JP2023050144A - 芳香デバイス - Google Patents
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Abstract
【課題】 取り外し可能な芳香デバイスを提供する。【解決手段】 芳香デバイス201、301であって、香りを放出する芳香物質を収容する収容室221を備えたハウジング210と、香りを所定の方向に導くために送風する少なくとも1つのファン236、245と、ハウジングを対象物206に取り付けるための取付装置211、311とを有する。【選択図】 図2
Description
本発明は、芳香デバイスに関する。
乗員の快適性の向上を目的として、乗物用シートに芳香デバイスを設けたものが公知である(例えば、特許文献1)。
特許文献1の芳香器は、車両用シートに内蔵されている。このため、芳香器の修理や交換が必要となった場合に作業が煩雑であるという問題がある。
本発明は、以上の背景を鑑み、取り外し可能な芳香デバイスを提供することを課題とする。
上記課題を解決するために、本発明の一態様は、芳香デバイス(201、301)であって、香りを放出する芳香物質を収容する収容室(221)を備えたハウジング(210)と、香りを所定の方向に導くために送風する少なくとも1つのファン(236、245)と、前記ハウジングを対象物(206)に取り付けるための取付装置(211、311)とを有する。
この態様によれば、取り外し可能な芳香デバイスを提供することができる。
上記の態様において、前記ハウジングは、前記収容室に外部から空気を導入するための導入通路(240)と、前記収容室から外部へ空気を排出するための排出通路(246)とを有し、前記ファンは、前記導入通路に設けられ外部から前記収容室に空気を送風する導入ファン(236)と、前記排出通路に設けられ前記収容室から外部へ空気を送風する排出ファン(245)とを有し、前記導入通路に、前記導入通路を通過する空気中の粉塵及び臭気発生物質を除去する空気清浄デバイス(238)が配置されているとよい。
この態様によれば、香りの付いた空気を効率よく送風することができる。また、送風する空気から粉塵及び臭気発生物質を除去することができる。
上記の態様において、前記収容室にはロードセル(259)を介して保持部(258)が支持され、前記保持部にカートリッジ(225、325)が着脱可能に支持され、前記ロードセルは制御装置(270)に第1信号を送信し、前記制御装置は前記第1信号に基づいて前記カートリッジ内の前記芳香物質の重量を演算し、演算結果を表示装置(272)に表示させるとよい。
この態様によれば、芳香物質の重量を表示することができる。
上記の態様において、前記保持部は、前記カートリッジを受容する受容凹部(262)を有し、前記受容凹部には、前記カートリッジを弾発的に支持する複数の係止片(363)が設けられているとよい。
この態様によれば、この態様によれば、カートリッジを弾発的に支持することができる。
上記の態様において、前記カートリッジは、前記芳香物質を収容するボトル(250)と、前記ボトルを封じるキャップ(251)とを有し、前記キャップは、キャップ本体(252)と、前記キャップ本体から突出する凸部(253)とを有し、前記保持部には、前記カートリッジを受容する受容凹部を有し、前記受容凹部には、前記凸部を係止する保持溝(263)が形成されているとよい。
この態様によれば、保持溝が凸部を係止することによりカートリッジを支持することができる。
上記の態様において、前記ハウジングは、前記収容室の開口部(226)を開閉する開閉蓋(227)を備え、前記保持部は、前記受容凹部が前記開口部を介して視認可能であり、かつ、前記カートリッジが挿脱可能な取換位置と、前記受容凹部に前記カートリッジが収容された状態で前記開閉蓋により前記開口部を封止可能な使用位置とに変位可能に構成されているとよい。
この態様によれば、カートリッジを容易に取り外すことができる。
上記の態様において、前記保持部は、前記ボトルの内部と前記収容室とを連通させる連通穴(264)と、前記連通穴を開閉するシャッタ(265)とを有しているとよい。
この態様によれば、シャッタの開閉によって香りの放出を制御することができる。
上記の態様において、前記シャッタを駆動するモータ(267)を有しているとよい。
この態様によれば、モータによってシャッタを開閉することができる。
上記の態様において、前記制御装置は、前記重量が所定の閾値以下である場合には、前記モータによる前記シャッタの開き動作を禁止するとよい。
この態様によれば、芳香物質の残量に基づいてシャッタの開閉を制御することができる。
上記の態様において、前記取付装置は、前記対象物に係合する係合部(280)と、前記係合部と前記ハウジングとの間の距離を調節する第1調節機構(286)とを有しているとよい。
この態様によれば、対象物の形状に応じて芳香デバイスを適切に取り付けることができる。
上記の態様において、前記取付装置は、前記対象物に係合する2つの係合部と、前記係合部の一方と、前記係合部の他方との間の距離を調節する第2調節機構(287)を有しているとよい。
この態様によれば、対象物の形状に応じて芳香デバイスを適切に取り付けることができる。
上記課題を解決するために、本発明の一態様は、芳香デバイス(201、301)であって、香りを放出する芳香物質を収容する収容室(221)を備えたハウジング(210)と、香りを所定の方向に導くために送風する少なくとも1つのファン(236、245)と、前記ハウジングを対象物(206)に取り付けるための取付装置(211、311)とを有する。
この態様によれば、取り外し可能な芳香デバイスを提供することができる。
上記の態様において、前記ハウジングは、前記収容室に外部から空気を導入するための導入通路(240)と、前記収容室から外部へ空気を排出するための排出通路(246)とを有し、前記ファンは、前記導入通路に設けられ外部から前記収容室に空気を送風する導入ファン(236)と、前記排出通路に設けられ前記収容室から外部へ空気を送風する排出ファン(245)とを有し、前記導入通路に、前記導入通路を通過する空気中の粉塵及び臭気発生物質を除去する空気清浄デバイス(238)が配置されているとよい。
この態様によれば、香りの付いた空気を効率よく送風することができる。また、送風する空気から粉塵及び臭気発生物質を除去することができる。
上記の態様において、前記収容室にはロードセル(259)を介して保持部(258)が支持され、前記保持部にカートリッジ(225、325)が着脱可能に支持され、前記ロードセルは制御装置(270)に第1信号を送信し、前記制御装置は前記第1信号に基づいて前記カートリッジ内の前記芳香物質の重量を演算し、演算結果を表示装置(272)に表示させるとよい。
この態様によれば、芳香物質の重量を表示することができる。
