JP2023046575A - スラブの幅圧下制御装置及び方法 - Google Patents

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Abstract

Figure 2023046575000001
【課題】 スラブの定常部から尾端部にかけてのスラブねじれに起因する鉛直方向のプレス荷重が幅プレス設備の鉛直方向の耐荷重を超えた過荷重の状態とならないようにする幅圧下制御装置及びその方法を提供する。
【解決手段】 入側、出側のピンチロール30,31を備えた幅プレス設備2の鉛直方向過荷重を防止する幅圧下制御装置であって、温度測定部5と、予測プレス荷重の算出部6と、スラブねじれ角取得部7と、圧下可否判定部8とを有してなり、温度測定部5はスラブSのプレス進入温度を測定し、予測プレス荷重の算出部6は前記プレス進入温度を用いてスラブ幅圧下時の予測プレス荷重Ppを算出し、スラブねじれ角取得部7はピンチロール30,32のピンチロール傾斜角からスラブねじれ角φを測定し、圧下可否判定部8は前記φ及び前記Fcrに基づき推定上限プレス荷重Pmaxを導出し、Ppと比較し、PpがPmaxを超える場合スラブ搬送を停止させる。
【選択図】図1

Description

本発明は、熱間圧延などに供される鋼片(スラブ)をスラブ長手方向に搬送しつつ一対の金型で幅方向両側から断続的にプレスして幅圧下圧延(以下、単に「幅圧下」ともいう。)をする、ピンチロールを備えた幅プレス設備において、スラブのねじれによる幅プレス設備の鉛直方向の過荷重を防止するスラブの幅圧下制御装置及びその装置を用いた制御方法に関する。
サイジングプレスと呼ばれる幅プレス設備によるスラブの幅圧下圧延に際してスラブの幅方向には座屈やねじれなどの現象が発生しやすい(非特許文献1)。座屈現象は、幅圧下による塑性不安定状態であり、スラブ幅圧下中に、上方向(凸状)あるいは下方向(凹状)へ折れ曲がる現象である。また、ねじれ現象は、搬送方向に複数設置される搬送用ピンチロールで片持ちされて自由端になった非定常状態で幅圧下を受ける熱間スラブの先端部や尾端部においてスラブが水平面から傾いた状態になる現象である。
上述の座屈現象を抑制する技術として、材料の幅圧下を行なう金型と、金型長手方向の中央部相当位置で材料幅方向の中央部両面を押える上下一対の(座屈防止用)押えロールとを有する幅圧下装置において、材料(スラブ)の全幅を押圧し得るフィードローラとメジャーリングロールとを一対として前記金型の入側と出側の少なくとも2箇所に設け、幅圧下中の材料を把持し、該材料の座屈やねじれを防止する技術が開示されている(特許文献1)。また、スラブ最先端部の座屈を防止するために、座屈拘束ロールを設置し、幅圧下による熱間スラブの先端部および定常部の板厚増肉量の予測値に応じて、幅圧下によるスラブの変形を考慮した前記座屈拘束用ロールの上下高さ位置を適切に調整する方法が開示されている(特許文献2)。
一方、前記ねじれ現象に関し、幅圧下中のスラブの上下方向の動きを拘束する上下一対の上下動拘束ロールを、スラブ幅方向の複数の位置に配備することにより、スラブの幅圧下時にスラブの先端部及び/又は尾端部に生じやすい、ねじれ現象を防止する技術が開示されている(特許文献3)。
二階堂ら「高信頼性日立サイジングプレス」:日立評論vol.72、No.5.p397-402(1990.5)
特開平6-154810号公報 特開2009-248186号公報 特開2018-144083号公報
しかしながら、幅圧下中のスラブねじれは、スラブの幅圧下時にスラブの先端部や尾端部に限定されず、スラブの定常部から尾端部にかけて過大なスラブねじれ(例えば、スラブ幅1300mmに対し、スラブ片側が50mm以上浮き上がる)が発生する場合がある。定常部でねじれたスラブの幅圧下を断続的に継続すると、左右の金型のスラブ叩き位置が高さ方向にずれるので、金型により叩かれたスラブをスラブ幅断面中心まわりに回転させる回転モーメントが生じ、スラブが金型から受けた水平方向の衝撃荷重は、スラブが金型を押し上げる鉛直方向の衝撃荷重に変換される。金型を鉛直方向に押し上げる衝撃荷重が、幅プレス設備の耐荷重を超えると、設備損傷が誘発されるので、問題となる。
しかし、特許文献1,2の開示技術はスラブ幅方向中央部が上方向あるいは下方向へ折れ曲がる座屈現象を防止するものであり、また、特許文献3の開示技術は先端部及び/又は尾端部の非定常部におけるスラブねじれを防止するものであり、いずれも、スラブの定常部から尾端部にかけて過大なスラブねじれを防止するものではない。
そのため、従来では、かかる過大なスラブねじれに起因して、幅圧下中に鉛直方向のプレス荷重が幅プレス設備の耐荷重を超えた過荷重の状態となって、幅プレス設備の損傷が発生するのを回避することは困難であった。
本発明は、上述の従来技術の問題に鑑み、スラブねじれに起因する鉛直方向のプレス荷重が幅プレス設備の鉛直方向の耐荷重を超えた過荷重の状態とならないようにする幅圧下制御装置及びその方法を提供することを目的とする。
[本発明をなすに至った経緯]
本発明者らは、上記の課題を解決するために、スラブの定常部から尾端部にかけて過大なスラブねじれが発生した時に、幅圧下を途中で中断して幅プレス設備の損傷発生を防止する手法について鋭意検討を重ねた。
そして、スラブの定常部から尾端部にかけて発生し、設備破損を誘発するほどの過大なねじれの発生する原因を調査するため、ねじれの発生したスラブを観察した結果、ねじれ量はスラブ長手方向先端では小さいが、長手方向尾端に向けて徐々に拡大している点に着目した。
そして、幅プレス設備においては、スラブを搬送させながら、断続的な衝撃荷重によりスラブを幅圧下する過程で、ねじれが徐々に増長されていると考え、図2に示すような、スラブSの幅断面の力の釣り合いとスラブS幅断面中心まわりのねじれモーメントとの関係を検討した。
