JP2023036485A - 制御装置及び制御方法 - Google Patents

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Abstract

Figure 2023036485000001
【課題】経年劣化による燃料の実噴射量の変動を減らす。
【解決手段】制御装置(10)は、コモンレールシステム(50)の現在の運転条件(x1~xn)に基づいて、コモンレールシステム(50)が新品の時にアイソクロナス制御によって計算される目標噴射量を予測することにより、新品時の予測噴射量(Yp)を出力する予測部(22)と、予測噴射量(Yp)に対する補正量(Qc)が関連付けられた補正マップ(23T)を記憶する記憶部(232)と、補正マップ(23T)に基づいて、予測噴射量(Yp)に対応する補正量(Qc)を計算する補正量計算部(231)と、アイソクロナス制御によって計算される現在の目標噴射量(Y)に補正量(Qc)を加算することにより、補正された目標噴射量(Ya)を出力する補正値計算部(25)と、を備える。
【選択図】図2

Description

本発明は、制御装置及び制御方法に関する。
ディーゼルエンジンに燃料を供給するコモンレールシステムは、アイソクロナス制御によって制御されることがある(例えば、特許文献1参照)。アイソクロナス制御によれば、負荷の増減があっても燃料の目標噴射量を調整することにより、目標エンジン回転数を維持することができる。よって、負荷が増減しやすい掘削機、ホイールローダ等の産業用(OHW:Off Highway)車両において、アイソクロナス制御が行われることが多い。
特開2007-198299号公報
コモンレールシステムでは、インジェクタの経年劣化によって、インジェクタの通電時間及びコモンレールのレール圧が同じでも燃料の実噴射量が変動することがある。実噴射量は増えることもあるが、通常は減っていくことが多い。実噴射量が減ると、ある回転数で所定の負荷を保つため、アイソクロナス制御により計算される目標噴射量が新品時よりも増えていく。
過剰なトルク上昇を防ぐため、通常は目標噴射量に上限が設けられる。劣化が進み、目標噴射量がこの上限に至ると、それ以上は実噴射量を増やすことができなくなるため、新品時には可能であった高負荷の作業が制限されてしまう。またコモンレールのレール圧は目標噴射量に対してコモンレールの目標レール圧が定められたレール圧マップに基づいて制御される。目標噴射量が新品時より増えるとレール圧マップの読み取り位置が変わるため、目標レール圧が変化し、エミッションに影響が出る。
本発明は、経年劣化による燃料の実噴射量の変動を減らすことを目的とする。
本発明の一態様は、コモンレールシステム(50)における燃料の噴射量をアイソクロナス制御によって調整する制御装置(10)である。前記制御装置(10)は、前記コモンレールシステム(50)の現在の運転条件(x1~xn)に基づいて、前記コモンレールシステム(50)が新品の時に前記アイソクロナス制御によって計算される目標噴射量を予測することにより、新品時の予測噴射量(Yp)を出力する予測部(22)と、前記予測噴射量(Yp)に対する補正量(Qc)が関連付けられた補正マップ(23T)を記憶する記憶部(232)と、前記補正マップ(23T)に基づいて、前記予測噴射量(Yp)に対応する補正量(Qc)を計算する補正量計算部(231)と、前記アイソクロナス制御によって計算される現在の目標噴射量(Y)に前記補正量(Qc)を加算することにより、補正された目標噴射量(Ya)を出力する補正値計算部(25)と、を備える。
本発明の他の一態様は、コモンレールシステム(50)における燃料の噴射量をアイソクロナス制御によって調整する制御方法である。前記制御方法は、前記コモンレールシステム(50)の現在の運転条件(x1~xn)に基づいて、前記コモンレールシステム(50)が新品の時に前記アイソクロナス制御によって計算される目標噴射量を予測し、予測噴射量(Yp)を出力するステップと、前記予測噴射量(Yp)に対する補正量(Qc)が関連付けられた補正マップ(23T)に基づいて、前記予測噴射量(Yp)に対応する前記補正量(Qc)を計算するステップと、前記アイソクロナス制御によって計算される現在の目標噴射量(Y)に前記補正量(Qc)を加算することにより、補正された目標噴射量(Ya)を出力するステップと、を含む。
