JP2023049950A - 回転検出装置および軸受装置 - Google Patents

回転検出装置および軸受装置 Download PDF

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Hiroyoshi Ito
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Abstract

【課題】より分解能を高くする事が可能な回転検出装置およびこれを用いた軸受装置を提供する。【解決手段】それぞれ極対数が異なる複数極対の磁化列を複数含む磁気トラックを有する磁気エンコーダと、前記磁気エンコーダと対向し、各磁化列から発生する磁界の変化を含む磁気特性を検出する複数の読み取り部を有する複数の磁気センサと、を備え、前記複数の磁気センサは各々、互いに電気角位相差を持った、前記磁気特性に関する2つの内部信号の夫々が該磁気センサ内部で逓倍処理された2つの内部逓倍信号S1,S2を出力し、一の磁気センサからの前記内部逓倍信号S1と他の磁気センサからの前記内部逓倍信号S1との電気角位相差が、上記2つの内部逓倍信号S1,S2間の電気角位相差を所定の2のべき乗値で除算した所定の電気角位相差となるように、該所定の電気角位相差に対応した機械角で各磁気センサが配置された、回転検出装置。【選択図】図3

Description

本発明は、回転体の回転等を検出する回転検出装置およびこれを用いた軸受装置に関する。
従来から、軸受装置の回転輪を含む回転体の回転等を検出することが行われており、その回転を検出するために回転検出装置が使用されている。回転検出装置は、複数極対の磁化列を含む円環状の所謂磁気エンコーダ(または磁気リングとも呼ばれる)と、該磁気エンコーダから発生する磁界の変化を含む磁気特性を検出する磁気センサとからなり、磁気センサは例えば、前記磁気特性に対応したアブソリュート信号とも呼ばれる絶対角信号と、互いに90°の電気角位相差を持ち前記磁気特性に対応した2つの信号であるパルス状のインクリメンタル信号とも呼ばれる相対角信号(A相信号、B相信号)とのいずれか一方または両方を出力する。また、磁気センサには、上記インクリメンタル信号が逓倍処理された内部逓倍信号を出力する機能を有するものが知られている。(特許文献1の段落[0014]、[0024]、[0036]、[0039]、および請求項4)
特許6713269号公報
しかし、特許文献1の上記段落等では、内部逓倍信号以上に分解能を向上させることについて開示されていない。
本発明は、上記の従来技術の課題を解決するためになされたものであって、その目的は、より分解能を高くする事が可能な回転検出装置およびこれを用いた軸受装置を提供することである。
上記目的を達成するために、本発明に係る回転検出装置は、
N極およびS極が交互に着磁された、それぞれ極対数が異なる複数極対の磁化列を複数含む磁気トラックを有する円環状の磁気エンコーダと、
前記磁気エンコーダと対向し、各磁化列から発生する磁界の変化を含む磁気特性を検出する複数の読み取り部を有する複数の磁気センサと、
を備えた回転検出装置であって、
前記複数の磁気センサは各々、互いに電気角位相差を持った、前記磁気特性に関する2つの内部信号の夫々が該磁気センサ内部で逓倍処理された2つの内部逓倍信号S1,S2を出力し、
一の磁気センサからの前記内部逓倍信号S1と他の磁気センサからの前記内部逓倍信号S1との電気角位相差が、上記2つの内部逓倍信号S1,S2間の電気角位相差を所定の2のべき乗値で除算した所定の電気角位相差となるように、該所定の電気角位相差に対応した機械角で各磁気センサが配置されている。
