JP2023039216A - 包装袋及び包装体 - Google Patents

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Abstract

【課題】包装袋1において、リサイクル性とシール性とを両立する。【解決手段】本発明の包装袋1は、帯状の紙基材2を長手方向に沿って折り返すと共に折り返された紙基材2、2同士をシールすることで、袋状に製袋される包装袋1であって、紙基材2は、紙で形成された基紙層3と、基紙層3の外側にコーティングされた外側接着剤層4と、基紙層3の内側にコーティングされた内側接着剤層6と、の3層を備えており、外側接着剤層4及び内側接着剤層6は、基紙層3の表面にコートされたヒートシール可能なヒートシール接着剤で形成されており、紙基材2、2同士を製袋時にシールする製袋シール部19のいずれかが、外側接着剤層4と内側接着剤層6、外側接着剤層4、4同士、あるいは内側接着剤層6、6同士のいずれか二以上が面状態で接触し合うように、紙基材2が4枚以上積層された状態でヒートシールされた多重シール構造14を備えている。【選択図】図2

Description

本発明は、オムツなどの被包装物の包装に用いる包装袋及び包装体に関するものである。
従来、オムツやナプキンなどの衛生用品(体液吸収性物品)を被包装物とする包装袋には、フィルム(合成樹脂のフィルム)からなる包装材が用いられてきた。
例えば、特許文献1には、一端部において開口した袋状のフィルム体の内部に内容物が収容される包装体であって、前記フィルム体の前記一端部が溶着されたシール部と、前記シール部を挟む第1の面及び第2の面であって、識別可能なマーク部をそれぞれ有する第1の面及び第2の面と、を備える端面を有し、前記第1の面と前記第2の面とは、前記内容物が収容される前の前記包装体において、互いに逆の側に位置し、前記第1の面の前記マーク部と前記第2の面の前記マーク部とは、前記内容物が収容される前の前記包装体において、前記第1の面の前記マーク部を前記第2の面に投影した場合に、前記第1の面の前記マーク部の前記少なくとも一部と、前記第2の面の前記マーク部の前記少なくとも一部とが、重なり合う関係を有し、前記マーク部は、前記フィルム体において、前記フィルム体に前記内容物が収容されて前記シール部が形成されることで前記第1の面及び前記第2の面に現れる位置に設けられている、包装体が開示されている。
また、特許文献2には、折り畳まれた状態の複数の吸収性物品を包装するパッケージであって、フィルム状の包装材によって形成されており、前記複数の吸収性物品を封入するように構成されている袋部を具備しており、前記袋部内に折り畳まれた状態で封入されている前記吸収性物品は、互いに直交する製品長手方向と製品幅方向と製品厚み方向とを有しており、前記袋部は、互いに直交する上下方向と左右方向と厚み方向とを有しており、前記袋部は、前記上下方向の少なくとも一方の端部に形成されている底面と、前記左右方向の両端部に形成されている側面と、を有しており、前記底面において、前記包装材同士が固着されている固着領域が、前記左右方向に沿って形成されており、前記側面の少なくとも一方において、前記包装材同士が固着されており前記左右方向に延出するスカート部が、前記側面の外縁部に沿って環状に形成されており、前記袋部内において、前記吸収性物品の各々の前記製品厚み方向が前記厚み方向に合っており且つ前記吸収性物品の各々の前記製品長手方向又は前記製品幅方向が前記左右方向に合っている状態で、前記複数の吸収性物品が収容されていることを特徴とするパッケージが開示されている。
特許第6859904号公報 特開2015-71427号公報
昨今のSDGs(Sustainable Development Goalsの略語であり、2015年9月の国連サミットで採択された国連加盟193か国が2016年からの15年間で達成するために掲げた17の目標であって、本明細書では特に14番目の目標「海の豊かさを守ろう」に関連する対応を意味する)を意識して包装材の提供を考えた場合に、海洋プラスチック問題の原因となるフィルムの削減が求められており、代わりに生分解可能な材料である紙が注目されている。
そこで、主材にフィルムを含まない包装袋、言い換えれば主材を紙のみで包装材を構成することが好ましい。ここで、主材を紙のみで包装袋を構成しようとした場合、シート状の紙基材をシールして袋状に製袋する必要がある。そして、このような場合には、紙基材のシール強度や生産性などが特に問題となる。
つまり、主材を紙のみとした包装袋には、ラミネートされたフィルムがないので、そのままでは接着ができない。そこで、紙の上に糊を塗布し、シールするという手段を取ることが考えられる。しかしながら、一般的な酢酸ビニル系の糊を使用する場合、塗工後、一
定時間内に貼着させる必要があるため、製袋時の糊の塗工と、包装時の糊の塗工とが別で必要となり、生産性が悪いという問題があった。
また、接着剤の種類によっては、紙のリサイクルの際に邪魔になることがある。というのも、リサイクルを考えた場合、接着剤には、紙リサイクルの脱墨等の工程で紙から剥がすことができるようなもの、言い換えれば脱墨等の工程において離型性があるものを用いる必要がある。
一方、オムツなどの被包装物を包装する場合に、オムツなどは圧縮状態で充填されるため、圧縮された被包装物が膨らもうとする大きな反発力が包装材に加わる。接着強度が十分でない場合、被包装物の反発力に負けて、シール済のシール部が望まぬタイミングで開封(例えば、封函を行った後で、使用者が開封を望まない運搬時や販売時などのような場合での開封を示す、以下同じ)してしまう可能性がある。
つまり、フィルムを含まない紙のみで良好なリサイクル性と生産性を備えた包装袋を実現するためには、ヒートシール性のある接着剤を用い、且つ低下しがちなシール強度を補うことができるような何らかの手段を設けることが必要不可欠となる。
本発明は、上述の問題に鑑みてなされたものであり、フィルムを含まないものでありながら、望まぬタイミングでの開封(剥離)を抑制することができ、生産性、リサイクル性、及びシール性をすべて満足することができる包装袋及び包装体を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明の包装袋及び包装体は以下の技術的手段を講じている。
