JP2023048473A - 害虫防除具 - Google Patents

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Abstract

【課題】 揮散性に優れた害虫防除具を提供する。【解決手段】 害虫忌避成分、及び有機溶媒を含有する薬剤;該薬剤を収容する容器本体;及び該本体容器の開口部を封止する揮散フィルムを備える害虫防除具であって、該容器本体が、L*a*b*色空間において、80以下のL値かつ60以下のb値を有する着色容器である、害虫防除具を調製する。【選択図】なし

Description

本発明は、害虫を防除するための害虫防除具に関する。より詳細には、本発明は、害虫を防除する為に、薬剤を空気中に飛散又は拡散させるように構成された害虫防除具に関する。
従来、容器に収容された揮発性の薬剤をその容器から徐々に放出して空気中に飛散、拡散させることにより、害虫を死滅、忌避させるなどして防除する害虫防除具が知られている。
例えば、特許文献1には、トランスフルトリン等の薬効成分とメタノール、エタノールなどのアルコールを含む薬剤と、その薬剤を収容するPET容器と、直鎖状低密度ポリエチレンなどからなる揮散薬剤透過フィルムからなり、その揮散薬剤透過フィルムからその薬剤が徐々に揮散される薬剤収容具が開示されている。
特開2014-94752号公報
薬剤の揮散性が良好で、害虫を確実に防除するさらなる害虫防除具が求められている。
本発明は、害虫に対して防除効果の高い害虫防除具を提供することを目的とする。
本発明者は、本課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、特定の着色を施した容器内に薬剤を収容することで、無色透明容器に収容した場合と比較して、揮散性が顕著に優れることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、下記に掲げる害虫防除具を提供する。
項1.
害虫忌避成分及び有機溶媒を含有する薬剤;
該薬剤を収容する容器本体;及び
該本体容器の開口部を封止する揮散フィルムを備える害虫防除具であって、
該容器本体が、L*a*b*色空間において、80以下のL値かつ60以下のb値を有する着色容器である、
害虫防除具。
項2.
前記害虫忌避成分が、ピレスロイド系化合物及び/又は精油である、項1に記載の害虫防除具。
項3.
前記着色容器が、L*a*b*色空間において、L値が、20~80であり、かつb値が、-50~50である、項1又は2に記載の害虫防除具。
項4.
前記揮散フィルムのガス透過度が、23℃において1000~6000cc/(m・24hr・atm)である、項1~3のいずれか1項に記載の害虫防除具。
項5.
前記揮散フィルムが、低密度ポリエチレン又はポリプロピレンからなるフィルムである、項1~4のいずれか1項に記載の害虫防除具。
本発明により、薬剤の揮散性に優れる優れた害虫防除具を提供することができる。
本発明の害虫防除具における正面図である。 本発明の害虫防除具におけるА-A線断面図である。 実施例及び比較例の害虫防除具における薬剤の揮散を評価した結果を示す図である。
本明細書において、含有量の単位「w/v%」は、「g/100ml」と同義である。
[害虫防除具]
本発明の害虫防除具は、害虫防除の効力を有する成分と溶媒とを含む薬剤が特定の着色が施された本体容器と揮散フィルムとで形成される容器内に収容されてなる。
(害虫)
本明細書でいう害虫としては、限定はされないが、主に、飛翔害虫が挙げられる。飛翔害虫としては、例えば、ユスリカ、チョウバエ、ショウジョウバエ等の不快害虫や蚊、虻、ブユ等の衛生害虫が挙げられるがこれに限定されない。特に標的として好ましい対象害虫は、蚊やハエである。
(害虫忌避成分)
本発明の害虫忌避は特に限定はされない。本明細書で「害虫忌避成分」とは、害虫よけの他、殺虫可能な成分も含む。特に好ましい害虫忌避成分としては、ピレスロイド系化合物及び/又は精油からなる群より選択される少なくとも1種以上の有効成分が含まれる。
