JP2019155507A - 研磨パッド、研磨パッドの製造方法、被研磨物の表面を研磨する方法、被研磨物の表面を研磨する際のスクラッチを低減する方法 - Google Patents

研磨パッド、研磨パッドの製造方法、被研磨物の表面を研磨する方法、被研磨物の表面を研磨する際のスクラッチを低減する方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ドレス性に優れ、研磨レートを維持しつつ、スクラッチ抑制に優れた研磨パッドを提供すること。【解決手段】 樹脂及び第一の粒子を含む研磨層を有する研磨パッドであって、前記第一の粒子の平均粒子径D50が1.0〜5.0μm未満であり、研磨層全体に対する前記第一の粒子の含有量が6.0〜18.0体積%であり、前記第一の粒子のモース硬度が、被研磨物のモース硬度未満である、前記研磨パッド。【選択図】なし

Description

本発明は、光学材料、半導体ウエハ、ハードディスク基板、液晶用ガラス基板、半導体デバイスなどの高度の表面平坦性を要求される材料の研磨を行うための研磨パッド、研磨パッドの製造方法、被研磨物の表面を研磨する方法、及び被研磨物の表面を研磨する際のスクラッチを低減する方法に関する。本発明は、特にガラス基板を研磨するのに好適に用いられる。
光学材料、半導体ウエハ、ハードディスク基板、液晶用ガラス基板、半導体デバイスなどは非常に精密な平坦性が要求されるため、研磨パッドを使用した研磨加工が行われている。
研磨パッドにおいて、研磨効率を向上させるためには研磨レートが高いことが望ましいが、高い研磨レートを得るために硬質の研磨パッドを用いると、被研磨物の表面にスクラッチ(研磨傷)が発生してしまうことがあるため、これらの特性を両立させるために研磨パッドの硬度、組成などを被研磨物に合わせて調整する必要がある。
また、研磨パッドを一定期間使用すると研磨パッドの表面が平滑化して研磨レートが低下したり、また、研磨パッドの表面に目詰まりが生じることがある。このような目詰まりを解消するために、研磨パッドの研磨面にドレス(目立て)処理を施す必要がある。そのため、研磨パッドには脆性の向上による、自己崩壊性の高さやドレス処理の施し易さ(ドレス性の高さ)も要求される。
従来の研磨パッドにおいては、研磨レートなどの性能に優れた研磨パッドを得るために、研磨パッドを構成する研磨層に粒子を含有させる試みがなされている。
このような従来の研磨パッドとして、例えば、特許文献1には、樹脂発泡体を有する研磨パッドにおいて、樹脂発泡体が全体の100重量%に対して5重量%以上19重量%以下の割合を占める微粒子を含有することを特徴とする研磨パッドが開示されている。
特許文献2には、平均粒径が5μm以下である研磨粒子、及び平均粒径が5μm以上であり、かつモース硬度が3以下である非研磨粒子を含有するゴムからなる研磨パッドが開示されている。
特許文献3には、アルカリ土類金属の炭酸塩、フッ化物、水酸化物、もしくは硫酸塩の1種以上である無機微粒子がポリビニルブチラール樹脂で結合されてなる研磨パッドが開示されている。
特許文献4には、金属硫酸塩、金属硝酸塩、金属アンモニウム塩、金属ハロゲン化物、金属過塩素酸塩、金属硅酸塩、金属硼酸塩、金属燐酸塩、金属亜砒酸塩のうちの少なくとも一種の無機充填材を添加混練し均一に分散させてなる研磨布が開示されている。
特開2016−190273号公報 特開2002−261054号公報 特許第3819750号公報 特許第3440665号公報
特許文献1又は2の研磨パッドにおいて添加されている微粒子又は研磨粒子は、シリカ(モース硬度7程度)、珪酸ジルコニウム(モース硬度7〜8程度)、酸化セリウム(モース硬度6程度)など、いずれもモース硬度が5超過の砥粒として機能するものであることが前提とされている。本発明者らが検討したところ、このような高硬度の粒子を添加した研磨パッドでは、砥粒成分の含有と脆性向上により研磨レートの改善はできても、砥粒成分に起因したスクラッチが発生してしまうことがわかった。
特許文献3の研磨パッドにおいては、平均粒径0.5μmの無機微粒子を20重量%含有させることなどが実際に行われている。本発明者らが検討したところ、このように平均粒径が小さい無機微粒子を添加した研磨パッドでは、スクラッチの改善はできても、十分な研磨レートが得られないことがわかった。
特許文献4の研磨布においては、平均粒径1μmの無機充填材を20vol%含有させることなどが実際に行われている。本発明者らが検討したところ、このように無機充填材の含有量が多い研磨パッドでは、十分な研磨レートが得られるものの、スクラッチが発生してしまうことがわかった。
上記のように、ドレス性に優れ、研磨レートを維持しつつ、スクラッチの発生を抑制できる研磨パッドの開発が望まれていた。
