JP2023037854A - 均一循環流撹拌装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】従来の撹拌装置においては、撹拌翼の付近に過大な流速が発生する一方、離れた箇所では流速が過小となる、不均一で粗雑な撹拌が行われていた。また、撹拌時の渦や泡の発生が問題となっていた。そこで、撹拌槽内に、向きと流速が一定で均一な循環流を生じさせ、かつ渦や泡の発生を防止できる装置を提供する。また、固体を含む液体中における、当該固体の固体分散の均一化を図る。また、動物細胞を含む培養液等の撹拌時にストレスの無い撹拌を実現する。【解決手段】往復移動可能な撹拌翼30に第1可変翼33と第2可変翼34とを固定する。第1可変翼33は、液体200の圧力を受けて一方側にのみ開き、第2可変翼34は、第1可変翼33とは異なる位置に固定され、液体200の圧力を受けて他方側にのみ開く。これにより、循環流を撹拌槽20内に全体的に生じさせる一方、撹拌翼30の投影面積が小さくなり、駆動時の負荷も低減できる。【選択図】図2

Description

本発明は、撹拌槽の内側にある液体を撹拌する撹拌装置に関する。特に、撹拌槽の内側において、軸線に沿って撹拌翼を往復移動させながら、向きと流速が一定で、かつ均一な循環流を、全体的に継続して生じさせることができる均一循環流撹拌装置に関する。
従来、医薬品、食品、化粧品、塗料等の建築資材、またはインク等の化学製品を含む様々な分野において、液体を撹拌するために用いられる多種多様な撹拌装置が開発されている。例えば、特許文献1には、チタンまたはチタン合金を研磨するための電解研磨法に関して、電解研磨処理液を撹拌する振動撹拌装置(200)が開示されている。
特許文献1の振動撹拌装置(200)は、電解研磨処理槽(1)の内側に配置された振動棒(7)に、複数の振動羽根(8)が固定部材(10)を介して多段に取り付けられた構造を有する。振動棒(7)は、振動モータ(2)に接続されることによって、振動羽根(8)とともに10~200Hzで振動する。また、電解研磨処理液(100)の粘度や比重を考慮しつつ振動羽根(8)の長さや厚みを選択することによって、振動羽根(8)を、しならせながら振動させつつ、処理液(100)を撹拌することができる。
撹拌装置においては、撹拌する対象となる液体の種類や性質によっては、流速の均一性が求められることがある。例えば、近年、動物や植物の細胞または微生物等(以下「細胞等」と称する)の生体機能を利用したバイオ医薬品が普及しているが、これに伴い、バイオ医薬品の製造過程において、これらの細胞等を含む培養液を、細胞等にダメージを与えることなく全体的に撹拌する技術が求められている。そこで、例えば、特許文献2には、撹拌翼(5)を上下動させることによって撹拌液(6)に対して強い剪断力を与えることなく撹拌する、撹拌装置(1)が開示されている。一般に、撹拌翼を上下動させることによって液体を撹拌する場合、回転によって撹拌する場合と比べて、液体に加わる剪断力を抑え、これにより液体中の細胞等へのダメージを低減できる。また、撹拌翼から離れた場所においても、液流を発生させることができる。
特開2004-060004号公報 特開2011-031192号公報
特許文献2の撹拌装置(1)は、撹拌槽(2)の内側に配置された駆動軸(4)および撹拌翼(5)を有する。撹拌翼(5)は、駆動軸(4)の下端部に直交するように連結固定された楕円の板状体である。駆動軸(4)は、往復駆動式モータに接続されることによって、撹拌翼(5)とともに上下動往復する。これにより、撹拌翼が真円の板状体である場合と比べて、より大きな循環流を発生させることができるため、撹拌液(6)をより全体的に混合することができる。しかしながら、撹拌装置(1)においては、駆動軸(4)および撹拌翼(5)が上方へ移動する場合と下方へ移動する場合とで、撹拌液(6)に生じる流れの向きと流速が大きく変化してしまう。このため、撹拌液(6)中の細胞等に加わる負荷が大きくなり、ダメージを与える虞がある。特に、細胞等の中でも微生物に比べてストレスに弱い動物細胞を撹拌する場合には、動物細胞の生存率にも影響を及ぼす虞がある。
また、食品や化学製品等の分野において、固体を含む液体中で、当該固体を固体分散体として液体中に分散させて安定化させる技術へのニーズが高まっている。これを実現するためには、一般に、固体を含む液体を均一に撹拌しながら、液体の向きと流速が一定な循環流を全体的に生じさせることが重要な要素となる。また、撹拌時に渦や泡の発生を抑制できる技術も広く求められている。
本発明は、このような事情に鑑みなされたものであり、撹拌翼の軸線方向に沿った往復運動によって液体を撹拌しつつ、向きと流速が一定で、かつ均一な循環流を全体的に継続して生じさせることができる装置を提供することを目的とする。
本願の第1発明は、図14、図15のように、前期板状部を略4分割、略6分割など2超、4以上の偶数に分割したうえ、板状部に第1可変翼と第2可変翼を交互に配置する。これにより一方向移動時に1個の第1可変翼上の流体は、他方向移動時に左隣の第2可変翼に略半分、右隣の第2可変翼に略半分に略2分割される。次に1個の第2可変翼上では、左右から略半分ずつ入った流体を移動中に混ぜ合わせることになる。続いて1個の第2可変翼上の流体は移動後に、左隣の第1可変翼に略半分、右隣の第1可変翼に略半分に略2分割される。これを往復運動時に繰り返すことで、流れが略2分割、合流・混合のサイクルを繰り返すことにより、最高効率の混合を実現できる。
本願の第2発明は、図16のように、第1実施形態に板状部をタンク断面形状に合わせて、円錐あるいは四角錐などの錐体形状にすることによって、板状部の形状が対流形成を支援することにより、対流形成をより確実にすることができる。
本願の第3発明は、図17のように、第2実施形態に板状部を傾斜した状態で固定することにより、板状部の形状が循環流形成を支援することにより、循環流形成をより確実にすることができる。
本願の第4発明は、図18のように、第1実施形態、第2実施形態に第1可変翼の開放向きを周方向かつ回転対称にすることにより、通常の対流に周方向の流れ要素を付加した螺旋流を発生させることができる。これにより混合性能を強化することができる。ここで発生する螺旋流は回転式撹拌装置とは異なり、渦発生と空気巻込みしにくい構造。このフラップレイアウトは流線ベクトルの向きを揃えるため、流れ同士の衝突を防ぎ、エネルギー損失を防ぐ効果がある。
本願の第5発明は、図18のように、第1実施形態、第2実施形態に第2可変翼の開放向きを周方向かつ回転対称にすることにより、通常の対流に周方向の流れ要素を付加した螺旋流を発生させることができる。これにより混合性能を強化することができる。ここで発生する螺旋流は回転式撹拌装置とは異なり、渦発生と空気巻込みしにくい構造。このフラップレイアウトは流線のベクトルの向きを揃えるため、流れ同士の衝突を防ぎ、エネルギー損失を防ぐ効果がある。
なお、螺旋流は第1可変翼と第2可変翼で同一向きでも、反対向きでも任意である。
本願の第6発明は、多段式の撹拌翼が構造体として嵩高くなることになることへの対策として、折畳機構を取り入れることである。図19のように、撹拌翼間の支持棒を中心1本ではなく、周辺部に3本以上配置する。支持棒の両端にロッドアンテナ基部のような折り曲げ機構と、展開時の固定機構を持たせることで、収納時には平たく、使用時には構造的な剛性を確保した多段式の撹拌翼を実現できる。
本願の第7発明は、図20のように、弾性体ベースの第1可変翼の変形させたくない部分に剛性部材を固着させるあるいは、リビングヒンジ構造とすることによって、ヒンジ構造のようなめりはりのある開閉動作を実現させるものである。
また、ヒンジ相当部の形状を工夫することによって、開放時の角度を規制することができる。
本願の第8発明は、図20のように、弾性体ベースの第2可変翼の変形させたくない部分に剛性部材を固着させるあるいは、リビングヒンジ構造とすることによって、ヒンジ構造のようなめりはりのある開閉動作を実現させるものである。
また、ヒンジ相当部の形状を工夫することによって、開放時の角度を規制することができる。
本願の第1発明~第8発明によれば、軸線に沿って撹拌翼を往復移動させながら、撹拌槽の内側の液体における、向きと流速が一定で、かつ均一な循環流を全体的に継続して生じさせることができる。また、撹拌翼を移動させるために必要な駆動力を抑えつつ、緩やかに撹拌することができ、さらに撹拌時の渦や泡の発生も抑制することができる。
図1は、第1実施形態に係る撹拌装置の構成を概念的に示した図である。 図2は、第1実施形態に係る撹拌翼の構成を示した概要図である。 図3は、第1実施形態に係る撹拌翼の一部の上面図および側面図である。 図4は、第1実施形態に係る撹拌翼を下側へ移動させるときの撹拌槽内の様子を示した概要図である。 図5は、第1実施形態に係る撹拌翼を上側へ移動させるときの撹拌槽内の様子を示した概要図である。 図6は、変形例に係る第1可変翼および第2可変翼がそれぞれ上下逆方向に開閉する場合の撹拌翼の構成を示した概要図である。 図7は、第2実施形態に係る第1可変翼および第2可変翼が板状部における互いに周方向に異なる位置に設けられる場合の撹拌翼の構成を示した概要図である。 図8は、第3実施形態に係る第1撹拌翼および第2撹拌翼の構成を示した概要図である。 図9は、第4実施形態に係る撹拌槽、および底面軸である撹拌翼の構成を示した概要図である。 図10は、第5実施形態に係る撹拌槽、および側面軸である撹拌翼の構成を示した概要図である。 図11は、第5実施形態に係る撹拌槽、および側面軸である撹拌翼の構成を示した概要図である。 図12上図と下図は、それぞれ変形例に係る可変翼を板状部に固定する方法を示した概要図である。 図13は、径方向および周方向の定義を説明するための図である。 図14は、第6実施形態に係る撹拌翼の構成として板状部4分割例とそれによって発生する流線ループの一部を示した均一循環流撹拌装置の概要図である。 図15は、第6実施形態に係る撹拌翼の構成として板状部4分割例とそれによって発生する流線ループ4組を示した均一循環流撹拌装置の立体図である。 図16は、第7実施形態の概要図で、第1実施形態の改良型として板状部を錐体形状にした均一循環流撹拌装置を示したものである。 図17は、第8実施形態の概要図で、第2実施形態の改良型として板状部を傾斜した状態で軸に固定した均一循環流撹拌装置を示したものである。 図18は、第9実施形態の概要図で、第1実施形態の改良型として可変翼の開放向きを周方向かつ回転対称に配置して螺旋流とした均一循環流撹拌装置を示したものである。 図19は、第10実施形態の概要図で、多段式撹拌翼の構造体に折畳機構を適用した均一循環流撹拌装置を示したものである。 図20は、第11実施形態の概要図で、可変翼と板状部の構造例を示したものである。
