JP2023047595A - 硬化性組成物、ウレタン樹脂組成物、放熱材、及び物品 - Google Patents

硬化性組成物、ウレタン樹脂組成物、放熱材、及び物品 Download PDF

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俊介 池田
Shunsuke Ikeda
謙太 能勢
Kenta Nose
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Abstract

【課題】基材に対して優れた密着性を有し、経時的な密着性の低下のない熱伝導性ウレタン樹脂組成物を提供する。【解決手段】ポリオール(A)と、ポリイソシアネート(B)と、下記一般式(1)で表されるリン酸エステル(C1)と、無機充填剤(E)と、可塑剤(F)とを含有し、下記(1)~(5)を満たす硬化性組成物を用いる。(1)ポリオール(A)が水素添加ポリブタジエンポリオールを含む。(2)水素添加ポリブタジエンポリオールを硬化性組成物の合計重量に基づいて2~7重量%含有する。(3)無機充填剤(E)を硬化性組成物の合計重量に基づいて83~93重量%含有する。(4)リン酸エステル(C1)を無機充填剤(E)の合計重量に基づいて0.1~3重量%含有する。(5)可塑剤(F)を硬化性組成物の合計重量に基づいて1~5重量%含有する。【選択図】なし

Description

本発明は硬化性組成物、前記硬化性組成物を硬化してなるウレタン樹脂組成物、前記ウレタン樹脂組成物を含む放熱材、前記放熱材と発熱体とを備える物品に関する。
電子部品等が出す熱を外部に発散(放熱)する方法として、発熱体の形状に追従して密着できる柔軟性を有する熱伝導性樹脂を発熱体やその筐体に接着し熱伝導層を設ける方法が知られている。
熱伝導性と発熱体への密着性とを有する熱伝導性樹脂として、ポリブタジエンポリオールを含む水酸基含有化合物と特定のポリイソシアネート化合物と可塑剤と無機充填剤とを含むポリウレタン樹脂組成物が知られている(特許文献1参照)。
しかしながら、特許文献1に記載のポリウレタン樹脂組成物は、密着性を維持するため必要な柔軟性を得るために用いる可塑剤の量が多く、使用中にポリウレタン樹脂組成物から徐々に可塑剤がブリードアウトして柔軟性がなくなり、経時的に被着体に対する密着性が低下するという課題があった。
特開2017-101195号公報
本発明の課題は、基材に対して優れた密着性を有し、経時的な密着性の低下のない熱伝導性ウレタン樹脂組成物を提供することにある。
本発明者らは、上記の課題を解決すべく鋭意検討した結果、本発明に到達した。即ち本発明は、ポリオール(A)と、ポリイソシアネート(B)と、下記一般式(1)で表されるリン酸エステル(C)と、無機充填剤(E)と、可塑剤(F)とを含有し、下記(1)~(5)を満たす硬化性組成物、前記硬化性組成物を硬化してなるウレタン樹脂組成物、前記ウレタン樹脂組成物を含む放熱材、及び前記放熱材と発熱体とを備え、放熱材の少なくとも一部が発熱体と接触するように配置されている物品である。
(1)ポリオール(A)が水素添加ポリブタジエンポリオールを含む。
(2)水素添加ポリブタジエンポリオールを硬化性組成物の合計重量に基づいて2~7重量%含有する。
(3)無機充填剤(E)を硬化性組成物の重量に基づいて83~93重量%含有する。
(4)リン酸エステル(C)を無機充填剤(E)の合計重量に基づいて0.1~3重量%含有する。
(5)可塑剤(F)を硬化性組成物の合計重量に基づいて1~5重量%含有する。
Figure 2023047595000001
[一般式(1)中、Rは、水素原子、炭素数2~18のアルキル基、又は炭素数2~18のアルケニル基であり、AOは炭素数2~3のアルキレンオキシ基であり、nは3~15の整数であり、Rは、水素原子又は下記一般式(2)で表される基である。]
-(AO)mR (2)
(Rは、水素原子、炭素数2~18のアルキル基、又は炭素数2~18のアルケニル基であり、AOは炭素数2~3のアルキレンオキシ基であり、mは3~15の整数である。)
本発明によれば、基材に対して優れた密着性を有し、経時的な密着性の低下のないウレタン樹脂組成物及び放熱材を提供することができる。
[1.硬化性組成物]
本発明の硬化性組成物は、ポリオール(A)と、ポリイソシアネート(B)と、リン酸エステル(C)と、無機充填剤(E)と、可塑剤(F)とを含有する。
ポリオール(A)は、水素添加ポリブタジエンポリオールを必須成分として含む。
水素添加ポリブタジエンポリオールとは、水素添加ポリブタジエンに少なくとも2個の水酸基が結合した化合物であり、両末端水酸基導入ポリブタジエンが有する不飽和結合に対して水素原子を付加する等の公知の方法で得ることができる。
水素添加ポリブタジエンポリオールが有する水酸基の数、及び水素添加ポリブタジエンポリオールが有する水酸基の結合位置には制限はないが、ポリウレタン樹脂組成物の柔軟性等の観点から2個の水酸基が両末端に結合した水素添加ポリブタジエンジオールが好ましい
水素添加ポリブタジエンポリオールの数平均分子量(以下、Mnと略記する場合がある)は1000~2000が好ましく、更に好ましくは1250~1750である。この範囲であるとハンドリング性が良好となり好ましい。
水素添加ポリブタジエンポリオールの数平均分子量は、下記の条件によるゲルパーミエーションクロマトグラフィー(以下、GPCと略記する場合がある)により測定される。
<ゲルパーミエーションクロマトグラフィーの条件>
装置本体:HLC-8420(東ソー(株)製)
カラム:東ソー(株)製TSKgel Super H4000、H3000、H2000
検出器:RI(Refractive Index)
溶離液:THF
溶離液流量:0.6ml/分
カラム温度:40℃
試料濃度:0.25重量%
注入量:10μl
標準物質:東ソー(株)製TSK STANDARD POLYSTYRENE
データ処理ソフト:EcoSEC Elite-WS解析(東ソー(株)製)
水素添加ポリブタジエンポリオールの水酸基価は50(mgKOH/g)~120(mgKOH/g)が好ましく、更に好ましくは60(mgKOH/g)~90(mgKOH/g)である。この範囲であると硬化性が良好となり好ましい。水素添加ポリブタジエンポリオールの水酸基価は、JISK0070-1992により測定される。
水素添加ポリブタジエンポリオールのヨウ素価は60(Ig/100g)以下が好ましく、更に好ましくは30(Ig/100g)以下である。この範囲であると酸化に対する安定性が良好となり好ましい。水素添加ポリブタジエンポリオールのヨウ素価は、JISK0070-1992により測定される。
水素添加ポリブタジエンポリオールは市場から入手できるものを使用することができ、日本曹達株式会社製の商品名「NISSO-PB GI-1000」、「NISSO-PB GI-2000」、及び「NISSO-PB GI-3000」、並びにCRAYVALLEY社製の商品名「Krasol HLBH-P2000」、及び「Krasol HLBH-P3000」等が入手可能である。
ポリオール(A)は、前記水素添加ポリブタジエンポリオール以外のポリオール[以下、他のポリオールと記載する]を含んでも良い。
