JP2023048113A - 制御装置、制御方法、制御プログラム - Google Patents

制御装置、制御方法、制御プログラム Download PDF

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Abstract

Figure 2023048113000001
【課題】光学センサの測定精度を確保する制御装置の提供。
【解決手段】SPADが受光画素毎に複数ずつ配列されてセンシングエリアからの光を受光する光学センサを、制御する制御装置のプロセッサは、光学センサからセンシングエリアへの照射光に対する反射光の受光により応答したSPADからの反射光出力成分WRrと、センシングエリアからの外光の受光により応答したSPADからの外光出力成分WRoとを、含む受光信号波形WRを受光画素毎に取得することと、反射光出力成分WRrを出力したSPADの数である反射光応答数NRrと、外光出力成分WRoを出力したSPADの数である外光応答数NRoとの、相関に基づき反射光の反射強度IRを受光画素毎に推定することと、を実行するように構成される。
【選択図】図11

Description

本開示は、光学センサを制御する制御技術に、関する。
シングルフォトンアバランシェダイオードであるSPAD(Single Photon Avalanche Diode)が受光画素毎に複数ずつ配列されてセンシングエリアからの光を受光する光学センサは、広く知られている。例えば特許文献1に開示の光学センサでは、受光画素に対応する検出領域毎に、SPADの応答数が最大値を取るタイミングに基づき対象物までの距離が測定されている。
特開2019-7950号公報
特許文献1の開示技術におけるSPADの応答数は、その最大値により対象物からの反射強度を表すことになる。そこで、SPADの応答数に応じて反射強度を測定することは可能となるが、SPADの応答数はセンシングエリアからの外光の影響を受けるため、測定精度の低下を招くおそれがあった。
本開示の課題は、光学センサの測定精度を確保する制御装置を、提供することにある。本開示の別の課題は、光学センサの測定精度を確保する制御方法を、提供することにある。本開示のさらに別の課題は、光学センサの測定精度を確保する制御プログラムを、提供することにある。
以下、課題を解決するための本開示の技術的手段について、説明する。尚、特許請求の範囲及び本欄に記載された括弧内の符号は、後に詳述する実施形態に記載された具体的手段との対応関係を示すものであり、本開示の技術的範囲を限定するものではない。
本開示の第一態様は、
プロセッサ(1b)を有し、シングルフォトンアバランシェダイオードであるSPAD(460)が受光画素(46)毎に複数ずつ配列されてセンシングエリア(AS)からの光を受光する光学センサ(10)を、制御する制御装置であって、
プロセッサは、
光学センサからセンシングエリアへの照射光に対する反射光の受光により応答したSPADからの反射光出力成分(WRr)と、センシングエリアからの外光の受光により応答したSPADからの外光出力成分(WRo)とを、含む受光信号波形(WR)を受光画素毎に取得することと、
反射光出力成分を出力したSPADの数である反射光応答数(NRr)と、外光出力成分を出力したSPADの数である外光応答数(NRo)との、相関に基づき反射光の反射強度(IR)を受光画素毎に推定することと、を実行するように構成される。
本開示の第二態様は、
シングルフォトンアバランシェダイオードであるSPAD(460)が受光画素(46)毎に複数ずつ配列されてセンシングエリア(AS)からの光を受光する光学センサ(10)を、制御するためにプロセッサ(1b)により実行される制御方法であって、
光学センサからセンシングエリアへの照射光に対する反射光の受光により応答したSPADからの反射光出力成分(WRr)と、センシングエリアからの外光の受光により応答したSPADからの外光出力成分(WRo)とを、含む受光信号波形(WR)を受光画素毎に取得することと、
反射光出力成分を出力したSPADの数である反射光応答数(NRr)と、外光出力成分を出力したSPADの数である外光応答数(NRo)との、相関に基づき反射光の反射強度(IR)を受光画素毎に推定することと、を含む。
本開示の第三態様は、
シングルフォトンアバランシェダイオードであるSPAD(460)が受光画素(46)毎に複数ずつ配列されてセンシングエリア(AS)からの光を受光する光学センサ(10)を、制御するために記憶媒体(1a)に記憶され、プロセッサ(1b)に実行させ命令を含む制御プログラムであって、
命令は、
光学センサからセンシングエリアへの照射光に対する反射光の受光により応答したSPADからの反射光出力成分(WRr)と、センシングエリアからの外光の受光により応答したSPADからの外光出力成分(WRo)とを、含む受光信号波形(WR)を受光画素毎に取得させることと、
反射光出力成分を出力したSPADの数である反射光応答数(NRr)と、外光出力成分を出力したSPADの数である外光応答数(NRo)との、相関に基づき反射光の反射強度(IR)を受光画素毎に推定させることと、を含む。
これら第一~第三態様では、光学センサからセンシングエリアへの照射光に対する反射光の受光により応答したSPADからの反射光出力成分と、センシングエリアからの外光の受光により応答したSPADからの外光出力成分とを、含むように受光信号波形が受光画素毎に取得される。そこで第一~第三態様によると、反射光出力成分を出力したSPADの数である反射光応答数と、外光出力成分を出力したSPADの数である外光応答数との、相関に基づくことで反射光の反射強度は、外光の受光による影響を受光画素毎に反映して正確に推定され得る。故に、こうした推定により反射強度の測定精度を確保することが、可能となる。
第一実施形態によるセンシングシステムの全体構成を示す模式図である。 第一実施形態による光学センサの詳細構成を示す模式図である。 第一実施形態による光学センサ及び制御装置の機能構成を示すブロック図である。 第一実施形態による投光器を示す模式図である。 第一実施形態による受光器を示す模式図である。 第一実施形態による受光画素を示す模式図である。 第一実施形態による受光回路を示す回路図である。 第一実施形態による受光回路の特性を示すグラフである。 第一実施形態による受光回路の特性を示すグラフである。 第一実施形態による受光信号波形を示すグラフである。 第一実施形態による制御フローを示すフローチャートである。 第一実施形態による相関テーブルを示す表である。 第一実施形態による相関マップを示す表である。 第二実施形態による光学センサ及び制御装置の機能構成を示すブロック図である。 第二実施形態による制御フローを示すフローチャートである。 第二実施形態による受光画素での応答範囲を示す模式図である。 第二実施形態による受光画素での応答範囲を示す模式図である。 第二実施形態による受光画素での応答範囲を示すグラフである。 第二実施形態による受光画素での応答範囲を示すグラフである。 第三実施形態による制御フローを示すフローチャートである。 第三実施形態による受光画素での応答範囲の設定を説明するための模式図である。 図20の変形例による制御フローを示すフローチャートである。 第四実施形態による制御フローを示すフローチャートである。 第五実施形態による制御フローを示すフローチャートである。 第五実施形態による相関テーブルを示す表である。 第六実施形態による光学センサ及び制御装置の機能構成を示す模式図である。 第六実施形態による補正用フローを示すフローチャートである。 第六実施形態による制御フローを示すフローチャートである。 図5の変形例による受光器を示す模式図である。
以下、本開示の実施形態を図面に基づき複数説明する。尚、各実施形態において対応する構成要素には同一の符号を付すことで、重複する説明を省略する場合がある。また、各実施形態において構成の一部分のみを説明している場合、当該構成の他の部分については、先行して説明した他の実施形態の構成を適用することができる。さらに、各実施形態の説明において明示している構成の組み合わせばかりではなく、特に組み合わせに支障が生じなければ、明示していなくても複数の実施形態の構成同士を部分的に組み合わせることができる。
