JP2023042674A - 車両用窓ガラスとその製造方法 - Google Patents

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宏 坂田
Hiroshi Sakata
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【課題】導電体と給電用部材とを接続するにあたり、ガラス板へのクラック発生が抑制された車両用窓ガラスの製造方法の提供。【解決手段】ガラス板(11)と、このガラス板の一方の表面の上に形成された導電体(20)とを有する導電体付きガラス板(11X)と、給電用部材(30)とを備えた車両用窓ガラスの製造方法であって、導電体(20)と給電用部材(30)とを超音波接合する接合工程を有する、車両用窓ガラスの製造方法。【選択図】図3

Description

本発明は、車両用窓ガラスとその製造方法に関する。
自動車等の車両用の窓ガラスには、複数のガラス板が貼り合わされた合わせガラス、または強化ガラスが好ましく用いられる。一般的に、車両用窓ガラスの材料のガラス板は、周縁領域に遮光層が形成され、熱成形により曲面を有する形状に加工される。
電気的機能部を含むか、電気的機能部に接続される導電体と、ハーネスおよびケーブル等の給電用部材とを含む車両用窓ガラスが知られている。電気的機能部としては、電熱線、電熱層、アンテナ、調光層、発光素子フィルム、およびこれらの組合せ等が挙げられる。
例えば、フロントガラスでは、ワイパーに付着した霜、雪、および氷等を融かし、ワイパーの凍結を防止するために、フロントガラスの下端部および側端部等に電熱線または電熱層が形成される場合がある。
また、フロントガラスの内面に、自動運転および衝突事故の防止等のために、車両前方の情報を取得する、カメラ、LiDAR(Light Detection And Ranging)、レーダーおよび光センサ等の光学機器と、これを収容するブラケット等と呼ばれる筐体とを含む光学装置が設置される場合がある。かかる構成では、光学装置によるセンシング精度を高めるために、光学機器の前方のガラス部分に、曇りおよび霜の防止のために電熱線または電熱層が形成される場合がある。
特許第2670092号公報
導電体は例えば、銀粉とガラスフリットとを含む銀ペーストの塗工および焼成により形成できる。銀ペーストの焼成は、ガラス板の熱成形と同時に実施できる。
本明細書において、導電体を有するガラス板を「導電体付きガラス板」と言う。
従来、導電体と給電用部材との接合は、半田を用いて行われている(例えば、特許文献1の請求項6を参照されたい。)。導電体は好ましくは、電気的機能部に給電するための給電部を含むことができる。
従来は例えば、ワイヤーハーネス等の給電用部材の先端部にターミナル端子をかしめ固定し、このターミナル端子を導電体(好ましくは、導電体に含まれる給電部)に半田を用いて接合している。半田は、有鉛半田でも無鉛半田でもよく、環境面から無鉛半田が好ましい。
導電体と半田とを良好に接合するには、導電体と半田との接合界面に、導電体に含まれる1種以上の金属元素と半田に含まれる複数の金属元素との合金を含む合金層を形成する必要がある。そのためには、半田をその融点以上に加熱する必要がある。
導電体付きガラス板に対して、上記半田接合を行うと、局所的に高温加熱と高温から常温への降温とが起こる。この導電体付きガラス板では、局所的に高温加熱による熱応力がかかり、また、降温後に応力が残留する場合がある。この加熱中の熱応力および降温後の残留応力が原因となり、窓ガラスの製造後に、導電体付きガラス板にクラックが生じる恐れがある。無鉛半田の融点は有鉛半田の融点より高く、例えば220℃程度であり、より高い温度(例えば300℃程度)で半田接合を行う必要である。そのため、接合後の応力の残留およびそれによる製造後のクラック発生の問題は、特に、半田としてより融点の高い無鉛半田を使用する場合に起こり得る。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、導電体と給電用部材とを接続するにあたり、ガラス板へのクラック発生が抑制された車両用窓ガラスとその製造方法の提供を目的とする。
本発明は、以下の車両用窓ガラスとその製造方法を提供する。
[1] ガラス板と、当該ガラス板の一方の表面の上に形成された導電体とを有する導電体付きガラス板と、給電用部材とを備えた車両用窓ガラスの製造方法であって、
前記導電体と前記給電用部材とを超音波接合する接合工程を有する、車両用窓ガラスの製造方法。
[2] 前記導電体は、電気的機能部を含むか、電気的機能部に接続されており、
前記導電体は、前記電気的機能部に給電するための給電部を含み、
前記給電部と前記給電用部材とを超音波接合する、[1]の車両用窓ガラスの製造方法。
[3] 前記給電用部材は、箔状または丸線状の導線を含む、[1]または[2]の車両用窓ガラスの製造方法。
[4] 前記給電用部材は、一端部に取り付けられた金属板を含む、[1]~[3]のいずれかの車両用窓ガラスの製造方法。
[5] 前記車両用窓ガラスは、前記導電体付きガラス板を含む複数のガラス板が中間膜を介して貼り合わされ、前記導電体が前記導電体付きガラス板の前記中間膜側に形成された合わせガラスを含み、
前記接合工程の後に、
前記複数のガラス板を、前記中間膜を介して貼り合わせる貼合せ工程を有する、[1]~[4]のいずれかの車両用窓ガラスの製造方法。
[6] 前記車両用窓ガラスは、前記導電体付きガラス板を含む複数のガラス板が中間膜を介して貼り合わされ、前記導電体が前記導電体付きガラス板の前記中間膜側と反対側に形成された合わせガラスを含み、
前記接合工程の前または後に、
前記複数のガラス板を、前記中間膜を介して貼り合わせる貼合せ工程を有する、[1]~[4]のいずれかの車両用窓ガラスの製造方法。
[7] 前記車両用窓ガラスは、強化ガラスを含む、[1]~[4]のいずれかの車両用窓ガラスの製造方法。
[8] ガラス板と、当該ガラス板の一方の表面の上に形成された導電体とを有する導電体付きガラス板と、給電用部材とを備えた車両用窓ガラスであって、
前記導電体と前記給電用部材とが接合した超音波接合部を有する、車両用窓ガラス。
[9] 前記導電体は、電気的機能部を含むか、電気的機能部に電気的に接続されており、
前記導電体は、前記電気的機能部に給電するための給電部を含み、
前記給電部と前記給電用部材とが接合した前記超音波接合部を有する、[8]の車両用窓ガラス。
[10] 前記給電用部材は、箔状または丸線状の導線を含む、[8]または[9]の車両用窓ガラス。
[11] 前記給電用部材は、一端部に取り付けられた金属板を含む、[8]~[10]のいずれかの車両用窓ガラス。
[12] 前記導電体付きガラス板を含む複数のガラス板が中間膜を介して貼り合わされた合わせガラスを含む、[8]~[11]のいずれかの車両用窓ガラス。
[13] 前記導電体が前記導電体付きガラス板の前記中間膜側に形成され、前記給電用部材の一部が前記合わせガラスの内部に封入された、[12]の車両用窓ガラス。
[14] 前記導電体が前記導電体付きガラス板の前記中間膜側と反対側に形成された、[12]の車両用窓ガラス。
