JP2023047979A - 加速度センサ装置 - Google Patents

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Yoshiyuki Hata
裕樹 佐原
Yuki Sawara
一輝 鈴木
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【課題】高精度に加速度を検出可能な加速度センサ装置を提供する。【解決手段】加速度センサ装置は、加速度センサと処理回路を備える。加速度センサは、マス部の第1方向における変位に対して電極間距離の変化の正負が逆である一対の第1変位検出電極部と、マス部の第1方向における変位に対して電極間距離の変化の正負が逆である一対の第1サーボ電極と、を有している。処理回路は、直流のオフセット電圧と交流の参照電圧を含む搬送波信号をマス部に入力する搬送波信号生成回路と、一対の第1変位検出電極の各々の容量変化の差に相当する第1電圧信号を出力する第1容量変換回路部と、第1電圧信号から参照電圧に同期した第1検出信号を検出する第1同期検波回路と、第1検出信号に基づいて一対の第1サーボ電極部に第1サーボ信号を入力する第1サーボ信号生成回路と、を有する。第1サーボ信号の正負が一対の第1固定サーボ電極の間で逆である。【選択図】図2

Description

本明細書が開示する技術は、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)構造を有する加速度センサ装置に関する。
MEMS構造を有する加速度センサ装置が知られている。この種の加速度センサ装置は、加速度によるマス部の変位に応じて電極間距離が変動するように構成された変位検出電極部を備えている。変位検出電極部の容量変化から加速度が検出される。
マス部が過大変位したとき、加速度センサ内の電極が衝突し、電極同士の固着又は電極の破損が発生する。このような過大変位の影響を改善するために、サーボ制御によってマス部の変位を抑制するように構成された加速度センサ装置が提案されており、その一例が非特許文献1に開示されている。また、マス部に自由振動が発生すると、加速度センサ装置の応答性が悪化する。このような応答性の悪化を改善するために、サーボ制御によってマス部の変位を抑制するように構成された加速度センサ装置が提案されている。このような加速度センサ装置では、マス部の変位を抑制するためのサーボ信号が出力となる。
S. Ko, et. al., "An Electrostatic Servo-Accelerometer with mG Resolution," T.IEE Japan, Vol. 119-E, No. 7, 1999
非特許文献1の加速度センサ装置は、マス部に対してサーボ信号を入力し、変位検出電極部の電極間にサーボ信号に応じた静電引力を作用させ、マス部の変位を抑制するように構成されている。非特許文献1の技術では、変位検出電極部がサーボ信号に応じた静電引力を作用させるためのサーボ電極部も兼用している。このため、サーボ信号が変位検出電極部にも伝達するので、サーボ信号が容量変換時にノイズ成分になってしまう。本明細書は、高精度に加速度を検出可能な加速度センサ装置を提供することを目的とする。
本明細書が開示する加速度センサ装置の一実施形態は、加速度センサと処理回路を備えることができる。前記加速度センサは、枠体と、マス部と、一対の第1変位検出電極部と、一対の第1サーボ電極部と、を有することができる。前記マス部は、前記枠体に対して少なくとも第1方向に揺動可能に構成されている。前記一対の第1変位検出電極部の各々は、第1可動検出電極と、第1固定検出電極と、を有している。前記第1可動検出電極と前記第1固定検出電極は前記第1方向に対向しており、前記第1可動検出電極が前記マス部に固定されており、前記第1固定検出電極が前記枠体に固定されている。前記マス部の前記第1方向における変位に対して前記第1可動検出電極と前記第1固定検出電極の電極間距離の変化の正負が前記一対の変位検出電極部の間で逆である。前記一対の第1サーボ電極部の各々は、第1可動サーボ電極と、第1固定サーボ電極と、を有している。前記第1可動サーボ電極と前記第1固定サーボ電極は前記第1方向に対向しており、前記第1可動サーボ電極が前記マス部に固定されており、前記第1固定サーボ電極が前記枠体に固定されている。前記マス部の前記第1方向における変位に対して前記第1可動サーボ電極と前記第1固定サーボ電極の電極間距離の変化の正負が前記一対の第1サーボ電極部の間で逆である。前記処理回路は、搬送波信号生成回路と、第1容量変換回路部と、第1同期検波回路と、第1サーボ信号生成回路と、を有している。前記搬送波信号生成回路は、前記マス部に搬送波信号を入力するための回路である。前記搬送波信号は、直流のオフセット電圧と交流の参照電圧を含む。前記第1容量変換回路部は、前記一対の第1変位検出電極部の各々の容量変化の差に相当する第1電圧信号を出力する。前記第1同期検波回路は、前記第1電圧信号から前記参照電圧に同期した第1検出信号を検出する。前記第1サーボ信号生成回路は、前記第1方向における前記マス部の変位を抑制するために、前記第1検出信号に基づいて前記一対の第1サーボ電極部の各々の前記第1固定サーボ電極に第1サーボ信号を入力する。前記第1サーボ信号の正負が前記一対の第1固定サーボ電極の間で逆である。この加速度センサ装置では、前記一対の第1変位検出電極部と前記一対の第1サーボ電極部が分離されているので、前記第1サーボ信号が前記一対の第1変位検出電極部に伝達することが抑えられている。このため、この加速度センサ装置は、高精度に加速度を検出可能である。
上記加速度センサ装置では、前記加速度センサがさらに、前記マス部を被覆するように前記枠体に固定されているキャップ層を有していてもよい。この場合、前記枠体と前記キャップ層で画定される空間内に前記マス部が配置されており、前記空間が真空である。この加速度センサ装置は、前記マス部が真空の空間内に配置されているので、高Q値な特性を有することができる。このため、この加速度センサ装置では、メカノイズが低減される。一般的に、高Q値な特性を有する加速度センサ装置では、加速度印加時にマス部の自由振動の振幅が減衰するまでに要する応答時間が増加し、応答性が悪化することが知られている。しかしながら、上記加速度センサ装置では、サーボ制御で前記マス部の変位を抑制するように動作するので、このような応答性の悪化が改善されている。上記加速度センサ装置は、低いメカノイズと高い応答性を両立することができる。
上記加速度センサ装置では、前記加速度センサがさらに、前記枠体に固定されているアンカ部と、前記マス部と前記アンカ部の間に接続されており、前記第1方向に弾性変形する第1梁部と、を有していてもよい。さらに、前記マス部に中央開口が形成されており、前記中央開口内に位置する前記マス部の対称中心に1つの前記アンカ部のみが配置されていてもよい。この場合、前記マス部は、前記第1方向に揺動可能となるように前記第1梁部を介して前記アンカ部に接続されていてもよい。この加速度センサ装置は、アンカロスが低減されるので、高Q値で低メカノイズな特性を有することができる。
上記加速度センサ装置では、前記枠体と前記マス部と前記第1梁部が、下側半導体層と絶縁層と上側半導体層の積層基板によって形成されていてもよい。この場合、前記枠体は、前記下側半導体層と前記絶縁層と前記上側半導体層によって構成されている。前記マス部は、前記下側半導体層と前記絶縁層と前記上側半導体層によって構成されている。前記第1梁部は、前記上側半導体層によって構成されている。この加速度センサ装置では、前記マス部の質量が大きくなり、メカノイズが低減される。
上記加速度センサ装置では、前記マス部が、第1分割マス部と第2分割マス部を有していてもよい。前記第1分割マス部と前記第2分割マス部は絶縁分離した状態で接続されている。前記一対の第1変位検出電極部の各々の前記第1可動検出電極が前記第1分割マス部に固定されており、前記一対の第1サーボ電極部の各々の前記第1可動サーボ電極が前記第2分割マス部に固定されている。前記搬送波信号生成回路は、前記第1分割マス部に前記参照電圧を入力し、前記第2分割マス部に前記オフセット電圧を入力する。この加速度センサ装置では、前記参照電圧が前記一対の第1サーボ電極に伝達することが抑えられるので、高精度なサーボ制御と加速度検知が可能となる。
