JP2023047233A - 静電荷像現像用トナー、静電荷像現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ、画像形成装置、及び画像形成方法 - Google Patents

静電荷像現像用トナー、静電荷像現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ、画像形成装置、及び画像形成方法 Download PDF

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Abstract

【課題】温度及び湿度の環境影響を受け難く、長期間わたり繰り返し画像を形成しても、かぶりの発生、クラウドの発生、画像濃度の低下を抑制する静電荷像現像用トナーを提供すること。【解決手段】トナー粒子と、前記トナー粒子に外添され、モリブデン元素を含む窒素元素含有化合物を含み、かつ、蛍光X線分析により測定される、モリブデン元素のNet強度とシリコン元素のNet強度との比率(Mo/Si)が、0.035以上0.35以下であるシリカ粒子と、を有する静電荷像現像用トナーである。【選択図】なし

Description

本発明は、静電荷像現像用トナー、静電荷像現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ、画像形成装置、及び画像形成方法に関する。
電子写真方式の画像形成においては、画像形成材料としてトナーが用いられ、例えば、結着樹脂及び着色剤を含有するトナー粒子と、このトナー粒子に外添される外添剤と、を含むトナーが多く使用されている。そして、外添剤としては、シリカ粒子を適用することが多い。
例えば、特許文献1には、「疎水性シリカ粉末であって、(1)疎水化度が50%以上であり、(2)メタノール及びメタンスルホン酸水溶液の混合溶媒による、第4級アンモニウムイオン、モノアゾ系錯体及び鉱酸イオンからなる群より選択される少なくとも1種の化合物の抽出量Xが0.1質量%以上であり、(3)前記Xと、水による前記化合物の抽出量Yとが、下記式(I)Y/X<0.15を満たす疎水性シリカ粉末」が開示されている。
また、特許文献2には、「繰返し単位として「Si-O」結合を有するシリカ構造中に4級アンモニウム塩が導入されたシリカ粒子を複数含む、シリカ粉体。」が開示されている。
また、特許文献3には、「ゾルゲル法によって得られる親水性球状シリカ微粒子の表面を疎水化処理することにより得られた平均粒径20~500nmの疎水性球状シリカ微粒子からなる搬送粒子と、該搬送粒子の表面に被着せしめた電荷制御剤と、から構成された外添用電荷制御粒子」が開示されている。
また、特許文献4には、「1次粒子の平均粒径が0.01~5μmである球状の疎水性シリカ微粒子を、4級アンモニウム塩化合物、フロロアルキル基含有ベタイン化合物、及びシリコーンオイルからなる群から選ばれる化合物で処理してなるシリカ微粒子」が開示されている。
また、特許文献5には、「疎水化度80%以上のシリカ微粒子を両性界面活性剤で処理した粒子および疎水化度80%以上のシリカ微粒子を第4級アンモニウム塩または第4級アンモニウム基を有する重合体で処理した粒子」が開示されている。
特開2019-073418号公報 特開2017-039618号公報 特開2011-185998号公報 特開2001-194825号公報 特開平09-166884号公報
本発明の課題は、トナー粒子と、トナー粒子に外添され、モリブデン元素を含む窒素元素含有化合物を含むシリカ粒子と、を有する静電荷像現像用トナーであって、シリカ粒子が、蛍光X線分析により測定される、モリブデン元素のNet強度とシリコン元素のNet強度との比率(Mo/Si)が0.035未満又は0.35超えのシリカ粒子である場合に比べ、温度及び湿度の環境影響を受け難く、長期間わたり繰り返し画像を形成しても、かぶりの発生、トナーの飛び散り(以下「クラウド」とも称する)の発生、画像濃度の低下を抑制する静電荷像現像用トナーを提供することである。
前記課題を解決するための具体的手段には、下記の態様が含まれる。
<1>
トナー粒子と、
前記トナー粒子に外添され、モリブデン元素を含む窒素元素含有化合物を含み、かつ、蛍光X線分析により測定される、モリブデン元素のNet強度とシリコン元素のNet強度との比率(Mo/Si)が、0.035以上0.35以下であるシリカ粒子と、
を有する静電荷像現像用トナー。
<2>
前記シリカ粒子における前記窒素元素含有化合物が、モリブデン元素を含む四級アンモニウム塩、及び、四級アンモニウム塩とモリブデン元素を含む金属酸化物との混合物よりなる群から選択される少なくとも1種である<1>に記載の静電荷像現像用トナー。
<3>
前記シリカ粒子の個数平均粒子径が、10nm以上200nm以下である<1>又は<2>に記載の静電荷像現像用トナー。
<4>
前記シリカ粒子は、
シリカ母粒子と、
前記シリカ母粒子の少なくとも一部の表面を被覆し、1官能シランカップリング剤、2官能シランカップリング剤及び3官能シランカップリング剤よりなる群から選択される少ssssなくとも1種の反応生成物で構成され、かつ、前記反応生成物の細孔の少なくとも一部に窒素元素含有化合物が吸着した構造体と、
を有する<1>~<3>のいずれか1項に記載の静電荷像現像用トナー。
<5>
前記シリカ粒子の疎水化度が、10%以上60%以下である<1>~<4>のいずれか1項に記載の静電荷像現像用トナー。
<6>
前記シリカ粒子における、350℃焼成前後における窒素ガス吸着法の細孔分布曲線から求める細孔直径1nm以上50nm以下の細孔体積を各々A及びBとしたとき、B/Aが1.2以上5以下であり、かつBが0.2cm/g以上3cm/g以下である<1>~<5>のいずれか1項に静電荷像現像用トナー。
<7>
前記シリカ粒子における、分極/マジック角回転(CP/MAS)法による29Si固体核磁気共鳴(NMR)スペクトルにおける化学シフト-50ppm以上-75ppm以下の範囲に観測されるシグナルの積分値Cと、化学シフト-90ppm以上-120ppm以下の範囲に観測されるシグナルの積分値Dの比率C/Dが0.10以上0.75以下である<1>~<6>のいずれか1項に記載の静電荷像現像用トナー。
<8>
アンモニア/メタノール混合溶液による前記シリカ粒子の前記窒素元素含有化合物の抽出量Xが、0.1質量%以上であり、
前記シリカ粒子の前記窒素元素含有化合物の抽出量Xと、水による前記シリカ粒子の前記窒素元素含有化合物の抽出量Yとが、式:Y/X<0.3を満たす<1>~<7>のいずれか1項に記載の静電荷像現像用トナー。
<9>
前記シリカ粒子の平均円形度が、0.60以上0.96以下である<1>~<8>のいずれか1項に記載の静電荷像現像用トナー。
<10>
前記シリカ粒子の個数粒度分布指標が、1.1以上2.0以下である<1>~<9>のいずれか1項に記載の静電荷像現像用トナー。
<11>
<1>~<10>のいずれか1項に記載の静電荷像現像用トナーを含む静電荷像現像剤。
<12>
<1>~<10>のいずれか1項に記載の静電荷像現像用トナーを収容し、
画像形成装置に着脱されるトナーカートリッジ。
<13>
<11>に記載の静電荷像現像剤を収容し、前記静電荷像現像剤により、像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段を備え、
画像形成装置に着脱されるプロセスカートリッジ。
<14>
像保持体と、
前記像保持体の表面を帯電させる帯電手段と、
帯電した前記像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成手段と、
<11に記載の静電荷像現像剤を収容し、前記静電荷像現像剤により、前記像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段と、
前記像保持体の表面に形成されたトナー画像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、
前記像保持体の表面をクリーニングするクリーニングブレードを有するクリーニング手段と、
前記記録媒体の表面に転写されたトナー画像を定着する定着手段と、
を備える画像形成装置。
<15>
像保持体の表面を帯電させる帯電工程と、
帯電した前記像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成工程と、
<11>に記載の静電荷像現像剤により、前記像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像工程と、
前記像保持体の表面に形成されたトナー画像を記録媒体の表面に転写する転写工程と、
前記像保持体の表面をクリーニングブレードによりクリーニングするクリーニング工程と、
前記記録媒体の表面に転写されたトナー画像を定着する定着工程と、
を有する画像形成方法。
<1>、又は<2>に係る発明によれば、トナー粒子と、トナー粒子に外添され、モリブデン元素を含む窒素元素含有化合物を含むシリカ粒子と、を有する静電荷像現像用トナーであって、シリカ粒子が、蛍光X線分析により測定される、モリブデン元素のNet強度とシリコン元素のNet強度との比率(Mo/Si)が0.035未満又は0.35超えのシリカ粒子である場合に比べ、温度及び湿度の環境影響を受け難く、長期間わたり繰り返し画像を形成しても、かぶりの発生、クラウドの発生、画像濃度の低下を抑制する静電荷像現像用トナーが提供される。
<3>に係る発明によれば、トナー粒子と、トナー粒子に外添され、モリブデン元素を含む窒素元素含有化合物を含むシリカ粒子と、を有する静電荷像現像用トナーであって、シリカ粒子が、蛍光X線分析により測定される、モリブデン元素のNet強度とシリコン元素のNet強度との比率(Mo/Si)が0.035未満又は0.35超えのシリカ粒子である場合に比べ、シリカ粒子の個数平均粒子径が10nm以上200nm以下であっても、温度及び湿度の環境影響を受け難く、長期間わたり繰り返し画像を形成しても、かぶりの発生、クラウドの発生、画像濃度の低下を抑制する静電荷像現像用トナーが提供される。
<4>に係る発明によれば、トナー粒子と、トナー粒子に外添され、モリブデン元素を含む窒素元素含有化合物を含むシリカ粒子と、を有する静電荷像現像用トナーであって、シリカ粒子が、蛍光X線分析により測定される、モリブデン元素のNet強度とシリコン元素のNet強度との比率(Mo/Si)が0.035未満又は0.35超えのシリカ粒子である場合に比べ、シリカ母粒子と、前記シリカ母粒子の少なくとも一部の表面を被覆し、1官能シランカップリング剤、2官能シランカップリング剤及び3官能シランカップリング剤よりなる群から選択される少なくとも1種の反応生成物で構成され、かつ、反応生成物の細孔の少なくとも一部に窒素元素含有化合物が吸着した構造体と、を有し、温度及び湿度の環境影響を受け難く、長期間わたり繰り返し画像を形成しても、かぶりの発生、クラウドの発生、画像濃度の低下を抑制する静電荷像現像用トナーが提供される。
<7>に係る発明によれば、疎水化度が10%未満又は60%超えである場合に比べ、温度及び湿度の環境影響を受け難く、長期間わたり繰り返し画像を形成しても、かぶりの発生、クラウドの発生、画像濃度の低下を抑制する静電荷像現像用トナーが提供される。
<6>に係る発明によれば、シリカ粒子における、350℃焼成前後における窒素ガス吸着法の細孔分布曲線から求める細孔直径1nm以上50nm以下の細孔体積を各々A及びBとしたとき、B/Aが1.2未満、又は、Bが0.2cm/g未満である場合に比べ、温度及び湿度の環境影響を受け難く、長期間わたり繰り返し画像を形成しても、かぶりの発生、クラウドの発生、画像濃度の低下を抑制する静電荷像現像用トナーが提供される。
<7>に係る発明によれば、シリカ粒子における、300℃以上600℃以下の範囲の温度帯で加熱した際に、窒素元素含有化合物が検出されるシリカ粒子において、交差分極/マジック角回転(CP/MAS)法による29Si固体核磁気共鳴(NMR)スペクトルにおける化学シフト-50ppm以上-75ppm以下の範囲に観測されるシグナルの積分値Cと、化学シフト-90ppm以上-120ppm以下の範囲に観測されるシグナルの積分値Dの比率C/Dが0.10未満若しくは0.75超えである場合に比べ、温度及び湿度の環境影響を受け難く、長期間わたり繰り返し画像を形成しても、かぶりの発生、クラウドの発生、画像濃度の低下を抑制する静電荷像現像用トナーが提供される。
<8>に係る発明によれば、シリカ粒子における、アンモニア/メタノール混合溶液による窒素元素含有化合物の抽出量Xが0.1質量%未満、又は窒素元素含有化合物の抽出量Xと、水による窒素元素含有化合物の抽出量Yとが、式:Y/X<0.3を満たさない場合に比べ、温度及び湿度の環境影響を受け難く、長期間わたり繰り返し画像を形成しても、かぶりの発生、クラウドの発生、画像濃度の低下を抑制する静電荷像現像用トナーが提供される。
<9>に係る発明によれば、トナー粒子と、トナー粒子に外添され、モリブデン元素を含む窒素元素含有化合物を含むシリカ粒子と、を有する静電荷像現像用トナーであって、シリカ粒子が、蛍光X線分析により測定される、モリブデン元素のNet強度とシリコン元素のNet強度との比率(Mo/Si)が0.035未満又は0.35超えのシリカ粒子である場合に比べ、シリカ粒子の平均円形度が、0.60以上0.96以下であっても、高温高環境下でのかぶりが抑制され、かつ高温高湿環境下でのかぶり抑制の維持性に優れる静電荷像現像用トナーが提供される。
<10>に係る発明によれば、シリカ粒子の個数粒度分布指標が2.0超えであっても、温度及び湿度の環境影響を受け難く、長期間わたり繰り返し画像を形成しても、かぶりの発生、クラウドの発生、画像濃度の低下を抑制するシリカ粒子が提供される。
<11>、<12>、<13>、<14>、又は<15>に係る発明によれば、トナー粒子と、トナー粒子に外添され、モリブデン元素を含む窒素元素含有化合物を含むシリカ粒子と、を有する静電荷像現像用トナーであって、シリカ粒子が、蛍光X線分析により測定される、モリブデン元素のNet強度とシリコン元素のNet強度との比率(Mo/Si)が0.035未満又は0.35超えのシリカ粒子である静電荷像現像用トナーを適用した場合に比べ、温度及び湿度の環境影響を受け難く、長期間わたり繰り返し画像を形成しても、かぶりの発生、クラウドの発生、画像濃度の低下を抑制する静電荷像現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ、画像形成装置、又は画像形成方法が提供される。
本実施形態に係る画像形成装置を示す概略構成図である。 本実施形態に係るプロセスカートリッジを示す概略構成図である。
以下に、本発明の実施形態について説明する。これらの説明及び実施例は実施形態を例示するものであり、実施形態の範囲を制限するものではない。
本明細書中に段階的に記載されている数値範囲において、一つの数値範囲で記載された上限値又は下限値は、他の段階的な記載の数値範囲の上限値又は下限値に置き換えてもよい。また、本開示中に記載されている数値範囲において、その数値範囲の上限値又は下限値は、実施例に示されている値に置き換えてもよい。
本明細書において各成分は該当する物質を複数種含んでいてもよい。
本明細書において組成物中の各成分の量について言及する場合、組成物中に各成分に該当する物質が複数種存在する場合には、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数種の物質の合計量を意味する。
本明細書において、シリカ粒子の特性の測定は、トナーから分離して実施する。トナーからシリカ粒子を分離する方法に制限はないが、例えば次、の分離処理により、トナーからシリカ粒子を分離して、得られたシリカ粒子に対して実施する。
-分離処理-
0.2質量%のTriton X-100(Sigma-Aldrich社製)水溶液50gにトナー2gを分散させ、分散液に超音波ホモジナイザーUS-300T(株式会社日本精機製作所製)を用いて20℃85WATT条件で30分間以上印加した後、分散液を高速遠心分離し、上澄み液を80℃で真空乾燥させてシリカ粒子を得る。
本実施形態に係る静電荷像現像用トナー(単に「トナー」とも称す)は、
トナー粒子と、トナー粒子に外添されたトナー粒子(以下、「特定シリカ粒子」とも称する)と、を有する。
そして、特定シリカ粒子は、モリブデン元素を含む窒素元素含有化合物(以下、単に「窒素元素含有化合物」とも称する)を含み、かつ、蛍光X線分析により測定される、モリブデン元素のNet強度とシリコンのNet強度との比率(Mo/Si)が、0.035以上0.35以下である。
本実施形態に係るトナーは、上記構成により、温度及び湿度の環境影響(高温高環境下(例えば30℃90%RHの環境下)、又は低温低湿(例えば10℃10%RH)の環境下の影響等)を受け難く、長期間わたり繰り返し画像を形成しても、かぶり(つまり非画像部にトナーが付着する現象)の発生、クラウドつまりトナーの飛び散り)の発生、画像濃度の低下を抑制する。その理由は次の通り推測される。