[15] 強化ガラスを含む、[8]~[11]のいずれかの車両用窓ガラス。
本発明の車両用窓ガラスとその製造方法では、導電体と給電用部材とを超音波接合するので、導電体と給電用部材とを接続するにあたり、ガラス板へのクラック発生を抑制することが可能である。
本発明に係る第1実施形態の車両用窓ガラスの全体平面図である。 図1の部分拡大平面図である。 図2のIII-III線断面図である。 第1実施形態の車両用窓ガラスの製造方法の工程図である。 第1実施形態の車両用窓ガラスの製造方法の工程図である。 第1実施形態の車両用窓ガラスの製造方法の工程図である。 図4Bの部分拡大断面図である。 第1実施形態の設計変更例1を示す断面図である。 第1実施形態の設計変更例2を示す断面図である。 本発明に係る第2実施形態の車両用窓ガラスの全体平面図である。 図1の部分拡大平面図である。 図7BのVIII-VIII線断面図である。 第2実施形態の車両用窓ガラスの製造方法の工程図である。 第2実施形態の車両用窓ガラスの製造方法の工程図である。 第2実施形態の設計変更例を示す断面図である。 例1で得られた車両用窓ガラスのSEM断面写真の例である。 例1で得られた車両用窓ガラスのSEM断面写真の例である。 例1で得られた車両用窓ガラスのSEM断面写真の例である。 例1で得られた車両用窓ガラスのSEM断面写真の例である。
一般的に、薄膜構造体は、厚さに応じて、「フィルム」および「シート」等と称される。本明細書では、これらを明確には区別しない。したがって、本明細書で言う「フィルム」に「シート」が含まれる場合がある。
本明細書において、形状に付く「略」は、その形状の角を丸くした面取り形状、その形状の一部が欠けた形状、その形状に任意の小さな形状が追加した形状など、部分的に変化した形状を意味する。
本明細書において、特に明記しない限り、「上下」、「左右」、「縦横」、「内外」は、車両用窓ガラスが車両等に嵌め込まれた状態(実際の使用状態)での「上下」、「左右」、「縦横」、「内外」である。
本明細書において、特に明記しない限り、数値範囲を示す「~」は、その前後に記載された数値を下限値および上限値として含む意味で使用される。
以下、本発明の実施の形態を説明する。
本発明は、ガラス板と、当該ガラス板の一方の表面の上に形成された導電体とを有する導電体付きガラス板と、給電用部材とを備えた車両用窓ガラスとその製造方法に関する。
本発明の車両用窓ガラスの製造方法は、導電体と給電用部材とを超音波接合する接合工程を有する。
本明細書において、特に明記しない限り、「ガラス板の表面」とは、ガラス板の端面(側面とも言う。)を除く、面積の大きい主面を指す。
導電体は、ガラス板の表面上にガラス板に接して直接形成されてもよいし、ガラス板の表面上に形成された任意の構成要素の上に形成されてもよい。
本発明の車両用窓ガラスは、導電体と給電用部材とが接合した超音波接合部を有する。
車両用窓ガラスは、導電体付きガラス板を含む複数のガラス板が中間膜を介して貼り合わされた合わせガラス、強化ガラスまたは有機ガラスを含むことができ、合わせガラスまたは強化ガラスを含むことが好ましい。
車両用窓ガラスが合わせガラスを含む場合、導電体は、導電体付きガラス板の中間膜側に形成されていてもよいし、導電体付きガラス板の中間膜側と反対側に形成されていてもよい。
合わせガラスおよび強化ガラスの材料であるガラス板の種類としては特に制限されず、ソーダライムガラス、ホウケイ酸ガラス、アルミノシリケートガラス、リチウムシリケートガラス、石英ガラス、サファイアガラスおよび無アルカリガラス等が挙げられる。
強化ガラスは、上記のようなガラス板に対して、イオン交換法および風冷強化法等の公知方法にて強化加工を施したものである。強化ガラスとしては、風冷強化ガラスが好ましい。
合わせガラスの厚みは特に制限されず、車両用窓ガラス(フロントガラス、サイドガラスおよびリアガラス等)の用途では、好ましくは2~6mmである。
合わせガラスが2枚のガラス板からなる場合、車内側のガラス板の厚みと車外側のガラス板の厚みとは、同一でも非同一でもよい。車内側のガラス板の厚みは、好ましくは0.3~2.3mmである。車内側のガラス板の厚みは、0.3mm以上であるとハンドリング性が良く、2.3mm以下であると質量が大きくなり過ぎない。車外側のガラス板の厚みは、好ましくは1.0~3.0mmである。車外側のガラス板の厚みは、1.0mm以上であると、耐飛び石性能等の強度が充分であり、3.0mm以下であると、合わせガラスの質量が大きくなり過ぎず、車両の燃費の点で好ましい。車外側のガラス板の厚みと車内側のガラス板の厚みがいずれも1.8mm以下であれば、合わせガラスの軽量化と遮音性とを両立でき、好ましい。
強化ガラスの厚みは特に制限されず、車両用窓ガラス(フロントガラス、サイドガラスおよびリアガラス等)の用途では、好ましくは1.5~6mmである。強化ガラスの厚みが1.5mm以上であれば、風冷強化法において、表面圧縮応力およびこれと対の内部引張応力が破砕規格を満足する強化ガラスが得られやすい。
合わせガラスを構成する複数のガラス板は、通常は複数の未強化ガラスの組合せであるが、強化ガラスと未強化ガラスとの組合せであってもよい。合わせガラスにおいて、車内側のガラス板の厚みが1.0mm以下である場合、このガラス板は化学強化ガラスであってもよい。車内側のガラス板が化学強化ガラスである場合、ガラス表面の圧縮応力値は300MPa以上であり、圧縮応力層の深さは2μm以上であることが好ましい。
車両用窓ガラスは、車両に取り付けられたときに、車外側が凸となるような湾曲形状であってよい。車両用窓ガラスが合わせガラスである場合、車内側のガラス板および車外側のガラス板は、ともに車外側が凸となるような湾曲形状であってよい。車両用窓ガラスは、左右方向または上下方向のいずれか一方向のみに湾曲した単曲曲げ形状であってもよいし、左右方向と上下方向に湾曲した複曲曲げ形状であってもよい。車両用窓ガラスの曲率半径は2000~11000mmであってよい。車両用窓ガラスは、左右方向と上下方向の曲率半径が同一でも非同一でもよい。車両用窓ガラスの曲げ成形には、重力成形、プレス成形、およびローラー成形などが用いられる。
合わせガラスおよび強化ガラスは、表面の少なくとも一部の領域に、撥水、低反射性、低放射性、紫外線遮蔽、赤外線遮蔽および着色等の機能を有する被膜を有していてもよい。
合わせガラスは、内部の少なくとも一部の領域に、低反射性、低放射性、紫外線遮蔽、赤外線遮蔽および着色等の機能を有する膜を有していてもよい。合わせガラスの中間膜の少なくとも一部の領域が、紫外線遮蔽、赤外線遮蔽および着色等の機能を有していてもよい。
合わせガラスの中間膜は、単層膜でも積層膜でもよい。
有機ガラスの材料としては、ポリカーボネート(PC)等のエンジニアリングプラスチック;ポリエチレンテレフタレート(PET);ポリメチルメタクリレート(PMMA)等のアクリル樹脂;ポリ塩化ビニル;ポリスチレン(PS);これらの組合せ等が挙げられ、ポリカーボネート(PC)等のエンジニアリングプラスチックが好ましい。
