JP2023042899A - レーダ装置 - Google Patents

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JP2023042899A JP2021150312A JP2021150312A JP2023042899A JP 2023042899 A JP2023042899 A JP 2023042899A JP 2021150312 A JP2021150312 A JP 2021150312A JP 2021150312 A JP2021150312 A JP 2021150312A JP 2023042899 A JP2023042899 A JP 2023042899A
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Abstract

【課題】移動体に搭載された後でも補正値を更新可能なレーダ装置を提供する。【解決手段】移動体に搭載されるレーダ装置であって、送信アンテナおよび受信アンテナの少なくとも一方を複数備え、送信アンテナから送信信号を送信させ、受信アンテナが受信した受信信号と送信信号との周波数差を示す差分信号を取得する送受信処理部41と、基準とする差分信号から、移動体の事前に決定されている基準部位における位相および振幅の少なくとも一方の値である基準値を決定するとともに、補正対象とする差分信号から、基準部位における位相および振幅の少なくとも一方であって基準値に対応する値である参照値を決定する信号処理部42と、基準値と参照値とをもとに、補正対象とする差分信号を補正する補正値を更新する補正値更新部43とを備える。【選択図】図3

Description

レーダ装置に関し、特に、レーダ装置のキャリブレーションに関する。
特許文献1には、レーダ装置をキャリブレーションする方法が開示されている。特許文献1に開示された方法では、工場出荷段階前の検査工程において、基準ターゲットを既知の方位に配置する。その後、その基準ターゲットの方位を測定することで、受信位相差の補正値を求める。
特許第4902985号公報
レーダ装置は、車両などの移動体に搭載されることがある。レーダ装置は、工場出荷段階だけでなく、移動体に搭載された後でも、キャリブレーションすることが好ましい。部品特性の経年変化、温度変化などにより補正値を変化させる必要が生じることがあるからである。しかし、レーダ装置が車両に搭載された後、基準ターゲットを既知の方位に設置することは現実的ではない。
本開示は、この事情に基づいて成されたものであり、その目的とするところは、移動体に搭載された後でも補正値を更新可能なレーダ装置を提供することにある。
上記目的は独立請求項に記載の特徴の組み合わせにより達成され、また、下位請求項は更なる有利な具体例を規定する。特許請求の範囲に記載した括弧内の符号は、一つの態様として後述する実施形態に記載の具体的態様との対応関係を示すものであって、開示した技術的範囲を限定するものではない。
上記目的を達成するための1つの開示は、
送信アンテナ(24)と受信アンテナ(31)とを備え、
送信アンテナから電波である送信信号を移動体(1)の外部に送信し、
送信信号が移動体の外部で反射して生じた受信信号を受信アンテナにより受信することで、移動体の外部に位置する外部物体を検出する、移動体に搭載されるレーダ装置であって、
送信アンテナおよび受信アンテナの少なくとも一方を複数備え、
送信アンテナから送信信号を送信させ、受信アンテナが受信した受信信号と送信信号との周波数差を示す差分信号を取得する送受信処理部(41)と、
基準とする差分信号から、移動体の事前に決定されている基準部位における位相および振幅の少なくとも一方の値である基準値を決定するとともに、補正対象とする差分信号から、基準部位における位相および振幅の少なくとも一方であって基準値に対応する値である参照値を決定する信号処理部(42)と、
信号処理部が決定した基準値と参照値とをもとに、補正対象とする差分信号および差分信号に対応する送信信号の少なくとも一方を補正する補正値を更新する補正値更新部(43)と、を備えるレーダ装置である。
このレーダ装置は、移動体にある部位を基準部位に設定している。そして、基準とする差分信号の基準部位における位相および振幅の少なくとも一方を基準値とし、補正対象とする差分信号からも基準値に対応する参照値を決定する。これら基準値と参照値とをもとに補正値を更新する。このようにして補正値を更新するので、レーダ装置が移動体に搭載された後でも補正値を更新できる。