上記構成によると、本発明に係る回転検出装置は、一の磁気センサからの前記内部逓倍信号S1と他の磁気センサからの前記内部逓倍信号S1との電気角位相差が、上記2つの内部逓倍信号S1,S2間の電気角位相差を所定の2のべき乗値で除算した所定の電気角位相差となるように、該所定の電気角位相差に対応した機械角で各磁気センサが配置された状態で、互いに電気角位相差(例えば90°)を持った前記磁気特性に関する2つの逓倍処理された内部逓倍信号S1,S2を出力するため、例えば当該内部逓倍信号を用いて外部の逓倍回路で更に逓倍処理された逓倍信号を生成する際の有用な位相差とすることができ、内部逓倍信号よりも分解能を更に高めることに寄与しうる。すなわち、後段において更に分解能を高めた信号を生成する場合に適したタイミングの2つの内部逓倍信号を出力することに寄与しうる。また、複数の磁気センサを採用しているため、冗長性を有することができ、機能安全性が向上する。
前記複数の磁気センサ各々からの前記内部逓倍信号に、更に逓倍処理を行って外部逓倍信号を出力する外部逓倍回路を備えてもよい。これにより、上記のような、当該内部逓倍信号を用いて外部の逓倍回路で更に逓倍処理された逓倍信号を生成することができ、内部逓倍信号よりも分解能を更に高めることができる。
前記複数の磁気センサは、2つの磁気センサであり、
2つの内の一方の磁気センサからの前記内部逓倍信号S1と2つの内の他方の磁気センサからの前記内部逓倍信号S1との電気角位相差が、前記所定の電気角位相差の「22.5°±4%」であってもよい。
これにより、上記のような、後段における更に分解能を高めた信号を生成するのに適したタイミングの2つの内部逓倍信号を出力することができる。なお、電気角位相差を所定の数値(上記22.5°等)に完全一致させることは工業上困難であり、ほとんどの場合において公差、誤差バンド等の許容値が設定されている。例えば、電気角位相差の±10%の範囲が、一般的に許容値とされうる。
前記2つの磁気センサは、該円環状の磁気エンコーダの周方向に機械角で「180°±0.3%+1.41°±4%」だけ離れて配置されてもよい(±0.3%は180°に対してであり、±4%は+1.41°に対してである)。これにより、上記のような、後段における更に分解能を高めた信号を生成するのに適したタイミングの2つの内部逓倍信号を出力することができる。また、2つの磁気センサが相対的に機械角で180°に近い181.41°の位相をずらした位置に配置されているため、円環状の磁気エンコーダのリング中心と回転中心とにズレが生じている場合に、例えば平均処理等により、上記ずれに起因する角度誤差を小さくする事に寄与でき、回転角検出精度の向上に寄与しうる。なお、機械角を所定の数値(上記181.41°等)に完全一致させることは工業上困難であり、ほとんどの場合において公差、誤差バンド等の許容値が設定されている。例えば、機械角の180°±1%+1.41°±10%の範囲が、一般的に許容値とされうる(±1%は180°に対してであり、±10%は+1.41°に対してである)。
前記複数の磁気センサは各々、前記磁気特性に関するインクリメンタル信号を出力してもよい。これにより、相対的な値の出力が可能となり、また出力に冗長性を有することができ、機能安全性が向上する。
上記目的を達成するために、本発明に係る他の回転検出装置は、
N極およびS極が交互に着磁された、それぞれ極対数が異なる複数極対の磁化列を複数含む磁気トラックを有する円環状の磁気エンコーダと、
前記磁気エンコーダと対向し、各磁化列から発生する磁界の変化を含む磁気特性を検出する複数の読み取り部を有する複数の磁気センサと、
を備えた回転検出装置であって、
前記複数の磁気センサが各々、前記磁気特性に関するアブソリュート信号を出力する場合において、
前記複数の磁気センサは、2つの磁気センサであり、
一方の磁気センサが、他方の磁気センサの配置に対して、前記磁気エンコーダの回転軸芯回りまたは前記磁気エンコーダの中心軸に対して「180°±0.3%」の機械角だけずれた位置に配置されている。
