JP2023048408A - 信号機認識システム - Google Patents

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Hiroaki Kawamura
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Kohei Shintani
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【課題】信号機が存在するか否かの判別の信頼性を高めることができる信号機認識システムを提供する。【解決手段】予めアノテーションされた、全ての信号灯が消灯した状態にある歩行者用信号機の画像データを含む複数の教師データを用いて、カメラ20によって取得された前方の画像に対して前方に信号機が存在している状態と前方に信号機が存在していない状態とを判別する。これにより、前方に信号機が存在している状態と前方に信号機が存在していない状態とを高い精度で判別することができ、前方に信号機が存在しているにも拘わらず信号機が存在していないと誤判断してしまうことを抑制できる。【選択図】図3

Description

本発明は信号機認識システムに係る。特に、本発明は、例えば視覚障碍者等の歩行者の前方に信号機が存在するか否かを判別する場合における当該判別の信頼性を高めるための対策に関する。
視覚障碍者等の歩行者の歩行の支援のための通知を行うシステムとして、特許文献1に開示されているものが知られている。この特許文献1には、視覚障碍者が使用する白杖等の歩行補助器具に内蔵されたシステムであって、信号機からの光を光電変換する撮像手段と、撮像手段で光電変換した入力画像に基づき撮像手段で撮像した光の輪郭の特徴点を探索する特徴点検出手段と、特徴点検出手段で探索した特徴点が予め設定した信号機の信号灯の特徴点と一致する場合には、該信号灯に対応して報知を行う報知手段とを備えた構成が開示されている。
特開2015-213620号公報
ところで、この種のシステムにあっては、歩行者(視覚障碍者等)が横断歩道に接近する状況において、その横断歩道には信号機(例えば歩行者用信号機)が設置されているか否かを正確に把握し、信号機が設置されている場合にあっては、当該信号機が赤信号(赤色点灯)となっている状況では歩行者に対して停止を指示する通知を行う必要があり、歩行者が横断歩道の手前で停止している(信号待ち)状態で信号機が青信号(青色点灯)となった場合には、歩行者に対して歩行(横断)を指示する通知を行う必要がある。このため、歩行者に対して各種通知(横断歩道の手前での歩行の停止通知、および、その後の横断開始通知)を適切に行うためには、カメラ等の画像取得手段によって信号機の信号灯からの光が検出されたか否かに応じて信号機の存在の有無を正確に認識しておくことが必須である。
しかしながら、周知の如く歩行者用信号機は青信号から赤信号に切り替わる前に青色信号灯が点滅する。また、信号機の信号灯に蛍光灯やLED(Light Emitting Diode)ランプが採用されている場合、信号灯の点灯状態にあっては非常に短い周期(例えば100回/sec)で点滅している。このため、画像取得手段の撮影タイミング(サンプリングタイミング)によっては、そのサンプリングタイミングと信号灯の消灯タイミング(歩行者用信号機が青信号から赤信号に切り替わる前における青色信号灯の点滅時における消灯タイミングや、LED等が非常に短い周期で点滅している状態での信号灯の消灯タイミング)とが一致することがあり、この場合、信号灯の消灯状態(青色信号灯および赤色信号灯が共に消灯している状態)の画像が連続して取得されてしまう場合がある。このような状況では、画像取得手段が信号灯からの光を受光できず、信号機の存在を認識することができないことから、信号機が存在していない(信号機が設置されていない横断歩道である)と誤判断してしまう可能性があった。このため、歩行者の前方に信号機が存在するか否かの判別の信頼性を高めたいといった要求があった。
尚、このような信号機が存在するか否かの判別の信頼性を高めたいといった要求は、歩行者の前方を対象とする場合に限らず、例えば車両の前方を対象とする場合にも同様に存在している。例えば、自動運転を行う車両において、前方に信号機が存在するか否かの判別の信頼性を高めたいといった要求がある。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、前方に信号機が存在するか否かの判別の信頼性を高めることができる信号機認識システムを提供することにある。
前記の目的を達成するための本発明の解決手段は、前方に存在する信号機を認識するための信号機認識システムを前提とする。そして、この信号機認識システムは、前方の画像を取得可能な画像取得手段と、前記画像取得手段によって取得された前方の画像を用いて前記信号機の存在の有無を判別する信号機存在判定部とを備え、前記信号機存在判定部が、予め記憶された、前記信号機の全ての信号灯が消灯した状態のデータを含む複数の信号機状態データを用いて、前方に信号機が存在している状態と前方に信号機が存在していない状態とを判別する構成となっていることを特徴とする。
この特定事項により、仮に画像取得手段の撮影タイミングと信号機の信号灯の消灯タイミング(歩行者用信号機が青信号から赤信号に切り替わる前における青色信号灯の点滅時における消灯タイミングや、LED等が非常に短い周期で点滅している状態での信号灯の消灯タイミング)とが一致したことで信号灯(全ての信号灯)の消灯状態の画像が連続して取得された場合であっても、信号機の全ての信号灯が消灯した状態のデータ(信号機状態データ)が予め記憶されているため、このデータが参照されることによって、取得された画像上において全ての信号灯が消灯状態にある信号機が存在していることを認識でき、前方に信号機が存在している状態と前方に信号機が存在していない状態とを高い精度で判別することができる。つまり、前方に信号機が存在しているにも拘わらず信号機が存在していないと誤判断してしまうことを抑制できる。このため、前方に信号機が存在するか否かの判別の信頼性を高めることができる。
また、予めアノテーションされた、全ての信号灯が消灯した状態にある信号機の画像データを含む複数の教師データを前記信号機状態データとして、前記教師データを用いて、前記画像取得手段によって取得された前方の画像に対して前記信号機の認識動作を行う信号機第1認識部を備え、前記信号機存在判定部は、前記信号機第1認識部による認識動作の結果に基づいて、前記画像取得手段によって取得された前方の画像に対して前記信号機の存在の有無を判別する構成となっている。
これにより、深層学習を利用した信号機の存在の有無の判別を高い精度で行うことが可能になる。
また、全ての信号灯が消灯した状態にある信号機の特徴量のデータを含む複数の特徴量データを前記信号機状態データとして、前記特徴量データを用いて、前記画像取得手段によって取得された前方の画像に対して前記信号機の認識動作を行う信号機第2認識部を備え、前記信号機存在判定部は、前記信号機第2認識部による認識動作の結果に基づいて、前記画像取得手段によって取得された前方の画像に対して前記信号機の存在の有無を判別する構成となっている。
これによっても、信号機の存在の有無の判別を高い精度で行うことが可能になる。
また、予めアノテーションされた、全ての信号灯が消灯した状態にある信号機の画像データを含む複数の教師データを前記信号機状態データとして、前記教師データを用いて、前記画像取得手段によって取得された前方の画像に対して前記信号機の認識動作を行う信号機第1認識部と、全ての信号灯が消灯した状態にある信号機の特徴量のデータを含む複数の特徴量データを前記信号機状態データとして、前記特徴量データを用いて、前記画像取得手段によって取得された前方の画像に対して前記信号機の認識動作を行う信号機第2認識部と、を備え、前記信号機存在判定部は、前記信号機第1認識部による認識動作の結果および前記信号機第2認識部による認識動作の結果それぞれに基づいて、前記画像取得手段によって取得された前方の画像に対して前記信号機の存在の有無を判別する構成となっている。
このように2つの手法を用いて信号機の存在の有無の判別を行うことにより、よりいっそう高い精度で信号機の存在の有無の判別を行うことが可能になる。
また、予めアノテーションされた、全ての信号灯が消灯した状態にある信号機の画像データを含む複数の教師データを前記信号機状態データとして、前記教師データを用いて、前記画像取得手段によって取得された前方の画像に対して前記信号機の認識動作を行う信号機第1認識部と、全ての信号灯が消灯した状態にある信号機の特徴量のデータを含む複数の特徴量データを前記信号機状態データとして、前記特徴量データを用いて、前記画像取得手段によって取得された前方の画像に対して前記信号機の認識動作を行う信号機第2認識部と、前記信号機第1認識部による認識動作および前記信号機第2認識部による認識動作の両方で信号機の存在が認識されなかった場合に、前記画像取得手段によって取得された前方の画像に対し、前方に信号機が存在していないと判定する信号機状態判定部とを、備えている。
これは、前記信号機存在判定部による信号機の存在の有無の判別動作に加えて、信号機状態判定部による信号機の認識動作によっても信号機の存在の有無を判別することができるようにした構成である。これにより、よりいっそう高い精度で信号機の存在の有無の判別を行うことが可能になる。
また、前記信号機状態判定部は、前記信号機第1認識部による認識動作および前記信号機第2認識部による認識動作のうち少なくとも一方の動作において前記信号機が赤色点灯(赤色点灯状態)であることが認識された状態において、前記信号機第1認識部による認識動作および前記信号機第2認識部による認識動作の両方で前記信号機の存在が認識された場合に、前記画像取得手段によって取得された前方の画像に対し、前記信号機が存在し且つ当該信号機が赤色点灯状態であると判定する。
これは、単に信号機の存在の有無を判別するだけでなく、信号機の状態の認識(赤信号および青信号の何れであるかの認識)を行うに際して、信号機が赤色点灯状態(赤信号)であることを認識するための構成である。本解決手段によれば、信号機が赤色点灯状態であることを高い精度で認識することができる。
