用するイソシアネート末端プレポリマーの溶解度の差を調整することにより、研磨層を相分離構造を有しないものとすることができる。
2.光学材料又は半導体材料の表面を研磨する方法
本願のいくつかの実施形態において、光学材料又は半導体材料の表面を研磨する方法は、上述の研磨パッドを使用して光学材料又は半導体材料の表面を研磨する工程を含む。
本願のいくつかの実施形態において、光学材料又は半導体材料の表面を研磨する方法は、研磨パッドの表面、光学材料若しくは半導体材料の表面、又はそれらの両方にスラリーを供給する工程を更に含むことができる。
(スラリー)
スラリーに含まれる液体成分としては、特に限定されないが、水(純水)、酸、アルカリ、有機溶剤、又はそれらの組み合わせが挙げられ、被研磨物の材質や所望の研磨条件等によって選択される。スラリーは、水(純水)を主成分とすることが好ましく、スラリー全体に対して、水を80重量%以上含むことが好ましい。スラリーに含まれる砥粒成分としては、特に限定されないが、シリカ、珪酸ジルコニウム、酸化セリウム、酸化アルミニウム、酸化マンガン、又はそれらの組み合わせが挙げられる。スラリーは、液体成分に可溶な有機物やpH調整剤等、その他の成分を含有していてもよい。
本発明を以下の例により実験的に説明するが、以下の説明は、本発明の範囲が以下の例に限定して解釈されることを意図するものではない。
(材料)
後述の実施例1~3及び比較例1及び2で使用した材料を以下に列挙する。
・イソシアネート末端ウレタンプレポリマー:
プレポリマー(1)・・・ポリイソシアネート成分として、2,4-トリレンジイソシアネートを含み、高分子量ポリオール成分として、数平均分子量が800であるポリエステルポリオール(アジピン酸とネオペンチルグリコールとの反応物)を含み、低分子量ポリオール成分として、ジエチレングリコールを含む、NCO当量420のウレタンプレポリマー(プレポリマー(1)全体に対して、2,4-トリレンジイソシアネート、数平均分子量が800であるポリエステルポリオール、ポリエステルポリオールを構成するポリオールとは別の低分子量ポリオール(ジエチレングリコール)の含有量は、それぞれ44重量%、50重量%及び6重量%となる。)
プレポリマー(2)・・・ポリイソシアネート成分として、2,4-トリレンジイソシアネートを含み、高分子量ポリオール成分として、数平均分子量が650であるポリテトラメチレンエーテルグリコール及び数平均分子量が850であるポリテトラメチレンエーテルグリコールを含み、低分子量ポリオール成分として、ジエチレングリコールを含む、NCO当量460のウレタンプレポリマー(プレポリマー(2)全体に対して、2,4-トリレンジイソシアネート、数平均分子量が650であるポリテトラメチレンエーテルグリコールと数平均分子量が850であるポリテトラメチレンエーテルグリコールとの合計、及びジエチレングリコールの含有量は、それぞれ38重量%、58重量%、及び4重量%となる。)
プレポリマー(3)・・・ポリイソシアネート成分として、2,4-トリレンジイソシアネートを含み、高分子量ポリオール成分として、数平均分子量が650であるポリテトラメチレンエーテルグリコール及び数平均分子量が850であるポリテトラメチレンエーテルグリコールを含み、低分子量ポリオール成分として、ジエチレングリコールを含む、NCO当量420のウレタンプレポリマー(プレポリマー(3)全体に対して、2,4-トリレンジイソシアネート、数平均分子量が650であるポリテトラメチレンエーテルグリコールと数平均分子量が850であるポリテトラメチレンエーテルグリコールとの合計、及びジエチレングリコールの含有量は、それぞれ42重量%、52重量%、及び6重量%となる。)
プレポリマー(4)・・・ポリイソシアネート成分として、2,4-トリレンジイソシアネートを含み、高分子量ポリオール成分として、数平均分子量が800であるポリエステルポリオール(アジピン酸と1,4-ブタンジオールとの反応物)を含み、低分子量ポリオール成分として、ジエチレングリコールを含む、NCO当量420のウレタンプレポリマー(プレポリマー(4)全体に対して、2,4-トリレンジイソシアネート、数平均分子量が800であるポリエステルポリオール、ポリエステルポリオールを構成するポリオールとは別の低分子量ポリオール(ジエチレングリコール)の含有量は、それぞれ44重量%、50重量%及び6重量%となる。)
