JP2023038851A - 粘着シート、積層シート及びフレキシブル画像表示装置 - Google Patents

粘着シート、積層シート及びフレキシブル画像表示装置 Download PDF

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Abstract

【課題】良好な粘着力を有しながら、低温でのフレキシブル性に優れ、さらに復元性にも優れた粘着シートを提供する。【解決手段】アクリル系重合体(A)及びラジカル重合性化合物(B)を含有する粘着剤組成物[I]から形成される粘着シートであって、前記アクリル系重合体(A)が、アルキル基の炭素数が5~20のアルキル(メタ)アクリレート(a1)由来の構造部位及び水酸基含有(メタ)アクリレート(a2)由来の構造部位を含み、前記ラジカル重合性化合物(B)が、炭素数5~20のアルキレン基を有するジ(メタ)アクリレート(B1)を含む、粘着シート。【選択図】なし

Description

本発明は、曲面からなる画像表示装置や折り曲げ可能なフレキシブル画像表示装置の構成部材の貼合に好適に用いることができる粘着シート、該粘着シートを用いた積層シート及びフレキシブル画像表示装置に関する。
近年、有機発光ダイオード(OLED)や量子ドット(QD)を用いた、曲面からなる画像表示装置や、折り曲げ可能なフレキシブル画像表示装置が開発され、広く商用化されつつある。
このような画像表示装置では、カバーレンズ、円偏光板、タッチフィルムセンサー、発光素子等の複数の部材シートが、透明な粘着シートで貼り合された積層構造をしており、それぞれの積層構造は、部材シートと粘着シートが積層してなる積層シートとみなすことができる。
折り畳み可能なフレキシブル画像表示装置に関しては、折り曲げた時の層間応力に起因する様々な課題が生じている。例えば、折り畳んだ際に層間で剥離する場合があり(デラミネーション:層間が剥離する現象を「デラミ」と称する)、折り畳んでも剥離しない積層シートが求められている。
また、画面を折り畳んだ状態から開いたときに、屈曲状態に置かれたことによる影響が残らず、速やかに平らな状態に復元する積層シートが求められている。
さらに、折り畳み操作を繰り返すうちに、粘着シートの被着体である部材シートにストレスがかかることで亀裂が生じ、遂には破断する場合があり、特により過酷な条件となる低温での繰り返しの折り畳み操作で耐久性のある積層シートであることも求められている。
折り畳み可能なフレキシブル画像表示装置に関しては、例えば特許文献1において、熱硬化性樹脂と、架橋剤と、を含み、前記熱硬化性樹脂は、分子中に少なくとも1つのN又はOと、少なくとも1つの非共有電子対と、を含む化合物に由来の単位を含み、前記熱硬化性樹脂のガラス転移温度が-70℃以下である、フォルダブルディスプレイ用粘着剤組成物、それを用いた粘着フィルム、及びそれを含むフォルダブルディスプレイが開示されている。具体的には、カルビトールアクリレートとエチルヘキシルアクリレートとアクリル酸とを共重合した熱硬化性樹脂に、エポキシ系架橋剤やイソシアネート系架橋剤を配合した組成物が配合されたフォルダブルディスプレイ用粘着剤組成物、それを用いた粘着フィルム、及びそれを含むフォルダブルディスプレイが開示されている。
また、特許文献2及び3では、剪断力をかけた時の歪みや歪み回復力に着目して、耐久性及び段差追従性の向上を目指した粘着剤が開示されている。
特表2021-500445号公報 特開2020-196903号公報 特開2020-143284号公報
しかしながら、上記特許文献1に開示されているカルビトールアクリレートを多く含む粘着フィルムは、低温での貯蔵弾性率が小さいため、折り畳みによるストレスを低減できるものの、その一方で粘着力が低く、特に低温状態で折り畳んだ際に部材シートとのデラミが生じやすいという課題を抱えていた。また、カルビトールアクリレートはエーテル結合まわりの内部回転によって内部応力を緩和しやすいため、折り畳み操作を行った際に、折り跡が速やかに消えないという課題も抱えていた。
また、上記特許文献2及び3は、耐久性や段差追従性の改善を目指したものではあるが、フレキシブル画像表示装置構成部材の貼合に用いる粘着シートに関するものではなく、折り畳み操作を行った際に生じる課題、例えばデラミや復元性等といった特有の課題に対して何ら考慮されていないものであり、特許文献2及び3では、これら課題は解決されていないものである。
そこで、本発明は、アクリル系重合体を含有する粘着剤組成物から形成される粘着シート及び該粘着シートと部材シートが積層されてなる積層シートに関し、特に低温状態で折り畳んだ際にデラミが生じない耐久性(「低温屈曲耐久性」とも称する)に優れており、且つ、折り畳み操作を行った際に、速やかに平らな状態にもどる復元性(「歪み回復性」とも称する。)に優れたフレキシブル画像表示装置構成部材の貼合に用いる粘着シート及び積層シート、さらにはこれらを用いたフレキシブル画像表示装置を提供するものである。
しかるに、本発明者はかかる事情に鑑み鋭意検討を重ねた結果、アクリル系重合体及びラジカル重合性化合物を含有する粘着剤組成物から形成される粘着シートであって、アクリル系重合体として比較的長鎖のアルキル基及び水酸基を含有するアクリル系重合体を用い、さらに比較的長鎖のアルキレン基を有するジ(メタ)アクリレートを併用することにより、良好な粘着力を有しながら、低温でのフレキシブル性に優れ、さらに復元性にも優れることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、以下の態様を有する。
[1]
アクリル系重合体(A)及びラジカル重合性化合物(B)を含有する粘着剤組成物[I]から形成される粘着シートであって、
前記アクリル系重合体(A)が、アルキル基の炭素数が5~20のアルキル(メタ)アクリレート(a1)由来の構造部位及び水酸基含有(メタ)アクリレート(a2)由来の構造部位を含み、
前記ラジカル重合性化合物(B)が、炭素数5~20のアルキレン基を有するジ(メタ)アクリレート(B1)を含む、粘着シート。
[2]
前記アルキル(メタ)アクリレート(a1)が、直鎖状脂肪族アルキル(メタ)アクリレートである、[1]記載の粘着シート。
[3]
前記アクリル系重合体(A)の重量平均分子量が60万~150万である、[1]又は[2]に記載の粘着シート。
[4]
前記ジ(メタ)アクリレート(B1)におけるアルキレン基が直鎖アルキレン基である、[1]~[3]のいずれかに記載の粘着シート。
[5]
前記ラジカル重合性化合物(B)の含有量が、アクリル系重合体(A)100重量部に対して0.1~10重量部である、[1]~[4]のいずれかに記載の粘着シート。
[6]
前記粘着シートの-20℃における貯蔵剪断弾性率(G’)が500kPa以下である、[1]~[5]のいずれかに記載の粘着シート。
[7]
前記粘着シートのゲル分率が30~95重量%である、[1]~[6]のいずれかに記載の粘着シート。
[8]
フレキシブル画像表示装置構成部材の貼合に用いる、[1]~[7]のいずれかに記載の粘着シート。
[9]
[1]~[8]のいずれかに記載の粘着シートの少なくとも片面に、ASTM D882に準拠して測定される25℃の引張強度が10~900MPaである部材シートを備える、積層シート。
[10]
ASTM D882に準拠して測定される25℃の引張強度が10~900MPaである部材シートの少なくとも片面に、[1]~[8]のいずれかに記載の粘着シートを備える、積層シート。
[11]
前記部材シートが、ポリエステル樹脂、シクロオレフィン樹脂、トリアセチルセルロース樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、アラミド樹脂、及びポリウレタン樹脂からなる群から選択される少なくとも1種の樹脂を主成分として含む樹脂シート、又はガラスである、[9]又は[10]に記載の積層シート。
[12]
[9]~[11]のいずれかに記載の積層シートを備える、フレキシブル画像表示装置。
本発明の一実施形態に係る粘着シートは、特定の水酸基含有アクリル系重合体及び特定のジ(メタ)アクリレートを含有する粘着剤組成物から形成される粘着シートであるため、良好な粘着力を有しながら、低温でのフレキシブル性に優れ、さらに復元性にも優れるものとすることができ、とりわけフレキシブル画像表示装置に用いる粘着シートとして好適に利用することができる。
以下に、本発明を詳細に説明する。
なお、本発明においては、「フィルム」と称する場合でも「シート」を含むものとし、「シート」と称する場合でも「フィルム」を含むものとする。
また、画像表示パネル、保護パネル等のように「パネル」と表現する場合、板体、シート及びフィルムを包含するものである。
本発明において、「X~Y」(X,Yは任意の数字)と記載した場合、特にことわらない限り「X以上Y以下」の意と共に、「好ましくはXより大きい」或いは「好ましくはYより小さい」の意も包含するものである。
また、「X以上」(Xは任意の数字)と記載した場合、特にことわらない限り「好ましくはXより大きい」の意を包含し、「Y以下」(Yは任意の数字)と記載した場合、特にことわらない限り「好ましくはYより小さい」の意も包含するものである。
さらに、「X及び/又はY(X,Yは任意の構成)」とは、X及びYの少なくとも一方を意味するものであって、Xのみ、Yのみ、X及びY、の3通りを意味するものである。
本発明において「主成分」とは、対象物の特性に大きな影響を与える成分の意味であり、その成分の含有量は、通常、対象物中の30重量%以上であり、好ましくは35重量%以上、より好ましくは50重量%以上である。また、対象物中の中で最も多い重量比率を占める成分であることが多く、50重量%以上を占める場合、中でも55重量%以上、その中でも60重量%以上、その中でも70重量%以上、その中でも80重量%以上、その中でも90重量%以上(100重量%含む)を占める場合が想定される。
本発明において、「(メタ)アクリル」とは、「アクリル」及び「メタクリル」を、「(メタ)アクリレート」とは、「アクリレート」及び「メタクリレート」を、「(メタ)アクリロイル」とは、「アクリロイル」及び「メタクリロイル」を、それぞれ包括する意味である。
また、「アクリル系重合体」とは、(メタ)アクリレート由来の単量体単位を含むものを意味し、(メタ)アクリル系共重合体を包含する意味である。
<<本粘着シート>>
本発明の実施形態の一例に係る粘着シート(「本粘着シート」とも称する)は、アクリル系重合体(A)及びラジカル重合性化合物(B)を含有する粘着剤組成物[I]から形成される粘着シートであり、とりわけフレキシブル画像表示装置構成部材の貼合に用いる粘着シートとして有用である。
<<粘着剤組成物[I]>>
粘着剤組成物[I]は、アクリル系重合体(A)及びラジカル重合性化合物(B)を含有するものであり、前記アクリル系重合体(A)を主成分として含有することが好ましい。
<アクリル系重合体(A)>