また、前記信号機状態判定部は、前記信号機第1認識部による認識動作および前記信号機第2認識部による認識動作のうち少なくとも一方の動作において前記信号機が青色点灯(青色点灯状態)であることが認識された状態において、前記信号機第1認識部による認識動作および前記信号機第2認識部による認識動作の両方で前記信号機の存在が認識された場合に、前記画像取得手段によって取得された前方の画像に対し、前記信号機が存在し且つ当該信号機が青色点灯状態であると判定する。
これも、単に信号機の存在の有無を判別するだけでなく、信号機の状態の認識(赤信号および青信号の何れであるかの認識)を行うに際して、信号機が青色点灯状態(青信号)であることを認識するための構成である。本解決手段によれば、信号機が青色点灯状態であることを高い精度で認識することができる。
また、前記信号機第1認識部、前記信号機第2認識部および前記信号機状態判定部を備え、前記信号機状態判定部は、前記画像取得手段によって取得された前方の画像に対し、前記信号機が存在し且つ当該信号機が赤色点灯状態であることの判定、前記信号機が存在し且つ当該信号機が青色点灯状態であることの判定、前方に信号機が存在していないことの判定の何れの判定もされなかった場合には、前方に前記信号機が存在していると判定する。
つまり、信号機が赤色点灯状態であることの判定、信号機が青色点灯状態であることの判定、前方に信号機が存在していないことの判定の何れの判定もされなかった場合には、信号機の状態の認識(赤信号および青信号の何れであるかの認識)は行えないものの、画像内に信号機が存在していることは確定でき、前方に信号機が存在していると判定されることになる。このため、前方に信号機が存在しているにも拘わらず信号機が存在していないと誤判断してしまうことを抑制でき、前方に信号機が存在するか否かの判別の信頼性を高めることができる。
また、前記画像取得手段および前記信号機存在判定部を、視覚障碍者が使用する白杖に内蔵させた場合には、白杖のみで信号機認識システムを実現することができ、実用性の高い信号機認識システムを提供することができる。
また、歩行者の歩行方向前方に位置する前記信号機の状態に応じて、前記歩行者に対し、横断歩道の手前での停止を促す通知または当該横断歩道の横断の開始を促す通知を行う通知手段を備えており、該通知手段は、振動または音声によって、前記視覚障碍者に向けて前記通知を行う構成となっている。
これにより、白杖を持ちながら歩行する視覚障碍者(前記歩行者)に対する通知を適切に行うことができる。
本発明では、予め記憶された、信号機の全ての信号灯が消灯した状態のデータを含む複数の信号機状態データを用いて、前方に信号機が存在している状態と前方に信号機が存在していない状態とを判別するようにしている。これにより、前方に信号機が存在している状態と前方に信号機が存在していない状態とを高い精度で判別することができる。つまり、前方に信号機が存在しているにも拘わらず信号機が存在していないと誤判断してしまうことを抑制できる。その結果、前方に信号機が存在するか否かの判別の信頼性を高めることができる。
実施形態に係る歩行支援システムを内蔵した白杖を示す図である。 白杖のグリップ部の内部を示す概略図である。 本発明に係る信号機認識システムを備えた歩行支援システムの制御系の概略構成を示すブロック図である。 カメラで撮影された画像の一例を示す図である。 視覚障碍者が横断歩道に向かう歩行状態にある際に、カメラで撮影された画像の一例を示す図である。 視覚障碍者が横断歩道に達したタイミングにおいてカメラで撮影された画像の一例を示す図である。 視覚障碍者が横断歩道の横断状態にある際に、カメラで撮影された画像の一例を示す図である。 横断歩道の横断状態にある視覚障碍者が横断歩道の右側に逸脱する方向に向かって歩行している際に、カメラで撮影された画像の一例を示す図である。 横断歩道の横断状態にある視覚障碍者が横断歩道の左側に逸脱する方向に向かって歩行している際に、カメラで撮影された画像の一例を示す図である。 認識された横断歩道および信号機の画像を示す図である。 認識された横断歩道の白線のBoundary Boxにおける各部の寸法を説明するための図である。 信号機の青色信号灯が点灯している状態で取得された画像の一例を示す図である。 信号機の赤色信号灯が点灯している状態で取得された画像の一例を示す図である。 信号機の全ての信号灯が消灯している状態で取得された画像の一例を示す図である。 信号機の全ての信号灯の明度が高い状態で取得された画像の一例を示す図である。 歩行支援システムによる歩行支援動作の手順を示すフローチャート図である。 信号機が設置されていない横断歩道を横断する場合における歩行支援の状態遷移を説明するためのタイミングチャート図である。 信号機が設置された横断歩道を横断する場合における歩行支援の状態遷移の第1の例を説明するためのタイミングチャート図である。 信号機が設置された横断歩道を横断する場合における歩行支援の状態遷移の第2の例を説明するためのタイミングチャート図である。 信号機が設置された横断歩道を横断する場合における歩行支援の状態遷移の第3の例を説明するためのタイミングチャート図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。本実施形態では、本発明に係る信号機認識システムを、視覚障碍者が使用する白杖に内蔵した歩行支援システムの一部の機能部として構成した場合について説明する。
-白杖の概略構成-
図1は、本実施形態に係る歩行支援システム10を内蔵した白杖1を示す図である。この図1に示すように、白杖1は、シャフト部2、グリップ部3、チップ部(石突き)4を備えている。
シャフト部2は、中空の略円形断面を有するロッド状であって、アルミニウム合金やガラス繊維強化樹脂、炭素繊維強化樹脂等で形成されている。
グリップ部3は、シャフト部2の基端部(上端部)にゴム等の弾性体で成るカバー31が装着されて構成されている。また、本実施形態における白杖1のグリップ部3は、視覚障碍者(歩行者)が把持する際の持ち易さと滑り難さを考慮し、先端側(図1における上側)が僅かに湾曲した形状となっている。
チップ部4は、硬質の合成樹脂などで形成された略有底筒状の部材であって、シャフト部2の先端部に外挿されて接着やねじ止めなどの手段で固定されている。尚、チップ部4は、安全のために、先端側の端面が半球状となっている。
本実施形態に係る白杖1は、折り畳み不能な直杖であるが、シャフト部2の中間の一箇所または複数箇所で折り畳み可能或いは伸縮可能とされたものであってもよい。
-歩行支援システムの構成-
以下、本発明に係る信号機認識システム100(図3を参照)を備えた歩行支援システム10について説明する。
図2は、白杖1のグリップ部3の内部を示す概略図である。この図2に示すように、本実施形態に係る歩行支援システム10は、白杖1に内蔵されている。また、図3は、信号機認識システム100および歩行支援システム10の制御系の概略構成を示すブロック図である。
これらの図に示すように、歩行支援システム10は、カメラ(画像取得手段)20、近距離無線通信機40、振動発生機(通知手段)50、バッテリ60、充電ソケット70、制御装置80等を備えている。
カメラ20は、グリップ部3の根元部における当該グリップ部3の前面(視覚障碍者の進行方向に向く面)に埋め込まれ、視覚障碍者の進行方向前側(歩行方向前方)を撮影する。このカメラ20は、例えばCCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等で成る。また、カメラ20の構成や配設位置は前述したものには限定されず、例えば、シャフト部2の前面(視覚障碍者の進行方向に向く面)に埋め込まれたものであってもよい。
このカメラ20の特徴としては、歩行する視覚障碍者の進行方向の前方の画像であって、当該視覚障碍者が横断歩道に達した際における、当該横断歩道の白線のうち視覚障碍者に最も近い位置にある白線、および、視覚障碍者の前方に位置する信号機(前方に信号機が存在する場合における例えば歩行者用信号機)の両方を含む画像を取得可能な広角のカメラとして構成されている。つまり、視覚障碍者が横断歩道の手前まで達した時点で、視覚障碍者の足元付近(足元から少し前方の位置)に存在する横断歩道における最も手前側にある白線と、横断先の地点に設置された信号機との両方を撮影可能な構成となっている。このカメラ20において必要とされる視野角度は、前述したように視覚障碍者に最も近い位置にある白線(横断歩道の白線)および信号機の両方を含む画像を取得(撮影)可能なものとして適宜設定される。
近距離無線通信機40は、前記カメラ20と制御装置80との間で近距離無線通信を行うための無線通信装置である。例えば、周知のBluetooth(登録商標)等の通信手段によって、カメラ20と制御装置80との間で近距離無線通信を行い、カメラ20が撮影した画像の情報を制御装置80に向けて無線送信する構成となっている。
振動発生機50は、グリップ部3の根元部における前記カメラ20の上側に配設されている。この振動発生機50は、内蔵されたモータの作動に伴って振動し、その振動をグリップ部3に伝達することによって、当該グリップ部3を把持している視覚障碍者に向けて種々の通知が行えるようになっている。この振動発生機50の振動による視覚障碍者に向けての通知の具体例については後述する。
バッテリ60は、前記カメラ20、近距離無線通信機40、振動発生機50、制御装置80のための電力を蓄電する二次電池で構成されている。
充電ソケット70は、バッテリ60に電力を蓄える際に充電ケーブルが接続される部分である。例えば、視覚障碍者が在宅中に家庭用電源からバッテリ60を充電する際に充電ケーブルが接続される。
制御装置80は、例えば、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサ、制御プログラムを記憶するROM(Read-Only Memory)、データを一時的に記憶するRAM(Random-Access Memory)、および、入出力ポート等を備えている。
そして、この制御装置80は、前記制御プログラムによって実現される機能部として、情報受信部81、横断歩道検出部82、信号機認識部83、切り替わり認識部84、情報送信部85を備えている。以下、これら各部の機能の概略について説明する。
情報受信部81は、前記カメラ20が撮影した画像の情報を、当該カメラ20から近距離無線通信機40を介して所定時間間隔をもって受信する。