前記他のポリオールとしては、化学式量又は数平均分子量が1000以下のポリオキシアルキレングリコール(a11)、脂肪族ジオール(a21)、3価以上の脂肪族ポリオール(a22)、前記脂肪族ジオール(a21)のAO付加物であって化学式量又は数平均分子量が1000を超えるAO付加物(a23)、前記脂肪族ポリオール(a22)のAO付加物(a24)、脂環式ポリオール(a25)、前記脂環式ポリオール(a25)のAO付加物(a26)、2価以上のフェノールのAO付加物(a27)、ポリエステルポリオール(a28)、ポリブタジエンポリオール(a29)、及びポリカーボネートポリオール(a30)等が挙げられる。
なお、他のポリオールを化学式で記載できない場合には、その数平均分子量は、前記の水素添加ポリブタジエンポリオールの数平均分子量と同様の方法で測定する。
また、AO付加物は、炭素数2~4のアルキレンオキサイドが付加した化合物を意味する。
ポリオキシアルキレングリコール(a11)としては、炭素数2~20の脂肪族ジオールに炭素数2~4のアルキレンオキサイドを化学式量又は数平均分子量が1000以下となるように付加したジオールがあげられる。
炭素数2~20の脂肪族ジオールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3-又は1,4-ブタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、及びネオペンチルグリコール等があげられ、好ましくはエチレングリコール、及びプロピレングリコール、更に好ましくはエチレングリコールである。
炭素数2~4のアルキレンオキサイド(以下、AOと記載する場合がある)としては、エチレンオキサイド、1,2-又は1,3-プロピレンオキサイド、及び1,2-、1,3-、1,4-又は2,3-ブチレンオキサイド等があげられ、好ましくはエチレンオキサイド、及び1,2-又は1,3-プロピレンオキサイド、更に好ましくは1,2-又は1,3-プロピレンオキサイドである。これらのAOは2種以上を併用してもよく、2種以上の併用の場合のAOの結合様式には制限はなく、ブロック付加、ランダム付加及びこれらの併用のいずれでもよい。
ポリオキシアルキレングリコール(a11)としては、サンニックスPP-200[Mn=200のポリプロピレングリコール、三洋化成工業(株)製]、サンニックスPP-400[Mn=400のポリプロピレングリコール、三洋化成工業(株)製]、サンニックスPP-600[Mn=600のポリプロピレングリコール、三洋化成工業(株)製]、及びサンニックスPP-950[Mn=950のポリプロピレングリコール、三洋化成工業(株)製]等を用いることができる。
脂肪族ジオール(a21)としては、炭素数2~20の脂肪族ジオールがあげられ、好ましくは2~10、更に好ましくは7~10である。
3価以上の脂肪族ポリオール(a22)としては、炭素数3~20の脂肪族ポリオールのうち3価以上のアルコールがあげられ、グリセリン、及びペンタエリスリトール等があげられ、好ましくはグリセリンである。
脂肪族ジオール(a21)のAO付加物(a23)としては、化学式量又は数平均分子量が1000を超えるように、前記脂肪族ジオール(a21)にAOを付加したものがあげられる。
AOとしては、ポリアルキレングリコール(a11)の説明において例示した炭素数2~4のアルキレンオキサイドを用いることができ、好ましいものも同じである。
脂肪族ジオール(a21)のAO付加物(a23)としては、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、及びポリテトラメチレングリコール等があげられ、なかでも好ましくはポリプロピレングリコール、及びポリテトラメチレングリコール、更に好ましくはポリプロピレングリコールである。
3価以上の脂肪族ポリオール(a22)のAO付加物(a24)としては、前記の脂肪族ポリオール(a22)にAOを付加した化合物等があげられる。
AOとしては、ポリアルキレングリコール(a11)の説明において例示した炭素数2~4のアルキレンオキサイドと同じものを用いることができ、好ましいものも同じである。
脂肪族ポリオール(a22)のAO付加物(a24)としては、グリセリンのAO付加物(ポリオキシエチレングリセリルエーテル、ポリオキシプロピレングリセリルエーテル、及びポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリセリルエーテル等)、及びペンタエリスリトールのAO付加物などがあげられる。これらのうち、好ましくはポリオキシプロピレングリセリルエーテル、及びポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリセリルエーテルである。
脂肪族ポリオールのAO付加物(a24)としては、市場から入手できるものを使用することができ、サンニックスGP-1000[Mn=1000のポリオキシプロピレングリセリルエーテル、三洋化成工業(株)製]等を用いることが出来る。
脂環式ポリオール(a25)としては、炭素数4~16の脂環式ポリオール(1,4-シクロヘキサンジオール、1,4-シクロヘキサンジメタノール及び水素添加ビスフェノールA)等が挙げられる。
脂環式ポリオール(a25)のAO付加物(a26)としては、前記脂環式ポリオール(a25)にAOを付加した化合物が挙げられる。
AOとしては、ポリアルキレングリコール(a11)の説明において例示したものと同じものを用いることができ、好ましいものも同じである。
2価以上のフェノールのAO付加物(a27)における2価以上のフェノールとしては、炭素数6~16の多価フェノール(ビスフェノールA、ビスフェノールS、クレゾール及びヒドロキノン等)等が挙げられる。2価以上のフェノールのAO付加物(a27)としては、前記の2価以上のフェノールにAOを付加した化合物等が挙げられる。
AOとしては、ポリアルキレングリコール(a11)の説明において例示したものと同じものを用いることができ、好ましいものも同じである。
ポリエステルポリオール(a28)としては、ポリオール[前記のポリアルキレングリコール(a11)、脂肪族ジオール(a21)、脂肪族ポリオール(a22)、脂肪族ジオール(a21)のAO付加物(a23)、脂肪族ポリオール(a22)のAO付加物(a24)、脂環式ポリオール(a25)、脂環式ポリオール(a5)のAO付加物(a26)、及び2価以上のフェノールのAO付加物(a27)等]と、ポリカルボン酸との縮合物等が挙げられる。
ポリエステルポリオール(a28)を構成するポリカルボン酸としては、炭素数2~20の鎖状脂肪族ポリカルボン酸(シュウ酸、マロン酸、ジプロピルマロン酸、コハク酸、2,2-ジメチルコハク酸、グルタル酸、2-メチルグルタル酸、2,2-ジメチルグルタル酸、2,4-ジメチルグルタル酸、3-メチルグルタル酸、3,3-ジメチルグルタル酸、3-エチル-3-メチルグルタル酸、アジピン酸、3-メチルアジピン酸、ピメリン酸、2,2,6,6-テトラメチルピメリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸、ペンタデカン二酸、テトラデカン二酸、ヘプタデカン二酸、オクタデカン二酸、ノナデカン二酸及びエイコサン二酸等)、炭素数5~20の脂環式ポリカルボン酸(シクロプロパンジカルボン酸、1,4-シクロヘキサンジカルボン酸、シクロヘキセンジカルボン酸、ジシクロヘキシル-4,4’-ジカルボン酸及びショウノウ酸)、及び炭素数8~20の芳香族ポリカルボン酸(テレフタル酸、イソフタル酸、2-メチルテレフタル酸、4,4-スチルベンジカルボン酸、ナフタレンジカルボン酸、4,4-ビフェニルジカルボン酸、オルトフタル酸及びジフェニルエーテルジカルボン酸等)等が挙げられる。
