JP2019099670A - 皮膜の製造方法 - Google Patents

皮膜の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2019099670A
JP2019099670A JP2017231693A JP2017231693A JP2019099670A JP 2019099670 A JP2019099670 A JP 2019099670A JP 2017231693 A JP2017231693 A JP 2017231693A JP 2017231693 A JP2017231693 A JP 2017231693A JP 2019099670 A JP2019099670 A JP 2019099670A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
urethane resin
solvent
hansen solubility
solubility parameter
range
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2017231693A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6946985B2 (ja
Inventor
宏之 千々和
Hiroyuki CHIJIWA
宏之 千々和
邦彦 小松崎
Kunihiko Komatsuzaki
邦彦 小松崎
雅怡 曾
Yayi Tseng
雅怡 曾
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
DIC Corp
Original Assignee
DIC Corp
Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Family has litigation
First worldwide family litigation filed litigation Critical https://patents.darts-ip.com/?family=66976086&utm_source=google_patent&utm_medium=platform_link&utm_campaign=public_patent_search&patent=JP2019099670(A) "Global patent litigation dataset” by Darts-ip is licensed under a Creative Commons Attribution 4.0 International License.
Application filed by DIC Corp, Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd filed Critical DIC Corp
Priority to JP2017231693A priority Critical patent/JP6946985B2/ja
Publication of JP2019099670A publication Critical patent/JP2019099670A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6946985B2 publication Critical patent/JP6946985B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Synthetic Leather, Interior Materials Or Flexible Sheet Materials (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

【課題】本発明が解決しようとする課題は、溶剤として高懸念物質を用いることなくウレタン樹脂との相溶性、及び乾燥性に優れ、機械的強度に優れる乾燥皮膜を製造する方法を提供することにある。【解決手段】本発明は、ウレタン樹脂(A)及び溶剤(B)を含有するウレタン樹脂組成物を乾燥させる皮膜の製造方法であって、前記溶剤(B)が、N,N−ジメチルホルムアミド以外の、沸点が230℃未満のものであり、かつ、ウレタン樹脂(A)のハンセン溶解度パラメーター(A−HSP)と溶剤(B)のハンセン溶解度パラメーター(B−HSP)との差が3〜8(J/cm3)1/2の範囲であることを特徴とする皮膜の製造方法を提供するものである。前記溶剤(B)は、N,N,2−トリメチルプロピオンアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、及び、3−メトキシ−N,N−ジメチルプロパンアミドからなる群より選ばれる1種以上であることが好ましい。【選択図】 なし

