JP2023050952A - 溶融炉の運転方法及び溶融炉 - Google Patents

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Abstract

【課題】処理対象物に含まれる有用金属の回収効率を上げることができる溶融炉の運転方法を提供する。【解決手段】有用金属を含む処理対象物が上流側から投入され、炉天井5に備えた加熱機構8により処理対象物を表面から溶融処理して生じた溶融スラグを下流側に流下する炉室4と、流下した溶融スラグを排出する出滓口7と、を備えた溶融炉の運転方法であって、有用金属と溶融状態で合金を形成する金属成分を含有する母材粒子を処理対象物に投入することにより、溶融処理により生じた溶融金属を母材粒子に凝集させる。【選択図】図2

Description

本発明は、溶融炉の運転方法及び溶融炉に関する。
下水汚泥、家畜ふん尿、生ごみのメタン発酵残さなどの有機性汚泥や、プラスチック、紙、RPF、プラスチックと金属を含むリサイクル残さなどの可燃物、焼却灰、汚染土壌、廃ガラス、廃陶器、石綿等の不燃物など、雑多な廃棄物が処理対象物として溶融炉で溶融処理されている。
例えば、出滓口が形成された炉室と、炉室に向けて処理対象物を供給する処理対象物供給機構とを備え、処理対象物供給機構により炉室に供給された被処理物が表面から溶融して出滓口に流下するように構成された表面溶融炉によって、雑多な廃棄物が溶融処理される。
このような溶融炉では、処理対象物に含まれる重金属類を揮散させてスラグから除去するために、炉内を還元性雰囲気に調節することが行なわれている。
また、特許文献1には、溶融処理時に処理対象物に含まれるリンの揮散を抑制した表面溶融炉が提案されている。当該表面溶融炉は、バーナ及び空気供給機構が設置されるとともに出滓口が形成された炉室と、前記炉室に連通して設けられた被処理物収容部から被処理物を前記炉室に供給する被処理物供給機構とを備えて構成され、被処理物はリンと可燃物を含有し、前記炉室と前記被処理物収容部が連通する近傍であって前記炉室内の被処理物の表面に向けて空気を供給する縁部空気供給機構を備えている。
当該表面溶融炉によれば、可燃物の熱分解により被処理物の表面近傍に残存する固定炭素分が、縁部空気供給機構から被処理物の表面に向けて供給される空気によって燃焼し、さらに余った酸素によってリン化合物やリン酸化物の還元反応が抑制されることでリンの揮散が抑制される。
特許文献2には、下水汚泥のようなリン含有物質を溶融処理する際に、リン含有物質に含まれているリン成分が排ガスへ揮散するのを抑制して、当該リン成分をスラグ中に捕捉するリン含有物質の溶融処理方法が提案されている。当該溶融処理方法は、リンが乾燥物質換算量の0.04wt%以上含まれるリン含有物質に対して含水量を調整する前処理ステップと、前記前処理ステップで水分が調整されたリン含有物質を溶融炉に投入して溶融する溶融ステップと、前記溶融ステップで溶融生成されたスラグを冷却して固化する冷却ステップと、を含む。
そして、当該溶融処理方法は、リン含有物質に2価または3価の鉄化合物を添加する鉄化合物添加ステップを前記前処理ステップまたはその前後に実行することにより、前記溶融ステップで、リン含有物質に含まれるリン成分の揮散を防止するとともに、リン成分のリン化鉄を含む金属リン化合物への移行を抑制しながらスラグに捕捉する。
このような2価または3価の鉄化合物とリン含有物質との混合物が溶融炉に投入されると、投入された酸化第一鉄(FeO)或いは溶融過程で2価または3価の鉄化合物から生成される酸化第一鉄(FeO)によって融点降下作用が発現し、例えば、約1300℃の溶融温度のときに、鉄に対するリン含有物質の好ましい塩基度0.4~0.8よりも広い範囲で溶流度60%以上を確保でき、しかも被溶融物中のリン成分の揮散が抑制されてリンが金属リン化合物ではない形態でスラグ中に捕捉されるようになる。
特開2015-190701号公報 特開2015-033691号公報
このように、処理対象物に含まれる重金属がスラグに含まれることが無いように、炉内雰囲気を還元性雰囲気に調節して重金属を揮散させ、有用金属などの揮散を抑制するために、炉内雰囲気を酸化性雰囲気に調整し、或いは、処理対象物に含まれる有用金属などの合金化を抑制してスラグに閉じ込めるために、溶融助剤を投入したりする溶融炉の運転方法が知られている。