これにより、2つの磁気センサが上記のように相対的に機械角で180°の位相をずらした位置に配置されているため、円環状の磁気エンコーダのリング中心と回転中心とにズレが生じている場合に、例えば平均処理等により、上記ずれに起因する角度誤差を小さくする事に寄与でき、回転角検出精度の向上に寄与しうる。なお、既に述べたように、例えば機械角の±1%の範囲が、一般的に許容値とされうる。
前記複数の磁気センサは各々、前記磁気特性に関するアブソリュート信号を出力してもよい。これにより、絶対的な値の出力が可能となり、また出力に冗長性を有することができ、機能安全性が向上する。
2つの前記磁気センサの出力値に平均処理を行ってもよい。これにより、2つの磁気センサが相対的に機械角で180°または180°に近い値へ位相をずらした位置に配置した場合に、円環状の磁気エンコーダのリング中心と回転中心とにズレが生じたとき、この平均処理により、上記ずれに起因する角度誤差を小さくする事に寄与でき、回転角検出精度の向上に寄与しうる。
前記磁気トラックを有する前記磁気エンコーダは、前記磁気トラックと薄肉金属板からプレス成形された芯金とが一体化された構成であり、
前記磁気トラックは、磁性粉とエラストマーとが混合された構成であり、
前記芯金に回転体が係合されてもよい。
これにより、安価に容易に性能の高い回転検出装置を製造しうる。
上記目的を達成するために、本発明に係る軸受装置は、
固定部材に取付けられる固定輪、転動体、および前記固定輪に前記転動体を介して回転自在に支持される回転輪を有する軸受装置であって、
上に記載の回転検出装置を備え、前記回転体は、前記回転輪である。
上記構成によると、本発明に係る軸受装置は、上に記載の回転検出装置の効果を発揮しつつ前記回転体を滑らかに回転させることができる。
本発明に係る回転検出装置およびこれを用いた軸受装置は、より分解能を高くする事が可能となる。
本発明の一の実施形態に係る回転検出装置の構成を示す概念斜視図である。 (a)は、上記回転検出装置の磁気トラックの展開図の平面図であり、(b)は、B-B矢視の断面側面図である。 上記回転検出装置の内部逓倍信号および外部逓倍信号を説明する図である。 上記回転検出装置の2つの磁気センサと磁気エンコーダとの配置関係を示す図である(ズレ無し)。 上記回転検出装置の2つの磁気センサと磁気エンコーダとの配置関係を示す図である(ズレ有り)。 上記回転検出装置の2つの磁気センサと磁気エンコーダとの配置関係を示す図である(ズレ有り)。 上記回転検出装置の一の磁気センサの出力波形を示す図である。 上記回転検出装置の他の磁気センサの出力波形を示す図である。 上記回転検出装置の2つの磁気センサの出力波形を平均処理した図である。 本発明の他の実施形態に係る軸受装置の構成を示す断面図である。
図1に、本発明の一の実施形態に係る回転検出装置の構成の概念斜視図を示す。回転検出装置Ksは、N極およびS極が交互に着磁された、それぞれ極対数が異なる複数極対の磁化列7bx、7bx、…、7bxを複数含む磁気トラック7bを有する円環状の磁気エンコーダ7と、磁気エンコーダ7と対向し、各磁化列7bx、7bx、…、7bxから発生する磁界の変化を含む磁気特性を検出する複数の読み取り部を有する複数の磁気センサ13とを備える。同図では、磁気エンコーダ7と複数の磁気センサ13との各検出ギャップの距離は一定である。上記複数の読み取り部は、例えば図2に示す第1磁気センサ131に含まれる主トラック7bm用の読み取り部131mおよび副トラック7bs用の読み取り部131sと、第2磁気センサ132に含まれる主トラック7bm用の読み取り部132mおよび副トラック7bs用の読み取り部132sである。なお、主トラック7bm、副トラック7bsは、上記磁化列7bxに含まれる磁化列である。図1の磁気エンコーダ7は、更に、芯金7aを有し、上記磁気トラック7bは芯金7aの外周の全周に設けられ、磁気トラック7bと芯金7aとは一体化された構成である。芯金7aは、例えば薄肉金属板からプレス成形された構成であり、磁気トラック7bは、例えば種々のゴム材と種々の磁性材とが混合された、具体的には磁性粉とエラストマーとが混合された構成である。