上記加速度センサ装置では、前記加速度センサがさらに、一対の第2変位検出電極部と、一対の第2サーボ電極部と、をさらに有していてもよい。前記一対の第2変位検出電極部の各々は、第2可動検出電極と、第2固定検出電極と、を有している。前記第2可動検出電極と前記第2固定検出電極は前記第1方向に直交する第2方向に対向しており、前記第2可動検出電極が前記マス部に固定されており、前記第2固定検出電極が前記枠体に固定されている。前記マス部の前記第2方向における変位に対して前記第2可動検出電極と前記第2固定検出電極の電極間距離の変化の正負が前記一対の第2変位検出電極部の間で逆である。前記一対の第2サーボ電極の各々は、第2可動サーボ電極と、第2固定サーボ電極と、を有している。前記第2可動サーボ電極と前記第2固定サーボ電極は前記第2方向に対向しており、前記第2可動サーボ電極が前記マス部に固定されており、前記第2固定サーボ電極が前記枠体に固定されている。前記マス部の前記第2方向における変位に対して前記第2可動サーボ電極と前記第2固定サーボ電極の電極間距離の変化の正負が前記一対の第2サーボ電極部の間で逆である。上記加速度センサ装置では、前記処理回路がさらに、第2容量変換回路部と、第2同期検波回路と、第2サーボ信号生成回路と、を有していてもよい。前記第2容量変換回路部は、前記一対の第2変位検出電極部の各々の容量変化の差に相当する第2電圧信号を出力する。前記第2同期検波回路は、前記第2電圧信号から前記参照電圧に同期した第2検出信号を検出する。前記第2サーボ信号生成回路は、前記第2方向における前記マス部の変位を抑制するために、前記第2検出信号に基づいて前記一対の第2サーボ電極部の各々の前記第2固定サーボ電極に第2サーボ信号を入力する。前記第2サーボ信号の正負が前記一対の第2固定サーボ電極の間で逆である。この加速度センサ装置は、多軸の加速度を検出することができる。
多軸の加速度を検出する上記加速度センサ装置では、前記加速度センサはさらに、前記枠体に固定されているアンカ部と、前記マス部と前記アンカ部の間に接続されており、前記第1方向に弾性変形する第1梁部と、前記マス部と前記アンカ部の間に接続されており、前記第2方向に弾性変形する第2梁部と、を有していてもよい。さらに、前記マス部に中央開口が形成されており、前記中央開口内に位置する前記マス部の対称中心に1つの前記アンカ部のみが配置されていてもよい。この場合、前記マス部は、前記第1方向に揺動可能となるように前記第1梁部を介して前記アンカ部に接続されているとともに、前記第2方向に揺動可能となるように前記第2梁部を介して前記アンカ部に接続されていてもよい。この加速度センサ装置は、アンカロスが低減されるので、高Q値で低メカノイズな特性を有することができる。
多軸の加速度を検出する上記加速度センサ装置では、前記枠体と前記マス部と前記第1梁部と前記第2梁部が、下側半導体層と絶縁層と上側半導体層の積層基板によって形成されていてもよい。この場合、前記枠体は、前記下側半導体層と前記絶縁層と前記上側半導体層によって構成されている。前記マス部は、前記下側半導体層と前記絶縁層と前記上側半導体層によって構成されている。前記第1梁部は、前記上側半導体層によって構成されている。前記第2梁部は、前記上側半導体層によって構成されている。この加速度センサ装置では、前記マス部の質量が大きくなり、メカノイズが低減される。
多軸の加速度を検出する上記加速度センサ装置では、前記マス部が、第1分割マス部と第2分割マス部を有していてもよい。第1分割マス部と第2分割マス部は絶縁分離した状態で固定されている。前記一対の第1変位検出電極部の各々の前記第1可動検出電極及び前記一対の第2変位検出電極部の各々の前記第2可動検出電極が前記第1分割マス部に固定されており、前記一対の第1サーボ電極部の各々の前記第1可動サーボ電極及び前記一対の第2サーボ電極部の各々の前記第2可動サーボ電極が前記第2分割マス部に固定されている。前記搬送波信号生成回路は、前記第1分割マス部に前記参照電圧を入力し、前記第2分割マス部にオフセット電圧を入力する。この加速度センサ装置では、前記参照電圧が前記一対の第1サーボ電極部及び前記一対の第2サーボ電極部に伝達することが抑えられるので、高精度なサーボ制御と加速度検知が可能となる。
第1実施形態の加速度センサ装置に含まれる加速度センサの構成を概略して示す図である。 第1実施形態の加速度センサ装置の機能ブロック図を示す図である。 第2実施形態の加速度センサ装置に含まれる加速度センサの構成を概略して示す図である。 第2実施形態の加速度センサ装置の機能ブロック図を示す図である。 第1実施例の加速度センサの平面図であり、キャップ層を取り除いた状態の平面図を概略して示す図である。 第1実施例の加速度センサの断面図であり、図5のVI-VI線に対応した断面図を概略して示す図である。 第1実施例の変形例の加速度センサの断面図であり、図5のVI-VI線に対応した断面図を概略して示す図である。 第2実施例の加速度センサの平面図であり、キャップ層を取り除いた状態の平面図を概略して示す図である。 第2実施例の変形例の加速度センサの平面図であり、キャップ層を取り除いた状態の平面図を概略して示す図である。 第3実施例の加速度センサの平面図であり、キャップ層を取り除いた状態の平面図を概略して示す図である。 第4実施例の加速度センサの平面図であり、キャップ層を取り除いた状態の平面図を概略して示す図である。 第4実施例の変形例の加速度センサの平面図であり、キャップ層を取り除いた状態の平面図を概略して示す図である。 第5実施例の加速度センサの平面図であり、キャップ層を取り除いた状態の平面図を概略して示す図である。 第5実施例の加速度センサの断面図であり、図13のXIV- XIV線に対応した断面図を概略して示す図である。 第6実施例の加速度センサの平面図であり、キャップ層を取り除いた状態の平面図を概略して示す図である。 ダブルフォールデッドビームを有する支持部の拡大平面図を概略して示す図である。
(第1実施形態の加速度センサ装置1)
図1及び図2を参照し、加速度センサ装置1の構成を説明する。図1は、加速度センサ装置1のうちの加速度センサ100の構成を概略して示す図である。なお、図1では、加速度センサ装置1のうちの処理回路200に含まれる一対の容量変換回路212,214も合わせて示されている。図2は、加速度センサ装置1の機能ブロック図である。
図1に示されるように、加速度センサ100は、マス部112と、一対のx軸変位検出電極部122,124と、一対のx軸サーボ電極部132,134と、を有している。この例では、加速度センサ100が搭載される基板面に平行な面がxy平面であり、基板面に垂直な方向がz軸である。マス部112は、図示しない枠体(基板の一部によって構成される部分)に対してx軸方向に揺動可能に構成されている。マス部112には信号電圧印加部114が電気的に接続されており、後述するように、搬送波信号Vinが信号電圧印加部114に入力する。
一対のx軸変位検出電極部122,124の各々は、x軸可動検出電極とx軸固定検出電極を有している。x軸可動検出電極とx軸固定検出電極はx軸方向に対向しており、x軸可動検出電極がマス部112に固定されており、x軸固定検出電極が枠体に固定されている。この例では、マス部112自体がx軸可動検出電極として動作するように例示されている。ここで、一対のx軸変位検出電極部122,124のうちの一方を第1x軸変位検出電極部122とし、他方を第2x軸変位検出電極部124とする。この例では、マス部112がx軸方向において紙面右向きに変位した場合、第1x軸変位検出電極部122のx軸可動検出電極とx軸固定検出電極の電極間距離が大きくなり、第2x軸変位検出電極部124のx軸可動検出電極とx軸固定検出電極の電極間距離が小さくなる。このように、マス部112のx軸方向における変位に対して電極間距離の変化の正負が一対のx軸変位検出電極部122,124の間で逆である。マス部112が初期位置にあるとき、一対のx軸変位検出電極部122,124の各々の電極間距離は等しい。なお、後述するように、一対のx軸変位検出電極部122,124の各々は、櫛歯電極部によって構成されてもよい。