Description

本発明は、溶剤を含有するウレタン樹脂組成物の乾燥皮膜の製造方法に関する。
ウレタン樹脂は、柔軟かつ強靭との特性を有し、優れた風合いを兼ね備えることから、合成皮革、成型品、接着剤、コーティング剤等の製造に広く利用されている。前記ウレタン樹脂としては、ウレタン樹脂への溶解性に優れるN,N−ジメチルホルムアミド(以下、「DMF」と略記する。)による樹脂溶液の形態をとるのが一般的であり、このウレタン樹脂溶液を、基材に塗布し、乾燥させることでウレタン樹脂皮膜を形成することがこれまでの主流であった(例えば、特許文献1を参照。)。
しかしながら、DMFは、アレルギー反応や皮膚炎を引き起こす懸念があり、欧州では高懸念物質(Substance of Very High Concern、以下「SVHC」と略記する。)として取り上げられ、今後の使用規制が現実化している。しかしながら、これまでウレタン樹脂との相溶性に優れるDMFが必須溶媒として利用され続けてきたため、その代替は産業界が望むほど進んでいないのが実情である。
特開2017−75328号公報
本発明が解決しようとする課題は、溶剤として高懸念物質を用いることなくウレタン樹脂との相溶性、及び乾燥性に優れ、機械的強度に優れる乾燥皮膜を製造する方法を提供することにある。
本発明は、ウレタン樹脂(A)及び溶剤(B)を含有するウレタン樹脂組成物を乾燥させる皮膜の製造方法であって、前記溶剤(B)が、N,N−ジメチルホルムアミド以外の、沸点が230℃未満のものであり、かつ、ウレタン樹脂(A)のハンセン溶解度パラメーター(A−HSP)と溶剤(B)のハンセン溶解度パラメーター(B−HSP)との差が3〜8(J/cm1/2の範囲であることを特徴とする皮膜の製造方法を提供するものである。
本発明によれば溶剤として高懸念物質を用いることなくウレタン樹脂との相溶性、及び乾燥性に優れ、得られる乾燥皮膜は機械的強度に優れるものである。よって、本発明は、DMFの使用規制が今後厳しくなる人工皮革・合成皮革の製造に特に好適に使用することができる。
本発明は、ウレタン樹脂(A)及び溶剤(B)を含有するウレタン樹脂組成物を乾燥させることで皮膜の製造する方法であって、前記溶剤(B)が、特定のものであることが必須の要件である。
本発明においては、前記溶剤(B)が、SVHCであるN,N−ジメチルホルムアミド以外の、沸点が230℃未満のものであり、かつ、ウレタン樹脂(A)のハンセン溶解度パラメーター(A−HSP)と溶剤(B)のハンセン溶解度パラメーター(B−HSP)との差が3〜8(J/cm1/2の範囲であることが必須である。この特定の溶剤を用いることにより、ウレタン樹脂(A)との相溶性、及び乾燥性に優れるウレタン樹脂組成物が得られ、その乾燥皮膜には溶剤が残留しないため、機械的強度に優れる皮膜を得ることができる。
前記溶剤(B)の沸点としては、ウレタン樹脂(A)との相溶性、及び乾燥性をより一層向上できる点から、50〜225℃の範囲であることが好ましく、70〜220℃の範囲がより好ましい。
前記ハンセン溶解度パラメーターとは、分子間の相互作用が似ている2つの物質は、互いに溶解しやすいとの考えに基づいたものであり、具体的には、ヒルデブランド(Hildebrand)によって導入された溶解度パラメーターを、分散項(δD)、分極項(δP)、水素結合項(δH)の3成分に分割し、3次元空間に表したものである。分散項(δD)は分散力による効果、分極項(δP)は双極子間力による効果、水素結合項(δH)は水素結合力による効果を示す。
なお、ハンセン溶解度パラメーターの定義と計算は、Charles M.Hansen著「Hansen Solubility Parameters;A Users Handbook(CRC Press,2007)」に記載されている。また、コンピュータソフトウェア「Hansen Solubility Parameters in Practice(HSPiP)」を用いることにより、文献にパラメーター値の記載がない溶剤に関しても、その化学構造からハンセン溶解度パラメーターを推算することができる。本発明では、文献にパラメーター値の記載がある溶剤については、その値を用い、文献にパラメーター値の記載がない溶剤に関しては、HSPiPバージョン4.1.06を用いて推算したパラメーター値を用いる。なお、ウレタン樹脂(A)のハンセン溶解度パラメーター(A−HSP)は、ウレタン樹脂(A)を構成する原料から推算した値を示す。ウレタン樹脂(A)のハンセン溶解度パラメーター(A−HSP)と溶剤(B)のハンセン溶解度パラメーター(B−HSP)との差もこれらに従って計算した。
前記溶剤(B)は、1種の溶剤を用いることもでき、また2種以上の溶剤を併用して用いることもできる。2種以上併用する場合は、それぞれの溶剤のハンセン溶解度パラメーターの3つのパラメーターを加重平均した値が、上記の範囲内となる組み合わせで用いることができる。
前記溶剤(B)としては、より一層優れたウレタン樹脂との相溶性、乾燥性、および乾燥皮膜の機械的強度が得られる点から、前記ハンセン溶解度パラメーターにおける前記分散項(δD)が、15.5〜21MPa0.5の範囲であることが好ましく、16〜20MPa0.5の範囲がより好ましい。また、前記分散項(δP)としては、同様の理由により、7〜14.5MPa0.5の範囲であることが好ましく、8〜13.5J1/2MPa0.5の範囲がより好ましい。更に、前記分散項(δH)としては、同様の理由により、4.5〜11MPa0.5の範囲であることが好ましく、5〜10MPa0.5の範囲がより好ましい。