シリカ粒子は、負帯電性が高く、過剰に帯電することがある。そのため、帯電分布が広くなる。帯電分布が広くなるシリカ粒子を外添したトナーは、かぶり、クラウド、画像濃度性が発生する。特に、高温高湿環境下では、かぶり、クラウド、画像濃度低下が発生し易い。
一方、窒素元素含有化合物をシリカ粒子に吸着させると、シリカ粒子が帯電したときの過剰な負帯電を抑えることができる。窒素元素含有化合物は、正帯電性を有しており、窒素元素含有化合物を吸着させたシリカ粒子は、過剰な負帯電を打ち消し、過剰な負帯電を抑制する。特に、低温低湿下環境にて発生しやすい過剰に帯電の高いトナーが減少することにより、かぶりの発生、クラウドの発生、画像濃度性の低下が抑制され易くなる。
しかし、単に、窒素元素含有化合物をシリカ粒子に吸着させると、負帯電と正帯電に帯電分布が広がってしまう。そして、上述のように、特に、高温高湿環境下(例えば30℃90%RHの環境下)、低温低湿環境下(例えば10℃10%RHの環境下)では、シリカ粒子が外添させたトナーは、トナーの帯電量が低くなるため、シリカ粒子の帯電分布が広がると、帯電し難いトナー粒子量が増えるため、かぶりの発生、クラウドの発生、画像濃度性の低下が生じ易い。
そこで、本実施形態に係るトナーでは、シリカ粒子として、モリブデン元素を含む窒素元素含有化合物を含み、蛍光X線分析により測定される、モリブデン元素のNet強度とシリコン元素のNet強度との比率(Mo/Si)が、0.035以上0.35以下であるシリカ粒子を適用する。
モリブデン元素を含む窒素元素含有化合物は、窒素元素の活性を高め、窒素元素含有化合物がシリカ粒子の最表面ではなく細孔内部に存在しても、窒素元素の帯電性を適度に発現することができる。また、窒素元素を有するカチオン部との相互作用も高くなるため、カチオン部の脱離も起こりづらくなるため、維持性も向上する。更に、モリブデン元素の存在の比率により、正から負帯電電性まで、要求に応じて帯電性の調整が可能である。
そして、そのような性質を持つ、モリブデン元素を含む窒素元素含有化合物を、モリブデン元素のNet強度とシリコン元素のNet強度との比率(Mo/Si)を上記範囲でシリカ粒子に含ませることで、帯電分布が狭く、かつ、その維持性が高まる。
以上から、本実施形態に係るトナーは、温度及び湿度の環境影響を受け難く、長期間わたり繰り返し画像を形成しても、かぶりの発生、クラウドの発生、画像濃度の低下を抑制するとなると推測される。
本実施形態に係るシリカ粒子は、下記態様(A)及び下記態様(B)のいずれかを満たすことが好ましい。
・態様(A):350℃焼成前後における窒素ガス吸着法の細孔分布曲線から求める細孔直径1nm以上50nm以下の細孔体積を各々A及びBとしたとき、B/Aが1.2以上5以下であり、かつBが0.2cm/g以上3cm/g以下である。
ここで、以下、「350℃焼成前における窒素ガス吸着法の細孔分布曲線から求める細孔直径1nm以上50nm以下の細孔体積A」を「350℃焼成前の細孔体積A」とも称する。
一方、「350℃焼成後における窒素ガス吸着法の細孔分布曲線から求める細孔直径1nm以上50nm以下の細孔体積B」を「350℃焼成後の細孔体積B」とも称する。
・態様(B):交差分極/マジック角回転(CP/MAS)法による29Si固体核磁気共鳴(NMR)スペクトル(以下「Si-CP/MAS NMRスペクトル」とも称する)における化学シフト-50ppm以上-75ppm以下の範囲に観測されるシグナルの積分値Cと、化学シフト-90ppm以上-120ppm以下の範囲に観測されるシグナルの積分値Dとの比率C/Dが0.10以上0.75以下である。
本実施形態に係るトナーは、態様(A)又は(B)に係るシリカ粒子を適用すると、温度及び湿度の環境影響を受け難く、長期間わたり繰り返し画像を形成したときでも、かぶり発生、クラウド発生、画像濃度低下の抑制が実現され易くなる。その理由は次の通り推測される。
上述のように、窒素元素含有化合物をシリカ粒子に吸着させると、シリカ粒子が帯電したときの過剰な負帯電を抑えることができる。窒素元素含有化合物は、正帯電性を有しており、窒素元素含有化合物を吸着させたシリカ粒子は、過剰な負帯電を打ち消し、過剰な負帯電を抑制する。
しかし、窒素元素含有化合物は正帯電性を有し、シリカ粒子最表面に吸着させると、負帯電と正帯電に帯電分布が広がってしまう。そのため、窒素元素含有化合物は、シリカ粒子の表面を被覆するのではなく、細孔等に存在するのが好ましい。
そこで、態様(A)に係るシリカ粒子では、350℃焼成前の細孔体積Aと350℃焼成後の細孔体積Bと、を上記関係となる特性とする。
350℃焼成後の細孔体積Bは、焼成して、シリカ粒子の細孔に吸着し、細孔の一部を塞いでいた窒素元素含有化合物が揮発後の細孔体積である。そのため、B/Aが1.2以上5以下であり、かつBが0.2cm/g以上3cm/g以下とすると、窒素元素含有化合物がシリカ粒子の少なくとも一部の細孔に十分量の窒素元素含有化合物が吸着していることを示している。そのため、窒素元素含有化合物による帯電分布の狭化が向上する。
一方、態様(B)に係るシリカ粒子では、Si-CP/MAS NMRスペクトルにおける化学シフト-50ppm以上-75ppm以下の範囲に観測されるシグナルの積分値Cと、化学シフト-90ppm以上-120ppm以下の範囲に観測されるシグナルの積分値Dとの比率C/Dを上記範囲とする。
上記範囲を満たすシグナルの積分値を有することは、少なくとも一部のシリカ粒子表面に、十分量の窒素元素含有化合物が吸着する低密度な、シランカップリング剤(特に、3官能シランカップリング剤)の反応生成物で構成された構造体(例えば、SiO2/3CH層)が形成されていることを示している。シランカップリング剤(特に、3官能シランカップリング剤)の反応生成物で構成された構造体は、低密度で、かつ窒素元素含有化合物が吸着しやすい細孔形状になっている。
そのため、窒素元素含有化合物による帯電分布の狭化が向上する。
以上から、本実施形態に係るトナーは、態様(A)又は(B)を満たすシリカ粒子を適用すると、温度及び湿度の環境影響を受け難く、長期間わたり繰り返し画像を形成したときでも、かぶり発生、クラウド発生、画像濃度低下の抑制が実現され易くなると推測される。
以下、本実施形態に係るトナーについて、詳細に説明する。
本実施形態に係るトナーは、トナー粒子と、外添剤とをする。
(トナー粒子)
トナー粒子は、結着樹脂を含む。トナー粒子は、必要に応じて、着色剤、離型剤、その他添加剤を含んでもよい。
-結着樹脂-
結着樹脂としては、例えば、スチレン類(例えばスチレン、パラクロロスチレン、α-メチルスチレン等)、(メタ)アクリル酸エステル類(例えばアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n-プロピル、アクリル酸n-ブチル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸2-エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n-プロピル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸2-エチルヘキシル等)、エチレン性不飽和ニトリル類(例えばアクリロニトリル、メタクリロニトリル等)、ビニルエーテル類(例えばビニルメチルエーテル、ビニルイソブチルエーテル等)、ビニルケトン類(ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルイソプロペニルケトン等)、オレフィン類(例えばエチレン、プロピレン、ブタジエン等)等の単量体の単独重合体、又はこれら単量体を2種以上組み合せた共重合体からなるビニル系樹脂が挙げられる。
結着樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ポリエーテル樹脂、変性ロジン等の非ビニル系樹脂、これらと前記ビニル系樹脂との混合物、又は、これらの共存下でビニル系単量体を重合して得られるグラフト重合体等も挙げられる。
これらの結着樹脂は、1種類単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
結着樹脂としては、ポリエステル樹脂が好適である。
ポリエステル樹脂としては、例えば、公知のポリエステル樹脂が挙げられる。
ポリエステル樹脂としては、例えば、多価カルボン酸と多価アルコールとの縮重合体が挙げられる。なお、ポリエステル樹脂としては、市販品を使用してもよいし、合成したものを使用してもよい。
多価カルボン酸としては、例えば、脂肪族ジカルボン酸(例えばシュウ酸、マロン酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸、コハク酸、アルケニルコハク酸、アジピン酸、セバシン酸等)、脂環式ジカルボン酸(例えばシクロヘキサンジカルボン酸等)、芳香族ジカルボン酸(例えばテレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、ナフタレンジカルボン酸等)、これらの無水物、又はこれらの低級(例えば炭素数1以上5以下)アルキルエステルが挙げられる。これらの中でも、多価カルボン酸としては、例えば、芳香族ジカルボン酸が好ましい。
多価カルボン酸は、ジカルボン酸と共に、架橋構造又は分岐構造をとる3価以上のカルボン酸を併用してもよい。3価以上のカルボン酸としては、例えば、トリメリット酸、ピロメリット酸、これらの無水物、又はこれらの低級(例えば炭素数1以上5以下)アルキルエステル等が挙げられる。
多価カルボン酸は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
多価アルコールとしては、例えば、脂肪族ジオール(例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール等)、脂環式ジオール(例えばシクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、水添ビスフェノールA等)、芳香族ジオール(例えばビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物等)が挙げられる。これらの中でも、多価アルコールとしては、例えば、芳香族ジオール、脂環式ジオールが好ましく、より好ましくは芳香族ジオールである。
多価アルコールとしては、ジオールと共に、架橋構造又は分岐構造をとる3価以上の多価アルコールを併用してもよい。3価以上の多価アルコールとしては、例えば、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールが挙げられる。
多価アルコールは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
ポリエステル樹脂のガラス転移温度(Tg)は、50℃以上80℃以下が好ましく、50℃以上65℃以下がより好ましい。
なお、ガラス転移温度は、示差走査熱量測定(DSC)により得られたDSC曲線より求め、より具体的にはJIS K 7121-1987「プラスチックの転移温度測定方法」のガラス転移温度の求め方に記載の「補外ガラス転移開始温度」により求められる。
ポリエステル樹脂の重量平均分子量(Mw)は、5000以上1000000以下が好ましく、7000以上500000以下がより好ましい。
ポリエステル樹脂の数平均分子量(Mn)は、2000以上100000以下が好ましい。
ポリエステル樹脂の分子量分布Mw/Mnは、1.5以上100以下が好ましく、2以上60以下がより好ましい。
なお、重量平均分子量及び数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)により測定する。GPCによる分子量測定は、測定装置として東ソー製GPC・HLC-8120GPCを用い、東ソー製カラム・TSKgel SuperHM-M(15cm)を使用し、THF溶媒で行う。重量平均分子量及び数平均分子量は、この測定結果から単分散ポリスチレン標準試料により作成した分子量校正曲線を使用して算出する。
ポリエステル樹脂は、周知の製造方法により得られる。具体的には、例えば、重合温度を180℃以上230℃以下とし、必要に応じて反応系内を減圧にし、縮合の際に発生する水やアルコールを除去しながら反応させる方法により得られる。
なお、原料の単量体が、反応温度下で溶解又は相溶しない場合は、高沸点の溶剤を溶解補助剤として加え溶解させてもよい。この場合、重縮合反応は溶解補助剤を留去しながら行う。共重合反応において相溶性の悪い単量体が存在する場合は、あらかじめ相溶性の悪い単量体とその単量体と重縮合予定の酸又はアルコールとを縮合させておいてから主成分と共に重縮合させるとよい。
結着樹脂の含有量としては、例えば,トナー粒子全体に対して、40質量%以上95質量%以下が好ましく、50質量%以上90質量%以下がより好ましく、60質量%以上85質量%以下がさらに好ましい。
-着色剤-
着色剤としては、例えば、カーボンブラック、クロムイエロー、ハンザイエロー、ベンジジンイエロー、スレンイエロー、キノリンイエロー、ピグメントイエロー、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、ウオッチヤングレッド、パーマネントレッド、ブリリアントカーミン3B、ブリリアントカーミン6B、デュポンオイルレッド、ピラゾロンレッド、リソールレッド、ローダミンBレーキ、レーキレッドC、ピグメントレッド、ローズベンガル、アニリンブルー、ウルトラマリンブルー、カルコオイルブルー、メチレンブルークロライド、フタロシアニンブルー、ピグメントブルー、フタロシアニングリーン、マラカイトグリーンオキサレートなどの種々の顔料、又は、アクリジン系、キサンテン系、アゾ系、ベンゾキノン系、アジン系、アントラキノン系、チオインジコ系、ジオキサジン系、チアジン系、アゾメチン系、インジコ系、フタロシアニン系、アニリンブラック系、ポリメチン系、トリフェニルメタン系、ジフェニルメタン系、チアゾール系などの各種染料等が挙げられる。
着色剤は、1種類単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
着色剤は、必要に応じて表面処理された着色剤を用いてもよく、分散剤と併用してもよい。また、着色剤は、複数種を併用してもよい。
着色剤の含有量としては、例えば、トナー粒子全体に対して、1質量%以上30質量%以下が好ましく、3質量%以上15質量%以下がより好ましい。
-離型剤-
離型剤としては、例えば、炭化水素系ワックス;カルナバワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス等の天然ワックス;モンタンワックス等の合成又は鉱物・石油系ワックス;脂肪酸エステル、モンタン酸エステル等のエステル系ワックス;などが挙げられる。離型剤は、これに限定されるものではない。
離型剤の融解温度は、50℃以上110℃以下が好ましく、60℃以上100℃以下がより好ましい。
なお、融解温度は、示差走査熱量測定(DSC)により得られたDSC曲線から、JIS K 7121-1987「プラスチックの転移温度測定方法」の融解温度の求め方に記載の「融解ピーク温度」により求める。
離型剤の含有量としては、例えば、トナー粒子全体に対して、1質量%以上20質量%以下が好ましく、5質量%以上15質量%以下がより好ましい。
-その他の添加剤-
その他の添加剤としては、例えば、磁性体、帯電制御剤、無機粉体等の周知の添加剤が挙げられる。これらの添加剤は、内添剤としてトナー粒子に含まれる。
-トナー粒子の特性等-
トナー粒子は、単層構造のトナー粒子であってもよいし、芯部(コア粒子)と芯部を被覆する被覆層(シェル層)とで構成された所謂コア・シェル構造のトナー粒子であってもよい。
ここで、コア・シェル構造のトナー粒子は、例えば、結着樹脂と必要に応じて着色剤及び離型剤等のその他添加剤とを含んで構成された芯部と、結着樹脂を含んで構成された被覆層と、で構成されていることがよい。
トナー粒子の体積平均粒径(D50v)としては、2μm以上10μm以下が好ましく、4μm以上8μm以下がより好ましい。
なお、トナー粒子の各種平均粒径、及び各種粒度分布指標は、コールターマルチサイザーII(ベックマン・コールター社製)を用い、電解液はISOTON-II(ベックマン・コールター社製)を使用して測定される。
測定に際しては、分散剤として、界面活性剤(アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムが好ましい)の5%水溶液2ml中に測定試料を0.5mg以上50mg以下加える。これを電解液100ml以上150ml以下中に添加する。
試料を懸濁した電解液は超音波分散器で1分間分散処理を行い、コールターマルチサイザーIIにより、アパーチャー径として100μmのアパーチャーを用いて2μm以上60μm以下の範囲の粒径の粒子の粒度分布を測定する。なお、サンプリングする粒子数は50000個である。