一対のx軸サーボ電極部132,134の各々は、x軸可動サーボ電極とx軸固定サーボ電極を有している。x軸可動サーボ電極とx軸固定サーボ電極はx軸方向に対向しており、x軸可動サーボ電極がマス部112に固定されており、x軸固定サーボ電極が枠体に固定されている。この例では、マス部112自体がx軸可動サーボ電極として動作するように例示されている。一対のx軸サーボ電極部132,134のうちの一方を第1x軸サーボ電極部132とし、他方を第2x軸サーボ電極部134とする。この例では、マス部112がx軸方向において紙面右向きに変位した場合、第1x軸サーボ電極部132のx軸可動サーボ電極とx軸固定サーボ電極の電極間距離が大きくなり、第2x軸サーボ電極部134のx軸可動サーボ電極とx軸固定サーボ電極の電極間距離が小さくなる。このように、マス部112のx軸方向における変位に対して電極間距離の変化の正負が一対のx軸サーボ電極部132,134の間で逆である。マス部112が初期位置にあるとき、一対のx軸サーボ電極部132,134の各々の電極間距離は等しい。なお、後述するように、一対のx軸サーボ電極部132,134の各々は、櫛歯電極部によって構成されてもよい。
次に、図2を参照して、加速度センサ装置1の処理回路200の構成を説明する。処理回路200は、x軸容量変換回路部210と、搬送波信号生成回路220と、x軸同期検波回路230と、x軸サーボ信号生成回路240と、を有している。
x軸容量変換回路部210は、一対の容量変換回路212,214と、差動回路216と、を有している。一対の容量変換回路212,214のうちの第1容量変換回路212は、第1x軸変位検出電極部122の電極間の容量(C+ΔC)を電圧(V)に変換するCV変換回路である(図1参照)。同様に、一対の容量変換回路212,214のうちの第2容量変換回路214は、第2x軸変位検出電極部124の電極間の容量(C-ΔC)を電圧(V)に変換するCV変換回路である(図1参照)。差動回路216は、第1容量変換回路212の出力電圧Vと第2容量変換回路214の出力電圧Vの差に相当する差動電圧、即ち、一対のx軸変位検出電極部122,124の各々の容量変化の差(2ΔC)に相当する差動電圧を出力する。
搬送波信号生成回路220は、直流のオフセット電圧Vと交流の参照電圧Vrefを生成する電源回路である。オフセット電圧Vは、後述するように、一対のx軸サーボ電極部132,134の各々の電極間に作用する静電引力に差を生じさせるために印加される電圧である。参照電圧Vrefは、加速度センサ装置1の機械的な共振周波数よりも高い周波数の交流電圧である。搬送波信号生成回路220は、オフセット電圧Vと参照電圧Vrefを含む搬送波信号Vinを加速度センサ100の信号電圧印加部114に入力する。搬送波信号生成回路220はさらに、参照電圧Vrefをx軸同期検波回路230にも入力する。
x軸同期検波回路230は、差動回路216から出力される差動電圧から参照電圧Vrefに同期した検出信号を検出する。これにより、参照電圧Vrefの周波数と異なるノイズ成分を除去し、一対のx軸変位検出電極部122,124の各々の容量変化の差(2ΔC)に相当した検出信号が得られる。検出信号は、x軸サーボ信号生成回路240に入力される。
x軸サーボ信号生成回路240は、PID制御器242と、正負反転回路244と、を有している。PID制御器242は、x軸方向におけるマス部112の変位を抑制するために、即ち、マス部112を初期位置に維持するために、x軸同期検波回路230から出力される検出信号に基づいて一対のx軸サーボ電極部132,134の各々の固定サーボ電極に入力するためのx軸サーボ信号を生成する回路である。即ち、PID制御器242は、x軸同期検波回路230から出力される検出信号が「0」となるための操作量(x軸サーボ信号)を生成する。また、この操作量(x軸サーボ信号)がセンサ出力であり、加速度センサ装置1によって測定された加速度に相当する。正負反転回路244は、PID制御器242が出力するx軸サーボ信号(Vout)を反転する。第1x軸サーボ電極部132には、PID制御器242が出力するx軸サーボ信号(Vout)がそのまま入力する。第2x軸サーボ電極部134には、PID制御器242が出力するx軸サーボ信号(Vout)が反転したx軸サーボ信号(-Vout)が入力する。このように、一対のx軸サーボ電極部132,134の各々には、正負の異なるx軸サーボ信号(Vout)が入力する。
次に、加速度センサ装置1の動作について説明する。まず、一対の容量変換回路212,214の各々の出力について説明する。
図1に示されるように、一対の容量変換回路212,214の各々は、一対のx軸変位検出電極部122,124のうちの対応する側のx軸変位検出電極部122,124に接続されている。具体的には、一対の容量変換回路212,214の各々は、オペアンプを有しており、そのオペアンプの反転入力端子(-)が対応する一対のx軸変位検出電極部122,124のx軸固定検知電極に接続されるとともに、オペアンプの反転入力端子(-)と出力端子の間に容量Cを有するキャパシタと抵抗値Rを有する抵抗素子が並列に接続されている。一対の容量変換回路212,214の各々のオペアンプの非反転入力端子(+)はグランドに接続されている。一対の容量変換回路212,214の各々の出力電圧V,Vを一般化して出力電圧Vとし、一対のx軸変位検出電極部122,124の電極間の容量を一般化して容量Cとすると、出力電圧Vは以下の数式で表すことができる。ωは参照電圧Vrefの角周波数である。
Figure 2023047979000002
オフセット電圧Vは直流電圧であるから、ω=0である。したがって、V=0となり、直流成分は出力に影響しない。一方、参照電圧Vrefは交流電圧であり、ωは1/CfRfよりも十分に大きい(ω>>1/CfRf)。したがって、一対の容量変換回路212,214の各々では、参照電圧Vrefのみが増幅される。この結果、一対の容量変換回路212,214の各々の出力電圧Vは以下の数式で表すことができる。
Figure 2023047979000003
このように、一対のx軸変位検出電極部122,124の各々は、所謂ハイパスフィルタとして動作する。加速度センサ100では、マス部112にオフセット電圧Vと参照電圧Vrefを合成した搬送波信号Vinが入力されるが、参照電圧Vrefのみが増幅され、オフセット電圧VはCV変換に影響を与えない。
次に、一対のx軸サーボ電極部132,134について説明する。マス部112の変位が微小であり、参照電圧Vrefが無い場合、一対のx軸サーボ電極部132,134によってマス部112に作用する静電引力Fは、以下の数式で表される。ここで、εは一対のx軸サーボ電極部132,134の各々の電極間の誘電率であり、Sはその電極面積であり、dはその電極間の初期ギャップである。また、第1x軸サーボ電極部132の電極間に作用する静電引力をFとし、第2x軸サーボ電極部134の電極間に作用する静電引力をFとする。
Figure 2023047979000004
上記のように、マス部112に作用する静電引力Fは、オフセット電圧Vを固定値とした場合、x軸サーボ信号(Vout)によって制御可能である。ここで、加速度センサ100では、マス部112にオフセット電圧Vと参照電圧Vrefを合成した搬送波信号Vinが入力していることから、一対のx軸サーボ電極部132,134の各々のx軸可動サーボ電極に参照電圧Vrefが加わっている。参照電圧Vrefを考慮した場合、マス部112に作用する静電引力Fは、以下の数式で表される。
Figure 2023047979000005
数式4の右辺の第1項は、サーボ発生力である。一方、数式4の右辺の第2項は、不要発生力である。ここで、参照電圧Vrefを角周波数ωを持つ交流電圧Vrefcosωtと表し、加速度センサ100の共振角周波数をωとすると、不要発生力による振動に関して以下の数式が成立する。mはマス部112の質量であり、xは不要発生力によるマス部112の振動振幅である。
