JP2023040934A - 自動変速機の制御装置 - Google Patents

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【課題】ニュートラル制御が実行されているときに意図せずニュートラル制御が解除されることを抑制し、且つ、意図しないニュートラル制御の開始により車両のずり下がりを抑制する自動変速機の制御装置を提供する。【解決手段】ニュートラル制御が実行されている場合には、第2閾値T2よりも短い第1閾値T1に基づいて車両が停止状態であるか否かが判定されるので、例えばエンジン12の回転変動等によって小径ギヤ42が回動した場合でも、第2閾値T2を用いる場合に比べて車両が停止状態でないと判定され難くなる。また、ニュートラル制御が実行されていない場合には、第1閾値T1よりも長い第2閾値T2に基づいて車両が停止状態であるか否かが判定されるので、第1閾値T1を用いる場合に比べて実際に車両が停止していないときに車両が停止状態であると判定され難くなる。【選択図】図4

Description

本発明は、車両が停止状態であるという条件を含む予め定められた所定開始条件が成立するとニュートラル制御を実行する自動変速機の制御装置に関し、ニュートラル制御が実行されているときに意図せずニュートラル制御が解除されることを抑制し、且つ、意図しないニュートラル制御の開始による車両のずり下がりを抑制する技術に関するものである。
車両が停止状態であるという条件を含む予め定められた所定開始条件が成立すると入力クラッチを解放させるニュートラル制御を実行する自動変速機の制御装置がよく知られている。例えば、特許文献1に記載された自動変速機の制御装置がそれである。特許文献1では、例えば、車両が停止状態であるという条件と、操作ポジションが前進走行ポジションであるという条件と、アクセル操作が行われていないという条件と、ブレーキ操作が行われているという条件と、がそれぞれ成立すると、前記ニュートラル制御が実行されることが記載されており、回転部材(プライマリプーリのシャフト)が回転することにより発生するパルス信号のパルス周期(エッジ間隔)を検出するセンサを用いて、前記センサによって検出されたが前記パルス周期が予め定められた閾値よりも長いと車両が停止状態であると判定している。
特開2004-183843号公報
ところで、特許文献1のような自動変速機の制御装置では、前記入力クラッチをスリップ状態(半係合状態)に維持してニュートラル制御を実行しているので、例えばエンジンの回転変動等によって前記回転部材が僅かに回動したりすると、車両が停止状態でないと判定されて意図せずニュートラル制御が解除されることがあった。これに対し、エンジンの回転変動等によって前記回転部材が僅かに回動しても車両が停止状態であると判定されるように、前記閾値を比較的短くなるように設定することが考えられるが、実際に車両が停止していない状態でも車両が停止状態であると判定されてニュートラル制御が開始されることがあるので、前記入力クラッチのスリップにより例えば坂道等で車両がずり下がってしまう可能性があった。
本発明は、以上の事情を背景として為されたものであり、その目的とするところは、ニュートラル制御が実行されているときに意図せずニュートラル制御が解除されることを抑制し、且つ、意図しないニュートラル制御の開始による車両のずり下がりを抑制する自動変速機の制御装置を提供することにある。
第1発明の要旨とするところは、(a)車両が停止状態であるという条件を含む予め定められた所定開始条件が成立すると入力クラッチを解放させるニュートラル制御を実行する自動変速機の制御装置であって、(b)前記入力クラッチよりも出力側の回転部材が回転することにより発生するパルス信号のパルス周期を検出するセンサを有し、(c)前記ニュートラル制御が実行されている場合には、前記パルス周期が予め定められた第1閾値よりも長いと車両が停止状態であると判定し、(d)前記ニュートラル制御が実行されていない場合には、前記パルス周期が予め定められた第2閾値よりも長いと車両が停止状態であると判定し、(e)前記第1閾値は、前記第2閾値よりも短いことにある。
また、第2発明の要旨とするところは、前記第1発明において、前記パルス周期が前記第2閾値よりも長くなると、前記ニュートラル制御が開始されることにある。
また、第3発明の要旨とするところは、前記第1発明または前記第2発明において、前記パルス周期が前記第1閾値以下になると、前記ニュートラル制御が解除されることにある。
また、第4発明の要旨とするところは、前記第1発明乃至前記第3発明のいずれか1において、前記ニュートラル制御は、前記入力クラッチをスリップ状態に維持することにある。
また、第5発明の要旨とするところは、前記第1発明乃至前記第4発明のいずれか1において、前記自動変速機は、無段変速機と、前記無段変速機と並列に設けられた、少なくとも1つのギヤ比を有するギヤ伝達機構と、を備えていることにある。
