JP2023035940A - ポリオレフィンを含む粒子の乾燥方法及び貯蔵方法 - Google Patents

ポリオレフィンを含む粒子の乾燥方法及び貯蔵方法 Download PDF

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聡 糸口
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Abstract

【課題】ポリオレフィンを含む粒子の全量を安定的に乾燥容器外に排出させる。【解決手段】ポリオレフィンを含む粒子を乾燥容器に供給し、該乾燥容器内で該ポリオレフィンを含む粒子を乾燥する乾燥工程を含み、前記乾燥工程において、下記式(a)によって求められる値が、-0.20以上1.05以下である、ポリオレフィンを含む粒子の乾燥方法。式(a):0.00304×装置径[m]+0.00261×ベッド高さ[m]+0.0179×滞留時間[時間]+0.00213×乾燥容器内の粒子温度[K]-0.0109×傾斜角度[度]+0.0212×CXS成分量[質量%]【選択図】図1

Description

本発明は、ポリオレフィンを含む粒子の乾燥方法及び貯蔵方法に関する。
プロピレン系重合体を含む粒子に代表されるポリオレフィンを含む粒子の製造方法においては、通常、ポリオレフィンを含む粒子が乾燥(脱気)される工程、さらには貯蔵される工程が含まれる。具体的には、例えば、脱気容器(乾燥容器)内でポリオレフィン粒子を窒素ガスと接触させてポリオレフィン粒子を脱気する工程を含む、ポリオレフィン系重合体の製造方法が知られている(特許文献1参照。)。
特開2015-537102号公報
しかしながら、従来の乾燥(脱気)工程によっては、乾燥されたポリオレフィンを含む粒子を乾燥容器から排出させたとしても、意図せずに乾燥容器内に当該粒子が残留してしまい、乾燥された粒子の全量を乾燥容器外に取り出すことができない場合があった。また、貯蔵工程においても同様に、貯蔵容器から排出させたとしても、粒子の全量を貯蔵容器外に取り出すことができない場合があった。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を進めたところ、ポリオレフィンを含む粒子を乾燥させるにあたり所定の要件を満たすように乾燥工程を実施し、ポリオレフィンを含む粒子を貯蔵するにあたり所定の要件を満たすように貯蔵工程を実施することにより上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は下記[1]~[24]を提供する。
[1] ポリオレフィンを含む粒子を乾燥容器に供給し、該乾燥容器内で該ポリオレフィンを含む粒子を乾燥する乾燥工程を含み、
前記乾燥工程において、下記式(a)によって求められる値が、-0.20以上1.05以下である、ポリオレフィンを含む粒子の乾燥方法。
式(a):0.00304×装置径[m]+0.00261×ベッド高さ[m]+0.0179×滞留時間[時間]+0.00213×乾燥容器内の粒子温度[K]-0.0109×傾斜角度[度]+0.0212×CXS成分量[質量%]
(式(a)中、
装置径とは、前記乾燥容器の胴部の最大径を表し、
ベッド高さとは、ポリオレフィンを含む粒子を排出するための排出口の高さから前記乾燥容器内に滞留しているポリオレフィンを含む粒子が位置している高さまでの最大高さを表し、
滞留時間とは、ポリオレフィンを含む粒子が前記乾燥容器内に滞留している時間を表し、
乾燥容器内の粒子温度とは、前記乾燥容器内のポリオレフィンを含む粒子の温度を表し、
傾斜角度とは、前記乾燥容器の傾斜面と設置面とのなす外角を表し、ここで外角とは容器外部側の角度を意味しており、
CXS成分量とは、ポリオレフィンを含む粒子のCXS成分の含有量を表す。)
[2] 前記ポリオレフィンがプロピレン系重合体を含む、[1]に記載のポリオレフィンを含む粒子の乾燥方法。
[3] 前記プロピレン系重合体が、プロピレンに由来する構造単位の質量割合が50質量%以上95質量%以下であって、エチレンおよび炭素原子数4~12のオレフィンからなる群から選択される少なくとも1種のオレフィンに由来する構造単位の質量割合が5質量%以上50質量%以下である重合体であり、
前記ポリオレフィンを含む粒子のCXS成分の含有量が5質量%以上である、[2]に記載の乾燥方法。
[4] 前記プロピレン系重合体が、プロピレンに由来する構造単位の質量割合が50質量%以上80質量%以下であって、エチレンおよび炭素原子数4~12のα-オレフィンからなる群から選択される少なくとも1種のオレフィンに由来する構造単位の質量割合が20質量%以上50質量%以下である重合体であり、
前記ポリオレフィンを含む粒子のCXS成分の含有量が15質量%以上である、[3]に記載の乾燥方法。
[5] 前記プロピレン系重合体が、プロピレンに由来する構造単位の質量割合が50質量%以上95質量%以下であって、エチレンおよび炭素原子数4~12のα-オレフィンからなる群から選択される少なくとも1種のオレフィンに由来する構造単位の質量割合が5質量%以上50質量%以下である重合体であり、
前記ポリオレフィンを含む粒子のCXS成分の含有量が5質量%以上である、[2]に記載の乾燥方法。
[6] 前記プロピレン系重合体が、プロピレンに由来する構造単位の質量割合が50質量%以上80質量%以下であって、エチレンおよび炭素原子数4~12のα-オレフィンからなる群から選択される少なくとも1種のオレフィンに由来する構造単位の質量割合が20質量%以上50質量%以下である重合体であり、
前記ポリオレフィンを含む粒子のCXS成分の含有量が15質量%以上である、[5]に記載の乾燥方法。
[7] 前記乾燥容器内のポリオレフィンを含む粒子の前記温度が、0℃以上160℃以下である、[1]~[6]のいずれか1つに記載の乾燥方法。
[8] 前記乾燥容器内における前記ポリオレフィンを含む粒子の滞留時間が1時間以上48時間以下である、[1]~[7]のいずれか1つに記載の乾燥方法。
[9] 前記乾燥容器における前記傾斜角度が30°以上である、[1]~[8]のいずれか1つに記載の乾燥方法。
[10] 前記ポリオレフィンを含む粒子の中位径が500μm以上10000μm以下である、[1]~[9]のいずれか1つに記載の乾燥方法。
[11] [1]~[10]のいずれか1つに記載の乾燥方法により、前記ポリオレフィン含む粒子を乾燥させる工程を含む、ポリオレフィン含む粒子の製造方法。
[12] [1]~[10]のいずれか1つに記載の乾燥方法により、前記ポリオレフィン含む粒子を乾燥させる工程を含む、ポリオレフィン系樹脂組成物の製造方法。
[13] ポリオレフィンを含む粒子を貯蔵容器に供給し、該貯蔵容器内で該ポリオレフィンを含む粒子を貯蔵する貯蔵工程を含み、
前記貯蔵工程において、下記式(b)によって求められる値が、-0.20以上1.05以下である、ポリオレフィンを含む粒子の貯蔵方法。
式(b):0.00304×装置径[m]+0.00261×ベッド高さ[m]+0.0179×滞留時間[時間]+0.00213×貯蔵容器内の粒子温度[K]-0.0109×傾斜角度[度]+0.0212×CXS成分量[質量%]
(式(b)中、
装置径とは、前記貯蔵容器の胴部の最大径を表し、
ベッド高さとは、ポリオレフィンを含む粒子を排出するための排出口の高さから前記貯蔵容器内に滞留しているポリオレフィンを含む粒子が位置している高さまでの最大高さを表し、
滞留時間とは、ポリオレフィンを含む粒子が前記貯蔵容器内に滞留している時間を表し、
貯蔵容器内の粒子温度とは、前記貯蔵容器内のポリオレフィンを含む粒子の温度を表し、
傾斜角度とは、前記貯蔵容器の傾斜面と設置面とのなす外角を表し、ここで外角とは容器外部側の角度を意味しており、
CXS成分量とは、ポリオレフィンを含む粒子のCXS成分の含有量を表す。)
[14] 前記ポリオレフィンがプロピレン系重合体である、[13]に記載のポリオレフィンを含む粒子の貯蔵方法。
[15] 前記プロピレン系重合体が、プロピレンに由来する構造単位の質量割合が50質量%以上95質量%以下であって、エチレンおよび炭素原子数4~12のオレフィンからなる群から選択される少なくとも1種のオレフィンに由来する構造単位の質量割合が5質量%以上50質量%以下である重合体であり、
前記ポリオレフィンを含む粒子のCXS成分の含有量が5質量%以上である、[14]に記載の貯蔵方法。
[16] 前記プロピレン系重合体が、プロピレンに由来する構造単位の質量割合が50質量%以上80質量%以下であって、エチレンおよび炭素原子数4~12のオレフィンからなる群から選択される少なくとも1種のオレフィンに由来する構造単位の質量割合が20質量%以上50質量%以下である重合体であり、
前記ポリオレフィンを含む粒子のCXS成分の含有量が15質量%以上である、[15]に記載の貯蔵方法。
[17] 前記プロピレン系重合体が、プロピレンに由来する構造単位の質量割合が50質量%以上95質量%以下であって、エチレンおよび炭素原子数4~12のα-オレフィンからなる群から選択される少なくとも1種のオレフィンに由来する構造単位の質量割合が5質量%以上50質量%以下である重合体であり、
前記ポリオレフィンを含む粒子のCXS成分の含有量が5質量%以上である、[14]に記載の貯蔵方法。
[18] 前記プロピレン系重合体が、プロピレンに由来する構造単位の質量割合が50質量%以上80質量%以下であって、エチレンおよび炭素原子数4~12のα-オレフィンからなる群から選択される少なくとも1種のオレフィンに由来する構造単位の質量割合が20質量%以上50質量%以下である重合体であり、
前記ポリオレフィンを含む粒子のCXS成分の含有量が15質量%以上である、[17]に記載の貯蔵方法。
[19] 前記貯蔵容器内のポリオレフィンを含む粒子の前記温度が、0℃以上160℃以下である、[13]~[18]のいずれか1つに記載の貯蔵方法。
[20] 前記貯蔵容器内における前記ポリオレフィンを含む粒子の滞留時間が1時間以上48時間以下である、[13]~[19]のいずれか1つに記載の貯蔵方法。
[21] 前記貯蔵容器における前記傾斜角度が30°以上である、[13]~[20]のいずれか1つに記載の貯蔵方法。
[22] 前記ポリオレフィンを含む粒子の中位径が500μm以上10000μm以下である、[13]~[21]のいずれか1つに記載の貯蔵方法。
[23] [13]~[22]のいずれか1つに記載の貯蔵方法により、前記ポリオレフィンを含む粒子を貯蔵させる工程を含む、ポリオレフィンを含む粒子の製造方法。
[24] [13]~[22]のいずれか1つに記載の貯蔵方法により、前記ポリオレフィンを含む粒子を貯蔵させる工程を含む、ポリオレフィン系樹脂組成物の製造方法。
本発明のポリオレフィンを含む粒子の乾燥方法によれば、乾燥された粒子を、乾燥容器から排出させるための配管または乾燥容器側の排出口及びその近傍における粒子による閉塞の発生を効果的に抑制することができ、粒子の全量を安定的に乾燥容器外に排出させることができる。貯蔵方法においても同様に粒子の全量を安定的に貯蔵容器外に排出させることができる。
図1は、第1の乾燥容器の構成例を説明するための模式的な図である。 図2は、第2の乾燥容器の構成例を説明するための模式的な図である。 図3は、第3の乾燥容器の構成例を説明するための模式的な図である。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。なお、各図面は、発明が理解できる程度に、構成要素の形状、大きさ及び配置が概略的に示されているに過ぎない。本発明は以下の記述によって限定されるものではなく、それぞれの構成要素は本発明の要旨から逸脱しない範囲で改変可能である。以下の図面において、同一の構成要素に用いられる符号については重複する説明を省略する場合がある。
本明細書において、「α-オレフィン」は、α位に炭素-炭素不飽和二重結合を有する脂肪族不飽和炭化水素を意味する。
本明細書において、「ヘテロファジックプロピレン重合材料」は、プロピレンに由来する単量体単位(構造単位)を80質量%以上含有するプロピレン系重合体(ただし、該プロピレン系重合体の全質量を100質量%とする。)のマトリックスの中で、エチレン及び炭素原子数4以上12以下のα-オレフィンからなる群より選択される少なくとも1種のα-オレフィンに由来する単量体単位とプロピレンに由来する単量体単位とを含有するプロピレン共重合体が分散した構造を有する混合物を意味する。
本明細書において、「AA~BB」は、AA以上BB以下であることを意味する。ここで、AA及びBBは、それぞれ数値を表し、AA<BBである。AAの単位は、特に断りのない限り、BBの直後に記載された単位と同じである。
本明細書において、用語「モノマー単位」は、当該モノマーを重合して得られる構造を有する構造単位を意味する。
本明細書において、「極限粘度(単位:dL/g)」は、以下の方法によって、テトラリンを溶媒として用いて温度135℃で測定される値である。
ウベローデ型粘度計を用いて、複数の濃度について還元粘度を測定し、還元粘度を濃度に対しプロットし、濃度をゼロに外挿する「外挿法」により極限粘度を求める。より具体的には、「高分子溶液、高分子実験学11」(1982年共立出版株式会社刊)第491頁に記載の方法を用い、濃度0.1g/dL、0.2g/dL及び0.5g/dLの3点について還元粘度を測定し、還元粘度を濃度に対しプロットし、濃度をゼロに外挿する方法により極限粘度を求める。
本明細書において、「メルトフローレート(MFR)」は、230℃、荷重2.16kgfの条件で、JIS K7210-1:2014及びK7210-2:2014に準拠して測定した値である。
1.ポリオレフィンを含む粒子の乾燥方法
本実施形態のポリオレフィンを含む粒子の乾燥方法は、ポリオレフィンを含む粒子を乾燥容器に供給し、乾燥容器内でポリオレフィンを含む粒子を乾燥する乾燥工程を含み、乾燥工程において、下記式(a)によって求められる値が、-0.20以上1.05以下である、ポリオレフィンを含む粒子の乾燥方法である。