測定される粒度分布を基にして分割された粒度範囲(チャンネル)に対して体積、数をそれぞれ小径側から累積分布を描いて、累積16%となる粒径を体積粒径D16v、数粒径D16p、累積50%となる粒径を体積平均粒径D50v、累積数平均粒径D50p、累積84%となる粒径を体積粒径D84v、数粒径D84pと定義する。
これらを用いて、体積粒度分布指標(GSDv)は(D84v/D16v)1/2、数粒度分布指標(GSDp)は(D84p/D16p)1/2として算出される。
トナー粒子の平均円形度としては、0.950以上0.990以下が好ましく、0.957以上0.980以下がより好ましい。
トナー粒子の平均円形度は、Sysmex社製FPIA-3000で測定する。本装置では、水などに分散させた粒子をフロー式画像解析法によって測定する方式が採用されており、吸引された粒子懸濁液はフラットシースフローセルに導かれ、シース液によって偏平な試料流が形成される。その試料流にストロボ光を照射することにより、通過中の粒子は対物レンズを通して、CCD(Charge Coupled Device)カメラで、静止画像として撮像される。撮像された粒子像を、2次元画像処理して、投影面積と周囲長から円形度を算出する。円形度に関しては、少なくとも4,000個以上各々画像解析を行い、統計処理することによって平均円形度を求める。
・式:円形度=円相当径周囲長/周囲長=[2×(Aπ)1/2]/PM
上式においてAは投影面積、PMは周囲長を表す。
なお、測定にはHPFモード(高分解能モード)を使用し、希釈倍率は1.0倍とする。また、データの解析に当たっては、測定ノイズ除去の目的で、円形度解析範囲を0.40~1.00の範囲とする。
(外添剤)
外添剤は、特定シリカ粒子を含む
特定シリカ粒子は、モリブデン元素を含む窒素元素含有化合物を含み、かつ、蛍光X線分析により測定される、モリブデン元素のNet強度とシリコン元素のNet強度との比率(Mo/Si)が、0.035以上0.35以下である。
(Net強度との比率(Mo/Si))
特定シリカ粒子において、蛍光X線分析により測定される、モリブデン元素のNet強度とシリコン元素のNet強度との比率(Mo/Si)は、0.035以上0.35以下であるが、シリカ粒子の帯電分布狭化及び帯電分布維持性、並びにかぶり、クラウド及び画像濃度低下の抑制の維持性の観点から、0.07以上0.32以下が好ましく、0.10以上0.30以下がより好ましい。
シリカ粒子の帯電分布狭化及び帯電分布維持性、並びにかぶり、クラウド及び画像濃度低下の抑制の維持性の観点から、モリブデン元素のNet強度は、5kcps以上75kcps以下、7kcps以上50kcps以下、8kcps以上55kcps以下、又は10kcps以上40kcps以下が好ましい。
モリブデン元素及びシリコン元素のNet強度は、次の通り測定する。
シリカ粒子約0.5gを、圧縮成形機を用いて荷重6t且つ60秒の加圧で圧縮し、直径50mm且つ厚さ2mmのディスクを作製する。このディスクを試料にして、走査型蛍光X線分析装置(XRF-1500、(株)島津製作所製)を用いて、下記の条件で定性定量元素分析を行い、モリブデン元素及びシリコン元素それぞれのNet強度(単位:kilo counts per second,kcps)を求める。
・管電圧:40kV
・管電流:90mA
・測定面積(分析径):直径10mmφ
・測定時間:30分
・対陰極:ロジウム
(細孔体積)
特定シリカ粒子において、350℃焼成前の細孔体積Aに対する350℃焼成後の細孔体積Bとの比B/Aは、1.2以上5以下であるが、帯電分布狭化の観点から、1.4以上3以下が好ましく、1.4以上2.5以下がより好ましい。
350℃焼成後の細孔体積Bは、0.2cm/g以上3cm/g以下であるが、帯電分布狭化の観点から、0.3cm/g以上1.8cm/g以下が好ましく、0.6cm/g以上1.5cm/g以下がより好ましい。
350℃焼成は、具体的には、次の通り実施する。
窒素環境下、昇温速度10℃/分で、測定対象のシリカ粒子を350℃まで昇温し、350℃で3時間保持する。その後、昇温速度10℃/分で室温(25℃)まで冷却する。
細孔体積は、次の通り測定する。
まず、測定対象のシリカ粒子を、液体窒素温度(-196℃)に冷却して、窒素ガスを導入し、その吸着量を定容量法又は重量法で求める。導入する窒素ガスの圧力を徐々に増加させ、各平衡圧に対する窒素ガスの吸着量をプロットすることにより吸着等温線を作成する。この吸着等温線から、BJH法の計算式により、縦軸が頻度、横軸が細孔直径で表される細孔径分布曲線を求める。
そして、得られた細孔径分布曲線から、縦軸が体積、横軸が細孔直径で表される積算細孔容積分布を求める。得られた積算細孔容積分布から、細孔直径1nm以上50nm以下の範囲の細孔容積を積算し、それを「細孔直径1nm以上50nm以下の細孔体積」とする。
(CP/MAS NMRスペクトル)
Si-CP/MAS NMRスペクトルおける化学シフト-50ppm以上-75ppm以下の範囲に観測されるシグナルの積分値Cと、化学シフト-90ppm以上-120ppm以下の範囲に観測されるシグナルの積分値Dの比率C/Dは、0.10、以上0.75以下であるが、帯電分布狭化の観点から、0.12以上0.45以下が好ましく、0.15以上0.40以下がより好ましい。
シリカ粒子の帯電分布狭化及び帯電分布維持性、並びにかぶり、クラウド及び画像濃度低下の抑制の維持性の観点から、の全シグナルの積分値を100%とした時の、化学シフト-50ppm以上-75ppm以下の範囲に観測されるシグナルの積分値Cの割合(Signal ratio)は、5%以上が好ましく、7%以上がより好ましい。なお、シグナルの積分値Cの割合の上限は、例えば、60%以下である。
Si-CP/MAS NMRスペクトルは、下記条件で、核磁気共鳴分光分析法による測定を実施することで得られる。
・分光器:AVENCE300(Brunker社製)
・共鳴周波数:59.6MHz
・測定核:29Si
・測定法:CPMAS法(Bruker社標準パルクシークエンスcp.av使用)
・待ち時間:4秒
・接触時間:8ミリ秒
・積算回数:2048回
・測定温度:室温(実測値25℃)
・観測中心周波数:-3975.72Hz
・MAS回転数:7.0mm-6kHz
・基準物質:ヘキシメチルシクロトリシロキサン
(特定シリカ粒子の構成)
特定シリカ粒子は、窒素元素含有化合物を含有する。
具体的には、特定シリカ粒子は、シリカ母粒子と、シリカ母粒子の少なくとも一部の表面が、1官能シランカップリング剤、2官能シランカップリング剤及び3官能シランカップリング剤よりなる群から選択される少なくとも1種の反応生成物(以下、シランカップリング剤の反応生成物」とも称する)で被覆され、さらに、前記反応生成物の少なくとも一部に窒素元素含有化合物が吸着した構造が挙げられる。前記構造を形成することで、上記細孔体積特性、上記Si-CP/MASNMRスペクトル特性を制御できる。また、後述する、疎水化度、及びOH基量も制御できる。
また、特定シリカ粒子において、前記構造の表面に、疎水化処理構造体を有していてもよい。
-シリカ母粒子-
シリカ母粒子は、その少なくとも一部表面が、シランカップリング剤の反応生成物の細孔の少なくとも一部に窒素元素含有化合物が吸着した構造体が形成される対象となるシリカ粒子である。
シリカ母粒子としては、例えば、乾式シリカ粒子、湿式シリカ粒子が挙げられる。
乾式シリカ粒子としては、シラン化合物を燃焼させて得られる燃焼法シリカ(ヒュームドシリカ)、金属珪素粉を爆発的に燃焼させて得られる爆燃法シリカが挙げられる。
湿式シリカ粒子としては、珪酸ナトリウムと鉱酸との中和反応によって得られる湿式シリカ粒子(アルカリ条件で合成・凝集した沈降法シリカ、酸性条件で合成・凝集したゲル法シリカ粒子)、酸性珪酸をアルカリ性にして重合することで得られるコロイダルシリカ粒子(シリカゾル粒子)、有機シラン化合物(例えばアルコキシシラン)の加水分解によって得られるゾルゲル法シリカ粒子が挙げられる。
これらの中でも、シリカ母粒子としては、帯電分布狭化の観点から、ゾルゲル法シリカ粒子が好ましい。
-シランカップリング剤の反応生成物-
シランカップリング剤の反応生成物(特に、3官能シランカップリング剤の反応生成物)で構成された吸着構造は、低密度でかつ窒素元素含有化合物と親和性が高い構造であるため、細孔の奥深くまで窒素元素含有化合物が吸着し易く、窒素元素含有化合物の吸着量(つまり含有量)が多くなる。負帯電性を有するシリカ表面に対して正帯電性を有する窒素元素含有化合物が付着することで、過剰な負帯電を打ち消す効果が発生する。また、窒素元素含有化合物はシリカ粒子の最表面ではなく、低密度構造内部に吸着しているため、正帯電性が強くなりすぎて帯電分布が広がることを防ぎ、過剰な負帯電のみを打ち消すことで、より帯電分布の狭化が向上する。
シランカップリング剤の反応生成物とは、例えば、下記一般式(TA)において、ORがOH基に置換した反応生成物、ORがOH基に置換したもの同士が重縮合した反応生成物、ORがOH基に置換したものとシリカ粒子のSiOH基と重縮合した反応生成物が挙げられる。また、シランカップリング剤の反応生成物は、これらはORすべて又は一部が置換した反応生成物、すべてあるいは一部が重縮合した反応生成物を含む。
シランカップリング剤は、N(窒素元素)を含有しない非窒素元素含有化合物である。
具体的には、シランカップリング剤としては、下記一般式(TA)で表されシランカップリング剤が挙げられる。
一般式(TA):R -Si(OR4-n
一般式(TA)中、Rは、炭素数1以上20以下の飽和若しくは不飽和の脂肪族炭化水素基又は炭素数6以上20以下の芳香族炭化水素基を表し、Rはハロゲン原子又はアルコキシ基を表す。複数のRは同じ基でもよいし、異なる基でもよい。nは1以上3以下の整数を表す。
で表される脂肪族炭化水素基は、直鎖状、分岐鎖状及び環状のいずれでもよいが、直鎖状又は分岐鎖状が好ましい。脂肪族炭化水素基の炭素数は、炭素数1以上20以下が好ましく、炭素数1以上18以下がより好ましく、炭素数1以上12以下が更に好ましく、炭素数1以上10以下が更に好ましい。脂肪族炭化水素基は、飽和及び不飽和のいずれでもよいが、飽和脂肪族炭化水素基が好ましく、アルキル基がより好ましい。
飽和脂肪族炭化水素基としては、直鎖状アルキル基(メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基、ヘキサデシル基、イコシル基等)、分岐鎖状アルキル基(イソプロピル基、イソブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、2-エチルヘキシル基、ターシャリーブチル基、ターシャリーペンチル基、イソペンタデシル基等)、環状アルキル基(シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、トリシクロデシル基、ノルボルニル基、アダマンチル基等)などが挙げられる。
不飽和脂肪族炭化水素基としては、アルケニル基(ビニル基(エテニル基)、1-プロペニル基、2-プロペニル基、2-ブテニル基、1-ブテニル基、1-ヘキセニル基、2-ドデセニル基、ペンテニル基等)、アルキニル基(エチニル基、1-プロピニル基、2-プロピニル基、1-ブチニル基、3-ヘキシニル基、2-ドデシニル基等)などが挙げられる。
で表される芳香族炭化水素基は、炭素数6以上20以下が好ましく、より好ましくは炭素数6以上18以下、更に好ましくは炭素数6以上12以下、更に好ましくは炭素数6以上10以下である。
芳香族炭化水素基としては、フェニレン基、ビフェニレン基、ターフェニレン基、ナフタレン基、アントラセン基等が挙げられる。
で表されるハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられる。ハロゲン原子としては、塩素原子、臭素原子、又はヨウ素原子が好ましい。
で表されるアルコキシ基としては、炭素数1以上10以下(好ましくは1以上8以下、より好ましくは1以上4以下)のアルコキシ基が挙げられる。アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、t-ブトキシ基、n-ブトキシ基、n-ヘキシロキシ基、2-エチルヘキシロキシ基、3,5,5-トリメチルヘキシルオキシ基等が挙げられる。アルコキシ基は、置換されたアルコキシ基も含む。アルコキシ基に置換し得る置換基としては、ハロゲン原子、水酸基、アミノ基、アルコキシ基、アミド基、カルボニル基等が挙げられる。
nは、1又は2の整数が好ましく、1がより好ましい。
一般式(TA)で表されるシランカップリング剤は、Rが炭素数1以上20以下の飽和脂肪族炭化水素基であり、Rがハロゲン原子又はアルコキシ基であり、nが1である3官能シランカップリング剤が好ましい。
3官能シランカップリング剤としては、例えば、
ビニルトリメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、プロピルトリメトキシシラン、ブチルトリメトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、n-オクチルトリメトキシシラン、デシルトリメトキシシラン、ドデシルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、ブチルトリエトキシシラン、ヘキシルトリエトキシシラン、デシルトリエトキシシラン、ドデシルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、o-メチルフェニルトリメトキシシラン、p-メチルフェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ベンジルトリエトキシシラン、デシルトリクロロシラン、フェニルトリクロロシラン(以上、Rが、無置換の脂肪族炭化水素基又は無置換の芳香族炭化水素基である化合物);
3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ-クロロプロピルトリメトキシシラン、γ-グリシジルオキシプロピルメチルジメトキシシラン(以上、Rが、置換された脂肪族炭化水素基又は置換された芳香族炭化水素基である化合物);
などが挙げられる。
3官能シランカップリング剤は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、帯電分布狭化の観点から、3官能シランカップリング剤としては、アルキルトリアルコキシシランが好ましく、一般式(TA)において、Rが炭素数1以上20以下(好ましくは炭素数1以上15以下)のアルキル基を示し、Rが炭素数1以上2以下のアルキル基を示すアルキルトリアルコキシシランがより好ましい。
シランカップリング剤の反応生成物で構成された構造体の付着量は、帯電分布狭化及び帯電分布維持性の観点から、シリカ粒子に対して5.5質量%以上30質量%以下が好ましく、7質量%以上22質量%以下がより好ましい。
-窒素元素含有化合物-
窒素元素含有化合物は、アンモニア、及び温度-200℃以上25℃以下で気体状態の化合物を除く、モリブデン元素を含む窒素元素含有化合物である。
具体的には、窒素元素含有化合物は、シリカ粒子の帯電分布狭化及び帯電分布維持性、並びにかぶり、クラウド及び画像濃度低下の抑制の維持性の観点から、モリブデン元素を含む四級アンモニウム塩(特に、四級アンモニウムのモリブデン元素を含む塩)、及び、四級アンモニウム塩とモリブデン元素を含む金属酸化物との混合物よりなる群から選択される少なくとも1種が好ましい。
特に、四級アンモニウムのモリブデン元素を含む塩は、陰イオンであるモリブデン元素を含むアニオンが、陽イオンである四級アンモニウムカチオンとの結合が強いため、帯電分布維持性が高まる。その結果、かぶり、クラウド及び画像濃度低下の抑制の制維持が実現され易くなる。
窒素元素含有化合物は、上記シランカップリング剤の反応生成物の細孔の少なくとも一部に吸着していることが好ましい。
なお、モリブデン元素を含む窒素含有化合物は、1種単独で使用しても、2種以上併用してもよい。また、モリブデン元素を含む窒素含有化合物は、Moを含まない窒素含有化合物(四級アンモニウム塩、第一級アミン化合物、第二級アミン化合物、第三級アミン化合物、アミド化合物、イミン化合物、及びニトリル化合物よりなる群から選択される少なくとも1種等、好ましくは四級アンモニウム塩)と併用してもよい。
四級アンモニウム塩(モリブデン元素を含まない四級アンモニウム塩)は、特に制限されず、公知の四級アンモニウム塩が適用できる。
四級アンモニウム塩(モリブデン元素を含まない四級アンモニウム塩)は、帯電分布狭
なお、一般式(AM)で表される化合物は、1種単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。
Figure 2023047233000001


一般式(AM)中、R、R、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子、又は置換基を有していてもよいアルキル基、アラルキル基若しくはアリール基を表し、Xは陰イオンを表す。ただし、R、R、R及びRの少なくとも一つは置換基を有していてもよいアルキル基、アラルキル基若しくはアリール基を表す。また、R、R、R及びRのうち、2つ以上は連結して、脂肪族環、芳香環、又はヘテロ環形成してもよい。