本発明におけるピレスロイド系化合物としては、天然ピレスロイドとして、ピレトリンI<(1R,3R)-2,2-ジメチル-3-(2-メチル-1-プロペニル)シクロプロパンカルボン酸(1S)-2-メチル-4-オキソ-3-(2Z)-2,4-ペンタジエニル-2-シクロペンテン-1-イルエステル>、ピレトリンII<(1R,3R)-3-[(1E)-3-メトキシ-2-メチル-3-オキソ-1-プロペニル]-2,2-ジメチルシクロプロパンカルボン酸(1S)-2-メチル-4-オキソ-3-(2Z)-2,4-ペンタジエニル-2-シクロペンテン-1-イルエステル>、シネリンI<(1R,3R)-2,2-ジメチル-3-(2-メチル-1-プロペニル)シクロプロパンカルボン酸(1S)-3-(2Z)-(2-ブテニル)-2-メチル-4-オキソ-2-シクロペンテン-1-イルエステル>、シネリンII<(1R,3R)-3-[(1E)-3-メトキシ-2-メチル-3-オキソ-1-プロペニル]-2,2-ジメチルシクロプロパンカルボン酸(1S)-3-(2Z)-(2-ブテニル)-2-メチル-4-オキソ-2-シクロペンテン-1-イルエステル>、ジャスモリンI<(1R,3R)-2,2-ジメチル-3-(2-メチル-1-プロペニル)シクロプロパンカルボン酸 (1S)-2-メチル-4-オキソ-3-(2Z)-2-ペンテニル-2-シクロペンテン-1-イルエステル>、ジャスモリンII<(1R,3R)-3-[(1E)-3-メトキシ-2-メチル-3-オキソ-1-プロペニル]-2,2-ジメチルシクロプロパンカルボン酸 (1S)-2-メチル-4-オキソ-3-(2Z)-2-ペンテニル-2-シクロペンテン-1-イルエステル>、合成ピレスロイドとして、アレスリンI<2,2-ジメチル-3-(2-メチル-1-プロペニル)シクロプロパンカルボン酸2-メチル-4-オキソ-3-(2-プロペニル)-2-シクロペンテン-1-イルエステル>、アレスリンII<3-(3-メトキシ-2-メチル-3-オキソ-1-プロペニル)-2,2-ジメチルシクロプロパンカルボン酸2-メチル-4-オキソ-3-(2-プロペニル)-2-シクロペンテン-1-イルエステル>、d-アレスリン<dl-3-アリル-2-メチル-4-オキソ-2-シクロペンテニルdl-シス/トランス-クリサンテマ-ト>、フタルスリン(別名;D-テトラメトリン)<(1,3-ジオキソ-4,5,6,7-テトラヒドロイソインドリン-2-イル)メチル=2,2-ジメチル-3-(2-メチルプロパ-1-エン-1-イル)シクロプロパン-1-カルボキシラート>、レスメトリン<(5-ベンジル-3-フリル)メチル=2,2-ジメチル-3-(2-メチルプロパ-1-エン-1-イル)シクロプロパンカルボキシラート>、フェノトリン<3-フェノキシベンジル=2-ジメチル-3-(メチルプロペニル)シクロプロパンカルボキシラート>、ペルメトリン<3-フェノキシベンジル=3-(2,2-ジクロロビニル)-2,2-ジメチルシクロプロパンカルボキシラート>、シフェノトリン<シアノ(3-フェノキシフェニル)メチル=2,2-ジメチル-3-(2-メチルプロパ-1-エン-1-イル)シクロプロパンカルボキシラート>、エトフェンプロックス<4-(4-エトキシフェニル)-4-メチル-1-(3-フェノキシフェニル)-2-オキサペンタン>、メトフルトリン<2,2-ジメチル-3-(プロパ-1-エン-1-イル)シクロプロパンカルボン酸=2,3,5,6-テトラフルオロ-4-(メトキシメチル)ベンジル>、トランスフルトリン<(1R,3S)-3-[(E)-2,2-ジクロロビニル]-2,2-ジメチルシクロプロパンカルボン酸=2,3,5,6-テトラフルオロベンジル>、プロフルトリン <2,3,5,6-テトラフルオロ-4-メチルベンジル(E,Z)(1R,3R)2,2-ジメチル-3-(プロプ-1-エニル)‐シクロプロパンカルボキシレート、シフルトリン<シアノ(4-フルオロ-3-フェノキシフェニル)メチル=3-(2,2-ジクロロビニル)-2,2-ジメチルシクロプロパン-1-カルボキシラート>、エトフェンプロックス<2-(4-エトキシフェニル)-2-メチルプロピル=3-フェノキシベンジル=エーテル>等が好ましい。そして、上記のうちペルメトリン、フェノトリン、アレスリン、フタルスリン、レストメトリン、メトフルトリン、トランスフルトリン、プロフルトリンがより好ましく、さらに、メトフルトリン、トランスフルトリン、プロフルトリンが最も好ましい。また、上記のピレスロイド系化合物は1種類のみ、又は2種類以上組み合わせて用いることができる。