本発明によれば、経年劣化による燃料の実噴射量の変動を減らすことができる。
本実施形態の制御装置とコモンレールシステムを説明する図である。 補正部の構成を示すブロック図である。 制御装置が燃料の噴射量を制御する処理を示すフローチャートである。 補正マップの一例を示す図である。 更新された補正マップの例を示す図である。 現在の目標噴射量、新品時の予測噴射量及び補正された目標噴射量の相関関係を示すグラフである。
以下、本発明の制御装置の一実施形態として、OHW車両に搭載されたディーゼルエンジンへの燃料の供給を制御する電子制御装置(ECU:Electronic Control Unit)について、図面を参照して説明する。以下の説明は本発明の一例(代表例)であり、本発明はこれに限定されない。
図1は、本実施形態のECU10とその制御対象であるコモンレールシステム50を例示する。ECU10は、通常マイクロコンピュータやRAM、ROM等のメモリ等から構成される。
コモンレールシステム50は、内燃機関であるディーゼルエンジンに燃料を供給する。コモンレールシステム50は、燃料タンク51、低圧ポンプ52、高圧ポンプ53、コモンレール54及び複数のインジェクタ55を備える。
低圧ポンプ52は、燃料タンク51内の燃料を吸い上げて高圧ポンプ53に供給する。高圧ポンプ53は、燃料を加圧してコモンレール54に圧送する。高圧ポンプ53には、制御弁531及び532が設けられる。制御弁531は高圧ポンプ53へ流入する燃料の流量を調整する。制御弁532は燃料の一部を燃料タンク51へ戻して、低圧ポンプ52から送られた燃料の圧力を一定に調整する。制御弁531及び532の開閉は、ECU10によって制御される。
コモンレール54は、高圧ポンプ53から圧送される高圧の燃料を蓄積し、各インジェクタ55に高圧の燃料を供給する。コモンレール54には、センサ541及び制御弁542が設けられる。センサ541はコモンレール54の圧力(以下、レール圧という)を検出する。制御弁542は、燃料の一部を燃料タンク51へ戻すことにより、レール圧を調整する。制御弁542の開閉は、ECU10によって制御される。
インジェクタ55は、噴射孔が設けられたノズルボディ、ノズルボディ内を移動するノズルニードル、ノズルニードルの移動を制御する制御弁551等により構成される。制御弁551がノズルニードルの移動を制御することにより、噴射孔が開閉され、インジェクタ55からディーゼルエンジンの気筒内に燃料が噴射される。インジェクタ55としては、例えば制御弁551として電磁ソレノイドを用いた電磁制御型のインジェクタや、制御弁551としてピエゾアクチュエータを用いた電歪型のインジェクタ等を用いることができる。
ECU10には、上記レール圧のセンサ541だけでなく、各種センサd1~dnによって検出された信号が入力される。検出信号は、例えばディーゼルエンジンの回転数、ディーゼルエンジンの冷却水の温度、コモンレール54に供給される燃料の温度、車両のアクセル開度等のエンジン及びコモンレールシステム50の運転条件のパラメータを含む。
ECU10は、各検出信号に基づいて上記各制御弁542、551等の開閉を制御することにより、コモンレールシステム50における燃料の噴射量を制御する。ECU10は、燃料噴射量の制御のため、アイソクロナス制御部11、補正部12、コモンレール制御部13及び記憶装置14を備える。
アイソクロナス制御部11は、アイソクロナス制御によってコモンレールシステム50から供給する燃料噴射量の目標値(以下、目標噴射量という)Yを計算する。アイソクロナス制御では、通常、車両の運転モードに応じた目標エンジン回転数をECU10が計算し、その回転数を維持するように要求トルク、つまり目標噴射量を調整する。アイソクロナス制御によれば、エンジンに加わる負荷の変動に合わせて目標噴射量が調整されるので、負荷によらず一定のエンジン回転数を維持することができる。