ところで、処理対象物を溶融処理する際に、処理対象物に含まれる特定の金属をスラグと分別して回収して再生資源として利用することが望まれている。例えば、溶融処理によって銅や鉄といった金属に貴金属類が吸着されて合金となって溶融状態のスラグに混入する。そのため、得られたスラグを粉砕処理した後に比重分離することで、合金状態の金属を回収することになる。
しかし、スラグに含まれる金属の粒径は非常に小さく、比重分離による金属の回収比率は低く、金属の回収率の向上を図るという観点で改良の余地があった。
本発明の目的は、処理対象物に含まれる有用金属の回収効率を上げることができる溶融炉の運転方法及び溶融炉を提供する点にある。
上述の目的を達成するため、本発明による溶融炉の運転方法の第一の特徴構成は、有用金属を含む処理対象物が上流側から投入され、炉天井に備えた加熱機構により処理対象物を表面から溶融処理して生じた溶融スラグを下流側に流下する炉室と、流下した溶融スラグを排出する出滓口と、を備えた溶融炉の運転方法であって、前記有用金属または前記有用金属と溶融状態で合金を形成する金属成分の何れかを含有する母材粒子を前記処理対象物に投入することにより、前記溶融処理により生じた溶融金属を前記母材粒子に凝集させる点にある。
処理対象物が溶融処理される際に処理対象物に含まれる有用金属も溶融状態となって溶融スラグ中に懸濁した状態となる。溶融スラグが出滓口に向けて流下する際に、溶融状態にある微量な有用金属は、互いの接触機会が制限されて大きな塊に成長する機会が得られない。そのため、従来は、固化された後に行われる比重分離や磁力分離などの選別処理で有用金属が十分にスラグから分別できなかった。しかし、処理対象物に母材粒子を投入することにより、溶融スラグ中に懸濁する微小な溶融金属が、溶融した母材粒子に含まれる有用金属と一体となり、または母材粒子に含まれる金属成分と合金を形成して、次第に大きな塊に成長する機会が確保できるようになる。そのため、後に行われる比重分離や磁力分離などの選別処理で有用金属の回収率が効果的に上昇する。
同第二の特徴構成は、上述した第一の特徴構成に加えて、前記母材粒子として、前記溶融炉で溶融されることにより前記有用金属、前記金属成分または前記合金が含まれたスラグが用いられる点にある。
母材粒子として有用金属または有用金属と溶融状態で合金を形成する金属成分を含むスラグを処理対象物に投入すると、溶融スラグ中に懸濁する有用金属または合金を形成する金属成分の密度が高くなり、溶融した有用金属同士または有用金属と金属成分の接触機会が増加して有用金属または有用金属の合金が効率的に凝集して成長するようになる。換言すると、溶融炉内で母材粒子であるスラグに含まれる溶融金属の滞留時間を実質的に長くすることによる凝集効率の上昇が図られる。
同第三の特徴構成は、上述した第一の特徴構成に加えて、前記母材粒子として、前記母材粒子として、前記溶融炉で溶融されたスラグから分離された前記有用金属または前記合金が用いられる点にある。
有用金属または前記金属成分が含まれたスラグを処理対象物に投入する代わりに、溶融炉で溶融されたスラグから分離された有用金属または溶融状態で有用金属と金属成分とが結合した合金を母材粒子として処理対象物に投入しても、溶融スラグ中に懸濁する有用金属を含む溶融金属の密度が高くなり、溶融金属同士の接触機会が増加して溶融金属が効率的に凝集して成長するようになる。この場合は、スラグを再溶融する必要がないため、エネルギー効率が良くなる。なお、合金とは、上述の第一の特徴構成で、溶融状態で有用金属と金属成分とから形成された合金をいう。
同第四の特徴構成は、上述した第一から第三の何れかの特徴構成に加えて、前記溶融炉で溶融処理される前記処理対象物の溶融面に前記母材粒子を投入する点にある。
溶融前の処理対象物に母材粒子を投入すると、処理対象物に母材粒子を均一に分散させることが困難な場合でも、溶融炉に投入された処理対象物の溶融面に母材粒子を投入する場合には、溶融スラグに母材粒子を均一に分散させることが容易になる。