ポリエステルポリオール(a28)は、クラレポリオールP-2010[(株)クラレ製]等として、市場から入手することができる。
ポリブタジエンポリオール(a29)としては、「NISSO-PB G-1000」、「NISSO-PB G-2000」及び「NISSO-PB G-3000」[日本曹達(株)製]等として、市場から入手したものを用いることができる。
ポリカーボネートポリオール(a30)としては、ポリオールとホスゲンとの反応物等が挙げられ、クラレポリオールC-590、及びクラレポリオールC2090[(株)クラレ製]等として、市場から入手したものを用いることができる。
硬化性組成物の成形性等の観点から、他のポリオールとしては、ポリアルキレングリコール(a11)、脂肪族ジオール(a21)、脂肪族ポリオール(a-22)、脂肪族ジオール(a21)のAO付加物(a23)、脂肪族ポリオール(a22)のAO付加物(a24)、ポリカーボネートポリオール(a30)が好ましく、1種を単独で用いても、2種以上を併用しても良い。
本発明の硬化性組成物において、ポリオール(A)に含まれる水素添加ポリブタジエンポリオールの重量割合は、水素添加ポリブタジエンポリオールと他のポリオールとの合計重量に基づいて50~100重量%であることが好ましく、更に好ましくは80~100重量%である。この範囲であると特にポリプロピレン等の非極性の表面を有する基材への密着性が更に良好となり好ましい。
本発明の硬化性組成物は、ポリイソシアネート(B)を含有する。
ポリイソシアネート(B)としては、鎖状脂肪族ポリイソシアネート、脂環式ポリイソシアネート、芳香族ポリイソシアネート、及び、これらのポリイソシアネートのイソシアヌレート体等が挙げられる。
鎖状脂肪族ポリイソシアネートとしては、炭素数4~20の鎖状脂肪族ポリイソシアネート等が挙げられ、エチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、2,2,4-トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、及びリジンジイソシアネート等が挙げられる。
脂環式ポリイソシアネートとしては、炭素数6~17の脂環式ポリイソシアネート等が挙げられ、イソホロンジイソシアネート、4,4-ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、シクロヘキシレンジイソシアネート、メチルシクロヘキシレンジイソシアネート、ビス(2-イソシアナトエチル)-4-シクロヘキセン-1,2-ジカルボキシレート、及び2,5-又は2,6-ノルボルナンジイソシネート等が挙げられる。
芳香族ポリイソシアネートとしては、炭素数8~22の芳香族ポリイソシアネート等が挙げられ、1,3-又は1,4-フェニレンジイソシアネート、2,4-又は2,6-トリレンジイソシアネート、4,4’-又は2,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート、m-又はp-イソシアナトフェニルスルホニルイソシアネート、4,4’-ジイソシアナトビフェニル、3,3’-ジメチル-4,4’-ジイソシアナトビフェニル、3,3’-ジメチル-4,4’-ジイソシアナトジフェニルメタン、1,5-ナフチレンジイソシアネート、m-又はp-イソシアナトフェニルスルホニルイソシアネート、m-又はp-キシリレンジイソシアネート、及びα,α,α’,α’-テトラメチルキシリレンジイソシアネート等が挙げられる。
ポリイソシアネートのイソシアヌレート体としては、ポリイソシアネート(前記鎖状脂肪族ポリイソシアネート、脂環式ポリイソシアネート及び芳香族ポリイソシアネート等)の3量体が挙げられる。
前記のイソシアヌレート体は、TLA-100[旭化成(株)]等が市場から入手することができる。
ポリイソシアネート(B)のうち、硬化性組成物の成形性等の観点から、鎖状脂肪族ポリイソシアネート、脂環式ポリイソシアネート、鎖状脂肪族ポリイソシアネートのイソシアヌレート体及び脂環式ポリイソシアネートのイソシアヌレート体が好ましい。
ポリイソシアネート(B)は、1種を単独で用いても、2種以上を併用しても良い。
本発明の硬化性組成物は、下記一般式(1)で表されるリン酸エステル(C)を含有する。
Figure 2023047595000002
一般式(1)中、Rは、水素原子、炭素数2~18のアルキル基、又は炭素数2~18のアルケニル基である。Rは、直鎖アルキル基であっても分岐を有するアルキル基であってもよく、直鎖アルキル基であることが好ましい。
なかでも、硬化性組成物の硬化物の機械的強度及び無機充填剤の分散性等観点から、炭素数2~18のアルキル基が好ましく、炭素数2~18の直鎖アルキル基がさらに好ましい。
炭素数2~18のアルキル基としては、それぞれ直鎖又は分岐を有するプロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基及びオクタデシル基、並びにエチル基等が挙げられる。
炭素数2~18のアルケニル基としては、それぞれ直鎖又は分岐を有するプロペニル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基、ヘプテニル基、オクテニル基、ノネニル基、デセニル基、ウンデセニル基、ドデセニル基、トリデセニル基、テトラデセニル基,ペンタデセニル基、ヘキサデセニル基、ヘプタデセニル基、及びオクタデセニル基等、並びにエテニル基等が挙げられる。
また、アルケニル基が有する二重結合の数に制限はない。
一般式(1)において、AOは炭素数2~3のアルキレンオキシ基であり、エチレンオキシ基、及びプロピレンオキシ基が挙げられる。
これらのうち、分散性の観点から、好ましいのはエチレンオキシ基である。
一般式(1)において、AO単位の繰り返し数であるnは3~15の整数であり、無機充填剤の分散性及び硬化物の機械的強度等の観点から、好ましくは3~13、さらに好ましくは4~11である。
一般式(1)においてRは、水素原子又は下記一般式(2)で表される基である。
-(AO)mR (2)
一般式(2)においてRは、水素原子、炭素数2~18のアルキル基、又は炭素数2~18のアルケニル基であり、AOは炭素数2~3のアルキレンオキシ基であり、mは3~15の整数である。
一般式(2)においてRで表される、炭素数2~18のアルキル基、又は炭素数2~18のアルケニル基としては、一般式(1)におけるRと同様のものを挙げることができ、好ましいものも同様である。
一般式(2)において、AOで表される炭素数2~3のアルキレンオキシ基としては、一般式(1)におけるAOと同様のものをあげることができ、好ましいものも同様である。
一般式(2)において、AO単位の繰り返し数であるmは3~15の整数であり、無機充填剤の分散性及び硬化物の機械的強度等の観点から、好ましくは3~13、さらに好ましくは4~11である。
一般式(1)において、Rが一般式(2)で表される基である場合、RとRは同一であっても異なっていてよく、nとmは同一であっても異なっていてもよい。
一般式(1)で示されるリン酸エステル(C)としては、Rの異なるものを2種以上併用してもよいし、モノエステル(RがHであるリン酸エステル)とジエステル(Rが一般式(2)で表される基であるリン酸エステル)とを併用してもよい。
一般式(1)で示されるリン酸エステル(C)の塩(ナトリウム、カリウム、及び、マグネシウム等の金属塩、アンモニウム塩等)を用いてもよい。