以下、本発明の例示的な実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、本願では、撹拌翼の中心に延びる軸線と平行な方向を「軸線方向」、軸線に直交する方向を「径方向」、軸線を中心とする円弧に沿う方向を「周方向」、とそれぞれ称する。例えば、図13に示すように、撹拌翼を軸線方向から見たときに、軸線9X,9Yに沿って延びる主軸部31X,31Yに対して直交する方向に拡がる板状部32X,32Yにおいて、「径方向」および「周方向」を図示の通り定義することができる。また、本願において「平行な方向」とは、略平行な方向も含む。また、本願において「直交する方向」とは、略直交な方向も含む。すなわち、「軸線方向」とは、撹拌翼の中心に延びる軸線に対して平行な方向のみならず、略平行な斜め方向も含む。また、「径方向」とは、軸線方向に対して垂直な方向のみならず、軸線方向に対して略垂直な斜め方向も含む。
<1.第1実施形態>
<1-1.撹拌装置の全体的な構成>
図1は、本発明の第1実施形態に係る撹拌装置1の構成を概念的に示した図である。この撹拌装置1は、医薬品、食品、化粧品、塗料等の建築資材、またはインク等の化学製品を含む様々な分野において、液体を撹拌するために用いることができる。以下では、一使用例として、撹拌装置1を、例えば、バイオ医薬品の製造工程において、細胞等を含む培養液を撹拌するために用いるものとする。図1に示すように、撹拌装置1は、枠体10、撹拌槽20、撹拌翼30、駆動装置40、および制御部60を有する。また、以下では、撹拌する対象となる液体(本使用例では、培養液)を「液体200」と称する。
枠体10は、配置台11と、複数(例えば、4本)の支柱12と、上部支持板13とを有する筐体である。
配置台11は、水平に拡がり、かつ上面視において四角形状を有する板状の部材である。配置台11の上面視における四隅には、孔部110がそれぞれ形成されている。4つの孔部110はそれぞれ、上面から下方へ凹む。4本の支柱12は、それぞれの下端部が孔部110に挿入され、接着または圧入等により固定される。または、4本の支柱12は、それぞれ上下方向(鉛直方向)に延伸する。
上部支持板13は、水平に拡がり、上面視において四角形状を有する板状の部材である。上部支持板13の上面視における四隅には、端部貫通孔130がそれぞれ形成されている。4つの端部貫通孔130はそれぞれ、上部支持板13を上下方向に貫通する。4つの端部貫通孔130にはそれぞれ、高さ調整部材14が固定される。高さ調整部材14の内側には、各支柱12が挿入される。これにより、上部支持板13は、4本の支柱12に沿って、上下方向の高さを調整可能に支持される。また、上部支持板13の上面視における中央付近には、中央貫通孔131が形成されている。中央貫通孔131は、上部支持板13を上下方向に貫通する。
撹拌槽20は、細胞等を含む液体200を内側に貯留して培養するための容器である。本実施形態の撹拌槽20は、有底の略円筒形状を有する。ただし、撹拌槽20は、有底の略多角筒形状を有していてもよい。撹拌槽20は、配置台11の上面に配置され、図示を省略したボルト止め等により、枠体10に固定される。撹拌槽20は、側壁部21、底面部22、および天板部23を含む。側壁部21は、上下方向に延びる略円筒形状を有する。側壁部21の下端部は、下方へ向かうにつれて徐々に縮径する。底面部22は、側壁部21の下端部の開口を覆う平板状の部位である。底面部22は、側壁部21と一体的に形成される。
天板部23は、側壁部21の上端部の開口210を覆う薄板状の部材である。天板部23の上面視における中央付近には、貫通孔230が形成されている。貫通孔230は、天板部23を上下方向に貫通する。貫通孔230には、撹拌翼30の後述する主軸部31が挿入される。また、主軸部31と天板部23との間の隙間には、シール部材(スタティックシール24)が配置される。詳細を後述するとおり、撹拌翼30は軸線9に沿って上下方向に往復移動する。スタティックシール24は、撹拌翼30が往復移動するのに伴って、撹拌翼30に固着しつつ柔軟に弾性変形する。これにより、撹拌槽20内の気密性を容易に確保することができる。また、撹拌翼30が回転する場合に比べて、スタティックシール24を用いて撹拌槽20内の気密性を容易に確保することができる。
ただし、撹拌槽20を配置する方向は、これに限定されない。例えば、撹拌槽20は、側壁部21が配置台11の上面に接触するように横向きに配置され、その場合に側方に位置する開口210から撹拌翼30が挿入される構成であってもよい。
図2は、本実施形態の撹拌翼30の構成を示した概要図である。図2に示すように、撹拌翼30は、上下方向に延びる。また、本実施形態では、撹拌翼30の中心に延びる線を「軸線9」と称する。また、撹拌翼30は、主軸部31と、1または複数(本実施形態では、3つ)の板状部32と、1または複数(本実施形態では、48つ)の第1可変翼33と、1または複数(本実施形態では、48つ)の第2可変翼34とを有する。主軸部31および板状部32は、耐腐食性に優れた材料を用いて形成される。
主軸部31は、軸線9に沿って上下方向に縦長の棒状に延びる。板状部32は、径方向(水平方向)に拡がる板状の部材である。板状部32における軸線方向に対して垂直な横断面の外縁は、撹拌槽20の内面25(液体200に接する側面)に沿う形状とし、かつ、撹拌槽20の内面25から間隙を隔てて内側に位置する(内面25よりも一回り程度小さくする)ことが望ましい。すなわち、例えば、撹拌槽20が立方体形状を有している場合、板状部32の横断面の外縁の形状は正方形とし、撹拌槽20が多角筒形状を有している場合、板状部32の横断面の外縁の形状は多角形とすることが望ましい。ただし、板状部32の横断面の外縁の形状は、撹拌槽20の内面25とは多少異なっていてもよい。例えば、撹拌槽20が立方体形状を有している場合でも、板状部32の横断面の外縁の形状は略正方形としつつ、角部が曲面状になっていてもよい。本実施形態では、板状部32の横断面の外縁の形状は、一例として、略真円形状を有しているものとする。3つの板状部32は、互いに軸線方向に間隙を隔てて配置される。また、3つの板状部32のそれぞれの上面視における中央付近には、貫通孔320が形成されている(後述する図3参照)。貫通孔320は、板状部32を上下方向に貫通する。貫通孔320には、主軸部31が挿入され、固定される。これにより、板状部32は、主軸部31に対して回転不能となる。また、板状部32は、主軸部31とともに上下方向に往復移動する。上記のとおり、板状部32は、上面視において、貫通孔320を有する環形状を有する。以下では、板状部32のうち貫通孔320に近い側を「内周側Ics」と称し、板状部32のうち貫通孔320から離れる側を「外周側Ocs」と称する(後述する図3~図6参照)。
ただし、板状部32は、主軸部31に対して、図示を省略した部材を介して固定されてもよい。すなわち、板状部32は、主軸部31に直接的または間接的に固定されていればよい。
3つの板状部32のそれぞれには、1または複数(本実施形態では、8つ)の第1可変翼33が固定される。各第1可変翼33は、一部が板状部32に固定される。また、3つの板状部32のそれぞれには、1または複数(本実施形態では、16つ)の第2可変翼34が固定される。各第2可変翼34は、一部が板状部32に固定される。撹拌翼30のより詳細な構造については、後述する。
駆動装置40は、撹拌翼30を軸線方向に往復移動させるための動力を与える装置である。一例として、本実施形態の駆動装置40には、エアシリンダが用いられる。ただし、駆動装置40には、往復運動を行うための動力を生成するものであれば、他の構造を有する装置が用いられてもよい。駆動装置40は、本体41と、変位ロッド42と、支持機構43とを有する。本実施形態の駆動装置40は、本体41における後述する押し側内部空間411への空気の供給および排出と、後述する引き側内部空間412への空気の供給および排出とによって、変位ロッド42を軸線9に沿って変位させる動力を生成する。
本体41は、上下方向に延びる有底の略円筒形状を有する。本体41は、枠体10の上部支持板13の中央貫通孔131に固定され、支持機構43とともに上部支持板13に支持される。ただし、本体41の固定方法は、これに限定されない。本体41は、撹拌槽20自体に対して直接的または間接的に固定されていればよい。
変位ロッド42は、本体41に係止され、本体41における押し側内部空間411への空気の供給および排出と、引き側内部空間412への空気の供給および排出とによって、本体41に対して、変位ロッド42の下端部の軸線方向の高さが変位する。ただし、変位ロッド42は、本体41に対して、上向きまたは横向きに変位する構造であってもよい。
変位ロッド42の下端部には、撹拌翼30の主軸部31の上端部が直接的に接続されている。ただし、主軸部31は、変位ロッド42の下端部に、別途部材を介して間接的に接続されてもよい。これにより、駆動装置40の動力を受けて、撹拌翼30の主軸部31と、主軸部31に固定された板状部32と、板状部32に固定された第1可変翼33および第2可変翼34とが、軸線9に沿って往復移動する。なお、撹拌翼30は、軸線9と完全に一致する軌道を辿る代わりに、軸線9から多少ずれた軌道を辿ってもよい。例えば、撹拌翼30は、往復移動する際に、往路と復路とでやや異なる軌道を辿ってもよい。
また、本実施形態の撹拌装置1の内部には、さらにエアタンク50が設置される。エアタンク50には、駆動装置40の動力源となる圧縮空気が充填される。図1に示すように、エアタンク50は、配管450を介して駆動装置40の本体41に接続される。配管450には、開閉弁460が介挿されている。開閉弁460を開くと、エアタンク50から本体41へ圧縮空気が供給される。開閉弁460を閉じると、エアタンク50から本体41への圧縮空気の供給が停止される。また、開閉弁460は、制御部60と電気的に接続される。制御部60によって、開閉弁460の開閉が制御される。
配管450上の開閉弁460と駆動装置40との間には、さらに切替部470が設けられている。そして、切替部470から駆動装置40までは、2系統のエア流路(以下「押し側配管451」および「引き側配管452」と称する)に分かれている。押し側配管451は、本体41の内部空間のうち、変位ロッド42の押し側に位置する押し側内部空間411に連通する。引き側配管452は、本体41の内部空間のうち、変位ロッド42の引き側に位置する引き側内部空間412に連通する。
切替部470は、制御部60と電気的に接続される。制御部60によって、切替部470の切り替えが制御される。上記の開閉弁460を開いた状態で、切替部470を操作することによって、エアタンク50と押し側配管451とを連通させて駆動装置40の押し側内部空間411に圧縮空気を供給する場合と、エアタンク50と引き側配管452とを連通させて駆動装置40の引き側内部空間412に圧縮空気を供給する場合とを切り替えることができる。さらに、切替部470は、押し側配管451および引き側配管452のいずれも閉塞した休止状態に切り替えることもできる。