本発明で用いるアクリル系重合体(A)は、アルキル基の炭素数が5~20のアルキル(メタ)アクリレート(a1)由来の構造部位及び水酸基含有(メタ)アクリレート(a2)由来の構造部位を含むアクリル系重合体である。好ましくは、アクリル系重合体(A)を構成する共重合成分として、アルキル基の炭素数が5~20のアルキル(メタ)アクリレート(a1)及び水酸基含有(メタ)アクリレート(a2)を含み、共重合して得られるものである。また、共重合成分として、アルキル基の炭素数が5~20のアルキル(メタ)アクリレート(a1)及び水酸基含有(メタ)アクリレート(a2)以外の、その他のモノマー成分(a3)と共に共重合して得られるものでもよい。
<アルキル基の炭素数が5~20のアルキル(メタ)アクリレート(a1)>
前記アルキル基の炭素数が5~20のアルキル(メタ)アクリレート(a1)としては、例えばn-ペンチル(メタ)アクリレート、n-ヘキシル(メタ)アクリレート、n-ヘプチル(メタ)アクリレート、n-オクチル(メタ)アクリート、n-ノニル(メタ)アクリレート、n-デシル(メタ)アクリレート等の直鎖アルキル(メタ)アクリレート;イソペンチル(メタ)アクリレート、ネオペンチル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート等の分岐アルキル(メタ)アクリレート;シクロヘキシル(メタ)アクリレート、t-ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート等の脂環式(メタ)アクリレート等を挙げることができる。これらは1種又は2種以上を組み合わせて使用してもよい。
これらの中でも、粘着性や復元性の点から直鎖アルキル(メタ)アクリレートが好ましく、特には低温における貯蔵剪断弾性率(G’)の増加を抑えて屈曲性を改善する点からアルキル基の炭素数6~18、さらには6~16、殊には8~12の直鎖アルキル(メタ)アクリレートが好ましく、例えばn-ペンチル(メタ)アクリレート、n-ヘキシル(メタ)アクリレート、n-オクチル(メタ)アクリレート、n-ノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート等が挙げられる。中でも、n-オクチル(メタ)アクリレート、n-ノニル(メタ)アクリレート、n-デシル(メタ)アクリレートが好ましく、とりわけn-オクチル(メタ)アクリレートが好ましい。
また、低温における貯蔵剪断弾性率(G’)の増加を抑えて屈曲性を改善する観点から、特にアクリレートであることが好ましい。
本発明において、前記アルキル基の炭素数が5~20のアルキル(メタ)アクリレート(a1)は、アクリル系重合体(A)を構成する共重合成分全体に対して、50~95重量%であることが低温における貯蔵剪断弾性率(G’)の増加を抑える点で好ましく、より好ましくは60~90重量%、特に好ましくは70~85重量%ある。アルキル(メタ)アクリレート(a1)の割合が前記下限値以上であると低温における貯蔵剪断弾性率(G’)の増加を抑えられ、上限値以下であると粘着性等その他の物性と両立できる点から好ましい。
<水酸基含有(メタ)アクリレート(a2)>
前記水酸基含有(メタ)アクリレート(a2)としては、例えば2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、5-ヒドロキシペンチル(メタ)アクリレート、6-ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、8-ヒドロキシオクチル(メタ)アクリレート等のヒドロキシ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等のカプロラクトン変性ヒドロキシ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート等のオキシアルキレン変性(メタ)アクリレート、2-アクリロイロキシエチル-2-ヒドロキシエチルフタル酸等の1級水酸基含有(メタ)アクリレート;2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、3-クロロ-2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等の2級水酸基含有(メタ)アクリレート;2,2-ジメチル2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等の3級水酸基含有(メタ)アクリレート等を挙げることができる。これらは単独で又は2種以上併せて用いることができる。
前記水酸基含有(メタ)アクリレート(a2)の中でも、低温における貯蔵剪断弾性率(G')を低減するという点で、1級水酸基含有(メタ)アクリレート、例えば2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等が好ましく、特には炭素数1~10、さらには1~6、殊には2~4のヒドロキシアルキル基を有する水酸基含有(メタ)アクリレート、例えば2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートが好ましく、とりわけ2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートが好ましい。
前記水酸基含有(メタ)アクリレート(a2)の含有量は、粘着力の点から、アクリル系重合体(A)の共重合成分全体に対して、5~50重量%であることが好ましく、より好ましくは10~40重量%、特に好ましくは15~30重量%である。かかる水酸基含有(メタ)アクリレート(a2)が下限値以上であると高い粘着性が得られ、上限値以下であると低温における貯蔵剪断弾性率(G’)の増加を抑えられるため好ましい。
本発明において、前記アルキル基の炭素数が5~20のアルキル(メタ)アクリレート(a1)及び/又は水酸基含有(メタ)アクリレート(a2)と共重合可能なモノマー成分(a3)(前記(a1)及び(a2)成分を除く)を併用することもできる。かかるモノマー成分(a3)として、例えば水酸基以外の官能基を有するエチレン性不飽和基モノマー、炭素数1~4又は20を超えるアルキル基を含有するアルキル(メタ)アクリレート、その他の共重合性モノマー等を挙げることができる。これらは単独で又は2種以上併せて用いることができる。
前記水酸基以外の官能基を有するエチレン性不飽和基モノマー(以下、「官能基含有エチレン性不飽和モノマー」という場合がある)としては、例えば窒素原子を有する官能基含有モノマー、カルボキシ基含有モノマー、アセトアセチル基含有モノマー、グリシジル基含有モノマー等を挙げることができる。
これらの中でも、凝集力や架橋促進作用を付与する点で、窒素原子を有する官能基含有モノマーが好ましく、より好ましくはアミノ基含有モノマー、アミド基含有モノマー、イソシアネート基含有モノマーであり、さらに好ましくはアミノ基含有モノマーである。
前記窒素原子を有する官能基含有モノマーとしての前記アミノ基含有モノマーとしては、例えばアミノメチル(メタ)アクリレート、アミノエチル(メタ)アクリレート等の第1級アミノ基含有(メタ)アクリレート;t-ブチルアミノエチル(メタ)アクリレート、t-ブチルアミノプロピル(メタ)アクリレート等の第2級アミノ基含有(メタ)アクリレート;エチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノプロピルアクリルアミド等の第3級アミノ基含有(メタ)アクリレート等を挙げることができる。
前記アミド基含有モノマーとしては、例えば(メタ)アクリルアミド;N-メチル(メタ)アクリルアミド、N-エチル(メタ)アクリルアミド、N-プロピル(メタ)アクリルアミド、N-n-ブチル(メタ)アクリルアミド、ダイアセトン(メタ)アクリルアミド、N,N'-メチレンビス(メタ)アクリルアミド等のN-アルキル(メタ)アクリルアミド;N,N-ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N-ジエチル(メタ)アクリルアミド、N,N-ジプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N-エチルメチルアクリルアミド、N,N-ジアリル(メタ)アクリルアミド等のN,N-ジアルキル(メタ)アクリルアミド;N-ヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミド、N-ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリルアミド;N-メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N-(n-ブトキシメチル)(メタ)アクリルアミド等のアルコキシアルキル(メタ)アクリルアミド等を挙げることができる。
前記イソシアネート基含有モノマーとしては、例えば2-(メタ)アクリロイルオキシエチルイソシアネートやそれらのアルキレンオキサイド付加物等を挙げることができる。イソシアネート基は、メチルエチルケトンオキシム、3,5-ジメチルピラゾール、1,2,4-トリアゾール、マロン酸ジエチル等のブロック化剤で保護されていてもよい。
前記カルボキシ基含有モノマーとしては、例えば(メタ)アクリル酸、カルボキシエチル(メタ)アクリレート、2-(メタ)アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタル酸、2-(メタ)アクリロイルオキシプロピルヘキサヒドロフタル酸、2-(メタ)アクリロイルオキシエチルフタル酸、2-(メタ)アクリロイルオキシプロピルフタル酸、2-(メタ)アクリロイルオキシエチルマレイン酸、2-(メタ)アクリロイルオキシプロピルマレイン酸、2-(メタ)アクリロイルオキシエチルコハク酸、2-(メタ)アクリロイルオキシプロピルコハク酸、クロトン酸、フマル酸、マレイン酸、イタコン酸、マレイン酸モノメチル、イタコン酸モノメチル等を挙げることができる。
前記アセトアセチル基含有モノマーとしては、例えば2-(アセトアセトキシ)エチル(メタ)アクリレート、アリルアセトアセテート等を挙げることができる。
前記グリシジル基含有モノマーとしては、例えば(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸アリルグリシジル等を挙げることができる。
これらの官能基含有エチレン性不飽和モノマーは、単独で用いてもよいし2種以上を併用してもよい。
前記官能基含有エチレン性不飽和モノマーの含有量の上限値は、ブリードアウトによる粘着性低下を低減する観点から、アクリル系重合体(A)の共重合成分全体に対して、30重量%以下であることが好ましく、より好ましくは20重量%以下、さらに好ましくは10重量%以下、特に好ましくは5重量%以下である。下限値は通常0重量%である。
前記炭素数1~4又は20を超えるアルキル基を含有するアルキル(メタ)アクリレートとしては、例えばメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n-プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、イコシル(メタ)アクリレート等の直鎖アルキル(メタ)アクリレート;イソプロピル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、sec-ブチル(メタ)アクリレート、t-ブチル(メタ)アクリレート、イソイコシル(メタ)アクリレート等の分岐アルキル(メタ)アクリレート等を挙げることができる。
