JP2023041476A - シール構造及び船舶用推進器 - Google Patents

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Keita Fujii
雄大 岡田
Yudai Okada
敦 竹田
Atsushi Takeda
彰充 杉原
Akimitsu Sugihara
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【課題】油の流出を防ぐためのシールと海水の浸入を防ぐためのシールとがそれぞれ分離して構成されるシール構造及び当該シール構造を備えた船舶用推進器を提供する。【解決手段】船舶の駆動部に連結される駆動軸に取り付けられるシール装置20であって、海水の浸入を防ぐための海水用シールユニット21と、前記海水用シールユニット21の上方に所定の空間SPを介して配置され、前記駆動部からの油の流出を防ぐための潤滑油用シールユニット25と、を備え、少なくとも前記潤滑油用シールユニット25は、船内に配置される。【選択図】図3

Description

本発明は、シール構造及び船舶用推進器に関する。
従来から、エンジンや動力伝達機構等の駆動部に潤滑油が使用される船舶用の推進器では、潤滑油が海洋に流出する、あるいは海水が推進器内に浸入するのを防止するため、プロペラを備えた推進軸(駆動軸)に取り付けられるシール装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
従来の一般的な船舶用のシール装置は、油流出防止用シール、海水浸入防止用シールが1つのシールユニットで構成されている。このようなシールユニットに不具合が起きた場合には油が海洋に流出する、あるいは海水が推進器内に浸入するリスクが高い。また、このようなシールユニットでは、シールユニットに不具合が発生した場合に油の漏れ量、海水の浸入量を目視にて確認することやそれらの変化をモニタリングすることは構造上困難であった。さらに、シールユニットの不具合発生時に洋上でシール性能を回復させることは、従来のシール構造では難しく、基本的には船舶が入渠してから対応することが必要であった。そのため、このような課題を解決できるシール構造が求められている。
特開平11-153294号公報
そこで、本発明においては、油の流出を防ぐためのシールと海水の浸入を防ぐためのシールとがそれぞれ分離して構成されるシール構造及び当該シール構造を備えた船舶用推進器を提供することを課題とする。
第一の発明のシール構造は、
船舶の駆動部に連結される駆動軸に取り付けられるシール構造であって、
海水の浸入を防ぐための海水用シールと、
前記海水用シールの一方に所定の空間を介して配置され、前記駆動部からの油の流出を防ぐための油用シールと、を備え、
少なくとも前記油用シールは、船内に配置されるものである。
第二の発明のシール構造において、
前記海水用シールは、通常時には作動させない予備の海水用シールを備えるものである。
第三の発明のシール構造において、
前記予備の海水用シールは、前記海水用シールから取り外し可能なスペーサを介して前記海水用シールの一部に配置され、
前記予備の海水用シールの使用時には前記スペーサを取り外して前記予備の海水用シールを他方に移動させることで、前記予備の海水用シールが作動するものである。
第四の発明のシール構造において、
前記予備の海水用シールの一方において前記駆動軸の外周面に取り付けられる円筒状のシールライナを備え、
前記予備の海水用シールの使用時には前記シールライナを他方に移動させることで、前記シールライナを介して前記予備の海水用シールが作動するものである。
第五の発明のシール構造において、
前記油用シールは、通常時には作動させない予備の油用シールを備えるものである。
第六の発明のシール構造において、
前記予備の油用シールは、前記油用シールから取り外し可能なスペーサを介して前記油用シールの一部に配置され、
前記予備の油用シールの使用時には前記スペーサを取り外して前記予備の油用シールを他方に移動させることで、前記予備の油用シールが作動するものである。
第七の発明のシール構造において、
前記予備の油用シールの一方において前記駆動軸の外周面に取り付けられる円筒状のシールライナを備え、
