JP2023044910A - ウレタン樹脂組成物、及び、多孔体の製造方法 - Google Patents

ウレタン樹脂組成物、及び、多孔体の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明が解決しようとする課題は、優れた湿式成膜性、及び、加工後の成膜助剤の非残留性を有するウレタン樹脂組成物を提供することにある。【解決手段】本発明は、ウレタン樹脂(A)、少なくとも1種以上の有機溶剤を含有する溶剤(B)、及び、成膜助剤(C)を含有するウレタン樹脂組成物であって、前記成膜助剤(C)が、2~4個のアルコール性水酸基を有する、分子量が300以下の化合物(c1)を含有することを特徴とするウレタン樹脂組成物を提供するものである。また本発明は、前記ウレタン樹脂組成物を湿式成膜することを特徴とする多孔体の製造方法を提供するものである。前記化合物(c1)は、グリコール化合物であることが好ましい。前記グリコール化合物が、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、及び、1,3-ブタンジオールからなる群より選ばれる1種以上であることが好ましい。【選択図】なし

Description

本発明は、ウレタン樹脂組成物、及び、湿式製膜法による多孔体の製造方法に関する。
液晶ガラス、ハードディスクガラス、シリコンウエハ、半導体などの高度な表面平坦性が要求される分野においては、ウレタン樹脂組成物を使用した研磨パッドが広く利用されている。中でも、最終の仕上げ研磨においては、DMF(ジメチルホルムアミド)等の溶剤で希釈したウレタン樹脂を水中で凝固させる湿式成膜法によって加工された軟質な多孔フィルムが使用されている(例えば、特許文献1を参照。)。
多孔形状の制御には界面活性成分を成膜助剤としてウレタン樹脂に共存させるのが一般的であるが、多くの場合、加工後の多孔体、ひいては研磨パッドへの成膜助剤の残留は避けられない。研磨パッドは研磨スラリーと呼ばれる分散液と共に研磨に供されるが、残留した成膜助剤がスラリーの安定性を低下させ凝集物を発生させる場合がある。この凝集物は研磨対象物に微細な傷(スクラッチ)を発生させる一因であるため、その低減は品質、歩留まりを向上させる観点から重要である。
特開2004-256738号公報
本発明が解決しようとする課題は、優れた湿式成膜性、及び、加工後の成膜助剤の非残留性を有するウレタン樹脂組成物を提供することにある。
本発明は、ウレタン樹脂(A)、少なくとも1種以上の有機溶剤を含有する溶剤(B)、及び、成膜助剤(C)を含有するウレタン樹脂組成物であって、前記成膜助剤(C)が、2~4個のアルコール性水酸基を有する、分子量が300以下の化合物(c1)を含有することを特徴とするウレタン樹脂組成物を提供するものである。
また本発明は、前記ウレタン樹脂組成物を湿式成膜することを特徴とする多孔体の製造方法を提供するものである。
本発明によれば、特定の成膜助剤を用いることで、優れた湿式成膜が可能で、成膜助剤の非残留性、かつ細かく均一な多孔体を製造することができる。よって、本発明は、研磨パッド、人工皮革・合成皮革の製造に特に好適に使用することができる。
なお、本発明において前記「多孔体」とは、ウレタン樹脂組成物を湿式成膜法により凝固させれば自ずと得られる程度の多数の孔を有するものであり、例えば、面の厚さ方向に長い紡錘形または涙滴形の多孔構造を形成しているものをいう。
本発明は、ウレタン樹脂(A)、少なくとも1種以上の有機溶剤を含有する溶剤(B)、及び、特定の成膜助剤(C)を含有するウレタン樹脂組成物を湿式成膜して多孔体を製造する方法である。
本発明においては、成膜助剤(C)として、2~4個のアルコール性水酸基を有する、分子量が300以下の化合物(c1)を含有することが必須である。前記特定化合物(c1)は、小さい分子に複数の水酸基を有していることで、親水性が高く、N,N-ジメチルホルムアミド等の有機溶剤と水との置換を促進し、かつ、N,N-ジメチルホルムアミドや水に比べて粘度が高いため、N,N-ジメチルホルムアミドに比べると温和に水相に抽出される。また、ウレタン樹脂に対する親和性が水に比べて高いため、凝固が温和に進行し、結果として多孔形状の微細化が可能となる。更に、前記特定化合物(c1)は、凝固、温水洗浄後のウレタン皮膜にはほぼ残留しない。なお、前記化合物(c1)の分子量は、60~300が好ましく、60~180がより好ましい。なお、前記化合物(c1)の分子量は、化学構造式から算出される値を示す。