本実施形態では、磁気センサ13は、第1磁気センサ131と第2磁気センサ132とからなる。本実施形態の第1磁気センサ131と第2磁気センサ132は各々、上記磁気特性に関するアブソリュート信号(絶対角信号)と、互いに電気角位相差(本実施形態では90°)を持った上記磁気特性に関する2つの内部信号の一例であるパルス状のいわゆるa相、b相信号と呼ばれるインクリメンタル信号(相対角信号)の夫々が逓倍化(本実施形態では4096逓倍)された信号である2つの内部逓倍信号S1,S2(後で各々、A相信号、B相信号、またはA’相信号、B’相信号と呼ぶ)とのいずれか一方または両方を選択的に出力する機能を有する。すなわち、本実施形態の第1磁気センサ131と第2磁気センサ132とは、各々、該磁気センサ内部で例えば2のべき乗倍の逓倍処理された上記内部逓倍信号を出力するために各インクリメンタル信号を逓倍処理する逓倍回路を内部に有し、上記逓倍処理された内部逓倍信号を出力する機能を有する。図1では、第1磁気センサ131と第2磁気センサ132とは、(一の磁気センサたる第1磁気センサ131からの)内部逓倍信号S1(またはS2)と(と他の磁気センサたる第2磁気センサ132からの)内部逓倍信号S1(またはS2)との電気角位相差が後述の所定の電気角位相差となるように、該所定の電気角位相差に対応した機械角で配置されているが、この配置については、後で詳説する。
図1に示すように、回転検出装置Ksは、上記複数の磁気センサ(本実施形態では、第1磁気センサ131、第2磁気センサ132)各々からの上記内部逓倍信号に、更に例えば2のべき乗倍の逓倍処理を行って単相の外部逓倍信号を出力する外部逓倍回路13cを備えている。第1磁気センサ131からは、内部逓倍信号S1,S2であるA相信号、B相信号が出力され、両信号は外部逓倍回路13cに含まれる第1外部逓倍回路13c1に入力され、第1外部逓倍回路13c1からは更に逓倍処理(本実施形態では4逓倍)が施された単相の外部逓倍信号のC相信号が出力される。第2磁気センサ132からは、内部逓倍信号S1,S2であるA’相信号、B’相信号が出力され、両信号は外部逓倍回路13cに含まれる第2外部逓倍回路13c2に入力され、第2外部逓倍回路13c2からは更に逓倍処理(本実施形態では4逓倍)が施された上記C相信号のような単相の外部逓倍信号のD相信号が出力される。更に外部逓倍信号のC相信号、D相信号は、例えば2のべき乗倍の逓倍処理を行う第3外部逓倍回路13c3に入力され、第3外部逓倍回路13c3から更に逓倍処理(本実施形態では4逓倍)が施された単相のE相信号が出力される。なお、第3外部逓倍回路13c3は外部逓倍回路13cに同梱されてもよい。以下では、C相信号、D相信号、E相信号について述べる。
まず、主トラック7bmと副トラック7bsとからなる磁気トラック7bについて説明する。図2に、第1磁気センサ131(主トラック用読み取り部131m、副トラック用読み取り部131s)、および、第2磁気センサ132(主トラック用読み取り部132m、副トラック用読み取り部132s)の透視図を重ね合わせた、回転検出装置Ksの磁気トラック7bの展開図の平面図(a)と、同図(a)におけるB-B矢視の断面側面図(b)とを示す。円環状の磁気トラック7bとなった場合には、同図(a)のA点とA‘点とが一致する。なお各図中で磁気センサ13(本実施形態では、第1磁気センサ131、第2磁気センサ132)のブロックの中央に記された一点鎖線は、各磁気センサの中央を表している。