一般式(1)で表されるリン酸エステル(C)として好ましいものとしては、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルリン酸エステル、アルキルリン酸エステル等があげられ、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルリン酸エステルが更に好ましく、ポリオキシエチレンオレイルエーテルリン酸エステルが特に好ましい。
一般式(1)で表されるリン酸エステル(C)は、ポリエーテルと酸化リンとを公知の方法でエステル化することによって得ることができる。
エステル化によって得られるリン酸エステルは、Rが水素原子であるモノエステルとRが一般式(2)であらわされる基であるジエステルとの混合物として得られる。
本願発明の硬化性組成物が含有するリン酸エステルとしては、モノエステルとジエステルとの混合物を公知の方法で精製分離して得られるモノエステル又はジエステルの一方だけを用いてもよく、モノエステルとジエステルの混合物のまま用いても良い。
一般式(1)で表されるリン酸エステル(C)は、ディスパロン DA-375[楠本化成(株)製]、プライサーフA208N[第一工業製薬(株)製]、フォスファノールRL-210[東邦化学工業(株)製、R及びRがC1837であり、モノエステルとジエステルの混合物であり、nとmがそれぞれ2である]、フォスファノールRS-710[R及びRが炭素数12~15の範囲に分布を有するアルキル基であり、モノエステルとジエステルの混合物であり、n及びmがそれぞれ9である]、及びフォスファノールRS-410[R及びRが炭素数12~15の範囲に分布を有するアルキル基、モノエステルとジエステルとの混合物であり、n及びmがそれぞれ3である]等として市場から入手することができる。
本発明の硬化性組成物は、無機充填剤(E)を含有する。
無機充填剤(E)としては、金属(金、銀、銅、アルミニウム及びこれらを含む合金等)、金属酸化物(酸化チタン、アルミナ、シリカ、及び酸化マグネシウム等)、金属窒化物(窒化アルミニウム、窒化ホウ素、及び窒化ケイ素等)、金属水酸化物(水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、及び水酸化カルシウム等)、金属炭酸塩(炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、及びハイドロタルサイト等)、ケイ酸塩(タルク、クレー、マイカ、及びガラス等)、金属(亜)硫酸塩(硫酸バリウム、硫酸カルシウム、及び亜硫酸カルシウム等)、及び金属ホウ酸塩(ホウ酸亜鉛、メタホウ酸バリウム、ホウ酸アルミニウム、ホウ酸カルシウム、及びホウ酸ナトリウム等)等があげられる。
なかでも、無機充填剤(E)としては、金属(金、銀、銅、アルミニウム及びこれらを含む合金等)、金属酸化物(酸化チタン、アルミナ、シリカ、及び酸化マグネシウム等)、金属窒化物(窒化アルミニウム、窒化ホウ素、及び窒化ケイ素等)、金属水酸化物(水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、及び水酸化カルシウム等)、及び金属炭酸塩(炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、及びハイドロタルサイト等)が好ましく、金属酸化物がさらに好ましく、酸化マグネシウム及びアルミナが特に好ましい。これらは熱伝導率が高く、硬化物の放熱性が良好となり好ましい。
無機充填剤(E)としては、一種のみを用いてもよいし二種以上を組み合わせて用いてもよい。
無機充填剤(E)の形状は特に制限はなく、繊維状、粒子状のものが好ましく使用できる。粒子状のものとしては、球状粒子、板状粒子、針状粒子又は不定形粒子(破砕処理等により得られる粒子)等が好ましく使用できる。
成形性等の観点から、無機充填剤(E)の形状として好ましいのは球状粒子である。
無機充填剤(E)が粒子状である場合、無機充填剤(E)の体積平均粒子径(体積基準での粒度分布曲線において積算粒子量が50%となる粒子径)は、成形性に優れるという等の観点から、好ましくは0.01~200μmであり、更に好ましくは0.1~150μmである。
粒子状の無機充填剤(E)の体積平均粒子径は、レーザー回折式粒度分布測定装置[島津製作所製SALD-2000A等]を用いて、測定することができる。
無機充填剤(E)としては、硬化性組成物の硬化物の放熱性及び機械的強度等の観点から、体積基準での粒度分布曲線において、少なくとも2つのピークを有する粒度分布を有することが好ましく、1~10μmと10~100μmとにピークを有する粒度分布であることが更に好ましい。
無機充填剤(E)の粒度分布を、少なくとも2つのピークを有する粒度分布を有する方法としては、体積平均粒子径を有する二種以上の粒子状無機充填剤を用いることが好ましい。
異なる体積平均粒子径を有する二種以上の粒子状無機充填剤を用いる場合、体積平均粒子径が1~10μmの粒子状無機充填剤(Ea)と体積平均粒子径が10~100μmの粒子状無機充填剤(Eb)とを含むことが好ましい。
無機充填剤(Ea)と無機充填剤(Eb)とは、無機充填剤(Ea)の重量と無機充填剤(Eb)の重量との比(Ea:Eb)が10:90~90:10であることが好ましく、更に好ましくは20:80~40:60である。
この範囲であると、放熱性と成形性が更に良好となり好ましい。
また、二種以上の無機充填剤のいずれかが体積平均粒子径が1μm未満の粒子状無機充填剤であることが好ましい。
体積平均粒子径が1μm未満の粒子状無機充填剤(Ec)を併用することも好ましく、体積平均粒子径が1μm未満の粒子状無機充填剤(Ec)は無機充填剤(E)の合計重量に基づいて5~15重量%含むことが好ましく、5~10重量%含むことが更に好ましい。
本発明の硬化性組成物は、可塑剤(F)を含む。
本発明の硬化性組成物が含有する可塑剤(F)としては、炭化水素、脂肪族又は芳香族ポリカルボン酸のエステル[芳香族ポリカルボン酸とアルコールとのエステル(フタル酸エステル、及びトリメリット酸エステル等)、及び脂肪族二塩基酸とアルコールとのエステル(アジピン酸エステル、及びセバチン酸エステル等)等]、脂肪酸、不飽和脂肪酸の水素添加物、脂肪酸エステル、及びリン酸トリエステル等が挙げられる。
炭化水素としては、鉱物油、液状ポリブタジエン、液状ポリイソブチレン、液状ポリイソプレン、流動パラフィン、塩素化パラフィン、パラフィンワックス、エチレン及び/又はプロピレントとα-オレフィン(炭素数4~20)との共重合オリゴマー等があげられる。
フタル酸エステルとしては、ジエチルフタレート、ジブチルフタレート、ジ-2-エチルヘキシルフタレート、ジデシルフタレート、ジラウリルフタレート、ジステアリルフタレート、ジイソノニルフタレート及びテレフタル酸ビス(2-エチルヘキシル)等があげられる。
トリメリット酸トリエステルとしては、トリメリット酸トリブチル、トリメリット酸トリス(2-エチルヘキシル)及びトリメリット酸トリオクチル等があげられる。
アジピン酸エステルとしては、ジイソノニルアジペート、ジ(2-エチルヘキシル)アジペート、ジオクチルアジペート及びアジピン酸ビス(2-ブトキシエチル)等があげられる。
セバチン酸エステルとしては、セバシン酸ビス(2-エチルヘキシル)及びジオクチルセバケート等があげられる。
脂肪酸としては、リノール酸及びリノレン酸等があげられ、動植物油からの抽出物であっても合成油であってもよい。また、脂肪酸のうち、不飽和脂肪酸の不飽和結合に水素原子を付加した不飽和脂肪酸の水素添加物を可塑剤として用いることができる。