前記化合物(c1)としては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、1,3-プロパンジオール、1,2-ブタンジオール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,7-ヘプタンジオール、1,8-オクタンジオール、1,9-ノナンジオール、1,10-デカンジオール、1,12-ドデカンジオール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、2,2-ジエチル-1,3-プロパンジオール、2,2-ジメチル-1,3-プロパンジオール、2,2-ジエチルプロパンジオール、3-メチル-1,5-ペンタンジオール、2-エチル-2-ブチル-1,3-プロパンジオール、2-メチル-1,8-オクタンジオール、2,4-ジエチル-1,5-ペンタンジオール等のグリコール化合物;トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、グリセリン等の3個のアルコール性水酸基を有する化合物;ペンタエリスリトール等の4個のアルコール性水酸基を有する化合物などを用いることができる。これらの化合物は単独で用いても2種以上を併用してもよい。これらの中でも、より一層優れた湿式成膜性、多孔形状の微細性、及び、加工後の成膜助剤の非残留性が得られる点から、グリコール化合物が好ましく、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、及び、1,3-ブタンジオールからなる群より選ばれる1種以上の化合物がより好ましい。
また、前記化合物(c1)の含有量としては、前記ウレタン樹脂(A)100質量部に対して、1~50質量部が好ましく、8~40質量部がより好ましい。
本発明で用いるウレタン樹脂(A)としては、例えば、ポリオール(a1)とポリイソシアネート(a2)との反応物を用いることができる。
前記ポリオール(a1)としては、例えば、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリカーボネートポリオール等を用いることができる。これらのポリオールは単独で用いても2種以上を併用してもよい。
前記ポリオール(a1)の数平均分子量としては、多孔体の機械的特性、及び、柔軟性の点から、500~10,000であることが好ましく、700~8,000がより好ましい。なお、前記ポリオール(a1)の数平均分子量は、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)法により測定した値を示す。
前記ポリオール(a1)には、必要に応じて、分子量が500未満の鎖伸長剤(a1-1)を併用してもよい。前記鎖伸長剤(a1-1)としては、例えば、水酸基を有する鎖伸長剤、アミノ基を有する鎖伸長剤等を用いることができる。これらの鎖伸長剤(a1-1)は単独で用いても2種以上を併用してもよい。なお、前記鎖伸長剤(a1-1)の分子量は化学構造式から算出された値を示す。
前記水酸基を有する鎖伸長剤としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレンリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3-プロパンジオール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、ヘキサメチレングリコール、サッカロース、メチレングリコール、グリセリン、ソルビトール等の脂肪族ポリオール化合物;ビスフェノールA、4,4’-ジヒドロキシジフェニル、4,4’-ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4’-ジヒドロキシジフェニルスルホン、水素添加ビスフェノールA、ハイドロキノン等の芳香族ポリオール化合物;水などを用いることができる。これらの鎖伸長剤は単独で用いても2種以上を併用してもよい。
前記アミノ基を有する鎖伸長剤としては、例えば、エチレンジアミン、1,2-プロパンジアミン、1,6-ヘキサメチレンジアミン、ピペラジン、2-メチルピペラジン、2,5-ジメチルピペラジン、イソホロンジアミン、4,4’-ジシクロヘキシルメタンジアミン、3,3’-ジメチル-4,4’-ジシクロヘキシルメタンジアミン、4,4’-ジフェニルメタンジアミン、3,3’-ジクロロ-4,4’-ジフェニルメタンジアミン、1,2-シクロヘキサンジアミン、1,4-シクロヘキサンジアミン、アミノエチルエタノールアミン、ヒドラジン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン等を用いることができる。これらの鎖伸長剤は単独で用いても2種以上を併用してもよい。
前記ポリイソシアネート(a2)としては、例えば、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート、カルボジイミド変性ジフェニルメタンジイソシアネート、クルードジフェニルメタンジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート、トルエンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート等の芳香族ポリイソシアネート;ヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート等の脂肪族ポリイソシアネート;シクロヘキサンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート等の脂環式ポリイソシアネートなどを用いることができる。これらのポリイソシアネートは単独で用いても2種以上を併用してもよい。