第1発明の自動変速機の制御装置によれば、(b)前記入力クラッチよりも出力側の回転部材が回転することにより発生するパルス信号のパルス周期を検出するセンサを有し、(c)前記ニュートラル制御が実行されている場合には、前記パルス周期が予め定められた第1閾値よりも長いと車両が停止状態であると判定し、(d)前記ニュートラル制御が実行されていない場合には、前記パルス周期が予め定められた第2閾値よりも長いと車両が停止状態であると判定し、(e)前記第1閾値は、前記第2閾値よりも短い。このため、前記ニュートラル制御が実行されている場合には、前記第2閾値よりも短い前記第1閾値に基づいて車両が停止状態であるか否かが判定されるので、例えばエンジンの回転変動等によって前記回転部材が回動した場合でも、前記第2閾値を用いる場合に比べて車両が停止状態でないと判定され難くなる。これによって、前記ニュートラル制御が実行されているときに意図せず前記ニュートラル制御が解除されることを抑制することができる。また、前記ニュートラル制御が実行されていない場合には、前記第1閾値よりも長い前記第2閾値に基づいて車両が停止状態であるか否かが判定されるので、前記第1閾値を用いる場合に比べて実際に車両が停止していないときに車両が停止状態であると判定され難くなる。このため、実際に車両が停止していないときに前記ニュートラル制御が意図せず開始され難くなるので、車両のずり下がりを抑制することができる。
第2発明の自動変速機の制御装置によれば、前記パルス周期が前記第2閾値よりも長くなると、前記ニュートラル制御が開始される。このため、前記第2閾値は前記第1閾値よりも長いので、実際に車両が停止していないときに、好適に前記ニュートラル制御が開始され難くなる。
第3発明の自動変速機の制御装置によれば、前記パルス周期が前記第1閾値以下になると、前記ニュートラル制御が解除される。このため、前記第1閾値は前記第2閾値よりも短いので、例えばエンジンの回転変動等によって前記回転部材が回動した場合でも、好適に車両が停止状態でないと判定され難くなる。
第4発明の自動変速機の制御装置によれば、前記ニュートラル制御は、前記入力クラッチをスリップ状態に維持することにある。このため、前記入力クラッチを完全解放して前記ニュートラル制御を実行する場合に比べて、例えば車両が停止状態でないと判定されたときに素早く前記ニュートラル制御を解除することができる。
第5発明の自動変速機の制御装置によれば、前記自動変速機は、無段変速機と、前記無段変速機と並列に設けられた、少なくとも1つのギヤ比を有するギヤ伝達機構と、を備えている。このため、前記無段変速機と前記ギヤ伝達機構とを備える自動変速機において、前記ニュートラル制御が実行されているときに意図せず前記ニュートラル制御が解除されることを抑制することができ、且つ、意図しない前記ニュートラル制御の開始による車両のずり下がりを抑制することができる。
本発明の一実施例である自動変速機を備える車両用動力伝達装置の概略構成を説明する骨子図であり、互いに平行な複数の軸が一平面内に位置するように展開して示した図である。 図1の自動変速機に設けられた回転部材が回転することにより発生するパルス信号を示す図であり、図2の(a)は、回転部材の回転速度が図2の(b)の回転部材の回転速度よりも速い場合のパルス信号を示す図であり、図2の(b)は、回転部材の回転速度が図2の(a)の回転部材の回転速度よりも遅い場合のパルス信号を示す図である。 図1の自動変速機に設けられた回転部材の回転速度とパルス信号のパルス周期との関係を示す図である。 図1の電子制御装置に備えられた停止状態判定部において車両が停止状態であるか否かを判定する判定値であるパルス周期の閾値を示す図である。 図1の電子制御装置の制御作動の要部を説明するためのフローチャートであり、ニュートラル制御を開始するときおよびニュートラル制御を解除するときの制御作動の一例を説明するためのフローチャートである。
以下、本発明の実施例を図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施例である自動変速機16を備える車両用動力伝達装置10の概略構成を説明する骨子図で、互いに平行な複数の軸が一平面内に位置するように展開して示した図である。車両用動力伝達装置10は、FF(フロントエンジン・フロントドライブ)型車両に好適に採用される横置き型で、走行用の駆動力源であるエンジン12からの動力は、流体式伝動装置としてのトルクコンバータ14から自動変速機16を介して差動歯車装置18に伝達され、左右の駆動輪20L、20Rへ分配される。トルクコンバータ14は、エンジン12のクランク軸に連結されたポンプ翼車14p、および自動変速機16の入力軸22に連結されたタービン翼車14tを備えており、流体(作動油)を介して動力伝達を行うとともに、ロックアップクラッチLUを介して直結されるようになっている。
自動変速機16は、トルクコンバータ14の出力回転部材であるタービン軸と一体的に設けられた入力軸22と、入力軸22に連結されたベルト式無段変速機(無段変速機)24と、同じく入力軸22に連結されてベルト式無段変速機24と並列に設けられた前後進切替装置26およびギヤ変速機構(ギヤ伝達機構)28と、ベルト式無段変速機24およびギヤ変速機構28の共通の出力回転部材である出力軸30と、減速歯車装置32と、を備えており、減速歯車装置32の小径ギヤ34が差動歯車装置18のリングギヤ36と噛み合わされている。このように構成された自動変速機16においては、エンジン12からの動力が、トルクコンバータ14からベルト式無段変速機24を介して出力軸30へ伝達され、或いはベルト式無段変速機24を介することなく前後進切替装置26およびギヤ変速機構28を介して出力軸30へ伝達される。そして、その出力軸30から、更に減速歯車装置32および差動歯車装置18を経て左右の駆動輪20L、20Rへ伝達される。
