JP2023034994A - 情報杭及び情報杭の管理方法 - Google Patents

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Figure 2023034994000001
【課題】
手間をかけることなく、ICタグに情報を書き込む又はICタグから情報を読み出すことができる情報杭を提供する。
【解決手段】
地面に立設又は地中に埋設される杭部材10と、杭部材10の頭部に収容されたICタグ20とを備え、杭部材10の頭部における所定位置にICタグ読み書き用端末40を近づけることで、ICタグ20から情報を読み取る又はICタグ20に情報を書き込むことができるようにした情報杭1において、ICタグ20の近傍に誘導用磁性部材30を設けた。この誘導用磁性部材30は、ICタグ読み書き用端末40に設けられたマグネット41の磁力によって、ICタグ読み書き用端末40を前記所定位置まで誘導するためのものとなっている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、ICタグを備える情報杭と、その情報杭の管理方法とに関する。
杭は、地面に打ち込まれ、例えば土地の境界を示す印として利用される。このような杭が地震などで移動してしまうと、土地の境界が不明確となり、その土地の所有を巡るトラブルが起こりうる。また、杭は測量時の基準点を示す印としても利用されるところ、杭が移動してしまうと正確に測量が行えなくなる。このため、杭が移動していないかや、移動している場合にはその移動方向や移動量がどの程度なのかを正確に把握することが好ましい。
この点、これまでには、ICタグを備え、そのICタグに各種情報を記憶させることができるようにした杭(例えば特許文献1を参照。)が提案されている。この種の杭は、「情報杭」と呼ばれている。特許文献1の情報杭は、杭本体(同文献の図2における符号10)に収納部(同図における符号14)が設けられており、この収納部にICタグ(同図における符号40)が収納された構造となっている。特許文献1には、その杭固有のID(個々のICタグに割り当てられた固有の識別番号)やその打ち込み位置等をICタグに記憶させることも記載されている。
特開2011-180960号公報
ところで、情報杭におけるICタグへの情報の書き込みや、そのICタグからの情報の読み出しは、ICタグ読み書き用端末をICタグに近づけることで行われる。しかし、ICタグは、情報杭に内蔵されているため、情報杭の外観からは、ICタグの配置場所が分からなくなっていることが多い。特許文献1の情報杭においても、ICタグが収納される収納部がキャップ(同文献の図1における符号20)で覆われて見えない状態となっている。このため、ICタグに情報を書き込んだりICタグから情報を読み出したりする際には、情報杭におけるそれらしい箇所にICタグ読み書き用端末を近づけて、実際に情報の書き込み又は読み出しが行われるかを何度も試してみる必要があった。したがって、情報の書き込み又は読み出しに多大な手間を要していた。
本発明は、上記課題を解決するために為されたものであり、手間をかけることなく、ICタグに情報を書き込む又はICタグから情報を読み出すことができる情報杭を提供するものである。また、このような情報杭の管理方法を提供することも本発明の目的である。
上記課題は、
地面に立設又は地中に埋設される杭部材と、
杭部材の頭部に収容されたICタグと
を備え、
杭部材の頭部における所定位置にICタグ読み書き用端末を近づけることで、ICタグから情報を読み取る又はICタグに情報を書き込むことができるようにした情報杭であって、
ICタグ読み書き用端末に設けられたマグネットの磁力により、ICタグ読み書き用端末を前記所定位置まで誘導する誘導用磁性部材がICタグの近傍に設けられた
ことを特徴とする情報杭
を提供することによって解決される。