また、切替部470には、それぞれ外部へ延びる2つの排気管(以下「押し側排気管481」および「引き側排気管482」と称する)が連結されている。切替部470の切り替えによって、エアタンク50と押し側配管451とを連通させると、引き側配管452は、引き側排気管482を介して外部と連通する。すなわち、エアタンク50から押し側配管451を介して駆動装置40の押し側内部空間411に圧縮空気を供給する際、引き側配管452および引き側排気管482は外部へ開放され、引き側内部空間412から空気が排気される。これにより、変位ロッド42および撹拌翼30が下側へ移動する。また、切替部470の切り替えによって、エアタンク50と引き側配管452とを連通させると、押し側配管451は、押し側排気管481を介して外部と連通する。すなわち、エアタンク50から引き側配管452を介して駆動装置40の引き側内部空間412に圧縮空気を供給する際、押し側配管451および押し側排気管481は外部へ開放され、押し側内部空間411から空気が排気される。これにより、変位ロッド42および撹拌翼30が上側へ移動する。
制御部60は、上記の開閉弁460および切替部470を動作制御するための手段である。図1中に概念的に示したように、制御部60は、CPU等のプロセッサ61、RAM等のメモリ62、およびハードディスクドライブ等の記憶部63を有するコンピュータにより構成される。記憶部63内には、液体200の種類や粘性に関するデータDと、データDを参照しつつ開閉弁460および切替部470を動作制御するためのコンピュータプログラムCPとが、インストールされている。制御部60は、記憶部63に記憶されたデータDやコンピュータプログラムCPをメモリ62に一時的に読み出し、コンピュータプログラムCPに基づいて、プロセッサ61が演算処理を行うことにより、開閉弁460および切替部470を動作制御する。これにより、撹拌翼30が上下に往復移動する。
また、制御部60は、開閉弁460および切替部470を動作制御することによって、(a)第1の所定期間において、駆動装置40の押し側内部空間411へ空気を供給しつつ引き側内部空間412から空気を排出して、変位ロッド42および撹拌翼30を下側へ移動させる第1工程と、(b)第2の所定期間(第1の所定期間よりも短い、例えば数秒程度の期間)において、切替部470を休止状態にして、変位ロッド42および撹拌翼30の軸線方向の高さを維持する第2工程と、(c)第3の所定期間において、駆動装置40の引き側内部空間412へ空気を供給しつつ押し側内部空間411から空気を排出して、変位ロッド42および撹拌翼30を上側へ移動させる第3工程と、(d)第4の所定期間(第3の所定期間よりも短い、例えば数秒程度の期間)において、切替部470を休止状態にして、変位ロッド42および撹拌翼30の軸線方向の高さを維持する第4工程とを、順に繰り返すこととする。ただし、第2工程および第4工程については、省略してもよい。
<1-2.撹拌翼の詳細な構造>
続いて、撹拌翼30のより詳細な構造について、説明する。図3は、全3つのうち1つの板状部32の上面図および側面図を上下に並べたものである。なお、図3の上部の上面図においては、説明上の便宜のため、板状部32に下面に固定される第1可変翼33の1つを破線にて示し、板状部32の上面に固定される第2可変翼34の1つを二点鎖線にて示している。また、図3の下部の側面図においては、主軸部31の一部、第1可変翼33の1つ、および第2可変翼34の1つを実線にて示している。
図3に示すように、各板状部32は、本体部71と、1または複数(本実施形態では、16つ)の第1貫通孔72と、1または複数(本実施形態では、16つ)の第2貫通孔73とを有する。本体部71は、径方向(水平方向)に拡がる。
16つの第1貫通孔72はそれぞれ、第1径方向位置Pd1において、本体部71の一部を軸線方向に貫通する。また、16つの第1貫通孔72は、周方向に互いに等しい間隔を隔てて設けられている。
16つの第2貫通孔73はそれぞれ、第1径方向位置Pd1よりも径方向外側の第2径方向位置Pd2において、本体部71の一部を軸線方向に貫通する。また、16つの第2貫通孔73は、周方向に互いに等しい間隔を隔てて設けられている。
第1貫通孔72および第2貫通孔73は、上面視において、軸線9を中心とする扇形状を有する。なお、上面視における、16つの第1貫通孔72の面積の合計値に対する、16つの第2貫通孔73の面積の合計値の比率は、0.5~1.5程度の近い値となるようにすることが望ましい。
また、板状部32に設けられる第1貫通孔72の数は、それぞれ1~15つであってもよく、17つ以上であってもよい。また、板状部32に設けられる第2貫通孔73の数は、1~15つであってもよく、17つ以上であってもよい。すなわち、本実施形態では、板状部32における、第1径方向位置Pd1に、本体部71の一部を軸線方向に貫通する1または複数の第1貫通孔72が周方向に互いに間隔を隔てて設けられ、第1径方向位置とは異なる、第1径方向位置よりも径方向外側の第2径方向位置Pd2に、本体部71の一部を軸線方向に貫通する1または複数の第2貫通孔73が周方向に互いに間隔を隔てて設けられていればよい。
各第1可変翼33は、板状の第1弾性部材331を含む。第1弾性部材331は、平面視において1つの第1貫通孔72よりも大きく、当該1つの第1貫通孔72を下側から覆うことができる。第1弾性部材331の材料には、樹脂等の柔軟な素材が用いられる。また、各第1弾性部材331は、板状部32における1つの第1貫通孔72の周縁部(本実施形態では、1つの第1貫通孔72の僅かに径方向外側)において、一部が本体部71に直接的に接触しつつ、本体部71に、ねじ332を用いて固定される。
これにより、図3の下部の側面図の破線にて示すように、第1弾性部材331のうち、ねじ332で固定される部位から離れた端部333は、下側へ屈曲し、本体部71から下側へ離れることができる。この結果、各第1可変翼33は、1つの第1貫通孔72を下側から覆って閉塞する閉塞位置と、一部が本体部71よりも下側へ離間して当該1つの第1貫通孔72を開放する開放位置との間で変位可能となる。一方、各第1可変翼33は、本体部71よりも上側へ移動することはできない。
各第2可変翼34は、板状の第2弾性部材341を含む。第2弾性部材341は、平面視において1つの第2貫通孔73よりも大きく、当該1つの第2貫通孔73を上側から覆うことができる。第2弾性部材341の材料には、樹脂等の柔軟な素材が用いられる。また、各第2弾性部材341は、板状部32における1つの第2貫通孔73の周縁部(本実施形態では、当該1つの第2貫通孔73の僅かに径方向内側)において、一部が本体部71に直接的に接触しつつ、本体部71に、ねじ342を用いて固定される。
これにより、図3の下部の側面図の破線にて示すように、第2弾性部材341のうち、ねじ342で固定される部位から離れた端部343は、上側へ屈曲し、本体部71から上側へ離れることができる。この結果、各第2可変翼34は、1つの第2貫通孔73を上側から覆って閉塞する閉塞位置と、一部が本体部71よりも上側へ離間して当該1つの第2貫通孔73を開放する開放位置との間で変位可能となる。一方、各第2可変翼34は、本体部71よりも下側へ移動することはできない。
図4および図5は、駆動装置40を駆動して撹拌翼30を軸線9に沿って移動させるときの撹拌槽20内の様子を示す概要図である。なお、図4は、上記の第1工程において撹拌翼30を下側へ移動させるときの様子を示している。また、図5は、上記の第3工程において撹拌翼30を上側へ移動させるときの様子を示している。また、図4および図5のそれぞれの下部には、板状部32の上面図を並べて図示している。
図4に示すように、第1工程では、撹拌翼30の主軸部31と、主軸部31に固定された3つの板状部32と、各板状部32に固定された8つの第1可変翼33および16つの第2可変翼34とが下側へ移動する。このとき、第1可変翼33は、液体200の圧力を受け、端部333側が上側へ変位するものの、上記のとおり、本体部71よりも上側へ移動することはできない。これにより、第1可変翼33は、第1貫通孔72を下側から閉塞する閉塞位置となる。この結果、図4における白抜き矢印にて示すように、主軸部31の周囲のうちの内周側Icsにおいて液体200の下側へ向かう流れが生じ、最下段の板状部32の下側(撹拌槽20の底面BF側)において、液体200の径方向外側へ向かう流れが生じる。
一方、第2可変翼34は、液体200の圧力を受け、端部343側が上側へ変位する。これにより、第2可変翼34は、第2貫通孔73を開放する開放位置となる。この結果、第2貫通孔73および第2貫通孔73の径方向外側(主軸部31の周囲のうちの外周側Ocs)において、液体200の上側へ向かう流れが生じ、最上段の板状部32の上側(液体200の液面LS側)において、液体200の径方向内側へ向かう流れが生じる。
このように、第1工程では、最上段の板状部32の上側(液体200の液面LS側)において径方向内側へ向かい、主軸部31の周囲のうちの内周側Icsにおいて下側へ向かい、最下段の板状部32の下側(撹拌槽20の底面BF側)において径方向外側へ向かい、主軸部31の周囲のうちの外周側Ocsにおいて上側へ向かう、液体200の緩やかな循環流を、撹拌槽20の内側のほぼ液全体に亘って生じさせることができる。また、この循環流は、次の第2工程である、数秒程度の休止期間においても、自然に継続される。
次に、図5に示すように、第3工程では、撹拌翼30の主軸部31と、主軸部31に固定された3つの板状部32と、各板状部32に固定された8つの第1可変翼33および16つの第2可変翼34とが上側へ移動する。このとき、第1可変翼33は、液体200の圧力を受け、端部333側が下側へ変位する。これにより、第1可変翼33は、第1貫通孔72を開放する開放位置となる。この結果、図5における白抜き矢印にて示すように、第1貫通孔72(主軸部31の周囲のうちの内周側Ics)において、液体200の下側へ向かう流れが生じ、最上段の板状部32の上側(液体200の液面LS側)において、液体200の径方向内側へ向かう流れが生じる。
一方、第2可変翼34は、液体200の圧力を受け、端部343側が下側へ変位するものの、上記のとおり、第2可変翼34は、本体部71よりも下側へ移動することはできない。これにより、第2可変翼34は、第2貫通孔73を上側から閉塞する閉塞位置となる。この結果、図5における白抜き矢印にて示すように、主軸部31の周囲のうちの外周側Ocsにおいて、液体200の上側へ向かう流れが生じ、最下段の板状部32の下側(撹拌槽20の底面BF側)において、液体200の径方向外側へ向かう流れが生じる。
このように、第3工程では、第1工程と同じく、最上段の板状部32の上側(液体200の液面LS側)において径方向内側へ向かい、主軸部31の周囲のうちの内周側Icsにおいて下側へ向かい、最下段の板状部32の下側(撹拌槽20の底面BF側)において径方向外側へ向かい、主軸部31の周囲のうちの外周側Ocsにおいて上側へ向かう、液体200の緩やかな循環流を、撹拌槽20の内側のほぼ液全体に亘って生じさせることができる。また、この循環流は、次の第4工程である、数秒程度の休止期間においても、自然に継続される。