上記の態様において、前記保持部は、前記カートリッジを受容する受容凹部(262)を有し、前記受容凹部には、前記カートリッジを弾発的に支持する複数の係止片(363)が設けられているとよい。
この態様によれば、この態様によれば、カートリッジを弾発的に支持することができる。
上記の態様において、前記カートリッジは、前記芳香物質を収容するボトル(250)と、前記ボトルを封じるキャップ(251)とを有し、前記キャップは、キャップ本体(252)と、前記キャップ本体から突出する凸部(253)とを有し、前記保持部には、前記カートリッジを受容する受容凹部を有し、前記受容凹部には、前記凸部を係止する保持溝(263)が形成されているとよい。
この態様によれば、保持溝が凸部を係止することによりカートリッジを支持することができる。
上記の態様において、前記ハウジングは、前記収容室の開口部(226)を開閉する開閉蓋(227)を備え、前記保持部は、前記受容凹部が前記開口部を介して視認可能であり、かつ、前記カートリッジが挿脱可能な取換位置と、前記受容凹部に前記カートリッジが収容された状態で前記開閉蓋により前記開口部を封止可能な使用位置とに変位可能に構成されているとよい。
この態様によれば、カートリッジを容易に取り外すことができる。
上記の態様において、前記保持部は、前記ボトルの内部と前記収容室とを連通させる連通穴(264)と、前記連通穴を開閉するシャッタ(265)とを有しているとよい。
この態様によれば、シャッタの開閉によって香りの放出を制御することができる。
上記の態様において、前記シャッタを駆動するモータ(267)を有しているとよい。
この態様によれば、モータによってシャッタを開閉することができる。
上記の態様において、前記制御装置は、前記重量が所定の閾値以下である場合には、前記モータによる前記シャッタの開き動作を禁止するとよい。
この態様によれば、芳香物質の残量に基づいてシャッタの開閉を制御することができる。
上記の態様において、前記取付装置は、前記対象物に係合する係合部(280)と、前記係合部と前記ハウジングとの間の距離を調節する第1調節機構(286)とを有しているとよい。
この態様によれば、対象物の形状に応じて芳香デバイスを適切に取り付けることができる。
上記の態様において、前記取付装置は、前記対象物に係合する2つの係合部と、前記係合部の一方と、前記係合部の他方との間の距離を調節する第2調節機構(287、380)を有しているとよい。
この態様によれば、対象物の形状に応じて芳香デバイスを適切に取り付けることができる。
以下、図面を参照して、本発明に係る芳香デバイスについて説明する。芳香デバイスは、香りを放つための装置であり、所定の対象物に取り付けられた状態で使用される。以下では、対象物が車両に搭載されたシートである例について記載するが、対象物はシートには限定されない。以下では、便宜上、シートの前後方向を基準として上下、前後及び左右方向を定めて説明を行う。
<<第1実施形態>>
図1に示すように、芳香デバイス201が取り付けられるシート202は、フロア上に設けられたシートクッション203と、シートクッション203の後部に結合されたシートバック204と、シートバック204の上側に設けられたヘッドレスト205とを有している。ヘッドレスト205は、左右に間隔をおいて配置された一対のヘッドレストピラー206を介してシートバック204に接続されている。
図1に示すように、芳香デバイス201が取り付けられるシート202は、フロア上に設けられたシートクッション203と、シートクッション203の後部に結合されたシートバック204と、シートバック204の上側に設けられたヘッドレスト205とを有している。ヘッドレスト205は、左右に間隔をおいて配置された一対のヘッドレストピラー206を介してシートバック204に接続されている。
ヘッドレストピラー206は、それぞれ円筒状の金属製のパイプによって形成されている。ヘッドレストピラー206はシートバック204の上端からそれぞれ略上方に延び、ヘッドレスト205に達している。本実施形態では、芳香デバイス201はヘッドレスト205及びシートバック204の間において、ヘッドレストピラー206に前側から結合された状態で使用される。
図2及び図3に示すように、芳香デバイス201は、ハウジング210と、ハウジング210をシート202(図1参照)に取り付けるための取付装置211とを有している。本実施形態では、取付装置211は、ハウジング210を2つのヘッドレストピラー206(図1参照)の両方に取り付ける。
ハウジング210は、上下方向に対をなす上壁212及び下壁213と、左右一対の左壁214及び右壁215と、前後方向に対をなす前壁216及び後壁217とを備え、左右に延びる箱体状をなす。ハウジング210は更に、左右方向に延びて左壁214及び右壁215の内側を接続する隔壁218を備えている。これにより、ハウジング210には、その下部に位置する第1収容室221と、第1収容室221の上側に設けられた第2収容室222とが画定されている。
左壁214及び右壁215は、下部に、互いに対向する方向に膨出する膨出部223を備えている。膨出部223は、隔壁218、下壁213、及び後壁217に隙間なく接触し、それぞれに接続されている。これにより、第1収容室221の左右方向の幅は第2収容室222の左右方向の幅よりも狭くなっている。
第1収容室221は、香りを放つ芳香物質を含むカートリッジ225を収容する。
ハウジング210の前壁216には、開口部226が形成されている。開口部226は、前壁216を貫通する穴であり、外部から第1収容室221の内部へのアクセスを可能とするために設けられている。これにより、第1収容室221へのカートリッジ225の収容及び取り出しが可能となる。開口部226には、開閉蓋227が開閉可能に設けられている。
図4において、(A)は開閉蓋227によって開口部226が開かれている状態を示す。(B)は、開閉蓋227によって開口部226が封止されている状態を示す。開閉蓋227はハウジング210の前壁216に対して回動可能に設けられているとよい。開閉蓋227は、開口部226の上縁に沿って左右に延びる回動軸を中心に回動することにより、開口部226を開閉するとよい。開閉蓋227の前面(すなわち、外面)には、操作部231が設けられている。
操作部231は、開口部226を開閉するためにユーザによって操作される。操作部231は、開閉蓋227の下側かつ左右方向における中央部分に設けられているとよい。操作部231は、例えば前方に突出する突起を有しているとよい。開閉蓋227は、係止機構232によって、開口部226を閉じた状態で係止される。
本実施形態では、係止機構232は、ハウジング210と、開閉蓋227の後面とに設けられた一対の磁石を含む。一対の磁石は、上下及び左右方向において互いに対応する位置に配置されている。一対の磁石は、磁力によって、開口部226を閉じた状態で開閉蓋227を係止する。別の実施形態では、係止機構232はばねを含み、付勢力によって開口部226を閉じた状態で開閉蓋227を係止してもよい。