このように、本実施例の自動変速機16には、エンジン12からの動力を入力軸22から出力軸30へ伝達する動力伝達経路として、前後進切替装置26およびギヤ変速機構28を介してエンジン12からの動力を入力軸22から出力軸30へ伝達する第1動力伝達経路TP1と、ベルト式無段変速機24を介してエンジン12からの動力を入力軸22から出力軸30へ伝達する第2動力伝達経路TP2と、が並列に設けられており、車両の走行状態に応じて第1動力伝達経路TP1と第2動力伝達経路TP2とが切り替えられる。このため、自動変速機16は、第1動力伝達経路TP1における動力伝達を断接(接続・遮断)する前進用クラッチ(入力クラッチ)C1、後進用ブレーキB1と、第2動力伝達経路TP2における動力伝達を断接するベルト走行用クラッチC2と、を備えている。なお、前進用クラッチC1は、第1動力伝達経路TP1によってエンジン12からの動力を入力軸22から出力軸30へ伝達する場合に係合するクラッチであり、ベルト走行用クラッチC2は、第2動力伝達経路TP2によってエンジン12からの動力を入力軸22から出力軸30へ伝達する場合に係合するクラッチである。又、第1動力伝達経路TP1には更に、前後進切替装置26およびギヤ変速機構28に対して直列に、具体的にはそれ等よりも下流側に、同期噛合式クラッチS1が設けられている。第1動力伝達経路TP1に設けられた前進用クラッチC1および同期噛合式クラッチS1は、それらが係合されることにより前進走行が可能となる。第2動力伝達経路TP2に設けられたベルト走行用クラッチC2は、それが係合されることにより前進走行が可能となる。なお、前進用クラッチC1、同期噛合式クラッチS1、およびベルト走行用クラッチC2は、何れも油圧式のクラッチである。
エンジン12は、電子スロットル装置や燃料噴射装置や点火装置などのエンジン12の出力制御に必要な種々の機器を有するエンジン制御装置40を備えている。エンジン12は、後述する電子制御装置(制御装置)100によって、運転者による車両に対する駆動要求量に対応するアクセルペダルの操作量であるアクセル操作量θaccに応じてエンジン制御装置40が制御されることで、エンジン12の出力トルクであるエンジントルクTeが制御される。
前後進切替装置26は、ダブルピニオン型の遊星歯車装置を主体として構成されており、キャリア26cが入力軸22に一体的に連結され、サンギヤ26sが入力軸22に対して同軸に相対回転可能に配設された小径ギヤ(回転部材)42に連結されている一方、リングギヤ26rが後進用ブレーキB1を介して選択的に回転停止させられるとともに、キャリア26cおよびサンギヤ26sが前進用クラッチC1を介して選択的に連結されるようになっている。そして、前進用クラッチC1が係合させられるとともに後進用ブレーキB1が解放されると、入力軸22が小径ギヤ42に直結されて前進用動力伝達状態が成立させられ、後進用ブレーキB1が係合させられるとともに前進用クラッチC1が解放されると、小径ギヤ42は入力軸22に対して逆方向へ回転させられ、後進用動力伝達状態が成立させられる。又、前進用クラッチC1および後進用ブレーキB1が共に解放されると、第1動力伝達経路TP1による動力伝達を遮断するニュートラル状態となる。
前進用クラッチC1および後進用ブレーキB1は、何れも複数の摩擦材が油圧シリンダによって摩擦係合させられる多板式の油圧式摩擦係合装置であり、その油圧シリンダに供給されるC1係合油圧Pc1、B1係合油圧Pb1が、油圧制御回路38に設けられた図示しない2つのリニアソレノイドバルブによってそれぞれ調圧制御されることにより、それ等の係合力すなわち伝達トルク容量が連続的に調整される。
ギヤ変速機構28は、小径ギヤ42と、カウンタ軸44に相対回転不能に設けられて小径ギヤ42と噛み合わされた大径ギヤ46と、カウンタ軸44に対して同軸に相対回転可能に設けられた小径のアイドラギヤ48と、を備えている。そして、カウンタ軸44とアイドラギヤ48との間に、同期噛合式クラッチS1が設けられており、それ等の間の動力伝達が断接される。同期噛合式クラッチS1は、シンクロナイザリング等のシンクロメッシュ機構(同期機構)を備えており、クラッチハブスリーブ50が、図示しない油圧シリンダにより図1の左方向である接続方向へ移動させられると、シンクロナイザリングを介してアイドラギヤ48がカウンタ軸44と同期回転させられるようになり、クラッチハブスリーブ50が更に移動させられると、そのクラッチハブスリーブ50の内周面に設けられたスプライン歯を介してアイドラギヤ48がカウンタ軸44に相対回転不能に連結される。同期噛合式クラッチS1の油圧シリンダには、油圧制御回路38に設けられた図示しないリニアソレノイドバルブによって調圧制御されたS1係合油圧Ps1が供給されるようになっており、同期噛合式クラッチS1はそのS1係合油圧Ps1に基づいて同期噛合係合させられる。