Figure 2023047979000006

xについて整理すると、以下の数式が得られる。
Figure 2023047979000007
数式6に示されるように、不要発生力によるマス部112の振動振幅xは、参照電圧Vrefの角周波数ωを加速度センサ100の共振角周波ωよりも十分に高くすることで十分に小さくすることができる。
加速度センサ装置1では、マス部112のx軸方向の変位を検出するための一対のx軸変位検出電極部122,124と、マス部112に静電引力を作用させるための一対のx軸サーボ電極部132,134と、が独立して設けられている。これにより、x軸サーボ信号Voutに加えて参照電圧Vrefに近い周波数のノイズがx軸サーボ電極部132,134に入力したとしても、一対のx軸変位検出電極部122,124においては参照電圧Vrefのみが増幅され、高精度な変位検出が可能となっている。さらに、参照電圧Vrefによる不要発生力の影響も十分に抑えることができるので、マス部112の高精度なサーボ制御が可能となっている。このように、加速度センサ装置1は、加速度検出とサーボ制御を高精度に実行することができる。また、加速度センサ装置1の技術は、後述するように、単一の参照電圧Vrefで複数軸の加速度を検知する場合にも好適に利用可能である。後述の実施例では、第1実施形態の加速度センサ装置1に採用可能ないくつかの加速度センサを例示するが、いずれの加速度センサが作用された加速度センサ装置1においても、上記の高精度な加速度検出とサーボ制御の作用効果が発揮される。
(第2実施形態の加速度センサ装置2)
図3及び図4を参照し、加速度センサ装置2の構成を説明する。なお、図1及び図2に示す加速度センサ装置1と共通する構成については共通の符号を付し、その説明を省略する。
加速度センサ装置2の加速度センサ100は、マス部112が第1分割マス部112aと第2分割マス部112bを有していることを特徴とする。第1分割マス部112aと第2分割マス部112bは、接続部113を介して接続されている。第1分割マス部112aと接続部113の間は絶縁されており、第2分割マス部112bと接続部113の間も絶縁されている。したがって、第1分割マス部112aと第2分割マス部112bは、絶縁分離した状態で接続部113を介して接続されている。第1分割マス部112aには、一対のx軸変位検出電極部122,124の各々のx軸可動検出電極が固定されている。この例では、第1分割マス部112a自体がx軸可動検出電極として動作するように例示されている。第2分割マス部112bには、一対のx軸サーボ電極部132,134の各々のx軸可動サーボ電極が固定されている。この例では、第2分割マス部112b自体がx軸可動サーボ電極として動作するように例示されている。
加速度センサ100では、第1分割マス部112aに参照電圧印加部114aが電気的に接続されており、第2分割マス部112bにオフセット電圧印加部114bが電気的に接続されている。参照電圧印加部114aには参照電圧Vrefが入力し、オフセット電圧印加部114bにはオフセット電圧Vが入力する。
この加速度センサ100では、参照電圧Vrefが入力する第1分割マス部112aとオフセット電圧Vが入力する第2分割マス部112bが絶縁分離されている。このため、参照電圧Vrefが一対のx軸サーボ電極部132,134に伝達することが抑えられているので、数式6で示すような不要発生力の発生が抑えられる。したがって、マス部112の高精度なサーボ制御が可能となっている。また、加速度センサ装置2でも、加速度センサ装置1と同様に、マス部112のx軸方向の変位を検出するための一対のx軸変位検出電極部122,124と、マス部112に静電引力を作用させるための一対のx軸サーボ電極部132,134と、が独立して設けられている。このため、x軸サーボ信号Voutに加えて参照電圧Vrefに近い周波数のノイズがx軸サーボ電極部132,134に入力したとしても、一対のx軸変位検出電極部122,124においては参照電圧Vrefのみが増幅され、高精度な変位検出が可能となっている。さらに、参照電圧Vrefによる不要発生力の影響も十分に抑えることができるので、マス部112の高精度なサーボ制御が可能となっている。また、第1分割マス部112aには参照電圧Vrefのみが印加されるので、この参照電圧Vrefに起因して発生する静電引力は一対のx軸変位検出電極部122,124の間で釣り合うことができる。このため、マス部112に対して不要な力を作用させることがない。この点でも、マス部112の高精度なサーボ制御が可能となっている。後述の実施例では、第2実施形態の加速度センサ装置2に採用可能ないくつかの加速度センサを例示するが、いずれの加速度センサが作用された加速度センサ装置2においても、上記の高精度な加速度検出とサーボ制御の作用効果が発揮される。
以下、上記した第1実施形態及び第2実施形態の加速度センサ装置1,2に含まれる加速度センサ100を具現化するために好適な加速度センサを例示する。なお、上記した第1実施形態及び第2実施形態の加速度センサ100と共通する構成要素については共通の符号を付す。
(第1実施例の加速度センサ11)
図5及び図6に示す加速度センサ11は、上記した第1実施形態の加速度センサ100を具現化した例である。加速度センサ11は、下側半導体層20と絶縁層30と上側半導体層40の積層基板を加工することによって形成されている。下側半導体層20と上側半導体層40は、例えばシリコン単結晶の半導体層である。上側半導体層40は、不純物を高濃度に含んでおり、導電性を有している。絶縁層30は、例えば酸化シリコンであり、下側半導体層20と上側半導体層40を電気的に絶縁している。下側半導体層20と絶縁層30と上側半導体層40の積層基板は、所謂SOI(Silicon on Insulator)基板である。
加速度センサ11は、マス部112、各種支持部及び各種電極部等の周囲を囲むように形成された枠体110を備えている。枠体110は、下側半導体層20と絶縁層30と上側半導体層40の積層基板の一部によって形成されており、積層基板のうちのマス部112、各種支持部及び各種電極部等を除く部分ということができる。この例では、枠体110には、マス部112の下方に配置される下側半導体層20も含まれる。枠体110の上側半導体層40の表面には、キャップ層50が接合されるための接合領域111が確保されている。接合領域111は、マス部112、各種支持部及び各種電極部等の周囲を一巡するように位置している。
マス部112は、上側半導体層40の一部によって形成されており、枠体110に対して浮遊している。マス部112は、平面視したときに(z軸方向から観測したときに)、略矩形状の形態を有している。マス部112は、4つの角部の各々の近傍に設けられたx軸支持部140を介して枠体110に支持されている。
x軸支持部140は、マス部112が枠体110に対してx軸方向に変位するのを許容するための支持構造体であり、アンカ部142と、x軸梁部144と、を有している。アンカ部142は、下側半導体層20と絶縁層30と上側半導体層40の積層基板によって形成されており、枠体110に固定されている部分である。x軸梁部144は、上側半導体層40の一部によって形成されている。x軸梁部144と下側半導体層20の間の絶縁層30は除去されており、x軸梁部144は枠体110に対して浮遊している。x軸梁部144は、所謂フォールデッドビームとして構成されており、一端がマス部112に接続されており、他端がアンカ部142に接続されている。x軸梁部144は、y軸方向の伸びるビームが折り返すように構成されており、x軸方向のばね定数が小さく、y軸及びz軸方向のばね定数が大きい。このため、x軸梁部144は、x軸方向に弾性変形し易く、y軸及びz軸には弾性変形しにくい。これにより、x軸支持部140で支持されるマス部112は、x軸梁部144がx軸方向に弾性変形することによって、枠体110に対してx軸方向に相対変位することができる。