前記予備の油用シールの使用時には前記シールライナを他方に移動させることで、前記シールライナを介して前記予備の油用シールが作動するものである。
第八の発明のシール構造において、
前記海水用シールから船内に浸入した海水を回収する回収部と、
前記浸入した海水を検知したときに、可視可聴の警報を発する警報発生部と、を備えるものである。
第九の発明のシール構造において、
前記油用シールから船内に漏洩した油を回収する回収部と、
前記漏洩した油を検知したときに、可視可聴の警報を発する警報発生部と、を備えるものである。
第十の発明の船舶用推進器は、前記第一から前記第九の発明の何れかのシール構造を備えるものである。
第一の発明に係るシール構造は、海水用シールの一方に所定の空間を介して配置され、駆動部からの油の流出を防ぐための油用シールが設けられている。かかるシール構造によれば、船内において、油用シールと海水用シールを所定の空間を介して上下に分離して構成されるので、例えばギヤボックス等の動力伝達機構の潤滑油は船内に流出するに留まり、船外(海洋)に油が流出することを防止することができる。また、このシール構造によれば、所定の空間を設けたことで、シール構造に不具合が発生した時に油の漏れ量、海水の浸入量を作業員が目視にて確認することやそれらの変化を容易にモニタリングすることができる。
第二の発明に係るシール構造は、海水用シールが通常時には作動させない予備の海水用シールを備える。かかるシール構造によれば、使用中の海水用シールに不具合が生じた場合でも、予備の海水用シールを作動させることで短時間でシール性能を回復することができる。
第三の発明に係るシール構造は、予備の海水用シールの使用時にスペーサを取り外して予備の海水用シールを他方に移動させることで、予備の海水用シールが作動する。かかるシール構造によれば、万一、洋上でシール性能が低下した場合でもスペーサを取り外すことで予備の海水用シールが容易に使用可能となる。これにより、船舶を入渠することなく洋上でシール性能を容易に回復することができる。
第四の発明に係るシール構造は、予備の海水用シールの使用時にシールライナを他方に移動させることで、シールライナを介して予備の海水用シールが作動する。かかるシール構造によれば、万一、洋上でシール性能が低下した場合でも予備の海水用シールが容易に使用可能となる。これにより、船舶を入渠することなく洋上でシール性能を容易に回復することができる。
第五の発明に係るシール構造は、油用シールが通常時には作動させない予備の油用シールを備える。かかるシール構造によれば、使用中の油用シールに不具合が生じた場合でも、予備の油用シールを作動させることで短時間でシール性能を回復することができる。
第六の発明に係るシール構造は、予備の油用シールの使用時にスペーサを取り外して予備の油用シールを他方に移動させることで、予備の油用シールが作動する。かかるシール構造によれば、万一、洋上でシール性能が低下した場合でもスペーサを取り外すことで予備の油用シールが容易に使用可能となる。これにより、船舶を入渠することなく洋上でシール性能を容易に回復することができる。
第七の発明に係るシール構造は、予備の油用シールの使用時にシールライナを他方に移動させることで、シールライナを介して予備の油用シールが作動する。かかるシール構造によれば、万一、洋上でシール性能が低下した場合でも予備の油用シールが容易に使用可能となる。これにより、船舶を入渠することなく洋上でシール性能を容易に回復することができる。
第八の発明に係るシール構造は、前記海水用シールから船内に浸入した海水を回収する回収部と、前記浸入した海水を検知したときに、可視可聴の警報を発する警報発生部と、を備える。かかるシール構造によれば、海水用シールから船内に海水が浸入した際に、回収部により迅速に回収するとともに、警報発生部により船内に海水が浸入したことを船舶の乗員に速やかに知らせることができる。
第九の発明に係るシール構造は、前記油用シールから船内に漏洩した油を回収する回収部と、前記漏洩した油を検知したときに、可視可聴の警報を発する警報発生部と、を備える。かかるシール構造によれば、油用シールから船内に油が漏洩した際に、回収部により迅速に回収するとともに、警報発生部により船内に油が漏洩したことを船舶の乗員に速やかに知らせることができる。