このようなアイソクロナス制御は、従来、農耕用車両や建築用車両等のOHW車両におけるエンジン回転制御の1つとして実用されている。アイソクロナス制御自体が本発明特有のものではないため、目標噴射量Yの計算方法は公知の方法によって行うことができる。
補正部12は、アイソクロナス制御部11によって計算された目標噴射量Yを補正し、補正された目標噴射量Yaを出力する。インジェクタ55の燃料噴射量が経年劣化によって変動すると、アイソクロナス制御によって計算された目標噴射量Yも新品時から変動する。補正部12は、劣化後の燃料の実噴射量が新品時と同じとなるように目標噴射量Yを補正する。
コモンレール制御部13は、補正された目標噴射量Yaに基づいてインジェクタ55の制御弁551へ送信する制御信号を生成する。例えば、制御弁551が電磁ソレノイドの場合、制御信号はパルス信号である。コモンレール制御部13は、現在のコモンレール54のレール圧Rpと目標噴射量Yaに基づいて、インジェクタ55の制御弁551の通電時間、つまり燃料を噴射する時間を決定する。コモンレール制御部13は、決定した通電時間に応じたデューティ比のパルス信号を生成する。またコモンレール制御部13は、コモンレール54の目標レール圧を計算し、目標レール圧となるようにコモンレールシステム50の各制御弁531、532又は542への制御信号を生成する。
なお、アイソクロナス制御が開始されるまでは、コモンレール制御部13では通常のエンジン回転制御が実行される。 すなわち、実エンジン回転数、アクセル開度、レール圧等の検出信号に基づいて目標噴射量や目標レール圧等のエンジン回転制御に必要な目標値が計算される。計算された目標値に基づいて燃料噴射量が制御され、所望のエンジン回転状態が達成される。
記憶装置14は、アイソクロナス制御部11、補正部12及びコモンレール制御部13が計算に使用する各種マップ等のデータを記憶する。記憶装置14としては、例えばハードディスクやROM等のメモリを使用することができる。
図2は、補正部12の構成を示す。
補正部12は、取得部21、予測部22、補正量計算部231、記憶部232、減算部233、乗算部234、更新部235、減算部241、計算部242、減算部243、補正値計算部25及び検出部26を備える。
このような構成の補正部12は、加算、減算、又は乗算を行う演算モジュール、メモリ等のハードウェア資源を用いて実現されてもよい。また補正部12は、後述するフローチャートをマイクロコンピュータやCPU等のプロセッサに読み取らせて実行させることにより、ソフトウェア処理として実現されてもよい。
取得部21は、アイソクロナス制御部11によって計算された現在の目標噴射量Yを取得する。また取得部21は、目標噴射量Yの補正に必要なコモンレールシステム50の運転条件のパラメータx1~xnを取得する。パラメータx1~xnは、センサ541によって検出されたコモンレール54の現在のレール圧Rpを含む。
予測部22は、パラメータx1~xnから、コモンレールシステム50が新品の時にアイソクロナス制御部11によって計算される目標噴射量を予測する。予測部22は、予測された目標噴射量(以下、予測噴射量という)Ypを出力する。本実施形態において、予測部22は、ニューラルネットワーク等の機械学習を行う学習モデル22Mを有し、当該学習モデル22Mによって予測噴射量Ypを計算する。
補正量計算部231は、記憶部232が記憶する補正マップ23Tを読み出し、当該補正マップ23Tに基づいて予測噴射量Ypと現在のレール圧Rpとに対応する補正量Qcを計算する。
記憶部232は、補正マップ23Tを記憶する。補正マップ23Tでは、予測噴射量Ypに対する補正量Qcがレール圧Rpごとに関連付けられる。
減算部233は、現在の目標噴射量Yから予測噴射量Ypを減算し、その差ΔQy(ΔQy=Y-Yp)を出力する。
乗算部234は、差ΔQyに学習率Irを乗算し、その乗算値Ir×ΔQを出力する。
更新部235は、乗算値Ir×ΔQを用いて、予測噴射量Ypとレール圧Rpとに関連付けられた補正量Qcの更新値を計算し、補正マップ23Tの補正量Qcを更新値に書き換える。