スラブSの幅断面中心を通る、ねじれを表す傾斜方向線22が水平方向(水平方向線20)に対してスラブねじれ角φで傾斜している場合、スラブ幅断面中心周りのねじれモーメントを発生させるスラブ幅方向片側を鉛直上方に浮き上がらせる力(以下、「浮き上がり力F」と称す。)と、プレス荷重Pとの関係は
F=P×tanφ ‥‥(4)
となる。
そして、幅プレス設備による幅圧下圧延前のスラブ段階において、軽度なねじれ(初期のスラブねじれ角φをφ0とする)が存在する場合、プレス荷重Pで幅圧下すると、式(4)よりP×tanφ0 の大きさの浮き上がり力Fが発生し、ねじれモーメントにより、幅圧下後のスラブねじれ角φは、初期のスラブねじれ角φ0よりも大きくなる。そして、スラブSを搬送させながら、断続的にスラブを幅圧下する過程で、スラブねじれ角φが増長され設備破損を誘発するほどの過大なねじれに発展すると考えた。
そこで、幅圧下される前の段階において、軽度な初期のスラブねじれ角φ0を有するスラブSを、搬送させながら断続的に幅圧下する工程についてFEM解析を行った。
図3(a)に、幅圧下前後のスラブSの断面を示すとおり、幅圧下の前後でスラブねじれが増長されている。すなわち、ねじれ量δがδ0からδ1に、スラブねじれ角φがφ0からφ1に増長されている。図3(b)に幅圧下後の長手方向ねじれ量(=幅圧下後スラブ幅×長手方向のtanφ)の変化を示すとおり、尾端(TE)に行くほどねじれが増大した。なお、スラブねじれ角φは、水平方向線20からのスラブ幅中心周りの時計回りを正、反時計回りを負とした。
また、図4に示すとおり、浮き上がり力Fとプレス荷重P×tan(初期のスラブねじれ角φ0)との相関図からも、式(4)の関係を示している。
さらに本発明者らは、幅プレス設備の入側のピンチロールの傾きの一定期間の実績データより、初期のスラブねじれ角φ0を調べたところ、平均0.1°(tanφ0=0.002)、最大1.5°(tanφ0=0.027)であり、例えば、幅1300mmのスラブの場合、水平方向からの幅方向片側の浮き上がり(スラブねじれ量)は、それぞれ3mm、35mmであった。
図5に、初期のスラブねじれ角φ0が異なる場合の、プレス荷重Pと浮き上がり力Fの関係を模式的に示す。
図5で(a)はφ0が平均0.1°(tanφ0=0.002)の場合、(b)はφ0が最大1.5°(tanφ0=0.027)の場合、(c)はφ0が、(b)の最大1.5°の2倍の最大3.1°(tanφ0=0.054)の場合である。Pcrは幅プレス設備の金型にかかる水平方向の衝撃荷重に対する耐荷重(水平方向耐荷重)、Fcrは前記金型にかかる鉛直方向の衝撃荷重に対する耐荷重(鉛直方向耐荷重)である。
(a)の、φ0が0.1°の場合、浮き上がり力Fは、鉛直方向耐荷重Fcrを大きく下回る。しかし、(b)の、φ0が1.5°になると、浮き上がり力Fはプレス荷重Pの増加に伴い大きく上昇し、プレス荷重Pが水平方向耐荷重Pcrに達した時に、浮き上り力Fは鉛直方向耐荷重Fcrに達する。
さらに、(c)の、φ0が3.1°になると、プレス荷重Pが水平方向耐荷重Pcrに到達する前のPmaxの時に、浮き上り力Fは鉛直方向耐荷重Fcrに到達してしまい、Pmaxを超えるプレス荷重Pが加わると、金型を鉛直方向に押し上げる衝撃荷重により設備損傷が発生することとなる。ここで、Pmaxは、スラブねじれ角φと鉛直方向耐荷重Fcrとの関係で決定される推定上限プレス荷重であり、式(5)により算出される。
Pmax=Fcr/tanφ ‥‥式(5)
よって、幅圧下前にプレス荷重Pを予測し、推定上限プレス荷重Pmaxを超える場合に、スラブ搬送を停止させ幅圧下を中断することにより、幅プレス設備の損傷を防止できる。
また、幅プレス設備はプレス荷重Pを測定するロードセルを具備しており、幅圧下を開始した後は、ロードセルにより幅圧下時のプレス荷重を実測し(実測プレス荷重Pa)、推定上限プレス荷重Pmaxを超える場合に、スラブ搬送を停止させ幅圧下を中断することにより、幅プレス設備の損傷を防止することもできる。
次に本発明者らは、幅プレス設備にスラブが進入する前に、プレス荷重を予測する方法について、検討した。プレス荷重Pは、プレス条件である幅圧下量(ひずみ)、変形速度(ひずみ速度)、スラブ送り量(金型接触投影長さ)、被圧延材(スラブ)厚さ等を、材料条件としてはスラブ温度、スラブの材料物性等を用いて、例えば以下の式(6)に当てはめ、プレス荷重を予測することができる。
Pp=Qp×Km×H×Lp ‥‥式(6)
ここで、Pp=予測プレス荷重、Km=変形抵抗(美坂の式より)、H=スラブ厚さ、Qp=圧下力関数、Lp=金型接触投影長さである。
本発明者らは、プレス条件やスラブの材料物性値等が同じ条件であれば、プレス荷重はスラブ温度が支配的であると考え、幅プレス設備へ進入前のスラブ温度を実測又は予測し、プレス荷重との関係を調査した。
ここで、幅プレス設備へ進入前のスラブ温度を推定する方法として、加熱炉抽出時のスラブ温度に基づき、抽出後のデスケーリング、時間履歴よりスラブ断面温度分布を差分法等の数値計算により推定する方法を検討した。
加熱炉抽出時のスラブ温度は、例えば1000~1200℃の範囲内に目標温度が設定されるが、炉内搬送中にスラブ表面に酸化スケール層があるため、放射温度計等によるスラブ温度を直接測定することは行わず、スラブへの伝熱形態を表す総括熱伝達係数φcgを用い、加熱炉内の雰囲気温度と、雰囲気温度下の在炉時間に基づいてスラブ表面からの入熱量を算出し、差分計算モデル等によりスラブ温度を推定するのが一般的である。しかし、このように推定された加熱炉抽出時のスラブ温度は、操業トラブルにより加熱炉内に長時間滞留され、加熱燃焼ガスの加熱炉内への投入量が大きいような場合には、長時間在炉によりスラブ表層に生成するスケール層が厚くなり、スラブへの入熱量が想定よりも低くなる等の影響により、計算精度を十分に得られない問題があった。
そこで、本発明者らは、幅プレス設備へ進入前のスラブ表面温度(プレス進入温度という。)を直接放射温度計により測定する方法を検討した。上述の通り、加熱炉から抽出されたスラブ表面には加熱炉内で生成したスケール層が存在し、スケール層の厚みや色調、表面の凹凸(粗さ)により放射率が変動し、正確な温度測定は困難である。