図2の例では、それぞれ極対数が異なる複数極対の磁化列7bx、7bx、…、7bxを複数含む磁気トラック7bは、360°の回転角(一回転分)において磁極対が16対(ペア番号1~16)の磁化列である主トラック7bmと、該回転角において磁極対が15対(ペア番号1~15)の磁化列である副トラック7bsとからなる。なお、主トラック7bmと副トラック7bsの磁極対の組合せは、この16対と15対だけでなく、32対と31対、64対と63対であってもよい。同図(b)によると、第1磁気センサ131と第2磁気センサ132とは、上述のように一の前記内部逓倍信号と他の前記内部逓倍信号との電気角位相差が上記所定の電気角位相差となるように、該所定の電気角位相差に対応した機械角で配置され、具体的には、該機械角でこの円環状の磁気エンコーダ7の周方向に180°+1.41°だけ離れて配置されている(後で詳述)。
図3に、上記回転検出装置Ksの内部逓倍信号であるA相信号とB相信号、A’相信号とB’相信号、外部逓倍信号であるC相信号、D相信号、および更に逓倍化された信号であるE相信号を示す。内部逓倍信号であって、一波長が電気角で360°のA相信号とB相信号は、第1磁気センサ131から出力される、16磁極対の主トラック7bmの磁気特性を検出した信号を4096倍に逓倍化した信号であり、本実施形態では互いに電気角で90°(=360°/4;1/4波長分)だけ位相がずれている。内部逓倍信号であって、一波長が電気角で360°のA’相信号とB’相信号は、第2磁気センサ132から出力され、A相信号とB相信号と同様に4096倍に逓倍化され互いに電気角で90°(=360°/4;1/4波長分)だけ位相がずれた信号である。
本実施形態では、第1外部逓倍回路13c1でA相信号とB相信号とを使用して2のべき乗値たる4逓倍された外部逓倍信号である、一波長が電気角で90°のC相信号が生成され、第2外部逓倍回路13c2でA’相信号とB’相信号とを使用して2のべき乗値たる4逓倍された外部逓倍信号である、一波長が電気角で90°のD相信号が生成される。ここで、本実施形態では、一の磁気センサたる第1磁気センサ131からのA相信号(またはB相信号)と他の磁気センサたる第2磁気センサ132からのA’相信号(またはB’相信号)とは、後述のようにさらなる4逓倍の信号を生成するために90°の1/4となる(上記2つの内部逓倍信号でもあるA相信号とB相信号間の電気角位相差90°またはA’相信号とB’相信号間の電気角位相差90°を所定の2のべき乗値[本実施形態では、4]で除算した)所定の電気角位相差である22.5°[電気角](=90°/4)だけ互いに位相がずれている。更に本実施形態では、第3外部逓倍回路13c3でこれらのC相信号とD相信号とを使用して、上記更に逓倍化された信号(すなわち更に上記2のべき乗値たる4で逓倍化された信号)である一波長が電気角で22.5°のE相信号が生成される。なお本実施形態では、上記電気角位相差は、公差、誤差バンド等の許容値を含めて「22.5°±4%」とされる。
図4に、2つの磁気センサ(第1磁気センサ131、第2磁気センサ132)と円環状の磁気エンコーダ7との配置関係を示す。第1磁気センサ131と第2磁気センサ132とは、上述のように、円環状の磁気エンコーダ7の周方向(例えばCW[ClockWise]方向)に機械角で181.41°(上述の180°+1.41°)だけ離れて配置されている。この1.41°[機械角]は(以下、調整角Δとも呼ぶ)、前記所定の電気角位相差である22.5°(=90°/4)[電気角]を使用して算出される。すなわち、この調整角Δの値は、本実施形態では、32極のS極またはN極(16磁極対)の中心角(360°/32)に、電気角180°に対する前記所定の電気角位相差である22.5°の比(22.5°/180°)を乗算した積(=1.40625)を小数点以下第3位で四捨五入した値である。「360°/32」(=11.25°)の演算は、磁気トラック7bにおけるN極の幅、S極の幅(パルス矩形波形で言うところのHighの幅、Lowの幅に対応)それぞれに対する機械角を計算している。