減算部241は、予測噴射量Ypから新品時の目標噴射量に対して予め定められている上限値Qlimを減算し、その差ΔQlim(ΔQlim=Yp-Qlim)を出力する。
計算部242は、max{ΔQlim,0}を計算し、差ΔQlimと0のうち大きい方を出力する。
減算部243は、補正量計算部231によって計算された補正量Qcから、計算部242から出力されたΔQlim又は0を減算することにより、修正された補正量Qcを出力する。
補正値計算部25は、現在の目標噴射量Yに、減算部243により修正された補正量Qcを加算することにより、補正された目標噴射量Yaを出力する。
検出部26は、補正量計算部231から出力された補正量Qcが、Th1以上Th2以下の一定範囲内にあるか否か、つまりTh1≦Qc≦Th2を満たすか否かを判定する。Th1及びTh2は、それぞれ正常な補正量Qcの下限値と上限値であり、Th1<Th2を満たす。補正量Qcが一定範囲内にない場合、検出部26はエラーの検出信号Errorを出力する。
図3は、ECU10における燃料噴射量の制御の流れを示す。
まずコモンレール制御部13が、燃料噴射量の制御モードがアイソクロナス制御モードであるか否かを判定する(ステップS1)。アイソクロナス制御モードでなければ(ステップS1:NO)、本処理は終了する。アイソクロナス制御モードの場合(ステップS1:YES)、コモンレール制御部13は、補正部12による目標噴射量Yの補正を有効にする。
補正部12では、取得部21が、コモンレールシステム50の現在の運転条件を表すパラメータx1~xnと、アイソクロナス制御部11によって計算された現在の目標噴射量Yとを取得する(ステップS2)。取得部21は、パラメータx1~xnを予測部22に出力し、現在の目標噴射量Yを減算部233及び補正値計算部25に出力する。また取得部21は、パラメータx1~xnから現在のレール圧Rpのパラメータを抽出し、補正量計算部231及び更新部235に出力する。
予測部22は、学習モデル22Mにより、コモンレールシステム50が新品の時にアイソクロナス制御によって計算される目標噴射量を予測する。予測部22は、その予測噴射量Ypを補正量計算部231、減算部233及び241に出力する(ステップS3)。学習モデル22Mは、パラメータx1~xnの入力に対し、予測噴射量Ypを出力する。
学習モデル22Mは、予め複数の訓練データを機械学習することにより、構築される。訓練データは、新品のコモンレールシステム50を運転させた時にアイソクロナス制御によって計算された目標噴射量Yに、その時の運転条件、つまりパラメータx1~xnが関連付けられたデータセットである。
例えば、ニューラルネットワークを用いた学習モデル22Mの学習を行う場合、訓練データのパラメータx1~xnを学習モデル22Mに入力する。学習モデル22Mからの出力と訓練データの目標噴射量Yとの誤差が小さくなるようにニューラルネットワーク内の重みやバイアス等のパラメータを更新する。更新を複数の訓練データを用いて繰り返すと、任意のパラメータx1~xnの入力に対し、新品のコモンレールシステム50を使用した時の予測噴射量Ypを出力する学習モデル22Mが構築される。
パラメータx1~xnとしては、負荷が加わったエンジンに対して必要な燃料噴射量をアイソクロナス制御によって計算できるパラメータであれば、どのようなパラメータが用いられてもよい。パラメータの異なる組み合わせのうち、学習モデル22Mの予測精度が高いときの組み合わせが、パラメータx1~xnとして選択されてもよい。
各種パラメータx1~xnとしては、次のような例が挙げられる。
x1:車両の油圧作動オイルの圧力
x2:車両の油圧作動オイルの温度
x3:コモンレールのレール圧
x4:エンジン回転数
x5:高圧ポンプからコモンレールへの燃料流量指示値
x6:エンジン冷却水温度
x7:コモンレールへ送られる燃料の温度
x8:エンジンオイルの温度
・・・
xn:インジェクタの噴射パターン
パラメータx1~xnは、高温、低温、高地、又は低地等の様々な環境下で、新品のコモンレールシステム50の運転条件を各種センサd1~dn及び541によって検出することによって、取得することができる。
