JP2023040471A - 生産ライン管理システムおよび生産ライン管理方法 - Google Patents

生産ライン管理システムおよび生産ライン管理方法 Download PDF

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Abstract

Figure 2023040471000001
【課題】生産ラインの生産タクトを改善することができる生産ライン管理システムおよび生産ライン管理方法を提供する。
【解決手段】生産ライン管理システム1は、生産物を生産する部品実装装置M4、M5が複数備えられた生産ライン4を管理する。生産ライン管理システム1は、部品実装装置M4、M5の状態を監視する第2状態監視部22と、部品実装装置M4、M5の状態に対応して抽出される複数の指示のそれぞれに対する部品実装装置M4、M5の指示を実行したときの生産ライン4の生産タクトを推測する第2最適化部24と、第2最適化部24が推測した複数の生産タクトに基づいて、複数の指示のうちから実行する指示を決定する第2対策決定部23と、第2対策決定部23が決定した指示を出力する指示出力部26と、を備える。
【選択図】図2

Description

本開示は、生産物を生産する生産装置を備える生産ラインを管理する生産ライン管理システムおよび生産ライン管理方法に関する。
特許文献1には、生産ラインの部品実装中にラインタクトを取得するラインタクト取得手段と、取得されたラインタクトを決定付けている一つの部品実装機を特定する特定手段と、特定された部品実装機と他の部品実装機を対象として、ラインタクトが小さくなるように実装条件を決定する実装条件決定手段と、決定された条件で部品を実装する部品実装手段とを備える部品実装機が開示されている。
特開2009-123902号公報
特許文献1の部品実装機では、個々の部品実装機におけるラインタクトが小さくなるように実装条件を決定することはできている。しかしながら、特許文献1の部品実装機では、複数の部品実装機を含めた生産ラインの生産タクトを改善する点については何ら対策はなされていない。
そこで、本開示は、生産ラインの生産タクトを改善することができる生産ライン管理システムおよび生産ライン管理方法を提供する。
本開示の一態様に係る生産ライン管理システムは、生産物を生産する生産装置が複数備えられた生産ラインを管理する生産ライン管理システムであって、前記生産装置の状態を監視する状態監視部と、前記生産装置の前記状態に対応して抽出される複数の指示のそれぞれに対して前記生産装置が前記複数の指示を実行したときの前記生産ラインの生産タクトを推測する生産タクト推測部と、前記生産タクト推測部が推測した前記複数の生産タクトに基づいて、前記複数の指示のうちから実行する指示を決定する指示決定部と、前記指示決定部が決定した指示を出力する指示出力部と、を備える。
なお、これらの包括的または具体的な側面は、システム、装置、方法、記録媒体、または、コンピュータプログラムで実現されてもよく、システム、装置、方法、記録媒体、および、コンピュータプログラムの任意な組み合わせで実現されてもよい。
本開示に係る生産ライン管理システム等によれば、生産ラインの生産タクトを改善することができる。
図1は、実施の形態に係る生産ライン管理システムを示す説明図である。 図2は、実施の形態に係る生産ライン管理システムを示すブロック図である。 図3は、実施の形態に係る第1状態監視部が部品実装装置の問題を発見したときの処理動作を示すフローチャートである。 図4は、実施の形態に係る第1対策決定部における方針決定の処理動作を示すフローチャートである。 図5は、実施の形態に係る第1最適化部が吸着ノズルを最適化した場合を示す図である。 図6は、実施の形態に係る第2最適化部による最適化と、第2対策決定部における方針の決定の処理動作を示すフローチャートである。 図7は、実施の形態に係る第2最適化部が吸着ノズルを最適化した場合を示す図である。 図8は、実施の形態に係る対策調停部の処理動作を示すフローチャートである。 図9は、実施の形態に係る指示出力部、効果判定部および更新部によって対策が実行された後の処理動作を示すフローチャートである。
本開示の生産ライン管理システムは、生産物を生産する生産装置が複数備えられた生産ラインを管理する生産ライン管理システムであって、前記生産装置の状態を監視する状態監視部と、前記生産装置の前記状態に対応して抽出される複数の指示のそれぞれに対して前記生産装置が前記複数の指示を実行したときの前記生産ラインの生産タクトを推測する生産タクト推測部と、前記生産タクト推測部が推測した前記複数の生産タクトに基づいて、前記複数の指示のうちから実行する指示を決定する指示決定部と、前記指示決定部が決定した指示を出力する指示出力部と、を備える。
これによれば、生産装置の状態に問題が生じた場合、問題が生じた生産装置を含んだ生産ラインの生産タクトを推定することで、推定した生産タクトに応じて指示を決定して出力することができる。つまり、生産ライン管理システムでは、生産タクトの低下が抑制されるように、推定した生産タクトに応じて指示を決定して出力することができるようになる。
したがって、生産ラインの生産タクトを改善することができる。その結果、生産装置の状態に問題が生じても、生産タクトの低下が抑制されるように生産タクトに応じた指示を出力するため、生産ライン管理システムでは、生産ラインにおける生産性の低下を抑制することができる。
本開示の生産ライン管理方法は、生産物を生産する生産装置が複数備えられた生産ラインを管理する生産ライン管理方法であって、前記生産装置の状態を監視し、前記生産装置の前記状態に対応して抽出される複数の指示のそれぞれに対して前記生産装置が前記複数の指示を実行したときの前記生産ラインの生産タクトを推測し、推測した前記複数の生産タクトに基づいて、前記複数の指示のうちから実行する指示を決定し、決定した指示を出力する。
この生産ライン管理方法においても上述と同様の作用効果を奏する。
本開示の生産ライン管理システムは、生産物を生産する生産装置が複数備えられた生産ラインと、前記生産ラインを管理する管理装置とを備える生産ライン管理システムであって、前記生産ラインは、複数の前記生産装置のそれぞれの状態に対応した実装データを最適化し、最適化した複数の前記実装データを実行した場合の第1生産タクトを推定する第1最適化部と、複数の前記第1生産タクトに基づいて、前記生産装置における複数の前記実装データのうちから第1実装データを決定する第1指示決定部とを有し、前記管理装置は、前記生産ラインの前記状態に対応した実装データを最適化し、最適化した複数の前記実装データを実行した場合の第2生産タクトを推定する第2最適化部と、複数の前記第2生産タクトに基づいて、前記生産ラインにおける複数の前記実装データのうちから第2実装データを決定する第2指示決定部と、前記第2指示決定部が決定した前記第2実装データを出力する指示出力部とを有し、前記第2最適化部は、前記第1生産タクトと前記第2生産タクトとを比較し、前記第2指示決定部は、前記第2最適化部が前記比較した結果に基づいた優先度を設定することで、設定した前記優先度に応じた実装データを決定する。
また、前記指示決定部は、前記生産タクト推測部が推測した前記複数の生産タクトから前記複数の指示に対応する優先度を設定し、設定した前記優先度に基づいて、前記複数の指示のうちから実行する指示である優先指示を決定してもよい。
これによれば、生産タクトに応じた優先度を設定することができるため、優先度に応じた指示を決定して出力することができる。このため、生産ライン管理システムでは、生産ラインにおける生産性の低下を抑制することができる。
また、前記状態監視部は、前記生産装置の少なくとも一部に含まれる作業ユニットの使用制限または前記使用制限の解除を監視してもよい。
これによれば、作業ユニットに問題がある場合、直ぐに問題のある作業ユニットを使用制限したり、作業ユニットが修理または交換されれば、直ぐにその使用制限を解除したりすることができるようになる。その結果、生産物の生産性の低下、仕損品の増加、および、生産ラインにおける生産タクトの低下を抑制することができる。
また、前記優先指示を実行するための前記生産装置、および、前記作業ユニットのうちの少なくとも1以上を含むリソースの有無に基づいて、前記優先指示の実行を調停する対策調停部をさらに備えていてもよい。
これによれば、優先指示の実行を調停するため、例えば生産装置が生産物の生産が完了後に優先指示を実行することができるようになる。このため、生産装置は、適切なタイミングで、優先指示に応じた生産物を生産することができるようになる。
また、前記指示決定部は、推測した前記複数の生産タクトの短い順に前記複数の指示に対応する優先度を設定してもよい。