そこで、図6(a)に設備配置の概略、(b)に温度履歴を示すように、加熱炉から抽出されたスラブSを高圧水デスケーリング装置3によりスラブ表層のスケール層を除去(デスケ―リング)後、デスケーリングにより低下したスラブ表層のスラブ表面温度が復熱して安定するデスケーリング後から約20秒経過後のスラブ表面温度を測定可能な幅プレス設備の入側において、プレス進入温度を温度測定部5における測温手段とした放射温度計で実測した。なお、デスケーリング後は、水蒸気が発生する環境であり、互いに異なる二つの測定波長を使って、それぞれの放射輝度の比を求めることによって温度に換算する二波長放射温度計を用いることが好ましい。
図7に、プレス進入温度と実測プレス荷重Paとの相関関係を示す。プレス進入温度(実測値)は実測プレス荷重Paに対して相関関係があることが判明した。スラブの鋼種、寸法(スラブ厚さ、幅)、幅圧下量及び搬送量を含むプレス用の基本データにより層別された区分毎に、あらかじめプレス進入温度と実測プレス荷重Paの相関関係を求めておけば、実測されるプレス進入温度より、プレス荷重Pを予測することができる。
また、式(5)中のスラブねじれ角φは、以下のように求めることができる。
図8(a)は幅プレス設備2の全体概略図である。入側のピンチロール30及び出側のピンチロール32は、上下ロールでスラブSを挟み込み、スラブSを搬送する。入側のピンチロール30及び出側のピンチロール32は、一定の押し力でスラブSを挟み込むが、スラブねじれを矯正することはできず、図8(b)のように、ねじれたスラブ形状に倣い入側のピンチロール30(出側のピンチロール32の場合でも同様)が水平方向に対して傾斜する。ピンチロール30の幅方向両端部(左右)に配置された抑えシリンダー40の左右シリンダー位置差より、スラブねじれ角φを測定することができる。
スラブが幅プレス設備内に進入し、入側のピンチロール30によりスラブ先端部が挟持された時の入側のピンチロール30の傾斜角を、プレス幅圧下前のスラブねじれ角φとして取得することができる。
また、被圧延材であるスラブが、金型10によるプレスで幅圧下されている最中、入側のピンチロール30及び/又は出側のピンチロール32により挟持されている場合には、入側のピンチロール30又は出側のピンチロール32の傾斜角又は両者の平均値を、幅圧下中のスラブねじれ角φとして取得できる。
[本発明の要旨]
本発明は上述の検討に基づいて、なされたものであり、その要旨は以下のとおりである。
[1] ピンチロール及びロードセルを備えた幅プレス設備の鉛直方向過荷重を防止する幅圧下制御装置であって、温度測定部と、予測プレス荷重の算出部と、スラブねじれ角取得部と、圧下可否判定部とを有してなり、
前記温度測定部は、スラブの幅プレス設備への進入時の表面温度であるプレス進入温度を測定する手段を具備し、
前記予測プレス荷重の算出部は、前記プレス進入温度を用いて前記スラブの幅圧下時の予測プレス荷重Ppを算出する手段を具備し、
前記スラブねじれ角取得部は、前記幅プレス設備の入側及び/又は出側のピンチロールのピンチロール傾斜角からスラブねじれ角φを測定する手段を具備し、
前記圧下可否判定部は、前記スラブねじれ角取得部で測定されたスラブねじれ角φ及び前記幅プレス設備の鉛直方向耐荷重Fcrに基づき推定上限プレス荷重Pmaxを導出し、前記予測プレス荷重Ppと比較し、PpがPmaxを超える場合スラブ搬送を停止させる手段を具備する、
ことを特徴とする幅圧下制御装置。
[2] 前記圧下可否判定部は、前記ロードセルよりスラブの幅圧下中の実測プレス荷重Paを取得し、前記推定上限プレス荷重Pmaxと比較し、PaがPmaxを超える場合スラブ搬送及び幅圧下を停止させる手段を具備することを特徴とする[1]に記載の幅圧下制御装置。
[3] 前記プレス進入温度が、加熱炉から抽出されたスラブの表面スケールを除去してから20秒を経過して以降の温度であることを特徴とする[1]又は[2]に記載の幅圧下制御装置。
[4] 前記プレス進入温度を測定する手段が、放射温度計であることを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載の幅圧下制御装置。
[5] 前記予測プレス荷重を算出する手段が、前記プレス進入温度を説明変数として前記予測プレス荷重を目的変数とする一次式で構成されることを特徴とする[1]~[4]のいずれか一つに記載の幅圧下制御装置。
[6] 前記圧下可否判定部が、前記スラブねじれ角φ及び前記鉛直方向耐荷重Fcrに基づき推定上限プレス荷重Pmaxを下記式(1)及び式(2)によりそれぞれ演算する手段を具備することを特徴とする[1]~[5]のいずれか一つに記載の幅圧下制御装置。
Pmax1=Fcr/tanφmax ‥‥(1)
Pmax2=Fcr/tanφ ‥‥(2)
ここで、Pmax1は式(1)による推定上限プレス荷重、Pmax2は式(2)による推定上限プレス荷重、Fcrは幅プレス設備の鉛直方向耐荷重、φはスラブねじれ角、φmaxは許容上限ねじれ角である。
[7] [1]~[6]のいずれか一つに記載の幅圧下制御装置を用いて幅プレス設備の鉛直方向過荷重を防止する幅圧下制御方法であって、
前記スラブねじれ角取得部で過去に測定された、幅プレス設備が損傷に至らなかった場合の、スラブねじれ角φの測定データの最大値を、許容上限ねじれ角φmaxとして予め求めておき、
前記スラブが前記幅プレス設備の入側のピンチロールで挟持される前に、
前記温度測定部がプレス進入温度を測定し、
前記予測プレス荷重の算出部が、前記温度測定部で測定されたプレス進入温度を用いて前記スラブの幅圧下時の予測プレス荷重P1を算出し、
前記圧下可否判定部が、前記許容上限ねじれ角φmax及び前記幅プレス設備の鉛直方向耐荷重Fcrを用いて下記式(1)で推定上限プレス荷重Pmax1を算出し、前記予測プレス荷重P1と比較し、P1がPmax1を超える場合スラブ搬送を停止させる