即ち、本発明の包装袋は、帯状の紙基材を長手方向に沿って折り返すと共に折り返された紙基材同士をシールすることで、袋状に製袋される包装袋であって、前記紙基材は、紙で形成された基紙層と、前記基紙層の外側にコーティングされた外側接着剤層と、前記基紙層の内側にコーティングされた内側接着剤層と、の3層を備えており、前記外側接着剤層及び内側接着剤層は、前記基紙層の表面にコートされたヒートシール可能なヒートシール接着剤で形成されており、前記紙基材同士を製袋時にシールする製袋シール部のいずれかが、外側接着剤層と内側接着剤層、外側接着剤層同士、あるいは内側接着剤層同士のいずれか二以上が面状態で接触し合うように、前記紙基材が4枚以上積層された状態でヒートシールされた多重シール構造を備えていることを特徴とする。
なお、好ましくは、前記紙基材が、3%以上の引張破断伸びを備えているとよい。
なお、好ましくは、前記ヒートシール接着剤に、前記紙基材をリサイクル工程で紙から分離が容易な、ディスパージョンタイプまたはエマルジョンタイプのヒートシール接着剤が用いられているとよい。
なお、好ましくは、前記包装袋は、製袋された状態において外側に面する紙基材の最外層に、撥水層を備えているとよい。
また、本発明の包装体は、帯状の紙基材を長手方向に沿って折り返すと共に折り返された紙基材同士をシールすることで袋状に製袋される包装袋と、前記包装袋内に収容される被包装物と、を備えた包装体であって、前記包装袋は、製袋後の袋状から、前後左右の側部、天部、及び底部を備えた有蓋角筒状に変形された状態で、前記被包装物が充填可能とされており、前記紙基材は、紙で形成された基紙層と、前記基紙層の外側にコーティングされた外側接着剤層と、前記基紙層の内側にコーティングされた内側接着剤層と、の3層を備えており、前記外側接着剤層及び内側接着剤層は、ヒートシール可能なヒートシール接着剤を前記基紙層の表面にコートすることで形成されており、前記被包装物が充填された包装袋を封函した包装体に対して、包装体に設けられるすべてのシール部のうち、いずれかのシール部が、前記外側接着剤層と内側接着剤層、外側接着剤層同士、あるいは内側接着剤層同士のいずれか二以上が面状態で接触し合うように、前記紙基材が4枚以上積層された状態でヒートシールされた多重シール構造を備えていることを特徴とする。
なお、好ましくは、前記包装袋は、前後左右の側部、天部、及び底部の少なくとも一箇所に、前記被包装物の挿入を可能とする商品挿入部を有しており、前記商品挿入部は、前
記被包装物の挿入後に前記ヒートシールにより封函可能とされており、前記紙基材同士を製袋時にシールする製袋シール部、または前記商品挿入部を封函時にシールする封函シール部のいずれかが、前記多重シール構造を備えているとよい。
なお、好ましくは、前記封函シール部が少なくとも前記多重シール構造を備えているとよい。
本発明の包装袋及び包装体によれば、フィルムを含まないものでありながら、望まぬタイミングでの開封(剥離)を抑制することができ、生産性、リサイクル性、及びシール性をすべて満足することができる。
(a)は第1実施形態の包装袋を示す斜視図であり、(b)は(a)のA-A線断面図である。 (a)は第1実施形態の紙基材の表側の展開図であり、(b)は裏側の展開図である。 第1実施形態の包装袋の製袋手順を示した模式図である。 (a)は図1のB部分の紙基材の層構成であり、(b)はC部分の紙基材の層構成であり、(c)はD部分の紙基材の積層状態を示した図である。 第1実施形態の包装体の斜視図及びD部分の拡大図である。 第1実施形態の包装体の充填手順を示した模式図である。 (a)は第2シール部(天面45°シール)の他の実施形態であり、(b)は端部カットの他の実施形態を示した図である。 (a)は第2実施形態の包装袋を示す斜視図であり、(b)は(a)のE-E線断面図である。 (a)は第2実施形態の紙基材の表側の展開図であり、(b)は裏側の展開図である。 第2実施形態の包装袋の製袋手順を示した模式図である。 図8(a)のH部分における紙基材の積層状態を示した図である。 第2実施形態の包装体の斜視図及びH部分の拡大図である。
[第1実施形態]
以下、本発明の包装袋1の実施形態を、図面に基づき詳しく説明する。
図1(a)は、第1実施形態の包装袋1を模式的に示した斜視図であり、被包装物Pを包装する前の状態の包装袋1の外観を示す斜視図である。また、図1(b)は、第1実施形態の包装袋1を、長手方向(高さ方向)に沿って切断した断面図である。
なお、以降の説明において、被包装物Pが包装される前の状態、言い換えれば袋だけの状態のものを「包装袋1」といい、被包装物Pが包装された後の状態、言い換えれば被包装物Pを包装袋1に充填した上で封函したものを「包装体17」という。
図1及び図2に示すように、第1実施形態の包装袋1は、オムツなどの体液吸収性物品を被包装物Pとして複数枚(複数個)包装するための包装部材であり、(プラスチックなどに比して)リサイクル性に優れる紙基材2を貼り合わせることで平坦に折り畳まれた袋状になるよう形成されている。
なお、第1実施形態の包装袋1に被包装物Pを充填する場合には、後述する有蓋角筒状に変形された上で、図1(a)に示される商品挿入部16が下方に向かって開口する姿勢(図6(a)に示されるような姿勢)で充填が行われる。以降では、商品挿入部16を下方に向けた姿勢を基準として、この姿勢にある包装体17の上下、左右、前後を、包装袋1及び包装体17の構成を説明する場合の上下、左右、前後とする。なお、これらの方向は、図5の図中に示している。
具体的には、第1実施形態の包装袋1に包装される被包装物Pには、オムツ、生理用品、ペット用シーツ、介護シーツなどの体液吸収性物品(衛生用品)を用いることができる。なお、第1実施形態の包装袋1は体液吸収性物品を被包装物Pとしているが、本発明の包装袋1は体液吸収性物品以外の食品、衣類、日用品などの物品を被包装物Pとして包装することもできる。また、本発明の包装袋1は、特に圧縮状態で充填されるような被包装物Pの包装に好適である。
第1実施形態の包装袋1は、帯状の紙基材2を長手方向に沿って折り返すと共に折り返された紙基材2の端部同士をシールして製袋するという加工を施すことで、上述したような平坦に折り畳まれた袋状に形成されている。
次に、包装袋1を構成する紙基材2の層構成について説明する。
図4(a)に示すように、紙基材2は、紙で形成された基紙層3と、基紙層3の外側(製袋後に袋外側を向く面を示す、以下同じ)にコーティングされた外側接着剤層4と、基紙層3の内側(製袋後に袋内側を向く面を示す、以下同じ)にコーティングされた内側接着剤層6と、の3層を備えている。