(第一実施形態)
図1に示すように本開示の第一実施形態は、光学センサ10及び制御装置1を含んで構成されるセンシングシステム2に関する。センシングシステム2は、移動体としての車両5に搭載される。車両5は、乗員の搭乗状態において走行路を走行可能な、例えば自動車等である。
車両5は、自動運転制御モードにおいて定常的、又は一時的に自動走行可能となっている。ここで自動運転制御モードは、条件付運転自動化、高度運転自動化、又は完全運転自動化といった、作動時のシステムが全ての運転タスクを実行する自律運転制御により、実現されてもよい。自動運転制御モードは、運転支援、又は部分運転自動化といった、乗員が一部又は全ての運転タスクを実行する高度運転支援制御において、実現されてもよい。自動運転制御モードは、それら自律運転制御と高度運転支援制御とのいずれか一方、組み合わせ、又は切り替えにより実現されてもよい。
尚、以下の説明では断り書きがない限り、前、後、上、下、左、及び右の各方向は、水平面上の車両5を基準として定義される。また水平方向とは、車両5の方向基準となる水平面に対して、平行方向を示す。さらに鉛直方向とは、車両5の方向基準となる水平面に対して、上下方向でもある垂直方向を示す。
光学センサ10は、自動制御運転モードを含む車両5の運転制御に活用可能な画像データを取得するための、所謂LiDAR(Light Detection and Ranging / Laser Imaging Detection and Ranging)である。光学センサ10は、例えば前方部、左右の側方部、後方部、及び上方のルーフ等のうち、車両5の少なくとも一箇所に配置される。
図2に示すように光学センサ10においては、互いに直交する三軸としてのX軸、Y軸、及びZ軸により、三次元直交座標系が定義されている。特に第一実施形態では、X軸及びZ軸がそれぞれ車両5の相異なる水平方向に沿って設定され、またY軸が車両5の鉛直方向に沿って設定される。尚、図2においてY軸に沿う一点鎖線よりも左側部分(後述の光学窓12側)は、実際には当該一点鎖線よりも右側部分(後述のユニット21,41側)に対して垂直な断面を図示している。
図3に示すように光学センサ10は、車両5の外界空間のうち配置箇所及び視野角に応じたセンシングエリアASへと向けて、光を照射する。光学センサ10は、照射した光がセンシングエリアASから反射されることで入射してくる反射光を、受光する。光学センサ10は、センシングエリアASへの照射光の照射停止時にセンシングエリアASから入射してくる外光も、受光可能となっている。以下、これら反射光及び外光を総称する場合には、エリア光と表記する。
光学センサ10は、センシングエリアAS内に存在して光を反射する物標Trを、こうした受光に応じてセンシングする。特に第一実施形態におけるセンシングとは、物標Trから反射されてくる反射光の強度である反射強度IRを、測定することを意味する。車両5に適用される光学センサ10において代表的な観測対象物標は、例えば歩行者、サイクリスト、人間以外の動物、及び他車両等の移動物体のうち、少なくとも一種類であってもよい。車両5に適用される光学センサ10において代表的な観測対象物標は、例えばガードレール、道路標識、道路脇の構造物、及び道路上の落下物等の静止物体のうち、少なくとも一種類であってもよい。
図2に示すように光学センサ10は、筐体11、投光ユニット21、走査ユニット31、及び受光ユニット41を含んで構成されている。筐体11は、箱状に形成され、遮光性を有している。筐体11は、投光ユニット21、走査ユニット31、及び受光ユニット41を内部に収容している。筐体11は、透光性の光学窓12を有している。
投光ユニット21は、投光器22、及び投光レンズ26を備えている。図4に示すように投光器22は、複数のレーザダイオード24が基板上においてアレイ状に配列されることで、形成されている。各レーザダイオード24は、Y軸に沿って単列に配列されている。各レーザダイオード24は、PN接合層において発振された光を共振可能な共振器構造、及びPN接合層を挟んで光を繰り返し反射可能なミラー層構造を、有している。各レーザダイオード24は、光学センサ10外部のセンシングエリアASを含んだ、車両5の外界空間に存在する人間から視認困難な近赤外域の光を、それぞれ制御装置1からの制御信号に従ってパルス状に発する。
投光器22は、長辺側がY軸に沿った長方形輪郭をもって擬似的に規定される投光窓25を、基板の片面側に形成している。投光窓25は、各レーザダイオード24における投射開口の集合体として、構成されている。各レーザダイオード24の投射開口から発せられた光は、センシングエリアASではY軸に沿った長手のライン状照射光として、投光窓25から投射される。照射光には、Y軸方向において各レーザダイオード24の配列間隔に応じた非発光部が、含まれていてもよい。この場合でも、センシングエリアASにおいては回折作用によって巨視的に非発光部の解消されたライン状の照射光が、形成されるとよい。
図2に示すように投光レンズ26は、投光器22からの照射光を、走査ユニット31の走査ミラー32へ向かって導光する。投光レンズ26は、例えば集光、コリメート、及び整形等のうち、少なくとも一種類の光学作用を発揮するために一つ以上、設けられている。
走査ユニット31は、走査ミラー32、及び走査モータ35を備えている。走査ミラー32は、基材の片面である反射面33に反射膜が蒸着された板状に、形成されている。走査ミラー32は、Y軸に沿う回転中心線まわりに回転可能に、筐体11によって支持されている。走査ミラー32は、機械的又は電気的なストッパにより有限となる駆動範囲内において、揺動運動する。走査モータ35は、制御装置1からの制御信号に従って走査ミラー32を、有限の駆動範囲内において回転駆動(即ち、揺動駆動)する。このとき走査ミラー32の回転角度は、各レーザダイオード24のパルス発光期間と実質一致する、照射光の照射周期に合わせて順次変化する。
走査ミラー32は、投光ユニット21の投光レンズ26から入射する照射光を、反射面33により反射して光学窓12を通してセンシングエリアASへと投光することで、当該センシングエリアASを走査モータ35による回転角度に応じて走査する。特に第一実施形態では、照射光によるセンシングエリアASの機械的な走査が、水平方向に実質制限されている。
走査ミラー32は、走査モータ35による回転角度に応じてセンシングエリアASから光学窓12を通して入射してくるエリア光(即ち、反射光及び外光)を、反射面33により受光ユニット41側へと反射する。ここで走査ミラー32の回転運動速度に対しては、照射光及び反射光の速度が十分に大きい。これにより照射光に対する反射光は、照射光と略同一回転角度の走査ミラー32において照射光と逆行するように、受光レンズ42へさらに反射されることとなる。
受光ユニット41は、受光レンズ42、及び受光器45を備えている。受光レンズ42は、Y軸方向において投光レンズ26よりも下方に、位置決めされている。受光レンズ42は、走査ミラー32から入射するエリア光を、受光器45へと向かって導光する。受光レンズ42は、受光器45に対してエリア光を結像させるために一つ以上、設けられている。
受光器45は、Y軸方向において投光器22よりも下方に、位置決めされている。受光器45は、受光レンズ42によって結像された、センシングエリアASからのエリア光を受光することで、当該受光に応じた受光信号を出力する。そこで受光器45は、図5に示すように長方形輪郭の受光面47を、基板の片面側に形成している。受光面47は、後述の各受光画素46における入射面の集合体として、構成されている。各受光画素46は、受光レンズ42から受光面47へ入射したエリア光を、それぞれ受光する。ここで、長方形輪郭を呈する受光面47の長辺側は、Y軸に沿って規定されている。これによりエリア光のうち、センシングエリアASにおいてライン状となる照射光に対しての反射光は、ライン状に拡がったビームとして受光されることとなる。
