JP2023046595A - 車両 - Google Patents

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仁史 丹羽
Hitoshi Niwa
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Subaru Corp
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Subaru Corp
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Abstract

【課題】乗員の乗り心地を向上させる。【解決手段】車両は、凹凸のある路面への侵入を検出する凹凸検出部と、凹凸のある路面への侵入によりリヤサスペンションが最も収縮するタイミングを導出するタイミング導出部と、タイミングに合わせてブレーキ装置で制動させるブレーキ制御部と、を備える。【選択図】図3

Description

本発明は、車両の技術分野に関する。
車両においては、車両速度が基準値以下になった後、ブレーキ装置を制御してブレーキ圧を自動的に低下させることで、停止時のゆれ戻りを低減させるものが提案されている。
特開平3-213454号公報
ところで、車両では、例えば40km/h~70km/h程度の比較的高速で凹凸のある路面を通過する際に、リヤサスペンションのストローク不足により、リヤサスペンションが所謂ボトミングショックを起こし、大きな振動を乗員に与えるおそれがある。
本発明は上記事情に鑑み為されたものであり、乗員の乗り心地を向上させることを目的とする。
本発明の一実施の形態に係る車両は、凹凸のある路面への侵入を検出する凹凸検出部と、前記凹凸のある路面への侵入によりリヤサスペンションが最も収縮するタイミングを導出するタイミング導出部と、前記タイミングに合わせてブレーキ装置に制動させるブレーキ制御部と、を備える。
本発明によれば、乗員の乗り心地を向上させることができる。
車両の構成を示した図である。 ボトミングショックの発生を説明する図である。 ボトミングショック抑制処理におけるタイミングチャートを示す図である。 ボトミングショック抑制処理の流れを示すフローチャートである。
<1.車両の構成>
図1は、車両1の構成を示した図である。なお、図1では、車両1の構成のうち主に実施形態に係る要部の構成のみを抽出して示している。
図1に示すように、車両1は、車体2、フロントサスペンション3、前輪4、リヤサスペンション5、後輪6、ブレーキ装置7、制御装置8を備える。
車両1は、不図示の駆動源によって生成されるトルクによって前輪4および後輪6が回転されることで走行する。駆動源は、ガソリン等の燃料を消費して出力軸を回転させるエンジン、電気が供給されることで出力軸を回転させるモータ等である。
車両1では、駆動源が車体2に収容されている。また、車体2には、乗員を収容するキャビンが設けられている。
車体2は、フロントサスペンション3を介して前輪4に支持されている。フロントサスペンション3は、車体2と前輪4との間に伸縮自在に設けられる。フロントサスペンション3は、前輪4を回転可能に支持する。
車体2は、リヤサスペンション5を介して後輪6に支持されている。リヤサスペンション5は、車体2と後輪6との間に伸縮自在に設けられる。リヤサスペンション5は、後輪6を回転可能に支持する。
フロントサスペンション3およびリヤサスペンション5は、車重を支えて衝撃を吸収するスプリング、および、スプリングの振動を減衰するダンパを含んで構成されている。
前輪4および後輪6には、ブレーキ装置7が設けられている。ブレーキ装置7は、制御装置8の制御に基づいてブレーキ圧が調整されることにより、前輪4および後輪6にそれぞれ制動力を付与する。
制御装置8は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)およびRAM(Random Access Memory)を含むプロセッサである。例えば、制御装置8は、ROMまたは不図示の記憶部に記憶されたプログラムをRAM上に展開して各種処理(例えば、後述するボトミングショック抑制処理)を実行することで、車両1全体を制御する。
また、制御装置8は、詳しくは後述するボトミングショック抑制処理を実行する際、凹凸検出部21、タイミング導出部22、ブレーキ制御部23として機能する。
凹凸検出部21は、車両1の凹凸のある路面への侵入を検出する。
タイミング導出部22は、凹凸のある路面への侵入によりリヤサスペンション5が最も収縮するタイミングを導出する。
ブレーキ制御部23は、タイミング導出部22によって導出されたタイミングに合わせてブレーキ装置7に車輪(前輪4および後輪6)を制動させる。