これによれば、最も短い生産タクトに対応した指示が決定され、決定された指示が出力されるため、より確実に生産ラインにおける生産タクトの低下を抑制することができる。
また、前記対策調停部は、前記優先指示を実行する少なくとも一つの前記生産装置内で生産している前記生産物の生産が完了した後に、前記優先指示を実行する少なくとも一つの前記生産装置に対して前記優先指示が実行されるように、調停する前記優先指示を前記指示出力部に出力させてもよい。
これによれば、生産物の生産中に優先指示が実行されてしまうことを抑制することができる。このため、部品が二重に実装された生産物が生産されたり、部品が実装されていない生産物が生産されたりすることを抑制することができる。その結果、仕損品の増加を抑制することができる。
また、前記優先指示を実行前の前記生産物を生産するための生産データを記憶する記憶部をさらに備え、前記生産装置の前記使用制限に対する前記優先指示を実行後に前記状態監視部が前記生産装置の前記使用制限の解除を検知すると、前記指示決定部は、前記記憶部に記憶された前記生産データへの変更指示を前記優先指示として決定してもよい。
これによれば、使用制限が解除された場合、生産装置に発生していた問題が解消されているため、指示決定部は、実行前の生産データを用いて、生産物を生産するための指示を出力することができる。このため、生産ライン管理システムでは、より確実に生産ラインにおける生産性の低下を抑制することができる。
また、前記複数の指示には、前記生産装置に前記生産物を生産する作業の少なくとも一部の作業を変更させる第1指示と、複数の前記生産装置に亘った前記生産ラインが前記生産物を生産する作業の少なくとも一部の作業を変更させる第2指示とを含んでいてもよい。
これによれば、単一の生産装置に対して作業を変更させたり、複数の生産装置に亘った生産ラインに対して作業を変更させたりすることができる。このため、一つの生産装置における生産タクトの低下の抑制と、複数の生産装置に亘った生産ラインにおける生産タクトの低下の抑制とを両立することができる。その結果、単一の生産装置に対して作業を変更させるだけで生産タクトの低下を抑制することができる場合があるため、生産ラインに対して作業を変更するための生産ラインにおける生産タクトを推測するといった処理を行わなくてもよくなる。つまり、生産ライン管理システムの処理負担の増大を抑制することができる。
また、前記指示決定部は、前記第2指示の実行後の前記生産タクトが前記第1指示の実行後の前記生産タクトよりも改善されている場合に、前記第2指示を前記優先指示として決定してもよい。
これによれば、改善された生産タクトに対応する優先指示を決定して出力することができる。このため、生産ライン管理システムでは、より確実に生産ラインにおける生産性の低下を抑制することができる。
また、前記生産装置は、部品を基板に実装する部品実装装置であり、前記作業ユニットは、部品を吸着するノズルである吸着ノズル、および、前記部品を前記吸着ノズルに供給する部品供給装置であり、前記状態監視部は、前記作業ユニットの使用制限または前記使用制限の解除を監視してもよい。
これによれば、作業ユニットに問題が発生した場合には、直ぐに作業ユニットを使用制限させることができ、作業ユニットの問題が解消した場合には、直ぐに作業ユニットの使用制限を解除させることができる。このため、生産ライン管理システムでは、生産ラインにおける生産タクトの低下を抑制することができる。
以下、実施の形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。
なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的または具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、構成要素、構成要素の配置位置および接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本開示を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
また、各図は、模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。したがって、例えば、各図において縮尺などは必ずしも一致しない。また、各図において、実質的に同一の構成については同一の符号を付しており、重複する説明は省略または簡略化する。
(実施の形態)
まず、生産ライン管理システム1の構成について、図1を用いて説明する。
図1は、実施の形態に係る生産ライン管理システム1を示す説明図である。
図1に示すように、生産ライン管理システム1は、生産物を生産する生産装置が複数備えられた生産ライン4を管理する。生産装置は、例えば、部品を基板に実装する部品実装装置M4、M5である。
生産ライン管理システム1は、生産ライン4と、管理装置7とを備えている。
[生産ライン4]
生産ライン4は、基板に部品(電子部品)を実装して生産品(例えば、実装基板)を生産する機能を有しており、実装対象の基板をそれぞれ供給、受渡し、および、回収する機能を有している。
具体的には、生産ライン4は、基板供給装置M1と、基板受渡装置M2と、複数の電子部品実装用装置である半田印刷装置M3と、部品実装装置M4、M5と、リフロー装置M6と、基板回収装置M7とを、この並び順で直列に連結して構成された装置である。基板供給装置M1から基板回収装置M7までの各装置は、通信ネットワーク2を介して管理コンピュータを有する管理装置7に接続されている。
例えば、半田印刷装置M3、部品実装装置M4、M5およびリフロー装置M6は、生産ライン4に沿って搬送される基板に対して部品を実装するための部品実装作業を行う。すなわち、基板供給装置M1によって供給された基板は、基板受渡装置M2を介して半田印刷装置M3に搬入される。半田印刷装置M3は、搬入された基板に対して、部品接合用の半田をスクリーン印刷する半田印刷作業を行う。
半田印刷された基板は、部品実装装置M4、M5に順次受渡される。部品実装装置M4、M5は、半田印刷後の基板に対して部品を実装する部品実装作業を実行する。そして、部品実装後の基板は、リフロー装置M6に搬入され、所定の加熱プロファイルに従って加熱される。これにより、加熱された基板に印刷されている部品接合用の半田が溶融固化する。こうして部品が基板に半田接合されることで、基板に部品を実装した実装基板が完成する。完成した実装基板は、基板回収装置M7に回収される。
次に、本実施の形態において、生産装置の一例として部品実装装置M5の構成を中心に説明する。また、部品実装装置M4は部品実装装置M5と同様の構成であるため、部品実装装置M4の説明を省略する。
部品実装装置M5は、基台、基板搬送部、部品供給装置、および、実装ヘッド等を備えている。基台には、基板が配置される。基板搬送部は、上流側装置から受け渡された基板を下流側装置へ搬送することができる。部品供給装置は、実装ヘッドに対して部品を供給することができる。部品供給装置には、実装ヘッドに対して部品を供給するための複数のテープフィーダが設けられている。実装ヘッドは、テープフィーダから部品を吸着して取り出し、基板の上方に移動して部品を基板の実装位置に搭載することができる。実装ヘッドには、部品を吸着して保持し個別に昇降可能な吸着ノズルが装着されている。
また、部品実装装置M5の基台、基板搬送部、部品供給装置、および、実装ヘッド等の構成以外の構成について、図1および図2を用いて具体的に説明する。図2は、実施の形態に係る生産ライン管理システム1を示すブロック図である。
部品実装装置M5は、第1取得部10と、第1状態監視部11と、第1対策決定部12と、第1最適化部13と、学習モデル15、16と、リソースデータベース17と、実装データ18と、記憶部14とを有している。
ここで、第1状態監視部11、第1対策決定部12、および、第1最適化部13は、プロセッサがメモリ等の記憶部14に記憶されたプログラムに従って動作することにより実現される。学習モデル15、16、リソースデータベース17、および、実装データ18は、記憶部14に記憶されている。プログラム、学習モデル15、16、リソースデータベース17、および、実装データ18が記憶される記憶部14は、それぞれ同じ記憶部であってもよいし、異なる記憶部であってもよい。
第1取得部10は、部品実装装置M5が生産物を生産するプロセスの結果として、部品実装装置M5の状態を示す情報である状態情報を取得する。ここで、部品実装装置M5の状態には、部品の吸着、部品の認識および部品の装着等の実装プロセスの状態と、基板、部品、作業者、実装ヘッド、吸着ノズルおよびテープフィーダ等の実装プロセスに関わる生産リソースの状態とが含まれる。吸着ノズルを例に挙げると、状態情報は、吸着ノズルの内部を流れる空気の流量を計測する流量センサから取得した流量データ等である。