一対のx軸検出電極部122,124及び一対のx軸サーボ電極部132,134の各々は、所謂櫛歯電極部によって構成されている。これら4つの電極部122,124,132,134は共通の構造を有している。したがって、以下では、第1x軸検出電極部122のみを説明する。共通のルールで付された符号の構成要素は、共通の構造及び機能を有する構成要素である。
第1x軸検出電極部122は、複数のx軸可動検出電極122aと、複数のx軸固定検出電極122bと、を有している。複数のx軸可動検出電極122a及び複数のx軸固定検出電極122bの各々は、上側半導体層40の一部によって形成されている。複数のx軸可動検出電極122aの各々は、マス部112から伸びる延長部の側面に固定されている。これにより、複数のx軸可動検出電極122aは、マス部112のx軸方向の変位に追随して変位することができる。複数のx軸固定検出電極122bの各々は、対応するx軸可動検出電極122aに対してx軸方向に対向して配置されているとともに、枠体110に固定されている。複数のx軸固定検出電極122bは、キャップ層50を貫通するシリコン貫通電極(TSV:Thorough Silicon Via)122cを介してキャップ層50の表面に形成された接続電極122dに電気的に接続されている。シリコン貫通電極122cは、貫通孔の側面をSiO等で絶縁し、ドープドシリコン等を貫通孔内に充填することで形成される。キャップ層50の表面はSiO等で絶縁され、接続電極122dとシリコン貫通電極122cは電気的に接続されている。第1x軸検出電極部122の接続電極122dは、第1容量変換回路212の反転接続端子(-)に接続されている(図1参照)。
信号電圧印加部114は、キャップ層50を貫通するシリコン貫通電極(図示省略)を介して、マス部112、各種支持部及び各種電極部等の周囲に配置された上側半導体層40に電気的に接続されており、その上側半導体層40はアンカ部142に連結している。これにより、信号電圧印加部114は、x軸支持部140及びマス部112の上側半導体層40を介して、4つの電極部122,124,132,134の各々の可動電極122a,124a,132a,134aに電気的に接続されている。
加速度センサ11では、枠体110とキャップ層50で囲まれた空間内にマス部112が配置されている。例えば、半導体上層50の接合領域111とキャップ層50は、Si-Si又はSi-SiO直接接合によって接合されており、枠体110とキャップ層50で囲まれた空間は真空である。即ち、加速度センサ11は、WLP(Wafer Level Package)された構造を有している。このため、加速度センサ11は、小型化した状態で高Q値な特性を有することができる。高Q値な特性を有する加速度センサ11は、以下の数式に示すように、気体分子のブラウン運動に起因するホワイトノイズであるメカノイズ(Nmech)が低減され、高精度に加速度を検出することができる。ここで、kはボルツマン定数であり、Tは絶対温度であり、ωは加速度センサ11の共振角周波であり、mはマス部112の質量であり、Qは加速センサ振動Q値である。
Figure 2023047979000008


一般的には、高Q値な特性を有する加速度センサは、加速度印加時にマス部において共振周波数の自由振動が発生し、振幅が減衰するまでの時間が長くなることが知られている。このため、高Q値な特性を有する加速度センサは、応答性が悪くなることが知られている。しかしながら、加速度センサ11は、サーボ制御によってマス部112の変位を抑えているので、このような応答性の悪化を抑えることができる。このように、加速度センサ11は、高Q値で低メカノイズな特性を有しながら、高い応答性を有することができる。
図7に、加速度センサ11の変形例を示す。この例では、マス部112が下側半導体層20と絶縁層30と上側半導体層40の積層基板によって形成されている。この例では、マス部112の質量が大きくなるので、メカノイズがさらに低減される。また、この例の加速度センサ11は、下側半導体層20の裏面に接合される下側キャップ層60を備えている。枠体110と上側キャップ層50と下側キャップ層60によって、マス部112が存在する空間が真空に維持されている。このため、この変形例の加速度センサ11も、高Q値で低メカノイズな特性を有することができる。なお、マス部112が積層基板によって形成される技術は、他の実施例にも適用可能である。
(第2実施例の加速度センサ12)
図8に示す加速度センサ12は、上記した第1実施形態の加速度センサ100を具現化した例である。この加速度センサ12では、マス部112を支持するx軸支持部140がマス部112に囲まれていることを特徴としている。換言すると、マス部112の中心部に形成された中央開口内にx軸支持部140が配置されている。
x軸支持部140では、マス部112に対して1つのアンカ部142のみが設けられている。マス部112は、1つのアンカ部142によって枠体110に対して支持されている。アンカ部142は、マス部112の対称中心となる位置を含むように配置され、加速度センサ12の中心、即ち、センサ構造の対称中心に位置している。また、アンカ部142には、搬送波信号Vinが入力する信号電圧印加部も形成されている。x軸梁部144は、所謂ストレートビームとして構成されており、一端がマス部112に接続されており、他端がアンカ部142に接続されている。x軸梁部144は、y軸方向の伸びる複数のビームで構成されており、x軸方向のばね定数が小さく、y軸及びz軸方向のばね定数が大きい。これにより、x軸支持部140で支持されるマス部112は、x軸梁部144がx軸方向に弾性変形することによって、枠体110に対してx軸方向に相対変位することができる。
この加速度センサ12では、アンカ部142がマス部112の中央の1点で固定されているため、振動のエネルギーロスの1つであるアンカロスが小さくなる。このため、加速度センサ12は、高Q値で低メカノイズな特性を有することができる。
図9に示すように、x軸梁部144が所謂フォールデッドビームとして構成されていてもよい。このようなフォールデッドビームのx軸梁部144は、残留する内部応力による影響を受け難い構造である。このため、この加速度センサ12は、高い信頼性を有することができる。
(第3実施例の加速度センサ13)
図10に示す加速度センサ13は、上記した第1実施形態の加速度センサ100を具現化した例である。特に、この加速度センサ13は、x軸方向の加速度に加えて、y軸方向の加速度も検出可能に構成されている。加速度センサ13は、図5及び図6に示す第1実施例の加速度センサ11の変形例ということもできる。
加速度センサ13は、一対のy軸変位検出電極部322,324と、一対のy軸サーボ電極部332,334と、を有している。一対のy軸変位検出電極部322,324及び一対のy軸サーボ電極部332,334は、配向を除いて、一対のx軸変位検出電極部122,124及び一対のx軸サーボ電極部132,134と同一の構造を有しているので、その説明を省略する。また、加速度センサ13はさらに、マス部112が枠体110に対してy軸方向に変位するのを許容するための4つのy軸支持部340を有している。y軸支持部340も、配向を除いて、x軸支持部140と同一の構造を有しているので、その説明を省略する。加速度センサ13では、一対のx軸変位検出電極部122,124がセンサ構造の中心に対して対称な位置関係で配置されている。同様に、一対のx軸サーボ電極部132,134もセンサ構造の中心に対して対称な位置関係で配置され、一対のy軸変位検出電極部322,324もセンサ構造の中心に対して対称称な位置関係で配置され、一対のy軸サーボ電極部332,334もセンサ構造の中心に対して対称な位置関係で配置されている。
加速度センサ13はさらに、4つのy軸ストレートビーム146と、一対のx軸フレーム148と、4つのx軸ストレートビーム346と、一対のy軸フレーム348と、を有している。