第十の発明に係る船舶用推進器は、第一から第九の発明の何れかのシール構造を備える。かかる船舶用推進器よれば、第一から第四の発明のそれぞれのシール構造が有する効果を奏することができる。
船舶用推進器を示す断面図。 船舶の船底に船舶用推進器を取り付けた状態を示す図。 第一実施形態のシール装置を示す断面図。 第二実施形態のシール装置を示す断面図であり、回転軸Cよりも左側は予備海水用シールが作動していない状態(通常時)を示す図、回転軸Cよりも右側は予備海水用シールが作動している状態を示す図。 第三実施形態のシール装置を示す断面図であり、回転軸Cよりも左側は予備海水用シールが作動していない状態(通常時)を示す図、回転軸Cよりも右側は予備海水用シールが作動している状態を示す図。 第四実施形態のシール装置を示す断面図であり、回転軸Cよりも左側は予備海水用シールが作動していない状態(通常時)を示す図、回転軸Cよりも右側は予備海水用シールが作動している状態を示す図。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
なお、本実施形態において、図1における上下方向を、シール構造(シール装置)及び船舶用推進器1の「上下方向」として説明する。また、図1に示す前後方向を、シール構造(シール装置)及び船舶用推進器1の「前後方向」として説明する。また、船舶用推進器1を船舶Sに取り付けた場合、前方向を「船首方向」、後方向を「船尾方向」ともいう。
また、本実施形態における「船内」とは、乗組員や作業員が立ち入り可能な船舶内の空間部分を意味している。
まず、図1を用いて船舶用推進器1の概略について説明する。船舶用推進器1(以下、単に推進器1ともいう)は、図2に示すように船舶Sに装備されるスラスタとして適用され、例えば船舶Sの船底Bに取り付けられる。推進器1は、ケーシング2と、ケーシング2を船底Bに保持するための基台3と、ケーシング2の内部に形成される断面視略U字形状の流路であるダクト4と、ダクト4の上流側(船首側)に設けられるインペラ軸5に連結されたインペラ6と、ダクト4の下流側(船尾側)に設けられるステアリング軸7に連結されたステアリングノズル8と、を主に備えている。インペラ軸5及びステアリング軸7は、駆動軸の一例である。ダクト4の上流端には、船底Bの下面と略面一となる吸込口9が連設されている。ダクト4の下流端には、ステアリングノズル8がステアリング軸7により回動可能に配置される。ステアリングノズル8は、船底Bの下面と略面一となる吐出口10を有している。インペラ軸5は、上下方向に延出され、船内の据付面A上に配置されたハウジング11内の駆動部の一例である動力伝達機構(図示せず)に連結されている。この動力伝達機構は、駆動源100(図2参照)に連結され、当該駆動源100から駆動力が伝達される。
なお、船舶用推進器1は、船舶Sの船体において水中に没する任意の箇所に取り付けることが可能であり、例えば、船底B以外に船首や船尾の船体側部等に取り付けることも可能であり、本実施形態で示す船舶用推進器1の取付箇所や取付方向に特に限定するものでない。例えば、船舶の前後方向において、前側に吐出口10(ステアリングノズル8)を配置し、吐出口10の後側に吸込口9を配置してもよい。また、船舶の左右方向において、一側に吸込口9を配置し、他側に吐出口10を配置してもよい。
また、船舶用推進器1は、図2に示すように船底Bに設けた場合は、船舶Sが低喫水での航行時においても常時安定して推力を発生することができる。
ハウジング11は、動力伝達機構が収容されるハウジング本体11aと、当該ハウジング本体11aの下部から下方に突出するハウジング支持部11bを有する。ハウジング支持部11bは、ケーシング2の上端部に固定され、ハウジング本体11aを支持する。インペラ軸5は、動力伝達機構を介して駆動源100の駆動力が伝達されて回転駆動する。これにより、インペラ6は、インペラ軸5により回転軸Cを中心として回転駆動される。ステアリング軸7は、上下方向に延出され、船内の据付面A上に配置されたハウジング12内の駆動部の一例である動力伝達機構(図示せず)に連結されている。この動力伝達機構は、駆動源(図示せず)に連結され、当該駆動源から駆動力が伝達される。ハウジング12は、動力伝達機構が収容されるハウジング本体12aと、当該ハウジング本体12aの下部から下方に突出するハウジング支持部12bを有する。ハウジング支持部12bは、ケーシング2の上端部に固定され、ハウジング本体12aを支持する。ステアリング軸7は、動力伝達機構を介して駆動源の駆動力が伝達されて回動駆動されることで、ステアリング軸7に連結されたステアリングノズル8が回動軸Dを中心として360度の任意の位置に回動可能である。