~Rで表されるアルキル基としては、炭素数1以上20以下の直鎖状のアルキル基、炭素数3以上20以下の分岐状のアルキル基が挙げられる。
炭素数1以上20以下の直鎖状のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n-プロピル基、n-ブチル基、n-ペンチル基、n-ヘキシル基、n-ヘプチル基、n-オクチル基、n-ノニル基、n-デシル基、n-ウンデシル基、n-ドデシル基、n-トリデシル基、n-テトラデシル基、n-ペンタデシル基、n-ヘキサデシル基等が挙げられる。
炭素数3以上20以下の分岐状のアルキル基としては、例えば、イソプロピル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert-ペンチル基、イソヘキシル基、sec-ヘキシル基、tert-ヘキシル基、イソヘプチル基、sec-ヘプチル基、tert-ヘプチル基、イソオクチル基、sec-オクチル基、tert-オクチル基、イソノニル基、sec-ノニル基、tert-ノニル基、イソデシル基、sec-デシル基、tert-デシル基等が挙げられる。
上記の中でも、R~Rで表されるアルキル基としては、メチル基、エチル基、ブチル基、テトラデシル基等の炭素数1以上15以下のアルキル基であることが好ましい。
~Rで表されるアラルキル基としては、炭素数7以上30以下のアラルキル基が挙げられる。
炭素数7以上30以下のアラルキル基としては、例えば、ベンジル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基、4-フェニルブチル基、フェニルペンチル基、フェニルヘキシル基、フェニルヘプチル 基、フェニルオクチル基、フェニルノニル基、ナフチルメチル基、ナフチルエチル基、アントラチルメチル基、フェニル-シクロペンチルメチル基等が挙げられる。
上記の中でも、R~Rで表されるアラルキル基としては、ベンジル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基、4-フェニルブチル基等の炭素数7以上15以下のアラルキル基であることが好ましい。
~Rで表されるアリール基としては、炭素数6以上20以下のアリール基等が挙げられる。
炭素数6~20のアリール基としては、例えば、フェニル基、ピリジル基、ナフチル基等が挙げられる。
上記の中でも、R~Rで表されるアリール基としては、フェニル基等の炭素数6以上10以下のアリール基であることが好ましい。
で表される陰イオンとしては、有機陰イオン、無機陰イオンが挙げられる。
有機陰イオンとしては、ポリフルオロアルキルスルホン酸イオン、ポリフルオロアルキルカルボン酸イオン、テトラフェニルホウ酸イオン、芳香族カルボン酸イオン、芳香族スルホン酸イオン(1-ナフトール-4-スルホン酸イオン等)などが挙げられる。
無機陰イオンとしては、OH、F、Fe(CN) 3-、Cl、Br、NO 、NO 、CO 2-、PO 3-、SO 2-等が挙げられる。
一般式(AM)中、R、R、R及びRの2つ以上が互いに連結して環を形成していてもよい。R、R、R及びRの2つ以上が互いに連結して形成される環としては、炭素数2以上20以下の脂環、炭素数2以上20以下の複素環式アミン等が挙げられる。
一般式(AM)で表される化合物において、R、R、R及びRが、それぞれ独立に、置換基を有していてもよい。置換基としては、例えば、ニトリル基、カルボニル基、エーテル基、アミド基、シロキサン基、シリル基、シランアルコキシ基、等が挙げられる。
、R、R及びRは、各々独立に、炭素数1以上16以下のアルキル基、炭素数7以上10以下のアラルキル基、又は炭素数6以上20以下のアリール基を表すことが好ましい。
これらの中でも、帯電分布狭化の観点から、一般式(AM)で表される化合物は、総炭素数18以上35以下が好ましく、20以上32以下がより好ましい。
一般式(AM)で表される化合物におけるX以外の構造の例示を以下に示すが、本実施形態はこれに限定されない。
Figure 2023047233000002


モリブデン元素を含む四級アンモニウム塩は、シリカ粒子の帯電分布狭化及び帯電分布維持性、並びにかぶり、クラウド及び画像濃度低下の抑制の維持性の観点から、一般式(AM)で表される化合物であって、Xが、陰イオンとしてモリブデン酸イオン(MoO 2-、Mo 2-、Mo10 2-、Mo13 2-、Mo24 2-、Mo26 4-等)を表す化合物が好ましい。具体的には、モリブデン元素を含む四級アンモニウム塩としては、[N(CH)(C1429Mo28 4-、[N(C(CMo 2-、[N(CH(CH)(CH17CHMoO 2-、[N(CH(CH)(CH15CHMoO 2-等が挙げられる。
モリブデン元素を含む金属酸化物としては、モリブデン酸化物(三酸化モリブデン、二酸化モリブデン、Mo26)、モリブデン酸アルカリ金属塩(モリブデン酸リチウム、モリブデン酸ナトリウム、モリブデン酸カリウム等)、モリブデンアルカリ土類金属塩(モリブデン酸マグネシウム、モリブデン酸カルシウム等)、その他複合酸化物(Bi・2MoO、γ-CeMo13等)が挙げられる。
-窒素元素含有化合物の検出及び含有量-
特定シリカ粒子は、300℃以上600℃以下の範囲の温度帯で加熱した際に、窒素元素含有化合物が検出される。具体的には、例えば、次の通りである。
窒素元素含有化合物の検出には、例えば、キャリア―ガスとしてHeを用いた加熱炉式の落下型熱分解ガスクロマトグラフ質量分析計を利用する。窒素元素含有化合物は、不活性ガス下での300℃以上600℃以下の熱分解温度条件で検出することができる。具体的には0.1mg以上10mg以下のシリカ粒子を熱分解ガスクロマトグラフ質量分析計に導入し、検出されるピークのMSスペクトルから窒素元素含有化合物の含有有無を確認することができる。窒素元素含有化合物を含有するシリカ粒子から熱分解で生成する成分としては、例えば、下記一般式(N)で示される1級以上3級以下のアミン又は芳香族窒素化合物が挙げられる。
下記一般式(N)において、RN1~RN3は、それぞれ独立に、それぞれ独立に、水素原子、又は置換基を有していてもよいアルキル基、アラルキル基若しくはアリール基を表し、RN1~RN3は、一般式(AM)のR、R、及びRと同義である。
例えば、窒素元素含有化合物が四級アンモニウム塩である場合、600℃の熱分解により側鎖の一部が脱離し、3級アミンとして検出される。
Figure 2023047233000003


窒素元素含有化合物の含有量は、帯電分布狭化の観点から、シリカ粒子に対して、N原子換算で0.008質量%以上0.45質量%以下が好ましく、0.015質量%以上0.20質量%以下がより好ましく、0.018質量%以上0.10質量%以下がさらに好ましい。
N元素換算の窒素元素含有化合物の含有量は、次の通り測定する。
酸素・窒素分析装置(例えば堀場製作所社製のEMGA-920)を用いて、積算時間45秒で測定し、窒素元素の存在量をNの割合(N/Si)を得る。なお、試料前処理として、真空乾燥機で100℃24時間以上乾燥することで、アンモニア等不純物をシリカ粒子から除去しておく。
-窒素元素含有化合物の抽出量-
アンモニア/メタノール混合溶液による窒素元素含有化合物の抽出量Xは、0.1質量%以上であり、窒素元素含有化合物の抽出量Xと、水による窒素元素含有化合物の抽出量Yとが、式:Y/X<0.3を満たすことがよい。
つまり、窒素元素含有化合物は、水に溶け難い性質、すなわち空気中の水分を吸着し難い。
窒素元素含有化合物を含むシリカ粒子において、当該窒素元素含有化合物が水分を吸着すると、帯電分布が広化し、また、シリカ粒子から窒素元素含有化合物が離脱し易くなる。
しかし、空気中の水分を吸着し難い窒素元素含有化合物を含むシリカ粒子は、空気中に水分が多分に存在しても(高湿度下でも)、帯電分布が広化し難く、かつ、窒素元素含有化合物が離脱し難く、狭い帯電分布が維持され易くなる。その結果、かぶり、クラウド及び画像濃度低下の抑制の維持が実現され易くなる。
窒素元素含有化合物の抽出量Xは、50質量%以上が好ましい。ただし、窒素元素含有化合物の抽出量Xの上限は、表面張力の関係で、細孔内部へ溶液が浸透しづらく、窒素元素含有化合物の一部は溶解せずに残ることから、例えば、95質量%以下である。
窒素元素含有化合物の抽出量Xと窒素元素含有化合物の抽出量Yとの比「Y/X」は、0.3未満が好ましく、0.15以下がより好ましい。ただし、比「Y/X」の下限は、理想的には、0であるが、X及びYの測定誤差範囲が±1%の範囲程度見られることから、例えば、0.01以上である。
ここで、窒素元素含有化合物の抽出量X及びYは、次の通り測定される。
まず、測定対象のシリカ粒子を、熱重量・質量分析装置(例えばネッチ・ジャパン 株式会社製のガスクロマトグラフ質量分析計)で400℃一定で分析し、少なくとも炭素数が1以上の炭化水素が窒素元素と共有結合した化合物の、シリカ粒子に対する質量分率の積算を測定し、W1とする。
一方、液温25℃のアンモニア/メタノール溶液(Sigma-Aldrich社製、アンモニア/メタノールの質量比=1/5.2)30質量部に、測定対象のシリカ粒子1質量部を添加し、30分間超音波処理を行った後、シリカ粉体と抽出液を分離する。分離したシリカ粒子を真空乾燥機で100℃24時間乾燥し、熱重量・質量分析装置により、400℃一定条件で、少なくとも炭素数が1以上の炭化水素が窒素原子と共有結合した化合物のシリカ粒子に対する質量分率を測定し、W2とする。
そして、下記式で、窒素元素含有化合物の抽出量Xを算出する。
・式:X=W1-W2
また、液温25℃の水30質量部に、測定対象のシリカ粒子1質量部を添加し、30分間超音波処理を行った後、シリカ粒子と抽出液を分離する。分離したシリカ粒子を真空乾燥機で100℃24時間乾燥し、熱重量・質量分析装置により、400℃一定条件で、少なくとも炭素数が1以上の炭化水素が窒素原子と共有結合した化合物のシリカ粒子に対する質量分率を測定し、W3とする。
そして、下記式で、窒素元素含有化合物の抽出量Yを算出する。
・式:Y=W1-W3
(疎水化処理構造体)
疎水化処理構造体は、疎水化処理剤が反応した構造体である。
疎水化処理剤としては、例えば、有機ケイ素化合物が適用される。
有機ケイ素化合物としては、例えば、
メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、トリメチルクロロシラン、トリメチルメトキシシラン等の低級アルキル基を有するアルコキシシラン化合物又はハロシラン化合物;
ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン等のビニル基を有するアルコキシシラン化合物;
2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリエトキシシラン等のエポキシ基を有するアルコキシシラン化合物;
p-スチリルトリメトキシシラン、p-スチリルトリエトキシシラン等のスチリル基を有するアルコキシシラン化合物;
N-2-(アミノエチル)-3-アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N-2-(アミノエチル)-3-アミノプロピルトリメトキシシラン、3-アミノプロピルトリメトキシシラン、3-アミノプロピルトリエトキシシラン、3-トリエトキシシリル-N-(1,3-ジメチル-ブチリデン)プロピルアミン、N-フェニル-3-アミノプロピルトリメトキシシラン等のアミノアルキル基を有するアルコキシシラン化合物;
3-イソシアネートプロピルトリメトキシシラン、3-イソシアネートプロピルトリエトキシシラン等のイソシアネートアルキル基を有するアルコキシシラン化合物;
ヘキサメチルジシラザン、テトラメチルジシラザン等のシラザン化合物;
などが挙げられる。
(特定シリカ粒子の特性)
-疎水化度-
特定シリカ粒子の疎水化度は、10%以上60%以下であるが、シリカ粒子の帯電分布狭化及び帯電分布維持性、並びにかぶり、クラウド及び画像濃度低下の抑制の維持性の観点から、20%以上55%以下がより好ましく、28%以上53%以下がさらに好ましい。
特定シリカ粒子の疎水化度が10%以下であると、シランカップリング剤の反応生成で構造体の被覆量が低く、窒素元素含有化合物の含有量が低減する、そのため、帯電分布が広がり易くなる。
一方、特定シリカ粒子の疎水化度が60%を超えると、シランカップリング剤の反応生成で構造体の密度が高くなり、細孔も少なく、窒素元素含有化合物の含有量が低減する。そのため、帯電分布が広がり易くなる。
シリカ粒子の疎水化度は、次の通り測定する。
イオン交換水50mlに、試料となるシリカ粒子を0.2質量%入れ、マグネティックスターラーで攪拌しながらビュレットからメタノールを滴下し、試料全量が沈んだ終点におけるメタノール-水混合溶液中のメタノール質量分率を、疎水化度として求める。
-個数平均粒径及び個数粒度分布指標-
特定シリカ粒子の個数平均粒径は、10nm以上200nm以下が好ましく、10nm以上80nm以下がより好ましく、10nm以上60nm以下がより好ましい。
シリカ粒子の個数平均粒径が上記範囲であると、比表面積が大きく、過剰な帯電が生じやすいが、特定シリカ粒子は、個数平均粒径が上記範囲でも、帯電分布の狭化及び狭い帯電分布の維持性向上が実現される。その結果、特定シリカ粒子の個数平均粒子径が上記範囲でも、かぶり、クラウド及び画像濃度低下の抑制の維持が実現され易くなる。
特定シリカ粒子の個数粒度分布指標は、1.1以上2.0以下が好ましく、1.15以上1.6以下がより好ましい。
シリカ粒子の個数粒度分布指標が上記範囲であると、帯電量が大きくなる傾向がある粗紛及び帯電量が小さくなる傾向がある微粉が少なく、帯電分布の狭化が実現され易くなる。その結果、シリカ粒子の帯電分布狭化及び帯電分布維持性、並びにかぶり、クラウド及び画像濃度低下の抑制の維持が実現され易くなる。
ここで、シリカ粒子の個数平均粒径及び個数粒度分布指標は、次の通り測定する。
走査型電子顕微鏡(SEM)によりシリカ粒子を40,000倍で観察し、観察したシリカ粒子の画像を画像処理解析ソフトWinRoof(三谷商事(株)製)で解析し、少なくとも200個の粒子の円相当径を求める。そして、個々の粒子の個数について小径側から累積分布を描き、小径側から累積50%となる粒径、個数平均粒子径を求める。
また、小径側から、累積84%となる粒径D84を、累積16%となる粒子径D16で除した値の平方根を「個数粒度分布指標」(GSD)と定義する。すなわち、個数粒径分布指標(GSD)=(D84/D16)0.5である。
-円形度-
特定シリカ粒子の平均円形度は、0.60以上0.96以下が好ましく、0.70以上0.92以下がより好ましく、0.75以上0.90以下がさらに好ましい。
シリカ粒子の平均円形度が上記範囲であると、比表面積が大きく、過剰な帯電が生じやすいが、特定シリカ粒子は、平均円形度が上記範囲でも、帯電分布の狭化が実現される。
ここで、シリカ粒子の円形度は、次の通り測定する。
走査型電子顕微鏡(SEM)によりシリカ粒子を40,000倍で観察し、観察したシリカ粒子の画像を、画像処理解析ソフトWinRoof(三谷商事(株)製)を用いて解析し、少なくとも200個の粒子の円形度を求め、算術平均して平均円形度を算出する。
なお、円形度は、以下の式により算出する。
円形度=円相当径周囲長/周囲長=[2×(Aπ)1/2]/PM
上式において、Aは投影面積を表し、PMは周囲長を表す。
-体積抵抗率-
特定シリカ粒子の体積抵抗率(つまり、350℃焼成前の体積抵抗率)は、1.0×10Ωcm以上1.0×1011.5Ωcm以下が好ましく、1.0×10Ωcm以上1.0×1011Ωcm以下がより好ましい。
特定シリカ粒子の体積抵抗率が上記範囲であると、窒素元素含有化合物の含有量が多く、過剰な帯電が生じ難く、帯電分布の狭化が実現され易くなる。その結果、シリカ粒子の帯電分布狭化及び帯電分布維持性、並びにかぶり、クラウド及び画像濃度低下の抑制の維持が実現され易くなる。
特定シリカ粒子において、350℃焼成前後におけるシリカ粒子の体積抵抗率を各々Ra及びRbとしたとき、Ra/Rbは、0.01以上0.8以下であることが好ましく、0.015以上0.6以下がより好ましい。
Ra/Rbが上記範囲であると、窒素元素含有化合物の含有量が多く、過剰な帯電が生じ難く、帯電分布の狭化が実現され易くなる。その結果、シリカ粒子の帯電分布狭化及び帯電分布維持性、並びにかぶり、クラウド及び画像濃度低下の抑制の維持が実現され易くなる。
350℃焼成は、既述の通り実施する。
一方、体積抵抗率は、次の通り測定する。なお、測定環境は、温度20℃、湿度50%RHとする。