実施形態のレーダ装置10の取り付け位置を説明する図。 レーダ装置10の構成を示す図。 制御部40が実行する機能を説明する図。 周波数に対する差分信号の振幅の変化を概念的に示す図。 制御部40が補正値を更新する際に実行する処理の流れを説明する図。
<実施形態>
以下、実施形態を図面に基づいて説明する。図1は、実施形態のレーダ装置10の取り付け位置を説明する図である。レーダ装置10は移動体である車両1に取り付けられている。車両1は、道路上を走行し、バンパー2を備えていればよい。乗用車、バス、トラックなどが車両1に含まれる。
レーダ装置10はブラケットなどによりバンパー2から少し離れた位置に固定されている。レーダ装置10は、車両1の前方に向けてミリ波帯(たとえば79GHz)の電波を出力する。以下、レーダ装置10が出力する電波を送信信号とする。
本実施形態のバンパー2は、フロントバンパーである。バンパー2は樹脂製であり、レーダ装置10が出力した送信信号の大部分はバンパー2を透過して車両1の外部へ出力される。レーダ装置10は、バンパー2から離れて、送信信号がバンパー2を通過する位置に設置されていればよい。車両幅方向におけるレーダ装置10の固定位置は特に制限はない。レーダ装置10は、車両幅方向の中央に固定されていてもよいし、車両幅方向の右端あるいは左端に固定されていてもよい。
レーダ装置10は、所定の短周期で送信信号を出力する。レーダ装置10は、送信信号が物体で反射して生じた信号(以下、受信信号)を受信する。レーダ装置10は、受信信号をもとに車両1の外部に位置する外部物体までの距離と方位とを検出する。
送信信号の大部分はバンパー2を透過する。しかし、送信信号の一部はバンパー2で反射する。レーダ装置10は、バンパー2で反射して生じた受信信号を用いて、外部物体の方位を決定する際の補正値を更新する。
〔レーダ装置10の構成〕
図2にレーダ装置10の構成を示す。レーダ装置10は、送信部20と受信部30と制御部40とを備えている。
〔送信部20の構成〕
送信部20は、送信信号を生成して送信する部分である。送信部20は、周波数シンセサイザ21、位相調整回路22、増幅器23、送信アンテナ24を備えている。周波数シンセサイザ21は、位相調整回路22に出力する基準信号を生成する。基準信号は位相調整回路22により位相が調整され、増幅器23により振幅が調整される。振幅および位相調整後の信号を送信信号とする。周波数シンセサイザ21は、基準信号の周波数を調整する。周波数シンセサイザ21は電圧制御発振器、位相比較器、分周器などを備えた構成とすることができる。周波数シンセサイザ21は、たとえば、基準信号の周波数が時間に対し直線的に上昇と下降を繰り返す基準信号を生成する。これにより、レーダ装置10は、FMCW(Frequency Modulated - Continuous Wave)方式で外部物体を検出する。
基準信号の周波数が変化する範囲すなわち変調帯域幅は、制御部40により調整される。FMCW方式では、変調帯域幅を大きくするほど距離分解能が向上する。一方、基準信号の周波数の時間変化が小さいほど、すなわちチャープスロープの傾きが小さいほど、最大検知距離を大きくできる。つまり、距離分解能と最大検知距離はトレードオフの関係にある。そこで、状況に応じて変調帯域幅を変化させる。
位相調整回路22、増幅器23は送信アンテナ24ごとに備えられている。本実施形態のレーダ装置10は、位相調整回路22、増幅器23および送信アンテナ24をそれぞれ2つずつ備えている。なお、送信アンテナ24の数は一例である。送信アンテナ24は、1つでもよいし、3つ以上でもよい。位相調整回路22は、基準信号の位相を調整する。位相調整回路22により位相を調整することで、2つの送信アンテナ24から送信される送信信号を合成した成ビームを生成することができる。
増幅器23は、位相調整回路22が出力した送信信号を増幅する。増幅器23のゲインは制御部40により調整される。増幅器23で振幅が増幅された送信信号は、送信アンテナ24から電波として放射される。送信アンテナ24は、たとえば、基板上に形成されたパッチアンテナである。
〔受信部30の構成〕
受信部30は、受信アンテナ31、ミキサ32、増幅器33、可変ハイパスフィルタ34、AD変換器35を備えている。受信アンテナ31は受信信号を受信する。受信アンテナ31は4つ備えられている。なお、受信アンテナ31の数は一例である。受信アンテナ31の数は、1つでもよいし、2つまたは3つでもよい。また、受信アンテナ31は5つ以上でもよい。受信アンテナ31は、送信アンテナ24とともに同一の基板に形成することができる。