横断歩道検出部82は、情報受信部81が受信した画像の情報(カメラ20によって撮影された画像の情報)の当該画像中における、横断歩道を認識したり、横断歩道における各白線の位置を検出する。
具体的には、図4(カメラ20で撮影された画像の一例を示す図)に示すように、横断歩道CWを構成する複数の白線WL1~WL7に対してBoundary Box(図4の一点鎖線を参照)を設定する。例えば周知のマッチング処理によって横断歩道CWの白線WL1~WL7を確定し、これら確定された白線WL1~WL7に対してBoundary Boxを設定する。また、予めアノテーションされた白線のデータ(ラベルが付けられた白線のデータ;深層学習によって白線を認識するための教師データ)を利用して白線WL1~WL7を確定し、これら確定された白線WL1~WL7に対してBoundary Boxを設定するようにしてもよい。
そして、横断歩道検出部82は、これらBoundary Boxのうち最も歩行者寄りのBoundary Boxの下端位置(図4におけるLNを参照)を検出する。本実施形態では、各白線WL1~WL7に対してBoundary Boxを設定し、画像上において最も下側に位置するBoundary Boxの下端位置LNを検出するようにしているが、Boundary Boxを設定することなく、画像上において確定された複数の白線WL1~WL7のうち最も下側に位置する白線WL1の下端位置を検出するものであってもよい。
尚、前記Boundary Boxは、後述するように、視覚障碍者の停止位置の特定、信号機TLの位置の特定、視覚障碍者が横断歩道CWを横断する際の進行方向の特定、横断歩道CWの横断完了の判断等に利用される。これらの詳細については後述する。
信号機認識部83は、情報受信部81が受信した画像の情報から信号機TLの存在の有無の判別、信号機TLが存在する場合における当該信号機TLの状態の認識(赤信号および青信号の何れであるかの認識)を行う。具体的には、情報受信部81が受信した画像上における信号機TLの存在領域を推定し、この推定された領域の内部における信号機TLの存在の有無および当該信号機TLの状態それぞれの認識を行う。情報受信部81が受信した画像上における信号機TLの存在領域を推定するに当たっては、前述の如く認識された白線WL1~WL7に設定されたBoundary Boxのうち、最も遠い位置にあるBoundary Boxの画像内座標を特定すると共に、図4に示すように、前記Boundary Box(認識された白線WL1~WL7のうち最も遠い位置にある白線WL7に設定されたBoundary Box)の上辺に接する四角形(幅寸法がws、高さ寸法がhsの四角形)を規定し、これを信号機TLの領域(信号機TLの存在領域)AとしてのCrop範囲を出力する。この際、Crop範囲は正方形であってもよいし長方形であってもよい。そして、このCrop範囲内における信号機TLの存在の有無および当該信号機TLの状態それぞれの認識を行うことになる。この信号機TLの存在の有無および当該信号機TLの状態それぞれの認識を行う動作の詳細については後述する。
切り替わり認識部84は、前記信号機認識部83によって認識された信号機TLの状態が、赤信号から青信号に切り替わったことを認識する。この信号の切り替わりを認識した際、この切り替わり認識部84は、切り替わり信号を情報送信部85に送信する。この切り替わり信号は、情報送信部85から振動発生機50に送信される。振動発生機50は、この切り替わり信号を受けたことに連動して、所定のパターンで振動し、視覚障碍者に、信号機TLが赤信号から青信号に切り替わったことに起因して横断歩道の横断を許可する通知(横断開始通知)を行うことになる。
-歩行支援動作-
次に、前述の如く構成された歩行支援システム10による歩行支援動作について説明する。先ず、本実施形態の概要について説明する。
(本実施形態の概要)
ここでは、視覚障碍者の歩行中における時間をt∈[0,T]と表し、当該視覚障碍者の状態を表す変数(状態変数)をs∈RTとする。また、時刻tのときの状態変数はst∈{0,1,2}の整数で表現され、それぞれ、歩行状態(st=0)、停止状態(st=1)、横断状態(st=2)を表すものとする。ここでいう歩行状態とは、例えば歩行者が交差点(信号機TLおよび横断歩道CWのある交差点)に向かって歩行している状態が想定される。また、停止状態とは、視覚障碍者が横断歩道CWの手前に達し、信号待ちによって(赤信号から青信号に切り替わるのを待って)停止している状態(歩行していない状態)が想定される。また、横断状態とは、視覚障碍者が横断歩道CWを横断している状態が想定される。
本実施形態は、時刻tでカメラ20によって撮影された画像Xt∈Rw0×h0(w0,h0はそれぞれ画像の縦と横の画像サイズを表す)が入力された際に、視覚障碍者の歩行を支援することを目的とした出力(出力変数)y∈RTを求めるアルゴリズムを提案するものとなっている。ここで、視覚障碍者の歩行を支援する出力としては、yt∈{1,2,3,4}の整数で表現され、それぞれ、停止指示(yt=1)、歩行指示(yt=2)、右逸脱警告(yt=3)、左逸脱警告(yt=4)を表すものとする。以下の説明では停止指示を停止通知という場合もある。また、歩行指示を歩行通知または横断通知という場合もある。これらの指示(通知)および警告は、振動発生機50の振動のパターンによって視覚障碍者に対して行われる。視覚障碍者は、予め、指示(通知)および警告と、振動発生機50の振動のパターンとの関係を把握しており、振動発生機50の振動のパターンをグリップ部3から感じ取ることで指示および警告の種類を把握することになる。
また、後述するように、視覚障碍者の状態を表す変数sの遷移を判定する関数(以下、状態遷移関数という)f0,f1,f2と、横断歩道からの逸脱(左右方向への逸脱)を判断する状態遷移関数f3が存在しており、これら状態遷移関数f0~f3が前記ROMに記憶されている。これら状態遷移関数f0~f3の具体例については後述する。
(出力変数yおよび状態遷移関数fiの概要)
前述した視覚障碍者の歩行を支援する出力yt∈{1,2,3,4}について説明する。
前述したように出力ytとしては、視覚障碍者の歩行支援を目的として、停止指示(yt=1)、歩行指示(yt=2)、右逸脱警告(yt=3)、左逸脱警告(yt=4)の4種類の出力が存在する。
停止指示(yt=1)は、歩行する視覚障碍者が横断歩道の手前まで達した時点で当該視覚障碍者に歩行を停止する旨の通知を行うものである。例えば、カメラ20で撮影された画像が、図5(視覚障碍者が横断歩道CWに向かう歩行状態にある際に、カメラ20で撮影された画像の一例を示す図)に示す状態であれば、横断歩道CWまでの距離が比較的長いため、停止指示(yt=1)は行わず、視覚障碍者は歩行状態(st=0)が継続され、カメラ20で撮影された画像が、図6(視覚障碍者が横断歩道CWに達したタイミングにおいてカメラ20で撮影された画像の一例を示す図)に示す状態となった場合には、視覚障碍者が横断歩道CWの手前に達したタイミングであることから、停止指示(yt=1)を出力して、当該視覚障碍者に歩行を停止する旨の通知を行うことになる。この停止指示(yt=1)を行う条件が成立しているか否かの判定(状態遷移関数の算出結果に基づく判定)については後述する。
歩行指示(yt=2)は、信号機TLが赤信号から青信号に切り替わったことで、視覚障碍者に歩行(横断歩道CWの横断)を指示する旨の通知を行うものである。例えば、横断歩道CWの手前で視覚障碍者が停止状態(st=1)にある状況で、カメラ20で撮影された画像に基づいて信号機TLが赤信号から青信号に切り替わった場合(後述する信号機認識システム100によって信号機TLの存在および状態の認識が行われることで信号機TLが赤信号から青信号に切り替わったと判断された場合)に、歩行指示(yt=2)を出力して、当該視覚障碍者に横断歩道CWの横断を開始する旨の通知を行う。この歩行指示(yt=2)を行う条件が成立しているか否かの判定(状態遷移関数の算出結果に基づく判定)についても後述する。
そして、本実施形態では、この歩行指示(yt=2)を行うタイミングとして、信号機TLの状態が赤信号から青信号に切り替わったタイミングとしている。つまり、仮に、視覚障碍者が横断歩道CWに達した時点で既に信号機TLが青信号となっていたとしても歩行指示(yt=2)は行わず、信号機TLが一旦赤信号となり、その後に青信号に切り替わったタイミングで歩行指示(yt=2)を行うようにしている。これによって、視覚障碍者が横断歩道CWを横断するに当たって、信号機TLが青信号となっている時間を十分に確保することができるようにし、視覚障碍者が横断歩道CWを横断している途中で信号機TLが青信号から赤信号に切り替わってしまうといった状況を招き難くしている。
右逸脱警告(yt=3)は、横断歩道CWを横断している視覚障碍者が横断歩道CWから右側に逸脱する方向に向かって歩行している際に、当該視覚障碍者に対して横断歩道CWから右側に逸脱する虞があることの警告を行うものである。例えば、カメラ20で撮影された画像が図7(視覚障碍者が横断歩道CWの横断状態にある際に、カメラ20で撮影された画像の一例を示す図)に示す状態にあって、視覚障碍者が横断歩道CWの横断状態(st=2)にある状況で、カメラ20で撮影された画像が、図8(横断歩道CWの横断状態にある視覚障碍者が横断歩道CWの右側に逸脱する方向に向かって歩行している際に、カメラ20で撮影された画像の一例を示す図)に示す状態となった場合には、視覚障碍者が横断歩道CWから右側に逸脱する方向に向かって歩行していることから、右逸脱警告(yt=3)を出力して、当該視覚障碍者に警告を行うことになる。
左逸脱警告(yt=4)は、横断歩道CWを横断している視覚障碍者が横断歩道CWから左側に逸脱する方向に向かって歩行している際に、当該視覚障碍者に対して横断歩道CWから左側に逸脱する虞があることの警告を行うものである。例えば、カメラ20で撮影された画像が図7に示す状態にあって、視覚障碍者が横断歩道CWの横断状態(st=2)にある状況で、カメラ20で撮影された画像が、図9(横断歩道CWの横断状態にある視覚障碍者が横断歩道CWの左側に逸脱する方向に向かって歩行している際に、カメラ20で撮影された画像の一例を示す図)に示す状態となった場合には、視覚障碍者が横断歩道CWから左側に逸脱する方向に向かって歩行していることから、左逸脱警告(yt=4)を出力して、当該視覚障碍者に警告を行うことになる。