第1取得部10は、取得した状態情報を第1状態監視部11に出力する。
第1状態監視部11は、部品実装装置M5の状態を監視する。つまり、第1状態監視部11は、第1所定条件に基づいて、第1取得部10から取得した状態情報に示される部品実装装置M5の状態に問題があることを検出することができる。ここで、第1所定条件は、部品実装装置M5の状態に問題があることを検出するための学習モデル15である。
部品実装装置M5の状態に問題がある場合、第1状態監視部11は、学習モデル15を用いることで、実装ミスの有無、実装量および実装の品質等を検出したり、部品実装装置M5、吸着ノズルおよびテープフィーダの劣化等を検出したりする。
学習モデル15は、部品実装装置M5の状態に問題があるか否かを検出するためのモデルである。学習モデル15は、状態情報が入力されると、部品実装装置M5を構成する各作業ユニット5aが正常な状態か、問題がある状態かを出力するように学習されている。例えば、状態情報が流量データである場合、部品実装装置M5を構成する各作業ユニット5aの一つである実装ヘッドにおいて、学習モデル15は、流量データに示される実装ヘッドの流量から、実装ヘッドの状態が正常な状態か、問題がある状態かを出力することができる。ここで、作業ユニット5aは、部品を吸着するノズルである吸着ノズル、および、部品を吸着ノズルに供給する部品供給装置である。
第1状態監視部11は、学習モデル15を用いることで、部品実装装置M5に問題があることを検出すると、状態情報を第1対策決定部12に出力する。状態情報には、問題がある状態と検出された部品実装装置M5の作業ユニット5aに関する情報が含まれる。
ここで、第1対策決定部12は、部品実装装置M5に存在している問題が解消できるように、第1最適化部13に分析させる。つまり、第1対策決定部12は、第1状態監視部11から状態情報を取得すると、問題がある状態の部品実装装置M5に対する対策として、互いに関連のある状態情報、実装データ18およびリソースデータベース17を第1最適化部13に分析させる。ここで、問題がある状態の部品実装装置M5に対する対策とは、部品実装装置M5の生産タクトの低下(タクトロスの増加)が抑制される対策である。
具体的には、第1最適化部13は、問題がある状態の部品実装装置M5において、生産リソースを格納するリソースデータベース17、および、実装データ18を参照し、部品の配列、部品の吸着順序、部品の装着順序、実装ヘッドの経路、実装ヘッドの動作等を最適化する。つまり、第1最適化部13は、問題がある状態の部品実装装置M5が用いている実装データ18を最適化する。ここで、リソースデータベース17は、問題のある部品実装装置M5を構成する作業ユニット5aと同種の機器を割り当てるリソースの有無を含んでいる。また、実装データ18は、部品実装装置M5を構成する各作業ユニット5aのデータ、生産物を生産するための生産データを含んでいる。また、第1最適化部13が実装データ18を最適化したシミュレーション結果は、テンポラリデータとしてメモリに一時的に保存され、実装データ18の変更は行われない。
また、第1最適化部13は、実装データ18を最適化したシミュレーション結果において、その影響範囲を分析する。つまり、第1最適化部13は、問題のある部品実装装置M5において、実装データ18の最適化による影響範囲の結果が部品実装装置M5内における実装データ18に収まるか否かを判定する。例えば、第1最適化部13は、実装データ18の最適化によって部品実装装置M5における生産タクトの低下が生産計画を満たせる程度に限定的である場合、最適化による影響範囲の結果が部品実装装置M5内における実装データ18に収まると判定する。一方、第1最適化部13は、実装データ18の最適化によって部品実装装置M5における生産タクトの低下によって生産計画を満たせず、例えば部品実装装置M5以外の部品実装装置M4にも影響がある場合、最適化による影響範囲の結果が部品実装装置M5内における実装データ18に収まらないと判定する。この場合、第1最適化部13は、例えば部品実装装置M4の実装データ18も最適化する。つまり、第1最適化部13は、例えば複数の部品実装装置E4、E5に亘って影響がある場合、生産ライン4に影響が及ぶと判定する。生産ライン4に影響とは、生産ライン4を構成する全ての装置に影響がある場合、および、複数の装置に影響がある場合である。なお、影響が及ぶ装置は、部品実装装置M4に限定されず、生産ライン4における他の装置として基板供給装置M1、基板受渡装置M2、リフロー装置M6、および基板回収装置M7を含む。
第1最適化部13は、最適化したシミュレーション結果を第1対策決定部12に出力する。第1最適化部13が最適化したシミュレーション結果には、部品実装装置M5の実装データ18を最適化した結果、部品実装装置M5による生産物の生産を継続できるか否かの結果、最適化による影響範囲の結果が含まれている。部品実装装置M5による生産物の生産を継続できない結果とは、例えば、部品実装装置M5の生産タクトが大幅に低下することで、生産ライン4の生産計画に支障が生じることとなる結果である。また、部品実装装置M5による生産物の生産を継続できる結果とは、例えば、部品実装装置M5の生産タクトが低下するものの、生産計画に支障が生じないという結果である。
次に、第1対策決定部12は、取得したシミュレーション結果における影響範囲の結果が複数の部品実装装置E4、E5に亘って影響がない場合、問題のある部品実装装置M5の状態に応じて抽出される複数の対策のうちから実行する対策を決定する。ここで、複数の対策のうちから実行する対策とは、優先指示に応じて実行される対策である。
本実施の形態では、第1対策決定部12は、学習モデル16を用いて、実行する対策を決定する。学習モデル16は、問題のある部品実装装置M5の状態に応じた対策を決定するためのモデルである。学習モデル16は、状態情報が入力されると、問題のある部品実装装置M5の状態に応じた対策が出力されるように学習されている。
つまり、第1対策決定部12は、複数の対策に対応するそれぞれの優先度に基づいて、複数の対策のうちから所定の対策を実行する優先指示を決定する。ここで、第1対策決定部12は、当該対策に対応する優先順位を決定するための優先度を設定したり、設定した優先度を更新したりすることができる。第1対策決定部12は、決定した優先指示を図示しない指示出力部を介して部品実装装置M5に出力する。
一方、第1対策決定部12は、取得したシミュレーション結果における影響範囲の結果が複数の部品実装装置M4、M5に亘って影響がある場合、管理装置7にイベント通知を行う。イベント通知は、管理装置7が実装データ33を最適化するシミュレーションを行うためのトリガーとなる。また、イベント通知には、部品実装装置M5が最適化したシミュレーション結果、状態情報等が含まれている。
[管理装置7]
管理装置7は、第2取得部21と、第2状態監視部22と、第2対策決定部23と、第2最適化部24と、対策調停部25と、指示出力部26と、学習モデル31、34と、リソースデータベース32と、実装データ33と、生産計画35と、記憶部30とを有している。
ここで、第2状態監視部22、第2対策決定部23、第2最適化部24、および、対策調停部25は、プロセッサがメモリ等の記憶部30に記憶されたプログラムに従って動作することにより実現される。学習モデル31、34、リソースデータベース32、実装データ33、および、生産計画35は、記憶部30に記憶されている。プログラム、学習モデル31、34、リソースデータベース32、実装データ33、および、生産計画35が記憶される記憶部30は、それぞれ同じ記憶部であってもよいし、異なる記憶部であってもよい。この記憶部30は、管理装置7に備えられている。
第2取得部21は、部品実装装置M5からイベント通知を取得する。第2取得部21は、取得したイベント通知を第2状態監視部22に出力する。
第2状態監視部22は、生産ライン4の状態を監視する。具体的には、第2状態監視部22は、第2所定条件に基づいて、第2取得部21が取得したイベント通知の状態情報に示される生産ライン4の状態に変化があることを検出することができる。ここで、第2所定条件は、生産ライン4の状態に変化があることを検出するための学習モデル31である。生産ライン4の状態の変化に問題がある場合、第2状態監視部22は、学習モデル31を用いることで、例えば、部品実装装置M5の状態の変化が他の部品実装装置M4に亘って生産タクト等に影響があることを検出する。つまり、生産ライン4の状態に変化があるとは、生産ライン4を構成する1以上の装置において生産タクトの増加または低下がある場合である。第2状態監視部22は、状態監視部の一例である。