コモンレールシステム50は個体差があり、目標噴射量Yに対する実噴射量が噴射量の規格値からずれて、同種のコモンレールシステム50間で噴射量がばらつくことがある。よって、噴射量の中央特性を有するコモンレールシステム50を新品時に運転させたときの運転条件のパラメータx1~xnと目標噴射量Yを取得して、様々な環境下の訓練データを生成することが好ましい。噴射量の中央特性とは、目標噴射量Yに対する実噴射量が規格値から一定範囲内(規格値±α)にあることを意味する。このような訓練データを学習モデル22Mが機械学習することにより、学習モデル22Mは、コモンレールシステム50が新品であって、かつ噴射量の中央特性を有する場合(以下、噴射量の中央特性を有するコモンレールシステム50を中央品ということがある)の予測噴射量Ypを出力することができる。
なお、予測噴射量Ypは、コモンレール制御部13にも出力される。コモンレール制御部13は、レール圧マップに基づいて、予測噴射量Ypからコモンレール54の目標レール圧を計算する。レール圧マップは、目標噴射量に対し必要な目標レール圧が関連付けられたテーブルであり、記憶装置14に保存されている。
補正量計算部231は、記憶部232から補正マップ23Tを読み出す。補正量計算部213は、補正マップ23Tに基づいて、取得部21から出力された現在のレール圧Rpと、予測部22から出力された予測噴射量Ypとから補正量Qcを計算する(ステップS4)。
図4Aは、補正マップ23Tの一例を示す。
補正マップ23Tには、予測噴射量Yp[mg]に対する補正量Qc[mg]がレール圧Rp[bar]ごとに関連付けられている。補正マップ23Tは、新品時の目標噴射量と当該目標噴射量に基づいて制御された実レール圧Rp(センサ541により検出されたレール圧)とに対して求められた補正量Qcを関連付けることにより、作成することができる。よって、補正マップ23Tから新品時のレール圧Rpに相当する補正量Qcを取得することができる。補正マップ23T中の予測噴射量Ypとレール圧Rpは、座標(Yp,Rp)で表される格子点である。格子点間の補正量Qcは、各格子点の補正量Qcを線形補間することによって求めることができる。
例えば、予測噴射量Ypが10であり、現在のレール圧Rpが600である場合、補正量計算部231はこれらに対応する“1.5”の補正量Qcを補正マップ23Tから取得する。予測噴射量Ypが15、現在のレール圧Rpが800である場合、補正量計算部231は周囲4点の格子点、つまり座標(Yp,Rp)が(10,600)、(10,900)、(20,600)及び(20,900)の各格子点の補正量Qcを補正マップ23Tから取得する。補正量計算部231は、各格子点から座標(15,800)の点までの距離に応じて各格子点に関連付けられた補正量Qcを線形補間することにより、座標(15,800)の点における補正量Qcを計算する。
次いで、減算部241は、予測噴射量Ypから上限値Qlimを減算し、その差ΔQlimを出力する。上限値Qlimは、過剰なトルク制限のため、新品時の目標噴射量に対して予め定められる閾値である。計算部242は、Max{0,ΔQlim}を計算し、0又はΔQlimのうち大きい方を出力する。次いで、減算部243が補正量計算部231によって計算された補正量QcからΔQlimを減算する(ステップS5)。
計算部242においてΔQlim>0となり、ΔQlimが出力されるのは、予測噴射量Ypが上限値Qlimを超える場合である。よって、超えたΔQlim分だけ噴射量が少なくなるように補正量Qcが修正される。これにより、目標噴射量Yaを上限値Qlimよりも小さくすることができ、補正された目標噴射量Yaによる過剰なトルク上昇を抑えることができる。
補正値計算部25は、減算部243において修正された補正量Qcを現在の目標噴射量Yに加算することにより、補正された目標噴射量Yaを出力する(ステップS6)。この目標噴射量Yaに基づいて、コモンレール制御部13はインジェクタ55の通電時間、つまり燃料を噴射する時間を計算する(ステップS7)。コモンレール制御部13は、計算された通電時間に基づいてインジェクタ55の制御弁551への制御信号を生成する。