そこで、本発明者らが鋭意検討した結果、特定のモース硬度及び平均粒子径の第一の粒子を特定の含有量で添加して脆性を向上させ、特定のモース硬度の第二の粒子の添加を排除することにより、ドレス性に優れ、研磨レートを維持しつつ、スクラッチの発生を抑制できる本発明を完成した。
即ち、本発明は以下のものを提供する。
[1]
樹脂及び第一の粒子を含む研磨層を有する研磨パッドであって、
前記第一の粒子の平均粒子径D50が1.0〜5.0μmであり、
前記研磨層全体に対する前記第一の粒子の含有量が6.0〜18.0体積%であり、
前記第一の粒子のモース硬度が、被研磨物のモース硬度未満である、
前記研磨パッド。
[2]
前記第一の粒子が炭酸カルシウムの粒子である、[1]に記載の研磨パッド。
[3]
被研磨物のモース硬度に対する前記第一の粒子のモース硬度の割合が40〜90%である、[1]又は[2]に記載の研磨パッド。
[4]
前記研磨層に含まれる前記樹脂がウレア結合を有する、[1]〜[3]のいずれかに記載の研磨パッド。
[5]
前記被研磨物がガラスである、[1]〜[4]のいずれかに記載の研磨パッド。
[6]
[1]〜[5]のいずれかに記載の研磨パッドの製造方法であって、
前記研磨層を成形する工程を含む、前記方法。
[7]
被研磨物の表面を研磨する方法であって、[1]〜[5]のいずれかに記載の研磨パッド及び研磨スラリーを使用することを特徴とする、前記方法。
[8]
[1]〜[5]のいずれかに記載の研磨パッドを使用して被研磨物の表面を研磨する際のスクラッチを低減する方法。
本発明の研磨パッドにおいては、ドレス性に優れ、研磨レートを維持しつつ、スクラッチの発生を抑制することができる。
(作用)
本発明の研磨パッドにおいて、研磨パッド中の第一の粒子が被研磨物より軟質であるため、被研磨物におけるスクラッチの発生を抑制することができると推察される。
また、本発明の研磨パッドにおいては、研磨スラリーと併用して研磨を行っている際に、研磨パッド中の第一の粒子と樹脂成分との境界面が切っ掛けとなって研磨パッドの研磨面が自己崩壊し、研磨パッドの表面に凹部が形成されると推察される。研磨パッド中の第一の粒子は被研磨物より軟質であるためそれ自体は砥粒としての性能は低いが、研磨パッドの表面に形成された凹部が、研磨スラリー中の液体成分や砥粒成分を捕捉することで、研磨作用が円滑に進行するので、被研磨物におけるスクラッチの発生を抑制しつつ、研磨面の鏡面化を防止して研磨レートを維持することができるものと推察される。
さらに、従来の粒子を添加した研磨パッドにおいては、製造時の利便性を考慮して粒子の含有量を質量%で比較をすることが多かったが、樹脂成分と粒子成分との境界面が切っ掛けとなって研磨パッドの研磨面が崩壊しやすくなると推察されるため、本発明者らは、粒子の含有量として体積%を用いた方が脆性を直接的に評価できると考察した。
その結果、本発明では、ドレス性に優れ、研磨レートを維持しつつ、スクラッチの発生を抑制することができる。
(研磨パッド)
以下、本発明の研磨パッドについて、説明する。
本発明の研磨パッドは、樹脂及び第一の粒子を含む研磨層を有する。
第一の粒子の平均粒子径D50(メディアン径)は、1.0〜5.0μmであり、1.0〜4.0μmが好ましく、1.0〜3.0μmがより好ましく、1.5〜2.5μmが特に好ましい。第一の粒子の平均粒子径D50が1.0μm以上であることで、粒子が切っ掛けとなって研磨層が崩壊しやすくなり、ドレス性が向上する。また、研磨中においては、自己崩壊性により生じた凹部が、スラリーを捕捉することで研磨レートを向上させる。平均粒子径D50が1.0μm未満であると、生じる凹部が細かすぎてスラリー成分を捕捉しづらくなる。一方、平均粒子径D50が5.0μmを超えると、研磨中に生じる凹部が大きすぎて、研磨屑(スラッジ)も捕捉してしまうため、スクラッチの原因となる。また、平均粒子径D50が5.0μmを超えると、粒子が軟質であっても、研磨面上で粒子が突出した箇所がスクラッチの原因となる場合がある。また、第一の粒子の含有量(体積%)が同じであっても、平均粒子径D50が5.0μmを超えると、樹脂と粒子との境界面積が小さくなるため、樹脂の脆性が低下する傾向にある。平均粒子径D50は、例えば、レーザー回折散乱粒度分布測定装置(マイクロトラック・ベル社製、MT3300)を用いて、レーザー回折法により測定することができる。