20cmの電極板を配した円形の治具の表面に、測定対象となるシリカ粒子を1mm以上3mm以下程度の厚さになるように載せ、シリカ粒子層を形成する。この上に前記同様の20cmの電極板を載せシリカ粒子層を挟み込む。シリカ粒子間の空隙をなくすため、シリカ粒子層上に載せた電極板の上に0.4MPaの圧力をかけてからシリカ粒子層の厚み(cm)を測定する。シリカ粒子層上下の両電極は、インピーダンスアナライザ(Solartron Analytical社製Iに接続されており、周波数10-3Hz以上10Hz以下を測定し、ナイキストプロット得る。これを、バルク抵抗、粒子界面抵抗及び電極接触抵抗の3種類の抵抗成分が存在すると仮定して、等価回路にフィッティングし、バルク抵抗Rを求める。
シリカ粒子の体積抵抗率(Ω・cm)の計算式は、下式に示す通りである。
・式:ρ=R/L
式中、ρはシリカ粒子の体積抵抗率(Ω・cm)、Rはバルク抵抗(Ω)、Lはシリカ粒子層の厚み(cm)をそれぞれ表す。
(OH基量)
特定シリカ粒子において、シアーズ法で測定されるOH基量は、0.2個/nm以上5.5個/nm以下が好ましく、帯電分布狭化の観点から、0.2個/nm以上4個/nm以下がより好ましく、0.2個/nm以上3個/nm以下がさらに好ましい。
シアーズ法で測定されるOH基量は、シランカップリング剤の反応生成物で構成された構造をシリカ母粒子に十分形成することで上記範囲に調整できる。
窒素元素含有化合物の吸着を阻害するOH基量を上記範囲まで低減することで、シリカ粒子の細孔(例えば、後述する吸着層の細孔)の奥深くまで、窒素元素含有化合物が入り込み易くなる。そして、窒素元素含有化合物に対する疎水性相互作用が働きシリカ粒子に対する付着力が強くなる。そのため、窒素元素含有化合物の吸着量が増す。それに加えて窒素元素含有化合物が離脱し難くなる。そのため、窒素元素含有化合物による帯電分布の狭化が向上すると共に、狭い帯電分布の維持性も向上する。
また、OH基量を上記範囲まで低減することで、帯電特性の環境依存性が低くなり、いずれの環境下(特に、過剰な負帯電化が生じやすい低温低湿環境下)でも、窒素元素含有化合物による帯電分布の狭化が実現し易くなる。
OH基量は、シアーズ法で測定される。具体的には、次の通りである。
シリカ粒子1.5gを純水50gとエタノール50g混合液に加えて、超音波ホモジナイザーで2分間撹拌し、分散液を作成する。25℃の環境下で撹拌しながら、0.1mol/Lの塩酸水溶液を1.0g滴下し、試験液を得る。得られた試験液を自動滴定装置に入れ、0.01mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液による電位差滴定を実施し、滴定曲線の微分曲線を作成する。滴定曲線の微分値が1.8以上となる変曲点の内、0.01mol/L水酸化ナトリウム水溶液の滴定量が最も多くなる滴定量をEとする。
下記式を用いて、シリカ粒子の表面シラノール基密度ρ(個/nm)を算出する。
式:ρ=((0.01×E-0.1)×NA/1000)/(M×SBET×1018
式中、符号の詳細は次の通りである。
E:滴定曲線の微分値が1.8以上となる変曲点の内、0.01mol/L水酸化ナトリウム水溶液の滴定量が最も多くなる滴定量
NA:アボガドロ数
M:シリカ粒子量(1.5g)
BET:シリカ粒子の比表面積(m/g) シリカ粒子の比表面積は、BET式の窒素吸着法3点法により測定する。なお、平衡相対圧は0.3とする。
(特定シリカ粒子の製造方法)
特定シリカ粒子の製造方法の一例は、
シリカ母粒子の少なくとも一部の表面に、シランカップリング剤の反応生成物で構成された構造体を形成する第一工程と、
シランカップリング剤の反応生成物の細孔の少なくとも一部に、窒素元素含有化合物を吸着させる第二工程と、
を有する。
特定シリカ粒子の製造方法は、第二工程後又は第二工程中に、シリカ母粒子の少なくとも一部の表面を被覆し、シランカップリング剤の反応生成物で構成され、かつシランカップリング剤の反応生成物の細孔の少なくとも一部に窒素元素含有化合物が吸着した構造体を有するシリカ母粒子に、疎水化処理を行う第三工程をさらに有してもよい。
以下、特定シリカ粒子の製造方法の工程を詳細に説明する。
[準備工程]
まず、シリカ母粒子を準備する工程について説明する。
準備工程としては、例えば、
(i)アルコールを含む溶媒とシリカ母粒子とを混合してシリカ母粒子懸濁液を準備する工程
(ii)シリカ母粒子をゾルゲル法により造粒してシリカ母粒子懸濁液を得る工程
等が挙げられる。
前記(i)に用いるシリカ母粒子としては、ゾルゲルシリカ粒子(ゾルゲル法により得られたシリカ粒子)、水性コロイダルシリカ粒子、アルコール性シリカ粒子、気相法により得られるフェームドシリカ粒子、溶融シリカ粒子等が挙げられる。
前記(i)に用いるアルコールを含む溶媒は、アルコール単独の溶媒であってもよいし、アルコールとその他の溶媒との混合溶媒であってもよい。アルコールとしては、例えば、メタノール、エタノール、n-プロパノール、イソプロパノール、ブタノール等の低級アルコールが挙げられる。その他の溶媒としては、水;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類;メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、酢酸セロソルブ等のセロソルブ類;ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル類;などが挙げられる。混合溶媒の場合、アルコールの割合は80質量%以上が好ましく、85質量%以上がより好ましい。
工程(1-a)は、シリカ母粒子をゾルゲル法により造粒してシリカ母粒子懸濁液を得る工程であることが好ましい。
より具体的に、工程(1-a)は、例えば、
アルコールを含む溶媒中にアルカリ触媒が含まれるアルカリ触媒溶液を準備するアルカリ触媒溶液準備工程と、
アルカリ触媒溶液中にテトラアルコキシシラン及びアルカリ触媒を供給して、シリカ母粒子を生成させるシリカ母粒子生成工程と、
を含むゾルゲル法であることが好ましい。
アルカリ触媒溶液準備工程は、アルコールを含む溶媒を準備し、この溶媒とアルカリ触媒とを混合して、アルカリ触媒溶液を得る工程であることが好ましい。
アルコールを含む溶媒は、アルコール単独の溶媒であってもよいし、アルコールとその他の溶媒との混合溶媒であってもよい。アルコールとしては、例えば、メタノール、エタノール、n-プロパノール、イソプロパノール、ブタノール等の低級アルコールが挙げられる。その他の溶媒としては、水;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類;メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、酢酸セロソルブ等のセロソルブ類;ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル類;などが挙げられる。混合溶媒の場合、アルコールの割合は80質量%以上が好ましく、85質量%以上がより好ましい。
アルカリ触媒は、テトラアルコキシシランの反応(加水分解反応と縮合反応)を促進させるための触媒であり、例えば、アンモニア、尿素、モノアミン等の塩基性触媒が挙げられ、特にアンモニアが好ましい。
アルカリ触媒溶液におけるアルカリ触媒の濃度は、0.5mol/L以上1.5mol/L以下が好ましく、0.6mol/L以上1.2mol/L以下がより好ましく、0.65mol/L以上1.1mol/L以下がより好ましい。
シリカ母粒子生成工程は、アルカリ触媒溶液中にテトラアルコキシシランとアルカリ触媒とをそれぞれ供給し、アルカリ触媒溶液中でテトラアルコキシシランを反応(加水分解反応と縮合反応)させて、シリカ母粒子を生成する工程である。
シリカ母粒子生成工程では、テトラアルコキシシランの供給初期にテトラアルコキシシランの反応により核粒子が生成した後(核粒子生成段階)、この核粒子の成長を経て(核粒子成長段階)、シリカ母粒子が生成する。
テトラアルコキシシランとしては、例えば、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、テトラブトキシシラン等が挙げられる。反応速度の制御性又は生成するシリカ母粒子の形状の均一性の観点から、テトラメトキシシラン又はテトラエトキシシランが好ましい。
アルカリ触媒溶液中に供給するアルカリ触媒としては、例えば、アンモニア、尿素、モノアミン、四級アンモニウム塩等の塩基性触媒が挙げられ、特にアンモニアが好ましい。テトラアルコキシシランと共に供給されるアルカリ触媒は、アルカリ触媒溶液中に予め含まれるアルカリ触媒と同じ種類のものであってもよいし、異なる種類のものであってもよいが、同じ種類のものであることが好ましい。
アルカリ触媒溶液中にテトラアルコキシシランとアルカリ触媒とをそれぞれ供給する供給方式は、連続的に供給する方式であってもよいし、間欠的に供給する方式であってもよい。
シリカ母粒子生成工程において、アルカリ触媒溶液の温度(供給時の温度)は、5℃以上50℃以下が好ましく、15℃以上45℃以下がより好ましい。
[第一工程]
第一工程では、シランカップリング剤の反応生成物で構成された構造を形成する。
具体的には、第一工程では、例えば、シリカ母粒子懸濁液に、シランカップリング剤を添加し、シリカ母粒子の表面にシランカップリング剤を反応させ、シランカップリング剤の反応生成物で構成された構造体を形成する。シランカップリング剤は、シランカップリング剤の官能基同士、シランカップリング剤の官能基とシリカ粒子表面のOH基とが反応して、シランカップリング剤の反応生成物で構成された構造体を形成する。
シランカップリング剤の反応は、シランカップリング剤をシリカ母粒子懸濁液に添加後、懸濁液を撹拌しながら、加熱することで実施する。
具体的には、例えば、懸濁液を40℃以上70℃に加熱し、シランカップリング剤を添加した後、撹拌する。撹拌を持続する時間は、10分間以上24時間以下が好ましく、60分間以上420分間以下がより好ましく、80分間以上300分間以下が更に好ましい。
[第二工程]
第二工程では、シランカップリング剤の反応生成物の細孔の少なくとも一部に、窒素元素含有化合物を吸着させる。
具体的には、第二工程では、まず、例えば、シリカ母粒子懸濁液に窒素元素含有化合物を添加し、例えば、20℃以上50℃以下の温度範囲で、撹拌する。それにより、窒素元素含有化合物が、シランカップリング剤の反応生成物の細孔の少なくとも一部に吸着する。
第二工程では、例えば、窒素元素含有化合物を含むアルコール液を、シリカ粒子懸濁液に添加してもよい。
アルコールは、シリカ母粒子懸濁液に含まれるアルコールと同じ種類であってもよいし、異なる種類であってもよいが、同じ種類であることがより好ましい。
窒素元素含有化合物を含むアルコール液において、窒素元素含有化合物の濃度は0.05質量%以上10質量%以下が好ましく、0.1質量%以上6質量%以下がより好ましい。
[第三工程]
第三工程では、第二工程後又は第二工程中に、シランカップリング剤の反応生成物の細孔の少なくとも一部に窒素元素含有化合物が吸着された構造体を有するシリカ母粒子に、疎水化処理を行う。
具体的には、第三工程では、例えば、前記構造体が形成されたシリカ母粒子懸濁液に、窒素元素含有化合物を添加後、疎水化処理剤を添加する。
疎水化処理剤は、疎水化処理剤の官能基同士、疎水化処理剤官能基とシリカ母粒子のOH基とが反応して、疎水化処理層を形成する。
疎水化処理剤の反応は、シランカップリング剤をシリカ母粒子懸濁液に添加後、懸濁液を撹拌しながら、加熱することで実施する。
具体的には、例えば、懸濁液を40℃以上70℃に加熱し、疎水化処理剤を添加した後、撹拌する。撹拌を持続する時間は、10分間以上24時間以下が好ましく、20分間以上120分間以下がより好ましく、20分間以上90分間以下が更に好ましい。
[乾燥工程]
特定シリカ粒子の製造方法は、第二工程又は第三工程を実施後、懸濁液から溶媒を除去する乾燥工程を実施することがよい。なお、乾燥工程は、第二工程又は第三工程中に実施してもよい。
乾燥は、例えば、熱乾燥、噴霧乾燥、超臨界乾燥が挙げられる。
噴霧乾燥は、市販のスプレイドライヤー(ディスク回転式やノズル式等がある)を用いた従来公知の方法で行うことができる。例えば、熱風気流中に0.2リットル/時間以上1リットル/時間以下の速度で噴霧液を噴霧することによって行われる。この際、熱風の温度は、入口温度で70℃以上400℃以下、出口温度で40℃以上120℃以下の範囲にあることが好ましい。ここで、入口温度が70℃未満であると、分散液中に含まれる固形分の乾燥が不充分となる。また400℃を超えると、噴霧乾燥時に粒子の形状が歪んでしまう。また、出口温度が40℃未満であると、固形分の乾燥度合いが悪くて装置内に付着してしまう。より好ましい入口温度は、100℃以上300℃以下の範囲である。
噴霧乾燥時のシリカ粒子懸濁液のシリカ粒子濃度は、固形分で10質量%以上30質量%以下の範囲が好ましい。
超臨界乾燥は、超臨界流体によって溶媒を除去することにより、粒子間での表面張力が働き難く、懸濁液中に含まれる一次粒子が、凝集が抑制された状態で乾燥される。そのため、粒径の均一性が高い、シリカ粒子が得られ易くなる。
超臨界流体として用いられる物質としては、二酸化炭素、水、メタノール、エタノール、アセトン等が挙げられる。溶媒除去工程は、処理効率の観点と、粗大粒子の発生を抑制する観点とから、超臨界二酸化炭素を用いる工程であることが好ましい。
超臨界乾燥は、具体的には、例えば以下の操作によって行う。
密閉反応器に懸濁液を収容し、次いで液化二酸化炭素を導入した後、密閉反応器を加熱すると共に高圧ポンプにより密閉反応器内を昇圧させ、密閉反応器内の二酸化炭素を超臨界状態とする。そして、密閉反応器に液化二酸化炭素を流入させ、密閉反応器から超臨界二酸化炭素を流出させることで、密閉反応器内において懸濁液に超臨界二酸化炭素を流通させる。懸濁液に超臨界二酸化炭素が流通する間に、溶媒が超臨界二酸化炭素に溶解し、密閉反応器外へ流出する超臨界二酸化炭素に同伴して溶媒が除去される。
上記の密閉反応器内の温度及び圧力は、二酸化炭素を超臨界状態にする温度及び圧力とする。二酸化炭素の臨界点が31.1℃/7.38MPaであるところ、例えば、温度40℃以上200℃以下/圧力10MPa以上30MPa以下の温度及び圧力とする。
超臨界乾燥における超臨界流体の流量は、80mL/秒以上240mL/秒以下であることが好ましい。
得られたシリカ粒子に対しては、必要に応じて解砕又は篩分を行って、粗大粒子や凝集物の除去を行うことが好ましい。解砕は、例えば、ジェットミル、振動ミル、ボールミル、ピンミル等の乾式粉砕装置により行う。篩分は、例えば、振動篩、風力篩分機等により行う。
特定シリカ粒子の外添量(含有量)は、例えば、トナー粒子に対して、0.25質量%以上2.0質量%以下が好ましく、0.5質量%以上1.5質量%以下がより好ましい。
-その他の外添剤-
外添剤は、特定シリカ粒子以外のその他の外添剤を併用してもよい。
その他の外添剤としては、特定シリカ粒子以外の他の無機粒子、有機粒子が挙げられる。
他の無機粒子としては、例えばシリカ、アルミナ、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化亜鉛、酸化クロム、酸化セリウム、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、炭化珪素、窒化珪素等の粒子が挙げられる。
他の無機粒子の表面は、疎水化処理が施されていることがよい。疎水化処理は、例えば疎水化処理剤に無機粒子を浸漬する等して行う。疎水化処理剤は特に制限されないが、例えば、シラン系カップリング剤、シリコーンオイル、チタネート系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤等が挙げられる。これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
疎水化処理剤の量としては、通常、例えば、他の無機粒子100質量部に対して、1質量部以上10質量部以下である。
有機粒子としては、樹脂粒子(ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、メラミン樹脂等の樹脂粒子)、クリーニング活剤(例えば、ステアリン酸亜鉛に代表される高級脂肪酸の金属塩、フッ素系高分子量体の粒子)等も挙げられる。
その他の外添剤の外添量(含有量)としては、例えば、トナー粒子に対して、0.05質量%以上5.0質量%以下が好ましく、0.5質量%以上3.0質量%以下がより好ましい。
(トナーの製造方法)
次に、本実施形態に係るトナーの製造方法について説明する。
本実施形態に係るトナーは、トナー粒子を製造後、トナー粒子に対して、必要に応じて、外添剤を外添することで得られる。
トナー粒子は、乾式製法(例えば、混練粉砕法等)、湿式製法(例えば凝集合一法、懸濁重合法、溶解懸濁法等)のいずれにより製造してもよい。トナー粒子の製法は、これらの製法に特に制限はなく、周知の製法が採用される。
これらの中でも、凝集合一法により、トナー粒子を得ることがよい。
具体的には、例えば、トナー粒子を凝集合一法により製造する場合、