すなわち、本発明では、軸線9に沿って撹拌翼30を往復移動させながら、第1工程~第4工程を繰り返して実行することによって、撹拌槽20の内側の液体200における、向きと流速が一定な循環流を全体的に継続して生じさせることができる。また、撹拌翼30を軸線方向から見た時の主軸部31と板状部32の本体部71との投影面積(すなわち、撹拌翼30のうち液体の圧力を受けても変位することのない部分の面積)が小さいため、撹拌翼30を移動させるために必要な駆動力を抑えつつ、緩やかに撹拌することができ、さらに撹拌時の渦や泡の発生も抑制することができる。また、従来の回転により撹拌する場合と比べて、液体200が高い粘性を有する場合であっても、撹拌翼30から離れた箇所においても、全体的にほぼ均一に撹拌することができる。
また、本発明の撹拌翼30は、モータ等を用いた無限の回転運動によって液体200を撹拌するものではなく、有限軌道に沿った軸線方向の往復運動によって液体200を撹拌するものである。このため、作業者が誤って駆動中の撹拌翼30に接触してしまった場合でも、作業者が負傷するリスクを低くすることができる。
なお、撹拌翼30の板状部32に対して第1可変翼33および第2可変翼34が変位する方向は、上下方向に逆であってもよい。図6は、変形例に係る撹拌翼30の構成を示した概要図である。なお、図6の下部には、板状部32の上面図を並べて図示している。図6に示すように、第1可変翼33は、第1貫通孔72を上側から閉塞する閉塞位置と、一部が板状部32よりも上側へ離間して第1貫通孔72を開放する開放位置との間で変位可能であってもよい。また、第2可変翼34は、第2貫通孔73を下側から閉塞する閉塞位置と、一部が板状部32よりも下側へ離間して第2貫通孔73を開放する開放位置との間で変位可能であってもよい。
当該変形例の場合、第1工程では、撹拌翼30の主軸部31と、主軸部31に固定された板状部32と、各板状部32に固定された第1可変翼33および第2可変翼34とが下側へ移動する。このとき、第1可変翼33は、液体200の圧力を受け、上側へ変位する。これにより、第1可変翼33は、第1貫通孔72を開放する開放位置となる。この結果、図6における白抜き矢印にて示すように、主軸部31の周囲のうちの内周側Icsにおいて、液体200の上側へ向かう流れが生じ、最下段の板状部32の下側(撹拌槽20の底面BF側)において、液体200の径方向内側へ向かう流れが生じる。
一方、第2可変翼34は、液体200の圧力を受け、上側へ変位するものの、上記のとおり、板状部32よりも上側へ移動することはできない。これにより、第2可変翼34は、第2貫通孔73を下側から閉塞する閉塞位置となる。この結果、図6における白抜き矢印にて示すように、主軸部31の周囲のうちの外周側Ocsにおいて液体200の下側へ向かう流れが生じ、最上段の板状部32の上側(液体200の液面LS側)において、液体200の径方向外側へ向かう流れが生じる。また、この循環流は、次の第2工程である、数秒程度の休止期間においても、自然に継続される。
次に、第3工程では、撹拌翼30の主軸部31と、主軸部31に固定された板状部32と、各板状部32に固定された第1可変翼33および第2可変翼34とが上側へ移動する。このとき、第1可変翼33は、液体200の圧力を受け、下側へ変位するものの、上記のとおり、板状部32よりも下側へ移動することはできない。これにより、第1可変翼33は、第1貫通孔72を上側から閉塞する閉塞位置となる。この結果、図6における白抜き矢印にて示すように、主軸部31の周囲のうちの内周側Icsにおいて、液体200の上側へ向かう流れが生じ、最下段の板状部32の下側(撹拌槽20の底面BF側)において、液体200の径方向内側へ向かう流れが生じる。
一方、第2可変翼34は、液体200の圧力を受け、下側へ変位する。これにより、第2可変翼34は、第2貫通孔73を開放する開放位置となる。この結果、図6における白抜き矢印にて示すように、第2貫通孔73および第2貫通孔73の径方向外側(主軸部31の周囲のうちの外周側Ocs)において、液体200の下側へ向かう流れが生じ、最上段の板状部32の上側(液体200の液面LS側)において、液体200の径方向外側へ向かう流れが生じる。また、この循環流は、次の第4工程である、数秒程度の休止期間においても、自然に継続される。
このように、本変形例においては、最上段の板状部32の上側(液体200の液面LS側)において径方向外側へ向かい、主軸部31の周囲のうちの外周側Ocsにおいて下側へ向かい、最下段の板状部32の下側(撹拌槽20の底面BF側)において径方向内側へ向かい、主軸部31の周囲のうちの内周側Icsにおいて上側へ向かう、液体200の緩やかな循環流を、撹拌槽20の内側のほぼ液全体に亘って均一かつ一定の向きに、一定の流速で継続して生じさせることができる。また、撹拌翼30を移動させるために必要な駆動力を抑えつつ、緩やかに撹拌することができ、さらに撹拌時の渦や泡の発生も抑制することができる。
すなわち、第1可変翼33は、第1貫通孔72を軸線方向の一方側から覆う閉塞位置と、一部が本体部71よりも軸線方向の一方側へ離間して第1貫通孔72を開放する開放位置との間で変位可能であり、第2可変翼34は、第2貫通孔73を軸線方向の他方側から覆う閉塞位置と、一部が本体部71よりも軸線方向の他方側へ離間して第2貫通孔73を開放する開放位置との間で変位可能であればよい。そして、第1可変翼33は、撹拌翼30が軸線方向の一方側へ移動するときに、液体200の圧力を受けて変位して第1貫通孔72を軸線方向の一方側から閉塞し、撹拌翼30が軸線方向の他方側へ移動するときに、液体200の圧力を受けて変位して第1貫通孔72を開放し、第2可変翼34は、撹拌翼30が軸線方向の一方側へ移動するときに、液体200の圧力を受けて変位して第2貫通孔73を開放し、撹拌翼30が軸線方向の他方側へ移動するときに、液体200の圧力を受けて変位して第2貫通孔73を軸線方向の他方側から閉塞する構成を有していればよい。
<2.第2実施形態>
続いて、本発明の第2実施形態に係る撹拌装置の構成について説明する。なお、以下では、第1実施形態との相違点を中心に説明し、第1実施形態と同等の部分については、重複説明を一部省略する。
第2実施形態の撹拌装置は、枠体、撹拌槽20B、撹拌翼30B、駆動装置、および制御部を有する。第2実施形態の枠体、撹拌槽20B、駆動装置、および制御部は、第1実施形態の枠体10、撹拌槽20、駆動装置40、および制御部60と同等の構成を有するため、重複説明を省略する。
図7は、本実施形態の撹拌翼30Bの構成を示した概要図である。図7に示すように、撹拌翼30Bは、主軸部31B、1または複数(本実施形態では、3つ)の板状部32B、1または複数(本実施形態では、9つ)の第1可変翼33B、および1または複数(本実施形態では、9つ)の第2可変翼34Bを有する。なお、図7の下部には、板状部32Bの上面図を並べて図示している。
主軸部31Bは、軸線9Bに沿って上下方向に縦長の棒状に延びる。3つの板状部32Bは、互いに軸線方向に間隙を隔てて配置される。3つの板状部32Bはそれぞれ、本体部71Bと、1または複数(本実施形態では、3つ)の第1貫通孔72Bと、1または複数(本実施形態では、3つ)の第2貫通孔73Bとを有する。
3つの第1貫通孔72Bのうちの1つは、板状部32Bの第1周方向位置Pc1において、本体部71Bの一部を軸線方向に貫通する。3つの第2貫通孔73Bのうちの1つは、板状部32Bの第1周方向位置Pc1とは周方向に180°程度の間隙を隔てた、第2周方向位置Pc2において、本体部71Bの一部を軸線方向に貫通する。ただし、板状部32Bに設けられる第1貫通孔72Bおよび第2貫通孔73Bの数および位置は、これに限定されない。第1貫通孔72Bおよび第2貫通孔73Bは、各板状部32Bにおいて、それぞれ少なくとも1つ設けられればよい。また、第1周方向位置Pc1と第2周方向位置Pc2とは、互いに周方向にある程度離れた、異なる位置にあればよい。例えば、第1周方向位置Pc1と第2周方向位置Pc2とは、互いに周方向に90°程度以上離れていればよい。すなわち、図7の下部に示すように、本実施形態の板状部32Bは、上面視において、左右のいずれか一方に1または複数の第1貫通孔72Bが形成され、左右のいずれか他方に1または複数の第2貫通孔73Bが形成されていればよい。
各第1可変翼33Bは、第1貫通孔72Bの周縁部において、本体部71Bに、ねじ等を用いて固定される。これにより、各第1可変翼33Bは、第1貫通孔72Bを上側から覆って閉塞する閉塞位置と、一部が本体部71Bよりも上側へ離間して第1貫通孔72Bを開放する開放位置との間で変位可能となる。一方、第1可変翼33Bは、本体部71Bよりも下側へ移動することはできない。
各第2可変翼34Bは、第2貫通孔73Bの周縁部において、本体部71Bに、ねじ等を用いて固定される。これにより、各第2可変翼34Bは、第2貫通孔73Bを下側から覆って閉塞する閉塞位置と、一部が本体部71Bよりも下側へ離間して第2貫通孔73Bを開放する開放位置との間で変位可能となる。一方、第2可変翼34Bは、本体部71Bよりも上側へ移動することはできない。
本実施形態の場合、第1工程では、撹拌翼30Bの主軸部31Bと、板状部32Bと、第1可変翼33Bと、第2可変翼34Bとが下側へ移動する。このとき、第1可変翼33Bは、液体200Bの圧力を受け、上側へ変位する。これにより、第1可変翼33Bは、第1貫通孔72Bを開放する開放位置となる。この結果、図7における白抜き矢印にて示すように、第1貫通孔72Bおよび第1貫通孔72Bの径方向外側(第1周方向位置Pc1)において、液体200Bの上側へ向かう流れが生じ、最下段の板状部32Bの下側(撹拌槽20Bの底面BF側)において、液体200Bの第2周方向位置Pc2から第1周方向位置Pc1へ向かう流れが生じる。
一方、第2可変翼34Bは、液体200Bの圧力を受け、上側へ変位するものの、上記のとおり、板状部32Bよりも上側へ移動することはできない。これにより、第2可変翼34Bは、第2貫通孔73Bを下側から閉塞する閉塞位置となる。この結果、図7における白抜き矢印にて示すように、第2貫通孔73Bおよび第2貫通孔73Bの径方向外側(第2周方向位置Pc2)において、液体200Bの下側へ向かう流れが生じ、最上段の板状部32Bの上側(液体200Bの液面LS側)において、液体200Bの第1周方向位置Pc1から第2周方向位置Pc2へ向かう流れが生じる。また、この循環流は、次の第2工程である、数秒程度の休止期間においても、自然に継続される。
次に、第3工程では、撹拌翼30Bの主軸部31Bと、板状部32Bと、第1可変翼33Bと、第2可変翼34Bとが上側へ移動する。このとき、第1可変翼33Bは、液体200Bの圧力を受け、下側へ変位するものの、上記のとおり、板状部32Bよりも下側へ移動することはできない。これにより、第1可変翼33Bは、第1貫通孔72Bを上側から閉塞する閉塞位置となる。この結果、図7における白抜き矢印にて示すように、第1貫通孔72Bおよび第1貫通孔72Bの径方向外側(第1周方向位置Pc1)において、液体200Bの上側へ向かう流れが生じ、最下段の板状部32Bの下側(撹拌槽20Bの底面BF側)において、液体200Bの第2周方向位置Pc2から第1周方向位置Pc1へ向かう流れが生じる。