本発明における精油としては、限定はされないが、天然精油成分が好ましい。天然精油成分は、植物の枝葉、根茎、木皮、果実、花、つぼみ、樹脂等から得られる揮発性の油状物であり、水蒸気蒸留法、圧搾法、抽出法等で植物の各箇所より分離し、精製して得られる化合物である。
精油の原材料としては、種々挙げられるが、グレープフルーツ、ゼラニウム、ローズマリー、アニス、アルモワーズ、イランイラン、オレンジ、カナンガ、カモミール、カルダモン、カユプテ、クラリセージ、クローブ、コリアンダー、サイプレス、サンダルウッド、シダーウッド、シトロネラ、ジュニパーベリー、ジンジャー、スペアミント、セージ、ティートリー、ナツメグ、ネロリ、パインニードル、バジル、パチョリー、パルマローザ、フェンネル、ブラックペッパー、ペチグレン、ベチバー、ペパーミント、ベルガモット、マージョラム、マンダリン、ユーカリレモン、ライム、ラベンダー、レモン、レモングラス、ローズウッド、月桃葉油、桂皮油、薄荷油が好ましい。これら原材料から得られた精油は、害虫に対して有用な忌避効果を有する。そして、精油には揮発性を有する種々の化合物が含まれるため、精油の香りがなくなったときには防除効果が著しく低下していることを使用者の臭覚で感知でき、視覚として認識することが難しい防除効果を簡便に把握することができる。
上記原料から得られる精油には、揮発性を有する種々の化合物が含まれる。グレープフルーツには、d-リモネン、ミルセン、α-ピネン等が含まれる。ゼラニウムには、シトロネロール、ゲラニオール、リナロール等が含まれる。ローズマリーには、α-ピネン、カンファー、1,8-シネオール等が含まれる。アニスには、(E)-アネトール、リモネン、アニスアルデヒド等が含まれる。アルモアーズには、1,8-シネオール、ツジョン、ボルネオール、カンファー、ピネン、アルテミシニン(セスキテルペン・ラクトン)リナロール、ネロール等が含まれる。イランイランには、リナロール、β-カリオレフィン、ゲルマクレンD等が含まれる。オレンジには、リモネン、ミルセン、β-ビサボレン等が含まれる。カナンガには、カリオフィレン、酢酸ゲラニル、テルピネオール等が含まれる。カモミールには、ファルネセン、カマズレン、α-ビサボロールオキサイドB等が含まれる。カルダモンには、1,8-シネオール、α-テルピニルアセテート、リモネン等が含まれる。カユプテには、1,8-シネオール、α-テルピネオール、パラ-シメン等が含まれる。クラリセージには、酢酸リナリル、リナロール、ゲルマクレンD等が含まれる。クローブには、オイゲノール、β-カリオフィレン、オイゲニルアセテート等が含まれる。コリアンダーには、d-リナロール、カンファー、α-ピネン等が含まれる。サイプレスには、α-ピネン、δ-3-カレン等が含まれる。サンダルウッドには、シス-α-サンタロール、シス-β-サンタロール、epi-β-サンタロール等が含まれる。シダーウッドには、ツヨプセン、α-セドレン、セドロール等が含まれる。シトロネラには、ゲラニオール、リモネン、シトロネロール等が含まれる。ジュニパーベリーには、α-ピネン、ミルセン、β-ファルネセン等が含まれる。ジンジャーには、ar-クルクメン、α-ジンジベレン、β-セスキフェランドレン等が含まれる。スペアミントには、(-)-カルボン、ジヒドロカルボン、1,8-シネオール等が含まれる。セージには、α-ツヨン、β-ツヨン、カンファー等が含まれる。ティートリーには、テルピネン-4-オール、γ-テルピネン、α-テルピネン等が含まれる。ナツメグには、α-ピネン、サビネン、β-ピネン等が含まれる。ネロリには、リナロール、リモネン、βピネン等が含まれる。パインニードルには、α-ピネン、β-ピネン、ミルセン等が含まれる。バジルには、リナロール、メチルチャビコール、β-カリオフィレン等が含まれる。パチョリーには、パチュリアルコール、α-パチュレン、β-カリオフィレン等が含まれる。パルマローザには、ゲラニオール、酢酸ゲラニル、リナロール等が含まれる。フェンネルには、(E)-アネトール、リモネン、メチルチャビコール等が含まれる。ブラックペッパーには、β-3-カリオフィレン、δ-3-カレン、リモネン等が含まれる。ペチグレンには、リナリルアセテート、リナロール、α-テルピネオール等が含まれる。