学習モデル31は、例えば、部品実装装置M5の状態に変化があることで、複数の部品実装装置M4、E5に亘って影響があること、生産ライン4における生産タクトが変化(向上又は低下)する可能性があることを検出するためのモデルである。例えば、学習モデル31は、状態情報が入力されると、複数の部品実装装置M4、E5に影響があること、生産ライン4における生産タクトが変化する可能性があることを出力するように学習されている。
また、第2状態監視部22は、学習モデル31を用いて生産ライン4の状態に変化があることを検出すると、変化がある状態と検出された複数の部品実装装置を含む生産ライン4の状態情報を第2対策決定部23に出力する。
第2対策決定部23は、生産ライン4における状態の変化が生産タクト、品質の低下等の問題であるときに、その問題が解消できるように、第2最適化部24に分析させる。つまり、第2対策決定部23は、第2状態監視部22から状態情報を取得すると、問題がある状態の生産ライン4に対する対策として、互いに関連のある状態情報、実装データ33およびリソースデータベース32を第2最適化部24に分析させる。ここで、問題がある状態の生産ライン4に対する対策とは、生産ライン4の生産タクトの低下(タクトロスの増加)が抑制される対策である。第2対策決定部23は、指示決定部の一例である。
具体的には、第2最適化部24は、問題がある状態の生産ライン4において、生産リソースを格納するリソースデータベース32、および、実装データ33を参照し、部品の配列、部品の吸着順序、部品の装着順序、実装ヘッドの経路等を最適化することで、生産ライン4の実装データ33を最適化する。ここで、リソースデータベース32は、問題のある部品実装装置M5を構成する作業ユニット5aと同種の機器を割り当てるリソースの有無を含んでいる。また、実装データ33は、部品実装装置M5を構成する各作業ユニット5aのデータ、生産物を生産するための生産データを含んでいる。また、第2最適化部24が実装データ33を最適化したシミュレーション結果は、テンポラリデータとしてメモリに一時的に保存され、実装データ33の変更は行われない。第2最適化部24は、生産タクト推測部の一例である。
つまり、第2最適化部24は、生産ライン4の実装データ33を最適化すると、複数の部品実装装置M4、M5を含む生産ライン4の実装データ33を最適化したシミュレーション結果と、部品実装装置M5の実装データ33を最適化したシミュレーション結果とを比較する。このシミュレーション結果を比較すると、両者の生産タクトを比較することができるため、第2対策決定部23は、最適化したシミュレーション結果である生産タクトの優れている方の実装データ33を選択できる。
このように、第2最適化部24は、生産ライン4の実装データ33を最適化することで、生産ライン4の生産タクトを推定することができる。つまり、第2最適化部24は、生産装置の状態に対応して抽出される複数の指示のそれぞれに対して生産装置が複数の指示を実行したときの生産ライン4の生産タクトを推測することができる。ここで、複数の指示には、部品実装装置M5が生産物を生産する作業の少なくとも一部の作業を変更させる第1指示と、複数の部品実装装置M4、M5に亘った生産ライン4が生産物を生産する作業の少なくとも一部の作業を変更させる第2指示とを含んでいる。
第2最適化部24は、両者の生産タクトを比較した結果を第2対策決定部23に出力する。
第2対策決定部23は、両者の生産タクトを比較した結果を第2最適化部24から取得する。第2対策決定部23は、比較した結果の改善率が所定値未満の場合、さほどの生産タクトの改善が望めないため、改善不要と判定する。第2対策決定部23は、改善不要と判定した場合、対策を決定せずに処理を終了する。これにより、現状の状態で生産ライン管理システム1の稼働が継続される。当該所定値は、予め設定された値であり、任意に設定変更することができる。
一方、第2最適化部24は、比較した結果の改善率が所定値以上の場合、生産タクトの改善が望めるため、改善実行と判定する。これにより、第2対策決定部23は、第2指示の実行後の生産タクトが第1指示の実行後の生産タクトよりも改善されている場合、第2指示を優先指示として決定する。つまり、第2対策決定部23は、改善実行と判定した場合、第2最適化部24が推測した複数の生産タクトに基づいて、対策を実行する指示である優先指示を決定する。このように、第2対策決定部23は、第2最適化部24から最適化されたシミュレーション結果を取得すると、問題のある生産ライン4の状態に応じて抽出される複数の対策のうちから実行する対策を決定する。
本実施の形態では、第2対策決定部23は、学習モデル34を用いて、実行する対策を決定する。学習モデル34は、問題のある生産ライン4の状態に応じた対策を決定するための学習モデル34である。学習モデル34は、状態情報が入力されると、問題のある生産ライン4の状態に応じた対策が出力されるように学習されている。
また、第2対策決定部23は、複数の対策のそれぞれの優先度に基づいて、複数の対策のうちから所定の対策を実行する指示である優先指示を決定する。つまり、第2対策決定部23は、第2最適化部24が推測した複数の生産タクトから複数の指示に対応する優先度を設定し、設定した優先度に基づいて実行する優先指示を決定する。ここで、第2対策決定部23は、複数の生産タクトの短い順に複数の指示に対応する優先度を設定することができる。また、第2対策決定部23は、学習モデル34を用いて、当該対策に対応する優先順位を決定するための優先度を更新することができる。
なお、生産計画と現在の生産の進捗状況とを照らし合わせて、生産品の生産残数が少ない場合、生産残数に応じて生産終了までの期間が短い場合、生産タクトを改善しても生産計画に影響がほとんどない場合、第2対策決定部23は、決定した対策を実行しなくてもよい。生産品の生産残数が少ないとは、例えば生産残数が数十個以内を意図する。また、生産終了までの期間が短いとは、例えば数十分以内の期間である。
また、学習モデル34は、状態情報が入力されると、生産タクトを改善しても生産計画に影響がほとんどない場合には、優先順位が低くなる、または、対策させないように学習してもよい。
第2対策決定部23は、実行する対策を決定すると、決定した対策を実行する指示を対策調停部25に出力する。
対策調停部25は、第2対策決定部23が決定した対策に応じた優先指示の実行を調停する。具体的には、対策調停部25は、優先指示を実行するための部品実装装置M5、および、作業ユニット5aのうちの少なくとも1以上を含むリソースの有無に基づいて、優先指示の実行を調停する。リソースの有無は、リソースデータベース32で管理される。
対策調停部25は、優先指示を実行する少なくとも一つの部品実装装置M5内で生産している生産物の生産が完了した後に、優先指示を実行する少なくとも一つの部品実装装置M5に対して優先指示が実行されるように、調停する優先指示を指示出力部26に出力させる。
指示出力部26は、優先指示を出力する。具体的には、指示出力部26は、第2対策決定部23が決定した指示であって、対策調停部25が調停する優先指示を出力する。つまり、指示出力部26は、対策調停部25による調停に従って、優先指示である対策を出力する。
これにより、生産ラインは、部品実装装置M5内で生産している生産物の生産が完了した後に、使用していた実装データを、優先指示の実行が調停された実装データ、つまり最適化された新しい実装データに切り替え、切り替え後の新しい実装データを用いて、生産物を生産する。
なお、指示出力部26は、部品実装装置M5、および、作業者が所持する携帯端末等に指示を出力してもよい。また、指示出力部26は、部品実装装置M5を管理する管理装置7および作業者を管理する作業者管理装置等を介して、生産装置および作業者に指示を出力してもよい。
また、第2状態監視部22は、部品実装装置M4、M5の少なくとも一部に含まれる作業ユニット5aの使用制限または使用制限の解除を監視している。このため、指示出力部26は、当該対策を実行する指示を出力する際に、部品実装装置M5に含まれる問題のある作業ユニット5aを使用制限する制限指示を出力する。これにより、当該作業ユニット5aが使用制限された部品実装装置M5は、一時的に変更された実装データ33を用いて生産物を製造する。このとき、記憶部30に格納されている元々の実装データ33は、変更されない。なお、問題のある部品実装装置M5に含まれる作業ユニット5aが修理または交換されれば、指示出力部26は、作業ユニット5aの使用制限を解除する解除指示を部品実装装置M5に出力する。