図3に示すように、左壁214の下部には、左右方向に延び、厚さ方向に貫通する左側貫通穴233が設けられている。左側貫通穴233の左端側は、ハウジング210の左壁214の外側側面において開口している。左側貫通穴233の右端側は、ハウジング210の左壁214の内側側面であって、第1収容室221の左壁214を画定する側面において開口している。これにより、左側貫通穴233はハウジング210の外部と第1収容室221とを連通する通路を画定する。
左側貫通穴233には、左右方向における中央部分に、導入ファン236と、空気清浄デバイス238とを収容する第1収容部239が設けられている。
導入ファン236は、ハウジング210の外部から左側貫通穴233の内部に空気を取り込み、第1収容室221に空気を排出する。これにより、導入ファン236は、ハウジング210の外部から第1収容室221に空気を導入する役割を果たす。よって、左側貫通穴233の内部にはハウジング210の外部から第1収容室221の内部に至る導入通路240が形成される。
空気清浄デバイス238は、導入ファン236の下流側に設けられている。空気清浄デバイス238は、導入ファン236から排出される空気中の粉塵及び臭気発生物質を除去する。本実施形態では、空気清浄デバイス238は3層のフィルタによって構成されている。空気清浄デバイス238は、第1フィルタ241と、第2フィルタ242と、第3フィルタ243とを有する。
第1フィルタ241は、プレフィルタとして機能する。第1フィルタ241は、導入ファン236によってハウジング210の外部から導入された空気から、大きなほこり等を濾過する。第1フィルタ241は、3層のフィルタのうち、最も上流側に配置されている。
第2フィルタ242は、集塵フィルタとして機能する。第2フィルタ242は、第1フィルタ241によって濾過された空気から、細かい塵や花粉等を濾過する。第2フィルタ242のメッシュサイズは、第1フィルタ241のメッシュサイズより小さい。
第3フィルタ243は、消臭フィルタとして機能する。第3フィルタ243は、第2フィルタ242によって濾過された空気から、臭気発生物質を吸着する。第3フィルタ243は、例えば活性炭フィルタであるとよい。第3フィルタ243は、3層のフィルタのうち、最も下流側に配置されている。
空気清浄デバイス238は、3層のフィルタのすべてを有している必要はなく、いずれか1つ又は2つが省略されていてもよい。また、空気清浄デバイス238は、導入ファン236より上流側に配置されていてもよい。
右壁215の下部には、左右方向に延び、厚さ方向に貫通する右側貫通穴244が設けられている。右側貫通穴244の右端側は、ハウジング210の右壁215の外側側面において開口している。右側貫通穴244の左端側は、ハウジング210の右壁215の内側側面であって、第1収容室221の右壁215を画定する側面において開口している。これにより、右側貫通穴244はハウジング210の外部と第1収容室221とを連通する通路を画定する。
右側貫通穴244には、左右方向における中央部分に、排出ファン245を収容する第2収容部247が設けられている。
排出ファン245は、第1収容室221から右側貫通穴244の内部に空気を取り込み、ハウジング210の外部に空気を排出する。これにより、排出ファン245は、第1収容室221からハウジング210の外部に空気を排出する役割を果たす。よって、右側貫通穴244の内部には第1収容室221の内部からハウジング210の外部に至る排出通路246が形成される。
このように、芳香デバイス201には、ハウジング210の外部から第1収容室221の内部を通過しハウジング210の外部に排出される空気通路が形成される。第1収容室221にカートリッジ225が収容されてカートリッジ225から芳香物質が放出されると、外部に香りが放たれる。次に、カートリッジ225の詳細について説明する。
図5において(A)に示すように、カートリッジ225は、芳香物質を収容するボトル250と、ボトル250を封じるキャップ251とを有している。ボトル250に収容される芳香物質は、アロマオイル等の液状であってもよく、ゲル状であってもよい。芳香物質は、カートリッジ225ごとに、互いに異なる種類の香りを放出するように選択されている。
ボトル250は、その上部において上方に開口する有底の円筒形をなしている。ボトル250は、遮光ビンであるとよい。
キャップ251は、シリコン等の弾性を有する材料によって形成されている。キャップ251は、キャップ本体252と、キャップ本体252に設けられた少なくとも2つの凸部253とを有している。
キャップ本体252は、ボトル250の開口に整合する形状を有する凹部254を備えている。本実施形態では、キャップ本体252は、所定の軸線を中心とする有底な円筒状をなしている。ボトル250は、キャップ本体252の凹部254に差し込まれることによって封じられている。
凸部253は、キャップ本体252の外周面に形成されている。凸部253は、キャップ本体252の外周面から、軸線から離れる方向に突出している。本実施形態では、キャップ本体252に2つの凸部253が設けられ、それぞれ左右方向に互いに離反する方向に突出している。凸部253は、周方向に所定の幅を有するように構成されているとよい。
キャップ本体252には、ボトル250の内部と外部とを連通させ、芳香物質から放たれる香りを外部に導く香り穴255が設けられている。香り穴255は、キャップ本体252の前面において開口している。香り穴255は、ボトル250にキャップ251を取り付けたときにボトル250によって封じられない位置に形成されているとよい。
図3に示すように、第1収容室221には、芳香物質を収容するカートリッジ225を着脱可能に支持する複数の保持部258が設けられている。
複数の保持部258はそれぞれ、ロードセル259を介して隔壁218に支持されている。複数の保持部258は、左右に整列して配置されている。複数の保持部258はそれぞれ同様の構造を有するため、以下では複数の保持部258のうちの1つを参照して説明する。
図3及び図5における(B)に示すように、保持部258は、カートリッジ225に着脱自在に連結される保持部本体260と、保持部本体260を支持する脚部261とを有する。保持部258は、樹脂によって形成されているとよい。
保持部本体260は、カートリッジ225を保持する。保持部本体260は、箱状をなすように形成されている。保持部本体260は、カートリッジ225の上部を受容する受容凹部262を有している。受容凹部262には、カートリッジ225を保持するための保持溝263が形成されている。