図5に示すように受光器45は、X軸方向には単列なY軸方向の一次元アレイ状に配列された、複数の受光画素46を有している。図6に示すように各受光画素46は、それぞれ複数ずつのシングルフォトンアバランシェダイオードであるSPAD(Single Photon Avalanche Diode)460から、構成されている。各受光画素46毎にSPAD460は、それら各受光画素46よりも微細なX軸方向及びY軸方向の二次元アレイ状に、配列されている。尚、図示の視認性を優先して、図5では一部の受光画素46のみに符号を付しており、また図6では一部のSPAD460のみに符号を付している。
各受光画素46毎のSPAD460は、受光したエリア光に応答すると、パルス信号を出力する。そこで図7に示すように各受光画素46は、それぞれのSPAD460別にパルス信号を出力するための受光回路461を、有している。具体的に受光回路461においてSPAD460のカソードには、クエンチ抵抗462を介して逆バイアス電圧VBが印加されている。また、受光回路461においてSPAD460及びクエンチ抵抗462の接続中点には、電圧振幅VIのパルス信号を出力するインバータ463が、接続されている。
こうした受光回路461においてSPAD460にエリア光が入力されると、図8に示すようにSPAD460の両端電圧VSに依存する応答確率PDEにて、図9に示すタイミングtsにSPAD460の応答が発生することで、電圧振幅VIのパルス信号が出力される。このとき両端電圧VSは、SPAD460の応答に応じて瞬間的に降下してから、逆バイアス電圧VBへと向かって徐々に回復するように、リチャージされる。そのため、エリア光のうち外光により反射光とは無関係にSPAD460が応答すると、両端電圧VSの回復過程により単位時間内における両端電圧VSの平均値が低下することで、応答確率PDEも低下する。ここで特に外光強度が強いと、単位時間当たりのリチャージ時間が増加して、SPAD460の応答確率PDE、即ち応答感度が低下する。こうしたことから外光の受光環境下においては、反射光に対するSPAD460の応答数と当該反射光の反射強度IRとの相関が、外光の強度に応じて変動する。それ故に、SPAD460の反射光に対する応答数と同SPAD460の外光に対する応答数との単純比から反射強度IRを補正するだけでは、精度が得られ難い。
図2,3に示すように受光器45は、出力回路48を有している。出力回路48は、照射光の照射周期に応じて走査ミラー32の回転角度に対応付けられる走査ライン別の、図10に示す測定フレームFMにおいて、制御装置1からの制御信号に従うサンプリング周期毎にサンプリング処理を実行する。このとき出力回路48は、サンプリング周期となる単位時間に応答したSPAD460からのパルス信号を合成することで、当該単位時間当たりのSPAD460の応答数を振幅によって表すように、受光信号を各受光画素46毎に生成する。こうして生成された各受光画素46毎の受光信号は、出力回路48から走査ライン別に制御装置1へと出力される。
図10に示すように、エリア光のうち外光のみが受光されるタイミングには、外光に対するSPAD460の応答数を表した外光出力成分WRoのみが、受光信号の振幅波形WRに現出する。一方、照射光に対する反射光が外光と共に受光されるタイミングには、反射光に対するSPAD460の応答数を表した反射光出力成分WRrが、外光出力成分WRoに重畳されて、受光信号の振幅波形WRに現出する。ここで受光信号の振幅波形WRとは、受光信号に関する上記単位時間当たりの電圧振幅の、測定フレームFMにおける時間推移を意味し、特に第一実施形態では受光信号波形WRとして定義される。
図1に示す制御装置1は、例えばLAN(Local Area Network)、ワイヤハーネス、及び内部バス等のうち、少なくとも一種類を介して光学センサ10に接続される。制御装置1は、少なくとも一つの専用コンピュータを含んで構成される。制御装置1を構成する専用コンピュータは、光学センサ10を制御することに特化した、センサECU(Electronic Control Unit)であってもよく、この場合にセンサECUは、筐体11内に収容されていてもよい。制御装置1を構成する専用コンピュータは、車両5の運転を制御する、運転制御ECUであってもよい。制御装置1を構成する専用コンピュータは、車両5の走行経路をナビゲートする、ナビゲーションECUであってもよい。制御装置1を構成する専用コンピュータは、車両5の自己状態量を推定する、ロケータECUであってもよい。
制御装置1を構成する専用コンピュータは、メモリ1a及びプロセッサ1bを、少なくとも一つずつ有している。メモリ1aは、コンピュータにより読み取り可能なプログラム及びデータ等を非一時的に記憶する、例えば半導体メモリ、磁気媒体、及び光学媒体等のうち、少なくとも一種類の非遷移的実体的記憶媒体(non-transitory tangible storage medium)である。プロセッサ1bは、例えばCPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、RISC(Reduced Instruction Set Computer)-CPU、DFP(Data Flow Processor)、及びGSP(Graph Streaming Processor)等のうち、少なくとも一種類をコアとして含む。
プロセッサ1bは、メモリ1aに記憶された制御プログラムに含まれる複数の命令を、実行する。これにより制御装置1は、光学センサ10を制御するための機能ブロックを、複数構築する。このように制御装置1では、光学センサ10を制御するためにメモリ1aに記憶された制御プログラムが複数の命令をプロセッサ1bに実行させることで、複数の機能ブロックが構築される。制御装置1により構築される複数の機能ブロックには、図3に示すように信号取得ブロック100、及び強度測定ブロック110が含まれる。
これらのブロック100,110の共同により、制御装置1が光学センサ10を制御する制御方法は、図11に示す制御フローに従って実行される。本制御フローは、車両5の起動中において走査ライン別の測定フレームFM毎に、繰り返し実行される。尚、制御フローにおける各「S」は、制御プログラムに含まれた複数命令によって実行される複数ステップを、それぞれ意味している。
制御フローのS10において信号取得ブロック100は、今回の測定フレームFMにおいて受光器45へと制御信号を与えることで、各受光画素46毎の受光信号波形WRを当該受光器45の出力回路48から取得する(図3参照)。このとき各受光画素46毎に取得される受光信号波形WRは、照射光に対する反射光の受光により応答したSPAD460からの反射光出力成分WRrと、外光の受光により応答したSPAD460からの外光出力成分WRoとを、図10の如く含むことになる。
図11に示すように制御フローは、S10の実行完了後にS20へ移行する。S20において強度測定ブロック110は、反射光出力成分WRrを出力したSPAD460の数である反射光応答数NRrと、外光出力成分WRoを出力したSPAD460の数である外光応答数NRoとを、各受光画素46毎の受光信号波形WRから抽出する(図3参照)。このとき強度測定ブロック110は、外光出力成分WRoをベース成分として反射光出力成分WRrから分離する、例えば波形処理アルゴリズム等により、それら各出力成分WRr,WRoを図10の実線グラフと二点鎖線フラフの如く分波する。さらに強度測定ブロック110は、分波した反射光出力成分WRrのうち、図10のピークタイミングtpにおける電圧振幅に対応した反射光応答数NRrを、抽出する。それと共に強度測定ブロック110は、分波した外光出力成分WRoの平均電圧振幅に対応する外光応答数NRoを、抽出する。