同第五の特徴構成は、上述した第一から第四の何れかの特徴構成に加えて、前記処理対象物に前記母材粒子に加えて還元助剤を投入する点にある。
処理対象物に母材粒子とともに還元助剤を投入すると、還元助剤が有用金属より優先して酸化される結果、有用金属の酸化が抑制されて、溶融金属の状態で出滓口から滴下する確率が上昇する。
本発明による溶融炉の特徴構成は、上述した第一から第五の何れかの特徴構成を備えた溶融炉の運転方法を適用する溶融炉であって、前記溶融炉は、前記炉室を区画する内筒と、前記内筒の外周に配された外筒と、前記内筒と前記外筒との間に形成された処理対象物の貯留部と、前記内筒と前記外筒との相対回転により前記貯留部から前記炉室に切出された処理対象物が表面から溶融処理され、溶融した溶融スラグが流下して前記炉床の中央部に形成された前記出滓口から排出される回転式表面溶融炉で構成され、前記貯留部または前記炉室に前記母材粒子を投入する投入機構を備えている点にある。
以上説明した通り、本発明によれば、処理対象物に含まれる有用金属の回収効率を上げることができる溶融炉の運転方法及び溶融炉を提供することができるようになった。
本発明が適用される溶融炉の一例である回転式表面溶融炉の説明図 母材粒子を投入する投入機構を備えた回転式表面溶融炉の説明図 (a),(b)は本発明が適用される溶融炉の他の態様を示す表面溶融炉の説明図
以下、本発明による溶融炉の運転方法及び溶融炉の実施形態を説明する。
図1には、表面溶融炉の一例である回転式の表面溶融炉1が示されている。当該表面溶融炉1は雑多な廃棄物を溶融処理するための炉で、下水汚泥、家畜ふん尿、生ごみのメタン発酵残さなどの有機性汚泥や、プラスチック、紙、RPF、プラスチックと金属を含むリサイクル残さなどの可燃物、焼却灰、汚染土壌、廃ガラス、廃陶器、石綿等の不燃物などが処理対象物となる。金属には、鉄、ニッケル、銅、銀、金、プラチナなどの有用金属に加えて重金属などが含まれる。以下では、プラスチックと金属を含むリサイクル残さと焼却灰の混合物が処理対象物となる場合を説明するが、これら以外の廃棄物が含まれていてもよい。なお、本明細書では、スラグから回収対象となる金属を有用金属と称し、有用金属には、鉄、ニッケル、銅などの他に、銀、金、プラチナなどの貴金属を含む。
回転式の表面溶融炉1は、同心円状に配された内筒2と外筒3を備え、内筒2と外筒3との間に処理対象物の貯留部15が形成されている。内筒2の内方に炉天井5が設けられ、外筒3の下部から中心方向に延出された炉床6が形成されている。炉床6の中央部には出滓口7が形成され、出滓口7の周囲には水冷式の冷却機構14が配されている。内筒2と炉天井5と炉床6で囲まれる空間で炉室4が形成され、其々の内壁は耐火物で覆われている。内筒2と外筒3は水封機構13で気密に構成されている。
貯留部15に処理対象物を搬送するスクリュー式コンベア機構11を備え、炉室4に外気が流入しないように、二重ダンパ機構12を介して処理対象物が貯留部15に落下供給される。
内筒2に対して外筒3が相対的に回転することにより、内筒2の下部に備えた切出し羽根9によって貯留部15に貯留された処理対象物が炉室4に投入され、処理対象物は出滓口7に向けてすり鉢状に分布する。炉天井5の中央部側に設けた加熱機構としての2基の燃焼バーナ8により炉内は約1300℃の高温に加熱され、処理対象物は表面から溶融して上流側から下流側の出滓口7に向けて流下する。また、炉天井5のうち、径方向外側に燃焼用空気を供給する複数のノズル10が設けられている。
炉室4に投入された処理対象物は、先ず廃プラスチックなどの可燃性成分が上流側で気化して、ノズル10から供給される燃焼用空気または酸素ガスによりガス燃焼する。このとき、上流側は弱還元性雰囲気となり、処理対象物に含まれる重金属が還元されて揮散して二次燃焼室に排ガスとともに流下する。燃焼バーナ8及び炉天井5からの輻射熱で加熱された処理対象物は、表面から溶融して出滓口7に向けて流下する。このとき、溶融層の厚みは数十mmとなる。図1で示す符号Aは未溶融の処理対象物、符号Bは溶融層、符号Cはガス化燃焼部を示す。
図1には、処理対象物に含まれる廃プラスチック、焼却灰、金属、溶融スラグ、溶融金属を示す図形が例示されている。廃プラスチック、金属、焼却灰を含む処理対象物は、炉室4で溶融処理されて、溶融スラグ及び溶融金属となって出滓口7から下方に滴下する。