合わせガラスおよび強化ガラスは、表面の所定の領域に遮光層を有していてもよい。遮光層は公知方法にて形成でき、例えば、合わせガラスの材料であるガラス板または強化ガラスの表面の所定の領域に、黒色顔料とガラスフリットとを含むセラミックペーストを塗工し、焼成することで、形成できる。遮光層の厚さは特に制限されず、例えば5~20μmである。遮光層は、合わせガラスおよび強化ガラスの任意の面の周縁領域に形成でき、例えば、合わせガラスおよび強化ガラスの車内側の面の周縁領域に形成できる。
給電用部材は、箔状または丸線状の導線を含むことができる。本明細書で言う「導線」には、1本以上の導線が絶縁材で被覆された被覆導線が含まれるものとする。給電用部材としては、被覆導線が好ましい。
給電用部材の具体的な形態としては、ハーネスおよびケーブル等が挙げられ、ハーネス等が好ましい。箔状の導線として、フラットハーネスおよびフレキシブルプリント基板等が挙げられる。丸線状の導線として、ワイヤーハーネス等が挙げられる。
平らな形態の給電用部材の方が導電体に超音波接合しやすい。そのため、給電用部材としては、フラットハーネスおよびフレキシブルプリント基板等の箔状の導線が好ましい。
導電体が導電体付きガラス板の中間膜側に形成されている場合、給電用部材の一部を合わせガラスの内部に封入できる。この場合、給電用部材の一部が合わせガラスの内部に封入されるため、給電用部材としては、平らな形態の給電用部材が好ましく、箔状の導線が好ましい。
給電用部材は導体露出部を有し、導電体に対して、給電用部材の導体露出部を超音波接合できる。導体露出部の材料は特に制限されず、Cu、Al、Ag、Au、Ti、Sn、Zn、これらの合金およびこれらの組合せ等が挙げられる。導体露出部は、主金属の表面を他の金属でめっきしたものでもよい。導体露出部は、表面に薄い酸化膜を有していてもよい。
給電用部材は、一端部に取り付けられた金属板を含むものであってもよい。
箔状または丸線状の導線をそのまま導電体に超音波接合するよりも、箔状または丸線状の導線の一端部に金属板を取り付け、この金属板を導電体に超音波接合する方が、給電用部材が剥がれにくい場合がある。
公知の金属接合方法により、箔状または丸線状の導線の導体露出部を直接、金属板に接合できる。
箔状または丸線状の導線の導体露出部を端子に固定し、この端子を、公知の金属接合方法により金属板に接合してもよい。金属板の材料は特に制限されず、Cu、Al、Ag、Au、Ti、Sn、Zn、これらの合金およびこれらの組合せ等が挙げられる。金属板は、主金属の表面を他の金属でめっきしたものでもよい。金属板は、表面に薄い酸化膜を有していてもよい。
車両用窓ガラスは、導電体付きガラス板を含む複数のガラス板が中間膜を介して貼り合わされ、導電体が導電体付きガラス板の中間膜側に形成された合わせガラスを含むことができる。合わせガラスが2枚のガラス板からなる場合、この態様では、導電体は車外側のガラス板の車内側の面に形成される。
この態様では、本発明の製造方法は、接合工程の後に、複数のガラス板を、中間膜を介して貼り合わせる貼合せ工程を有することができる。
車両用窓ガラスは、導電体付きガラス板を含む複数のガラス板が中間膜を介して貼り合わされ、導電体が導電体付きガラス板の中間膜側と反対側に形成された合わせガラスを含むことができる。合わせガラスが2枚のガラス板からなる場合、この態様では、導電体は車内側のガラス板の車内側の面に形成される。
この態様では、本発明の製造方法は、接合工程の前または後に、複数のガラス板を、中間膜を介して貼り合わせる貼合せ工程を有することができる。
導電体は、電気的機能部を含むか、電気的機能部に電気的に接続されており、導電体は、電気的機能部に給電するための給電部を含むことができる。この態様では、導電体に含まれる給電部と給電用部材とを超音波接合することができる。この態様では、本発明の車両用窓ガラスは、導電体に含まれる給電部と給電用部材とが接合した超音波接合部を有することができる。
電気的機能部としては、1本以上の電熱線、電熱層、アンテナ、調光層、発光素子、およびこれらの組合せ等が挙げられる。発光素子としては、LED(Light Emitting Diode)およびOLED(Organic Light Emitting Diode))等が挙げられる。
1本以上の電熱線または電熱層によって、曇り、霜、雪および氷等の除去および付着防止が可能である。1本以上の電熱線または電熱層は例えば、ワイパーの凍結防止;カメラおよびレーダー等の光学機器を含む光学装置によるセンシング精度向上等の目的で、使用できる。
給電部は、一対の給電用電極(一対のバスバーとも言う。)を含むことができる。この場合、1つの給電用電極に対して、1つの給電用部材を接合することができる。例えば、一方の給電用電極は正極であり、給電用部材を介して、車両内に設けられた電源または信号源に接続され、他方の給電用電極は負極であり、給電用部材を介して、車体(アース)に接続される。なお、正極用の給電用電極は単数でも複数でもよく、負極用の給電用電極は単数でも複数でもよい。
導電体が電気的機能部に接続されている場合、導電体と電気的機能部とは、同じガラス面上に形成されていてもよいし、異なるガラス面上に形成されていてもよい。
導電体の材料は特に制限されず、1種以上の金属元素を含む金属および1種以上の金属元素を含む金属化合物が挙げられる。具体的には、Ag、Au、Cu、Pd、Pt、Ti、Cr、Ni、Al、Zr、W、V、Rh、Irおよびこれらの合金等の金属;ZnO、SnO、In(ITO)、WO、Al、Ga、TiOおよびTa等の金属酸化物;これらの組合せ等が挙げられる。導電体は、単層構造でも積層構造でもよい。
導電体の形成方法は特に制限されず、ガラス板上に銀粉等の金属粉とガラスフリットとを含む導電体形成用ペーストを塗工し、焼成する方法;スパッタ法、真空蒸着法およびイオンプレーティング法等の物理蒸着法(PVD:Physical Vapor Deposition);化学蒸着法(CVD:Chemical Vapor Deposition);ガラス板上に金属ワイヤーおよび金属箔等の導電材料をそのまま配置する方法等が挙げられる。
導電体は、異なる材料または異なる方法で形成された複数の導電部を有していてもよい。導電体は例えば、異なる材料または異なる方法で形成された電気的機能部と給電部とを有していてもよい。
なお、導電体は、ガラス板上に直接形成してもよいし、ガラス板上に形成された遮光層上に形成してもよい。
[第1実施形態]
図面を参照して、本発明に係る第1実施形態の車両用窓ガラスの構造について、説明する。
図1は、本実施形態の車両用窓ガラスの全体平面図である。ここでは、自動車のフロントガラスを例として図示してある。図2は、図1の部分拡大平面図である。図3は、図2のIII-III線断面図である。これらの図において、平面図および部分拡大平面図はいずれも、透視図である。これらの図はいずれも模式図であり、視認しやすくするため、図面ごとに、各構成要素の縮尺は実際のものとは適宜異ならせてある。
図3に示すように、本実施形態の車両用窓ガラス1は、ガラス板11の一方の表面に導電体20が形成された導電体付きガラス板11Xを含む複数のガラス板が中間膜12を介して貼り合わされた合わせガラス10を含む。