これらは1種又は2種以上を組み合わせて使用してもよい。
また、前記炭素数1~4又は20を超えるアルキル基を含有するアルキル(メタ)アクリレートを含有する場合の含有量の上限値は、復元性を維持する観点から、アクリル系重合体(A)の共重合成分全体に対して、20重量%以下であることが好ましく、より好ましくは10重量%以下、さらに好ましくは5重量%以下である。下限値は通常0重量%である。
前記その他の共重合性モノマーとしては、例えばフェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェニルジエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコール-ポリプロピレングリコール-(メタ)アクリレート、ノニルフェノールエチレンオキサイド付加物(メタ)アクリレート等の芳香族系(メタ)アクリレートや、4-アクリロイルオキシベンゾフェノン、4-アクリロイルオキシエトキシベンゾフェノン、4-アクリロイルオキシ-4'-メトキシベンゾフェノン、4-アクリロイルオキシエトキシ-4'-メトキシベンゾフェノン、4-アクリロイルオキシ-4'-ブロモベンゾフェノン、4-アクリロイルオキシエトキシ-4'-ブロモベンゾフェノン、4-メタクリロイルオキシベンゾフェノン、4-メタクリロイルオキシエトキシベンゾフェノン、4-メタクリロイルオキシ-4'-メトキシベンゾフェノン、4-メタクリロイルオキシエトキシ-4'-メトキシベンゾフェノン、4-メタクリロイルオキシ-4'-ブロモベンゾフェノン、4-メタクリロイルオキシエトキシ-4'-ブロモベンゾフェノン及びこれらの混合物等のベンゾフェノン構造を有する(メタ)アクリレート、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、スチレン、α-メチルスチレン、ステアリン酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酢酸ビニル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、アルキルビニルエーテル、ビニルトルエン、ビニルピリジン、ビニルピロリドン、イタコン酸ジアルキルエステル、フマル酸ジアルキルエステル、アリルアルコール、アクリルクロライド、メチルビニルケトン、N-アクリルアミドメチルトリメチルアンモニウムクロライド、アリルトリメチルアンモニウムクロライド、ジメチルアリルビニルケトン等のビニル系モノマー等を挙げることができる。これらは単独で又は2種以上併せて用いることができる。
アクリル系重合体(A)は、側鎖に光活性部位、例えば重合性炭素二重結合基が導入されていてもよい。これにより粘着剤組成物[I]の架橋効率を高めることができ、より短時間で粘着剤組成物[I]を架橋することができ生産性を上げることができる。
アクリル系重合体(A)の側鎖に重合性炭素二重結合基を導入する方法としては、例えば上述した水酸基含有(メタ)アクリレート(a2)や官能基含有エチレン性不飽和モノマーを含む共重合体を作製し、その後、これらの官能基と反応しうる官能基と重合性炭素二重結合基とを有する化合物を、重合性炭素二重結合基の活性を維持したまま縮合又は付加反応させる方法を挙げることができる。
これらの官能基の組み合わせとしては、エポキシ基(グリシジル基)とカルボキシ基、アミノ基とカルボキシ基、アミノ基とイソシアネート基、エポキシ基(グリシジル基)とアミノ基、水酸基とエポキシ基、水酸基とイソシアネート基等を挙げることができる。これらの官能基の組み合わせの中でも、反応制御のし易さから水酸基とイソシアネート基との組み合わせが好ましい。中でも共重合体が水酸基を有し、前記化合物がイソシアネート基を有する組み合わせが好適である。
重合性炭素二重結合基を有するイソシアネート化合物としては、上述した2-(メタ)アクリロイルオキシエチルイソシアネートやそれらのアルキレンオキサイド付加物等を挙げることができる。
前記官能基と反応しうる官能基と重合性炭素二重結合基とを有する化合物の含有量は、粘着性や応力緩和性を向上させる観点から、アクリル系重合体(A)100重量部に対して、10重量部以下であることが好ましく、より好ましくは5重量部以下、さらに好ましくは1重量部以下、特に好ましくは0.1重量部以下である。なお、下限値は通常0重量部である。
アクリル系重合体(A)のガラス転移温度(Tg)は、低温における貯蔵剪断弾性率(G')の増加を抑える点から-20℃以下であることが好ましく、より好ましくは-23℃以下、さらに好ましくは-25℃以下、特に好ましくは-30℃以下である。なお、糊はみだし等の懸念から、ガラス転移温度(Tg)の下限値は通常-50℃である。
本発明において、アクリル系重合体(A)のガラス転移温度(Tg)は、動的粘弾性測定装置を用いて、動的粘弾性を周波数1Hzの剪断モードにて測定した際の損失正接(損失弾性率G"/貯蔵弾性率G'=tanδ)が最大となった温度を読み取ることにより求められる。
例えば、アクリル系重合体(A)を、直径8mmの円柱体(高さ1.0mm)に成型し、これを粘弾性測定装置(T.A.Instruments社製、製品名「DHR 2」)を用いて、以下の測定条件下で、損失正接(tanδ)を測定することができる。
(測定条件)
・測定治具:Φ8mmパラレルプレート
・歪み:0.1%
・周波数:1Hz
・測定温度:-60~100℃
・昇温速度:5℃/分
アクリル系重合体(A)の重量平均分子量(Mw)は、凝集力の高い粘着剤組成物[I]が得られる観点から、60万以上であることが好ましく、より好ましくは70万以上、さらに好ましくは80万以上である。
また、アクリル系重合体(A)の重量平均分子量(Mw)の上限値は、取り扱い性や均一撹拌性の点から、150万以下であることが好ましく、より好ましくは120万以下、さらに好ましくは110万以下である。
本発明において、重量平均分子量(Mw)は、例えば以下のようにして求めることができる。
(重量平均分子量の測定方法)
4mgのアクリル系重合体(A)に対して、テトラヒドロフラン(THF)12mLを用いて溶解させたものを測定試料とし、ゲル浸透クロマトグラフィー(Gel Permeation Chromatography:GPC)分析装置(東ソー社製、HLC-8320GPC)を用いて、下記の条件で分子量分布曲線を測定することで、重量平均分子量(Mw)を求めることができる。
・ガードカラム:TSKguardcolumnHXL
・分離カラム:TSKgelGMHXL(4本)
・温度:40℃
・注入量:100μL
・ポリスチレン換算
・溶媒:THF
・流速:1.0mL/分
<ラジカル重合性化合物(B)>
前記粘着剤組成物[I]は、前記アクリル系重合体(A)に加えて、ラジカル重合性化合物(B)を含有する。これにより、粘着剤組成物[I]が架橋構造を形成し、粘着層(粘着シート)に凝集力や屈曲時の高い復元性を付与することができる。粘着層が適度な凝集力を有することで、ロール状に巻いた際の糊はみだしを防いだり、良好な粘着性を維持することができる。また、屈曲時の高い復元性を有することで折り跡の改善や屈曲部のデラミを防ぐことができる。
そして、前記ラジカル重合性化合物(B)は、炭素数5~20のアルキレン基を有するジ(メタ)アクリレート(B1)(以下、「ジ(メタ)アクリレート(B1)」と略す場合がある)を含むことが重要であり、これにより良好な粘着力を有しながら、低温でのフレキシブル性に優れ、復元性、とりわけ速やかな復元性に優れる効果を有するものとなる。
前記ジ(メタ)アクリレート(B1)において、アルキレン基の炭素数が下限値以上であると良好な復元性を付与でき、上限値以下であると粘着力を損なわないため好ましい。
かかるアルキレン基の炭素数は、復元性の点から5~15が好ましく、さらには7~13が好ましく、特には9~11が好ましい。
前記ジ(メタ)アクリレート(B1)の具体例としては、例えばペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、ヘキサジオールジ(メタ)アクリレート、ヘプタンジオールジ(メタ)アクリレート、オクタンジオールジ(メタ)アクリレート、ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、デカンジオールジ(メタ)アクリレート、ウンデカンジオールジ(メタ)アクリレート、ドデカンジオールジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。中でも、汎用性、復元性、低温における低貯蔵剪断弾性率(G’)という点からデカンジオールジ(メタ)アクリレートが好ましい。さらに、低温における貯蔵剪断弾性率(G’)の増加を抑えて屈曲性を改善する観点から、特にアクリレートであることが好ましい。これらは単独又は2種以上併せて用いることができる。
また、前記ジ(メタ)アクリレート(B1)におけるアルキレン基は、復元性の点から直鎖アルキレン基であることが好ましい。
ラジカル重合性化合物(B)としては、前記ジ(メタ)アクリレート(B1)以外のラジカル重合性化合物(B2)を併用することもできる。
前記ラジカル重合性化合物(B2)としては、前記ジ(メタ)アクリレート(B1)以外の、例えば2以上の官能基を有する(メタ)アクリル系モノマーや(メタ)アクリル系オリゴマー等を挙げることができる。これらは単独又は2種以上併せて用いることができる。
2以上の官能基を有する(メタ)アクリル系モノマーとしては、例えば1,4-ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、グリセリングリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタクリレート、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAポリエトキシジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAポリプロポキシジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールFポリエトキシジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリオキシエチル(メタ)アクリレート、ε-カプロラクトン変性トリス(2-ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、プロポキシ化ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、エトキシ化ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、プロポキシ化ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、エトキシ化ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリテトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ヒドロキシビバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシビバリン酸ネオペングリコールのε-カプロラクトン付加物のジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンポリエトキシトリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート等を挙げることができる。