・硬化剤:
MOCA・・・3,3’-ジクロロ-4,4’-ジアミノジフェニルメタン(別名:メチレンビス-o-クロロアニリン)(MOCA)(NH当量=133.5)
・微小中空球体:
Expancel461DU20(日本フィライト株式会社製)(未膨張タイプ、未膨張の状態での平均径が6~9μm)
(実施例1)
A成分としてプレポリマー(1)を70.0g及びプレポリマー(2)を30.0g、B成分として、硬化剤であるMOCAを26.8g、C成分として微小中空球体(Expancel461DU20)を3.5g、それぞれ準備した。なお、各成分の比率を示すためにg表示として記載しているが、ブロックの大きさに応じて必要な重量(部)を準備すれば良い。以下同様にg(部)表記で記載する。
A成分とC成分を混合し、得られたA成分とC成分との混合物を減圧脱泡した。また、B成分であるMOCAを減圧脱泡した。脱泡したA成分とC成分との混合物及び脱泡したB成分を混合機に供給し、A成分、B成分、及びC成分の混合液を得た。なお、得られたA成分、B成分、及びC成分の混合液における、A成分のプレポリマー(1)のNCOのモル数とプレポリマー(2)のNCOのモル数との合計に対する、B成分のMOCAのNHのモル数の比率(NHのモル数/NCOのモル数)は0.9である。また、得られたA成分、B成分、及びC成分の混合液における、プレポリマー(1)とプレポリマー(2)との重量比は70:30である。
得られたA成分、B成分、及びC成分の混合液を80℃に加熱した型枠(850mm×850mmの正方形の形状)に注型し、30分間、80℃にて一次硬化させた。形成された樹脂発泡体を型枠から抜き出し、オーブンにて120℃で4時間、二次硬化した。得られた樹脂発泡体を25℃まで放冷した後、再度オーブンにて120℃で5時間加熱した。得られた樹脂発泡体を厚さ方向にわたって1.3mm厚にスライスしてウレタンシートを作成し、このウレタンシートの裏面に両面テープを貼り付け、研磨パッドとした。
(比較例1)
実施例1のA成分のプレポリマー(1)70.0g、B成分のMOCA 26.8g、及びC成分の微小中空球体(Expancel461DU20)3.5gに代えて、プレポリマー(4)70.0g、MOCA 27.5g、及び微小中空球体(Expancel461DU20)3.6gをそれぞれ使用した以外は、実施例1と同様にして、ウレタンシートを作成し、比較例1の研磨パッドを得た。
なお、得られたA成分、B成分、及びC成分の混合液における、A成分のプレポリマー(4)のNCOのモル数とプレポリマー(2)のNCOのモル数との合計に対する、B成分のMOCAのNHのモル数の比率(NHのモル数/NCOのモル数)は0.9である。また、得られたA成分、B成分、及びC成分の混合液における、プレポリマー(4)とプレポリマー(2)との重量比は70:30である。
(比較例2)
実施例1のA成分のプレポリマー(1)70.0g及びプレポリマー(2)30.0g、B成分のMOCA 26.8g、並びにC成分の微小中空球体(Expancel461DU20)3.5gに代えて、A成分としてプレポリマー(3)100.0gのみ、MOCA 28.1g、及び微小中空球体(Expancel461DU20)2.8gをそれぞれ使用した以外は、実施例1と同様にして、ウレタンシートを作成し、比較例2の研磨パッドを得た。
なお、得られたA成分、B成分、及びC成分の混合液における、A成分のプレポリマー(3)のNCOのモル数に対する、B成分のMOCAのNHのモル数の比率(NHのモル数/NCOのモル数)は0.9である。
(評価方法)
実施例1及び比較例1及び2それぞれの研磨パッドについて、以下の(1)被研磨物の端部の平坦性、及び(2)発泡構造の各評価を行った。評価結果を以下の表3~5に示す。
(1)被研磨物の端部の平坦性
各研磨パッドを、研磨装置の所定位置にアクリル系接着剤を有する両面テープを介して設置し、TEOS付シリコンウエハに対して、下記の<研磨条件>に記載の装置・条件を使用して研磨加工を施した。