図示例において、合わせガラス10は、導電体付きガラス板11Xとガラス板13とが中間膜12を介して貼り合わされた合わせガラスである。本実施形態において、導電体付きガラス板11Xが車外側のガラスであり、ガラス板13が車内側のガラスである。合わせガラスは、3枚以上のガラス板を貼り合わせたものでもよい。
本実施形態の車両用窓ガラス1は例えば、自動車等の車両用の窓ガラスに好ましく適用できる。例えば、フロントガラス、サイドガラスおよびリアガラスに適用でき、フロントガラスに好ましく適用できる。車両用窓ガラス1の形状は適宜設計でき、例えば、平面視略台形状の板が全体的に湾曲した形状等が挙げられる。
本実施形態において、導電体20は、ワイパーに付着した霜、雪、および氷等を融かし、ワイパーの凍結を防止する機能を有する。図1中、符号WPを付した破線で示す領域は、ワイパーの可動領域である。
図1および図2に示すように、導電体20は、1本以上の電熱線20Lまたは電熱層からなる電気的機能部を含む。ここでは、導電体20が複数の電熱線20Lを含む場合を例として、図示してある。導電体20はさらに、一対の給電用電極(一対のバスバー)20Bを含む給電部を含むことができる。一対の給電用電極(一対のバスバー)20Bは、一方が正極であり、他方が負極である。導電体20は例えば、車両用窓ガラス1の下端部および/または少なくとも一方の側端部に形成できる。導電体20の構成、パターンおよび形成領域は、適宜設計できる。
図1に示すように、本実施形態の車両用窓ガラス1は、周縁領域に遮光層BLを有する。遮光層BLが形成されるガラス面および遮光層BLの形成領域は、適宜設計できる。
本実施形態において、遮光層BLは、ガラス板11の少なくとも一方の表面の周縁領域に形成され、ガラス板11の一方の表面上に形成された遮光層BL上に導電体20が形成されている。本実施形態において、図3に示すように、ガラス板11の中間膜12側の表面の周縁領域に、遮光層BLと導電体20とが積層されている。
図示するように、ガラス板13の少なくとも一方の表面の周縁領域に、遮光層BLが形成されてもよい。図示例では、ガラス板13の中間膜12と反対側の表面の周縁領域に、遮光層BLが形成されている。
本実施形態の車両用窓ガラス1は、給電用部材30を含み、導電体20と給電用部材30とが超音波接合されている。好ましくは、導電体20に含まれる給電部に、給電用部材30が超音波接合される。より好ましくは、導電体20に含まれる一対の給電用電極20Bにそれぞれ、給電用部材30が超音波接合される。 本実施形態において、図3に示すように、導電体20はガラス板11の中間膜12側の面上に形成され、給電用部材30の一部が合わせガラス10の内部に封入されている。
図5に部分拡大断面図を示すように、導電体20と給電用部材30との間には、導電体20に含まれる1種以上の金属元素と、給電用部材30に含まれる1種以上の金属元素とを含む超音波接合部(超音波接合層とも言う。)23が形成されている。超音波接合部(超音波接合層)23は、走査型電子顕微鏡(SEM)等を用いて観察できる。
導電体20に含まれる1種以上の金属元素と、給電用部材30に含まれる1種以上の金属元素とは、同種でも異種でもよい。
導電体20に含まれる1種以上の金属元素と、給電用部材30に含まれる1種以上の金属元素とが異種である場合、超音波接合部(超音波接合層)23は、導電体20に含まれる1種以上の金属元素と、給電用部材30に含まれる1種以上の金属元素とを含む合金を含む。
給電用部材30は、箔状および丸線状の導線を含むことができる。本実施形態では、給電用部材30の一部が合わせガラス10の内部に封入されるため、給電用部材30としては、フラットハーネスおよびフレキシブルプリント基板等の箔状の導線が好ましい。
図面を参照して、本実施形態の車両用窓ガラスの製造方法の各工程について、説明する。図4A~図4Cは、図3に対応した模式断面図である。
合わせガラスの材料である1枚以上のガラス板の所定の領域(本実施形態では周縁領域)に、黒色顔料とガラスフリットとを含むセラミックペーストを塗工し、乾燥させて、セラミックペースト層を形成する。乾燥条件はペースト組成に応じて適宜設計でき、例えば、120~150℃、約5分間が好ましい。
次に、1枚のガラス板に形成されたセラミックペースト層上に、銀粉等の金属粉とガラスフリットとを含む導電ペーストを塗工し、乾燥させて、導電ペースト層を形成する。乾燥条件はペースト組成に応じて適宜設計でき、例えば、120~150℃、約5分間が好ましい。
次に、各ガラス板を軟化点以上の温度(例えば700~800℃)に加熱し、各ガラス板を曲げ成形する。この工程では、同時に、セラミックペースト層および導電ペースト層が焼成され、遮光層BLおよび導電体20が形成される。焼成後、各ガラス板は徐冷される。
以上の工程後に、図4Aに示す、ガラス板11の一方の表面上に、遮光層BLと、遮光層BL上に形成された導電体20とを有する導電体付きガラス板11Xと、図4Cに示す、遮光層BLを有してもよいガラス板13が得られる。
次に、図4Bに示すように、導電体付きガラス板11Xの導電体20と給電用部材30とを超音波接合する(接合工程)。好ましくは、導電体付きガラス板11Xの導電体20に含まれる一対の給電用電極20Bのそれぞれに、給電用部材30の導体露出部を超音波接合する。
次に、図4Cに示すように、給電用部材30を接合した導電体付きガラス板11Xと、遮光層BLを有してもよいガラス板13とを、中間膜12の材料の樹脂フィルム12Fを介して貼り合わせる(貼合せ工程)。
樹脂フィルム12Fの構成樹脂は特に制限されず、例えば、ポリビニルブチラール(PVB)、エチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)、シクロオレフィンポリマー(COP)、ポリウレタン(PU)、およびアイオノマー樹脂からなる群より選ばれる1種以上の樹脂が好ましい。樹脂フィルム12Fは必要に応じて、樹脂以外の1種以上の添加剤を含んでいてもよい。添加剤として、顔料等の着色剤等が挙げられる。樹脂フィルム12Fは、無色透明でも有色透明でもよい。樹脂フィルム12Fは、単層構造でも2層以上の積層構造でもよい。
貼合せは、熱圧着により行うことができる。熱圧着法としては、図4Cに示す複数の部材を重ねて得られた仮積層体をゴム製等の袋の中に入れ、真空中で加熱する方法;自動加圧加熱処理装置およびオートクレーブ等を用いて仮積層体を加圧加熱する方法;これらの組合せが挙げられる。
温度、圧力および時間の熱圧着条件は特に制限されず、樹脂フィルム12Fの種類と温度に応じて設計される。熱圧着条件は、樹脂フィルム12Fが軟化し、充分に加圧され、導電体付きガラス板11Xと遮光層BLを有してもよいガラス板13とが樹脂を介して充分に接着される条件であればよい。熱圧着は、方法または条件を変えて、複数段階で実施してもよい。
なお、樹脂フィルム12Fの構成樹脂は軟化し、導電体付きガラス板11Xと遮光層BLを有してもよいガラス板13との間の空間を埋めるように、広がる。
上記貼合せ工程の後、必要に応じて、給電用部材30の合わせガラス10からはみ出した部分をガラス板13側に折り返す。
以上のようにして、本実施形態の車両用窓ガラス1が製造される。