なお、凹凸検出部21、タイミング導出部22、ブレーキ制御部23の詳細については後述する。
制御装置8には、前輪荷重センサ11、後輪荷重センサ12、車速センサ13が接続されている。
前輪荷重センサ11は、前輪4に接続されるホイールハブに設けられる。前輪荷重センサ11は、例えば1軸の荷重センサであり、前輪4に加えられる上下方向の荷重を検出する。
後輪荷重センサ12は、後輪6に接続されるホイールハブに設けられる。後輪荷重センサ12は、例えば1軸の荷重センサであり、後輪6に加えられる上下方向の荷重を検出する。
車速センサ13は、車両1の進行方向に対する速度を検出する。
<2.ボトミングショック抑制処理>
次に、ボトミングショック抑制処理について説明する。ここでは、凹凸のある路面として下り勾配の路面を走行する際のボトミングショック抑制処理を説明する。
図2は、ボトミングショックの発生を説明する図である。図3は、ボトミングショック抑制処理におけるタイミングチャートを示す図である。図4は、ボトミングショック抑制処理の流れを示すフローチャートである。
なお、図2では、前輪4および後輪6に加えられる上下方向の荷重を白抜き矢印で示し、フロントサスペンション3およびリヤサスペンション5のストロークをバネによって表現している。
また、図3では、ボトミングショック抑制処理の実行時の各種値を実線で示し、ボトミングショック抑制処理の非実行時の各種値を破線で示している。
図2および図3に示すように、時刻t1において車両1の前輪4が下り勾配の路面(以下、下り勾配路面30と表記する)に侵入すると、前輪4に対する荷重抜けが発生し、前輪4に加えられる上下方向の荷重が一気に減少する。
その後、前輪4に加えられる上下方向の荷重が増加していくことになるが、時刻t2において車両1の後輪6が下り勾配路面30に侵入すると、今度は後輪6に対する荷重抜けが発生し、後輪6に加えられる上下方向の荷重が一気に減少する。
そして、後輪6に加えられる上下方向の荷重が減少することによってリヤサスペンション5が伸長し(ストロークが増加し)、時刻t3でリヤサスペンション5が最も伸長した状態となる。
その後、前輪4および後輪6に加えられる荷重が徐々に増加していくと、リヤサスペンション5が収縮し始め(ストロークが減少し始め)、時刻4でリヤサスペンション5が最も収縮した状態(以下、最小ストロークと表記する)となる。そして、前輪4および後輪6に加えられる荷重が下り勾配路面30への侵入前と同等の値となると、リヤサスペンション5のストロークも侵入前と同等となる。
このように、凹凸のある路面(ここでは、下り勾配路面30)に車両1が侵入すると、リヤサスペンション5が伸長および収縮を行うことなる。そして、リヤサスペンション5は、収縮したときに所謂フルバンプを起こしてストッパー(収縮を規制するストッパー)に底づきすることがある。このような場合、車両1では、リヤサスペンション5の底づきによって車体2にショック振動を与えるボトミングショックが発生する。ボトミングショックが発生すると、車体2内に搭乗している乗員に対して、不快感等を与えてしまうことになる。
そこで、車両1では、ボトミングショック抑制処理を行うことにより、リヤサスペンション5の底づきを抑制し、ボトミングショックの発生を抑制する。
具体的には、図4に示すように、ステップS1で凹凸検出部21は、下り勾配路面30に前輪4が侵入したかを判定する。ここで、上記したように、前輪4が下り勾配路面30に侵入すると、前輪4に加えられる上下方向の荷重が一気に減少する。そこで、凹凸検出部21は、前輪荷重センサ11によって検出される上下方向の荷重が所定値以上減少したか否かによって、下り勾配路面30に前輪4が侵入したかを判定する。
なお、前輪4が下り勾配路面30に侵入したかを判定する方法はこれに限らず、前輪荷重センサ11によって検出される上下方向の荷重の変化量や所定値に到達したかによって判定してもよい。また、カメラやレーダー等の外部状況を検出するセンサを用いて判定するようにしてもよい。
そして、前輪4が下り勾配路面30に侵入していない場合(ステップS1でNo)、ボトミングショック抑制処理を終了する。一方、前輪4が下り勾配路面30に侵入した場合(ステップS1でYes)、ステップS2でタイミング導出部22は、車速センサ13によって検出される車速、ホイールベース、および、車両ばね上ピッチング周波数特性に基づいて、後輪6が下り勾配路面30に侵入しリヤサスペンション5が最小ストロークとなるタイミング(図3中、時刻t4に相当)を導出(予測)する。
なお、ホイールベースおよび車両ばね上ピッチング周波数特性は、予め測定、計算等によって求められておりROMに記憶されている。また、車両ばね上ピッチング周波数特性とは、車体2がピッチングする周波数を示すものである。