ミキサ32、増幅器33、可変ハイパスフィルタ34、AD変換器35は、受信アンテナ31と同数備えられている。ミキサ32は、受信アンテナ31が受信した受信信号と基準信号とを混合する。これにより、両信号の周波数差を示す差分信号が得られる。差分信号は、ビート信号と呼ばれることもある。
増幅器33は、差分信号を増幅する。なお、増幅器33が可変ハイパスフィルタ34の後段に配置されていてもよいし、増幅器33とは別に、可変ハイパスフィルタ34の後段に増幅器が備えられていてもよい。
可変ハイパスフィルタ34は、カットオフ周波数fcを変更できるハイパスフィルタである。可変ハイパスフィルタ34は、たとえば、可変容量素子と抵抗とを備えた回路構成とすることができる。可変ハイパスフィルタ34のカットオフ周波数fcは制御部40が調整する。差分信号は、可変ハイパスフィルタ34により低周波帯がカットされる。可変ハイパスフィルタ34は、差分信号が必要以上に大きくならないようにするために設けられている。可変ハイパスフィルタ34によりカットされる低周波成分に対応する距離に位置する外部物体は検出されない。AD変換器35は、可変ハイパスフィルタ34を通過した信号をデジタル信号に変換し、制御部40に供給する。
〔制御部40の構成〕
制御部40は、少なくとも1つのプロセッサを備えた構成により実現できる。たとえば、制御部40は、プロセッサ、不揮発性メモリ、RAM、I/O、およびこれらの構成を接続するバスラインなどを備えたコンピュータにより実現できる。不揮発性メモリには、汎用的なコンピュータを制御部40として作動させるためのプログラムが格納されている。プロセッサが、RAMの一時記憶機能を利用しつつ、不揮発性メモリに記憶されたプログラムを実行することで、制御部40は、図3に示す送受信処理部41、信号処理部42、補正値更新部43として作動する。これらの作動が実行されることは、上記プログラムに対応する制御方法が実行されることを意味する。
また、制御部40は、補正値テーブル44を備える。補正値テーブル44は、たとえば、制御部40が備える不揮発性メモリに記憶されている。補正値テーブル44は、送信信号および差分信号の位相および振幅を補正するテーブルである。補正値テーブル44は、送信信号および差分信号別に、位相に対する補正値と振幅に対する補正値を格納している。補正値は、基準とする送信信号または差分信号に対する位相と振幅を補正する値である。差分信号は、送信アンテナ24と受信アンテナ31の組み合わせ毎に得られる。どの送信アンテナ24と受信アンテナ31の組み合わせにより得られた差分信号を基準としてもよい。送信信号も、どの送信信号を基準としてもよい。差分信号の補正値は、信号処理部42が、差分信号の位相および振幅を使う処理をする際に用いられる。送信信号の補正値は、次回以降の送信時において増幅器23、位相調整回路22の設定に用いられる。
送受信処理部41は、周波数シンセサイザ21、位相調整回路22および増幅器23を制御して送信アンテナ24から送信信号を送信させる。また、送受信処理部41は、AD変換器35によりデジタル信号に変換された差分信号を取得する。送受信処理部41は、外部物体を検出する通常作動時には、1つ以上の送信アンテナ24から送信信号を送信する。たとえば、MIMO(Multiple-input-multiple-output)を実現するために、2つの送信アンテナ24から、時分割あるいは同時多重で送信信号を送信させてもよい。また、送受信処理部41は、位相を調整して複数の送信アンテナ24から送信される送信信号をビームフォーミングしてもよい。
送受信処理部41は、補正作動時にも送信信号を送信させる。補正作動時の送信作動は、通常作動時と同じでもよいし、異なっていてもよい。補正作動時の送信作動を、通常作動時の送信作動とは異ならせる一例としては、補正作動時の送信作動では通常作動時よりも、変調帯域幅を広帯域化することが考えられる。
送受信処理部41は、可変ハイパスフィルタ34を調整する。送受信処理部41は、通常作動時には、可変ハイパスフィルタ34のカットオフ周波数fcを、所定の外部物体検出時のカットオフ周波数fcにする。通常作動時のカットオフ周波数fcは、たとえば、距離0m付近の所定距離内に存在する外部物体は検出しない周波数である。補正作動時の受信作動では、カットオフ周波数fcをバンパー2からの受信信号がカットされない周波数にする。
図4には、周波数に対する差分信号の振幅の変化を概念的に示している。差分信号の周波数は、距離と一対一に対応する。そのため、図4の横軸は、周波数(距離)と記載している。距離d1は、送信アンテナ24からバンパー2までの最短の往復距離である。本実施形態では、距離d1に対応するバンパー2の内側の面上の部位を基準部位として補正値を更新する。