2以上の官能基を有する(メタ)アクリル系オリゴマーとしては、例えばポリエステル(メタ)アクリレート系オリゴマー、エポキシ(メタ)アクリレート系オリゴマー、ウレタン(メタ)アクリレート系オリゴマー、ポリエーテル(メタ)アクリレート系オリゴマー等の多官能(メタ)アクリル系オリゴマーを挙げることができる。
中でも、硬化物に適度な靭性を付与する観点から、ウレタン(メタ)アクリレート系オリゴマーが好ましい。
ラジカル重合性化合物(B)の含有量は、粘着シートの形状安定性や、積層シートとしたときの耐久性を付与することができる観点から、アクリル系重合体(A)100重量部に対して、0.1重量部以上が好ましく、0.5重量部以上がより好ましく、1重量部以上がさらに好ましい。また、上限は低温での貯蔵剪断弾性率(G')を低減する点から10重量部以下が好ましく、より好ましくは7重量部以下、特に好ましくは5重量部以下、さらに好ましくは3重量部以下である。
また、ラジカル重合性化合物(B)として、前記ジ(メタ)アクリレート(B1)を用いることが重要であり、ジ(メタ)アクリレート(B1)の含有量としては、アクリル系重合体(A)100重量部に対して、0.1重量部以上が好ましく、より好ましくは0.5重量部以上、さらに好ましくは0.7重量部以上、特に好ましくは1重量部以上である。上限は高い粘着性を維持するという点から10重量部以下が好ましく、より好ましくは7重量部以下、特に好ましくは5重量部以下、さらに好ましくは3重量部以下である。
なお、ラジカル重合性化合物(B)の主成分としてジ(メタ)アクリレート(B1)を用いることが好ましく、中でもラジカル重合性化合物(B)として前記ジ(メタ)アクリレート(B1)のみを用いることが好ましい。
また、前記ラジカル重合性化合物(B)に加えて、架橋密度をより向上して長期信頼性を改善する点から熱架橋剤を併用することもできる。
かかる熱架橋剤としては、例えばイソシアネート系架橋剤、エポキシ系架橋剤、アジリジン系架橋剤、メラミン系架橋剤、アルデヒド系架橋剤、アミン系架橋剤、金属キレート系架橋剤が挙げられる。これらの中でもアクリル系重合体(A)との反応性に優れる点で、イソシアネート系架橋剤を用いることが好ましい。
<光重合開始剤(C)>
本発明においては、アクリル系重合体(A)及びラジカル重合性化合物(B)の他に、さらに光重合開始剤(C)を含有することが好ましい。光重合開始剤(C)は、活性エネルギー線によってラジカルを発生する化合物であればよい。
光重合開始剤(C)は、ラジカル発生機構によって大きく2つに分類され、開始剤自身の単結合を開裂分解してラジカルを発生させることができる開裂型光重合開始剤と、励起した開始剤と系中の水素供与体とが励起錯体を形成し、水素供与体の水素を転移させることができる水素引抜型光重合開始剤と、に大別される。
光重合開始剤(C)としては、開裂型光重合開始剤及び水素引抜型光重合開始剤のいずれであってもよく、それぞれ単独に使用しても両者を混合して使用してもよく、さらに各々について1種又は2種以上を併用してもよい。
本発明においては、アクリル系重合体(A)自体に重合性炭素二重結合基のような官能基を必要とせず、効率的に架橋できる点から、水素引抜型光重合開始剤を用いることが好ましい。
前記開裂型光重合開始剤としては、例えば2,2-ジメトキシ-1,2-ジフェニルエタン-1-オン、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニル-プロパン-1-オン、1-(4-(2-ヒドロキシエトキシ)フェニル)-2-ヒドロキシ-2-メチル-1-プロパン-1-オン、2-ヒロドキシ-1-[4-{4-(2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピオニル)ベンジル}フェニル]-2-メチル-プロパン-1-オン、オリゴ(2-ヒドロキシ-2-メチル-1-(4-(1-メチルビニル)フェニル)プロパノン)、フェニルグリオキシリック酸メチル、2-ベンジル-2-ジメチルアミノ-1-(4-モルフォリノフェニル)ブタン-1-オン、2-メチル-1-[4-(メチルチオ)フェニル]-2-モルフォリノプロパン-1-オン、2-(ジメチルアミノ)-2-[(4-メチルフェニル)メチル]-1-[4-(4-モルホリニル)フェニル]-1-ブタノン、ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)-フェニルホスフィンオキサイド、2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、(2,4,6-トリメチルベンゾイル)エトキシフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6-ジメトキシベンゾイル)2,4,4-トリメチルペンチルホスフィンオキサイドや、それらの誘導体等を挙げることができる。
前記水素引抜型光重合開始剤としては、例えばベンゾフェノン、4-メチルベンゾフェノン、2,4,6-トリメチルベンゾフェノン、4-フェニルベンゾフェノン、3,3’-ジメチル-4-メトキシベンゾフェノン、4-(メタ)アクリロイルオキシベンゾフェノン、2-ベンゾイル安息香酸メチル、ベンゾイル蟻酸メチル、ビス(2-フェニル-2-オキソ酢酸)オキシビスエチレン、4-(1,3-アクリロイル-1,4,7,10,13-ペンタオキソトリデシル)ベンゾフェノン、チオキサントン、2-クロロチオキサントン、3-メチルチオキサントン、2,4-ジメチルチオキサントン、2-メチルアントラキノン、2-エチルアントラキノン、2-t-ブチルアントラキノン、2-アミノアントラキノンやその誘導体等を挙げることができる。中でも、4-メチルベンゾフェノン、2,4,6-トリメチルベンゾフェノンが好ましい。
前記光重合開始剤(C)の含有量は、通常アクリル系重合体(A)100重量部に対して0.1~10重量部、中でも0.5~5重量部、その中でも1~3重量部であることが好ましい。かかる含有量が前記下限値以上であると硬化不良を防げる傾向があり、前記上限値以下であると粘着剤組成物[I]から析出する等の溶液安定性の低下を抑えやすく、脆化や着色の問題を抑制しやすい傾向がある。
<その他の成分>
粘着剤組成物[I]は、「その他の成分」として、本発明の効果を損なわない限度で必要に応じて、例えば、可塑剤、シランカップリング剤、紫外線吸収剤、防錆剤、粘着付与樹脂や、酸化防止剤、光安定化剤、金属不活性化剤、老化防止剤、吸湿剤、防錆剤、無機粒子等の各種の添加剤を適宜含有させることが可能である。
また、必要に応じて、三級アミン系化合物、四級アンモニウム系化合物、ラウリル酸スズ化合物等の反応触媒を適宜含有してもよい。
これらは単独で又は2種以上併せて用いることができる。
(可塑剤)
可塑剤は、弾性率の高い樹脂を軟化させることで、加工性、フレキシブル性を向上するための材料である。前記可塑剤としては、例えば、ポリエステル(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メタ)アクリレート等の単官能(メタ)アクリル系オリゴマーを挙げることができる。中でも、硬化物に適度な靭性を付与する観点から、ウレタン(メタ)アクリレート系オリゴマーが好ましい。
(シランカップリング剤)
シランカップリング剤は、構造中に反応性官能基と、ケイ素原子と結合したアルコキシ基をそれぞれ1つ以上含有する有機ケイ素化合物である。前記反応性官能基としては、例えばエポキシ基、(メタ)アクリロイル基、メルカプト基、水酸基、カルボキシ基、アミノ基、アミド基、イソシアネート基が挙げられ、これらの中でも、耐久性のバランスの点からエポキシ基、メルカプト基が好ましい。
前記ケイ素原子と結合したアルコキシ基としては、耐久性と保存安定性の点から炭素数1~8のアルコキシ基を含有することが好ましく、特に好ましくはメトキシ基、エトキシ基である。なお、シランカップリング剤は、反応性官能基及びケイ素原子と結合したアルコキシ基以外の有機置換基、例えばアルキル基、フェニル基等を有していてもよい。
本発明で用いられるシランカップリング剤としては、例えば3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、3-グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3-グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等のシラン化合物であるモノマー型のエポキシ基含有シランカップリング剤や、前記シラン化合物の一部が加水分解縮重合したり、前記シラン化合物とメチルトリエトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、エチルトリメトキシシラン等のアルキル基含有シラン化合物が共縮合したシラン化合物であるオリゴマー型エポキシ基含有シランカップリング剤;3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3-メルカプトプロピルトリエトキシシラン、γ-メルカプトプロピルジメトキシメチルシラン、3-メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン等のシラン化合物であるモノマー型のメルカプト基含有シランカップリング剤や、前記シラン化合物の一部が加水分解縮重合したり、前記シラン化合物とメチルトリエトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、エチルトリメトキシシラン等のアルキル基含有シラン化合物が共縮合したシラン化合物であるオリゴマー型メルカプト基含有シランカップリング剤;3-アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3-アクリロキシプロピルトリメトキシシラン等の(メタ)アクリロイル基含有シランカップリング剤;N-2-(アミノエチル)-3-アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N-2-(アミノエチル)-3-アミノプロピルトリメトキシシラン、3-アミノプロピルトリメトキシシラン、3-アミノプロピルトリエトキシシラン、3-トリエトキシシリル-N-(1,3-ジメチル-ブチリデン)プロピルアミン、N-フェニル-3-アミノプロピルトリメトキシシラン等のアミノ基含有シランカップリング剤;3-イソシアネートプロピルトリエトキシシラン等のイソシアネート基含有シランカップリング剤;ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン等のビニル基含有シランカップリング剤等が挙げられる。