ことを特徴とする幅圧下制御方法。
Pmax1=Fcr/tanφmax ‥‥(1)
ここで、Pmax1は式(1)による推定上限プレス荷重、Fcrは幅プレス設備の鉛直方向耐荷重、φmaxは許容上限ねじれ角である。
[8] 前記P1がPmax1以下の場合、
さらに、前記スラブの搬送中に、前記温度測定部が前記スラブの長手方向のプレス進入温度T2を測定し、
前記スラブが前記幅プレス設備の入側及び/又は出側のピンチロールで挟持されている間で、
前記スラブねじれ角取得部が、前記入側及び/又は出側のピンチロール傾斜角から前記スラブの長手方向のスラブねじれ角φを測定し、
前記予測プレス荷重の算出部が、前記長手方向のプレス進入温度T2を用いて長手方向の予測プレス荷重P2を算出し、
前記圧下可否判定部が、前記長手方向のスラブねじれ角φ及び前記幅プレス設備の鉛直方向耐荷重Fcrを用いて下記式(2)で長手方向の推定上限プレス荷重Pmax2を算出し、前記長手方向の予測プレス荷重P2と比較し、P2がPmax2を超える場合スラブ搬送及び幅圧下を停止させる
ことを特徴とする[7]に記載の幅圧下制御方法。
Pmax2=Fcr/tanφ ‥‥(2)
ここで、Pmax2は式(2)による推定上限プレス荷重、Fcrは幅プレス設備の鉛直方向耐荷重、φは入側及び/又は出側のピンチロール傾斜角からのスラブねじれ角である。
[9] 前記圧下可否判定部が、前記ロードセルより前記スラブの幅圧下中の長手方向の実測プレス荷重Paを取得し、前記長手方向の推定上限プレス荷重Pmax2と比較し、PaがPmax2を超える場合スラブ搬送及び幅圧下を停止させることを特徴とする[8]に記載の幅圧下制御方法。
本発明によれば、スラブが幅プレス設備へ進入する前(スラブが幅プレス設備の入側のピンチロールで挟持される前)に、プレス進入温度を測定して予測プレス荷重Ppを算出し、スラブの許容上限ねじれ角φmaxに基づく推定上限プレス荷重Pmaxと比較し、PpがPmaxを超える場合に、幅プレス設備内への進入を事前に禁止できるので、幅プレス設備の鉛直方向の耐荷重を超えた過荷重の状態となることによる設備損傷を未然に防止することができる。
また、スラブが幅プレス設備へ進入後(スラブが幅プレス設備の入側及び/又は出側のピンチロールで挟持されている間)に、長手方向のプレス進入温度を測定して幅圧下時の予測プレス荷重Ppを算出し、ピンチロール傾斜角より測定される長手方向のスラブねじれ角φに基づく長手方向の推定上限プレス荷重Pmaxと比較し、PpがPmaxを超える場合に、該当するスラブの長手方向位置を実際に金型で幅圧下する前にスラブ搬送及び幅圧下を停止できるので、幅プレス設備の鉛直方向の耐荷重を超えた過荷重の状態となることによる設備損傷を未然に防止することができる。
さらに、スラブの幅圧下中の長手方向の実測プレス荷重Paと、長手方向のスラブねじれ角φに基づく長手方向の推定上限プレス荷重Pmaxを比較し、PaがPmaxを超える場合に、スラブねじれに起因する鉛直方向のプレス荷重が幅プレス設備の鉛直方向の耐荷重を超えた過荷重の状態となった直後にスラブ搬送及び幅圧下を停止することができるので、設備損傷を最小に抑えることができる。
本発明装置の一例を示す概略図である。 スラブ幅断面の力のつり合いとスラブ幅断面中心周りのねじれモーメントを説明するための図である。 スラブねじれ現象の確認のための金型による幅圧下のFEM解析結果を示す図である。 浮き上がり力F、プレス荷重P及びび初期のねじれ角度φ0の関係を説明するための図である。 プレス荷重Pと浮き上がり力Fの関係を説明するための図である。 幅プレス設備へ進入前のスラブ表面温度(プレス進入温度)を測定する放射温度計の設置位置を説明するための図である。 プレス進入温度(実測値)と実測プレス荷重Paとの関係を示す図である。 スラブねじれ角φの測定方法を説明するための図である。 実施例1及び2における二波長放射温度計の設置位置を示す図である。 実施例2における二波長放射温度計によるスラブ長手方向のプレス進入温度の測定結果を示す図である。 本発明方法の実施形態におけるスラブと幅プレス設備との位置関係を説明するための図である。
以下、本発明の実施形態を説明する。
[幅圧下制御装置]
図1は、本発明に係る幅圧下制御装置(以下、本発明装置ともいう。)の一例を示している。
本発明装置は、幅プレス設備2の鉛直方向の過荷重を防止するものである。スラブSは、図1に図示しない加熱炉(図6(a)参照)から抽出され、複数の搬送ローラー1で搬送され、高圧水デスケーリング装置3でスラブ表層のスケール層が除去された後、幅プレス設備2へ到着する。幅プレス設備2は、入側及び出側にそれぞれのピンチロール30及び32と、プレスによる幅圧下圧延を行う金型10と、上下の座屈防止ロール15とを備え、さらに幅圧下時のプレス荷重を測定するロードセルを具備していて、到着したスラブSを入側のピンチロール30で挟持し搬送しつつ金型10で幅圧下し、さらに出側のピンチロール32でも挟持し搬送しつつ、幅圧下を続行する。幅圧下の進行中は上下の座屈防止ロール15で押さえて座屈を防止する。このとき、スラブSのねじれに起因して幅プレス設備2の鉛直方向の過荷重が発生し設備損傷を誘発する場合がある。
本発明装置は、スラブSが幅プレス設備2へ進入前の段階及び進入後幅圧下中の段階に、幅プレス設備2内での前記鉛直方向の過荷重の発生の有無を判定し、過荷重の発生が有と判定した場合、即座に幅圧下を中断(スラブ搬送を停止)させることで、前記設備損傷を未然に防ごうとするものであり、そのために、以下に説明する温度測定部5と、予測プレス荷重の算出部6と、スラブねじれ角取得部7と、圧下可否判定部8とを有する。
また、スラブ諸元や幅プレス設備の設定条件(プレス用の基本データと称す)を格納するデータ部4についても併せて説明する。
[データ部]