また、図4には、破線および実線で可変ハイパスフィルタ34の周波数特性も示している。破線で示す周波数特性は、通常作動時の周波数特性である。実線で示す周波数特性は、補正作動時の周波数特性である。通常作動時の周波数特性では、距離d1に対応する周波数は、カットオフ周波数fcよりも低い周波数である。一方、補正作動時の周波数特性では、距離d1に対応する周波数はカットオフ周波数fcよりも高くなっている。
信号処理部42は、通常作動時には、差分信号の周波数に基づいて、外部物体までの距離を決定する。また、2本の受信アンテナ31に受信される受信信号に対応する差分信号の位相差から外部物体の方位を決定する。なお、位相差を決定する際には、送信信号および差分信号の位相および振幅を補正値テーブル44に格納された補正値で補正する。
信号処理部42は、補正作動時には、基準とする差分信号においてバンパー2の距離d1に対応する位置(すなわち基準部位)の位相と振幅とを決定する。また、補正対象の差分信号から基準部位の位相と振幅とを決定する。
補正値更新部43は、補正値テーブル44に格納されている送信信号に対する補正値と受信信号に対する補正値のいずれか、または、両方を、以下のようにして更新する。
送信信号に対する補正値は、以下のようにして更新する。基準とする送信アンテナ24が送信する送信信号、すなわち、基準とする送信信号を、任意の受信アンテナ31で受信した受信信号から得られる差分信号の基準部位における位相と振幅を決定する。この差分信号が基準とする差分信号であり、この差分信号の基準部位における位相と振幅が基準値である。
また、補正対象とする送信アンテナ24が送信する送信信号、すなわち、補正対象とする送信信号を、基準とする差分信号と同じ受信アンテナ31で受信した受信信号から得られる差分信号の基準部位における位相と振幅を決定する。この差分信号が補正対象とする差分信号であり、この差分信号の基準部位における位相と振幅が参照値である。
たとえば、補正値更新部43は、位相に対する補正値は、以下のようにして更新する。補正値更新部43は、基準とする差分信号の基準部位における位相を基準値とし、補正対象の差分信号における基準部位の位相を参照値とする。そして、基準値と参照値との位相差を決定する。補正値テーブル44に格納されている位相に対する補正値は、上記位相差をθになるように補正する値であるとする。この場合、新たに算出した位相差がθになるように補正値に更新する。
補正値更新部43は、補正値テーブル44に格納されている振幅に対する補正値を、以下のようにして更新する。補正値更新部43は、基準とする差分信号の基準部位における振幅を基準値とし、補正対象の差分信号における基準部位の振幅を参照値とする。そして、基準値と参照値との振幅差を決定する。補正値テーブル44に格納されている振幅に対する補正値は、上記振幅差をAになるように補正する値であるとする。この場合、新たに算出した振幅差がAになるように補正値に更新する。
次に、差分信号に対する補正値を更新する処理を説明する。差分信号に対する補正値は、以下のようにして更新する。任意の送信アンテナ24が送信する送信信号を、基準とする受信アンテナ31で受信した受信信号から得られる差分信号の基準部位における位相と振幅を決定する。この差分信号が基準とする差分信号であり、この差分信号の基準部位における位相と振幅が基準値である。
また、基準信号とする差分信号と同じ送信アンテナ24が送信した送信信号を、補正対象とする受信アンテナ31で受信した受信信号から得られる差分信号の基準部位における位相と振幅を決定する。この差分信号が補正対象とする差分信号であり、この差分信号の基準部位における位相と振幅が参照値である。基準値と参照値を決定した以降の処理は、送信信号に対する補正値の更新と同じである。
〔処理の流れ〕
図5を用いて、制御部40が補正値を更新する際に実行する処理の流れを説明する。なお、初回の補正値は、出荷時に設定されている。図5に示す処理は、レーダ装置10が車両1に搭載された後、任意のタイミングで実行できる。任意のタイミングは、たとえば、図5の処理を前回実施してから、数ヶ月などに設定された一定周期が経過したタイミングである。また、以下の説明では、図5を開始する前は通常作動時であるとする。通常作動時の変調帯域幅は、遠方の外部物体を検出できるように、最大の変調帯域幅よりも狭くなっているとする。
S1では、送受信処理部41が、周波数シンセサイザ21の変調帯域幅を、遠方の外部物体を検出する際の変調帯域幅よりも広帯域となる広帯域変調に切り替える。広帯域変調による帯域幅は、電波法により許可されており、レーダ装置10が変調可能な最大帯域幅とすることができる。たとえば、周波数帯が79GHz帯であれば、広帯域変調による変調帯域幅は4GHzとすることができる。