図11に示すように制御フローは、S20の実行完了後にS30へ移行する。S30において強度測定ブロック110は、抽出した反射光応答数NRrと外光応答数NRoとの相関に基づき、測定フレームFMにおける受光反射光の反射強度IRを各受光画素46毎に推定する(図3参照)。このとき強度測定ブロック110は、図12に示すように想定されてメモリ1aに予め記憶されたマトリクス相関テーブルに基づき、反射光応答数NRrと外光応答数NRoとの相関ペアに対応する反射強度IRを推定してもよい。強度測定ブロック110は、図13及び数1に示すように想定されてメモリ1aに予め記憶された三次元相関マップ又は相関関数式に基づき、反射光応答数NRrと外光応答数NRoとに対応する反射強度IRを推定してもよい。尚、数1においてa1,a2,a3は、例えば回帰分析又は経験則等に基づき予め設定される係数パラメータである。
Figure 2023048113000002
図11に示すように制御フローは、今回測定フレームFMに対応した走査ラインを構成する各受光画素46毎に、物標Trに関する反射強度IRの測定をS30の推定によって完了することで、今回実行を終了する。尚、各走査ラインの測定フレームFM別に測定されることとなる各受光画素46毎の反射強度IRは、それら全走査ライン分の強度画像データとして合成されてから出力されることで、車両5の自動運転制御モードを含む運転制御に活用される。
(作用効果)
ここまで説明した第一実施形態の作用効果を、説明する。
第一実施形態では、光学センサ10からセンシングエリアASへの照射光に対する反射光の受光により応答したSPAD460からの反射光出力成分WRrと、センシングエリアASからの外光の受光により応答したSPADからの外光出力成分WRoとを、含むように受光信号波形WRが受光画素46毎に取得される。そこで第一実施形態によると、反射光出力成分WRrを出力したSPAD460の数である反射光応答数NRrと、外光出力成分WRoを出力したSPAD460の数である外光応答数NRoとの、相関に基づくことで反射光の反射強度IRは、外光の受光による影響を受光画素46毎に反映して正確に推定され得る。故に、こうした推定によって反射強度IRの測定精度を確保することが、可能となる。
第一実施形態では、受光信号波形WRから分波した反射光出力成分WRrと外光出力成分WRoとから、それぞれ反射光応答数NRrと外光応答数NRoとが抽出される。これによれば、分波により個別に抽出され得る反射光応答数NRrと外光応答数NRoとの相関に基づくことで、外光受光の影響を反映した反射強度IRを正確に推定することができる。故に、こうした推定によって反射強度IRの測定精度を高めることが、可能となる。
(第二実施形態)
第二実施形態は、第一実施形態の変形例である。
図14に示す第二実施形態においてセンシングとは、物標Trから反射されてくる反射光の反射強度IRに加えて、光学センサ10から当該反射光の反射点となる物標Trまでの距離である反射点距離DRを、測定することを意味する。そこで、第二実施形態において構築される複数の機能ブロックには、信号取得ブロック100及び強度測定ブロック110に加えて、応答設定ブロック120及び距離測定ブロック130が追加されている。それに応じて、図15に示すように第二実施形態の制御フローは、S10~S30及びS240の実行に先立ち、S200を実行する。
S200において応答設定ブロック120は、応答を許可するSPAD460の配列範囲である応答範囲RRを、外光の強度に応じて受光画素46毎に設定する(図14参照)。このとき応答設定ブロック120は、今回制御フローによる今回測定フレームFMとは同一の走査ラインに対して、過去回制御フローによる過去回測定フレームFMのS20によって抽出された外光応答数NRoを、過去取得の受光信号波形WRに含まれた外光出力成分WRoに対応する過去応答数NRopとして、メモリ1aの特性記憶領域1asから読み出す。応答設定ブロック120はさらに、読み出した過去応答数NRopを判定基準NRbと対比させる。
特に第二実施形態では、今回制御フローの走査ラインに対応する今回測定フレームFMと、過去回制御フローの走査ラインに対応する過去回測定フレームFMとでの、タイムラグが非常に短い。そこで、今回測定フレームFM及び過去回測定フレームFM間における外光強度の変化は微小であるとしてS200では、今回測定フレームFMにおける外光強度が過去応答数NRopと判定基準NRbとの対比により判定される。ここで判定基準NRbは、反射強度IRの測定を優先させることが必要な外光強度と、反射点距離DRの測定を優先させることが必要な外光強度との、境界を決めるように予め設定されて特性記憶領域1asに記憶されることで、S200においては過去応答数NRopと共に読み出される。
対比の結果、過去応答数NRopが判定基準NRb超過となる場合にS200の応答設定ブロック120は、図15~19に示すようにSPAD460の応答範囲RRを、過去応答数NRopが判定基準NRb以下となる場合よりも、狭く設定する。このとき、照射光による走査が第一実施形態と同様に水平方向での機械的走査に実質制限される第二実施形態では、当該水平方向に対応するX軸方向に応答範囲RRが調整される。こうしたX軸方向における応答範囲RRの調整は、鉛直方向に長いライン状照射光による水平方向での走査に起因して、受光する反射光の反射強度IRが図18の如く、X軸方向の中心位置Cxから両端Exへ向かうほど減少するように、Y軸方向に沿ったSPAD460の列毎に分布する現象に、依拠する。それと共に、第二実施形態において鉛直方向に対応するY軸方向では、過去応答数NRopと判定基準NRbとの大小関係に拘らず、応答範囲RRが図16,17の如く固定される。こうしたY軸方向における応答範囲RRの固定は、鉛直方向に長いライン状照射光による水平方向での走査に起因して、受光する反射光の反射強度IRが、Y軸方向に沿ったSPAD460の列毎では分布を抑制されている現象に、依拠する。
ここで特に第二実施形態では、X軸方向の応答範囲RRとして広狭の異なる二種類の範囲RRw,RRnが、図16~19に示すように想定される。具体的には、過去応答数NRopが判定基準NRb以下となる場合の応答範囲RRである広側応答範囲RRwは、各受光画素46において図16,18の如くX軸方向の中心位置Cxから両端Exまでには至らない、可及的に広い範囲に、過去応答数NRopの変化に拘らず図19の如く固定される。
一方、過去応答数NRopが判定基準NRb超過となる場合の応答範囲RRである狭側応答範囲RRnは、各受光画素46において図17,18の如くX軸方向の中心位置Cxから両端Exまでの、広側応答範囲RRwよりも狭い範囲に、図19の如く可変設定される。このとき狭側応答範囲RRnの可変設定は、過去応答数NRopが増大するほど、応答範囲RRが狭くなるように実行される。ここでX軸方向において、各応答範囲RRw,RRnの原点位置を決める各受光画素46の中心位置Cxは理想的には、それら各受光画素46において受光する反射光の反射強度IRが最大強度となるピーク受光位置に、図18の如く対応する。
こうしたS200に後続する図15のS10では、今回測定フレームFMにおいて取得される受光信号波形WRには、応答範囲RR内のSPAD460から出力された反射光出力成分WRr及び外光出力成分WRoが、含まれることとなる。それに応じてS200に後続するS20では、応答範囲RR内における反射光応答数NRr及び外光応答数NRoが抽出され、さらにS200に後続するS30では、応答範囲RR内でのそれら応答数NRr,応答数NRoに基づく推定により反射強度IRが測定される。ここで特に、S200に後続するS20では、抽出結果のうち少なくとも外光応答数NRoが特性記憶領域1asに蓄積される。
さらに、S200に後続するステップとして第二実施形態の制御フローは、S30から移行するS240を実行する。S240において距離測定ブロック130は、S10により取得された受光信号波形WRに基づき、反射光の反射点距離DRを測定する(図14参照)。このとき第二実施形態では、S20において受光信号波形WRから認識される反射光出力成分WRrのピークタイミングtp(第一実施形態の図10参照)と、今回測定フレームFMにおいて照射光の照射周期が開始された照射開始タイミングとの、差となる時間差に基づいたdTOF(direct Time Of Flight)により、反射点距離DRが取得される。