ここで、「ICタグ」とは、RFID(Radiо Frequency Identificatiоn)技術を用いた電子タグのことをいう。ICタグには、情報を書き込むためのメモリ(タグ側メモリ)や所定の制御を行う制御回路(タグ側制御回路)等が実装されたICチップと、タグ側メモリに記憶された情報を外部に送信、又は、タグ側メモリに記憶する情報を外部から受信するためのアンテナ(タグ側アンテナ)とが設けられている。ICタグは、アクティブ型とパッシブ型とに分類される。「アクティブ型のICタグ」とは、電池を内蔵しており、そのメモリ(タグ側メモリ)に記憶された情報を外部機器(クラウドサーバやICタグ読み書き用端末等)に対して自発的に発信できるICタグをいう。一方、「パッシブ型のICタグ」とは、電池を内蔵しておらず、タグ側メモリに記憶された情報を外部機器に対して自発的に送信できないICタグをいう。パッシブ型のICタグは、ICタグ読み書き用端末から出力される電磁波により電力供給を受けて起動し、所定の処理(タグ側メモリに記憶された情報の読み取りや書き換え等)を行う。
また、「ICタグ読み書き用端末」とは、タグ側メモリに記憶された情報を非接触で読み取る、又は、タグ側メモリに情報を非接触で書き込むための手段を備えた端末のことをいう。ICタグ読み書き用端末には、タグ側アンテナから送信された情報を受信、又は、タグ側アンテナに情報を送信するためのアンテナ(端末側アンテナ)と、信号を生成する発振回路や情報を記憶するためのメモリ(端末側メモリ)等を有する制御回路とが設けられている。この種のアンテナや制御回路は、スマートフォンやタブレット型コンピュータ等のモバイル端末にも設けられていることが多い。このため、このようなモバイル端末も、ICタグ読み書き用端末として機能し得る。これらのモバイル端末には、カードケース等のアクセサリを磁着するためのマグネットが内蔵された機種も登場している。
本発明の情報杭では、その頭部に設けた誘導用磁性部材でICタグ読み書き用端末のマグネットを引き付ける(そのマグネットの磁力により引き付ける)ことによって、ICタグ読み書き用端末を杭部材の頭部における所定位置(ICタグの情報を読み出す又はICタグに情報を書き込むのに適切な位置)まで誘導することができる。したがって、情報杭のICタグに情報を書き込む又はICタグから情報を読み出す際の手間を軽減することができる。
本発明の情報杭において、杭部材の構造は特に限定されないが、杭部材を、杭本体と、杭本体の頭部に被せられたキャップとを備えたものとし、杭本体にICタグを収容することが好ましい。これにより、ICタグをキャップで保護しながらも、ICタグの破損時等には、キャップを外してICタグを容易に交換することができる。
本発明の情報杭において、杭部材を杭本体とキャップとで構成する場合には、誘導用磁性部材をキャップの裏面(天井面)に固定することが好ましい。これにより、ICタグ読み書き用端末を杭部材の頭部に近づけていく際に、ICタグ読み書き用端末を強力に誘導することができる。この点、誘導用磁性部材を杭本体の最上部(上面)に固定しても、キャップ裏面に近い箇所に誘導用性部材を配することができる。しかし、この場合には、誘導用磁性部材上面とキャップ裏面との間に隙間(クリアランス)が生じ、この隙間の分、誘導用磁性部材とICタグ読み書き用端末との距離が遠くなる。磁力は距離の2乗に反比例して小さくなるため、そのような小さな隙間でも誘導用磁性部材とICタグ読み書き用端末との間に作用する磁力(ICタグ読み書き用端末を誘導する力)は十分小さくなる。このため、誘導用磁性部材30は、杭本体側(その上面)に設けるよりも、キャップ側(その裏面)に設けたほうが、ICタグ読み書き用端末をより強力に誘導することができる。
ところで、上述したように、ICタグ読み書き用端末として、モバイル端末を好適に利用することができる。近年のモバイル端末(特にスマートフォン)には、アクセサリ磁着用のマグネットがリング状とされたものがある。このようなモバイル端末をICタグ読み書き用端末として利用した場合には、そのマグネットの形状に合わせて、誘導用磁性部材を回転対称に配置することが好ましい。これにより、ICタグ読み書き用端末を所定位置まで確実に誘導することができる。
