JP2023047402A - 車両用空調装置 - Google Patents

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聖門 平野
Masato Hirano
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Abstract

【課題】冷房運転時に使用しないヒータコアを利用して冷房を行える空調装置を提供する。【解決手段】空調ダクト12に、供給された温水によりエバポレータ3を通過した風を加熱するヒータコア4が設けられ、エバポレータ3とヒータコア4との間に、ヒータコア4を通過する風量を調節するエアミックスドア14が設けられる。ヒータコア4に供給する冷却水を溜める蓄冷タンク23と、冷房運転時にヒータコア4に供給される温水を遮断して、蓄冷タンク23から冷却水をヒータコア4に供給する冷房部とが設けられる。ヒータコア4への温水の供給が遮断され、蓄冷タンク23の冷却水がヒータコア4に供給されると、ヒータコア4が冷やされ、エアミックスドア14が開くと、ヒータコア4を通過する冷風が生じる。冷房運転時に、エアミックスドア14を開くことにより、ヒータコア4に冷風が流れ、冷却水が冷やされ、蓄冷タンク23を蓄冷できる。【選択図】図1

Description

本発明は、エバポレータを通過した風を加熱するヒータコアを利用して冷房を行う車両用空調装置に関する。
アイドリングストップ機能を備えた車両やマイルドハイブリッド車両の空調装置において、暖房運転時には、エンジンを冷却して発生した温水がヒータコアに供給され、空調ダクトを流れる風を加熱して、温風が吹き出される。エンジンが作動していると、ヒータコアに常に温水が供給されるので、冷房運転時には、エアミックスドアを閉じて、エバポレータを通過した風を遮って、ヒータコアが冷風に放熱しないようにしている。
また、冷房運転中にエンジンが停止すると、コンプレッサが停止するので、エバポレータの温度が上がり、吹出温度が上昇する。そこで、冷房性能を確保するため、蓄冷機能を有する空調装置が提供されている。特許文献1には、エバポレータに蓄冷機能を付加したものが開示されている。特許文献2では、エアミックスドアに蓄冷材が設けられ、エバポレータから生じた凝結水が蓄冷材に滴下して蓄冷される。
特開2010-149814号公報 特開2016-117348号公報
エバポレータに蓄熱機能を付加した場合、蓄冷効果を十分に発揮させるためには、エバポレータのサイズが大きくなってしまい、車両のコンパクト化を阻害する。また、エアミックスドアに蓄冷材を設けた場合、ヒータコアの上流側表面はエアミックスドアにより風は遮られるが、下流側表面は露出しているので、ヒータコアから放熱するのは避けられず、完全には冷風のリヒートを防ぐことはできない。
本発明は、上記に鑑み、冷房運転時に使用しないヒータコアを利用して冷房を行える車両用空調装置の提供を目的とする。
本発明の車両用空調装置は、空調ダクトに、エバポレータと、供給された温水によりエバポレータを通過した風を加熱するヒータコアとが設けられ、エバポレータとヒータコアとの間に、ヒータコアを通過する風量を調節するエアミックスドアが設けられたものであって、ヒータコアに供給する冷却水を溜める蓄冷タンクと、冷房運転時にヒータコアに供給される温水を遮断して、蓄冷タンクから冷却水をヒータコアに供給する冷房部とが設けられ、冷房部は、所定のタイミングでエアミックスドアを開かせて、冷却水による冷房を行う。
ヒータコアへの温水の供給が遮断され、蓄冷タンクに溜められた冷却水がヒータコアに供給されると、ヒータコアが冷やされて、ヒータコアを通過する風が冷却され、冷風が生じる。冷房運転時に、アイドリングストップ等によりコンプレッサが停止しても、エアミックスドアを開いて、ヒータコアに風を通すことにより、冷風が吹き出し、冷房運転が継続される。また、冷房運転時に、エアミックスドアを開くことにより、ヒータコアにエバポレータからの冷風が流れ、ヒータコアと蓄冷タンクとの間で循環する冷却水が冷やされ、蓄冷タンクを蓄冷できる。
本発明によると、蓄冷タンクに溜めた冷却水を利用して冷風を発生させることができるので、コンプレッサが停止しているときでも冷房運転を継続できる。したがって、コンプレッサが停止するアイドリングストップ時に蓄冷タンクの冷却水を利用した冷房運転を行えるので、アイドリングストップ時間を延長することが可能となり、燃料消費の低減や排気ガスの削減を図れる。