これらは単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、耐久性に優れる点から、エポキシ基含有シランカップリング剤、メルカプト基含有シランカップリング剤が好ましく用いられ、中でもエポキシ基含有シランカップリング剤が好ましい。
シランカップリング剤の含有量としては、アクリル系重合体(A)100重量部に対して、0.005~10重量部であることが好ましく、特に好ましくは0.01~5重量部、さらに好ましくは0.05~1重量部である。かかる含有量が前記下限値以上であると耐久性が向上する傾向があり、前記上限値以下であると耐久性が向上する傾向がある。
(紫外線吸収剤)
紫外線吸収剤としては、例えばベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、トリアジン系紫外線吸収剤、サリチル酸系紫外線吸収剤、シアノアクリレート系紫外線吸収剤、ベンゾオキサジン系紫外線吸収剤等が挙げられる。これらの紫外線吸収剤は、単独で又は2種以上併せて用いることができる。
紫外線吸収剤の含有量としては、アクリル系重合体(A)100重量部に対して、0.01~20重量部であることが好ましく、特に好ましくは0.1~15重量部、さらに好ましくは0.5~10重量部である。かかる含有量が前記下限値以上であると耐光信頼性が向上する傾向があり、前記上限値以下であると耐黄変性が向上する傾向がある。
(防錆剤)
防錆剤としては、例えばトリアゾール類、ベンゾトリアゾール類等が好ましく、光学部材が腐食するのを防止することができる。
防錆剤の含有量は、アクリル系重合体(A)100重量部に対して0.01~5重量部であることが好ましく、中でも0.1重量部以上3重量部以下であることが好ましい。
前記その他の成分の含有量は、アクリル系重合体(A)100重量部に対して5重量部以下であることが好ましく、特に好ましくは1重量部以下、さらに好ましくは0.5重量部以下である。かかる含有量が多すぎるとアクリル系重合体(A)との相溶性が低下し、耐久性が低下する傾向がある。
粘着剤組成物[I]は、アクリル系重合体(A)及びラジカル重合性化合物(B)、好ましくはさらに光重合開始剤(C)、必要に応じてさらにシランカップリング剤、紫外線吸収剤、防錆剤等のその他の成分をそれぞれ所定量混合することにより調製される。
かくして得られた粘着剤組成物[I]は、粘着シート、とりわけフレキシブル画像表示装置構成部材の貼合に用いる粘着シートに供される。
<構成>
本粘着シートは、粘着剤組成物[I]から形成されてなる粘着層(「本粘着層」とも称する)のみからなる単層シートであっても、本粘着層が複数積層されている複層シートであってもよい。
<本粘着シートの物性>
本粘着シートは、次のような物性を有することができる。
(貯蔵剪断弾性率)
本粘着シートは、周波数1Hzの剪断モードで動的粘弾性測定により得られる、-20℃の貯蔵剪断弾性率(G’(-20℃))が500kPa以下であることが好ましく、中でも400kPa以下であることがさらに好ましく、さらには300kPa以下であることが好ましく、殊には200kPa以下であることが好ましい。
なお、本粘着シートの貯蔵剪断弾性率(G’(-20℃))の下限値に関しては、糊はみ出し防止、及び粘着シートの形状維持の観点から、50kPa以上であることが好ましい。
本粘着シートの貯蔵剪断弾性率(G’(-20℃))が前記範囲であることで、例えば本粘着シートを部材シートに貼着して、積層シート或いはフレキシブル画像表示装置部材を形成した際、特に低温から高温において、積層シート又はフレキシブル画像表示装置部材の折り曲げ時の層間応力を小さくすることができ、部材シート又はフレキシブル部材のデラミや割れを抑制することができる。
本粘着シートは、周波数1Hzの剪断モードで動的粘弾性測定により得られる、60℃の貯蔵剪断弾性率(G’(60℃))が高い粘着性が得られる観点から、100kPa以下であることが好ましく、中でも50kPa以下であることがさらに好ましく、さらには30kPa以下であることが好ましく、殊には20kPa以下であることが好ましい。
なお、本粘着シートの貯蔵剪断弾性率(G’(60℃))の下限値に関しては、糊はみだし防止、及び粘着シートの形状維持の観点から、1kPa以上であることが好ましい。
(損失剪断弾性率)
本粘着シートは、周波数1Hzの剪断モードで動的粘弾性測定により得られる、23℃の損失剪断弾性率(G”(23℃))が、8kPa以上であることが好ましく、さらには10kPa以上であることが好ましく、特には12kPa以上であることが好ましい。他方、損失剪断弾性率(G”(23℃))の上限値に関しては、屈曲時のストレス低減の観点から、400kPa以下であることが好ましい。
本粘着シートの損失剪断弾性率(G”(23℃))が前記範囲にあることで、本粘着シートの粘着力をより高めることができる。
(損失正接(tanδ)の極大点、及び、ガラス転移温度(Tg))
本粘着シートは、周波数1Hzの剪断モードで、動的粘弾性測定により得られる損失正接(tanδ)の極大点が-30℃以下にあることが好ましい。下限値は、通常-50℃である。
当該損失正接(tanδ)の極大点は、ガラス転移温度(Tg)と解釈することができ、ガラス転移温度(Tg)が前記範囲にあることで、本粘着シートの貯蔵剪断弾性率(G’(-20℃))を500kPa以下に調整しやすくなる。
周波数1Hzの剪断モードで動的粘弾性測定により得られる損失正接(tanδ)の変曲点が1点のみ観察される場合、言い換えれば、tanδ曲線が単峰山形状を呈する場合、ガラス転移温度(Tg)が単一であるとみなすことができる。
損失正接(tanδ)の「極大点」とは、tanδ曲線におけるピーク値、すなわち微分した際に正(+)から負(-)に変化する変曲点の中で、所定範囲或いは全体範囲において最大の値を持つ点の意味である。
種々の温度における弾性率(貯蔵剪断弾性率)G’、粘性率(損失剪断弾性率)G”及びtanδ=G”/G’は、ひずみレオメーターを用いて測定することができる。
貯蔵剪断弾性率(G’)、 損失剪断弾性率(G”)、及び損失正接(tanδ)は、本粘着シートを構成する粘着剤組成物[I]の成分(例えば、前記のアクリル系重合体(A)やラジカル重合性化合物(B))の種類及びその重量平均分子量等を調整したり、さらに粘着シートのゲル分率等を調整したりすることによって、前記範囲に調整することができる。但し、この方法に限定されるものではない。
(復元性)
本粘着シートは、25℃で厚みの7倍に相当するせん断歪みを加えて10分間維持した後、応力を除いた1分後、又は10分後の歪み値(残留歪み値)を読み取ることで復元性を測定することができる。復元性の計算は下記式から求められる。
復元性(%)=〔(700-残留歪み値)/700〕×100
本粘着シートがこのような復元性を有していれば、本粘着シートを部材シートに貼着し、低温又は高温下で折り畳み操作を行った場合であっても、屈曲状態に置かれたことによる折り跡が残らない復元性に優れた粘着シートとすることができる。
かかる観点から、25℃で厚みの7倍に相当するせん断歪みを加えて10分間維持した後、応力を除いた1分後、及び10分後の残留歪み値より算出される復元性が、40%以上、特には50%以上、更には70%以上、殊には80%以上であることが好ましい。復元性は高い方が好ましいため、上限は100%である。
本粘着シートにおいて、前記復元性を良好にするためには、ラジカル重合性化合物(B)として、一定以上の長さを有するアルキレン基を有する2官能の(メタ)アクリレートモノマー、具体的には、炭素数5~20のアルキレン基を含有するジ(メタ)アクリレート(B1)を用いることが好ましく、さらにはアクリル系重合体(A)に、炭素数5~20のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレート(a1)由来の構造部位を含有せしめることが好ましい。
この際、一定以上の長さを有するアルキレン基を有する2官能の(メタ)アクリレートがアクリル系重合体(A)の側鎖同士を結合させることで、ポリマー鎖同士の絡み合いが強くなり、これにより、伸長前後のエントロピー差が大きくなり、エントロピー弾性によって復元性を向上することができる。
但し、復元性の調整方法は、これらの方法に限定されるものではない。
(ゲル分率)
本粘着シートのゲル分率は、30~95重量%であることが好ましく、より好ましくは50~90重量%、さらに好ましくは55~85重量%、特に好ましくは60~85重量%である。本粘着シートのゲル分率が下限値以上であることにより、形状を十分に保持することができ、上限値以下であることにより、粘着力を高めることができる。
前記ゲル分率は、架橋度(硬化度合い)の目安になるものであり、後述の実施例に記載の測定条件で測定することができる。
(全光線透過率、ヘイズ)
本粘着シートの全光線透過率は85%以上であることが好ましく、88%以上であることがさらに好ましく、90%以上であることがより好ましい。
また、本粘着シートは、ヘイズが1.0%以下であることが好ましく、0.8%以下であることがさらに好ましく、特に0.5%以下であることがより好ましい。
本粘着シートのヘイズが1.0%以下であることにより、画像表示装置用の用途に使用することができる。
本粘着シートのヘイズを前記範囲にするためには、本粘着シートが有機粒子等の粒子を含まないことが好ましい。
<厚み>
本粘着シートの厚みは、特に制限されるものではなく、その厚みが10μm以上であれば、ハンドリング性が良好であり、また、厚みが1000μm以下であれば、本粘着シートの薄型化に寄与することができる。
よって、本粘着シートの厚みは、10μm以上であることが好ましく、中でも15μm以上、特に20μm以上、更に25μm以上であることがより好ましい。
一方、上限に関しては、1000μm以下であることが好ましく、中でも500μm以下、特に250μm以下、更に100μm以下、殊には50μm以下であることがさらに好ましい。
<本粘着シートの好ましい用途>
本粘着シートは、ディスプレイ部材を構成する部材(「ディスプレイ部材」とも称する)、とりわけ、ディスプレイを作製するのに用いるディスプレイ用のフレキシブル部材の貼合に使用するものであり、フレキシブルディスプレイを作製するのに用いるフレキシブルディスプレイ用の粘着部品として使用する。
なお、フレキシブル部材については、後述するものと同一のものを使用することができる。
<本粘着シートの製造方法>
次に、本粘着シートの製造方法について説明する。
但し、以下の説明は、本粘着シートを製造する方法の一例であり、本粘着シートはかかる製造方法により製造されるものに限定されるものではない。