アイドラギヤ48は、出力軸30に設けられた大径ギヤ58と噛み合わされており、前進用クラッチC1および後進用ブレーキB1の何れか一方が係合させられ且つ同期噛合式クラッチS1が接続されることにより、エンジン12からの動力が入力軸22から前後進切替装置26、ギヤ変速機構28、アイドラギヤ48、および大径ギヤ58を順次経由して出力軸30に伝達されるようになり、第1動力伝達経路TP1が成立させられる。なお、小径のアイドラギヤ48と大径ギヤ58との間でも変速(減速)が行なわれ、それ等を含めてギヤ変速機構28が構成されていると見做すこともできる。
ベルト式無段変速機24は、入力軸22に設けられた有効径が可変のプライマリプーリ60と、出力軸30と同軸の回転軸62に設けられた有効径が可変のセカンダリプーリ64と、それ等一対の可変プーリ60、64の間に巻き掛けられた伝動ベルト66と、を備えており、一対の可変プーリ60、64と伝動ベルト66との間の摩擦を介して動力伝達が行われる。一対の可変プーリ60、64は、それぞれV溝幅を変更する推力を付与する油圧アクチュエータとして油圧シリンダ60c、64cを備えており、例えば油圧シリンダ60cへ供給されるプライマリ油圧Ppriが油圧制御回路38に設けられた図示しないリニアソレノイドバルブによって制御されることにより、両可変プーリ60、64のV溝幅が変化して伝動ベルト66の掛かり径(有効径)が変更され、変速比γ2が連続的に変化させられる。また、油圧シリンダ64cへ供給されるセカンダリ油圧Psecが油圧制御回路38に設けられた図示しないリニアソレノイドバルブによって調圧制御されることにより、伝動ベルト66が滑りを生じないようにベルト挟圧力が調整される。
出力軸30は、回転軸62に対して同軸に相対回転可能に配設されており、その出力軸30とセカンダリプーリ64との間に設けられたベルト走行用クラッチC2により、それ等の出力軸30とセカンダリプーリ64との間の動力伝達が断接される。ベルト走行用クラッチC2が係合させられると、エンジン12からの動力が入力軸22からベルト式無段変速機24を経由して出力軸30に伝達されるようになり、第2動力伝達経路TP2が成立させられる。ベルト走行用クラッチC2は、複数の摩擦材が油圧シリンダによって摩擦係合させられる多板式の摩擦係合装置であり、その油圧シリンダに供給されるC2係合油圧Pc2が、油圧制御回路38に設けられた図示しないリニアソレノイドバルブによって調圧制御されることにより、その係合力すなわち伝達トルク容量が連続的に調整される。なお、ポンプ翼車14pには機械式のオイルポンプ68が設けられており、オイルポンプ68がエンジン12により回転駆動されて油圧を出力することにより、その油圧が油圧制御回路38の油圧源として用いられる。
このような車両用動力伝達装置10において、ギヤ変速機構28のギヤ比等によって定まる第1動力伝達経路TP1の変速比γ1は、第2動力伝達経路TP2の変速比γ2の最大値γ2maxよりも大きく、車両発進時や高負荷走行時には第1動力伝達経路TP1を用いるギヤ走行モードで走行し、車速Vの上昇や要求駆動力の減少などに伴って第2動力伝達経路TP2を用いるベルト走行モードに切り替えられる。ギヤ走行モードからベルト走行モードへのモード切替(アップシフト)は、前進用クラッチC1を解放するとともにベルト走行用クラッチC2を係合するクラッチツークラッチ変速(CtoC)によって実行される。又、ベルト走行モードからギヤ走行モードへのモード切替(ダウンシフト)は、ベルト走行用クラッチC2を解放するとともに前進用クラッチC1を係合するクラッチツークラッチ変速によって実行される。変速比γ1、γ2は、出力回転速度(出力軸30の回転速度)Noutに対するタービン回転速度Ntの比(Nt/Nout)で、変速比γ1、変速比γ2の最大値γ2maxは何れも1.0より大きく、入力軸22に対して出力軸30が減速回転させられる。出力回転速度Noutは車速Vに対応し、タービン回転速度Ntは入力軸22の回転速度(入力回転速度)と一致する。なお、ギヤ変速機構28は、小径ギヤ42と大径ギヤ46とを備え、1つのギヤ比を有している。
図1に戻り、車両すなわち車両用動力伝達装置10は、自動変速機16の制御装置を含むコントローラとしての電子制御装置100を備えている。電子制御装置100は、例えばCPU、RAM、ROM、入出力インターフェース等を備えた所謂マイクロコンピュータを含んで構成されており、CPUはRAMの一時記憶機能を利用しつつ予めROMに記憶されたプログラムに従って信号処理を行うことにより車両の各種制御を実行する。電子制御装置100は、エンジン12の出力制御と、ベルト式無段変速機24の変速制御やベルト挟圧力制御と、複数の係合装置すなわち後進用ブレーキB1、前進用クラッチC1、ベルト走行用クラッチC2、および同期噛合式クラッチS1の各々の作動状態を切り替える油圧制御等と、を実行する。