次いで、減算部233は、現在の目標噴射量Yから予測噴射量Ypを減算し、その差ΔQyを出力する(ステップS8)。乗算部234は、差ΔQyに学習率Irを乗算する(ステップS9)。学習率Irは、補正マップ23Tの更新に使用される係数である。学習率Irは任意に設定できるが、通常は0.2~0.5である。更新部235は、乗算値Ir×ΔQyと現在のレール圧Rpとに応じて、補正マップ23Tの補正量Qcを更新する(ステップS10)。
まず更新部235は、予測噴射量Ypと現在のレール圧Rpに対応する補正量Qcを補正マップ23Tから取得する。更新部235は、この補正量Qcに乗算値Ir×ΔQyを加算することにより、更新後の補正量Qcを計算する。予測噴射量Ypと現在のレール圧Rpが格子点間にある場合、更新部235は、周囲の格子点からの距離に応じて周囲の格子点の補正量Qcを更新する。
例えば、予測噴射量Ypが10、現在のレール圧Rpが800、差ΔQyが0.3、学習率Irが0.5である場合、更新部235は、座標(10,800)の周囲2点の格子点(10,600)及び(10,900)の補正量Qcを更新する。補正マップ23Tの各格子点の補正量Qcは1.5と1.2であるので、更新部235はこれらの補正量Qcの更新値を、座標(10,800)から各格子点までの距離に応じて計算する。下記式はその計算式である。
1.5+{1-(800-600)/(900-600)}×0.3×0.5=1.55
1.2+{1-(900-800)/(900-600)}×0.3×0.5=1.3
図4Bは、更新後の補正マップ23Tを示す。
更新部235は、補正マップ23T中の格子点(10,600)の補正量Qcを1.5から更新値1.55に書き換える。また更新部235は、格子点(10,900)の補正量Qcを1.2から更新値1.3に書き換える。
補正マップ23Tを作成した当初の補正量Qcは、コモンレールシステム50が新品の時に計算された目標噴射量Yから、コモンレールシステム50が新品かつ中央品の時の予測噴射量Ypを減算した差ΔQyである。この差ΔQyは噴射量の規格値からのばらつきを意味する。最初の補正時には、そのばらつき分の差ΔQyに学習率Irを乗算したものが補正量Qcとして目標噴射量Yに加算され、補正された目標噴射量Yaが計算される。補正された目標噴射量Yaを用いてインジェクタ55の通電時間を計算し、燃料を噴射させるため、実噴射量も補正されることになる。
2回目の補正時には、1回目に補正された実噴射量によって発生するエンジントルクを元にアイソクロナス制御によって目標噴射量Yが計算される。よって、1回目と比べて目標噴射量Yと予測噴射量Ypの差ΔQyが小さくなる。その後、差ΔQyに学習率Irを乗算したものを用いて補正マップ23Tが更新される。更新された補正マップ23Tから出力された補正量Qcは2回目の目標噴射量Yに加算され、2回目の補正された目標噴射量Yaが計算される。以後、このようなサイクルが繰り返され、補正量Qcは、その後の経年劣化したコモンレールシステム50における目標噴射量Yと新品時の予測噴射量Ypとの差ΔQyに応じて逐次更新されていく。これにより、徐々に新品かつ中央品との目標噴射量の差(Yp-Y)が小さくなっていく。
図5は、目標噴射量Y、予測噴射量Yp及び補正された目標噴射量Yaの相関関係を示す。
新品時に中央品よりも燃料の噴射量が少なく、さらに経年劣化によって徐々に実噴射量が低下するコモンレールシステム50の場合、計算される目標噴射量Yは時間tの経過によって補正された目標噴射量Yaよりも徐々に小さくなる。
その差(Yp-Y)をΔQyとして補正マップ23Tに蓄積していくことにより、差(Yp-Y)が徐々に小さくなり、現在の目標噴射量Yが予測噴射量Ypに一致するようになる。一致するまでの時間は学習率Irの設定によって調整可能である。劣化によって実噴射量が減少しても、目標噴射量Yと予測噴射量Ypの差を埋めるように逐次学習するため、噴射量の減少量に応じて補正量Qcを増やし、常に新品かつ中央品と同様の噴射量になるように目標噴射量Yaが計算される。