超音波接合は、アンビルとホーンとを有する公知の超音波接合機を用いて、行うことができる。
アンビル上に導電体付きガラス板11Xをセットし、導電体付きガラス板11Xの導電体20(本実施形態では給電用電極20B)上に給電用部材30の金属が露出した先端部(導体露出部)を重ねる。この給電用部材30の先端部の上面に、超音波振動を発生するホーンを押し当てる。導電体付きガラス板11Xはアンビル上に固定され、給電用部材30の先端部はホーンと同調して振動する。
金属同士の接合の場合、超音波振動により、接合界面に存在する酸化膜および吸着ガス等の不純物が取り除かれ、接合界面に清浄な活性化した金属分子が現れる。結晶粒同士が原子間距離になるまで接近することで、金属原子間で強力な引力が働き、冶金結合が形成される。
ここでは、金属同士の接合を例として説明したが、1種以上の金属元素を含む金属または金属化合物からなる導電体であれば、同種または異種の導電体を超音波接合できる。
超音波接合は固相接合であるので、材料が溶融しない比較的低い温度で行うことができる。通常、材料の融点の1/3~1/2程度の低温で行うことができる。
超音波の発振周波数は特に制限されず、例えば、20~60kHz程度である。
加圧力は特に制限されず、例えば、2~5MPa程度である。
接合に要する時間は、半田接合に要する時間よりはるかに短く、例えば、0.3~1.5秒程度である。
図3において、給電用部材30の符号31で示す部分は、ホーンとアンビルに挟まれ、押圧され、薄くなった部分であり、被押圧部と言う。
一般的に、アンビルとホーンは、表面に複数の突起を有する。そのため、給電用部材30においてホーンに接した面は、ホーンの表面にある複数の突起によって押圧され、複数の凹部が形成される。給電用部材30の被押圧部31の導電体20と反対側の表層部(破線で囲む領域)は、複数の凹部(図示略)を含むことができる。
[発明が解決しようとする課題]の項で説明したように、従来の半田接合では、以下の課題がある。
導電体付きガラス板に対して半田接合を行うと、局所的に高温加熱と高温から常温への降温とが起こる。この導電体付きガラス板では、局所的に高温加熱による熱応力がかかり、また、降温後に応力が残留する場合がある。この加熱中の熱応力および降温後の残留応力が原因となり、窓ガラスの製造後に導電体付きガラス板にクラックが生じる恐れがある。
また、窓ガラスが合わせガラスを含み、接合工程を貼合せ工程の後に行う場合、接合工程において、貼合せ工程後に残った微量の空気が高温加熱で気泡となり、外観不良を引き起こす恐れがある。
さらに、半田接合は高温加熱と降温を要するため、工程に時間がかかり、温度管理が難しく、工程後に養生も必要である。
超音波接合では、材料が溶融しない比較的低い温度、通常、材料の融点の1/3~1/2程度の低温で行うことができる。そのため、導電体付きガラス板の局所的な高温加熱による熱応力および降温後の残留応力よる製造後のクラック発生を抑制できる。
また、窓ガラスが合わせガラスを含み、接合工程を貼合せ工程の後に行う場合でも、超音波接合では、高温加熱を要しないため、中間膜とガラス板との間に残る微量の空気に起因する接合工程中の気泡発生を抑制できる。
さらに、超音波接合では、高温加熱と降温を要しないため、工程時間が短く、温度管理が不要であり、工程後の養生も不要である。
そして、超音波接合では、半田接合と同等レベルの接合強度が得られる。
さらに、本実施形態では、以下の作用効果が得られる。
図1に示すようなワイパー凍結防止用の1本以上の電熱線または電熱層を含む導電体は、従来は、以下のようにして給電用部材を接合することが一般的である。
合わせガラスの内部に導電体が形成されるため、車内側のガラス板を部分的に切欠して、各給電用電極(各バスバー)の一部を露出させる。
ワイヤーハーネス等の給電用部材の先端部(導体露出部)にターミナル端子をかしめ固定し、そのターミナル端子を一方の給電用電極の露出部に半田を用いて接合する。他方の給電用電極に対しても、同様の方法で給電用部材を接合する。
車内側のガラス板が切欠された部分は、一対の給電用電極の露出部、一対の給電用部材の先端部およびターミナル端子が露出する。そのため、車内側のガラス板が切欠された部分には、水分の侵入を防ぐために封止用樹脂を注入する。また、封止用樹脂が車内側のガラス板上に流れることを防止するために、車内側のガラス板上にシール部材を貼り付ける。
車内側のガラス板に切欠部を設けると、このガラス板に僅かながらも、山部、谷部、山部のような湾曲部分が形成されることがある。この場合、合わせガラスを構成する車内側のガラス板と車外側のガラス板との間に剥がれが生じる、山部および谷部に不要な反射が見られるなどの恐れがある。さらに、湾曲部分を起点として、車内側のガラス板に割れが生じる恐れがある。
超音波接合を用いる本実施形態の方法では、ガラス板に切欠部を設ける必要がないので、上記のような不具合は生じない。
上記従来の方法は、工程が多く、さらに、半田接合工程と樹脂封止工程の後にそれぞれ、養生が必要であり、製造効率が良くない。さらに、封止用樹脂およびシール部材等の余分な材料が必要であり、樹脂封止部分の見栄えも良くない。
超音波接合を用いる本実施形態の方法では、従来の方法と異なり、多くの工程、並びに、スペーサおよび封止用樹脂等の余分な材料が不要であり、得られる車両用窓ガラスは見栄えも良い。
[第1実施形態の設計変更例1]
図6Aに示す設計変更例1の車両用窓ガラス2の構成および製造方法は、合わせガラスの代わりに強化ガラスを用いることを除けば、第1実施形態と同様である。第1実施形態と同じ構成要素には同じ参照符号を付して、説明は省略する。
車両用窓ガラス2は、強化ガラス51の一方の表面に導電体20が形成された導電体付きガラス板51Xを含む。強化ガラス51の一方の表面の周縁領域に、遮光層BLと導電体20とが積層されている。
車両用窓ガラス2は、給電用部材30を含み、導電体20と給電用部材30とが超音波接合されている。
車両用窓ガラス2は、以下のように製造できる。
強化ガラスの材料であるガラス板に、黒色顔料とガラスフリットとを含むセラミックペーストを塗工し、乾燥させて、セラミックペースト層を形成する。
上記セラミックペースト層上に、銀粉等の金属粉とガラスフリットとを含む導電ペーストを塗工し、乾燥させて、導電ペースト層を形成する。
ガラス板を軟化点以上の温度(例えば700~800℃)に加熱し、ガラス板を曲げ成形する。この工程では、同時に、セラミックペースト層および導電ペースト層が焼成され、遮光層BLおよび導電体20が形成される。
曲げ成形後、ガラス板を急冷することで、ガラス板を風冷強化する。あるいは、曲げ成形後、徐冷し、室温までガラス温度を下げた後、ガラス板に化学強化処理をして化学強化する。
以上の工程後に、強化ガラス51の一方の表面上に、遮光層BLと導電体20とが積層された導電体付きガラス板51Xが得られる。
次に、導電体付きガラス板51Xの導電体20と給電用部材30とを超音波接合する。好ましくは、導電体付きガラス板51Xの導電体20に含まれる一対の給電用電極20Bのそれぞれに、給電用部材30の導体露出部を超音波接合する。
必要に応じて、給電用部材30を引き廻す。