基紙層3は、紙基材2を構成する主材料の紙材であり、紙基材2は包装時の保形性と、製袋時、包装時の加工性とを両立すべく、紙基材2とした場合の引張破断伸びが3%以上であることが望ましい。引張破断伸びは、JIS P8113に基づき測定された数値であり、具体的には、引張破断伸びには、抄紙機の抄紙方向(MD方向、縦目方向)に沿った伸びと、抄紙方向に直交する方向(CD方向、横目方向)に沿った伸びとがあるが、本実施形態の紙基材2にはいずれの方向の伸びも3%以上、好ましくは5%以上であることが好ましい。また、圧縮充填された被包装物の復元力が強く働く方向(図5では左右方向)が、CD方向となるよう構成することが望ましい。
このような基紙層3には、坪量が好ましくは30~150g/m2、より好ましくは50~100g/m2の重袋用クラフト紙、半晒クラフト紙などのような強度に優れる未晒用紙、あるいは印刷性に優れる晒クラフト紙などを用いることができる。また、基紙層3には、伸張性を付与する加工や処理を施した紙を使用してもよい。
上述した外側接着剤層4及び内側接着剤層6には、以下に示すようなヒートシール接着剤を用いることができる。なお、外側接着剤層4に用いるヒートシール接着剤の種類と、内側接着剤層6に用いるヒートシール接着剤の種類とは、同じであっても良いし、異なっていても良い。また、外側接着剤層4の厚みと内側接着剤層6の厚みとは、同じであっても良いし、異なっていても良い。
上述したヒートシール接着剤には、分散媒に、合成樹脂等のバインダー分を溶解又は分散化させたディスパージョンタイプの接着剤、あるいは分散媒に、合成樹脂等のバインダー分を乳化分散化させたエマルジョンタイプの接着剤などが用いられる。分散媒としては水、有機溶剤などがあげられ、これらは単独、又は二種以上を混合して使用することができる。これらの接着剤は、水や溶剤などの分散媒の蒸発(揮発)により固形分が乾燥固化し、紙基材2の表面にコーティングされる(塗工される)。シールの際には、固化した固形分にシールの際に熱が加わることでバインダー分の合成樹脂等が軟化・溶融し、軟化・溶融した合成樹脂が冷却固化することでシール(接着)が可能となる。
エマルジョンタイプのヒートシール接着剤には、EVA(エチレン酢酸ビニル共重合体樹脂)系接着剤、アクリル系接着剤を用いることができる。また、ディスパージョンタイプの接着剤には、ウレタン系接着剤を用いることができる。環境負荷、リサイクル性などを考慮した場合、これら接着剤の溶媒は水系であることが望ましい。これらの接着剤は、紙を接着対象とした場合にも良好な接着強度を発揮でき、後述するグラビアロールを用いたコーターなどでコートすることができる。
上述した外側接着剤層4は、グラビアコーターまたはロールコーターなどを用いて基紙層3の外表面にコートされている。外側接着剤層4の塗工量については、例えば、DRY1.5g/m2~15g/m2とされている。シール強度、耐ブロッキング性を備える観点からは、DRY7g/m2~15g/m2とすることが望ましい。外側接着剤層4の塗工量は内側接着剤層6の塗工量より少なくても良い。
また、内側接着剤層6も、外側接着剤層4と同様にグラビアコーターまたはロールコーターなどを用いて基紙層3の内表面にコートされている。内側接着剤層6の塗工量については、例えば、DRY1.5g/m2~15g/m2とされている。内側接着剤層6、6同士が面接触
する層構成を含む場合、内側接着剤層6の塗工量をDRY7g/m2~15g/m2とすることで、優れた耐ブロッキング性を奏しつつ、オムツなどのような圧縮された被包装物Pを包装する際にもシール部8の剥離を抑制可能することが可能となる。
図4(b)に示すように、紙基材2は、上述した基紙層3と外側接着剤層4と内側接着剤層6との3層に加え、外側接着剤層4の外側に撥水コート層7を備えたものであっても良い。撥水コート層7には、PTFE樹脂(ポリテトラフルオロエチレン樹脂)などのフッ素系化合物、シリカやシリコーン系化合物、ポリオレフィンやパラフィンなどの炭化水素系化合物等の撥水成分を配合したコート剤などが用いられる。分散媒としては水、有機溶剤などの溶剤があげられ、これらは単独、又は二種以上を混合して使用することができる。また、コート剤には、上述した撥水成分以外の塗膜形成成分が含まれていてもよい。これらのコート剤は、配合されている撥水成分などの作用で高い撥水性を外側接着剤層4の外表面に付与することができる。コート剤をコーティングする際には、外側接着剤層4や内側接着剤層6と同様にグラビアコーターまたはロールコーターなどを用いることができる。コーティング量は、有効成分の含有量により異なるが、DRY0.5~3g/m2となるようコーティングすることができる。撥水コート層7は、撥水度試験(JAPANTAPPI紙パルプ試験方法 No.68)に準じて評価した撥水度でR8以上であることが望ましい。
なお、上述した撥水コート層7を紙基材2の表面に設けると、外側接着剤層4と紙基材2との接着や内側接着剤層6と紙基材2との接着を阻害する可能性がある。そのため、撥水コート層7は、シール部8が設けられた箇所以外の箇所に設けられることが望ましい。また、外側接着剤層4の外表面、あるいは外側接着剤層4と撥水コート層7との間に印刷層(図示せず)を設けてもよい。
例えば、図1(a)の例を挙げれば、図1(a)において「C」で示される箇所は上述した「シール部8が設けられた箇所以外の箇所」に相当し、撥水コート層7を設けるのに適している。「C」で示される箇所に撥水コート層7を設ければ、包装袋1に雨水等がかかっても袋内部に水が浸入することを抑制でき、包装袋1の利便性や耐久性(耐水性)をさらに向上させることが可能となる。
一方、図1(a)において「D」で示される箇所は、外側接着剤層4、4同士と内側接着剤層6、6同士とを面状態で接触させてシールしており、撥水コート層7を設けるのに適していない。また、「B」で示される箇所も内側接着剤層6、6同士を面状態で接触させてシールしており、撥水コート層7を設けるのに適していない。これらの箇所に撥水コート層7を設けると外側接着剤層4、4同士の間に撥水コート層7が介在して接着強度を低下させるため剥離もしやすくなる。そのため、「D」や「B」で示される箇所では図4(a)に示されるような層構成(撥水コート層7を設けていない層構成)の紙基材2を用いるのが好ましい。