4つのy軸ストレートビーム146の各々は、上側半導体層40の一部によって形成されており、枠体110に対して浮遊している。4つのy軸ストレートビーム146の各々は、x軸方向に沿って伸びており、一端がマス部112に接続されており、他端が対応するx軸フレーム148に接続されている。4つのy軸ストレートビーム146の各々は、y軸方向のばね定数が小さく、x軸及びz軸方向のばね定数が大きい。このため、4つのy軸ストレートビーム146の各々は、y軸方向に弾性変形し易く、x軸及びz軸には弾性変形しにくい。一対のx軸フレーム148の各々は、上側半導体層40の一部によって形成されており、枠体110に対して浮遊している。なお、一対のx軸フレーム148は、マス部112の一部と評価することができる。一対のx軸フレーム148のうちの一方のx軸フレーム148に、第1x軸変位検出電極部122と第1x軸サーボ電極部132と一対のx軸支持部140が配置されており、他方のx軸フレーム148に、第2x軸変位検出電極部124と第2x軸サーボ電極部134と一対のx軸支持部140が配置されている。マス部112がy軸方向に変位すると、4つのy軸支持部340の弾性変形に加え、4つのy軸ストレートビーム146も弾性変形することで、マス部112(及び一対のy軸フレーム348)のy軸方向への変位が許容される。仮に、4つのy軸ストレートビーム146が設けられていないとすると、4つのx軸支持部140によってマス部112のy軸方向への変位が禁止されてしまう。加速度センサ13では、4つのy軸ストレートビーム146が設けられていることにより、4つのx軸支持部140が設けられていても、マス部112のy軸方向の変位を許容することができる。また、マス部112がy軸方向に変位したときに、4つのy軸ストレートビーム146がy軸方向に弾性変形することで、一対のx軸フレーム148のy軸方向への変位が抑えられる。このように、加速度センサ13では、一対のx軸変位検出電極部122,124と一対のx軸サーボ電極部132,134がマス部112のy軸方向の変位から独立している。
4つのx軸ストレートビーム346の各々は、上側半導体層40の一部によって形成されており、枠体110に対して浮遊している。4つのx軸ストレートビーム346の各々は、y軸方向に沿って伸びており、一端がマス部112に接続されており、他端が対応するy軸フレーム348に接続されている。4つのx軸ストレートビーム346の各々は、x軸方向のばね定数が小さく、y軸及びz軸方向のばね定数が大きい。このため、4つのx軸ストレートビーム346の各々は、x軸方向に弾性変形し易く、y軸及びz軸には弾性変形しにくい。一対のy軸フレーム348の各々は、上側半導体層40の一部によって形成されており、枠体110に対して浮遊している。なお、一対のy軸フレーム348は、マス部112の一部と評価することができる。一対のy軸フレーム348のうちの一方のy軸フレーム348に、第1y軸変位検出電極部322と第1y軸サーボ電極部332と一対のy軸支持部340が配置されており、他方のy軸フレーム348に、第2y軸変位検出電極部324と第2y軸サーボ電極部334と一対のy軸支持部340が配置されている。マス部112がx軸方向に変位すると、4つのx軸支持部140の弾性変形に加え、4つのx軸ストレートビーム346も弾性変形することで、マス部112(及び一対のx軸フレーム148)のx軸方向への変位が許容される。仮に、4つのx軸ストレートビーム346が設けられていないとすると、4つのy軸支持部340によってマス部112のx軸方向の変位が禁止されてしまう。加速度センサ13では、4つのx軸ストレートビーム346が設けられていることにより、4つのy軸支持部340が設けられていても、マス部112のx軸方向の変位を許容することができる。また、マス部112がx軸方向に変位したときに、4つのx軸ストレートビーム346がx軸方向に弾性変形することで、一対のy軸フレーム348のx軸方向への変位が抑えられる。このように、加速度センサ13では、一対のy軸変位検出電極部322,324と一対のy軸サーボ電極部332,334がマス部112のx軸方向の変位から独立している。
加速度センサ13に接続される処理回路は、図2に示す処理回路200と対比すると、一対のy軸変位検出電極部322,324に対応してy軸容量変換回路部とy軸同期検波回路が追加され、一対のy軸サーボ電極部332,334に対応してy軸サーボ信号生成回路部が追加されればよい。
加速度センサ13では、1つの信号電圧印加部114のみが設けられている。このように、加速度センサ13では、x軸方向とy軸方向の各々の加速度検出及びサーボ制御に対して異なる搬送波信号を生成する必要がない。加速度センサ13は、簡易な構成とすることができる。
上記したように、加速度センサ13では、4つのy軸ストレートビーム146によって一対のx軸変位検出電極部122,124と一対のx軸サーボ電極部132,134がマス部112のy軸方向の変位から独立しており、同様に、4つのx軸ストレートビーム346によって一対のy軸変位検出電極部322,324と一対のy軸サーボ電極部332,334がマス部112のx軸方向の変位から独立している。このため、加速度センサ13では、他軸への影響が抑えられているので、それぞれの軸方向において、加速度検出及びサーボ制御を高精度に実行することができる。
(第4実施例の加速度センサ14)
図11に示す加速度センサ14は、上記した第1実施形態の加速度センサ100を具現化した例である。特に、この加速度センサ14は、x軸方向の加速度に加えて、y軸方向の加速度も検出可能に構成されている。さらに、この加速度センサ14では、アンカ部118と一対のx軸支持部440と一対のy軸支持部540と各変位検出電極部122,124,322,324と各サーボ電極部132,134,332,334がマス部112に囲まれていることを特徴としている。換言すると、マス部112の中心部に形成された中央開口内に、これらセンサ構造が配置されている。この加速度センサ14では、マス部112に対して1つのアンカ部118のみが設けられている。マス部112は、1つのアンカ部118によって枠体110に対して支持されている。アンカ部118は、マス部112の対称中心となる位置を含むように配置され、加速度センサ14の中心、即ち、センサ構造の対称中心に位置している。アンカ部118には、搬送波信号Vinが入力する信号電圧印加部が形成されている。この例では、一対のx軸支持部440の各々が所謂ストレートビームで構成されており、一対のy軸支持部540の各々も所謂ストレートビームで構成されている。
4つのy軸ストレートビーム146の各々は、x軸方向に沿って伸びており、一端がマス部112に接続されており、他端が対応するx軸フレーム148に接続されている。x軸フレーム148とアンカ部118の間には、x軸支持部440が接続されている。x軸支持部440は、y軸方向に伸びるストレートビームを有しており、x軸方向に弾性変形し易く、y軸及びz軸には弾性変形しにくい。一対のx軸フレーム148のうちの一方のx軸フレーム148に、第1x軸変位検出電極部122と第1x軸サーボ電極部132とx軸支持部440が配置されており、他方のx軸フレーム148に、第2x軸変位検出電極部124と第2x軸サーボ電極部134とx軸支持部440が配置されている。
4つのx軸ストレートビーム346の各々は、y軸方向に沿って伸びており、一端がマス部112に接続されており、他端が対応するy軸フレーム348に接続されている。y軸フレーム348とアンカ部118の間には、y軸支持部540が接続されている。y軸支持部540は、x軸方向に伸びるストレートビームを有しており、y軸方向に弾性変形し易く、x軸及びz軸には弾性変形しにくい。一対のy軸フレーム348のうちの一方のy軸フレーム348に、第1y軸変位検出電極部322と第1y軸サーボ電極部332とy軸支持部540が配置されており、他方のy軸フレーム348に、第2y軸変位検出電極部324と第2y軸サーボ電極部334とy軸支持部540が配置されている。