これら右逸脱警告(yt=3)および左逸脱警告(yt=4)を行う条件が成立しているか否かの判定(状態遷移関数の算出結果に基づく判定)についても後述する。
(歩行支援で用いる特徴量)
次に、視覚障碍者に対する歩行支援で用いる特徴量について説明する。視覚障碍者に対して、横断歩道CWの手前での歩行の停止通知、および、その後の横断開始通知等の各種通知を適切に行うためには、横断歩道CWの位置(横断歩道CWにおいて最も手前側にある白線WL1の位置)、および、信号機TLの状態(青信号であるか赤信号であるか)をカメラ20からの情報によって正確に認識しておくことが必須である。つまり、白線WL1の位置および信号機TLの状態を反映させたモデル式を構築しておき、このモデル式に従って、現在、視覚障碍者が置かれている状況を把握できるようにしておく必要がある。
図10および図11は、視覚障碍者に対する歩行支援で用いる特徴量{w3,w4,w5,h3,r,b}T∈R6の概要を示している。r,bは、それぞれ信号機TLの状態(赤信号および青信号)の検出結果(0:未検出、1:検出)を表している。この信号機TLの状態の検出に際し、前述したように図4において破線で囲まれた領域Aが抽出されることで信号機TLの状態の認識が信号機認識システム100によって行われることになる。また、w3,w4,w5,h3は、前記横断歩道検出部82によって認識された横断歩道CWの白線WL1~WL7のうち、最も手前に位置する白線WL1に対するBoundary Boxを用いて図11に示すように定義される。つまり、w3は画像の左端からBoundary Boxの左端(白線WL1の左端に相当)までの距離であり、w4はBoundary Boxの幅寸法(白線WL1の長さ寸法に相当)であり、w5は画像の右端からBoundary Boxの右端(白線WL1の右端に相当)までの距離であり、h3は画像の下端からBoundary Boxの下端(白線WL1の手前側の端縁に相当)までの距離である。
深層学習を用いて横断歩道CWおよび信号機TLを検出する関数をgとした場合、時刻tでカメラ20によって撮影された画像Xt∈Rw0×h0を用いて予測された横断歩道CWおよび信号機TLのBoundary Boxをg(Xt)と表現すると、視覚障碍者の歩行を支援するために必要な特徴量としては、以下の式(1)として表現できる。
Figure 2023048408000002
ここで、
Figure 2023048408000003
は前記特徴量j(t)を抽出する演算子であり、前記g(Xt)に対する後処理を行うためのものであり、p1は1フレーム当たりのBoundary Boxの最大数である。
(状態遷移関数)
次に、状態遷移関数について説明する。この状態遷移関数は、前述したように、停止指示(yt=1)、歩行指示(yt=2)、右逸脱警告(yt=3)、左逸脱警告(yt=4)それぞれの通知を行う条件が成立しているか否かを判定するために用いられるものである。
時刻t+1での状態量(状態変数)st+1は、横断歩道CWの特徴量に対する時刻履歴情報J={j(0),j(1),…j(t)}と、現在の状態量(状態変数)st、および、時刻t+1で撮影された画像Xt+1を用いて以下の式(3)のように表すことができる。
Figure 2023048408000004
この式(3)における状態遷移関数fは、現在時刻の状態量に応じて以下の式(4)のように定義することができる。
Figure 2023048408000005
つまり、視覚障碍者の歩行の推移としては、歩行(例えば横断歩道CWに向かう歩行)→停止(例えば横断歩道CWの手前での停止)→横断(例えば横断歩道CWの横断)→歩行(例えば横断歩道CWの横断完了後の歩行)を繰り返すことになるが、歩行状態(st=0)にある視覚障碍者に対して停止指示(yt=1)を行う条件の成立の有無を判定するための状態遷移関数がf0(J,Xt+1)であり、停止状態(st=1)にある視覚障碍者に対して横断(歩行)指示(yt=2)を行う条件の成立の有無を判定するための状態遷移関数がf1(J,Xt+1)であり、横断状態(st=2)にある視覚障碍者に対して歩行(横断の完了)の通知を行う条件の成立の有無を判定するための状態遷移関数がf2(J,Xt+1)である。また、横断状態(st=2)にある視覚障碍者に対して横断歩道CWからの逸脱の警告を行う条件の成立の有無を判定するための状態遷移関数が後述するf3(J,Xt+1)である。
以下、各状態量(状態変数)それぞれに応じた状態遷移関数について具体的に説明する。
(歩行状態で適用される状態遷移関数)
現在時刻の状態量が歩行状態(st=0)である場合に使用される状態遷移関数f0(j,Xt+1)は、前記式(1)の特徴量を用いて以下の式(5)~(7)とすることができる。
Figure 2023048408000006
Figure 2023048408000007
Figure 2023048408000008
ここで、HはHeaviside関数であり、δはDelta関数である。また、α1,α2は判定基準に用いられるパラメータであり、t0は利用する過去の状態を指定するパラメータである。また、I2={0,1,0,0,0,0}T、I4={0,0,0,1,0,0}Tである。
この式(5)を用いれば、α1>h3、且つ、w4>α2の条件が過去t0時間では成立しておらず、時刻t+1で初めて成立した場合にのみ「1」が得られ、それ以外の場合には「0」が得られることになる。つまり、α1>h3が成立したことで、視覚障碍者の足元に、横断歩道CWにおける最も手前に位置する白線WL1(白線のBoundary Boxの下端)が位置し、w4>α2が成立したことで、その白線WL1は視覚障碍者の進行方向に直交する方向に延在する(白線のBoundary Boxの幅寸法が所定寸法を超えている)ものであることが判定された場合に「1」が得られるものとなっている。
このようにして式(5)において「1」が得られた場合には、停止指示(yt=1)を行う条件が成立したとして、歩行状態にある視覚障碍者に停止指示(例えば横断歩道CWの手前での歩行の停止指示;停止通知)を行うことになる。
また、本実施形態では、横断歩道CWが視覚障碍者の足元にある条件を(α1>h3)だけでなく、検出された横断歩道CWの幅の制約(w4>α2)を加えていることで、視覚障碍者の進行方向にある横断歩道CW以外の横断歩道(交差点において、視覚障碍者の進行方向に直交する方向の横断歩道等)が、画像Xt+1に含まれる場合の誤検知を防止している。つまり、道路の交差点等において横断方向が互いに異なる複数の横断歩道が存在している場合であっても、視覚障碍者が横断すべき横断歩道CW(白線WL1が、視覚障碍者が横断すべき方向に対して交差する方向に延びていることで、当該白線WL1の幅寸法が比較的広く認識されている横断歩道CW)とその他の横断歩道(白線の幅寸法が比較的狭く認識されている横断歩道)とを明確に判別することができ、視覚障碍者に向けての横断の開始通知を高い精度で正確に行うことが可能になっている。
(停止状態で適用される状態遷移関数)
前時刻の状態量が停止状態(st=1)である場合に使用される状態遷移関数f1(j,Xt+1)は、以下の式(8)~(10)とすることができる。
Figure 2023048408000009
Figure 2023048408000010
Figure 2023048408000011
ここでX’t+1は、Xt+1から画像のトリミングと拡大処理とを行って得られたものである。つまり、信号機TLの認識精度が十分に高められた画像X’t+1となっている。また、I5={0,0,0,0,1,0}T、I6={0,0,0,0,0,1}Tである。
式(8)では、過去t0時間に赤信号を検知した後で、時刻t+1で初めて青信号を検知した場合にのみ「1」が得られ、それ以外の場合には「0」が得られることになる。信号機TLの認識動作(信号機認識部83による信号機TLの認識動作)の詳細については後述する。
このようにして式(8)において「1」が得られた場合には、歩行(横断)指示(yt=2)を行う条件が成立したとして、停止状態にある視覚障碍者に横断指示(例えば横断歩道の横断指示;横断通知)を行うことになる。
また、信号機がない交差点の横断歩道では前述のロジックでの状態遷移ができない場合がある。この課題を解決するために、新たなパラメータt1>t0を導入し、時間t1の間、停止状態からの状態遷移がないと判断された場合に、歩行状態に遷移するようにしてもよい。
(横断状態で適用される状態遷移関数)
前時刻の状態量が横断状態(st=2)である場合に使用される状態遷移関数f2(j,Xt+1)は、以下の式(11)とすることができる。
Figure 2023048408000012
この式(11)では、過去t-t0から、現在時刻t+1の間に一度も信号機および足元の横断歩道CWが検出できなかった場合にのみ「1」が得られ、それ以外の場合には「0」が得られることになる。つまり、横断歩道CWを渡りきったことで信号機TLおよび足元の横断歩道CWが検出できなかった場合にのみ「1」が得られることになる。
このようにして式(11)において「1」が得られた場合には、横断完了の通知を行う条件が成立したとして、歩行状態にある視覚障碍者に横断完了(横断歩道の横断の完了)の通知を行うことになる。
(横断歩道からの逸脱を判定する状態遷移関数)
視覚障碍者の横断歩道CWの横断中に、横断歩道CWからの逸脱を判定する状態遷移関数f3(j,Xt+1)は、以下の式(12)~(14)とすることができる。
Figure 2023048408000013
Figure 2023048408000014
Figure 2023048408000015
ここで、α3は判定基準に用いられるパラメータである。また、I1={1,0,0,0,0,0}T、I3={0,0,1,0,0,0}Tである。
この式(12)では、検出された横断歩道CWの位置におけるフレームの中心からのズレ量が許容量以上であれば「1」が得られ、それ以外では「0」が得られることになる。つまり、w3の値が所定値よりも大きくなった場合(左逸脱の場合)や、w5の値が所定値よりも大きくなった場合(右逸脱の場合)に「1」が得られることになる。
このようにして式(12)において「1」が得られた場合には、右逸脱警告(yt=3)または左逸脱警告(yt=4)を行うことになる。
(信号機の存在判別動作および認識動作)