本粘着シートの作製においては、アクリル系重合体(A)及びラジカル重合性化合物(B)、さらに光重合開始剤(C)、必要に応じてその他の成分等を含有する本粘着シート形成用の粘着剤組成物[I]を調製し、当該粘着剤組成物[I]をシート状に成形し、架橋すなわち重合反応させて硬化させ、必要に応じて適宜加工を施すことにより、本粘着シートを作製すればよい。
また、本粘着シートの作製においては、前記と同様にして本粘着シート形成用の粘着剤組成物[I]を調整し、これを部材シート又はフレキシブル部材上にコーティングし、当該粘着剤組成物[I]を硬化させることにより、本粘着シートを形成すればよい。
但し、この方法に限定するものではない。
本粘着シート形成用の粘着剤組成物[I]を調製する際、前記原料を、温度調節可能な混練機(例えば一軸押出機、二軸押出機、プラネタリーミキサー、二軸ミキサー、加圧ニーダー等)を用いて混練すればよい。
なお、種々の原料を混合する際、シランカップリング剤、酸化防止剤等の各種添加剤は、予め樹脂と共にブレンドしてから混練機に供給してもよいし、予め全ての材料を溶融混合してから供給してもよいし、添加剤のみを予め樹脂に濃縮したマスターバッチを作製し供給してもよい。
粘着剤組成物[I]をシート状に成形する方法としては、公知の方法、例えばウェットラミネーション法、ドライラミネート法、Tダイを用いる押出キャスト法、押出ラミネート法、カレンダー法やインフレーション法、射出成形、注液硬化法等を採用することができる。中でも、シートを製造する場合は、ウェットラミネーション法、押出キャスト法、押出ラミネート法が好適である。
また、粘着剤組成物[I]は、活性エネルギー線を照射し硬化させることにより、硬化物を製造することができる。なお、活性エネルギー線の照射の他に、加熱してさらに硬化を図ることもできる。
特に、粘着剤組成物[I]を成形体、例えばシート体に成形したものに、活性エネルギー線を照射することにより、本粘着シートを製造することができる。なお、活性エネルギー線の照射の他に、加熱してさらに硬化を図ることもできる。
また、活性エネルギー線の照射エネルギー、照射時間、照射方法等に関しては特に限定されず、光重合開始剤(C)を活性化させてモノマー成分を重合できればよい。
光重合開始剤(C)として水素引抜型光重合開始剤を用いた場合、アクリル系重合体(A)からも水素引抜反応を起こして、アクリル系重合体(A)が架橋構造に取り込まれ、架橋点が多い架橋構造を形成することができる。
従って、本粘着シートは水素引抜型光重合開始剤を用いて硬化してなるものであることが好ましい。
また、本粘着シートの製造方法の別の実施態様として、粘着剤組成物[I]を適切な溶剤に溶解させ、各種コーティング手法を用いて実施することもできる。
コーティング手法を用いた場合、前記の活性エネルギー線照射による硬化の他、熱硬化させることにより、本粘着シートを得ることもできる。コーティングの場合、本粘着シートの厚みは塗工厚みと塗工液の固形分濃度によって調整できる。
例えば、粘着剤組成物[I]を溶剤に溶解した後、離型フィルムにコーティングして乾燥し、活性エネルギー線照射により硬化し、本粘着シートを形成することができる。さらに、必要に応じて離型フィルムを積層してもよい。この場合、離型フィルムにコーティングして乾燥し、活性エネルギー線照射により硬化し、その上に離型フィルムを積層してもよいし、また、離型フィルムにコーティングして乾燥し、離型フィルムを積層した後、活性エネルギー線照射により硬化し本粘着シートを形成してもよい。
かかる溶剤としては、粘着剤組成物[I]を溶解させるものであれば特に限定されることなく、例えば酢酸メチル、酢酸エチル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル等のエステル系溶剤、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶剤、トルエン、キシレン等の芳香族系溶剤、メタノール、エタノール、プロピルアルコール等のアルコール系溶剤が挙げられる。これらは単独で又は2種以上併せて用いることができる。中でも、溶解性、乾燥性、価格等の点から酢酸エチル、アセトン、メチルエチルケトン、トルエンが好ましく、特に酢酸エチルが好適に用いられる。
溶剤の含有量としては、乾燥性から、アクリル系重合体(A)100重量部に対して、600重量部以下が好ましく、500重量部以下がより好ましく、400重量部以下がさらに好ましく、300重量部以下が特に好ましい。一方、1重量部以上が好ましく、50重量部以上がより好ましく、100重量部以上がさらに好ましく、150重量部以上が特に好ましい。
コーティング方法としては、例えばロールコーティング、ダイコーティング、グラビアコーティング、コンマコーティング、スクリーン印刷、バーコーティング等の慣用の方法により行なうことができる。
前記乾燥後における粘着剤組成物[I]中の溶剤含有量としては1重量%以下となることが好ましく、より好ましくは0.5重量%以下、特に好ましくは0.1重量%以下であり、最も好ましくは0重量%である。
乾燥温度としては、通常40~150℃であり、より好ましくは45~140℃、さらに好ましくは50~130℃、特に好ましくは55~120℃である。前記温度範囲であると、離型フィルムの熱変形を抑えつつ、効率的かつ比較的安全に溶剤を除去できる。
乾燥時間としては、通常1~30分間であり、より好ましくは3~25分間、さらに好ましくは5~20分間である。前記時間範囲であると、効率的かつ十分に溶剤を除去できる。
乾燥方法としては、例えば乾燥機、熱ロールによる乾燥、フィルムに熱風を吹き付ける乾燥等が挙げられる。中でも、乾燥機を用いることが均一かつ容易に乾燥できる点から好ましい。これらは単独で又は2種以上併せて用いることができる。
前記活性エネルギー線照射における活性エネルギー線としては、例えば遠紫外線、紫外線、近紫外線、赤外線、可視光線等の光線、X線、α線、β線、γ線、電子線、プロトン線、中性子線等の電離性放射線が挙げられる。中でも、光学装置構成部材へのダメージ抑制や反応制御の観点から紫外線が好適である。また、硬化速度、照射装置の入手のしやすさ、価格等からも、紫外線照射による硬化が有利である。
紫外線照射の光源としては、150~450nm波長域の光を発する高圧水銀ランプ、超高圧水銀ランプ、カーボンアークランプ、メタルハライドランプ、キセノンランプ、ケミカルランプ、無電極放電ランプ、LED等を用いることが挙げられる。中でも、高圧水銀ランプを用いることが好ましい。
活性エネルギー線照射量(積算光量)としては、硬化の点から、30~3000mJ/cm2が好ましく、より好ましくは100~2000mJ/cm2、さらに好ましくは300~1500mJ/cm2の条件で行われる。
活性エネルギー線照射後は、必要に応じて加熱を行って硬化度を上げることもできる。
前記にて得られた粘着シートの少なくとも片面に、ブロッキング防止や異物付着防止の観点から、離型フィルムを設けることもできる。
かかる離型フィルムとしては、公知の離型フィルムを適宜用いることができる。
離型フィルムの材質としては、例えばポリエステルフィルム、ポリオレフィンフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリスチレンフィルム、アクリルフィルム、トリアセチルセルロースフィルム、フッ素樹脂フィルム等のフィルムに、シリコーン樹脂を塗布して離型処理したものや、離型紙等を適宜選択して用いることができる。
離型フィルムの厚みは、特に制限されない。中でも、例えば加工性及びハンドリング性の観点からは、10~250μmであることが好ましく、その中でも25~200μm、その中でも35~190μmであることがさらに好ましい。
また、必要に応じて、エンボス加工や種々の凹凸(円錐や角錐形状や半球形状等)加工を行ってもよい。また、各種部材シートへの接着性を向上させる目的で、表面にコロナ処理、プラズマ処理及びプライマー処理等の各種表面処理を行ってもよい。
本粘着シートは、粘着剤組成物[I]からなる粘着層(本粘着シート)の片面又は両面に、離型フィルムを積層して離型フィルム付き粘着シートとして提供することもできる。
<<本積層シート>>
本発明の実施形態の一例に係る積層シート(以下、「本積層シート」と称することがある。)とは、本粘着シートと他の層とを備えたシートである。本積層シートを構成する層の中で本粘着シートの厚みは、本積層シートの総厚みの10~90%を占めることが好ましく、中でも20%以上80%以下、その中でも30%以上70%以下を占めることがさらに好ましい。
また、本積層シートは、本粘着シートの少なくとも片面に部材シートを備えたもの、又は部材シートの少なくとも片面に本粘着シートを備えたものであることが好ましい。
本積層シートは、例えば部材シート(以下「第1の部材シート」と称することがある)と、本粘着シートと、前記とは別の部材シート(以下「第2の部材シート」と称することがある)とが、この順で積層されてなる構成を備えた積層シートであることが好ましい。
本粘着シートを、第1の部材シート及び/又は第2の部材シートに貼着することにより、本積層シートを作製することができる。但し、このような製造方法に限定するものではない。
なお、第1の部材シートと第2の部材シートとは同じでもよいし、異なるものでもよい。
<部材シート>
本積層シートを構成する部材シート、すなわち、本粘着シートに貼着される部材シート(「第1の部材シート」及び/又は「第2の部材シート」を包含する)としては、例えばポリエステル樹脂、シクロオレフィン樹脂、トリアセチルセルロース樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、アラミド樹脂、及びポリウレタン樹脂からなる群から選択される少なくとも1種の樹脂を主成分として含む樹脂シート、又は、薄膜ガラス等のガラスを挙げることができる。ここで、薄膜ガラスとは、前記で挙げた部材シートの厚みを有するガラスを指す。
中でも、シクロオレフィン樹脂を主成分とする樹脂シートの25℃引張強度(ASTM D882)は、厚み100μmで40~60MPaと低く、このような引張強度が低い部材シートを用いた積層シートの場合、折り曲げ時に割れが生じやすく、従来技術の範囲では割れを解消することが困難であった。
部材シートとしては、従来公知のものを用いることができ、特に限定されるものではないが、例えば下記が好ましく挙げられる。
・PETフィルム「三菱ケミカル社製、S100、厚み50um」(引張強度:73MPa)
・PENフィルム「帝人社製、FS205S、厚み50um」(引張強度:193MPa)
・PIフィルム「KOLON社製、C_50、厚み53um」(引張強度:204MPa)
なお、前記「主成分」とは、部材シートを構成する樹脂成分の中で最も多い重量比率を占める成分であることをいい、具体的には、部材シート又は該部材シートを形成する樹脂組成物の50重量%以上を占めるものであり、中でも55重量%以上、その中でも60重量%以上を占めることがさらに好ましい。