次に、平面展開された紙基材2を包装袋1に製袋する手順について詳しく説明する。
図2(a)は紙基材2の表側の平面展開図を示しており、図1(b)は紙基材2の裏側の平面展開図を示している。
図2(a)及び図2(b)に示すように、第1実施形態の紙基材2は、短辺Snと長辺Swを備えた長方形に形成されている。なお、短辺Snの長さL1に対して長辺Swの長さL2は、L1<L2の関係を備えている。
上述した紙基材2は、長辺Swと平行に伸びる山折予定線α、α’をそれぞれ1本ずつ合わせて2本備えており、短辺Snと平行に伸びる山折予定線β、β’をそれぞれ1本ずつ合わせて2本備えている。これらの山折予定線α、α’は、図5のように被包装物を包装した際に、自然に山折線となる箇所を示している。山折予定線β、β’は、図3のように製袋した際に、山折線となる箇所を示している。本実施形態では山折予定線α、α’、β、β’は包装時あるいは製袋時に折り返されることで山折線となる箇所を示しており、製袋前の紙基材2上には罫線などは形成されていない。しかし、製袋前の紙基材2に罫線を予め形成しておき、包装前に折癖を付けておくことも可能である。
また、短辺Snと平行に伸びる2本の山折予定線β、β’の間には、製袋後の包装袋1の保管等の際に谷折りしやすいように谷折予定線δが、短辺Snと平行な方向に沿って伸
びるように形成されている。また、山折予定線β、β’は、山折予定線αから山折予定線α’までの線分として形成されており、山折予定線α、α’より外側には山折予定線γ、γ’が設けられている。言い換えれば、山折予定線β、β’と、山折予定線γ、γ’とは、(短辺Snと平行な方向に沿って)同一線上に並んで配置されている。山折予定線γ、γ’もまた、図3のように製袋した際に、山折線となる箇所を示しており、製袋前の紙基材2上には罫線などは形成されていない。但し、上記同様、製袋前の紙基材2に罫線を予め形成しておき、包装前に折癖を付けておくことも可能である。
つまり、図1(a)の「B」や「D」で示される部分は、製袋において紙基材2同士をヒートシールした製袋シール部19である。この製袋シール部19は、製袋工程でシールバー等を用いてシールを行うことで形成され、シール前の状態を図示した図2中では太線を用いてシールすべき予定箇所が示されている。この製袋シール部19には、紙基材2の長辺Swと平行に伸びる第1シール部9と、紙基材2の短辺Sn及び長辺Swの双方に45°で交差するように傾斜状に伸びる第2シール部10とがある。
図2(a)及び図2(b)に示すように、第1シール部9のシール予定線9’は、長辺Swと平行となるような直線状に形成されており、紙基材2の端縁から、山折予定線α、α’に近づく方向に向かって距離Dだけ離れた位置に設けられている。この第1シール部9のシール予定線9’と長辺Swとの間に設けられる距離Dは、紙基材2の縁に設ける「のり代」の長さである。シールは、シールバーが紙基材2の外側にはみ出ないように紙基材2の端縁の内側にシールしてもよく、または紙基材2の端縁まで(つまりのり代全部)シールしてもよい。シール時或いはシール後、必要に応じてのり代の端縁をカットしてもよい。
具体的には、図5に示すように、包装体17(製袋後の包装袋1)の左右方向に沿った横幅を「a」、前後方向に沿った奥行きを「b」、上下方向に沿った高さを「c」とした場合に、図2に示す紙基材2の短辺Snの長さL1は、横幅aと、奥行きb(正確には0.5b×2)との和に、上述した「のり代」を加えた寸法に形成されている。また、紙基材2の長辺Swの長さL2は、高さc×2に、奥行きb(正確には0.5b×2)との和に、さらに後述する封函において底部を形成するための寸法(奥行b(正確には0.5b×2)と上述したものと同様な「のり代」)を加えた寸法に形成されている。
また、第2シール部10のシール予定線10’は、第1シール部9のシール予定線9’上と、山折予定線γ、γ’との双方に対して45°の角度で交差するように形成されると共に、両端がシール予定線9’ と山折予定線γ、γ’とにそれぞれ交差している。具体的には、第2シール部10のシール予定線10’は、山折予定線γの両側に、山折予定線γに対して線対称となるように2本、さらに山折予定線γ’の両側に、山折予定線γ’に対して線対称となるように2本、合わせて4本形成されている。これら4本の第2シール部10のシール予定線10’は、シール予定線9’の上から山折予定線α、α’に近づくにつれて、山折予定線γ、γ’に近接するように傾斜しており、展開状態の紙基材2においてW字状または逆W字状に折れ曲がった折れ線状に形成されている。
図3の(1)に示すように、上述した製袋前の紙基材2から第1実施形態の包装袋1を製袋する場合は、長辺Swと平行な方向に沿って山折予定線β、β’を境に紙基材2を折り返す。このとき、山折予定線βと山折予定線β’との間の紙基材2を、谷折予定線δを境に谷折りすると共に、谷折りした部分を折り込むことでガゼット部18(マチ部)を形成する。このようにすれば、図3の(2)に示すように、2枚重ねされた紙基材2の間に、ガゼット部18が形成された中間体11を形成することが可能となる。なお、各折りは順次形成してもよいし、同時に形成してもよい。
次に、上述した中間体11(ガゼット部18を形成した、2枚重ねした紙基材2)に対して、第1シール部9のシール予定線9’に対してシールバーを用いてヒートシールを行うと共に、第2シール部10のシール予定線10’ に対してシールバーを用いてヒートシールを行う。上述したシール予定線9’及びシール予定線10’の各線は順次形成してもよいし、同時に形成してもよい。
上述したシール予定線10’ に対してシールバーを用いてヒートシールを行えば、内
側接着剤層6、6同士が面状態で接触し合うようにヒートシールされ、三角形状の折込片12が形成される。さらに、シール予定線9’ に対してシールバーを用いてヒートシールを行えば、折込片12の端部に形成された外側接着剤層4、4同士が面状態で接触し合うようにヒートシールされ、外側接着剤層4、4同士と内側接着剤層6、6同士とが4枚積層状態でヒートシールされて一体物となった多重シール構造14を形成することが可能となる。
ここで、上述した製袋を行った包装袋1は、複数の製袋シール部19(複数の第1シール部9及び第2シール部10)を備えたものとなっており、平らに畳まれた袋状に形成されている。そして、包装袋1は、上述した製袋後の袋状から、前後左右の側部、天部、及び底部を備えた有蓋角筒状に変形された状態で、被包装物Pが充填可能とされている。