研磨処理後のTEOS付シリコンウエハを光学式膜厚膜質測定器(KLAテンコール社製、ASET-F5x)のDBSモードにて観察し、研磨レート(単位:Å)を測定した。研磨レートの測定箇所は、TEOS付シリコンウエハの中心、TEOS付シリコンウエハの端部より内側の領域(部分)(被研磨物の中心と被研磨物の最も外側の縁との間の長さに対して2~10%分の長さだけ、被研磨物の外側の縁から中心に向かった範囲の領域(長さ2%の線と長さ10%の線とで囲まれた領域))、及びTEOS付シリコンウエハの端部の領域(部分)(被研磨物の中心と被研磨物の最も外側の縁との間の長さに対して2%分の長さだけ、被研磨物の外側の縁から中心に向かった範囲の領域(長さ2%分の線上の領域(部分))とした。上記端部より内側の領域及び上記端部の領域の研磨の状態を下記の<評価基準>に基づいて評価した。結果を表3及び5に示す。
<研磨条件>
研磨機 :F-REX300X(荏原製作所社製)
Disk :A188(3M社製)
リテーナリング :リテーナリングGXKD(荏原製作所社製)
回転数 :(定盤)90rpm、(研磨ヘッド)81rpm
研磨圧力 :3.5psi
研磨剤温度 :20℃
研磨剤吐出量 :200ml/min
研磨剤 :PL6115(フジミインコーポレイテッド社製)
被研磨物 :TEOS(Tetra Ethyl Ortho Silicate)付きシリコンウエハ(直径300mmの円盤状)
研磨時間 :60秒
パッドブレーク :32N 20分
コンディショニング:in-situ 18N 16スキャン、Ex-situ 32N 4スキャン
Figure 2023051364000002
(2)発泡構造
各研磨パッドの研磨層(ウレタンシート)において、1辺が0.6mmの正方形の領域を研磨層の表面全体から偏りなく9個選定し、各領域についてレーザーマイクロスコープ(VK-X1000、KEYENCE製)を使用して400倍に拡大して画像を撮影した。得られた9つの画像を画像処理ソフト(WinROOF2018 Ver4.0.2、三谷商事製)により二値化処理した後、二値化処理後の9つの画像における開孔を確認し、開孔面積に基づいて、100μm以上の過剰に膨張した中空部分の有無と、微小中空球体の膨張により発生した中空部分の平均径とを求めた。なお、開孔の径のカットオフ値(下限)を5μmとし、ノイズ成分を除外した。また、気泡の平均径はレーザーマイクロスコープ画像において確認できる開孔の直径の平均値を示す。結果を表4及び5に示す。そして、中空部分について、下記の<評価基準>に基づいて評価した。
また、上記の二値化処理前の画像を、図2~4(それぞれ実施例1、比較例1、比較例2に対応)に示す。
Figure 2023051364000003
Figure 2023051364000004
Figure 2023051364000005
Figure 2023051364000006
実施例1は、イソシアネート末端ウレタンプレポリマーにおける、ポリエステルポリオールを含むイソシアネート末端ウレタンプレポリマー(1)とポリエーテルポリオールを含むイソシアネート末端ウレタンプレポリマー(2)との重量比が30:70~70:30であり、前記ポリエステルポリオールが、分岐鎖を有する低分子量ポリオールに由来する構造単位を含む、研磨パッドに関する。比較例1は、イソシアネート末端ウレタンプレポリマーとして、ポリエステルポリオールを含むイソシアネート末端ウレタンプレポリマー(4)と上記イソシアネート末端プレポリマー(2)との重量比が70:30であり、前記ポリエステルポリオールが、分岐鎖を有しない1,4-ブタンジオールを含む、研磨パッドに関する。比較例2は、イソシアネート末端ウレタンプレポリマーとして、上記ポリエーテルポリオールを含むイソシアネート末端ウレタンプレポリマー(3)のみを含む、研磨パッドに関する。
表3及び5の結果より、実施例1の研磨パッドは、被研磨物の端部の内側の領域の過研磨を抑制でき(リバウンド現象を抑制でき)、研磨後の被研磨物の端部の平坦性に優れることがわかった。また、これらの研磨パッドは、被研磨物の端部の領域の過研磨も抑制できることがわかった。
一方、比較例1及び2の研磨パッドは、被研磨物の端部の内側の領域の過研磨が発生しており、研磨後の被研磨物の端部の平坦性に劣ることがわかった。また、これらの研磨パッドは、被研磨物の端部の領域の過研磨も発生していた。