次に、本実施形態において特徴とする動作である信号機TLの存在判別動作および認識動作について説明する。この信号機TLの存在判別動作および認識動作は、前述したように信号機認識部83によって行われる。
図3に示すように、信号機認識部83は、信号機第1認識部83a、信号機第2認識部83b、信号機存在判定部83c、信号機状態判定部83dを備えている。これら信号機第1認識部83a、信号機第2認識部83b、信号機存在判定部83c、信号機状態判定部83dも、前記制御プログラムによって実現される機能部である。以下、それぞれについて説明する。
信号機第1認識部83aは、カメラ20によって取得(撮影)された画像に対し、予めアノテーションされたデータに基づく学習済みモデルを用いて信号機TLの認識動作を行う機能部である。具体的に、信号機第1認識部83aは、深層学習を用いて信号機TLの認識動作を行う。つまり、事前にアノテーションされた信号機TLのデータ(ラベルが付けられた信号機TLのデータ;深層学習によって信号機TLを認識するための教師データ)を利用して、カメラ20によって取得された画像中に信号機TLが存在するか否かの判断(信号機TLの存在の有無の判別)、および、信号機TLの状態(青信号であるか赤信号であるか)の認識を行う。ここで、予めアノテーションされたデータ(本発明でいう信号機状態データ)としては、信号機TLの赤色点灯部が点灯した状態でのデータ、信号機TLの青色点灯部が点灯した状態でのデータ、信号機TLの各点灯部が共に消灯した状態でのデータが挙げられる。
信号機第2認識部83bは、カメラ20によって取得された画像に対し、信号機TLの特徴量に基づいて当該信号機TLの認識動作を行う機能部である。本実施形態において使用する信号機TLの特徴量としては、形状特徴量として信号機TLのアスペクト比(縦横比)、および、色特徴量として点灯色の色相、彩度、明度である(これら特徴量において信号機TLの存在が認識される特徴量のデータが本発明でいう信号機状態データである)。以下、これら特徴量を使用した信号機TLの認識動作について説明する。この信号機TLの認識動作は、形状特徴量を使用した認識動作および色特徴量を使用した認識動作が順に行われる。
先ず、形状特徴量を使用した認識動作について説明する。信号機TLにおけるアスペクト比は予め規定されている。このため、カメラ20によって取得された画像中に、このアスペクト比に略合致する形状の物体(当該物体を表す画像)が存在しておれば、その形状の物体(その形状の物体の画像領域)が信号機TLである可能性が高いとして抽出される。以下、この形状の物体の画像領域を認識対象エリアと呼ぶこととする。具体的には、予め規定されている信号機TLの高さ寸法をh、幅寸法をwとした場合に、アスペクト比w/hが所定の範囲内にある物体を信号機TLの可能性が高い物体(認識対象エリアに存在する物体)であるとして抽出する。
このように抽出された認識対象エリアに対し、色特徴量を使用した認識動作を行うことで、信号機TLであるか否かの確定動作を行う。以下、この色特徴量を使用した認識動作について説明する。
色特徴量を使用した認識動作としては、色相スクリーニング動作および彩度・明度認識動作が順に行われる。
色相スクリーニング動作は、前述した形状特徴量を使用した認識動作によって抽出した認識対象エリアの色相が信号機TLにおける何れかの点灯部の点灯色に合致しているか否かを判断する動作である。具体的には、カメラ20によって取得された画像中の前記認識対象エリアの色情報としてRGB色空間をHSV色空間に変換する。この変換は周知のHSV変換処理が利用される。ここで、Hは色相(Hue)、Sは彩度(Saturation Chroma)、Vは明度(Value Brightness)である。色相スクリーニング動作では、認識対象エリアの色相Hが所定の範囲内にあるか否かを判断する。
認識対象エリアの色相Hが赤色であった場合には、その色が、信号機TLの赤色の点灯色を対象とした所定の条件を満たすか否かが判断され、認識対象エリアの色相Hが青色であった場合には、その色が、信号機TLの青色の点灯色を対象とした所定の条件を満たすか否かが判断されることになる。
認識対象エリアの色相Hが所定の条件を満たしている場合には、更に、信号機TLであることの信頼性を高めるために以下の彩度・明度認識動作を行う。歩行者用信号機(信号機)TLにあっては、赤色点灯部が点灯している場合には、その下側に隣接する青色点灯部は消灯し黒色となっている。また、青色点灯部が点灯している場合には、その上側に隣接する赤色点灯部は消灯し黒色となっている。彩度・明度認識動作では、このことを利用して、前記抽出された認識対象エリアが信号機TLであるか否かの確定動作を行う。尚、後述するように、信号機TLの全ての信号灯が消灯した状態の画像が取得された場合には、この色特徴量を使用した認識動作を実施することができないことになる。
信号機存在判定部83cは、カメラ20によって取得された前方の画像を用いて信号機TLの存在の有無を判別するためのものであり、予め記憶された、信号機TLの全ての信号灯(赤色信号灯および青色信号灯)が消灯した状態のデータを含む複数の信号機状態データを用いて、前方に信号機TLが存在している状態と前方に信号機TLが存在していない状態とを判別する機能を有している。
具体的には、前記信号機第1認識部83aによる認識動作の結果に基づいて、カメラ20によって取得された前方の画像に対して信号機TLの存在の有無を判別するようになっている。
以下、この信号機存在判定部83cにおける、信号機TLの存在の有無を判別するための動作の概要について説明する。
前方に信号機TLが存在している場合に、カメラ20によって取得される前方の画像としては、図12~図14のものが挙げられる。図12は、信号機TLの青色信号灯が点灯している状態でカメラ20によって取得された画像の一例を示している。また、図13は、信号機TLの赤色信号灯が点灯している状態でカメラ20によって取得された画像の一例を示している。そして、図14は、信号機TLの全ての信号灯が消灯している状態でカメラ20によって取得された画像の一例を示す図である。この図14に示す画像が取得されてしまう理由は以下のとおりである。
前述したように、信号機(歩行者用信号機)TLは青信号から赤信号に切り替わる前に青色信号灯が点滅する。また、信号機TLの信号灯に蛍光灯やLEDランプが採用されている場合、信号灯の点灯状態にあっては非常に短い周期(例えば100回/sec)で点滅している。このため、カメラ20の撮影タイミング(サンプリングタイミング)によっては、そのサンプリングタイミングと信号灯の消灯タイミングとが一致することがあり、この場合、図14に示すように信号灯の消灯状態(青色信号灯および赤色信号灯が共に消灯している状態)の画像が取得されてしまうことになる。このような状況では、カメラ20が信号灯からの光を受光できず、従来技術にあっては、信号機の存在を認識することができないことから、信号機が存在していない(信号機が設置されていない横断歩道である)と誤判断してしまう可能性があった。
尚、カメラ20によって取得される前方の画像として図15に示すものの挙げられる。この図15は、信号機TLの全ての信号灯の明度が高い状態で取得された画像の一例を示す図である。このような画像が取得される例としては、信号機TLに太陽光等が照射され、消灯している信号灯が明るく見える状態である。
この点に鑑み本実施形態では、信号機TLの全ての信号灯が消灯した状態のデータを含む複数の信号機状態データを記憶させておき、この信号機状態データを用いて、信号機存在判定部83cにおいて前方に信号機TLが存在している状態と前方に信号機TLが存在していない状態とを判別できるようにしている。
以下、信号機存在判定部83cにおける信号機TLの存在の有無を判別するための処理について具体的に説明する。
時刻tにおける信号機TLの各信号灯の状態を示す変数(状態変数)SS(t)は以下の式(15)で表すことができる。
Figure 2023048408000016
ここで、Si(i=r,g,o)は各信号灯の点灯状態を表す状態変数であり、赤色信号灯の点灯時にはSS(t)={1,0,0}T、青色信号灯の点灯時にはSS(t)={0,1,0}T、両信号灯の消灯時にはSS(t)={0,0,1}Tと表される。また、前方に信号機が存在していない場合にはSS(t)={0,0,0}Tと表される。また、図15に示す画像が取得された場合、状態変数はSS(t)={1,1,0}Tと表すことができる。
そして、本実施形態では、信号機第1認識部83aによる認識動作の結果に基づいた検出結果変数jS(t)が以下の式(16)で表される。
Figure 2023048408000017
この式(16)において、状態変数として、SS(t)={1,0,0}T、SS(t)={0,1,0}T、SS(t)={0,0,1}T、SS(t)={1,1,0}Tのうちの何れかにある場合には、検出結果変数jS(t)が「1」となる。この状態が、前方に信号機TLが存在していると判定される状態である。つまり、信号機TLの点灯の有無を問わず(取得した画像上で信号機TLが消灯している場合を含んで)前方に信号機TLが存在していると判定される状態である。一方、式(16)において、状態変数としてSS(t)={0,0,0}Tにある場合には、検出結果変数jS(t)が「0」となる。この状態が、前方に信号機TLが存在していないと判定される状態である。
このように、本実施形態では、状態変数として、前方に信号機が存在していない場合に相当するSS(t)={0,0,0}Tを使用したことにより、この前方に信号機が存在していない場合の状態変数SS(t)={0,0,0}Tを、赤色信号灯の点灯時の状態変数SS(t)={1,0,0}Tおよび青色信号灯の点灯時の状態変数SS(t)={0,1,0}Tと同等に扱うことを可能にし、これによって両信号灯の消灯時においても信号機TLの存在が判別できるようにしている。
尚、ここでは、信号機第1認識部83aによる認識動作の結果に基づいて、前方の画像に対して信号機TLの存在の有無を判別するようにしているが、信号機第2認識部83bによる認識動作の結果に基づいて、前述の場合と同様に(式(16)を利用して)前方の画像に対して信号機TLの存在の有無を判別するようになっていてもよい。また、信号機第1認識部83aによる認識動作の結果および信号機第2認識部83bによる認識動作の結果の両方に基づいて、前方の画像に対して信号機TLの存在の有無を判別するようになっていてもよい。この場合、信号機第1認識部83aによる認識動作および信号機第2認識部83bによる認識動作の両方で信号機TLの存在が認識されなかった場合に、カメラ20によって取得された前方の画像に対し、前方に信号機TLが存在していないと判定し、それ以外の場合には、前方に信号機TLが存在していると判定することになる。