また、部品実装装置M5の使用制限に対する優先指示を実行後に第2状態監視部22が生産装置の使用制限の解除を検知すると、第2対策決定部23は、記憶部30に記憶された生産データへの変更指示を優先指示として決定することができる。
<処理動作>
本実施の形態における生産ライン管理システム1および生産ライン管理方法の処理動作について説明する。本処理動作においても、部品実装装置M5を中心に説明する。なお、生産ライン4に含まれる他の装置であっても同様であるため、説明を省略する。
[動作例1]
図3は、実施の形態に係る第1状態監視部11が部品実装装置M5の問題を発見したときの処理動作を示すフローチャートである。
まず、第1状態監視部11は、部品実装装置M5の状態を示す状態情報を取得する(ステップS11)。これにより、第1状態監視部11は、状態情報に示される部品実装装置M5の状態を監視する。
次に、第1状態監視部11は、学習モデル15を読み込む(ステップS12)。具体的には、第1状態監視部11は、学習モデル15を読み込むことで、実装ミスの有無、実装量および実装の品質等を検出したり、部品実装装置M5、吸着ノズルおよびテープフィーダの劣化等を検出したりする。学習モデル15は、部品実装装置M5の状態に問題があるか否かを検出するためのモデルである。
ここで、学習モデル15は、学習の方針として品質を重視するように設定したり、生産性を重視するように設定したりすることで、学習を行うことができる。つまり、学習モデル15を学習させることで、部品実装装置M5は、生産性と品質とのバランスが取れた製品を生産することができるようになる。例えば、学習モデル15に関連付けられている吸着ノズルの流量に基づいて、吸着ノズルの流量が低下していることが検出された場合、吸着ノズルの流量の低下が早く検出されるように学習が行われる。
次に、第1状態監視部11は、学習モデル15を用いて、部品実装装置M5の状態に問題が検出されたか否かを判定する(ステップS13)。例えば、第1状態監視部11は、部品実装装置M5における生産性が低下していること、品質が低下していること、仕損が多くなっていること等が検出されたか否か、または、生産装置が劣化していること、作業者の作業に誤りがあること等が検出されたか否かによって、部品実装装置M5の状態に問題が検出されたか否かを判定する。
第1状態監視部11は、部品実装装置M5の状態に問題が検出されなかった場合(ステップS13でNo)、問題が検出されるまで、ステップS11からステップS13までの処理を繰り返す。
一方、第1状態監視部11が部品実装装置M5の状態に問題を検出した場合(ステップS13でYes)、第1対策決定部12は検出された問題に対する対策方針の決定を行う。
[動作例2]
次に、第1対策決定部12の詳細について、図4を用いて説明する。
図4は、実施の形態に係る第1対策決定部12における対策決定の処理動作を示すフローチャートである。
第1対策決定部12は、第1状態監視部11の状態に問題が検出された場合、互いに関連のある状態情報、実装データ18およびリソースデータベース17を第1最適化部13に分析させる(ステップS21)。つまり、第1最適化部13は、問題がある状態の部品実装装置M5に関連する生産リソースのリソースデータベース17を参照する。このとき、第1最適化部13は、実装データ18および状態情報も参照する。例えば、第1状態監視部11が状態情報に基づいた部品実装装置M5の状態における問題として、吸着ノズルの劣化という問題を検出した場合、第1最適化部13は、当該問題の原因となり得る生産リソースが吸着ノズルであると分析する。第1最適化部13は、分析した吸着ノズルの問題に対する対策として、実装データ18を最適化する。
ここで、第1最適化部13が部品実装装置M5の吸着ノズルA~Dを最適化する場合について、図5を用いて説明する。図5は、実施の形態に係る第1最適化部13が吸着ノズルA~Dを最適化した場合を示す図である。ここで、図5では、吸着ノズルAが1ターン目から3ターン目まで部品aを吸着する場合、吸着ノズルBが1ターン目から3ターン目まで部品bを吸着する場合、吸着ノズルcが1ターン目から3ターン目まで部品cを吸着する場合、吸着ノズルDが1ターン目で部品aを吸着し、2ターン目から3ターン目まで部品cを吸着する場合を示している。
吸着ノズルDに問題が検出された場合に吸着ノズルDが使用制限されるため、図5の矢印の先の図で示すように、第1最適化部13は、3ターンから1ターン増加させた、4ターンの実装データ18を設定する。この場合、第1最適化部13は、吸着ノズルDが行っていた部品a、c、cを、吸着ノズルA~Cに振り分ける。具体的には、第1最適化部13は、吸着ノズルAの4ターン目で部品aを吸着させ、吸着ノズルBの4ターン目で部品cを吸着させ、吸着ノズルCの4ターン目で部品cを吸着させるように、実装データ18を最適化する。
このように、第1最適化部13は、吸着ノズルDに問題が発生しても、吸着ノズルDが基板に実装するはずの部品a、c、cを吸着ノズルA~Cに部品を振り分けることで、最適化を行う。この場合、部品実装装置M5のターン数が増加することで、生産タクトが低下してしまうことがある。なお、第1最適化部13は、実装データ18に基づいて吸着ノズルDで行っていた部品a、c、cのうちで吸着できる吸着ノズルA~Cに振り分けられる。
図4の説明に戻り、次に、第1最適化部13は、最適化したシミュレーション結果を第1対策決定部12に出力する。
また、第1最適化部13は、実装データ18を最適化したシミュレーション結果において、その影響範囲を分析する。第1最適化部13は、問題のある部品実装装置M5において、実装データ18の最適化による影響範囲の結果が部品実装装置M5における実装データ18に収まるか否かを判定する。第1最適化部13は、判定した影響範囲の結果を第1対策決定部12に出力する。
次に、第1対策決定部12は、学習モデル16を読み込む(ステップS22)。具体的には、第1対策決定部12は、読み込んだ学習モデル16を用いて、実行する対策を決定する。学習モデル16は、部品実装装置M5の状態に応じた対策を決定するためのモデルであり、当該対策に対する優先順位を決定するための優先度を更新するモデルである。学習モデル16は、シミュレーション結果および影響範囲の結果が入力されると、部品実装装置M5の状態に応じた対策を出力するように学習されている。
次に、第1対策決定部12は、複数の対策に対応するそれぞれの優先順位を決定するための優先度を分析する(ステップS23)。例えば、学習モデル16は、検出された問題の対策を候補として出力する際に、各優先度を対策に対応付けた、各候補の対策を出力する。これにより、第1対策決定部12は、各対策と各対策に対応する優先度とを把握することができる。
次に、第1対策決定部12は、各対策と各対策に対応する優先度とに関連する対策候補リストを作成する(ステップS24)。ここで、対策候補リストについて説明する。
例えば、吸着ノズルによる部品の吸着エラー率の悪化という問題が検出されたとする。この場合、学習モデル16は、吸着エラー率の悪化という問題に対して、吸着位置ティーチ、フィーダ交換およびノズル交換といった対策候補を出力し、各対策候補の優先度として優先率を出力する。これにより、第1対策決定部12は、各対策候補の優先度を含む対策候補リストを作成することができる。
次に、第1対策決定部12は、作成した対策候補リストにおける最も優先度の高い対策候補を、検出された問題に対する対策として優先対策リストへ登録する(ステップS25)。例えば、対策候補リストが作成された場合、第1対策決定部12は、吸着エラー率の悪化という問題に対し、この問題から最も優先度が高い吸着位置ティーチという対策を優先対策リストへ登録する。つまり、第1対策決定部12は、複数の対策のうちから実行する優先指示として、吸着位置ティーチを決定する。
また、第1対策決定部12は、実装データ18を変更する対策が優先指示として決定した際に、取得したシミュレーション結果における影響範囲の結果が複数の部品実装装置に亘って影響がない場合、決定された対策を問題のある部品実装装置M5に最適化されたシミュレーション結果である新しい実装データ18を出力する。これにより、部品実装装置M5は、図5に示すような新しい実装データ18を実行する。ここで、部品実装装置M5が既存の実装データ18を用いて生産物を生産している場合、その生産物の生産が完了次第、部品実装装置M5は既存の実装データ18から新しい実装データ18に切り替えて、新しい実装データ18を実行する。なお、実装データ18を変更しない対策が優先指示として決定した場合、第1最適化部13はシミュレーションを実行しない。
一方、第1対策決定部12は、取得したシミュレーション結果における影響範囲の結果が複数の部品実装装置M4、M5に亘って影響がある場合、管理装置7にイベント通知を行う。
[動作例3]