電子制御装置100には、車両に備えられた各種センサ等(例えば、シフトポジションセンサ102、エンジン回転速度センサ104、アクセル操作量センサ106、ブレーキスイッチ108、車速センサ110、回転センサ(センサ)112等)による各種検出信号等(例えば、シフトレバー114の操作ポジションPOSsh、エンジン回転速度Ne[rpm]、図示しないアクセルペダルのアクセル操作量θacc[%]、ブレーキを作動させる為のブレーキペダルが運転者によって操作されている状態を示す信号であるブレーキオン信号Bon、車速V[km/h]、パルス周期T[sec]等)が、それぞれ供給される。なお、回転センサ112は、第1動力伝達経路TP1において前進用クラッチC1よりも出力側の回転部材である例えば小径ギヤ42が回転することにより発生するパルス信号P(図2参照)のパルス周期T[sec]すなわちパルス信号Pの立ち上りから次のパルス信号Pの立ち上りまでの期間[sec]を検出するセンサである。又、パルス信号Pは、例えば、小径ギヤ42の軸部42aに固定された歯車状のロータ(図示しない)が回転することにより生じるエアギャプの周期的変化によって例えば電磁ピックアップ式センサから出力された交流電圧を変換した矩形波状の信号である。又、図2は、小径ギヤ42が回転することにより発生するパルス信号Pを示す図であり、図2の(a)は、小径ギヤ42の回転速度Ng[rpm]が後述する図2の(b)の小径ギヤ42の回転速度Ng[rpm]よりも速い場合のパルス信号Pを示す図であり、図2の(b)は、小径ギヤ42の回転速度Ng[rpm]が図2の(a)の小径ギヤ42の回転速度Ng[rpm]よりも遅い場合のパルス信号Pを示す図である。又、図3は、小径ギヤ42の回転速度Ngとパルス信号Pのパルス周期Tとの関係を示す図である。図2および図3に示すように、小径ギヤ42の回転速度Ngが高くなるほどパルス信号Pのパルス周期Tは短くなり、小径ギヤ42の回転速度Ngが低くなるほどパルス信号Pのパルス周期Tは長くなる。
電子制御装置100からは、車両に備えられた各装置(例えばエンジン制御装置40、油圧制御回路38等)に各種指令信号(例えばエンジン12を制御するためのエンジン制御指令信号Se、ベルト式無段変速機24の変速やベルト挟圧力等を制御するための油圧制御指令信号Scvt、複数の係合装置すなわち後進用ブレーキB1、前進用クラッチC1、ベルト走行用クラッチC2、および同期噛合式クラッチS1の各々の作動状態を制御するための油圧制御指令信号Sbcs等)が、それぞれ出力される。なお、これら各種指令信号を受けて、油圧制御回路38から、例えば、後進用ブレーキB1の油圧シリンダに供給されるB1係合油圧Pb1、前進用クラッチC1の油圧シリンダに供給されるC1係合油圧Pc1、ベルト走行用クラッチC2の油圧シリンダに供給されるC2係合油圧Pc2、同期噛合式クラッチS1の油圧シリンダに供給されるS1係合油圧Ps1、プライマリプーリ60の油圧シリンダ60cに供給されるプライマリ油圧Ppri、セカンダリプーリ64の油圧シリンダ64cに供給されるセカンダリ油圧Psec等が出力される。
電子制御装置100は、図1に示すように、車両における各種制御を実現するために、エンジン制御手段として機能するエンジン制御部120と、変速制御手段として機能する変速制御部122と、ニュートラル制御手段として機能するニュートラル制御部124と、を備えている。
エンジン制御部120は、予め実験的に或いは設計的に求められて記憶された関係すなわち予め定められた関係である例えば駆動力マップにアクセル操作量θaccおよび車速Vを適用することで要求駆動力Fdemを算出する。エンジン制御部120は、要求駆動力Fdemが得られる目標エンジントルクTetgtを設定し、その目標エンジントルクTetgtが得られるようにエンジン12を制御する指令をエンジン制御装置40へ出力する。
変速制御部122は、操作ポジションPOSshがDポジション(前進走行ポジション)である場合には、ギヤ走行モードとベルト走行モードとを切り替える切替制御を実行する。具体的には、変速制御部122は、ギヤ走行モードにおける第1動力伝達経路TP1の変速比γ1に対応する第1速変速段と、ベルト走行モードにおける第2動力伝達経路TP2の変速比γ2の最大値γ2maxに対応する第2速変速段と、を切り替えるための予め定められた関係である変速マップを記憶している。なお、前記変速マップは、車速Vおよびアクセル操作量θaccなどから構成され、前記変速マップ上には、前記第2速変速段へのアップシフトすなわちベルト走行モードへの切替を判断するためのアップシフト線、および、前記第1速変速段へのダウンシフトすなわちギヤ走行モードへの切替を判断するためのダウンシフト線が設定されている。変速制御部122は、前記変速マップに実際の車速Vおよびアクセル操作量θaccを適用することで変速の要否を判断し、その判断結果に基づいて変速(すなわち走行モードの切替)を実行する。
また、変速制御部122は、例えば第2動力伝達経路TP2を経由したベルト走行モードでの走行中において、アクセル開度、車速Vなどに基づいて算出される目標ギヤ比γtgtとなるようにベルト式無段変速機24のギヤ比を制御する指令を油圧制御回路38へ出力する。
また、変速制御部122は、例えば、車両が停止状態または車両が低車速状態において、操作ポジションPOSshが例えばNポジションからDポジションに切り替えられたときに、前進用クラッチC1および同期噛合式クラッチS1をそれぞれ係合状態に切り替え且つ後進用ブレーキB1およびベルト走行用クラッチC2をそれぞれ解放状態に切り替える指令を油圧制御回路38へ出力する。これにより、車両が停止状態または車両が低車速状態において操作ポジションPOSshがDポジションである場合には、車両では、第1動力伝達経路TP1を経由して前進走行が可能な前進用のギヤ走行モードが選択される。