一方、第2可変翼34Bは、液体200Bの圧力を受け、下側へ変位する。これにより、第2可変翼34Bは、第2貫通孔73Bを開放する開放位置となる。この結果、図7における白抜き矢印にて示すように、第2貫通孔73Bおよび第2貫通孔73Bの径方向外側(第2周方向位置Pc2)において、液体200Bの下側へ向かう流れが生じる。また、最上段の板状部32Bの上側(液体200Bの液面LS側)において、液体200Bの第1周方向位置Pc1から第2周方向位置Pc2へ向かう流れが生じる。また、この循環流は、次の第4工程である、数秒程度の休止期間においても、自然に継続される。
このように、本実施形態においては、最上段の板状部32Bの上側(液体200Bの液面LS側)において第1周方向位置Pc1から第2周方向位置Pc2へ向かい、第2貫通孔73Bおよび第2貫通孔73Bの径方向外側(第2周方向位置Pc2)において下側へ向かい、最下段の板状部32Bの下側(撹拌槽20Bの底面BF側)において第2周方向位置Pc2から第1周方向位置Pc1へ向かい、第1貫通孔72Bおよび第1貫通孔72Bの径方向外側(第1周方向位置Pc1)において上側へ向かう、液体200Bの緩やかな循環流を、撹拌槽20Bの内側のほぼ液全体に亘って一定に、かつ、一定の流速で継続して生じさせることができる。また、撹拌翼30を移動させるために必要な駆動力を抑えつつ、緩やかに撹拌することができ、さらに撹拌時の渦や泡の発生も抑制することができる。
なお、撹拌翼30Bの板状部32Bに対して第1可変翼33Bおよび第2可変翼34Bが変位する方向は、上下方向に逆であってもよい。すなわち、本実施形態においては、第1可変翼33Bは、第1貫通孔72Bを軸線方向の一方側から覆う閉塞位置と、一部が本体部71Bよりも軸線方向の一方側へ離間して第1貫通孔72Bを開放する開放位置との間で変位可能であり、第2可変翼34Bは、第2貫通孔73Bを軸線方向の他方側から覆う閉塞位置と、一部が本体部71Bよりも軸線方向の他方側へ離間して第2貫通孔73Bを開放する開放位置との間で変位可能であればよい。そして、撹拌翼30Bが軸線方向の一方側へ移動するときに、第1可変翼33Bは液体200Bの圧力を受けて変位して第1貫通孔72Bを軸線方向の一方側から閉塞し、第2可変翼34Bは液体200Bの圧力を受けて変位して第2貫通孔73Bを開放し、撹拌翼30Bが軸線方向の他方側へ移動するときに、第1可変翼33Bは液体200Bの圧力を受けて変位して第1貫通孔72Bを開放し、第2可変翼34Bは液体200Bの圧力を受けて変位して第2貫通孔73Bを軸線方向の他方側から閉塞する構成を有していればよい。
<3.第3実施形態>
続いて、本発明の第3実施形態に係る撹拌装置の構成について説明する。なお、以下では、第1実施形態および第2実施形態との相違点を中心に説明し、第1実施形態および第2実施形態と同等の部分については、重複説明を一部省略する。
第3実施形態の撹拌装置は、枠体、撹拌槽20C、第1撹拌翼301C、第2撹拌翼302C、駆動装置、および制御部を有する。第3実施形態の枠体、撹拌槽20C、駆動装置、および制御部は、第1実施形態の枠体10、撹拌槽20、駆動装置40、および制御部60と同等の構成を有するため、重複説明を省略する。
図8は、本実施形態の第1撹拌翼301Cおよび第2撹拌翼302Cの構成を示した概要図である。図8に示すように、第1撹拌翼301Cおよび第2撹拌翼302Cは、撹拌槽20Cの内側において、互いに平行に並ぶ。また、第1撹拌翼301Cおよび第2撹拌翼302Cは、それぞれの上端部が図示を省略した駆動装置の変位ロッドに接続される。これにより、第1撹拌翼301Cは、上下方向に延びる第1軸線91Cに沿って往復移動する。第2撹拌翼302Cは、第1軸線91Cと平行で、かつ上下方向に延びる第2軸線92Cに沿って往復移動する。また、第1撹拌翼301Cおよび第2撹拌翼302Cは、互いに同期して上下方向に往復移動する。
また、本実施形態では、(a)第1の所定期間において、第1撹拌翼301Cおよび第2撹拌翼302Cを下側へ移動させる第1工程と、(b)第2の所定期間(第1の所定期間よりも短い、例えば数秒程度の期間)において、第1撹拌翼301Cおよび第2撹拌翼302Cの軸線方向の高さを維持する第2工程と、(c)第3の所定期間において、第1撹拌翼301Cおよび第2撹拌翼302Cを上側へ移動させる第3工程と、(d)第4の所定期間(第3の所定期間よりも短い、例えば数秒程度の期間)において、第1撹拌翼301Cおよび第2撹拌翼302Cの軸線方向の高さを維持する第4工程と、を順に繰り返すこととする。なお、第1撹拌翼301Cおよび第2撹拌翼302Cは、互いに同期して移動するものであれば、互いに異なる動力源に接続されていてもよい。
第1撹拌翼301Cは、第1主軸部311C、1または複数(本実施形態では、3つ)の第1板状部321C、および1または複数(本実施形態では、18つ)の第1可変翼33Cを有する。第2撹拌翼302Cは、第2主軸部312C、1または複数(本実施形態では、3つ)の第2板状部322C、および1または複数(本実施形態では、18つ)の第2可変翼34Cを有する。なお、図8の下部には、第1板状部321Cの上面図および第2板状部322Cの上面図を並べて図示している。
第1主軸部311Cは、第1軸線91Cに沿って上下方向に縦長の棒状に延びる。第2主軸部312Cは、第2軸線92Cに沿って上下方向に縦長の棒状に延びる。3つの第1板状部321Cはそれぞれ、第1主軸部311Cに直接的または間接的に固定され、第1軸線91Cに略垂直な第1径方向に拡がる。3つの第1板状部321Cは、互いに第1軸線91Cに沿って間隙を隔てて配置される。また、3つの第1板状部321Cはそれぞれ、第1本体部711Cと、1または複数(本実施形態では、6つ)の第1貫通孔72Cとを有する。3つの第2板状部322Cはそれぞれ、第2主軸部312Cに直接的または間接的に固定され、第2軸線92Cに略垂直な第2径方向に拡がる。3つの第2板状部322Cは、互いに第2軸線92Cに沿って間隙を隔てて配置される。また、3つの第2板状部322Cはそれぞれ、第2本体部712Cと、1または複数(本実施形態では、6つ)の第2貫通孔73Cとを有する。
6つの第1貫通孔72Cのうちの1つは、第1板状部321Cの第1所定位置Ps1において、第1本体部711Cの一部を第1軸線方向に貫通する。第2貫通孔73Cは、第1貫通孔72Cから所定距離Ds以上離間した、第2板状部322Cの第2所定位置Ps2において、第2本体部712Cの一部を第2軸線方向に貫通する。ただし、第1板状部321Cおよび第2板状部322Cに設けられる第1貫通孔72Cおよび第2貫通孔73Cの数および位置は、これに限定されない。第1貫通孔72Cは、第1板状部321Cにおいて、少なくとも1つ設けられればよい。第2貫通孔73Cは、第2板状部322Cにおいて、少なくとも1つ設けられればよい。また、第1所定位置Ps1と第2所定位置Ps2とは、互いにある程度離れていればよい。
各第1可変翼33Cは、第1貫通孔72Cの周縁部において、第1本体部711Cに、ねじ等を用いて固定される。これにより、各第1可変翼33Cは、第1貫通孔72Cを上側から覆って閉塞する閉塞位置と、一部が第1本体部711Cよりも上側へ離間して第1貫通孔72Cを開放する開放位置との間で変位可能となる。一方、第1可変翼33Cは、第1本体部711Cよりも下側へ移動することはできない。
各第2可変翼34Cは、第2貫通孔73Cの周縁部において、第2本体部712Cに、ねじ等を用いて固定される。これにより、各第2可変翼34Cは、第2貫通孔73Cを下側から覆って閉塞する閉塞位置と、一部が第2本体部712Cよりも下側へ離間して第2貫通孔73Cを開放する開放位置との間で変位可能となる。一方、第2可変翼34Cは、第2本体部712Cよりも上側へ移動することはできない。
本実施形態の場合、第1工程では、第1撹拌翼301Cの第1主軸部311Cと、第1板状部321Cと、第1可変翼33Cと、第2撹拌翼302Cの第2主軸部312Cと、第2板状部322Cと、第2可変翼34Cとが下側へ移動する。このとき、第1可変翼33Cは、液体200Cの圧力を受け、上側へ変位する。これにより、第1可変翼33Cは、第1貫通孔72Cを開放する開放位置となる。この結果、図8における白抜き矢印にて示すように、第1貫通孔72Cおよび第1貫通孔72Cの径方向外側(第1所定位置Ps1)において、液体200Cの上側へ向かう流れが生じ、最下段の板状部32Cの下側(撹拌槽20Cの底面BF側)において、液体200Cの第2所定位置Ps2から第1所定位置Ps1へ向かう流れが生じる。
一方、第2可変翼34Cは、液体200Cの圧力を受け、上側へ変位するものの、上記のとおり、第2板状部322Cよりも上側へ移動することはできない。これにより、第2可変翼34Cは、第2貫通孔73Cを下側から閉塞する閉塞位置となる。この結果、図8における白抜き矢印にて示すように、第2貫通孔73Cおよび第2貫通孔73Cの径方向外側(第2所定位置Ps2)において、液体200Cの下側へ向かう流れが生じ、最上段の板状部32Cの上側(液体200Cの液面LS側)において、液体200Cの第1所定位置Ps1から第2所定位置Ps2へ向かう流れが生じる。また、この循環流は、次の第2工程である、数秒程度の休止期間においても、自然に継続される。
次に、第3工程では、第1撹拌翼301Cの第1主軸部311Cと、第1板状部321Cと、第1可変翼33Cと、第2撹拌翼302Cの第2主軸部312Cと、第2板状部322Cと、第2可変翼34Cとが上側へ移動する。このとき、第1可変翼33Cは、液体200Cの圧力を受け、下側へ変位するものの、上記のとおり、第1板状部321Cよりも下側へ移動することはできない。これにより、第1可変翼33Cは、第1貫通孔72Cを上側から閉塞する閉塞位置となる。この結果、図8における白抜き矢印にて示すように、第1貫通孔72Cおよび第1貫通孔72Cの径方向外側(第1所定位置Ps1)において、液体200Cの上側へ向かう流れが生じ、最下段の第1板状部321Cおよび第2板状部322Cの下側(撹拌槽20Cの底面BF側)において、液体200Cの第2所定位置Ps2から第1所定位置Ps1へ向かう流れが生じる。
一方、第2可変翼34Cは、液体200Cの圧力を受け、下側へ変位する。これにより、第2可変翼34Cは、第2貫通孔73Cを開放する開放位置となる。この結果、図8における白抜き矢印にて示すように、第2貫通孔73Cおよび第2貫通孔73Cの径方向外側(第2所定位置Ps2)において、液体200Cの下側へ向かう流れが生じる。また、最上段の第1板状部321Cおよび第2板状部322Cの上側(液体200Cの液面LS側)において、液体200Cの第1所定位置Ps1から第2所定位置Ps2へ向かう流れが生じる。また、これら循環流は、次の第4工程である、数秒程度の休止期間においても、自然に継続される。