[第1実施形態の設計変更例2]
第1実施形態では、導電体20が、1本以上の電熱線20Lまたは電熱層からなる電気的機能部と、一対の給電用電極(一対のバスバー)20Bを含む給電部とを含む態様について、説明した。導電体20は、電気的機能部を含まず、給電部のみを含み、この給電部が導電体20に含まれない電気的機能部に接続される構成としてもよい。
例えば、図6Bに示すように、中間膜12の材料の樹脂フィルム12F上に、電気的機能部を含む導電体40を形成できる。例えば、導電体40は、1本以上の電熱線または電熱層からなる電気的機能部を含み、さらに必要に応じて、一対の給電用電極(一対のバスバー)を含む給電部を含むことができる。図6Bにおいて、第1実施形態と同じ構成要素には同じ参照符号を付して、説明は省略する。
例えば、樹脂フィルム12F上に、1本以上の電熱線としての1本以上の金属ワイヤー(例えば、タングステンワイヤー等)、および必要に応じて一対の給電用電極(バスバー)としての一対の金属箔(例えば、銅箔等)を配置できる。代替的に、樹脂フィルム12F上に、表面に1本以上の電熱線および一対の給電用電極が形成された樹脂フィルム(例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム)を配置してもよい。
樹脂フィルム12F上に形成された電気的機能部は、導電体付きガラス板11Xと樹脂フィルム12Fとガラス板13とを貼り合わせた後、導電体付きガラス板11Xに含まれる給電部のみからなる導電体20に接続される。樹脂フィルム12F上に形成された電気的機能部は、樹脂フィルム12F上に形成された給電部を介して、導電体付きガラス板11Xに含まれる給電部のみからなる導電体20に接続されてもよい。
なお、樹脂フィルム12F上に形成される、電気的機能部および必要に応じて給電部を含む導電体40、並びに、導電体付きガラス板11Xに含まれる給電部のみからなる導電体20の構成、材料、形成方法、パターンおよび形成領域は、適宜設計できる。
この設計変更例においても、第1実施形態と同様、導電体20と給電用部材30とを超音波接合し、この接合工程の後に、貼合せ工程を実施することができる。
[第2実施形態]
図面を参照して、本発明に係る第2実施形態の車両用窓ガラスの構造について、説明する。図7Aは、本実施形態の車両用窓ガラスの全体平面図である。ここでは、自動車のフロントガラスを例として図示してある。図7Bは、図7Aの部分拡大平面図である。図8は、図7BのVIII-VIII線断面図である。これらの図において、平面図および部分拡大平面図はいずれも、透視図である。これらの図はいずれも模式図であり、視認しやすくするため、図面ごとに、各構成要素の縮尺は実際のものとは適宜異ならせてある。第1実施形態と同じ構成要素には同じ参照符号を付して、説明は省略する。
図8に示すように、本実施形態の車両用窓ガラス3は、ガラス板13の一方の表面に導電体80が形成された導電体付きガラス板13Xを含む複数のガラス板が中間膜12を介して貼り合わされた合わせガラス60を含む。
図示例において、合わせガラス60は、ガラス板11と導電体付きガラス板13Xとが中間膜12を介して貼り合わされた合わせガラスである。本実施形態において、ガラス板11が車外側のガラスであり、導電体付きガラス板13Xが車内側のガラスである。
図7Aに示すように、車両用窓ガラス3は、光学装置が取り付けられる光学装置取付領域OPと、光学装置取付領域OP内に位置し、外部から光学装置への入射光および/または光学装置からの出射光が通る透光部TPと、遮光層BLとを有する。
図示するように、透光部TPは、車両用窓ガラス3の一端辺(図示例では上端辺)に比較的近い領域に形成できる。
遮光層BLの形成領域は、光学装置取付領域OPから透光部TPを除いた領域と、光学装置取付領域OPの周囲の領域と、車両用窓ガラス3の周縁領域とを含む。
光学装置は例えば、自動運転および衝突事故の防止等のために、車両前方の情報を取得する、カメラ、LiDAR(Light Detection And Ranging)、レーダー、および光センサ等の光学機器と、これを収容するブラケット等と呼ばれる筐体とを含むことができる。
光学装置取付領域OPおよび透光部TPの形状は光学装置の形状に合わせて適宜設計でき、略台形状および略矩形状等が挙げられる。光学装置取付領域OPおよび透光部TPの形状は、相似形でも非相似形でもよい。図示例では、光学装置取付領域OPおよび透光部TPの形状は、略台形状である。
図示例では、遮光層BLは透光部TPの四辺すべてを囲んでいるが、遮光層BLは透光部TPの少なくとも一部を囲んでいればよく、例えば、略台形状または略矩形状の透光部TPの三辺のみを囲むものであってもよい。
透光部TPが透過する光の波長域は特に制限されず、例えば、可視光域、赤外光域、および可視光域~赤外光域等である。
図7Bに示すように、本実施形態において、導電体80は、1本の電熱線80Lまたは電熱層からなる電気的機能部を含む。導電体80はさらに、一対の給電用電極(一対のバスバー)80Bを含む給電部を含むことができる。なお、導電体80は、複数本の電熱線80Lを含んでいてもよい。導電体80の構成およびパターンは、適宜設計できる。
導電体80は、光学装置取付領域OP内に配置することが好ましい。
導電体80は、車両用窓ガラス3のほぼ全面に形成してもよい。
光学装置に含まれるカメラおよびレーダー等の光学機器の前方に位置する透光部TPを含む領域に、曇りおよび霜の防止のための電熱線80Lまたは電熱層を設けることで、光学装置のセンシング精度を向上できる。
電熱線80Lのラインパターンおよび配列パターンは特に制限されない。例えば、図7Bに示すように、平面視にて、電熱線80Lが透光部TPを複数回以上横断するように折り返されていると、透光部TPに付着した霜および水滴を効率良く除去することができ、好ましい。
一方の給電用電極から他方の給電用電極に至るまでの途中で、電熱線80Lの線幅が変化してもよい。電熱線80Lの発熱量を調整するために、透光部TP以外の領域にも電熱線80Lを配置させてもよい。
本実施形態の車両用窓ガラス3は、給電用部材90を含み、導電体80と給電用部材90とが超音波接合されている。好ましくは、導電体80に含まれる給電部に、給電用部材90が超音波接合される。より好ましくは、導電体80に含まれる一対の給電用電極80Bにそれぞれ、給電用部材90が超音波接合される。
本実施形態において、導電体80はガラス板13の中間膜12と反対側の面上に形成されている。
給電用部材90は、箔状および丸線状の導線を含むことができる。本実施形態では、給電用部材90の一部が、合わせガラス60の内部に封入されないため、任意の形態の給電用部材を用いることができる。
第1実施形態と同様、給電用部材90として、フラットハーネスおよびフレキシブルプリント基板等の箔状の導線をそのまま、導電体80に超音波接合してもよい。
給電用部材90として、一端部に取り付けられた金属板を含むものを用いてもよい。
例えば、図示するように、給電用部材90として、ワイヤーハーネス等の導線91の先端部(導体露出部)にターミナル端子92をかしめ固定し、このターミナル端子92を金属板93に公知方法で接合したものを用いることができる。