研磨層全体に対する第一の粒子の含有量は、6.0〜18.0体積%であり、8.0〜16.0体積%が好ましく、9.0〜15.0体積%がより好ましく、10.0〜14.0体積%が特に好ましい。第一の粒子の含有量が6.0体積%以上であることで、粒子が切っ掛けとなって研磨層が崩壊しやすくなり、ドレス性が向上する。また、研磨中においては、自己崩壊性により生じた凹部が、スラリーを捕捉することで研磨レートを向上させる。第一の粒子の含有量が6.0体積%未満であると、脆性の向上効果が小さくなるため、研磨レートが不充分となる。一方、第一の粒子の含有量が18.0体積%を超えると、研磨中に生じる複数の凹部が連結したり、脆性が高くなりすぎて研磨層樹脂が塊状に脱落して、大きな凹部が形成される場合がある。このような大きな凹部は、研磨屑(スラッジ)も捕捉してしまうため、スクラッチの原因となる。
本発明において、研磨層全体に対する粒子(第一の粒子、第二の粒子など)の含有量(体積%)は、研磨層に含まれる粒子及び樹脂の成分に着目して、以下の式(I)に基づいて算出することができる。なお、以下の式(I)において、研磨層に含まれる粒子として、第一の粒子、第二の粒子、その他の粒子などをそれぞれ選定し、それぞれの粒子の含有量(体積%)を算出することができる。
研磨層全体に対する粒子の含有量(体積%)
=(A/D)/{A/D+(100−A)/D} × 100 ・・・(I)
A:研磨層を構成する成分の合計に対する粒子の含有量(重量%)
:粒子の比重
:研磨層に含まれる樹脂の比重
第一の粒子のモース硬度は、被研磨物のモース硬度未満であり、また、被研磨物のモース硬度の40〜90%が好ましく、50〜80%がより好ましく、50〜70%が特に好ましい。第一の粒子が被研磨物よりも軟質であることにより、被研磨物へのスクラッチを防止できる。第一の粒子のモース硬度が被研磨物のモース硬度以上であると、被研磨物のスクラッチの原因となる。
また、第一の粒子のモース硬度は、1〜6が好ましく、2〜5がより好ましく、2〜4が特に好ましい。第一の粒子のモース硬度が上記範囲内であると、より確実にスクラッチを抑制できる傾向にある。
第一の粒子の比重は、4.0以下が好ましく、3.5以下がより好ましく、3.0以下が特に好ましい。比重が4.0を超える第一の粒子を6.0体積%以上含有させる場合、研磨層樹脂との比重差が大きい粒子を多量に含有させるために均一な分散が困難になり、凝集したり分離しやすくなる結果、粒子の凝集塊が形成され、平均粒子径D50が5.0μmを超える粒子と同様に機能することでスクラッチが増加する場合がある。
第一の粒子の構成する成分としては、特に限定されず、本発明の範囲内で公知の粒子を使用できる。例えば、硫酸バリウム、炭酸マグネシウム、硫酸カルシウム、フッ化カルシウム、マイカ、樹脂ビーズ等が挙げられる。第一の粒子の構成する成分は単一の種類を使用してもよく、複数の種類を併用してもよい。中でも、入手容易性及び比重を考慮すると、炭酸カルシウムを単独で使用することが好ましい。
半導体基板等の化学機械研磨では一般的に、スラリー中の液体成分が化学的研磨、砥粒成分が機械的研磨に作用することに対し、ガラス研磨では酸化セリウムに代表される砥粒成分が機械的のみならず化学的にも研磨に寄与する。このような研磨条件下で従来の研磨パッドを使用すると、研磨中に砥粒成分がガラス表面に固着する場合があるため、研磨後には充分な洗浄工程を経る必要がある。一方、本発明の研磨パッドは、化学的作用等に因って被研磨物の表面に砥粒成分等が固着した場合でも、本発明の研磨パッドに含まれる第一の粒子成分は被研磨物に対する研磨能力が低いため、スクラッチ等を伴わずに固着した異物を除去することができる。また、第一の粒子は被研磨物に対して化学的研磨性能を有していないことが好ましく、この点からも炭酸カルシウムを単独で使用することが好ましい。研磨スラリー中の砥粒成分がガラス表面の化学機械研磨に作用する一方、研磨層中の第一の粒子は被研磨物の表面状態に影響を与えずに異物のみを除去することができるため、研磨精度を維持しながらも洗浄工程の負担を軽減することができる。
本発明の研磨パッドは、スクラッチ抑制の観点から、研磨層が、被研磨物のモース硬度以上であるモース硬度を有する第二の粒子を含まないことが好ましい。本発明において、研磨層が第二の粒子を含まないとは研磨層を形成するに当たって第二の粒子を意図的に添加しないことを意味する。したがって、第二の粒子が各原料成分に不純物として含まれているなどの事情により、研磨層の製造時に不可避的に混入してしまった場合であっても、研磨層が第二の粒子を含まないということになる。具体的には、研磨層全体に対する第二の粒子の含有量は、5体積%未満が好ましく、3体積%未満がより好ましく、1体積%未満が特に好ましい。
本発明において、研磨層全体に対する第二の粒子の含有量(体積%)は、上述の式(I)に基づいて算出することができる。