フレキシブル画像表示装置の構成や本粘着シートの位置にも依るが、第1の部材シート及び第2の部材シートとしては、例えばカバーレンズ、偏光板、位相差フィルム、バリアフィルム、タッチセンサーフィルム、発光素子等を挙げることができる。
特に、画像表示の構成を考慮すると、第1の部材シートは、タッチ入力機能を有することが好ましい。本積層シートが前述した第2の部材シートを有する場合、第2の部材シートもタッチ入力機能を有していてもよい。
(25℃の引張強度)
さらに、第1の部材シートに関しては、ASTM D882に準拠して測定した25℃の引張強度(「25℃引張強度(ASTM D882)」とも称する)が、10~900MPaであることが好ましく、中でも15MPa以上800MPa以下、その中でも20MPa以上700MPa以下であることがさらに好ましい。
第1の部材シートの25℃引張強度(ASTM D882)が前記範囲であると屈曲時にも割れにくくなり好ましい。
本積層シートが前述した第2の部材シートを有する場合、第2の部材シートに関しては、ASTM D882に準拠して測定した25℃の引張強度が10~900MPaであることが好ましく、中でも15MPa以上800MPa以下、その中でも20MPa以上700MPa以下であることがさらに好ましい。
第2の部材シートの25℃引張強度(ASTM D882)が前記範囲であると屈曲時にも割れにくくなり好ましい。
中でも、第1の部材シート及び第2の部材シートのいずれもが、ASTM D882に準拠して測定した25℃の引張強度が、10~900MPaであることが好ましい。
なお、第1の部材シートと第2の部材シートは、同じ材料からなるものでもよいし、異なる材料からなるものでもよい。
前記引張強度の高い部材シート(第1の部材シート及び第2の部材シートを包含する)としては、例えばポリイミドフィルムや、ポリエチレンナフタレート(PEN)フィルム等を挙げることができ、これらの引張強度としては一般に900MPa以下である。下限としては、通常50MPaである。
他方、前記引張強度がやや低い部材シートとしては、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、トリアセチルセルロース(TAC)フィルム、シクロオレフィンポリマー(COP)フィルム等を挙げることができ、これらの引張強度としては通常10MPa以上である。上限としては、通常200MPaである。
本積層シートは、このような引張強度がやや低い材料からなる部材シートを備えたものであっても、本粘着シートの作用により、割れ等の不具合を抑制することができる。
<本積層シートの物性>
本積層シートは、次のような物性を有することができる。
(粘着力)
本積層シートは、本粘着シートの部材シートに対する粘着力(剥離角度180°:剥離速度300mm/分)が、0.5~30N/cmであるが好ましく、より好ましくは1~20N/cm、さらに好ましくは3~10N/cmである。かかる範囲であると、十分な粘着性があり、フレキシブル画像表示装置用の粘着シートとして好適に用いられる傾向がある。
前記粘着力は、後述の実施例に記載の測定条件で測定することができる。
(動的屈曲耐久性)
本積層シートの動的折り曲げの信頼性試験(動的屈曲耐久性)として、曲率半径R=1.5mm、60rpm(1Hz)、-20℃の設定にて、U字曲げのサイクル評価にて、屈曲部の不具合(デラミ、破断、座屈、流動)の発生しない折り曲げ回数が10万回以上であることが好ましく、より好ましくは折り曲げ回数が20万回以上である。
前記動的屈曲耐久性試験は、後述の実施例に記載の測定条件で測定することができる。
<本積層シートの厚み>
本積層シートの厚みは、特に制限されるものではない。例えば、画像表示装置に使用される場合の一例としては、本積層シートはシート状であり、その厚みが0.01mm以上であれば、ハンドリング性が良好であり、また、厚みが1mm以下であれば、本積層シートの薄型化に寄与することができる。
よって、本積層シートの厚みは、0.01mm以上であることが好ましく、さらには0.03mm以上、特には0.05mm以上であることが好ましい。
一方、上限に関しては、1mm以下であることが好ましく、さらには0.7mm以下、特には0.5mm以下であることがより好ましい。
<本積層シートの製造方法>
次に本積層シートの製造方法について説明する。
但し、以下の説明は、本積層シートを製造する方法の一例であり、本積層シートはかかる製造方法により製造されるものに限定されるものではない。
本積層シートは、本粘着シートの製造方法と同様に粘着剤組成物[I]を調製し、例えば第1の部材シート及び/又は第2の部材シート上に、該粘着剤組成物[I]を塗布して硬化させて粘着シートを形成させるようにして、本積層シートを製造すればよい。
この際、粘着剤組成物[I]の調製方法、コーティング方法、粘着剤組成物[I]の硬化方法等は、本粘着シートの製造方法と同様である。
また、予め製造した本粘着シートを、第1の部材シート及び/又は第2の部材シートに貼り合せて本積層シートを製造するようにしてもよい。
なお、接着性を向上させる目的から、本粘着シート、第1の部材シート及び第2の部材シートのそれぞれの表面に、コロナ処理、プラズマ処理及びプライマー処理等の各種表面処理を行ってもよい。
本積層シートが、本粘着シートの片面にのみ部材シートが積層された構成である場合、部材シートが積層されていない本粘着シートの片面に、離型層が積層されてなる保護フィルムを設けることもできる。
<<本フレキシブル画像表示装置部材>>
本発明の実施形態の一例に係るフレキシブル画像表示装置部材(以下、「本フレキシブル画像表示装置部材」と称することがある。)は、2つのフレキシブル部材が、本粘着シートを介して貼り合わされた構成を有するフレキシブル画像表示装置部材である。
本フレキシブル画像表示装置部材の構成要素のうち、本粘着シートについては上述の通りであり、粘着シート以外の要素について、以下説明する。
(フレキシブル部材)
本フレキシブル画像表示装置部材を構成するフレキシブル部材としては、例えば有機エレクトロルミネッセンス(EL)ディスプレイ等のフレキシブルディスプレイ、カバーレンズ(カバーフィルム)、偏光板、偏光子、位相差フィルム、バリアフィルム、視野角補償フィルム、輝度向上フィルム、コントラスト向上フィルム、拡散フィルム、半透過反射フィルム、電極フィルム、透明導電性フィルム、金属メッシュフィルム、タッチセンサーフィルム等のディスプレイ用のフレキシブル部材を挙げることができる。これらのうちのいずれか1種又は2種のうちの2つを組み合わせて使用すればよい。例えばフレキシブルディスプレイと、その他のフレキシブル部材との組み合わせや、カバーレンズと、その他のフレキシブル部材との組み合わせを挙げることができる。
なお、フレキシブル部材とは、屈曲可能な部材、とりわけ、繰り返し屈曲可能な部材であることを意味する。特に、曲率半径が25mm以上の湾曲形状に固定が可能な部材、とりわけ、曲率半径25mm未満、より好ましくは、曲率半径3mm未満での繰り返しの曲げ作用に耐えることができる部材であることが好ましい。
上述の構成において、フレキシブル部材の主成分としては、樹脂シート又はガラス等が挙げられる。
かかる樹脂シートの材質としては、例えばポリエステル樹脂、シクロオレフィン樹脂、トリアセチルセルロース樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリウレタン、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂及びアラミド樹脂等を挙げることができ、これらは1種の樹脂であっても、又は2種以上の樹脂であってもよい。中でも、ポリエステル樹脂、シクロオレフィン樹脂、トリアセチルセルロース樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、アラミド樹脂、及びポリウレタン樹脂からなる群から選択される少なくとも1種の樹脂を主成分として含む樹脂シートであることが好ましい。
ここで「主成分」とは、フレキシブル部材を構成する成分の中で最も多い重量比率を占める成分であることをいい、具体的にはフレキシブル部材を形成する樹脂組成物(樹脂シート)の50重量%以上を占めるものであり、さらには55重量%以上、特には60重量%以上を占めることが好ましい。
また、フレキシブル部材は、薄膜ガラスからなるものであってもよい。
上述の構成において、2つのフレキシブル部材のいずれか一方、すなわち第1のフレキシブル部材は、特に、ASTM D882に準拠して測定した25℃の引張強度が10~900MPaであることが好ましく、中でも15MPa以上800MPa以下、その中でも20MPa以上700MPa以下であることがさらに好ましい。
一方のフレキシブル部材の25℃引張強度(ASTM D882)が前記範囲であれば屈曲時にも割れにくくなり好ましい。
また、他方のフレキシブル部材、すなわち、第2のフレキシブル部材に関しては、ASTM D882に準拠して測定した25℃の引張強度が10~900MPaであることが好ましく、中でも15MPa以上800MPa以下、その中でも20MPa以上700MPa以下であることがさらに好ましい。
他方のフレキシブル部材の25℃引張強度(ASTM D882)が前記範囲であれば屈曲時にも割れにくくなり好ましい。
前記引張強度の高いフレキシブル部材としては、ポリイミドフィルムやポリエステルフィルム、アラミドフィルム等を挙げることができ、これらの引張強度としては一般に900MPa以下である。
他方、前記引張強度がやや低いフレキシブル部材シートとしては、トリアセチルセルロース(TAC)フィルム、シクロオレフィンポリマー(COP)フィルム等を挙げることができ、これらの引張強度としては通常10MPa以上である。
本フレキシブル画像表示装置部材は、このような引張強度がやや低い材料からなるフレキシブル部材を備えたものであっても、本粘着シートの作用により割れ等の不具合を抑制することができる。
<本フレキシブル画像表示装置部材の製造方法>
本フレキシブル画像表示装置部材の製造方法としては、特に制限されるものではなく、上述のように、粘着剤組成物[I]をフレキシブル部材上に塗布して粘着シートを形成してもよいし、予め当該粘着剤組成物[I]を用いて粘着シートを形成した後に、フレキシブル部材と貼合してもよい。
<<本フレキシブル画像表示装置>>
本発明の実施形態の一例に係るフレキシブル画像表示装置(以下、「本フレキシブル画像表示装置」と称することがある。)は、本積層シート又は本フレキシブル画像表示装置部材を組み込んでなる画像表示装置である。例えば、本積層シートを、他の画像表示装置構成部材に積層することで、本積層シートを備えた本フレキシブル画像表示装置を形成することができる。
「フレキシブル画像表示装置」とは、繰り返し折り曲げても折り曲げの跡を残さず、折り曲げを解放した際には折り曲げる前の状態まで素早く復元することができ、折り曲げても歪みなく画像を表示できる画像表示装置をいう。
より具体的には、曲率半径が25mm以上の湾曲固定形状が可能な部材、とりわけ、曲率半径25mm未満、より好ましくは、曲率半径3mm未満での繰り返しの曲げ作用に耐えることができる部材からなる画像表示装置を挙げることができる。