S2では、送受信処理部41が、可変ハイパスフィルタ34の周波数特性を、補正作動時の特性にする。これにより、可変ハイパスフィルタ34のカットオフ周波数fcは、基準部位までの距離に対応する周波数よりも低くなる。S3では、送受信処理部41が、ミリ波を送受信する。
S4では、信号処理部42が、基準とする差分信号と補正対象の差分信号について、基準部位の振幅と位相とを決定する。そして、基準値と参照値とをもとに補正値を算出する。前述したように、基準値は、基準とする差分信号の基準部位における位相または振幅であり、参照値は、補正対象とする差分信号の基準部位における位相または振幅である。
S5では、補正値更新部43が、S4で今回算出した補正値を、補正値テーブル44に格納されている補正値と比較する。比較の結果、変化があればS6に進む。S6では、補正値更新部43が、補正値テーブル44に格納されている補正値を今回算出した補正値に更新する。S6を実行後はS7に進む。一方、S5における比較の結果、補正値に変化がなければS6を実行することなくS7に進む。
S7では、送受信処理部41が、変調帯域を通常作動時の変調帯域に戻す。S8では、送受信処理部41が、可変ハイパスフィルタ34の周波数特性を、通常作動時の周波数特性に戻す。その後、図5の処理を終了し、通常作動に復帰する。
〔実施形態のまとめ〕
以上、説明した実施形態のレーダ装置10は、車両1のバンパー2に基準部位を設定している。そして、基準とする差分信号の基準部位における位相および振幅の少なくとも一方を基準値とし、補正対象とする差分信号からも、基準値に対応する参照値を決定する。これら基準値と参照値とをもとに補正値を更新する。このようにして補正値を更新するので、レーダ装置10が車両1に搭載された後でも補正値を更新できる。
送受信処理部41は、補正作動時、可変ハイパスフィルタ34の周波数特性を、外部物体を検出するときに減衰する周波数帯域の信号が通過しやすい特性に変更する。具体的には、送受信処理部41は、補正作動時、可変ハイパスフィルタ34のカットオフ周波数fcを、通常作動時よりも低周波側に変更する。補正作動時の可変ハイパスフィルタ34のカットオフ周波数fcは、基準部位までの距離に対応する周波数よりも低い周波数になっている。これにより、補正値は、可変ハイパスフィルタ34の影響を受けにくくなる。
送受信処理部41は、補正作動時、送信信号の変調帯域幅を、通常作動時よりも広帯域にする(S1)。FMCW方式では、変調帯域幅を広くすることで距離分解能を高くすることができる。これにより、レーダ装置10から極めて近い位置に設定した基準部位からの受信信号を用いることで補正値の精度が低下してしまうことを抑制できる。
レーダ装置10は、基準部位をバンパー2の内側の面上の部位としているので、車両1の外部環境の変化による影響を受けずに補正値を更新できる。
以上、実施形態を説明したが、開示した技術は上述の実施形態に限定されるものではなく、次の変形例も開示した範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施できる。なお、以下の説明において、それまでに使用した符号と同一番号の符号を有する要素は、特に言及する場合を除き、それ以前の実施形態における同一符号の要素と同一である。また、構成の一部のみを説明している場合、構成の他の部分については先に説明した実施形態を適用できる。
<変形例1>
ハイパスフィルタを、カットオフ周波数fcを変更できる可変ハイパスフィルタ34ではなく、機能をオンオフできるハイパスフィルタとしてもよい。このハイパスフィルタがオフになると、全部の周波数帯の信号が減衰なく通過する。補正作動時には、周波数シンセサイザ21は、そのハイパスフィルタをオフにする。このようにしても、補正値は、ハイパスフィルタの影響を受けにくくなる。
<変形例2>
実施形態では、バンパー2の内側の面上に基準部位を設定していた。しかし、基準部位はバンパー2に限られない。基準部位は、車両1の一部または車両1に追加される付加物上の部位であって、レーダ装置10が信号を送受信できればよい。たとえば、バンパー2の内側の面に電波反射体を配置し、その電波反射体上の部位を基準部位としてもよい。電波反射体には、たとえば、小型のコーナーリフレクタを用いることができる。電波反射体は、信号が送受信できる位置に設置すればよいが、外部物体の検出を妨げないように視野境界付近に設置することが好ましい。
<変形例3>
距離d1は、基準部位でミリ波が1回反射した距離である。しかし、信号処理部42は、基準部位とレーダ装置10との間で多重反射した差分信号を用いて基準値と参照値を決定してもよい。このようにすれば、基準部位までの距離が近くても、差分信号において基準部位の位相と振幅が検出できない恐れが低減する。