本発明の情報杭においては、誘導用磁性部材を、環状とすることが特に好ましい。誘導用磁性部材が回転対称で連続的(無限対称)な形態とされていることで、ICタグ読み書き用端末を所定位置までより正確に誘導することができる。
以上のように、本発明によって、手間をかけることなく、ICタグに情報を書き込む又はICタグから情報を読み出すことができる情報杭を提供することが可能となる。また、このような情報杭の管理方法を提供することも本発明の目的である。
本発明の情報杭の使用状況を示した斜視図である。 本発明の情報杭の分解斜視図である。 本発明の情報杭の頭部付近における拡大断面図である。 本発明の情報杭における誘導用磁性部材の形態及び構造の例を示した図である。 本発明の情報杭の他の例を示した拡大断面図である。
本発明の情報杭について、図面を用いてより具体的に説明する。しかし、以下で述べる構成は、飽くまで好適な実施形態であり、本発明の情報杭の技術的範囲は、以下で述べる構成に限定されない。本発明の情報杭には、発明の趣旨を損なわない範囲で適宜変更を施すことができる。
1.情報杭の使用方法
図1は、本発明の情報杭1の使用状況を示した斜視図である。情報杭1は、地面に打ち込まれ、土地の境界を示す印、測量時の基準点を示す印等として利用される。本実施形態では、情報杭1の下端部を地中に打ち込み、情報杭1の上側の大部分が地面上に露出した状態とされる。ただし、情報杭1は、その上面のみが地面から露出した状態(情報杭1の大部分が地中に埋設した状態)で使用してもよい。
情報杭1には、情報杭1に関連する各種情報(杭関連情報)を記憶させておくことができる。杭関連情報は、情報杭1の頭部に設けられたICタグ20に記憶される。このICタグ20には、情報を書き込むためのメモリ(タグ側メモリ)や所定の制御を行う制御回路(タグ側制御回路)等が実装されたICチップと、タグ側メモリに記憶された情報を外部に送信、又は、タグ側メモリに記憶する情報を外部から受信するためのアンテナ(タグ側アンテナ)とが設けられている。
ICタグ20への情報の書き込み又はICタグ20からの情報の読み取りは、ICタグ読み書き用端末40をICタグ20に近づけることで行う。ICタグ読み書き用端末40は、端末側アンテナ42を備えている。端末側アンテナ42は、上記のタグ側アンテナから送信された情報を受信、又は、タグ側アンテナに情報を送信するためのものである。この端末側アンテナ42には、信号を生成する発振回路や情報を記憶するためのメモリ(端末側メモリ)等を有する制御回路が接続される。これら端末側アンテナ42等によってICタグ20に対する情報の読み書きが非接触(ワイヤレス)で行われる。
情報杭1は、誘導用磁性部材30を備えており、ICタグ読み書き用端末40は、マグネット41を備えている。誘導用磁性部材30とマグネット41との間には、相互に引き付け合う磁力が作用する。この磁力の作用によって、端末側アンテナ42を情報杭1の頭部に近づけていくと、ICタグ20に対する情報の読み書きが可能な位置に、ICタグ読み書き用端末40が誘導される。これによって、ICタグ読み書き用端末40の位置を変えて情報の読み書きを何度も試さなくても、ICタグ20に対する情報の読み書きを1度で確実に行うことができる。
上記の杭関連情報としては、情報杭1に割り当てられた固有のIDや、情報杭1の位置情報や、情報杭1の設置日時(打ち込み日時)や、情報杭1の設置場所や、管理者に関する情報等が例示される。また、情報杭1を観光地に設置する場合には、その観光地に関連する情報(観光案内等)を杭関連情報としてICタグ20に記憶させることもできる。このように、情報杭1の設置場所に関連する情報をICタグ20に記憶させることで、情報杭1にアクセスした人にその設置場所についての情報を提供することができる。