式(a):0.00304×装置径[m]+0.00261×ベッド高さ[m]+0.0179×滞留時間[時間]+0.00213×乾燥容器内の粒子温度[K]-0.0109×傾斜角度+0.0212×CXS成分の含有量[質量%]
(式(a)中、装置径とは、乾燥容器の胴部の最大径を表し、ベッド高さとは、ポリオレフィンを含む粒子を排出するための排出口の高さから乾燥容器内に滞留しているポリオレフィンを含む粒子が位置している高さまでの最大高さを表し、滞留時間とは、ポリオレフィンを含む粒子が乾燥容器内に滞留している時間を表し、温度とは、乾燥容器内のポリオレフィンを含む粒子の温度を表し、傾斜角度とは、乾燥容器の傾斜面と設置面とのなす外角を表す。ここで、外角とは、粒子が存在する乾燥容器内部側ではなく、乾燥容器外部側の角度を意味する。また、「装置径」について、胴部の形状が円筒形である場合には、「最大径」は、円筒の延在方向に直交する方向で切断したときの内径(直径)に対応し、胴部の形状が円筒形以外の形状である場合には、延在方向に直交する方向で切断したときに現れる内壁が画成する形状にかかる「円相当径」に対応する。)
ここで、「ポリオレフィンを含む粒子」とは、ポリオレフィンを50質量%以上含む粒子を意味しており、ポリオレフィンを80質量%以上含む粒子が好ましく、ポリオレフィンを95質量%以上含む粒子がより好ましい。
以下、「ポリオレフィンを含む粒子」を構成しうるポリオレフィンについて説明する。
ポリオレフィン
ポリオレフィンは、オレフィンを重合して得られる構造を有する構造単位(オレフィン単位)を含む重合体である。
ポリオレフィンは、オレフィン単位を1種のみ含む重合体であってもよく、2種以上のオレフィン単位を含む共重合体であってもよい。
ポリオレフィンは、オレフィン単位以外の構造単位を含んでいてもよい。ポリオレフィンに含まれうるオレフィン単位の含有量は、ポリオレフィン中に含まれる全構造単位の総質量を100質量%として、好ましくは80質量%以上、より好ましくは90質量%以上、さらに好ましくは95質量%以上であり、通常100質量%以下であり、100質量%であってもよい。
ポリオレフィンを構成しうるオレフィンは、直鎖状のオレフィンであっても、分岐鎖状のオレフィンであってもよい。オレフィンは、環状構造を有するオレフィンであってもよく、例えば、ビニルシクロプロパン、ビニルシクロブタンなどの環状構造を有するα-オレフィンであってもよい。
ポリオレフィンを構成しうるオレフィンの具体例としては、α-オレフィン(例、エチレン、プロピレン、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、4-メチル-1-ペンテン、1-オクテン、及び1-デセン)が挙げられる。
ポリオレフィンを構成しうるオレフィンは、好ましくは、α-オレフィンであり、より好ましくは、エチレン、プロピレン、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、4-メチル-1-ペンテン、1-オクテン、及び1-デセンであり、さらに好ましくは、エチレン、プロピレン、1-ブテン、1-ヘキセン、及び1-オクテンである。
ポリオレフィンは、例えば、上記例示のオレフィンを原料として、従来公知の任意好適な方法により製造することができる。
本実施態様において、ポリオレフィンは、プロピレン単位を含むプロピレン系重合体、であることが好ましい。本実施形態において、「ポリオレフィンを含む粒子」の性状は特に限定されない。「ポリオレフィンを含む粒子」は、いわゆる粉末(パウダー)状であっても、ペレット(粒)状であってもよい。
ここでまず、「ポリオレフィンを含む粒子」を構成しうるポリオレフィンであるプロピレン系重合体について説明する。
本実施態様において、ポリオレフィンは、エチレンおよび炭素原子数4~12のオレフィンからなる群から選択される少なくとも1種のオレフィンに由来する構造単位の質量割合が30質量%以上である重合体であることが好ましく、50質量%以上である重合体であることがより好ましく、80質量%以下である重合体であることが好ましく、95質量%以下である重合体であることがより好ましい。
本実施態様において、ポリオレフィンは、エチレンおよび炭素原子数4~12のα-オレフィンからなる群から選択される少なくとも1種のオレフィンに由来する構造単位の質量割合が30質量%以上である重合体であることが好ましく、50質量%以上である重合体であることがより好ましく、80質量%以下である重合体であることが好ましく、95質量%以下である重合体であることがより好ましい。
本実施形態において、ポリオレフィンは、エチレン単位を含むエチレン系重合体であってもよい。ここで、エチレン系重合体とは、エチレン単位を、ポリオレフィンの全構造単位に対して50質量%より多く含有する重合体である。エチレン系重合体におけるエチレン単位は、通常100質量%以下である。エチレン系重合体の例としては、エチレンの単独重合体(ポリエチレン)、及び、エチレンと、これと共重合しうる他のモノマーとの共重合体が挙げられ、エチレンの単独重合体が好ましい。共重合体は、ランダム共重合体(プロピレン-エチレンランダム重合体(RC))であってもよく、ブロック共重合体であってもよい。
ポリオレフィンの具体例としては、プロピレン系重合体、エチレン系重合体、及びブテン系重合体が挙げられる。ポリオレフィンの好ましい例としては、プロピレン系重合体が挙げられる。また、ポリオレフィンを含む粒子は、1種のみのポリオレフィンを含んでいても、2種以上のポリオレフィンを含んでいてもよい。
また、本実施態様において、ポリオレフィンは、プロピレン単位を含むプロピレン系重合体を含むことが好ましく、ポリオレフィン中のプロピレン系重合体の含有量は30質量%以上であることが好ましく、60質量%以上が好ましく90質量%以上であることがさらに好ましい。
(プロピレン系重合体)
プロピレン系重合体は、プロピレン単位を、重合体の全構造単位に対して50質量以上含有する重合体であり、好ましくは、プロピレン単位を50質量%より多く含有する重合体である。本実施形態において、プロピレン系重合体におけるプロピレン単位の含有量は、通常100質量%以下であり、95質量%以下であることが好ましく、90質量%以下であることがより好ましく、80質量%以下であることがさらに好ましく、55質量%以上であることが好ましく、60質量%以上であることがより好ましく、70質量%以上であることがさらに好ましい。
プロピレン系重合体の例としては、プロピレン単独重合体、及びプロピレンと、これと共重合しうる他のモノマーとの共重合体が挙げられる。前記の共重合体は、ランダム共重合体であってもよく、ブロック共重合体であってもよい。
プロピレン系重合体は、1種のみのプロピレン系重合体を含んでいてもよく、2種以上のプロピレン系重合体を、任意の組み合わせで含んでいてもよい。
1種のみからなるプロピレン系重合体の例としては、プロピレン単独重合体、及びプロピレンと共重合しうる他のモノマーとの共重合体(プロピレン共重合体ともいう。)が挙げられる。前記の共重合体は、ランダム共重合体であってもよく、ブロック共重合体であってもよい。ランダム共重合体とは、エチレン及び炭素原子数4以上12以下のα-オレフィンからなる群より選択される少なくとも1種のα-オレフィンに由来する単量体単位とプロピレンに由来する単量体単位とがランダムに結合している重合体である。ブロック共重合体とは、エチレン及び炭素原子数4以上12以下のα-オレフィンからなる群より選択される少なくとも1種のα-オレフィンに由来する単量体単位が連続して結合しているブロックと、プロピレンに由来する単量体単位が連続して結合しているブロックとを含む重合体である。
本実施形態において、プロピレン系重合体は、プロピレンに由来する構造単位の質量割合が50質量%以上80質量%以下であり、エチレンおよび炭素原子数4~12のオレフィンからなる群から選択される少なくとも1種のオレフィンに由来する構造単位の質量割合が20質量%以上である重合体であることが好ましい。
本実施形態において、プロピレン系重合体は、プロピレンに由来する構造単位の質量割合が50質量%以上80質量%以下であり、エチレンおよび炭素原子数4~12のα-オレフィンからなる群から選択される少なくとも1種のオレフィンに由来する構造単位の質量割合が20質量%以上である重合体であることが好ましい。
本実施形態において、プロピレン系重合体のうちの少なくとも1種は、ヘテロファジックプロピレン重合材料であることが好ましい。ここで、ヘテロファジックプロピレン重合材料とは、2種以上のプロピレン系重合体を含み、当該2種以上のプロピレン系重合体が相溶せずに、互いに別の相を形成している材料を意味する。ここで、本実施形態のヘテロファジックプロピレン重合材料について具体的に説明する。
(ヘテロファジックプロピレン重合材料)
本実施形態のヘテロファジックプロピレン重合材料は、プロピレン系重合体aとプロピレン共重合体bとを含むヘテロファジックプロピレン重合材料であって、プロピレン系重合体aは、プロピレンに由来する単量体単位を80質量%以上含有し、プロピレン共重合体bは、エチレン及び炭素原子数4以上12以下のα-オレフィンからなる群より選択される少なくとも1種のα-オレフィンに由来する単量体単位を20~70質量%とプロピレンに由来する単量体単位とを含有していることが好ましい。
プロピレン系重合体aは、例えば、プロピレン単独重合体であってもよく、プロピレン以外の単量体に由来する単量体単位を含んでいてもよい。プロピレン系重合体aが、プロピレン以外の単量体に由来する単量体単位を含む場合、この含有量は、プロピレン系重合体aの全質量を基準として、例えば、0.01質量%以上20質量%未満であってもよい。
プロピレン以外の単量体としては、例えば、エチレン及び炭素原子数4以上12以下のα-オレフィンが挙げられる。中でも、エチレン及び炭素原子数4~10のα-オレフィンからなる群より選択される少なくとも1種が好ましく、エチレン、1-ブテン、1-ヘキセン及び1-オクテンからなる群より選択される少なくとも1種がより好ましく、エチレン及び1-ブテンからなる群より選択される少なくとも1種がさらに好ましい。
プロピレン以外の単量体に由来する単量体単位を含むプロピレン系重合体としては、例えば、プロピレン-エチレン共重合体、プロピレン-1-ブテン共重合体、プロピレン-1-ヘキセン共重合体、プロピレン-1-オクテン共重合体、プロピレン-エチレン-1-ブテン共重合体、プロピレン-エチレン-1-ヘキセン共重合体及びプロピレン-エチレン-1-オクテン共重合体が挙げられる。
プロピレン系重合体aとしては、プロピレン単独重合体、プロピレン-エチレン共重合体、プロピレン-1-ブテン共重合体、プロピレン-エチレン-1-ブテン共重合体が好ましく、プロピレン単独重合体がより好ましい。
本実施形態のヘテロファジックプロピレン重合材料は、プロピレン系重合体aを1種のみ含有してもよく、2種以上含有してもよい。
プロピレン共重合体bにおいて、エチレン及び炭素原子数4以上12以下のα-オレフィンからなる群より選択される少なくとも1種のα-オレフィンに由来する単量体単位の含有量は、20~70質量%であってもよく、30~60質量%であってもよく、35~55質量%であってもよい。
プロピレン共重合体bにおいて、エチレン及び炭素原子数4以上12以下のα-オレフィンからなる群より選択される少なくとも1種のα-オレフィンとしては、エチレン及び炭素原子数4~10のα-オレフィンからなる群より選択される少なくとも1種が好ましく、エチレン、1-ブテン、1-ヘキセン、1-オクテン及び1-デセンからなる群より選択される少なくとも1種がより好ましく、エチレン及び1-ブテンからなる群より選択される少なくとも1種がさらに好ましい。
プロピレン共重合体bとしては、例えば、プロピレン-エチレン共重合体、プロピレン-エチレン-1-ブテン共重合体、プロピレン-エチレン-1-ヘキセン共重合体、プロピレン-エチレン-1-オクテン共重合体、プロピレン-エチレン-1-デセン共重合体、プロピレン-1-ブテン共重合体、プロピレン-1-ヘキセン共重合体、プロピレン-1-オクテン共重合体及びプロピレン-1-デセン共重合体が挙げられる。中でも、上記プロピレン共重合体bとしては、プロピレン-エチレン共重合体、プロピレン-1-ブテン共重合体又はプロピレン-エチレン-1-ブテン共重合体が好ましく、プロピレン-エチレン共重合体がより好ましい。
本実施形態のヘテロファジックプロピレン重合材料は、プロピレン共重合体bを1種のみ含有してもよく、2種以上含有してもよい。
