JP2023040648A - 構造体の製造装置および構造体の製造方法 - Google Patents

構造体の製造装置および構造体の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】III族窒化物に対するPECエッチングの制御性を高めるための新たな測定技術を提供する。【解決手段】構造体の製造装置は、III族窒化物で構成された被エッチング領域を有し光電気化学エッチングが施される処理対象物を、エッチング液に接触する状態で保持する保持機構と、処理対象物に、光電気化学エッチングを行うための励起光を照射する光照射装置と、処理対象物の励起光が照射される面と反対の面側から、被エッチング領域の少なくとも一部に画定された被測定領域の状態を観察する測定装置と、を有する。【選択図】図1

Description

本発明は、構造体の製造装置および構造体の製造方法に関する。
窒化ガリウム(GaN)等のIII族窒化物は、発光素子、トランジスタ等の半導体装置を製造するための材料として用いられている。
GaN等のIII族窒化物に各種構造を形成するためのエッチング技術として、光電気化学(PEC)エッチングが提案されている(例えば非特許文献1参照)。PECエッチングは、一般的なドライエッチングと比べてダメージが少ないウェットエッチングであり、また、中性粒子ビームエッチング(例えば非特許文献2参照)、アトミックレイヤーエッチング(例えば非特許文献3参照)等のダメージの少ない特殊なドライエッチングと比べて装置が簡便である点で好ましい。
K. Miwa, Appl. Phys. Express 13, 026508 (2020). S. Samukawa, JJAP, 45(2006)2395. T. Ohba, Jpn. J. Appl. Phys. 56, 06HB06 (2017).
本発明の一目的は、III族窒化物に対するPECエッチングの制御性を高めるための新たな測定技術を提供することである。
本発明の一態様によれば、
III族窒化物で構成された被エッチング領域を有し光電気化学エッチングが施される処理対象物を、エッチング液に接触する状態で保持する保持機構と、
前記処理対象物に、前記光電気化学エッチングを行うための励起光を照射する光照射装置と、
前記処理対象物の前記励起光が照射される面と反対の面側から、前記被エッチング領域の少なくとも一部に画定された被測定領域の状態を観察する測定装置と、
を有する、構造体の製造装置
が提供される。
本発明の他の態様によれば、
III族窒化物で構成された被エッチング領域を有し光電気化学エッチングが施される処理対象物を、エッチング液に接触する状態で保持する工程と、
前記処理対象物に、前記光電気化学エッチングを行うための励起光を照射することで、前記光電気化学エッチングを行う工程と、
前記処理対象物の前記励起光が照射される面と反対の面側から、前記被エッチング領域の少なくとも一部に画定された被測定領域の状態を観察する工程と、
を有する、構造体の製造方法
が提供される。
III族窒化物に対するPECエッチングの制御性を高めるための新たな測定技術が提供される。
図1は、本発明の一実施形態による構造体の製造装置の構成の一例を示す概略図である。 図2(a)および図2(b)は、表側から処理対象物に照射される光である励起光または測定光に起因する観察光を例示する概略図である。 図3は、裏側から処理対象物に照射される光である測定光に起因する観察光を例示する概略図である。 図4(a)および図4(b)は、被測定領域の平面的な配置を例示する概略図である。 図5(a)および図5(b)は、それぞれ、PECエッチングの開始時点および終了時点を例示する概略図である。 図6は、第1実施形態による構造体の製造方法を例示する概略図である。 図7(a)は、第2実施形態による構造体の製造方法を例示する概略図であり、図7(b)は、第3実施形態による構造体の製造方法を例示する概略図である。 図8(a)および図8(b)は、第4実施形態による構造体の製造方法を例示する概略図である。 図9は、第5実施形態による構造体の製造方法を例示する概略図である。 図10(a)および図10(b)は、第6実施形態による構造体の製造方法を例示する概略図である。 図11(a)~図11(c)は、保持機構の他の態様を例示する概略図である。 図12は、保持機構のさらに他の態様を例示する概略図である。
本発明の実施形態による、構造体の製造装置200(以下、装置200ともいう)、および、装置200を用いた構造体の製造方法、について説明する。まず、装置200の一般的な構成および動作について説明し、その後、装置200を用いた構造体の製造方法について、より具体的に説明する。
装置200は、III族窒化物の光電気化学(PEC)エッチングを行うPECエッチング装置である。本実施形態による装置200は、被エッチング領域30を観察する測定装置230を有することを1つの特徴とする。装置200は、PECエッチングの後に行われる後処理を行う後処理装置を兼ねてもよい。
図1は、装置200の構成の一例を示す概略図である。本例の装置200は、保持機構210と、光照射装置220と、測定装置230と、光照射装置240と、光照射装置250と、供給装置260と、加熱装置270と、制御装置280と、を有する。
処理対象物100は、III族窒化物で構成されPECエッチングが施される被エッチング領域30を有する。保持機構210は、処理対象物100を、PECエッチングに用いられるエッチング液300に接触する状態で保持する。保持機構210は、必要に応じて、保持機構210を(つまり、保持機構210に保持された処理対象物100を)移動させる移動機構(走査機構)217を有してもよい。
図1に例示する保持機構210は、エッチング液300を貯める容器211を有する。容器211に載置された処理対象物100の上面よりも高い位置までエッチング液300を貯めることにより、処理対象物100が(処理対象物100に画定された被エッチング領域30が)、エッチング液300に接触する状態で保持される。
光照射装置220は、PECエッチングを行うための光、つまり、III族窒化物中にホールを生成させる光である励起光221を、処理対象物100に照射する。励起光221は、エッチング液300を介して、処理対象物100の上面側(表側)から、処理対象物100に照射される。
測定装置230は、処理対象物100の下面側(裏側)から、つまり、処理対象物100の励起光221が照射される面と反対の面側から、被エッチング領域30の少なくとも一部に画定された被測定領域40(図4参照)の状態を観察する。被測定領域40の状態を観察することで、例えば、PECエッチングによるエッチング深さの測定、および、被エッチング領域30の表面の粗さの測定、の少なくとも一方が行われる。
測定装置230は、光センサ235を有し、観察光231の強度および波長の少なくともいずれかを測定する。光センサ235に、処理対象物100の裏面から出射された観察光231が入射することで、被測定領域40が観察される。測定装置230は、必要に応じて、観察光231を光センサ235に導く光学系(ミラー、レンズ、光ファイバ等)236を有してもよい。また、測定装置230は、必要に応じて、所定の被測定領域40が観察可能となるように、測定装置230の構成部材を移動させる移動機構(走査機構)237を有してもよい。
なお、測定装置230の光学系236は、観察光231を(例えば波長によって)複数に分けるような機能を有してもよく、測定装置230は、複数の光センサ235を有してもよい。
処理対象物100の下面と、光センサ235との間に、保持機構210の、処理対象物100を載置する載置部(本例では容器211の底部)が介在する。このため、保持機構210は、処理対象物100側から測定装置230側に(光センサ235側に)観察光231を透過させる透過領域213を有する。
観察光231は、PECエッチングに用いられる励起光221に起因する光であってもよいし、励起光221とは別に照射される測定光241または251に起因する光であってもよい。観察光231として、このような測定光241または251に起因する光を観察する場合、装置200は、測定光241、251をそれぞれ照射する光照射装置240、250の少なくとも一方を有する。
光照射装置240は、処理対象物100に、処理対象物100の上面側(表側)から、つまり、励起光221が照射される面と同じ面側から、測定光241を照射する。光照射装置250は、処理対象物100に、処理対象物100の下面側(裏側)から、つまり、処理対象物100の励起光221が照射される面と反対の面側から、測定光251を照射する。光照射装置250を用いる場合、保持機構210の透過領域213は、測定光251も透過させる。
光照射装置240、250のそれぞれは、必要に応じて、光照射装置240、250のそれぞれの光源と処理対象物100との間に、光学系(ミラー、レンズ等)246、256を有してもよい。また、光照射装置240、250のそれぞれは、必要に応じて、所定の被測定領域40が観察可能となるように、光照射装置240、250のそれぞれの構成部材を移動させる移動機構(走査機構)247、257を有してもよい。