研磨パッドによる研磨の対象となる被研磨物の種類は特に限定されず、ガラス、シリコンウェハ、金属等を使用することができる。特に、被研磨物がガラスである場合、モース硬度が5程度と比較的軟質であるためスクラッチ抑制が困難となりやすい。そのため、被研磨物をガラスとし、本発明の研磨パッドを使用すると、前述の通り、研磨後の洗浄工程の負担が軽減できる点で本発明の利点がより大きくなるため、被研磨物としてはガラスが好ましい。
被研磨物のモース硬度は、3〜7が好ましく、4〜6がより好ましい。
研磨層に含まれる樹脂は特に限定されないが、ポリウレタン樹脂、ポリウレア樹脂、ポリウレタンポリウレア樹脂、エポキシ樹脂、その他公知の樹脂が使用できる。その中でも、樹脂がウレア結合を有していると樹脂の伸度が低下する傾向にあるため、研磨面の平滑化を防止してドレス性が向上する結果、研磨レートが向上する観点から、ポリウレア樹脂又はポリウレタンポリウレア樹脂を主成分としたものが好ましい。
研磨層は、発泡体、無発泡体のいずれも使用することができるが、被研磨物がガラスなどの単一の材料から構成されるものである場合は、被研磨面への追従性が良好となり、研磨レートが向上する観点からは発泡体が好ましい。一方、被研磨物が半導体装置における配線基板など、非研磨面が複数の材料から構成されるものである場合は、比較的軟質な箇所が過剰研磨されることを防止する観点からは無発泡体が好ましい。
本発明の研磨パッドは、樹脂からなる研磨層を有する。研磨層は被研磨材料に直接接する位置に配置され、研磨パッドのその他の部分は、研磨パッドを支持するための材料、例えば、ゴムなどの弾性に富む材料で構成されてもよい。研磨パッドの剛性によっては、研磨パッド全体を1つの研磨層とすることができる。
本発明の研磨パッドは、特定の粒子を研磨層に含有していることを除けば、一般的な研磨パッドと形状に大きな差異は無く、一般的な研磨パッドと同様に使用することができ、例えば、研磨パッドを回転させながら研磨層を被研磨材料に押し当てて研磨することもできるし、被研磨材料を回転させながら研磨層に押し当てて研磨することもできる。
(研磨スラリー)
本発明の被研磨物の表面を研磨する方法においては、研磨パッドに含まれる第一の粒子自体は砥粒としての機能性が低いため、研磨パッドと共に使用する研磨スラリーに砥粒成分が含まれていることが好ましい。研磨スラリーに含まれる液体成分としては、特に限定されないが、水、酸、アルカリ、有機溶剤等が挙げられ、被研磨物の材質や所望の研磨条件等によって選択されるが、被研磨物がガラスである場合は、不純物の混入防止やpHの安定性の観点からイオン交換水または純水が好ましい。研磨スラリーに含まれる砥粒成分としては、特に限定されないが、シリカ、珪酸ジルコニウム、酸化セリウム、酸化アルミニウム、酸化マンガン等が挙げられ、研磨効率の観点から酸化セリウムが好ましい。研磨スラリーは、液体成分に可溶な有機物やpH調整剤等、その他の成分を含有していてもよい。
(研磨パッドの製造方法)
本発明の研磨パッドは、一般に知られたモールド成形、スラブ成形等の製造法より作成できる。樹脂としてポリウレタンポリウレア樹脂を使用する場合、まずは、それら製造法によりポリウレタンポリウレアのブロックを形成し、ブロックをスライス等によりシート状とし、ポリウレタンポリウレア樹脂から形成される研磨層を成形し、支持体などに貼り合わせることによって製造される。あるいは支持体上に直接研磨層を成形することもできる。
より具体的には、研磨層は、研磨層の研磨面とは反対の面側に研磨装置への固定手段が取り付けられ、所定形状にカットされて、本発明の研磨パッドとなる。研磨装置への固定手段に特に制限はなく、当技術分野において公知の両面テープや基材の無いノンサポートテープ、接着剤、面ファスナーなど公知の固定手段の中から任意に選択して使用することが出来る。また、本発明の研磨パッドは、研磨層のみからなる単層構造であってもよく、研磨層の研磨面とは反対の面側に他の層(下層、支持層)を貼り合わせた複層または多層からなっていてもよい。
ポリウレタンポリウレア樹脂を研磨層に用いる場合、研磨層は、ウレタン結合含有イソシアネート化合物及びポリアミン化合物を含むポリウレタンポリウレア樹脂硬化性組成物を調製し、前記ポリウレタンポリウレア樹脂硬化性組成物を硬化させることによって成形される。
研磨層は発泡ポリウレタンポリウレア樹脂から構成することができるが、発泡は水や微小中空球体などの発泡剤をポリウレタンポリウレア樹脂中に分散させて形成することができ、この場合、ウレタン結合含有イソシアネート化合物、アミン系硬化剤及び発泡剤を含むポリウレタンポリウレア樹脂発泡硬化性組成物を調製し、ポリウレタンポリウレア樹脂発泡硬化性組成物を硬化させることによって成形される。