前記溶剤(B)としての具体例としては、N,N,2−トリメチルプロピオンアミド(ハンセン溶解度パラメーター:20.14、分散項(δD):16.7、分極項(δP):9.2、水素結合項(δH):6.5、沸点:175℃)、N,N−ジメチルアクリルアミド(ハンセン溶解度パラメーター:21.81、分散項(δD):17.3、分極項(δP):10.6、水素結合項(δH):8.0、沸点:80℃)、N,N−ジメチルプロピオンアミド(ハンセン溶解度パラメーター:21.28、分散項(δD):16.4、分極項(δP):11.3、水素結合項(δH):7.5、沸点:176℃)、N,N−ジエチルアセトアミド(ハンセン溶解度パラメーター:22.42、分散項(δD):16.8、分極項(δP):11.5、水素結合項(δH):9.4、沸点:165℃)、N,N−ジエチルアクリルアミド(ハンセン溶解度パラメーター:19.65、分散項(δD):16.9、分極項(δP):9.2、水素結合項(δH):4.0、沸点:94℃)、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン(ハンセン溶解度パラメーター:22.29、分散項(δD):18.2、分極項(δP):10.0、水素結合項(δH):8.1、沸点:108℃)、N−エチルピロリドン(ハンセン溶解度パラメーター:22.74、分散項(δD):18.0、分極項(δP):12.0、水素結合項(δH):7.0、沸点:218℃)、3−メトキシ−N,N−ジメチルプロパンアミド(ハンセン溶解度パラメーター:22.52、分散項(δD):17.2、分極項(δP):11.0、水素結合項(δH):9.5、沸点:215℃)等が挙げられる。
前記溶剤(B)としては、ウレタン樹脂(A)の種類によらず、機械的強度により一層優れる乾燥皮膜を得ることができる点から、N,N,2−トリメチルプロピオンアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、及び、3−メトキシ−N,N−ジメチルプロパンアミドからなる群より選ばれる1種以上を用いることが好ましい。
前記溶剤(B)の含有量としては、より一層優れたウレタン樹脂との相溶性、及び乾燥性に優れ、得られる乾燥皮膜は機械的強度が得られる点から、ウレタン樹脂組成物中10〜90質量%の範囲であることが好ましく、20〜80質量%の範囲がより好ましい。
本発明で用いるウレタン樹脂(A)としては、ポリオール(a1)とポリイソシアネート(a2)との反応物を用いることができる。なお、前記ウレタン樹脂(A)としては、(メタ)アクリロイル基等のラジカル重合性基を有しないことが好ましい。その理由としては、例えば、ラジカル重合性基を有する溶剤を選択した場合には、紫外線等の照射により架橋して、風合いを損ねることが挙げられる。
前記ポリオール(a1)としては、例えば、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリカーボネートポリオール等を用いることができる。これらのポリオールは単独で用いても2種以上を併用してもよい。
前記ポリオール(a1)の数平均分子量としては、皮膜の機械的特性、及び柔軟性の点から、500〜100,000の範囲であることが好ましく、700〜10,000の範囲がより好ましい。なお、前記ポリオール(a1)の数平均分子量は、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)法により測定した値を示す。
前記ポリオール(a1)には、必要に応じて、数平均分子量が500未満の鎖伸長剤(ac)を併用することができる。前記鎖伸長剤(ac)としては、例えば、水酸基を有する鎖伸長剤、アミノ基を有する鎖伸長剤等を用いることができる。これらの鎖伸長剤(ac)は単独で用いても2種以上を併用してもよい。
前記水酸基を有する鎖伸長剤としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレンリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ヘキサメチレングリコール、サッカロース、メチレングリコール、グリセリン、ソルビトール等の脂肪族ポリオール化合物;ビスフェノールA、4,4’−ジヒドロキシジフェニル、4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、水素添加ビスフェノールA、ハイドロキノン等の芳香族ポリオール化合物;水などを用いることができる。これらの鎖伸長剤は単独で用いても2種以上を併用してもよい。
前記アミノ基を有する鎖伸長剤としては、例えば、エチレンジアミン、1,2−プロパンジアミン、1,6−ヘキサメチレンジアミン、ピペラジン、2−メチルピペラジン、2,5−ジメチルピペラジン、イソホロンジアミン、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジアミン、3,3’−ジメチル−4,4’−ジシクロヘキシルメタンジアミン、1,2−シクロヘキサンジアミン、1,4−シクロヘキサンジアミン、アミノエチルエタノールアミン、ヒドラジン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン等を用いることができる。これらの鎖伸長剤は単独で用いても2種以上を併用してもよい。