保持溝263は、凸部253を係止する。ユーザがカートリッジ225を受容凹部262に差し込むと、凸部253が弾性変形して保持溝263と係合することにより、カートリッジ225が保持される。カートリッジ225が受容凹部262に完全に差し込まれると、香り穴255は、保持部本体260によって、第1収容室221に対して封止されるように構成されているとよい。
保持部本体260には更に、連通穴264が形成されている。連通穴264は、ボトル250の内部と第1収容室221とを連通させ、芳香物質から放たれる香りを第1収容室221に導く。連通穴264は、保持部本体260の上面において開口しているとよい。連通穴264は、シャッタ265によって開閉される。
シャッタ265は、連通穴264の縁部に沿って延びる回動軸266を中心に回動することにより、連通穴264を開閉する。シャッタ265は、モータ267によって駆動されているとよい。
脚部261は、保持部本体260の左右の側部に接続されている。脚部261は、保持部本体260を回動可能に保持している。保持部本体260を回動させることにより、ユーザは、保持部本体260を、取換位置と、使用位置とに変位させることができる。
取換位置とは、図4における(A)に示すように、受容凹部262が開口部226を介して視認可能であり、かつ、カートリッジ225が挿脱可能な位置を指す。ユーザは、カートリッジ225を取り出すときには、カートリッジ225の下部又は保持部本体260を支持した状態で保持部本体260を前方に回動させる。これにより、保持部本体260を取換位置に変位させることができる。
使用位置とは、図4における(B)に示すように、受容凹部262にカートリッジ225が収容された状態で開閉蓋227により開口部226を封止可能な位置を指す。ユーザは、芳香デバイス201を使用するときには、取換位置にある保持部本体260にカートリッジ225を差し込み、カートリッジ225の下部又は保持部本体260を支持して保持部本体260を後方に回動させる。これにより、保持部本体260を使用位置に変位させることができる。
保持部本体260が取換位置又は使用位置のいずれにあるかは、受容凹部262にカートリッジ225が実際に収容されているか否かに拠らない。
保持部本体260は、取換位置と使用位置とを選択的にとってもよい。また、保持部本体260は、取換位置又は使用位置のいずれかに付勢されていてもよい。保持部本体260が取換位置に付勢されている場合には、芳香デバイス201の使用時に保持部本体260を使用位置にロックするロック機構が設けられているとよい。脚部261は、ロードセル259を介して隔壁218に支持されている。
図3に示すように、ロードセル259は、2つのロードエンド269を有し、ロードエンド269間に加わる引張荷重を検出する。ロードセル259は、ひずみゲージを備えたものであるとよい。ロードセル259は、一方のロードエンド269において隔壁218に固定されている。ロードセル259は、他方のロードエンド269において脚部261に接続されている。ロードセル259は、検出結果を第1信号としてECU270(制御装置)に送信する。
ECU270は、プロセッサと、メモリと、ハードディスクなどの記憶装置とを備えたコンピュータによって構成されている。ECU270は、プロセッサがメモリや記憶装置から必要なデータやアプリケーションソフトウェアを読み取り、当該ソフトウェアにしたがって所定の演算処理を実行することによって、各種処理を実行することができる。ECU270は1つのハードウェアとして構成されていてもよく、複数のハードウェアからなるユニットとして構成されていてもよい。
記憶装置は、芳香物質がカートリッジ225内に収容されていないときにロードセル259によって検出される引張荷重を基準値として予め記憶している。
ECU270は、バッテリ271からの電力によって駆動する。本実施形態では、ECU270はバッテリ271とともに第2収容室222に収容されている。
ECU270は、ロードセル259から受信した第1信号と、記憶装置に記憶された基準値とに基づいて、カートリッジ225内の芳香物質の重量を演算する。具体的には、ECU270は、第1信号に含まれる引張荷重から基準値を差し引いた値に所定の係数を積算することによって芳香物質の重量を取得する。例えば、引張荷重がニュートン単位で検出された場合には、重力加速度の大きさで割るとよい。
ECU270は、演算結果を芳香物質の残量として通知するとよい。例えば、ECU270は、ハウジング210の前壁216(図2参照)に取り付けられた表示装置272(図2参照)に演算結果を表示するとよい。ECU270は、外部のディスプレイと通信して通知をおこなってもよい。また、ECU270は、図示しないスピーカを使用し音によって演算結果を通知してもよい。例えば、ECU270は、カートリッジ225内の芳香物質の重量が所定の閾値以下である場合には通知音を鳴らすとよい。ECU270は、図示しないランプを使用して光によって通知をおこなってもよい。ECU270は、カートリッジ225内の芳香物質の重量が所定の閾値以下である場合にはランプを点灯させるとよい。
ECU270は、例えば、カートリッジ225内の芳香物質の重量が所定の閾値以下である場合には、そのカートリッジ225に対応するシャッタ265(図5参照)のモータ267(図5参照)による開き動作を禁止するとよい。
バッテリ271は、導入ファン236及び排出ファン245、モータ267(図5参照)、ロードセル259、及びECU270を含む芳香デバイス201に搭載された各種装置に電力を供給する電圧源として機能する。
図1、図2及び図6に示すように、取付装置211は、一対のヘッドレストピラー206に係合する2つの係合部280と、ハウジング210と係合部280とを接続する2つの接続部281とを有している。
係合部280の一方は、一対のヘッドレストピラー206のうちの一方に係合する。係合部280の他方は、一対のヘッドレストピラー206のうちの他方に係合する。係合部280の一方は、ヘッドレストピラー206の一方を左右から挟持する。係合部280の他方は、ヘッドレストピラー206の他方を左右から挟持する。
係合部280は、ヘッドレストピラー206の前部に当接する底部283と、底部283の両端から後方に延びる左右の係止部284とを有している。係合部280は、平面視でコの字状に形成されているとよい。左右の係止部284は、ばね部材285によって互いに近接する方向に付勢されているとよい。
接続部281の一方は、係合部280一方とハウジング210とを接続する。接続部281の他方は、係合部280の他方とハウジング210とを接続する。接続部281、ハウジング210と係合部280との間の距離を調節する第1調節機構286を有しているとよい。第1調節機構286は、例えば、ばねやアジャスタ等であるとよい。
図7及び図8は、変形例に係る接続部281を示している。接続部281は、その端部に接続された係合部280(図2参照)の一方と係合部280(図2参照)の他方との間の距離を調節する第2調節機構287を有している。