ポリウレタンポリウレア樹脂硬化性組成物は、例えば、ウレタン結合含有イソシアネート化合物を含むA液と、それ以外のアミン系硬化剤成分を含むB液とを混合して調製する2液型の組成物とすることもできる。それ以外の成分を含むB液はさらに複数の液に分割して3液以上の液を混合して構成される組成物とすることができる。
ここで、ウレタン結合含有イソシアネート化合物は、当業界でよく用いられるような、以下のポリイソシアネート成分とポリオール成分との反応により調製されるウレタンプレポリマーをいう。ウレタンプレポリマーは未反応のイソシアネート基を含む当業界で一般に使用されているものが本発明においても使用できる。
(ポリイソシアネート成分)
ポリイソシアネート成分としては、例えば、
m−フェニレンジイソシアネート、
p−フェニレンジイソシアネート、
2,6−トリレンジイソシアネート(2,6−TDI)、
2,4−トリレンジイソシアネート(2,4−TDI)、
ナフタレン−1,4−ジイソシアネート、
ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート(MDI)、
4,4’−メチレン−ビス(シクロヘキシルイソシアネート)(水添MDI)、
3,3’−ジメトキシ−4,4’−ビフェニルジイソシアネート、
3,3’−ジメチルジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、
キシリレン−1,4−ジイソシアネート、
4,4’−ジフェニルプロパンジイソシアネート、
トリメチレンジイソシアネート、
ヘキサメチレンジイソシアネート、
プロピレン−1,2−ジイソシアネート、
ブチレン−1,2−ジイソシアネート、
シクロヘキシレン−1,2−ジイソシアネート、
シクロヘキシレン−1,4−ジイソシアネート、
p−フェニレンジイソチオシアネート、
キシリレン−1,4−ジイソチオシアネート、
エチリジンジイソチオシアネート
等が挙げられる。
(ポリオール成分)
ポリオール成分としては、例えば、
エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオールなどのジオール;
ポリテトラメチレングリコール(PTMG)、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールなどのポリエーテルポリオール;
エチレングリコールとアジピン酸との反応物やブチレングリコールとアジピン酸との反応物等のポリエステルポリオール;
ポリカーボネートポリオール;
ポリカプロラクトンポリオール;
等が挙げられる。
(アミン系硬化剤)
本発明では、例えば、以下に説明するアミン系硬化剤を例示できる。
アミン系硬化剤としては、例えば、ジアミンなどのポリアミンが挙げられ、これには、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ヘキサメチレンジアミンなどのアルキレンジアミン;イソホロンジアミン、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジアミンなどの脂肪族環を有するジアミン;3,3’−ジクロロ−4,4’−ジアミノジフェニルメタン(別名:メチレンビス−o−クロロアニリン)(以下、MOCAと略記する。)などの芳香族環を有するジアミン;2−ヒドロキシエチルエチレンジアミン、2−ヒドロキシエチルプロピレンジアミン、ジ−2−ヒドロキシエチルエチレンジアミン、ジ−2−ヒドロキシエチルプロピレンジアミン、2−ヒドロキシプロピルエチレンジアミン、ジ−2−ヒドロキシプロピルエチレンジアミン等の水酸基を有するジアミン、特にヒドロキシアルキルアルキレンジアミン;等が挙げられる。また、3官能のトリアミン化合物、4官能以上のポリアミン化合物も使用可能である。
特に好ましい硬化剤は、前述したMOCAであり、このMOCAの化学構造は、以下のとおりである。
Figure 2019155507
(硬化剤の使用量)
硬化剤としてアミン系硬化剤を使用した場合、ウレタン結合含有イソシアネート化合物のイソシアネート基に対する、硬化剤に存在する活性水素基(水酸基やアミノ基)の当量比(活性水素基のモル数/イソシアネート基のモル数)が、好ましくは0.6〜1.2であり、より好ましくは0.65〜1.0であり、さらに好ましくは0.70〜0.95である。
(発泡剤)
水、微小中空球体などの発泡剤を樹脂に混合することによって発泡体を形成することができる。微小中空球体とは、熱可塑性樹脂からなる外殻(ポリマー殻)と、外殻に内包される低沸点炭化水素とからなる未発泡の加熱膨張性微小球状体を、加熱膨張させたものをいう。前記ポリマー殻としては、例えば、アクリロニトリル−塩化ビニリデン共重合体、アクリロニトリル−メチルメタクリレート共重合体、塩化ビニル−エチレン共重合体などの熱可塑性樹脂を用いることができる。同様に、ポリマー殻に内包される低沸点炭化水素としては、例えば、イソブタン、ペンタン、イソペンタン、石油エーテル等を用いることができる。