前記ポリイソシアネート(a2)としては、例えば、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、カルボジイミド変性ジフェニルメタンジイソシアネート、クルードジフェニルメタンジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート、トリエンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート等の芳香族ポリイソシアネート;ヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート等の脂肪族ポリイソシアネート;シクロヘキサンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート等の脂環式ポリイソシアネートなどを用いることができる。これらのポリイソシアネートは単独で用いても2種以上を併用してもよい。
前記ウレタン樹脂(A)の製造方法としては、例えば、前記ポリオール(a1)と前記ポリイソシアネート(a2)と必要に応じて前記鎖伸長剤(ac)とを仕込み、反応させることによって製造する方法が挙げられる。これらの反応は、50〜100℃の温度で概ね3〜10時間行うことが好ましい。また、前記反応は、後述する溶剤(B)中で行ってもよい。
前記ポリオール(a1)が有する水酸基並びに前記鎖伸長剤(ac)が有する水酸基及びアミノ基の合計と、前記ポリイソシアネート(a2)が有するイソシアネート基とのモル比[(イソシアネート基)/(水酸基及びアミノ基)]としては、0.8〜1.2の範囲であることが好ましく、0.9〜1.1の範囲であることがより好ましい。
前記ウレタン樹脂(A)の重量平均分子量としては、皮膜の機械的強度及び柔軟性の点から、5,000〜500、000の範囲であることが好ましく、10,000〜300,000の範囲がより好ましく、30,000〜150,000の範囲が更に好ましい。なお、前記ウレタン樹脂(A)の重量平均分子量は、前記ポリオール(a1)の数平均分子量と同様に測定して得られた値を示す。
前記ウレタン樹脂組成物は、前記ウレタン樹脂(A)、及び、前記溶剤(B)を必須成分として含有するが、必要に応じて、その他の添加剤を含有しもよい。
前記その他の添加剤としては、例えば、顔料、難燃剤、可塑剤、軟化剤、安定剤、ワックス、消泡剤、分散剤、浸透剤、界面活性剤、フィラー、防黴剤、抗菌剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、耐候安定剤、蛍光増白剤、老化防止剤、増粘剤等を用いることができる。これらの添加剤は単独で用いても2種以上を併用してもよい。
次に、前記ウレタン樹脂組成物を乾燥して皮膜を製造する方法としては、例えば、前記ウレタン樹脂組成物を基材に塗工し、塗工物を80〜120℃に調整した乾燥機等を使用して、3〜10分乾燥させる方法が挙げられる。
前記ウレタン樹脂組成物を塗布する基材としては、例えば、不織布、織布、編み物からなる基材;樹脂フィルム等を用いることができる。前記基材を構成するものとしては、例えば、ポリエステル繊維、ナイロン繊維、アクリル繊維、ポリウレタン繊維、アセテート繊維、レーヨン繊維、ポリ乳酸繊維等の化学繊維;綿、麻、絹、羊毛、これらの混紡繊維などを用いることができる。
前記基材の表面には、必要に応じて制電加工、離型加工、撥水加工、吸水加工、抗菌防臭加工、制菌加工、紫外線遮断加工、コロナ処理等の処理が施されていてもよい。
前記基材面に前記ウレタン樹脂組成物を塗布する方法としては、例えば、グラビアコーター法、ナイフコーター法、パイプコーター法、コンマコーター法等が挙げられる。
前記ウレタン樹脂組成物からなる塗膜の厚さとしては、例えば、0.5〜5mmの範囲である。
以上、本発明によれば、溶剤として高懸念物質を用いることなくウレタン樹脂との相溶性、及び乾燥性に優れ、得られる乾燥皮膜は機械的強度に優れるものである。よって、本発明は、DMFの使用規制が今後厳しくなる人工皮革・合成皮革の製造に特に好適に使用することができる。
以下、実施例を用いて、本発明をより詳細に説明する。
[実施例1]
攪拌機、還流器、温度計を有する反応装置に、ポリエステルポリオール(DIC株式会社製「CMA−244」、数平均分子量;2,000)を100質量部、エチレングリコールを8質量部、N,N,2−トリメチルプロピオンアミドを250質量部、及び、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートを45質量部投入し、撹拌下85℃で粘度が600dPa・sに達するまで反応させた後、メタノール0.22質量部を加えて反応させることによってウレタン樹脂(A−1)を含有するウレタン樹脂組成物を得た。
このウレタン樹脂組成物100質量部を離型紙上に乾燥後の膜厚が30μmとなるように塗布し、90℃で2分間、さらに120℃で2分間乾燥させてウレタン樹脂皮膜を得た。
なお、前記ウレタン樹脂(A−1)のハンセン溶解度パラメーターは22.12、分散項(δD):19.0、分極項(δP):7.7、水素結合項(δH):8.3であった。
[実施例2]
N,N,2−トリメチルプロピオンアミドの代わりに、N,N−ジメチルアクリルアミドを用いた以外は、実施例1と同様にして、ウレタン樹脂組成物、および、ウレタン樹脂皮膜を得た。
[実施例3]
N,N,2−トリメチルプロピオンアミドの代わりに、3−メトキシ−N,N−ジメチルプロパンアミドを用いた以外は、実施例1と同様にして、ウレタン樹脂組成物、および、ウレタン樹脂皮膜を得た。