以上の構成からなる推進器1は、インペラ6の回転駆動により吸込口9から図1に示す矢印のように水を吸い込み、当該インペラ6で水を昇圧してダクト4内を経由させてステアリングノズル8の吐出口10から外部に吐出される。この水の吐出による反動により、船舶は推力を受けて進行する。また、ステアリングノズル8の吐出口10の向きはステアリング軸7の回動角度を適宜制御することで、360度の範囲で任意の位置に設定することができるため、吐出口10からの吐出水流の向きを全方位に設定でき、推力の方向を全方位に適宜変更可能となる。
ステアリング軸7には、本発明のシール構造の第一実施形態であるシール装置20が取り付けられる。また、インペラ軸5には、本発明のシール構造の第二実施形態であるシール装置30が取り付けられる。
図3に示すように、シール装置20は、海水の浸入を防ぐための海水用シールの一例である海水用シールユニット21と、海水用シールユニット21の上方に所定の空間SPを介して配置され、ハウジング12内の動力伝達機構からの潤滑油の流出を防ぐための潤滑油用シールの一例である潤滑油用シールユニット25とを主に備える。潤滑油用シールユニット25は、船内の据付面Aと略同じ高さ位置に配置されている。
なお、本実施形態では、ステアリング軸7が鉛直方向に延出され、海水用シールユニット21と潤滑油用シールユニット25の位置が上下に配置されているが、例えばステアリング軸7が水平方向に延出され、海水用シールユニット21と潤滑油用シールユニット25の各位置が左右に配置される構成であってもよい。
海水用シールユニット21は、海水用シール保持部22と、海水用シール23とを有する。
海水用シール保持部22は、略円筒状の円筒部22aと、当該円筒部22aの上端から径方向外側に延出される円環鍔状の取付部22bと、円筒部22aの下端から径方向内側に延出される円環状の延出部22cと、複数の海水用シール23の最上端を係止する円環状の係止部材22dとを有している。係止部材22dは、図示しない取付部材により円筒部22aの上端部に固定される。このように固定することで、複数の海水用シール23は、上下方向に安定して保持される。
なお、本実施形態では、一つの海水用シール23を設ける構成であるが、例えば、上下方向に複数の海水用シール23を並べて設ける構成であってもよい。
海水用シール23は、円筒部22aの径方向内側に配置される円環状の弾性部材である。
海水用シールユニット21は、推進器1が有するステアリング軸7とケーシング2の上部との間の空間に収容された状態で取付部材により取付部22bがケーシング2の上端部に固定される。これにより、海水用シールユニット21の海水用シール23は、ステアリング軸7の外周面に摺動可能に当接し、海水用シール23により封止(シール)される。
潤滑油用シールユニット25は、所定の空間SPを介して海水用シールユニット21の上方に配置されている。すなわち、潤滑油用シールユニット25と海水用シールユニット21は、所定の空間SPを介して対向配置されている。空間SP内の状態は、ハウジング12のハウジング支持部12bに設けられた開口部(図示せず)を介してハウジング12の外部から作業者が目視可能である。
潤滑油用シールユニット25は、潤滑油用シール保持部26と、潤滑油用シール27とを有する。
潤滑油用シール保持部26は、全体として水平方向に扁平な円筒状に形成される円筒部26aと、当該円筒部26aの上端から径方向内側に延出される円環状の延出部26bと、潤滑油用シール27の下端を係止する円環状の係止部材26cとを有している。係止部材26cは、図示しない取付部材により円筒部26aの下端部に固定される。
潤滑油用シール27は、円筒部26aの径方向内側に配置される円環状の弾性部材である。
潤滑油用シールユニット25は、取付部材により円筒部26aがハウジング本体12aの下端部に固定される。これにより、潤滑油用シールユニット25の潤滑油用シール27は、ステアリング軸7の外周面に摺動可能に当接し、潤滑油用シール27により封止(シール)される。