(その他の成分)
その他に当業界で一般的に使用される整泡剤や触媒などの添加剤を樹脂硬化性組成物に添加しても良い。
本発明を以下の例により実験的に説明するが、以下の説明は、本発明の範囲が以下の例に限定して解釈されることを意図するものではない。
(材料)
以下の例で使用した材料を列挙する。
・ウレタンプレポリマー:
2,4−トルエンジイソシアネートを主成分とするNCO当量405のウレタンプレポリマー
・アミン系硬化剤:
MOCA混合物・・・3,3’−ジクロロ−4,4’−ジアミノジフェニルメタン(別名:メチレンビス−o−クロロアニリン)(MOCA)とポリテトラメチレンエーテルグリコールとの混合物(MOCA:ポリテトラメチレンエーテルグリコールの重量比 3:1)
・発泡剤:
イオン交換水
・粒子:
炭酸カルシウム(日東粉化社製、平均粒子径D50 2.0μm、モース硬度 3)
炭酸カルシウム(白石カルシウム社製、平均粒子径D50 8.0μm、モース硬度 3)
酸化セリウム(昭和電工社製、平均粒子径D50 1.1μm、モース硬度 6)
(実施例1)
A成分に2,4−トルエンジイソシアネートを主成分とするNCO当量405のウレタンプレポリマーを59.55部、B成分に硬化剤であるMOCA混合物(NH当量=133.5)を18.00部、C成分にイオン交換水を0.13部、数平均分子量3000で3官能のポリプロピレングリコールを2.06部、触媒(トヨキャットET、東ソー株式会社製)を0.05部、及びシリコーン系界面活性剤(SH−193、東レ・ダウコーニング社製)を0.21部、D成分に炭酸カルシウム(日東粉化社製、平均粒子径D50 2.0μm、モース硬度 3)を20部、それぞれ準備した。なお、A成分のプレポリマーのNCOのモル数に対する、B成分のアミン系硬化剤のNHのモル数の比率(NHのモル数/NCOのモル数)が0.9であり、A成分、B成分、C成分及びD成分の合計に対するD成分の含有量(重量%)は20重量%である。ここでは、比率を示すため、(重量)部として記載している。以下同様に部表記で記載する。
B成分とD成分、及びC成分をそれぞれ撹拌・混合し、B成分とD成分との混合物、及び混合したC成分を得た。A成分、及びB成分とD成分との混合物をそれぞれ減圧脱泡した後、A成分、B成分とD成分との混合物、及び混合したC成分を混合機に供給し、A成分、B成分、C成分、及びD成分の混合液を得た。なお、A成分とB成分とから形成されたウレタン樹脂及びD成分の炭酸カルシウムの比重をそれぞれ1.2及び2.7として、上述の式(I)に基づいて、研磨層全体に対するD成分の体積%を算出すると、10.0体積%となる。
得られた混合液を70℃に加熱した型枠(1050mm×1050mmの正方形)に、密度が約0.55g/cmとなるように注型し、15分加熱し硬化させた後、形成された樹脂発泡体を型枠から抜き出し、その後120℃で6時間キュアリングした。この発泡体を2.0mm厚にスライスしてポリウレタンポリウレア樹脂シートを作成し、これを研磨層とした研磨パッドを得た。
(実施例2)
実施例1のD成分の重量(部)を14.12部とし、A成分、B成分、C成分及びD成分の合計に対するD成分の含有量(重量%)が15重量%となるように調整した以外は実施例1と同様にしてD成分を準備した。A成分、B成分及びC成分は実施例1と同様とした。
以降、実施例1と同様にしてポリウレタンポリウレア樹脂シートを作成し、これを研磨層とした研磨パッドを得た。なお、実施例1と同様に、上述の式(I)に基づいて、研磨層全体に対するD成分の体積%を算出すると、7.3体積%となる。
(実施例3)
実施例1のD成分の重量(部)を26.67部とし、A成分、B成分、C成分及びD成分の合計に対するD成分の含有量(重量%)が25重量%となるように調整した以外は実施例1と同様にしてD成分を準備した。A成分、B成分及びC成分は実施例1と同様とした。
以降、実施例1と同様にしてポリウレタンポリウレア樹脂シートを作成し、これを研磨層とした研磨パッドを得た。なお、実施例1と同様に、上述の式(I)に基づいて、研磨層全体に対するに対するD成分の体積%を算出すると、12.9体積%となる。
(比較例1)
実施例1のD成分で用いた粒子に代えて、酸化セリウム(昭和電工社製、平均粒子径D50 1.1μm、モース硬度 6)を20部準備した。A成分、B成分及びC成分は実施例1と同様とした。なお、A成分、B成分、C成分及びD成分の合計に対するD成分の含有量(重量%)は20重量%である。