次に、第2状態監視部22の詳細について、図3を用いて説明する。本動作例では、第1状態監視部11の詳細を説明した図3と同様であるため、図示を省略する。
まず、第2状態監視部22は、生産ライン4からのイベント通知によって、生産ライン4の状態に関する情報である状態情報等を取得する(ステップS11)。
次に、第2状態監視部22は、学習モデル31を読み込む(ステップS12)。具体的には、第2状態監視部22は、学習モデル31を読み込むことで、例えば、部品実装装置M5の状態の変化が他の部品実装装置M4に亘って影響があることを検出する。学習モデル31は、例えば、部品実装装置M5の状態に変化があることで、他の部品実装装置M4に亘って生産タクトの低下が発生する可能性があること(影響があること)を検出するための学習モデル31である。
次に、第2状態監視部22は、学習モデル31を用いて、生産ライン4の状態に変化が検出されたか否かを判定する。例えば、第2状態監視部22は、生産ライン4の変化として、例えば、生産タクトの低下が発生する可能性がある問題であること等が検出されたか否かを判定する(ステップS13)。
第2状態監視部22は、変化が検出されなかった場合(ステップS13でNo)、変化が検出されるまでステップS11からステップS13までの処理を繰り返す。
一方、第2状態監視部22が変化を検出した場合(ステップS13でYes)、変化として検出された問題に対する対策方針の決定を第2対策決定部23が行う。
このとき、指示出力部26は、部品実装装置M5に含まれる問題のある作業ユニット5aを使用制限する制限指示を出力する。問題のある部品実装装置M5に含まれる作業ユニット5aが修理または交換されれば、指示出力部26は、作業ユニット5aの使用制限を解除する解除指示を部品実装装置M5に出力する。
[動作例4]
次に、第2対策決定部23の詳細について、図6を用いて説明する。本動作例では、第1状態監視部11の詳細を説明した図4と同様の処理動作については、同一の符号を付して説明を省略する。
図6は、実施の形態に係る第2最適化部24による最適化と、第2対策決定部23における方針の決定との処理動作を示すフローチャートである。
第2対策決定部23は、第2状態監視部22から状態情報を取得すると、問題がある状態の生産ライン4に対する対策として、互いに関連のある状態情報、実装データ33およびリソースデータベース32を分析させる。具体的には、第2最適化部24は、問題がある状態の生産ライン4において、生産リソースを格納するリソースデータベース32、および、実装データ33を参照し、部品の配列、部品の吸着順序、部品の装着順序、実装ヘッドの経路等を最適化することで、生産ライン4の実装データ33を最適化する(ステップS121)。
ここで、第2最適化部24が生産ライン4の吸着ノズルA~Dを最適化する場合について、図7を用いて説明する。図7は、実施の形態に係る第2最適化部24が吸着ノズルA~Dを最適化した場合を示す図である。図7では、生産ライン4が第1生産装置および第2生産装置で構成されている場合を例示している。
また、生産ライン4に含まれる第1生産装置において、吸着ノズルAが1ターン目から3ターン目まで部品aを吸着する場合、吸着ノズルBが1ターン目から3ターン目まで部品bを吸着する場合、吸着ノズルcが1ターン目から3ターン目まで部品cを吸着する場合、吸着ノズルDが1ターン目で部品aを吸着し、2ターン目から3ターン目まで部品cを吸着する場合を示している。
また、生産ライン4に含まれる第2生産装置において、吸着ノズルAが1ターン目から2ターン目まで部品aを吸着する場合、吸着ノズルBが1ターン目から3ターン目まで部品bを吸着する場合、吸着ノズルcが1ターン目から2ターン目まで部品cを吸着する場合、吸着ノズルDが1ターン目で部品dを吸着し、2ターン目で部品cを吸着する場合を示している。
第2最適化部24は、図7の矢印の先の図で示すように、生産ライン4の実装データ33を最適化、つまり、第1生産装置および第2生産装置のそれぞれの実装データ33を最適化したシミュレーション結果を生成する。
ここで、第1生産装置の吸着ノズルDに問題が検出されたため、吸着ノズルDは使用制限されている。第2最適化部24は、リソースデータベース32、実装データ33を参照し、第2生産装置の3ターン目に空きのあることを抽出する。第2最適化部24は、第2生産装置の3ターン目に、第1生産装置の吸着ノズルDが行っていた部品a、c、cを、吸着ノズルA、C、Dに振り分ける。
つまり、第2最適化部24は、吸着ノズルAに1ターン目から3ターン目まで部品aを吸着させ、吸着ノズルBに1ターン目から3ターン目まで部品bを吸着させ、吸着ノズルCに1ターン目から3ターン目まで部品cを吸着させ、吸着ノズルDの1ターン目で部品dを吸着させ、吸着ノズルDに2ターン目から3ターン目まで部品cを吸着させるように最適化する。
このように、第2最適化部24は、第1生産装置の吸着ノズルDに問題が発生しても、第2生産装置の吸着ノズルA、C、Dに部品a、c、cを振り分けることで、生産物を生産することができるように最適化を行う。この場合、第1生産装置のターン数は増えないため、生産ライン4における生産タクトの低下が抑制される。
第2最適化部24は、第1最適化部13で最適化された生産ライン4の各装置のシミュレーション結果と、生産ライン4を最適化したシミュレーション結果とを比較する。つまり、第2最適化部24は、図5の場合と図7の場合とを比較して、比較した結果を第2対策決定部23に出力する。
図6の説明に戻り、次に、第2対策決定部23は、第2最適化部24が比較した結果の改善率が所定値以上であるか否かを判定することで、改善実行するか否かを判定する(ステップS122)。
第2対策決定部23は、第2最適化部24が比較した結果の改善率が所定値未満の場合、改善不要と判定する(ステップS122でNo)。第2対策決定部23は、改善不要と判定した場合、対策を決定せずに動作処理を終了する。これにより、現状の状態で生産ライン管理システム1の稼働が継続される。
第2対策決定部23は、第2最適化部24が比較した結果の改善率が所定値以上の場合、改善実行と判定する(ステップS122でYes)。
次に、第2対策決定部23は、学習モデル34を読み込む(ステップS22)。学習モデル34は、生産ライン4の状態に応じた対策を決定するためのモデルであり、当該対策に対する優先順位を決定するための優先度を更新するモデルである。例えば、学習モデル34は、検出された問題が入力されることで、検出された問題の対策を候補として出力するように学習されている。
次に、第2対策決定部23は、複数の対策のそれぞれの優先順位を決定するための優先度を分析する(ステップS23)。例えば、学習モデル34は、検出された問題の対策を候補として出力する際に、優先度を対策に対応付けて、候補の対策を出力する。これにより、第2対策決定部23は、各対策と各対策に対応する優先度とを把握することができる。
次に、第2対策決定部23は、対策候補リストを作成する(ステップS24)。
次に、第2対策決定部23は、作成した対策候補リストにおける最も優先度の高い対策候補を、検出された問題に対する対策として優先対策リストへ登録する(ステップS25)。
[動作例5]
次に、対策調停部25の詳細について、図8を用いて説明する。
図8は、実施の形態に係る対策調停部25の処理動作を示すフローチャートである。
まず、対策調停部25は、優先対策リストを読み込み(ステップS31)、優先順位の高い対策を選択する(ステップS32)。例えば、吸着位置ティーチの優先率が最も高い優先対策リストが読み込まれた場合、対策調停部25は、優先順位の高い対策として吸着位置ティーチを選択する。
次に、対策調停部25は、リソースデータをリソースデータベース32から読み込む(ステップS33)。
例えば、リソースデータでは、各生産リソースの有無、具体的には、リソースデータでは、各生産リソースとして、実装ヘッド、吸着ノズル、テープフィーダの有無が管理されている。
次に、対策調停部25は、選択した対策について、生産リソースがロックされているか否かを判定する(ステップS34)。例えば、対策調停部25は、吸着位置ティーチを選択したとする。また、例えば、吸着位置ティーチは、作業者が行う対策であるとする。この場合、対策調停部25は、読み込んだリソースデータにおける作業者のロックの状態を確認することで、生産リソースがロックされているか否かを判定する。
対策調停部25は、選択した対策についての生産リソースがロックされていると判定した場合(ステップS34でYes)、次に優先順位の高い対策を選択し(ステップS35)、再度ステップS33からの処理を行う。
対策調停部25は、選択した対策についての生産リソースがロックされていないと判定した場合(ステップS34でNo)、選択した対策についての生産リソースをロックする(ステップS36)。