データ部4は、プレス用の基本データを格納する手段(データ格納手段)を具備する。データ格納手段としては例えばプロセスコンピュータの記憶手段が好ましい。基本データは、好ましくは、スラブSの鋼種、寸法(スラブ厚、スラブ幅)等のスラブ諸元、幅圧下量及び搬送量(平均の送り速度)等の幅プレス設備2の設定条件を含む。これらのデータはスラブSに紐付いており、予測プレス荷重Ppの算出部6に入力され、予測プレス荷重の算出に用いられる。基本データの値の範囲としては例えば以下が挙げられる。
鋼種:JIS規格、ASTM規格等の諸規格に規定される範囲の鋼種
寸法:厚さ140~300mm、幅600~1910mm、長さ4500~10000mm
幅圧下量:0~400mm
搬送量(平均の送り速度):5~20mpm
[温度測定部]
温度測定部5は、加熱炉から抽出されたスラブSの幅プレス設備2への進入時のスラブ表面温度であるプレス進入温度を測定する手段(測温手段)を具備する。測定されたプレス進入温度は予測プレス荷重の算出部6へ入力され、予測プレス荷重Ppの算出に用いられる。
測温手段としては高温材料の測温に適するとされる放射温度計が好ましく、なかでも高圧水デスケーリング装置3によるデスケーリングで発生する水蒸気等の外乱の影響を受けにくい二波長放射温度計(別名:二色温度計)がより好ましい。
また、前記プレス進入温度は、スラブSにおけるデスケーリングの水冷による急激な抜熱(スラブ表面温度降下)からの復熱(スラブ表面温度上昇)が完了し、スラブ表面温度が安定した時点以降の温度であることが好ましい。このように復熱が完了しスラブ表面温度が安定するのは、例えば図6(b)に示すようにデスケーリング後から20秒経過して以降である。よって、前記プレス進入温度が、加熱炉から抽出されたスラブ表層のスケール層を除去してから20秒経過して以降の温度であることが好ましい。
また、前記プレス進入温度は、スラブ長手方向の温度(スラブ長手方向の複数個所の温度)であることが好ましい。この理由は、前記プレス進入温度が、スラブ長手方向の1箇所のみの温度であると、その1箇所の温度が設備損傷を誘発しないとの判定に至る温度(安全温度)であったとしても、他箇所の温度がより低温で設備損傷を誘発するとの判定に至る温度(危険温度)である場合が看過され、設備損傷の危険性が高くなるためである。
なお、幅プレス設備2は、加熱炉から幅プレス設備2の下流の粗圧延機、仕上げ圧延機及び巻取り機(いずれも図示せず)までの設備列を含む熱間圧延ラインの一部をなしており、係る熱間圧延ラインには、スラブS(及びこれを出発素材とする被圧延材)のライン上の位置を追跡するトラッキング機能が備わっている。このトラッキング機能により、スラブ長手方向のプレス進入温度は、スラブ長手方向の複数位置と対応付けることができる。
[予測プレス荷重の算出部]
予測プレス荷重の算出部6は、前記基本データ及び前記プレス進入温度を用いてスラブSの幅圧下時の予測プレス荷重Ppを算出する手段(予測荷重算出手段)を具備する。算出された予測プレス荷重Ppは圧下可否判定部8へ入力される。
予測プレス荷重の算出部6においては、前記予測荷重算出手段として、予め、前記基本データの内、スラブ諸元であるスラブの鋼種、寸法(スラブ厚さ、スラブ幅)、幅プレス設備の設定条件である幅圧下量及び搬送量を含む基本データの項目により層別された区分毎に、プレス進入温度(実測値)と実測プレス荷重Paとの関係(例えば図7参照)に基づいて、プレス進入温度(Tsとする)から予測プレス荷重Ppを算出するプレス荷重予測モデルを取得しておくのが好ましい。このプレス荷重予測モデルとしては、例えば下記式(7)に示すような、プレス進入温度Tsを説明変数として予測プレス荷重Ppを目的変数とする一次式が挙げられる。
Pp=a×Ts+b ‥‥(7)
ただし、Ppは予測プレス荷重[ton]、Tsはプレス進入温度[℃]、a[ton/℃],b[ton]は回帰係数
回帰係数a,bは、予めスラブの鋼種、寸法(スラブ厚さ、スラブ幅)、幅圧下量及び搬送量を含む基本データの項目により層別された区分毎に、図7のような相関関係を回帰分析して取得し、予測プレス荷重の算出部6内の記憶手段(図示せず)に前記区分毎に記憶させておく。
[スラブねじれ角取得部]
スラブねじれ角取得部7は、幅プレス設備2の入側及び/又は出側のピンチロール30及び32のそれぞれのピンチロール傾斜角からスラブの長手方向のスラブねじれ角φを測定する手段(ねじれ角測定手段)を具備する。このねじれ角測定手段は、例えば図8(b)に入側のピンチロール30の場合について示すように、スラブSを挟持した状態でピンチロール30の幅方向両端部(左右)の抑えシリンダー40,40の抑え高さ位置の差(例えば152mm)と左右の抑えシリンダー40,40の水平方向間隔(例えば2650mm)を検出し、arctan(抑え高さ位置の差/水平方向間隔)の式でピンチロール傾斜角を算出し、この算出結果をスラブねじれ角φとするよう構成される。測定されたスラブねじれ角φは圧下可否判定部8へ入力される。
[圧下可否判定部]
圧下可否判定部8は、スラブねじれ角取得部7で測定されたスラブねじれ角φ及び幅プレス設備2の鉛直方向耐荷重Fcrに基づき推定上限プレス荷重Pmaxを導出し、前記予測プレス荷重Ppと比較し、PpがPmaxを超える場合スラブ搬送を停止させる手段を具備する。
また、圧下可否判定部8は、スラブの幅圧下中にロードセルよりスラブの幅圧下中の実測プレス荷重Paを取得し、前記推定上限プレス荷重Pmaxと比較し、PaがPmaxを超える場合スラブ搬送及び幅圧下を停止させる手段を具備する。
推定上限プレス荷重Pmaxを導出するために、下記式(1)及び式(2)の演算手段を具備することが挙げられる。
Pmax1=Fcr/tanφmax ‥‥(1)
Pmax2=Fcr/tanφ ‥‥(2)
ここで、Pmax1は式(1)による推定上限プレス荷重、Pmax2は式(2)による推定上限プレス荷重、Fcrは幅プレス設備の鉛直方向耐荷重、φはスラブねじれ角、φmaxは許容上限ねじれ角である。