本実施形態のヘテロファジックプロピレン重合材料としては、例えば、(プロピレン)-(プロピレン-エチレン)重合材料、(プロピレン)-(プロピレン-エチレン-1-ブテン)重合材料、(プロピレン)-(プロピレン-エチレン-1-ヘキセン)重合材料、(プロピレン)-(プロピレン-エチレン-1-オクテン)重合材料、(プロピレン)-(プロピレン-1-ブテン)重合材料、(プロピレン)-(プロピレン-1-ヘキセン)重合材料、(プロピレン)-(プロピレン-1-オクテン)重合材料、(プロピレン)-(プロピレン-1-デセン)重合材料、(プロピレン-エチレン)-(プロピレン-エチレン)重合材料、(プロピレン-エチレン)-(プロピレン-エチレン-1-ブテン)重合材料、(プロピレン-エチレン)-(プロピレン-エチレン-1-ヘキセン)重合材料、(プロピレン-エチレン)-(プロピレン-エチレン-1-オクテン)重合材料、(プロピレン-エチレン)-(プロピレン-エチレン-1-デセン)重合材料、(プロピレン-エチレン)-(プロピレン-1-ブテン)重合材料、(プロピレン-エチレン)-(プロピレン-1-ヘキセン)重合材料、(プロピレン-エチレン)-(プロピレン-1-オクテン)重合材料、(プロピレン-エチレン)-(プロピレン-1-デセン)重合材料、(プロピレン-1-ブテン)-(プロピレン-エチレン)重合材料、(プロピレン-1-ブテン)-(プロピレン-エチレン-1-ブテン)重合材料、(プロピレン-1-ブテン)-(プロピレン-エチレン-1-ヘキセン)重合材料、(プロピレン-1-ブテン)-(プロピレン-エチレン-1-オクテン)重合材料、(プロピレン-1-ブテン)-(プロピレン-エチレン-1-デセン)重合材料、(プロピレン-1-ブテン)-(プロピレン-1-ブテン)重合材料、(プロピレン-1-ブテン)-(プロピレン-1-ヘキセン)重合材料、(プロピレン-1-ブテン)-(プロピレン-1-オクテン)重合材料、(プロピレン-1-ブテン)-(プロピレン-1-デセン)重合材料、(プロピレン-1-ヘキセン)-(プロピレン-1-ヘキセン)重合材料、(プロピレン-1-ヘキセン)-(プロピレン-1-オクテン)重合材料、(プロピレン-1-ヘキセン)-(プロピレン-1-デセン)重合材料、(プロピレン-1-オクテン)-(プロピレン-1-オクテン)重合材料、及び(プロピレン-1-オクテン)-(プロピレン-1-デセン)重合材料が挙げられる。中でも(プロピレン)-(プロピレン-エチレン)重合材料、(プロピレン)-(プロピレン-エチレン-1-ブテン)重合材料、(プロピレン-エチレン)-(プロピレン-エチレン)重合材料、(プロピレン-エチレン)-(プロピレン-エチレン-1-ブテン)重合材料、又は(プロピレン-1-ブテン)-(プロピレン-1-ブテン)重合材料が好ましく、(プロピレン)-(プロピレン-エチレン)重合材料がより好ましい。
ここで、上記記載は「(プロピレンに由来する単量体単位を80質量%以上含有するプロピレン系重合体の種類)-(プロピレン共重合体bの種類)」を表す。すなわち、「(プロピレン)-(プロピレン-エチレン)重合材料」との記載は、「プロピレン系重合体aがプロピレン単独重合体であり、プロピレン共重合体bがプロピレン-エチレン共重合体であるヘテロファジックプロピレン重合材料」を表す。以下、他の類似の表現においても同様である。
(ヘテロファジックプロピレン重合材料の製造方法)
ヘテロファジックプロピレン重合材料に含まれうるプロピレンに由来する単量体単位を80質量%以上含有するプロピレン系重合体の製造方法は、下記工程1、すなわち工程1-a、工程1-bを含むことが好ましい。また、ヘテロファジックプロピレン重合材料の製造方法は、下記工程1及び工程2を含むことが好ましい。
(工程1-a)
工程1-aでは、例えば、液相重合反応器を用いて、重合触媒及び水素の存在下、プロピレンを含む単量体を重合する。重合に用いる単量体の構成は、プロピレン系重合体aを構成する単量体単位の種類及び含有量に基づき適宜調整すればよい。単量体中のプロピレンの含有量は、単量体の全質量に対して、例えば、80質量%以上であってもよく、90質量%以上であってもよく、100質量%であってもよい。
液相重合反応器としては、例えば、ループ型液相反応器及びベッセル型液相反応器が挙げられる。
重合触媒としては、例えば、チーグラー・ナッタ型触媒やメタロセン系触媒等が挙げられ、好ましくは、チーグラー・ナッタ型触媒である。チーグラー・ナッタ型触媒としては、例えば、マグネシウム化合物にチタン化合物を接触させて得られる固体触媒成分等のTi-Mg系触媒;及び、マグネシウム化合物にチタン化合物を接触させて得られる固体触媒成分と有機アルミニウム化合物と必要に応じて電子供与性化合物等の第3成分とを含有する触媒が挙げられ、好ましくは、マグネシウム化合物にチタン化合物を接触させて得られる固体触媒成分と有機アルミニウム化合物と必要に応じて電子供与性化合物等の第3成分とを含有する触媒であり、さらに好ましくは、マグネシウム化合物にハロゲン化チタン化合物を接触させて得られる固体触媒成分と有機アルミニウム化合物と電子供与性化合物とを含有する触媒である。少量のオレフィンを接触させ、予備活性化させた触媒を重合触媒として用いることもできる。
重合触媒として、上記固体触媒成分、n-ヘキサン、トリエチルアルミニウム、tert-ブチル-n-プロピルジメトキシシラン等の存在下で、オレフィンを予備重合させて得られる予備重合触媒成分を用いることもできる。予備重合に用いるオレフィンは、ヘテロファジックプロピレン重合材料を構成するオレフィンのうちのいずれかであることが好ましい。
重合温度は、例えば0~120℃とすることができる。重合圧力は、例えば常圧~10MPaGとすることができる。
(工程1-b)
工程1-bでは、例えば、気相重合反応器を用いて、重合触媒及び水素の存在下で、プロピレンを含む単量体を重合する。重合に用いる単量体の構成は、プロピレン系重合体aを構成する単量体単位の種類及び含有量に基づき適宜調整できる。単量体中のプロピレンの含有量は、単量体の全質量に対して、例えば、80質量%以上であってもよく、90質量%以上であってもよく、100質量%であってもよい。
気相重合反応器としては、例えば、流動層型反応器及び噴流層型反応器が挙げられる。
気相重合反応器は、直列に接続された複数の反応領域を有する多段気相重合反応器であってもよい。多段気相重合反応器は、直列に接続された複数の重合槽を有する多段気相重合反応器であってもよい。
多段気相重合反応器は、例えば、使用時において鉛直方向に延在する円筒部と、円筒部に一体的に構成されており、鉛直下方に行くほど内径が小さくなると共に下端にガス導入用開口部を有する円錐状の縮径部とを備え、縮径部の内面と縮径部よりも上方の円筒部の内面とによって囲まれ、その内部に噴流層が形成される噴流層型オレフィン重合反応領域と、流動層型オレフィン重合反応領域とを備えることができる。
多段気相重合反応器は、鉛直方向に複数の反応領域を有することが好ましい。多段気相重合反応器は、プロピレン系重合体aの極限粘度を最適化する観点から、例えば、鉛直方向に複数の反応領域を有し、そのうち最上段が流動層型オレフィン重合反応領域であり、残りが複数の噴流層型オレフィン重合反応領域であることが好ましい。このような反応器においては、例えば、反応器の上部側から触媒等の固体成分を供給し、反応器の下部側から気体成分を供給することにより、反応領域に流動層又は噴流層を形成する。気体成分は、プロピレンを含む単量体及び水素の他に、窒素ガス等の不活性ガスを含んでいてもよい。当該反応器において、噴流層型オレフィン重合反応領域の数は、3以上であることが好ましい。
多段気相重合反応器において、複数の反応領域を鉛直方向に設ける場合、下段の反応領域は、上段の反応領域の斜め下方向に配置されていてもよい。このような反応器においては、例えば、上段の反応領域で得られた固体成分を斜め下方向に排出し、排出された固体成分は、下段の反応領域に、斜め上方向から供給される。この場合、気体成分は、例えば、下段の反応領域の上部から排出した気体成分を、上段の反応領域の下部から供給する。
多段気相重合反応器において用いられうる重合触媒の具体例は、既に説明した重合触媒と同様である。
重合温度は、例えば0~120℃であってもよく、20~100℃であってもよく、40~100℃であってもよい。重合圧力は、例えば常圧~10MPaGであってもよく、1~5MPaGであってもよい。
(工程2)
工程2は、気相においても液相においても実施することができる。工程2は、気相で実施することが好ましい。工程2が気相で実施される場合、例えば、流動層型反応器、噴流層型反応器等の気相反応器を用いることができる。工程2が液相で実施される場合、例えば、ループ型、ベッセル型等の液相反応器を用いることができる。
工程2では、例えば、既に説明した重合触媒と同様の重合触媒を用い、水素の存在下で、炭素原子数4以上12以下のα-オレフィンからなる群より選択される少なくとも1種のα-オレフィンとプロピレンとを含む単量体を重合することができる。重合に用いる単量体の構成は、プロピレン共重合体bを構成する単量体単位の種類及び含有量に基づき適宜調整すればよい。重合に用いる単量体中の炭素原子数4以上12以下のα-オレフィンからなる群より選択される少なくとも1種のα-オレフィンの含有量は、単量体の全質量に対して、例えば、20~70質量%であってよく、30~60質量%であってもよい。
液相で重合する場合、重合温度は、例えば40~100℃であり、重合圧力は、例えば常圧~5MPaGである。気相で重合する場合、重合温度は、例えば40~100℃であり、重合圧力は、例えば0.5~5MPaGである。
プロピレン系重合体a及びプロピレン共重合体bは、それぞれの工程で作製し、重合触媒を失活させてから、これらを溶液状態、溶融状態等で混合してもよい。また、重合触媒を失活させることなく、得られた重合体を次の工程に供給することにより、連続的に重合体を重合してもよい。重合触媒を失活させることなく連続的に重合する場合、前の工程における重合触媒は、通常、後の工程の重合触媒としても機能しうる。
工程1及び工程2の実施順序は特に限定されない。工程1は、上記のとおり、工程1-a、工程1-bを含むことが好ましい。工程1と工程2とは水素存在下での実施に特に限定されず、無水素条件下で実施することもできる。
本実施形態にかかるヘテロファジックプロピレン重合材料の製造方法は、工程1-aと工程1-bと工程2とをこの順に含むことが好ましい。
(固気分離工程及び触媒失活工程)
上記の工程により得られたプロピレン系重合体(ヘテロファジックプロピレン重合材料)は、固気分離工程及び触媒失活工程に付される。具体的には、プロピレン系重合体を含む反応混合物は、重合反応器から従来公知の任意好適な構成を有する固気分離容器に移送され、固気分離容器のボトム側から、例えば、水蒸気(スチーム)及び窒素ガスを供給することで、固気分離工程と併せて固体触媒成分を失活させる触媒失活工程を行うことができる。
ポリオレフィンを含む粒子
本実施形態において、ポリオレフィンを含む粒子は、既に説明した1種または2種以上のポリオレフィンに加えて、必要に応じて、耐熱安定剤、紫外線安定剤、酸化防止剤、結晶核剤、滑剤、着色剤、アンチブロッキング剤、帯電防止剤、防曇剤、難燃剤、石油樹脂、発泡剤、発泡助剤、有機フィラー、無機フィラー等の従来公知の任意好適な添加剤をさらに含んでいてもよい。換言すると、本実施形態にかかるポリオレフィンを含む粒子は、ポリオレフィン系樹脂組成物の粒子であってもよい。
添加剤の添加量は、ポリオレフィンを含む粒子(プロピレン系重合体を含む粒子)の全体(100質量%)に対して、0.01質量%以上であることが好ましく、また、30質量%以下であることが好ましい。添加剤は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
本実施形態において、ポリオレフィンを含む粒子(プロピレン系重合体を含む粒子)のCXS成分の含有量は、5質量%以上であることが好ましく、10質量%以上であることがより好ましく、15質量%以上であることがさらに好ましく、80質量%以下であることが好ましく、60質量%以下であることがより好ましく、5質量%以上80質量%以下であることが好ましく、10質量%以上60質量%以下であることがより好ましい。
ここで、CXS(cold xylene soluble part)成分とは、キシレン可溶成分を意味している。
より具体的にはCXS成分とは、測定対象物からCXIS成分が分離された残余の成分をいう。なお、CXIS(cold xylene insoluble part)成分とは、キシレン不溶成分を意味しており、より具体的には、測定対象物(ポリオレフィン、ポリオレフィンを含む粒子)に含まれる成分のうちの特にp-キシレンに不溶な成分であって、例えば、下記の分離方法により得ることができる成分をいう。
(分離方法)
測定対象物(ポリオレフィン、ポリオレフィンを含む粒子)約2gを、沸騰させたp-キシレン中で2時間溶解して溶液を得る。次いで、得られた溶液を20℃まで冷却し、冷却された溶液に析出した固形物をCXIS成分とする。
ポリオレフィンを含む粒子の乾燥方法
本実施形態のポリオレフィンを含む粒子(以下、単に「粒子」という場合がある。)の乾燥方法は、ポリオレフィンを含む粒子を乾燥容器に供給し、乾燥容器に乾燥用ガスを供給して、乾燥容器内でポリオレフィンを含む粒子を乾燥させる乾燥工程を含む。乾燥容器の具体的な構成例については後述する。
(造粒工程)
本実施形態における造粒工程は、従来公知の任意好適な造粒装置を用いて行うことができる。
本実施形態の粒子は、既に説明したポリオレフィン及び添加剤を原料成分として、例えば、溶融混練することにより製造することができる。溶融混練時の温度は、180℃以上であってよく、180~300℃であってもよく、180~250℃であってもよい。
本実施形態において好適に用いられる造粒装置の例としては、例えば、バンバリーミキサー、単軸押出機、二軸同方向回転押出機、二軸異方向回転押出機が挙げられる。
(乾燥工程)
造粒工程の実施後、乾燥容器を用いて、造粒工程により造粒された粒子の乾燥工程が行われる。乾燥容器の具体的な構成については後述する。
以下の説明においては、乾燥容器の胴部が円筒状である円筒部である構成例について説明するが、本発明はこれに限定されない。乾燥容器の形状等、特に胴部の形状等は、本発明の作用効果を損なわないことを条件として、例えば外形を直方体状にするなど設計に応じた任意好適な形状等とすることができる。
本実施形態の乾燥工程において、乾燥容器内に供給される粒子の温度(乾燥容器への投入時の粒子温度)は、25℃以上160℃以下とすることが好ましい。乾燥容器内に供給される粒子の温度は、50℃以上100℃以下とすることがより好ましい。
本実施形態において、乾燥容器に供給される乾燥用ガスとしては、従来公知の任意好適なガスを用いることができる。乾燥用ガスとしては、窒素ガス等の不活性ガスを用いることが好ましい。
本実施形態において、乾燥用ガスの「空塔速度(m/s)」とは、乾燥容器に供給される乾燥用ガスの合計流量(m/s)を乾燥用ガスの流通方向における乾燥容器の胴部(円筒部)の延在方向(鉛直方向)に直交する方向に延在する断面(円筒部である場合には円形)の面積(m)で除算することにより算出することができる速度を意味している。なお、乾燥用ガスの流通方向における乾燥容器の胴部の延在方向(鉛直方向)に直交する方向に延在する断面が胴部の延在方向の高さによって変化する場合、当該断面の面積(m)は、乾燥容器の体積を乾燥容器の延在方向の高さで除した値とする。