ベチバーには、ベチベロール、ベチベン、α-ベチボール等が含まれる。ベルガモットには、リモネン、リナリルアセテート、リナロール等が含まれる。マージョラムには、テルピネン-4-オール、シス-サビネンヒドレート、パラ-シメン等が含まれる。マンダリンには、リモネン、γ-テルピネン、β-ピネン等が含まれる。ユーカリレモンには、シトロネラール、シトロネロール、シトラール等が含まれる。ライムには、リモネン、γ-テルピネン、β-ピネン等が含まれる。ラベンダーには、酢酸リナリル、リナロール、(Z)-β-オシメン等が含まれる。レモンには、リモネン、β-ピネン、γ-テルピネン等が含まれる。レモングラスには、ゲラニアール、シトラール、エレモール等が含まれる。ローズウッドには、リナロール、α-テルピネオール、シスーリナロールオキサイド等が含まれる。ペパーミントには、l-メントール、l-メントン、メントフラン等が含まれる。桂皮油には、シンナムアルデヒド、t-2-メトキシシンナムアルデヒド、クマリン等含まれる。月桃葉油には、1,8-シネオール、テルピネン-4-オール、p-サイメン等が含まれる。薄荷油には、l-メントール、l-メントン、メントフラン等が含まれる。
害虫忌避成分は、害虫に対して駆除効力を発現するために、薬剤全量に対して0.1~70w/v%含有されることが好ましく、0.5~60w/v%含有されることがさらに好ましく、1~50w/v%含有されることがより好ましい。
(薬剤中の有機溶媒)
本発明における溶媒は、有効成分を均一に溶解できる溶媒であれば特に限定はされない。有機溶媒はいずれも、20~40℃程度の室温において液状の化合物であり、かつ引火点が好ましくは、65℃~230℃、より好ましくは、70~160℃である。有機溶媒については、1種類のみ、又は2種類以上組み合わせて用いることができる。
より具体的には、有機溶媒としては、液状イソパラフィン系炭化水素、アルコール系、パラフィン系炭化水素、及びグリコールエーテル系溶媒からなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。
液状イソパラフィン系炭化水素は、好ましくは、分岐鎖を有する炭素数10~24の飽和炭化水素であり、より好ましくは、分岐鎖を有する炭素数11~16の飽和炭化水素、さらに好ましくは、分岐鎖を有する炭素数12~15の飽和炭化水素である。例えば、「アイソパーL」(エクソンモービル社製)、「アイソパーM」(エクソンモービル社製)等の市販品を使用してもよい。
アルコール系溶媒としては、例えばメタノ-ル、エタノール、及び/又はイソプロピルアルコール等のアルコール類が挙げられる。
パラフィン系炭化水素溶媒は、好ましくは、炭素数10~24のノルマルパラフィン系炭化水素であり、より好ましくは、炭素数10~16のノルマルパラフィン系炭化水素、さらに好ましくは、炭素数12~14のノルマルパラフィン系炭化水素ことをいい飽和炭化水素である。
グリコールエーテル系溶媒としては、例えば、ジエチレングリコールメチルエーテル、トリエチレングリコールメチルエーテル、ジエチレングリコールエチルエーテル、トリエチレングリコールエチルエーテル、エチレングリコールn-プロピルエーテル、エチレングリコールn-ブチルエーテル、ジエチレングリコールn-ブチルエーテル、トリエチレングリコールn-ブチルエーテル、エチレングリコールヘキシルエーテル、ジエチレングリコールヘキシルエーテル、エチレングリコールフェニルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールターシャリーブチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、3-メトキシ-3メチル-1-ブタノール、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールn-プロピルエーテル、ジプロピレングリコールn-ブチルエーテル、トリプロピレングリコールn-ブチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテルアセテート、又はプロピレングリコールフェニルエーテル等が挙げられる。