供給装置260は、装置200が行う処理に用いられる処理液300を供給する。装置200は、PECエッチング装置であり、処理液300は、例えば、PECエッチングに用いられるエッチング液である。装置200は、後処理装置を兼ねてもよく、処理液300は、また例えば、後処理に用いられる後処理液である。PECエッチング時の処理液300を、エッチング液300と呼ぶこともあり、後処理時の処理液300を、後処理液300と呼ぶこともある。
エッチング液300は、詳しくは後述するように、好ましくはペルオキソ二硫酸イオンを含み、加熱または光照射によってペルオキソ二硫酸イオンから硫酸イオンラジカルを生成させた状態で、PECエッチングに用いられる。加熱装置270は、加熱によるラジカル生成に用いられる。加熱装置270は、供給装置260からエッチング液300が供給(吐出)される前にエッチング液300を加熱する態様の装置であってもよいし、供給装置260からエッチング液300が供給(吐出)された後にエッチング液300を加熱する態様の装置であってもよい。光照射によるラジカル生成を行う場合、例えば、ラジカル生成に適した波長(200nm以上310nm未満)を励起光221が含むようにしてもよいし、また例えば、当該波長の光を照射するラジカル生成用の光源を別途用いてもよい。
制御装置280は、装置200が有する種々の装置を、所定のタイミングで所定の動作が行われるように制御する。また、制御装置280は、測定装置230の光センサ235から出力されたデータに基づいて、各種の分析処理を行う。制御装置280を、測定装置230の一部として捉えてもよい。制御装置280は、例えばパーソナルコンピュータを用いて構成される。
装置200を用いた構造体の製造方法の実施形態は、処理対象物100を、エッチング液300に接触する状態で保持する工程と、処理対象物100に、励起光221を照射することで、PECエッチングを行う工程と、処理対象物100の励起光221が照射される面と反対の面側から、被測定領域40の状態を観察する工程と、を有する。
装置200を用いた構造体の製造技術では、測定装置230が、処理対象物100の下面側から被測定領域40の状態を観察することで、PECエッチング等の処理を行いながら(インサイチュで)、被測定領域40に対する種々の測定を行うことができる。PECエッチングは、処理対象物100にその上面側から励起光221を照射することで行われる。このため、測定装置230を構成する部材を、処理対象物100の下面側に配置して、下面側からの観察を行うことは、励起光221の処理対象物100への照射を阻害しにくいこと、測定装置230を構成する部材の(平面的な)配置の自由度を高められること、等の観点で好ましい。
図2(a)、図2(b)および図3を参照して、観察光231の種々の態様について説明する。また併せて、処理対象物100の概略的な構造についても説明する。図2(a)および図2(b)は、表側から処理対象物100に照射される光である励起光221または測定光241に起因する観察光231を例示する概略図である。図3は、裏側から処理対象物100に照射される光である測定光251に起因する観察光231を例示する概略図である。
処理対象物100は、エッチング対象物10と、マスク50と、を有する。エッチング対象物10は、PECエッチングが施される基板(ウエハ)である。マスク50は、エッチング対象物10の上面上に配置され、PECエッチングが施される被エッチング領域30を画定する。マスク50は、例えば、レジスト等の非導電性材料で構成されてもよく、また例えば、金属等の導電性材料で構成されてもよい。さらに、マスク50は、非導電性材料と導電性材料とを組み合わせて構成されてもよい。なお、処理対象物100は、上面の全面がPECエッチングされるもの、つまり、上面の全面が被エッチング領域30であるもの(マスク50を有しないもの)であってもよい。
エッチング対象物10は、下地層11と、エッチング対象層12と、を有する。エッチング対象層12は、III族窒化物で構成され、エッチング対象層12に、被エッチング領域30が画定されている。下地層11は、エッチング対象層12よりも下方に配置され、PECエッチングが施されない厚さの部分である。下地層11は、III族窒化物で構成されていてもよいし、III族窒化物以外の異種材料で構成されていてもよい。
なお、エッチング対象物10は、全厚さがIII族窒化物で構成されて全厚さがPECエッチングされる(貫通孔が形成される)もの、つまり、全厚さがエッチング対象層12として構成されるものであってもよい。
下地層11と、エッチング対象層12のエッチング残り部分13と、を合わせた厚さの部分が、観察光231が透過する透過部分14である。観察光231としては、透過部分14を透過可能な波長を有する光が用いられる。換言すると、下地層11は、所定の観察光231が透過するような材料で構成されている。
図2(a)は、観察光231として、被エッチング領域30から放出された蛍光232を用いる態様を例示する概略図である。III族窒化物は、III族窒化物に混入した炭素、III族元素の空孔、等に起因した準位に対応する可視光の蛍光を放出する。本例では、このような蛍光232を、観察光231として用いる。なお、エッチング対象層12が、有機金属化学気相堆積(MOCVD)により成長された層である場合、有機原料由来の炭素が混入しやすいため、蛍光が放出されやすい。
蛍光232のピーク波長は、III族窒化物の組成、成長条件等によって変動し得るが、典型的には500nm以上650nm以下の範囲内の波長である。例えば、GaNから放出される蛍光232のピーク波長は564nmである。
蛍光232は、(PECエッチングのためのホール生成用の)励起光221を(蛍光232の)励起光として放出されたものであってもよいし、測定光241を(蛍光232の)励起光として放出されたものであってもよい。
PECエッチング実施中に蛍光232を測定する場合、励起光221を用いて蛍光232を測定することができる。励起光221を効率的に利用して、PECエッチングおよび観察の両方を行うことができる。
蛍光232の発光スペクトルの特性(形状)は、つまり、蛍光232の強度、ピーク波長等は、PECエッチング実施中の各時点で被エッチング領域30の表面(蛍光232の放出部)を構成するIII族窒化物の品質(組成、結晶状態等)に応じて変化する。
これにより、III族窒化物の組成、成長条件等が深さ方向で変化するエッチング対象層12(典型的には、組成の異なる複数層で構成された積層構造を有するエッチング対象層12)がPECエッチングされる際、エッチング深さに応じて(どの層がエッチングされているのかに応じて)、蛍光232の発光スペクトルの特性は変化する。したがって、蛍光232の強度、ピーク波長等を測定することによって、当該測定時点におけるエッチング深さをモニタする(当該測定時点にエッチングされているのがどの層であるかモニタする)ことができる。
蛍光232の測定は、PECエッチング実施中以外の期間に行われてもよい。PECエッチング実施中以外の期間に蛍光232を測定する場合、測定光241を用いて蛍光232を測定することができる。測定光241によって蛍光232を放出させる場合、測定光241の波長としては、蛍光232の励起光となるような短波長が設定される。
図2(b)は、観察光231として、励起光221または測定光241が透過部分14を透過した光である透過光233を用いる態様を例示する概略図である。透過光233は、被エッチング領域30の表面を直進的に透過する成分(直進透過光)233aと、被エッチング領域30の表面で散乱されて透過する成分(散乱透過光)233bと、を含む。
エッチング対象層12のエッチング残り部分13による透過光233の吸収は、エッチング残り部分13が薄くなるほど小さくなる。つまり、エッチング残り部分13の厚さと、透過部分14から出射した透過光233の強度(透過率または減衰率)とは、相関(以下、エッチング残り厚さと透過光との相関ともいう)を有する。したがって、透過光233の強度を測定することにより、エッチング残り部分13の厚さを測定することができる。また、PECエッチング前のエッチング対象層12の厚さと、エッチング残り部分13の厚さと、の差として、PECエッチングによるエッチング深さを測定することができる。なお、エッチング深さとエッチング時間との関係から、エッチングレートを測定することもできる。透過光233に関する、エッチング残り厚さと透過光との相関は、予備実験、シミュレーション等により、あらかじめ取得しておくことができる。
詳細は後述するように、被エッチング領域30の表面の粗さは、PECエッチングが進行するほど大きくなる。被エッチング領域30の表面の粗さが大きく(粗く)なるほど、透過光233における散乱の度合いは大きくなる。つまり、被エッチング領域30の表面の粗さと、散乱透過光(散乱光)233bの強度(散乱透過光233bの強度の直進透過光233aの強度に対する相対強度)とは、相関(以下、表面粗さと散乱光との相関ともいう)を有する。これとともに、PECエッチングによるエッチング深さと、散乱透過光(散乱光)233bの強度(散乱透過光233bの強度の直進透過光233aの強度に対する相対強度)とは、相関(以下、エッチング深さと散乱光との相関ともいう)を有する。
したがって、散乱透過光233bの強度を測定することにより、被エッチング領域30の表面の粗さを測定することができるとともに、PECエッチングによるエッチング深さ(または、エッチング残り部分13の厚さ)を測定することができる。なお、エッチング深さとエッチング時間との関係から、エッチングレートを測定することもできる。透過光233に関する、表面粗さと散乱光との相関、および、エッチング深さと散乱光との相関は、それぞれ、予備実験、シミュレーション等により、あらかじめ取得しておくことができる。