図15に示すように制御フローは、今回測定フレームFMに対応した走査ラインを構成する各受光画素46毎に、反射点距離DRの測定をS240によって完了することで、今回実行を終了する。尚、各走査ラインの測定フレームFM別に測定されることとなる各受光画素46毎の反射点距離DRは、それら全走査ライン分の距離画像データとして合成されてから出力されることで、車両5の自動運転制御モードを含む運転制御に活用される。また、第一実施形態と同様に第二実施形態においても、各走査ラインの測定フレームFM別に測定されることとなる各受光画素46毎の反射強度IRは、それら全走査ライン分の強度画像データとして合成されてから出力されることで、車両5の自動運転制御モードを含む運転制御に活用される。さらに、これらの距離画像データ及び強度画像データの出力に伴って、応答範囲RRの設定結果も併せて出力されてもよい。
(作用効果)
ここまで説明した第二実施形態に特有の作用効果を、説明する。
第二実施形態によると、受光信号波形WRの取得に先立ち、応答を許可するSPAD460の配列範囲である応答範囲RRが、外光の強度に応じて受光画素46毎に設定される。これによれば、受光信号波形WRに含まれる各出力成分WRr,WRoの相関に基づく反射強度IRの推定と、受光信号波形WRに基づく反射点距離DRの測定とのうち、外光強度に応じた一方に受光画素46毎の応答範囲RRを適合させることができる。故に、推定による反射強度IRの測定と反射点距離DRの測定とのうち、外光強度を反映させて精度を優先させる測定を、適正に選択することが可能となる。
第二実施形態によると、受光信号波形WRの今回取得に先立ち、過去取得の受光信号波形WRに含まれる外光出力成分WRoに対応した外光応答数NRoである過去応答数NRopが判定基準NRb超過となる場合の応答範囲RR(RRn)は、当該過去応答数NRopが判定基準NRb以下となる場合の応答範囲RR(RRw)よりも、狭く設定される。これによれば、外光強度が高いことで過去応答数NRopが増大している状況下では、狭い応答範囲RR(RRn)により反射点距離DRの測定精度を優先させる一方、外光強度が低いことで過去応答数NRopが減少している状況下では、広い応答範囲RR(RRw)により反射強度IRの測定精度を優先させることが、可能となる。そこで、上述した距離画像データ及び強度画像データの出力に伴って、応答範囲RRの設定結果に代えて又は加えて、精度を優先させるデータの種別も併せて出力されてもよい。
第二実施形態によると、判定基準NRbを超過する場合の過去応答数NRopが増大するほど、応答範囲RR(RRn)は狭く設定される。これによれば、過去応答数NRopが増大している状況下では、高い外光強度ほど狭い応答範囲RR(RRn)により、外光の受光ノイズに起因した測定誤差の反射点距離DRへの影響を、抑制することができる。故に、反射点距離DRの測定精度を高めることが、可能となる。
(第三実施形態)
第三実施形態は、第二実施形態の変形例である。
図20に示すように第三実施形態の制御フローは、S200に代えてS300を実行する。S300において応答設定ブロック120は、応答を許可するSPAD460の応答範囲RRとして、広狭の異なる範囲RRw,RRnのうち一方を、今回測定フレームFMに対応する走査ライン別に図21の如く設定する。尚、図示の視認性を優先して、図21では、各走査ラインを構成する一部の受光画素46のみに符号を付している。
このとき図20,21に示すように第二実施形態では、走査原点OSからの走査順が奇数番目となる走査ラインの測定フレームFMでは狭側応答範囲RRnが設定される一方、走査原点OSからの走査順が偶数番目となる走査ラインの測定フレームFMでは広側応答範囲RRwが設定される。ここで図22に示すように、走査原点OSから偶数番目となる走査ラインの測定フレームFMでは狭側応答範囲RRnが設定される一方、走査原点OSから奇数番目となる走査ラインの測定フレームFMでは広側応答範囲RRwが設定されてもよい。これらいずれの場合にも全走査ライン分の強度画像データ及び距離画像データは、それぞれ反射強度IR及び反射点距離DRの測定が狭側応答範囲RRnで実行される走査ラインと、当該測定が広側応答範囲RRwで実行走査ラインとが、交互に並ぶデータ(図21参照)となる。
(作用効果)
ここまで説明した第三実施形態に特有の作用効果を、説明する。
第三実施形態によると、受光信号波形WRの取得に先立ち、応答を許可するSPAD460の応答範囲RRとして広狭の異なる範囲RRw,RRnが、受光画素46の走査ライン別に設定される。これによれば、受光信号波形WRに含まれる各出力成分WRr,WRoの相関に基づく反射強度IRの推定には広側応答範囲RRwの走査ラインを適合させる一方、受光信号波形WRに基づく反射点距離DRの測定には狭側応答範囲RRnの走査ラインを適合させることができる。故に、推定による反射強度IRの測定精度と反射点距離DRの測定精度とを、走査ライン別にバランスよく確保することが可能となる。
(第四実施形態)
第四実施形態は、第二実施形態の変形例である。
図23に示すように第四実施形態の制御フローは、S200に代えてS400を実行する。S400において応答設定ブロック120は、応答を許可するSPAD460の応答範囲RRとして、広狭の異なる範囲RRw,RRnのうち、センシングする物標Trまでの推定距離DEと基準距離DEbとの対比に応じた一方を、今回測定フレームFMに対応する走査ラインの各受光画素46毎に設定する。ここで基準距離DEbは、反射強度IRの測定を優先させることが必要な物標Trまでの距離と、反射点距離DRの測定を優先させることが必要な物標Trまでの距離との、境界を決めるように予め設定されて特性記憶領域1as(第二実施形態で説明の図14参照)に記憶され、S400において読み出される。
このとき、センシングする物標Trまでの推定距離DEは、過去回測定フレームFMに対応する走査ラインのうち、今回測定フレームFMとは同一の走査ラインにおいて、今回測定フレームFMとは同一又は隣接の受光画素46により測定された、反射点距離DRに基づき推定されてもよい。この推定は、今回測定フレームFMと過去回測定フレームFMとの同一走査ライン同士では、物標Trまでの距離の変化が微小となることを、前提としている。推定距離DEは、過去回測定フレームFMに対応する走査ラインのうち、今回測定フレームFMとは走査原点OS側に隣接する直前の走査ラインにおいて、今回測定フレームFMとは同一又は隣接の受光画素46により測定された、反射点距離DRに基づき推定されてもよい。この推定は、今回測定フレームFMと過去回測定フレームFMとで連続する走査ライン同士では、同一の物標Trをセンシングにより検知する確率が高くなることを、前提としている。
こうして推定される物標Trまでの推定距離DEが基準距離DEb以下の近距離となる受光画素46での応答範囲RRは、広側応答範囲RRwに設定されることで、反射点距離DRの測定よりも反射強度IRの測定において精度が優先される。一方、推定される物標Trまでの推定距離DEが基準距離DEb超過の遠距離となる受光画素46での応答範囲RRは、狭側応答範囲RRnに設定されることで、反射強度IRの測定よりも反射点距離DRの測定において精度が優先される。尚、図示は省略されているが、センシングによっても物標Trが非検知となる受光画素46での応答範囲RRは、後者の遠距離の場合に準じて狭側応答範囲RRnに設定されることで、反射強度IRの測定よりも反射点距離DRの測定において精度が優先される。
(作用効果)
ここまで説明した第四実施形態に特有の作用効果を、説明する。
第四実施形態によると、受光信号波形WRの取得に先立ち、応答を許可するSPAD460の配列範囲である応答範囲RRが、センシングされる物標Trまでの推定距離DEに応じて受光画素46毎に設定される。これによれば、受光信号波形WRに含まれる各出力成分WRr,WRoの相関に基づく反射強度IRの推定と、受光信号波形WRに基づく反射点距離DRの測定とのうち、物標Trまでの距離に応じた一方に受光画素46毎の応答範囲RRを適合させることができる。故に、推定による反射強度IRの測定と反射点距離DRの測定とのうち、物標Trまでの距離に合わせて精度優先する側の測定を、適正に選択することが可能となる。