ここで、N極の幅、S極の幅(Highの幅、Lowの幅)それぞれは電気角では180°に相当することから、第1磁気センサ131のA相信号の出力波形と第2磁気センサ132のA’相信号の出力波形との電気角位相差を22.5°とするために、「22.5°/180°」の比率を乗算している。これにより本実施形態では、第1磁気センサ131からのA相信号(またはB相信号)に対して前記所定の電気角位相差である22.5°[電気角]だけ位相がずれたA’相信号(またはB’相信号)が第2磁気センサ132から出力される。なお本実施形態では、上記機械角は、公差、誤差バンド等の許容値を含めて「180°±0.3%+1.41°±4%」とされる。±0.3%は180°に対する許容値であり、±4%は+1.41°に対する許容値である。
図4では、磁気エンコーダ7のリング中心O1と磁気エンコーダ7が回転する回転中心O2とが一致していたが、磁気エンコーダ7を設置する際に、例えば図5のように回転中心O2に対してリング中心O1の位置に鉛直方向のずれが生じる場合がある。この場合、磁気エンコーダ7が第2磁気センサ132寄りとなり、図5の例では第1磁気センサ131へのペア番号1の磁極対からの磁界範囲の幅D1が広くなり、他方で第2磁気センサ132へのペア番号9の磁極対からの磁界範囲の幅D2が狭くなる。この後、半回転すると、磁気エンコーダ7が第1磁気センサ131寄りとなり、図6の例では第1磁気センサ131へのペア番号1の磁極対からの磁界範囲の幅D1が狭くなり、他方で第2磁気センサ132へのペア番号2の磁極対からの磁界範囲の幅D2が広くなる。このように回転中心O2とリング中心O1とがずれている場合、磁気トラック7bの主トラック7bmと副トラック7bsとの位相差において、偏芯(ずれ)が無い場合は回転角度に対して連続的に変化するところ、回転角度に対して連続的に変化しなくなるため絶対角精度が悪化する。よって、第1磁気センサ131には図7に示すような回転角度に対する磁界の角度誤差が生じ、第2磁気センサ132には図8に示すような回転角度に対する磁界の角度誤差が生じる。
しかし、図7に示すような第1磁気センサ131からの出力信号と、図8に示すような第2磁気センサ132からの出力信号とに対して、例えば平均処理による補正を施すことで、角度誤差が相殺されて図9に示すような理想的な値(0°)に近づけることができる。これは、上述のように第1磁気センサ131と第2磁気センサ132とは、磁気エンコーダ7の周方向に機械角でほぼ180°(181.41°)だけ離れて配置されていることにより、達成される。なお、磁気センサ13から上記磁気特性に関するアブソリュート信号のみが出力される場合には、調整角Δ(1.41°)のずれの考慮は不要であるので、第1磁気センサ131は第2磁気センサ132の配置に対して、磁気エンコーダの回転軸O2回りまたは前記磁気エンコーダのリング中心O1に対して180°の機械角だけずれた位置に配置されていてもよい。この場合、本実施形態では、上記機械角は、公差、誤差バンド等の許容値を含めて「180°±0.3%」とされる。
以上により、回転検出装置Ksでは、第1磁気センサ131からの内部逓倍信号のA相信号(またはB相信号)と第2磁気センサ132からの内部逓倍信号のA’相信号(またはB’相信号)との電気角位相差が、上記2つの内部逓倍信号のA相信号とB相信号(A’相信号とB’相信号)間の電気角位相差(90°)を所定の2のべき乗値(4)で除算した所定の電気角位相差(22.5°)となるように、該所定の電気角位相差に対応した機械角で各磁気センサが配置された状態で、互いに電気角位相差(本実施形態では、90°)を持った、前記磁気特性に関する2つの逓倍処理された内部逓倍信号(A相信号とB相信号、およびA’相信号とB’相信号等)を出力するため、例えば当該内部逓倍信号を用いて後段外部逓倍回路13cで更に逓倍処理された逓倍信号(E相信号)を生成する際の有用な位相差とすることができ、内部逓倍信号よりも分解能を更に高めることができる。また、複数の磁気センサを採用しているため、冗長性を有することができ、機能安全性が向上する。