透過光233としては、例えば、励起光221を用いてもよく、また例えば、測定光241を用いてもよい。励起光221は、エッチング対象層12を構成するIII族窒化物にホールを生成させる波長を有するので、エッチング残り部分13での吸収が大きい。したがって、透過光233として励起光221を用いる態様は、エッチング残り部分13が充分に薄い場合に好ましい。
透過光233として測定光241を用いる態様では、測定光241がこのような波長の制限を有しないため、透過光233の(測定光241の)波長設定の自由度が高くなる。なお、PECエッチング実施中に、透過光233として測定光241を用いる態様(つまり、励起光221と測定光241とが同時照射される態様)では、測定光241に起因するPECエッチングへの影響を低減させるために、測定光241の波長として、エッチング対象層12を構成するIII族窒化物にホールを生成させないような長波長(例えば可視領域の波長)が設定されてよい。測定光241の波長、強度等は、予備実験、シミュレーション等により、測定が好適に行われるように設定されてよい。
図3は、観察光231として、測定光251が被エッチング領域30の表面で反射された光である反射光234を用いる態様を例示する概略図である。反射光234は、被エッチング領域30の表面で鏡面反射された成分(鏡面反射光)234aと、被エッチング領域30の表面で散乱反射された成分(散乱反射光)234bと、を含む。
測定光251は、下面側から処理対象物100に入射し、下面側から透過部分14を透過して、被エッチング領域30の表面で反射される。測定光251が被エッチング領域30の表面で反射された反射光234は、上面側から透過部分14を透過して、透過部分14の下面から出射される。
透過光233に関して説明したのと同様に、エッチング対象層12のエッチング残り部分13による反射光234の吸収は、エッチング残り部分13が薄くなるほど小さくなる。つまり、エッチング残り部分13の厚さと、透過部分14から出射した反射光234の強度(透過率または減衰率)とは、相関(以下、エッチング残り厚さと透過光との相関ともいう)を有する。したがって、反射光234の強度を測定することにより、エッチング残り部分13の厚さを測定することができる。また、PECエッチング前のエッチング対象層12の厚さと、エッチング残り部分13の厚さと、の差として、PECエッチングによるエッチング深さを測定することができる。なお、エッチング深さとエッチング時間との関係から、エッチングレートを測定することもできる。反射光234に関する、エッチング残り厚さと透過光との相関は、予備実験、シミュレーション等により、あらかじめ取得しておくことができる。
透過光233に関して説明したのと同様に、被エッチング領域30の表面の粗さは、PECエッチングが進行するほど大きくなる。被エッチング領域30の表面の粗さが大きく(粗く)なるほど、反射光234における散乱の度合いは大きくなる。つまり、被エッチング領域30の表面の粗さと、散乱反射光(散乱光)234bの強度(散乱反射光234bの強度の鏡面反射光234aの強度に対する相対強度)とは、相関(以下、表面粗さと散乱光との相関ともいう)を有する。これとともに、PECエッチングによるエッチング深さと、散乱反射光(散乱光)234bの強度(散乱反射光234bの強度の鏡面反射光234aの強度に対する相対強度)とは、相関(以下、エッチング深さと散乱光との相関ともいう)を有する。
したがって、散乱反射光234bの強度を測定することにより、被エッチング領域30の表面の粗さを測定することができるとともに、PECエッチングによるエッチング深さ(または、エッチング残り部分13の厚さ)を測定することができる。なお、エッチング深さとエッチング時間との関係から、エッチングレートを測定することもできる。反射光234に関する、表面粗さと散乱光との相関、および、エッチング深さと散乱光との相関は、それぞれ、予備実験、シミュレーション等により、あらかじめ取得しておくことができる。
なお、積層構造を有するエッチング対象層12に対して、干渉縞を検出することで、その間隔から層厚を測定したり、層厚に基づいてエッチング深さを測定したりしてもよい。
エッチング残り部分13による測定光251の(反射光234の)吸収を過度に大きくしないために、測定光251の波長として、エッチング対象層12を構成するIII族窒化物にホールを生成させないような長波長(例えば可視領域の波長)が設定されてよい。測定光251の波長、強度等は、予備実験、シミュレーション等により、測定が好適に行われるように設定されてよい。
図4(a)および図4(b)を参照して、被測定領域40について説明する。図4(a)および図4(b)は、被測定領域40の平面的な配置を例示する概略図である。被測定領域40は、被エッチング領域30の少なくとも一部に画定される。被測定領域40は、必要に応じて、1箇所または複数箇所配置される。つまり、測定装置230は、必要に応じて、1箇所の被測定領域40、または、複数箇所の被測定領域40に対する測定を行う。複数箇所の被測定領域40は、共通の1つの大きな(広い)被エッチング領域30に内包されるように配置されてもよいし、離散的に複数配置された被エッチング領域30のそれぞれに配置されてもよい。各被測定領域40の大きさ、形状等は、必要に応じて適宜設定されてよい。
複数箇所の被測定領域40は、必要に応じて、1次元的(線状)に配置されてもよいし、2次元的(面状)に配置されていてもよい。つまり、測定装置230は、必要に応じて、1次元的に配置された複数箇所の被測定領域40、または、2次元的に配置された複数箇所の被測定領域40に対する測定を行う。
図4(a)は、格子状に2次元的に配置された被測定領域40を例示する概略的な平面図である。図4(a)の例において、格子の各行および各列は、それぞれ、1次元的に配置された被測定領域40で構成されている。
図4(b)は、同心円状に2次元的に配置された被測定領域40を例示する概略的な平面図である。図4(b)の例において、同心の各円は、それぞれ、1次元的に(円周状に)配置された被測定領域40で構成されている。
なお、被測定領域40は、規則的に並んでいなくてもよい。例えば、ランダムな間隔で1次元的(線状)に配置されてもよいし、また例えば、ランダムな間隔で2次元的(面状)に配置されていてもよい。被測定領域40の配置個数、配置形状、配置間隔等は、必要に応じて適宜設定されてよい。
測定装置230は、必要に応じて、複数箇所の被測定領域40に対する測定を、同時または非同時に行う。例えば、複数箇所の被測定領域40を含む観察範囲を撮像することで、当該観察範囲に含まれる複数箇所の被測定領域40に対する測定を、同時に行ってよい。また例えば、被測定領域40に対する測定を1箇所ずつ順次行う(走査する)ことで、複数箇所の被測定領域40に対する測定を、非同時に行ってよい。
測定装置230による被測定領域40の測定は、PECエッチングの実施中に行われるだけでなく、必要に応じ、PECエッチングの開始前に行われてもよいし、PECエッチングの終了後に行われてもよい。なお、被測定領域40の測定を、PECエッチングの実施中には行わないような、測定装置230の使い方がされてもよい。つまり、測定装置230は、PECエッチングの開始前、PECエッチングの実施中、および、PECエッチングの終了後、の少なくともいずれかにおいて、被測定領域40に対する測定(被測定領域40の状態の観察)を行う。
測定装置230は、被測定領域40に対する測定を、1時点または複数時点において行い、複数時点における測定を、連続的または間欠的に行う。被測定領域40に対する複数時点における測定は、所定期間(例えばPECエッチングの実施中)において、連続的に(例えばPECエッチングの開始から終了までずっと)行われてもよいし、間欠的に(例えばPECエッチングの実施中に所定間隔ごとに)行われてもよい。例えば、PECエッチングの実施中に、同一箇所の被測定領域40に対する測定を、複数時点において行うことで、PECエッチングの進行の度合いをモニタする使い方がされてよい。
PECエッチングについて説明する。まず、PECエッチングの機構について説明する。PECエッチングされるIII族窒化物の例として窒化ガリウム(GaN)を挙げて説明する。
PECエッチングは、ウェットエッチングであり、処理対象物100がエッチング液300に接触した状態で行われる。エッチング液300としては、被エッチング領域30を構成するIII族窒化物が含有するIII族元素の酸化物を生成するために用いられる酸素を含み、さらに、電子を受け取る酸化剤を含む、アルカリ性または酸性のエッチング液300が用いられる。
当該酸化剤としては、ペルオキソ二硫酸イオン(S 2-)が好ましく用いられ、エッチング液300としては、(少なくとも)ペルオキソ二硫酸イオン(S 2-)の塩を所定濃度で水に溶解させた水溶液が用いられる。当該酸化剤は、より具体的には、S 2-から生成された硫酸イオンラジカル(SO -*)が、電子を受け取って硫酸イオン(SO 2-)に変化する態様で、機能する。