第四実施形態によると、受光信号波形WRの今回取得に先立ち、センシングされる物標Trまでの推定距離DEが基準距離DEb超過となる場合の応答範囲RR(RRn)は、当該推定距離DEが基準距離DEb以下となる場合の応答範囲RR(RRw)よりも、狭く設定される。これによれば、物標Trまで近距離の状況下では、広い応答範囲RR(RRw)により反射強度IRの測定精度を優先させる一方、物標Trまで遠距離の状況下では、狭い応答範囲RR(RRn)により反射点距離DRの測定精度を優先させることが、可能となる。そこで第四実施形態では、第二実施形態に準ずる距離画像データ及び強度画像データの出力に伴って、応答範囲RRの設定結果と、精度を優先させるデータの種別とのうち、少なくとも一方についても併せて出力されてもよい。
(第五実施形態)
第五実施形態は、第一実施形態の変形例である。
図24に示すように第五実施形態の制御フローは、S30に代えてS530を実行する。S530において強度測定ブロック110は、反射光応答数NRrと外光応答数NRoとの環境温度τ別での相関に基づき、測定フレームFMにおける受光反射光の反射強度IRを各受光画素46毎に推定する。このとき現在の環境温度τは、例えば光学センサ10又は車両5に設けられた、温度センサの検出結果等を用いて、認識される。
ここで図25に示すように強度測定ブロック110は、環境温度τ別に想定されてメモリ1aに予め記憶されたマトリクス相関テーブルに基づき、現在の環境温度τにおける反射光応答数NRrと外光応答数NRoとの相関ペアに対応した反射強度IRを、推定してもよい。強度測定ブロック110は、環境温度τ別に想定されてメモリ1aに予め記憶された三次元相関マップ又は数2の相関関数式に基づき、現在の環境温度τにおける反射光応答数NRrと外光応答数NRoとに対応した反射強度IRを、推定してもよい。尚、数2においてa1,a2,a3,a4は、例えば回帰分析又は経験則等に基づき予め設定される係数パラメータである。
Figure 2023048113000003
(作用効果)
ここまで説明した第五実施形態に特有の作用効果を、説明する。
第五実施形態によると、反射光応答数NRrと外光応答数NRoとの、環境温度τ別での相関に基づき、受光画素46毎の反射強度IRが推定される。これによれば、照射光を与える投光器22の例えば発光強度等に関しての温度特性による影響、及び/又は、照射光に対する反射光を受光するSPAD460の例えば受光感度、デッドタイム等に関しての温度特性による影響を、受光画素46毎に反映した正確な反射強度IRが、推定され得る。故に、こうした推定により反射強度IRの測定精度を高めることが、可能となる。尚、第五実施形態は、その変形例として第二~第四実施形態と組み合わされてもよい。
(第六実施形態)
第六実施形態は、第一実施形態の変形例である。
図26に示すように第六実施形態では、光学センサ10内部にも設定されるセンシングエリアASに、補正用反射ターゲットTcが設けられている。補正用反射ターゲットTcは、走査ミラー32から投光される照射光を反射して同ミラー32へと再入射可能に、形成されている。また、こうした光学特性を果たすように補正用反射ターゲットTcは、筐体11のうち光学窓12の周囲箇所、又は筐体11内部のうち当該周囲部分と走査ミラー32との間となる箇所に、配置される。
このような第六実施形態では、光学センサ10を制御する制御方法が、図27に示す補正用フローと、図28に示す制御フローとに従って、実行される。そこでまず、図27の補正用フローについて説明する。第六実施形態の補正用フローは、車両5の起動中、照射光による走査対象が補正用反射ターゲットTcとなる走査ラインの測定フレームFMにおいて、照射光の照射周期毎、又は照射周期よりも長い設定時間毎に、繰り返し実行される。尚、補正用フローにおける各「S」は、制御プログラムに含まれた複数命令によって実行される複数ステップを、それぞれ意味している。
補正用フローのS610,S620,S630では、補正用反射ターゲットTcに対する走査ラインの測定フレームFMにおいて、それぞれ制御フローのS10,S20,S30に準ずる処理が実行される。そこで補正用フローは、S630の実行完了後にS650へ移行する。S650において強度測定ブロック110は、S630により補正用反射ターゲットTcに関して推定された反射強度IRと、基準強度IRbとの比IRb/IRを、補正係数γとして取得する。ここで基準強度IRbは、例えば製品共通の設計値(即ち、理想値)、又は製品毎の初期値等に基づき予め設定されて図26の如く特性記憶領域1asに記憶され、S650の実行により読み出される。S650ではさらに強度測定ブロック110は、取得した最新の補正係数γを、メモリ1aの特性記憶領域1asに蓄積する。
続いて、図28の制御フローについて説明する。第一実施形態と同様に照射光による走査対象が物標Trとなる第六実施形態の制御フローは、S30に代えてS660を実行する。S660において強度測定ブロック110は、S30に準じて物標Trに関して推定した反射強度IRを、図26の如く特性記憶領域1asから読み出した最新の補正係数γの乗算により、補正する。尚、S650では補正係数γとしての比IR/IRbが取得されることで、S660の補正では反射強度IRが最新の補正係数γにより除算されてもよい。
(作用効果)
ここまで説明した第六実施形態に特有の作用効果を、説明する。
第六実施形態では、光学センサ10内部のセンシングエリアASに設けられた補正用反射ターゲットTcに関して推定された反射強度IRと、基準強度IRbとの比が補正係数γとして取得される。そこで第六実施形態によると、物標Trに関して推定された反射強度IRが、補正係数γにより補正される。これによれば、照射光を与える投光器22、及び/又は、照射光に対する反射光を受光するSPAD460に関して、例えば経年変化、温度変化等の特性変化が生じても、当該特性変化を反映した正確な反射強度IRが、物標Trに関して推定され得る。故に、こうした推定により反射強度IRの測定精度を高めることが、可能となる。尚、第六実施形態は、その変形例として第二~第五実施形態と組み合わされてもよい。
(他の実施形態)
以上、複数の実施形態について説明したが、本開示は、それらの実施形態に限定して解釈されるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲内において種々の実施形態及び組み合わせに適用することができる。
変形例において制御装置1を構成する専用コンピュータは、デジタル回路及びアナログ回路のうち、少なくとも一方をプロセッサとして有していてもよい。ここでデジタル回路とは、例えばASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)、SOC(System on a Chip)、PGA(Programmable Gate Array)、及びCPLD(Complex Programmable Logic Device)等のうち、少なくとも一種類である。またこうしたデジタル回路は、プログラムを記憶したメモリを、有していてもよい。
変形例の信号取得ブロック100によるS10では、今回測定フレームFMと同じ走査ラインに対して照射光の照射を停止して、外光出力成分WRoのみを含む受光信号波形WRを取得する追加回の測定フレームFMが実行されてもよい。この場合に強度測定ブロック110によるS20では、追加回の測定フレームFMにおける外光出力成分WRoの平均電圧振幅から、又は当該追加回測定フレームFMと今回測定フレームFMとにおける外光出力成分WRoの平均電圧振幅から、外光応答数NRoが抽出されるとよい。