信号機状態判定部83dは、カメラ20によって取得された前方の画像を用いて信号機TLの状態を認識(信号機TLの存在の有無だけでなく各信号灯の点灯状態も認識)する機能部である。
具体的には、信号機第1認識部83aによる認識動作および信号機第2認識部83bによる認識動作に応じて、信号機TLの存在の有無の判別および信号機TLの状態の認識を行う。
前述した深層学習および信号機TLの特徴量によって認識される信号機TLの相補信号色状態変数は以下の式(17)で表される。
Figure 2023048408000018
ここでSS DL(t)は深層学習により得られた信号色状態変数であり、SS CV(t)は信号機TLの特徴量により得られた信号色状態変数である。
この式(17)によって得られた相補信号色状態変数により、前記式(16)を拡張した以下の式(18)により、信号機TLの存在の有無の判別および信号機TLの状態の認識を行うことができる。
Figure 2023048408000019
この式(18)において、「red」は、前方に信号機TLが存在しており当該信号機TLが赤色点灯状態であることを示している。つまり、状態変数としてS(t)={1,0,0}Tが得られた状態(赤信号の認識によって1が得られ)で信号色状態変数によって信号機TLが存在していると判断された(信号機TLの存在判別により1が得られた)場合に「1」が得られて、前方に信号機TLが存在しており当該信号機TLが赤色点灯状態であることが判定されることになる。この判定動作が、本発明でいう「信号機第1認識部による認識動作および信号機第2認識部による認識動作のうち少なくとも一方の動作において信号機が赤色点灯であることが認識された状態において、信号機第1認識部による認識動作および信号機第2認識部による認識動作の両方で信号機の存在が認識された場合に、画像取得手段によって取得された前方の画像に対し、信号機が存在し且つ当該信号機が赤色点灯状態であると判定する」動作に相当する。
また、「green」は、前方に信号機TLが存在しており当該信号機TLが青色点灯状態であることを示している。つまり、状態変数としてSS(t)={0,1,0}Tが得られた状態(青信号の認識によって1が得られ)で信号色状態変数によって信号機TLが存在していると判断された(信号機TLの存在判別により1が得られた)場合に「1」が得られて、前方に信号機TLが存在しており当該信号機TLが青色点灯状態であることが判定されることになる。この判定動作が、本発明でいう「信号機第1認識部による認識動作および信号機第2認識部による認識動作のうち少なくとも一方の動作において信号機が青色点灯であることが認識された状態において、信号機第1認識部による認識動作および信号機第2認識部による認識動作の両方で信号機の存在が認識された場合に、画像取得手段によって取得された前方の画像に対し、信号機が存在し且つ当該信号機が青色点灯状態であると判定する」動作に相当する。
また、「N/A」は、前方に信号機TLが存在していないことを示している。つまり、相補信号色状態変数によって信号機TLが存在していないと判断された(信号機TLの存在無しの判別により0が得られた)場合に前方に信号機TLが存在していないことが判定されることになる。この判定動作が、本発明でいう「信号機第1認識部による認識動作および信号機第2認識部による認識動作の両方で信号機の存在が認識されなかった場合に、画像取得手段によって取得された前方の画像に対し、前方に信号機が存在していないと判定する」動作に相当する。
また、「off」は、点灯色は不明である(画像上において全ての信号灯が消灯している)ものの前方に信号機TLが存在していることを示している。つまり、前述した3種類の判定(red、green、および、N/Aの判定)の何れもなされなかった場合に前方に信号機TLが存在していることが判定されることになる。この判定動作が、本発明でいう「信号機が存在し且つ当該信号機が赤色点灯状態であることの判定、信号機が存在し且つ当該信号機が青色点灯状態であることの判定、前方に信号機が存在していないことの判定の何れの判定もされなかった場合には、前方に信号機が存在していると判定する」動作に相当する。
このようにして、式(18)によって信号機TLの存在の有無の判別および信号機TLの状態の認識を行うことが可能である。
(歩行支援動作)
次に、歩行支援システム10による歩行支援動作の流れについて説明する。
図16は、前述した歩行支援動作の一連の流れを示すフローチャートである。このフローチャートは、視覚障碍者が路上(歩道上)を歩行している状況において、所定時刻tから所定時刻t+1までの間で1回のルーチンが実施されるように所定時間間隔を存して繰り返して実施される。以下の説明では各状態遷移関数における変数(J,Xt+1)の記載を省略する。
先ず、ステップST1において視覚障碍者が歩行状態にある状況で、ステップST2において、前記横断歩道検出部82によって認識された、横断歩道CWを含む画像領域における当該横断歩道CWの白線WL1の位置(より具体的には、最も手前に位置する白線WL1のBoundary Boxの位置)に基づき、前述した停止指示(yt=1)を行う条件の成立の有無を判定するための状態遷移関数f0(前記式5)において「1」が得られたか否かを判定する。
この状態遷移関数f0において「0」が得られている場合には、停止指示(yt=1)を行う条件が成立していない、つまり、視覚障碍者は未だ横断歩道CWの手前に達していないとしてNO判定され、ステップST1に戻る。視覚障碍者が横断歩道CWの手前に達するまで、ステップST2ではNO判定されるため、ステップST1,ST2の動作を繰り返すことになる。
視覚障碍者が横断歩道CWの手前に達し、状態遷移関数f0において「1」が得られた場合には、ステップST2でYES判定され、ステップST3に移る。このステップST3では、視覚障碍者に対して停止指示(yt=1)を行う。具体的には、視覚障碍者が持っている白杖1の振動発生機50が、停止指示(停止通知)を示すパターンで振動する。これにより、白杖1のグリップ部3を把持している視覚障碍者は、振動発生機50の振動のパターンを感じ取ることで停止指示されたことを認識し、歩行を停止することになる。
ステップST4において視覚障碍者が停止状態にある状況で、ステップST5において、前述した歩行指示(yt=2)を行う条件の成立の有無を判定するための状態遷移関数f1(前記式8)において「1」が得られたか否かを判定する。この状態遷移関数f1による判定動作に際しては、前述した図4で示したように、破線で囲まれた領域Aが抽出され、前述した信号機第1認識部83aによる信号機TLの認識動作および信号機第2認識部83bによる信号機TLの認識動作が行われる。これにより、前述した信号機存在判定部83cによる信号機TLの存在の有無の判別動作、信号機状態判定部83dによる信号機TLの状態の認識動作が行われる。つまり、取得された画像に対し、予めアノテーションされたデータに基づく学習済みモデルを用いた信号機TLの認識動作、および、取得された画像に対し、信号機TLの特徴量に基づいた信号機TLの認識動作が行われ、前述した式(18)の結果から、前方における信号機TLの存在の有無および信号機TLが存在する場合における当該信号機TLの状態が認識される。
このようにして信号機TLの存在の有無および信号機TLの状態が認識された後、ステップST5において、歩行指示(yt=2)を行う条件の成立の有無を判定するための状態遷移関数f1(前記式8)において「1」が得られたか否かを判定することになる。
この状態遷移関数f1において「0」が得られている場合には、歩行指示(yt=2)を行う条件が成立していない、つまり、信号機TLは未だ青信号に切り替わっていないとしてNO判定され、ステップST4に戻る。信号機TLが青信号に切り替わるまで、ステップST5ではNO判定されるため、ステップST4,ST5の動作を繰り返すことになる。
信号機TLが青信号に切り替わり、状態遷移関数f1において「1」が得られた場合には、ステップST5でYES判定され、ステップST6に移る。この動作が、切り替わり認識部(信号機の状態が、停止指示状態から横断許可状態に切り替わったことを認識する切り替わり認識部)84の動作に相当する。
ステップST6では、視覚障碍者に対して歩行(横断)指示(yt=2)を行う。具体的には、視覚障碍者が持っている白杖1の振動発生機50が、歩行指示(横断開始通知)を示すパターンで振動する。これにより、白杖1のグリップ部3を把持している視覚障碍者は歩行指示されたことを認識し、横断歩道CWの横断を開始することになる。
ステップST7において視覚障碍者が横断歩道CWの横断状態にある状況で、ステップST8において、横断歩道CWからの逸脱の警告を行う条件の成立の有無を判定するための状態遷移関数f3(前記式12)において「1」が得られたか否かを判定する。
状態遷移関数f3において「1」が得られ、ステップST8でYES判定された場合、ステップST9において、その横断歩道CWからの逸脱の方向が右方向(右逸脱)であるか否かを判定する。そして、横断歩道CWからの逸脱の方向が右方向であり、ステップST9でYES判定された場合にはステップST10に移り、視覚障碍者に対して右逸脱警告(yt=3)を行う。具体的には、視覚障碍者が持っている白杖1の振動発生機50が、右逸脱警告を示すパターンで振動する。これにより、白杖1のグリップ部3を把持している視覚障碍者は右逸脱警告されたことを認識し、歩行方向を左方向に向けて変更することになる。
一方、横断歩道CWからの逸脱の方向が左方向であり、ステップST9でNO判定された場合にはステップST11に移り、視覚障碍者に対して左逸脱警告(yt=4)を行う。具体的には、視覚障碍者が持っている白杖1の振動発生機50が、左逸脱警告を示すパターンで振動する。これにより、白杖1のグリップ部3を把持している視覚障碍者は左逸脱警告されたことを認識し、歩行方向を右方向に向けて変更することになる。このようにして逸脱警告を行った後、ステップST14に移る。