第2調節機構287は、ユーザの入力を受け付ける回転軸288を有しているとよい。ユーザがその回転軸288を回転させると、第2調節機構287により、その回転運動が係合部280(図2参照)の一方と係合部280(図2参照)の他方とを近接又は離反させる運動、すなわち直線運動に変換される。
回転運動を直線運動に変換する機構は公知の機構によるものであってよく、例えばラック・アンド・ピニオン機構を用いることができる。図7及び図8には第2調節機構287をラック・アンド・ピニオン機構によって構成した例が示されている。
図7において、第2調節機構287は、左右の相反する方向に延びる2つの接続部281に形成されたラック290と、2つの接続部281の間に配置された1つのピニオン291とによって構成されている。接続部281の一方はピニオン291に対して後方に配置されている。接続部281の他方はピニオン291に対して前方に配置されている。ピニオン291は、2つのラック290の両方にかみ合うように構成されている。
ユーザがピニオン291の回転軸288を時計回りに回転させると、接続部281の一方は左方向に変位し、接続部281の他方は右方向に変位する。ユーザがピニオン291の回転軸288を反時計回りに回転させると、接続部281の一方は右方向に変位し、接続部281の他方は左方向に変位する。このように、ピニオン291の回転軸288を回転させることにより、ユーザは係合部280(図2参照)の一方と係合部280(図2参照)の他方とを近接又は離反させることができる。
図8において、第2調節機構287は、左右の相反する方向に延びる2つの接続部281に形成されたラック290と、2つの接続部281にそれぞれかみ合う2つのピニオン291とによって構成されている。2つの接続部281はピニオン291に対して後方に配置されている。2つのピニオン291は左右に隣接して配置され、互いにかみ合っている。
ユーザがピニオン291の一方の回転軸288を時計回りに回転させると、接続部281の一方は左方向に変位する。このとき、ピニオン291の他方はピニオン291の一方の回転を受けて反時計回りに回転し、接続部281の他方は右方向に変位する。また、ユーザがピニオン291の一方の回転軸288を反時計回りに回転させると、接続部281の一方は右方向に変位する。このとき、ピニオン291の他方はピニオン291の一方の回転を受けて時計回りに回転し、接続部281の他方は左方向に変位する。このように、ピニオン291の回転軸288を回転させることにより、ユーザは係合部280(図2参照)の一方と係合部280(図2参照)の他方とを近接又は離反させることができる。
第2調節機構287は、例えば図2に示すハウジング210の後壁217に左右方向に整列して設けられ、かつ係合部280を選択的に係止する複数の係止溝であってもよい。2つの係合部280が係止されるべき係止溝をそれぞれ選択することにより、係合部280の一方と係合部280の他方との間の距離を調節してもよい。
図9は、変形例に係る係合部280の一方を示している。係合部280は、例えば図7及び8に示す接続部281の端部に接続されているとよい。係合部280は、左右に延びる接続部281の遊端から後方に延びる係止部材293と、係止部材293より基端側において接続部281から後方に延びる支持部材294とを有している。
ユーザは、係合部280の一方がヘッドレストピラー206の一方より左右方向において外側に位置し、かつ、係合部280の他方がヘッドレストピラー206の他方より左右方向において外側に位置する初期位置から、係合部280の一方と係合部280の他方とを近接させる。ユーザは、係止部材293がヘッドレストピラー206に当接した状態(A)から、係合部280の一方と係合部280の他方とを更に近接させる。これにより、ヘッドレストピラー206は、支持部材294を接続部281側に押して乗り越えた後、係止部材293によって係止される(B)。
支持部材294が弾性変形することにより、ヘッドレストピラー206は係止部材293と支持部材294との間に捕捉される。このようにして、係合部280は、ヘッドレストピラー206に係合する。
次に、本実施形態に係る芳香デバイス201の効果について説明する。芳香デバイス201は、香りを放出する芳香物質を収容する第1収容室221を備えたハウジング210と、香りを所定の方向に導くために送風する導入ファン236及び排出ファン245と、ハウジング210をヘッドレストピラー206に取り付けるための取付装置211とを有している。
この構成によれば、香りを放つための芳香デバイス201をヘッドレストピラー206に取り付けることができる。芳香デバイス201はシート202に対して取り外し可能であるため、芳香デバイス201の修理や交換が必要となった場合に、作業が容易である。
導入通路240には、第1収容室221に外部から空気を送風する導入ファン236が配置されている。排出通路246には、第1収容室221から外部へ空気を送風する排出ファン245が配置されている。これにより、ハウジング210の外部から導入され、導入通路240、第1収容室221、及び排出通路246を通って外部に排出される空気の流路が形成される。よって、第1収容室221に収容されている芳香物質から放たれた香りを効率良く放出することができる。
また、導入通路240には、空気清浄デバイス238が配置されている。これにより、外部から導入された空気から塵や臭気発生物質を除去して、第1収容室221に送風することができる。よって、芳香デバイス201から放出される空気から不純物等を取り除くことができる。
第1収容室221にはロードセル259を介して保持部258が支持され、保持部258にはカートリッジ225が着脱可能に支持されている。ロードセル259はECU270に第1信号を送信し、ECU270は第1信号に基づいてカートリッジ225内の芳香物質の重量を演算し、演算結果を表示装置272に表示させる。表示装置272はハウジング210の外面に設けられているため、ユーザは開閉蓋227を開いてカートリッジ225を視認することなく芳香物質の残量を確認することができる。
カートリッジ225のキャップ251は、凸部253を有している。凸部253は、受容凹部262に形成された保持溝263によって係止されている。これにより、カートリッジ225は保持部258によって確実に保持される。
保持部本体260は、開口部226を介して受容凹部262が視認可能であり、かつ、カートリッジ225が挿脱可能な取換位置と、受容凹部262にカートリッジ225が収容された状態で開閉蓋227により開口部226を封止可能な使用位置とに変位可能に構成されている。これにより、カートリッジ225の取り換え作業が容易である。