また、表4及び5の結果より、実施例1及び比較例2の研磨パッドは、中空部分の平均径が小さく、微細な発泡構造が得られることがわかった。このように研磨層における中空部分の平均径を小さくして微細な発泡構造とすることにより、研磨時のスクラッチの発生を抑制することができる。
一方、比較例1の研磨パッドは、過剰に膨張した微小中空球体が存在し、微細な発泡構造が得られていないことがわかった。
さらに、上述の項目(構造)に記載の相分離構造の有無の基準に沿って、評価を行ったところ、実施例1及び比較例2の研磨パッドは相分離構造を有さず、一方、比較例1の研磨パッドは相分離構造を有することがわかった。
以上より、イソシアネート末端ウレタンプレポリマーにおける、ポリエステルポリオールを含むイソシアネート末端ウレタンプレポリマー(A)とポリエーテルポリオールを含むイソシアネート末端ウレタンプレポリマー(B)との重量比が30:70~70:30であり、上記ポリエステルポリオールが、分岐鎖を有する低分子量ポリオールに由来する構造単位を含む、研磨パッドは、被研磨物のリバウンド現象を抑制でき、研磨後の被研磨物の端部の平坦性に優れることがわかった。また、このような研磨パッドは、中空部分の平均径が小さく、微細な発泡構造が得られ、研磨時のスクラッチの発生を抑制できることがわかった。

Claims (11)

  1. ポリウレタン樹脂を含む研磨層を有する研磨パッドであって、
    前記ポリウレタン樹脂が、イソシアネート末端ウレタンプレポリマー及び硬化剤を含む硬化性樹脂組成物の硬化物であり、
    前記イソシアネート末端ウレタンプレポリマーが、イソシアネート末端ウレタンプレポリマー(A)及びイソシアネート末端ウレタンプレポリマー(B)を含み、
    前記イソシアネート末端ウレタンプレポリマー(A)が、ポリエステルポリオールを含むポリオール成分とポリイソシアネート成分との反応生成物であり、前記ポリエステルポリオールが、分岐鎖を有する低分子量ポリオールに由来する構造単位を含み、
    前記イソシアネート末端ウレタンプレポリマー(B)が、ポリエーテルポリオールを含むポリオール成分とポリイソシアネート成分との反応生成物であり、
    前記イソシアネート末端ウレタンプレポリマーにおける、前記イソシアネート末端ウレタンプレポリマー(A)と前記イソシアネート末端ウレタンプレポリマー(B)との重量比((A):(B))が30:70~70:30である、前記研磨パッド。
  2. 前記分岐鎖を有する低分子量ポリオールがネオペンチルグリコールを含む、請求項1に記載の研磨パッド。
  3. 前記イソシアネート末端ウレタンプレポリマー(A)における前記ポリエステルポリオールの数平均分子量が1000未満である、請求項1又は2に記載の研磨パッド。
  4. 前記硬化性樹脂組成物が微小中空球体をさらに含む、請求項1~3のいずれか1つに記載の研磨パッド。
  5. 前記研磨層の平均気泡径が5μm以上20μm未満である、請求項1~4のいずれか1つに記載の研磨パッド。
  6. 前記研磨層が相分離構造を有しない、請求項1~5のいずれか1つに記載の研磨パッド。
  7. 前記硬化剤が3,3’-ジクロロ-4,4’-ジアミノジフェニルメタンを含む、請求項1~6のいずれか1つに記載の研磨パッド。
  8. 前記イソシアネート末端ウレタンプレポリマー(A)における前記ポリイソシアネート成分が、トリレンジイソシアネートを含む、請求項1~7のいずれか1つに記載の研磨パッド。
  9. 前記イソシアネート末端ウレタンプレポリマー(B)における前記ポリイソシアネート成分が、トリレンジイソシアネートを含む、請求項1~8のいずれか1つに記載の研磨パッド。
  10. 請求項1~9のいずれか1つに記載の研磨パッドの製造方法であって、前記研磨層を成形する工程を含む、前記方法。
  11. 光学材料又は半導体材料の表面を研磨する方法であって、請求項1~9のいずれか1つに記載の研磨パッドを使用して光学材料又は半導体材料の表面を研磨する工程を含む、前記方法。
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