本実施形態の乾燥工程においては、下記式(a)によって求められる値が、-0.20以上1.05以下であり、値の下限は、-0.15以上が好ましく、0以上がより好ましい。値の上限は、0.95以下が好ましく、0.85以下がより好ましい。
式(a):0.00304×装置径[m]+0.00261×ベッド高さ[m]+0.0179×滞留時間[時間]+0.00213×乾燥容器内の粒子温度[K]-0.0109×傾斜角度[度]+0.0212×CXS成分の含有量[質量%]
式(a)によって求められる値が、-0.20以上1.05以下であれば、容器内にラットホールなどが発生せず、容器内に粒子が残量することを防止し、乾燥された粒子の全量を安定的に乾燥容器外に排出させることができ、下流工程がある場合、移送配管において当該粒子を移送する際に、粒子による移送配管閉塞の発生がなく、安定的に下流工程に移送ができる。ひいては安定的にポリオレフィン系樹脂組成物の製造が可能になる。
ここで、「ラットホール」とは、乾燥容器内の粒子を乾燥容器外に排出する際に、排出口の直上近傍に位置する粒子のみが排出されてしまい、乾燥容器内に残留した粒子により画成される筒状の孔を意味している。
式(a)中、装置径とは、より詳細には、乾燥容器において、粒子が収容される胴部である円筒部を延在方向に直交する面で切断したときの内径の最大径を表す。
本実施形態において、装置径は、例えば、0.1m~10.0mであることが好ましく、0.6m~7.0mであることがより好ましい。
式(a)中、ベッド高さとは、より詳細には、乾燥容器内に滞留しているポリオレフィンを含む粒子が位置している最大高さであって、乾燥容器の最下端、すなわち、通常、粒子を排出するための排出口の高さから乾燥容器内に滞留しているポリオレフィンを含む粒子が位置して構成している略平坦面までの距離を表す(具体的な態様については図面を参照して後述する。)。
本実施形態において、ベッド高さは、例えば、0.10m~40.00mであることが好ましく、0.72m~25.00mであることがより好ましい。
式(a)中、滞留時間とは、ポリオレフィンを含む粒子が乾燥工程において乾燥容器内に滞留している時間を表す。
具体的には、乾燥工程がバッチ方式の乾燥工程である場合には、滞留時間とは、乾燥容器内に粒子を供給してこれを完了し、かつ乾燥用ガスを乾燥容器内に供給を開始してから、乾燥した粒子を乾燥容器外に排出開始するまでの合計時間を意味する。また、乾燥工程が連続方式の乾燥工程である場合には、滞留時間は、連続乾燥工程中における乾燥容器内の粒子の保持量の平均値[kg]を連続乾燥工程中に乾燥容器から排出される粒子の排出速度[kg/時間]の平均値で除算することにより算出される値を意味している。なお、「連続乾燥工程中」とは、乾燥容器内に所定量の粒子が存在する状態で、乾燥ガスを乾燥容器内に供給し、かつ粒子を乾燥容器内に供給し、かつ乾燥した粒子を乾燥容器外に排出した時点を開始時点として、粒子の乾燥容器内への供給、及び粒子の乾燥容器外への排出を停止した時点を終了時点として、開始時点から終了時点までの期間を意味している。
本実施形態において、滞留時間は、1時間以上48時間以下であることが好ましく、値の下限は、2時間以上であることがより好ましく、4時間以上であることがさらに好ましい。値の上限は、23時間以下であることが好ましく、19時間以下であることがさらに好ましい。
式(a)中、容器内の粒子温度とは、乾燥容器内の粒子の温度を表す。本実施形態において、乾燥工程における乾燥容器内の粒子の温度は、例えば、273K(0℃)~433K(160℃)とすることが好ましく、値の下限は、298K(25℃)以上であることがより好ましく、333K(60℃)以上であることがさらに好ましい。値の上限は、413K(140℃)以下であることがより好ましく、373K(110℃)以下であることがさらに好ましい。
ここで、容器内の粒子温度について、乾燥工程がバッチ方式の乾燥工程である場合には、容器内の粒子温度は、乾燥容器内に粒子を供給してこれを完了後から粒子を乾燥容器外に排出開始するまでの乾燥容器内の平均の粒子温度を意味している。また、乾燥工程が連続方式の乾燥工程である場合には、乾燥容器内の粒子温度は、連続的に乾燥容器内に粒子を供給し、かつ連続的に乾燥容器外に粒子を排出する連続乾燥期間における乾燥容器内に存在している粒子の平均温度を意味する。なお、粒子温度は乾燥容器内の粒子充填部の温度を測定することで測定することができ、複数個所の温度を測定する場合においては、平均値を粒子温度とすることができる。
式(a)中、傾斜角度とは、使用状態、すなわち乾燥容器の円筒部の延在方向が鉛直方向に一致するように乾燥容器が設置された場合において、乾燥容器の傾斜面と水平面である設置面とのなす外角を表す。なお、外角とは、粒子が存在する乾燥容器の内部側ではなく、乾燥容器の外部側の角度を意味する。
本実施形態において、傾斜角度は、通常、0°よりも大きく、180°よりも小さい。なお傾斜角度は、30°以上であることが好ましく、45°以上であることがより好ましく、55°以上であることがさらに好ましい。120°以下であることが好ましく、90°以下であることがより好ましい。
本実施形態において、乾燥容器下流に粒子の排出装置を設置してもよい。排出装置は特に限定されない。排出装置としては、例えば、ボールバルブ、ロータリーバルブ、サークルフィーダーなどが挙げられる。
粒子の中位径
本実施形態の粒子の中位径は、500μm以上10000μm以下であることが好ましく、1500μm以上7500μm以下であることがより好ましく、3000μm以上5000μm以下であることがさらに好ましい。
本実施形態において、粒子の中位径は、レーザー回折式粒度分布測定法又はふるい振動式粒度分布測定法により測定することができる。以下、これらについて説明する。
(レーザー回折式粒度分布測定法)
本実施形態において、粒子の中位径は、例えば、レーザー回折式の粒度分布測定装置(例、HELOS/KF、サンプル分散器:GRADIS+VIBRI、Sympatec社製)を使用して測定することができる。
具体的には、約1~10gの粒子のサンプルを粒度分布測定装置に投入して粒度分布を測定し、解析ソフト(例、WINDOX ver5.3.1.0)により解析することにより、体積基準の中位径(D50)を算出することができる。また、さらに上記サンプルについて3~5回さらに測定を繰り返し、それらの測定値の平均値を平均中位径としてもよい。
(ふるい振動式粒度分布測定法)
本実施形態において、粒子の平均中位径を測定する場合には、平均中位径は、ふるいを振動させてふるいの底に張ってある網から重力を利用して粒子径に基づいて粒子をふるい分ける、ふるい分けによる粒子径分布を測定することで算出してもよい。
具体的には、以下のとおりである。
まず、目開きの異なるふるいを用いて、上から順に目開きの大きなふるいから小さなふるいとなるように数段重ね合わせる。
次いで、サンプルを最上段のふるいへ投入後、全てのふるいに対し5分間を4回、振とう幅1.0mmで振動を与えることにより、ふるい分けを行なうことができる。
ふるいとしては、例えば、5600μm、4750μm、4000μm、3350μm、2360μm、2000μm、1700μm、1400μm、1180μm、1000μm、850μm、710μm、500μm、300μm、150μm、の目開きのふるい(JIS Z 8801、真鍋工業株式会社製)を用いることができる。
サンプル量は、例えば、100g以上とすればよい。ふるい振動機としては、Retsch社製の電磁式ふるい振とう機AS200を用いることができる。
測定は、それぞれのふるい上に残った試料を秤量することにより行うことができる。
具体的には、以下のとおりである。
振とう後の各ふるい上に残った試料の量をそれぞれ秤量する。なお、目開きが大きいふるいから順に、各ふるい上に残った試料の量を合算する。ここで、合算値が、ふるいに投入したサンプル総量の50%を超えたふるいをふるいbとする。ふるいbの一つ上のふるいをふるいaとする。
上記測定に基づいて、下記式より平均中位径(D50)を算出することができる。

50=Da-[(Da-Db)×{(xb-50)/(xb-xa)}]
投入したサンプル総量の50%を超える量がいずれのふるいにも残らなかった場合には、残ったサンプル量が最も多かったふるいをふるいbとして、ふるいbのひとつ上のふるいをふるいaとする。
前記式中、Daはふるいaの目開き[μm]を表し、Dbはふるいbの目開き[μm]を表し、xaはふるいa上に残った試料の量のサンプル量(総量)に対する割合[%]、ふるいaより上でのふるいにおける累積の割合[%]の和を表し、xbはふるいb上に残った試料のサンプル量(総量)に対する割合[%]、ふるいbより上でのふるいにおける累積の割合[%]の和を表す。
2.ポリオレフィンを含む粒子の貯蔵方法
本実施形態のポリオレフィンを含む粒子の貯蔵方法は、ポリオレフィンを含む粒子を貯蔵容器に供給し、貯蔵容器内で該ポリオレフィンを含む粒子を貯蔵する貯蔵工程を含み、
貯蔵工程において、下記式(b)によって求められる値が、-0.20以上1.05以下である、ポリオレフィンを含む粒子の貯蔵方法である。
式(b):0.00304×装置径[m]+0.00261×ベッド高さ[m]+0.0179×滞留時間[時間]+0.00213×貯蔵容器内の粒子温度[K]-0.0109×傾斜角度[度]+0.0212×CXS成分量[質量%]
式(b)中、
装置径とは、貯蔵容器の胴部の最大径を表し、
ベッド高さとは、ポリオレフィンを含む粒子を排出するための排出口の高さから貯蔵容器内に滞留しているポリオレフィンを含む粒子が位置している高さまでの最大高さを表し、
滞留時間とは、ポリオレフィンを含む粒子が貯蔵容器内に滞留している時間を表し、
貯蔵容器内の粒子温度とは、貯蔵容器内のポリオレフィンを含む粒子の温度を表し、
傾斜角度とは、貯蔵容器の傾斜面と設置面とのなす外角を表し、ここで外角とは容器外部側の角度を意味しており、
CXS成分量とは、ポリオレフィンを含む粒子のCXS成分の含有量を表す。ここで、外角とは、粒子が存在する貯蔵容器内部側ではなく、貯蔵容器外部側の角度を意味する。また、「装置径」について、胴部の形状が円筒形である場合には、「最大径」は、円筒の延在方向に直交する方向で切断したときの内径(直径)に対応し、胴部の形状が円筒形以外の形状である場合には、延在方向に直交する方向で切断したときに現れる内壁が画成する形状にかかる「円相当径」に対応する。
本実施形態のポリオレフィンを含む粒子の貯蔵方法において、「ポリオレフィンを含む粒子」は、上記の「ポリオレフィンを含む粒子の乾燥方法」における「ポリオレフィンを含む粒子」と同様である。
本実施形態のポリオレフィンを含む粒子の貯蔵方法は、ポリオレフィンを含む粒子を貯蔵容器に供給し、貯蔵容器内でポリオレフィンを含む粒子を貯蔵させる貯蔵工程を含む。貯蔵容器の構成は、上記の乾燥工程における乾燥容器と同様である。
本実施形態の貯蔵方法における造粒工程は、従来公知の任意好適な造粒装置を用いて行うことができる。造粒工程(造粒条件)、造粒工程に用いられる造粒装置については、上記のポリオレフィンを含む粒子の乾燥方法と同様である。
造粒工程の実施後、貯蔵容器を用いて、造粒工程により造粒された粒子の貯蔵工程が行われる。貯蔵容器の構成は後述する乾燥容器の構成と同様である。
本実施形態の貯蔵工程においては、下記式(b)によって求められる値が、-0.20以上1.05以下であり、値の下限は、-0.15以上が好ましく、0以上がより好ましい。値の上限は、0.95以下が好ましく、0.85以下がより好ましい。
式(b):0.00304×装置径[m]+0.00261×ベッド高さ[m]+0.0179×滞留時間[時間]+0.00213×貯蔵容器内の粒子温度[K]-0.0109×傾斜角度[度]+0.0212×CXS成分の含有量[質量%]
なお、本実施形態の貯蔵工程は、いわゆる「バッチ方式」により行われる。すなわち、本実施形態の貯蔵工程は、既に説明した乾燥方法の乾燥工程におけるバッチ乾燥工程と同様にして実施することができる。ここで、本実施形態の貯蔵工程においては、粒子は必ずしも乾燥されなくてもよい。換言すると、貯蔵工程においては、粒子中に含まれる揮発成分等は除かれても、除かれなくてもよい。
式(b)によって求められる値が、-0.20以上1.05以下であれば、容器内にラットホールなどが発生せず、容器内に粒子が残量することを防止し、貯蔵された粒子の全量を安定的に貯蔵容器外に排出させることができ、下流工程がある場合、移送配管において当該粒子を移送する際に、粒子による移送配管閉塞の発生がなく、安定的に下流工程に移送ができる。ひいては安定的にポリオレフィン系樹脂組成物の製造が可能になる。
本実施形態において、既に説明した乾燥方法と貯蔵方法とを組み合わせて実施することもできる。すなわち、本実施形態においては、例えば、既に説明した乾燥方法を実施した後に、さらに既に説明した貯蔵方法を実施してもよい。なお、本実施形態においては、既に説明した乾燥方法のみを実施して製造されたポリオレフィンを含む粒子を完成品とすることができ、また、乾燥方法を実施することなく、(粒子中に含まれる揮発成分等が除去できていることを条件として)貯蔵方法のみを実施して製造されたポリオレフィンを含む粒子を完成品とすることもできる。
以下、本発明を、実施例によりさらに具体的に説明する。本発明は下記実施例に限定されない。
実施例及び比較例における測定及び評価方法を下記に示す。
〔エチレン単位の含有量(単位:質量%)〕
高分子ハンドブック(1995年、紀伊国屋書店刊)の第619頁に記載のIRスペクトル測定に準拠したIRスペクトル法によって、ポリマー中のエチレン単位の含有量を求めた。ここで、「エチレン単位」とは、エチレンに由来する構造単位を意味する。