このうち、情報杭1の位置情報は、GPS(Global Positioning System)等の座標特定手段を用いて測定される。GPS発信器(測位センサ)は、情報杭1に設けてもよいが、この場合には、情報杭1が高価になるだけでなく、GPS発信器を設けるスペースを情報杭1に確保する必要がある。このため、ICタグ読み書き用端末40のGPS発信器を流用することが好ましい。具体的には、ICタグ読み書き用端末40のGPS発信器の座標(緯度及び経度)を、情報杭1の位置情報としてICタグ20に記憶させる。これにより、情報杭1にGPS発信器を設けることなく、情報杭1の位置を把握することが可能になる。このように情報杭1の位置情報を把握することで、情報杭1が移動していないかや、移動している場合にはその移動方向や移動量がどの程度なのかを把握することができる。
ICタグ読み書き用端末40は、その情報杭1に専用の端末としてもよいが、汎用の端末とすることが好ましい。既に述べたように、マグネット41及び端末側アンテナ42等を備えていれば、一般に流通しているスマートフォン等の汎用端末でもICタグ読み書き用端末40として利用することができる。また、近年では、リング状のマグネット41を備えたスマートフォンが販売されている。この種のスマートフォンでは、そのマグネット41の中心付近に端末側アンテナ42が配置されている。本実施形態でも、このようなスマートフォンをICタグ読み書き用端末40として用いることを想定している。
また、スマートフォンは、インターネットに接続できる機能を有している。このようなスマートフォンを用いれば、それを情報杭1に近づけて杭関連情報を読み取った際に、インターネットを通じてその杭関連情報をインターネット上のサーバ(クラウドサーバ等)に送信することができる。逆に、サーバに記憶された杭関連情報を、スマートフォンを介して情報杭1のICタグ20に書き込むこともできる。
以下、情報杭1の構造についてより詳しく説明する。
2.情報杭の構造
図2は、情報杭1の分解状態を示した斜視図である。図2に示すように、情報杭1は、杭部材10と、ICタグ20と、誘導用磁性部材30とを備えている。
本実施形態において、杭部材10は、杭本体11と、杭本体11の頭部に被せられるキャップ12とで構成される。杭部材10は、マグネット41(図1)が生じる磁場(磁界)を完全に遮蔽しない材料で形成することが好ましい。磁場(磁界)を遮蔽しない材料としては、プラスチックや、木材等が例示される。また、アルミニウム等の一部の金属も磁場(磁界)を遮蔽しにくい。本実施形態では、杭部材10の材料に、プラスチックを採用している。
杭部材10の形態は、棒状であれば特に限定されず、情報杭1の用途等に応じて適宜決定することができる。ただし、地面に打ち込みやすくするために、杭部材10の下端(先端)を先細り状(テーパー状)とすることが好ましい。本実施形態では、杭部材10の下端(先端)付近を四角推状とし、杭部材10の上端(基端)付近を四角柱状としている。
杭部材10のサイズも、用途等に応じて適宜決定することができるが、通常、杭部材10の長さは、30cm~100cmの範囲とされ、杭部材10の上端側断面積(基端側断面積)は、25cm(例えば5cm角)~400cm(例えば20cm角)の範囲とされる。
ICタグ20は、杭関連情報を記憶するためのものである。このICタグ20は、杭本体11又はキャップ12のどちらかに設けられる。ただし、キャップ12にICタグ20を設けることは、スペース的に難しい。このため、ICタグ20は、通常、杭本体11に設けられる。杭本体11にICタグ20を設ける場合には、杭本体11における上面付近にICタグ20を配することが好ましい。本実施形態では、杭本体11の上面に窪み11aを設けており、その窪み11aにICタグ20を収容している。
既に述べたように、ICタグ20としては、パッシブ型のものとアクティブ型のものとがあるところ、本実施形態では、パッシブ型のものを採用している。パッシブ型のICタグ20は、駆動のための電池を必要とせず、故障等がなければ半永久的に使用することができる。また、構造が簡素で小型化しやすいため、比較的狭いスペースに設置することが可能である。ただし、パッシブ型のICタグ20は、電池を備えたアクティブ型のものよりも通信距離が短い。このため、ICタグ20に対して情報の読み書きができるICタグ読み書き用端末40の位置がよりシビアである。したがって、ICタグ20としてパッシブ型のものを用いた方が、上記の誘導用磁性部材30を設けることにより得られる利益がより大きくなる。