結着樹脂となる樹脂粒子が分散された樹脂粒子分散液を準備する工程(樹脂粒子分散液準備工程)と、樹脂粒子分散液中で(必要に応じて他の粒子分散液を混合した後の分散液中で)、樹脂粒子(必要に応じて他の粒子)を凝集させ、凝集粒子を形成する工程(凝集粒子形成工程)と、凝集粒子が分散された凝集粒子分散液に対して加熱し、凝集粒子を融合・合一して、トナー粒子を形成する工程(融合・合一工程)と、を経て、トナー粒子を製造する。
以下、各工程の詳細について説明する。
なお、以下の説明では、着色剤、及び離型剤を含むトナー粒子を得る方法について説明するが、着色剤、離型剤は、必要に応じて用いられるものである。無論、着色剤、離型剤以外のその他添加剤を用いてもよい。
-樹脂粒子分散液準備工程-
まず、結着樹脂となる樹脂粒子が分散された樹脂粒子分散液と共に、例えば、着色剤粒子が分散された着色剤粒子分散液、離型剤粒子が分散された離型剤粒子分散液を準備する。
ここで、樹脂粒子分散液は、例えば、樹脂粒子を界面活性剤により分散媒中に分散させることにより調製する。
樹脂粒子分散液に用いる分散媒としては、例えば水系媒体が挙げられる。
水系媒体としては、例えば、蒸留水、イオン交換水等の水、アルコール類等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
界面活性剤としては、例えば、硫酸エステル塩系、スルホン酸塩系、リン酸エステル系、せっけん系等のアニオン界面活性剤;アミン塩型、4級アンモニウム塩型等のカチオン界面活性剤;ポリエチレングリコール系、アルキルフェノールエチレンオキサイド付加物系、多価アルコール系等の非イオン系界面活性剤等が挙げられる。これらの中でも特に、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤が挙げられる。非イオン系界面活性剤は、アニオン界面活性剤又はカチオン界面活性剤と併用してもよい。
界面活性剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
樹脂粒子分散液において、樹脂粒子を分散媒に分散する方法としては、例えば回転せん断型ホモジナイザーや、メディアを有するボールミル、サンドミル、ダイノミル等の一般的な分散方法が挙げられる。また、樹脂粒子の種類によっては、例えば転相乳化法を用いて樹脂粒子分散液中に樹脂粒子を分散させてもよい。
なお、転相乳化法とは、分散すべき樹脂を、その樹脂が可溶な疎水性有機溶剤中に溶解せしめ、有機連続相(O相)に塩基を加えて、中和したのち、水媒体(W相)を投入することによって、W/OからO/Wへの、樹脂の変換(いわゆる転相)が行われて不連続相化し、樹脂を、水媒体中に粒子状に分散する方法である。
樹脂粒子分散液中に分散する樹脂粒子の体積平均粒径としては、例えば0.01μm以上1μm以下が好ましく、0.08μm以上0.8μm以下がより好ましく、0.1μm以上0.6μm以下がさらに好ましい。
なお、樹脂粒子の体積平均粒径は、レーザー回折式粒度分布測定装置(例えば、堀場製作所製、LA-700)の測定によって得られた粒度分布を用い、分割された粒度範囲(チャンネル)に対し、体積について小粒径側から累積分布を引き、全粒子に対して累積50%となる粒径を体積平均粒径D50vとして測定される。なお、他の分散液中の粒子の体積平均粒径も同様に測定される。
樹脂粒子分散液に含まれる樹脂粒子の含有量としては、例えば、5質量%以上50質量%以下が好ましく、10質量%以上40質量%以下がより好ましい。
なお、樹脂粒子分散液と同様にして、例えば、着色剤粒子分散液、離型剤粒子分散液も調製される。つまり、樹脂粒子分散液における粒子の体積平均粒径、分散媒、分散方法、及び粒子の含有量に関しては、着色剤粒子分散液中に分散する着色剤粒子、及び離型剤粒子分散液中に分散する離型剤粒子についても同様である。
-凝集粒子形成工程-
次に、樹脂粒子分散液と共に、着色剤粒子分散液と、離型剤粒子分散液と、を混合する。
そして、混合分散液中で、樹脂粒子と着色剤粒子と離型剤粒子とをヘテロ凝集させ目的とするトナー粒子の径に近い径を持つ、樹脂粒子と着色剤粒子と離型剤粒子とを含む凝集粒子を形成する。
具体的には、例えば、混合分散液に凝集剤を添加すると共に、混合分散液のpHを酸性(例えばpHが2以上5以下)に調整し、必要に応じて分散安定剤を添加した後、樹脂粒子のガラス転移温度(具体的には、例えば、樹脂粒子のガラス転移温度-30℃以上ガラス転移温度-10℃以下)の温度に加熱し、混合分散液に分散された粒子を凝集させて、凝集粒子を形成する。
凝集粒子形成工程においては、例えば、混合分散液を回転せん断型ホモジナイザーで攪拌下、室温(例えば25℃)で上記凝集剤を添加し、混合分散液のpHを酸性(例えばpHが2以上5以下)に調整し、必要に応じて分散安定剤を添加した後に、上記加熱を行ってもよい。
凝集剤としては、例えば、混合分散液に添加される分散剤として用いる界面活性剤と逆極性の界面活性剤、無機金属塩、2価以上の金属錯体が挙げられる。特に、凝集剤として金属錯体を用いた場合には、界面活性剤の使用量が低減され、帯電特性が向上する。
凝集剤の金属イオンと錯体もしくは類似の結合を形成する添加剤を必要に応じて用いてもよい。この添加剤としては、キレート剤が好適に用いられる。
無機金属塩としては、例えば、塩化カルシウム、硝酸カルシウム、塩化バリウム、塩化マグネシウム、塩化亜鉛、塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム等の金属塩、及び、ポリ塩化アルミニウム、ポリ水酸化アルミニウム、多硫化カルシウム等の無機金属塩重合体等が挙げられる。
キレート剤としては、水溶性のキレート剤を用いてもよい。キレート剤としては、例えば、酒石酸、クエン酸、グルコン酸等のオキシカルボン酸、イミノジ酸(IDA)、ニトリロトリ酢酸(NTA)、エチレンジアミンテトラ酢酸(EDTA)等が挙げられる。
キレート剤の添加量としては、例えば、樹脂粒子100質量部に対して0.01質量部以上5.0質量部以下が好ましく、0.1質量部以上3.0質量部未満がより好ましい。
-融合・合一工程-
次に、凝集粒子が分散された凝集粒子分散液に対して、例えば、樹脂粒子のガラス転移温度以上(例えば樹脂粒子のガラス転移温度より10から30℃高い温度以上)に加熱して、凝集粒子を融合・合一し、トナー粒子を形成する。
以上の工程を経て、トナー粒子が得られる。
なお、凝集粒子が分散された凝集粒子分散液を得た後、当該凝集粒子分散液と、樹脂粒子が分散された樹脂粒子分散液と、をさらに混合し、凝集粒子の表面にさらに樹脂粒子を付着するように凝集して、第2凝集粒子を形成する工程と、第2凝集粒子が分散された第2凝集粒子分散液に対して加熱をし、第2凝集粒子を融合・合一して、コア/シェル構造のトナー粒子を形成する工程と、を経て、トナー粒子を製造してもよい。
ここで、融合・合一工程終了後は、溶液中に形成されたトナー粒子を、公知の洗浄工程、固液分離工程、乾燥工程を経て乾燥した状態のトナー粒子を得る。
洗浄工程は、帯電性の点から充分にイオン交換水による置換洗浄を施すことがよい。また、固液分離工程は、特に制限はないが、生産性の点から吸引濾過、加圧濾過等を施すことがよい。また、乾燥工程も特に方法に制限はないが、生産性の点から凍結乾燥、気流乾燥、流動乾燥、振動型流動乾燥等を施すことがよい。
そして、本実施形態に係るトナーは、例えば、得られた乾燥状態のトナー粒子に、外添剤を添加し、混合することにより製造される。混合は、例えばVブレンダー、ヘンシェルミキサー、レ-ディゲミキサー等によって行うことがよい。更に、必要に応じて、振動篩分機、風力篩分機等を使ってトナーの粗大粒子を取り除いてもよい。
<静電荷像現像剤>
本実施形態に係る静電荷像現像剤は、本実施形態に係るトナーを少なくとも含むものである。
本実施形態に係る静電荷像現像剤は、本実施形態に係るトナーのみを含む一成分現像剤であってもよいし、当該トナーとキャリアと混合した二成分現像剤であってもよい。
キャリアとしては、特に制限はなく、公知のキャリアが挙げられる。キャリアとしては、例えば、磁性粉からなる芯材の表面に被覆樹脂を被覆した被覆キャリア;マトリックス樹脂中に磁性粉が分散・配合された磁性粉分散型キャリア;多孔質の磁性粉に樹脂を含浸させた樹脂含浸型キャリア;等が挙げられる。
なお、磁性粉分散型キャリア、及び樹脂含浸型キャリアは、当該キャリアの構成粒子を芯材とし、これに被覆樹脂により被覆したキャリアであってもよい。
磁性粉としては、例えば、鉄、ニッケル、コバルト等の磁性金属、フェライト、マグネタイト等の磁性酸化物等が挙げられる。
被覆樹脂、及びマトリックス樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリビニルアセテート、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリ塩化ビニル、ポリビニルエーテル、ポリビニルケトン、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体、スチレン-アクリル酸エステル共重合体、オルガノシロキサン結合を含んで構成されるストレートシリコーン樹脂又はその変性品、フッ素樹脂、ポリエステル、ポリカーボネート、フェノール樹脂、エポキシ樹脂等が挙げられる。
なお、被覆樹脂、及びマトリックス樹脂には、導電性粒子等、その他添加剤を含ませてもよい。
導電性粒子としては、金、銀、銅等の金属、カーボンブラック、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化スズ、硫酸バリウム、ホウ酸アルミニウム、チタン酸カリウム等の粒子が挙げられる。
ここで、芯材の表面に被覆樹脂を被覆するには、被覆樹脂、及び必要に応じて各種添加剤を適当な溶媒に溶解した被覆層形成用溶液により被覆する方法等が挙げられる。溶媒としては、特に限定されるものではなく、使用する被覆樹脂、塗布適性等を勘案して選択すればよい。
具体的な樹脂被覆方法としては、芯材を被覆層形成用溶液中に浸漬する浸漬法、被覆層形成用溶液を芯材表面に噴霧するスプレー法、芯材を流動エアーにより浮遊させた状態で被覆層形成用溶液を噴霧する流動床法、ニーダーコーター中でキャリアの芯材と被覆層形成用溶液とを混合し、溶剤を除去するニーダーコーター法等が挙げられる。
二成分現像剤における、トナーとキャリアとの混合比(質量比)は、トナー:キャリア=1:100乃至30:100が好ましく、3:100乃至20:100がより好ましい。
<画像形成装置/画像形成方法>
本実施形態に係る画像形成装置/画像形成方法について説明する。
本実施形態に係る画像形成装置は、像保持体と、像保持体の表面を帯電させる帯電手段と、帯電した像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成手段と、静電荷像現像剤を収容し、静電荷像現像剤により、像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段と、像保持体の表面に形成されたトナー画像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、像保持体の表面をクリーニングするクリーニングブレードを有するクリーニング手段と、記録媒体の表面に転写されたトナー画像を定着する定着手段と、を備える。そして、静電荷像現像剤として、本実施形態に係る静電荷像現像剤が適用される。
本実施形態に係る画像形成装置では、像保持体の表面を帯電させる帯電工程と、帯電した像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成工程と、本実施形態に係る静電荷像現像剤により、像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像工程と、像保持体の表面に形成されたトナー画像を記録媒体の表面に転写する転写工程と、像保持体の表面をクリーニングブレードによりクリーニングするクリーニング工程と、記録媒体の表面に転写されたトナー画像を定着する定着工程と、を有する画像形成方法(本実施形態に係る画像形成方法)が実施される。
本実施形態に係る画像形成装置は、像保持体の表面に形成されたトナー画像を直接記録媒体に転写する直接転写方式の装置;像保持体の表面に形成されたトナー画像を中間転写体の表面に一次転写し、中間転写体の表面に転写されたトナー画像を記録媒体の表面に二次転写する中間転写方式の装置;トナー画像の転写後、帯電前に像保持体の表面に除電光を照射して除電する除電手段を備える装置等の周知の画像形成装置が適用される。
中間転写方式の装置の場合、転写手段は、例えば、表面にトナー画像が転写される中間転写体と、像保持体の表面に形成されたトナー画像を中間転写体の表面に一次転写する一次転写手段と、中間転写体の表面に転写されたトナー画像を記録媒体の表面に二次転写する二次転写手段と、を有する構成が適用される。
なお、本実施形態に係る画像形成装置において、例えば、現像手段を含む部分が、画像形成装置に対して脱着されるカートリッジ構造(プロセスカートリッジ)であってもよい。プロセスカートリッジとしては、例えば、本実施形態に係る静電荷像現像剤を収容した現像手段を備えるプロセスカートリッジが好適に用いられる。
以下、本実施形態に係る画像形成装置の一例を示すが、これに限定されるわけではない。なお、図に示す主要部を説明し、その他はその説明を省略する。
図1は、本実施形態に係る画像形成装置を示す概略構成図である。
図1に示す画像形成装置は、色分解された画像データに基づくイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色の画像を出力する電子写真方式の第1乃至第4の画像形成ユニット10Y、10M、10C、10K(画像形成手段)を備えている。これらの画像形成ユニット(以下、単に「ユニット」と称する場合がある)10Y、10M、10C、10Kは、水平方向に互いに予め定められた距離離間して並設されている。なお、これらユニット10Y、10M、10C、10Kは、画像形成装置に対して脱着するプロセスカートリッジであってもよい。
各ユニット10Y、10M、10C、10Kの図面における上方には、各ユニットを通して中間転写体としての中間転写ベルト20が延設されている。中間転写ベルト20は、図における左から右方向に互いに離間して配置された駆動ロール22及び中間転写ベルト20内面に接する支持ロール24に巻きつけて設けられ、第1のユニット10Yから第4のユニット10Kに向う方向に走行されるようになっている。なお、支持ロール24は、図示しないバネ等により駆動ロール22から離れる方向に力が加えられており、両者に巻きつけられた中間転写ベルト20に張力が与えられている。また、中間転写ベルト20の像保持体側面には、駆動ロール22と対向して中間転写体クリーニング装置30が備えられている。
また、各ユニット10Y、10M、10C、10Kの現像装置(現像手段)4Y、4M、4C、4Kのそれぞれには、トナーカートリッジ8Y、8M、8C、8Kに収められたイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの4色のトナーを含むトナーの供給がなされる。
第1乃至第4のユニット10Y、10M、10C、10Kは、同等の構成を有しているため、ここでは中間転写ベルト走行方向の上流側に配設されたイエロー画像を形成する第1のユニット10Yについて代表して説明する。なお、第1のユニット10Yと同等の部分に、イエロー(Y)の代わりに、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)を付した参照符号を付すことにより、第2乃至第4のユニット10M、10C、10Kの説明を省略する。
第1のユニット10Yは、像保持体として作用する感光体1Yを有している。感光体1Yの周囲には、感光体1Yの表面を予め定められた電位に帯電させる帯電ロール(帯電手段の一例)2Y、帯電された表面を色分解された画像信号に基づくレーザ光線3Yによって露光して静電荷像を形成する露光装置(静電荷像形成手段の一例)3、静電荷像に帯電したトナーを供給して静電荷像を現像する現像装置(現像手段の一例)4Y、現像したトナー画像を中間転写ベルト20上に転写する一次転写ロール5Y(一次転写手段の一例)、及び一次転写後に感光体1Yの表面に残存するトナーを除去するクリーニングブレード6Y-1を有する感光体クリーニング装置(クリーニング手段の一例)6Yが順に配置されている。
なお、一次転写ロール5Yは、中間転写ベルト20の内側に配置され、感光体1Yに対向した位置に設けられている。更に、各一次転写ロール5Y、5M、5C、5Kには、一次転写バイアスを印加するバイアス電源(図示せず)がそれぞれ接続されている。各バイアス電源は、図示しない制御部による制御によって、各一次転写ロールに印加する転写バイアスを可変する。
以下、第1ユニット10Yにおいてイエロー画像を形成する動作について説明する。
まず、動作に先立って、帯電ロール2Yによって感光体1Yの表面が-600V乃至-800Vの電位に帯電される。