以降、実施例1と同様にしてポリウレタンポリウレア樹脂シートを作成し、これを研磨層とした研磨パッドを得た。なお、D成分の酸化セリウムの比重を6.2(酸化セリウム単体の比重は7.2であるが、比較例で使用したものは酸化ランタン等の分離が困難な他の成分を含んでいるため比重が6.2となっている)として、実施例1と同様に、上述の式(I)に基づいて、研磨層全体に対するD成分の体積%を算出すると、4.6体積%となる。
(比較例2)
比較例1のD成分の重量(部)を14.12部とし、A成分、B成分、C成分及びD成分の合計に対するD成分の含有量(重量%)が15重量%となるように調整した以外は比較例1と同様にしてD成分を準備した。A成分、B成分及びC成分は比較例1と同様とした。
以降、実施例1と同様にしてポリウレタンポリウレア樹脂シートを作成し、これを研磨層とした研磨パッドを得た。なお、比較例1と同様に、上述の式(I)に基づいて、研磨層全体に対するD成分の体積%を算出すると、3.3体積%となる。
(比較例3)
比較例1のD成分の重量(部)を26.67部とし、A成分、B成分、C成分及びD成分の合計に対するD成分の含有量(重量%)が25重量%となるように調整した以外は比較例1と同様にしてD成分を準備した。A成分、B成分及びC成分は比較例1と同様とした。
以降、実施例1と同様にしてポリウレタンポリウレア樹脂シートを作成し、これを研磨層とした研磨パッドを得た。なお、比較例1と同様に、上述の式(I)に基づいて、研磨層全体に対するD成分の体積%を算出すると、6.1体積%となる。
(比較例4)
実施例1のD成分で用いた粒子:20部に代えて、炭酸カルシウム(白石カルシウム社製、平均粒子径D50 8.0μm、モース硬度 3):8.89部を用い、A成分、B成分、C成分及びD成分の合計に対するD成分の含有量(重量%)を10重量%となるように準備した。A成分、B成分及びC成分は実施例1と同様とした。
以降、実施例1と同様にしてポリウレタンポリウレア樹脂シートを作成し、これを研磨層とした研磨パッドを得た。なお、D成分の炭酸カルシウムの比重を2.7として、実施例1と同様に、上述の式(I)に基づいて、研磨層全体に対するD成分の体積%を算出すると、4.7体積%となる。
(比較例5)
比較例4のD成分の重量(部)を20部とし、A成分、B成分、C成分及びD成分の合計に対するD成分の含有量(重量%)が20重量%となるように調整した以外は比較例4と同様にしてD成分を準備した。A成分、B成分及びC成分は比較例4と同様とした。
以降、実施例1と同様にしてポリウレタンポリウレア樹脂シートを作成し、これを研磨層とした研磨パッドを得た。なお、比較例4と同様に、上述の式(I)に基づいて、研磨層全体に対するD成分の体積%を算出すると、10.0体積%となる。
(比較例6)
比較例4のD成分の重量(部)を34.29部とし、A成分、B成分、C成分及びD成分の合計に対するD成分の含有量(重量%)が30重量%となるように調整した以外は比較例4と同様にしてD成分を準備した。A成分、B成分及びC成分は比較例4と同様とした。
以降、実施例1と同様にしてポリウレタンポリウレア樹脂シートを作成し、これを研磨層とした研磨パッドを得た。なお、比較例4と同様に、上述の式(I)に基づいて、研磨層全体に対するD成分の体積%を算出すると、16.0体積%となる。
実施例1〜3及び比較例1〜6において得られた研磨パッドについて、以下のドレス性の評価を行った。また、実施例1及び比較例1の研磨パッドについては、以下の研磨レートの評価も行った。
(ドレス性(削れ量))
IMC−154D型摩擦磨耗試験機(株式会社井元製作所製)の圧子に、直径20mmの円形状とした試料(研磨パッド)を固定させて保持した。また、直径100mmでダイヤ番手#120のサンドペーパーが固定された回転盤を別途準備した。摩擦摩耗試験機に保持した試料の研磨層を、サンドペーパーの外周からその内側20mmまでの領域に300gfの荷重で押し当てた。そして、サンドペーパーが固定された回転盤の回転数を40rpmとし、該押し当て領域へ純水を70mL/minの流量で供給する湿式条件下で、10分間のドレス処理を行なった。このとき、試料自体は回転させなかった。ドレス処理後、試料の研磨層の削れ量(mm)を測定した。その後、比較例1の試料の削れ量(mm)に対するそれぞれの試料の削れ量(mm)の割合(%)(ドレス性向上率(%))を算出し、ドレス性の評価とした。ドレス性向上率(%)が大きいほど、ドレス性(脆性)に優れている。
(研磨レート)
研磨レートの評価は、ガラス基板4枚を以下の研磨条件にて研磨し、研磨前後のガラス基板の重量をそれぞれ測定し、研磨前後の重量差及び研磨時間から研磨レート(μm/min)を測定した。最終的に、4枚のガラス基板の研磨レートの平均値を研磨レートの評価とした。
<研磨条件>