例えば、タイミング導出部22は、現時刻から(ホイールベース[m]/車速[m/s])+(車両ばね上ピッチング周波数の3/4波長分の時間[s])が経過した時刻を、最小ストロークとなるタイミングとして導出する。
また、ステップS3でタイミング導出部22は、車速センサ13によって検出される車速、後輪荷重センサ12によって検出される上下方向の荷重の変化量に基づいて、予めROMに記憶されたマップを参照することにより、最小ストロークとなるタイミングでのリヤサスペンション5のストロークを予測する。なお、リヤサスペンション5のストロークを予測する方法はこれに限らず、他の方法であってもよい。例えば、カメラで検出された勾配変化に基づいて予測してもよい。
続いて、ステップS4でタイミング導出部22は、予測されたリヤサスペンション5のストロークに基づいて、リヤサスペンション5がフルバンプする可能性があるかを判定する。その結果、リヤサスペンション5がフルバンプする可能性がない場合(ステップS4でNo)、ボトミングショック抑制処理を終了する。
一方、リヤサスペンション5がフルバンプする可能性がある場合(ステップS4でYes)、ステップS5でブレーキ制御部23は、導出した最小ストロークとなるタイミングから第1時間だけ前の時刻となったかを判定する。そして、最小ストロークとなるタイミングから第1時間だけ前の時刻となるまでステップS5を繰り返し、最小ストロークとなるタイミングから第1時間だけ前の時刻となった場合(ステップS5でYes)、ステップS4に処理を移す。
ステップS6でブレーキ制御部23は、ブレーキ制御フラグを立てて、ブレーキ装置7のブレーキ圧を予め決められた値に上昇させる。これにより、車両1では、最小ストロークとなるタイミングから第1時間だけ前の時刻となった時点から、ブレーキ装置7によって制動させ始めることが可能となる。なお、ここで上昇させるブレーキ圧は、車両1の減速度が乗員に不安感を与えない程度となるように予め設定されている。
そして、ブレーキ装置7のブレーキ圧を上昇させると、車両減速度が高くなり、車両1の荷重が前輪4側に移動する。そのため、図3に示すように、ボトミングショック抑制処理が行われた場合(図中、実線で示す)、ボトミングショック抑制処理が行われていない場合(図中、破線で示す)より、前輪4に加えられる上下方向の荷重が増加する。
また、ボトミングショック抑制処理が行われた場合(図中、実線で示す)、ボトミングショック抑制処理が行われていない場合(図中、破線で示す)より、前輪4に加えられる上下方向の荷重が増加する分だけ、後輪6に加えられる上下方向の荷重が減少する。
したがって、ボトミングショック抑制処理が行われた場合、ボトミングショック抑制処理が行われていない場合より、後輪6に加えられる上下方向の荷重が減少することにより、リヤサスペンション5に加えられる荷重も減少する。
そのため、ボトミングショック抑制処理が行われた場合(図中、実線で示す)、ボトミングショック抑制処理が行われていない場合より(図中、破線で示す)、リヤサスペンション5の収縮量が減る(ストロークの減少量が減る)。
これにより、車両1では、フルバンプによるストッパーへの底づきが起こりにくくなる。すなわち、車両1では、ボトミングショックが起こりにくくなる。したがって、車両1では、ボトミングショックによる乗員への不快感等を低減し、乗り心地を向上させることができる。
その後、ステップS7でブレーキ制御部23は、導出した最小ストロークとなるタイミングから第2時間だけ後の時刻となったかを判定する。そして、最小ストロークとなるタイミングから第2時間だけ後の時刻となるまでステップS7を繰り返し、最小ストロークとなるタイミングから第2時間だけ後の時刻となった場合(ステップS7でYes)、ステップS8に処理を移す。
ステップS8でブレーキ制御部23は、ブレーキ制御フラグを降ろし、ブレーキ装置7に供給されるブレーキ圧を徐々に低下させ、ボトミングショック抑制処理を終了する。これにより、車両1では、車両減速度が徐々に低くなり、リヤサスペンション5が穏やかに元の長さ(ストローク)に戻るため、よりショック振動を低減し、乗り心地を向上させることができる。
<3.実施形態のまとめ>
上記のように実施形態の車両1は、凹凸のある路面への侵入を検出する凹凸検出部21と、凹凸のある路面への侵入によりリヤサスペンションが最も収縮するタイミングを導出するタイミング導出部22と、タイミングに合わせてブレーキ装置7で制動させるブレーキ制御部23と、を備える。
これにより、車両1は、凹凸のある路面へ侵入した際に、ブレーキ装置7による制動によって前輪4側に荷重を移動させ、後輪6側への荷重を減少させる。そして、車両1は、後輪6側への荷重の減少により、リヤサスペンション5の収縮量を減少させることで、ボトミングショックの発生が抑制される。
したがって、車両1は、ボトミングショックの発生が抑制され、乗員の乗り心地を向上させることができる。