保持部258は、ボトル250の内部と第1収容室221とを連通させる連通穴264と、連通穴264を開閉するシャッタ265とを有している。シャッタ265は、モータ267によって駆動される。これにより、シャッタ265の開閉によって香りの放出を制御することができる。よって、複数の芳香物質のうち、一部の芳香物質の香りを選択的に放出させることができる。また、ユーザはシャッタ265を手動で開閉する必要がない。
取付装置211は、ヘッドレストピラー206に係合する係合部280と、係合部280とハウジング210との間の距離を調節する第1調節機構286とを有している。これにより、対象物の形状に応じて芳香デバイス201を適切に取り付けることができる。
取付装置211は、ヘッドレストピラー206に係合する2つの係合部280と、係合部280の一方と、係合部280の他方との間の距離を調節する第2調節機構287を有している。これにより、対象物の形状に応じて芳香デバイス201を適切に取り付けることができる。
ECU270は、カートリッジ225内の芳香物質の重量が所定の閾値以下である場合には、モータ267によるシャッタ265の開き動作を禁止する。これにより、カートリッジ225に芳香物質が入っていない場合に、シャッタ265の不要な開き動作を禁止することができる。
香り穴255はキャップ本体252の前面において開口している。これにより、芳香デバイス201を取り付けたシートバック204を後方にリクライニングさせたときにも、液体状態の芳香物質がボトル250から漏れることを防止することができる。
<<第2実施形態>>
次に、第2実施形態に係る芳香デバイス301について説明する。芳香デバイス301は、第1実施形態に係る芳香デバイス201に対して、カートリッジ325及び保持部本体260と、取付装置311との構成において異なっている。以下では、第1実施形態と同様の構成については同一の符号を付し説明を省略する。
次に、第2実施形態に係る芳香デバイス301について説明する。芳香デバイス301は、第1実施形態に係る芳香デバイス201に対して、カートリッジ325及び保持部本体260と、取付装置311との構成において異なっている。以下では、第1実施形態と同様の構成については同一の符号を付し説明を省略する。
図10に示すように、カートリッジ325は、ボトル250と、ボトル250を封じるキャップ251とを有している。キャップ251は、キャップ本体252と、キャップ本体252に設けられた香り穴355とを有している。
香り穴355は、ボトル250の内部と外部とを連通させ、芳香物質から放たれる香りを外部に導く。香り穴355は、キャップ本体252の上面において開口している。香り穴355は、フィルタ356によって覆われている。
フィルタ356は、液体の通過を防止し、かつ、気体を通過させる。フィルタ356は、香り穴355を介して液体がボトル250の外部に漏れることを防止し、かつ、香り穴355を介して気体がボトル250の外部に放出されることを可能にする。すなわち、フィルタ356は、液体状態の芳香物質をボトル250の内部に留め、かつ、揮発した芳香物質をボトル250の外部に放出させる。フィルタ356は、公知の防水通気シートや、防水通気バルブ等を有していてもよい。
これにより、カートリッジ325をいずれの方向に傾けても、液体状態の芳香物質がボトル250から漏れることを防止することができる。よって、カートリッジ325を保持部本体260に差し込むときに、液体状態の芳香物質がボトル250から漏れることを防止することができる。また、芳香デバイス301を取り付けたシートバック204(図1参照)を後方にリクライニングさせたときにも、液体状態の芳香物質がボトル250から漏れることを防止することができる。
保持部本体260は、カートリッジ325を保持する。保持部本体260は、箱状をなすように形成されている。保持部本体260は、カートリッジ325の上部を受容する受容凹部262を有している。受容凹部262の側壁には、一対の係止片363が設けられている。
一対の係止片363は、互いに協働してボトル250の外面を係止する。一対の係止片363は、受容凹部262の周方向に等間隔に設けられている。係止片363はそれぞれ、正面視で三角形状をなしているとよい。受容凹部262にカートリッジ325を下方から差し込むと、一対の係止片363は、ボトル250を弾発的に保持する。これにより、一対の係止片363によってボトル250を弾発的に保持することができる。
図11に示すように、取付装置311は、ハウジング210に接続された第1部材381と、第1部材381に回動可能に接続された第2部材382とを有している。
第1部材381は、ハウジング210の後面に取り付けられている。第1部材381は、左右に延びる柱状に形成されている。第1部材381は、その前面においてハウジング210に接続されている。第1部材381の後面には、複数の係合溝380が形成されている。第1部材381の左右の一方の端部には、回動機構383が取り付けられている。第1部材381の左右の他方の端部には、第1ロック機構384が取り付けられている。
係合溝380は、ヘッドレストピラー206に係合する。係合溝380は、第1部材381の長さ方向に沿って設けられている。係合溝380は、第1部材381の後面から前方に向かって窪むように形成されている。係合溝380は、ヘッドレストピラー206に選択的に係合する係合部280として機能し、かつ、2つの係合部の間の距離を調節する第2調節機構287として機能する。
係合溝380の幅及び深さは、互いに等しくてもよく、異なっていてもよい。係合溝380は、その底部に形成され更に前方に窪む第2の係合溝を有していてもよい。
回動機構383は、上下方向に延びる回動軸を有している。回動機構383は、回動軸を中心に、第1部材381に対して第2部材382を回動可能に接続している。回動機構383は、第2部材382を第1部材381から離反する方向に付勢するばねを有していてもよい。
第2部材382は、第1部材381と協働してヘッドレストピラー206に係合する。第2部材382は、左右に延びる柱状に形成されている。第2部材382は、第1部材381と略等しい長さを有しているとよい。第2部材382の左右一方の端部は、回動機構383を介して、第1部材381の左右の一方の端部に接続されている。第2部材382の左右他方の端部には、第2ロック機構385が取り付けられている。
第1ロック機構384及び第2ロック機構385は、互いに協働して、取付装置311をヘッドレストピラー206に係止する。第1ロック機構384及び第2ロック機構385は、例えば、ロック穴と、ロック穴に挿入されるロック爪であるとよい。
この構成によれば、一対のヘッドレストピラー206の間隔に合わせてヘッドレストピラー206が係合されるべき係合溝380を選択することにより、芳香デバイス301を適切に取り付けることができる。
以上で具体的実施形態の説明を終えるが、本発明は上記実施形態に限定されることなく幅広く変形実施することができる。