研磨試験の条件は下記の通りである。
・使用研磨機:SP−1200片面研磨機(スピードファム社製)
・回転数:60rpm
・加工圧力(研磨圧力):100g/cm
・研磨時間:15min
・研磨剤:イオン交換水及び酸化セリウム(昭和電工社製)のスラリー(酸化セリウムの含有量:8重量%)
・研磨剤吐出量:4500ml/min
・被研磨物:ガラス基板(470mm×370mm、モース硬度 5)
以上の結果を表1に示す。
Figure 2019155507
表1に示すように、平均粒子径D50が1.0〜5.0μmの数値範囲内であり、モース硬度が被研磨物のモース硬度未満である粒子を6.0〜18.0体積%の数値範囲内で含む実施例1〜3の研磨パッドについて、ドレス性(ドレス性向上率(%))は粒子の含有量が大きくなるにつれて向上しており、実施例1〜3の研磨パッドのいずれも比較例1の研磨パッドのドレス性を上回った。
また、実施例1〜3の研磨パッドは、スクラッチの原因となり得るモース硬度が被研磨物のモース硬度以上である粒子を含まないため、スクラッチの発生が少ない。
さらに、実施例1の研磨パッドは、比較例1の研磨パッドと異なり、モース硬度が被研磨物のモース硬度以上である粒子を含まないにも関わらず、比較例1の研磨パッドと研磨レートが同等であった。この結果より、実施例1の研磨パッドが研磨レートとスクラッチの両立ができることがわかった。
一方、モース硬度が被研磨物のモース硬度以上である粒子を含む比較例1及び2の研磨パッドは、ドレス性が実施例1〜3に比べて低く、また、スクラッチの原因となり得る粒子を含むため、スクラッチの発生が多い。
特に、モース硬度が被研磨物のモース硬度以上である粒子を含む比較例3の研磨パッドについては、ドレス性の観点では粒子の含有量が6.0体積%以上であるため良好である一方、スクラッチの原因となり得る粒子を含むため、スクラッチの発生が多い。
平均粒子径D50が5.0μm以上であり、モース硬度が被研磨物のモース硬度未満である粒子を6.0体積%未満の含有量で含む比較例4の研磨パッドは、ドレス性が実施例1〜3に比べて極めて低い。また、比較例4の研磨パッドは、粒子の含有量(体積%)が同程度である比較例1の研磨パッドと比較してドレス性が低下している。これは、比較例4の研磨パッドの方が、比較例1の研磨パッドに比べ、含有する粒子の平均粒子径が大きい分、樹脂と粒子との境界面積が小さくなったためにドレス性が低下したものと考えられる。
平均粒子径D50が8.0μm以上であり、モース硬度が被研磨物のモース硬度未満である粒子を含む比較例5及び6の研磨パッドは、粒子の含有量が6.0〜18.0体積%であるためドレス性が比較例1の研磨パッドと比べて向上したものの、平均粒子径D50が大きいため、スクラッチの発生が多い。また、比較例5の研磨パッドは、粒子の含有量が同じである実施例1の研磨パッドと比較してドレス性が低下している。これは、比較例5の研磨パッドの方が、実施例1の研磨パッドに比べ、含有する粒子の平均粒子径が大きい分、樹脂と粒子との境界面積が小さくなったためにドレス性が低下したものと考えられる。
したがって、本発明の研磨パッドは、ドレス性が向上しており、研磨レート及びスクラッチのいずれの評価においても優れたものであることがわかった。

Claims (8)

  1. 樹脂及び第一の粒子を含む研磨層を有する研磨パッドであって、
    前記第一の粒子の平均粒子径D50が1.0〜5.0μmであり、
    前記研磨層全体に対する前記第一の粒子の含有量が6.0〜18.0体積%であり、
    前記第一の粒子のモース硬度が、被研磨物のモース硬度未満である、
    前記研磨パッド。
  2. 前記第一の粒子が炭酸カルシウムの粒子である、請求項1に記載の研磨パッド。
  3. 被研磨物のモース硬度に対する前記第一の粒子のモース硬度の割合が40〜90%である、請求項1又は2に記載の研磨パッド。
  4. 前記研磨層に含まれる前記樹脂がウレア結合を有する、請求項1〜3のいずれかに記載の研磨パッド。
  5. 前記被研磨物がガラスである、請求項1〜4のいずれかに記載の研磨パッド。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の研磨パッドの製造方法であって、
    前記研磨層を成形する工程を含む、前記方法。
  7. 被研磨物の表面を研磨する方法であって、請求項1〜5のいずれかに記載の研磨パッド及び研磨スラリーを使用することを特徴とする、前記方法。
  8. 請求項1〜5のいずれかに記載の研磨パッドを使用して被研磨物の表面を研磨する際のスクラッチを低減する方法。
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