ニュートラル制御部124は、車両が停止状態であるという条件を含む予め定められた所定開始条件CDSが成立するとニュートラル制御を実行する。ニュートラル制御は、アクセルOFFであり、車両が停止状態であり、ブレーキON状態であり、且つ操作ポジションPOSshがDポジションであるときに前述したように変速制御部122によって係合される前進用クラッチC1を解放してスリップ状態に維持することで、車両が停止状態であるときのエンジン負荷を軽減して、車両が停止状態であるときの燃費向上をはかる制御である。すなわち、ニュートラル制御は、前進用クラッチC1をスリップ状態に維持することによって実質的に第1動力伝達経路TP1による動力伝達を遮断する制御である。
ニュートラル制御部124には、図1に示すように、開始条件成立判定手段として機能する開始条件成立判定部124aと、解除条件成立判定手段として機能する解除条件成立判定部124bと、停止状態判定手段として機能する停止状態判定部124cと、が備えられている。開始条件成立判定部124aは、ニュートラル制御が実行されていないときにおいて、所定開始条件CDSが成立したか否か、例えば予め定められた第1条件CD1、第2条件CD2、第3条件CD3、第4条件CD4がそれぞれ成立したか否かを判定する。なお、第1条件CD1は、例えは、操作ポジションPOSshがDポジションであるという条件であり、第1条件CD1は、シフトポジションセンサ102によって操作ポジションPOSshがDポジションであると判定されると、成立する。又、第2条件CD2は、例えば、アクセル操作が行われていないという条件であり、第2条件CD2は、アクセル操作量センサ106によってアクセルペダルの操作(アクセル操作)が行われていないと判定されると、成立する。又、第3条件CD3は、例えば、ブレーキ操作が行われているという条件であり、第3条件CD3は、ブレーキスイッチ108によってブレーキペダルの操作(ブレーキ操作)が行われていると判定されると、成立する。又、第4条件CD4は、車両が停止状態であるという条件であり、第4条件CD4は、停止状態判定部124cによって車両が停止状態であると判定されると、成立する。
解除条件成立判定部124bは、ニュートラル制御が実行されているときにおいて、予め定められた所定解除条件CDEが成立したか否かを判定する。例えば、解除条件成立判定部124bは、ニュートラル制御が実行されているときにおいて、第1条件CD1、第2条件CD2、第3条件CD3、第4条件CD4のうち少なくとも1つの条件が成立しなくなると、所定解除条件CDEが成立したと判定する。
停止状態判定部124cは、ニュートラル制御が実行されているときにおいて、車両が停止状態であるか否かを判定する。例えば、停止状態判定部124cは、図4に示すように、ニュートラル制御が実行されているときすなわちニュートラル制御が作動しているときにおいて、回転センサ112から検出されるパルス周期T[sec]が予め定められた第1閾値T1[sec]よりも長いと、車両が停止状態(車両停止状態)であると判定する。又、停止状態判定部124cは、図4に示すように、ニュートラル制御が作動しているときにおいて、パルス周期Tが第1閾値T1以下になると、車両が動いている状態(車両非停止状態)であると判定する。
また、停止状態判定部124cは、ニュートラル制御が実行されていないときにおいて、車両が停止状態であるか否かを判定する。例えば、停止状態判定部124cは、図4に示すように、ニュートラル制御が実行されていないときすなわちニュートラル制御が非作動であるときにおいて、回転センサ112から検出されるパルス周期T[sec]が予め定められた第2閾値T2[sec]よりも長いと、車両が停止状態(車両停止状態)であると判定する。又、停止状態判定部124cは、図4に示すように、ニュートラル制御が非作動であるときにおいて、パルス周期Tが第2閾値T2以下になると、車両が動いている状態(車両非停止状態)であると判定する。
なお、第1閾値T1は、ニュートラル制御が実行されているときにおいて、例えばエンジン12の回転変動等によって例えば小径ギヤ42が僅かに回動して回転センサ112からパルス信号Pが発生した場合でも、停止状態判定部124cで車両が停止状態であると判定されるように実験等により設定されたパルス周期Tである。又、第2閾値T2は、ニュートラル制御が実行されていないときにおいて、例えば坂道等で実際に車両が停止していない状態でも、停止状態判定部124cで車両が停止状態であると判定されないように実験等により設定されたパルス周期Tである。又、図4に示すように、第1閾値T1は、第2閾値T2よりも短くなるように設定されている。なお、図4は、停止状態判定部124cにおいて車両が停止状態であるか否かを判定する判定値であるパルス周期Tの閾値T1、T2を示す図である。