第一実施形態のシール装置20には、海水用シールユニット21の上方に所定の空間SPを介して配置され、動力伝達機構等の駆動部からの潤滑油の流出を防ぐための潤滑油用シールユニット25が設けられている。かかるシール装置20によれば、船内において、潤滑油用シールユニット25と海水用シールユニット21を所定の空間SPを介して上下に分離して構成されるので、例えば動力伝達機構の潤滑油は船内に流出するに留まり、船外(海洋)に油が流出することを防止することができる。また、このシール装置20によれば、所定の空間SPを設けたことで、シール装置20に不具合が発生した時に潤滑油の漏れ量、海水の浸入量を作業員が目視にて確認することやそれらの変化を容易にモニタリングすることができる。
シール装置20は、図1に示すように海水用シール23から船内に浸入した海水を回収する回収部28と、浸入した海水を検知したときに、可視可聴の警報を発する警報発生部29と、を備える。これにより、海水用シール23から船内に海水が浸入した際に、回収部28により迅速に回収するとともに、警報発生部29により船内に海水が浸入したことを船舶の乗員に速やかに知らせることができる。
また、シール装置20は、図1に示すように潤滑油用シール27から船内に漏洩した油を回収する回収部28と、漏洩した油を検知したときに、可視可聴の警報を発する警報発生部29と、を備える。これにより、潤滑油用シール27から船内に油が漏洩した際に、回収部28により迅速に回収するとともに、警報発生部29により船内に油が漏洩したことを船舶の乗員に速やかに知らせることができる。
また、以下で説明するシール装置30、40、50のそれぞれにおいても同様に回収部28と警報発生部29を備える構成とすることができる。
図4に示すように、第二実施形態のシール装置30は、海水用シールの一例である海水用シールユニット31と、潤滑油用シールの一例である潤滑油用シールユニット38とを主に備える。
海水用シールユニット31は、海水用シール保持部32と、海水用シール33と、スペーサ35と、予備海水用シール保持部36と、予備海水用シール37とを有する。
なお、本実施形態における「予備海水用シール」は、通常時(スタンバイ時)には作動させない予備のシールを意味する。
海水用シール保持部32は、略円筒状の円筒部32aと、当該円筒部32aの上端から径方向内側に延出される円環状の延出部32bと、海水用シール33の最下端を係止する円環状の係止部材32cとを有している。
海水用シール33は、円筒部32aの径方向内側に配置される円環状の弾性部材である。
なお、本実施形態では、一つの海水用シール33を設ける構成であるが、例えば、上下方向に複数の海水用シール33を並べて設ける構成であってもよい。
スペーサ35は、略円環状である。スペーサ35は、複数に分割して海水用シールユニット31から取り外しことが可能である。
予備海水用シール保持部36は、略円環状であり、上端から径方向内側に延出される円環状の延出部36aを有している。
予備海水用シール37は、予備海水用シール保持部36の径方向内側に配置される円環状の弾性部材である。
予備海水用シール保持部36には、径方向内側に予備海水用シール37が取り付けられる。予備海水用シール37は、海水用シールユニット31から取り外し可能なスペーサ35を介して海水用シールユニット31の上部に配置されている。海水用シールユニット31からスペーサ35を取り外して予備海水用シール37を下方に移動することで、海水用シールユニット31がインペラ軸5の外周面に当接し、当該予備海水用シール37が作動する。
また、スペーサ35と予備海水用シール保持部36は、図示せぬ取付部材により海水用シール保持部32の上部に固定される。
海水用シールユニット31は、ケーシング2の上部の空間に収容された状態で図示せぬ取付部材により円筒部32aがハウジング支持部11bの下端部に固定される。これにより、海水用シールユニット31の海水用シール33は、インペラ軸5の外周面に摺動可能に当接し、海水用シール33により封止(シール)される。