プロピレン-エチレン共重合体中のエチレン単位含有量は、ヘテロファジックプロピレン重合材料中のエチレンに由来する構造単位の含有量(エチレン単位含有量という。)を、ヘテロファジックプロピレン重合材料中のプロピレン-エチレン共重合体の質量割合[質量%]で除算し、さらに100を乗じることにより求めた。
〔20℃キシレン可溶部量(単位:質量%)〕
ポリオレフィンを含む粒子の20℃キシレン可溶部量(CXS成分量 単位:質量%)は、ポリオレフィンを含む粒子1gに対してキシレン200mLを加え、沸騰させてポリオレフィンを完全に溶解させた後降温し、20℃で1時間以上状態調整を行った。その後、ろ紙を用いて可溶部と不溶部に分離した。可溶部について、ろ液から溶剤を除去して乾固して試料とし、重量を測定することによりCXS成分量を求めた。
〔ムーニー粘度(単位:ML(1+4)125℃)〕
ムーニー粘度は、JIS K 6300に準じて、温度125℃にて測定した。
〔ジエン含有量(単位:質量%)〕
ジエン含量は、FT-IRにより測定した。
〔プロピレン含有量(単位:質量%)〕
表1において、EPDMのプロピレン含有量は100質量%からエチレン含有量とジエン含有量を減じた値であり、HP1とHP2とRCのプロピレン含有量は、それぞれ100質量%からエチレン含有量を減じた値である。なお、略号の意味については後述する。
[実施例1](粒子Aの製造)
下記表1に示される原料成分を、下記表2に示される混合割合として、日本製鋼所社製の押出機(TEX 90α)を用いて、下記表3に示される条件で造粒する造粒工程を実施し、ポリオレフィンであるプロピレン系重合体を含む粒子Aを得た。粒子Aの物性を下記表4に示す。
Figure 2023035940000002
Figure 2023035940000003
Figure 2023035940000004
<粒子Aの乾燥工程>
図1に示される第1の乾燥容器11を用い、第1の乾燥容器の底部側から加温された空気を供給することで、粒子Aを下記表4に示される条件として、バッチ方式で乾燥させる乾燥工程を実施した。
ここで、図1を参照して、第1の乾燥容器11の構成例について説明する。図1は、第1の乾燥容器の構成例を説明するための模式的な図である。
図1に示されるように、第1の乾燥容器11は、この構成例では円筒状の円筒部である胴部100A、胴部100Aに一体的に連接しており、傾斜面100Baとを有する円錐台部100B、円錐台部100Bに連接しているサークルフィーダー100C(なお、突出しているモーター部100Dもサークルフィーダーに含まれる。)から構成される中空の乾燥容器100を含んでいる。乾燥容器100は、従来公知の任意好適な材料により構成することができる。
乾燥容器100は、使用時において、円錐台部100Bのうちの面積が小さい方の頂面100Bbが鉛直方向の下端部とされ、円錐台部100Bが連接する側とは反対側の胴部100Aの端部が上端部100Aaとなるように配置されている。より具体的には、乾燥容器100は、円錐台部100Bの頂面100Bbと胴部100Aの上端部100Aaの中心とを通る中心軸Cが、水平面である設置面1に直交するように設置される。
乾燥容器100の胴部100Aの上端部100Aaには、供給ライン101が接続されている。供給ライン101は、例えばポリオレフィンであるプロピレン系重合体を含む粒子などの乾燥対象物を、乾燥容器100内に導入するための構成である。
乾燥容器100の円錐台部100Bの頂面100Bbには、円柱状のサークルフィーダー100Cが、サークルフィーダー100Cの上面100Caが円錐台部100Bの頂面100Bbに連接するように設けられている。
ここで、乾燥容器100の側壁の一部分である円錐台部100Bの傾斜面100Baとサークルフィーダー100Cの上面100Caとのなす角θ、すなわち円錐台部100Bの傾斜面100Baと水平面である設置面1とのなす角θ(傾斜角度という。)は、実施例1においては70°である。
サークルフィーダー100Cの下面100Cbからは、モーター部100Dが突出している。サークルフィーダー100Cの下面100Cbのうちの中心軸C及びモーター部100Dから外れた領域には、排出ライン102が接続されている。排出ライン102は、排出口に接続されており、乾燥処理された乾燥対象物を、サークルフィーダー100C外、すなわち乾燥容器100外に排出するための構成である。
なお、第1の乾燥容器11においては、「ベッド高さ」の算出の基準となる最下端は、円錐台部100Bの下端である頂面100Bbとなる。また、サークルフィーダー100Cのような排出装置が設けられている場合には、排出口の径は、排出装置が接続されている第1の乾燥容器11側の開口の径に相当する。
供給ライン101、及び排出ライン102は、配管、弁などを含む従来公知の任意好適な構成とすることができる。また、供給ライン101、排出ライン102は所望の態様に応じた任意好適な配置、形状、サイズとして構成することができる。また、サークルフィーダー100C(およびモーター部100D)についても、従来公知の任意好適な構成とすることができる。
乾燥工程の実施後に、サークルフィーダー100C(株式会社ヨシカワ社製)を起動し、粒子Aを第1の乾燥容器11から排出したところ、安定的に全量の粒子Aの排出ができた。
[実施例2、3及び比較例1及び2]
乾燥工程の条件を下記表4に示したとおりとした以外は実施例1と同様にして、実施例2、3および比較例1及び2を実施した。結果を下記表4に示した。
ここで、図2を参照して、第2の乾燥容器12の構成例について説明する。図2は、第2の乾燥容器の構成例を説明するための模式的な図である。
図2に示されるように、第2の乾燥容器12は、円筒状の円筒部100A、円筒部100Aに連接しているサークルフィーダー100C(なお、突出しているモーター部100Dもサークルフィーダーに含まれる。)から構成される中空の乾燥容器100を含んでいる。乾燥容器100は、従来公知の任意好適な材料により構成することができる。
乾燥容器100は、使用時において、円筒部100Aの上端部100Aa及び下端部100Ab、並びにサークルフィーダー100Cの上面100Ca及び下面100Cbとの中心とを通る中心軸Cが、水平面である設置面1に直交するように設置される。なお、円筒部100Aの上端部100Aa及び下端部100Ab、並びにサークルフィーダー100Cの上面100Ca及び下面100Cbとは、いずれも設置面1に対して平行となるように配置されている。
乾燥容器100の円筒部100Aの上端部100Aaには、供給ライン101が接続されている。供給ライン101は、例えばポリオレフィンであるプロピレン系重合体を含む粒子などの乾燥対象物を、乾燥容器100内に導入するための構成である。
乾燥容器100の円筒部100Aの下端部100Abには、円柱状のサークルフィーダー100Cが、サークルフィーダー100Cの上面100Caが下端部100Abに連接されるように設けられている。
ここで、円筒部100A(乾燥容器100)の側壁100Acとサークルフィーダー100Cの上面100Caとのなす角θ、すなわち側壁100Acと水平面である設置面1とのなす角θは、実施例2、3及び比較例1及び2においては90°である。なお、本態様のようになす角が90°の場合においても本明細書においては「θ」は「傾斜角度」と称する。よって、第2の乾燥容器12において、傾斜角度θは90°である。
サークルフィーダー100Cの下面100Cbからは、サークルフィーダーの一部であるモーター部100Dが突出している。サークルフィーダー100Cの下面100Cbのうちの中心軸C及びモーター部100Dから外れた領域に位置している排出口には、排出ライン102が接続されている。排出ライン102は、乾燥処理された乾燥対象物を、サークルフィーダー100C外、すなわち乾燥容器100外に排出するための構成である。
なお、第2の乾燥容器12においては、「ベッド高さ」の算出の基準となる最下端は、円筒部100Aの下端部100Abとなる。このように、サークルフィーダー100Cのような排出装置が設けられている場合には、排出装置と乾燥容器との接続部が最下端となる。また、サークルフィーダー100Cのような排出装置が設けられている場合には、排出口の径は、排出装置が接続されている第2の乾燥容器12側の開口の径に相当する。
供給ライン101、及び排出ライン102は、配管、弁などを含む従来公知の任意好適な構成とすることができる。また、供給ライン101、排出ライン102は所望の態様に応じた任意好適な配置、形状、サイズとして構成することができる。また、サークルフィーダー100Cについても、従来公知の任意好適な構成とすることができる。
[実施例4](粒子Bの製造)
<固体触媒成分の製造>
撹拌機、滴下ロート、温度計を備えた100mLのフラスコ内の雰囲気を窒素ガスで置換した後、該フラスコに、トルエン36.0mL、及び四塩化チタン22.5mLを投入し、撹拌し、四塩化チタン溶液を得た。
次いで、フラスコ内の雰囲気の温度を0℃とした後、0℃でマグネシウムジエトキシド1.88gを30分間隔で4回投入した後、0℃で1.5時間撹拌した。
次に、2-エトキシメチル-3,3-ジメチルブタン酸エチル0.60mLをフラスコ内に投入した後でフラスコ内の温度を10℃に昇温した。
その後、10℃で2時間撹拌し、トルエン9.8mLをさらに投入した。次いで、フラスコ内の温度を昇温し、60℃となった時点でフラスコ内に2-エトキシメチル-3,3-ジメチルブタン酸エチル3.15mLを投入し、110℃まで昇温した。次に、110℃で3時間、フラスコ内の混合物を撹拌した。
上記のとおり攪拌して得られた混合物を固液分離して固体を得た。得られた固体を100℃にてトルエン56.3mLで3回洗浄した。
洗浄後の固体にトルエン38.3mLをさらに投入し、スラリーを形成した。得られたスラリーに四塩化チタン15.0mL、2-エトキシメチル-3,3-ジメチルブタン酸エチル0.75mLを投入して混合物とし、その後110℃で1時間、混合物を攪拌した。得られた混合物を固液分離し、得られた固体を60℃にてトルエン56.3mLで3回洗浄し、さらに常温にてヘキサン56.3mLで3回洗浄し、洗浄後の固体を減圧乾燥して固体触媒成分を得た。
得られた固体触媒成分は、チタン原子の含有量が2.53質量%であり、エトキシ基含有量が0.44質量%であり、内部電子供与体の含有量は13.7質量%であった。
得られた固体触媒成分のレーザー回折・散乱法による中心粒径は59.5μmであり、体積基準の粒子径分布において10μm以下である成分の累積百分率は5.3%であった。
得られた固体触媒成分のXPS分析による酸素原子1s軌道に由来し、結合エネルギーが532~534eVの範囲にピーク位置を有するピーク成分量は85.0%であり、結合エネルギーが529~532eVの範囲にピーク位置を有するピーク成分量は15.0%であった。
得られた固体触媒成分の水銀圧入法による全細孔容積は1.43mL/gであり、細孔半径5~30nmの範囲の細孔の合計容積は0.160mL/gであり、細孔半径30~700nmの範囲の細孔の合計容積は0.317mL/gであり、比表面積は107.44m/gであった。
(ヘテロファジックプロピレン重合材料の製造)
<予備重合工程>
内容積3Lの撹拌機付きステンレス鋼(SUS)製オートクレーブに、充分に脱水及び脱気処理したn-ヘキサン1.7L、トリエチルアルミニウム(TEA)34mmol、tert-ブチル-n-プロピルジメトキシシラン3.4mmolを収容した。
オートクレーブ内に上記のとおり製造した固体触媒成分12gを添加した後、オートクレーブ内の温度を約10℃に保ちながらプロピレン12gを約30分間かけて連続的に供給する予備重合工程を行った。
その後、予備重合工程により得られたスラリーを、内容積260Lの攪拌機付きSUS316L製オートクレーブに移送し、さらに液状のブタン180Lを加えたスラリーとした。
<本重合工程>
本重合工程においては、スラリー重合反応器と、多段気相重合反応器と、気相重合反応器2槽とを直列的に配置して接続した装置を用いた。
本重合工程は、重合工程1-a、重合工程1-b、重合工程2-a及び重合工程2-bにより行った。具体的には、重合工程1-a及び重合工程1-bにおいてプロピレン単独重合体であるプロピレン系重合体aを製造し、生成したプロピレン系重合体a及び固体触媒成分を失活させることなく次段の重合反応器に移送し、重合工程2-a及び重合工程2-bにおいてプロピレン-エチレン共重合体であるプロピレン共重合体bを重合することにより行った。以下、重合工程1-a、重合工程1-b、重合工程2-a及び重合工程2-bについて具体的に説明する。
(重合工程1-a)(スラリー重合反応器を用いたプロピレンの単独重合)
攪拌機付きSUS304製ベッセル型スラリー重合反応器を用いて、プロピレンの単独重合を行った。
具体的には、予備重合工程で得られたプロピレン、水素、TEA、tert-ブチル-n-プロピルジメトキシシラン及び上述した予備重合触媒成分のスラリーを、スラリー重合反応器に連続的に供給して、重合反応を行った。反応条件は下記のとおりとした。
重合温度:50℃
攪拌速度:150rpm
スラリー重合反応器の液レベル:18L
プロピレンの供給量:20kg/時間
水素の供給量:28.6NL/時間
TEAの供給量:39.0mmol/時間
tert-ブチル-n-プロピルジメトキシシランの供給量:7.60mmol/時間
スラリーの供給量(固体触媒成分換算):0.45g/時間
重合圧力:3.77MPa(ゲージ圧)
スラリー重合反応器の出口からサンプリングした生成物(プロピレン単独重合体)の極限粘度[η]L1は1.23dL/gであった。
(重合工程1-b)(多段気相重合反応器によるプロピレンの単独重合(気相重合))
鉛直方向に6段の反応領域を有し、そのうちの最上段が流動層であり、残りの5段が噴流層である多段気相重合反応器を用いて、プロピレンの単独重合を行った。
具体的には、スラリー重合反応器から多段気相重合反応器の最上段である流動層に、重合工程1-aにより生成した粒子状のプロピレン単独重合体及び液状プロピレンを含むスラリーを失活させることなく移送して連続供給した。