脂肪酸エステルとしては、ステアリン酸ブチル、パルミチン酸2-エチルヘキシル、ステアリン酸2-エチルヘキシル、べへン酸モノグリセライド、2-エチルヘキサン酸セチル、パルミチン酸イソプロピル、イソステアリン酸コレステリル、ヤシ脂肪酸メチル、ラウリン酸メチル、オレイン酸メチル、ステアリン酸メチル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、ミリスチン酸ミリスチル、ステアリン酸ステアリル、ステアリン酸イソトリデシル、2-エチルヘキサン酸トリグリセライド、ラウリン酸ブチル、及びオレイン酸オクチル等があげられる。
リン酸トリエステルとしては、リン酸トリクレジル、リン酸トリメチル、リン酸トリス(2-エチルヘキシル)、及び2-エチルヘキシルジフェニルホスフェート等があげられる。
本発明の硬化性組成物において、可塑剤(F)は1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。
可塑剤(F)としては、密着性等の観点から、脂肪族又は芳香族ポリカルボン酸のエステルが好ましく、脂肪族二塩基酸とアルコールとのエステルが更に好ましく、アジピン酸エステルが特に好ましく、ジイソノニルアジペートが最も好ましい。
本発明の硬化性組成物は、更にショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル及びグリセリン脂肪酸エステルからなる群から選ばれる少なくとも一種のノニオン性界面活性剤(D)を含んでもよい。
ショ糖脂肪酸エステルとしては、ショ糖と炭素数8~22の脂肪酸とのエステルがあげられ、ショ糖ステアリン酸エステル[第一工業製薬社製のDKエステルF-50(HLB=6)、F-70(HLB=8)及びF-110(HLB=11)等、三菱化学フーズ(株)製のリョートーシュガーエステルS-770(HLB=約7)、S-970(HLB=約9)、S-1170(HLB=約11)及びS-1170F(HLB=約11)等]等が挙げられる。
ソルビタン脂肪酸エステルとしては、ソルビタンと炭素数8~22の脂肪酸とのモノ~トリエステルがあげられ、ソルビタンパルミテート[花王(株)製のレオドールSP-P10(HLB=6.7)、及び理研ビタミン社製のリケマールP-300(HLB=5.6)等]、及びソルビタンオレイン酸エステル[三洋化成工業(株)製のイオネットS-80T及びイオネットT-60V等]等があげられる。
グリセリン脂肪酸エステルとしては、(ポリ)グリセリンの重合物(重合度2~20)と炭素数8~22の脂肪酸とのモノ~トリエステルがあげられ、ジグリセリンモノラウレート[理研ビタミン(株)製のポエムDL-100(HLB=9.4)等]、ジグリセリンモノミリステート[理研ビタミン(株)製のポエムDM-100(HLB=8.7)等]、ジグリセリンモノステアレート[理研ビタミン(株)製のポエムDS-100A(HLB=7.7)等]、ジグリセリンモノオレート[理研ビタミン(株)製のポエムDO-100V(HLB=7.3)、及びリケマールDO-100(HLB=7.4)等]、及びデカグリセリンステアレート[理研ビタミン(株)製のポエムJ-0081HV(HLB=12)、及びポエムJ-0381V(HLB=12)等]等が挙げられる。
ノニオン性界面活性剤(D)としては、ソルビタン脂肪酸エステルが好ましく、ソルビタンオレイン酸エステルが更に好ましい。
本発明の硬化性組成物は、リン酸エステル(C)及びノニオン性界面活性剤(D)以外の界面活性剤(G)、ウレタン化触媒(H)、及びウレタン樹脂に用いられる公知の添加剤(特開2018-076537号公報等に記載の酸化防止剤及び紫外線吸収剤、ならびに特開2004-76008号公報等に記載の脱水剤等)をさらに含有しても良い。
界面活性剤(G)としては、ポリオキシアルキレン型ノニオン性界面活性剤(G1)、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル及びグリセリン脂肪酸エステル以外のエステル型ノニオン性界面活性剤(G2)、リン酸エステル(C)以外のアニオン性界面活性剤(G3)、及びカチオン性界面活性剤(G4)を好ましく用いることができる。
ポリオキシアルキレン型ノニオン性界面活性剤(G1)としては、脂肪族アルコール(炭素数4~30)、アルキル(炭素数1~30)フェノール、脂肪族(炭素数4~30)アミン又は脂肪族(炭素数4~30)アミドのAO付加物(好ましい付加モルが1~30)等が挙げられる。
ポリオキシアルキレン型ノニオン性界面活性剤(G1)を構成する脂肪族アルコールとしては、n-ブタノール、イソブチルアルコール、t-ブタノール、2-ブタノール及びドデカノール等が好ましく、アルキルフェノールとしては、フェノール、メチルフェノール及びノニルフェノール等が好ましく、脂肪族アミンとしては、ラウリルアミン及びメチルステアリルアミン等が好ましく、脂肪族アミドとしては、ステアリン酸アミド等が好ましい。
エステル型ノニオン性界面活性剤(G2)としては、炭素数4~30の脂肪酸(ラウリン酸、ステアリン酸及びオレイン酸等)と、ショ糖、ソルビトール及びグリセリンを除く多価アルコールとのエステル化合物等が挙げられる。
アニオン性界面活性剤(G3)としては、カルボン酸塩型、硫酸エステル型及びスルホン酸塩型があげられる。
カルボン酸塩型としては、炭素数4~30の上記脂肪酸のアルカリ金属塩、及びポリオキシアルキレンアルキルエーテルカルボン酸のアルカリ金属塩等があげられる。
硫酸エステル型としては、炭素数4~30の前記脂肪族アルコール又は脂肪族アルコールのAO付加物の硫酸エステルアルカリ金属塩等があげられる。
スルホン酸塩型としては、アルキルフェノールのスルホン酸アルカリ金属)塩等があげられる。
カチオン性界面活性剤(G4)としては、1~3級アミン塩型及び4級アンモニウム塩型等があげられる。
1~3級アミン塩型としては、炭素数4~30の脂肪族アミン[1級(ラウリルアミン等)、2級(ジブチルアミン等)及び3級アミン(ジメチルステアリルアミン等)等]塩酸塩、トリエタノールアミンと炭素数4~30の脂肪酸のモノエステルの無機酸(塩酸、硫酸、硝酸及びリン酸等)塩等があげられる。
4級アンモニウム塩型としては、炭素数4~30の4級アンモニウム(ブチルトリメチルアンモニウム、ジエチルラウリルメチルアンモニウム、及びジメチルジステアリルアンモニウム等)の無機酸塩等が挙げられる。
ウレタン化触媒(H)としては、アミン触媒[トリエチレンジアミン、N-エチルモルホリン、ジエチルエタノールアミン及び1,8-ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン-7等]、及び金属触媒[ビスマストリス(2-エチルへキサノエート)、オクチル酸第一錫、ジブチル錫ジラウレート及びオクチル酸鉛等]等が挙げられる。
本発明の硬化性組成物は、水素添加ポリブタジエンポリオールを硬化性組成物の合計重量に基づいて2~7重量%含有する。
2重量%未満であると密着性が不足し、7重量%を超えると無機充填剤の割合が小さくなり熱伝導性が不足する。
硬化性組成物における水素添加ポリブタジエンポリオールの重量割合は、ポリプロピレン等の非極性の表面を有する発熱体への密着性等の観点から、硬化性組成物の合計重量に基づいて4~7重量%が好ましい。
本発明の硬化性組成物において、ポリオール(A)とポリイソシアネート(B)とのイソシアネートインデックス[ポリイソシアネート(B)が有するイソシアネート基の合計モル数/ポリオール(A)が有する水酸基の合計モル数]は、0.2~1.0であることが好ましく、さらに好ましくは0.7~1.0である。イソシアネートインデックスが前記範囲であると、硬化性組成物の硬化性及び硬化物の柔軟性が良好となる。