潤滑油用シールユニット38は、所定の空間SPを介して海水用シールユニット31の上方に配置されている。すなわち、潤滑油用シールユニット38と海水用シールユニット31は、所定の空間SPを介して対向配置されている。空間SP内の状態は、ハウジング11のハウジング支持部11bに設けられた開口部11cを介してハウジング12の外部から作業者が目視可能である。
潤滑油用シールユニット38は、略円環状の潤滑油用シール保持部38aと、当該潤滑油用シール保持部38aの径方向内側に保持される円環状の弾性部材である潤滑油用シール38bとを有する。
潤滑油用シールユニット38は、取付部材により潤滑油用シール保持部38aがハウジング本体11aの下端部に固定される。これにより、潤滑油用シールユニット38の潤滑油用シール38bは、インペラ軸5の外周面に摺動可能に当接し、潤滑油用シール38bにより封止(シール)される。
第二実施形態のシール装置30によれば、第一実施形態のシール装置20と同様の効果を奏する。さらに、第二実施形態のシール装置30によれば、使用中の海水用シールユニット31に不具合が生じた場合でも、予備海水用シール37を作動することで短時間でシール性能を回復することができる。具体的には、予備海水用シール37を備えた予備海水用シール保持部36が海水用シールユニット31から取り外し可能なスペーサ35を介して配置されているため、予備海水用シール37の使用時には、スペーサ35を取り外して予備海水用シール保持部36を下方に移動させ、海水用シール保持部32の上部に取付部材により固定することで、予備海水用シール37が作動可能となる(図3の右側部分に示す予備シールの作動状態を参照)。かかるシール装置30によれば、万一、洋上でシール性能が低下した場合でもスペーサ35を取り外すことで予備海水用シール37が容易に使用可能となる。これにより、船舶を入渠することなく洋上でシール性能を容易に回復することができる。
次に、第二実施形態のシール装置30の変形例として、第三実施形態のシール装置40について説明する。
なお、以下の各実施形態の説明では、各実施形態において追加、変更した部位について主に説明を行い、その他同一部品同一部位あるいは同様の機能を有する部品や部位には同じ符号を付して、その説明を省略する。
図5に示すように、シール装置40は、海水用シールの一例である海水用シールユニット41と、潤滑油用シールの一例である潤滑油用シールユニット38とを主に備える。
海水用シールユニット41は、海水用シール保持部42と、海水用シール43と、予備海水用シール保持部44と、予備海水用シール45と、シールライナ46と、予備シールライナ47とを有する。
海水用シール保持部42は、略円筒状の円筒部42aと、当該円筒部42aの上端から径方向内側に延出される円環状の延出部42bと、予備海水用シール45の下端を係止する円環状の係止部材42cとを有している。係止部材42cは、図示せぬ取付部材により円筒部42aの下端部に固定される。
海水用シール43は、円筒部42aの径方向内側に配置される円環状の弾性部材である。
予備海水用シール保持部44は、略円環状であり、上端から径方向内側に延出される円環状の延出部44aを有している。予備海水用シール保持部44は、図示せぬ取付部材により円筒部42aの上端部に固定される。
予備海水用シール45は、予備海水用シール保持部44の径方向内側に配置される円環状の弾性部材である。予備海水用シール45は、通常時においてインペラ軸5の外周面と所定の隙間を有して対向している(図5に示す通常時の予備海水用シール45を参照)。
シールライナ46は、円筒状で金属製の部材である。シールライナ46は、インペラ軸5の外周面に当接して配置され、インペラ軸5において海水用シール43に対向する位置に固定されている。予備シールライナ47は、予備海水用シール45の上方においてインペラ軸5の外周面に取り付けられる。予備シールライナ47は、円筒状で金属製の部材であり、インペラ軸5の外周面に当接しており、予備海水用シール45よりも上方の所定位置に配置されている。予備シールライナ47は、所定位置から下方位置(予備シールライナ47がシールライナ46の上端に当接する位置)まで移動可能である。予備海水用シール45の使用時には、予備シールライナ47を下方に移動させることで、当該予備シールライナ47を介して予備海水用シール45が作動状態となる。