一方、検出部26は、補正量計算部231から出力された補正量QcがTh1からTh2までの一定範囲内にあるか否かを判定する(ステップS11)。一定範囲内にない場合(ステップS11:NO)、現在の目標噴射量Yが予測噴射量Ypから大きく乖離しており、異常が発生している可能性がある。よってこの場合、検出部26はエラーの検出信号Errorを出力する(ステップS12)。
検出信号Errorが出力された場合、コモンレール制御部13は、ディスプレイに異常の通知を表示させる等してドライバに異常の可能性を通知してもよい。
以上のように、本実施形態によれば、予測部22により、コモンレールシステム50の現在の運転条件を表すパラメータx1~xnに基づいて、コモンレールシステム50が新品の時にアイソクロナス制御によって計算される目標噴射量が予測され、新品時の予測噴射量Ypとして出力される。補正量計算部231では、補正マップ23Tに基づいて、予測噴射量Ypに対応する補正量Qcが計算される。補正値計算部25では、アイソクロナス制御によって計算される現在の目標噴射量Yに補正量Qcが加算され、補正された目標噴射量Yaが出力される。
補正量Qcの加算により予測噴射量Ypとの差がなくなるように、現在の目標噴射量Yが補正されるため、補正された目標噴射量Yaを用いて計算された通電時間によって実現する燃料の実噴射量は新品時と同じか近くなる。よって、経年劣化による燃料の実噴射量の変動を減らすことができる。
従来はアイソクロナス制御によって計算された目標噴射量Yに対して、トルク制限のための上限値が設けられていたため、目標噴射量Yが増えて上限値に到達すると、それ以上は目標噴射量Yを増やせず、新品時と同様の高負荷の作業が制限される。しかし、本実施形態によれば、目標噴射量Yは新品時の目標噴射量に近づくように補正されるため、そのような経年劣化によるトルク制限が課されることがない。
一方で予測噴射量Ypが新品時の目標噴射量に対する上限値Qlimを超える場合は、超えた分だけを予測噴射量Ypから差し引くため、補正された目標噴射量Yaが新品時の上限値を超えることもない。よって、上限以上のトルク上昇を抑えながら、新品時と同様の高負荷の作業が可能である。
レール圧Rpの目標値は、常に予測噴射量Ypから計算されるため、レール圧Rpは新品時と同様の状態から変化がない。経年劣化により実噴射量が減ることに伴ってアイソクロナス制御によって計算される目標噴射量Yが増加しても、それに伴うエミッションの変化を避けることができる。
予測部22の学習モデル22Mは、新品の複数のコモンレールシステム50から取得した訓練データを学習するので、新品かつ中央品の予測噴射量Ypを予測することができる。よって、各コモンレールシステム50の個体差による噴射量のばらつきも補正することができる。エンジンの気筒間のばらつき補正と併用すれば、各気筒の実噴射量が劣化後も新品かつ中央品に近い状態に補正することができる。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は、これらの実施形態に限定されず、本発明の範囲内で種々の変形が可能である。
例えば、本発明の制御方法をコンピュータに実行させるプログラムが記録された記録媒体が提供されてもよい。記録媒体としては、CPU等のコンピュータが読み取り可能な記録媒体であれば特に限定されず、半導体メモリ、磁気ディスク、又は光ディスク等を使用可能である。
10・・・ECU、11・・・アイソクロナス制御部、12・・・補正部、13・・・コモンレール制御部、22・・・予測部、22M・・・学習モデル、231・・・補正量計算部、232・・・記憶部、23T・・・補正マップ、25・・・補正値計算部、26・・・検出部

Claims (8)

  1. コモンレールシステム(50)における燃料の噴射量をアイソクロナス制御によって調整する制御装置(10)において、
    前記コモンレールシステム(50)の現在の運転条件(x1~xn)に基づいて、前記コモンレールシステム(50)が新品の時に前記アイソクロナス制御によって計算される目標噴射量を予測することにより、新品時の予測噴射量(Yp)を出力する予測部(22)と、