マス部112がy軸方向に変位すると、4つのy軸支持部540の弾性変形に加え、4つのy軸ストレートビーム146も弾性変形することで、マス部112(及び一対のy軸フレーム348)のy軸方向への変位が許容される。また、マス部112がy軸方向に変位したときに、4つのy軸ストレートビーム146がy軸方向に弾性変形することで、一対のx軸フレーム148のy軸方向への変位が抑えられる。このように、加速度センサ14では、一対のx軸変位検出電極部122,124と一対のx軸サーボ電極部132,134がマス部112のy軸方向の変位から独立している。
マス部112がx軸方向に変位すると、4つのx軸支持部440の弾性変形に加え、4つのx軸ストレートビーム346も弾性変形することで、マス部112(及び一対のx軸フレーム148)のx軸方向への変位が許容される。また、マス部112がx軸方向に変位したときに、4つのx軸ストレートビーム346がx軸方向に弾性変形することで、一対のy軸フレーム348のx軸方向への変位が抑えられる。このように、加速度センサ14では、一対のy軸変位検出電極部322,324と一対のy軸サーボ電極部332,334がマス部112のx軸方向の変位から独立している。
上記したように、加速度センサ14では、4つのy軸ストレートビーム146によって一対のx軸変位検出電極部122,124と一対のx軸サーボ電極部132,134がマス部112のy軸方向の変位から独立しており、同様に、4つのx軸ストレートビーム346によって一対のy軸変位検出電極部322,324と一対のy軸サーボ電極部332,334がマス部112のx軸方向の変位から独立している。このため、加速度センサ14では、他軸への影響が抑えられているので、それぞれの軸方向において、加速度検出及びサーボ制御を高精度に実行することができる。さらに、加速度センサ装置14では、アンカ部118がマス部112の中央の1点で固定されているため、振動のエネルギーロスの1つであるアンカロスが小さくなる。このため、加速度センサ14は、高Q値で低メカノイズな特性を有することができる。
図12に示すように、x軸支持部440とy軸支持部540の各々が所謂フォールデッドビームとして構成されていてもよい。このようなフォールデッドビームのx軸支持部440とy軸支持部540は、残留する内部応力による影響を受け難い構造である。このため、この加速度センサ15は、高い信頼性を有することができる。
(第5実施例の加速度センサ16)
図13及び図14に示す加速度センサ16は、上記した第2実施形態の加速度センサ100を具現化した例である。加速度センサ16は、図5及び図6に示す第1実施例の加速度センサ11の変形例ということもできる。なお、加速度センサ16に適用される技術は、他の実施例にも適用可能である。
この加速度センサ16では、マス部112が第1分割マス部112aと第2分割マス部112bを有しており、第1分割マス部112aと第2分割マス部112bが接続部113を介して接続されている。接続部113は、絶縁層とシリコン層が積層した構造であり、その絶縁層を介して第1分割マス部112aと第2分割マス部112bに接合している。このため、第1分割マス部112aと接続部113の間は絶縁されており、第2分割マス部112bと接続部113の間も絶縁されている。したがって、第1分割マス部112aと第2分割マス部112bは、絶縁分離した状態で接続部113を介して接続されている。第1分割マス部112aには、一対のx軸変位検出電極部122,124が設けられている。第2分割マス部112bには、一対のx軸サーボ電極部132,134が設けられている。
参照電圧印加部114aは、第1分割マス部112aに電気的に接続されており、これにより、一対のx軸変位検出電極部122,124の各々のx軸可動検出電極に電気的に接続されている。オフセット電圧印加部114bは、第2分割マス部112bに電気的に接続されており、これにより、一対のx軸サーボ電極部132,134の各々のx軸可動サーボ電極に電気的に接続されている。
上記したように、このような加速度センサ16では、参照電圧Vrefが入力する第1分割マス部112aとオフセット電圧Vが入力する第2分割マス部112bが絶縁分離されている。このため、参照電圧Vrefが一対のx軸サーボ電極部132,134に伝達されるのが抑えられるので、数式6で示すような不要発生力の発生が抑えられる。マス部112の高精度なサーボ制御が可能となっている。また、第1分割マス部112aには参照電圧Vrefのみが印加されるので、この参照電圧Vrefに起因して発生する静電引力は一対のx軸変位検出電極部122,124の間で釣り合うことができる。このため、マス部112に対して不要な力を作用させることがない。この点でも、マス部112の高精度なサーボ制御が可能となっている。
(第6実施例の加速度センサ17)
図15に示す加速度センサ17は、上記した第2実施形態の加速度センサ100を具現化した例である。加速度センサ17は、図10に示す第3実施例の加速度センサ13の変形例ということもできる。なお、加速度センサ17に適用される技術は、他の実施例にも適用可能である。
この加速度センサ17では、マス部が4つの分割マス部に分割されている。4つの分割マス部のうち参照電圧印加部114aを介して参照電圧Vrefが印加される一対の分割マス部が第1分割マス部112aである。4つの分割マス部のうちオフセット電圧印加部114bを介してオフセット電圧Vが印加される一対の分割マス部が第2分割マス部112bである。これら4つの分割マス部は、絶縁分離した状態で接続部113を介して固定されている。一対のx軸フレーム148の各々も2つに分割されており、これら2つの分割フレームは絶縁分離した状態で接続部149を介して固定されている。同様に、一対のy軸フレーム348の各々も2つに分割されており、これら2つの分割フレームは絶縁分離した状態で接続部349を介して固定されている。
この加速度センサ17では、参照電圧Vrefが入力する第1分割マス部112aとオフセット電圧Vが入力する第2分割マス部112bが絶縁分離されている。このため、参照電圧Vrefが一対のx軸サーボ電極部132,134及び一対のy軸サーボ電極部332,334に伝達されるのが抑えられるので、数式6で示すような不要発生力が発生しない。マス部112の高精度なサーボ制御が可能となっている。また、第1分割マス部112aには参照電圧Vrefのみが印加されるので、この参照電圧Vrefに起因して発生する静電引力は一対のx軸変位検出電極部122,124の間及び一対のy軸変位検出電極部322,324の間で釣り合うことができる。このため、マス部112に対して不要な力を作用させることがない。この点でも、マス部112の高精度なサーボ制御が可能となっている。この加速度センサ17では、2軸が独立した高精度な加速度検知ができる。
上記の実施例では、支持部の構造の一例としてフォールデッドビームが採用されていた。図16に示すように、支持部の構造としてダブルフォールデッドビームが採用されてもよい。ダブルフォールデッドビームは、アンカ部とマス部又はフレームの間で複数回の折り返しを有する構造である。ダブルフォールデッドビームは、梁長さを長くしなくても、ばね定数を小さくすることができる。このため、ダブルフォールデッドビームを有する加速度センサでは、共振周波数が小さくなり、さらにメカノイズを低減することができる。
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成し得るものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
1:加速度センサ装置、 100:加速度センサ、 114:信号電圧印加部、 122:第1x軸検出電極部、 124:第2x軸変位検出電極部、 132:第1x軸サーボ電極部、 134:第2x軸サーボ電極部、 200:処理回路、 210:x軸容量変換回路部、 212:第1容量変換回路、 214:第2容量変換回路、 216:差動回路、 220:搬送波信号生成回路、 230:x軸同期検波回路、 240:x軸サーボ信号生成回路、 242:PID制御器、 244:正負反転回路

Claims (11)

  1. 加速度センサと処理回路を備えた加速度センサ装置であって、
    前記加速度センサは、
    枠体と、