多段気相重合反応器内でのプロピレン単独重合体の段間移送は、ダブル弁方式により行った。ダブル弁方式による移送は、上段の反応領域(層)と下段の反応領域とを1インチ径サイズの配管で接続し、配管に2つの開閉弁を設け、下流側の弁を閉じた状態で上流側の弁を開け、上段の反応領域から弁の間にパウダーを一旦溜め込み、その後、上流側の弁を閉じた後に下流側の弁を開けることで下段の反応領域に粒子状のプロピレン単独重合体を移送することにより行った。
上記構成を有する多段気相重合反応器の最下部側からプロピレン及び水素を連続的に供給した。これにより、多段の各反応領域に流動層又は噴流層を形成させ、ガス組成及び圧力を一定に保つようプロピレンと水素の供給量をコントロールして、過剰ガスをパージしながらプロピレンの単独重合をさらに行った。反応条件は下記のとおりとした。
重合温度:60℃
重合圧力:1.80MPa(ゲージ圧)
ガスの濃度比(水素/(水素+プロピレン)):6.0モル%
多段気相重合反応器の出口からサンプリングした生成物(プロピレン単独重合体)の極限粘度[η]G1は1.24dL/gであった。[η]L1と[η]G1とは、ほぼ同じ値であった。よって、重合工程1-bまでの実施により生成したプロピレン単独重合体が、プロピレン系重合体aであり、[η]G1がプロピレン系重合体aの極限粘度である。
<重合工程2-a>(気相重合反応器(第1の気相重合反応器)によるプロピレン-エチレン共重合(気相重合))
重合工程1-bで用いられた多段気相重合反応器から排出されたプロピレン系重合体aをさらに後段の第1の気相重合反応器に連続的に供給した。重合工程2-aにおいて用いられた第1の気相重合反応器は、ガス分散板を備えた反応器であり、多段気相重合反応器から第1の気相重合反応器へのプロピレン系重合体aの移送は、既に説明したダブル弁方式で行った。
上記構成の第1の気相重合反応器にプロピレン、エチレン及び水素を連続的に供給し、ガス組成及び圧力を一定に保つようにガス供給量を調整して、及び過剰ガスをパージしながら、プロピレン系重合体a粒子の存在下、プロピレンとエチレンとの共重合を行なった。反応条件は下記のとおりとした。
重合温度:70℃
重合圧力:1.50MPa(ゲージ圧)
ガスの濃度比(エチレン/(プロピレン+エチレン)):45.6モル%
(水素/(水素+プロピレン+エチレン)):3.3モル%
<重合工程2-b>(気相重合反応器(第2の気相重合反応器)によるプロピレン-エチレン共重合(気相重合))
重合工程2-aで用いられた第1の気相重合反応器から排出された粒子をさらに後段の第2の気相重合反応器に連続的に供給した。重合工程2-bにおいて用いられた第2の気相重合反応器は、ガス分散板を備えた反応器であり、第1の気相重合反応器から第2の気相重合反応器への粒子の移送は、既に説明したダブル弁方式で行った。
上記構成の第2の気相重合反応器にプロピレン、エチレン及び水素を連続的に供給し、ガス組成及び圧力を一定に保つようにガス供給量を調整して、及び過剰ガスをパージしながら、プロピレンとエチレンとの共重合を行って、プロピレン共重合体bであるプロピレン-エチレン共重合体を生成させ、プロピレン系重合体aとプロピレン共重合体bとの混合物であるヘテロファジックプロピレン重合材料を得た。
第2の気相重合反応器における重合工程2-bの反応条件は下記のとおりとした。
重合温度:70℃
重合圧力:1.20MPa(ゲージ圧)
ガスの濃度比(エチレン/(プロピレン+エチレン)):45.6モル%
(水素/(水素+プロピレン+エチレン)):3.3モル%
なお、重合工程2-aと重合工程2-bとは、重合温度とガス濃度比とを同一の条件として実施したため、重合工程2-aで生成したプロピレン-エチレン共重合体と重合工程2-bで生成したプロピレン-エチレン共重合体は、ほぼ同じ構造であるとみなすことができる。
上記のとおり重合工程2-aおよび重合工程2-bを実施することにより、プロピレン-エチレン共重合体である「プロピレン共重合体b」をさらに含むヘテロファジックプロピレン重合材料を得た。
得られたヘテロファジックプロピレン重合材料中のプロピレン共重合体bの割合(X)は、プロピレン系重合体aとヘテロファジックプロピレン重合材料全体の結晶融解熱量をそれぞれ測定し、下記式を用いて計算により求めた。ここで、結晶融解熱量は、示差走査型熱分析(DSC)により測定した。
X=1-(ΔHf)T/(ΔHf)P
(ΔHf)T:ヘテロファジックプロピレン重合材料全体の融解熱量(J/g)
(ΔHf)P:プロピレン系重合体aの融解熱量(J/g)
第2の気相重合反応器の出口からサンプリングした生成物(ヘテロファジックプロピレン重合材料)の極限粘度[η]G2は1.87dL/gであった。
第2の気相重合反応器の出口から得られた生成物は、プロピレン系重合体aとプロピレン共重合体bの混合物である。プロピレン共重合体bの極限粘度[η]Cは下記式により算出した。
[η]C=([η]G2-[η]G1×(1-X))/X
得られたヘテロファジックプロピレン重合材料の極限粘度([η]Total)は、1.87dL/gであり、エチレン含有量は19.8質量%、プロピレン含有量は80.2質量%であった。また、プロピレン系重合体aとプロピレン共重合体bとの重合比は、それぞれ54/46[質量%/質量%]であった。プロピレン共重合体b中のエチレンの含有量は41質量%であり、プロピレン共重合体bの極限粘度[η]Cは2.6dL/gであった。
<固気分離工程および触媒失活工程>
上記重合工程2で得られたヘテロファジックプロピレン重合材料を気相重合反応器からSUS製の固気分離容器に移送し、固気分離容器のボトム側から水蒸気(スチーム)および窒素ガスを供給することで、固気分離工程と併せて固体触媒成分を失活させる触媒失活工程を行った。
<粒子Bの乾燥工程>
図3に示される第3の乾燥容器13を用い、第3の乾燥容器の底部側から加温された窒素ガスを供給することで、粒子Bを表4の条件として、バッチ方式で乾燥させる乾燥工程を実施した。
ここで、図3を参照して、第3の乾燥容器13の構成例について説明する。図3は、第3の乾燥容器の構成例を説明するための模式的な図である。
図3に示されるように、第3の乾燥容器13は、円筒状の円筒部100A、円筒部100Aに一体的に連接しており、傾斜面100Eaとを有する円錐部100Eから構成される中空の乾燥容器100を含んでいる。乾燥容器100は、従来公知の任意好適な材料により構成することができる。
乾燥容器100は、使用時において、円錐部100Eの頂点100Ebが鉛直方向の下端部とされ、円錐部100Eが連接する側とは反対側の円筒部100Aの端部が上端部100Aaとなるように配置されている。より具体的には、乾燥容器100は、円錐部100Eの頂点100Ebと円筒部100Aの上端部100Aaの中心とを通る中心軸Cが、水平面である設置面1に直交するように設置される。
乾燥容器100の円筒部100Aの上端部100Aaには、供給ライン101が接続されている。供給ライン101は、例えばポリオレフィンであるプロピレン系重合体を含む粒子などの乾燥対象物を、乾燥容器100内に導入するための構成である。
ここで、円錐部100Eの傾斜面100Eaと水平面である設置面1とのなす角θ(傾斜角度という。)は、実施例4においては60°である。
乾燥容器100の円錐部100Eの頂点100Ebに位置している排出口には、排出ライン102が接続されている。排出ライン102は、乾燥処理された乾燥対象物を、乾燥容器100外に排出するための構成である。
なお、第3の乾燥容器13においては、「ベッド高さ」の算出の基準となる最下端は、円錐部100Eの下端部である頂点100Ebとなる。
第3の乾燥容器13においては、排出ライン102には、ボールバルブ103が設けられている。ボールバルブ103は、その開閉動作により、乾燥処理された乾燥対象物を、乾燥容器100外に排出させるか、又は乾燥対象物を乾燥容器100内に保持する機能部である。
上記のとおりボールバルブ103が用いられる場合には、排出口の径は、100Ebの頂点における開口の径に相当する。
供給ライン101、及び排出ライン102は、配管、弁などを含む従来公知の任意好適な構成とすることができる。また、供給ライン101、排出ライン102及びボールバルブ103は所望の態様に応じた任意好適な配置、形状、サイズとして構成することができる。
乾燥工程の実施後に、第3の乾燥容器13のボールバルブ103を開け、粒子Bを第3の該乾燥容器13から排出したところ、安定的に全量の粒子Bの排出ができた。
[実施例5]
乾燥工程の条件を下記表4に示したとおりとした以外は実施例4と同様にして、実施例5を実施した。さらに結果を下記表4に示した。
[実施例6](粒子Dの製造)
(プロピレン単独重合体の製造)
<予備重合工程>
内容積3Lの撹拌機付きステンレス鋼(SUS)製オートクレーブに、充分に脱水及び脱気処理したn-ヘキサン1.9L、トリエチルアルミニウム(TEA)48mmol、tert-ブチル-n-プロピルジメトキシシラン4.8mmolを収容した。
オートクレーブ内に、既に説明した実施例4と同様にして製造した固体触媒成分19gを添加した後、オートクレーブ内の温度を約10℃に保ちながらプロピレン19gを約30分間かけて連続的に供給する予備重合工程を行った。
その後、予備重合工程により得られたスラリーを、内容積260Lの攪拌機付きSUS316L製オートクレーブに移送し、さらに液状のブタン180Lを加えたスラリーとした。
<本重合工程>
本重合工程においては、スラリー重合反応器と、多段気相重合反応器とを直列的に配置して接続した装置を用いた。
本重合工程は、下記重合工程1-a及び重合工程1-bにおいてプロピレン単独重合体であるプロピレン系重合体aを重合した。
<重合工程1-a>(スラリー重合反応器を用いたプロピレンの単独重合)
攪拌機付きSUS304製ベッセル型スラリー重合反応器を用いて、プロピレンの単独重合を行った。
具体的には、予備重合工程で得られたプロピレン、水素、TEA、tert-ブチル-n-プロピルジメトキシシラン及び上述した予備重合触媒成分のスラリーを、スラリー重合反応器に連続的に供給して、重合反応を行った。反応条件は下記のとおりとした。
重合温度:50℃
攪拌速度:150rpm
スラリー重合反応器の液レベル:18L
プロピレンの供給量:18kg/時間
水素の供給量:47.1NL/時間
TEAの供給量:33.0mmol/時間
tert-ブチル-n-プロピルジメトキシシランの供給量:6.46mmol/時間
スラリーの供給量(固体触媒成分換算):0.79g/時間
重合圧力:4.09MPa(ゲージ圧)
スラリー重合反応器の出口からサンプリングした生成物(プロピレン単独重合体)の極限粘度[η]L1は0.98dL/gであった。
(重合工程1-b)(多段気相重合反応器によるプロピレンの単独重合(気相重合))
鉛直方向に6段の反応領域を有し、そのうちの最上段が流動層であり、残りの5段が噴流層である多段気相重合反応器を用いて、プロピレンの単独重合を行った。
具体的には、スラリー重合反応器から多段気相重合反応器の最上段である流動層に、重合工程1-aにより生成した粒子状のプロピレン単独重合体及び液状プロピレンを含むスラリーを失活させることなく移送して連続供給した。
多段気相重合反応器内でのプロピレン単独重合体の段間移送は、ダブル弁方式により行った。ダブル弁方式による移送は、上段の反応領域(層)と下段の反応領域とを1インチ径サイズの配管で接続し、配管に2つの開閉弁を設け、下流側の弁を閉じた状態で上流側の弁を開け、上段の反応領域から弁の間にパウダーを一旦溜め込み、その後、上流側の弁を閉じた後に下流側の弁を開けることで下段の反応領域に粒子状のプロピレン単独重合体を移送することにより行った。
上記構成を有する多段気相重合反応器の最下部側からプロピレン及び水素を連続的に供給した。これにより、多段の各反応領域に流動層又は噴流層を形成させ、ガス組成及び圧力を一定に保つようプロピレンと水素の供給量をコントロールして、過剰ガスをパージしながらプロピレンの単独重合をさらに行った。反応条件は下記のとおりとした。
重合温度:70℃
重合圧力:1.79MPa(ゲージ圧)
ガスの濃度比(水素/(水素+プロピレン)):9.5モル%
多段気相重合反応器の出口からサンプリングした生成物(プロピレン単独重合体)の極限粘度[η]G1は0.96dL/gであった。[η]L1と[η]G1とは、ほぼ同じ値であった。よって、重合工程1-bまでの実施により生成したプロピレン単独重合体が、プロピレン系重合体aであり、[η]G1がプロピレン系重合体aの極限粘度である。
<固気分離工程および触媒失活工程>
上記重合工程1-bで得られたプロピレン単独重合体を気相重合反応器からSUS製の固気分離容器に移送し、固気分離容器のボトム側から水蒸気(スチーム)および窒素ガスを供給することで、固気分離工程と併せて固体触媒成分を失活させる触媒失活工程を行った。
<粒子Dの乾燥工程>
図3に示される第3の乾燥容器13を用い、第3の乾燥容器の底部側から加温された窒素ガスを供給することで、粒子Dを表4の条件として、バッチ方式で乾燥させる乾燥工程を実施した。
乾燥工程の実施後に、第3の乾燥容器13のボールバルブ103を開け、粒子Dを第3の該乾燥容器13から排出したところ、安定的に全量の粒子Dの排出ができた。
[実施例7](粒子Eの製造)
(ヘテロファジックプロピレン重合材料の製造)
<予備重合工程>
内容積3Lの撹拌機付きステンレス鋼(SUS)製オートクレーブに、充分に脱水及び脱気処理したn-ヘキサン1.7L、トリエチルアルミニウム(TEA)38mmol、tert-ブチル-n-プロピルジメトキシシラン7.6mmolを収容した。
オートクレーブ内に、既に説明した実施例4と同様にして製造した固体触媒成分15gを添加した後、オートクレーブ内の温度を約10℃に保ちながらプロピレン15gを約30分間かけて連続的に供給する予備重合工程を行った。