取付装置311は、ハウジング210に対して取り外し可能に構成されていてもよい。例えば、取付装置311の接続部281がハウジング210に対して係合する係合機構を有し、ハウジング210が、係合機構を係止する被係合機構を有していてもよい。具体的には、係合機構は溝であり、被係合機構は溝を摺動可能に係止するレールであってもよい。
芳香デバイス301は、ハウジング210から取付装置311を取り外した状態で使用されてもよい。例えば、芳香デバイス301は、ヘッドレスト205に形成された収容部に収容されて使用されてもよい。
また、芳香デバイス301は、ハウジング210から取付装置311を取り外した状態で、ネックピロー、ネックストラップ等の公知のデバイスに保持された状態で使用されてもよい。例えば、デバイスが柔軟性を有する樹脂材料から構成されたネックピローである場合に、ハウジング210をネックピローの内部に収容してもよい。ネックピローには、ハウジング210の右壁215及び左壁214に形成された開口に連通する通気路と、通気路に接続され外面に開口する開口部226とを設けることができる。これにより、香りを効率よく放出することができる。
また、ECU270は、外部と通信する通信手段を有していてもよい。ECU270は、通信手段を介して取得した情報に基づいて各種の制御を行ってもよい。例えば、ECU270は、サーバに接続して開閉すべきシャッタ265を選択し、シャッタ265の開閉制御を行ってもよい。これにより、ECU270は、複数の芳香物質から、香りを放出するべき芳香物質を選択することができる。
ECU270は、各種のセンサに接続され、センサが検出した情報に基づいて、複数の芳香物質から、香りを放出するべき芳香物質を選択してもよい。
例えば、ECU270は、シート202の前後位置やシート202のリクライニング状態等を検出するポジションセンサからシート情報を取得し、シート情報に基づいて香りを放出する芳香物質を選択してもよい。例えば、シート情報が、シート202がリクライニング状態であることを示している場合には、ECU270は、リラックス効果のある香りを有する芳香物質を選択するとよい。
例えば、ECU270は、臭いを検出する臭気センサから臭気情報を取得し、臭気情報に基づいて香りを放出する芳香物質を選択してもよい。例えば、臭気センサがシート202に設けられ、ECU270が臭気情報に基づいて乗員が汗をかいていると判定した場合には、ECU270は、消臭効果のある香りを有する芳香物質を選択するとよい。例えば、臭気センサが車室内の匂いを検出するように構成され、ECU270が臭気情報に基づいて車室内が食べ物の匂いによって満たされていると判定した場合には、ECU270は、シャッタ265を制御して香りの放出を停止し、導入ファン236及び排出ファン245を駆動することによって空気の清浄のみを行うとよい。
例えば、ECU270は、シート202に設けられた生体センサから生体情報を取得し、生体情報に基づいて香りを放出する芳香物質を選択してもよい。例えば、生体センサは着座者の心拍を検出する心拍センサや着座者の脈波を検出する脈波センサを含んでいるとよい。ECU270は、生体情報に基づいて乗員が吐き気を催していると判定した場合には、シャッタ265を制御して香りの放出を停止し、導入ファン236及び排出ファン245を駆動することによって空気の清浄のみを行うとよい。ECU270は、生体情報に基づいて乗員が拾う状態にあると判定した場合には、リラックス効果のある香りを有する芳香物質を選択するとよい。ECU270は、生体情報に基づいて乗員が眠気を催していると判定した場合には、覚醒効果のある香りを有する芳香物質を選択するとよい。
例えば、ECU270は、車室に設けられた照度センサから照度情報を取得し、照度情報に基づいて香りを放出する芳香物質を選択してもよい。例えば、照度が所定の閾値以上である場合には、ECU270は、覚醒効果のある香りを有する芳香物質を選択するとよい。照度が所定の閾値未満である場合には、ECU270は、リラックス効果のある香りを有する芳香物質を選択するとよい。
ECU270は、車両に設けられた電子装置に接続され、電子装置に搭載されたアプリの起動情報を取得し、起動情報に基づいて香りを放出する芳香物質を選択してもよい。
ECU270は、車両のオーディオ装置や乗員のスマートフォンから再生中の音楽に関する音楽情報を取得し、音楽情報に基づいて香りを放出する芳香物質を選択してもよい。例えば、ECU270は、音楽情報に基づいて再生中の音楽のBPMの値を取得する。BPMの値が所定の閾値以上である場合には、ECU270は、覚醒効果のある香りを有する芳香物質を選択するとよい。BPMの値が所定の閾値未満である場合には、ECU270は、リラックス効果のある香りを有する芳香物質を選択するとよい。
また、ECU270は、音楽情報に基づいて再生中の音楽のアーティスト情報を取得してもよい。ECU270は、アーティスト情報に基づいて、香りを放出すべき芳香物質をユーザにリコメンドしてもよい。芳香物質の選択はECU270によって行われてもよく、ユーザによって行われてもよい。
ECU270は、車両のナビゲーション装置や乗員のスマートフォンから位置情報を取得し、位置情報に基づいて香りを放出する芳香物質を選択してもよい。例えば、位置情報が海の近くであることを示している場合には、ECU270は、海や潮風をイメージした香りを有する芳香物質を選択するとよい。
ECU270は、車両のナビゲーション装置や乗員のスマートフォンから目的地情報を取得し、目的地情報に基づいて香りを放出する芳香物質を選択してもよい。例えば、目的地情報がジムであることを示している場合には、ECU270は、生体情報に基づいて目的地における動(例えば、運動)を予測する。ECU270は、予測結果に基づいて、往路と復路とにおいて香りを放出する芳香物質をそれぞれ選択するとよい。例えば、ECU270は、往路では、リラックス効果のある香りを有する芳香物質を選択するとよい。ECU270は、復路では、消臭効果のある香りを有する芳香物質を選択するとよい。
ECU270は、ユーザタイプに応じて芳香物質を選択してもよい。例えば、ECU270は、予めメモリに記憶されたユーザ情報(例えば、性別、年齢、居住地、趣味など)に基づいて芳香物質を選択するとよい。ユーザ情報と芳香物質との対応は、予め記憶されているテーブルに基づいて決定されてもよく、AI学習によって決定されてもよい。
芳香デバイス201、301は、芳香物質を収容するカートリッジ225、325を個別に加熱する複数のヒータを有していてもよい。ヒータは、第1収容室221の後部に設けられているとよい。ヒータによって芳香物質を加熱することにより、芳香物質の揮発のタイミングを調節してもよい。
空気清浄デバイス238は、電気集塵方式やイオン発生方式等の公知の方法を採用したデバイスであってもよい。この場合、空気清浄デバイス238はECU270によって制御されることにより、空気を清浄化するとよい。