有機溶媒は、本発明の効果をよりよく発揮する為に、薬剤全量に対して30~99.5w/v%含有されることが好ましく、40~98w/v%含有されることがさらに好ましく、50~95w/v%含有されることがより好ましい。
本発明において、害虫忌避成分と有機溶媒の割合は、限定はされないが、害虫忌避成分1重量部に対して、0.5~150重量部であることが好ましく、0.6~50重量部であることがさらに好ましく、1~20重量部であることがより好ましい。
(その他成分)
本発明における薬剤には、害虫忌避成分及び有機溶媒以外にも防除効果を妨げない範囲において他の成分を混合することができる。
本発明の薬剤に追加することができる他の成分として、染料、顔料などの着色剤;使用者の臭覚で感知することができる香料;害虫忌避成分の酸化を防止するためにtーブチルメトキシジベンゾイルメタン、4-tertープチルー4' ーメトキシジベンゾイルメタン、メトキシケィヒ酸エチルヘキシル、ジブチルヒドロキシトルエンなどの酸化防止剤;害虫忌避成分の紫外線による分解等を防止するためにトリアジン系(例えば、Phenol,2-(4,6-Diphenyl-1,3,5-triazin-2-y1)-5-hexyloxy)、ベンゾフェノン系(例えば、Methanone, [2-hydroxy-4-(octyloxy)phenyl]phenyl,-) 、ベンゾエート系、ベンゾトリアゾール系(例えば、Phenol, 2-(2H-benzotriazol-2-y 1)-4-methy 1)などの紫外線吸収剤が例示される。
(容器本体)
本発明における害虫防除具は、害虫忌避成分、及び有機溶媒を含有する薬剤を収容する容器本体を含む。
ここで、図示した態様を例として説明すると、本体容器2は、薬剤1を収容する容器であり、厚みの薄い略箱型形状を有しており、一の面側に開口部が設けられており、その閲口部から薬剤1を充填され、その開口部を揮散フィルム3によって封止される。図1に示すように、本体容器2は、鉛直方向の上側に薬剤1の多くを貯留しておく貯留部21と、貯留部21と連通し下方に延びる複数の流路部22を備えていてもよい。流路部22は、貯留部21よりも鉛直方向に対して垂直方向である幅方向に短く、貯留部21よりも鉛直方向の上下方向に長く、さらに貯留部21の容積の方が流路部22の容積よりも大きくなるように成形されている。このような貯留部21と流路部22を備えることにより、長い期間に亘って、薬剤1と接触可能である揮散フィルム3の部分のうち、その多くの部分が薬剤1と接触し続けることができることから、揮散フィルム3から揮散する薬剤1の量が使用開始時期、中盤・終盤の時期によって大きく変わらないようにすることもできる。流路部22は、本実施形態において、貯留部21より鉛直方向の下向きに直線状に形成されているが、他の実施形態において、貯留部21から薬剤1が鉛直方向の下向きに流れる限りにおいて、「く」の字状やジグザグ状のような折れ線形状であったり、円弧状であったりしてもよい。
本体容器2は、典型的には、オレフィン系樹脂層及びポリエチレンテレフタレート層との積層体である。適宜、脂環式オレフィン系樹脂を用いることもできる。オレフィン系樹脂層は、例えばポリプロピレン、及び/又はポリエチレンを含む層である。
本体容器2が、積層体から形成されている場合には、積層体のいずれか1層以上を着色層とすることもできる。
ここで、着色層は、一色又は二色以上の色味を全面又は少なくとも全体の60%以上に施した層である。典型的にはベタ塗りの一色であるが、文字、図形、又は模様を構成していても良い。着色層は、典型的には、着色されたポリエチレンテレフタレート層であり得る。ここで、着色の方法としては、インキ、顔料、及び染料等の着色剤を樹脂に練りこむ方法の他、樹脂シートに着色剤を印刷する方法も採用することができる。
容器本体は、限定はされないが、例えば、無色のポリエチレン層又はポリプロピレン層と着色剤を練りこんだポリエチレンテレフタレート層からなる積層体を成型した構造;無色のポリエチレン層又はポリプロピレン層と着色剤によって表面に印刷を施された無色のポリエチレンテレフタレート層からなる積層体を成型した構造;無色のポリエチレン層又はポリプロピレン層と着色剤によって印刷を施された無色のポリエチレンテレフタレート層の印刷面上に、さらに無色のポリエチレンテレフタレート層を積層した積層体を成型した構造;又は印刷を施された無色のポリエチレンテレフタレート層の印刷面上に、ポリエチレンテレフタレート層と無色のポリエチレン層又はポリプロピレン層を積層した積層体を成型した構造等であり得る。ができる。