硬化性組成物中のポリオール(A)及びポリイソシアネート(B)の合計重量の割合は、放熱性と成形性等の観点から、硬化性組成物の重量を基準として2~20重量%であることが好ましく、更に好ましくは3~10重量%である。
本発明の硬化性組成物は、無機充填剤(E)を硬化性組成物の合計重量に基づいて83~93重量%含有する。
無機充填剤(E)の含有量が83重量%以上であることにより、硬化性組成物の硬化物に必要な熱伝導性が付与され、93重量%以下とすることにより必要な成形性が得られる。
本発明の硬化性組成物は、リン酸エステル(C)を無機充填剤(E)の合計重量に基づいて0.1~3重量%含有する。
リン酸エステル(C)が0.1重量%未満であると無機充填剤(E)の分散性が悪化して必要な量の無機充填剤(E)を含有させることが困難となる場合があり、3重量%を超えるリン酸エステル(C1)を用いると硬化性組成物の成形性及び硬化性等が悪化する場合がある。
本発明の硬化性組成物は、可塑剤(F)を硬化性組成物の合計重量に基づいて1~5重量%含有する。
可塑剤(F)が1重量%未満の場合は十分な初期の密着性を得ることが困難となり、5重量%を超えると経時的な密着性の低下が発生しやすくなる。
本発明の硬化性組成物がノニオン性界面活性剤(D)を含む場合、硬化性組成物中のノニオン性界面活性剤(D)の含有割合は、成形性等の観点から、硬化性組成物の重量に基づいて、好ましくは0.1~5重量%、より好ましくは0.1~3重量%、更に好ましくは0.3~0.5重量%である。
本発明の硬化性組成物において、無機充填剤(E)の合計重量に対する、リン酸エステル(C)及び必要により用いるノニオン性界面活性剤(D)の合計重量の割合は、無機充填剤(E)の分散性と硬化性組成物の成形性等の観点から、1~5重量%であることが好ましい。
本発明の硬化性組成物がノニオン性界面活性剤(D)以外の界面活性剤(G)を含有する場合、界面活性剤(G)の含有量は、無機充填剤(E)の重量に対して、0.001~30重量%であることが好ましい。
本発明の硬化性組成物がウレタン化触媒(H)を含有する場合、ウレタン化触媒(H)の含有量は、硬化性組成物の保存安定性等の観点から、ポリオール(A)及びポリイソシアネート(B)の合計重量に対して0.1~5重量%であることが好ましい。
本発明の硬化性組成物は、一つの薬剤中に、ポリオール(A)、ポリイソシアネート(B)、リン酸エステル(C)、無機充填剤(E)及び可塑剤(F)、並びに必要により用いるノニオン性界面活性剤(D)、界面活性剤(G)、ウレタン化触媒(H)及びウレタン樹脂に用いられる公知の添加剤のすべてを含む態様(一液型の硬化性組成物ともいい、以下、第一の態様又は一液型の硬化性組成物と記載することがある)であっても、前記第一の態様と同じ組成を、第一剤と第二剤の二つの薬剤に分けて含む態様(二液型の硬化性組成物ともいい、以下、第二の態様又は二液型の硬化性組成物と記載することがある)であってもよい。
本発明の硬化性組成物は、組成物が基材に密着しやすく、硬化物の基材への密着性が高くなるという観点から、第二の態様が好ましい。
二液型の硬化性組成物は、第一剤及び第二剤からなり、無機充填剤(E)が第一剤に含まれる無機充填剤(E1)及び第二剤に含まれる無機充填剤(E2)からなり、ポリオール(A)を第一剤が含有し、ポリイソシアネート(B)を第二剤が含有する硬化性組成物である。
第二の態様である二液型の硬化性組成物は、第一剤と第二剤とを混合することで、前記第一の態様と同じ組成となる。
本発明の硬化性組成物のうち、第一の態様である一液型の硬化性組成物は、水素添加ポリブタジエンポリオールを必須成分とするポリオール(A)、ポリイソシアネート(B)、リン酸エステル(C)、無機充填剤(E)及び可塑剤(F)、並びに必要により用いるノニオン性界面活性剤(D)、界面活性剤(G)、ウレタン化触媒(H)及びウレタン樹脂に用いられる公知の添加剤を、公知の混合装置(撹拌装置付き混合槽等)を用いて均一混合することで得られる。
一液型の硬化性組成物の製造において、各成分は一括で混合しても良く、任意の2成分以上を予め混合して残りの成分(残りの成分も混合物であっても良い)を混合してもよい。
第一の態様である一液型の硬化性組成物は、任意の基材上及び目的に応じた形状を有する成形型の中で公知の方法でウレタン化反応することで硬化物であるウレタン樹脂組成物を得ることができる。
本発明の硬化性組成物のうち、第二の態様である二液型の硬化性組成物は、第一剤及び第二剤からなり、無機充填剤(E)が第一剤に含まれる無機充填剤(E1)及び第二剤に含まれる無機充填剤(E2)からなり、ポリオール(A)を第一剤が含有し、ポリイソシアネート(B)を第二剤が含有する硬化性組成物である。
すなわち、本発明の二液型の硬化性組成物において、第一剤は水素添加ポリブタジエンポリオールを必須成分とするポリオール(A)と無機充填剤(E1)とを必須成分として含有し、第二剤はポリイソシアネート(B)と無機充填剤(E2)とを必須成分として含有する。
第一剤が含む無機充填剤(E1)と第二剤が含む無機充填剤(E2)とは、その種類、形状、及び二種以上の無機充填剤を用いる場合の比率が同一であってもよいし、そのいずれか一つ以上が相違していてもよい。
第一剤において、ポリオール(A)の無機充填剤(E1)に対する重量割合は、第一剤の取り扱い性等の観点から1~15重量%であることが好ましく、2~12重量%がさらに好ましい。
第一剤に含まれるポリオール(A)の必須成分である水素添加ポリブタジエンポリオールの重量割合は、第一剤と第二剤との合計重量に基づいて、2~7重量%であることが好ましい。
第一剤における無機充填剤(E1)の含有量は、第一剤の重量に基づいて、好ましくは83~93重量%、より好ましくは83~90重量%、更に好ましくは85~90重量%である。
第一剤における無機充填剤(E1)の含有量が83重量%以上であることにより、第一剤と第二剤とを混合して硬化させた後に得られる硬化物の熱伝導性をより良好なものとすることができる。
第一剤における無機充填剤(E1)の含有量が93重量%以下であることにより、第一剤と第二剤とを混合して硬化させた後に得られる硬化物の柔軟性をより優れたものとすることができる。
第一剤が含むポリオール(A)に含まれる水素添加ポリブタジエンポリオールの重量割合は、水素添加ポリブタジエンポリオールと他のポリオールとの合計重量に基づいて50~100重量%であることが好ましく、更に好ましくは80~100重量%である。
二液型の硬化性組成物で用いられる水素添加ポリブタジエンポリオールの重量は、硬化性組成物の合計重量(すなわち、第一剤と第二剤との合計重量)に基づいて3~7重量%であり、5~7重量%であることが好ましい。
第二剤が必須成分として含むポリイソシアネート(B)の無機充填剤(E2)に対する重量割合は、第二剤の取り扱い性等の観点から0.1~10重量%であることが好ましく、1~9重量%がさらに好ましい。
第二剤における無機充填剤(E2)の含有量は、第二剤の重量に基づいて、好ましくは83~93重量%、より好ましくは83~95重量%、更に好ましくは85~90重量%である。
第二剤における無機充填剤(E2)の含有量が83重量%以上であると第一剤と第二剤とを混合して硬化させて得られる硬化物の熱伝導性をより良好なものとすることができる。