本発明の実施形態の車両用空調装置の概略構成を示す図 空調制御装置のブロック図
本発明の実施形態に係る車両の車両用空調装置を図1、2に示す。エンジン1の駆動力によって走行する車両に空調装置が搭載され、空調装置では、コンプレッサ2、コンデンサ(図示せず)、膨張バルブ(図示せず)、エバポレータ3により冷凍サイクルが形成され、車室内の暖房を行うためのヒータコア4を備えている。エンジン1に連動して動作するウォータポンプ5によってエンジン1の冷却水が循環路6によりラジエータ7を通って循環され、さらにエンジン1を冷却して生じた温水がヒータコア4に供給され、この温水とヒータコア4を通過する空気とが熱交換され、ヒータコア4を通る風が温められる。
車室の前側に、吸込口8と複数の吹出口9~11を有する空調ダクト12が設けられ、空調ダクト12内に、吸込口8から空気を吸い込むファン13、エバポレータ3およびヒータコア4が設けられ、ヒータコア4はエバポレータ3の下流側に配置され、ヒータコア4とエバポレータ3との間に、エバポレータ3からヒータコア4に流れる冷風の風量を調節するためのエアミックスドア14が回動可能に設けられる。吸込口8には、外気導入モードと内気循環モードとに応じて内外気の導入を切り替えるインテークドア15が回動可能に設けられ、デフロスタ吹出口9にはデフ開閉ドア16、フェイス吹出口10にはフェイス開閉ドア17、フット吹出口11にはフット開閉ドア18がそれぞれ開閉可能に設けられる。各ドア13~17はそれぞれモータ20によって開閉される。
各モータ20、コンプレッサ2、ファン13はエアコン制御装置21によって駆動制御される。また、エンジン1はエンジン制御装置22によって駆動制御される。エンジン制御装置22は、アイドリングストップ機能を有しており、車速が一定速度以下になると、エンジン1が停止される。エアコン制御装置21とエンジン制御装置22とは、通信線を通じて信号を送受信する。
そして、空調装置は、エンジン1の冷却水とは別系統でヒータコア4に冷却水を供給する蓄冷機能を有しており、ヒータコア4に供給する冷却水を溜める断熱性を有する蓄冷タンク23と、冷房運転時にヒータコア4に供給される温水を遮断して、蓄冷タンク23から冷却水をヒータコア4に供給する冷房部とを備える。ここで、蓄冷機能の冷却水は、エンジン1の冷却水と同じものが使用される。
ヒータコア4には、エンジン1からの温水が循環するように補助循環路24が接続され、この補助循環路24を利用して蓄冷タンク23の冷却水が循環される。補助循環路24は、エンジン1からヒータコア4への送出管25とヒータコア4からエンジン1への排出管26とによって形成され、この補助循環路24は循環路6に連通している。蓄冷タンク23の出口からの供給管27が送出管25に接続され、蓄冷タンク23の入口に通じる戻り管28が排出管27に接続される。供給管27にポンプ29が介装され、ポンプ29の作動により蓄冷タンク23の冷却水が供給される。
供給管27と送出管25との接続箇所には流路を切り替える第1切替弁30が設けられ、戻り管28と排出管26との接続箇所には流路を切り替える第2切替弁31が設けられる。第1切替弁30は、供給管27を遮蔽し、送出管25を連通する暖房位置と、送出管25を遮蔽し、供給管27を連通する冷房位置とに切り替えられる。第2切替弁31は、戻り管28を遮蔽し、排出管26を連通する暖房位置と、排出管26を遮蔽し、戻り管28を連通する冷房位置とに切り替えられる。冷房部はポンプ29および各切替弁30,31によって構成され、冷房部はエアコン制御装置21によって駆動制御される。
エンジン1が駆動しているとき、エンジン1の冷却水は循環路6を流れるとともに、エンジン1の冷却によって生じた温水は補助循環路24を流れ、ヒータコア4に温水が供給される。このとき、各切替弁30,31は暖房位置になっている。暖房運転が行われると、ファン13が駆動され、空調ダクト12内に風が流れる。エアミックスドア14が開かれ、風がヒータコア4を通過すると、温水との熱交換により温風が発生し、温風が車室内に吹き出す。
冷房運転が行われるとき、コンプレッサ2およびファン13が駆動され、空調ダクト12内を冷風が流れて、車室内に冷風が吹き出す。このとき、エアコン制御装置21は、エアミックスドア14を閉じたまま、各切替弁30,31、ポンプ29を作動させる。各切替弁30,31は暖房位置から冷房位置に切り替わり、温水の供給が遮断され、蓄冷タンク23から冷却水がヒータコア4に供給される。これにより、冷風のリヒートを防げる。なお、各切替弁30,31を同時に作動させる代わりに、第1切替弁30を作動させた後、第2切替弁31を作動させてもよい。これにより、ヒータコア4に残っている温水がエンジン1に向かって排出されることになり、蓄冷タンク23に溜まっている冷却水と混合されないので、冷却水の温度上昇を防ぐことができる。