出滓口7の下方には溶融スラグを冷却する水槽を備えた搬送機構が配され、水砕スラグとして炉外に排出される。また、炉室4で生じた燃焼ガスは、出滓口7の下流側に備えた二次燃焼室で燃焼され、排ガス処理設備で浄化された後に煙突から大気に排気される。煙突の上流側に配された誘引送風機により炉室4は負圧に維持される。
スクリュー式コンベア機構11により貯留部15に搬送される処理対象物に、有用金属と溶融状態で合金を形成する金属成分を含有する母材粒子を前記処理対象物に投入することにより、溶融処理により生じた溶融状態の有用金属を母材粒子に凝集させるように構成されている。
処理対象物が溶融処理される際に処理対象物に含まれる有用金属も溶融状態となって溶融スラグ中に懸濁した状態となる。溶融スラグが出滓口に向けて流下する際に、溶融状態にある微量な有用金属は、互いの接触機会が制限されて大きな塊に成長する機会が得られない。そのため、従来は、固化された後に行われる比重分離や磁力分離などの選別処理で有用金属が十分にスラグから分別できなかった。しかし、処理対象物に母材粒子を投入することにより、溶融スラグ中に懸濁する微小な溶融金属が、溶融した母材粒子に含まれる有用金属と一体となり、または母材粒子に含まれる金属成分と合金を形成して、次第に大きな塊に成長する機会が確保できるようになる。そのため、後に行われる比重分離や磁力分離などの選別処理で有用金属の回収率が効果的に上昇する。
例えば、処理対象物に混入した銅や鉄などの金属が溶融すると、当該溶融金属に、さらに処理対象物に微量に含まれる金、銀、プラチナ、レアメタルなどの有用金属が吸着され、合金となってスラグと分離可能な状態で出滓口7から滴下する。
スラグから分離して回収される有用金属の回収率は、溶融物中の金属が多いほど、また銅や鉄といった吸着する側の金属が多いほど向上する。そこで、処理対象物に意図的に金属を投入することにより、もともと処理対象物に含まれる微量の有用金属を効率的に回収するのである。
母材粒子として溶融炉で溶融されることにより有用金属または有用金属と溶融状態で合金を形成する金属成分を含むスラグを処理対象物に投入すると、溶融スラグ中に懸濁する溶融金属の密度が高くなり、溶融金属同士の接触機会が増加して溶融金属が効率的に凝集して、有用金属を含む合金が得られるようになる。換言すると、母材粒子であるスラグに含まれる溶融金属の溶融炉内での滞留時間を実質的に長くすることによる凝集効率の上昇が図られることになる。従って、有用金属または有用金属と金属成分とで形成された合金が分離された後のスラグを母材粒子として採用する価値は低い。
母材粒子として、溶融炉で溶融されたスラグから分離された有用金属または合金を用いることも可能である。
有用金属または有用金属と溶融状態で合金を形成する金属成分を含むスラグを母材粒子として処理対象物に投入する代わりに、溶融スラグから分離された有用金属または合金を母材粒子として処理対象物に投入することによっても、溶融スラグ中に懸濁する溶融金属の密度が高くなり、溶融金属同士の接触機会が増加して溶融金属が効率的に凝集するようになる。この場合は、母材粒子としてスラグを用いた場合に要するスラグの再溶融のためのエネルギーが不要となるので、エネルギー効率が良くなる。
図2に示すように、溶融炉1の炉天井5に金属投入機構16を設けて、溶融炉1で溶融処理されるスラグの溶融面に母材粒子を投入するように構成してもよい。例えば、炉室4に投入された処理対象物の上流側に母材粒子を落下供給する案内筒を設けてスクリュー搬送機構などで母材粒子を定量投入するように構成すればよい。外筒3の回転に伴って平面視で円環状に分布する処理対象物の上流側に均一に分散供給される。
スクリュー式コンベア機構11により貯留部15に搬送される処理対象物に有用金属の母材粒子を投入すると、処理対象物に母材粒子を均一に分散させることが困難な場合でも、溶融炉1に投入された処理対象物の溶融面に有用金属の母材粒子を投入する場合には、溶融スラグに母材粒子を均一に分散させることが容易になる。
図1に示した態様、図2に示した態様の何れの態様であっても、処理対象物に有用金属の母材粒子とともに還元助剤を投入することが好ましい。