第二剤における無機充填剤(E2)の含有量が93重量%以下であると、第一剤と第二剤とを混合して硬化させた後に得られる硬化物の柔軟性をより良好なものとすることができる。
第二の態様である二液型の硬化性組成物において、第一剤と第二剤との合計重量に基づく無機充填剤(E1)と無機充填剤(E2)との合計重量割合は83~93重量%である。
本発明の二液型の硬化性組成物が必須成分として含むリン酸エステル(C)は、第一剤と第二剤のいずれか一方にのみ含まれていても良く、第一剤と第二剤の両方に含まれていても良く、第一剤に含まれるリン酸エステル(C1)及び第二剤に含まれるリン酸エステル(C2)からなることが好ましい。
第一剤がリン酸エステル(C1)を含む場合、無機充填剤の分散性等の観点から、第一剤はリン酸エステル(C1)を無機充填剤(E1)の合計重量に基づいて0.1~3重量%含有することが好ましい。
第二剤がリン酸エステル(C2)を含む場合、無機充填剤の分散性等の観点から、第二剤はリン酸エステル(C2)を無機充填剤(E2)の合計重量に基づいて0.1~3重量%含有することが好ましい。
第二の態様である二液型の硬化性組成物において、第一剤に含まれるリン酸エステル(C1)と第二剤とに含まれるリン酸エステル(C1)の合計重量割合は、無機充填剤(E1)と無機充填剤(E2)との合計重量に基づいて0.1~3重量%である。
本発明の二液型の硬化性組成物が必須成分として含む可塑剤(F)は、第一剤と第二剤のいずれか一方にのみ含まれていても良く、第一剤と第二剤の両方に含まれていても良く、第一剤に含まれる可塑剤(F1)及び第二剤に含まれる可塑剤(F2)からなることが好ましい。
第二の態様の硬化性組成物において、第一剤に含まれる可塑剤(F1)及び第二剤に含まれる可塑剤(F2)の含有量は、可塑剤(F1)及び可塑剤(F2)の合計重量が、第一剤と第二剤との合計重量に基づいて1~5重量%であれば制限はない。
二液型の硬化性組成物におけるポリオール(A)及びポリイソシアネート(B)の合計重量の割合は、放熱性と成形性等の観点から、第一剤と第二剤との合計重量を基準として2~20重量%であることが好ましく、更に好ましくは3~10重量%である。
第一剤に含まれるポリオール(A)と第二剤に含まれるポリイソシアネート(B)とは、イソシアネートインデックスが、0.2~1.0となる比率であることが好ましく、さらに好ましくは0.7~1.0である。この範囲であると、硬化性組成物の硬化性と、硬化物の柔軟性が良好となる。
第二の態様である二液型の硬化性組成物において、第一剤に対する第二剤の重量割合は、好ましくは25~100重量%である。
第一剤に対する第二剤の重量割合がこの範囲であると、第一剤と第二剤との混合物が均一になりやすく、硬化物の強度を良好となり好ましい。
第二の態様の硬化性組成物において、ウレタン化触媒(H)を含有する場合、ウレタン化触媒(H)は第一剤と第二剤の少なくとも一方に含まれていれば良く、第一剤と第二剤との合計重量に基づくウレタン化触媒(H)の重量割合は、硬化性組成物の保存安定性等の観点から、ポリオール(A)及びポリイソシアネート(B)の合計重量に対して好ましくは0.1~5重量%である。
本発明の二液型の硬化性組成物において必要により用いるノニオン性界面活性剤(D)、界面活性剤(G)、及びウレタン樹脂に用いられる公知の添加剤は、第一剤と第二剤のいずれか一方に含まれていても良く、第一剤と第二剤の両方に含まれていても良い。
第二の態様の硬化性組成物における第一剤は、水素添加ポリブタジエンポリオールを必須成分とするポリオール(A)及び無機充填剤(E1)、必要により添加するリン酸エステル(C1)及び可塑剤(F1)、並びに必要により用いる他の成分(ノニオン性界面活性剤(D)、界面活性剤(G)及びウレタン化触媒(H)など)を、公知の混合装置(撹拌装置付き混合槽等)を用いて均一混合することで得られる。
各成分は一括で混合しても良く、任意の2成分以上を予め混合して残りの成分(残りの成分も混合物であっても良い)を混合してもよい。
第二の態様の硬化性組成物における第二剤は、ポリイソシアネート(B)及び無機充填剤(E2)、必要により添加するリン酸エステル(C2)及び可塑剤(F2)、並びに必要により用いる他の成分(ノニオン性界面活性剤(D)、界面活性剤(G)及びウレタン化触媒(H)など)を、公知の混合装置(撹拌装置付き混合槽等)を用いて均一混合することで得られる。
各成分は一括で混合しても良く、任意の2成分以上を予め混合して残りの成分(残りの成分も混合物であっても良い)を混合してもよい。
第二の態様の硬化性組成物は、第一剤と第二剤とを混合し、任意の基材上及び目的に応じた形状を有する成形型の中で公知の方法でウレタン化反応することでウレタン樹脂組成物である硬化物を得ることができる。
第一剤と第二剤との混合は、手動又は公知の混合装置(撹拌装置付きの容器等)により混合しても良く、公知の二液混合供給装置を用いて連続的に行ってもよい。
[2.ウレタン樹脂組成物]
本発明のウレタン樹脂組成物は、前記の硬化性組成物を反応させてなるウレタン樹脂組成物であり、上述の第一の態様または第二の態様の硬化性組成物を公知の反応条件で硬化させることで得られるウレタン樹脂組成物である。
本発明のウレタン樹脂組成物は、無機充填剤を含んだ柔軟性に優れる性ウレタン樹脂組成物であり、半導体素子(CPU等)、LEDバックライト及びバッテリー等の発熱体からの放熱を発熱体の形状に制限されることなく、行うことができる。
なかでも、無機充填剤(E)として金属、金属酸化物、金属窒化物、金属水酸化物及び金属炭酸塩からなる群より選ばれる少なくとも1種の無機充填剤を用いることにより、柔軟性と熱伝導性に優れたウレタン樹脂組成物を得ることができ、放熱材として好ましく用いることができる。
本発明のウレタン樹脂組成物の形状はその用途に応じて調整することができるが、フィルム及びシート等の膜状であることが好ましい。
また、本発明のウレタン樹脂組成物によれば、無機充填剤(E)の機能に応じて電磁波遮蔽等の機能も発現することができる。
[3.放熱材]
本発明の放熱材は、前記ウレタン樹脂組成物を含む。
本発明の放熱材は、前記ウレタン樹脂組成物と受熱部材とを備えるものであってもよいし、前記ウレタン樹脂組成物そのものを放熱材とするものであってもよい。
本発明の放熱材が前記ウレタン樹脂組成物と受熱部材とを備えるものである場合、受熱部材としては、金、銀、銅、アルミニウム、ニッケル、鉄、錫、及び、これらの合金等からなるシート状の基材並びにグラファイトシート等が挙げられ、前記ウレタン樹脂組成物と受熱部材とが接着していることが好ましい。
前記ウレタン樹脂と受熱部材と接着した放熱材は、前記硬化性組成物を受熱部材の上に塗布して硬化する方法、及び膜状に成形した前記ウレタン樹脂組成物と受熱部材とを積層する方法等で製造することができる。
ウレタン樹脂組成物と受熱部材との積層に際しては、公知の接着剤等を用いても良い。
[4.物品]
本発明の物品は、前記放熱材と発熱体とを備える。
発熱体とは、放熱材による冷却の対象となる部材であり、半導体素子(CPU等)、LEDバックライト、バッテリー、及びこれらを備えた電気回路等が挙げられる。
前記ウレタン樹脂組成物そのものを放熱材として用いる場合、熱放散性の観点から、放熱材と発熱体とが接着している物品であることが好ましい。
放熱材と発熱体とが接着している物品は、前記硬化性組成物を発熱体の上に塗布して硬化する方法、及び膜状に成形した前記ウレタン樹脂組成物と発熱体とを積層する方法等で製造することができる。
ウレタン樹脂と発熱体との積層に際しては、公知の接着剤等を用いても良い。