式(1)は、スラブSが幅プレス設備2への進入前の段階において、幅プレス設備2へのスラブ進入の可否を判定するために使用され、式(2)は、スラブSが幅プレス設備2への進入後の段階において、幅プレス設備2内でのスラブ幅圧下の進行中に幅圧下続行の可否を判定するために使用される。
許容上限ねじれ角φmaxは、スラブねじれ角取得部7で過去に測定された、幅プレス設備2が損傷に至らなかった場合の、スラブねじれ角φの測定データの最大値であり、予め求めて、圧下可否判定部8に記憶させておく。
また、幅プレス設備2の鉛直方向耐荷重Fcrは、例えば、浮き上り力Fが、幅プレス設備2の構成機器(外ブロック、内ブロック等)の自重等を上回り、これら構成機器が鉛直方向に動こうとするのを拘束するためのガイドの耐荷重等に基づいて決定する。このFcrも予め求めて、圧下可否判定部8に記憶させておく。
そして、スラブSが幅プレス設備2への進入前の段階においては、式(1)により導出された推定上限プレス荷重Pmax1を、前記予測プレス荷重Ppと比較し、PpがPmax1を超える場合スラブ搬送を停止させる。スラブ搬送を停止させる手段としては、PpとPmax1の比較結果から幅プレス設備2に対しスラブ進入禁止を促す信号を生成し、搬送ローラー1の回転を停止する論理演算回路が挙げられる。
また、スラブSが幅プレス設備2への進入後の段階においては、スラブねじれ角φに基づいて式(2)により導出された推定上限プレス荷重Pmax2を、前記予測プレス荷重Ppと比較し、PpがPmax2を超える場合スラブ搬送及び幅圧下を停止させる。スラブ搬送を停止させる手段としては、PpとPmax2の比較結果から幅プレス設備2に対し搬送ローラー1の回転を停止する論理演算回路が挙げられる。幅圧下を停止させる手段としては、PpとPmax2の比較結果から幅プレス設備2に対し金型10を緊急開放し、幅圧下の中断を促す信号を生成する論理演算回路が挙げられる。
[幅圧下制御方法]
次に、本発明に係る幅圧下制御方法(以下、本発明方法ともいう。)の実施形態について説明する。
本発明方法は、上述の本発明装置を用いて幅プレス設備2の鉛直方向過荷重を防止する方法である。
図11は、幅プレス設備2へのスラブ進入前(図11(a))及び幅プレス設備2内へのスラブ進入後(図11(b)~(d))の、スラブSと幅プレス設備2との位置関係を示している。
[幅プレス設備へのスラブ進入前(図11(a))]
まず、スラブねじれ角取得部7で過去に測定された、幅プレス設備2が損傷に至らなかった場合の、スラブねじれ角φの測定データの最大値を、許容上限ねじれ角φmaxとして予め求めておく。
そして、前記スラブSが幅プレス設備2の入側のピンチロール30で挟持される前に、温度測定部5が幅プレス設備2へのスラブ進入前の前記プレス進入温度T1を測定する。このプレス進入温度T1は、好ましくは前述のとおり、加熱炉から抽出されたスラブ表層のスケール層を除去してから20秒以降の温度である。また、プレス進入温度は、好ましくは前述のとおりスラブ長手方向の温度(スラブ長手方向の複数個所の温度)である。
次いで、予測プレス荷重の算出部6が、データ部4に格納されたプレス用の基本データ及び温度測定部5で測定されたプレス進入温度T1を用いて、前記プレス荷重予測モデル(例えば式(7))により、前記スラブSの幅圧下時の予測プレス荷重P1を算出する。このときのプレス進入温度は、スラブ長手方向の温度測定範囲内での最低温度を用いるのが、最終的な圧下可否の判定結果の信頼性の点で好ましい。
次いで、圧下可否判定部8が、前記許容上限ねじれ角φmax及び幅プレス設備2の鉛直方向耐荷重Fcrを用いて前記式(1)で推定上限プレス荷重Pmax1を算出し、前記予測プレス荷重P1と比較し、P1がPmax1を超える場合スラブ搬送を停止(幅プレス設備2へのスラブ進入を禁止)させる。
これにより、幅プレス設備2へのスラブ進入前に、鉛直方向過荷重発生を予測して、設備へのスラブ進入を禁止し、幅プレス設備の鉛直方向の耐荷重を超えた過荷重の状態となることによる設備損傷の発生を未然に防止することができる。
[幅プレス設備内での幅圧下進行時(図11(b)~(e))]
本発明方法では、前記P1がPmax1以下の場合、スラブSを幅プレス設備2に進入させ、さらに、スラブSの幅プレス設備2内の搬送中又は幅圧下進行中も、温度測定部5の直下にスラブSが存在する間(図11(b)、図11(c))、温度測定部5はスラブSの長手方向のプレス進入温度T2を継続して測定する。
そして、スラブSが幅プレス設備2の入側及び/又は出側のピンチロール30で挟持されている間で、スラブねじれ角取得部7が、入側のピンチロール傾斜角からスラブの長手方向のスラブねじれ角φを測定する。
ここで、スラブねじれ角φは、入側のピンチロール傾斜角から測定されるスラブねじれ角φe、出側のピンチロール傾斜角から測定されるスラブねじれ角φoに基づいて算出される。スラブが入側のピンチロールのみに狭持されている時は(図11(b)、図11(c))、スラブねじれ角φとしてφeを用いる。スラブが入側及び出側のピンチロールに狭持されている時は(図11(d))、スラブねじれ角φとしてφe又はφo、もしくはφeとφoの平均値を用いる。スラブが出側のピンチロールのみに狭持されている時は(図11(e))、スラブねじれ角φとして、φoを用いる。
また、予測プレス荷重の算出部8が、前記長手方向のプレス進入温度T2を用いて長手方向の予測プレス荷重P2を算出する。
また、圧下可否判定部8が、長手方向のスラブねじれ角φ及び幅プレス設備2の鉛直方向耐荷重Fcrを用いて前記式(2)で長手方向の推定上限プレス荷重Pmax2を算出し、長手方向の予測プレス荷重P2と比較し、P2又はPaがPmax2を超える場合スラブ搬送及び幅圧下を停止させる。