このように、本実施形態においては、最上段の第1板状部321Cおよび第2板状部322Cの上側(液体200Cの液面LS側)において第1所定位置Ps1から第2所定位置Ps2へ向かい、第2貫通孔73Cおよび第2貫通孔73Cの径方向外側(第2所定位置Ps2)において下側へ向かい、最下段の第1板状部321Cおよび第2板状部322Cの下側(撹拌槽20Cの底面BF側)において第2所定位置Ps2から第1所定位置Ps1へ向かい、第1貫通孔72Cおよび第1貫通孔72Cの径方向外側(第1所定位置Ps1)において上側へ向かう、液体200Cの緩やかな循環流を、撹拌槽20Cの内側のほぼ液全体に亘って一定に、かつ、一定の流速で継続して生じさせることができる。また、撹拌翼30を移動させるために必要な駆動力を抑えつつ、緩やかに撹拌することができ、さらに撹拌時の渦や泡の発生も抑制することができる。
なお、撹拌翼30Cの第1板状部321Cおよび第2板状部322Cに対して第1可変翼33Cおよび第2可変翼34Cが変位する方向は、上下方向に逆であってもよい。すなわち、本実施形態においては、第1可変翼33Cは、第1貫通孔72Cを第1軸線方向の一方側から覆う閉塞位置と、一部が第1本体部711Cよりも第1軸線方向の一方側へ離間して第1貫通孔72Cを開放する開放位置との間で変位可能であり、第2可変翼34Cは、第2貫通孔73Cを当該一方側とは反対の他方側から覆う閉塞位置と、一部が第2本体部712Cよりも当該他方側へ離間して第2貫通孔73Cを開放する開放位置との間で変位可能であればよい。そして、第1撹拌翼301Cおよび第2撹拌翼302Cが第1軸線方向の一方側へ移動するときに、第1可変翼33Cは、液体200Cの圧力を受けて変位して第1貫通孔72Cを第1軸線方向の一方側から閉塞し、第2可変翼34Cは、液体200Cの圧力を受けて変位して第2貫通孔73Cを開放し、第1撹拌翼301Cおよび第2撹拌翼302Cが当該他方側へ移動するときに、第1可変翼33Cは、液体200の圧力を受けて変位して第1貫通孔72Cを開放し、第2可変翼34Cは、液体200Cの圧力を受けて変位して第2貫通孔73Cを当該他方側から閉塞する構成を有していればよい。
<4.第4実施形態>
続いて、本発明の第4実施形態に係る撹拌装置の構成について説明する。なお、以下では、第1実施形態との相違点を中心に説明し、第1実施形態と同等の部分については、重複説明を一部省略する。
第4実施形態の撹拌装置は、枠体、撹拌槽20D、撹拌翼30D、駆動装置、および制御部を有する。第4実施形態の枠体、駆動装置、および制御部は、第1実施形態の枠体10、駆動装置40、および制御部60と同等の構成を有するため、重複説明を省略する。ただし、本実施形態の図示を省略した駆動装置の変位ロッドは、撹拌槽20Dの下側に配置される。
図9は、本実施形態の撹拌槽20Dおよび撹拌翼30Dの構成を示した概要図である。本実施形態の撹拌槽20Dは、第1実施形態の撹拌槽20と類似した構造を有する。しかしながら、図9に示すように、本実施形態の撹拌槽20Dの底面部22Dの中央付近には、貫通孔201D(第3貫通孔)が形成されている。貫通孔201Dは、底面部22Dを上下方向に貫通する。
撹拌翼30Dは、主軸部31D、1または複数(本実施形態では、3つ)の板状部32D、1または複数の第1可変翼33D、および1または複数の第2可変翼34Dを有する。本実施形態の撹拌翼30Dは、第1実施形態の撹拌翼30と類似した構造を有する。主軸部31Dは、軸線9Dに沿って上下方向に延びる。しかしながら、本実施形態の主軸部31Dの一部は、上記の撹拌槽20Dの底面部22Dの貫通孔201Dを貫通し、撹拌槽20Dの下側の外部空間へ露出し、当該外部空間において図示を省略した駆動装置の変位ロッドに接続される。これにより、駆動装置の動力を受けて、撹拌翼30Dの主軸部31Dと、主軸部31Dに固定された板状部32Dと、板状部32Dに固定された第1可変翼33Dおよび第2可変翼34Dとが、軸線9Dに沿って往復移動する。
なお、撹拌槽20Dの貫通孔201Dにおいて、底面部22Dと主軸部31Dとの間の隙間には、スタティックシール24Dが配置される。スタティックシール24Dは、主軸部31Dが軸線9Dに沿って往復移動するのに伴って、主軸部31Dに固着しつつ柔軟に弾性変形する。これにより、撹拌槽20D内の気密性を容易に確保することができ、撹拌槽20D内にある液体200Dの漏れを抑制することができる。
<5.第5実施形態>
続いて、本発明の第5実施形態に係る撹拌装置の構成について説明する。なお、以下では、第1実施形態~第4実施形態との相違点を中心に説明し、第1実施形態~第4実施形態と同等の部分については、重複説明を一部省略する。
第5実施形態の撹拌装置は、枠体、撹拌槽20E、撹拌翼30E、駆動装置、および制御部を有する。第5実施形態の枠体、駆動装置、および制御部は、第1実施形態の枠体10、駆動装置40、および制御部60と同等の構成を有するため、重複説明を省略する。ただし、本実施形態の図示を省略した駆動装置の変位ロッドは、撹拌槽20Eの側方に配置される。
図10は、本実施形態の撹拌槽20Eおよび撹拌翼30Eの構成を示した概要図(正面図)である。図11は、本実施形態の撹拌槽20Eおよび撹拌翼30Eの構成を示した概要図(側面図)である。本実施形態の撹拌槽20Eは、第1実施形態の撹拌槽20と類似した構造を有する。しかしながら、図10および図11に示すように、本実施形態の撹拌槽20Eは、側壁部21Eにおいて、貫通孔201E(第4貫通孔)が形成されている。貫通孔201Eは、側壁部21Eを水平方向に貫通する。
撹拌翼30Eは、主軸部31E、1または複数(本実施形態では、3つ)の板状部32E、1または複数(本実施形態では、9つ)の第1可変翼33E、および1または複数(本実施形態では、9つ)の第2可変翼34Eを有する。本実施形態の主軸部31Eは水平に延びる。ただし、本実施形態の主軸部31Eは、一部が上記の撹拌槽20Eの側壁部21Eの貫通孔201Eを貫通し、撹拌槽20Eの側方の外部空間へ露出し、当該外部空間において図示を省略した駆動装置の変位ロッドに接続される。これにより、駆動装置の動力を受けて、撹拌翼30Eの主軸部31Eと、主軸部31Eに固定された板状部32Eと、板状部32Eに固定された第1可変翼33Eおよび第2可変翼34Eとが、軸線9Eに沿って往復移動する。また、本実施形態では、板状部32Eの横断面の外縁の形状は、一例として、略長方形状を有しているものとする。
なお、撹拌槽20Eの貫通孔201Eにおいて、側壁部21Eと主軸部31Eとの間の隙間には、スタティックシール24Eが配置される。スタティックシール24Eは、主軸部31Eが軸線9Eに沿って往復移動するのに伴って、主軸部31Eに固着しつつ柔軟に弾性変形する。これにより、撹拌槽20E内の気密性を容易に確保することができ、撹拌槽20E内にある液体200Eの漏れを抑制することができる。
本実施形態の撹拌翼30Eは、第2実施形態と同様に、板状部32Eにおける、第1周方向位置Pc1に、少なくとも1つの第1貫通孔が設けられ、第1周方向位置とは周方向に90°以上の間隙を隔てた第2周方向位置Pc2に、少なくとも1つの第2貫通孔が設けられる。また、第1可変翼33Eは、第1貫通孔を覆う閉塞位置と、第1貫通孔を開放する開放位置との間で変位可能となる。第2可変翼34Eは、第2貫通孔を覆う閉塞位置と、第2貫通孔を開放する開放位置との間で変位可能となる。また、撹拌槽20Eの内側の液体200Eにおいて、撹拌翼30Eが軸線方向の一方側へ移動するときも、撹拌翼30Eが軸線方向の他方側へ移動するときも、第1周方向位置Pc1において液体200Eの軸線方向の一方側へ向かう流れが生じ、撹拌槽20Eの内側のうち1または複数の板状部32Eよりも軸線方向の一方側において液体200Eの第1周方向位置Pc1から第2周方向位置Pc2へ向かう流れが生じ、第2周方向位置Pc2において液体の軸線方向の他方側へ向かう流れが生じ、撹拌槽20Eの内側のうち1または複数の板状部32Eよりも軸線方向の他方側において液体200Eの第2周方向位置Pc2から第1周方向位置Pc1へ向かう流れが生じ、かつ、液体の流速が一定である。
<6.第6実施形態>
本発明の第6実施形態に係る撹拌装置の構成について説明する。なお、以下では、第2実施形態との相違点を中心に説明し、第2実施形態と同等の部分については、重複説明を一部省略する。
第6実施形態は本体出願の第2実施形態の多分割型であるが、前期板状部を2超、4分割、6分割など4以上の偶数に分割することにより、流線ループを複数化し、各流線ループが相互に合流と分流を繰り返すことにすることにより、混合性能を強化している点である。
図14は、本発明の第6実施形態に係る撹拌装置の構成を概念的に示した図である。前期板状部を2超、4分割、6分割など4以上の偶数に分割するものであるが、最も単純な4分割で円形断面タンク、円形板、撹拌翼1段の場合を例にとり、以下に説明する。分割数は6以上であっても、タンク断面と板形状は円形以外であっても、撹拌翼は多段になっても良い。図15は図14を立体的に示し、発生する4組の流線ループ全てを示した図である。
図14は、本実施形態の撹拌槽20および撹拌翼30の構成を示した概要図である。図15は、本実施形態の撹拌槽20および撹拌翼板状部の第1可変翼配置範囲35、第2可変翼配置範囲36の配置を示した概要図(立体図)である
図14のように板状部を例えば、中心から0°、90°、180°、270°の半径で範囲を4分割し、第1可変翼配置範囲35、第2可変翼配置範囲36を交互に2か所ずつ配置する。
移動方向変換時に1個の1/4の可変翼配置範囲を通った流れが隣接する逆方向の可変翼に略2分割されれば良く、中心から半径で4分割するパターンに限定されない。
撹拌翼30が軸線方向の一方側へ移動後、第1貫通孔72を通過した流れは、他方側へ移動するときに、第1貫通孔と第2貫通孔の開閉が逆転することにより隣接する左右の第2貫通孔に略2分割される。
撹拌翼が軸線方向の他方側へ移動後、第2貫通孔73を通過し流れは、一方側へ移動するときに、第2貫通孔と第1貫通孔の開閉が逆転することにより隣接する左右の第1貫通孔に略2分割される。
前項までの往復運動時のサイクルを繰り返すことは、図15のように4個の流線ループを発生させて、隣合った各流線ループは略2分割と左右からの2個の流れの略半分の合流を繰り返すことになり、これにより最高効率の混合を実現できる。
<7.第7実施形態>
本発明の第7実施形態に係る撹拌装置の構成について説明する。なお、以下では、第1実施形態との相違点を中心に説明し、第1実施形態と同等の部分については、重複説明を一部省略する。
第7実施形態は第1実施形態の改良型であり、対流をより円滑にするためのものである。
図16は第7実施形態に係る撹拌装置の構成を概念的に示した図であり、撹拌槽20および撹拌翼30の構成を示したものである。
撹拌翼の板状部32に中心を頂点として適度な傾斜をつけ、その結果、円錐や四角錐などの錐体の底面を取り除いた形状としたことを特徴とする。