エッチング液300に用いるS 2-の塩としては、例えば、ペルオキソ二硫酸アンモニウム(NH、ペルオキソ二硫酸カリウム(K)、ペルオキソ二硫酸ナトリウム(Na)等が挙げられる。エッチング液300に起因するアルカリ金属元素の残留を抑制する観点からは、アルカリ金属を含まない(NHを用いることが好ましい。なお、これらのS 2-の塩の水溶液は、どれも酸性である。例えば、これらのS 2-の塩の水溶液に、水酸化カリウム(KOH)水溶液等のアルカリ性の水溶液を適当な濃度で混合することにより、アルカリ性のエッチング液300を得ることもできる。
PECエッチングにおける反応は、(化1)のようにまとめることができる。
Figure 2023040648000002
エッチング液に含まれるS 2-からSO -*を生成させる反応は、(化2)で示される。つまり、S 2-を加熱すること、および、S 2-に光を照射すること、の少なくとも一方により、SO -*を生成させることができる。
Figure 2023040648000003
(化1)に示されるように、III族窒化物に、当該III族窒化物のバンドギャップに対応する波長以下の励起光221(本例ではGaNのバンドギャップに対応する365nm以下の紫外光)が照射されることで、III族窒化物中にホール(h)と電子(e)とが生成される。ホールの生成によりIII族窒化物(本例ではGaN)がIII族元素の陽イオン(本例ではGa3+)と窒素ガス(Nガス)とに分解され、III族元素の陽イオンが水(HO)に含まれる酸素と結合することでIII族元素の酸化物(本例ではGa)が生成される。III族元素の酸化物が、アルカリ性または酸性のエッチング液300に溶解されることで、III族窒化物がエッチングされる。III族窒化物中に生成された電子は、SO -*と結合してSO 2-を生成することで、消費される。
マスク50としてレジストマスクを用いる場合、酸性のエッチング液300を用いることが好ましい。レジスト等の非導電性材料と、金属等の導電性材料と、を組み合わせて(マスク50が、平面視において、非導電性材料で構成された部分と、導電性材料で構成された部分と、の両方を有するように)、マスク50が構成されてもよい。導電性材料で構成されたマスク50は、ホールと対で生成された電子をエッチング液300に放出させるカソード(カソードパッド)として機能する。
エッチング液300が酸化剤(S 2-)を含むことにより、処理対象物100からエッチング液300中に直接的に(外部の導線への接続無しに)電子を放出する態様で(コンタクトレスで)、PECエッチングを行うことができる。なお、外部の導線への接続により電子を放出する態様で(コンタクト有りで)、PECエッチングを行うことも可能である。本実施形態による、処理対象物100の下面側(裏側)から被測定領域40の状態を観察する技術は、導線への接続無しの(コンタクトレスの)PECエッチングへの適用に限らず、導線への接続有りの(コンタクト有りの)PECエッチングに適用されてもよい。
PECエッチングは、例示したGaN以外のIII族窒化物に対しても行うことができる。III族窒化物が含有するIII族元素は、アルミニウム(Al)、ガリウム(Ga)およびインジウム(In)のうちの少なくとも1つであってよい。III族窒化物におけるAl成分またはIn成分に対するPECエッチングの考え方は、Ga成分について(化1)を参照して説明した考え方と同様である。つまり、III族窒化物への光照射によりホールを生成させることで、Alの酸化物またはInの酸化物を生成させ、これらの酸化物をアルカリ性または酸性のエッチング液に溶解させることで、PECエッチングを行うことができる。照射する励起光221の波長は、エッチングの対象とするIII族窒化物の組成に応じて、適宜変更されてよい。GaNのPECエッチングを基準として、Alを含有する場合は、より短波長の励起光221を用いればよく、Inを含有する場合は、より長波長の励起光221も利用可能となる。つまり、エッチングしたいIII族窒化物の組成に応じて、当該III族窒化物がPECエッチングされるような波長の励起光221を、適宜選択して用いてよい。
次に、PECエッチングのより具体的な態様について説明する。図5(a)および図5(b)は、それぞれ、PECエッチングの開始時点および終了時点を例示する概略図である。エッチング対象物10として、高電子移動度トランジスタ(HEMT)を構成する積層構造を有するエピタキシャル基板を例示する。このようなエッチング対象物10に対し、素子分離溝をPECエッチングにより形成する態様を例示する。処理対象物100は、エッチング対象物10と、素子分離溝が形成されるべき領域に開口を有するマスク50と、を有する。
本例のエッチング対象層12は、GaNで構成されたチャネル層22と、窒化アルミニウムガリウム(AlGaN)で構成された障壁層23と、GaNで構成されたキャップ層24と、を有する。チャネル層22の上面近傍に、HEMTのチャネルとなる2次元電子ガス(2DEG)が形成される。PECエッチングにより、キャップ層24の上面側から、チャネル層22の途中の深さ(2DEGを分断する深さ)まで達する凹部を形成することにより、素子分離溝を形成する。
下地層11は、例えば、GaN基板21であり、エッチング対象層12をエピタキシャル成長させるための下地である。なお、下地層11は、必要に応じて、他の構成を有するもの、例えば、異種基板(サファイア基板、炭化シリコン基板、シリコン基板等)上に、III族窒化物で構成された中間層(核生成層等)が形成されたもの、であってもよい。例えば、GaN基板、サファイア基板および炭化シリコン基板は、それぞれ、例えば可視光の観察光231を透過可能である。また例えば、シリコン基板は、例えば赤外光の観察光231を透過可能である。
エッチング対象物10の上面、つまり、PECエッチングされる被エッチング面は、III族窒化物のc面で構成されている。ここで「c面で構成されている」とは、当該上面に対して最も近い低指数の結晶面が、エッチング対象層12を構成するIII族窒化物結晶のc面であることを意味する。エッチング対象層12を構成するIII族窒化物は転位(貫通転位)を有し、当該上面に、転位が所定の密度で分布している。
転位ではホールのライフタイムが短いため、PECエッチングが生じにくい。このため、PECエッチングで形成された凹部(本例では素子分離溝)の底、つまり、被エッチング領域30の表面において、転位に対応する位置に、PECエッチングの溶け残り部分として、凸部31が形成されやすい。
凸部31の高さは、PECエッチングが進行するほど大きくなる傾向を有する。したがって、PECエッチングが進行するほど、つまり、PECエッチングのエッチング深さが深くなるほど、被エッチング領域30の表面の粗さは大きく(粗く)なる傾向を有する。なお、PECエッチングの進行に伴って面内でのエッチング深さのばらつきが大きくなることで、被エッチング領域30の表面の粗さが大きく(粗く)なることもあり得る。
なお、PECエッチングが施されるエッチング対象物10、および、PECエッチングの目的は、例示のものに限定されない。例えば、HEMT用のエピタキシャル基板であるエッチング対象物10に対して、PECエッチングにより、ゲートリセスを形成してもよく、ソースリセスおよびドレインリセスを形成してもよい。また例えば、GaN基板等であるエッチング対象物10に対して、PECエッチングにより、貫通孔を形成してもよい。被エッチング領域30の広さ、および、(最終的な)エッチング深さは、それぞれ、PECエッチングの目的に応じて、種々のものであってよい。
以下、より具体的な実施形態を例示的に説明する。第1~第4実施形態では、上述のような、HEMT用のエピタキシャル基板であるエッチング対象物10に対して、PECエッチングにより素子分離溝を形成する態様を例として説明する。エッチング対象層12は、例えば、GaNで構成されたチャネル層22と、AlGaNで構成された障壁層23と、GaNで構成されたキャップ層24と、を有する。被エッチング領域30における、キャップ層24の全厚さ、障壁層23の全厚さ、および、チャネル層22の一部の厚さを、PECエッチングにより除去することで、素子分離溝を形成する。
第1~第3実施形態では、PECエッチングの実施中に、被測定領域40の状態の観察を行う態様について説明する。第4実施形態では、PECエッチングの終了後に行われる後処理の実施中に、被測定領域40の状態の観察を行う態様について説明する。
<第1実施形態>
図6を参照して、第1実施形態による構造体の製造方法について説明する。第1実施形態では、HEMTの素子分離溝を形成するPECエッチングの実施中において、図2(a)を参照して説明したように、励起光221に起因する蛍光232を測定する。
まず、キャップ層24つまりGaN層がエッチングされている期間中は、GaNから放出される黄色い蛍光232が観測される。キャップ層24の全厚さが除去された後、障壁層23つまりAlGaN層がエッチングされている期間中は、AlGaNから放出される、GaNよりも弱い(暗い)蛍光232が観測される。さらに、障壁層23の全厚さが除去された後、チャネル層22つまりGaN層がエッチングされている期間中は、GaNから放出される、AlGaNよりも強い(明るい)蛍光232が観測される。チャネル層22がエッチングされている途中で、PECエッチングを終了させる。