誘導用磁性部材30は、ICタグ読み書き用端末40を磁力(マグネット41が生ずる磁力)により引き付けて、所定位置(ICタグ20に対する情報の読み書きに最適な位置)まで誘導するためのものである。この誘導用磁性部材30も、杭本体11又はキャップ12のどちらかに設けられる。ただし、誘導用磁性部材30は、杭部材10のできるだけ上面に近い場所に配置されることが好ましい。というのも、ICタグ読み書き用端末40を杭部材10の頭部に近づけていく際に、ICタグ読み書き用端末40をより強力に所定位置まで誘導することができるからである。このため、誘導用磁性部材30は、通常、キャップ12に設けられる。
さらに言えば、誘導用磁性部材30は、キャップ12の裏面(天井面)に固定されていることが好ましい。誘導用磁性部材30をキャップ12の上面に露出して設けた場合には、誘導用磁性部材30が雨風によって劣化(酸化)しやすくなる。また、誘導用磁性部材30をキャップ12に埋め込んで形成した場合には、キャップ12の作製工程が複雑になる。誘導用磁性部材30をキャップ12の裏面に固定した場合には、誘導用磁性部材の劣化やキャップ作製工程の複雑化を防ぐことができるうえ、ICタグ読み書き用端末40を所定位置までより強力に誘導することができる。このため、本実施形態では、誘導用磁性部材30を、キャップ12裏面に貼り付けている(図3参照)。
誘導用磁性部材30は、マグネットにくっつく材料で形成され、典型的には、金属で形成される。本実施形態において、誘導用磁性部材30の材料は、鉄としている。ただし、鉄の他にも、コバルト、ニッケル等の強磁性体材料(それらを含む合金)で誘導用磁性部材30を形成することができる。あるいは、誘導用磁性部材30は、質量磁化率が3.0×10-6cm/g以上300×10cm/g以下の材料を用いて形成することができる。具体的には、質量磁化率が小さいものだと、マンガン(質量磁化率9.2×10-6cm/g)やクロム(質量磁化率3.5×10-6cm/g)などが例示される。質量磁化率が大きいものだと、上述した鉄(およそ220×10cm/g)が挙げられる。
また、誘導用磁性部材30は、永久磁石で形成することも可能である。永久磁石としては、アルニコ磁石、フェライト磁石、ネオジム磁石などが例示される。誘導用磁性部材30を永久磁石で形成することにより、ICタグ読み書き用端末40(マグネット41)を所定位置までより強力に誘導することができる。
誘導用磁性部材30を永久磁石で形成する場合には、その磁化方向は特に限定されず、マグネット41の磁化方向に応じて適宜決定することができる。具体的には、誘導用磁性部材30は、厚み方向に磁化されていてもよい(例えば上面にS極が現れ、下面にN極が現れるようにしてもよい)し、面方向に磁化されていてもよい(例えば中央部にS極が現れ、周縁部にN極が現れるようにしてもよい)。また、誘導用磁性部材30は、磁化方向が異なる複数の磁石で構成することも可能である。
誘導用磁性部材30に永久磁石を用いた場合、それが生じる磁場(磁界)によって、ICタグ20に記憶された情報が消失してしまうことが懸念される。このような懸念を解消するために、誘導用磁性部材30とICタグ20との間に、磁気シールド部材を設けてもよい。
図3は、杭本体11にキャップ12を被せた状態を示した拡大断面図である。キャップ12裏面に貼り付けられた誘導用磁性部材30は、通常、ICタグ20の上面を覆わずに、ICタグ20を取り囲む形態とされる。こうすることで、ICタグ読み書き用端末40によるICタグ20への情報の書き込み又はICタグ20からの情報の読み取りを、誘導用磁性部材30に妨げられずに行うことができる。誘導用磁性部材30に設けられた開口を、タグ配置孔31と呼ぶこととする。