ニュートラル制御部124は、ニュートラル制御が実行されていないときにおいて、開始条件成立判定部124aで所定開始条件CDSが成立したと判定されると、ニュートラル制御の開始を要求する。ニュートラル制御部124は、ニュートラル制御の開始を要求されることによって、前進用クラッチC1をスリップ状態に維持する指令を油圧制御回路38へ出力する。すなわち、ニュートラル制御部124は、ニュートラル制御が実行されていないときにおいて、例えば、第1条件CD1、第2条件CD2、第3条件CD3がそれぞれ成立した状態においてパルス周期Tが第2閾値T2よりも長くなって第4条件CD4が成立して開始条件成立判定部124aで所定開始条件CDSが成立したと判定されると、ニュートラル制御を開始する。
また、ニュートラル制御部124は、ニュートラル制御が実行されているときにおいて、解除条件成立判定部124bで所定解除条件CDEが成立したと判定されると、ニュートラル制御の解除を要求する。ニュートラル制御部124は、ニュートラル制御の解除を要求されることによって、前進用クラッチC1を完全係合状態にする指令を油圧制御回路38へ出力する。すなわち、ニュートラル制御部124は、ニュートラル制御が実行されているときにおいて、例えば、パルス周期Tが第1閾値T1以下となって第4条件CD4が成立しなくなり解除条件成立判定部124bで所定解除条件CDEが成立したと判定されると、ニュートラル制御を解除する。
図5は、電子制御装置100の制御作動の要部を説明するためのフローチャートであり、ニュートラル制御を開始するときおよびニュートラル制御を解除するときの制御作動の一例を説明するためのフローチャートである。なお、図5のフローチャートでは、第1条件CD1、第2条件CD2、第3条件CD3がそれぞれ成立しているときをスタート(START)としている。
先ず、開始条件成立判定部124aおよび停止状態判定部124cの機能に対応するステップ(以下、ステップを省略する)S10において、所定開始条件CDSが成立したか否か、すなわち車両が停止状態であるか否かが判定される。S10の判定が否定される場合、すなわちパルス周期Tが第2閾値T2以下で車両が動いている状態であると判定される場合には、所定開始条件CDSが成立せず再度S10が実行される。S10の判定が肯定される場合、すなわちパルス周期Tが第2閾値T2よりも長く車両が停止状態であると判定される場合には、所定開始条件CDSが成立しニュートラル制御部124の機能に対応するS20が実行される。S20では、ニュートラル制御の開始が要求される。次に、ニュートラル制御部124の機能に対応するS30において、前進用クラッチC1をスリップ状態に維持するニュートラル制御が実行(開始)される。
次に、解除条件成立判定部124bおよび停止状態判定部124cの機能に対応するS40において、所定解除条件CDEが成立していないか否か、例えば車両が停止状態であるか否かが判定される。S40の判定が肯定される場合、すなわちパルス周期Tが第1閾値T1よりも長く車両が停止状態であると判定される場合には、所定解除条件CDEが成立せず再度S40が実行される。S40の判定が否定される場合、すなわちパルス周期Tが第1閾値T1以下で車両が動いている状態であると判定される場合には、所定解除条件CDEが成立しニュートラル制御部124の機能に対応するS50が実行される。S50では、ニュートラル制御の解除が要求されると共に、前進用クラッチC1を完全係合状態にしてニュートラル制御が解除される。
上述のように、本実施例の自動変速機16の電子制御装置100によれば、前進用クラッチC1よりも出力側の回転部材である小径ギヤ42が回転することにより発生するパルス信号Pのパルス周期Tを検出する回転センサ112を有し、ニュートラル制御が実行されている場合には、パルス周期Tが予め定められた第1閾値T1よりも長いと車両が停止状態であると判定し、ニュートラル制御が実行されていない場合には、パルス周期Tが予め定められた第2閾値T2よりも長いと車両が停止状態であると判定し、第1閾値T1は、第2閾値T2よりも短い。このため、前記ニュートラル制御が実行されている場合には、第2閾値T2よりも短い第1閾値T1に基づいて車両が停止状態であるか否かが判定されるので、例えばエンジン12の回転変動等によって小径ギヤ42が回動した場合でも、第2閾値T2を用いる場合に比べて車両が停止状態でないと判定され難くなる。これによって、前記ニュートラル制御が実行されているときに意図せず前記ニュートラル制御が解除されることを抑制することができる。また、前記ニュートラル制御が実行されていない場合には、第1閾値T1よりも長い第2閾値T2に基づいて車両が停止状態であるか否かが判定されるので、第1閾値T1を用いる場合に比べて実際に車両が停止していないときに車両が停止状態であると判定され難くなる。このため、実際に車両が停止していないときに前記ニュートラル制御が意図せず開始され難くなるので、車両のずり下がりを抑制することができる。
また、本実施例の自動変速機16の電子制御装置100によれば、パルス周期Tが第2閾値T2よりも長くなると、前記ニュートラル制御が開始される。このため、第2閾値T2は第1閾値T1よりも長いので、実際に車両が停止していないときに、好適に前記ニュートラル制御が開始され難くなる。