[実施例4]
N,N,2−トリメチルプロピオンアミドの代わりに、N,N−ジメチルプロピオンアミドを用いた以外は、実施例1と同様にして、ウレタン樹脂組成物、および、ウレタン樹脂皮膜を得た。
[比較例1]
N,N,2−トリメチルプロピオンアミドの代わりに、γ−ブチロラクトンを用いた以外は、実施例1と同様にして、ウレタン樹脂組成物、および、ウレタン樹脂皮膜を得た。
[比較例2]
N,N,2−トリメチルプロピオンアミドの代わりに、2−ピロリドンを用いた以外は、実施例1と同様にして、ウレタン樹脂組成物、および、ウレタン樹脂皮膜を得た。
[数平均分子量の測定方法]
合成例で用いたポリオール等の数平均分子量は、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)法により、下記の条件で測定した値を示す。
測定装置:高速GPC装置(東ソー株式会社製「HLC−8220GPC」)
カラム:東ソー株式会社製の下記のカラムを直列に接続して使用した。
「TSKgel G5000」(7.8mmI.D.×30cm)×1本
「TSKgel G4000」(7.8mmI.D.×30cm)×1本
「TSKgel G3000」(7.8mmI.D.×30cm)×1本
「TSKgel G2000」(7.8mmI.D.×30cm)×1本
検出器:RI(示差屈折計)
カラム温度:40℃
溶離液:テトラヒドロフラン(THF)
流速:1.0mL/分
注入量:100μL(試料濃度0.4質量%のテトラヒドロフラン溶液)
標準試料:下記の標準ポリスチレンを用いて検量線を作成した。
(標準ポリスチレン)
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン A−500」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン A−1000」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン A−2500」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン A−5000」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F−1」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F−2」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F−4」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F−10」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F−20」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F−40」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F−80」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F−128」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F−288」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F−550」
[ウレタン樹脂(A)との相溶性の評価方法]
実施例及び比較例において、得られたウレタン樹脂組成物を、ガラス瓶に取り分け、目視観察により以下のように評価した。
「T」:濁りがなく、透明である。
「F」:濁りが確認される。
[乾燥性の評価方法]
実施例及び比較例で得られたウレタン樹脂皮膜を指で触り、以下のように評価した。
「5」:タック感が感じられない。
「3」:タック感がやや感じられる。
「1」:タック感が強いい。
[機械的強度の評価方法]
実施例及び比較例で得られたウレタン樹脂皮膜を、幅5mm、長さ50mmの短冊状に裁断し、引張試験機「オートグラフAG−I」(株式会社島津製作所製)を使用して、チャック間距離40mm、引張速度10mm/秒、湿度23℃の環境下で引張試験を行い、100%伸長した際の応力(MPa)を測定した。
Figure 2019099670
「表1」中の略語は、以下のものである。
・「DMIB」:N,N,2−トリメチルプロピオンアミド
・「DMAA」:N,N−ジメチルアクリルアミド
・「DMPA」:3−メトキシ−N,N−ジメチルプロパンアミド
・「DMP」:N,N−ジメチルプロピオンアミド
・「DMSO」:ジメチルスルホキシド
・「GBL」:γ−ブチロラクトン
・「Pyr」:2−ピロリドン
本発明は、溶剤として高懸念物質を用いずに、ウレタン樹脂との相溶性、及び乾燥性に優れ、得られる乾燥皮膜は機械的強度に優れることが分かった。
一方、比較例1は、ウレタン樹脂(A)のハンセン溶解度パラメーター(A−HSP)と溶剤(B)のハンセン溶解度パラメーター(B−HSP)との差が本発明で規定する範囲を超えるγ−ブチロラクトンを用いた態様であるが、ウレタン樹脂との相溶性が悪く、また乾燥性も不良であり、得られる皮膜の機械的強度も不良であった。
比較例2は、沸点が本発明で規定する範囲を超える2−ピロリドンを用いた態様であるが、ウレタン樹脂との相溶性が悪く、また乾燥性も著しく不良であり、得られる皮膜の機械的強度も不良であった。