変形例の強度測定ブロック110によるS20では、受光信号波形WRから反射光出力成分WRr及び外光出力成分WRoが分波されずに、それら出力成分WRr,WRoから直接的に、それぞれ対応する応答数NRr,NRoが抽出されてもよい。変形例の応答設定ブロック120によるS200では、光学センサ10とは異なる、例えば外光センサ等により今回測定フレームFMに検出された外光強度に応じて、応答範囲RR(RRw,RRn)が設定されてもよい。
変形例の応答設定ブロック120によるS200では、狭側応答範囲RRnよりも広くなる限りにおいて、過去応答数NRopが増大するほど狭くなるように、広側応答範囲RRwが可変設定されてもよい。変形例の応答設定ブロック120によるS200,S300,S400では、広側応答範囲RRwが各受光画素46の全域に設定されてもよい。変形例の応答設定ブロック120によるS200では、広側応答範囲RRwよりも狭くなる限りにおいて、過去応答数NRopの変化に拘らず狭側応答範囲RRnが固定されてもよい。変形例の応答設定ブロック120によるS200,S300,S400では、広側応答範囲RRwよりも狭くなる限りにおいて、狭側応答範囲RRnが各受光画素46の中心位置を避けて設定されることで、近距離物標Trと光学センサ10との間での多重反射による測定誤差の発生が抑制されてもよい。変形例の応答設定ブロック120によるS200では、SPAD460の列毎に強度の分布が抑制される場合等に、応答範囲RRwに合わせた広い応答範囲RRnを設定する等、応答範囲RRw,RRnを同一範囲に設定する処理、換言すれば一種類の応答範囲RRを設定する処理が、実行されてもよい。
変形例の光学センサ10は、説明した水平方向に制限の機械的揺動式の他、鉛直方向に制限の機械的揺動式、又は水平方向及び鉛直方向双方での機械的揺動式の、各種走査方式を採用していてもよい。変形例の光学センサ10は、例えば回転式、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)式、若しくはリサージュ式等のうち、二次元又は三次元の各種走査方式を採用していてもよい。こうした光学センサ10の走査方式に応じて、変形例の応答設定ブロック120によるS200,S300,S400では、水平方向に対応するX軸方向に代えて又は加えて、鉛直方向に対応するY軸方向に応答範囲RRが調整されてもよい。ここで、例えば光学センサ10の走査方式が鉛直方向に制限の機械的揺動式の場合、応答範囲RRがY軸方向に調整されるとよい。変形例の光学センサ10における受光器45では、図29に示すように、複数の受光画素46がX軸方向及びY軸方向の二次元アレイ状に配列されていてもよい。
変形例の応答設定ブロック120によるS200は、S20とS30との間に実行されることで、S20において今回測定フレームFMに抽出された外光応答数NRoが過去応答数NRopに代えて判定基準NRbとの対比に用いられてもよい。この場合、信号取得ブロック100によるS10において取得される受光信号波形WRには、各受光画素46の全域内のSPAD460から出力された反射光出力成分WRr及び外光出力成分WRoが、含まれることになる。そこで、この場合の強度測定ブロック110によるS30では、S20において今回測定フレームFMに抽出された応答数NRr,NRoから、S200において設定された応答範囲RR(RRw,RRn)内の応答数NRr,NRoがそれぞれ抽出されて、当該抽出数が反射強度IRの推定に用いられてもよい。また、この場合の距離測定ブロック130によるS240では、S20により分波された反射光出力成分WRrのうち、応答範囲RR(RRw,RRn)内の反射光応答数NRrに対応する分の反射光出力成分WRrが抽出されて、当該抽出成分のピークタイミングtpが反射点距離DRの取得に用いられてもよい。
変形例の応答設定ブロック120によるS200では、応答範囲RRとして広狭の異なる三種類以上の範囲が、外光強度(過去応答数NRop)に応じて設定されてもよい。変形例の応答設定ブロック120によるS200では、外光強度(過去応答数NRop)に応じて応答範囲RRが連続的に変化するように、設定されてもよい。変形例の応答設定ブロック120によるS300では、応答範囲RRとして広狭の異なる三種類以上の範囲が、受光画素46の走査ライン別に設定されてもよい。変形例の応答設定ブロック120によるS400では、応答範囲RRとして広狭の異なる三種類以上の範囲が、センシングされる物標Trまでの推定距離DEに応じて設定されてもよい。変形例の応答設定ブロック120によるS400では、センシングされる物標Trまでの推定距離DEに応じて応答範囲RRが連続的に変化するように、設定されてもよい。
変形例において制御装置1の適用される移動体は、例えば走行路での走行をリモート制御可能な自律走行車両等であってもよい。変形例における制御装置1は、移動体以外の環境に適用されてもよい。ここまでの説明形態の他、上述の実施形態及び変形例は、プロセッサ1b及びメモリ1aを少なくとも一つずつ有した半導体装置(例えば半導体チップ等)として、実施されてもよい。
(付言)
本明細書には、以下に列挙する複数の技術的思想と、それらの複数の組み合わせが開示されている。
(技術的思想1)
プロセッサ(1b)を有し、シングルフォトンアバランシェダイオードであるSPAD(460)が受光画素(46)毎に複数ずつ配列されてセンシングエリア(AS)からの光を受光する光学センサ(10)を、制御する制御装置であって、
前記プロセッサは、
前記光学センサから前記センシングエリアへの照射光に対する反射光の受光により応答した前記SPADからの反射光出力成分(WRr)と、前記センシングエリアからの外光の受光により応答した前記SPADからの外光出力成分(WRo)とを、含む受光信号波形(WR)を前記受光画素毎に取得することと、
前記反射光出力成分を出力した前記SPADの数である反射光応答数(NRr)と、前記外光出力成分を出力した前記SPADの数である外光応答数(NRo)との、相関に基づき前記反射光の反射強度(IR)を前記受光画素毎に推定することと、を実行するように構成される制御装置。
尚、この技術的思想1及び後述の技術的思想2~10は、方法及びプログラムの形態で実現されてもよい。
(技術的思想2)
前記反射強度を推定することは、
前記受光信号波形から分波した前記反射光出力成分と前記外光出力成分とから、それぞれ前記反射光応答数と前記外光応答数とを抽出することを、含む技術的思想1に記載の制御装置。
(技術的思想3)
前記プロセッサは、
前記受光信号波形の取得に先立ち、応答を許可する前記SPADの配列範囲である応答範囲(RR)を、前記外光の強度に応じて前記受光画素毎に設定すること、
前記受光信号波形に基づき、前記反射光の反射点距離(DR)を測定することと、をさらに実行するように構成される技術的思想1又は2に記載の制御装置。
(技術的思想4)
前記応答範囲を設定することは、
前記受光信号波形の今回取得に先立ち、過去取得の前記受光信号波形に含まれる前記外光出力成分に対応した前記外光応答数である過去応答数(NRop)が判定基準(NRb)超過となる場合の前記応答範囲を、当該過去応答数が前記判定基準以下となる場合の前記応答範囲よりも、狭く設定する技術的思想3に記載の制御装置。
(技術的思想5)
前記応答範囲を設定することは、
前記判定基準を超過する場合の前記過去応答数が増大するほど、前記応答範囲を狭く設定する技術的思想4に記載の制御装置。
(技術的思想6)
前記プロセッサは、
前記受光信号波形の取得に先立ち、応答を許可する前記SPADの配列範囲である応答範囲(RR)として広狭の異なる範囲(RRw,RRn)を、前記受光画素の走査ライン別に設定することと、
前記受光信号波形に基づき、前記反射光の反射点距離(DR)を測定することと、をさらに実行するように構成される技術的思想1又は2に記載の制御装置。
(技術的思想7)
前記プロセッサは、
前記受光信号波形の取得に先立ち、応答を許可する前記SPADの配列範囲である応答範囲(RR)を、センシングされる物標(Tr)までの推定距離(DE)に応じて前記受光画素毎に設定すること、
前記受光信号波形に基づき、前記反射光の反射点距離(DR)を測定することと、をさらに実行するように構成される技術的思想1又は2に記載の制御装置。