また、凹凸検出部21は、前輪4に加えられる荷重に基づいて、凹凸のある路面への侵入を検出する。
これにより、車両1は、通常の車両に設けられている前輪荷重センサ11の検出結果によって凹凸のある路面への侵入を検出することが可能となる。
したがって、車両1は、構成を複雑化することなく、凹凸のある路面への侵入を検出することができる。
また、タイミング導出部22は、車速、ホイールベース、車両ばね上ピッチング周波数特性に基づいて、タイミングを導出する。
これにより、車両1は、凹凸のある路面への侵入によりリヤサスペンションが最も収縮するタイミングを容易に推定することができる。
また、ブレーキ制御部23は、タイミングよりも前から、タイミングの経過後にかけて、ブレーキ装置7で制動させる。
これにより、リヤサスペンション5が最も収縮するタイミングよりも前に、事前にブレーキをかけることにより前輪4側に荷重を移動させることができるとともに、そのタイミングよりも後にブレーキをやめることでリヤサスペンション5のストロークの変化を穏やかにすることができる。
したがって、車両1は、乗り心地をさらに向上させることができる。
また、凹凸検出部21は、凹凸のある路面として、下り勾配の路面を検出する。
これにより、一般的にボトミングショックがよく発生する下り勾配の路面において、ボトミングショックを抑制することができる。
<4.変形例>
以上、本発明に係る実施形態について説明したが、本発明は上記した具体例に限定されず多様な構成を採り得るものである。
例えば、上記の実施形態では、凹凸のある路面として下り勾配の路面を例に挙げて説明した。しかしながら、凹凸のある路面は、下り勾配の路面以外であってもよい。例えば、突出部が形成された路面であったり、波を打つように湾曲した路面であったりしてもよい。
また、上記の実施形態では、前輪4が下り勾配路面30に侵入した場合にボトミングショック抑制処理のステップS2からステップS6の処理が実行されるようにした。しかしながら、ブレーキ制御部23は、前輪4が下り勾配路面30に侵入したことを検出した後(ステップS1の後)、リヤサスペンション5の最小ストロークを予測することによって底づきを起こすかを予測し、底づきを起こすと予測される場合に、ステップS2からステップS6の処理が実行されるようにしてもよい。
なお、リヤサスペンション5の最小ストロークは、車速や下り勾配路面30の傾斜角度等に基づいて予測したり、後輪荷重センサ12によって検出される荷重に基づいて予測したりすればよい。
また、上記の実施形態では、ステップS4において、ブレーキ装置7のブレーキ圧を予め決められた値に上昇させるようにした。しかしながら、ステップS4において、ブレーキ制御部23は、リヤサスペンション5のストロークに応じてブレーキ圧を変更して上昇させるようにしてもよい。
これにより、リヤサスペンション5が底づきするおそれが高い場合にはブレーキ圧を高くしてより前輪4側に荷重を移動させることで、底づきを抑制することができる。
また、上記のボトミングショック抑制処理は、車速が例えば40km/h~70km/hなどの所定範囲内である場合に実行されるようにしてもよい。
また、上記のボトミングショック抑制処理は、リヤサスペンション5がフルバンプする可能性がある場合にブレーキ制御を行うようにしたが、勾配を検出したらブレーキ制御を行うようにしてもよい。
1 車両
3 フロントサスペンション
4 前輪
5 リヤサスペンション
6 後輪
7 ブレーキ装置
8 制御装置
21 凹凸検出部
22 タイミング導出部
23 ブレーキ制御部

Claims (5)

  1. 凹凸のある路面への侵入を検出する凹凸検出部と、
    前記凹凸のある路面への侵入によりリヤサスペンションが最も収縮するタイミングを導出するタイミング導出部と、
    前記タイミングに合わせてブレーキ装置に制動させるブレーキ制御部と、
    を備える車両。
  2. 前記凹凸検出部は、
    前輪に加えられる荷重に基づいて、前記凹凸のある路面への侵入を検出する
    請求項1に記載の車両。
  3. 前記タイミング導出部は、
    車速、ホイールベース、車両ばね上ピッチング周波数特性に基づいて、前記タイミングを導出する
    請求項1または2に記載の車両。
  4. 前記ブレーキ制御部は、
    前記タイミングよりも前から、前記タイミングの経過後にかけて、前記ブレーキ装置で制動させる
    請求項1から3のいずれかに記載の車両。
  5. 前記凹凸検出部は、
    前記凹凸のある路面として、下り勾配の路面を検出する
    請求項1から請求項4のいずれかに記載の車両。
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