板状部32の傾斜の角度は水平基準で0°から45°までのものであり、撹拌翼のスケール、液体の粘度、撹拌翼の移動速度に適応して、対流を円滑にするため適度に設定される。
傾斜をつける向きは対流を円滑にする向きであり、撹拌翼が発生させる対流の向きに適合するものである。
<8.第8実施形態>
第8実施形態は第2実施形態の改良型であり、循環流をより円滑にするためのものである。
図17は本発明の第8実施形態に係る撹拌装置の構成を概念的に示した図であり、撹拌槽20および撹拌翼30の構成を示したものである
撹拌翼の板状部32に適度な傾斜をつけた状態で軸に固定したもの。多段翼の場合は、傾斜の向きと角度を各段の翼で揃えると良い。
傾斜の角度は水平基準で0°から45°までのものであり、撹拌翼のスケール、液体の粘度、撹拌翼の移動速度に適応して、循環流を円滑にするため適度に設定される。
傾斜をつける向きは循環流を円滑にする向きであり、撹拌翼が発生させる循環流の向き適合するものである。
傾斜に伴い、傾斜方向に投影面積が小さくなるため、これを補う目的で、傾斜方向の板寸法を大きくすると良い。
<9.第9実施形態>
第9実施形態は第1実施形態から第6実施形態までの改良型であり、可変翼のレイアウトを工夫することにより、従来の対流に周方向の流れを追加し螺旋流(旋回流)を発生させるものである。
図18は第9実施形態に係る撹拌装置の構成を概念的に示した図である。
以下、第1実施形態に適用した例について、説明する。
第1実施形態との相違点を中心に説明し、第1実施形態と同等の部分については、重複説明を一部省略する。
図18は、本実施形態の撹拌翼板状部32における第1可変翼33、第2可変翼34、第1貫通孔72、第2貫通孔73の配置と第1可変翼33、第2可変翼34の開放向きを示したものである。
図18のように第1可変翼33を板状部32との固定部分の配置を回転対称としたもの。これにより、可変翼開放時の流れに周方向の回転要素が加わり、元々の対流の動きと合わさって、螺旋流になる。
図18のように第2可変翼34と板状部32との固定部分の配置を回転対称としたもの。可変翼開放時の流れに回転要素が加わり、元々の対流の動きと合わさって、螺旋流になる。
螺旋流とすることにより、単純な対流よりも混合性能が向上する。また、フラップの開放向きを揃えることにより、フラップ通過後の流れ同士の衝突によるエネルギー損失を回避できる。
<10.第10実施形態>
第10実施形態は多段式撹拌翼の改良型であり、多段式撹拌翼特有の占有体積の大きさを折畳機構によって、収納時に高さと体積を最小化するものである。
図19は第10実施形態に係る撹拌装置の構造を概念的に示した図であり、主軸部31と板状部32を示したものである。
図19のように多段撹拌翼間の中心軸1本の支持棒を板状部周縁3本以上配置に変更したものである。
周縁の各支持棒の両端にロッドロッドアンテナ基部のような折り曲げ機構と、展開時の固定機構を持たせる。
収納時には高さを抑えて体積を最小化し、使用時には構造的な剛性を確保した多段式の撹拌翼を実現できる構造。
<11.第11実施形態>
第11実施形態は可変翼の構造に関するものである。
図20は第11実施形態に係る撹拌装置の構成を概念的に示した図であり、撹拌翼の板状部32の可変翼33(34)の取付構造を示したものである。
図20のように第1可変翼33のベースを弾性体331とし、変形させたくない部分には剛性部材83Fを固着させる。これにより、開放時の角度を調整すると同時に、ヒンジ構造のような開閉動作を実現できる。
同様に、第2可変翼34のベースを弾性体341とし、変形させたくない部分には剛性部材84Fを固着させる。これにより、開放時の角度を調整すると同時に、ヒンジ構造のようなめりはりのある開閉動作を実現できる。
第1可変翼33は全体を一体物の弾性体としても良く、いわゆるリビングヒンジのように、全体を厚めに作り、変形させたい部分のみを薄くしたり、溝形状としても良い。これにより、開放時の角度を調整すると同時に、ヒンジ構造のようなめりはりのある開閉動作を実現できる。
同様に、第2可変翼34は全体を一体物の弾性体としても良く、いわゆるリビングヒンジのように、全体を厚めに作り、変形させたい部分のみを薄くしたり、溝形状としても良い。これにより、開放時の角度を調整すると同時に、ヒンジ構造のようなめりはりのある開閉動作を実現できる。
<12.変形例>
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではない。
上記の第1実施形態においては、第1可変翼33は、柔軟な素材からなる板状の第1弾性部材331を含み、板状部32における第1貫通孔72の周縁部において、本体部71に、ねじ332を用いて固定されていた。しかしながら、図12上図の変形例に示すように、第1可変翼33Fは、板状の第1剛性部材83Fを含んでもよい。そして、第1可変翼33Fの一部が板状部32における第1貫通孔72の周縁部において、本体部71に、第1ヒンジ741Fを介して間接的に固定されてもよい。これにより、第1可変翼33Fは、第1貫通孔72を覆う閉塞位置と、第1貫通孔72を開放する開放位置との間で変位可能となる。また、図12上図に示すように、第1ヒンジ741Fと本体部71との間に、弾性を有するストッパーである第1制限部材751Fを設けることが望ましい。仮に、第1制限部材751Fを設けない場合、第1可変翼33Fが第1貫通孔72に対して90°以上開いてしまった場合には、自然に戻ることができない。そこで、第1制限部材751Fを用いて、本体部71に対する第1可変翼33Fの傾斜角度が最大で80°程度となるように、制限することが望ましい。
同様に、第2可変翼34Fは、板状の第2剛性部材84Fを含んでもよい。そして、第2可変翼34Fの一部が板状部32における第2貫通孔73の周縁部において、本体部71に、第2ヒンジ742Fを介して間接的に固定されてもよい。これにより、第2可変翼34Fは、第2貫通孔73を覆う閉塞位置と、第2貫通孔73を開放する開放位置との間で変位可能となる。また、第2ヒンジ742Fと本体部71との間に、弾性を有するストッパーである第2制限部材752Fを設けることが望ましい。これにより、同様に、第2制限部材752Fを用いて、本体部71に対する第2可変翼34Fの傾斜角度が最大で80°程度となるように、制限することが望ましい。
上記の第1実施形態において、第1可変翼33は、板状部32における第1貫通孔72の僅かに径方向外側において、本体部71に固定されていた。また、第2可変翼34は、板状部32における第2貫通孔73の僅かに径方向内側において、本体部71に固定されていた。しかしながら、第1可変翼33および第2可変翼34の本体部71に対する固定位置は、これに限定されない。例えば、第1可変翼33は、本体部71のうち、第1貫通孔72の僅かに周方向外側(隣接する第1貫通孔72との間)に固定されてもよい。また、第2可変翼34は、本体部71のうち、第2貫通孔73の僅かに周方向外側(隣接する第2貫通孔73との間)に固定されてもよい。このように、第1可変翼33は、本体部71の軸線方向の一方側へ離間する向きを適宜変更可能である。また、第2可変翼34は、本体部71の軸線方向の他方側へ離間する向きを適宜変更可能である。
さらに、第1可変翼33および第2可変翼34は、液体の圧力を受けることにより本体部71に対して開く角度の最大値を、調整可能に固定されてもよい。これにより、第1可変翼33を、本体部71に対して開く角度の最大値が少し狭くなるように固定すると、撹拌翼30の往復移動時に第1貫通孔72を通過する液体200の向きを軸線方向の一方側に対して少し傾斜させることができる。また、第2可変翼34を、本体部71に対して開く角度の最大値が少し狭くなるように固定すると、撹拌翼30の往復移動時に第2貫通孔73を通過する液体200の向きを軸線方向の他方側に対して少し傾斜させることができる。この結果、撹拌槽20の内側の液体200において、全体的には向きと流速が一定な循環流を継続して生じさせる一方で、液体200の流れの様相に一定の変化を与えることができる。
また、図12下図のように、第1可変翼33および第2可変翼34の側面をL字形状にすることで、本体部71に対して開く角度の最大値を調整可能である。
上記の実施形態においては、撹拌翼は、主軸部に対して3段の板状部が設けられた多段式構造を有し、各板状部に対して第1可変翼および第2可変翼が固定されていた。しかしながら、撹拌翼は単段式構造を有してもよい。すなわち、撹拌翼は、主軸部と、1つの板状部と、当該1つの板状部にそれぞれの一部が固定された1または複数の第1可変翼と、当該1つの板状部にそれぞれの一部が固定された1または複数の第2可変翼と、を有していればよい。また、当該1つの板状部は、本体部と、1または複数の第1貫通孔と、1または複数の第2貫通孔とを有し、各第1可変翼が第1貫通孔を閉塞または開放し、各第2可変翼が第2貫通孔を閉塞または開放する構造を有していればよい。ただし、撹拌翼が多段式構造を有する方が、液体を撹拌するための撹拌翼の軸線方向に沿った往復移動や、往復に要する時間を短くすることができる。また、撹拌翼において、主軸部に対して、2段または4段以上の板状部が設けられてもよい。なお、撹拌槽の内側の体積を考慮しつつ、撹拌翼の各部の大きさや板状部の段数を設定することが望ましい。
上記の実施形態および変形例においては、1または2つの撹拌翼を有する撹拌装置が開示されていた。しかしながら、撹拌装置は、3つ以上の撹拌翼を有していてもよい。
また、撹拌装置の細部の構成については、本願に示された構成と、相違していてもよい。また、上記の実施形態や変形例に登場した各要素を、矛盾が生じない範囲で、適宜に組み合わせてもよい。
1 撹拌装置
9,9B,9D,9E,9X,9Y 軸線
20,20B,20C,20D,20E 撹拌槽
21,21E 側壁部
22,22D 底面部
25 (撹拌槽の)内面
30,30B,30C,30D,30E 撹拌翼
31,31B,31D,31E,31X,31Y 主軸部
32,32B,32C,32D,32E,32X,32Y 板状部
33,33B,33C,33D,33E,33F 第1可変翼
34,34B,34C,34D,34E,34F 第2可変翼
35 第1可変翼配置範囲
36 第2可変翼配置範囲
40 駆動装置
60 制御部
71,71B 本体部
72,72B,72C 第1貫通孔
73,73B,73C 第2貫通孔
83F 第1剛性部材
84F 第2剛性部材
91C 第1軸線
92C 第2軸線
200,200B,200C,200D,200E 液体
201D 貫通孔(第3貫通孔)
201E 貫通孔(第4貫通孔)
301C 第1撹拌翼
302C 第2撹拌翼
311C 第1主軸部
312C 第2主軸部
321C 第1板状部
322C 第2板状部
331 第1弾性部材
341 第2弾性部材
711C 第1本体部
712C 第2本体部
741F 第1ヒンジ
742F 第2ヒンジ
751F 第1制限部材
752F 第2制限部材
Ics 内周側
Ocs 外周側
BF 底面