放熱材が前記ウレタン樹脂組成物と受熱部材とを備える態様である場合、前記発熱体と前記受熱部材とがウレタン樹脂組成物を介して積層されている物品であることが好ましい。発熱体と受熱部材とが積層している態様としては、電気回路等の発熱部材の片面又は両面に、前記の受熱部材が、前記ウレタン樹脂組成物を介して積層されている態様等が挙げられる。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されない。
<実施例1~6及び比較例1~3:一液型の硬化性組成物>
表1に記載した(A)~(J)の各成分を、表2に示す配合割合で混合し、実施例1~6の硬化性組成物及び比較例1~3の硬化性組成物を得た。
Figure 2023047595000003
Figure 2023047595000004
下記の方法で、実施例1~6の硬化性組成物又は比較例1~3の硬化性組成物を硬化して作製したウレタン樹脂組成物の下記の方法で熱伝導率、及び25℃におけるPP基板への密着性を評価し、結果を表2に記載した。
なお、比較例1にかかるウレタン樹脂組成物は、密着性評価における促進試験後にPP基板からはがれてオートグラフによる密着性評価が出来なかったため、促進試験後のPP基材への密着性の測定結果を「測定不可」とした。また、比較例2にかかるウレタン樹脂組成物は、硬化物熱伝導率及び密着性評価の際に崩壊して測定値を得ることが出来なかったため、熱伝導率、及びPP基材への密着性の測定結果を「測定不可」とした。
[評価方法]
<熱伝導率>
実施例1~6の硬化性組成物又は比較例1~3の硬化性組成物を成形用型(縦1cm×横1cm×深さ0.2cm)に入れ、プレス機でプレスし、25℃で24時間静置してウレタン化反応を行って硬化させることでウレタン樹脂組成物を作製した。
得られたウレタン樹脂組成物を、25℃で2時間静置した後、熱伝導率計「キセノンフラッシュアナライザー LFA447 NanoFlash、ネッチジャパン(株)製」を用いて、レーザーフラッシュ法にて、熱伝導率(単位:W/m・K)を測定し、結果を表2に記載した。熱伝導率が高いほど、熱放散性に優れることを示す。
<PP基材への密着性>
縦100mm、横25mmの長方形であり、第一面とその裏面(第二面)とが同じ表面状態であるポリプロピレン基板を2枚用意した。
前記ポリプロピレン基板のうち第一のポリプロピレン基板の第一面の端に、実施例1~6の硬化性組成物又は比較例1~3の硬化性組成物を縦12.5mm、横25mmの範囲に塗布した。次いで、塗布した硬化性組成物を境にして2枚のポリプロピレン基板の非接着部分が対向し、かつ硬化性組成物を塗布した領域が外にはみ出すことがない様に第二のポリプロピレン基板を第一のポリプロピレン基剤の上に重ねた。
続いて、室温で24時間静置することで硬化性組成物を硬化させ、2枚のポリプロピレン基板をウレタン樹脂組成物で接着した試験片を作製した。
硬化性組成物ごとに2つの試験片を作製し、1つは更に室温で24時間静置した後に密着性を評価し、もう1つは100℃の環境下に1500時間保管した後の密着性の評価を行った。
密着性の評価は、25℃の環境下でオートグラフ(SHIMADZU製AG-100kNG AG-X/R)を用い、固定した試験片を50mm/minの速度でせん断方向(試験片の接着面に平行な向き)に引っ張り、破断時の応力(破断応力)を測定することで行った。
室温で24時間静置した後に行った密着性評価の結果をPP基材への初期の密着性とし、100℃の環境下に1500時間保管した後の密着性評価の結果をPP基材への劣化促進後の密着性として、表2に記載した。
初期の密着性の数値が大きいほど密着性に優れ、劣化促進後の密着性の数値と初期の密着性の数値とに差がないほど経時的な密着性の低下がない事を意味する。
<実施例7~12及び比較例4~6:二液型の硬化性組成物>
表1に記載した(A)~(J)の各成分を、表3に示す配合量で混合し、第一剤及び第二剤からなる二液型の硬化性組成物を作製した。
Figure 2023047595000005
実施例7~12及び比較例4~6にかかる第一剤と第二剤とを均一になるまで混合し、実施例1~6と同様に硬化してウレタン樹脂組成物を作製した。
実施例7~12及び比較例4~6にかかるウレタン樹脂組成物の熱伝導率の測定、及びPP基材への密着性の評価を実施例1~6と同様に行い、結果を表3に記載した。
なお、比較例4にかかるウレタン樹脂組成物は、密着性評価における促進試験後にPP基板からはがれてオートグラフによる密着性評価が出来なかったため、促進試験後のPP基材への密着性の測定結果を「測定不可」とした。また、比較例5にかかるウレタン樹脂組成物は、硬化物熱伝導率及び密着性評価の際に崩壊して測定値を得ることが出来なかったため、熱伝導率、及びPP基材への密着性の測定結果を「測定不可」とした。
表2及び表3から、実施例1~12にかかる本発明の硬化性組成物を用いて製造したウレタン樹脂組成物は、比較例1~6の硬化性組成物を用いて製造したウレタン樹脂組成物よりも熱伝導率が高く、初期の密着性に優れ、かつ経時的な密着性の低下がないことがわかる。
本発明のウレタン樹脂組成物は、柔軟性と熱伝導性に優れ、半導体素子(CPU等)、LEDバックライト及びバッテリー等の発熱体の放熱に好ましく用いることができる。

Claims (6)

  1. ポリオール(A)と、ポリイソシアネート(B)と、下記一般式(1)で表されるリン酸エステル(C)と、無機充填剤(E)と、可塑剤(F)とを含有し、下記(1)~(5)を満たす硬化性組成物。
    (1)ポリオール(A)が水素添加ポリブタジエンポリオールを含む。
    (2)水素添加ポリブタジエンポリオールを硬化性組成物の合計重量に基づいて2~7重量%含有する。
    (3)無機充填剤(E)を硬化性組成物の合計重量に基づいて83~93重量%含有する。
    (4)リン酸エステル(C)を無機充填剤(E)の合計重量に基づいて0.1~3重量%含有する。
    (5)可塑剤(F)を硬化性組成物の合計重量に基づいて1~5重量%含有する。
    Figure 2023047595000006
    [一般式(1)中、Rは、水素原子、炭素数2~18のアルキル基、又は炭素数2~18のアルケニル基であり、AOは炭素数2~3のアルキレンオキシ基であり、nは3~15の整数であり、Rは、水素原子又は下記一般式(2)で表される基である。]
    -(AO)mR (2)
    (Rは、水素原子、炭素数2~18のアルキル基、又は炭素数2~18のアルケニル基であり、AOは炭素数2~3のアルキレンオキシ基であり、mは3~15の整数である。)
  2. 無機充填剤(E)が金属、金属酸化物、金属窒化物、金属水酸化物、及び金属炭酸塩からなる群より選ばれる無機充填剤を1種又は2種以上含む請求項1に記載の硬化性組成物。
  3. 硬化性組成物が第一剤及び第二剤からなり、
    無機充填剤(E)が、第一剤に含まれる無機充填剤(E1)及び第二剤に含まれる無機充填剤(E2)からなり、
    ポリオール(A)を第一剤が含有し、
    ポリイソシアネート(B)を第二剤が含有する請求項1又は2に記載の硬化性組成物。
  4. 請求項1~3のいずれか1項に記載の硬化性組成物を硬化してなるウレタン樹脂組成物。
  5. 請求項4に記載のウレタン樹脂組成物を含む放熱材。
  6. 請求項5に記載の放熱材と発熱体とを備え、放熱材の少なくとも一部が発熱体と接触するように配置されている物品。
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