ECU270は、外部から取得した香りの放出パターンに基づいて、導入ファン236及び排出ファン245、シャッタ265、又はヒータ等を制御してもよい。ECU270は、スイッチ等を介したユーザからの入力に基づいてシャッタ265を制御してもよい。ECU270は、ユーザからの入力に基づいてシャッタ265を制御し、芳香物質から香りが放出される順番を制御してもよい。ECU270は、ユーザからの入力に基づいて導入ファン236及び排出ファン245やヒータを制御し、放出される香りの強さを制御してもよい。ECU270は、外部から取得した情報やユーザからの入力に基づいて各種の装置を制御し、芳香物質の調香を行ってもよい。
201 :第1実施形態に係る芳香デバイス
206 :ヘッドレストピラー(対象物)
210 :ハウジング
211 :取付装置
221 :第1収容室(収容室)
225 :カートリッジ
226 :開口部
227 :開閉蓋
236 :導入ファン(ファン)
238 :空気清浄デバイス
240 :導入通路
245 :排出ファン(ファン)
246 :排出通路
250 :ボトル
251 :キャップ
252 :キャップ本体
253 :凸部
258 :保持部
259 :ロードセル
262 :受容凹部
263 :保持溝
264 :連通穴
265 :シャッタ
267 :モータ
270 :ECU(制御装置)
272 :表示装置
280 :係合部
286 :第1調節機構
287 :第2調節機構
301 :第2実施形態に係る芳香デバイス
311 :取付装置
325 :カートリッジ
363 :係止片
206 :ヘッドレストピラー(対象物)
210 :ハウジング
211 :取付装置
221 :第1収容室(収容室)
225 :カートリッジ
226 :開口部
227 :開閉蓋
236 :導入ファン(ファン)
238 :空気清浄デバイス
240 :導入通路
245 :排出ファン(ファン)
246 :排出通路
250 :ボトル
251 :キャップ
252 :キャップ本体
253 :凸部
258 :保持部
259 :ロードセル
262 :受容凹部
263 :保持溝
264 :連通穴
265 :シャッタ
267 :モータ
270 :ECU(制御装置)
272 :表示装置
280 :係合部
286 :第1調節機構
287 :第2調節機構
301 :第2実施形態に係る芳香デバイス
311 :取付装置
325 :カートリッジ
363 :係止片
Claims (11)
- 芳香デバイスであって、
香りを放出する芳香物質を収容する収容室を備えたハウジングと、
香りを所定の方向に導くために送風する少なくとも1つのファンと、
前記ハウジングを対象物に取り付けるための取付装置とを有する芳香デバイス。 - 前記ハウジングは、前記収容室に外部から空気を導入するための導入通路と、前記収容室から外部へ空気を排出するための排出通路とを有し、
前記ファンは、前記導入通路に設けられ外部から前記収容室に空気を送風する導入ファンと、前記排出通路に設けられ前記収容室から外部へ空気を送風する排出ファンとを有し、
前記導入通路に、前記導入通路を通過する空気中の粉塵及び臭気発生物質を除去する空気清浄デバイスが配置されている請求項1に記載の芳香デバイス。 - 前記収容室にはロードセルを介して保持部が支持され、
前記保持部にカートリッジが着脱可能に支持され、
前記ロードセルは制御装置に第1信号を送信し、前記制御装置は前記第1信号に基づいて前記カートリッジ内の前記芳香物質の重量を演算し、演算結果を表示装置に表示させる請求項2に記載の芳香デバイス。 - 前記保持部は、前記カートリッジを受容する受容凹部を有し、前記受容凹部には、前記カートリッジを弾発的に支持する複数の係止片が設けられている請求項3に記載の芳香デバイス。
- 前記カートリッジは、前記芳香物質を収容するボトルと、前記ボトルを封じるキャップとを有し、
前記キャップは、キャップ本体と、前記キャップ本体から突出する凸部とを有し、
前記保持部には、前記カートリッジを受容する受容凹部を有し、前記受容凹部には、前記凸部を係止する保持溝が形成されている請求項3に記載の芳香デバイス。 - 前記ハウジングは、前記収容室の開口部を開閉する開閉蓋を備え、
前記保持部は、前記受容凹部が前記開口部を介して視認可能であり、かつ、前記カートリッジが挿脱可能な取換位置と、前記受容凹部に前記カートリッジが収容された状態で前記開閉蓋により前記開口部を封止可能な使用位置とに変位可能に構成されている請求項4又は5に記載の芳香デバイス。 - 前記保持部は、前記ボトルの内部と前記収容室とを連通させる連通穴と、前記連通穴を開閉するシャッタとを有している請求項5に記載の芳香デバイス。
- 前記シャッタを駆動するモータを有している請求項7に記載の芳香デバイス。
- 前記制御装置は、前記重量が所定の閾値以下である場合には、前記モータによる前記シャッタの開き動作を禁止する請求項8に記載の芳香デバイス。
- 前記取付装置は、前記対象物に係合する係合部と、前記係合部と前記ハウジングとの間の距離を調節する第1調節機構とを有している請求項1に記載の芳香デバイス。
- 前記取付装置は、前記対象物に係合する2つの係合部と、前記係合部の一方と、前記係合部の他方との間の距離を調節する第2調節機構を有している請求項1に記載の芳香デバイス。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
PCT/JP2022/035931 WO2023054354A1 (ja) | 2021-09-29 | 2022-09-27 | 乗物用シート |
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
US202163249668P | 2021-09-29 | 2021-09-29 | |
US63/249,668 | 2021-09-29 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2023050144A true JP2023050144A (ja) | 2023-04-10 |
Family
ID=85802102
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2022148656A Pending JP2023050144A (ja) | 2021-09-29 | 2022-09-19 | 芳香デバイス |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2023050144A (ja) |
-
2022
- 2022-09-19 JP JP2022148656A patent/JP2023050144A/ja active Pending
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