横断歩道CWからの逸脱がなく、状態遷移関数f3において「0」が得られている場合には、ステップST8でNO判定され、ステップST12に移る。このステップST12では、現在、ステップST10またはステップST11における逸脱警告の発生中であるか否かを判定する。逸脱警告の発生中でなく、ステップST12でNO判定された場合には、ステップST14に移る。一方、逸脱警告の発生中であり、ステップST12でYES判定された場合には、ステップST13に移り、逸脱警告を解除してステップST14に移る。
ステップST14では、横断完了の通知を行う条件の成立の有無を判定するための状態遷移関数f2(前記式11)において「1」が得られたか否かを判定する。
この状態遷移関数f2において「0」が得られている場合には、横断完了の通知を行う条件が成立していない、つまり、視覚障碍者は横断歩道CWの横断中であるとしてNO判定され、ステップST7に戻る。横断歩道CWの横断が完了するまで、ステップST14ではNO判定されるため、ステップST7~ST14の動作を繰り返すことになる。
つまり、視覚障碍者の横断中に横断歩道CWからの逸脱が発生する場合には前述した逸脱警告が行われ、この逸脱が解消された場合には、逸脱警告が解除されるといった動作を、横断歩道CWの横断が完了するまで行われる。
視覚障碍者が横断歩道CWの横断を完了し、状態遷移関数f2において「1」が得られた場合には、ステップST14でYES判定され、ステップST15に移り、視覚障碍者に対して横断完了の通知を行う。具体的には、視覚障碍者が持っている白杖1の振動発生機50が、横断完了を示すパターンで振動する。これにより、白杖1のグリップ部3を把持している視覚障碍者は横断完了の通知が行われたことを認識し、通常の歩行状態に戻ることになる。
このようにして、視覚障碍者が横断歩道CWを横断する度に前述した動作が繰り返されることになる。
-歩行支援の状態遷移の例-
次に、前述の如く構成された歩行支援システム10において歩行支援が行われる際の動作についての複数の例について説明する。
(信号機が設置されていない横断歩道の横断)
先ず、信号機が設置されていない横断歩道を横断する場合について説明する。図17は、信号機が設置されていない横断歩道を横断する場合における歩行支援の状態遷移を説明するためのタイミングチャートである。
視覚障碍者が横断歩道に向かって歩行し、横断歩道の手前に達したタイミング(タイミングt10)で、振動発生機50が停止指示(停止通知)を示すパターンで振動し、これに従って視覚障碍者が停止する。
その後、タイミングt11から、信号機認識システム100による信号機TLの探索が開始され、タイミングt12までの期間中に信号機TLが検出されなかったことで、信号機が設置されていない横断歩道であると判断される。そして、このタイミングt12において、振動発生機50が歩行指示(横断開始通知)を示すパターン(信号機が設置されていない横断歩道であることを通知する情報を含むパターン)で振動し、これに従って視覚障碍者が横断歩道の横断を開始する。この横断歩道の横断に当たっては、視覚障碍者は、周囲の環境(音等)を頼りにして横断歩道を横断する。
タイミングt13で横断が開始されると、前述した横断歩道からの逸脱(左右方向への逸脱)を判断する動作が開始され、横断歩道から逸脱する可能性が生じた場合には、振動発生機50が横断歩道CWからの逸脱の警告を示すパターンで振動し、これに従って視覚障碍者は、逸脱を回避する方向へ歩行方向を変更することになる。
そして、横断歩道の横断が完了すると(タイミングt14)、振動発生機50が横断の完了を示すパターンで振動し、視覚障碍者は横断歩道の横断を完了したことを認識して歩行(歩道の歩行)を継続する(タイミングt15)。
(信号機が設置された横断歩道の横断:第1の例)
次に、信号機TLが設置された横断歩道を横断する場合の第1の例について説明する。図18は、信号機TLが設置された横断歩道を横断する場合における歩行支援の状態遷移の第1の例を説明するためのタイミングチャートである。この図18に示すタイミングチャートは、視覚障碍者が、横断歩道に達した時点における信号機TLは赤信号であり、その後、青信号に切り替わったことで横断歩道の横断を開始する場合を示している。
視覚障碍者が横断歩道に向かって歩行し、横断歩道の手前に達したタイミング(タイミングt20)で、振動発生機50が停止指示(停止通知)を示すパターンで振動し、これに従って視覚障碍者が停止する。この際、信号機TLは赤信号となっており、タイミングt21において、信号機TLが赤信号であることが認識される。
そして、タイミングt22から信号機TLが青信号に切り替わることを待機し、タイミングt23で信号機TLが青信号に切り替わったことが認識されたことで、振動発生機50が歩行指示(横断開始通知)を示すパターンで振動し、これに従って視覚障碍者が横断歩道の横断を開始する。
タイミングt24で横断が開始されると、前述した横断歩道からの逸脱を判断する動作が開始され、横断歩道から逸脱する可能性が生じた場合には、振動発生機50が横断歩道CWからの逸脱の警告を示すパターンで振動し、これに従って視覚障碍者は、逸脱を回避する方向へ歩行方向を変更することになる。
そして、横断歩道の横断が完了すると(タイミングt25)、振動発生機50が横断の完了を示すパターンで振動し、視覚障碍者は横断歩道の横断を完了したことを認識して歩行(歩道の歩行)を継続する(タイミングt26)。
(信号機が設置された横断歩道の横断:第2の例)
次に、信号機TLが設置された横断歩道を横断する場合の第2の例について説明する。図19は、信号機TLが設置された横断歩道を横断する場合における歩行支援の状態遷移の第2の例を説明するためのタイミングチャートである。この図19に示すタイミングチャートは、視覚障碍者が、横断歩道に達した時点における信号機TLは青信号であり、その後、一旦赤信号に切り替わった後、青信号に切り替わるのを待って横断歩道の横断を開始する場合を示している。
視覚障碍者が横断歩道に向かって歩行し、横断歩道の手前に達したタイミング(タイミングt30)で、振動発生機50が停止指示(停止通知)を示すパターンで振動し、これに従って視覚障碍者が停止する。この際、信号機TLは青信号となっており、タイミングt31において、信号機TLが青信号であることが認識される。
そして、タイミングt32から信号機TLが赤信号に切り替わることを待機し、タイミングt33で信号機TLが赤信号に切り替わったことが認識される。
この状態で、タイミングt34から信号機TLが青信号に切り替わることを待機し、タイミングt35で信号機TLが青信号に切り替わったことが認識されたことで、振動発生機50が歩行指示(横断開始通知)を示すパターンで振動し、これに従って視覚障碍者が横断歩道の横断を開始する。
タイミングt36で横断が開始されると、前述した横断歩道からの逸脱を判断する動作が開始され、横断歩道から逸脱する可能性が生じた場合には、振動発生機50が横断歩道CWからの逸脱の警告を示すパターンで振動し、これに従って視覚障碍者は、逸脱を回避する方向へ歩行方向を変更することになる。
そして、横断歩道の横断が完了すると(タイミングt37)、振動発生機50が横断の完了を示すパターンで振動し、視覚障碍者は横断歩道の横断を完了したことを認識して歩行(歩道の歩行)を継続する(タイミングt38)。
(信号機が設置された横断歩道の横断:第3の例)
次に、信号機TLが設置された横断歩道を横断する場合の第3の例について説明する。図20は、信号機TLが設置された横断歩道を横断する場合における歩行支援の状態遷移の第3の例を説明するためのタイミングチャートである。この図20に示すタイミングチャートは、視覚障碍者が、横断歩道に達した時点における信号機TLは青信号であり、その後、一旦赤信号に切り替わった後、信号機TLの状態を認識できなくなり、信号機TLの状態を認識できる状態に復帰した後、青信号に切り替わるのを待って横断歩道の横断を開始する場合を示している。
視覚障碍者が横断歩道に向かって歩行し、横断歩道の手前に達したタイミング(タイミングt40)で、振動発生機50が停止指示(停止通知)を示すパターンで振動し、これに従って視覚障碍者が停止する。この際、信号機TLは青信号となっており、タイミングt41において、信号機TLが青信号であることが認識される。
そして、タイミングt42から信号機TLが赤信号に切り替わることを待機する。
そして、タイミングt43~タイミングt46において、信号機TLの状態を認識できなくなり、タイミングt47で信号機TLの状態を認識できる状態に復帰しタイミングt47で信号機TLが赤信号状態にあることが認識される。
この状態で、このタイミングt47から信号機TLが青信号に切り替わることを待機し、タイミングt48で信号機TLが青信号に切り替わったことが認識されたことで、振動発生機50が歩行指示(横断開始通知)を示すパターンで振動し、これに従って視覚障碍者が横断歩道の横断を開始する。
タイミングt49で横断が開始されると、前述した横断歩道からの逸脱(左右方向への逸脱)を判断する動作が開始され、横断歩道から逸脱する可能性が生じた場合には、振動発生機50が横断歩道CWからの逸脱の警告を示すパターンで振動し、これに従って視覚障碍者は、逸脱を回避する方向へ歩行方向を変更することになる。
そして、横断歩道の横断が完了すると(タイミングt50)、振動発生機50が横断の完了を示すパターンで振動し、視覚障碍者は横断歩道の横断を完了したことを認識して歩行(歩道の歩行)を継続する(タイミングt51)。
-実施形態の効果-
以上説明したように、本実施形態では、カメラ20によって取得された前方の画像を用いて信号機TLの存在の有無を判別するに当たり、予め記憶された、信号機TLの全ての信号灯が消灯した状態のデータを含む複数の信号機状態データを用いて、信号機存在判定部83cにおいて、前方に信号機TLが存在している状態と前方に信号機TLが存在していない状態とを判別するようにしている。このため、取得された画像上において全ての信号灯が消灯状態にある信号機TLが存在していることを認識でき、前方に信号機TLが存在している状態と前方に信号機TLが存在していない状態とを高い精度で判別することができる。つまり、前方に信号機TLが存在しているにも拘わらず信号機TLが存在していないと誤判断してしまうことを抑制できる。このため、前方に信号機TLが存在するか否かの判別の信頼性を高めることができる。