前記ウレタン樹脂(A)の製造方法としては、例えば、前記ポリオール(a1)と前記ポリイソシアネート(a2)と必要に応じて前記鎖伸長剤(a1-1)とを仕込み、反応させることによって製造する方法が挙げられる。これらの反応は、50~100℃の温度で概ね3~10時間行うことが好ましい。また、前記反応は、後述する溶剤(B)中で行ってもよい。
前記ポリオール(a1)が有する水酸基並びに前記鎖伸長剤(a1-1)が有する水酸基及びアミノ基の合計と、前記ポリイソシアネート(a2)が有するイソシアネート基とのモル比[(イソシアネート基)/(水酸基及びアミノ基)]としては、0.8~1.2であることが好ましく、0.9~1.1であることがより好ましい。
以上の方法により得られるウレタン樹脂(A)の重量平均分子量としては、多孔体の機械的強度及び柔軟性の点から、5,000~1,000,000であることが好ましく、10,000~500,000の範囲がより好ましい。なお、前記ウレタン樹脂(A)の重量平均分子量は、前記ポリオール(a1)の数平均分子量と同様に測定して得られた値を示す。
前記ウレタン樹脂(A)の含有量としては、例えば、ウレタン樹脂組成物中5~50質量%の範囲が挙げられる。
前記溶剤(B)は、少なくとも1種以上の有機溶剤を含有するものであり、前記有機溶剤としては、例えば、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、N-メチルピロリドン、N,N,2-トリメチルプロピオンアミド、N,N-ジメチルアクリルアミド、N,N-ジメチルプロピオンアミド、N,N-ジエチルアセトアミド、N,N-ジエチルアクリルアミド、N-エチルピロリドン、2-ピロリドン、1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン、ジメチルスルホキシド等を用いることができる。これらの有機溶媒は単独で用いても2種以上を併用してもよい。また、必要に応じて、酢酸エチル、酢酸メチル、酢酸ブチル、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、イソブタノール、sec-ブタノール、ターシャリーブタノール等を用いることができる。前記溶剤(B)には、必要に応じて水を併用してもよい。前記溶剤(B)中における前記有機溶剤の含有量としては、85質量%以上が好ましく、95質量%以上がより好ましい。
前記溶剤(B)の含有量としては、例えば、ウレタン樹脂組成物中50~95質量%の範囲が挙げられる。
前記ウレタン樹脂組成物は、前記ウレタン樹脂(A)、前記溶剤(B)、及び、前記成膜助剤(C)を必須成分として含有するが、必要に応じて、その他の添加剤を含有してもよい。
前記その他の添加剤としては、例えば、顔料、難燃剤、可塑剤、軟化剤、安定剤、ワックス、消泡剤、分散剤、浸透剤、界面活性剤、フィラー、防黴剤、抗菌剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、耐候安定剤、蛍光増白剤、老化防止剤、増粘剤等を用いることができる。これらの添加剤は単独で用いても2種以上を併用してもよい。
次に、前記ウレタン樹脂組成物を湿式成膜法により多孔体を製造する方法について説明する。
前記湿式成膜法とは、前記ウレタン樹脂組成物を、基材表面に塗布または含浸し、次いで、該塗布面または含浸面に水や水蒸気等を接触させることによって前記ウレタン樹脂(A)を凝固させ多孔体を製造する方法である。
前記ウレタン樹脂組成物を塗布する基材としては、例えば、不織布、織布、編み物からなる基材;樹脂フィルム等を用いることができる。前記基材を構成するものとしては、例えば、ポリエステル繊維、ナイロン繊維、アクリル繊維、ポリウレタン繊維、アセテート繊維、レーヨン繊維、ポリ乳酸繊維等の化学繊維;綿、麻、絹、羊毛、これらの混紡繊維などを用いることができる。
前記基材の表面には、必要に応じて制電加工、離型処理加工、撥水加工、吸水加工、抗菌防臭加工、制菌加工、紫外線遮断加工等の処理が施されていてもよい。
前記基材表面に前記ウレタン樹脂組成物を塗布または含浸する方法としては、例えば、グラビアコーター法、ナイフコーター法、パイプコーター法、コンマコーター法が挙げられる。その際、ウレタン樹脂組成物の粘度を調整し塗工作業性を向上するため、必要に応じて、溶剤(B)の使用量を調節して良い。
前記方法により塗布または含浸された前記ウレタン樹脂組成物からなる塗膜の膜厚としては、0.5~5mmの範囲であることが好ましく、0.5~3mmの範囲がより好ましい。