その後、予備重合工程により得られたスラリーを、内容積150Lの攪拌機付きSUS316L製オートクレーブに移送し、さらに液状のブタン100Lを加えたスラリーとした。
<本重合工程>
本重合工程においては、スラリー重合反応器3槽と、気相重合反応器2槽とを直列的に配置して接続した装置を用いた。
本重合工程は、重合工程1-a1、重合工程1-a2、重合工程1-a3、重合工程1-b及び重合工程2により行った。具体的には、重合工程1-a1、重合工程1-a2、重合工程1-a3及び重合工程1-bにおいてプロピレン単独重合体であるプロピレン系重合体aを製造し、生成したプロピレン系重合体a及び固体触媒成分を失活させることなく次段の重合反応器に移送し、重合工程2においてプロピレン-エチレン共重合体であるプロピレン共重合体bを重合することにより行った。以下、重合工程1-a1、重合工程1-a2、重合工程1-a3、重合工程1-b及び重合工程2について具体的に説明する。
<重合工程1-a1>(スラリー重合反応器を用いたプロピレンの単独重合)
攪拌機付きSUS304製ベッセル型スラリー重合反応器を用いて、プロピレンの単独重合を行った。
具体的には、予備重合工程で得られたプロピレン、水素、TEA、tert-ブチル-n-プロピルジメトキシシラン及び上述した予備重合触媒成分のスラリーを、スラリー重合反応器に連続的に供給して、重合反応を行った。反応条件は下記のとおりとした。
重合温度:55℃
攪拌速度:150rpm
スラリー重合反応器の液レベル:18L
プロピレンの供給量:20kg/時間
水素の供給量:78.7NL/時間
TEAの供給量:32.3mmol/時間
tert-ブチル-n-プロピルジメトキシシランの供給量:6.81mmol/時間
スラリーの供給量(固体触媒成分換算):0.55g/時間
重合圧力:4.27MPa(ゲージ圧)
<重合工程1-a2>(スラリー重合反応器を用いたプロピレンの単独重合)
攪拌機付きSUS304製ベッセル型スラリー重合反応器を用いて、プロピレンの単独重合を行った。 具体的には、重合工程1-a1で得られたスラリーを、スラリー重合反応器に連続的に供給して、重合反応を行った。反応条件は下記のとおりとした。
重合温度:54℃
攪拌速度:150rpm
スラリー重合反応器の液レベル:55L
プロピレンの供給量:15kg/時間
水素の供給量:57.3NL/時間
重合圧力:3.28MPa(ゲージ圧)
<重合工程1-a3>(スラリー重合反応器を用いたプロピレンの単独重合)
攪拌機付きSUS304製ベッセル型スラリー重合反応器を用いて、プロピレンの単独重合を行った。
具体的には、重合工程1-a2で得られたスラリーを、スラリー重合反応器に連続的に供給して、重合反応を行った。反応条件は下記のとおりとした。
重合温度:50℃
攪拌速度:150rpm
スラリー重合反応器の液レベル:55L
プロピレンの供給量:3kg/時間
重合圧力:3.06MPa(ゲージ圧)
スラリー重合反応器の出口からサンプリングした生成物(プロピレン単独重合体)の極限粘度[η]L1は0.94dL/gであった。
<重合工程1-b>(気相重合反応器によるプロピレンの単独重合(気相重合))
重合工程1-a3で得られたスラリーをさらに後段の気相重合反応器に連続的に供給した。重合工程1-bにおいて用いられた気相重合反応器は、ガス分散板を備えた反応器である。
気相重合反応器の最下部側からプロピレン及び水素を連続的に供給した。これにより、多段の各反応領域に流動層を形成させ、ガス組成及び圧力を一定に保つようプロピレンと水素の供給量をコントロールして、過剰ガスをパージしながらプロピレンの単独重合をさらに行った。反応条件は下記のとおりとした。
重合温度:70℃
重合圧力:1.94MPa(ゲージ圧)
ガスの濃度比(水素/(水素+プロピレン)):8.5モル%
気相重合反応器の出口からサンプリングした生成物(プロピレン単独重合体)の極限粘度[η]G1は0.95dL/gであった。[η]L1と[η]G1とは、ほぼ同じ値であった。よって、重合工程1-bまでの実施により生成したプロピレン単独重合体が、プロピレン系重合体aであり、[η]G1がプロピレン系重合体aの極限粘度である。
<重合工程2>(気相重合反応器によるプロピレン-エチレン共重合(気相重合))
重合工程1-bで用いられた気相重合反応器から排出されたプロピレン系重合体aをさらに後段の気相重合反応器に連続的に供給した。重合工程2において用いられた気相重合反応器は、ガス分散板を備えた反応器である。
上記構成の気相重合反応器にプロピレン、エチレン及び水素を連続的に供給し、ガス組成及び圧力を一定に保つようにガス供給量を調整して、及び過剰ガスをパージしながら、プロピレン系重合体a(粒子)の存在下、プロピレンとエチレンとの共重合を行って、プロピレン共重合体bであるプロピレン-エチレン共重合体を生成させ、プロピレン系重合体aとプロピレン共重合体bとの混合物であるヘテロファジックプロピレン重合材料を得た。反応条件は下記のとおりとした。
重合温度:70℃
重合圧力:1.40MPa(ゲージ圧)
ガスの濃度比(エチレン/(プロピレン+エチレン)):27.9モル%
(水素/(水素+プロピレン+エチレン)):0.09モル%
得られたヘテロファジックプロピレン重合材料中のプロピレン共重合体bの割合(X)は、プロピレン系重合体aとヘテロファジックプロピレン重合材料全体の結晶融解熱量をそれぞれ測定し、下記式を用いて計算により求めた。ここで、結晶融解熱量は、示差走査型熱分析(DSC)により測定した。
X=1-(ΔHf)T/(ΔHf)P
(ΔHf)T:ヘテロファジックプロピレン重合材料全体の融解熱量(J/g)
(ΔHf)P:プロピレン系重合体aの融解熱量(J/g)
気相重合反応器の出口からサンプリングした生成物(ヘテロファジックプロピレン重合材料)の極限粘度[η]G2は2.07dL/gであった。
気相重合反応器の出口から得られた生成物は、プロピレン系重合体aとプロピレン共重合体bの混合物である。プロピレン共重合体bの極限粘度[η]Cは下記式により算出した。
[η]C=([η]G2-[η]G1×(1-X))/X
得られたヘテロファジックプロピレン重合材料の極限粘度([η]Total)は、2.07dL/gであり、エチレン含有量は5.1質量%、プロピレン含有量は94.9質量%であった。また、プロピレン系重合体aとプロピレン共重合体bとの重合比は、それぞれ86/14[質量%/質量%]であった。プロピレン共重合体b中のエチレンの含有量は36質量%であり、プロピレン共重合体bの極限粘度[η]Cは8.8dL/gであった。
<固気分離工程および触媒失活工程>
上記重合工程2で得られたヘテロファジックプロピレン重合材料を気相重合反応器からSUS製の固気分離容器に移送し、固気分離容器のボトム側から水蒸気(スチーム)および窒素ガスを供給することで、固気分離工程と併せて固体触媒成分を失活させる触媒失活工程を行った。
<粒子Eの乾燥工程>
第3の乾燥容器13を用い、第3の乾燥容器13の底部側から加温された窒素ガスを供給することで、粒子Eを表4の条件として、バッチ方式で乾燥させる乾燥工程を実施した。なお、この例における第3の乾燥容器13の構成は、図3を参照して既に説明したとおりである。なお、第3の乾燥容器13の装置径は0.4mとし、傾斜角度θは67.5°とし、排出口の径は0.11mとした。
乾燥工程の実施後に、第3の乾燥容器13のボールバルブ103を開け、粒子Eを第3の該乾燥容器13から排出したところ、安定的に全量の粒子Eの排出ができた。
[比較例3](粒子Cの製造)
(ヘテロファジックプロピレン重合材料の製造)
<予備重合工程>
内容積3Lの撹拌機付きステンレス鋼(SUS)製オートクレーブに、充分に脱水及び脱気処理したn-ヘキサン1.0L、トリエチルアルミニウム(TEA)19mmol、tert-ブチル-n-プロピルジメトキシシラン1.9mmolを収容した。
オートクレーブ内に、既に説明した実施例4と同様にして製造した固体触媒成分7gを添加した後、オートクレーブ内の温度を約10℃に保ちながらプロピレン7gを約30分間かけて連続的に供給する予備重合工程を行った。
その後、予備重合工程により得られたスラリーを、内容積260Lの攪拌機付きSUS316L製オートクレーブに移送し、さらに液状のブタン180Lを加えたスラリーとした。
<本重合工程>
本重合工程においては、スラリー重合反応器と、多段気相重合反応器と、気相重合反応器2槽とを直列的に配置して接続した装置を用いた。
本重合工程は、重合工程1-a、重合工程1-b、重合工程2-a及び重合工程2-bにより行った。具体的には、重合工程1-a及び重合工程1-bにおいてプロピレン-エチレン共重合体であるプロピレン系重合体aを製造し、生成したプロピレン系重合体a及び固体触媒成分を失活させることなく次段の重合反応器に移送し、重合工程2-a及び重合工程2-bにおいてプロピレン-エチレン共重合体であるプロピレン共重合体bを重合することにより行った。以下、重合工程1-a、重合工程1-b、重合工程2-a及び重合工程2-bについて具体的に説明する。
<重合工程1-a>(スラリー重合反応器を用いたプロピレン-エチレン共重合)
攪拌機付きSUS304製ベッセル型スラリー重合反応器を用いて、プロピレン-エチレン共重合を行った。
具体的には、予備重合工程で得られたプロピレン、水素、エチレン、TEA、tert-ブチル-n-プロピルジメトキシシラン及び上述した予備重合触媒成分のスラリーを、スラリー重合反応器に連続的に供給して、重合反応を行った。反応条件は下記のとおりとした。
重合温度:50℃
攪拌速度:150rpm
スラリー重合反応器の液レベル:18L
プロピレンの供給量:30kg/時間
水素の供給量:5.4NL/時間
エチレンの供給量:0.045kg/時間
TEAの供給量:17.9mmol/時間
tert-ブチル-n-プロピルジメトキシシランの供給量:3.58mmol/時間
スラリーの供給量(固体触媒成分換算):0.35g/時間
重合圧力:3.04MPa(ゲージ圧)
スラリー重合反応器の出口からサンプリングした生成物(プロピレン-エチレン共重合体)の極限粘度[η]L1は2.13dL/gであった。
スラリー重合反応器の出口からサンプリングした生成物(プロピレン-エチレン共重合体)のエチレン含量C2’Lは1.3質量%であった。
<重合工程1-b>(多段気相重合反応器によるプロピレン-エチレン共重合(気相重合))
鉛直方向に6段の反応領域を有し、そのうちの最上段が流動層であり、残りの5段が噴流層である多段気相重合反応器を用いて、プロピレン-エチレン共重合を行った。
具体的には、スラリー重合反応器から多段気相重合反応器の最上段である流動層に、重合工程1-aにより生成した粒子状のプロピレン単独重合体及び液状プロピレンを含むスラリーを失活させることなく移送して連続供給した。
多段気相重合反応器内でのプロピレン系重合体の段間移送は、ダブル弁方式により行った。ダブル弁方式による移送は、上段の反応領域(層)と下段の反応領域とを1インチ径サイズの配管で接続し、配管に2つの開閉弁を設け、下流側の弁を閉じた状態で上流側の弁を開け、上段の反応領域から弁の間にパウダーを一旦溜め込み、その後、上流側の弁を閉じた後に下流側の弁を開けることで下段の反応領域に粒子状のプロピレン系重合体を移送することにより行った。
上記構成を有する多段気相重合反応器の最下部側からプロピレン、エチレン及び水素を連続的に供給した。これにより、多段の各反応領域に流動層又は噴流層を形成させ、ガス組成及び圧力を一定に保つようプロピレン、エチレン及び水素の供給量をコントロールして、過剰ガスをパージしながらプロピレンとエチレンとの共重合をさらに行った。反応条件は下記のとおりとした。
重合温度:57℃
重合圧力:1.70MPa(ゲージ圧)
ガスの濃度比(エチレン/(プロピレン+エチレン)):4.2モル%
ガスの濃度比(水素/(水素+プロピレン+エチレン)):1.1モル%
多段気相重合反応器の出口からサンプリングした生成物(プロピレン系重合体a)の極限粘度[η]G1は2.26dL/gであった。[η]L1と[η]G1とは、ほぼ同じ値であった。よって、重合工程1-bまでの実施により生成したプロピレン単独重合体が、プロピレン系重合体aであり、[η]G1がプロピレン系重合体aの極限粘度である。
多段気相重合反応器の出口からサンプリングした生成物(プロピレン系重合体a)のエチレン含量C2’G1は5.7質量%であった。ここで重合工程1-bまでの実施により生成したプロピレン単独重合体が、プロピレン系重合体aであり、エチレン含量C2’G1がプロピレン系重合体aのエチレン含量である。
<重合工程2-a>(第1の気相重合反応器によるプロピレン-エチレン共重合(気相重合))
重合工程1-bで用いられた多段気相重合反応器から排出されたプロピレン系重合体aをさらに後段の第1の気相重合反応器に連続的に供給した。重合工程2-aにおいて用いられた第1の気相重合反応器は、ガス分散板を備えた反応器であり、多段気相重合反応器から第1の気相重合反応器へのプロピレン系重合体aの移送は、既に説明したダブル弁方式で行った。
上記構成の第1の気相重合反応器にプロピレン、エチレン及び水素を連続的に供給し、ガス組成及び圧力を一定に保つようにガス供給量を調整して、及び過剰ガスをパージしながら、プロピレン系重合体a粒子の存在下、プロピレンとエチレンとの共重合を行なって、プロピレン共重合体bであるプロピレン-エチレン共重合体を生成させ、プロピレン系重合体aとプロピレン共重合体bとの混合物であるヘテロファジックプロピレン重合材料を得た。反応条件は下記のとおりとした。
重合温度:70℃
重合圧力:1.67MPa(ゲージ圧)
ガスの濃度比(エチレン/(プロピレン+エチレン)):21.8モル%
(水素/(水素+プロピレン+エチレン)):1.4モル%
<重合工程2-b>(気相重合反応器(第2の気相重合反応器)によるプロピレン-エチレン共重合(気相重合))
重合工程2-aで用いられた第1の気相重合反応器から排出された粒子をさらに後段の第2の気相重合反応器に連続的に供給した。重合工程2-bにおいて用いられた第2の気相重合反応器は、ガス分散板を備えた反応器であり、第1の気相重合反応器から第2の気相重合反応器への粒子の移送は、既に説明したダブル弁方式で行った。