    前記枠体に対して少なくとも第1方向に揺動可能に構成されているマス部と、
    一対の第1変位検出電極部であって、前記一対の第1変位検出電極部の各々が第1可動検出電極と第1固定検出電極を有しており、前記第1可動検出電極と前記第1固定検出電極は前記第1方向に対向しており、前記第1可動検出電極が前記マス部に固定されており、前記第1固定検出電極が前記枠体に固定されており、前記マス部の前記第1方向における変位に対して前記第1可動検出電極と前記第1固定検出電極の電極間距離の変化の正負が前記一対の第1変位検出電極部の間で逆である、一対の第1変位検出電極部と、
    一対の第1サーボ電極部であって、前記一対の第1サーボ電極部の各々が第1可動サーボ電極と第1固定サーボ電極を有しており、前記第1可動サーボ電極と前記第1固定サーボ電極は前記第1方向に対向しており、前記第1可動サーボ電極が前記マス部に固定されており、前記第1固定サーボ電極が前記枠体に固定されており、前記マス部の前記第1方向における変位に対して前記第1可動サーボ電極と前記第1固定サーボ電極の電極間距離の変化の正負が前記一対の第1サーボ電極の間で逆である、一対の第1サーボ電極部と、を有しており、
    前記処理回路は、
    前記マス部に搬送波信号を入力する搬送波信号生成回路であって、前記搬送波信号が直流のオフセット電圧と交流の参照電圧を含む、搬送波信号生成回路と、
    前記一対の第1変位検出電極部の各々の容量変化の差に相当する第1電圧信号を出力する第1容量変換回路部と、
    前記第1電圧信号から前記参照電圧に同期した第1検出信号を検出する第1同期検波回路と、
    前記第1方向における前記マス部の変位を抑制するために、前記第1検出信号に基づいて前記一対の第1サーボ電極部の各々の前記第1固定サーボ電極に第1サーボ信号を入力する第1サーボ信号生成回路であって、前記第1サーボ信号の正負が前記一対の第1固定サーボ電極の間で逆である、第1サーボ信号生成回路と、を有している、加速度センサ装置。
  2. 前記加速度センサはさらに、
    前記マス部を被覆するように前記枠体に固定されているキャップ層、を有しており、
    前記枠体と前記キャップ層で画定される空間内に前記マス部が配置されており、
    前記空間が真空である、請求項1に記載の加速度センサ装置。
  3. 前記加速度センサはさらに、
    前記枠体に固定されているアンカ部と、
    前記マス部と前記アンカ部の間に接続されており、前記第1方向に弾性変形する第1梁部と、を有している、請求項1又は2に記載の加速度センサ装置。
  4. 前記マス部に中央開口が形成されており、
    前記中央開口内に位置する前記マス部の対称中心に1つの前記アンカ部のみが配置されており、
    前記マス部は、前記第1方向に揺動可能となるように前記第1梁部を介して前記アンカ部に接続されている、請求項3に記載の加速度センサ装置。
  5. 前記枠体と前記マス部と前記第1梁部は、下側半導体層と絶縁層と上側半導体層の積層基板によって形成されており、
    前記枠体は、前記下側半導体層と前記絶縁層と前記上側半導体層によって構成されており、
    前記マス部は、前記下側半導体層と前記絶縁層と前記上側半導体層によって構成されており、
    前記第1梁部は、前記上側半導体層によって構成されている、請求項3又は4に記載の加速度センサ装置。
  6. 前記マス部は、第1分割マス部と第2分割マス部を有しており、
    前記第1分割マス部と前記第2分割マス部は絶縁分離した状態で接続されており、
    前記一対の第1変位検出電極部の各々の前記第1可動検出電極が前記第1分割マス部に固定されており、
    前記一対の第1サーボ電極部の各々の前記第1可動サーボ電極が前記第2分割マス部に固定されており、
    前記搬送波信号生成回路は、前記第1分割マス部に前記参照電圧を入力し、前記第2分割マス部に前記オフセット電圧を入力する、請求項1~5のいずれか一項に記載の加速度センサ装置。
  7. 前記加速度センサはさらに、
    一対の第2変位検出電極部であって、前記一対の第2変位検出電極部の各々が第2可動検出電極と第2固定検出電極を有しており、前記第2可動検出電極と前記第2固定検出電極は前記第1方向に直交する第2方向に対向しており、前記第2可動検出電極が前記マス部に固定されており、前記第2固定検出電極が前記枠体に固定されており、前記マス部の前記第2方向における変位に対して前記第2可動検出電極と前記第2固定検出電極の電極間距離の変化の正負が前記一対の第2変位検出電極部の間で逆である、一対の第2変位検出電極部と、
    一対の第2サーボ電極部であって、前記一対の第2サーボ電極部の各々が第2可動サーボ電極と第2固定サーボ電極を有しており、前記第2可動サーボ電極と前記第2固定サーボ電極は前記第2方向に対向しており、前記第2可動サーボ電極が前記マス部に固定されており、前記第2固定サーボ電極が前記枠体に固定されており、前記マス部の前記第2方向における変位に対して前記第2可動サーボ電極と前記第2固定サーボ電極の電極間距離の変化の正負が前記一対の第2サーボ電極部の間で逆である、一対の第2サーボ電極部と、をさらに有しており、
    前記処理回路はさらに、
    前記一対の第2変位検出電極部の各々の容量変化の差に相当する第2電圧信号を出力する第2容量変換回路部と、
    前記第2電圧信号から前記参照電圧に同期した第2検出信号を検出する第2同期検波回路と、
    前記第2方向における前記マス部の変位を抑制するために、前記第2検出信号に基づいて前記一対の第2サーボ電極部の各々の前記第2固定サーボ電極に第2サーボ信号を入力する第2サーボ信号生成回路であって、前記第2サーボ信号の正負が前記一対の第2固定サーボ電極の間で逆である、第2サーボ信号生成回路と、をさらに有している、請求項1又は2に記載の加速度センサ装置。
  8. 前記加速度センサはさらに、
    前記枠体に固定されているアンカ部と、
    前記マス部と前記アンカ部の間に接続されており、前記第1方向に弾性変形する第1梁部と、
    前記マス部と前記アンカ部の間に接続されており、前記第2方向に弾性変形する第2梁部と、をさらに有している、請求項7に記載の加速度センサ装置。
  9. 前記マス部に中央開口が形成されており、
    前記中央開口内に位置する前記マス部の対称中心に1つの前記アンカ部のみが配置されており、
    前記マス部は、前記第1方向に揺動可能となるように前記第1梁部を介して前記アンカ部に接続されているとともに、前記第2方向に揺動可能となるように前記第2梁部を介して前記アンカ部に接続されている、請求項8に記載の加速度センサ装置。
  10. 前記枠体と前記マス部と前記第1梁部と前記第2梁部は、下側半導体層と絶縁層と上側半導体層の積層基板によって形成されており、
    前記枠体は、前記下側半導体層と前記絶縁層と前記上側半導体層によって構成されており、
    前記マス部は、前記下側半導体層と前記絶縁層と前記上側半導体層によって構成されており、
    前記第1梁部は、前記上側半導体層によって構成されており、
    前記第2梁部は、前記上側半導体層によって構成されている、請求項8又は9に記載の加速度センサ装置。
  11. 前記マス部は、第1分割マス部と第2分割マス部を有しており、
    第1分割マス部と第2分割マス部は絶縁分離した状態で接続されており、
    前記一対の第1変位検出電極部の各々の前記第1可動検出電極及び前記一対の第2変位検出電極部の各々の前記第2可動検出電極が前記第1分割マス部に固定されており、
    前記一対の第1サーボ電極部の各々の前記第1可動サーボ電極及び前記一対の第2サーボ電極部の各々の前記第2可動サーボ電極が前記第2分割マス部に固定されており、
    前記搬送波信号生成回路は、前記第1分割マス部に前記参照電圧を入力し、前記第2分割マス部にオフセット電圧を入力する、請求項7~10のいずれか一項に記載の加速度センサ装置。
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