チャネル層22のPECエッチングが開始された後、PECエッチングを終了させるタイミングは(チャネル層22のPECエッチングを行う期間は)、時間制御により決定されてもよいし、後述の第2または第3実施形態で説明するように(第1実施形態と、第2または第3実施形態とを組み合わせて)、エッチング深さをモニタすることで決定されてもよい。
本実施形態では、PECエッチングを行いながら(インサイチュで)、エッチング対象層12のうちどの層がエッチングされているかを検知する(つまり、エッチング深さをモニタする)ことができる。これにより、PECエッチングを単に時間制御で行う場合と比べて、より確実にエッチング深さを制御すること(PECエッチングの終点を検知すること)ができる。
なお、蛍光232の強度の変化とともに、蛍光232のピーク波長等の変化を測定してもよい。蛍光232の発光スペクトルの特性をモニタすることにより、エッチング対象層12を構成するIII族窒化物の品質を、PECエッチングを行いながら検査してもよい。
<第2実施形態>
図7(a)を参照して、第2実施形態による構造体の製造方法について説明する。第2実施形態では、HEMTの素子分離溝を形成するPECエッチングの実施中において、図2(b)を参照して説明したように、測定光241に起因する透過光233を測定する。
透過光233の測定により、エッチング残り部分13の厚さ、つまり、PECエッチングによるエッチング深さが測定される。第1の方法としては、透過光233に関する、エッチング残り厚さと透過光との相関に基づいて、このような測定が行われる。第2の方法としては、透過光233に関する、エッチング深さと散乱光との相関に基づいて、このような測定が行われる。これらの方法のうち、一方が用いられてもよいし、両方が用いられてもよい。
エッチング深さが、素子分離溝として適した所定の深さに達したら(つまり、エッチング残り部分13が、チャネル層22の全厚よりも薄い、当該所定の深さに対応する薄さとなったら)、PECエッチングを終了させる。
本実施形態では、PECエッチングを行いながら(インサイチュで)、エッチング深さをモニタすることができる。これにより、PECエッチングを単に時間制御で行う場合と比べて、より確実にエッチング深さを制御すること(PECエッチングの終点を検知すること)ができる。
なお、被エッチング領域30の表面の粗さが測定されてもよい。例えば、PECエッチングの途中で表面粗さの異常(許容値以上の表面粗さ)が検知された場合に、装置200の点検を行うような使い方がされてもよい。
<第3実施形態>
図7(b)を参照して、第3実施形態による構造体の製造方法について説明する。第3実施形態では、HEMTの素子分離溝を形成するPECエッチングの実施中において、図3を参照して説明したように、測定光251に起因する反射光234を測定する。
反射光234の測定により、エッチング残り部分13の厚さ、つまり、PECエッチングによるエッチング深さが測定される。第1の方法としては、反射光234に関する、エッチング残り厚さと透過光との相関に基づいて、このような測定が行われる。第2の方法としては、反射光234に関する、エッチング深さと散乱光との相関に基づいて、このような測定が行われる。これらの方法のうち、一方が用いられてもよいし、両方が用いられてもよい。
エッチング深さが、素子分離溝として適した所定の深さに達したら(つまり、エッチング残り部分13が、チャネル層22の全厚よりも薄い、当該所定の深さに対応する薄さとなったら)、PECエッチングを終了させる。
本実施形態では、PECエッチングを行いながら(インサイチュで)、エッチング深さをモニタすることができる。これにより、PECエッチングを単に時間制御で行う場合と比べて、より確実にエッチング深さを制御すること(PECエッチングの終点を検知すること)ができる。
なお、被エッチング領域30の表面の粗さが測定されてもよい。例えば、PECエッチングの途中で表面粗さの異常(許容値以上の表面粗さ)が検知された場合に、装置200の点検を行うような使い方がされてもよい。
<第4実施形態>
図8(a)および図8(b)を参照して、第4実施形態による構造体の製造方法について説明する。第4実施形態では、第1~第3実施形態のようにHEMTの素子分離溝がPECエッチングにより形成された後に、後処理を行う態様を例示する。第4実施形態は、PECエッチングを行う工程の後に、処理液300を、エッチング液300から他の液(後処理液300)に換えて、処理対象物100の後処理を行う工程、を有する。
本実施形態では、後処理として、平坦化エッチングを例示する。上述のように、PECエッチングに伴い、被エッチング領域30の表面に、凸部31が形成される。平坦化エッチングは、後処理液300により凸部31を除去する(凸部31を低くする)エッチングである。
後処理液(平坦化エッチング液)300としては、例えば、塩酸(HCl)水溶液、塩酸(HCl)と過酸化水素(H)との混合水溶液(塩酸過水)、硫酸(HSO)と過酸化水素(H)との混合水溶液(ピラニア溶液)、水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)水溶液、フッ化水素水溶液(フッ酸)、水酸化カリウム(KOH)水溶液、等が用いられる。平坦化エッチングでは、より具体的には、例えば、30%のHClと30%のHとを1:1で混ぜた塩酸過水を用い、10分間のエッチングを行う。なお、平坦化エッチングでは、励起光221の照射は不要である。平坦化エッチングの後に、さらなる後処理として、処理液300に例えば水を用いた洗浄処理を行ってもよい。
図8(a)および図8(b)は、それぞれ、後処理(平坦化エッチング)の開始時点および終了時点を示す概略図である。後処理の開始時点、つまり、PECエッチングの終了後の状態では、凸部31が形成されている。後処理により、凸部31を除去することで、被エッチング領域30の表面の平坦性を向上させる。
第4実施形態では、後処理の実施中において、図2(b)を参照して説明したように、測定光241に起因する透過光233を測定する。そして、透過光233に関する、表面粗さと散乱光との相関に基づいて、被エッチング領域30の表面の粗さを測定する。
被エッチング領域30の表面の粗さが、所定の粗さ以下となったら、後処理(平坦化エッチング)を終了させる。なお、図3を参照して説明したように、測定光251に起因する反射光234を測定することで、被エッチング領域30の表面の粗さを測定してもよい。
本実施形態では、後処理(平坦化エッチング)を行いながら(インサイチュで)、被エッチング領域30の表面の粗さをモニタすることができる。これにより、後処理を単に時間制御で行う場合と比べて、より確実に(あるいはより短時間で後処理を終了させて)所定の表面平坦性を得ること(後処理の終点を検知すること)ができる。
なお、被測定領域40の測定は、後処理(平坦化エッチング)の開始前(例えば、PECエッチングの終了後)に行われてもよいし、後処理(平坦化エッチング)の終了後(例えば、洗浄処理の終了後)に行われてもよい。つまり、測定装置230は、後処理の開始前、後処理の実施中、および、後処理の終了後、の少なくともいずれかにおいて、被測定領域40に対する測定(被測定領域40の状態の観察)を行う。
<第5実施形態>
図9を参照して、第5実施形態による構造体の製造方法について説明する。第5実施形態では、エッチング対象物10にPECエッチングにより貫通孔(ビアホール)を形成する態様について説明する。つまり、本実施形態では、エッチング対象物10の全厚さが、III族窒化物で構成されたエッチング対象層12である。エッチング対象層12は、単層構造であってもよいし、積層構造であってもよい。
本実施形態では、例えば、励起光221を観察光231として用いる。エッチング残り部分13が薄くなるほど、観察光231の強度は大きくなり、エッチング残り部分13がなくなると、つまり貫通孔が形成されると、観察光231の強度は最大となる(飽和する)。これにより、PECエッチングを行いながら貫通孔の形成を確認することができる。
励起光221はエッチング残り部分13での吸収が大きい。このため、励起光221である観察光231を用いることで、貫通の直前における強度増加が急峻となり、貫通を検知することが容易である。なお、エッチング残り部分13に対する、測定光241の透過状態、または、測定光251の反射状態をモニタすることにより、貫通を検知してもよい。なお、貫通に伴いエッチング残り部分13がなくなることによる、蛍光232の減少を測定してもよい。
<第6実施形態>
図10(a)および図10(b)を参照して、第6実施形態による構造体の製造方法について説明する。第6実施形態では、エッチング対象物10として、発光素子を構成する積層構造を有するエピタキシャル基板を例示する。このようなエッチング対象物10に対し、素子同士を分割する分割溝をPECエッチングにより形成し、さらに、下地層11からの素子の剥離をPECエッチングにより行う態様を例示する。
エッチング対象物10は、下地層11と、エッチング対象層12と、を有する。エッチング対象層12は、下地層11側から、犠牲層26と、素子層27と、が積層された構造を有する。つまり、エッチング対象物10は、下地層11上に、犠牲層26を介して素子層27が積層された構造を有する。
処理対象物100は、エッチング対象物10と、分割溝が形成されるべき領域に開口を有するマスク50と、を有する。分割溝は、深さが犠牲層26に達し、素子層27に画定される各素子(チップ)同士を分割する溝である。