(技術的思想8)
前記応答範囲を設定することは、
前記受光信号波形の取得に先立ち、前記推定距離が基準距離(DEb)超過となる場合の前記応答範囲を、前記推定距離が前記基準距離以下となる場合の前記応答範囲よりも、狭く設定する技術的思想7に記載の制御装置。
(技術的思想9)
前記反射強度を推定することは、
前記反射光応答数と前記外光応答数との、環境温度(τ)別での相関に基づき前記受光画素毎の前記反射強度を推定することを、含む技術的思想1~8のいずれか一項に記載の制御装置。
(技術的思想10)
前記プロセッサは、
前記光学センサ外部の前記センシングエリアに存在する物標(Tr)と、前記光学センサ内部の前記センシングエリアに設けられた補正用反射ターゲット(Tc)との、各々に関して、前記反射強度の推定を実行するように構成され、
前記補正用反射ターゲットに関する前記反射強度の推定は、
前記補正用反射ターゲットに関して推定された前記反射強度と、基準強度(IRb)との比を補正係数(γ)として取得することを、を含み、
前記物標に関する前記反射強度の推定は、
前記物標に関して推定した前記反射強度を、前記補正係数により補正することを、含む技術的思想1~9のいずれか一項に記載の制御装置。
1:制御装置、1a:メモリ、1b:プロセッサ、10:光学センサ、46:受光画素、460:SPAD、AS:センシングエリア、DE:推定距離、DEb:基準距離、DR:反射点距離、IR:反射強度、IRb:基準強度、NRb:判定基準、NRo:外光応答数、NRop:過去応答数、NRr:反射光応答数、RR:応答範囲、RRn:狭側応答範囲、RRw:広側応答範囲、Tc:補正用反射ターゲット、Tr:物標、WR:受光信号波形、WRo:外光出力成分、WRr:反射光出力成分、γ:補正係数、τ:環境温度

Claims (12)

  1. プロセッサ(1b)を有し、シングルフォトンアバランシェダイオードであるSPAD(460)が受光画素(46)毎に複数ずつ配列されてセンシングエリア(AS)からの光を受光する光学センサ(10)を、制御する制御装置であって、
    前記プロセッサは、
    前記光学センサから前記センシングエリアへの照射光に対する反射光の受光により応答した前記SPADからの反射光出力成分(WRr)と、前記センシングエリアからの外光の受光により応答した前記SPADからの外光出力成分(WRo)とを、含む受光信号波形(WR)を前記受光画素毎に取得することと、
    前記反射光出力成分を出力した前記SPADの数である反射光応答数(NRr)と、前記外光出力成分を出力した前記SPADの数である外光応答数(NRo)との、相関に基づき前記反射光の反射強度(IR)を前記受光画素毎に推定することと、を実行するように構成される制御装置。
  2. 前記反射強度を推定することは、
    前記受光信号波形から分波した前記反射光出力成分と前記外光出力成分とから、それぞれ前記反射光応答数と前記外光応答数とを抽出することを、含む請求項1に記載の制御装置。
  3. 前記プロセッサは、
    前記受光信号波形の取得に先立ち、応答を許可する前記SPADの配列範囲である応答範囲(RR)を、前記外光の強度に応じて前記受光画素毎に設定すること、
    前記受光信号波形に基づき、前記反射光の反射点距離(DR)を測定することと、をさらに実行するように構成される請求項1又は2に記載の制御装置。
  4. 前記応答範囲を設定することは、
    前記受光信号波形の今回取得に先立ち、過去取得の前記受光信号波形に含まれる前記外光出力成分に対応した前記外光応答数である過去応答数(NRop)が判定基準(NRb)超過となる場合の前記応答範囲を、当該過去応答数が前記判定基準以下となる場合の前記応答範囲よりも、狭く設定する請求項3に記載の制御装置。
  5. 前記応答範囲を設定することは、
    前記判定基準を超過する場合の前記過去応答数が増大するほど、前記応答範囲を狭く設定する請求項4に記載の制御装置。
  6. 前記プロセッサは、
    前記受光信号波形の取得に先立ち、応答を許可する前記SPADの配列範囲である応答範囲(RR)として広狭の異なる範囲(RRw,RRn)を、前記受光画素の走査ライン別に設定することと、
    前記受光信号波形に基づき、前記反射光の反射点距離(DR)を測定することと、をさらに実行するように構成される請求項1又は2に記載の制御装置。
  7. 前記プロセッサは、
    前記受光信号波形の取得に先立ち、応答を許可する前記SPADの配列範囲である応答範囲(RR)を、センシングされる物標(Tr)までの推定距離(DE)に応じて前記受光画素毎に設定すること、
    前記受光信号波形に基づき、前記反射光の反射点距離(DR)を測定することと、をさらに実行するように構成される請求項1又は2に記載の制御装置。
  8. 前記応答範囲を設定することは、
    前記受光信号波形の取得に先立ち、前記推定距離が基準距離(DEb)超過となる場合の前記応答範囲を、前記推定距離が前記基準距離以下となる場合の前記応答範囲よりも、狭く設定する請求項7に記載の制御装置。
  9. 前記反射強度を推定することは、
    前記反射光応答数と前記外光応答数との、環境温度(τ)別での相関に基づき前記受光画素毎の前記反射強度を推定することを、含む請求項1又は2に記載の制御装置。
  10. 前記プロセッサは、
    前記光学センサ外部の前記センシングエリアに存在する物標(Tr)と、前記光学センサ内部の前記センシングエリアに設けられた補正用反射ターゲット(Tc)との、各々に関して、前記反射強度の推定を実行するように構成され、
    前記補正用反射ターゲットに関する前記反射強度の推定は、
    前記補正用反射ターゲットに関して推定された前記反射強度と、基準強度(IRb)との比を補正係数(γ)として取得することを、を含み、
    前記物標に関する前記反射強度の推定は、
    前記物標に関して推定した前記反射強度を、前記補正係数により補正することを、含む請求項1又は2に記載の制御装置。
  11. シングルフォトンアバランシェダイオードであるSPAD(460)が受光画素(46)毎に複数ずつ配列されてセンシングエリア(AS)からの光を受光する光学センサ(10)を、制御するためにプロセッサ(1b)により実行される制御方法であって、
    前記光学センサから前記センシングエリアへの照射光に対する反射光の受光により応答した前記SPADからの反射光出力成分(WRr)と、前記センシングエリアからの外光の受光により応答した前記SPADからの外光出力成分(WRo)とを、含む受光信号波形(WR)を前記受光画素毎に取得することと、
    前記反射光出力成分を出力した前記SPADの数である反射光応答数(NRr)と、前記外光出力成分を出力した前記SPADの数である外光応答数(NRo)との、相関に基づき前記反射光の反射強度(IR)を前記受光画素毎に推定することと、を含む制御方法。
  12. シングルフォトンアバランシェダイオードであるSPAD(460)が受光画素(46)毎に複数ずつ配列されてセンシングエリア(AS)からの光を受光する光学センサ(10)を、制御するために記憶媒体(1a)に記憶され、プロセッサ(1b)に実行させ命令を含む制御プログラムであって、
    前記命令は、
    前記光学センサから前記センシングエリアへの照射光に対する反射光の受光により応答した前記SPADからの反射光出力成分(WRr)と、前記センシングエリアからの外光の受光により応答した前記SPADからの外光出力成分(WRo)とを、含む受光信号波形(WR)を前記受光画素毎に取得させることと、
    前記反射光出力成分を出力した前記SPADの数である反射光応答数(NRr)と、前記外光出力成分を出力した前記SPADの数である外光応答数(NRo)との、相関に基づき前記反射光の反射強度(IR)を前記受光画素毎に推定させることと、を含む制御プログラム。
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