<変形例4>
実施形態でも説明したように、送信アンテナ24と受信アンテナ31の数は図2に示した数には限られない。ただし、送信アンテナ24と受信アンテナ31のいずれかは複数備える。送信アンテナ24と受信アンテナ31がともに1つである場合、基準とする差分信号のみであり、補正対象とする差分信号はないからである。
<変形例5>
実施形態では、位相と振幅とを補正した。しかし、位相と振幅のいずれか一方のみを補正してもよい。
1:車両 2:バンパー 10:レーダ装置 20:送信部 21:周波数シンセサイザ 22:位相調整回路 23:増幅器 24:送信アンテナ 30:受信部 31:受信アンテナ 32:ミキサ 33:増幅器 34:可変ハイパスフィルタ 35:AD変換器 40:制御部 41:送受信処理部 42:信号処理部 43:補正値更新部 44:補正値テーブル

Claims (7)

  1. 送信アンテナ(24)と受信アンテナ(31)とを備え、
    前記送信アンテナから電波である送信信号を移動体(1)の外部に送信し、
    前記送信信号が前記移動体の外部で反射して生じた受信信号を前記受信アンテナにより受信することで、前記移動体の外部に位置する外部物体を検出する、前記移動体に搭載されるレーダ装置であって、
    前記送信アンテナおよび前記受信アンテナの少なくとも一方を複数備え、
    前記送信アンテナから前記送信信号を送信させ、前記受信アンテナが受信した前記受信信号と前記送信信号との周波数差を示す差分信号を取得する送受信処理部(41)と、
    基準とする前記差分信号から、前記移動体の事前に決定されている基準部位における位相および振幅の少なくとも一方の値である基準値を決定するとともに、補正対象とする前記差分信号から、前記基準部位における位相および振幅の少なくとも一方であって前記基準値に対応する値である参照値を決定する信号処理部(42)と、
    前記信号処理部が決定した前記基準値と前記参照値とをもとに、補正対象とする前記差分信号および前記差分信号に対応する前記送信信号の少なくとも一方を補正する補正値を更新する補正値更新部(43)と、
    を備えるレーダ装置。
  2. 請求項1に記載のレーダ装置であって、
    前記差分信号が通過し、カットオフ周波数が可変であるハイパスフィルタ(34)を備え、
    前記送受信処理部は、前記補正値を更新するために前記差分信号を取得する場合、前記ハイパスフィルタのカットオフ周波数を、前記外部物体を検出する場合よりも低周波側に変更する、レーダ装置。
  3. 請求項1に記載のレーダ装置であって、
    前記差分信号が通過し、オンオフが可能なハイパスフィルタを備え、
    前記送受信処理部は、前記補正値を更新するための前記差分信号を取得する場合、前記ハイパスフィルタをオフにする、レーダ装置。
  4. 請求項1~3のいずれか1項に記載のレーダ装置であって、
    前記送受信処理部は、前記補正値を更新するために前記差分信号を取得する場合、前記送信信号の変調帯域幅を、前記外部物体を検出する場合よりも広帯域にする、レーダ装置。
  5. 請求項1~4のいずれか1項に記載のレーダ装置であって、
    前記移動体はバンパー(2)を備えた車両(1)であり、
    前記レーダ装置は、前記送信信号が前記バンパーを通過する位置に設置され、
    前記基準部位が、前記バンパーにおいて前記送信信号が照射される部位である、レーダ装置。
  6. 請求項1~4のいずれか1項に記載のレーダ装置であって、
    前記移動体はバンパー(2)を備えた車両(1)であり、
    前記バンパーの内側の面に電波反射体が配置されており、
    前記基準部位が前記電波反射体である、レーダ装置。
  7. 請求項5または6に記載のレーダ装置であって、
    前記信号処理部は、前記基準部位と前記レーダ装置との間で多重反射した前記差分信号を用いて前記基準値と前記参照値を決定する、レーダ装置。
JP2021150312A 2021-09-15 2021-09-15 レーダ装置 Pending JP2023042899A (ja)

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CN117452345A (zh) * 2023-12-26 2024-01-26 江西联创电子有限公司 一种毫米波雷达探测距离动态调节的方法及毫米波雷达

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