エバポレータ3を通過した空気の温度が所定の温度以下、すなわち十分に冷え切って、冷房負荷が低くなった状態になったとき、エアミックスドア14が開かれ、風がヒータコア4に流れる。ヒータコア4に供給される冷却水が冷却されて蓄冷タンク23に戻り、蓄冷タンク23に蓄冷される。
ここで、車両の停止等によりアイドリングストップ機能が作動すると、エンジン1が停止するとともにコンプレッサ2も停止する。エバポレータ3を通過する風を冷却できなくなり、吹出温度が上がるが、エアコン制御装置21は、エンジン1が停止した後、少しの間だけエアミックドア14は閉じたままにしてファン13を駆動する。エバポレータ3を通過する風は余熱によって冷却され、しばらく冷風が吹き出す。各切替弁30,31は冷房位置を維持し、ポンプ29は作動している。
吹出温度が所定の温度上がったとき、あるいはエンジン1の停止から所定時間経過したといった所定のタイミングで、エアミックスドア14が開かれ、風がヒータコア4を通過するようにする。冷却水によって冷却されたヒータコア4との熱交換によって生じた冷風が車室内に吹き出し、アイドリングストップ中でも冷房運転を行うことができる。
送風運転が行われるとき、エアコン制御装置21は、各切替弁30,31を暖房位置になるように作動させ、ポンプ29を作動させない。ヒータコア4には、エンジン1からの温水が供給され、蓄冷タンク23には、冷却水がそのまま溜められる。
このように、エンジン1からの温水を遮断して、ヒータコア4に蓄冷しておいた冷却水を供給することにより、アイドルストップ時のエンジン1の停止によりコンプレッサ2が停止しても、冷風を吹き出すことができ、エンジン停止時の冷房を補完できる。したがって、アイドルストップ時間を従来よりも長くすることができ、燃料消費の低減や排気ガスの削減を図れる。
また、バッテリの電力消費も減らせるので、マイルドハイブリッド車両等の航続可能距離を延ばすことができる。しかも、電動コンプレッサを使用している場合、電力消費の低減効果が顕著となる。そして、空調装置に蓄冷タンク23を追加するだけで、空調装置のシステムを大きく変更することなく冷房性能を向上させることができる。
BEVやPHV等の電動車両に蓄冷タンク23を設けた場合、バッテリ等の冷却システムを利用して、充電中に冷却水を冷却して蓄冷することができる。そして、蓄冷タンク23の冷却水を供給したヒータコア4に送風することにより、冷風が吹き出されるので、冷凍サイクルを作動させなくても冷房運転を行える。したがって、蓄冷および冷房運転に要する電力消費を低減でき、航続可能距離を延ばすことができる。また、蓄冷タンク23の冷却水をバッテリやモータ等の冷却用に使用してもよい。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内で上記実施形態に多くの修正および変更を加え得ることは勿論である。蓄冷タンク23とエンジン1との間で冷却水が循環するように、各切替弁30,31として三方弁を用い、エンジン1とヒータコア4、蓄冷タンク23とヒータコア4、蓄冷タンク23とエンジン1とがそれぞれ連通するようにしてもよい。エンジン1の冷却水が高温になったとき、蓄冷タンク23から冷却水をエンジン1に供給することにより、エンジンの冷却に役立てることができる。
1 エンジン
3 エバポレータ
4 ヒータコア
5 ウォータポンプ
7 ラジエータ
13 ファン
14 エアミックスドア
23 蓄冷タンク
29 ポンプ
30 第1切替弁
31 第2切替弁

Claims (1)

  1. 空調ダクトに、エバポレータと、供給された温水によりエバポレータを通過した風を加熱するヒータコアとが設けられ、エバポレータとヒータコアとの間に、ヒータコアを通過する風量を調節するエアミックスドアが設けられた車両用空調装置であって、ヒータコアに供給する冷却水を溜める蓄冷タンクと、冷房運転時にヒータコアに供給される温水を遮断して、蓄冷タンクから冷却水をヒータコアに供給する冷房部とが設けられ、冷房部は、所定のタイミングでエアミックスドアを開かせて、冷却水による冷房あるいは冷却水への蓄冷を行うことを特徴とする車両用空調装置。
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