海水用シールユニット41は、ケーシング2の上部の空間に収容された状態で図示せぬ取付部材によりハウジング支持部11bの下端部に固定される。これにより、海水用シールユニット41の海水用シール43は、インペラ軸5に固定されたシールライナ46の外周面に摺動可能に当接し、海水用シール43により封止(シール)される。
第三実施形態のシール装置40によれば、第一実施形態のシール装置20と同様の効果を奏する。さらに、第三実施形態のシール装置40によれば、使用中の海水用シール43に不具合が生じた場合でも、予備シールライナ47を下方に移動し、予備シールライナ47の外周面に予備海水用シール45が摺動可能に当接することで封止(シール)される(図5の右側に示す予備海水用シール45の作動状態を参照)。これにより、第二実施形態のシール装置30と同様の効果を奏する。第三実施形態のシール装置40の場合、第二実施形態のシール装置30のようにスペーサ35を使用しない構成であるため、スペーサ35の取り外し作業を省略することができ、より短時間の作業で予備海水用シール45を作動させることができる。
次に、第三実施形態のシール装置40の変形例として、第四実施形態のシール装置50について説明する。
図6に示すように、シール装置50は、海水用シールの一例である海水用シールユニット51と、潤滑油用シールの一例である潤滑油用シールユニット38とを主に備える。
海水用シールユニット51は、海水用シール保持部52と、海水用シール53と、予備海水用シール保持部54と、予備海水用シール55と、シールライナ56とを有する。
海水用シール保持部52は、略円環状であり、上端から径方向内側に延出される円環状の延出部52aを有している。海水用シール保持部52は、図示せぬ取付部材により円筒部54aの上端部に固定される。
予備海水用シール保持部54は、略円筒状の円筒部54aと、当該円筒部54aの上端から径方向内側に延出される円環状の延出部54bと、海水用シール53の下端を係止する円環状の係止部材54cとを有している。係止部材54cは、図示せぬ取付部材により円筒部54aの下端部に固定される。
海水用シール53は、海水用シール保持部52の径方向内側に配置される円環状の弾性部材である。予備海水用シール55は、円筒部54aの径方向内側に配置される円環状の弾性部材である。予備海水用シール55は、通常時においてインペラ軸5の外周面と所定の隙間を有して対向している(図6に示す通常時の予備海水用シール55を参照)。
シールライナ56は、予備海水用シール55の上方においてインペラ軸5の外周面に取り付けられる。シールライナ56は、円環状で金属製の部材である。シールライナ56は、インペラ軸5の外周面に当接して配置され、通常時にはシールライナ56の下側部分が複数の海水用シール53に対向するように所定の位置に配置されている(図6の通常時のシールライナ56を参照)。シールライナ56は、所定位置から下方位置(シールライナ56の下側部分が予備海水用シール55に対応する位置)まで移動可能である。また、シールライナ56は、その下端部がインペラ軸5に設けられた段差部5aに係止される位置まで移動可能である。予備海水用シール55の使用時には、シールライナ56を所定位置から下方に移動させることで、当該シールライナ56を介して予備海水用シール55が作動状態となる。
海水用シールユニット51は、ケーシング2の上部の空間に収容された状態で図示せぬ取付部材によりハウジング支持部11bの下部に固定される。これにより、海水用シールユニット51の海水用シール53は、インペラ軸5に固定されたシールライナ46の外周面に摺動可能に当接し、海水用シール53により封止(シール)される。
第四実施形態のシール装置50によれば、第一実施形態のシール装置20と同様の効果を奏する。さらに、第四実施形態のシール装置50によれば、使用中の海水用シール53に不具合が生じた場合でも、シールライナ56を下方に移動し、シールライナ56の外周面に予備海水用シール55が摺動可能に当接することで封止(シール)される(図6の右側に示す予備海水用シール55の作動状態を参照)。これにより、第二実施形態のシール装置30と同様の効果を奏する。第四実施形態のシール装置50の場合、第二実施形態のシール装置30のようにスペーサ35を使用しない構成であるため、スペーサ35の取り外し作業を省略することができ、より短時間の作業で予備海水用シール55を作動させることができる。