上記構成の第2の気相重合反応器にプロピレン、エチレン及び水素を連続的に供給し、ガス組成及び圧力を一定に保つようにガス供給量を調整して、及び過剰ガスをパージしながら、プロピレンとエチレンとの共重合を行って、プロピレン共重合体bであるプロピレン-エチレン共重合体を生成させ、プロピレン系重合体aとプロピレン共重合体bとの混合物であるヘテロファジックプロピレン重合材料を得た。第2の気相重合反応器における重合工程2-bの反応条件は下記のとおりとした。
重合温度:70℃
重合圧力:1.63MPa(ゲージ圧)
ガスの濃度比(エチレン/(プロピレン+エチレン)):21.8モル%
(水素/(水素+プロピレン+エチレン)):1.4モル%
なお、重合工程2-aと重合工程2-bとは、重合温度とガス濃度比とを同一の条件として実施したため、重合工程2-aで生成したプロピレン-エチレン共重合体と重合工程2-bで生成したプロピレン-エチレン共重合体とは、ほぼ同じ構造であるとみなすことができる。
上記のとおり重合工程2-aおよび重合工程2-bを実施することにより、プロピレン-エチレン共重合体である「プロピレン共重合体b」をさらに含むヘテロファジックプロピレン重合材料を得た。
得られたヘテロファジックプロピレン重合材料中のプロピレン共重合体bの割合(X)は、プロピレン系重合体aとヘテロファジックプロピレン重合材料全体の結晶融解熱量をそれぞれ測定し、下記式を用いて計算により求めた。ここで、結晶融解熱量は、示差走査型熱分析(DSC)により測定した。
X=1-(ΔHf)T/(ΔHf)P
(ΔHf)T:ヘテロファジックプロピレン重合材料全体の融解熱量(J/g)
(ΔHf)P:プロピレン系重合体aの融解熱量(J/g)
第2の気相重合反応器の出口からサンプリングした生成物(ヘテロファジックプロピレン重合材料)の極限粘度[η]G2は2.70dL/gであった。
第2の気相重合反応器の出口から得られた生成物は、プロピレン系重合体aとプロピレン共重合体bの混合物である。プロピレン共重合体bの極限粘度[η]Cは下記式により算出した。
[η]C=([η]G2-[η]G1×(1-X))/X
第2の気相重合反応器の出口から得られた生成物は、プロピレン系重合体aとプロピレン共重合体bの混合物である。プロピレン共重合体bのエチレン含量C2’Cは下記式により算出した。
C2’C=(C2’G2-C2’G1×(1-X))/X
得られたヘテロファジックプロピレン重合材料の極限粘度([η]Total)は、2.70dL/gであり、エチレン含有量(C2’G2)は17.6質量%、プロピレン含有量は82.4質量%であった。また、プロピレン系重合体aとプロピレン共重合体bとの重合比は、それぞれ34/66であった。プロピレン共重合体b中のエチレンの含有量C2’Cは24質量%であり、プロピレン共重合体bの極限粘度[η]Cは2.9dL/gであった。
<固気分離工程および触媒失活工程>
上記重合工程2で得られたヘテロファジックプロピレン重合材料を気相重合反応器からSUS製の固気分離容器に移送し、固気分離容器のボトム側から水蒸気(スチーム)および窒素ガスを供給することで、固気分離工程と併せて固体触媒成分を失活させる触媒失活工程を行った。
<粒子Cの乾燥工程>
既に説明した図3に示される第3の乾燥容器13を用い、第3の乾燥容器の底部側から加温された窒素ガスを供給することで、粒子Cを表4の条件として、バッチ方式で乾燥させる乾燥工程を実施した。
乾燥工程の実施後に、第3の乾燥容器13のボールバルブ103を開け、粒子Cを第3の該乾燥容器13から排出したところ、第3の乾燥容器13からは粒子Cの排出は全くできなかった。
Figure 2023035940000005
上記のとおり、式(a)によって求められる値が、-0.20以上1.05以下(0.258~0.996)である実施例1~7によれば、乾燥された粒子の全量を安定的に乾燥容器外に排出させることができた。他方、比較例1及び2によれば、乾燥された粒子の全量を乾燥容器外に排出させることができない排出不良状態となり、乾燥容器内において滞留した粒子がラットホールを形成してしまっていた。また、比較例3によれば、粒子Cは乾燥容器からは全く排出ができなかった。
[実施例8]
乾燥工程の条件を下記表5に示したとおりとする以外は実施例6と同様にして、実施例8を実施する。結果を下記表5に示す。
[比較例4]
実施例8の乾燥容器の傾斜角度を89°に変更する。乾燥工程で乾燥容器に投入する粒子Dの重量が実施例8と同様である場合、ベッド高さは6.44mとなる。
上記のとおり、実施例8ではL/Dが2.5であるのに対し、比較例4ではL/Dが10.7である。L/Dが大きいと、乾燥容器の鉛直方向の高さが高くなり、その結果、例えば配管長さが長くなったり、必要な動力が大きくなったりするため、好ましくない。
Figure 2023035940000006
1 設置面
11 第1の乾燥容器
12 第2の乾燥容器
13 第3の乾燥容器
100 乾燥容器
100A 胴部
100Aa 上端部
100Ab 下端部
100B 円錐台部
100Ba 傾斜面
100Bb 頂面
100C サークルフィーダー
100Ca 上面
100Cb 下面
100D モーター部
100E 円錐部
100Ea 傾斜面
100Eb 頂点
101 供給ライン
102 排出ライン
103 ボールバルブ
C 中心軸

Claims (24)

  1. ポリオレフィンを含む粒子を乾燥容器に供給し、該乾燥容器内で該ポリオレフィンを含む粒子を乾燥する乾燥工程を含み、
    前記乾燥工程において、下記式(a)によって求められる値が、-0.20以上1.05以下である、ポリオレフィンを含む粒子の乾燥方法。
    式(a):0.00304×装置径[m]+0.00261×ベッド高さ[m]+0.0179×滞留時間[時間]+0.00213×乾燥容器内の粒子温度[K]-0.0109×傾斜角度[度]+0.0212×CXS成分量[質量%]
    (式(a)中、
    装置径とは、前記乾燥容器の胴部の最大径を表し、
    ベッド高さとは、ポリオレフィンを含む粒子を排出するための排出口の高さから前記乾燥容器内に滞留しているポリオレフィンを含む粒子が位置している高さまでの最大高さを表し、
    滞留時間とは、ポリオレフィンを含む粒子が前記乾燥容器内に滞留している時間を表し、
    乾燥容器内の粒子温度とは、前記乾燥容器内のポリオレフィンを含む粒子の温度を表し、
    傾斜角度とは、前記乾燥容器の傾斜面と設置面とのなす外角を表し、ここで外角とは容器外部側の角度を意味しており、
    CXS成分量とは、ポリオレフィンを含む粒子のCXS成分の含有量を表す。)
  2. 前記ポリオレフィンがプロピレン系重合体を含む、請求項1に記載のポリオレフィンを含む粒子の乾燥方法。
  3. 前記プロピレン系重合体が、プロピレンに由来する構造単位の質量割合が50質量%以上95質量%以下であって、エチレンおよび炭素原子数4~12のオレフィンからなる群から選択される少なくとも1種のオレフィンに由来する構造単位の質量割合が5質量%以上50質量%以下である重合体であり、
    前記ポリオレフィンを含む粒子のCXS成分の含有量が5質量%以上である、請求項2に記載の乾燥方法。
  4. 前記プロピレン系重合体が、プロピレンに由来する構造単位の質量割合が50質量%以上80質量%以下であって、エチレンおよび炭素原子数4~12のα-オレフィンからなる群から選択される少なくとも1種のオレフィンに由来する構造単位の質量割合が20質量%以上50質量%以下である重合体であり、
    前記ポリオレフィンを含む粒子のCXS成分の含有量が15質量%以上である、請求項3に記載の乾燥方法。
  5. 前記プロピレン系重合体が、プロピレンに由来する構造単位の質量割合が50質量%以上95質量%以下であって、エチレンおよび炭素原子数4~12のα-オレフィンからなる群から選択される少なくとも1種のオレフィンに由来する構造単位の質量割合が5質量%以上50質量%以下である重合体であり、
    前記ポリオレフィンを含む粒子のCXS成分の含有量が5質量%以上である、請求項2に記載の乾燥方法。
  6. 前記プロピレン系重合体が、プロピレンに由来する構造単位の質量割合が50質量%以上80質量%以下であって、エチレンおよび炭素原子数4~12のα-オレフィンからなる群から選択される少なくとも1種のオレフィンに由来する構造単位の質量割合が20質量%以上50質量%以下である重合体であり、
    前記ポリオレフィンを含む粒子のCXS成分の含有量が15質量%以上である、請求項5に記載の乾燥方法。
  7. 前記乾燥容器内のポリオレフィンを含む粒子の前記温度が、0℃以上160℃以下である、請求項1~6のいずれか1項に記載の乾燥方法。
  8. 前記乾燥容器内における前記ポリオレフィンを含む粒子の滞留時間が1時間以上48時間以下である、請求項1~6のいずれか1項に記載の乾燥方法。
  9. 前記乾燥容器における前記傾斜角度が30°以上である、請求項1~6のいずれか1項に記載の乾燥方法。
  10. 前記ポリオレフィンを含む粒子の中位径が500μm以上10000μm以下である、請求項1~6のいずれか1項に記載の乾燥方法。
  11. 請求項1~6のいずれか1項に記載の乾燥方法により、前記ポリオレフィンを含む粒子を乾燥させる工程を含む、ポリオレフィンを含む粒子の製造方法。
  12. 請求項1~6のいずれか1項に記載の乾燥方法により、前記ポリオレフィンを含む粒子を乾燥させる工程を含む、ポリオレフィン系樹脂組成物の製造方法。
  13. ポリオレフィンを含む粒子を貯蔵容器に供給し、該貯蔵容器内で該ポリオレフィンを含む粒子を貯蔵する貯蔵工程を含み、
    前記貯蔵工程において、下記式(b)によって求められる値が、-0.20以上1.05以下である、ポリオレフィンを含む粒子の貯蔵方法。
    式(b):0.00304×装置径[m]+0.00261×ベッド高さ[m]+0.0179×滞留時間[時間]+0.00213×貯蔵容器内の粒子温度[K]-0.0109×傾斜角度[度]+0.0212×CXS成分量[質量%]
    (式(b)中、
    装置径とは、前記貯蔵容器の胴部の最大径を表し、
    ベッド高さとは、ポリオレフィンを含む粒子を排出するための排出口の高さから前記貯蔵容器内に滞留しているポリオレフィンを含む粒子が位置している高さまでの最大高さを表し、
    滞留時間とは、ポリオレフィンを含む粒子が前記貯蔵容器内に滞留している時間を表し、
    貯蔵容器内の粒子温度とは、前記貯蔵容器内のポリオレフィンを含む粒子の温度を表し、
    傾斜角度とは、前記貯蔵容器の傾斜面と設置面とのなす外角を表し、ここで外角とは容器外部側の角度を意味しており、
    CXS成分量とは、ポリオレフィンを含む粒子のCXS成分の含有量を表す。)
  14. 前記ポリオレフィンがプロピレン系重合体である、請求項13に記載のポリオレフィンを含む粒子の貯蔵方法。
  15. 前記プロピレン系重合体が、プロピレンに由来する構造単位の質量割合が50質量%以上95質量%以下であって、エチレンおよび炭素原子数4~12のオレフィンからなる群から選択される少なくとも1種のオレフィンに由来する構造単位の質量割合が5質量%以上50質量%以下である重合体であり、
    前記ポリオレフィンを含む粒子のCXS成分の含有量が5質量%以上である、請求項14に記載の貯蔵方法。
  16. 前記プロピレン系重合体が、プロピレンに由来する構造単位の質量割合が50質量%以上80質量%以下であって、エチレンおよび炭素原子数4~12のオレフィンからなる群から選択される少なくとも1種のオレフィンに由来する構造単位の質量割合が20質量%以上50質量%以下である重合体であり、
    前記ポリオレフィンを含む粒子のCXS成分の含有量が15質量%以上である、請求項15に記載の貯蔵方法。
  17. 前記プロピレン系重合体が、プロピレンに由来する構造単位の質量割合が50質量%以上95質量%以下であって、エチレンおよび炭素原子数4~12のα-オレフィンからなる群から選択される少なくとも1種のオレフィンに由来する構造単位の質量割合が5質量%以上50質量%以下である重合体であり、
    前記ポリオレフィンを含む粒子のCXS成分の含有量が5質量%以上である、請求項14に記載の貯蔵方法。
  18. 前記プロピレン系重合体が、プロピレンに由来する構造単位の質量割合が50質量%以上80質量%以下であって、エチレンおよび炭素原子数4~12のα-オレフィンからなる群から選択される少なくとも1種のオレフィンに由来する構造単位の質量割合が20質量%以上50質量%以下である重合体であり、
    前記ポリオレフィンを含む粒子のCXS成分の含有量が15質量%以上である、請求項17に記載の貯蔵方法。
  19. 前記貯蔵容器内のポリオレフィンを含む粒子の前記温度が、0℃以上160℃以下である、請求項13~18のいずれか1項に記載の貯蔵方法。
  20. 前記貯蔵容器内における前記ポリオレフィンを含む粒子の滞留時間が1時間以上48時間以下である、請求項13~18のいずれか1項に記載の貯蔵方法。
  21. 前記貯蔵容器における前記傾斜角度が30°以上である、請求項13~18のいずれか1項に記載の貯蔵方法。
  22. 前記ポリオレフィンを含む粒子の中位径が500μm以上10000μm以下である、請求項13~18のいずれか1項に記載の貯蔵方法。
  23. 請求項13~18のいずれか1項に記載の貯蔵方法により、前記ポリオレフィンを含む粒子を貯蔵させる工程を含む、ポリオレフィンを含む粒子の製造方法。
  24. 請求項13~18のいずれか1項に記載の貯蔵方法により、前記ポリオレフィンを含む粒子を貯蔵させる工程を含む、ポリオレフィン系樹脂組成物の製造方法。
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