箔状または丸線状の導線を導電体80に超音波接合するよりも、金属板93を導電体80に超音波接合する方が、給電用部材90が剥がれにくい場合がある。
第1実施形態と同様、本実施形態においても、導電体80と給電用部材90との接合界面には、導電体80に含まれる1種以上の金属元素と、給電用部材90に含まれる1種以上の金属元素とを含む超音波接合部(超音波接合層)が形成される。この超音波接合部(超音波接合層)は、第1実施形態において図5に示した超音波接合部(超音波接合層)23と同様である。
図面を参照して、本実施形態の車両用窓ガラスの製造方法の各工程について、説明する。図9Aおよび図9Bは、図3に対応した模式断面図である。
合わせガラスの材料である1枚以上のガラス板に、黒色顔料とガラスフリットとを含むセラミックペーストを塗工し、乾燥させて、セラミックペースト層を形成する。
次に、1枚のガラス板に形成されたセラミックペースト層上に、銀粉等の金属粉とガラスフリットとを含む導電ペーストを塗工し、乾燥させて、導電ペースト層を形成する。
次に、各ガラス板を軟化点以上の温度(例えば700~800℃)に加熱し、各ガラス板を曲げ成形する。この工程では、同時に、セラミックペースト層および導電ペースト層が焼成され、遮光層BLおよび導電体80が形成される。焼成後、各ガラス板は徐冷される。
これらの工程後に、遮光層BLを有してもよいガラス板11と、ガラス板13の一方の表面上に、遮光層BLと、遮光層BL上に形成された導電体80とを有する導電体付きガラス板13Xとが得られる。
次に、公知方法にて、遮光層BLを有してもよいガラス板11と、導電体付きガラス板13Xとを、中間膜12を介して貼り合わせる(貼合せ工程)。貼合せ方法は、第1実施形態と同様である。これら工程後に、図9Aに示す合わせガラス60が得られる。
別途、給電用部材90を用意する。
給電用部材90として、フラットハーネスおよびフレキシブルプリント基板等の箔状の導線をそのまま用いてもよい。
図示例では、ワイヤーハーネス等の導線91の先端部(導体露出部)にターミナル端子92をかしめ固定し、このターミナル端子92を金属板93に公知方法で接合して、給電用部材90を用意している。
次に、合わせガラス60に含まれる導電体付きガラス板13Xの導電体80と給電用部材90とを超音波接合する(接合工程)。好ましくは、導電体付きガラス板13Xの導電体80に含まれる一対の給電用電極80Bのそれぞれに、給電用部材90を超音波接合する。超音波接合方法は、第1実施形態と同様である。
金属板93を含む給電用部材90を用いる場合、導電体付きガラス板13Xの導電体80に対して、先に、金属板93のみを超音波接合し、この金属板93に対して、公知方法にて、導線91の先端部(導体露出部)にターミナル端子92をかしめ固定したものを接合してもよい。
上記接合工程の後、必要に応じて、給電用部材90を引き廻す。
以上のようにして、本実施形態の車両用窓ガラス3が製造される。
ここでは、接合工程の前に貼合せ工程を実施する場合について説明したが、接合工程の後に貼合せ工程を実施してもよい。
[第2実施形態の設計変更例]
図10に示す設計変更例の車両用窓ガラス4の構成および製造方法は、合わせガラスの代わりに強化ガラスを用いたことを除けば、第2実施形態と同様である。第2実施形態と同じ構成要素には同じ参照符号を付して、説明は省略する。
車両用窓ガラス4は、強化ガラス71の一方の表面に導電体80が形成された導電体付きガラス板71Xを含む。強化ガラス71の一方の表面の周縁領域に、遮光層BLと導電体80とが積層されている。
車両用窓ガラス4は、給電用部材90を含み、導電体80と給電用部材90とが超音波接合されている。
車両用窓ガラス4は、以下のように製造できる。
強化ガラスの材料であるガラス板に、黒色顔料とガラスフリットとを含むセラミックペーストを塗工し、乾燥させて、セラミックペースト層を形成する。
上記セラミックペースト層上に、銀粉等の金属粉とガラスフリットとを含む導電ペーストを塗工し、乾燥させて、導電ペースト層を形成する。
ガラス板を軟化点以上の温度(例えば700~800℃)に加熱し、ガラス板を曲げ成形する。この工程では、同時に、セラミックペースト層および導電ペースト層が焼成され、遮光層BLおよび導電体80が形成される。
曲げ成形後、ガラス板を急冷することで、ガラス板を風冷強化する。あるいは、曲げ成形後、徐冷し、室温までガラス温度を下げた後、ガラス板に化学強化処理をして化学強化する。
以上の工程後に、強化ガラス71の一方の表面上に、遮光層BLと導電体80とが積層された導電体付きガラス板71Xが得られる。
次に、導電体付きガラス板71Xの導電体80と給電用部材90とを超音波接合する。好ましくは、導電体付きガラス板71Xの導電体80に含まれる一対の給電用電極80Bのそれぞれに、給電用部材90の導体露出部を超音波接合する。
必要に応じて、給電用部材90を引き廻す。
以上説明したように、本発明によれば、導電体と給電用部材とを、半田接合より、短い時間かつ低い温度で行うことが可能な車両用窓ガラスとその製造方法を提供できる。
以下に、実施例に基づいて本発明について説明するが、本発明は、これらに限定されるものではない。例1が実施例、例2が比較例である。
[例1]
第1実施形態において、図4A~図4Cを参照して説明した製造方法に従って、図1~図3に示したような合わせガラスを含む車両用窓ガラス1を製造した。
合わせガラスの材料として、平面視略台形状の自動車のフロントガラス用の2枚のガラス板11、13を用意した。
ガラス板11、13の周縁領域にそれぞれ、黒色顔料とガラスフリットとを含むセラミックペーストを塗工し、乾燥させて、セラミックペースト層を形成した。乾燥条件は、120~150℃、約5分間とした。
次に、ガラス板11に形成されたセラミックペースト層上に、銀粉とガラスフリットとを含む導電ペーストを塗工し、乾燥させて、導電ペースト層を形成した。乾燥条件は、120~150℃、約5分間とした。
次に、各ガラス板を軟化点以上の温度(700~800℃)に加熱し、各ガラス板を曲げ成形した。この工程では、同時に、セラミックペースト層および導電ペースト層が焼成され、遮光層BLおよび導電体20が形成された。焼成後、各ガラス板を徐冷した。
これらの工程後に、図4Aに示す、ガラス板11の一方の表面上に、遮光層BLと、遮光層BL上に形成された導電体20とを有する導電体付きガラス板11Xと、図4Cに示す、遮光層BLを有するガラス板13が得られた。
導電体20は、複数の電熱線20Lからなる電気的機能部と、一対の給電用電極(一対のバスバー)20Bを含む給電部とを含む構成とした。
次に、図4Bに示すように、導電体付きガラス板11Xの導電体20に含まれる一対の給電用電極20Bのそれぞれに、給電用部材30の先端部(導体露出部)を超音波接合した。
給電用部材30として、幅15mmの市販のフラットハーネスを用いた。この給電用部材30の先端部(導体露出部)は、銅箔の表面にSnめっき層が形成された構造であった。
超音波金属接合機として、精電舎社製「846D」を用いた。