前記ウレタン樹脂組成物が塗布または含浸され形成した塗布面に水または水蒸気を接触させる方法としては、例えば、前記ウレタン樹脂組成物からなる塗布層や含浸層の設けられた基材を水浴中に浸漬する方法;前記塗布面上にスプレー等を用いて水を噴霧する方法などが挙げられる。前記浸漬は、例えば、5~60℃の水浴中に、2~20分間行うことが挙げられる。
前記方法によって得られた多孔体は、常温の水や温水を用いてその表面を洗浄して溶剤(B)を抽出除去し、次いで乾燥することが好ましい。前記洗浄は、例えば、5~60℃の水で20~120分間行うことが挙げられ、洗浄に用いる水は1回以上入れ替えるか、あるいは、流水で連続して入れ替えるのが好ましい。前記乾燥は、例えば、80~120℃に調整した乾燥機等を使用して、10~60分間行うことが好ましい。
以上、本発明によれば、特定の成膜助剤を用いることで、湿式成膜法により、加工後の成膜助剤の非残留性を有し、かつ細かく均一な多孔体を製造することができる。よって、本発明は、研磨パッド、人工皮革・合成皮革の製造に特に好適に使用することができる。
以下、実施例を用いて、本発明をより詳細に説明する。
[合成例1]ウレタン樹脂(A-1)の合成
攪拌機、還流器、温度計を有する反応装置に、ポリエステルポリオール(エチレングリコール、1,4-ブタンジオール及びアジピン酸の反応物、数平均分子量;2,000)を100質量部、1,4-ブタンジオールを9質量部、N,N-ジメチルホルムアミド(以下、「DMF」と略記する。)を440質量部、及び、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネートを38質量部投入し、撹拌下60℃で6時間反応させ、引き続き、イソプロピルアルコールを1質量部投入して、更に60℃で1時間撹拌することによって、ウレタン樹脂(A-1)組成物を得た。
得られたウレタン樹脂(A-1)組成物は、固形分;25質量%、粘度;630dPa・s、ウレタン樹脂(A-1)の重量平均分子量は222,100であった。
[合成例2]ウレタン樹脂(A-2)の合成
攪拌機、還流器、温度計を有する反応装置に、ポリエステルポリオール(エチレングリコール及びアジピン酸の反応物、数平均分子量;2,000)を10質量部、ポリテトラメチレングリコール(数平均分子量;2,000)を10質量部、ポリカーボネートジオール(旭化成株式会社製デュラノールT4692、数平均分子量;2,000)を80質量部、エチレングリコールを16質量部、N,N-ジメチルホルムアミド(以下、「DMF」と略記する。)を545質量部、及び、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネートを66質量部投入し、撹拌下60℃で6時間反応させ、引き続き、イソプロピルアルコールを1質量部投入して、更に60℃で1時間撹拌することによって、ウレタン樹脂(A-2)組成物を得た。
得られたウレタン樹脂(A-2)組成物は、固形分;25質量%、粘度;950dPa・s、ウレタン樹脂(A-2)の重量平均分子量は262,700であった。
[数平均分子量・重量平均分子量の測定方法]
合成例で用いた原料ポリオールの数平均分子量、及び、ウレタン樹脂(A)の重量平均分子量 は、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)法により、下記の条件で測定した値を示す。
測定装置:高速GPC装置(東ソー株式会社製「HLC-8220GPC」)
カラム:東ソー株式会社製の下記のカラムを直列に接続して使用した。
「TSKgel G5000」(7.8mmI.D.×30cm)×1本
「TSKgel G4000」(7.8mmI.D.×30cm)×1本
「TSKgel G3000」(7.8mmI.D.×30cm)×1本
「TSKgel G2000」(7.8mmI.D.×30cm)×1本
検出器:RI(示差屈折計)
カラム温度:40℃
溶離液:テトラヒドロフラン(THF)
流速:1.0mL/分
注入量:100μL(試料濃度0.4質量%のテトラヒドロフラン溶液)
標準試料:下記の標準ポリスチレンを用いて検量線を作成した。
(標準ポリスチレン)
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン A-500」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン A-1000」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン A-2500」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン A-5000」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F-1」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F-2」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F-4」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F-10」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F-20」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F-40」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F-80」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F-128」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F-288」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F-550」
[実施例1]
合成例1で得られたウレタン樹脂(A-1)組成物100質量部に対し、DMFを40質量部、成膜助剤として、エチレングリコールを5質量部加えて配合液を作成し、厚さ1mmとなるようにポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムに塗布した。次いで、凝固浴(25℃の水)へ塗布基材を10分間浸漬させ、ウレタン樹脂を凝固させた。その後、この基材を50℃の温水で60分間洗浄した。洗浄後、基材を100℃で30分間熱風乾燥させ、多孔体を得た。
[実施例2]
実施例1において、成膜助剤の種類を、エチレングリコールに代えて、プロピレングリコールを用いた以外は、実施例1と同様にして多孔体を得た。
[実施例3]
実施例1において、成膜助剤の種類を、エチレングリコールに代えて、ジエチレングリコールを用いた以外は、実施例1と同様にして多孔体を得た。
[実施例4]
実施例1において、成膜助剤の種類を、エチレングリコールに代えて、1,3-ブタンジオールを用いた以外は、実施例1と同様にして多孔体を得た。
[実施例5]
実施例1において、合成例1で得られたウレタン樹脂(A-1)に代えて、合成例2で得られたウレタン樹脂(A-2)を用いた以外は、実施例1と同様にして多孔体を得た。
[比較例1]
実施例1において、成膜助剤の種類を、エチレングリコールに代えて、シリコーン化合物(DIC株式会社製「クリスボンアシスターSD-7」)を用いた以外は、実施例1と同様にして多孔体を得た。
[比較例2]
実施例1において、成膜助剤の種類を、エチレングリコールに代えて、メタノールを用いた以外は、実施例1と同様にして多孔体を得た。
[湿式成膜性の評価方法]
実施例及び比較例で得られた多孔体の断面状態を、日本電子株式会社製走査型電子顕微鏡「JSM-IT500」(倍率:100倍)で観察し、セル形状(細さ、均一性)を確認し、最大横幅が70μm以下のセルが全体の60%を占めていれば「○」、それ以外は「×」と評価した。
[成膜助剤の残留性の評価方法]
実施例及び比較例で得られた多孔体をアセトンに24時間浸漬し、抽出液をGC-MS(日本電子株式会社製「JMS-Q1050GC」)にて定量分析した。多孔体の重量に対する成膜助剤の重量比率が100ppm以下であれば「○」、それ以外は「×」と評価した。
Figure 2023044910000001

本発明のウレタン樹脂組成物は、湿式成膜性及び成膜助剤の非残留性に優れることが分かった。
一方、比較例1は成膜助剤として、シリコーン化合物を用いた態様であるが、成膜助剤が多く残留していた。
比較例2は成膜助剤として、水酸基が1つであるメタノールを用いた態様であるが、湿式成膜性が不良であった。

Claims (5)

  1. ウレタン樹脂(A)、少なくとも1種以上の有機溶剤を含有する溶剤(B)、及び、成膜助剤(C)を含有するウレタン樹脂組成物であって、
    前記成膜助剤(C)が、2~4個のアルコール性水酸基を有する、分子量が300以下の化合物(c1)を含有することを特徴とするウレタン樹脂組成物。
  2. 前記化合物(c1)の含有量が、前記ウレタン樹脂(A)100質量部に対して、1~50質量部である請求項1又は2記載のウレタン樹脂組成物。
  3. 前記化合物(c1)が、グリコール化合物である請求項1又は2記載のウレタン樹脂組成物。
  4. 前記グリコール化合物が、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、及び、1,3-ブタンジオールからなる群より選ばれる1種以上である請求項3記載のウレタン樹脂組成物。
  5. 請求項1~4のいずれか1項記載のウレタン樹脂組成物を湿式成膜することを特徴とする多孔体の製造方法。
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