また、スラブねじれ角φは、スラブ長手方向の複数の箇所ごとに測定される。プレス進入温度T2もスラブ長手方向の複数位置ごとに測定される。前記トラッキング機能により、プレス進入温度T2(又はT1)の測定箇所のスラブ長手方向位置ごとに、その位置におけるスラブねじれ角φが特定できる。そこで、前記P2及びPmax2は、スラブ長手方向の同じ位置におけるプレス進入温度T2(又はT1)及びスラブねじれ角φを用いて算出し、両者を比較する。そして、P2がPmax2を超えるスラブ長手方向位置が金型10のプレス作業位置へ到着する前に、スラブ搬送を停止(搬送ローラー1の回転を停止)させ、幅圧下(金型10を緊急開放させ、幅圧下を中断)させるとよい。
これにより、P2がPmax2を超えるスラブの長手方向位置を実際に幅圧下する前にスラブ搬送及び幅圧下を停止できるので、幅プレス設備の鉛直方向の耐荷重を超えた過荷重の状態となることによる設備損傷を未然に防止することができる。
さらに、前記圧下可否判定部8が、ロードセルよりスラブの幅圧下中の長手方向の実測プレス荷重Paを取得し、前記長手方向の推定上限プレス荷重Pmax2と比較し、PaがPmax2を超える場合スラブ搬送及び幅圧下を停止させる。このとき、前記トラッキング機能により、スラブ長手方向の同じ位置における実測プレス荷重Paと推定上限プレス荷重Pmax2を比較する。
これにより、実測プレス荷重Paが推定上限プレス荷重Pmax2を超える場合、直ちにスラブ搬送及び幅圧下を停止できるので、スラブねじれに起因する鉛直方向のプレス荷重が幅プレス設備の鉛直方向の耐荷重を超えた過荷重の状態となることによる設備損傷を最小に抑えることができる。
[実施例1]
(幅プレス設備進入前の実施例)
被圧延材の出発素材としてスラブ厚263mm、スラブ幅1020mm、幅圧下量356mmのハイテン材のスラブを用いた。図9に示す位置に温度測定部5の測温手段として二波長放射温度計を設置して、温度測定部5において、加熱炉抽出後のスラブ表層のスケール層を高圧水デスケーリングにより除去してから20秒経過以降で前記プレス進入温度を測定したところ880℃であった。
予測プレス荷重の算出部6において、あらかじめ、スラブの幅圧下量、搬送量、スラブ厚さ及び鋼種により層別された区分における、用いたスラブの該当区分では、プレス荷重予測モデルとした式(7)の係数a,bはそれぞれ、a=-9.726[ton/℃]、b=11308[ton]であった。これより、予測プレス荷重Ppは、2750tonと算出された。
圧下可否判定部8において、幅プレス設備2の鉛直上方方向耐荷重Fcrは設備仕様より80tonであった。また、スラブを狭持した入側のピンチロール30又は出側のピンチロール32の傾斜角に基づき、あらかじめ取得した前記許容上限ねじれ角φmaxは1.7°(tanφmax=0.030)であり、式(1)より推定上限プレス荷重Pmax1は2700tonであった。よって、予測プレス荷重の算出部6において算出予測された予測プレス荷重Pp=2750tonは、推定上限プレス荷重Pmax1=2700tonを超えているので、幅プレス設備2内へのスラブ搬送を停止(進入禁止)とした。
[実施例2]
(幅プレス設備内で幅圧下進行中の実施例)
被圧延材の出発素材としてスラブ厚250mm、スラブ幅990mm、プレス幅圧下量246mmの高炭素鋼のスラブを用いた。実施例1と同様に二波長放射温度計を用い、加熱炉抽出後のスラブ表層のスケール層を高圧水デスケーリングにより除去してから20秒経過以降でプレス進入温度を測定したところ1020℃であった。
予測プレス荷重の算出部6において、あらかじめ、スラブの幅圧下量、搬送量、スラブ厚さ及び鋼種により層別された区分における、用いたスラブの該当区分では、実施例2のプレス荷重予測モデルとした式(7)の係数a,bはそれぞれ、a=-9.175[ton/℃]、b=10668[ton]であった。これより、予測プレス荷重Ppは、1310tonと算出された。このPp(=1310ton)は推定上限プレス荷重(実施例1の場合と同じである。)Pmax1(=2700ton)以下であるので、幅プレス設備2内へのスラブ搬送を停止せずに続行させた。
さらに、入側のピンチロール30でスラブSが挟持された後、引き続きスラブSの長手方向のプレス進入温度T2を、前記二波長放射温度計により継続して測定した。図10に、スラブSの長手方向のプレス進入温度T2の実測結果を示すとおり、最低温度は890℃であった。実施例2のプレス荷重予測モデルから、この最低温度890℃における予測プレス荷重P2は2502tonと算出された。
一方、幅プレス設備2内でスラブ搬送の続行中、スラブねじれ角取得部5において、プレス進入温度T2が最低温度890℃となっていたスラブ長手方向の位置が、入側のピンチロール30に到達した時の入側のピンチロール傾斜角より取得したスラブねじれ角φeは1.91℃(tanφe=0.033)であった。
圧下可否判定部8において、サイジングプレスの鉛直方向耐荷重Fcrは設備仕様より80tonであり、スラブねじれ角取得部5において取得した、プレス進入温度が最低温度890℃となっていた位置のスラブねじれ角φeは1.91℃(tanφ=0.033)であるので、式(2)より推定上限プレス荷重Pmax2は2400tonと算出された。よって、予測プレス荷重の算出部6において算出された予測プレス荷重P2=2502tonは、推定上限プレス荷重Pmax2=2400tonを超えているので、金型10により長手方向のプレス進入温度T2が最低温度890℃となる位置を幅圧下する前に金型10を緊急開放とさせプレス幅圧下を中断させた。
1 搬送ローラー
2 幅プレス設備
3 高圧水デスケーリング装置
4 データ部
5 温度測定部(例えば放射温度計)
6 予測プレス荷重の算出部
7 スラブねじれ取得部
8 圧下可否判定部
10 金型
15 座屈防止ロール
20 スラブの幅断面中心を通る水平方向線
22 スラブの幅断面中心を通る、ねじれを表す傾斜方向線
220 初期の傾斜方向線
221 幅圧下後の傾斜方向線
30 入側のピンチロール
32 出側のピンチロール
40 抑えシリンダー
F 浮き上がり力
Fcr 鉛直方向耐荷重
P プレス荷重