LS 液面
Pc1 第1周方向位置
Pc2 第2周方向位置
Pd1 第1径方向位置
Pd2 第2径方向位置
Ps1 第1所定位置
Ps2 第2所定位置
Ds 所定距離

Claims (8)

  1. 撹拌槽の内側にある液体を撹拌する撹拌装置であって、
    駆動装置に直接的または間接的に接続されることにより、前記駆動装置の動力を受けて軸線に沿って往復移動可能な撹拌翼
    を有し、
    前記撹拌翼は、
    前記軸線に沿って延びる主軸部と、
    前記主軸部に直接的または間接的に固定され、径方向に拡がる板状部と、
    前記板状部に一部が固定される第1可変翼と、
    前記第1可変翼とは径方向または周方向に異なる位置に設けられ、かつ、前記板状部に一部が固定される第2可変翼と、
    を有し、
    前記板状部は、
    本体部と、
    前記本体部の一部を前記軸線方向に貫通する第1貫通孔と、
    前記第1貫通孔とは径方向または周方向に異なる位置において、前記本体部の一部を前記軸線方向に貫通する第2貫通孔と、
    を有し、
    前記第1可変翼は、前記第1貫通孔を前記軸線方向の一方側から覆う閉塞位置と、一部が前記本体部よりも前記軸線方向の一方側へ離間して前記第1貫通孔を開放する開放位置との間で変位可能であり、
    前記第2可変翼は、前記第2貫通孔を前記軸線方向の他方側から覆う閉塞位置と、一部が前記本体部よりも前記軸線方向の他方側へ離間して前記第2貫通孔を開放する開放位置との間で変位可能である、撹拌装置であり、
    前記第1可変翼は、前記撹拌翼が前記軸線方向の一方側へ移動するときに、前記液体の圧力を受けて変位して前記第1貫通孔を前記軸線方向の一方側から閉塞し、前記撹拌翼が前記軸線方向の他方側へ移動するときに、前記液体の圧力を受けて変位して前記第1貫通孔を開放し、
    前記第2可変翼は、前記撹拌翼が前記軸線方向の一方側へ移動するときに、前記液体の圧力を受けて変位して前記第2貫通孔を開放し、前記撹拌翼が前記軸線方向の他方側へ移動するときに、前記液体の圧力を受けて変位して前記第2貫通孔を前記軸線方向の他方側から閉塞する、撹拌装置であり、
    前記撹拌翼は、
    前記主軸部と、
    互いに軸線方向に間隙を隔てて配置され、かつ、それぞれが前記主軸部に直接的または間接的に固定される1つあるいは複数の前記板状部と、
    前記複数の板状部のそれぞれに一部が固定される複数の前記第1可変翼と、
    前記複数の板状部のそれぞれに一部が固定される複数の前記第2可変翼と、
    を有し、
    前記複数の板状部はそれぞれ、前記本体部と、1または複数の前記第1貫通孔と、1または複数の前記第2貫通孔とを有する、撹拌装置であり、
    前記第1可変翼は、板状の第1弾性部材を含み、前記板状部における前記第1貫通孔の周縁部において前記本体部に、一部が直接的に接触しつつ固定される、あるいは、前記板状部における前記第1貫通孔の周縁部において前記本体部に、一部が第1ヒンジを介して間接的に固定され、
    前記第1ヒンジと前記本体部との間に、前記本体部に対する前記第1可変翼の傾斜角度を制限する第1制限部材が設けられる、撹拌装置であり、
    前記第2可変翼は、板状の第2弾性部材を含み、前記板状部における前記第2貫通孔の周縁部において前記本体部に、一部が直接的に接触しつつ固定される、あるいは、前記板状部における前記第2貫通孔の周縁部において前記本体部に、一部が第2ヒンジを介して間接的に固定され、
    前記第2ヒンジと前記本体部との間に、前記本体部に対する前記第2可変翼の傾斜角度を制限する第2制限部材が設けられる、撹拌装置であり、
    前記板状部における前記軸線方向に対して垂直な横断面の外縁は、前記撹拌槽の内面に沿う形状であり、かつ、前記内面から間隙を隔てて内側に位置する、撹拌装置であり、
    板状部を2超、4以上の偶数に分割し、第1貫通孔と第2貫通孔を同数で交互に配置し、
    前記撹拌翼が前記軸線方向の一方側へ移動後、第1貫通孔を通過した流れは、他方側へ移動するときに、第1貫通孔と第2貫通孔の開閉が逆転することにより隣接する左右の第2貫通孔に略2分割され、第2貫通孔で左にある第1貫通孔からの流れと右にある第1貫通孔からの流れが合流し、混合され、
    前記撹拌翼が前記軸線方向の他方側へ移動後、第2貫通孔を通過した流れは、一方側へ移動するときに、第2貫通孔と第1貫通孔の開閉が逆転することにより隣接する左右の第1貫通孔に略2分割され、第1貫通孔で左にある第2貫通孔からの流れと右にある第2貫通孔からの流れが合流し、混合され、
    往復運動により上記サイクルを繰り返すことは、略2分割と左右からの2個の流れの合流、混合を繰り返すことで、効率よく混合する構造の撹拌装置。
  2. 前記板状部における、第1径方向位置に、1または複数の前記第1貫通孔が互いに周方向に間隔を隔てて設けられ、前記第1径方向位置とは異なる第2径方向位置に、1または複数の前記第2貫通孔が互いに周方向に間隔を隔てて設けられ、
    前記撹拌翼は、1または複数の前記第1貫通孔を閉塞し、または開放する1または複数の前記第1可変翼と、1または複数の前記第2貫通孔を閉塞し、または開放する 1または複数の前記第2可変翼を有する、撹拌装置であり、
    前記撹拌翼の前記主軸部は上下方向に延び、前記軸線方向の一方側は下側であり、前記軸線方向の他方側は上側であり、
    前記板状部における、前記第1径方向位置に、1または複数の前記第1貫通孔が互いに周方向に間隔を隔てて設けられ、前記第1径方向位置よりも径方向外側の前記第2径方向位置に、1または複数の前記第2貫通孔が互いに周方向に間隔を隔てて設けられ、
    1または複数の前記第1可変翼は、1または複数の前記第1貫通孔を下側から閉塞し、または開放し、
    1または複数の前記第2可変翼は、1または複数の前記第2貫通孔を上側から閉塞し、または開放し、
    前記撹拌翼が下側へ移動するときも、前記撹拌翼が上側へ移動するときも、前記主軸部の周囲のうちの内周側において前記液体の前記軸線方向の下側へ向かう流れが生じ、前記撹拌槽の底面側において前記液体の径方向外側へ向かう流れが生じ、前記主軸部の周囲のうちの外周側において前記液体の前記軸線方向の上側へ向かう流れが生じ、前記液体の液面側において前記液体の径方向内側へ向かう流れが生じ、かつ、前記液体の流速が一定である、撹拌装置であるか、
    あるいは前記撹拌翼の前記主軸部は上下方向に延び、前記軸線方向の一方側は上側であり、前記軸線方向の他方側は下側であり、
    前記板状部における、前記第1径方向位置に、1または複数の前記第1貫通孔が互いに周方向に間隔を隔てて設けられ、前記第1径方向位置よりも径方向外側の前記第2径方向位置に、1または複数の前記第2貫通孔が互いに周方向に間隔を隔てて設けられ、
    1または複数の前記第1可変翼は、1または複数の前記第1貫通孔を上側から閉塞し、または開放し、
    1または複数の前記第2可変翼は、1または複数の前記第2貫通孔を下側から閉塞し、または開放し、
    前記撹拌翼が上側へ移動するときも、前記撹拌翼が下側へ移動するときも、前記主軸部の周囲のうちの内周側において前記液体の前記軸線方向の上側へ向かう流れが生じ、前記液体の液面側において前記液体の径方向外側へ向かう流れが生じ、前記主軸部の周囲のうちの外周側において前記液体の前記軸線方向の下側へ向かう流れが生じ、前記撹拌槽の底面側において前記液体の径方向内側へ向かう流れが生じ、かつ、前記液体の流速が一定である、撹拌装置であり、
    撹拌翼の板状部を撹拌槽の内面に沿う形状の円錐や四角錐などの錐体の底面を除いた形状にすることで、発生する対流をより円滑にした撹拌装置。
  3. 前記板状部における、第1周方向位置に、少なくとも1つの前記第1貫通孔が設けられ、前記第1周方向位置とは周方向に90°以上の間隙を隔てた第2周方向位置に、少なくとも1つの前記第2貫通孔が設けられ、
    前記撹拌翼が前記軸線方向の一方側へ移動するときも、前記撹拌翼が前記軸線方向の他方側へ移動するときも、前記第1周方向位置において前記液体の前記軸線方向の一方側へ向かう流れが生じ、前記液体の液面側において前記液体の前記第1周方向位置から前記第2周方向位置へ向かう流れが生じ、前記第2周方向位置において前記液体の前記軸線方向の他方側へ向かう流れが生じ、前記撹拌槽の底面側において前記液体の前記第2周方向位置から前記第1周方向位置へ向かう流れが生じ、かつ、前記液体の流速が一定である、撹拌装置であり、
    板状部を撹拌槽の内面に沿う形状で、意図する流れの向きをより円滑にする向きに板状部の取付角度を適度に傾斜させた撹拌装置であり、
    傾斜した方向に板状部の底面投影面積が減少するため、これを補うために傾斜方向の寸法を長くした構造にすることもある撹拌装置。
  4. 請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の撹拌装置であって、
    第1可変翼の可変翼と板状部との固定部分の配置を回転対称とすることにより、周方向の流れを加えて、螺旋流を発生させるようにした撹拌装置。
  5. 請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の撹拌装置であって、
    第2可変翼の可変翼と板状部との固定部分の配置を回転対称とすることにより、周方向の流れを加えて、螺旋流を発生させるようにした撹拌装置。
  6. 請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載の撹拌装置であって、
    複数の板状部間を中心軸ではなく、板状部周縁部に3本以上、棒状部材の両端に折り曲げ機構と固定機構を持ち、板状部間の空間を展開時よりも小さくできるようにした撹拌装置。
  7. 前記第1可変翼は、板状の第1弾性部材を含み、前記板状部における前記第1貫通孔の周縁部において前記本体部に、一部が直接的に接触しつつ固定される、撹拌装置であり、
    この可変翼のうち、変形に必要な部分以外を厚くする、剛性材などを固定して補強するなどして、変形部分と開放時の角度を限定した可変翼をもつ撹拌装置。
  8. 前記第2可変翼は、板状の第2弾性部材を含み、前記板状部における前記第2貫通孔の周縁部において前記本体部に、一部が直接的に接触しつつ固定される、撹拌装置であり、
    この可変翼のうち、変形に必要な部分以外を厚くする、剛性材などを固定して補強するなどして、変形部分と開放時の角度を限定した可変翼をもつ撹拌装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR102601917B1 (ko) * 2023-04-03 2023-11-14 주식회사 한신식품 스파이시 양념 소스 제조 방법 및 이에 의해 제조된 스파이시 양념 소스

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