加えて、誘導用磁性部材30は、通常、ICタグ20を中心に回転対称となる形態とされる。誘導用磁性部材30の形態(回転対称)をマグネット41の形態(リング状)に合わせることで、ICタグ読み書き用端末40を情報杭1の頭部に近づけていく際に、マグネット41の中心が誘導用磁性部材30の中心と一致するように、ICタグ読み書き用端末40が誘導される。これによって、端末側アンテナ42がICタグ20の近傍(ほぼ直上)に配置されるため、ICタグ20に対する情報の読み書きが確実に行われる。
本実施形態においては、図2に示すように、誘導用磁性部材30を、正方形のプレートの中心部を円形にくりぬいた形態としている。ただし、誘導用磁性部材30は、このような形態に限らず、例えば図4(a)~(d)に示した形態とすることができる。
図4(a)~(d)は、誘導用磁性部材30に採用できる形態及び構造を例示した平面図である。例えば、図4(a)に示すように、誘導用磁性部材30を2つの円形部材で構成し、それぞれの円形部材を、ICタグ20を中心として二方に配置する(2回対称)とすることができる。また、図4(b)に示すように、誘導用磁性部材30を8つの矩形部材で構成し、それぞれの矩形部材を、ICタグ20を中心として八方に配置する(8回対称)とすることもできる。また、図4(c)に示すように、誘導用磁性部材30を3つの部分円環状の部材で構成し、それら部材を、ICタグ20を中心として三方に配置する(3回対称)とすることもできる。さらに、図4(d)に示すように、誘導用磁性部材30の形態を、ICタグ20を中心とした円環とすることもできる。
タグ配置孔31の直径が小さすぎると、誘導用磁性部材30がICタグ20を覆ってしまい、ICタグ読み書き用端末40によるICタグ20への情報の書き込み又はICタグ20からの情報の読み取りを妨げるおそれがある。このため、タグ配置孔31の直径は、ICタグ20のサイズよりも大きくすることが好ましく、例えば20mm以上とすることが好ましい。さらに言えば、タグ配置孔31の直径は、30mm以上であることがより好ましく、40mm以上であることがさらに好ましい。
誘導用磁性部材30の縁幅(内縁と外縁との幅)は、リング状のマグネット41の縁幅よりも多少大きい程度が好ましい。ICタグ読み書き用端末40として利用できるスマートフォンにおいては、マグネットの縁幅が10mm程度とされているため、誘導用磁性部材30の縁幅(縁幅が一定でない場合にはその最小値)は、20mm~50mm程度とすることが好ましい。
誘導用磁性部材30の厚みは、特に限定されず、適宜決定することができる。ただし、誘導用磁性部材30が薄すぎると、ICタグ読み書き用端末40を誘導する力が弱くなってしまう。このため、誘導用磁性部材30の厚みは、0.5mm以上とすることが好ましい。さらに言えば、誘導用磁性部材30の厚みは、1mm以上であることがより好ましく、2mm以上であることがさらに好ましい。逆に、誘導用磁性部材30が厚すぎると、所定位置とは異なる位置(具体的にはキャップ12の上面ではなく側面)に、ICタグ読み書き用端末40が誘導されるおそれがある。このため、誘導用磁性部材30の厚みは、20mm以下とすることが好ましい。さらに言えば、誘導用磁性部材30の厚みは、10mm以下であることがより好ましく、5mm以下であることがさらに好ましい。
キャップ12上部の厚み(キャップ12における上面と裏面との間の距離)も、特に限定されない。ただし、キャップ12上部が厚すぎると、キャップ12上面にICタグ読み書き用端末40を載せても、ICタグ20と端末側アンテナ42との間の距離が遠すぎて、ICタグ20に対する情報の読み書きが行われないおそれがある。このため、キャップ12上部は厚すぎないことが好ましく、その厚みは例えば10cm以内とすることが好ましい。さらに言えば、キャップ12上部の厚みは、5cm以内であることがより好ましく、3cm以内であることがさらに好ましい。
3.変形例
図5は、本発明の情報杭の他の例を示した拡大断面図である。図1~4では、パッシブ型のICタグ20を用いたが、図5では、アクティブ型のICタグ50を用いている。なお、図5に示した情報杭の説明で特に言及しない構成については、図1~4に示した情報杭と略同様の構成を採用することができるものとする。