本積層シートは、高温における環境下で折り畳み操作をしても、積層シートのデラミや割れを防止でき、復元性も良好であるため、フレキシブル性に優れたフレキシブル画像表示装置を製造できることが特徴の一つである。
以下、実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り以下の実施例に限定されるものではない。
なお、例中、「部」、「%」とあるのは、重量基準を意味する。
<原料>
先ず、実施例及び比較例で調製したアクリル系重合体、及び粘着剤組成物の詳細について説明する。
<アクリル系重合体>
表1に示す通りの共重合成分組成にてアクリル系重合体(1)~(3)を用意した。
Figure 2023038851000001
<ラジカル重合性化合物>
ラジカル重合性化合物として、以下のものを用意した。
・(B1-1):1,10-デカンジオールジアクリレート(DDDA)
・(B’-1):1,4-ブタンジオールジアクリレート(BDDA)
・(B’-2):PEG600#ジアクリレート(PEG600#DA)(共栄社化学社製、「ライトアクリレート14EG-A」)
<光重合開始剤>
・Esacure TZT(IGM社製、4-メチルベンゾフェノンと2,4,6-トリメチルベンゾフェノンの混合物(水素引抜型))
[実施例1~5、比較例1~4]
表2に示す通りの配合組成にて、アクリル系重合体、ラジカル重合性化合物、光重合開始剤、溶剤としての酢酸エチルを均一混合し、粘着剤組成物溶液(固形分濃度33%)を得た。
Figure 2023038851000002
前記粘着剤組成物溶液を、離型フィルム(三菱ケミカル社製、シリコーン剥離処理ポリエステルフィルム、厚み100μm)上に、乾燥後の厚みが表2に記載の通りとなるようコーティングした。コーティング後、温度90℃に加熱した乾燥機内に入れて7分間保持し、粘着剤組成物が含有する溶剤を揮発乾燥させた。
さらに、溶剤を乾燥させた当該粘着剤組成物の表面に、離型フィルム(三菱ケミカル社製、シリコーン剥離処理ポリエステルフィルム、厚み75μm)を積層した積層体を形成し、高圧水銀ランプを用いて、前記離型フィルムを介して前記粘着剤組成物に対して、紫外線照射を行い(各照射量については表2参照)、粘着シート積層体(離型フィルム付粘着シート)を得た。
得られた粘着シート積層体について、以下の評価を行った。
<ゲル分率>
実施例及び比較例で作製した各粘着シート積層体から離型フィルムを取り除き、粘着シートを複数層積層することで厚み1.0mmの積層体とした後、直径8mmの円柱体を打ち抜き、これをサンプルとして、200メッシュのSUS製金網で包み、23℃に調整した酢酸エチル中に72時間浸漬した。その後75℃で4.5時間乾燥させ、酢酸エチル浸漬の前後における粘着剤の重量をそれぞれ測定し、両重量の差を金網中に残存した不溶解の粘着剤の重量とした。酢酸エチル浸漬前における粘着剤の重量に対する、金網中に残存した不溶解の粘着剤の重量百分率をゲル分率(%)として算出した。
<粘着力>
実施例及び比較例で作製した各粘着シート積層体から、一方の離型フィルムを取り除いた粘着シート積層体の粘着面に、裏打ちフィルムとしてポリエチレンテレフタレートフィルム(三菱ケミカル社製、ダイアホイル「S100」、厚み50μm)をハンドローラーにてロール貼合した。これを、10mm幅×150mm長の短冊状に裁断し、残る離型フィルムを剥がして露出した粘着面を、あらかじめステンレス製板に貼り合わせた透明ポリイミドフィルム(主成分:透明ポリイミド、KOLON社製「C_50」、以下「CPIフィルム」と称する。)にハンドローラーを用いてロール貼合して、CPIフィルム/粘着シート/裏打ちフィルムからなる積層シートを作製し、この積層シートを室温(23℃)環境下に置いて一晩静置して養生し、粘着力測定サンプルを作製した。
裏打ちフィルムを、CPIフィルムと180°をなす角度に剥離速度300mm/分にて引っ張りながら剥離し、ロードセルで引張強度を測定して、粘着シートのCPIフィルムに対する180°剥離強度(N/10mm)を測定し、粘着力(23℃)とした。
<フレキシブル性>
フレキシブル性の評価として粘着シートの動的粘弾性を測定し、その結果から損失正接(tanδ)の極大温度(ガラス転移温度:Tg)と、-20℃及び60℃における貯蔵剪断弾性率(G’)を読み取った。
〔損失正接(tanδ)、貯蔵剪断弾性率(G’)〕
実施例及び比較例で作製した各粘着シート積層体から離型フィルムを取り除き、粘着シートを複数層積層することで厚み1.0mmの積層体とした。
得られた粘着シート(粘着層)の積層体から、直径8mmの円柱体(高さ1.0mm)を打ち抜き、これをサンプルとした。
かかるサンプルについて、粘弾性測定装置(T.A.Instruments社製、製品名「DHR 2」)を用いて、以下の測定条件下で、動的粘弾性の温度分散を測定した。
得られた動的粘弾性の温度分散データから、損失正接(tanδ)のピーク温度(ガラス転移温度(Tg))、-20℃における貯蔵剪断弾性率G’(-20℃)、60℃における貯蔵剪断弾性率G’(60℃)を読み取った。
(測定条件)
・測定治具:Φ8mmパラレルプレート
・歪み:0.1%
・周波数:1Hz
・測定温度:-60~100℃
・昇温速度:5℃/分
<復元性>
実施例及び比較例で作製した各粘着シート積層体から離型フィルムを取り除き、粘着シートを複数層積層することで厚み1.0mmの積層体とした。
得られた粘着シート(粘着層)の積層体から、直径8mmの円柱体(高さ1.0mm)を打ち抜き、これをサンプルとした。
かかるサンプルについて、粘弾性測定装置(T.A.Instruments社製、製品名「DHR 2」)を用いて、以下の測定条件下で、復元性を測定した。
即ち、25℃で厚みの7倍に相当するせん断歪みを加えて10分間維持した後、応力を除いた1分後、及び10分後の残留歪み値を読み取ることで復元性を測定した。
復元性の計算は下記式から求められる。
復元性(%)=〔(700-残留歪み値)/700〕×100
<屈曲耐久性>
実施例及び比較例で作製した各粘着シート積層体の離型フィルムを取り除き、粘着シートの両面にCPIフィルム(主成分:透明ポリイミド、KOLON社製「C_50」)をハンドロールにより貼り合わせ、屈曲耐久性用の積層シート(サンプル)を得た。
上記のように作製した積層シート(サンプル)を用い、次のように評価した。
(動的屈曲耐久性)
積層シート(サンプル)を、恒温恒湿器内耐久システムと面状体無負荷U字伸縮試験機(ユアサシステム機器社製)を用いて、曲率半径R=1.5mm、60rpm(1Hz)の設定にて、U字曲げのサイクル評価を行った。温度とサイクル数は-20℃、20万回で評価した。なお、下記の評価基準で評価した。
○:屈曲部及び端部において、デラミ、破断、座屈、流動のいずれも発生しなかった。
△:端部において、デラミ、破断、座屈、流動のいずれかが発生した。
×:屈曲部において、デラミ、破断、座屈、流動のいずれかが発生した。
前記測定、評価によって得られた結果を表3に示す。
Figure 2023038851000003
前記の評価結果より、粘着剤組成物として、アクリル系重合体(A)に、一定以上の長さを有するアルキレン基を有する2官能の(メタ)アクリレートモノマーを含有させることで粘着シートの復元性、とりわけ速やかな復元性が向上している。これは、2官能の(メタ)アクリレートモノマーがアクリル系重合体(A)の側鎖同士を架橋することでポリマー鎖同士の絡み合いが強くなり、これにより、伸長前後のエントロピー差が大きくなり、エントロピー弾性によって高い復元性を発現したものと推察される。
そのため、本粘着シートを用いたフレキシブル画像表示装置は復元性及びフレキシブル性の信頼性に優れることがわかる。
本発明の粘着シートは、低温状態で折り畳んだ際にデラミが生じない耐久性(「低温屈曲耐久性」とも称する)に優れており、且つ、折り畳み操作を行った際に、速やかに平らな状態に復元する復元性に優れたフレキシブル画像表示装置を得ることができる。このため、ベンダブル、フォルダブル、ローラブル、ストレッチャブル等の様々なフレキシブル画像表示装置を得るための粘着シートとして有用であり、とりわけ、繰り返し折り曲げが生じるフォルダブル画像表示装置用の粘着シートに好適である。

Claims (12)

  1. アクリル系重合体(A)及びラジカル重合性化合物(B)を含有する粘着剤組成物[I]から形成される粘着シートであって、
    前記アクリル系重合体(A)が、アルキル基の炭素数が5~20のアルキル(メタ)アクリレート(a1)由来の構造部位及び水酸基含有(メタ)アクリレート(a2)由来の構造部位を含み、
    前記ラジカル重合性化合物(B)が、炭素数5~20のアルキレン基を有するジ(メタ)アクリレート(B1)を含む、粘着シート。
  2. 前記アルキル(メタ)アクリレート(a1)が、直鎖状脂肪族アルキル(メタ)アクリレートである、請求項1記載の粘着シート。
  3. 前記アクリル系重合体(A)の重量平均分子量が60万~150万である、請求項1又は2に記載の粘着シート。
  4. 前記ジ(メタ)アクリレート(B1)におけるアルキレン基が直鎖アルキレン基である、請求項1~3のいずれか一項に記載の粘着シート。
  5. 前記ラジカル重合性化合物(B)の含有量が、アクリル系重合体(A)100重量部に対して0.1~10重量部である、請求項1~4のいずれか一項に記載の粘着シート。
  6. 前記粘着シートの-20℃における貯蔵剪断弾性率(G’)が500kPa以下である、請求項1~5のいずれか一項に記載の粘着シート。
  7. 前記粘着シートのゲル分率が30~95重量%である、請求項1~6のいずれか一項に記載の粘着シート。
  8. フレキシブル画像表示装置構成部材の貼合に用いる、請求項1~7のいずれか一項に記載の粘着シート。
  9. 請求項1~8のいずれか一項に記載の粘着シートの少なくとも片面に、ASTM D882に準拠して測定される25℃の引張強度が10~900MPaである部材シートを備える、積層シート。
  10. ASTM D882に準拠して測定される25℃の引張強度が10~900MPaである部材シートの少なくとも片面に、請求項1~8のいずれか一項に記載の粘着シートを備える、積層シート。
  11. 前記部材シートが、ポリエステル樹脂、シクロオレフィン樹脂、トリアセチルセルロース樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、アラミド樹脂、及びポリウレタン樹脂からなる群から選択される少なくとも1種の樹脂を主成分として含む樹脂シート、又はガラスである、請求項9又は10に記載の積層シート。
  12. 請求項9~11のいずれか一項に記載の積層シートを備える、フレキシブル画像表示装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2023176606A1 (ja) * 2022-03-14 2023-09-21 三菱ケミカル株式会社 粘着シート、及びフレキシブル画像表示装置

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