感光体1Yは、導電性(例えば20℃における体積抵抗率:1×10-6Ωcm以下)の基体上に感光層を積層して形成されている。この感光層は、通常は高抵抗(一般の樹脂の抵抗)であるが、レーザ光線3Yが照射されると、レーザ光線が照射された部分の比抵抗が変化する性質を持っている。そこで、帯電した感光体1Yの表面に、図示しない制御部から送られてくるイエロー用の画像データに従って、露光装置3を介してレーザ光線3Yを出力する。レーザ光線3Yは、感光体1Yの表面の感光層に照射され、それにより、イエロー画像パターンの静電荷像が感光体1Yの表面に形成される。
静電荷像とは、帯電によって感光体1Yの表面に形成される像であり、レーザ光線3Yによって、感光層の被照射部分の比抵抗が低下し、感光体1Yの表面の帯電した電荷が流れ、一方、レーザ光線3Yが照射されなかった部分の電荷が残留することによって形成される、いわゆるネガ潜像である。
感光体1Y上に形成された静電荷像は、感光体1Yの走行に従って予め定められた現像位置まで回転される。そして、この現像位置で、感光体1Y上の静電荷像が、現像装置4Yによってトナー画像として可視像(現像像)化される。
現像装置4Y内には、例えば、少なくともイエロートナーとキャリアとを含む静電荷像現像剤が収容されている。イエロートナーは、現像装置4Yの内部で攪拌されることで摩擦帯電し、感光体1Y上に帯電した帯電荷と同極性(負極性)の電荷を有して現像剤ロール(現像剤保持体の一例)上に保持されている。そして感光体1Yの表面が現像装置4Yを通過していくことにより、感光体1Y表面上の除電された潜像部にイエロートナーが静電的に付着し、潜像がイエロートナーによって現像される。イエローのトナー画像が形成された感光体1Yは、引続き予め定められた速度で走行され、感光体1Y上に現像されたトナー画像が予め定められた一次転写位置へ搬送される。
感光体1Y上のイエロートナー画像が一次転写へ搬送されると、一次転写ロール5Yに一次転写バイアスが印加され、感光体1Yから一次転写ロール5Yに向う静電気力がトナー画像に作用され、感光体1Y上のトナー画像が中間転写ベルト20上に転写される。このとき印加される転写バイアスは、トナーの極性(-)と逆極性の(+)極性であり、例えば第1ユニット10Yでは制御部に(図示せず)よって+10μAに制御されている。
一方、感光体1Y上に残留したトナーは感光体クリーニング装置6Yで除去されて回収される。
また、第2のユニット10M以降の一次転写ロール5M、5C、5Kに印加される一次転写バイアスも、第1のユニットに準じて制御されている。
こうして、第1のユニット10Yにてイエロートナー画像の転写された中間転写ベルト20は、第2乃至第4のユニット10M、10C、10Kを通して順次搬送され、各色のトナー画像が重ねられて多重転写される。
第1乃至第4のユニットを通して4色のトナー画像が多重転写された中間転写ベルト20は、中間転写ベルト20と中間転写ベルト内面に接する支持ロール24と中間転写ベルト20の像保持面側に配置された二次転写ロール(二次転写手段の一例)26とから構成された二次転写部へと至る。一方、記録紙(記録媒体の一例)Pが供給機構を介して二次転写ロール26と中間転写ベルト20とが接触した隙間に予め定められたタイミングで給紙され、二次転写バイアスが支持ロール24に印加される。このとき印加される転写バイアスは、トナーの極性(-)と同極性の(-)極性であり、中間転写ベルト20から記録紙Pに向う静電気力がトナー画像に作用され、中間転写ベルト20上のトナー画像が記録紙P上に転写される。なお、この際の二次転写バイアスは二次転写部の抵抗を検出する抵抗検出手段(図示せず)により検出された抵抗に応じて決定されるものであり、電圧制御されている。
この後、記録紙Pは定着装置(定着手段の一例)28における一対の定着ロールの圧接部(ニップ部)へと送り込まれトナー画像が記録紙P上へ定着され、定着画像が形成される。
トナー画像を転写する記録紙Pとしては、例えば、電子写真方式の複写機、プリンター等に使用される普通紙が挙げられる。記録媒体は記録紙P以外にも、OHPシート等も挙げられる。
定着後における画像表面の平滑性をさらに向上させるには、記録紙Pの表面も平滑が好ましく、例えば、普通紙の表面を樹脂等でコーティングしたコート紙、印刷用のアート紙等が好適に使用される。
カラー画像の定着が完了した記録紙Pは、排出部へ向けて搬出され、一連のカラー画像形成動作が終了される。
<プロセスカートリッジ/トナーカートリッジ>
本実施形態に係るプロセスカートリッジについて説明する。
本実施形態に係るプロセスカートリッジは、本実施形態に係る静電荷像現像剤を収容し、静電荷像現像剤により、像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段を備え、画像形成装置に着脱されるプロセスカートリッジである。
なお、本実施形態に係るプロセスカートリッジは、上記構成に限られず、現像装置と、その他、必要に応じて、例えば、像保持体、帯電手段、静電荷像形成手段、及び転写手段等のその他手段から選択される少なくとも一つと、を備える構成であってもよい。
以下、本実施形態に係るプロセスカートリッジの一例を示すが、これに限定されるわけではない。なお、図に示す主要部を説明し、その他はその説明を省略する。
図2は、本実施形態に係るプロセスカートリッジを示す概略構成図である。
図2に示すプロセスカートリッジ200は、例えば、取り付けレール116及び露光のための開口部118が備えられた筐体117により、感光体107(像保持体の一例)と、感光体107の周囲に備えられた帯電ロール108(帯電手段の一例)、現像装置111(現像手段の一例)、及びクリーニングブレード113-1を有する感光体クリーニング装置113(クリーニング手段の一例)を一体的に組み合わせて保持して構成し、カートリッジ化されている。
なお、図2中、109は露光装置(静電荷像形成手段の一例)、112は転写装置(転写手段の一例)、115は定着装置(定着手段の一例)、300は記録紙(記録媒体の一例)を示している。
次に、本実施形態に係るトナーカートリッジについて説明する。
本実施形態に係るトナーカートリッジは、本実施形態に係るトナーを収容し、画像形成装置に着脱されるトナーカートリッジである。トナーカートリッジは、画像形成装置内に設けられた現像手段に供給するための補給用のトナーを収容するものである。
なお、図1に示す画像形成装置は、トナーカートリッジ8Y、8M、8C、8Kの着脱される構成を有する画像形成装置であり、現像装置4Y、4M、4C、4Kは、各々の現像装置(色)に対応したトナーカートリッジと、図示しないトナー供給管で接続されている。また、トナーカートリッジ内に収容されているトナーが少なくなった場合には、このトナーカートリッジが交換される。
以下、実施例及び比較例を挙げ、本実施形態をより具体的に詳細に説明するが、本実施形態はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。また、「部」及び「%」は特に断りがない限り質量基準である。
<トナー粒子の作製>
(トナー粒子(1))
-非晶性ポリエステル樹脂の合成-
・ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物〔和光純薬工業(株)製〕:150部
・ビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物〔和光純薬工業(株)製〕:250部
・テトラプロペニルコハク酸無水物〔和光純薬工業(株)製〕:130部
・テレフタル酸〔和光純薬工業(株)製〕:100部
・トリメリット酸〔和光純薬工業(株)製〕:5部
攪拌器、温度計、コンデンサー及び窒素ガス導入管を備えた反応容器に、上記モノマー成分を投入し、反応容器中を乾燥窒素ガスで置換した後、ジオクタン酸スズを前記モノマー成分の合計量に対して0.3%投入した。窒素ガス気流下温度を235℃まで1時間かけて昇温し、3時間反応させ、反応容器内を10.0mmHgまで減圧し、攪拌反応させ、求められる分子量になった時点で反応を終了した。
得られた非晶性ポリエステル樹脂1のガラス転移温度は61℃、重量平均分子量は42 ,000、酸価は13mgKOH/gであった。
-非晶性ポリエステル樹脂分散液の調製-
・非晶性ポリエステル樹脂:100部
・メチルエチルケトン:60部
・イソプロピルアルコール:10部
撹拌機を備えた反応容器中に、上記成分を投入し、60℃にて溶解させた。溶解を確認した後、反応容器を35℃に冷却した後、10%アンモニア水溶液3.5部を添加した。
次いで、イオン交換水300部を3時間掛けて反応容器中に滴下し、ポリエステル樹脂分 散液を作成した。次いで、エバポレーターにてメチルエチルケトン、並びに、イソプロピルアルコールを除去し、非晶性ポリエステル樹脂分散液を得た。
-着色剤粒子分散液の調製-
・シアン顔料〔PigmentBlue15:3、大日精化工業(株)製〕 10部
・アニオン性界面活性剤〔ネオゲンSC、第一工業製薬(株)製〕 2部
・イオン交換水 80部
上記の成分を混合し、高圧衝撃式分散機アルティマイザー〔HJP30006、(株)スギノマシン製〕により1時間分散し、体積平均粒径180nm、固形分20%の着色剤粒子分散液を得た。
-離型剤粒子分散液の調製-
・パラフィンワックス〔HNP 9、日本精鑞社製〕 50部
・アニオン性界面活性剤〔ネオゲンSC、第一工業製薬製〕 2部
・イオン交換水 200部
上記成分を120℃に加熱して、IKA社製、ウルトラタラックスT50で十分に混合・分散した後、圧力吐出型ホモジナイザーで分散処理し、体積平均粒径が200nm、固形分20%の離型剤粒子分散液を得た。
-トナー粒子(1)の作製-
・非晶性ポリエステル樹脂粒子分散液 210部
・着色剤粒子水分散液 25部
・離型剤粒子分散液 30部
・ポリ塩化アルミニウム 0.4部
・イオン交換水 100部
上記の成分をステンレス製フラスコに投入し、IKA社製のウルトラタラックスを用い十分に混合、分散した後、加熱用オイルバスでフラスコを攪拌しながら48℃まで加熱した。48℃で25分保持した後、ここに上記と同じポリエステル樹脂分散液を緩やかに70部追加した。
その後、濃度0.5mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液を用いて系内のpHを8.0 に調整した後、ステンレス製フラスコを密閉し、攪拌軸のシールを磁力シールして攪拌を継続しながら90℃まで加熱して3時間保持した。反応終了後、降温速度を2℃/分で冷却し、濾過、イオン交換水で十分に洗浄した後、ヌッチェ式吸引濾過により固液分離を行った。これをさらに30℃のイオン交換水3Lを用いて再分散し、15分間300rpmで攪拌・洗浄した。この洗浄操作をさらに6回繰り返し、濾液のpHが7.54、電気伝導度6.5μS/cmとなったところで、ヌッチェ式吸引濾過によりNo.5A ろ紙を用いて固液分離を行った。次いで真空乾燥を12時間継続してトナー粒子(1)を得た。
トナー粒子(1)の体積平均粒径(D50v)は、6.1μmであり、平均円形度は0.965であった。
<外添剤の作製>
(シリカ粒子の作製)
[シリカ粒子1、3~32、35]
以下に示すようにして、各例におけるシリカ粒子1、3~32、35を含む懸濁液を準備した。
-アルカリ触媒溶液の準備-
金属製攪拌棒、滴下ノズル及び温度計を備えたガラス製反応容器に、表1に示す量及び濃度のメタノール、イオン交換水、及びアンモニア水(NHOH)を入れ、攪拌混合して、アルカリ触媒溶液を得た。
-ゾルゲル法によるシリカ母粒子の造粒-
アルカリ触媒溶液の温度を40℃に調整し、アルカリ触媒溶液を窒素置換した。次いで、アルカリ触媒溶液を攪拌しながら、表1に示す量のテトラメトキシシラン(TMOS)と、触媒(NH)濃度7.9%のアンモニア水(NHOH)124質量部とを、同時に滴下し、シリカ母粒子懸濁液を得た。
-シランカプリング剤の添加-
シリカ母粒子懸濁液を40℃に加熱して撹拌しながら、懸濁液に、表1に示す種類及び量のシランカプリング剤を添加した。その後、120分撹拌を続けて、シランカプリング剤を反応させた。それにより、吸着構造を形成した。
-窒素元素含有化合物の添加-
表1に示す種類の窒素元素含有化合物をブタノールで希釈したアルコール液を作製した。
次に、窒素元素含有化合物をブタノールで希釈したアルコール液を懸濁液に添加した。この際、アルコール液の添加は、シリカ母粒子懸濁液の固形分100質量部に対して窒素元素含有化合物の部数が表1に示す量となるように行った。次いで、30℃で100分間攪拌し、窒素元素含有化合物を含む懸濁液を得た。
-乾燥-
続いて、反応槽に、懸濁液を、300質量部収容し、攪拌しながらCOを入れ、反応槽内を表1に示す温度及び圧力まで昇温昇圧した。温度と圧力を維持した状態で攪拌しながら、COを流量5L/minにて流入及び流出させた。その後、120分間かけて溶媒を除去し、シリカ粒子1、3~32、35を得た。
[シリカ粒子2]
ミニスプレードライヤー B―290(日本ビュッヒ株式会社製)を用いて、シリンダー内を表1に示す温度及び圧力とし、シリカ粒子懸濁液0.2L/時間の送液速度で送液する条件で、スプレー乾燥を実施した以外は、シリカ粒子1と同様にして、シリカ粒子2を得た。
[シリカ粒子33]
窒素元素含有化合物の添加後、ヘキサメチルジシラザン(HMDS)をシリカ母粒子固形分に対して100質量%添加し、65℃で3h撹拌して、シリカ母粒子の表面を疎水化処理した以外は、シリカ粒子1と同様にして、シリカ粒子37を得た。
[シリカ粒子34]
シリカ母粒子として、乾式法シリカAEROSIL130(日本アエロジル製)30gをメタノール300gに分散してシリカ母粒子懸濁液を得た以外は、シリカ粒子1と同様にして、シリカ粒子38を得た。
[シリカ粒子S1~S9]
3官能シランカップリング剤と窒素元素含有化合物の種類及び添加を、表1に示す種類及び添加量とした以外は、シリカ粒子1と同様にして、シリカ粒子S1~S9を得た。
[シリカ粒子C1、C2、C3]
3官能シランカップリング剤と窒素元素含有化合物の種類及び添加を、表1に示す種類及び添加量とした以外は、シリカ粒子1と同様にして、シリカ粒子C1、C2、C3を得た。
<実施例1~35、参考例1~9、比較例1~3>
トナー粒子(1)100部に、表2に示す外添剤1.2部を添加し、ヘンシェルミキサーで撹拌周速30m/secで15分間混合し、各例のトナーを得た。
そして、得られた各トナーとキャリアとを、トナー:キャリア=8:92(質量比)の割合でVブレンダーに入れ、20分間撹拌し、現像剤を得た。
なお、キャリアは次のように作製されたものを用いた。
・フェライト粒子(体積平均粒子径:36μm) 100部
・トルエン 14部
・スチレン-メチルメタクリレート共重合体 2部
(成分比:90/10、Mw=80000)
・カーボンブラック(R330:キャボット社製) 0.2部
まず、フェライト粒子を除く上記成分を10分間スターラーで撹拌させて、分散した被覆液を調製し、次に、この被覆液とフェライト粒子とを真空脱気型ニーダーに入れて、60℃において30分撹拌した後、さらに加温しながら減圧して脱気し、乾燥させることによりキャリアを得た。
[シリカ粒子の評価]
(シリカ粒子の各種特性)
得られたシリカ粒子の下記特性について、既述の方法に従って測定した。
・モリブデン元素のNet強度(表中「Mo Net」と表記)
・モリブデン元素の質量%とシリコン元素の質量%との比率(表中「Mo/Si」と表記)
・個数平均粒径(表中「粒径」と表記)
・個数粒度分布指標(表中、「粒度分布」と表記)
・平均円形度(表中、「円形度」と表記)
・350℃焼成前における窒素ガス吸着法の細孔分布曲線から求める細孔直径1nm以上50nm以下の細孔体積A(表中、「350℃焼成前 細孔体積A」と表記)。
・350℃焼成後における窒素ガス吸着法の細孔分布曲線から求める細孔直径1nm以上50nm以下の細孔体積B(表中、「350℃焼成後 細孔体積B」と表記)
・350℃焼成前の体積抵抗率Ra(表中、「焼成前体積抵抗率Ra」と表記)
・350℃焼成後の体積抵抗率Rb(表中、「焼成後体積抵抗率Rb」と表記)
・シアーズ法で測定されるOH基量(表中「OH基量」と表記)
・Si-CP/MAS NMRスペクトルおける全シグナルの積分値を100%とした時の、化学シフト-50ppm以上-75ppm以下の範囲に観測されるシグナルの積分値Cの割合(表中、「(Si-CP/MAS 面積率C」と表記)
・Si-CP/MAS NMRスペクトルにおける化学シフト-50ppm以上-75ppm以下の範囲に観測されるシグナルの積分値Cと、化学シフト-90ppm以上-120ppm以下の範囲に観測されるシグナルの積分値Dの比率C/D(表中、「(Si-CP/MAS 比率C/D」と表記)
・疎水化度
(低湿度帯電量及び高湿度帯電量/静電容量の帯電依存性)
次の通り、各例のシリカ粒子の低湿度帯電量及び高湿度帯電量を測定し、静電容量の環境依存性について評価した。なお、基準のうち、許容できるのはA~Bである。
評価方法は以下である。
作製したシリカ粒子を日本触媒製MA1010表面に2質量%添加したものを5gと、JFEケミカル社製KNI106GSM50gを混合した。左記混合サンプルを、10℃10%RHチャンバー内でターブラシェーカーを用いて5分間撹拌して、東芝社製TB200にて電荷を測定した結果をFC、30℃90%RHチャンバー内でターブラシェーカーを用いて5分間撹拌して東芝社製TB200にて電荷を測定した結果をFAとし、それらの比FA/FCを用いて評価をした。