図5に示すように、アクティブ型のICタグ50は、通信部51と、センサ部52と、電源部53とを備えている。通信部51は、ICタグ読み書き用端末やクラウドサーバと通信するための部分である。センサ部52は、種々の検知手段や計測手段で構成された部分である。電源部53は、通信部51やセンサ部52に電力を供給するための部分(つまり電池で構成された部分)である。
アクティブ型のICタグ50は、電源部53を備えているため、センサ部52を駆動し、当該センサ部52の測定値を記憶することを容易に行える。また、センサ部52が備えるセンサの種類に応じて、より多種の杭関連情報を記憶させることができる。例えば、測位センサ(GPS発信器)を設けて情報杭1の座標を記憶したり、傾き・回転センサを設けて情報杭1の傾きや回転を記憶したり、温度・湿度センサを設けてその設置場所の温度や湿度を記憶したりすることができる。
また、アクティブ型のICタグ50は、電源部53を備えているため、常時、通信部51を介して杭関連情報を送信又は受信することができる。例えば、センサ部52の測定値を逐次クラウドサーバに送信したり、センサ部52の測定値が所定の閾値を超えた際にそのことをクラウドサーバに通知・警告したりすることが可能である。
アクティブ型のICタグ50は、通信部51に加えて、センサ部52や電源部53を備えているため、パッシブ型のものよりも大型化する傾向がある。本実施形態では、ICタグ50をスティック状(棒状)とし、杭本体11に収容できる形態としている。
アクティブ型のICタグ50は、杭関連情報を自発的に送信又は受信することができるため、ICタグ読み書き用端末を杭部材10の頭部に近づけることによって行う作業の頻度を大幅に減らすことができる。しかし、情報杭1は、通信状況が不安定な環境(例えば森林の奥地等)で使用される場合がある。このような場合には、ICタグ読み書き用端末をICタグ50に近づけることで、ICタグ50に対する情報の読み書きを行う必要がある。このとき、情報杭1に誘導用磁性部材30が備わっていれば、ICタグ50に対する情報の読み書きを、容易にかつ確実に行うことができる。
1 情報杭
10 杭部材
11 杭本体
12 キャップ
20 ICタグ(パッシブ型)
30 誘導用磁性部材
31 タグ配置孔
40 ICタグ読み書き用端末(スマートフォン)
41 マグネット
42 端末側アンテナ
50 ICタグ(アクティブ型)
51 通信部
52 センサ部
53 電源部(電池)

Claims (6)

  1. 地面に立設又は地中に埋設される杭部材と、
    杭部材の頭部に収容されたICタグと
    を備え、
    杭部材の頭部における所定位置にICタグ読み書き用端末を近づけることで、ICタグから情報を読み取る又はICタグに情報を書き込むことができるようにした情報杭であって、
    ICタグ読み書き用端末に設けられたマグネットの磁力により、ICタグ読み書き用端末を前記所定位置まで誘導する誘導用磁性部材がICタグの近傍に設けられた
    ことを特徴とする情報杭。
  2. 杭部材が、杭本体と、杭本体の頭部に被せられたキャップとを備え、
    ICタグが、杭本体に収容され、
    誘導用磁性部材が、キャップの裏面に固定された
    請求項1記載の情報杭。
  3. 誘導用磁性部材が、ICタグを中心として回転対称に配置された請求項2記載の情報杭。
  4. 誘導用磁性部材が、環状を為す請求項3記載の情報杭。
  5. ICタグが、アクティブ型のものとされた請求項1~4いずれか記載の情報杭。
  6. 請求項1~5いずれか記載の情報杭の管理方法であって、
    ICタグ読み書き用端末が保有するICタグ読み書き用端末の座標を、情報杭の座標としてICタグに記憶させることを特徴とする情報杭の管理方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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