そして、対策調停部25は、優先対策リストに含まれる全ての対策についての生産リソースがロックされているか否かを判定する(ステップS37)。全ての対策についての生産リソースがロックされていない場合(ステップS37でNo)、今回選択された対策を除いて再度ステップS32からの処理が行われる。全ての対策についての生産リソースがロックされている場合(ステップS37でYes)、優先対策リストにおける生産リソースがロックされていなかった対策のうち、選択された優先順位の高い対策について、対策実行が行われる。
[動作例6]
次に、指示出力部26、および、図示しない効果判定部および更新部の詳細について、図9を用いて説明する。
図9は、実施の形態に係る指示出力部26、効果判定部および更新部によって対策が実行された後の処理動作を示すフローチャートである。なお、以下では、吸着エラー率の悪化という問題に対して対策調停部25により選択された対策が吸着位置ティーチであり、ロックされた生産リソースが作業者Aである場合を具体例1の場合といい、フィーダの摺動不良という問題に対して対策調停部25により選択された対策が清掃であり、ロックされた生産リソースがフィーダおよび作業者Bである場合を具体例2の場合という。
まず、指示出力部26は、対策調停部25によりロックされた生産リソースについて、対策を実行するための指示を出力する(ステップS41)。例えば、具体例1の場合、指示出力部26は、作業者Aに吸着位置ティーチを実施させる対策である第1対策(例えば優先指示)を出力する。例えば、具体例2の場合、指示出力部26は、作業者Bにテープフィーダの清掃を実施させる対策である第2対策(例えば優先指示)を出力する。このように、対策に応じた指示が出力されることで、指示が実行される。なお、指示の実行は作業者等によって手動で行われるものであってもよいし、生産ライン4等によって自動で行われるものであってもよい。上述した指示が実装データ33の最適化の場合、指示を取得した生産装置は実装データ33を変更できるタイミングで変更を行う。例えば、生産装置は自機内で生産している生産物を生産し終わり、自機内に生産物がない状態で実装データ33を変更する。
次に、効果判定部は、第2状態監視部22から状態情報を取得する(ステップS42)。具体的には、効果判定部は、生産ライン4の状態に関する状態情報または生産リソースの状態に関する状態情報を取得する。効果判定部が状態情報を取得するのは、対策に応じた指示が実行されたことによる生産ライン4における状態の変化を確認する、すなわち、実行された対策に応じた指示の効果を判定するためである。例えば、具体例1の場合、効果判定部は、吸着に関する実装プロセスの結果についての状態情報を取得する。すなわち、効果判定部は、監視対象の吸着ノズルに関連するミス情報を状態情報として、その傾向を監視する。例えば、具体例2の場合、効果判定部は、テープフィーダの状態についての状態情報を取得する。すなわち、効果判定部は、監視対象のテープフィーダに関連するミス情報を状態情報として、その傾向を監視する。
次に、効果判定部は、生産ライン4の状態に問題が検出されたか否かを判定する(ステップS43)。問題が検出された場合には、実行された対策に応じた指示の効果がない、または、実行された対策に応じた指示の効果がまだ表れていないと判定することができ、問題が検出されなかった場合には、実行された対策に応じた指示の効果があったと判定することができる。
問題が検出されなかった場合(ステップS43でNo)、更新部は、判定された効果に基づいて学習モデル31、34を更新する(ステップS44)。例えば、具体例1の場合に、問題が検出されなくなった場合には、更新部は、問題に対して吸着位置ティーチが効果的であったと判断して、吸着位置ティーチの優先度が高くなるように学習モデル31、34を更新する。例えば、具体例2の場合に、問題が検出されなくなった場合には、更新部は、問題に対して清掃が効果的であったと判断して、清掃の優先度が高くなるように学習モデル31、34を更新する。
次に、効果判定部は、今回の指示が完了したため、今回の指示を実行するにあたりロックされていた生産リソースのロックを解除する(ステップS45)。例えば、具体例1の場合、ロックされていた作業者Aのロックが解除される。例えば、具体例2の場合、ロックされていた作業者Bおよびテープフィーダのロックが解除される。
次に、効果判定部は、優先対策リストから今回の指示により実行された対策を削除する(ステップS46)。例えば、具体例1の場合、吸着位置ティーチが優先対策リストから削除される。例えば、具体例2の場合、清掃が優先対策リストから削除される。
そして、効果判定部は、今回の指示により検出されなくなった問題についての対策候補リストを削除する(ステップS47)。例えば、具体例1の場合、吸着エラー率の悪化という問題は検出されなくなり、当該問題の対策は不要となったため、対策候補リストは削除される。対策候補リストを削除することは、効果判定部が、第1優先指示(吸着位置ティーチの指示)が実行されたことにより、吸着位置ティーチの指示の実行前の状態(吸着エラー率)に対して吸着位置ティーチの指示の実行後の吸着エラー率に所定値以上の改善傾向があると判定した場合、指示出力部26は、吸着位置ティーチの指示に対応した吸着エラー率に関連して抽出された、実行前の第2優先指示(フィーダ交換またはノズル交換の指示)が出力されないことを意味する。
一方で、問題が検出された場合(ステップS43でYes)、効果判定部は、タイムアウトしたか否かを判定する(ステップS48)。言い換えると、効果判定部は、所定時間、効果が判定できていない状態であるか否かを判定する。指示が実行されてから、効果が表れるまでにある程度の時間を要する場合があるため、ステップS48での処理が行われる。所定時間は、例えば、指示毎に、効果の刈り取りに必要な時間が設定される。また、生産計画35やメンテナンス計画に追加される対策のように、即時に行われない指示はその指示を行う計画が作成されたことで、生産リソースのロックを解除して効果判定は計画が実行された後に行われてもよい。
タイムアウトしていない場合(ステップS48でNo)、問題が検出されなくなる、あるいは、タイムアウトするまでステップS42、ステップS43およびステップS48での処理が繰り返される。
タイムアウトした場合(ステップS48でYes)、更新部は、判定された効果に基づいて学習モデル31、34を更新する(ステップS49)。例えば、具体例1の場合に、問題が検出されたままタイムアウトした場合には、更新部は、問題に対して吸着位置ティーチは効果的ではなかったと判断して、吸着位置ティーチの優先度が低くなるように学習モデル31、34を更新する。例えば、具体例2の場合に、問題が検出されたままタイムアウトした場合には、更新部は、問題に対して清掃が効果的ではなかったと判断して、清掃の優先度が低くなるように学習モデル31、34を更新する。また、更新部は、問題が検出されたものの、状態情報に傾向の改善があった(所定以下の改善傾向があった)場合には、優先度の低下度合いを小さくなるように学習モデル31、34を更新する。
次に、効果判定部は、今回の指示が完了したため、今回の指示を実行するにあたりロックされていた生産リソースのロックを解除する(ステップS50)。例えば、具体例1の場合、ロックされていた作業者Aのロックが解除される。例えば、具体例2の場合、ロックされていた作業者Bおよびフィーダのロックが解除される。
次に、効果判定部は、優先対策リストから今回の指示により実行された対策を削除する(ステップS51)。例えば、具体例1の場合、吸着位置ティーチが優先対策リストから削除される。例えば、具体例2の場合、清掃が優先対策リストから削除される。
次に、効果判定部は、今回の指示が実行されても検出されたままの問題についての対策候補リストを更新する(ステップS52)。
効果判定部は、作成した対策候補リストにおける最も優先度の高い対策候補を、検出された問題に対する対策として優先対策リストへ登録する(ステップS53)。例えば、対策候補リストが作成された場合、吸着エラー率の悪化という問題に対して、ノズル交換という対策が優先対策リストへ登録される。つまり、吸着位置ティーチが行われた後も継続している吸着エラー率の悪化という問題に対して、ノズル交換の指示が出力され得る。
(その他の実施の形態)
以上、本開示の生産ライン管理システムについて、実施の形態に基づいて説明したが、本開示は、上記実施の形態に限定されるものではない。本開示の趣旨を逸脱しない限り、当業者が思いつく各種変形を本実施の形態に施したもの、および、異なる実施の形態における構成要素を組み合わせて構築される形態も、本開示の範囲内に含まれる。