アンビル上に導電体付きガラス板11Xをセットし、導電体付きガラス板11Xの導電体20に含まれる一方の給電用電極20B上に、給電用部材30の先端部(導体露出部)を重ねた。この給電用部材30の先端部の上面に、超音波振動を発生するホーンを押し当てた。
超音波接合条件は、以下の通りであった。
ホーン径:32mmφ、
超音波の発振周波数:39.5kHz、
超音波の発振時間:0.5秒、
加圧力:0.3MPa、
ピークパワー:162W、
エネルギー:81J。
次に、図4Cに示すように、導電体付きガラス板11Xと、中間膜12の材料の樹脂フィルム12Fと、遮光層BLを有するガラス板13とを重ねた。このとき、導電体20が樹脂フィルム12Fに接するようにした。樹脂フィルム12Fとして、ポリビニルブチラール(PVB)フィルム(0.76mm厚)を用いた。
得られた仮積層体をゴム製の袋の中に入れ、-80kPaの真空中で、120℃に加熱した後、温度105℃、圧力1.3MPaの条件で加圧加熱した。
以上のようにして、給電用部材30の一部が合わせガラス10の内部に封入された車両用窓ガラス1を得た。給電用部材30の、合わせガラス10の内部に封入された部分の長さは、55mm±3mmであった。
[例2]
図6Bを参照して説明したような第1実施形態の設計変更例2において、導電体20に対して、例1で用いたのと同じフラットハーネスを半田接合した従来の車両用窓ガラスを用意した。
[評価]
(SEM断面観察)
図11A~図11Dに、例1で得られた車両用窓ガラス1のSEM断面写真の例を示す。
図11Aは、ガラス板上に、遮光層と、Agペーストを用いて形成されたAg含有導電層とが形成された導電体付きガラス板と、Cuの表面にSnめっき層が形成されたフラットハーネスの導体露出部とを超音波接合したサンプルのSEM断面写真である。
図11Bは、図11A中の「1-1」で示す領域の拡大写真である。
図11Cは、図11Bのコントラストを強調した写真である。
図11Dは、図11B中の「1-2」で示す領域の拡大写真である。図11D中、Ag-Sn合金層の輪郭を太破線で示してある。
図11Dには、導電体付きガラス板に含まれる導電体(Ag含有導電層)と給電用部材の導体露出部の表面にあるSnめっき層との間に、これらの構成金属を含む合金層からなる超音波接合部(超音波接合層)が形成されている様子が示されている。
(引抜き荷重試験)
例1および例2で得られた車両用窓ガラスについて、以下のように、引抜き荷重試験を実施した。
地面に対して水平な台の上に、得られた車両用窓ガラスを水平に固定し、合わせガラスからはみ出したフラットハーネスの端部を、専用の把持具で把持した。この専用の把持具を、掴みプルゲージ(株式会社イマダ社製「ZTA-5000N」)を用いて引っ張り、フラットハーネスが破断したときの荷重値を測定した。
14サンプルについて測定を行い、平均値(Avg)、最大値(Max)および最小値(Min)を求めた。評価結果を表1に示す。荷重値の単位は、「ニュートン」である。
超音波接合を用いた例1で得られた車両用窓ガラスの引抜き荷重値は、半田接合を用いた例2で得られた車両用窓ガラスの引抜き荷重値と同等レベルであった。
超音波接合を用いて、半田接合と同等レベルの接合強度が得られることが示された。
Figure 2023042674000002
本発明は上記実施形態及び実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて、適宜設計変更できる。
1~4:車両用窓ガラス、10、60:合わせガラス、11、13:ガラス板、11X、13X:導電体付きガラス板、12:中間膜、20、80:導電体、20B、80B:給電用電極(給電部)、20L、80L:電熱線(電気的機能部)、23:超音波接合部、30、90:給電用部材、51、71:強化ガラス、51X、71X:導電体付きガラス板、93:金属板、BL:遮光層。

Claims (15)

  1. ガラス板と、当該ガラス板の一方の表面の上に形成された導電体とを有する導電体付きガラス板と、給電用部材とを備えた車両用窓ガラスの製造方法であって、
    前記導電体と前記給電用部材とを超音波接合する接合工程を有する、車両用窓ガラスの製造方法。
  2. 前記導電体は、電気的機能部を含むか、電気的機能部に接続されており、
    前記導電体は、前記電気的機能部に給電するための給電部を含み、
    前記給電部と前記給電用部材とを超音波接合する、請求項1に記載の車両用窓ガラスの製造方法。
  3. 前記給電用部材は、箔状または丸線状の導線を含む、請求項1または2に記載の車両用窓ガラスの製造方法。
  4. 前記給電用部材は、一端部に取り付けられた金属板を含む、請求項1~3のいずれか1項に記載の車両用窓ガラスの製造方法。
  5. 前記車両用窓ガラスは、前記導電体付きガラス板を含む複数のガラス板が中間膜を介して貼り合わされ、前記導電体が前記導電体付きガラス板の前記中間膜側に形成された合わせガラスを含み、
    前記接合工程の後に、
    前記複数のガラス板を、前記中間膜を介して貼り合わせる貼合せ工程を有する、請求項1~4のいずれか1項に記載の車両用窓ガラスの製造方法。
  6. 前記車両用窓ガラスは、前記導電体付きガラス板を含む複数のガラス板が中間膜を介して貼り合わされ、前記導電体が前記導電体付きガラス板の前記中間膜側と反対側に形成された合わせガラスを含み、
    前記接合工程の前または後に、
    前記複数のガラス板を、前記中間膜を介して貼り合わせる貼合せ工程を有する、請求項1~4のいずれか1項に記載の車両用窓ガラスの製造方法。
  7. 前記車両用窓ガラスは、強化ガラスを含む、請求項1~4のいずれか1項に記載の車両用窓ガラスの製造方法。
  8. ガラス板と、当該ガラス板の一方の表面の上に形成された導電体とを有する導電体付きガラス板と、給電用部材とを備えた車両用窓ガラスであって、
    前記導電体と前記給電用部材とが接合した超音波接合部を有する、車両用窓ガラス。
  9. 前記導電体は、電気的機能部を含むか、電気的機能部に電気的に接続されており、
    前記導電体は、前記電気的機能部に給電するための給電部を含み、
    前記給電部と前記給電用部材とが接合した前記超音波接合部を有する、請求項8に記載の車両用窓ガラス。
  10. 前記給電用部材は、箔状または丸線状の導線を含む、請求項8または9に記載の車両用窓ガラス。
  11. 前記給電用部材は、一端部に取り付けられた金属板を含む、請求項8~10のいずれか1項に記載の車両用窓ガラス。
  12. 前記導電体付きガラス板を含む複数のガラス板が中間膜を介して貼り合わされた合わせガラスを含む、請求項8~11のいずれか1項に記載の車両用窓ガラス。
  13. 前記導電体が前記導電体付きガラス板の前記中間膜側に形成され、前記給電用部材の一部が前記合わせガラスの内部に封入された、請求項12に記載の車両用窓ガラス。
  14. 前記導電体が前記導電体付きガラス板の前記中間膜側と反対側に形成された、請求項12に記載の車両用窓ガラス。
  15. 強化ガラスを含む、請求項8~11のいずれか1項に記載の車両用窓ガラス。
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