また、本実施例の自動変速機16の電子制御装置100によれば、パルス周期Tが第1閾値T1以下になると、前記ニュートラル制御が解除される。このため、第1閾値T1は第2閾値T2よりも短いので、例えばエンジン12の回転変動等によって小径ギヤ42が回動した場合でも、好適に車両が停止状態でないと判定され難くなる。
また、本実施例の自動変速機16の電子制御装置100によれば、前記ニュートラル制御は、前進用クラッチC1をスリップ状態に維持することにある。このため、前進用クラッチC1を完全解放して前記ニュートラル制御を実行する場合に比べて、例えば車両が停止状態でないと判定されたときに素早く前記ニュートラル制御を解除することができる。
また、本実施例の自動変速機16の電子制御装置100によれば、自動変速機16は、ベルト式無段変速機24と、ベルト式無段変速機24と並列に設けられた、1つのギヤ比を有するギヤ変速機構28と、を備えている。このため、ベルト式無段変速機24とギヤ変速機構28とを備える自動変速機16において、前記ニュートラル制御が実行されているときに意図せず前記ニュートラル制御が解除されることを抑制することができ、且つ、意図しない前記ニュートラル制御の開始による車両のずり下がりを抑制することができる。
以上、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、本発明はその他の態様においても適用される。
例えば、前述の実施例1において、自動変速機16は、ベルト式無段変速機24と、ベルト式無段変速機24と並列に設けられたギヤ変速機構28と、を備えるものであったが、自動変速機16は、例えば、ベルト式無段変速機24だけであっても良いし、または、複数のギヤ比を有する有段式自動変速機であっても良い。すなわち、自動変速機16は、入力クラッチを解放してスリップ状態にすることによって自動変速機内の動力伝達経路を実質的に遮断することができるものであればどのような型式の自動変速機が使用されても良い。
また、前述の実施例1では、ギヤ変速機構28は、1つのギヤ比を有していたが、例えば、ギヤ変速機構28は、2つ以上のギヤ比を有するようにギヤ変速機構28の構成を変更しても良い。
また、前述の実施例1において、所定開始条件CDSは、第1条件CD1、第2条件CD2、第3条件CD3、第4条件CD4であったが、例えば、所定開始条件CDSから第2条件CD2や第3条件CD3を外しても良いし、所定開始条件CDSに新たな条件を加えても良い。
また、前述の実施例1において、回転センサ112は、小径ギヤ42が回転することにより発生するパルス信号Pのパルス周期Tを検出するセンサであったが、例えば、回転センサ112は、小径ギヤ42以外の前進用クラッチC1よりも出力側の回転部材が、回転することにより発生するパルス信号Pのパルス周期Tを検出するセンサであっても良い。
尚、上述したのはあくまでも一実施形態であり、本発明は当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を加えた態様で実施することができる。
16:自動変速機
24:ベルト式無段変速機(無段変速機)
28:ギヤ変速機構(ギヤ伝達機構)
42:小径ギヤ(回転部材)
100:電子制御装置(制御装置)
112:回転センサ(センサ)
124:ニュートラル制御部
124a:開始条件成立判定部
124b:解除条件成立判定部
124c:停止状態判定部
C1:前進用クラッチ(入力クラッチ)
CDS:所定開始条件
CD4:第4条件(条件)
P:パルス信号
T:パルス周期
T1:第1閾値
T2:第2閾値

Claims (5)

  1. 車両が停止状態であるという条件を含む予め定められた所定開始条件が成立すると入力クラッチを解放させるニュートラル制御を実行する自動変速機の制御装置であって、
    前記入力クラッチよりも出力側の回転部材が回転することにより発生するパルス信号のパルス周期を検出するセンサを有し、
    前記ニュートラル制御が実行されている場合には、前記パルス周期が予め定められた第1閾値よりも長いと車両が停止状態であると判定し、
    前記ニュートラル制御が実行されていない場合には、前記パルス周期が予め定められた第2閾値よりも長いと車両が停止状態であると判定し、
    前記第1閾値は、前記第2閾値よりも短い
    ことを特徴とする自動変速機の制御装置。
  2. 前記パルス周期が前記第2閾値よりも長くなると、前記ニュートラル制御が開始される
    ことを特徴とする請求項1の自動変速機の制御装置。
  3. 前記パルス周期が前記第1閾値以下になると、前記ニュートラル制御が解除される
    ことを特徴とする請求項1または2の自動変速機の制御装置。
  4. 前記ニュートラル制御は、前記入力クラッチをスリップ状態に維持する
    ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1の自動変速機の制御装置。
  5. 前記自動変速機は、無段変速機と、前記無段変速機と並列に設けられた、少なくとも1つのギヤ比を有するギヤ伝達機構と、を備えている
    ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1の自動変速機の制御装置。
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