A(◎):FA/FCが0.8以上1.1未満
B(〇):FA/FCが0.65以上0.8未満
C(△):FA/FCが0.5以上0.65未満
D(×):FA/FCが0.5未満
(常温常湿環境下での帯電分布)
次の通り、各例のシリカ粒子の、常温常湿環境下(20℃50%RH環境下)での帯電分布について評価した。
作製したシリカ粒子を日本触媒製MA1010表面に2質量%添加したものを5gと、JFEケミカル社製KNI106GSM50gを混合した。左記混合サンプルを、20℃50%RHチャンバー内でターブラシェーカーを用いて5分間撹拌して、CSG(チャージ・スペクトログラフ法)の画像解析により評価をした。電荷分布は、電荷分布の累積積算の20%帯電量Q(20)と80%帯電量Q(80)の差を50%帯電量Q(50)で割った値、即ち、〔Q(80)-Q(20)〕/Q(50)で定義される。評価基準は以下の通りである。
A(◎):〔Q(80)-Q(20)〕/Q(50)値が0.7未満
B(○):〔Q(80)-Q(20)〕/Q(50)値が0.8未満0.7以上
C(△):〔Q(80)-Q(20)〕/Q(50)値が1.0未満0.8以上
D(×):〔Q(80)-Q(20)〕/Q(50)値が1.0以上
(高温高湿環境下での狭帯電分布の維持性)
次の通り、各例のシリカ粒子の、高温高湿環境下(30℃90%RH環境下)の狭帯電分布の維持性について評価した。
作製したシリカ粒子を日本触媒製MA1010表面に2質量%添加したものを5gと、JFEケミカル社製KNI106GSM50gを混合した。左記混合サンプルを、30℃90%RHチャンバー内でターブラシェーカーを用いて100分間撹拌して、CSG(チャージ・スペクトログラフ法)の画像解析により評価をした。電荷分布は、電荷分布の累積積算の20%帯電量Q(20)と80%帯電量Q(80)の差を50%帯電量Q(50)で割った値、即ち、〔Q(80)-Q(20)〕/Q(50)で定義される。評価基準は以下の通りである。
A(◎):〔Q(80)-Q(20)〕/Q(50)値が0.75未満
B(○):〔Q(80)-Q(20)〕/Q(50)値が0.85未満0.75以上
C(△):〔Q(80)-Q(20)〕/Q(50)値が1.0未満0.85以上
D(×):〔Q(80)-Q(20)〕/Q(50)値が1.0以上
(低温低湿環境下での狭帯電分布の維持性)
各例のシリカ粒子の、低温低湿環境下で(10℃10%RH環境下)での狭帯電分布の維持性について、低温低湿環境下で(10℃10%RH環境下)で評価した以外は、高温高湿環境下(30℃90%RH環境下)での狭帯電分布の維持性と同様に評価した。
<トナーの評価>
(高温高湿環境下でのクラウド(トナー飛び散り))
トナーカートリッジに各例のトナーを充填し、画像形成装置(富士フイルムビジネスイノベーション(株)製ApeosPort-IV C5575の改造機)に装着した。
この画像形成装置の現像装置に各例の現像剤を充填した。温度30℃/相対湿度90%の環境に24時間放置した。放置後、A4サイズの紙に、120秒おきに1枚の速度で画像密度1%の画像の画像形成を10万枚行った。
上記の画像形成後の現像機のアッパーカバー上をメンディングテープを用いてOHPシート上にテープ転写し、テープ転写したメンディングテープの濃度を等間隔に、画像濃度計X-Rite938(X-Rite社製)で8点測定し、メンディングテープのみの濃 度との差をトナーの機内汚れ量として定量化した。最大値の濃度によりトナーの機内汚れ量を下記のとおり分類した。G3までが実用に適する。評価基準は、次の通りである。
-評価基準-
G1(◎): 0≦Δ濃度≦0.2
G2(〇): 0.2<Δ濃度≦0.4
G3(△): 0.4<Δ濃度≦0.6
G4(×): 0.6<Δ濃度≦0.8
G5(×): 0.8<Δ濃度
(高温高湿環境下での細線再現性)
上記高温高湿環境下でのクラウド(トナー飛び散り)評価後、2,400dpiの解像度での1on1off画像(1ドットラインが1ドット間隔で並行に配置された画像)を、現像方向に対し垂直方向の5cm×5cmチャートとして、A4用紙の左上、中央、及び右下に出力した。出力されたサンプルに印字された各チャートの線間隔について、×100倍の目盛付きルーペを用いて、トナーの飛び散り等によって狭くなっている箇所、又は、細線が細くなることにより広くなっている箇所が無いか観察した。評価基準は、次の通りである。
-評価基準-
G1(◎):トナーの飛び散りによる距離の減少および細線細りによる距離の増加がほとんど見られない。
G2(〇): 距離の減少又は距離の増加が若干みられるが、細線が確認できる。
G3(△): 線の間隔が判別できないか、または、細線に欠落が見られるチャートが少なくとも1つある場合。
G4(×): 細線の間隔が判別できないか、または、細線に欠落が見られるチャートが少なくとも2つある場合。
G5(×): 細線の間隔が判別できないか、または、細線に欠落が見られるチャートが3つ以上ある場合。
(常温常湿環境下でのかぶり)
上記高温高湿環境下での細線再現性評価後、温度20℃/相対湿度50%の環境に24時間放置した。放置後、A4サイズの紙に連続で、画像密度40%の画像の画像形成を10枚行った。10枚の画像を肉眼と 倍率5倍のルーペで観察し、かぶりの状態を下記のとおり分類した。評価基準は、次の通りである。
-評価基準-
G1(◎): 10枚すべてにかぶりは認められない。
G2(〇): 1枚にかぶりがルーペで僅かに認められるが、問題にならない程度である。
G3(△): 複数枚にかぶりがルーペで僅かに認められるが軽微であり、実用に差支えない。
G4(×): 複数枚にかぶりが肉眼で認められ、実用に適しない。
G5(×): 10枚すべてにかぶりが肉眼で認められ、実用に不適である。
[高温高湿境下でのかぶり維持性]
トナーカートリッジに各例のトナーを充填し、画像形成装置(富士フイルムビジネスイノベーション(株)製Ap eosPort-IV C5575の改造機)に装着した。この画像形成装置の現像装置 に各例の現像剤を充填した。
温度30℃/相対湿度90%の環境に24時間放置した。放置後、A4サイズの紙に、120秒おきに1枚の速度で画像密度1%の画像の画像形成を50万枚行った。A4サイズの紙に連続で、画像密度40%の画像の画像形成を10枚行った。10枚の画像を肉眼と倍率5倍のルーペで観察し、かぶりの状態を下記のとおり分類した。評価基準は、次の通りである。
-評価基準-
G1(◎): 10枚すべてにかぶりは認められない。
G2(〇): 1枚にかぶりがルーペで僅かに認められるが、問題にならない程度である。
G3(△): 複数枚にかぶりがルーペで僅かに認められるが軽微であり、実用に差支えない。
G4(×): 複数枚にかぶりが肉眼で認められ、実用に適しない。
G5(×): 10枚すべてにかぶりが肉眼で認められ、実用に不適である。
[高温高湿境下での画像濃度維持性]
上記高温高湿環境下でのかぶり維持性評価後、温度30℃/相対湿度90%の環境下で、A4サイズの紙に面積率90%且つ画像濃度30%のハーフトーン画像を出力し、ハーフトーン画像を目視で確認し、下記のとおり分類した。
A(◎):画像全体に十分な濃度があり、且つ、濃度ムラがない。
B(〇):濃度の低い部分があるが濃度ムラは軽微であり、実用に差支えない。
C(×):画像全体にわたって濃度が低い、又は、許容できない濃度ムラがある。
[低温低湿境下でのかぶり維持性]
上記高温高湿環境下での画像濃度維持性評価後の画像形成装置を、温度10℃/相対湿度10%の環境に24時間放置した。放置後、A4サイズの紙に、120秒おきに1枚の速度で画像密度1%の画像の画像形成を10万枚行った後、10枚の画像を肉眼と倍率5倍のルーペで観察し、かぶりの状態を下記のとおり分類した。
G1(◎):10枚すべてにかぶりは認められない。
G2(〇):1枚にかぶりがルーペで僅かに認められるが、問題にならない程度である。
G3(△):複数枚にかぶりがルーペで僅かに認められるが軽微であり、実用に差支えない。
G4(×):複数枚にかぶりが肉眼で認められ、実用に適しない。
G5(×):10枚すべてにかぶりが肉眼で認められ、実用に不適である。
[低温低湿境下での画像濃度維持性]
上記低温低湿境下でのかぶり維持性評価後の画像形成装置を、温度10℃/相対湿度10%の環境下で、A4サイズの紙に面積率90%且つ画像濃度30%のハーフトーン画像を出力し、ハーフトーン画像を目視で確認し、下記のとおり分類した。
A(◎):画像全体に十分な濃度があり、且つ、濃度ムラがない。
B(〇):濃度の低い部分があるが濃度ムラは軽微であり、実用に差支えない。
C(×):画像全体にわたって濃度が低い、又は、許容できない濃度ムラがある。
[維持性後クラウド]
上記低温低湿境下での画像濃度維持性後、画像形成装置の現像機のアッパーカバー上をメンディングテープを用いてOHPシート上にテープ転写し、テープ転写したメンディングテープの濃度を等間隔に、画像濃度計X-Rite938(X-Rite社製)で8点測定し、メンディングテープのみの濃度との差をトナーの機内汚れ量として定量化した。最大値の濃度によりトナーの機内汚れ量を下記のとおり分類した。G3までが実用に適する。
G1(◎):0≦Δ濃度≦0.2
G2(〇):0.2<Δ濃度≦0.4
G3(△):0.4<Δ濃度≦0.6
G4(×):0.6<Δ濃度≦0.8
G5(×):0.8<Δ濃度
評価結果を表1に示す。
なお、表1中の略称の詳細は、次の通りである。
・MTMS:メチルトリメトキシシラン
・DTMS:n-ドデシルトリメトキシシラン
・TP415:[N(CH)(C14292 Mo28 4-(「TP-415」保土谷化学工業社製、N,N-Dimethyl-N-tetradecyl-1-tetradecanaminium, hexa-μ-oxotetra-μ3-oxodi -μ5-oxotetradecaoxooctamolybdate(4-) (4:1)
Figure 2023047233000004
Figure 2023047233000005
Figure 2023047233000006
Figure 2023047233000007
上記結果から、本実施例は、比較例に比べ、高温高環境下でのかぶりが抑制され、かつ高温高湿環境下でのかぶり抑制の維持性に優れることがわかる。
また、本実施例は、比較例に比べ、温度、湿度等の環境影響、また長期間の使用においてもトナー帯電性の安定性が良いため、トナーによる機内汚染、細線再現性の維持性、画像濃度維持性にも優れることがわかる。
1Y、1M、1C、1K 感光体(像保持体の一例)
2Y、2M、2C、2K 帯電ロール(帯電手段の一例)
3 露光装置(静電荷像形成手段の一例)
3Y、3M、3C、3K レーザ光線
4Y、4M、4C、4K 現像装置(現像手段の一例)
5Y、5M、5C、5K 一次転写ロール(一次転写手段の一例)
6Y、6M、6C、6K 感光体クリーニング装置(クリーニング手段の一例)
6Y-1、6M-1、6C-1、6K-1 クリーニングブレード
8Y、8M、8C、8K トナーカートリッジ
10Y、10M、10C、10K 画像形成ユニット
20 中間転写ベルト(中間転写体の一例)
22 駆動ロール
26 二次転写ロール(二次転写手段の一例)
30 中間転写体クリーニング装置
107 感光体(像保持体の一例)
108 帯電ロール(帯電手段の一例)
109 露光装置(静電荷像形成手段の一例)
111 現像装置(現像手段の一例)
112 転写装置(転写手段の一例)
113 感光体クリーニング装置(クリーニング手段の一例)
113-1 クリーニングブレード
115 定着装置(定着手段の一例)
116 取り付けレール
118 露光のための開口部
117 筐体
200 プロセスカートリッジ
300 記録紙(記録媒体の一例)
P 記録紙(記録媒体の一例)

Claims (15)

  1. トナー粒子と、
    前記トナー粒子に外添され、モリブデン元素を含む窒素元素含有化合物を含み、かつ、蛍光X線分析により測定される、モリブデン元素のNet強度とシリコン元素のNet強度との比率(Mo/Si)が、0.035以上0.35以下であるシリカ粒子と、
    を有する静電荷像現像用トナー。
  2. 前記シリカ粒子における前記窒素元素含有化合物が、モリブデン元素を含む四級アンモニウム塩、及び、四級アンモニウム塩とモリブデン元素を含む金属酸化物との混合物よりなる群から選択される少なくとも1種である請求項1に記載の静電荷像現像用トナー。
  3. 前記シリカ粒子の個数平均粒子径が、10nm以上200nm以下である請求項1又は請求項2に記載の静電荷像現像用トナー。
  4. 前記シリカ粒子は、
    シリカ母粒子と、
    前記シリカ母粒子の少なくとも一部の表面を被覆し、1官能シランカップリング剤、2官能シランカップリング剤及び3官能シランカップリング剤よりなる群から選択される少ssssなくとも1種の反応生成物で構成され、かつ、前記反応生成物の細孔の少なくとも一部に窒素元素含有化合物が吸着した構造体と、
    を有する請求項1~請求項3のいずれか1項に記載の静電荷像現像用トナー。
  5. 前記シリカ粒子の疎水化度が、10%以上60%以下である請求項1~請求項4のいずれか1項に記載の静電荷像現像用トナー。
  6. 前記シリカ粒子における、350℃焼成前後における窒素ガス吸着法の細孔分布曲線から求める細孔直径1nm以上50nm以下の細孔体積を各々A及びBとしたとき、B/Aが1.2以上5以下であり、かつBが0.2cm/g以上3cm/g以下である請求項1~請求項5のいずれか1項に静電荷像現像用トナー。
  7. 前記シリカ粒子における、分極/マジック角回転(CP/MAS)法による29Si固体核磁気共鳴(NMR)スペクトルにおける化学シフト-50ppm以上-75ppm以下の範囲に観測されるシグナルの積分値Cと、化学シフト-90ppm以上-120ppm以下の範囲に観測されるシグナルの積分値Dの比率C/Dが0.10以上0.75以下である請求項1~請求項6のいずれか1項に記載の静電荷像現像用トナー。
  8. アンモニア/メタノール混合溶液による前記シリカ粒子の前記窒素元素含有化合物の抽出量Xが、0.1質量%以上であり、
    前記シリカ粒子の前記窒素元素含有化合物の抽出量Xと、水による前記シリカ粒子の前記窒素元素含有化合物の抽出量Yとが、式:Y/X<0.3を満たす請求項1~請求項7のいずれか1項に記載の静電荷像現像用トナー。
  9. 前記シリカ粒子の平均円形度が、0.60以上0.96以下である請求項1~請求項8のいずれか1項に記載の静電荷像現像用トナー。
  10. 前記シリカ粒子の個数粒度分布指標が、1.1以上2.0以下である請求項1~請求項9のいずれか1項に記載の静電荷像現像用トナー。
  11. 請求項1~請求項10のいずれか1項に記載の静電荷像現像用トナーを含む静電荷像現像剤。
  12. 請求項1~請求項10のいずれか1項に記載の静電荷像現像用トナーを収容し、
    画像形成装置に着脱されるトナーカートリッジ。
  13. 請求項11に記載の静電荷像現像剤を収容し、前記静電荷像現像剤により、像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段を備え、
    画像形成装置に着脱されるプロセスカートリッジ。
  14. 像保持体と、
    前記像保持体の表面を帯電させる帯電手段と、
    帯電した前記像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成手段と、
    請求項11に記載の静電荷像現像剤を収容し、前記静電荷像現像剤により、前記像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段と、
    前記像保持体の表面に形成されたトナー画像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、
    前記像保持体の表面をクリーニングするクリーニングブレードを有するクリーニング手段と、
    前記記録媒体の表面に転写されたトナー画像を定着する定着手段と、
    を備える画像形成装置。
  15. 像保持体の表面を帯電させる帯電工程と、
    帯電した前記像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成工程と、
    請求項11に記載の静電荷像現像剤により、前記像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像工程と、
    前記像保持体の表面に形成されたトナー画像を記録媒体の表面に転写する転写工程と、
    前記像保持体の表面をクリーニングブレードによりクリーニングするクリーニング工程と、
    前記記録媒体の表面に転写されたトナー画像を定着する定着工程と、
    を有する画像形成方法。
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