着色層の形成に用いられるインキとしては、バインダー樹脂に、顔料、染料等の着色剤、体質顔料、溶剤、安定剤、可塑剤、触媒、硬化剤等を適宜混合したものが用いられる。バインダー樹脂としては、例えば、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、塩素化ポリオレフィン系樹脂、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体系樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、アルキド系樹脂、石油系樹脂、ケトン樹脂、エポキシ系樹脂、メラミン系樹脂、フッ素系樹脂、シリコーン系樹脂、繊維素誘導体、ゴム系樹脂等が挙げられる。これらは、1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
容器本体の厚みは、好ましくは100~700μm、さらに好ましくは200~600μm程度である。
容器本体の積層体の実施態様の1つとしては、限定はされないが、例えば、薬剤が収容される内側にポリエチレン層又はポリプロピレン層が配されていることが好ましい。
容器本体のL*a*b*色空間の測定値としては、80以下のL値かつ60以下のb値を有する着色であり、好ましくは、L値が、20~80であり、かつb値が、-50~50である。ここで、測定は、容器本体を構成する着色剤を含む積層体(フィルム)を5cm角に調製し、分光測色計CM-5 (コニカミノルタ社製)により測定する。測定は、透過色測定モードで実施し、L 値、a 値及びb 値の各色値を得る。測定は3回行い、その平均値をとる。
視認できる色調としては、緑色、赤色、紫色、青色、赤紫色、黒色、及び灰色からなる群より選択される1色又は2色以上の組み合わせなどであるが、これに限定されない。
(揮散フィルム)
揮散フィルム3は、本体容器1の開口部を封止する部材であり、例えば、低密度ポリエチレン又はポリプロピレンを用いて製造することができる。揮散フィルム3は、液状の薬剤1を通過させないが、気化した薬剤1を通すことができる。揮散フィルム3として、例えば低密度ポリエチレンを使用した場合は、一般的なポリエチレンに比べて結晶化度が低いことから、密度が0.910~0.930であり、非結晶の部分から多くの気化した薬剤1が通過して外部に飛散される。低密度ポリエチレンのうちでも、密度が0.910~0.925であり、分岐鎖をあまり有していない直鎖状低密度ポリエチレンであることがより好ましい。このような直鎖状低密度ポリエチレンを用いることで、内包される薬剤1の揮散量が使用時期によって大きく変わらないように調整することができる。
揮散フィルム3の膜厚は、50~100μmであることが好ましく、さらに60~90μmであることがより好ましい。このような膜厚であれば、内包される薬剤1の揮散最が使用時期によって大きく変わらないように調整することができる。また、揮散フィルム3の酸素ガス透過度は、23℃の環境において1000~6000cc/{m・24hr・atm)であることが好ましく、1200~3000cc/(m・24hr・atm)であることが好ましい。ガス透過度がこの範囲であると、薬剤1の揮散量が使用時期によって大きく変わらないように調整することができるとともに、害虫の防除効果を200日など長い期間持続しやすくなる。なお、ガス透過度は、JIS K 7126-2に記載された等圧法におけるガスクロ法により測定されることが好ましい。
[揮散促進方法]
本発明はまた、害虫忌避成分、及び有機溶媒を含有する薬剤;該薬剤を収容する容器本体;及び該本体容器の開口部を封止する揮散フィルムを備える害虫防除具であって、
該容器本体が、L*a*b*色空間において、80以下のL値かつ60以下のb値を有する着色容器である、害虫防除具を用いて、薬剤の揮散を促進させる方法に関する。本発明の揮散促進方法において、各種成分とその含有量、容器の性状等については、前記害虫防除具で記載した内容に準じる。