Pcr 水平方向耐荷重
Pmax 推定上限プレス荷重
Pp、P1、P2 予測プレス荷重
Pa 実測プレス荷重
S スラブ
Ts、T1、T2 プレス進入温度
φ スラブねじれ角
φ0 初期のスラブねじれ角
φ1 幅圧下後のスラブねじれ角
φmax 許容上限ねじれ角
φe 入側ピンチロール傾斜角から測定されたスラブねじれ角
φo 出側ピンチロール傾斜角から測定されたスラブねじれ角
δ ねじれ量
δ0 初期のねじれ量
δ1 幅圧下後のねじれ量

Claims (9)

  1. ピンチロール及びロードセルを備えた幅プレス設備の鉛直方向過荷重を防止する幅圧下制御装置であって、温度測定部と、予測プレス荷重の算出部と、スラブねじれ角取得部と、圧下可否判定部とを有してなり、
    前記温度測定部は、スラブの幅プレス設備への進入時の表面温度であるプレス進入温度を測定する手段を具備し、
    前記予測プレス荷重の算出部は、前記プレス進入温度を用いて前記スラブの幅圧下時の予測プレス荷重Ppを算出する手段を具備し、
    前記スラブねじれ角取得部は、前記幅プレス設備の入側及び/又は出側のピンチロールのピンチロール傾斜角からスラブねじれ角φを測定する手段を具備し、
    前記圧下可否判定部は、前記スラブねじれ角取得部で測定されたスラブねじれ角φ及び前記幅プレス設備の鉛直方向耐荷重Fcrに基づき推定上限プレス荷重Pmaxを導出し、前記予測プレス荷重Ppと比較し、PpがPmaxを超える場合スラブ搬送を停止させる手段を具備する、
    ことを特徴とする幅圧下制御装置。
  2. 前記圧下可否判定部は、前記ロードセルよりスラブの幅圧下中の実測プレス荷重Paを取得し、前記推定上限プレス荷重Pmaxと比較し、PaがPmaxを超える場合スラブ搬送及び幅圧下を停止させる手段を具備することを特徴とする請求項1に記載の幅圧下制御装置。
  3. 前記プレス進入温度が、加熱炉から抽出されたスラブの表面スケールを除去してから20秒を経過して以降の温度であることを特徴とする請求項1又は2に記載の幅圧下制御装置。
  4. 前記プレス進入温度を測定する手段が、放射温度計であることを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載の幅圧下制御装置。
  5. 前記予測プレス荷重を算出する手段が、前記プレス進入温度を説明変数として前記予測プレス荷重を目的変数とする一次式で構成されることを特徴とする請求項1~4のいずれか一項に記載の幅圧下制御装置。
  6. 前記圧下可否判定部が、前記スラブねじれ角φ及び前記鉛直方向耐荷Fcrに基づき推定上限プレス荷重Pmaxを下記式(1)及び式(2)によりそれぞれ演算する手段を具備することを特徴とする請求項1~5のいずれか一項に記載の幅圧下制御装置。
    Pmax1=Fcr/tanφmax ‥‥(1)
    Pmax2=Fcr/tanφ ‥‥(2)
    ここで、Pmax1は式(1)による推定上限プレス荷重、Pmax2は式(2)による推定上限プレス荷重、Fcrは幅プレス設備の鉛直方向耐荷重、φはスラブねじれ角、φmaxは許容上限ねじれ角である。
  7. 請求項1~6のいずれか一項に記載の幅圧下制御装置を用いて幅プレス設備の鉛直方向過荷重を防止する幅圧下制御方法であって、
    前記スラブねじれ角取得部で過去に測定された、幅プレス設備が損傷に至らなかった場合の、スラブねじれ角φの測定データの最大値を、許容上限ねじれ角φmaxとして予め求めておき、
    前記スラブが前記幅プレス設備の入側のピンチロールで挟持される前に、
    前記温度測定部がプレス進入温度を測定し、
    前記予測プレス荷重の算出部が、前記温度測定部で測定されたプレス進入温度を用いて前記スラブの幅圧下時の予測プレス荷重P1を算出し、
    前記圧下可否判定部が、前記許容上限ねじれ角φmax及び前記幅プレス設備の鉛直方向耐荷重Fcrを用いて下記式(1)で推定上限プレス荷重Pmax1を算出し、前記予測プレス荷重P1と比較し、P1がPmax1を超える場合スラブ搬送を停止させる
    ことを特徴とする幅圧下制御方法。
    Pmax1=Fcr/tanφmax ‥‥(1)
    ここで、Pmax1は式(1)による推定上限プレス荷重、Fcrは幅プレス設備の鉛直方向耐荷重、φmaxは許容上限ねじれ角である。
  8. 前記P1がPmax1以下の場合、
    さらに、前記スラブの搬送中に、前記温度測定部が前記スラブの長手方向のプレス進入温度T2を測定し、
    前記スラブが前記幅プレス設備の入側及び/又は出側のピンチロールで挟持されている間で、
    前記スラブねじれ角取得部が、前記入側及び/又は出側のピンチロール傾斜角から前記スラブの長手方向のスラブねじれ角φを測定し、
    前記予測プレス荷重の算出部が、前記長手方向のプレス進入温度T2を用いて長手方向の予測プレス荷重P2を算出し、
    前記圧下可否判定部が、前記長手方向のスラブねじれ角φ及び前記幅プレス設備の鉛直方向耐荷重Fcrを用いて下記式(2)で長手方向の推定上限プレス荷重Pmax2を算出し、前記長手方向の予測プレス荷重P2と比較し、P2がPmax2を超える場合スラブ搬送及び幅圧下を停止させる
    ことを特徴とする請求項7に記載の幅圧下制御方法。
    Pmax2=Fcr/tanφ ‥‥(2)
    ここで、Pmax2は式(2)による推定上限プレス荷重、Fcrは幅プレス設備の鉛直方向耐荷重、φは入側及び/又は出側のピンチロール傾斜角からのスラブねじれ角である。
  9. 前記圧下可否判定部が、前記ロードセルより前記スラブの幅圧下中の長手方向の実測プレス荷重Paを取得し、前記長手方向の推定上限プレス荷重Pmax2と比較し、PaがPmax2を超える場合スラブ搬送及び幅圧下を停止させることを特徴とする請求項8に記載の幅圧下制御方法。
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