Claims (3)

  1. ウレタン樹脂(A)及び溶剤(B)を含有するウレタン樹脂組成物を乾燥させる皮膜の製造方法であって、
    前記溶剤(B)が、N,N−ジメチルホルムアミド以外の、
    沸点が230℃未満のものであり、かつ、
    ウレタン樹脂(A)のハンセン溶解度パラメーター(A−HSP)と溶剤(B)のハンセン溶解度パラメーター(B−HSP)との差が3〜8(J/cm1/2の範囲であることを特徴とする皮膜の製造方法。
  2. 前記溶剤(B)のハンセン溶解度パラメーターにおける分散項(δD)が15.5〜21MPa0.5の範囲であり、分極項(δP)が7〜14.5MPa0.5の範囲であり、水素結合項(δH)が4.5〜11MPa0.5の範囲である請求項1記載の皮膜の製造方法。
  3. 前記溶剤(B)が、N,N,2−トリメチルプロピオンアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、及び、3−メトキシ−N,N−ジメチルプロパンアミドからなる群より選ばれる1種以上である請求項1又は2記載の皮膜の製造方法。
JP2017231693A 2017-12-01 2017-12-01 皮膜の製造方法 Active JP6946985B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017231693A JP6946985B2 (ja) 2017-12-01 2017-12-01 皮膜の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017231693A JP6946985B2 (ja) 2017-12-01 2017-12-01 皮膜の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2019099670A true JP2019099670A (ja) 2019-06-24
JP6946985B2 JP6946985B2 (ja) 2021-10-13

Family

ID=66976086

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017231693A Active JP6946985B2 (ja) 2017-12-01 2017-12-01 皮膜の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6946985B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JP6946985B2 (ja) 2021-10-13

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6428966B2 (ja) 水性ウレタン樹脂組成物、及び、合成皮革
JP6610983B2 (ja) 合成皮革
JP6684458B1 (ja) 合成皮革
JP6683298B1 (ja) 合成皮革
JP6684457B1 (ja) 合成皮革
JP6699806B2 (ja) 合成皮革
JP6836736B2 (ja) 合成皮革
JPWO2021084923A1 (ja) ウレタン樹脂組成物、合成皮革、及び、合成皮革の製造方法
JP6946985B2 (ja) 皮膜の製造方法
TWI837099B (zh) 合成皮革
JP7331453B2 (ja) 多孔体の製造方法
TW202041560A (zh) 胺基甲酸酯樹脂組成物、及合成皮革

Legal Events

Date Code Title Description
RD01 Notification of change of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7421

Effective date: 20180220

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20190624

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20200908

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20210705

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20210713

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210727

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20210817

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20210830

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6946985

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

R157 Certificate of patent or utility model (correction)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R157