例えば、上記実施の形態では、生産ライン管理システムにおいて、第1対策決定部および第2最適化部は、管理装置に備えられていてもよい。
例えば、上記実施の形態では、生産ライン管理システムにおいて、第1最適化部および第2最適化部は、学習モデルを用いて最適化してもよい。この学習モデルは、過去の実績または経験則で構築された学習モデルであってもよい。例えば、学習モデルは、生産計画上、第1基板種の生産が数分程度の残り時間で完了する場合、最適化をせずに第1基板種の生産を継続させるように学習させてもよい。また、別の例として、学習モデルは、生産計画上、第2基板種の生産が数時間程度の残り時間で完了し、その後に数分間停止する場合、最適化をした後に第2基板種の生産を継続させるとともに、停止した後に使用制限された作業ユニットを交換またはメンテナンスするように学習させてもよい。
例えば、生産ライン管理方法におけるステップは、コンピュータ(コンピュータシステム)によって実行されてもよい。そして、本開示は、生産ライン管理方法に含まれるステップを、コンピュータに実行させるためのプログラムとして実現できる。さらに、本開示は、そのプログラムを記録したCD-ROM等である非一時的なコンピュータ読み取り可能な記録媒体として実現できる。
例えば、本開示が、プログラム(ソフトウェア)で実現される場合には、コンピュータのCPU、メモリおよび入出力回路等のハードウェア資源を利用してプログラムが実行されることによって、各ステップが実行される。つまり、CPUがデータをメモリまたは入出力回路等から取得して演算したり、演算結果をメモリまたは入出力回路等に出力したりすることによって、各ステップが実行される。
また、上記実施の形態の生産ライン管理システム1に含まれる各構成要素は、専用または汎用の回路として実現されてもよい。
また、上記実施の形態の生産ライン管理システム1に含まれる各構成要素は、集積回路(IC:Integrated Circuit)であるLSI(Large Scale Integration)として実現されてもよい。
また、集積回路はLSIに限られず、専用回路または汎用プロセッサで実現されてもよい。プログラム可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)、または、LSI内部の回路セルの接続および設定が再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサが、利用されてもよい。
さらに、半導体技術の進歩または派生する別技術によりLSIに置き換わる集積回路化の技術が登場すれば、当然、その技術を用いて、生産ライン管理システム1に含まれる各構成要素の集積回路化が行われてもよい。
その他、実施の形態に対して当業者が思いつく各種変形を施して得られる形態や、本開示の趣旨を逸脱しない範囲で各実施の形態における構成要素および機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本開示に含まれる。
本開示は、例えば、生産フロアの管理に利用できる。
1 生産ライン管理システム
4 生産ライン
5a 作業ユニット
22 第2状態監視部(状態監視部)
23 第2対策決定部(指示決定部)
24 第2最適化部(生産タクト推測部)
25 対策調停部
26 指示出力部
30 記憶部
M4、M5 部品実装装置(生産装置)

Claims (12)

  1. 生産物を生産する生産装置が複数備えられた生産ラインを管理する生産ライン管理システムであって、
    前記生産装置の状態を監視する状態監視部と、
    前記生産装置の前記状態に対応して抽出される複数の指示のそれぞれに対して前記生産装置が前記複数の指示を実行したときの前記生産ラインの生産タクトを推測する生産タクト推測部と、
    前記生産タクト推測部が推測した前記複数の生産タクトに基づいて、前記複数の指示のうちから実行する指示を決定する指示決定部と、
    前記指示決定部が決定した指示を出力する指示出力部と、を備える
    生産ライン管理システム。
  2. 前記指示決定部は、前記生産タクト推測部が推測した前記複数の生産タクトから前記複数の指示に対応する優先度を設定し、設定した前記優先度に基づいて、前記複数の指示のうちから実行する指示である優先指示を決定する
    請求項1に記載の生産ライン管理システム。
  3. 前記状態監視部は、前記生産装置の少なくとも一部に含まれる作業ユニットの使用制限または前記使用制限の解除を監視する
    請求項2に記載の生産ライン管理システム。
  4. 前記優先指示を実行するための前記生産装置、および、前記作業ユニットのうちの少なくとも1以上を含むリソースの有無に基づいて、前記優先指示の実行を調停する対策調停部をさらに備える
    請求項3に記載の生産ライン管理システム。
  5. 前記指示決定部は、推測した前記複数の生産タクトの短い順に前記複数の指示に対応する前記優先度を設定する
    請求項2から4のいずれか1項に記載の生産ライン管理システム。
  6. 前記対策調停部は、前記優先指示を実行する少なくとも一つの前記生産装置内で生産している前記生産物の生産が完了した後に、前記優先指示を実行する少なくとも一つの前記生産装置に対して前記優先指示が実行されるように、調停する前記優先指示を前記指示出力部に出力させる
    請求項4に記載の生産ライン管理システム。
  7. 前記優先指示を実行前の前記生産物を生産するための生産データを記憶する記憶部をさらに備え、
    前記生産装置の前記使用制限に対する前記優先指示を実行後に前記状態監視部が前記生産装置の前記使用制限の解除を検知すると、前記指示決定部は、前記記憶部に記憶された前記生産データへの変更指示を前記優先指示として決定する
    請求項3、4、6のいずれか1項に記載の生産ライン管理システム。
  8. 前記複数の指示には、前記生産装置に前記生産物を生産する作業の少なくとも一部の作業を変更させる第1指示と、複数の前記生産装置に亘った前記生産ラインが前記生産物を生産する作業の少なくとも一部の作業を変更させる第2指示とを含む
    請求項2から7のいずれか1項に記載の生産ライン管理システム。
  9. 前記指示決定部は、前記第2指示の実行後の前記生産タクトが前記第1指示の実行後の前記生産タクトよりも改善されている場合に、前記第2指示を前記優先指示として決定する
    請求項8に記載の生産ライン管理システム。
  10. 前記生産装置は、部品を基板に実装する部品実装装置であり、
    前記作業ユニットは、部品を吸着するノズルである吸着ノズル、および、前記部品を前記吸着ノズルに供給する部品供給装置であり、
    前記状態監視部は、前記作業ユニットの使用制限または前記使用制限の解除を監視する
    請求項3に記載の生産ライン管理システム。
  11. 生産物を生産する生産装置が複数備えられた生産ラインを管理する生産ライン管理方法であって、
    前記生産装置の状態を監視し、
    前記生産装置の前記状態に対応して抽出される複数の指示のそれぞれに対して前記生産装置が前記複数の指示を実行したときの前記生産ラインの生産タクトを推測し、
    推測した前記複数の生産タクトに基づいて、前記複数の指示のうちから実行する指示を決定し、
    決定した指示を出力する
    生産ライン管理方法。
  12. 生産物を生産する生産装置が複数備えられた生産ラインと、前記生産ラインを管理する管理装置とを備える生産ライン管理システムであって、
    前記生産ラインは、
    複数の前記生産装置のそれぞれの状態に対応した実装データを最適化し、最適化した複数の前記実装データを実行した場合の第1生産タクトを推定する第1最適化部と、
    複数の前記第1生産タクトに基づいて、前記生産装置における複数の前記実装データのうちから第1実装データを決定する第1指示決定部とを有し、
    前記管理装置は、
    前記生産ラインの前記状態に対応した実装データを最適化し、最適化した複数の前記実装データを実行した場合の第2生産タクトを推定する第2最適化部と、
    複数の前記第2生産タクトに基づいて、前記生産ラインにおける複数の前記実装データのうちから第2実装データを決定する第2指示決定部と、
    前記第2指示決定部が決定した前記第2実装データを出力する指示出力部とを有し、
    前記第2最適化部は、前記第1生産タクトと前記第2生産タクトとを比較し、
    前記第2指示決定部は、前記第2最適化部が前記比較した結果に基づいた優先度を設定することで、設定した前記優先度に応じた実装データを決定する
    生産ライン管理システム。
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