素子層(剥離対象層)27は、III族窒化物で構成され、半導体素子を構成する積層構造を有する。本実施形態では、III族窒化物半導体素子として、発光素子(発光ダイオード)を例示する。III族窒化物半導体素子は、発光素子以外のものであってもよい。
発光素子を構成する素子層27は、例えば、n型GaNで構成されたn型層27aと、窒化インジウムガリウム(InGaN)層とGaN層との交互積層で構成された活性層27bと、p型GaNで構成されたp型層27cと、の積層構造を有する。
犠牲層26は、III族窒化物で構成され、例えば、窒化インジウムガリウム(InGaN)で構成される。下地層11は、例えば、GaN基板25であり、エッチング対象層12をエピタキシャル成長させるための下地である。なお、下地層11は、必要に応じて、他の構成を有するのものであってもよい。ただし、後述のように、下地層11は、犠牲層26を構成する材料(例えばInGaN)よりも、バンドギャップの大きい材料で構成される。
図10(a)は、分割溝を形成するPECエッチング(以下、分割エッチングともいう)を示す概略図である。分割エッチングでは、素子層27側から素子層27に励起光221を照射し、犠牲層26が露出する深さまで素子層27をエッチングすることで、分割溝を形成する。これにより、素子層27が、分割溝で分割された複数の素子(複数の部分)に分割される。
分割エッチングでは、測定装置230でエッチング深さをモニタすることにより、エッチン深さが犠牲層26に到達したことを検知する。これにより、分割溝をより確実に形成することができる。エッチング深さをモニタする方法としては、上述の、蛍光232を用いる方法、透過光233を用いる方法、および、反射光234を用いる方法、のうち、いずれが用いられてもよい。
図10(b)は、剥離のためのPECエッチング(以下、剥離エッチングともいう)を示す概略図である。本例では、分割エッチングの後、処理対象物100の上下を反転させて、下地層11を上側とした状態で、剥離エッチングを行う。なお、保持機構210(本例では、エッチング液300を貯める容器211)の底から処理対象物100を離す(浮かせる)ように、支持機構214により処理対象物100を支持してもよい。
剥離エッチングでは、下地層11側から(下地層11を透過させ)犠牲層26に励起光221を照射して犠牲層26(の全厚さ)を除去することで、素子層(剥離対象層)27を、下地層11からエッチング液300中の下方に剥離(リフトオフ)させる。
剥離エッチングでの被エッチング領域である犠牲層26は、犠牲層26の端面(および、分割溝の底)において、エッチング液300と接触する。
下地層11を構成する材料(例えばGaN)としては、犠牲層26を構成する材料(例えばInGaN)よりも、バンドギャップの大きいものが選択される。そして、剥離エッチングでの励起光221としては、下地層11のバンドギャップに対応する波長よりも長波長を有し(下地層11では吸収されず)、犠牲層26のバンドギャップに対応する波長以下の短波長を有する(犠牲層26では吸収される)ものが選択される。これにより、下地層11を透過した励起光221により、犠牲層26が下地層11に対して選択的にPECエッチングされる。
犠牲層26が除去されることで、素子層27は、つまり、分割溝で分割された各素子は、エッチング液300の下方に剥離される。下地層11を上側として剥離エッチングを行うことで、剥離された素子層27が下方に沈むため、素子層27の下地層11からの分離を容易にすることができる。
剥離エッチングでは、測定装置230で犠牲層26のエッチング状況をモニタすることにより、素子層27の下地層11からの剥離を検知する。これにより、素子層27の下地層11からの剥離をより確実に行うことができる。例えば、犠牲層26が除去されることによる観察光231(励起光221または測定光241)の強度増加を測定してもよいし、また例えば、測定光251を照明として撮像を行うことで素子層27の剥離を観察してもよい。
第6実施形態によれば、分割エッチングおよび剥離エッチングが、ウェットエッチングであるPECエッチングで行われる。これにより、エッチングに起因する素子層27へのダメージを低減させて、素子の分割および剥離を行うことができる。
なお、犠牲層26を構成するIII族窒化物が、素子層(剥離対象層)27を構成するIII族窒化物(のうち、最もバンドギャップが狭い組成のもの)よりも狭いバンドギャップを有するようにし、さらに、剥離エッチングにおける励起光221が、分割エッチングにおける励起光221よりも長い波長を有するようにしてもよい。このようにして、剥離エッチングにおいて、犠牲層26を構成するIII族窒化物中にはホールを生成させるとともに、素子層(剥離対象層)27を構成するIII族窒化物中にはホールを生成させないようにしてもよい。
これにより、剥離エッチングにおいて、剥離した素子層27に励起光221が照射された場合に生じ得る余分なPECエッチングを抑制することができる。本例では、InGaNで構成された犠牲層26のIn組成を高めることで、犠牲層26のバンドギャップを狭くすることができる。
<他の実施形態>
以上、本発明の実施形態を具体的に説明した。しかしながら、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の変更、改良、組み合わせ等が可能である。
例えば、保持機構210の移動機構(走査機構)217として、図11(a)~図11(c)および図12に示すように、回転機構を用いてもよい。回転による移動機構217(以下、回転機構217ともいう)を用いることで、例えば、図4(b)で例示したような、円周状に1次元的に配置された複数の被測定領域40を走査して測定を行ってもよい。
図11(a)~図11(c)は、処理液300(例えばエッチング液300、また例えば後処理液300)を貯める容器211を有する保持機構210の、他の態様を例示する概略図である。これらの態様では、処理(例えばPECエッチング、また例えば後処理)を行った後に、回転機構217が容器211を回転させて、処理液300を外周側に飛散させることで、処理液300を容器211から排出する。これらの態様では、処理液300の外周側への飛散を容易にするために、容器211の内側面が、上方に向けて広がる傾斜を有することが好ましい。これらの態様において、処理液300の排出に用いられる回転機構217が、被測定領域40を走査する走査機構として用いられてよい。
図11(a)および図11(b)は、回転機構217の回転駆動部が、容器211の回転中心部に配置されている態様を例示する概略図である。図11(a)は、容器211の直下に配置された光センサ235に観察光231が入射する態様を例示し、図11(b)は、容器211の側方に配置された光センサ235に光学系236を介して観察光231が入射する態様を例示する。図11(c)は、回転機構217の回転駆動部が、容器211の外周部に配置されている態様を例示する概略図である。
回転駆動部が回転中心部に配置されている態様と比べ、回転駆動部が外周部に配置されている態様では、回転中心部に配置された被測定領域40の観察が容易となる。さらに、回転駆動部が、処理対象物100よりも(平面視で)外側に配置されることで、処理対象物100の全面内の任意の位置に配置された被測定領域40の観察が、容易となる。
図12は、保持機構210のさらに他の態様を例示する概略図である。上述の実施形態では、処理液300を貯めることで、処理対象物100を処理液300に接触する状態で保持する保持機構210を例示した。図12に示す態様の保持機構210は、供給装置260から処理液300を処理対象物100上に連続的に供給しながら、保持台212に保持された処理対象物100を回転させる(処理液300を処理対象物100の上面上に広げる)ことで、処理対象物100を処理液300に接触する状態で保持する。このような態様において、処理液300を処理対象物100の上面上に広げるために用いられる回転機構217が、被測定領域40を走査する走査機構として用いられてよい。
なお、励起光221は、処理対象物100の上面に垂直に照射されなくてもよい。例えば、図12の態様でのPECエッチングにおいて、励起光221が、処理対象物100の上面に、斜めに照射されてもよい。さらに、このような態様において、励起光221が、処理対象物100の上面に、複数の方向から斜めに照射されてもよい。
上述のような、蛍光232を用いた測定、透過光233を用いた測定、および、反射光234を用いた測定は、必要に応じ、それらのうちの複数を組み合わせて同時に行われてもよい。それぞれの測定に係る光路は、互いに異なって設定されてよい。また、それぞれの測定に係る光の波長は、互いに異なって設定されてよい。測定装置230は、それぞれの測定に応じた複数の光センサ235を有してもよい。光照射装置240、250は、それぞれの測定に応じた複数の光源を有してもよい。
以上の実施形態において、処理対象物100の下面側(裏側)からの観察を行う態様の利点について説明した。ただし、蛍光を用いた測定、散乱光を用いた測定は、それぞれ、可能な場合は、処理対象物100の上面側(表側)から行ってもよい。つまり、励起光221または測定光241に起因して上面側に出射した蛍光を用いた測定を行ってもよく、励起光221または測定光241が上面側に反射された光、または、測定光251が上面側に透過した光、における散乱を用いた測定を行ってもよい。