なお、この「有蓋角筒」とは、「底部のみが閉鎖されていない角筒」を意味し、詳しくは前後左右の側部、天部、底部の6部位のうち、底部を除く5つの部位が閉鎖され、底部のみが下方に向かって開口状態にあることをいう。
本発明において包装袋1の変形された形状を「有蓋角筒(有蓋筒状)」と表現するのは、包装現場において被包装物を底側の商品挿入部16から充填する充填設備での使用を想定しているからであるが、商品挿入部16が側部に設けられたものや上部(天部)に設けられたものも本発明の包装袋1には包含される。また、被包装物の充填が終了すれば底側の商品挿入部16はシールされ閉鎖(封函)され、充填・封函された後の包装袋1は、図5に示すような底部も閉鎖された6面体(直方体形状)の包装体17となる。
また、本発明の包装体17に設けられる多重シール構造14は、外側接着剤層4と内側接着剤層6、外側接着剤層4、4同士、あるいは内側接着剤層6、6同士のいずれか二以上が面状態で接触し合うように、紙基材2が4枚以上積層された状態でヒートシールされた部分である。このような多重シール構造14は、被包装物Pが充填・封函された状態において、包装体17に設けられるすべてのシール部8のうち、いずれかのシール部8に設けられている。
具体的には、シール部8には、製袋で形成される製袋シール部19、封函の際に商品挿入部16を封函する封函シール部13、封函シール部13にも製袋シール部19にも分類されないような他のシール部などが含まれる。これらのシール部8に対して、本発明の包装体17はいずれかのシール部8に多重シール構造14が設けられたものとなっている。
すなわち、包装体17は、製袋シール部19、封函シール部13のなかでいずれかが多重シール構造14を備えていれば良い。この場合、製袋シール部19が多重シール構造14を備えていても、封函シール部13が多重シール構造14を備えていても、あるいは製袋シール部19と封函シール部13のいずれもが多重シール構造14を備えていてもよい。また、製袋シール部19、封函シール部13の一部が多重シール構造14であっても良い。すなわち、製袋シール部19の一部が多重シール構造14である場合、封函シール部13の一部が多重シール構造14である場合、あるいは製袋シール部19の一部と、封函シール部13の一部のいずれもが多重シール構造14である場合が、「製袋シール部19、封函シール部13の一部が多重シール構造14である場合」に含まれる。
また充填・封函される前の包装袋1が多重シール構造14を備える態様では、複数の製袋シール部19(第1シール部9と第2シール部10)の中で、いずれか1つが多重シール構造14を備えていれば良い。この場合、第1シール部9が多重シール構造14を備えていても、第2シール部10が多重シール構造14を備えていても、あるいは第1シール部9と第2シール部10のいずれもが多重シール構造14を備えていてもよい。また、製袋で形成された製袋シール部19の一部が多重シール構造14であっても良い。すなわち、第1シール部9の一部が多重シール構造14である場合、第2シール部10の一部が多重シール構造14である場合、あるいは第1シール部9の一部と、第2シール部10の一部のいずれもが多重シール構造14である場合が、「製袋シール部19の一部が多重シール構造14である場合」に含まれる。
次に、第1実施形態の多重シール構造14について説明する。
図4(c)に示すように、第1実施形態の多重シール構造14は、左側から順番に、左
側の折込片12の左片、左側の折込片12の右片、右側の折込片12の左片、及び右側の折込片12の右片の4片で構成されており、1枚の紙基材2の中の4枚の紙片を積層状態で一体にシールしたものである。これら4枚の紙片、すなわち、左側の折込片12における左側の紙片、左側の折込片12における右側の紙片、右側の折込片12における左側の紙片、及び右側の折込片12における右側の紙片を、それぞれ第1片121、第2片122、第3片123、第4片124と呼称すると、第1実施形態の多重シール構造14は、左側から順番に、第1片121の外側接着剤層4、第1片121の基紙層3、第1片121の内側接着剤層6、第2片122の内側接着剤層6、第2片122の基紙層3、第2片122の外側接着剤層4、第3片123の外側接着剤層4、第3片123の基紙層3、第3片123の内側接着剤層6、第4片124の内側接着剤層6、第4片124の基紙層3、第4片124の外側接着剤層4が積層された12層構成となっている。
そして、この多重シール構造14では、第1片121の内側接着剤層6と第2片122の内側接着剤層6、第2片122の外側接着剤層4と第3片123の外側接着剤層4、さらに第3片123の内側接着剤層6と第4片124の内側接着剤層6とが、第1シール部9を構成しており、これにより4枚の紙基材2(12層)の全てが一体物となっている。なお、第1実施形態の多重シール構造14には、第1片121の内側接着剤層6と、第2片122の内側接着剤層6とが、第2シール部10を構成し、第3片123の内側接着剤層6と、第4片124の内側接着剤層6とが、第2シール部10を構成しており、これら2箇所のシール部が第2片122の外側接着剤層4と第3片123の外側接着剤層4とで重なり合うことにより4枚の紙基材2(12層)の全てが一体物となっている部分を含む。
このような紙基材2(紙基材2の一部である紙片)が4枚重なり合って一体物となった多重シール構造14を設ければ、多重シール構造14に加わった外力を4枚の紙基材2全体で受けることができ、シール部8の剥離が起きにくくなる。つまり、多重シール構造14に加わった外力は、多重シール構造14を構成する12層間のすべての接着面に分散され、一つ一つの接着面に加わる力は弱くなる。そのため、多重シール構造14ではシール部8の剥離が起きにくくなる。その結果、上述した多重シール構造14を設けた第1実施形態の包装袋1では、リサイクル時に離型性のある接着剤を用いた場合にも、製袋後のシール部8の開封(剥離)を抑制することができ、リサイクル性とシール性とを両立することも可能となる。
なお、シール部の端部が2枚重なりあった紙片が、2つに分離して存在する場合(つまり、多重シール構造の第2片の外側接着剤層と第3片の外側接着剤層とがシールされず、紙基材が2枚重なり合ったものが2つ設けられる場合)、他物に紙片の角が引っ掛かる可能性が高くなるため、不用意にシール部が開封してしまう恐れがある。しかしながら、上述のように端部が4枚重なり合って一体物とされた多重シール構造14を設けた場合、他物に引っ掛かる角が一つだけになるため、結果としてシール部8の剥離など防止することができる。