なお、第一実施形態から第四実施形態のシール装置においては、海水用シールユニットにおいて予備海水用シールを設けて、使用中の海水用シールに不具合が生じた場合に予備海水用シールが作動可能となるように構成しているが、同様の構成を潤滑油用シールユニットに適用し、予備潤滑油用シールを設けて、使用中の潤滑油用シールに不具合が生じた場合に予備潤滑油用シールが作動可能となるように構成してもよい。
また、上記予備潤滑油用シールが、潤滑油用シールユニットから取り外し可能なスペーサを介して潤滑油用シールユニットの一部に配置され、予備潤滑油用シールの使用時にはスペーサを取り外して予備潤滑油用シールを他方に移動させることで、予備潤滑油用シールが作動するように構成してもよい。
また、上記予備潤滑油用シールの一方において駆動軸の外周面に取り付けられる円筒状のシールライナを備え、予備潤滑油用シールの使用時にはこのシールライナを他方に移動させることで、シールライナを介して予備潤滑油用シールが作動するように構成してもよい。
このような構成の場合、潤滑油用シールに不具合が生じた場合に、短時間の作業で予備潤滑油用シールが容易に使用可能となる。これにより、船舶を入渠することなく洋上でシール性能を容易に回復することができる。
最後に、本願に開示した技術的思想は、例えば船舶用プロペラやインペラ等の駆動軸をシールするシール構造を備えた船舶用推進器全般に対して広く適用できる。
1 船舶用推進器
20 シール装置
21 海水用シールユニット(海水用シール)
25 潤滑油用シールユニット(油用シール)
SP 空間

Claims (10)

  1. 船舶の駆動部に連結される駆動軸に取り付けられるシール構造であって、
    海水の浸入を防ぐための海水用シールと、
    前記海水用シールの一方に所定の空間を介して配置され、前記駆動部からの油の流出を防ぐための油用シールと、を備え、
    少なくとも前記油用シールは、船内に配置されるシール構造。
  2. 前記海水用シールは、通常時には作動させない予備の海水用シールを備える請求項1に記載のシール構造。
  3. 前記予備の海水用シールは、前記海水用シールから取り外し可能なスペーサを介して前記海水用シールの一部に配置され、
    前記予備の海水用シールの使用時には前記スペーサを取り外して前記予備の海水用シールを他方に移動させることで、前記予備の海水用シールが作動する請求項2に記載のシール構造。
  4. 前記予備の海水用シールの一方において前記駆動軸の外周面に取り付けられる円筒状のシールライナを備え、
    前記予備の海水用シールの使用時には前記シールライナを他方に移動させることで、前記シールライナを介して前記予備の海水用シールが作動する請求項2に記載のシール構造。
  5. 前記油用シールは、通常時には作動させない予備の油用シールを備える請求項1に記載のシール構造。
  6. 前記予備の油用シールは、前記油用シールから取り外し可能なスペーサを介して前記油用シールの一部に配置され、
    前記予備の油用シールの使用時には前記スペーサを取り外して前記予備の油用シールを他方に移動させることで、前記予備の油用シールが作動する請求項5に記載のシール構造。
  7. 前記予備の油用シールの一方において前記駆動軸の外周面に取り付けられる円筒状のシールライナを備え、
    前記予備の油用シールの使用時には前記シールライナを他方に移動させることで、前記シールライナを介して前記予備の油用シールが作動する請求項5に記載のシール構造。
  8. 前記海水用シールから船内に浸入した海水を回収する回収部と、
    前記浸入した海水を検知したときに、可視可聴の警報を発する警報発生部と、を備える請求項1から請求項4の何れか一項に記載のシール構造。
  9. 前記油用シールから船内に漏洩した油を回収する回収部と、
    前記漏洩した油を検知したときに、可視可聴の警報を発する警報発生部と、を備える請求項1、請求項5から請求項7の何れか一項に記載のシール構造。
  10. 請求項1から請求項9の何れか一項に記載のシール構造を備える船舶用推進器。
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