次に、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。なお、表における各成分量の単位は、表中特に断りがない限り、w/v%である。
(実施例1)
20℃の室温中において、容菰が200mlのグリフィンビーカーに、ピレスロイド系化合物としてトランスフルトリンを10g添加し、液状イソパラフィン系炭化水素として炭素数10~16の分岐鎖を有する鎖状の炭素水素の複合物を全体量が100mlとなるまで添加し、均ーに溶解するまで攪拌し、合計100mlの薬剤を得た(トランスフルトリンの濃度が10w/v%)。そして、得られた薬剤を図1に示すような本体容器2に入れ、酸素ガス透過度が2550cc/(m・24hr・atm)であり(JIS K 7126-2に記載された等圧法におけるガスクロ法により測定)、膜厚70μmの直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)にて薬剤を封入して、害虫防除具を得た。
ここで、本実施例1の容器は、ポリエチレンテレフタレート層とポリエチレン層からなる積層体に、赤色の着色を印刷したポリエチレンテレフタレート層をラミネートし,真空成型を行うことによって得た。容器本体のL*a*b*色空間の測定値は、表1に示す通りである。
(実施例2)
実施例1と同様の方法で、害虫防除具を得た。但し、使用する容器本体の色調とL*a*b*色空間の測定値は、表1に示す通りである。
(実施例3)
実施例1と同様の方法で、害虫防除具を得た。但し、使用する容器本体の色調とL*a*b*色空間の測定値は、表1に示す通りである。
(実施例4)
実施例1と同様の方法で、害虫防除具を得た。但し、使用する容器本体の色調とL*a*b*色空間の測定値は、表1に示す通りである。
(実施例5)
実施例1と同様の方法で、害虫防除具を得た。但し、使用する容器本体の色調とL*a*b*色空間の測定値は、表1に示す通りである。
(比較例1)
実施例1と同様の方法で、害虫防除具を得た。但し、使用する容器本体の色調とL*a*b*色空間の測定値は、表1に示す通りである。
(比較例2)
実施例1と同様の方法で、害虫防除具を得た。但し、使用する容器本体の色調とL*a*b*色空間の測定値は、表1に示す通りである。
Figure 2023048473000001
〔薬剤揮散量の増減割合〕
2021年7月8日~2021年8月25日まで、実施例及び比較例の害虫防除具を、外気中に、成り行き温度・湿度にて静置した。試験開始後5日の時点から薬剤の揮散量を計りにて重量の減少量として測定し、同環境下で継続的に薬剤の揮散量を同様に測定した。その結果を図4に示す。
これらの実施例及び比較例の害虫防除具による試験結果から、44日後には、透明容器本体を基準とした場合に、実施例の害虫防除具では、最大21.33%の改善率を示した。改善率を表2にまとめて示す。ここで、改善率は、下記式によって求められた。
改善率(%)=(各実施例の薬剤揮散量―比較例1の薬剤揮散量)/比較例1の薬剤揮散量
Figure 2023048473000002
この結果、実施例の害虫防除具では、比較例の害虫防除具と比較して、顕著な揮発亢進が確認できた。

Claims (5)

  1. 害虫忌避成分及び有機溶媒を含有する薬剤;
    該薬剤を収容する容器本体;及び
    該本体容器の開口部を封止する揮散フィルムを備える害虫防除具であって、
    該容器本体が、L*a*b*色空間において、80以下のL値かつ60以下のb値を有する着色容器である、
    害虫防除具。
  2. 前記害虫忌避成分が、ピレスロイド系化合物及び/又は精油である、請求項1に記載の害虫防除具。
  3. 前記着色容器が、L*a*b*色空間において、L値が、20~80であり、かつb値が、-50~50である、請求項1又は2に記載の害虫防除具。
  4. 前記揮散フィルムのガス透過度が、23℃において1000~6000cc/(m・24hr・atm)である、請求項1~3のいずれか1項に記載の害虫防除具。
  5. 前記揮散フィルムが、低密度ポリエチレン又はポリプロピレンからなるフィルムである、請求項1~4のいずれか1項に記載の害虫防除具。
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