ところで、本発明の包装体17は、上述した製袋済の包装袋1を、前後左右の側部と蓋部(天部)とを備えた有蓋筒状に変形させた上で、被包装物Pを充填したものであり、オムツなどの被包装物Pを充填(挿入)した後で封函したものである。
言い換えれば、本発明の包装体17は、有蓋筒状に製袋される包装袋1と、包装袋1内に収容される被包装物Pと、を備えたものである。
なお、本発明の包装体17は、被包装物Pを収容した包装袋1に対して封函がされていれば良いので、本実施形態のように商品挿入部16に対してヒートシールによる封函を行ったものでもよいが、テープなどによって封函したものであっても良い。
次に、本実施形態の包装袋1へ被包装物Pを充填し、充填後に商品挿入部16を封函する手順、言い換えれば本実施形態のヒートシールによる充填・封函方法について説明する。
製袋後の第1実施形態の包装袋1は、有蓋筒状に変形するものであり、前後左右の側部及び天部が閉鎖されると共に、下方に向かって開口している。そして製袋後の包装袋1で
は、この下側の開口(底部の開口)が被包装物Pを挿入する商品挿入部16となっている。
図6(a)に示すように、被包装物Pの充填設備では、開口(商品挿入部16)を下方に向けた状態で、包装袋1が充填設備にセットされる。包装袋1が充填設備にセットされたら、包装袋1の下方から被包装物Pを供給する。この下方より供給される被包装物Pは、オムツなどの体液吸収性物品を折り畳まれた状態で複数枚束ねたものである。本実施形態では、体液吸収性物品を15枚束ねたものを上下2段に亘って合計30枚重ね合わせたものが、被包装物Pとして用いられる。なお、ここでは、有蓋筒状に予め変形した包装袋1に被包装物Pが供給する図となっているが、被包装物Pの供給に伴って有蓋筒状に変形するような態様であってもよい。
図6(b)に示すように、被包装物Pが包装袋1の上側まで充填されたら開口(商品挿入部16)を封函する。
この商品挿入部16の封函は、互いに対面する短辺側(左右)の側部を内側に向かって互いが近接し合うように折り返し(図中の1の方向に折り返し)、次に互いに対面する長辺側(前後)の側部を内側に向かって互いが近接し合うように折り返す(図中の2の方向に折り返す)。そして、内側に向かって折り返された長辺側(前後)の側部の折り返し端同士をヒートシールすることで商品挿入部16の閉鎖(封函)が行われる。
このような封函の際に商品挿入部16を封函するシール部が封函シール部13であり、上述した製袋の際に紙基材同士をシールする製袋シール部19とは別に設けられている。本実施形態の包装体17では、封函シール部13と製袋シール部19とが1つの包装体17を構成している。
また、包装体17には、封函シール部13にも、製袋シール部19にも分類されないようなシール部(他のシール部)、例えば把手などの部材を包装袋に取り付けるための把手シール部、包装袋の中で強度が低い部分に対して紙基材を重ね合わせて補強する補強シール部などが設けられる場合もある。
本発明の包装体は、上述した封函シール部13、製袋シール部19、及びこれらに分類されないその他のシール部(把手シール部、補強シール部など)のいずれかに、言い換えればシール部8のいずれかに、多重シール構造14が採用される。
上述したシール部8のいずれかに多重シール構造14を採用すれば、包装体17の中でシール強度が低く、剥離が起きやすい箇所を補強することができる。つまり、封函シール部13や製袋シール部19は一般にシール強度が低くなりがちであるため、これらのシール部8を多重シール構造14で補強するのが好ましい。このようにすれば、フィルムを含まないものでありながら、望まぬタイミングでの開封(剥離)を抑制することができ、生産性、リサイクル性とシール性とを両立することができる。
[第2実施形態]
次に、第2実施形態の包装袋1について説明する。
図8及び図9に示すように、第2実施形態の包装袋1は、第1実施形態と同様に、角筒状の外観を備えたものであるが、左右の側面に形成される製袋シール部19の形状が異なるものとなっている。
すなわち、図8に示すように、第2実施形態の包装袋1は、直線状の第1シール部9と、2本の直線状の第2シール部10とが、三叉状に交差しつつ接続された構造となっており、第1シール部9と2本の第2シール部10との接点に多重シール構造14が設けられている。なお、図8の「F」は、図1の「B」に対応する部分であり、第1実施形態の包装袋1と同様に、内側接着剤層6、6同士がヒートシールでシールされた第1シール部9を示している。また、図8の「G」は、図1の「C」に対応する部分であって、第1実施形態の包装袋1と同様に「シール部8が設けられた箇所以外の箇所」に相当し、撥水コート層7を設けるのに適している。さらに、図8の「H」は、図1の「D」に対応する部分であり、第1実施形態の包装袋1と同様に、多重シール構造14が設けられている。
つまり、図8に示すように、第1実施形態の包装袋1に設けられる製袋シール部19は、側方視で端部が上下方向に直線的に伸びる略I字状であったのに対し、第2実施形態の包装袋1に設けられる製袋シール部19は略Y字状であり、製袋シール部19の形状が大きく異なっている。
このような製袋シール部19の形状の差は、製袋前の紙基材2の形状や、山折予定線/谷折予定線の配置などを変更することや、製袋工程のなかで端部のカット工程を設けることなどでもたらされる。
具体的には、第2実施形態の平面展開された紙基材2は、次のように構成されている。
図9(a)は、平面状に展開された第2実施形態の紙基材2の表側の展開図を示しており、図9(b)は、平面状に展開された第2実施形態の紙基材2の裏側の展開図を示している。
図9(a)及び図9(b)に示すように、第2実施形態の紙基材2は、第1実施形態と同様に短辺Snと長辺Swを備えた長方形に近い形状に形成されている。また、第2実施形態の紙基材2も、長辺Swと平行に伸びる山折予定線α、α’を1本ずつ合わせて2本、短辺Snと平行に伸びる山折予定線β、β’を1本ずつ合わせて2本備えており、短辺Snと平行に伸びる2本の山折予定線β、β’の間には、短辺Snと平行な方向に沿って伸びる谷折予定線δが1本形成されている。