<本発明の好ましい態様>
以下、本発明の好ましい態様について付記する。
(付記1)
III族窒化物で構成された被エッチング領域を有し光電気化学エッチングが施される処理対象物を、エッチング液に接触する状態で保持する保持機構と、
前記処理対象物に、前記光電気化学エッチングを行うための(前記III族窒化物中にホールを生成させる)励起光を照射する光照射装置と、
前記処理対象物の前記励起光が照射される面と反対の面側から、前記被エッチング領域の少なくとも一部に画定された被測定領域の状態を観察する測定装置と、
を有する、構造体の製造装置。
(付記2)
前記測定装置は、前記励起光の照射により前記被エッチング領域から放出された蛍光を測定する、付記1に記載の構造体の製造装置。
(付記3)
前記測定装置は、前記励起光が前記被エッチング領域の表面で散乱された散乱光を測定する、付記1に記載の構造体の製造装置。
(付記4)
前記測定装置は、前記励起光が前記被エッチング領域を透過した透過光を測定する、付記1に記載の構造体の製造装置。
(付記5)
前記処理対象物に、前記励起光が照射される面と同じ面側から、測定光を照射する光照射装置、
をさらに有する、付記1に記載の構造体の製造装置。
(付記6)
前記測定装置は、前記測定光の照射により前記被エッチング領域から放出された蛍光を測定する、付記5に記載の構造体の製造装置。
(付記7)
前記測定装置は、前記測定光が前記被エッチング領域の表面で散乱された散乱光を測定する、付記5に記載の構造体の製造装置。前記測定光は、例えば、前記III族窒化物中にホールを生成させない長波長を有する。
(付記8)
前記測定装置は、前記測定光が前記被エッチング領域を透過した透過光を測定する、付記5に記載の構造体の製造装置。前記測定光は、例えば、前記III族窒化物中にホールを生成させない長波長を有する。
(付記9)
前記処理対象物に、前記励起光が照射される面と反対の面側から、測定光を照射する光照射装置、
をさらに有する、付記1に記載の構造体の製造装置。
前記測定光は、例えば、前記III族窒化物中にホールを生成させない長波長を有する。
(付記10)
前記測定装置は、前記測定光が前記被エッチング領域の表面で散乱された散乱光を測定する、付記9に記載の構造体の製造装置。
(付記11)
前記測定装置は、前記測定光が前記被エッチング領域の表面で反射された反射光を測定する、付記9に記載の構造体の製造装置。
(付記12)
前記測定装置は、光の強度、および、光の波長、の少なくともいずれかを測定する、付記1~11のいずれか1つに記載の構造体の製造装置。
(付記13)
前記測定装置は、1箇所の前記被測定領域、または、複数箇所の前記被測定領域に対する測定を行う、付記1~12のいずれか1つに記載の構造体の製造装置。
(付記14)
前記測定装置は、1次元的に配置された複数箇所の前記被測定領域、または、2次元的に配置された複数箇所の前記被測定領域に対する測定を行う、付記1~13のいずれか1つに記載の構造体の製造装置。
(付記15)
前記測定装置は、複数箇所の前記被測定領域に対する測定を、同時または非同時に行う、付記1~14のいずれか1つに記載の構造体の製造装置。
(付記16)
前記測定装置は、前記光電気化学エッチングの開始前、前記光電気化学エッチングの実施中、および、前記光電気化学エッチングの終了後、の少なくともいずれかにおいて、前記被測定領域に対する測定を行う、付記1~15のいずれか1つに記載の構造体の製造装置。
(付記17)
前記測定装置は、前記被測定領域に対する複数時点における測定を、連続的または間欠的に行う、付記1~16のいずれか1つに記載の構造体の製造装置。
(付記18)
前記測定装置は、同一箇所の前記被測定領域に対する測定を、複数時点において行う、付記1~17のいずれか1つに記載の構造体の製造装置。
(付記19)
III族窒化物で構成された被エッチング領域を有し光電気化学エッチングが施される処理対象物を、エッチング液に接触する状態で保持する工程と、
前記処理対象物に、前記光電気化学エッチングを行うための(前記III族窒化物中にホールを生成させる)励起光を照射することで、前記光電気化学エッチングを行う工程と、
前記処理対象物の前記励起光が照射される面と反対の面側から、前記被エッチング領域の少なくとも一部に画定された被測定領域の状態を観察する工程と、
を有する、構造体の製造方法。
(付記20)
前記被測定領域の状態を観察する工程を、前記光電気化学エッチングの開始前、前記光電気化学エッチングの実施中、および、前記光電気化学エッチングの終了後、の少なくともいずれかにおいて行う、付記19に記載の構造体の製造方法。
(付記21)
前記光電気化学エッチングを行う工程の後に、処理液を前記エッチング液から他の液に換えて、前記処理対象物の後処理を行う工程、
をさらに有し、
前記被測定領域の状態を観察する工程を、前記後処理の開始前、前記後処理の実施中、および、前記後処理の終了後、の少なくともいずれかにおいて行う、付記19または20に記載の構造体の製造方法。
(付記22)
前記被測定領域の状態を観察する工程では、前記被測定領域に対する複数時点における測定を、連続的または間欠的に行う、付記19~21のいずれか1つに記載の構造体の製造方法。
(付記23)
前記被測定領域の状態を観察する工程では、前記光電気化学エッチングによるエッチング深さを測定すること、および、前記被エッチング領域の表面の粗さを測定すること、の少なくとも一方を行う、付記19~22のいずれか1つに記載の構造体の製造方法。
(付記24)
前記処理対象物は、下地層と、前記下地層上に形成されIII族窒化物で構成された犠牲層と、前記犠牲層上に形成された剥離対象層と、を有し、
前記光電気化学エッチングを行う工程では、前記下地層を上側とした状態で前記下地層側から前記犠牲層に前記励起光を照射して前記犠牲層を除去することで、前記剥離対象層を前記下地層から前記エッチング液中の下方に剥離させ、
前記被測定領域の状態を観察する工程では、前記剥離対象層の前記下地層からの剥離を検知する、付記19~22のいずれか1つに記載の構造体の製造方法。
(付記25)
前記剥離対象層は、III族窒化物で構成され、
前記光電気化学エッチングを行う工程では、前記犠牲層を除去する前に、前記剥離対象層側から前記剥離対象層に前記励起光を照射し、前記犠牲層が露出する深さまで前記剥離対象層をエッチングすることで分割溝を形成することにより、前記剥離対象層を前記分割溝で分割された複数の部分に分割し、
前記被測定領域の状態を観察する工程では、前記分割溝の形成においてエッチング深さが前記犠牲層に到達したことを検知する、付記24に記載の構造体の製造方法。
(付記26)
III族窒化物で構成された被エッチング領域を有し光電気化学エッチングが施される処理対象物を、エッチング液に接触する状態で保持する保持機構と、
前記処理対象物に、前記光電気化学エッチングを行うための(前記III族窒化物中にホールを生成させる)励起光を照射する光照射装置と、
前記励起光の照射により前記被エッチング領域から放出された蛍光を測定する測定装置と、
を有する、構造体の製造装置。
(付記27)
前記処理対象物は、前記光電気化学エッチングが施される積層構造を有し、
前記測定装置は、前記蛍光に基づき、前記積層構造のうち前記光電気化学エッチングされているのはどの層であるかを検知する(エッチング深さを測定する)、付記26に記載の構造体の製造装置。
(付記28)
III族窒化物で構成された被エッチング領域を有し光電気化学エッチングが施される処理対象物を、エッチング液に接触する状態で保持する工程と、
前記処理対象物に、前記光電気化学エッチングを行うための(前記III族窒化物中にホールを生成させる)励起光を照射することで、前記光電気化学エッチングを行う工程と、
前記励起光の照射により前記被エッチング領域から放出された蛍光を測定する工程と、
を有する、構造体の製造方法。
(付記29)
前記処理対象物は、前記光電気化学エッチングが施される積層構造を有し、
前記蛍光を測定する工程では、前記蛍光に基づき、前記積層構造のうち前記光電気化学エッチングされているのはどの層であるかを検知する(エッチング深さを測定する)、付記28に記載の構造体の製造方法。
(付記30)
III族窒化物で構成された被エッチング領域を有し光電気化学エッチングが施される処理対象物を、エッチング液に接触する状態で保持する保持機構と、
前記処理対象物に、前記光電気化学エッチングを行うための(前記III族窒化物中にホールを生成させる)励起光を照射する光照射装置と、
前記処理対象物に照射された光が前記被エッチング領域の表面で散乱された散乱光を測定する測定装置と、
を有する、構造体の製造装置。
(付記31)
前記測定装置は、前記散乱光に基づき、前記光電気化学エッチングによるエッチング深さを測定すること、および、前記被エッチング領域の表面の粗さを測定すること、の少なくとも一方を行う、付記30に記載の構造体の製造装置。エッチング深さと前記散乱光の強度とのあらかじめ取得された相関と、測定された前記散乱光の強度と、に基づき、前記光電気化学エッチングと同時に、エッチング深さを測定する。
(付記32)
III族窒化物で構成された被エッチング領域を有し光電気化学エッチングが施される処理対象物を、エッチング液に接触する状態で保持する工程と、