処理対象物に有用金属の母材粒子とともに還元助剤を投入すると、還元助剤が有用金属より優先して酸化される結果、有用金属の酸化が抑制されて、溶融金属の状態で出滓口から滴下する確率が上昇する。
例えば、有用金属の母材粒子として銅が用いられる場合に、還元助剤としてアルミニウムやマグネシウムを用いることができる。アルミニウムやマグネシウムが優先的に酸化されるようになり、アルミニウムやマグネシウムよりも酸化され難い金属の還元が促進される結果、有用金属の回収率を向上させることができる。
母材粒子として使用可能な合金は、鉄、ニッケル、銅を含む合金に限るものではなく、回収すべき有用金属に応じて選択することができることはいうまでもない。
図1に示すスクリュー式コンベア機構11及び二重ダンパ機構12、図2に示す金属投入機構16、の其々が有用金属の母材粒子を投入する投入機構となる。
以上説明した例では、本発明による溶融炉の運転方法を適用する溶融炉1として回転式の表面溶融炉を説明したが、回転式の表面溶融炉以外の溶融炉であっても本発明を適用することができる。
例えば、図5(a)に示すように、炉床6の中央部に出滓口7が形成され、被処理物を投入する複数の押込み投入機構30を炉床6の周囲に配置された表面溶融炉1に適用することも可能である。当該表面溶融炉1は、炉床6と一体に構成された外筒3と、炉天井5と一体に構成された内筒2の双方が固定され、押込み投入機構30によって炉室内に被処理物が供給されるタイプである。
また、図5(b)に示すように、炉床6の端部に出滓口7が形成され、対向側に被処理物を投入する複数の押込み投入機構30が配置された表面溶融炉1に適用することも可能である。何れの表面溶融炉1も炉室4に押し込まれた処理対象物の上流側から下流側に向けて複数段のノズルの先端が溶融面近傍に位置するように配置されている。
上述した各実施形態は、本発明の一例に過ぎず、各部の具体的構成は、本発明の作用効果が奏される範囲で適宜変更設計することが可能である。
1:表面溶融炉
2:中筒
3:外筒
4:炉室
5:炉天井
6:炉床
7:出滓口
8:燃焼バーナ
9:切出し羽根
10:ノズル
11:スクリュー式コンベア機構(投入機構)
12:二重ダンパ機構(投入機構)
16:金属投入機構(投入機構)
15:貯留部
A:未溶融の処理対象物
B:処理対象物の表面の溶融層
C:ガス化燃焼部

Claims (6)

  1. 有用金属を含む処理対象物が上流側から投入され、炉天井に備えた加熱機構により処理対象物を表面から溶融処理して生じた溶融スラグを下流側に流下する炉室と、流下した溶融スラグを排出する出滓口と、を備えた溶融炉の運転方法であって、
    前記有用金属または前記有用金属と溶融状態で合金を形成する金属成分の何れかを含有する母材粒子を前記処理対象物に投入することにより、前記溶融処理により生じた溶融金属を前記母材粒子に凝集させる溶融炉の運転方法。
  2. 前記母材粒子として、前記溶融炉で溶融されることにより前記有用金属、前記金属成分または前記合金が含まれたスラグが用いられる請求項1記載の溶融炉の運転方法。
  3. 前記母材粒子として、前記溶融炉で溶融されたスラグから分離された前記有用金属または前記合金が用いられる請求項1記載の溶融炉の運転方法。
  4. 前記溶融炉で溶融処理される前記処理対象物の溶融面に前記母材粒子を投入する請求項1から3の何れかに記載の溶融炉の運転方法。
  5. 前記処理対象物に前記母材粒子に加えて還元助剤を投入する請求項1から4の何れかに記載の溶融炉の運転方法。
  6. 請求項1から5の何れかに記載の溶融炉の運転方法を適用する溶融炉であって、
    前記溶融炉は、前記炉室を区画する内筒と、前記内筒の外周に配された外筒と、前記内筒と前記外筒との間に形成された処理対象物の貯留部と、前記内筒と前記外筒との相対回転により前記貯留部から前記炉室に切出された処理対象物が表面から溶融処理され、溶融した溶融スラグが流下して前記炉床の中央部に形成された前記出滓口から排出される回転式表面溶融炉で構成され、
    前記貯留部または前記炉室に前記母材粒子を投入する投入機構を備えている溶融炉。
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