本実施形態の回転検出装置Ksは、前記複数の磁気センサ13からの前記内部逓倍信号に、更に逓倍処理を行って外部逓倍信号を出力する外部逓倍回路13cを備えており、上記のような、当該内部逓倍信号を用いて外部の逓倍回路で更に逓倍処理された逓倍信号(C相信号、D相信号、更にE相信号)を生成することができ、内部逓倍信号よりも分解能を更に高めることができる。
本実施形態の複数の磁気センサ13は、2つの磁気センサの第1磁気センサ131と第2磁気センサ132であり、2つの内の一方の第1磁気センサ131からの前記内部逓倍信号であるA相信号(またはB相信号)と2つの内の他方の第2磁気センサ132からの前記内部逓倍信号であるA’相信号(またはB’相信号)との電気角位相差が、前記所定の電気角位相差の22.5°である。これにより、上記のような、後段の外部逓倍回路13cにおける更に分解能を高めた信号を生成するのに適したタイミングの2つの内部逓倍信号を出力することができる。
2つの磁気センサの第1磁気センサ131と第2磁気センサ132は、該円環状の磁気エンコーダ7の周方向に機械角で181.41°だけ離れて配置されている。これにより、上記のような、後段の外部逓倍回路13cにおける更に分解能を高めた信号を生成するのに適したタイミングの2つの内部逓倍信号を出力することができる。また、2つの磁気センサが相対的に機械角で180°に近い181.41°の位相をずらした位置に配置されているため、円環状の磁気エンコーダのリング中心と回転中心とにズレが生じている場合に、例えば上述の平均処理等により、上記ずれに起因する角度誤差を小さくする事に寄与でき、回転角検出精度の向上に寄与しうる。アブソリュート信号のみを出力する場合には、2つの磁気センサの第1磁気センサ131と第2磁気センサ132が上記のように相対的に機械角で180°の位相をずらした位置に配置されることで、円環状の磁気エンコーダ7のリング中心O1と回転中心O2とにズレが生じている場合に、例えば上述の平均処理等により、上記ずれに起因する角度誤差を小さくする事に寄与でき、回転角検出精度の向上に寄与しうる。
図10に、本発明の他の実施形態に係る軸受装置の構成を示す断面図である。この軸受装置1では、上記実施形態で説明を行った回転検出装置Ksが軸受に取り付けられている。この軸受は、車両のナックルや人に代わって様々な作業を行う種々の機械または設備機器の筐体等の固定部材に取付けられる固定輪(外輪)2、球体状のころ等である転動体4、および固定輪2に転動体4を介して回転自在に支持される回転輪(内輪)3を有する。転動体4は、保持器5で保持される。上記実施形態の回転検出装置Ksの芯金7aに回転体たるこの軸受装置1の回転輪3が係合される。具体的には、回転輪3の外径面における軸方向一端側の部分に、芯金7aの内周面における軸方向一端側の部分が嵌着され固定されている。磁気センサ13は上記固定部材側のセンサハウジング9に収納されている。磁気センサ13は、ガラス入りエポキシ樹脂製の回路基板に表面実装されてから取り付けられてもよい。センサハウジング9は、例えば、樹脂製で環状に形成されている。磁気センサ13の近傍に外部逓倍回路13cが備えられ、磁気センサ13および外部逓倍回路13cからのケーブル15により、アブソリュート信号やA相信号~E相信号が出力される。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 軸受装置
2 固定輪
3 回転輪
4 転動体
7 磁気エンコーダ
7a芯金
7b 磁気トラック
7bx 磁化列
13 磁気センサ
131 第1磁気センサ