前記処理対象物に、前記光電気化学エッチングを行うための(前記III族窒化物中にホールを生成させる)励起光を照射することで、前記光電気化学エッチングを行う工程と、
前記処理対象物に照射された光が前記被エッチング領域の表面で散乱された散乱光を測定する工程と、
を有する、構造体の製造方法。
(付記33)
前記散乱光を測定する工程では、前記散乱光に基づき、前記光電気化学エッチングによるエッチング深さを測定すること、および、前記被エッチング領域の表面の粗さを測定すること、の少なくとも一方を行う、付記32に記載の構造体の製造方法。エッチング深さと前記散乱光の強度とのあらかじめ取得された相関と、測定された前記散乱光の強度と、に基づき、前記光電気化学エッチングと同時に、エッチング深さを測定する。
(付記34)
III族窒化物で構成された被エッチング領域を有し光電気化学エッチングが施される処理対象物を、エッチング液に接触する状態で保持する工程と、
前記処理対象物に、前記光電気化学エッチングを行うための(前記III族窒化物中にホールを生成させる)励起光を照射することで、前記光電気化学エッチングを行う工程と、
を有し、
前記処理対象物は、下地層と、前記下地層上に形成されIII族窒化物で構成された犠牲層と、前記犠牲層上に形成されIII族窒化物で構成された剥離対象層と、を有し、
前記光電気化学エッチングを行う工程では、
前記剥離対象層側から前記剥離対象層に前記励起光を照射し、前記犠牲層が露出する深さまで前記剥離対象層をエッチングすることで分割溝を形成することにより、前記剥離対象層を前記分割溝で分割された複数の部分に分割し、
(前記下地層を上側とした状態で前記下地層側から)前記犠牲層に前記励起光を照射して前記犠牲層を除去することで、前記剥離対象層を前記下地層から(前記エッチング液中の下方に)剥離させる、
構造体の製造方法。
(付記35)
前記犠牲層を構成するIII族窒化物は、前記剥離対象層を構成するIII族窒化物よりも狭いバンドギャップを有し、
前記剥離対象層を前記下地層から剥離させる際に照射される前記励起光は、前記剥離対象層を前記分割溝で分割された複数の部分に分割する際に照射される前記励起光よりも長い波長を有し、前記犠牲層を構成するIII族窒化物中にはホールを生成させるとともに、前記剥離対象層を構成するIII族窒化物中にはホールを生成させない、
付記34に記載の構造体の製造方法。
10…エッチング対象物、11…下地層、12…エッチング対象層、13…エッチング残り部分、14…透過部分、21…GaN基板、22…チャネル層、23…障壁層、24…キャップ層、25…GaN基板、26…犠牲層、27…素子層(剥離対象層)、27a…n型層、27b…活性層、27c…p型層、30…被エッチング領域、31…凸部、40…被測定領域、50…マスク、100…処理対象物、200…構造体の製造装置、210…保持機構、211…容器、212…保持台、213…透過領域、214…支持機構、217…移動機構、220…光照射装置、221…励起光、230…測定装置、231…観察光、232…蛍光、233…透過光、233a…直進透過光、233b…散乱透過光、234…反射光、234a…鏡面反射光、234b…散乱反射光、235…光センサ、236…光学系、237…移動機構、240…光照射装置、241…測定光、246…光学系、247…移動機構、250…光照射装置、251…測定光、256…光学系、257…移動機構、260…供給装置、270…加熱装置、280…制御装置、300…エッチング液(処理液)

Claims (24)

  1. III族窒化物で構成された被エッチング領域を有し光電気化学エッチングが施される処理対象物を、エッチング液に接触する状態で保持する保持機構と、
    前記処理対象物に、前記光電気化学エッチングを行うための励起光を照射する光照射装置と、
    前記処理対象物の前記励起光が照射される面と反対の面側から、前記被エッチング領域の少なくとも一部に画定された被測定領域の状態を観察する測定装置と、
    を有する、構造体の製造装置。
  2. 前記測定装置は、前記励起光の照射により前記被エッチング領域から放出された蛍光を測定する、請求項1に記載の構造体の製造装置。
  3. 前記測定装置は、前記励起光が前記被エッチング領域の表面で散乱された散乱光を測定する、請求項1に記載の構造体の製造装置。
  4. 前記測定装置は、前記励起光が前記被エッチング領域を透過した透過光を測定する、請求項1に記載の構造体の製造装置。
  5. 前記処理対象物に、前記励起光が照射される面と同じ面側から、測定光を照射する光照射装置、
    をさらに有する、請求項1に記載の構造体の製造装置。
  6. 前記測定装置は、前記測定光の照射により前記被エッチング領域から放出された蛍光を測定する、請求項5に記載の構造体の製造装置。
  7. 前記測定装置は、前記測定光が前記被エッチング領域の表面で散乱された散乱光を測定する、請求項5に記載の構造体の製造装置。
  8. 前記測定装置は、前記測定光が前記被エッチング領域を透過した透過光を測定する、請求項5に記載の構造体の製造装置。
  9. 前記処理対象物に、前記励起光が照射される面と反対の面側から、測定光を照射する光照射装置、
    をさらに有する、請求項1に記載の構造体の製造装置。
  10. 前記測定装置は、前記測定光が前記被エッチング領域の表面で散乱された散乱光を測定する、請求項9に記載の構造体の製造装置。
  11. 前記測定装置は、前記測定光が前記被エッチング領域の表面で反射された反射光を測定する、請求項9に記載の構造体の製造装置。
  12. 前記測定装置は、光の強度、および、光の波長、の少なくともいずれかを測定する、請求項1~11のいずれか1項に記載の構造体の製造装置。
  13. 前記測定装置は、1箇所の前記被測定領域、または、複数箇所の前記被測定領域に対する測定を行う、請求項1~12のいずれか1項に記載の構造体の製造装置。
  14. 前記測定装置は、1次元的に配置された複数箇所の前記被測定領域、または、2次元的に配置された複数箇所の前記被測定領域に対する測定を行う、請求項1~13のいずれか1項に記載の構造体の製造装置。
  15. 前記測定装置は、複数箇所の前記被測定領域に対する測定を、同時または非同時に行う、請求項1~14のいずれか1項に記載の構造体の製造装置。
  16. 前記測定装置は、前記光電気化学エッチングの開始前、前記光電気化学エッチングの実施中、および、前記光電気化学エッチングの終了後、の少なくともいずれかにおいて、前記被測定領域に対する測定を行う、請求項1~15のいずれか1項に記載の構造体の製造装置。
  17. 前記測定装置は、前記被測定領域に対する複数時点における測定を、連続的または間欠的に行う、請求項1~16のいずれか1項に記載の構造体の製造装置。
  18. 前記測定装置は、同一箇所の前記被測定領域に対する測定を、複数時点において行う、請求項1~17のいずれか1項に記載の構造体の製造装置。
  19. III族窒化物で構成された被エッチング領域を有し光電気化学エッチングが施される処理対象物を、エッチング液に接触する状態で保持する工程と、
    前記処理対象物に、前記光電気化学エッチングを行うための励起光を照射することで、前記光電気化学エッチングを行う工程と、
    前記処理対象物の前記励起光が照射される面と反対の面側から、前記被エッチング領域の少なくとも一部に画定された被測定領域の状態を観察する工程と、
    を有する、構造体の製造方法。
  20. 前記被測定領域の状態を観察する工程を、前記光電気化学エッチングの開始前、前記光電気化学エッチングの実施中、および、前記光電気化学エッチングの終了後、の少なくともいずれかにおいて行う、請求項19に記載の構造体の製造方法。
  21. 前記光電気化学エッチングを行う工程の後に、処理液を前記エッチング液から他の液に換えて、前記処理対象物の後処理を行う工程、
    をさらに有し、
    前記被測定領域の状態を観察する工程を、前記後処理の開始前、前記後処理の実施中、および、前記後処理の終了後、の少なくともいずれかにおいて行う、請求項19または20に記載の構造体の製造方法。
  22. 前記被測定領域の状態を観察する工程では、前記被測定領域に対する複数時点における測定を、連続的または間欠的に行う、請求項19~21のいずれか1項に記載の構造体の製造方法。
  23. 前記被測定領域の状態を観察する工程では、前記光電気化学エッチングによるエッチング深さを測定すること、および、前記被エッチング領域の表面の粗さを測定すること、の少なくとも一方を行う、請求項19~22のいずれか1項に記載の構造体の製造方法。
  24. 前記処理対象物は、下地層と、前記下地層上に形成されIII族窒化物で構成された犠牲層と、前記犠牲層上に形成された剥離対象層と、を有し、
    前記光電気化学エッチングを行う工程では、前記下地層を上側とした状態で前記下地層側から前記犠牲層に前記励起光を照射して前記犠牲層を除去することで、前記剥離対象層を前記下地層から前記エッチング液中の下方に剥離させ、
    前記被測定領域の状態を観察する工程では、前記剥離対象層の前記下地層からの剥離を検知する、請求項19~22のいずれか1項に記載の構造体の製造方法。
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