第2実施形態の紙基材2が第1実施形態と異なっているのは、長辺Swの中間が、全体視でW字状または逆W字状に切り欠かれている点である。つまり、第2実施形態の紙基材2は、長手方向の中央側が折れ線状に切り欠かれており、左側の第1シール部9のシール予定線9’と右側の第1シール部9のシール予定線9’とを、折れ線状の第2シール部10のシール予定線10’で接続したものとなっている。
つまり、第2実施形態の紙基材2に形成される第1シール部9のシール予定線9’は第1実施形態のように長辺Swと同じ長さではなく、長辺L2より短い直線状の第1シール部9のシール予定線9’が、第2シール部10のシール予定線10’の左右にそれぞれ1本ずつ合わせて2本形成されている。
図10に示すように、紙基材2から包装体17を製袋する場合は、第1実施形態と同様に山折予定線β、β’を境に紙基材2を折り返し、山折予定線βと山折予定線β’との間にガゼット部18を形成する。そして、2枚重ねされた紙基材2に対してシールバーを用いて第1シール部9及び第2シール部10をヒートシールする。
第2実施形態の製袋方法が第1実施形態と異なる点は、図10の(4)に示すように、第1シール部9及び第2シール部10が終了した紙基材2に対して、第2シール部10に沿うように傾斜状に切り込みを入れて、重ねられた紙基材2のコーナーをカットする点である。なお、図10ではヒートシールの終了後にコーナーをカットしているが、コーナーをカットした後にヒートシールを行ったり、或いは、コーナーのカットとヒートシールとを同時に行ったりしてもよい。
このようなコーナーカットを行えば、第2シール部10の外側に位置する左右の折込片12が切除され、長辺Swの中間をW字状または逆W字状に切り欠くことができ、製袋後に側方視で略Yの字状の製袋シール部19を形成することが可能となる。
つまり、図11及び図12に示すように、第2実施形態の包装袋1では、略Yの字状の製袋シール部19のうち、Y文字の下部に相当する上下に伸びる部分が内側接着剤層6、6同士を接着した第1シール部9となる。また、Y文字の上部に相当する傾斜した部分(V字状の部分)も内側接着剤層6、6同士を接着した第2シール部10となる。これら第1シール部9も第2シール部10も、紙基材2の内側接着剤層6、6同士を2重に積層してシールするものであり、4重に積層された多重シール構造14ではない。
ただ、Y文字の下部と、Y文字の上部とが接合する1点に、多重シール構造14が形成される。
具体的には、図11に示すように、第2実施形態の包装袋1に設けられる多重シール構造14は、上述した第1シール部9と第2シール部10との接点に形成される。すなわち、第1シール部9と第2シール部10との接点に対して、水平方向に伸びる線εに沿って横断する部分の層構成を考えると、左側から順番に、第1片121の外側接着剤層4、第1片121の基紙層3、第1片121の内側接着剤層6、第2片122の内側接着剤層6、第2片122の基紙層3、第2片122の外側接着剤層4、第3片123の外側接着剤層4、第3片123の基紙層3、第3片123の内側接着剤層6、第4片124の内側接着剤層6、第4片124の基紙層3、第4片124の外側接着剤層4が積層されることになり、12層全てが一体にシールされた本発明の多重シール構造14が構成されている。
つまり、第1実施形態と同様に、第2実施形態の包装袋1においても、多重シール構造14に加わる外力が12層間のすべての接着面に分散されるため、第1実施形態と同様にシール部8の剥離が起きにくくなる。その結果、第2実施形態の包装袋1でも、リサイクル時に離型性のある接着剤を用いた場合においても、製袋後のシール部8の望まない開封を抑制することができ、リサイクル性とシール性とを両立することが可能となる。
[他の実施形態]
ところで、上述した多重シール構造14は、いずれも紙基材2の折り返した端部同士をシールする製袋シール部19に設けられており、剥離の起点となりやすい製袋シール部19を補強するものとなっていた。
しかし、本発明の包装袋1の多重シール構造14は、シール部8の中で脆弱な箇所を補強する目的で設けるものである。そして、本発明の包装袋1において脆弱な箇所は製袋シール部19に限られるものではない。
例えば、上述した第1実施形態及び第2実施形態の包装袋1は、オムツなどの被包装物を底側の商品挿入部16から充填するものとなっており、充填後に底側の製袋シール部19を閉鎖(封函)するものとなっている。この開口を封函する封函シール部13に、上述した多重シール構造14を設けても良い。
つまり、充填前の包装袋1には多重シール構造14がなく、商品挿入部16の封函後の包装体17の状態で多重シール構造が形成されてもよい。
また、例えば、封函シール部13や製袋シール部19以外のシール部、言い換えれば補強的に行われるシール部8に多重シール構造を設けてもよい。例えば、図6のような封函方法で、辺側(左右)の側部の一部を、長辺側(前後)の側部の折り返し端のヒートシール予定部分に折り入れて、紙基材2が4枚以上重なり合った状態でヒートシールすることで、封函シール部13に多重シール構造14を設けることができる。
さらに、第1実施形態及び第2実施形態の包装袋1は、底部に商品挿入部16が設けられているが、側部や天部に商品挿入部16が設けられている場合は、側部や天部の商品挿入部16に多重シール構造14を設けても良い。
このような包装体17でも、商品挿入部16を封函する封函シール部13のシール強度を高めることが可能となるため、第1実施形態や第2実施形態と同様に、リサイクル時に離型性のある接着剤を用いた場合でも、製袋後(開口閉鎖後)のシール部8の開封を抑制することができ、リサイクル性とシール性とを両立することが可能となる。
また、多重シール構造14を、封函シール部13や製袋シール部19とは関係がない箇所に設けても良い。
例えば、包装体17に、封函シール部13にも、製袋シール部19にも分類されないようなシール部8(他のシール部)を設ける場合を考える。このような他のシール部には、例えば把手などの部材を包装袋に取り付けるための把手シール部、包装袋の中で強度が低い部分に対して紙基材を重ね合わせて補強する補強シール部などが考えられる。このような場合、把手シール部や補強シール部も破損が起きやすい。そのため、これらの把手シール部や補強シール部などに多重シール構造14を設ければ、包装体17の強度を高めることができる。