また、本実施形態では、信号機状態判定部83dによって、前方の画像を用いて信号機TLの状態を認識(信号機TLの存在の有無だけでなく各信号灯の点灯状態も認識)するようにしている。このため、よりいっそう高い精度で信号機TLの存在の有無の判別を行うことが可能になる。特に、カメラ20によって撮影された画像に対して、信号機第1認識部83aによる認識動作(カメラ20によって撮影された画像に対し、予めアノテーションされたデータに基づく学習済みモデルを用いた信号機TLの認識動作)の結果、および、信号機第2認識部83bによる認識動作(カメラ20によって撮影された画像に対し、信号機TLの特徴量に基づいた当該信号機TLの認識動作)の結果それぞれに基づいて、画像中に信号機TLが認識されたか否かを判定するようにしているため、信号機TLの認識精度を十分に得ることが可能になり、信号機TLの状態に応じた歩行者(視覚障碍者)への指示を適切に行うことができる。
また、本実施形態では、信号機TLの状態が赤信号から青信号に切り替わったことを条件として視覚障碍者に向けて横断の開始通知を行うようにしている。このため、視覚障碍者が横断歩道CWを横断するに当たって、信号機TLの状態が青信号となっている時間を十分に確保することができる。
また、本実施形態では、歩行支援システム10および信号機認識システム100の構成要素を白杖1に内蔵させることにより、白杖1のみで歩行支援システム10および信号機認識システム100を実現しているため、実用性の高い歩行支援システム10および信号機認識システム100を提供することができる。
-他の実施形態-
尚、本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲および該範囲と均等の範囲で包含される全ての変形や応用が可能である。
例えば、前記実施形態では、信号機認識システム100を、視覚障碍者が使用する白杖1に内蔵した場合について説明した。本発明はこれに限らず、歩行者が高齢者である場合の杖や手押し車等であってもよい。
また、本発明に係る信号機認識システム100は、歩行者の前方を対象とする(歩行者の前方における信号機TLの存在の有無を判別する)場合に限らず、例えば車両の前方を対象とする(車両の前方における信号機TLの存在の有無を判別する)場合にも適用が可能である。例えば、自動運転を行う車両に搭載され、当該車両の前方における信号機TLの存在の有無を判別するものとして適用することが可能である。
また、前記実施形態では、視覚障碍者が横断歩道CWに達した際に停止指示(yt=1)を行い(信号機TLが青信号であっても停止指示を行い)、信号機TLが赤信号から青信号に切り替わったタイミングで歩行指示(yt=2)を行うようにしていた。つまり、本発明に係る信号機TLの認識動作は、主に歩行指示(yt=2)を行うためのものとして利用されるものとしていた。本発明はこれに限らず、視覚障碍者が横断歩道CWに達した際に信号機TLの認識動作を行い、停止指示(yt=1)を行うためのものとしても利用するようにしてもよい。
また、前記実施形態では、白杖1に充電ソケット70を備えさせ、家庭用電源からバッテリ(二次電池)60を充電するようにしていた。本発明はこれに限らず、白杖1の表面に太陽光発電シートを貼り付けておき、当該太陽光発電シートで発電した電力によってバッテリ60を充電するようにしてもよい。また、二次電池に代えて一次電池を使用するようになっていてもよい。また、白杖1に振り子式発電機を内蔵し、該振り子式発電機を利用してバッテリ60を充電するようにしてもよい。
また、前記実施形態では、振動発生機50の振動パターンによって通知の種類を分けるようにしていた。本発明はこれに限らず、音声によって通知を行うようにしてもよい。
本発明は、視覚障碍者が把持する白杖に内蔵され、視覚障碍者の前方における信号機の存在の有無を判別する信号機認識システムに適用可能である。
1 白杖
20 カメラ(画像取得手段)
50 振動発生機(通知手段)
80 制御装置
83 信号機認識部
83a 信号機第1認識部
83b 信号機第2認識部
83c 信号機存在判定部
83d 信号機状態判定部
100 信号機認識システム
TL 信号機

Claims (10)

  1. 前方に存在する信号機を認識するための信号機認識システムであって、
    前方の画像を取得可能な画像取得手段と、
    前記画像取得手段によって取得された前方の画像を用いて前記信号機の存在の有無を判別する信号機存在判定部と、を備え、
    前記信号機存在判定部は、予め記憶された、前記信号機の全ての信号灯が消灯した状態のデータを含む複数の信号機状態データを用いて、前方に信号機が存在している状態と前方に信号機が存在していない状態とを判別する構成となっていることを特徴とする信号機認識システム。
  2. 請求項1記載の信号機認識システムにおいて、
    予めアノテーションされた、全ての信号灯が消灯した状態にある信号機の画像データを含む複数の教師データを前記信号機状態データとして、前記教師データを用いて、前記画像取得手段によって取得された前方の画像に対して前記信号機の認識動作を行う信号機第1認識部を備え、
    前記信号機存在判定部は、前記信号機第1認識部による認識動作の結果に基づいて、前記画像取得手段によって取得された前方の画像に対して前記信号機の存在の有無を判別する構成となっていることを特徴とする信号機認識システム。
  3. 請求項1記載の信号機認識システムにおいて、
    全ての信号灯が消灯した状態にある信号機の特徴量のデータを含む複数の特徴量データを前記信号機状態データとして、前記特徴量データを用いて、前記画像取得手段によって取得された前方の画像に対して前記信号機の認識動作を行う信号機第2認識部を備え、
    前記信号機存在判定部は、前記信号機第2認識部による認識動作の結果に基づいて、前記画像取得手段によって取得された前方の画像に対して前記信号機の存在の有無を判別する構成となっていることを特徴とする信号機認識システム。
  4. 請求項1記載の信号機認識システムにおいて、
    予めアノテーションされた、全ての信号灯が消灯した状態にある信号機の画像データを含む複数の教師データを前記信号機状態データとして、前記教師データを用いて、前記画像取得手段によって取得された前方の画像に対して前記信号機の認識動作を行う信号機第1認識部と、
    全ての信号灯が消灯した状態にある信号機の特徴量のデータを含む複数の特徴量データを前記信号機状態データとして、前記特徴量データを用いて、前記画像取得手段によって取得された前方の画像に対して前記信号機の認識動作を行う信号機第2認識部と、を備え、
    前記信号機存在判定部は、前記信号機第1認識部による認識動作の結果および前記信号機第2認識部による認識動作の結果それぞれに基づいて、前記画像取得手段によって取得された前方の画像に対して前記信号機の存在の有無を判別する構成となっていることを特徴とする信号機認識システム。
  5. 請求項1記載の信号機認識システムにおいて、
    予めアノテーションされた、全ての信号灯が消灯した状態にある信号機の画像データを含む複数の教師データを前記信号機状態データとして、前記教師データを用いて、前記画像取得手段によって取得された前方の画像に対して前記信号機の認識動作を行う信号機第1認識部と、
    全ての信号灯が消灯した状態にある信号機の特徴量のデータを含む複数の特徴量データを前記信号機状態データとして、前記特徴量データを用いて、前記画像取得手段によって取得された前方の画像に対して前記信号機の認識動作を行う信号機第2認識部と、
    前記信号機第1認識部による認識動作および前記信号機第2認識部による認識動作の両方で信号機の存在が認識されなかった場合に、前記画像取得手段によって取得された前方の画像に対し、前方に信号機が存在していないと判定する信号機状態判定部とを、備えていることを特徴とする信号機認識システム。
  6. 請求項5記載の信号機認識システムにおいて、
    前記信号機状態判定部は、前記信号機第1認識部による認識動作および前記信号機第2認識部による認識動作のうち少なくとも一方の動作において前記信号機が赤色点灯であることが認識された状態において、前記信号機第1認識部による認識動作および前記信号機第2認識部による認識動作の両方で前記信号機の存在が認識された場合に、前記画像取得手段によって取得された前方の画像に対し、前記信号機が存在し且つ当該信号機が赤色点灯状態であると判定することを特徴とする信号機認識システム。
  7. 請求項5または6記載の信号機認識システムにおいて、
    前記信号機状態判定部は、前記信号機第1認識部による認識動作および前記信号機第2認識部による認識動作のうち少なくとも一方の動作において前記信号機が青色点灯であることが認識された状態において、前記信号機第1認識部による認識動作および前記信号機第2認識部による認識動作の両方で前記信号機の存在が認識された場合に、前記画像取得手段によって取得された前方の画像に対し、前記信号機が存在し且つ当該信号機が青色点灯状態であると判定することを特徴とする信号機認識システム。
  8. 請求項5、6および7記載の信号機認識システムにおける前記信号機第1認識部、前記信号機第2認識部および前記信号機状態判定部を備え、前記信号機状態判定部は、前記画像取得手段によって取得された前方の画像に対し、前記信号機が存在し且つ当該信号機が赤色点灯状態であることの判定、前記信号機が存在し且つ当該信号機が青色点灯状態であることの判定、前方に信号機が存在していないことの判定の何れの判定もされなかった場合には、前方に前記信号機が存在していると判定することを特徴とする信号機認識システム。
  9. 請求項1~8のうち何れか一つに記載の信号機認識システムにおいて、
    前記画像取得手段および前記信号機存在判定部は、視覚障碍者が使用する白杖に内蔵されていることを特徴とする信号機認識システム。
  10. 請求項9記載の信号機認識システムにおいて、
    歩行者の歩行方向前方に位置する前記信号機の状態に応じて、前記歩行者に対し、横断歩道の手前での停止を促す通知または当該横断歩道の横断の開始を促す通知を行う通知手段を備えており、該通知手段は、振動または音声によって、前記視覚障碍者に向けて前記通知を行う構成となっていることを特徴とする信号機認識システム。
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