132 第2磁気センサ
13c 外部逓倍回路
Ks 回転検出装置

Claims (10)

  1. N極およびS極が交互に着磁された、それぞれ極対数が異なる複数極対の磁化列を複数含む磁気トラックを有する円環状の磁気エンコーダと、
    前記磁気エンコーダと対向し、各磁化列から発生する磁界の変化を含む磁気特性を検出する複数の読み取り部を有する複数の磁気センサと、
    を備えた回転検出装置であって、
    前記複数の磁気センサは各々、互いに電気角位相差を持った、前記磁気特性に関する2つの内部信号の夫々が該磁気センサ内部で逓倍処理された2つの内部逓倍信号S1,S2を出力し、
    一の磁気センサからの前記内部逓倍信号S1と他の磁気センサからの前記内部逓倍信号S1との電気角位相差が、上記2つの内部逓倍信号S1,S2間の電気角位相差を所定の2のべき乗値で除算した所定の電気角位相差となるように、該所定の電気角位相差に対応した機械角で各磁気センサが配置された、
    回転検出装置。
  2. 請求項1に記載の回転検出装置において、
    前記複数の磁気センサ各々からの前記内部逓倍信号に、更に逓倍処理を行って外部逓倍信号を出力する外部逓倍回路を備えた、
    回転検出装置。
  3. 請求項1または2に記載の回転検出装置において、
    前記複数の磁気センサは、2つの磁気センサであり、
    2つの内の一方の磁気センサからの前記内部逓倍信号S1と2つの内の他方の磁気センサからの前記内部逓倍信号S1との電気角位相差が、前記所定の電気角位相差の「22.5°±4%」である、
    回転検出装置。
  4. 請求項3に記載の回転検出装置において、
    前記2つの磁気センサは、該円環状の磁気エンコーダの周方向に機械角で「180°±0.3%+1.41°±4%」だけ離れて配置された、
    回転検出装置。
  5. 請求項1~3のいずれか一項に記載の回転検出装置において、
    前記複数の磁気センサは各々、前記磁気特性に関するインクリメンタル信号を出力する、
    回転検出装置。
  6. N極およびS極が交互に着磁された、それぞれ極対数が異なる複数極対の磁化列を複数含む磁気トラックを有する円環状の磁気エンコーダと、
    前記磁気エンコーダと対向し、各磁化列から発生する磁界の変化を含む磁気特性を検出する複数の読み取り部を有する複数の磁気センサと、
    を備えた回転検出装置であって、
    前記複数の磁気センサは、2つの磁気センサであり、
    一方の磁気センサが、他方の磁気センサの配置に対して、前記磁気エンコーダの回転軸芯回りまたは前記磁気エンコーダの中心軸に対して「180°±0.3%」の機械角だけずれた位置に配置された、
    回転検出装置。
  7. 請求項6に記載の回転検出装置において、
    前記複数の磁気センサは各々、前記磁気特性に関するアブソリュート信号を出力する、
    回転検出装置。
  8. 請求項4または6に記載の回転検出装置において、
    2つの前記磁気センサの出力値に平均処理を行う、
    回転検出装置。
  9. 請求項1から8のいずれか一項に記載の回転検出装置において、
    前記磁気トラックを有する前記磁気エンコーダは、前記磁気トラックと薄肉金属板からプレス成形された芯金とが一体化された構成であり、
    前記磁気トラックは、磁性粉とエラストマーとが混合された構成であり、
    前記芯金に回転体が係合される、
    回転検出装置。
  10. 固定部材に取付けられる固定輪、転動体、および前記固定輪に前記転動体を介して回転自在に支持される回転輪を有する軸受装置であって、
    請求項9に記載の回転検出装置を備え、前記回転体は、前記回転輪である、
    軸受装置。
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