なお、今回開示された実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。特に、今回開示された実施形態において、明示的に開示されていない事項、例えば、運転条件や操業条件、各種パラメータ、構成物の寸法、重量、体積などは、当業者が通常実施する範囲を逸脱するものではなく、通常の当業者であれば、容易に想定することが可能な値を採用している。
例えば、図7(a)の左側に示すように、製袋シール部19の第2シール部10には直線状のシールを用いることもできるが、図7(a)の中央側に示すように環状のシール1
0aを用いたり、図7(a)の右側に示すように曲線状のシール10bを用いたりすることもできる。環状のシール10aや曲線状のシール10bは直線状のものに比べてシール面積を広くする(シール長さを長くする)ことができるため、シール強度を高めることができるからである。
また、図7(b)の左側に示すように、第1実施形態や第2実施形態の包装袋1は左右方向の両端に直線状の端部カット15aを採用していたが、外観の意匠性を高めるため、図7(b)の中央側に示すように波状の端部カット15bまたは折れ線状の端部カット15cを用いたり、図7(b)の右側に示すように曲線状にカットされた曲線状の端部カット15dを用いたりすることもできる。
さらに、第1実施形態の包装袋1では、内側接着剤層6と外側接着剤層4と基紙層3とを積層した層構成を、紙基材2の全面に対して設ける必要はない。例えば、紙基材2の裏面(b)については内側接着剤層6を全面に亘ってコートし、表面(a)については底側の開口付近(封函シール時に接着される箇所。図2では短辺Snの端縁)と、折り返した折込片12を接着する箇所(図2ではシール予定線9’のγからγ’の間)のみに、外側接着剤層4を設けることもできる。このように外側接着剤層4を部分的に設けることができれば、接着剤の使用量を低減し、製造コストを低く抑えることも可能となるからである。
1 包装袋
2 紙基材
3 基紙層
4 外側接着剤層
6 内側接着剤層
7 撥水コート層
8 シール部
9 第1シール部
10 第2シール部
10a 環状のシール
10b 曲線状のシール
11 中間体
12 折込片
13 封函シール部
14 多重シール構造
15a 直線の端部カット
15b 波状の端部カット
15c 折れ線状の端部カット
15d 曲線状の端部カット
16 商品挿入部
17 包装体
18 ガゼット部
19 製袋シール部
121 第1片
122 第2片
123 第3片
124 第4片
a 包装体の左右方向に沿った横幅
b 包装体の前後方向に沿った奥行き
c 包装体の上下方向に沿った高さ
第1シール部の予定線9’と長辺Swとの距離
Sn 紙基材の短辺
Sw 紙基材の長辺
α 水平展開された紙基材に設けられる山折予定線
α’水平展開された紙基材に設けられる山折予定線
β 水平展開された紙基材に設けられる山折予定線
β’水平展開された紙基材に設けられる山折予定線
δ 水平展開された紙基材に設けられる谷折予定線
γ 水平展開された紙基材に設けられる山折予定線
γ’水平展開された紙基材に設けられる山折予定線

Claims (7)

  1. 帯状の紙基材を長手方向に沿って折り返すと共に折り返された紙基材同士をシールすることで、袋状に製袋される包装袋であって、
    前記紙基材は、紙で形成された基紙層と、前記基紙層の外側にコーティングされた外側接着剤層と、前記基紙層の内側にコーティングされた内側接着剤層と、の3層を備えており、
    前記外側接着剤層及び内側接着剤層は、前記基紙層の表面にコートされたヒートシール可能なヒートシール接着剤で形成されており、
    前記紙基材同士を製袋時にシールする製袋シール部のいずれかが、外側接着剤層と内側接着剤層、外側接着剤層同士、あるいは内側接着剤層同士のいずれか二以上が面状態で接触し合うように、前記紙基材が4枚以上積層された状態でヒートシールされた多重シール構造を備えている
    ことを特徴とする包装袋。
  2. 前記紙基材が、3%以上の引張破断伸びを備えている
    ことを特徴とする請求項1に記載の包装袋。
  3. 前記ヒートシール接着剤に、
    前記紙基材をリサイクル工程で紙から分離が容易な、ディスパージョンタイプまたはエマルジョンタイプのヒートシール接着剤が用いられている
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の包装袋。
  4. 前記包装袋は、製袋された状態において外側に面する紙基材の最外層に、撥水層を備えている
    ことを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載の包装袋。
  5. 帯状の紙基材を長手方向に沿って折り返すと共に折り返された紙基材同士をシールすることで袋状に製袋される包装袋と、前記包装袋内に収容される被包装物と、を備えた包装体であって、
    前記包装袋は、製袋後の袋状から、前後左右の側部、天部、及び底部を備えた有蓋角筒状に変形された状態で、前記被包装物が充填可能とされており、
    前記紙基材は、紙で形成された基紙層と、前記基紙層の外側にコーティングされた外側接着剤層と、前記基紙層の内側にコーティングされた内側接着剤層と、の3層を備えており、
    前記外側接着剤層及び内側接着剤層は、ヒートシール可能なヒートシール接着剤を前記基紙層の表面にコートすることで形成されており、
    前記被包装物が充填された包装袋を封函した包装体に対して、包装体に設けられるすべてのシール部のうち、いずれかのシール部が、前記外側接着剤層と内側接着剤層、外側接着剤層同士、あるいは内側接着剤層同士のいずれか二以上が面状態で接触し合うように、前記紙基材が4枚以上積層された状態でヒートシールされた多重シール構造を備えている
    ことを特徴とする包装体。
  6. 前記包装袋は、前後左右の側部、天部、及び底部の少なくとも一箇所に、前記被包装物の挿入を可能とする商品挿入部を有しており、
    前記商品挿入部は、前記被包装物の挿入後に前記ヒートシールにより封函可能とされており、
    前記紙基材同士を製袋時にシールする製袋シール部、または前記商品挿入部を封函時にシールする封函シール部のいずれかが、前記多重シール構造を備えている
    ことを特徴とする請求項5に記載の包装体。
  7. 前記封函シール部が少なくとも前記多重シール構造を備えている
    ことを特徴とする請求項6に記載の包装体。
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