    前記予測噴射量(Yp)に対する補正量(Qc)が関連付けられた補正マップ(23T)を記憶する記憶部(232)と、
    前記補正マップ(23T)に基づいて、前記予測噴射量(Yp)に対応する補正量(Qc)を計算する補正量計算部(231)と、
    前記アイソクロナス制御によって計算される現在の目標噴射量(Y)に前記補正量(Qc)を加算することにより、補正された目標噴射量(Ya)を出力する補正値計算部(25)と、
    を備える制御装置(10)。
  2. 前記補正マップ(23T)には、前記予測噴射量(Yp)に対する補正量(Qc)が前記コモンレールシステム(50)のレール圧(Rp)ごとに関連付けられ、
    前記補正量計算部(23)は、前記補正マップ(23T)に基づいて、現在のレール圧(Rp)と前記予測噴射量(Yp)に対応する補正量(Qc)を計算する
    請求項1に記載の制御装置(10)。
  3. 前記予測噴射量(Yp)と前記現在の目標噴射量(Y)との差(ΔQy)を計算する減算部(233)と、
    前記差(ΔQy)と学習率(Ir)との乗算値を計算する乗算部(234)と
    前記補正マップ(23T)の前記補正量(Qc)に前記乗算値を加算することにより、前記補正マップ(23T)を更新する更新部(235)と、を備える
    請求項1又は2に記載の制御装置(10)。
  4. 前記補正量(Qc)が一定範囲内にない場合、エラーを検出する検出部(26)を備える
    請求項1~3のいずれか一項に記載の制御装置(10)。
  5. 前記予測噴射量(Yp)と新品時の目標噴射量に対して定められた上限値(Qlim)との差(ΔQlim)を計算する減算部(241)と、
    前記差(ΔQlim)が0より大きい場合は、前記補正量(Qc)から前記差(ΔQlim)を減算することにより、前記補正量(Qc)を修正する減算部(243)と、を備え、
    前記補正値計算部(25)は、修正された前記補正量(Qc)を前記現在の目標噴射量(Y)に加算する
    請求項1~4のいずれか一項に記載の制御装置(10)。
  6. 前記予測部(22)は、現在の前記コモンレールシステム(50)の運転条件(x1~xn)を入力し、前記運転条件下での前記予測噴射量(Yp)を出力する学習モデル(22M)を備え、
    前記学習モデル(22M)は、新品時の前記コモンレールシステム(50)の運転条件(x1~xn)と、前記運転条件下で前記アイソクロナス制御によって計算された目標噴射量(Y)とが関連付けられた訓練データを予め機械学習する
    請求項1~5のいずれか一項に記載の制御装置(10)。
  7. 前記学習モデル(22M)は、
    新品であり、かつ噴射量の中央特性を有する前記コモンレールシステム(50)を運転させたときの運転条件(x1~xn)と、前記運転条件下での目標噴射量(Y)とが関連付けられた複数の前記訓練データを予め機械学習し、
    現在の前記コモンレールシステム(50)の運転条件(x1~xn)の入力に対し、前記コモンレールシステム(50)が新品であり、かつ噴射量の中央特性を有する場合の前記予測噴射量(Yp)を出力する
    請求項6に記載の制御装置(10)。
  8. コモンレールシステム(50)における燃料の噴射量をアイソクロナス制御によって調整する制御方法において、
    前記コモンレールシステム(50)の現在の運転条件(x1~xn)に基づいて、前記コモンレールシステム(50)が新品の時に前記アイソクロナス制御によって計算される目標噴射量を予測し、予測噴射量(Yp)を出力するステップと、
    前記予測噴射量(Yp)に対する補正量(Qc)が関連付けられた補正マップ(23T)に基づいて、前記予測噴射量(Yp)に対応する前記補正量(Qc)を計算するステップと、
    前記アイソクロナス制御によって計算される現在の目標噴射量(Y)に前記補正量(Qc)を加算することにより、補正された目標噴射量(Ya)を出力するステップと、
    を含む制御方法。

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